JP6828234B2 - 検眼情報表示装置、検眼情報表示プログラム - Google Patents

検眼情報表示装置、検眼情報表示プログラム Download PDF

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Description

本開示は、被検眼を検査に関する検眼情報を表示するための検眼情報表示装置、および検眼情報表示プログラムに関する。
従来において、左右一対のレンズユニット内に、種々の光学素子が配置された複数の回転ディスクをそれぞれ設け、この回転ディスクの回転により所望の光学特性の光学素子を検眼窓に切換え配置して、被検眼の屈折力を自覚的に検査する検眼装置が知られている。
この種の検眼装置による矯正屈折力検査は、左右の眼を個別に検査する。検査する方の眼(以下、測定眼という)には検眼窓に配置された光学素子を介して検査視標を観察させる。検査しない方の眼(以下、非測定眼という)には、回転ディスクの一つに設けられた遮蔽板を検眼窓に配置して、検査視標が見えないようにしている。
また、非測定眼側に遮蔽板を配置せずにプラス球面度数を負荷して雲霧をかけた両眼開放下での検査を行う方法も知られている。
特開H10−285470号公報
しかしながら、非測定眼に雲霧を掛けた状態のように、左右眼で異なる矯正下で検眼を行う場合、被検者にどのような見え方で検査視標が見えているのか、検者がイメージしづらかった。
本開示は、従来の問題点に鑑み、被検者の検査視標の見え方を容易にイメージできる検眼情報表示装置、および検眼情報表示プログラムを提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本開示は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 被検眼の検眼情報を表示する検眼情報表示装置であって、両眼で検査視標を見たときの見え方を示す両眼シミュレーション画像を表示手段に表示させる制御手段を備え、前記制御手段は、前記両眼シミュレーション画像の鮮明度を、左右の片眼視力値のうち、高い方の片眼視力値に基づいて設定することを特徴とする。
(2) 被検眼の検眼情報を表示する検眼情報表示装置であって、両眼で検査視標を見たときの見え方を示す両眼シミュレーション画像を表示手段に表示させる制御手段を備え、前記制御手段は、前記被検眼と、前記被検眼に入射する視標光束の結像位置と、が少なくとも描写される眼図を前記表示手段にさらに表示させることを特徴とする。
(3) 被検眼の検眼情報を表示する検眼情報表示装置において実行される検眼情報表示プログラムであって、前記検眼情報表示装置のプロセッサによって実行されることで、両眼で検査視標を見たときの見え方を示す両眼シミュレーション画像を表示手段に表示させる表示ステップ、前記両眼シミュレーション画像の鮮明度を、左右の片眼視力値のうち、高い方の片眼視力値に基づいて設定する設定ステップと、を前記検眼情報表示装置に実行させることを特徴とする。
本実施例の検眼システム全体を示した概略図である。 本実施例の検眼装置を被検者側から見た外観概略図である。 本実施例の検眼装置の水平断面図である。 オートクロスシリンダレンズを説明するための図である。 本実施例の制御系ブロック図である。 本実施例の動作を示すフローチャートである。 雲霧パラメータの設定画面を示す図である。 雲霧量の計算について説明する図である。 点群チャートの見え方について説明する図である。 点群チャートの見え方について説明する図である。 オートクロスシリンダレンズの回転制御について説明する図である。 コントローラの表示画面の一例を示す図である。 雲霧時の視標の見え方について説明する図である。 眼図について説明するための図である。
以下、本開示に係る第1実施形態について簡単に説明する。第1実施形態の検眼装置(例えば、検眼装置100)は、例えば、被検眼を検査する。検眼装置は、例えば、レンズユニット(例えば、レンズユニット110など)と、取得部(例えば、制御部370など)と、制御部(例えば、制御部370など)と、を備えてもよい。レンズユニットは、例えば、左右一対で設けられる。レンズユニットは、例えば、被検者に投影される視標光束の光路中に配置される。レンズユニットは、例えば、視標光束の光学特性を変化させる。レンズユニットは、例えば、検眼窓(例えば、検眼窓160など)を有してもよい。そして、レンズユニットは、検眼窓に複数のレンズを切り換えて配置してもよい。複数のレンズとしては、例えば、球面レンズ、円柱レンズ、補助レンズ等であってもよい。
取得部は、雲霧時の目標視力値を取得する。目標視力値は、例えば、測定しない方の眼(非測定眼という)に雲霧を掛ける際の視力値であってもよく、結果として、非測定眼に対して雲霧を掛けることで非測定眼の視力を制限してもよい。この場合、非測定眼に対して雲霧が掛けられた状態で、測定眼の検査が行われてもよい。取得部は、例えば、検者の操作に応じて操作部(例えば、コントローラ300)から出力される操作信号に基づいて、目標視力値を取得してもよい。
制御部は、例えば、レンズユニットの駆動を制御する。例えば、制御部は、検眼窓に配置されるレンズの切り換え、検眼窓に配置されるレンズの回転等の駆動を制御してもよい。制御部は、例えば、取得部によって取得された目標視力値に基づいて、被検眼を雲霧させるための雲霧量を決定してもよい。これによって、例えば、検者は、所望の視力値で雲霧が掛けられた状態で容易に検査を行える。
なお、取得部は、例えば、被検者の視力値をさらに取得してもよい。被検者の視力値は、例えば、自覚検査によって取得された視力値でもよいし、被検眼の矯正状態に応じて推定された視力値でもよい。また、取得部は、片眼ずつ検査した時の視力値を取得してもよいし、両眼で検査したときの視力値を取得してもよい。この場合、制御部は、取得部によって取得された目標視力値と、被検者の視力値とに基づいて、雲霧量を決定してもよい。
