JP6827962B2 - 過剰体重に影響される女性患者のためのドロスピレノン系避妊薬 - Google Patents

過剰体重に影響される女性患者のためのドロスピレノン系避妊薬 Download PDF

Info

Publication number
JP6827962B2
JP6827962B2 JP2017567465A JP2017567465A JP6827962B2 JP 6827962 B2 JP6827962 B2 JP 6827962B2 JP 2017567465 A JP2017567465 A JP 2017567465A JP 2017567465 A JP2017567465 A JP 2017567465A JP 6827962 B2 JP6827962 B2 JP 6827962B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
contraceptive
drsp
women
drospirenone
daily
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017567465A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018527305A (ja
JP2018527305A5 (ja
Inventor
ドゥロィン,ドミニク
ボイヤー−ジュベール,セシル
ペラン,フィリップ
Original Assignee
ラボラトリオス レオン ファーマ エスエー
ラボラトリオス レオン ファーマ エスエー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from EP15305965.4A external-priority patent/EP3108889A1/en
Priority claimed from CN201510348953.1A external-priority patent/CN106265694A/zh
Application filed by ラボラトリオス レオン ファーマ エスエー, ラボラトリオス レオン ファーマ エスエー filed Critical ラボラトリオス レオン ファーマ エスエー
Publication of JP2018527305A publication Critical patent/JP2018527305A/ja
Publication of JP2018527305A5 publication Critical patent/JP2018527305A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6827962B2 publication Critical patent/JP6827962B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/56Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids
    • A61K31/58Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids containing heterocyclic rings, e.g. danazol, stanozolol, pancuronium or digitogenin
    • A61K31/585Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids containing heterocyclic rings, e.g. danazol, stanozolol, pancuronium or digitogenin containing lactone rings, e.g. oxandrolone, bufalin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P15/00Drugs for genital or sexual disorders; Contraceptives
    • A61P15/18Feminine contraceptives

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Gynecology & Obstetrics (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Reproductive Health (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

本発明は、避妊組成物及び方法、特に過体重又は肥満に影響される女性患者を包含する過剰体重に影響される女性患者のための避妊組成物及び方法に関する。
成人の間での過剰体重(すなわち過体重及び肥満)は母集団において時間と共に大きく増加する。
世界保健機関(WHO)は、ボディマスインデックス(BMI)に基づく体重標準状態分類を確立しており、成人に対する範囲は以下の通りである。
・低体重状態は18.5kg/m未満のBMIで特徴づけられ、
・普通体重状態は18.5kg/m〜24.9kg/mのBMIで特徴づけられ、
・過体重状態は25.0kg/m〜29.9kg/mのBMIで特徴づけられ、
・肥満状態は30.0kg/m 以上のBMIで特徴づけられる。
最新のOECD健康統計リポートに基づくと、EU諸国における成人の過半数(53%)は過体重又は肥満であり、肥満成人は成人集団の約17%を示す(OECD/European Union(2014), “Overweight and obesity among adults”, in Health at a Glance: Europe 2014, OECD Publishing)。米国では、女性の64%が過体重又は肥満に影響されており、そのうち36%が肥満である(Flegal et al., Journal of the American Medical Association. 2012; 307(5):491−97)。肥満は、高血圧、高コレステロール、糖尿病、循環器病及びある種の癌を含む数多くの健康障害の公知のリスク要因である。
予定外妊娠の発生率は、過体重又は肥満の罹患率に匹敵する。世界での全妊娠の約40%が予定外であり、欧州では43%、北米では51%である(Sedgh G. et al. Studies in Family Planning 2014; 45(3):301−314)。肥満女性、特に合併症をもつ肥満女性は、妊娠関連合併症のリスクが高い。そのため、これらの女性では予定外妊娠を避けることが特に重要である(Cedergren MI. Obstet. Gynecol. 2004;103:219−24)。
予定外妊娠を防ぐための最良の方法は、安全で十分な忍容性の選択肢をもつ適切な避妊法を提供することである。
ホルモン避妊薬は世界中で最も広く使用されている避妊法であり、どんな方法よりも地理的に最も広く分布している。ホルモン避妊薬は、先進諸国における可逆的避妊の最も一般的な形態でもある(United Nations. Department of Economic and Social Affairs − Population Division. World Contraceptive Patterns 2013)。ホルモン避妊薬として、配合避妊薬(ピル、避妊リング、経皮パッチ)又はプロゲスチン単独避妊薬(プロゲスチン単独ピル、注射、インプラント)を挙げることができる。
配合ホルモン避妊薬は、プロゲスチンとエストロゲン成分との組合せを含む。
数多くの薬理作用がプロゲスチンの避妊作用に寄与する。これらの薬理作用には、視床下部−下垂体−卵巣軸の機能の抑制と、黄体形成ホルモン及び卵胞刺激ホルモンの下垂体サージの変化による排卵の抑制が含まれる。また、卵管を通しての卵子の移動を遅らせて、受精に利用できる時間を制限すること、子宮頸管粘液の粘性増加によって、精子の通過が妨げられること、並びに卵子侵入に必要とされる精子酵素群の活性の阻害も含まれる。エストロゲンの主な目的は適切な周期(出血)制御をもたらすことであり、これは、卵胞刺激ホルモンの放出も抑制して、卵胞の発育を妨げる。
配合経口避妊薬の副作用の一つは、深部静脈血栓症又は肺血栓症の2つの臨床的特徴に至る静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクが高まることである。毎年10000人の出産可能年齢の女性が静脈血栓塞栓症を患うが、その発生率は、配合ホルモン避妊薬を使用している女性では3倍乃至5倍高い。受胎可能年齢の女性において、配合ホルモン避妊薬はVTEの発症に関する最も重要な要因のままであり、多くの症例では、この病気を誘発する唯一の要因のままである(Blanco−Molina MA et al., Progestin−only contraception and venous thromboembolism. Thrombosis Research.2012;129:e257−e262)。
