以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては、端子名とその端子における電圧、信号などは、同じ符号を用いることがある。また、各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
図1は本発明の実施の形態に係るスイッチング電源装置の制御回路を適用した電流共振コンバータの構成例を示す図、図2は第1の実施の形態に係るスイッチング電源装置の制御回路の構成例を示す図、図3は第1の実施の形態に係るスイッチング周期と入出力電圧比との関係を示す図である。図3において、縦軸は入出力電圧比Vo/Viを表し、横軸はスイッチング周期Tswを表している。
電流共振コンバータは、図1に示したように、交流入力電圧Vinacが印加される入力端子11を有し、この入力端子11は、ブリッジダイオードDS1の交流入力端子に接続されている。ブリッジダイオードDS1の正極端子は、入力コンデンサCinの一方の端子に接続され、ブリッジダイオードDS1の負極端子は、入力コンデンサCinの他方の端子に接続されている。これにより、交流入力電圧Vinacは、ブリッジダイオードDS1によって全波整流され、入力コンデンサCinにより平滑化されて入力電圧Vinが生成される。入力コンデンサCinには、ハーフブリッジ回路を構成する2つのスイッチング素子M1,M2が並列に接続されている。この例では、スイッチング素子M1,M2は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-effect Transistor)を使用しているが、他のタイプのパワー半導体素子を使用してもよい。
スイッチング素子M2は、これと並列に、直列接続されて共振回路を構成する共振インダクタンスLr、励磁インダクタンスLmおよび共振コンデンサCrが接続されている。励磁インダクタンスLmには、トランスT1の一次巻線N1が並列に接続されている。トランスT1は、また、直列接続された二次巻線N21,N22を有し、その両端には、2つのダイオードD1,D2のアノード端子が接続されている。ダイオードD1,D2のカソード端子は、ともに接続され、出力コンデンサCoutの一方の端子と出力端子12の正極端子とに接続されている。二次巻線N21,N22の共通の接続端子であるセンタータップは、出力コンデンサCoutの他方の端子と出力端子12の負極端子とに接続されている。出力端子12は、負荷に接続され、負荷に出力電圧Voを供給する。
出力コンデンサCoutは、また、その両端が直列接続された分圧用の抵抗R1,R2に接続されている。抵抗R1,R2の接続点は、誤差増幅器13の入力端子に接続され、誤差増幅器13の出力端子には、絶縁素子としてのフォトカプラPCの発光ダイオードに接続されている。フォトカプラPCのフォトトランジスタのコレクタ端子は、制御回路(制御IC)14の端子FBに接続され、フォトトランジスタのエミッタ端子は、接地されている。誤差増幅器13は、出力電圧Voを検出し、出力電圧Voと内部の基準電圧との誤差を表す信号を制御回路14の端子FBに帰還させる。制御回路14は、この帰還された信号を基に出力電圧Voが一定になるように制御する。また、本発明では、この帰還された信号は、入力電圧を表す情報としても使用される。
共振回路の励磁インダクタンスLmと共振コンデンサCrとの接続点には、分流コンデンサCxおよび検出抵抗Rxからなる直列回路の一方の端子が接続されている。分流コンデンサCxと検出抵抗Rxとの接続点は、制御回路14の端子ISに接続されている。ここでは、共振回路を流れる共振電流を分流コンデンサCxで分流し、検出抵抗Rxで電圧に変換した信号を制御回路14の端子ISに負荷電流を間接的に表す信号として供給している。
制御回路14は、また、端子VS,LO,HO,VHおよびGNDを有している。端子VSは、ハーフブリッジ回路のハイサイドの基準電位VS(スイッチング素子M1とM2の接続点の電位)が入力されている。端子HOおよび端子LOは、ハイサイドのスイッチング素子M1のゲート端子およびローサイドのスイッチング素子M2のゲート端子にそれぞれ接続され、スイッチング素子M1,M2を駆動する信号が出力される端子である。端子VHは、電源投入から制御回路14がスイッチング制御動作を開始するまでの間に制御回路14に電源が供給される端子である。そのために、入力端子11には、ダイオードD3,D4のアノード端子が接続され、ダイオードD3,D4のカソード端子は、ともに接続されて抵抗R3の一方の端子に接続され、抵抗R3の他方の端子が制御回路14の端子VHに接続されている。これにより、制御回路14の端子VHには、交流入力電圧VinacをダイオードD3,D4で整流した電圧が抵抗R3を介して供給される。端子GNDは、トランスT1の一次側のグランドに接続されている。また、入力コンデンサCinと共振コンデンサCrとスイッチング素子M2との接続点、および分流コンデンサCxおよび検出抵抗Rxからなる直列回路の他端も、トランスT1の一次側のグランドに接続されている。