例えば、制御部は、目標視力値に応じた度数と、被検者の視力値に応じた補正値に基づいて、雲霧量を決定してもよい。ここで、補正値は、被検者の視力値のぼやけ具合を換算した度数であってもよい。例えば、補正値は、被検眼が矯正された状態において、被検眼に入射する検査視標の結像位置と、被検眼の網膜の位置とのずれをレンズの度数に換算した値あってもよい。
なお、取得部によって被検者の視力値が取得される場合、制御部は、取得部によって取得された被検者の視力値に応じて、被検眼を雲霧させるための雲霧量を補正してもよい。例えば、制御部は、被検者の視力値に応じて、所定の雲霧量を補正してもよい。
なお、制御部は、記憶部(例えば、記憶部340等)に記憶された検眼プログラムを検眼装置に実行させてもよい。例えば、検眼プログラムは、取得ステップと、決定ステップを含む。取得ステップは、例えば、雲霧時の目標視力値と、被検者の視力値と、を取得するステップである。決定ステップは、例えば、目標視力値と測定視力値とに基づいて、被検眼を雲霧させるための雲霧量を決定するステップである。
なお、第1実施形態の検眼装置は、非測定眼に対してプリズムレンズを配置し、非測定眼の視線を検査視標から外すことによって両眼解放状態での片眼検査を行ってもよい。この場合、取得部は、被検者のプリズム値を取得してもよい。さらに制御部は、取得部によって取得部によって取得された被検者のプリズム値に応じて、被検眼に対して配置するプリズムレンズのプリズム値を決定してもよい。これによって、検眼装置は非測定眼の視線を確実に検査視標から外すことができる。
以下、本開示に係る第2実施形態について簡単に説明する。第2実施形態の検眼装置(例えば、検眼装置100)は、例えば、レンズユニット(例えば、レンズユニット100)と、駆動部(例えば、駆動部150R,150L)と、制御部(例えば、制御部370)等を備える。レンズユニットは、例えば、第1光路と第2光路にそれぞれ配置される。ここで、第1光路は、例えば、被検者の右眼に投影される視標光束の光路であり、第2光路は、被検者の左眼に投影される視標光束の光路である。レンズユニットは、例えば、オートクロスシリンダレンズを少なくとも備えてもよい。この場合、レンズユニットは、少なくともオートクロスシリンダレンズによって視標光束の光学特性を第1光路と第2光路でそれぞれ変化させる。オートクロスシリンダレンズは、例えば、プリズム成分によって被検眼の視界を分離する。例えば、オートクロスシリンダレンズは、1つの検査視標が2つに見えるように被検眼の視界を分離する。
駆動部は、例えば、第1光路と第2光路に配置されるレンズをそれぞれ回転駆動させてもよい。制御部は、例えば、駆動部の駆動を制御する。例えば、制御部は、第1光路と第2光路にそれぞれ配置されたオートクロスシリンダレンズによって分離される検査視標の分離方向が、第1光路と第2光路とで同じ方向となるように駆動部の駆動を制御してもよい。例えば、制御部は、第1光路と第2光路とで、オートクロスシリンダレンズの軸が同じ軸角度になるように、第1光路と第2光路にオートクロスシリンダレンズをそれぞれ配置させてもよい。これによって、測定眼と、雲霧が掛けられた非測定眼とで視標の分離方向が同じとなり、両眼解放下での適正な検査が行える。
なお、駆動部は、第1光路と第2光路に配置されたレンズの回転角度をそれぞれ変更する回転駆動部を備えてもよい。この場合、制御部は、回転駆動手段の駆動を制御することによって、第1光路と第2光路に配置されたオートクロスシリンダレンズの軸角度が第1光路と第2光路とで同じに保たれるように連動して回転させてもよい。例えば、制御部は、回転駆動部によってオートクロスシリンダレンズを回転させる場合、第1光路と第2光路にそれぞれ配置されたオートクロスシリンダレンズの回転方向と回転量を一致させてもよい。
なお、制御部は、回転駆動部によってオートクロスシリンダレンズを回転させる場合、第1光路と第2光路にそれぞれ配置されたオートクロスシリンダレンズの回転速度を一致させてもよい。
なお、制御部のプロセッサは、記憶部(例えば、記憶部340など)に記憶された検眼プログラムを検眼装置に実行させてもよい。検眼プログラムは、例えば、制御ステップを含む。制御ステップは、例えば、レンズユニットによって、被検者の右眼に投影される視標光束の光路である第1光路と、被検者の左眼に投影される視標光束の光路である第2光路と、にそれぞれ配置されたオートクロスシリンダレンズを介して観察される検査視標の分離方向が第1光路と第2光路とで同じ方向となるように、レンズユニットの駆動を制御するステップである。
なお、レンズユニットは、例えば、被検者が覗き込んで検査視標を見るための検眼窓(例えば、検眼窓160)を備えてもよい。この場合、第1光路上の右検眼窓(例えば、右検眼窓160R)と第2光路上の左検眼窓(例えば、左検眼窓160L)に、オートクロスシリンダレンズを含む複数のレンズを切り換え配置してもよい。
なお、オートクロスシリンダレンズのように、検査視標を少なくとも2つに分離させるプリズム成分を有するレンズを備える場合も、第1光路と第2光路にそれぞれ配置されたレンズを介して観察される検査視標の分離方向が第1光路と第2光路とで同じ方向となるように、駆動部の駆動を制御してもよい。この場合、第2実施形態の検眼装置は、被検眼を検査する検眼装置であって、被検者の右眼に投影される視標光束の光路である第1光路と、被検者の左眼に投影される視標光束の光路である第2光路と、にそれぞれ配置され、少なくともプリズム成分を有するレンズによって視標光束の光学特性を第1光路と第2光路でそれぞれ変化させる左右一対のレンズユニットと、レンズユニットを駆動させる駆動部と、駆動部の駆動を制御する制御部と、を備え、制御部は、第1光路と第2光路にそれぞれ配置されたプリズム成分を有するレンズを介して観察される検査視標の分離方向が第1光路と第2光路とで同じ方向となるように、駆動部の駆動を制御することを特徴とする検眼装置、と表現してもよい。