肥満は、静脈血栓塞栓症(VTE)の発現に関する独立したリスク要因である(Abdollahi M. et al. Thromb. Haemost. 2003;89(3):493−498)。配合経口避妊薬の使用は、肥満患者ではVTEの増大したリスクを伴う。オランダで実施された集団ベースの症例対照研究は、こうした増大したリスクを明らかにしてる。経口避妊薬を使用しなかった女性のうち、経口避妊薬を使用しない普通体重の女性に比べて、過体重の女性で2.5倍、肥満の女性で3.0倍リスクが増大した。正常BMIの非使用者に比べて、過体重の経口避妊薬使用者はVTEのリスクが11.6倍増大し、肥満の経口避妊薬使用者はVTEのリスクが23.8倍増大した(Murthy AS. Semin Reprod Med. 2010 Mar;28(2):156−63; Pomp ER et al. Br J Haematol 2007;139:289−296.)。
避妊薬製剤のエストロゲン成分は、配合ホルモン避妊薬の血栓形成促進作用の主な原因であると考えられていた。
世界保健機関及び米国疾病管理予防センターのガイドライン(Guidelines on “Medical eligibility criteria for contraceptive use”)によれば、35歳以上の女性で肥満、高血圧、喫煙者又は糖尿病の女性には配合経口避妊薬の使用は推奨されない。すべてのモードのプロゲスチン単独避妊薬が、遺伝性血栓性素因、エストロゲン誘発性静脈血栓塞栓症の病歴又は再発性の静脈血栓塞栓症の病歴を有する女性のような高VTEリスクの女性に対してさえも、提唱される(Centers for Disease Control and Prevention. US medical eligibility criteria for contraceptive use. MMWR Early Release 2010;59:1−86. Department of Reproductive Health WHO. Medical eligibility criteria for contraceptive use. 4th ed. WHO Press, 2009)。
プロゲスチン単独避妊薬(POC)は、女性の体内で高レベルのプロゲステロンを維持することに依拠したものであり、そのため卵胞刺激ホルモン及び黄体形成ホルモンの分泌を抑制することが想起される。POC処置の結果、新たな卵胞の発育はなくなる。
POC避妊薬製剤には、避妊有効成分としての効果が既に証明されているノルエチンドロン、二酢酸エチノジオール、レボノルゲストレル、デソゲストレル、リネストレノール、ドロスピレノン又はデポ−メドロキシプロゲステロン酢酸エステル(DMPA)のような数多くのプロゲストーゲン分子を挙げることができよう。
プロゲスチン単独避妊薬に関して、プロゲスチン単独避妊薬の使用者におけるVTEのリスクについて評価したManthaのシステマティックレビュー及びメタアナリシスは、プロゲスチン単独避妊薬の使用に伴う静脈血栓塞栓症(VTE)の有意なリスクを確認していない(Mantha S et al. BMJ 2012;345:e4944)。最近の研究では、Lidegaardが第三世代のプロゲスチン単独ピル(デソゲストレル)に関して29000婦人年超を解析したが、その使用に関連して増大したVTEリスクを示すことはできなかった(補正静脈血栓塞栓症イベント発生率0.64(95%信頼区間0.29〜1.49))(Lidegaard O. et al., 2001−9. BMJ 2011;343:d6423)。
従って、VTEのリスクのある女性に対してはプロゲスチン単独避妊薬を最良の選択肢とすべきであり、過体重又は肥満の女性に対する安全な選択肢とすべきであると思われる。
しかしながら、プロゲスチン単独避妊薬の主な公知の短所は、出血プロファイルの変化であり、ホルモン剤服用中の破綻出血又は点状出血をもたらす。
出血の不規則さが避妊の中断の主な理由の一つであることはよく知られており、予定外妊娠のリスクを増大させる。経口避妊薬の使用を中断した女性は、往々にして、その代わりに別の避妊薬を用いなかったり、効果の薄い避妊法を採用する。実際、ある研究は、不正出血のため経口避妊薬を中止した6%のユーザーのうち、23%が予定外妊娠したことを示している(Rosenberg MJ et al.. J Reprod. Med. 1995;40(5);355−360)。
ホルモン避妊薬を使用している過体重又は肥満の女性における破綻出血の発生率は不明である。低用量経口避妊薬の2種類の異なる製剤を使用した2893人の女性(613人が過体重又は肥満)を評価した研究で得られたデータの後方視的解析は、破綻出血の割合は体重カテゴリー間で異ならなかったことを示している(Hampton RM et al., Contraception 2008;77(6):415−419)。別の研究は、避妊リングNuvaring(エトノゲストレル/エチニルエストラジオール)の使用中に、正常BMIの女性の群と肥満女性の群によって報告された出血又は点状出血の合計日数に差はなかったことを示している(正常BMI:8.7±SD7.3日、肥満:7.7±SD6.0日、p=0.64)(Dragoman M. et al., Contraception. 2013 Apr; 87(4): 432−436)。
月経出血の量及び頻度の不規則さ並びに体重増加は、3か月おきに注射される長期作用型の可逆性プロゲスチン単独避妊薬であるDMPAなどのPOC処置の副作用として多くの文献に記録されている(Harel Z et al. Adolescents’ reasons for and experience after discontinuation of the long−acting contraceptives Depo−Provera and Norplant. J Adolesc Health 1996;19(2):118−23; Kaunitz AM. Injectable depot medroxyprogesterone acetate contraception: an update for U.S. clinicians. Int J Fertil Womens Med 1998;43(2):73−83; Keder LM et al. Compliance with depot medroxyprogesterone acetate: a randomized, controlled trial of intensive reminders. Am J Obstet Gynecol 1998;179(3 Pt 1):583−5; Fraser IS et al.. Depo−Provera use in an Australian metropolitan practice. Med J Australia 1994;160(9):553−6; Nutley T et al. Treatment of bleeding problems associated with progestin−only contraceptives: survey results. Adv Contracept 1997;13(4):419−28; Hill DA. Gynecology case challenge: vaginal bleeding in a woman taking an injectable contraceptive. Medscape Womens Health 1998;3(1):4)。
DMPA系のPOC避妊に関連する唯一の実験研究は、過体重の女性(Connor et al.; J. Am. Borad Fam. Pract.; 2002, vol. 15(1): 7−10)又は肥満女性(Belsey et al.; Contraception. 1988 Aug;38(2):243−57)で過剰出血のリスクが低いことを示していると思われる。Connor他(2002)は、過体重又は肥満の女性は、DMPAでのPOC処置中に、身長/体重比の均整のとれた対照に比して、出血増加又は過剰出血のリスクが低いことを示している。Connor他(2002)は、点状出血の増加、流血増加、過多月経、月経期間の増加(総称して「出血増加」と呼ばれている。)を包含する生理作用と併せて、過剰流血、過剰出血、連続的出血及び連続的流血(総称して「過剰出血」と呼ばれている。)を包含する生理作用に焦点を当てている。Connor他(2002)に開示された対比結果は、「過剰出血」と「出血増加」とを包含するユニークで包括的なパラメーターのみに関係している。
しかし、Connor他には、出血イベントの期間、特に出血又は点状出血の起きた日数に対するDMPAの作用に関して記載されていない。
にもかかわらず、Connor他の研究から、過体重又は肥満を呈する女性が依然として望ましくない点状出血又は出血を呈することが分かる。
さらに、皮下インプラント(ESI)の形態のエトノゲストレル系POC避妊薬に関するCasey他の研究(2013, Contraception, Vol. 87: 370−374)にも言及することができる。Casey他の研究(2013)は、肥満の女性は、非肥満女性に比べて、不正出血のためにESIインプラントを取り除かなければならない傾向が少なかったと示している。
上述の従来技術の知見によると、特定の投与計画に適合されたPOC避妊薬製剤の製剤化のための公知のプロゲステロン候補分子は各々、様々な種類の出血イベントに対する影響も含めて、種々異なる挙動を示す可能性があることが分かる。
最後に、POC処置が体重増加ともしばしば相関していることは周知であり、このことは、過剰体重の女性、特に過体重の女性、とりわけ肥満女性に対して問題となりかねず、体重増加は、過体重及び/又は肥満に関連する病気、例えば冠動脈心疾患、高血圧、脳卒中、2型糖尿病、高脂血症、メタボリックシンドローム、癌、変形性関節症、睡眠時無呼吸、肥満低換気症候群、不妊症、胆石、痛風などの発症率を高めるおそれがある。