以上の構成により、電流共振コンバータは、トランスT1の一次側に配置した制御回路14がトランスT1の二次側で検出した誤差電圧に応じてスイッチング素子M1,M2のオン/オフ周期(スイッチング周期)を制御し、出力電圧Voが目標値に整定される。ただ、この制御回路14では、過負荷保護動作に必要な入力電圧の情報を入力電圧から取得するのではなく、入力電圧と相関関係がある信号FBを利用して入力電圧依存性を取り除くことにしている。
制御回路14は、図2に示したように、A/D変換器21、スイッチング周期生成部22、分周器23、クロック生成部24、出力制御部25、ドライバ26、共振電流検出/補正部27および過負荷保護部28を備えている。
A/D変換器21は、端子FBに入力されたアナログの信号FBをデジタルの信号Dnに変換して出力する。この信号Dnは、出力電圧Voが一定になるようにスイッチング素子M1,M2のスイッチング周期を制御するためのスイッチング周期生成部22に供給されている。
信号Dnは、また、共振電流検出/補正部27に供給されている。この共振電流検出/補正部27では、信号Dnは、入力電圧を表す情報として使用される。すなわち、電流共振コンバータは、図3に示したように、入出力電圧比が1となる共振周期Trであるスイッチング周期Tsw1と、入出力電圧比が最大となるスイッチング周期Tsw2との間の使用領域の範囲でスイッチング動作が行われる。この入出力電圧比とスイッチング周期との関係を表すグラフに示されるように、入出力電圧比(Vo/Vi)が高くなるにつれてスイッチング周期が大きく(スイッチング周波数が低く)なるという関係がある。ここで、出力電圧Voは、一定に制御される値なので、入力電圧Viとスイッチング周期とは1対1の関係にある。したがって、スイッチング周期を決める信号Dnは、入力電圧Viの情報を含んでいることになり、共振電流検出/補正部27では、共振電流の検出値を入力電圧Viに応じて補正するための信号として利用する。
スイッチング周期生成部22は、高周波発振器31と、Nビットカウンタ32と、コンパレータ(デジタルコンパレータ)33と、ワンショット回路34とを有し、信号Dnの値に応じた周期のパルス信号を生成する。高周波発振器31は、矩形波で固定周期の信号Toscを生成して出力する。生成された信号Toscは、Nビットカウンタ32に供給されるとともに、分周器23にも供給されている。Nビットカウンタ32の出力端子は、コンパレータ33の非反転入力端子に接続されている。コンパレータ33の反転入力端子は、A/D変換器21の出力端子に接続され、コンパレータ33の出力端子は、Nビットカウンタ32のリセット入力端子Rおよびワンショット回路34の入力端子に接続されている。ワンショット回路34の出力端子は、出力制御部25およびクロック生成部24の入力端子に接続され、出力制御部25およびクロック生成部24に信号Tonを供給する。これにより、Nビットカウンタ32は、高周波発振器31で生成された信号Toscをカウントし、その値がA/D変換器21が出力した信号Dnと一致すると、コンパレータ33は、ワンショット回路34をトリガする。このワンショット回路34は、トリガによって信号Tonを出力する。また、コンパレータ33は、ワンショット回路34をトリガするタイミングでNビットカウンタ32のカウント値をリセットする。
分周器23は、高周波発振器31からの信号Toscを受け、分周した信号Tosc1を出力する。分周器23の出力端子は、クロック生成部24に接続され、分周器23は、クロック生成部24に信号Tosc1を供給する。
クロック生成部24は、スイッチング周期生成部22および分周器23の出力端子の他に、出力制御部25のローサイド用出力端子および端子VSに接続されている。クロック生成部24に対し、出力制御部25からは信号looutが供給され、端子VSからはハイサイドの基準電位VSが供給される。クロック生成部24は、A/D変換器21および共振電流検出/補正部27で使用されるクロック信号clk1−clk8、信号swloadおよび信号swload_trを生成する。
出力制御部25は、スイッチング周期生成部22および過負荷保護部28の出力端子に接続されている。出力制御部25は、スイッチング周期生成部22から信号Tonを受けてハイサイド用のスイッチング素子M1を駆動する信号hioutおよびローサイド用のスイッチング素子M2を駆動する信号looutを出力する。このとき、信号hioutおよび信号looutには、スイッチング素子M1,M2が同時にオンしないようにするデッドタイムが設定されている。すなわち、出力制御部25は、スイッチング周期生成部22からの信号Tonが入力されたタイミングで、端子HO,LOから出力される信号のうちハイ(H)レベルとなっている信号をロー(L)レベルにする。これとともに、出力制御部25は、内蔵のデッドタイムを決める回路により定められるデッドタイムが経過したタイミングで、端子HO,LOから出力される信号のうち前回Lレベルとなっていた信号をHレベルにする。出力制御部25は、また、過負荷保護部28から過負荷状態を表す信号Flagolpを受けたとき、信号hioutおよび信号looutの出力を停止する機能を有している。