以下、本開示に係る第3実施形態について簡単に説明する。第3実施形態の検眼情報表示装置(例えば、コントローラ300等の表示端末)は、被検眼の検眼情報を表示する。検眼情報は、例えば、被検眼の検査状況、検査結果等であってもよい。検眼情報表示装置は、例えば、制御部(例えば、制御部370)を備えてもよい。制御部は、例えば、両眼シミュレーション画像を表示部(例えば、表示部320)に表示させる。両眼シミュレーション画像は、例えば、両眼で検査視標を見たときの見え方を単体で示す。両眼シミュレーション画像は、例えば、一つ(単一)の画像であってもよい。両眼シミュレーション画像は、例えば、レンズユニット等によって矯正された測定眼と、レンズユニット等によって雲霧を掛けられた非測定眼と、で検査視標を見たことを想定した単一のシミュレーション画像であってもよい。すなわち、両眼シミュレーション画像は、レンズユニット等によって矯正された測定眼と、レンズユニット等によって雲霧を掛けられた非測定眼と、で検査視標を見たときに、左右眼のそれぞれで得られる網膜像が脳内で融像された単一のシミュレーション画像であってもよい。例えば、非測定眼に雲霧が掛けられている場合、測定眼と非測定眼での見え方の差が大きいため、両眼での見え方がイメージしづらい。このような場合であっても、両眼シミュレーション画像が表示されるため、検者は、両眼での見え方を容易に把握できる。
なお、制御部は、例えば、片眼シミュレーション画像を表示部にさらに表示させてもよい。片眼シミュレーション画像は、例えば、右眼シミュレーション画像と左眼シミュレーション画像の少なくともいずれかである。右眼シミュレーション画像は、例えば、右眼で検査視標を見たときの見え方を示す画像である。左眼シミュレーション画像は、例えば、左眼で検査視標を見たときの見え方を示す画像である。両眼シミュレーション画像と片眼シミュレーション画像が表示されることによって、検者は、片眼での見え方と両眼での見え方の関係性を容易に把握できる。
なお、制御部は、両眼シミュレーション画像および片眼シミュレーション画像の少なくともいずれかの鮮明度を、被検眼の視力値に基づいて設定してもよい。被検眼の視力値は、例えば、視力検査によって得られた値でもよいし、検者が任意に入力した値でもよいし、被検者の矯正状態に基づいて推定された値でもよい。例えば、被検眼の視力値は、被検眼を雲霧させたときに推定される視力値であってもよいし、矯正部(例えば、レンズユニット110)によって矯正される被検眼の矯正情報に基づいて推定される視力値であってもよい。ここで、鮮明度とは、例えば、画像のボヤケ具合、色の鮮やかさ、コントラスト、解像度、明度等の少なくともいずれかであってもよい。
なお、制御部は、両眼シミュレーション画像の鮮明度を、左右の片眼視力値のうち、高い方の片眼視力値に基づいて設定してもよい。一般に両眼で見え方は、左右眼のうち、鮮明に見える方の見え方が優先されることが多い。したがって、制御部は、視力の高い方の眼の見え方に基づいて両眼シミュレーション画像の鮮明度を決定してもよい。
なお、制御部は、被検眼を矯正する矯正部の矯正光学系の度数変化に応じて、両眼および片眼の少なくともいずれかのシミュレーション画像の鮮明度を変化させてもよい。これによって、検者は、被検者の矯正状態の変化と、そのときの見え方の変化を容易に把握できる。
なお、制御部は、眼図を表示部に表示させてもよい。眼図は、例えば、被検眼と、被検眼に入射する視標光束の結像位置と、が少なくとも描写される図である。眼図が表示されることによって、検者は、被検者の見え方を客観的に把握しやすい。また、眼図は、被検眼の眼前に配置される矯正光学系の描写を含んでもよい。制御部は、例えば、矯正部によって矯正される被検眼の矯正状態の変化に応じて、眼図の描写を変化させてもよい。例えば、制御部は、視標光束の結像位置、矯正光学系の形状およびレンズの枚数等を変化させてもよい。
なお、制御部のプロセッサは、例えば、記憶部(例えば、記憶部340など)に記憶された検眼情報表示プログラムを検眼情報表示装置に実行させてもよい。検眼情報表示プログラムは、例えば、表示ステップを含む。表示ステップは、例えば、両眼で検査視標を見たときの見え方を示す両眼シミュレーション画像を表示部に表示させるステップである。
なお、以上の実施形態の説明において、検眼装置のレンズユニットは、被検者側(例えば、被検眼の眼前)に配置されてもよいし、視標呈示装置側に配置されてもよい。例えば、レンズユニットは、視標呈示装置(例えば、視標呈示装置200)の内部に配置されてもよい(いわゆるファントム式)。この場合、視標呈示装置は、内部に配置されたレンズユニットで光学特性の矯正された視標光束を被検眼に投影する構成であってもよい。ここで、視標呈示装置とは、例えば、被検者に検査視標を投影する装置である。
なお、視標光束の光学特性を変化させるレンズユニットとしては、レンズ切換機構に限定されず、レンズユニットにアルバレスレンズが配置された構成であってもよい。
<実施例>
以下、本実施例の検眼システム500について説明する。図1に示すように、本実施例の検眼システム500は、例えば、検眼装置100と、視標呈示装置200と、コントローラ300、リレーユニット400等を備える。例えば、検眼装置100は、保持アーム5に吊り下げられる。保持アーム5の一端は基台10に固定される。
<検眼装置>