具体的には、肥満女性におけるプロゲスチン単独避妊薬の使用について検討したCurtisのシステマティックレビューは、肥満又は過体重の思春期DMPA使用者が、普通体重の使用者よりも体重増加が大きいことを示唆している(Curtis KM. et al. Progestogen−only contraceptive use in obese women. Contraception 2009;80(4):346−354)。女性は往々にしてその体重増加を避妊薬のせいにする。多くの女性は、こうした副作用に気付くと、避妊を中断する。実際、経口避妊薬の使用者の研究は、体重増加に気付いたことが米国の女性における主な中断理由の一つであることを見出している(Rosenberg M. Weight change with oral contraceptive use and during the menstrual cycle: results of daily measurements. Contraception 1998;58:345−9)。
従って、上述の短所、望ましくない出血又は点状出血の発生、体重増加のため、過剰体重の女性、特に過体重の女性、とりわけ肥満女性は、POC処置を止めてしまう傾向が高く、予定外妊娠の機会が増大する。
そこで、過体重及び肥満の女性を包含する過剰体重の女性に対して、安全で有効な避妊薬製剤、特に忍容性に優れた避妊薬製剤であって、向上した患者服薬率を示す避妊薬製剤を提供する必要性がある。
本発明は、過体重に影響される女性患者及び肥満に影響される女性患者を包含する過剰体重に影響される女性患者に対する避妊薬として使用するための、3mg以上の量の一日活性投与量単位で含まれる唯一の避妊成分としてのドロスピレノン(DRSP)に関する。
本発明は、また、過体重に影響される女性患者及び肥満に影響される女性患者を包含する過剰体重に影響される女性患者に対する避妊組成物を製造するための唯一の避妊成分としてのドロスピレノンの使用に関する。
本発明は、また、過体重に影響される女性患者及び肥満に影響される女性患者を包含する過剰体重に影響される女性患者における出血イベントの日数の減少をもたらす避妊薬製剤の製造におけるドロスピレノンの使用に関する。出血イベントの日数が、非過剰体重の女性患者に比べて全般的かつ実質的に減少することが本明細書の全体にわたって開示されている。ドロスピレノンを唯一の避妊成分として含む本避妊薬製剤は、本明細書の全体にわたって詳細にかつその様々な実施形態で説明されている。
別の態様では、本発明は、3mg以上の量のドロスピレノンを含む医薬組成物を、過体重に影響される女性患者及び肥満に影響される女性患者を包含する過剰体重に影響される女性患者に投与することを含む方法に関する。
本発明は、3mg以上の量のドロスピレノンを含む医薬組成物を、過体重に影響される女性患者及び肥満に影響される女性患者を包含する過剰体重に影響される女性患者に投与することを含む方法であって、前記医薬組成物が28日間の連日投与計画の可能なものであり、ドロスピレノンの初期投与でその避妊効果が患者で確立した後に、28日間の連日投与計画のうちの4投与までを患者がスキップすることができる方法に関する。
本発明は、また、女性患者、特に肥満に影響される女性患者を包含する過剰体重に影響される女性患者における出血イベントの日数の全般的かつ実質的な減少をもたらす避妊薬製剤の製造におけるドロスピレノンの使用に関する。非過剰体重の女性患者と比べた、出血イベントの日数の全般的かつ実質的な減少は本明細書の全体にわたって開示されている。ドロスピレノンを唯一の避妊成分として含む本避妊薬製剤は、本明細書の全体にわたって詳細にかつその様々な実施形態で説明されている。
本発明は、また、女性患者における出血イベントの日数の全般的かつ実質的な減少をもたらす避妊薬キットの製造におけるドロスピレノンの使用であって、前記避妊薬キットが1以上の包装単位を含んでいて、各包装単位が21〜28の一日活性投与量単位を含んでおり、
(a)各一日活性投与量単位におけるドロスピレノンの量が、エストロゲンなしで、3mg以上であり、かつ
(b)1つの一日活性投与量単位が、空腹条件下で経口投与したときに、
(i)2.2h〜6hの平均tmax、及び
(ii)約30ng/ml未満の平均Cmax,及び
(iii)任意に、約300ng・h/ml以上の平均AUC0h−tlast
を有するドロスピレノンの薬物動態プロファイルをもたらすように適合されている、使用に関する。
max値及びtmax値は、それぞれ、問題とするDRSP含有組成物の1つの一日投与量単位の経口投与後の最大DRSP血漿濃度及びそれに達するまでの時間をいう。換言すると、Cmax及びtmaxは、問題とする組成物の1つの一日投与量単位の経口服用後に観察されるドロスピレノン血漿濃度ピークの特性をいう。
AUC0h−tlastは、ドロスピレノン血漿濃度を[0h−tlast]の時間間隔にわたる時間で積分した面積に対応し、「0h」は問題とする組成物の1つの一日投与量単位の経口服用の時点をいい、「tlast」はDRSPの血漿濃度を定量化できる最終時点をいう。
DRSP血漿濃度は周知の方法で求めることができる。例えば、適切な定量方法は、ヒト血漿からのDRSPの抽出と、タンデム質量分析に連結した液体クロマトグラフィーを用いるその定量を含む。
一実施形態では、当業者は、Kirk他(Rapid Communication in Mass Spectrometry, 2006;20:1247−1252)に記載された分析方法を応用してもよい。かかる方法は、後のMS分析の際のDRSPの応答性を増大させるために、Girard Pヒドラジン溶液でドロスピレノンを誘導体化する工程を含む。この方法は、ヒトEDTA血漿中のDRSPを約0.25〜約100ng/mlの濃度範囲で定量するのに概して適している。
本明細書において、平均AUC0h−tlast、平均Cmax及び平均tmaxは、ドロスピレノン含有組成物の1つの一日投与量単位の経口投与に付した出産可能年齢の健康な女性ボランティアの群で得られた個々の薬物動態データから求めた算術平均値をいう。健康な女性ボランティアの群は、統計的に信頼できる薬物動態結果を得るのに十分な数の女性を含む。好ましくは、この群は、10人以上の出産可能年齢の健康な女性を含む。
本明細書において、出産可能年齢の健康な女性とは、18〜40歳の閉経前の白人の女性であって、正常体重でかつ健康問題のない、特に代謝疾患、腎疾患、肝臓疾患又は婦人科疾患のない者をいう。
本発明は、また、女性患者における出血イベントの日数の減少をもたらす避妊薬キットの製造におけるドロスピレノンの使用であって、前記避妊薬キットが1以上の包装単位を含んでいて、各包装単位が21〜28の一日活性投与量単位を含んでおり、
(a)各一日活性投与量単位におけるドロスピレノンの量が、エストロゲンなしで、3mg以上であり、かつ
(b)各一日活性投与量単位が、一日活性投与量単位をUSP XXIIIパドル法に準拠したインビトロ溶解試験に付したときに、
(i)前記一日活性投与量単位に当初存在するドロスピレノンの50%以下が30分間以内に溶解し、かつ
(ii)該ドロスピレノンの50%以上が3〜4時間の時間範囲で溶解する
形態でドロスピレノンを含んでおり、前記ドロスピレノンのパーセンテージが、前記一日活性投与量単位に当初存在するドロスピレノンの量に対する、使用に関する。
DRSP系避妊薬処置を受けた女性のボディマスインデックス(BMI)と体重変化(kg)との相関を示すプロット。体重変化は、スクリーニング時の体重からビジット6(第13サイクルの24±2日目)の体重を減算することにより測定した。負の結果は体重減少の指標である。BMIが30kg/m未満の女性(左)は平均体重の変化を示さなかったのに対して、BMIが30kg/m以上の女性(右)は避妊薬処置期間中に体重のわずかではあるが有意の変化を示している。 DRSP系避妊薬処置を受けた女性のボディマスインデックス(BMI)と心拍数の変化との相関を示すプロット。心拍数の変化は、スクリーニング時の心拍数からビジット6(第13サイクルの24±2日目)の心拍数を減算することにより測定した。正の結果は、避妊薬処置期間中に心拍数が高まったことの指標である。BMIが30kg/m未満の女性(左)は、避妊薬処置期間中に心拍数のわずかではあるが有意の増加を示しているのに対して、BMIが30kg/m以上の女性(右)は、避妊薬処置期間中に心拍数の変化を示さなかった。
本願発明者らは、近年、結晶化され微粒子化されていない形態のドロスピレノン(DRSP)に基づく新規な避妊キット及び新規な避妊組成物を開発した(国際公開第2012/000981号)。DRSPは第四世代のプロゲストーゲンであり、スピロノラクトンから誘導され、天然プロゲステロンを模倣した薬理プロファイルを有する。
DRSPは、アンドロゲン、グルココルチコイド及び抗グルココルチコイド活性を欠くが、強力な抗ミネラルコルチコイド及び抗アンドロゲン特性を有する。3mg以上のドロスピレノンの経口一日投与量が、21日間の1回の処置サイクルの間、排卵を抑制できることが示されている。3mgドロスピレノン/30μgエチニルエストラジオールの組合せは、卵胞成熟の頻度を下げて排卵を抑制することによって、妥当な避妊安全性マージンを与える(Rosenbaum et al., 2000, The European Journal of Contraception and Reproductive Health Care, 5,16−24)。
市場で入手可能な他のDRSP系避妊薬製剤とは対照的に、国際公開第2012/000981号に記載されたDRSP系避妊薬製剤はインビトロでのDRSPのゆっくりとした溶解速度に依拠している。