ドライバ26は、出力制御部25が出力した信号hioutおよび信号looutを受けて、スイッチング素子M1,M2を駆動するゲート信号を生成し、生成したゲート信号を制御回路14の端子HOおよび端子LOにそれぞれ供給する。
共振電流検出/補正部27は、積分器41と、A/D変換器42と、平均化演算部43と、補正演算部44とを有している。積分器41は、入力端子に制御回路14の端子ISが接続され、一次側で検出した共振電流の信号ISが供給される。積分器41は、クロック生成部24から信号swloadが供給されていて、信号swloadによって定められた期間だけ信号ISを積分する。積分器41の出力端子は、A/D変換器42の入力端子に接続され、積分器41によって積分された信号VisiをA/D変換器42に供給する。A/D変換器42は、クロック生成部24から受けた信号swload_trをトリガにして信号Visiを取り込み、信号Visiをデジタルの信号Disiに変換する。A/D変換器42の出力端子は、平均化演算部43の入力端子に接続されている。平均化演算部43は、A/D変換器21から信号Dnを受け、クロック生成部24からクロック信号clk1を受けており、クロック信号clk1のタイミングでDisi/Dnという除算処理が開始される。これにより、平均化演算部43は、検出した共振電流の平均化された信号Disaveを負荷電流推定値として出力する。平均化演算部43の出力端子は、補正演算部44の入力端子に接続されている。補正演算部44は、A/D変換器21から信号Dnを受け、クロック生成部24からクロック信号clk8を受けていて、クロック信号clk8のタイミングで信号Dnによる信号Disaveの補正処理が終了される。これにより、平均化演算部43および補正演算部44において、1/2スイッチング周期の期間内に演算が実行され、補正演算部44からは、入力電圧に応じた負荷電流推定値を表す信号Disが出力される。補正演算部44によって出力された信号Disは、過負荷保護部28に供給される。
過負荷保護部28は、コンパレータ51と過負荷設定部52とを有する。コンパレータ51は、その非反転入力端子に補正演算部44からの信号Disを受け、反転入力端子には過負荷設定部52から過負荷設定信号Dolpを受けている。コンパレータ51は、負荷電流が正常範囲のときには、Lレベルの信号Flagolpを出力し、負荷電流が増加し、信号Disが過負荷設定信号Dolpを超えるような過負荷状態になると、Hレベルの信号Flagolpを出力する。コンパレータ51がHレベルの信号Flagolpを出力すると、出力制御部25は、ドライバ26への信号hioutおよびlooutの供給を停止し、電流共振コンバータのスイッチング動作を停止する。
次に、クロック生成部24と共振電流検出/補正部27の積分器41との具体例について説明する。
図4はクロック生成部の構成例を示す回路図、図5はクロック生成部の要部の動作波形を示すタイミングチャートである。
クロック生成部24は、図4に示したように、ハイサイドの基準電位VSを受ける端子VSに直列接続の抵抗R4,R5が接続されている。抵抗R4,R5の接続点は、インバータ回路61の入力端子に接続され、インバータ回路61の出力端子は、インバータ回路62の入力端子に接続されている。インバータ回路62の出力端子は、端子swloadと、インバータ回路63の入力端子と、AND回路65の一方の入力端子に接続されている。インバータ回路63の出力端子は、遅延回路64の入力端子に接続され、遅延回路64の出力端子は、AND回路65の他方の入力端子に接続され、AND回路65の出力端子は、端子swload_trに接続されている。
端子VSに受けた基準電位VSは、抵抗R4,R5によって分圧され、インバータ回路61,62により波形整形される。この波形整形された信号は、端子swloadに送られ、信号swloadとして出力される。すなわち、この信号swloadは、ハイサイドのスイッチング素子M1がオン(図5では、ローサイドの信号looutがLレベル)となったときの基準電位VSからハイサイドオン期間およびデッドタイム期間を考慮して生成される。また、この信号swloadからは、その立ち上がりのタイミングで立ち上がり、遅延回路64によって定まる遅延時間後に立ち下がるような信号swload_trが生成され、端子swload_trに送られる。
クロック生成部24は、また、Dフリップフロップ66と、カウンタ67と、選択回路68とを有している。端子Tosc1は、カウンタ67の入力端子に接続され、端子looutは、Dフリップフロップ66のデータ入力端子に接続され、端子Tonは、Dフリップフロップ66のクロック入力端子に接続されている。Dフリップフロップ66の出力端子は、カウンタ67のイネーブル入力端子ENに接続されている。カウンタ67の出力端子は、選択回路68の入力端子に接続され、選択回路68の出力は、端子clk1−clk8に接続されている。