図2に示すように検眼装置は、左右一対のレンズユニット110(左レンズユニット110L、右レンズユニット110R)を備える。レンズユニット110は、レンズディスク120(左レンズディスク120L、右レンズディスク120R)を備える。レンズディスク120は、レンズユニット110に回転可能に保持されている(図2参照)。レンズディスク164には、多数の光学素子(球面レンズ、円柱レンズ、分散プリズム、等)が同一円周上に配置されている。レンズディスク120が駆動部(アクチュエータ)130R,130Lによって回転制御されることによって、検者が所望する光学素子が検眼窓160(左検眼窓160L、右検眼窓160R)に配置される。また、検眼窓160に配置された光学素子(例えば、円柱レンズ、クロスシリンダレンズ、ロータリプリズム等)が駆動部150R,150Rによって回転制御されることにより、検者が所望する回転角度にて光学素子が配置される。検眼窓160に配置される光学素子の切り換え等は、操作手段であるコントローラ300(図1参照)の操作によって行われる。駆動部130R,130Lおよび駆動部150R,150Lは、例えば、モータ、ソレノイド等が用いられるが、これに限定されない。
レンズユニット110は、複数のレンズディスクを備えてもよい。例えば、各レンズディスクは、開口(又は0Dのレンズ)及び複数の光学素子を備える。各レンズディスクの種類としては、図3に示すように、例えば、球面レンズディスク121R,121L、円柱レンズディスク122R,122L、補助レンズディスク123R,123L等が挙げられる。球面レンズディスク121R,121Lは、例えば、度数の異なる複数の球面レンズを有する。円柱レンズディスク122R,122Lは、例えば、度数の異なる複数の円柱レンズを有する。補助レンズディスク123R,123Lには、赤フィルタ/緑フィルタ、プリズム、クロスシリンダレンズ、偏光板、マドックスレンズ、オートクロスシリンダレンズの少なくともいずれかが配置される。また、円柱レンズ、ロータリプリズム、オートクロスシリンダレンズ等は、駆動部150R,150Lにより光軸L1または光軸L2を中心に回転可能に配置される。なお、駆動部130R,130Lおよび駆動部150R,150Lは、レンズディスクごとに設けられてもよい。
オートクロスシリンダレンズは、クロスシリンダ(オートクロス)テストを行うためのレンズである。クロスシリンダテストは、被検眼の乱視の方向と度数を測定するテストである。オートクロスシリンダレンズAcは、例えば、図4に示すように、視界を分離する2つのプリズム領域G1,G2が設けられる。2つのプリズム領域G1,G2は、例えば、軸L3を境界として分離される。この場合、例えば、軸L3の垂直方向に視界が分離される。さらに、各プリズム領域には乱視度数が付与されており、その乱視軸は互いに直交している。
なお、検眼装置100は、例えば、左右のレンズユニット110の間隔を調整する機構、左右のレンズユニット110の輻輳角(打寄せ角)を調整する機構等を備えてもよい。また、検眼装置100は、被検者の額と当接する額当て170を備えてもよい。額当て170は、被検者の頭部を保持し、被検眼の位置を所定の検査位置に固定する役割を持つ。
なお、検眼装置100は、上記構成に限定されるものではなく、被検眼の眼前に配置される光学素子を電気的に切換可能な構成であればよい。例えば、電気アクティブレンズの駆動により度数を切り換える構成であってもよい。
<視標呈示装置>
視標呈示装置200は、検査視標を呈示する視標呈示部210を備えている。視標呈示装置200は、リレーユニット400を介してコントローラ300と接続されており、視標呈示部210に表示される視標の切り換え等がコントローラ300の操作等によって行われる。
視標呈示装置200は、コントローラ300から入力される操作信号に応じて視標呈示部210に検査視標を表示する。視標呈示装置200は、検眼装置100と略同じ高さに位置されると共に、検査に適した距離だけ検眼装置100から離れるように設置される。本実施例では、検眼装置100と視標呈示装置200との間の距離は、遠用検査に適した距離(例えば、5m)とされている。視標呈示装置200は、図示のディスプレイに限定されず、スクリーンに視標を投影するチャートプロジェクター、凹面ミラーを介して視標を投影する省スペース型視標投影装置などが用いられる。
なお、図1に示すように、検眼装置は、近用検査を行うための近用視標呈示部104を備えてもよい。近用視標呈示部104は、例えば、検眼装置に取り付けられたロッド102に摺動可能に保持される。近用視標呈示部104は、例えば、検査視標が複数描かれたチャート板、または液晶ディスプレイ等を備える。
<コントローラ>
図1に示すコントローラ300は、検眼装置100、視標呈示装置200の少なくともいずれかを操作する。コントローラ300は、複数の操作ボタンが配置された操作パネル310とタッチパネル機能を有する表示パネル320を有し、操作パネル310及び表示パネル320に対する検者の操作を検出する。コントローラ300は、検者の操作に基づいて検眼装置100、視標呈示装置200に駆動信号を出力する。コントローラ300は、例えば、眼前に配置される光学素子の切り換えを指示するために用いられる。
図5に示すように、制御部370は、コントローラ300の実行主体として機能する。制御部370は、検眼装置100、視標呈示装置200を制御するためのプログラムに従って各種の処理を実行する。このようなプログラムは、例えば、コントローラ300に設けられた記憶部340に記憶される。
なお、検眼装置100、視標呈示装置200等を制御する制御部370は、コントローラ300に限らず、検眼装置100、視標呈示装置200、リレーユニット400等が備えていてもよい。
<リレーユニット>
図1に示すリレーユニット400は、検眼装置100の電源、コントローラ300からの検眼装置100と視標呈示装置200に対する通信を制御するユニットである。リレーユニット400は、コントローラ300、検眼装置100、視標呈示装置200と接続されている。接続は、無線又は有線にて行われる。リレーユニット400は、CPU等からなる制御部200(図5参照)を備え、コントローラ300の制御指令を受け、検眼装置100、視標呈示装置200を制御する。なお、リレーユニット400は、必ずしも必須の構成ではなく、コントローラ300からの制御指令を検眼装置100、視標呈示装置200が受信する構成であってもよい。