さらに、国際公開第2012/000981号に記載されたDRSP系避妊薬製剤は、独特な薬物動態プロファイルを呈する。特に、3mg以上のDRSPを含む一日活性投与量単位は、空腹条件下で経口投与したときに、
・2.2h〜6hの範囲内の平均tmax、及び
・約30ng/ml未満の平均Cmax
を有するドロスピレノンの薬物動態プロファイルをもたらすように適合されている。
国際公開第2012/000981号に開示された結晶化され微粒子化されていない形態のドロスピレノン(DRSP)に基づく避妊組成物は、BMIが30kg/m未満の女性患者に適切に投与されると示唆されている。
避妊薬処置中の女性患者における出血及び/又は点状出血の標準化された記述のため、以下の用語法の範囲内で用いられる(Mishell et al., 2007, Contraception, 75(1):11)。
「出血」という用語又は「出血イベント」という表現は、タンポン、生理用ナプキン又はパンティライナーの使用を必要とする失血をいう。
「点状出血」という用語又は「点状出血イベント」という表現は、どのタイプの防護用品の使用をも必要としない最小限の失血をいう。
「出血及び/又は点状出血のエピソード」という表現は、出血も点状出血もない2日間によって両側が区切られる出血及び/又は点状出血日をいう。
実施形態によっては、「出血」という用語は「点状出血」を包含することもある。
本明細書の実施例に示されている通り、本明細書に記載のDRSP系POC製剤による処置を受けた過剰体重の女性(つまりBMIが25.0kg/m以上の女性)における処置サイクル当たりの出血イベントの日数は、(i)処置サイクル2〜4の間、同じ避妊薬処置を受けた非過剰体重の女性(つまりBMIが24.9kg/m以下の女性)に比べて、約22.5%減少し、(ii)処置サイクル2〜6の間、同じ避妊薬処置を受けた非過剰体重の女性(つまりBMIが24.9kg/m以下の女性)に比べて、約27.7%減少し、(iii)処置サイクル2〜9の間、同じ避妊薬処置を受けた非過剰体重の女性(つまりBMIが24.9kg/m以下の女性)に比べて、約30.8%減少し、(iv)処置サイクル5〜7の間、同じ避妊薬処置を受けた非過剰体重の女性(つまりBMIが24.9kg/m以下の女性)に比べて、約23.1%減少し、(v)処置サイクル7〜9の間、同じ避妊薬処置を受けた非過剰体重の女性(つまりBMIが24.9kg/m以下の女性)に比べて、約22.5%減少する。Wilcoxonの順位和検定を用いると、観察された差は統計的に有意である(p<0.01)。
本明細書の実施例にさらに示されている通り、過剰体重の女性(つまりBMIが25.0kg/m以上の女性)における出血イベントの平均日数は、(i)処置サイクル2〜4の間、処置サイクル当たり13%を超えず、(ii)処置サイクル2〜6の間、処置サイクル当たり11%を超えず、(iii)処置サイクル2〜9の間、処置サイクル5〜7の間又は処置サイクル7〜9の間、処置サイクル当たり10%を超えない。
本明細書において、「処置サイクル」は28日の処置期間を包含し、前記処置は、活性試験薬錠剤の21〜28連日用量の投与を含み、プラセボ錠剤の最大7日用量の投与を含んでいてもよい。
好ましい実施形態では、処置サイクルは、活性試験薬錠剤の24連日用量の投与と、続く連続4日間のプラセボ錠剤の投与を含む。
本明細書において、「処置サイクル当たりの出血イベントの日数」は、1の処置サイクルの期間内において、そのサイクルの時限(つまり活性試験薬かプラセボか)とは無関係に、1回以上の出血エピソードのあった日数を包含する。
本明細書の実施例に示されている通り、本明細書に記載のDRSP系POC製剤による処置を受けた過剰体重の女性(つまりBMIが25.0kg/m以上の女性)における処置サイクル当たりの出血イベントの日数は、研究した処置サイクルのいずれのサイクルにおいても、同じ避妊薬処置を受けた非過剰体重の女性(つまりBMIが24.9kg/m以下の女性)に比べて、常に5%以上減少する。
本明細書において、処置サイクル当たりの出血イベントの日数の「5%以上」の減少は、少なくとも6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%及び30%の減少を包含する。
例えば、DRSP系POC製剤による処置を受けた過剰体重の女性における、同じ避妊薬処置に付された非過剰体重の女性と対比したときの、処置サイクル当たりの出血イベントの日数の減少の平均百分率は、連続する3サイクルの処置に関して評価されることができ、15%〜30%、好ましくは20%〜25%、さらに好ましくは22%〜22%にわたる。
過剰体重の女性における処置当たりの出血イベントの日数の減少百分率は、例えば初期体重、年齢、処置開始時からの経過時間などのパラメーターに応じて、変動しかねないと理解されたい。
本明細書の実施例にさらに示されている通り、本明細書に記載のDRSP系POC製剤による処置を受けた肥満女性(つまりBMIが30kg/m以上の女性)における処置サイクル当たりの出血イベントの日数は、(i)処置サイクル2〜4の間、同じ避妊薬処置を受けた非肥満女性(つまりBMIが29.9kg/m以下の女性)に比べて、約60.1%減少し、(ii)処置サイクル2〜6の間、同じ避妊薬処置を受けた非肥満女性(つまりBMIが29.9kg/m以下の女性)に比べて、約67.9%減少し、(iii)処置サイクル2〜9の間、同じ避妊薬処置を受けた非肥満女性(つまりBMIが29.9kg/m以下の女性)に比べて、約69.7%減少し、(iv)処置サイクル5〜7の間、同じ避妊薬処置を受けた非肥満女性(つまりBMIが29.9kg/m以下の女性)に比べて、約48.1%減少し、(v)処置サイクル7〜9の間、同じ避妊薬処置を受けた非肥満女性(つまりBMIが29.9kg/m以下の女性)に比べて、約62.0%減少する。
Wilcoxonの順位和検定を用いると、観察された差は統計的に有意である(p<0.05)。
本明細書の実施例にさらに示されている通り、肥満女性(つまりBMIが30kg/m以上の女性)における出血イベントの平均日数は、(i)処置サイクル2〜4の間、処置サイクル5〜7の間、約7%を超えず、(ii)処置サイクル2〜6の間、処置サイクル2〜9の間、処置サイクル7〜9の間、約5%を超えない。
その上、本明細書の実施例にさらに示されている通り、他のPOC系避妊組成物に比べて、本ドロスピレノン系組成物は、期間サイクル中の出血又は点状出血のイベント数の有意な減少が観察されるので、肥満女性に有益である。
例えば、本明細書の実施例に示されている通り、本明細書に記載のDRSP系POC製剤による処置を受けた肥満女性(つまりBMIが30kg/m以上の女性)における処置サイクル当たりの出血イベントの日数は、研究した処置サイクルのいずれのサイクルにおいても、同じ避妊薬処置を受けた非肥満女性(つまりBMIが29.9kg/m以下の女性)に比べて、常に減少する。
本明細書において、処置サイクル当たりの出血イベントの日数の「10%以上」の減少は、少なくとも11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%及び50%の減少を包含する。
DRSP系POC製剤による処置を受けた肥満女性における、同じ避妊薬処置に付された非肥満女性と対比したときの、処置サイクル当たりの出血イベントの日数の減少の平均百分率は、連続する3サイクルの処置に関してさらに評価されることができ、30%〜75%、好ましくは40%〜75%、さらに好ましくは45%〜65%にわたる。
本発明者らによって示された出血又は点状出血の日数の減少は、過体重及び肥満の女性を含む過剰体重の女性に有益であり、遵守し易い避妊処置とそのため避妊処置における増大した効率とをもたらしつつ、生活快適性をかなり改善する。
出血又は点状出血の日数の減少に加えて、過剰体重の女性、特に過体重の女性、とりわけ肥満女性への国際公開第2012/000981号に従うDRSP系POC処置の経口投与は、本明細書の実施例に示されている通り、安静時心拍数の変化における利点と共に体重変化における利点ももたらし得る。
このような驚くべき所見は、国際公開第2012/000981号に開示された以前の臨床評価からは予期し得ない。
実際、かかるDRSP系避妊組成物は、過剰体重の女性、特に過体重の女性、とりわけ肥満女性に投与すると、この処置中に体重変化に何の影響もなくわずかな有意な安静時心拍数の増加が観察される母集団からの女性に比べて、有意な平均体重減少をもたらし、安静時心拍数に何の変化もない。
従って、本発明のDRSP系避妊薬処置は、肥満に影響される女性(BMIが30kg/m以上の女性を包含する)を含む過剰体重の女性が、処方された避妊薬処置をより遵守し易くし、それにより避妊薬処置から脱落するリスクを低減し、もって予定外妊娠のリスクを低減する。
従って、一実施形態では、本発明は、過体重の女性における出血イベントの日数を、同じ避妊薬処置に付される非過体重の女性に比べて、5%以上、好ましくは10%以上減少させるための避妊薬として使用するための、3mg以上の量、特に3〜6mgの範囲の量の一日活性投与量単位に含まれる唯一の活性成分としてのドロスピレノン(DRSP)に関する。
さらに、本明細書に開示された実験データは、処置当たりの出血イベントの日数の減少効果が、DRSP−POC製剤による避妊処置の期間と共に増大する傾向があり、15%以上の減少に達することを示している。本明細書の実施例に開示されている通り、処置サイクル当たりの出血イベントの日数の30%超の減少が、処置サイクル2〜9の期間中の過体重の女性で起こる。