Dフリップフロップ66は、スイッチング周期生成部22で生成された信号TonがHレベルになったときに信号looutを読み込む。このとき、信号looutは、Hレベルなので、Dフリップフロップ66は、Hレベルの信号en_clkをカウンタ67のイネーブル入力端子ENに供給する。信号en_clkは、半周期後に次の信号TonがHレベルになるときに信号looutのLレベルを読み込むことでLレベルになる。この信号en_clkがHレベルの期間、カウンタ67は、分周器23の信号Tosc1をカウントし、信号cntを出力する。信号en_clkがLレベルのとき、カウンタ67は、カウントがリセットされる。信号cntは、選択回路68に入力され、選択回路68は、カウント値に応じた出力にHレベルの信号を出力する。たとえば、図5に示したように、カウント値が「1」のとき、選択回路68は、端子clk1にHレベルのクロック信号clk1を出力する。カウント値が「8」のとき、選択回路68は、端子clk8にHレベルのクロック信号clk8を出力する。
なお、この実施の形態では、カウンタ67は、カウント値が「9」で停止するようになっているが、これは、想定している平均化演算部43および補正演算部44での演算では、8つのクロック信号clk1−clk8があれば充分であることによる。また、カウントを停止しないで継続した場合に、カウンタ67がオーバフローし、カウント値が途中でゼロに戻ってしまうことを回避するためでもある。
図6は積分器の構成例を示す回路図、図7は積分器の要部の動作波形を示すタイミングチャートである。
積分器41は、抵抗R6,R7と、スイッチ71,72,73と、インバータ回路74と、ボルテージフォロア75,76と、オペアンプ77、抵抗RsおよびコンデンサCfを含む積分回路と、遅延回路78と、AND回路79とを有している。
端子ISは、抵抗R6の一方の端子に接続され、抵抗R6の他方の端子は、抵抗R7の一方の端子に接続され、抵抗R7の他方の端子は、電源VDDに接続されている。ここで、抵抗R6,R7および電源VDDはレベルシフト回路を構成している。共振電流の波形は、プラス・マイナスに振れるので、このレベルシフト回路により−VDD〜+VDDの範囲を0〜+VDDの範囲にレベルシフトする。本実施の形態では、共振電流の波形が−VDD〜0の範囲のものを検出するので、抵抗R6,R7の値を等しく設定することで、レベルシフト後の信号の範囲は、0〜+VDD/2となる。このため、レベルシフト後の電圧は、VDD/2から離れているほど共振電流の波形の振幅が大きいことになる。
抵抗R6,R7の接続点は、スイッチ71の一方の端子に接続され、スイッチ71の他方の端子は、ボルテージフォロア75の入力端子に接続されている。ボルテージフォロア75の入力端子は、また、スイッチ72の一方の端子に接続され、スイッチ72の他方の端子は、電圧VDD/2が印加される端子に接続されている。スイッチ71,72は、制御端子への入力信号がHレベルのときに閉じ(導通し)、Lレベルのときに開く(遮断する)。
端子swloadは、インバータ回路74の入力端子およびスイッチ72の制御端子に接続され、インバータ回路74の出力端子は、スイッチ71の制御端子に接続されている。これにより、信号swloadがLレベルの期間、レベルシフトされた信号ISがボルテージフォロア75に供給され、信号swloadがHレベルの期間では、電圧VDD/2がボルテージフォロア75に供給される。
ボルテージフォロア75の出力端子は、積分回路の抵抗Rsの一方の端子に接続され、抵抗Rsの他方の端子は、オペアンプ77の反転入力端子とコンデンサCfの一方の端子と制御端子への入力信号がHレベルのときに開くスイッチ73の一方の端子とに接続されている。コンデンサCfの他方の端子およびスイッチ73の他方の端子は、オペアンプ77の出力端子に接続されている。オペアンプ77の非反転入力端子は、ボルテージフォロア76の出力端子に接続され、ボルテージフォロア76の入力端子には、電圧VDD/2が供給されている。これにより、スイッチ73が開いているとき、オペアンプ77は、その反転入力端子の電圧が仮想短絡によりVDD/2となり、信号Visi=VDD/2+(Cfの両端電圧)を出力する。スイッチ73が閉じているときには、コンデンサCfの両端が短絡されることによりコンデンサCfに累積された電荷が放電されてリセットされ、オペアンプ77は、ボルテージフォロアとして機能し、信号Visi=VDD/2を出力する。