<制御動作>
以上のような構成の装置において、その動作を説明する(図6の検査手順フローチャート参照)。以下の説明では、片眼測定の際に非測定眼に雲霧を掛け、両眼が解放された状態で検査を行う場合を例に挙げる。両眼を開放して行う検査は、遮蔽板で遮蔽する場合に比べて被検眼の不要な調節が生じにくく、適正な検査を行い易い。雲霧掛けを行う場合、検者は、検査前に雲霧量を決定するための雲霧パラメータの設定を行う。雲霧パラメータとしては、例えば、雲霧時の目標視力値などが挙げられる。例えば、制御部370は、図7に示すような視力値設定画面360を表示部320に表示させ、検者からの目標視力値の入力を受け付ける。視力値設定画面360には、例えば、選択ボタン361,362、設定ボタン363等が表示される。この場合、検者は、選択ボタン361または選択ボタン362を操作することによって、雲霧時の目標視力値を選択し、設定ボタン363を押すことによって選択中の目標視力値を入力してもよい。制御部370は、目標視力値の入力を受け付け、これを記憶部340等に記憶させる(ステップS1)。なお、目標視力値の設定は、検査ごとに毎回行う必要はない。例えば、設定画面によって一度設定を行えば、その後の検査にも同じ目標視力値が用いられる。
目標視力値の設定後、検者は、被検眼の検査を開始する。本実施例では、自覚的な屈折力測定の前に予備検査を行う(ステップS2)。予備検査は、例えば、眼屈折力測定装置600(図5参照)による他覚測定、前眼鏡測定、片眼カバーテスト、交互カバーテスト、裸眼/前眼鏡視力確認、偏光RG(レッドグリーン)によるバランステスト、他覚値での視力測定などである。被検者が眼鏡を装用している場合は、眼鏡レンズの度数(眼鏡値データ)をレンズメータ700によって測定して、この結果を処方のための情報としてもよい。各測定データはコントローラ300に入力しておくことができ、例えば、測定データは記憶部340等に記憶される。コントローラ300は、眼屈折力測定装置600およびレンズメータ700等の測定結果を無線または有線等に通信手段によって受信してもよいし、検者によって入力されてもよい。
検眼装置100の検眼窓160には、例えば、初期設定の光学系が配置される。このとき予め入力されている他覚値データ又は前の眼鏡値データを呼び出すと、そのデータに基づく矯正光学系が左右の検眼窓160に配置され、自覚検査を効率良く行うことができる。以下の説明では、他覚値データを利用するものとして説明する。
左右の検眼窓160に他覚値データに基づくレンズが配置されると、検者は、例えば、偏光R/G検査によって左右眼の見え方が適切かどうか確認する。検査視標は偏光R/G検査視標が用いられる。視標呈示部210に表示される偏光R/G検査視標は、例えば、右眼用視標と左眼用視標とで偏光方向が直交している。例えば、右眼用視標の偏光方向は135°に設定され、左眼用視標の偏光方向は45°に設定される。左右の検眼窓には、補助レンズディスク123R,123Lに設けられる偏光レンズが、左右それぞれの視標と対応した偏光軸で配置される。検者は、例えば、左右でそれぞれ対応する視標が見えているか、左右の見え方のバランスはどうかを確認する。これによって、遮蔽の代わりに雲霧を使用して行う検査が被検者にとって適切かどうか確認する。例えば、偏光R/G検査で、右眼用視標と左眼用視標が共に見えない場合は、この検査に適さない。また、他覚値データに基づいて初期設定された矯正光学系の値が適切かどうかを確認する。その後、例えば、視力検査によって両眼での視力値を確認する。制御部370は、例えば、視力検査によって得られた視力値を記憶部340等に記憶させる。
両眼での視力値が確認できたら、制御部370は、被検眼に雲霧を掛けるための雲霧量の算出を行う(ステップS3)。例えば、制御部370は、ステップS2において記憶部340等に記憶された被検者の視力値と、検査前に検者によって入力された目標視力値に基づいて雲霧量を算出する。
制御部370は、例えば、次の表1、表2に示すようなテーブルに基づいて雲霧量を決定してもよい。表1は、雲霧時の目標視力値と、オートレフ値(他覚測定値)で矯正された状態から目標視力値で雲霧を掛けるために付加する球面度数A1の関係を示す。表2は、オートレフ値で矯正された状態で視力測定したときの視力値と、その視力値で視標を見たときのぼやけ具合に相当する球面度数A2との対応関係である。
例えば、制御部370は、被検者の視力値と雲霧パラメータのそれぞれに対応する数値を次式(1)に代入して雲霧量Fを求めてもよい。式(1)は、目標視力値に対応する球面度数A1から、オートレフ値で矯正された状態でのぼやけ具合を換算した球面度数A2の大きさを差し引くことによって雲霧量Fを求める式である。
例えば、検者によって目標視力値が0.7と入力された場合、制御部370は非測定眼で視力0.7の視標が見える程度に雲霧を掛ける。制御部370は、例えば、表1によって視力値0.7に対する球面度数A1と、表2によって視力測定した視力値に相当する球面度数A2を決定し、式(1)に代入する。ここで、視力測定の結果が視力0.9であった場合、A1=0.75D、A2=±0.25であるため、式(1)からF=0.50となる。
このように、制御部370は、被検者の視力が小さかった場合(例えば、1.0未満)は、すでにぼやけて見える状態であるため、雲霧時の目標視力値に対応する球面度数A1に対して球面度数A2分だけ差し引いた雲霧量Fを非測定眼に付加する(図8参照)。つまり、制御部370は、基準となる度数を、補正度数によって補正することで最終的な雲霧量Fを決定する。本実施例では、他覚測定値で矯正された状態において推定される推定視力値(例えば、1.0以上)を目標視力値まで落とすために必要な球面度数A1が基準となる。そして、被検者の実際の視力値と、他覚測定値で矯正された状態での推定視力値との差に基づいて補正のための球面度数A2が決められる。