さらに、本発明は、肥満女性における出血イベントの日数を、同じ避妊薬処置に付される非肥満女性に比べて、10%以上減少させるための避妊薬として使用するための、3mg以上の量、特に3〜6mgの範囲の量の一日活性投与量単位に含まれる唯一の活性成分としてのドロスピレノン(DRSP)に関する。本明細書の実施例に開示されている通り、出血イベントの日数の45%超の減少が、処置サイクル2〜9の期間中の肥満女性で起こる。
本明細書の実施例にさらに示されている通り、過体重又は肥満の患者における出血イベントの日数は、当初処置サイクルに続くいずれの処置サイクルにおいても、約20%、15%、10%、8%又は5%を超えない。
1.ドロスピレノンの一日活性投与量
一つの態様では、本発明は、過体重に影響される女性患者及び肥満に影響される女性患者を包含する過剰体重に影響される女性患者に対する避妊薬として使用するための、3mg以上の量で一日活性投与量単位に含まれる唯一の避妊成分としてのDRSPに関する。
一つの特定の態様では、本発明は、肥満に影響される女性患者に対する避妊薬として使用するための、3mg以上の量で一日活性投与量単位に含まれる唯一の避妊成分としてのDRSPに関する。
ある実施形態では、本発明は、BMIが30kg/m以上の女性患者に対する避妊薬として使用するための、3mg以上の量で一日活性投与量単位に含まれる唯一の避妊成分としてのDRSPに関する。
本明細書において、「避妊成分」とは、連続する21〜28日間の期間にわたって女性患者に有効量で連日投与されたときに妊娠を防ぐことのできる成分を意味する。避妊成分は、様々な生物学的作用によって、妊娠が起こるのを防ぐ。例えば、妊娠は、排卵の抑制によって、子宮頸管粘液の粘性増加(これは精子の生存率及び通過を減らす。)によって、及び/又は胚の着床の阻害によって、防ぐことができる。
本明細書において、「唯一の避妊成分」とは、DRSPが避妊を促進する唯一の成分でることを意味する。換言すると、避妊成分はエストロゲンを含まない。
ドロスピレノン又はDRSP(すなわち6β,7β,15β,16β−ジメチレン−3−オキソ−17a−プレグン4−エン−21,17−カルボ−ラクトン、さらにCAS登録番号67392−87−7で同定される。)は、天然プロゲステロンの薬理プロファイルと非常に密接に関連した薬理プロファイルを有する合成プロゲストーゲンである。
本明細書において、「ドロスピレノン」という用語は、ドロスピレノン自体、ドロスピレノンの溶媒和物、及びドロスピレノンの誘導体又はプロドラッグをいう。
DRSPは、先行技術、例えば、米国特許第4129564号、国際公開第9806738号、欧州特許出願公開第11746101号又は国際公開第2006061309号に記載された周知の方法で調製し得る。国際公開第2006061309号に記載された方法が、DRSPの調製に特に適している。
DRSPの調製方法は、優良製造規範(GMP)の要件を満たすように実施し得ることはいうまでもない。
DRSPの良好なバイオアベイラビリティを担保するため、避妊組成物に当初含まれていたDRSPの相当量が妥当な時間範囲内に放出されなければならない。
DRSPの良好なバイオアベイラビリティは、DRSPを含む組成物に当初存在するDRSPの50%以上が3時間乃至4時間の時間範囲内に溶解するようなDRSPのインビトロ溶解速度を有する当該組成物の場合に達成し得る。
本明細書において、「活性一日投与量単位」とは、女性患者に毎日投与したときに妊娠を防ぐことができる投与量単位を意味する。好ましい実施形態では、活性一日投与量単位は排卵を抑制することができる。
本明細書において、「女性患者」とは、出産可能年齢(つまり思春期から閉経期まで)の女性個人をいう。出産可能年齢の女性個人は、閉経周辺期の女性も含む。
ボディマスインデックス(BMI)は、成人における過体重と肥満を分類するのに常用されている体重対身長の簡単な指標である。これは、人のキログラム単位の体重をメートル単位の身長の二乗で除したもの(kg/m)と定義される。
WHO(世界保健機関)は、成人に関してBMI範囲に関連付けられた下記の体重標準状態分類を受け入れている。
・18.5kg/m未満のBMIは低体重状態の指標であり、
・18.5kg/m〜24.9kg/mの範囲のBMIは普通体重状態の指標であり、
・25.0kg/m〜29.9kg/mの範囲のBMIは過体重状態の指標であり、
・30.0kg/m以上のBMIは肥満状態の指標である。
本明細書では、過剰体重に影響される女性患者は、25.0kg/m以上のBMIを有する女性患者を包含し、過体重の女性患者及び肥満の女性患者を含む。
本明細書では、過体重に影響される女性患者は、25.0kg/m〜29.9kg/mのBMIを有する女性患者を包含する。
本明細書では、肥満の女性患者、すなわち肥満に影響される女性患者は、30.0kg/m以上のBMIを有する女性患者を包含する。
ある実施形態では、女性患者は25.0kg/m以上のBMIを有する。
ある好ましい実施形態では、女性患者は30.0kg/m以上のBMIを有する。
ある実施形態では、一日活性投与量単位は、1以上の包装単位を含む避妊薬キット内に含まれており、各包装単位は21〜28の一日活性投与量単位を含んでおり、
(a)各一日活性投与量単位におけるDRSPの量が、エストロゲンなしで、3mg以上であり、かつ
(b)各一日活性投与量単位が、一日活性投与量単位をUSP XXIIIパドル法に準拠したインビトロ溶解試験に付したときに、
(i)前記一日活性投与量単位に当初存在するドロスピレノンの50%以下が30分間以内に溶解し、かつ
(ii)該ドロスピレノンの50%以上が3〜4時間の時間範囲で溶解する
形態でドロスピレノンを含んでおり、前記ドロスピレノンのパーセンテージが、前記一日活性投与量単位に当初存在するドロスピレノンの量に対する、使用に関する。
DRSPを含む一日活性投与量単位は、インビトロでのDRSPのゆっくりとした溶解速度によって特徴づけられる。
本明細書において、「インビトロでのDRSPのゆっくりとした溶解速度」とは、DRSPの放出が、一日活性投与量単位を溶解試験に付したときにその一日活性投与量単位に当初存在するDRSPの50%以下が30分間以内に溶解するようなものであることを意味する。
本明細書において、DRSPの50%以下は、一日活性投与量単位に当初存在するDRSPの45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%の各以下を包含する。
いくつかの実施形態では、一日活性投与量単位に当初存在するDRSPの40%以下が30分間以内に溶解する。
本明細書において、DRSPのパーセンテージは、前記一日活性投与量単位に当初存在するドロスピレノンの量に対する。
DRSPのインビトロ溶解速度は、先行技術に記載された周知の方法のいずれかによって評価し得る。
DRSPのインビトロ溶解速度は、好ましくはUSP XXIIIパドル法によって評価される。簡潔に述べると、試験すべきDRSPを含む避妊組成物からなる錠剤を、37℃(±0.5℃)の水900mLに入れる。溶解試験は、USP溶解試験装置2を用いて50rpmの撹拌速度で実施される。
好ましい実施形態では、各一日活性投与量単位におけるDRSPの量は3mg以上のDRSPである。3mg以上のDRSPは、3.5mg以上のDRSP、4mg以上のDRSP、4.5mg以上のDRSP、5mg以上又は5.5mg以上のDRSPを包含する。
いくつかの実施形態では、上述の避妊組成物からなる活性一日投与量単位は、約3mg〜約6mgの量のDRSPを含有し得る。約3mg〜約6mgの一日投与量は、3.0mg、3.5mg、4.0mg、5.0mg、5.5mg及び6mgを包含する。
ある実施形態では、各一日活性投与量単位におけるDRSPの量は約3.5mg〜4.5mgである。
本明細書において、「特定の値」の前の「約」という用語は、「特定の値マイナス特定の値の10%」乃至「特定の値プラス特定の値の10%」の範囲を定める。例えば、「約50」は45〜55の範囲を定める。
ある実施形態では、1以上の包装単位は、薬学的に許容されるプラセボの1〜7の一日投与量単位をさらに含む。
本発明の範囲内で、「プラセボ」という用語は薬理学的に不活性又は無害な物質を意味する。
ある実施形態では、各包装単位は24の一日活性投与量単位を含む。
ある実施形態では、各包装単位は4の一日プラセボ投与量単位を含む。
ある実施形態では、DRSPは結晶質の形態である。
ある実施形態では、DRSPは微粒子化されていない形態である。
既に述べた通り、結晶質でありかつ微粒子化されていない形態のDRSPは、インビトロでのDRSPのゆっくりとした溶解速度を可能にする。
本発明のDRSP含有組成物を得るための一つの方法は、適切な比表面積を有する粒子の形態、例えば微粒子化されていない粒子の形態のDRSPを使用することである。約2000cm/g〜約8500cm/gの比表面積を有する粒子形態のDRSPが、本発明の避妊組成物を得るのに適していることも示されている。比表面積はBET法(ガス吸着法)を用いて実験的に決定することができる。
ある実施形態では、粒子形態のDRSPは、約2000cm/g〜約8500cm/gの比表面積を有する。
このような比表面積の範囲は、約2000cm/g、2500cm/g、3000cm/g、3500cm/g、4000cm/g、4500cm/g、5000cm/g、5500cm/g、6000cm/g、6100cm/g、6200cm/g、6300cm/g、6400cm/g、6500cm/g、6600cm/g、6700cm/g、6800cm/g、6900cm/g、7000cm/g、7500cm/g、8000cm/g及び8500cm/gの値を含む。