スイッチ73の開閉制御は、遅延回路78およびAND回路79により行われる。遅延回路78の入力端子およびAND回路79の一方の入力端子は、端子swloadに接続され、遅延回路78の出力端子は、AND回路79の他方の入力端子に接続され、AND回路79の出力端子は、スイッチ73の制御入力端子に接続されている。信号swloadがLレベルの期間、図7に示したように、AND回路79は、Lレベルの信号swload_dlyを出力する。信号swloadがHレベルになると、AND回路79は、遅延回路78によって定められる遅延時間だけ遅れてHレベルになる信号swload_dlyを出力する。図7において、信号swloadがLレベルの期間は、積分回路が共振電流に相当するマイナスの信号ISを積分する積分期間であり、この後に続く期間Tadinが、積分結果の信号VisiをA/D変換器42が取り込む期間となる。そして、信号swload_dlyがHレベルとなる期間は、スイッチ73が閉じていることにより、積分器41が出力する信号Visiは、Visi=VDD/2になる。期間Tadinにおいては、信号swload_dlyがHレベルでスイッチ73によるコンデンサCfの電荷の放電は行われない。一方、スイッチ71が開き、スイッチ72が閉じているため、抵抗Rsの両端の電位がいずれもVDD/2と等しくなっているので、コンデンサCfの充放電電流は流れない。このため、オペアンプ77の出力電圧は一定値を保つ。
この積分器41の信号Visiは、ボルテージフォロア81を介してA/D変換器42に入力される。A/D変換器42は、信号Visiを入力する端子In、量子化のときに必要な電圧VREFを入力する端子VH、A/D変換を開始するときに信号swload_trを受ける端子Startおよびデジタル化された信号Disiを出力する端子Outを有している。A/D変換器42は、クロック生成部24から信号swload_trを受けて信号VisiのA/D変換を開始する。デジタル化された信号Disiは、平均化演算部43に送られて平均化され、補正演算部44にて平均化演算部43の出力である検出された共振電流の補正が行われる。
以上のようにして、このスイッチング電源装置の制御回路14では、二次側で検出した誤差電圧の信号FBに応じてスイッチング素子M1,M2のスイッチング周期を制御することで出力電圧Voを目標値に整定している。負荷電流については、一次側で検出した共振電流の平均値を基に推定している。ここで、制御回路14が制御するスイッチング周期は、入力電圧、負荷電流が変化しても出力電圧が一定となるように変化される。一方、過負荷保護部28において過負荷検出のための負荷電流を設定する場合は、出力電圧に加え、最大負荷電流も一定に設定される。このとき、上述のように、スイッチング周期と入力電圧とは負の相関があるので、スイッチング周期を決める信号FBは、入力電圧に相当する情報を含んでいることになり、この信号により入力電圧に応じた負荷電流推定値の補正を行っている。次に、負荷電流推定値の補正について詳細に説明する。
図8は理想条件における一次側共振電流と二次側の負荷電流との関係を説明する電流共振回路図であり、図9は電流共振回路の要部波形を示す図、図10は補正演算部を用いない場合の要部電流波形と負荷電流推定結果を示す図、図11は補正演算部を用いない場合の負荷電流推定誤差のシミュレーション結果を示す図である。図8において、図1に示した要素と同じ構成要素については同じ符号を付して構成上の詳細な説明は省略する。また、図11において、縦軸は負荷電流推定誤差を表し、横軸はスイッチング周期と共振周期との差を表している。
電流共振回路では、図8に示したように、二次側電流Isecは、一次側有効電流Ipとトランス巻数比Nとで決まり、負荷電流Ioutは、二次側電流Isecの平均値となるため、一次側有効電流Ipを検出すれば負荷電流Ioutの推定は可能である。しかし、実際のトランスT1では、一次側有効電流Ipだけを取り出して検出することはできない。そこで、まずは、一次側共振電流Ipriから有効電流の推定を行う。
図9の電流波形において、励磁インダクタンスLmとその両端電圧とで傾きが決まる一次側無効電流Imは、平均値がゼロの三角波波形と仮定すると、スイッチング周期Tswで積分するとゼロとなる。電流共振回路では、デューティ比50%で動作させることから、半周期で積分した場合も以下の式1のようにゼロと仮定できる。
一次側共振電流Ipriは、一次側有効電流Ipと一次側無効電流Imとの合計であることと併せると、一次側共振電流Ipriの半周期の積分結果は、一次側有効電流Ipの半周期の積分値となる。
Ipri=Ip+Im ・・・(2)
二次側電流Isecと半周期の積分により一次側共振電流Ipriから抽出された一次側有効電流Ipとの関係は、トランス巻数比Nより次のように表される。
Isec=N×|Ip| ・・・(4)
負荷電流Ioutは、二次側電流Isecの平均値である。また、図2に示すスイッチング周期生成部22の構成とする場合、スイッチング周期Tsw(スイッチング周期生成部出力Tonの周期の2倍の場合)は、式6で表される。このスイッチング周期Tswは、A/D変換器21の出力の信号Dnに比例するので、一次側共振電流Ipriからの負荷電流推定式は、式7で表すことができる。なお、式中のToscは、高周波発振器31の出力周期であり、既知とすることができる。
Tsw=2×Dn×Tosc ・・・(6)
式7に基づき、図2に示したように、信号ISを積分器41、A/D変換器42、平均化演算部43で処理する構成とすることで、負荷電流Ioutを推定できる。しかし、動作条件によっては、図10のように、一次側無効電流Imの半周期積分値がゼロから大きく外れてしまい、式1の仮定が成り立たない場合があり、このときは電流推定誤差が大きくなってしまう。これは式1が成り立つのは一次側無効電流Imのカーブが線形と見做せる領域に限定されるからで、共振周期から外れてスイッチング周期が長くなるにつれて、この仮定から外れる領域が大きくなることによる。なお、非線形であっても、積分期間が1スイッチング周期であれば、一次側無効電流Imの積分値はゼロなる。