もちろん、雲霧量Fの算出方法は、上記の例に限定されない。例えば、制御部370は、オートレフ値での視力値に関わらず、目標視力値を得るために必要な球面度数A1を雲霧量Fとしてもよい。また、球面度数だけでなく、円柱度数を付加することによって雲霧を掛けてもよい。
なお、上記の表1および表2は一例であり、数値は任意に変更できる。また、表1および表2によって雲霧量を決定したが、表を使わずに換算式などによって計算で雲霧量を求めてもよい。
また、制御部370は、一定の雲霧量を付加してもよい。例えば、制御部370は、雲霧時の目標視力値として固定値(例えば、0.3)が設定され、雲霧時の視力値が設定された固定値になるように雲霧量を付加するようにしてもよい。
なお、オートレフ値の入力が無い場合、制御部370は、オートレフ値で矯正された状態での視力値を仮定して雲霧量の算出を行ってもよい。例えば、制御部370は、オートレフ値での視力値を1.0として、雲霧量の算出を行ってもよい。視力値を1.0とした場合は、表2から球面度数A2は0Dであるから、雲霧量Fは、目標視力値に対応した球面度数A1と同値となる。
雲霧量が決定されると、制御部370は、雲霧機能を用いた検査を実行する前に、検眼窓160に既に配置されている球面度数に対してさらに雲霧量(例えば、プラス球面度数)を負荷するように、検眼装置100に指令信号を送る。制御部370は、例えば、球面レンズディスク121Rまたは球面レンズディスク121Lを駆動制御し、求めた雲霧量を付加する(ステップS4)。
このように、雲霧量が制御部370によって自動で設定されることによって、検者は、わざわざコントローラ300を操作してレンズディスク120の度数を入れ替える手間が省ける。また、雲霧量が所定量(例えば、+1.00D)に設定される場合に比べ、被検者の視力値から雲霧量を設定するため、検者の所望する雲霧状態を適切に再現できる。例えば、他覚測定値で矯正された状態であっても、被検者によって視力1.0見える場合もあれば、視力0.9の視標しか見えない場合もある。この場合、視力1.0の状態で+1.00D加える場合と、視力0.9の状態で+1.00D加える場合とでは、雲霧された非測定眼の見え方に差が生じる。つまり、視力0.9の状態で+1.00D加える場合は、視力1.0の状態で+1.00D加える場合に比べて余計にぼやけてしまう。このように、視力値に基づいて雲霧量を設定することによって、視力値に違いがある場合でも、どの被検者に対しても検者が所望する雲霧状態を実現できる。
なお、検者の設定する雲霧パラメータは複数であってもよい。例えば、検者は、雲霧パラメータとして、第1目標視力値、第2目標視力値等を入力してもよい。雲霧パラメータとして目標視力値が複数入力された場合、まず、第1目標視力値になるように雲霧が掛けられ、その後第2目標視力値になるように視標が変化してもよい。
被検眼に雲霧が掛けられると、片眼測定に移る(ステップS5)。例えば、検者は、コントローラ300を操作し、被検者の両眼に雲霧を掛けた状態で測定眼のみ雲霧を解除していき、最高視力が出る最弱度数にする。その後、過矯正を防止するためのR/G検査、クロスシリンダテスト(乱視軸検査および乱視度数検査)等を行い、視力検査によって片眼の最高視力値を確認する。
<クロスシリンダテスト>
次に、オートクロスシリンダレンズを用いた乱視度数、乱視軸の片眼検査について説明する。検者は、コントローラ300を操作し、点群チャートを視標呈示装置200に表示させる。そして、制御部370は、測定眼と被測定眼の検眼窓160にそれぞれオートクロスシリンダレンズAcを配置させる。このように、左右の検眼窓160にオートクロスシリンダレンズAcを配置させることによって、オートクロスシリンダを用いた場合であっても、雲霧を用いた両眼解放下でのクロスシリンダテストが行える。
例えば、オートクロスシリンダレンズを測定眼側の検眼窓にのみ配置した場合、図9(a)に示すように、測定眼側ではオートクロスシリンダレンズのプリズム成分によって点群チャートが2つ見え、図9(b)に示すように、非測定眼側では点群チャートが分離されずに1つに見える。この場合、左右眼の網膜像が上手く融像されず、例えば、点群チャートが3つに見える状態になってしまう(図9(c)参照)。このため、被検者は、どの点群チャートが測定眼で視認するものかわからなくなり、適切な検査を行えない場合がある。したがって、上記のように左右の検眼窓160にオートクロスシリンダレンズAcを配置し、左右のどちらも点群チャートが分離した状態にすることで、両眼解放下で適切なクロスシリンダテストが行える。
例えば、図10(a)に示すように、測定眼側ではオートクロスシリンダレンズのプリズム成分によって点群チャートが2つ見え、図10(b)に示すように、非測定眼側でもオートクロスシリンダレンズのプリズム成分によって点群チャートが2つ見える。従って、図10(c)に示すように、測定眼と非測定眼のそれぞれで見える点群チャートが適切に融像され、クロスシリンダテストが行える状態になる。
このとき、制御部370は、左右のオートクロスシリンダレンズAcの軸L3の方向を一致させるように配置させる。例えば、制御部370は、測定眼側のオートクロスシリンダレンズの軸L3の角度に合わせて、非測定眼側のオートクロスシリンダレンズの軸L3の角度を制御する。例えば、図11の場合、制御部370は、右検眼窓160Rに配置されたオートクロスシリンダレンズAcの軸L3の角度θ1と、左検眼窓160Lに配置されたオートクロスシリンダレンズAcの軸L3の角度θ2を一致させる。これは、オートクロスシリンダレンズのプリズムによって点群チャートが2つに分離するときの分離方向を一致させるためである。左右眼で点群チャートの分離方向を一致させると、左右の網膜像が上手く融像され、両眼解放下での適切な検査が行える。なお、制御部370は、鉛直方向に対する軸L3の角度θ1,θ2を制御するものと説明したが、これに限らない。例えば、制御部370は、左右のオートクロスシリンダレンズの軸L3の相対的な角度を制御してもよい。