粒子径分布に関して、インビトロ溶解速度及び従ってインビボバイオアベイラビリティを大幅に損なうことがないように、200μmよりも大きな直径のDRSP粒子は避けるべきである。かかる粒子は溶解性に乏しいからである。
ある実施形態では、DRSPは70μm未満のd50を有する。
ある好ましい実施形態では、DSRP粒子のd50は10μm〜60μmである。約10μm〜約60μmのd50範囲は、10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm及び60μmのd50を包含する。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物に存在するDRSPの粒子径分布は、
(i)約100μm未満のd90粒子径、及び/又は
(ii)約10〜約60μmのd50粒子径、及び/又は
(iii)約3μm超のd10粒子径
によって特徴付けられる。
いくつかの他の実施形態では、DSRP粒子のd50は約10μm〜約30μmである。かかる実施形態では、本発明の組成物に存在するDRSPの粒子径分布は、以下の特徴の少なくとも1つによって特徴付けられる。
(i)約100μm未満のd90粒子径、
(ii)約10〜約30μmのd50粒子径、及び
(iii)約3μm超のd10粒子径。
本明細書において、「d90粒子径」とは、粒子径分布が、粒子の90%以上が特定の値未満の粒子径を有するようなものであることを意味する。
本明細書において、「d50粒子径」とは、粒子径分布が、粒子の50%以上が特定の値未満の粒子径を有するようなものであることを意味する。
本明細書において、「d10粒子径」とは、粒子径分布が、粒子の10%以上が特定の値未満の粒子径を有するようなものであることを意味する。
約100μm未満のd90粒子径は、約で90μm、80μm、70μm、60μm、55μm、50μm、45μm、40μm、38μm、36μm、34μm、32μm、30μm、28μm、26μm、24μm、22μm、20μm未満のd90粒子径を含む。
約10μm〜約30μmのd50粒子径値は、約で10μm、11μm、12μm、13μm、14μm、15μm、16μm、18μm、19μm、20μm、21μm、22μm、23μm、24μm、25μm、26μm、27μm、28μm、29μm、30μmの値を含む。
約3μm超のd10粒子径値は、約3μm、3.5μm 4.5μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、11μm、12μmより大きい値のd10粒子径値を含む。
10粒子径値がd50粒子径値よりも小さく、d50粒子径値がd90粒子値よりも小さいことはいうまでもない。
DSRP粒子径分布、特にd90、d10及びd50値は、ふるい分析、レーザー回折法、光分析法又は光学的計数法のような従来技術で周知の方法によって決定できる。レーザー回折法が特に好ましい。粒子径分布は、湿分散中でのレーザー回折によって決定し得る。分散媒は好ましくは水である。
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、以下の(i)〜(iii)から選択される2つの特徴の組合せを有する粒子径分布を有する粒子の形態のDSRPを含む。
(i)約100μm未満のd90粒子径、
(ii)約10〜約30μmのd50粒子径、及び
(iii)約3μm超のd10粒子径。
換言すると、DRSPの粒子径分布は、特徴(i)と特徴(ii)、特徴(i)と特徴(iii)及び特徴(ii)と特徴(iii)から選択される特徴の組合せを示す。
いくつかの他の実施形態では、本発明の医薬組成物は、
(i)d90粒子径が約100μm未満であること、
(ii)d50粒子径が約10〜約30μmであること、及び
(iii)d10粒子径が約3μm超であること
を特徴とする粒子径分布を有する、微粒子化されていない形態のDSRPを含む。
好ましい実施形態では、DRSP粒子分布は、さらに、d90粒子径値が50μm未満であること及び80μm超の粒子径の粒子がないことを特徴とする。
いくつかの実施形態では、本発明の避妊組成物は、約20μm〜約40μmのd90粒子径、約10〜約30μmのd50粒子径及び約3μm〜約9μmのd10粒子径を有し、80μm超の粒子径を有する粒子がなく、さらに好ましくは60μm超の粒子径を有する粒子がない、粒子の形態のDSRPを含む。
いくつかの他の実施形態では、本発明の避妊組成物は、
(i)約30μm〜約40μmのd90粒子径、
(ii)約15μm〜約25μmのd50粒子径、及び
(iii)約5μm〜約9μmのd10粒子径
を有し、80μm超の粒子径を有する粒子がなく、さらに好ましくは60μm超の粒子径を有する粒子がない、粒子の形態のドロスピレノンを含む。
いくつかの他の実施形態では、本発明の避妊成分は、約2000cm/g〜約8000cm/gの比表面積を有するとともに10μm〜60μmのd50粒子径範囲を有する粒子の形態のDSRPで表される。
上述の比表面積及び/又は粒子径分布を有する粒子の形態のDSRPを得るため、当業者は、任意的にふるいプロセスと組合せた粉砕プロセスのような従来技術で周知の方法を用いることができる。
例えば、先行文献に記載された合成方法のいずれかで得たDSRPを、ボールミル又はハンマーミル工程に付し、任意的に振動ふるい工程に付すことができる。後の振動ふるい工程は、DSRPの薬物動態プロファイル及びインビトロ溶解プロファイルを損なうおそれのあるDSRPの微粒及び粗粒を除去することができる。
適切な粒子形態のDSRPを得るため、当業者は、慣用実験によって粉砕工程及びふるい工程のパラメーターを調節することができる。使用することのできる適切なミルは、流体エネルギーミル、ボールミル又はロッドミル、ハンマーミル、カッティングミル及び振動造粒機を包含する。
DRSPの適切な粒子形態は、ドロスピレノン粒子の粒子径を十分に制御するため、任意的にふるい工程と組合せた、結晶化又は沈殿プロセスによっても調製し得る。沈殿プロセスは、(i)DRSPを水混和性溶媒中に溶解し、次いで(ii)得られた溶液を撹拌下で冷水中に分散させてDRSPの沈殿を惹起する工程を含む。DRSP粒子は、次いで濾過プロセスによって回収することができる。
水混和性溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン又はジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド又はアセトンのような、結晶化プロセス又は沈殿プロセスで常用される溶媒であることができる。
かかるプロセスによって、本質的に結晶化した形態のDRSPを得ることができる。
慣用実験によって、当業者は沈殿プロセスで使用すべき適切なパラメーターを決定して、適切な形態のDRSPを得ることができる。
当業者は、慣用実験によって沈殿プロセスのパラメーター(例えば溶媒の量、水の量、及び任意には界面活性剤の使用量など)を調節し得る。
2.避妊法
本発明は、また、3mg以上の量のDRSPを含む医薬組成物を、過体重に影響される女性患者に投与することを含む方法であって、前記医薬組成物が28日間の連日投与計画の可能なものであり、DRSPの初期投与でその避妊効果が患者で確立した後に、28日間の連日投与計画のうちの4日分までの服用を患者がスキップすることができる方法に関する。
いくつかの実施形態では、本発明は、3mg以上の量のDRSPを含む医薬組成物を、肥満に影響される女性患者に投与することを含む方法であって、前記医薬組成物が28日間の連日投与計画の可能なものであり、DRSPの初期投与でその避妊効果が患者で確立した後に、28日間の連日投与計画のうちの4日分までの服用を患者がスキップすることができる方法に関する。
いくつかの他の実施形態では、本発明は、3mg以上の量のDRSPを含む医薬組成物を、BMIが30kg/m以上の女性患者に投与することを含む方法であって、前記医薬組成物が28日間の連日投与計画の可能なものであり、DRSPの初期投与でその避妊効果が患者で確立した後に、28日間の連日投与計画のうちの4日分までの服用を患者がスキップすることができる方法に関する。
上述の方法のいくつかの実施形態では、女性患者は25kg/m以上のBMIを有する。
上述の方法のいくつかの実施形態では、女性患者は肥満に影響される。
ある実施形態では、女性患者は30kg/m以上のBMIを有する。
本明細書において、「連日投与計画」とは、肥満に影響される女性患者のための避妊方法が、本明細書に十分に記載された医薬組成物からなる活性一日投与量単位を、28日間の期間、すなわち月経周期の平均長さに相当する期間にわたって該女性患者に投与することを含んでいることを意味する。
本明細書において、「活性一日投与量単位」とは、連続28日間の期間にわたって女性患者に毎日投与したときに妊娠を防ぐことができる投与量単位を意味する。
DRSPでその避妊効果が確立した後に、本方法は、無避妊期間である第2期、すなわち女性患者に避妊成分を投与しない時期を含んでいてもよい。この第2期においては、一日プラセボ投与量単位を女性患者に投与してもよい。その他の場合、女性患者にはピルを全く投与しない。
「一日プラセボ投与量単位」とは、その投与量単位に含まれる成分が薬学的に不活性又は無害であることと解される。換言すると、一日プラセボ投与量単位は、本明細書で定義する避妊成分を含まない。
このような第2期は規則的な月経出血を起こすことができて、自然な月経周期を模倣することができる。
さらに、第2期は、内在性エストラジオールの分泌を可能にし、これは女性患者の骨代謝にいくつかの利点があると考えられる。