負荷電流推定精度とスイッチング周期との関係について、種々の条件でシミュレーションを行い、スイッチング周期と電流共振回路の共振周期(2π√(Lr×Cr))との差と負荷電流推定誤差の関係を求めた結果、図11のように相関があることが分かる。
図11の負荷電流推定誤差ΔIout[%]は、スイッチング周期Tswと共振周期Trとの差を変数とした関数f(Tsw−Tr)となる。負荷電流の真値をIreal、式7を用いた負荷電流推定値をIestimateとすると、式8,式9のように、負荷電流推定誤差ΔIoutは、補正関数f(Tsw−Tr)で補正することにより、真値が求まることが分かる。
式7の負荷電流推定結果に式8,式9の補正項を加えた負荷電流推定式は、式10のようになる。
ここで、補正関数f(Tsw−Tr)は、電流共振回路の部品定数や動作仕様によって異なるため、シミュレーションなどで導出する必要がある。
図11の特性の場合、二次関数で近似すると、補正関数f(Tsw−Tr)は、たとえば、式11で表すことができる。近似次数については、電流検出の要求精度によって変えてよい。
式11を式10に代入することで、負荷電流推定の精度を向上させることができる。
図2の補正演算部44を式10の補正項の演算(×1/{f(Tsw−Tr)+1})を実行するデジタル演算回路とすることで、高精度の電流推定が実現可能となる。
図12は第2の実施の形態に係るスイッチング電源装置の制御回路に用いられる積分器の構成例を示す図であって、(A)は積分器の構成例を示す回路図、(B)は積分器の積分抵抗回路の構成例を示す図である。この図12において、図6に示した構成要素と同じまたは均等の構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
この第2の実施の形態に係るスイッチング電源装置における制御回路の積分器41aは、第1の実施の形態に係るスイッチング電源装置における制御回路14の積分器41と比較して、積分抵抗を固定値の抵抗Rsから積分抵抗回路91に変更している。この積分抵抗回路91は、図12(B)に示したように、選択回路92と、抵抗R11,R12,R13,R14,R15と、スイッチSW1,SW2,SW3,SW4,SW5とを有している。抵抗R11,R12,R13,R14,R15の一方の端子は、ともに接続されてボルテージフォロア75の出力信号を受ける入力端子93に接続されている。抵抗R11,R12,R13,R14,R15の他方の端子は、それぞれスイッチSW1,SW2,SW3,SW4,SW5の一方の端子に接続されている。スイッチSW1,SW2,SW3,SW4,SW5の他方の端子は、ともに接続されてオペアンプ77の反転入力端子に接続される出力端子94に接続されている。選択回路92は、A/D変換器21が出力する信号Dnを受ける端子95と、クロック生成部24が出力するクロック信号clk6を受ける端子96と、出力端子97,98,99,100,101とを有している。出力端子97,98,99,100,101は、それぞれスイッチSW1,SW2,SW3,SW4,SW5の制御端子に接続されている。
積分抵抗回路91は、端子95が受けたA/D変換器21からの信号Dnに含まれる周期情報に応じて閉じたり開いたりするスイッチSW1,SW2,SW3,SW4,SW5を選択する。すなわち、積分抵抗回路91は、周期情報に応じて積分回路のゲインを変更し、積分器41が出力する信号Visiのレベルを調整する。たとえば、スイッチング周期Tswが長い場合、選択回路92は、抵抗R11,R12,R13,R14,R15から抵抗値の大きな抵抗を選択し、積分回路のゲインを下げる(小さくする)ようにする。これにより、積分器41における積分値の上昇率が下がり、長い期間、積分動作が続いたとしても積分値が電源電圧に達して飽和してしまうことを防止することができる。また、スイッチング周期Tswが短い場合、選択回路92は、抵抗値の小さな抵抗を選択して積分回路のゲインを上げる(大きくする)。これにより、積分器41における積分値の上昇率が上がり、短い期間の積分動作でも、信号Visiのレベルを十分なものにする。スイッチング周期Tswが短いと後続のA/D変換器42に入力される信号のレベルも小さくなることから、高精度のA/D変換器42が必要になるが、積分回路のゲインを上げておくことにより、A/D変換器42に高精度のものを採用しなくてよい。なお、クロック信号clk6は、選択回路92が積分抵抗を選択するタイミングを与えている。
このように、この積分器41aでは、周期情報に応じた積分抵抗の値を選択することによりゲインを変更したので、その変更による影響を、後続の補正演算部44aでの補正演算により相殺することにしている。