検者は、2つに分かれた点群チャートの見え方の差が小さくなるまで、オートクロスシリンダレンズの軸を回転させる。このとき、制御部370は、測定眼側に配置されたオートクロスシリンダレンズと非測定眼側に配置されたオートクロスシリンダレンズを同期させて回転させてもよい。例えば、制御部370は、測定眼側のオートクロスシリンダレンズの回転に合わせて、非測定眼側のオートクロスシリンダレンズの回転を制御してもよい。例えば、図11の場合、制御部370は、右検眼窓160Rに配置されたオートクロスシリンダレンズAcの軸L3の回転方向K1と、左検眼窓160Lに配置されたオートクロスシリンダレンズAcの軸L3の回転方向K2を一致させる。さらに、制御部370は、左右のオートクロスシリンダレンズAcの回転量、回転速度等を一致させてもよい。このように、制御部370は、例えば、回転量、回転方向、回転速度等の少なくともいずれかが等しくなるように駆動部150R,150Lを制御し、測定眼側および非測定眼側のオートクロスシリンダレンズを回転させる。これによって、オートクロスシリンダレンズを回転させた場合でも左右眼のそれぞれで観察される点群チャートの分離方向が一致し、網膜像が融像され易い。
乱視軸の調整が終了すると、乱視度数の調整を行う。例えば、検者は、2つに分かれた点群チャートの見え方の差が小さくなるまで、円柱レンズディス122R,122Lを駆動させて円柱度数を切り換える。
制御部370は、一方の眼について片眼検査が終了すると、測定眼を他方の眼に切換える。この場合、制御部370は、これから測定を行う被検眼側では雲霧量が解除され、先に行ったR/G検査による球面度数の光学系となる。一方、非測定眼側には、ステップS4と同様に算出された雲霧量が付加される。
左右それぞれ片眼検査が終了すると、制御部370は、次の両眼バランス検査に移行する(ステップS7)。このとき、制御部370は、例えば、左右の検眼窓に補助レンズディスク123R,123Lの偏光板を配置させ、非測定眼に掛けられていた雲霧を解除する。両眼パランス検査が終了すると、次に両眼完全矯正値の測定に移る(ステップS8)。例えば、制御部370は、一度、両眼に雲霧を掛け、最高視力の出る最弱度数を測定する。制御部370は、両眼完全矯正値が得られると、検査を終了する。
なお、以上の説明において、視標呈示装置200によって呈示された検査視標は左右眼の両方で確認できるものと説明したが、偏光を利用して測定眼のみに視標が見えるようにしてもよい。例えば、視標呈示装置210は偏光光学部材を備え、視標光束を偏光させてもよい。そして、検眼窓に配置された偏光光学素子によって測定眼のみに検査視標が見えるようにしてもよい。このように、偏光を利用することで両眼解放状態の検査を行う場合も上記のように非測定眼に雲霧を掛けてもよい。これによって、非測定眼に起因する測定眼の検査への影響を抑えることができる。
<表示画面>
続いて、本実施例のコントローラ300の表示について説明する。図12は、コントローラ300の表示画面321の一例を示す図である。表示画面321には、例えば、被検者の両眼での見え方を示すシミュレーション画像323等が表示される。
両眼でのシミュレーション画像323は、例えば、被検者が検眼窓160を通して検査視標を見たときに想定される両眼での見え方を示す画像であってもよい。例えば、シミュレーション画像323は、左右眼それぞれで得られる網膜像が融像されたことを想定した画像であってもよい。網膜像が融像される場合、左右のうち、より鮮明な像が優先されて見えることが多い。例えば、図13(a)は左眼での視標の見え方、図13(b)は右眼での視標の見え方、図13(c)は両眼での視標の見え方を示す。図13に示すように、左眼が雲霧によってぼやけて見え、右眼が鮮明に見えている場合、両眼での見え方は、右眼での見え方が優先されて鮮明に見える。
そこで、制御部370は、例えば、被検者の左右の視力値、左右の矯正値、雲霧量等の情報に基づいて、左右眼のうち、鮮明に見える方の見え方を両眼でのシミュレーション画像323として表示部320に表示してもよい。例えば、本実施例においては、非測定眼に雲霧を掛けている場合、雲霧を掛けていない測定眼での見え方を、両眼での見え方として表示部320に表示してもよい。この場合、制御部370は、測定眼で見える鮮明な検査視標の画像をシミュレーション画像323として表示部320に表示させてもよい。
なお、制御部370は、左右それぞれの見え方を示すシミュレーション画像を表示してもよい。例えば、図12に示すように、制御部370は、右眼での見え方を示すシミュレーション画像324、左眼での見え方を示すシミュレーション画像325等を表示部320に表示させてもよい。例えば、片眼検査において非測定眼に雲霧が掛かっている場合、制御部370は、ぼやけた検査視標の画像を非測定眼側の見え方のシミュレーション画像として表示させてもよい。例えば、制御部370は、雲霧量に応じてぼかし処理等を施した画像を表示させてもよい。シミュレーション画像として表示させる画像は、記憶部340等に予め記憶させてもよいし、制御部370によって生成されてもよい。
なお、矯正度数、雲霧量等の変更に伴って、シミュレーション画像323,324,325のぼやけ具合を変更してもよい。例えば、雲霧量を大きくしたときに、よりぼやけた画像に変更し、雲霧量を小さくしたときに、より鮮明な画像に変更してもよい。これによって、検者は、度数の変更による被検者の見え方の変化を容易に確認できる。
なお、制御部370は、視標呈示部210に表示させる検査視標の視標画像322を表示させてもよい。検者は、視標画像322と、他のシミュレーション画像を比較することによって、被検者に視標が鮮明に見えているか否かを把握できる。