ある実施形態では、本医薬組成物は、さらに、上記の28日間の連日投与計画の間に、DRSPの最大2不連続日を患者がスキップすることを可能にするが、ただし、スキップした最大2不連続日後の約24時間以内に、スキップしたDRSP投与量を服用することを条件とする。
ある実施形態では、スキップされる最大4投与量は不連続日である。
ある実施形態では、スキップされる最大4投与量は連続日である。
一般的な観点において、微粒子化されておらず結晶化された形態のDRSPが本発明の医薬組成物の調製に好ましく使用される。
肥満に影響される女性患者に投与すべきDRSPの連日投与計画は、女性患者の年齢、体重、全般的健康状態及び食事などの個人要因に応じて調整してもよい。連日投与計画は、また、起こり得る薬物相互作用に応じて変更してもよい。連日投与計画は、また、DRSPの投与によって求める妊娠の予防以外の、追加の生物学的効果に応じて変更してもよい。
女性患者に一日当たり投与すべきDRSPの連日投与計画は、前述の投与量よりも少なくても或いは多くてもよい。例えば、閉経周辺期の女性患者は、その全般的状態を改善するために、並びに例えば月経周期の規則性を改善するために、DRSPの一日投与量を高める又は下げることが必要とされることがある。
連日投与計画の調整は医師によって日常的に決定し得る。
好ましい実施形態では、本発明の医薬組成物はさらに1種以上の薬学的に許容される添加物を含む。
本発明の医薬組成物は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy(Lippincott Williams & Wilkins; Twenty first Edition, 2005)に記載されているような標準的な方法に従って製剤化し得る。
本発明の避妊組成物の製剤化に使用し得る薬学的に許容し得る添加物は、具体的には、Handbook of Pharmaceuticals Excipients, American Pharmaceutical Association(Pharmaceutical Press; 6th Revised edition, 2009)に記載されている。
適切な添加物の例は、フィラー、キャリア、希釈剤、結合剤、固結防止剤、可塑剤、崩壊剤、潤滑剤、フレーバー、緩衝剤、安定剤、着色料、染料、酸化防止剤、粘着防止剤、軟化剤、保存料及び滑剤を包含するが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本発明の避妊組成物は、結合剤、フィラー、滑剤及び潤滑剤から選択される1種以上の添加剤を含む。
フィラーの例は、無水ラクトース、微結晶セルロース、デンプン、α化デンプン、加工デンプン、二塩基型リン酸カルシウム二水和物、硫酸カルシウム三水和物、硫酸カルシウム二水和物、炭酸カルシウム、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール及びソルビトール並びにこれらの組合せを包含するが、これらに限定されない。
潤滑剤の例は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、タルク、プロピレングリコール、PEG、ステアリン酸、植物油、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、鉱油、ポリオキシエチレンモノステアレート及びこれらの組合せを包含するが、これらに限定されない。
結合剤の例は、デンプン、例えばジャガイモデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプンなど;ガム、例えばトラガカントガム、アカシアガム及びゼラチンなど;結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース;ポリビニルピロリドン及びこれらの組合せを包含するが、これらに限定されない。
滑剤の例は、二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、デンプン、タルク及び三塩基型リン酸カルシウムを包含する。
好ましい実施形態では、本発明の医薬組成物は、有意な量の界面活性剤を含まない。有意な量の界面活性剤は、DRSPの初期溶解速度を増大させることにより、DRSPのインビトロ溶解プロファイルを損ないかねない。界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのような非イオン性界面活性剤、及びラウリル硫酸ナトリウムのようなイオン性界面活性剤を包含する。
使用すべきDRSPが、本明細書に十分に記載された比表面積及び/又はd90、d10及びd50粒子径を有する粒子の形態であり得ることはいうまでもない。
本避妊組成物は、任意には、約0.1重量%〜10重量%をなす追加の添加物を含んでいてもよい。
本発明の避妊組成物は、経口投与に適したガレヌス形態として製剤化し得る。かかる形態は、錠剤、カプレット、顆粒、ピル、カプセル、粉末及び懸濁物を包含するが、これらに限定されない。
好ましい実施形態では、避妊組成物は、錠剤、カプセル、顆粒、カプレット及びピルのような経口投与のための固形形態に製剤化される。
このような固形形態は、本発明の避妊薬キットにおける一日活性投与量単位として使用するの特に適している。
医薬組成物を錠剤又はピルのような固体形態で製剤化する場合、その固形形態は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース又はエチルセルロースのような適切な膜形成剤で好適にコーティングしてもよく、膜形成剤に、適切な添加剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ジエチルフタレート又はグリセロールトリアセテートのような軟化剤、スクロース、ソルビトール、キシリトール、グルコース又はラクトースのようなフィラー、或いは例えば水酸化チタンのような着色料を適宜添加してもよい。
錠剤、ピル又は顆粒の形態の医薬組成物は、直接圧縮、乾式造粒及び湿式造粒のような慣用法によって調製し得る。
いくつかの実施形態では、固形形態は直接圧縮によって得られる。
本発明のさらなる目的は、本明細書に記載された避妊組成物を調製するための方法を提供することであり、本方法は、
(i)本明細書で既に十分に記載した粒子形態のDRSPを用意する工程と、
(ii)1種以上の薬学的に許容される添加物を用意する工程と、
(iii)工程(i)で用意したDRSPと工程(ii)で用意した1種以上の添加物とを混合する工程と
を含む。
上記で十分に説明した通り、本願出願人は、DRSP含有組成物であって、該組成物をインビトロ溶解試験に付したときに、
(i)組成物中に当初に存在するDRSPの50%以下が30分間以内に溶解し、かつ、
(ii)DRSPの50%以上が3〜4時間の時間範囲で溶解する
形態のDRSPを含んでおり、DRSPの百分率が組成物中に当初に存在するDRSPの量に対する、DRSP含有組成物を得るための技術的なガイドラインを提供する。
このようなインビトロ溶解プロファイル又は上記で十分に説明したインビボ薬物動態プロファイルを有するDRSP含有組成物は、他の様々な方法で得ることができる。
慣用実験によって及び当業者の一般的知識に照らして、当業者は、本願に記載されたインビトロ溶解プロファイル及びインビボ薬物動態プロファイルを示す、他の代替的組成物を得るために、(i)DRSPの粒子径分布及び(ii)添加物の量及び種類を修正し得る。
例えば、当業者は、(i)微粒子化されたDRSPと共に(ii)DRSPの溶解速度を減少させるための徐放剤を含む組成物を想定し得る。
当業者は、また、(i)DRSPの大きな粒子と共に(ii)DRSPの溶解性を担保するための界面活性剤及び/又は湿潤剤とを組合せることも想定し得る。
ある実施形態では、前記医薬組成物は1以上の包装単位を含み、各包装単位は21〜28の一日活性投与量単位を含んでおり、
(a)各一日活性投与量単位におけるドロスピレノンの量が、エストロゲンなしで、3mg以上であり、かつ
(b)各一日活性投与量単位が、一日活性投与量単位をUSP XXIIIパドル法に準拠したインビトロ溶解試験に付したときに、
(i)前記一日活性投与量単位に当初存在するドロスピレノンの50%以下が30分間以内に溶解し、かつ
(ii)該ドロスピレノンの50%以上が3〜4時間の時間範囲で溶解する
形態でドロスピレノンを含んでおり、前記ドロスピレノンのパーセンテージは、前記一日活性投与量単位に当初存在するドロスピレノンの量に対する。
避妊薬キットは1以上の包装単位を含む。
1以上の包装単位は、1包装単位、2包装単位、3包装単位、4包装単位、5包装単位及び6包装単位を包含するが、これらに限定されない。
各包装単位は、21〜28の一日活性投与量単位を含む。上記で十分に説明した通り、各一日活性投与量単位は本発明の避妊組成物からなる。
上記で十分に説明した通り、一日活性投与量単位は好ましくは、いかなるエストロゲン又はエストロゲン誘導体(例えばエチニルエストラジオール、メストラノール又は8−プレニルナリンゲニン)をも含まない。換言すると、DRSPは好ましくは一日活性投与量単位中にエストロゲンなしで存在する。
さらに好ましい実施形態では、DRSPは、一日活性投与量単位に含まれる唯一の避妊成分である。
各包装単位は、任意には、薬学的に許容されるプラセボの1〜7の一日投与量単位を含む。
いくつかの実施形態では、避妊薬キットは、各包装単位が28の一日投与量単位を含み、薬学的に許容されるプラセボの一日投与量単位を全く含まないことを特徴とする。このような避妊薬キットは、無避妊期間なしでDRSPの「連続」投与からなる本発明の避妊方法を実施するのに特に適している。