図13は第2の実施の形態に係るスイッチング電源装置の制御回路に用いられる補正演算部の構成例を示す図、図14は周期に対するゲイン切り換えを説明する図であって、(A)は周期と積分抵抗値、(B)は周期と補正係数との対応関係を示している。
補正演算部44aは、補正演算回路111と補正係数回路112とを有し、補正係数回路112は、選択回路113とルックアップテーブル114とを有している。ルックアップテーブル114は、積分抵抗回路91の抵抗R11,R12,R13,R14,R15に対応する補正係数Drs1,Drs2,Drs3,Drs4,Drs5を格納し、周期情報に応じた値の補正係数Drsが選択回路113で選択されて出力される。
補正演算回路111は、端子115からクロック信号clk8を受け、端子116から信号Disaveを受け、端子117からA/D変換器21が出力する信号Dnを受け、補正係数回路112から補正係数Drsを受けている。補正演算回路111は、また、端子119に、入力電圧と積分器41aのゲインに応じて補正された負荷電流推定値の信号Disを出力する。
補正演算部44aにおいて、補正係数回路112は、端子118からクロック信号clk6を受けたタイミングで、信号Dnの周期情報から周期に対応する補正係数Drsを選択して補正演算回路111に与える。ここで、積分抵抗回路91が、図14(A)に示したような周期情報と積分抵抗値との関係に従って積分抵抗値を選択した場合、補正係数回路112も、図14(B)に示したような周期情報と補正係数との関係に従って補正係数を選択する。たとえば、積分抵抗回路91が、図12(B)に示したように、抵抗R13を選択した場合、補正係数回路112は、補正係数Drs3を選択する。この積分器41aと補正演算部44aとの関係は、式12で表すことができる。
すなわち、式10では、抵抗Rsは、抵抗値が固定であって定数として扱われていたので、式からは省略されているが、式12では、ゲインを表す変数としてコンデンサCfとともに組み込まれている。式12では、また、ゲインを相殺する変数として補正係数Drsを含んでおり、これが補正係数回路112によって選択された変数である。このようにして負荷電流推定値は、結果的に、式10で示す値と同じになる。
図15は第2の実施の形態に係るスイッチング電源装置の制御回路における要部の動作波形を示すタイミングチャート、図16は積分器の効果を説明する図であって、(A)はスイッチング周期が長い場合、(B)はスイッチング周期が短い場合を示している。
図15のタイミングチャートにおいて、上から、信号hiout、信号loout、ハイサイドの基準電位VS、信号swload、信号swload_tr、信号swload_dly、信号IS、信号Visi、信号Disi、クロック信号clk6、クロック信号clk8、抵抗Rs、補正係数Drsおよび信号Disを示している。また、図16(A)および(B)では、上から、スイッチング周期、積分回路入力、高ゲインの場合の積分回路出力、低ゲインの場合の積分回路出力およびゲイン変更の場合の積分回路出力を示している。
積分器41aは、信号swloadを受けて、信号swloadがLレベルの期間だけ積分動作をする。したがって、積分抵抗回路91の選択回路92による抵抗の切り換えおよび補正係数回路112の選択回路113による補正係数の切り換えは、信号swloadがHレベルで積分器41aが積分動作をしない期間に行われる。図15に示した例では、抵抗および補正係数の切り換えは、信号swload_dlyがHレベルとなる期間に発生するクロック信号clk6を受けたタイミングで行われる。補正演算部44aでは、選択回路113が補正係数Drsの切り換えをした後、クロック信号clk8を受けたタイミングで、補正演算回路111が信号Disaveに対して信号Dnおよび補正係数Drsによる補正演算を行い、負荷電流推定値の信号Disを出力する。
次に、積分器41aの効果について説明するが、まず、積分回路のゲインが第1の実施の形態に係るスイッチング電源装置の制御回路14のように一定である場合について説明する。スイッチング周期が長いときには、図16(A)に示したように、積分回路を低ゲインに設定しても問題ないが、高ゲインに設定していると、積分をする半周期の期間が長い分、積分の途中で飽和してしまう可能性がある。逆に、スイッチング周期が短いときには、図16(B)に示したように、積分回路を高ゲインに設定しても問題ないが、低ゲインに設定していると、積分をする半周期の期間が短い分、積分が早期に終了し、次段に渡す信号のレベルが小さ過ぎる可能性がある。
これに対し、積分器41aでは、スイッチング周期に応じて積分回路のゲインを変更して積分回路の出力信号を正規化している。これにより、積分回路の出力信号は、スイッチング周期への依存性をなくすことができる。そして、積分回路のゲインを変更するに伴い補正演算部44aで積分回路のゲイン変更をキャンセルするような補正をすることで、補正演算部44aは、正しい負荷電流推定値の信号Disを出力することができる。