以上のように、両眼での見え方を示すシミュレーション画像323を表示部320に表示させることによって、被検者がどのように見えているかを容易に確認することができる。例えば、従来において、雲霧を掛けて検査を行う場合、検者は、実際に検眼装置100を覗き込んで視標の見え方を確認することがあった。しかしながら、検者自身の両眼視異常等の影響で、検者の見え方と被検者の測定中の見え方が異なる場合があった。この場合、検者は、被検者の見え方をイメージすることが難しかった。そこで、本実施例では、片眼ずつのシミュレーション画像をそれぞれ対象の眼に対して表示するのではなく、左右眼それぞれの網膜像が融像されたことを想定した画像を表示部320に表示させることによって、被検者と共通の見え方をイメージすることが容易となった。また、見え方を示すシミュレーション画像が表示されることによって、検者は、被検者の見え方をイメージしながら検査を行うことができる。
なお、雲霧が掛けられた場合のシミュレーション画像として表示させる画像は、矯正度数に応じて輝度を低下させる、露光値を上げる等のぼかし処理を行ってもよい。ぼかし処理は、例えば、色の変更、混ぜ合わせ、色抜き処理、明るさの変更等の処理であってもよい。また、光学的にぼかして撮影された画像を取得してもよい。
なお、制御部370は、例えば、図12に示すように眼図326を表示部320に表示させてもよい。眼図326は、例えば、測定眼および雲霧を掛けた非測定眼に対して視標光束がどのように入射するかを表す光線図である。図14に拡大されるように、眼図326は、被検眼と、レンズの図によって描かれる。図14(a)に示すように、例えば、測定眼には矯正用レンズ(例えば、凹レンズ)P1が配置され、視標光束が網膜上に結像する様子が描かれる。一方、非測定眼には矯正用レンズP2に加えて雲霧用レンズ(例えば、凸レンズ)Q1が配置され、視標光束が網膜よりも手前で結像する様子が描かれる。このように表示部320に眼図326が表示されることによって、検者は、被検者の見え具合を容易に想定することができる。なお、雲霧用レンズQ1の付近に雲霧量Fを表示してもよい。
なお、上記のシミュレーション画像と同様に、眼図326も、検眼窓160に配置するレンズ度数の変更に伴って、視標光束の結像位置を変更してもよい。例えば、制御部370は、雲霧量を大きくすると、眼図326の非測定眼において、さらに雲霧用レンズQ2が配置され、視標光束の結像位置Kが手前に移動するように表示を変更してもよい(図14(b)参照)。逆に、雲霧量を小さくした場合は、眼図326の非測定眼において、雲霧用レンズの枚数が減り、視標憶測の結像位置Kが眼底側に移動するように表示を変更してもよい。このとき、雲霧量Fの数値の表示も変更させてもよい。
このように、雲霧量の変更に応じて眼図326の表示を変化させることによって、度数変化に応じた被検者の見え具合を容易に確認することができる。したがって、検者は、度数の変更によって被検者の見え方のぼやけ具合が大きくなったのか、あるいは小さくなったのかを容易に確認できる。また、被検者への検査の説明がわかりやすく行える。
なお、本実施例において、制御部370は、表示画面321に検査視標322、両眼の見え方シミュレーション画像323、右眼の見え方シミュレーション画像324、左眼の見え方シミュレーション画像325、眼図326を表示している。検者は、これらの表示のうち少なくともいずれかの関係性を確認することによって、より被検者の見え方をイメージすることが容易となる。しかしながら、制御部370は、検査視標322、両眼の見え方シミュレーション画像323、右眼の見え方シミュレーション画像324、左眼の見え方シミュレーション画像325、眼図326のうち、少なくともいずれかを表示してもよい。
なお、以上の説明において、シミュレーション画像323、眼図326等をコントローラ300の表示部320に表示させたが、これに限らない。例えば、表示端末(例えば、タブレット端末、スマートフォン、ノートPC、デスクトップPCなど)に見え方を示すシミュレーション画像または眼図等を表示させてもよい。これによって、例えば、検眼装置100の操作講習など実際に検眼装置100を使用しない場合においても、雲霧時の見え方等を受講者に分かりやすく説明することができる。
100 検眼装置
110 レンズユニット
200 視標呈示装置
300 コントローラ
320 表示部
340 記憶部
370 制御部

Claims (3)

  1. 被検眼の検眼情報を表示する検眼情報表示装置であって、
    両眼で検査視標を見たときの見え方を示す両眼シミュレーション画像を表示手段に表示させる制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記両眼シミュレーション画像の鮮明度を、左右の片眼視力値のうち、高い方の片眼視力値に基づいて設定することを特徴とする検眼情報表示装置。
  2. 被検眼の検眼情報を表示する検眼情報表示装置であって、
    両眼で検査視標を見たときの見え方を示す両眼シミュレーション画像を表示手段に表示させる制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記被検眼と、前記被検眼に入射する視標光束の結像位置と、が少なくとも描写される眼図を前記表示手段にさらに表示させることを特徴とする検眼情報表示装置。
  3. 被検眼の検眼情報を表示する検眼情報表示装置において実行される検眼情報表示プログラムであって、前記検眼情報表示装置のプロセッサによって実行されることで、
    両眼で検査視標を見たときの見え方を示す両眼シミュレーション画像を表示手段に表示させる表示ステップと、
    前記両眼シミュレーション画像の鮮明度を、左右の片眼視力値のうち、高い方の片眼視力値に基づいて設定する設定ステップと、
    を前記検眼情報表示装置に実行させることを特徴とする検眼情報表示プログラム。
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