図17は第3の実施の形態に係るスイッチング電源装置の制御回路に用いられる積分器の構成例を示す図であって、(A)は積分器の構成例を示す回路図、(B)は積分器の積分容量回路の構成例を示す図である。図18は第3の実施の形態に係るスイッチング電源装置の制御回路に用いられる補正演算部の構成例を示す図、図19は周期に対するゲイン切り換えを説明する図であって、(A)は周期と積分容量値、(B)は周期と補正係数との対応関係を示している。なお、図17において、図6に示した構成要素と同じまたは均等の構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
この第3の実施の形態に係るスイッチング電源装置における制御回路の積分器41bは、第1の実施の形態に係るスイッチング電源装置における制御回路14の積分器41と比較して、積分容量を固定値のコンデンサCfから積分容量回路121に変更している。この積分容量回路121は、図17(B)に示したように、選択回路122と、コンデンサC1,C2,C3,C4,C5と、スイッチSW11,SW12,SW13,SW14,SW15とを有している。コンデンサC1,C2,C3,C4,C5の一方の端子は、ともに接続され、入力端子123を介してオペアンプ77の反転入力端子に接続されている。コンデンサC1,C2,C3,C4,C5の他方の端子は、それぞれスイッチSW11,SW12,SW13,SW14,SW15の一方の端子に接続されている。スイッチSW11,SW12,SW13,SW14,SW15の他方の端子は、ともに接続され、出力端子124を介してオペアンプ77の出力端子に接続されている。選択回路122は、A/D変換器21が出力する信号Dnを受ける端子125と、クロック生成部24が出力するクロック信号clk6を受ける端子126と、出力端子127,128,129,130,131とを有している。出力端子127,128,129,130,131は、それぞれスイッチSW11,SW12,SW13,SW14,SW15の制御端子に接続されている。
積分容量回路121は、端子125が受けたA/D変換器21からの信号Dnに含まれる周期情報に応じて閉じたり開いたりするスイッチSW11,SW12,SW13,SW14,SW15を選択する。すなわち、積分容量回路121は、周期情報に応じて積分回路のゲインを変更し、積分器41bが出力する信号Visiのレベルを調整する。たとえば、スイッチング周期Tswが長い場合、選択回路122は、コンデンサC1,C2,C3,C4,C5から容量値の大きなコンデンサを選択し、積分回路のゲインを下げるようにする。また、スイッチング周期Tswが短い場合、選択回路122は、容量値の小さなコンデンサを選択して積分回路のゲインを上げるようにする。なお、クロック信号clk6は、選択回路122が積分容量を選択するタイミングを与えている。
補正演算部44bは、補正演算回路141と補正係数回路142とを有し、補正係数回路142は、選択回路143とルックアップテーブル144とを有している。ルックアップテーブル144は、積分容量回路121のコンデンサC1,C2,C3,C4,C5に対応する補正係数Dcf1,Dcf2,Dcf3,Dcf4,Dcf5を格納し、周期情報に応じた値の補正係数Dcfが選択回路143にて端子148にクロック信号clk6が入力されたタイミングで選択されて出力される。
補正演算回路141は、端子145からクロック信号clk8を受け、端子146から信号Disaveを受け、端子147からA/D変換器21が出力する信号Dnを受け、補正係数回路142から補正係数Dcfを受けている。補正演算回路141は、また、端子149に、入力電圧と積分器41bのゲインに応じて補正された負荷電流推定値の信号Disを出力する。
補正演算部44bにおいて、補正係数回路142は、クロック信号clk6を受けたタイミングで、信号Dnの周期情報から周期に対応する補正係数Dcfを選択して補正演算回路141に与える。ここで、積分容量回路121が、図19(A)に示したような周期情報と積分容量値との関係に従って積分容量値を選択した場合、補正係数回路142も、図19(B)に示したような周期情報と補正係数との関係に従って補正係数を選択する。たとえば、積分容量回路121が、図17(B)に示したように、コンデンサC3を選択した場合、補正係数回路142は、補正係数Dcf3を選択する。
第3の実施の形態に係るスイッチング電源装置の制御回路の動作および効果に関しては、第2の実施の形態に係るスイッチング電源装置の制御回路の動作および効果と同じである。
以上、上記の実施の形態では、入力電圧に相当する信号による補正を、補正演算部44が負荷電流推定値に対して行ったが、負荷電流推定値と比較される過負荷設定部52の設定値に対して行ってもよいことはもちろんである。また、第2および第3の実施の形態では、積分ゲインを決める抵抗RsまたはコンデンサCfを可変にする構成にしたが、抵抗RsおよびコンデンサCfの両方を可変にする構成にしてもよい。さらに、積分抵抗回路91および積分容量回路121は、複数の抵抗およびコンデンサの中から1つを選択する構成にしてあるが、2以上の抵抗およびコンデンサの合成値を得るように選択することもできる。