他の実施形態では、各包装単位は、
・本願で十分に説明した避妊薬組成物からなる21〜27の活性一日投与量単位、及び
・任意には、薬学的に許容されるプラセボの1〜7の一日投与量単位
を含む。
このような避妊薬キットは、
・エストロゲンを含まない本発明の活性一日投与量単位を、肥満に影響される女性患者に、連続する21〜27日間にわたって投与する第1期と、
・連続する1〜7日間にわたって女性患者に避妊組成物を全く投与しない、次の第2期と
を含む本発明の避妊方法を実施するのに特に適している。
いくつかの他の実施形態では、キットの各包装単位は、本明細書に記載された避妊組成物の有効料を含む24の一日投与量単位、及び任意には薬学的に許容されるプラセボの4の一日投与量単位を含む。
上述の包装単位は、経口避妊薬に常用される慣用形態のいずれでもよい。
例えば、包装単位は、適切な数の投与量単位を厚紙、板紙、ホイル又はプラスチック裏板を有する密封ブリスターパック内に含み、適切なカバーで囲んだ慣用のブリスターパックとし得る。各ブリスター容器は、服用遵守を促進するために、好適に番号付け又はマークしてもよい。
包装単位は、一日投与量単位をその服用順に(すなわちDRSPの組成物を含む21以上の投与単位の最初のものから始まり、任意には次いで7以下の空のブリスター又は薬学的に許容されるプラセボを含む7以下の投与単位)を含んでいてもよい。
本発明のキットは、使用説明書のような他の適切な構成要素を含んでいてもよい。
以下の実施例は例示的なものであり、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1−LF111(DRSP)処置は出血及び/又は少量出血の日数を減少させる
1/目的
以下の研究CF111/302は、28日間の処置(24日間の活性試験薬錠剤に続いて4日間のプラセボ錠剤)の9サイクルにわたるLF111(DRSP)の避妊有効性、忍容性及び安全性に関するピボタル・多施設・二重盲検・ダブルダミー・ランダム化試験を表す。
第1の目的はLF111の避妊有効性を実証することであり、第2の目的はLF111の忍容性及び安全性(特に出血パターンに関する)を実証することである。
2/材料及び方法
a)試験薬、投与量及び投与モード
本試験中、LF111フィルムコート錠剤(試験薬;4mgのDRSPを含む24個の錠剤と、4個のプラセボ錠剤;Leon Farma社)を経口投与した。LF111錠剤は以下の処方のものであった。
b)試験デザイン
この前方視的多施設・ランダム化・二重盲検・ダブルダミー試験は、コントロールされていない現在の疾患がなく、妊娠のリスクがあり、18〜45歳の年齢の、収縮期血圧<140mmHg、拡張期血圧<90mmHgの女性857人で実施し、オーストリア、チェコ共和国、ドイツ、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スロバキア及びスペインの約73箇所の施設で経過観察した。
ビジット1a(スクリーニング;V1a)でインフォームドコンセントを与え、ビジット1bで試験投薬を受けた後、被験者は第1、第3及び第6サイクルの24±2日目のビジット2〜4並びに第9サイクルの29+2日目のビジット5(V5)に出席する。フォローアップ(ビジット6;V6)は最終LF111服用後7〜10日目に起こる。
試験の予定される全期間は16か月と設定され、登録プロセスのための最大6か月、避妊処置自体のための最大9か月及びフォローアップステップのための10日間を有する。個々の女性のための避妊処置の期間は9×28日間である。
c)除外基準
妊娠中の被験者;授乳中の被験者;試験プロトコル及びIMP(Investigational Medicinal Products;治験薬)の使用を遵守することができないことが既知又は疑われる被験者;骨盤、乳房又は膣内超音波検査で試験への参加が排除される異常所見;原因不明の無月経、既知の多嚢胞性卵巣症候群;Pap試験でASC−US又はより重度の所見を有する被験者;IMPの活性成分(ドロスピレノン)又は添加物(セルロース、ラクトース、二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、トウモロコシデンプン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、aquarius BT16035 cottage green、タルク、二酸化チタン、シリカコロイド状無水、all−rac−α−トコフェロール、ラクトース、一水和物、トウモロコシデンプン、ポビドン、ステアリン酸、ヒプロメロース、マクロゴール400)に対する既知の禁忌又は過敏症;重度の循環器、肝臓又は腎疾患、血管障害を伴う糖尿病、コントロールされていない甲状腺疾患又は現在の静脈血栓症もしくは塞栓症;診断の確定していない膣出血;既知の性ホルモン感受性悪性腫瘍又はその疑い;重度の肝疾患又はその既往歴(肝機能値が正常値に戻っていない場合に限る);アルコール、医薬又は薬物の乱用の所見又は既往歴(直近12か月以内);既知の出血性疾患又はV1a前の直近12か月以内の原因不明の出血もしくは皮下出血の既往歴;禁止薬物/避妊薬歴(V1a前の直近6か月以内の注射ホルモン避妊法、V1a前の直近2か月以内のプロゲスチン放出IUD(子宮内避妊器具)又は避妊インプラント、V1a前の直近6か月以内の抗レトロウイルス剤治療、IMP服用開始前の直近28日以内のミクロソーム酵素誘導薬);併用禁止薬(エストロゲン、プロゲストーゲン、活性炭、ミクロソーム酵素誘導薬、抗けいれん剤[例えば、ヒダントイン類、フェニトイン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、トピラマート、フェルバメート、プリミドンなど]、バルビツール酸類、抗生物質[リファブチン又はリファンピシンなど]、リトナビル、ネルフィナビル、アトルバスタチン、ボセンタン、グリセオフルビン、フェニルブタゾン、セイヨウオトギリ[hypericum perforatum]、血清カリウムを増加させる薬物[ACE阻害剤、アンジオテンシン−H受容体拮抗薬、カリウム保持性利尿薬、カリウム補給、ヘパリン、アルドステロン拮抗薬及びNSAID類])に対する依存;本試験の予定期間中に予定される外科手術であって経口避妊薬の中止が必要とされるもの;バリア避妊法、殺精子剤、IUDその他避妊手段の定期的な併用(感染のリスクのための時折の使用を除く);神経症的性格、精神疾患又は自殺の所見又は既往;本試験にエントリーと平行又はエントリー前90日未満の別の治験薬又は器具の試験への参加、或いは本試験への以前の参加;研究者又は試験施設の従業者、或いは従業者又は研究者の家族;研究者の意見において、プロトコルに基づく本試験の実施を危うくする状態の者。
d)評価基準
d.1)効力
・一次的:全パール指数(全PI);
・二次的:失敗した方法のPI;バックアップ避妊に関する補正後のPI;妊娠率。
d.2)安全性/忍容性
サイクル2〜6における予定外出血/点状出血の被験者の割合;サイクル2〜9の各サイクルにおける予定外出血/点状出血の被験者の割合並びにサイクル2〜6及びサイクル2〜9における累積;サイクル2〜4における出血/点状出血の日数;サイクル7〜9における出血/点状出血の日数;サイクル2〜9における出血/点状出血の日数;サイクル2〜4における出血/点状出血エピソードの数;サイクル7〜9における出血/点状出血エピソードの数;サイクル2〜9における出血/点状出血エピソードの数;無月経の被験者の割合;ベースライン(V1a)からの体重の変化;ベースライン(V1a)からの収縮期及び拡張期血圧の変化;有害事象(AE);脈拍数;被験者の一部に対する心電図(ECG);臨床検査パラメーター;被験者の一部に対する特殊な臨床検査パラメーター(止血性変数、炭水化物代謝及び骨代謝)。
d.3)統計法
d.3.1)効力パラメーター
全パール指数として定義される一次的効力変数の解析は、最大の解析対象集団(FAS;Full Analysis Set)及び治験実施計画書に適合した対象集団(PPS;Per Protocol Set)で実施される。効力の一次的判定はFASに基づく。全PIに関する両側95%信頼区間(CI)は、妊娠のイベントがポアソン分布を有すると仮定して計算される。二次的効力解析は、FASに基づいて実施される。両側95%CIは、失敗した方法のPIについて計算される。Clopper−Pearsonの95%信頼区間は妊娠率について計算される。累積妊娠率はKaplan−Meier推定量を用いて計算される。両側95%CIは、バックアップ避妊に関する補正後のPIに対して計算される。
d.3.2)安全性及び忍容性パラメーター
血圧、体重及び出血パターンのパラメーターの解析はFASに基づく。安全性エンドポイントの解析は安全性解析対象集団(Safety Set)のみを用いて行われる。すべての有害事象(AE)及び処置下で発現した有害事象(TEAE)は、基本語及び器官別大分類によってAEの被験者の数及び百分率を計算することによってまとめられる。また、TEAEは重症度、及び処置との関係によってもまとめられる。試験中止に至るTEAEの数及び百分率が提供される。臨床検査パラメーター、脈拍数及び異常ECG結果(例えばQT延長)は、絶対値及びV1a(特殊な臨床検査パラメーター及びECG:V1b)からV3、V4及びV5への変化に関する要約統計量を計算することによってまとめられる。V1aとV5(又はEDV)の間の臨床検査正常範囲に関する変化を示すためにシフト表が提供されるであろう。臨床的重要性の限度外の値の被験者の数及び百分率がまとめられる。
2/結果
以下の表1に示す通り、DRSP処置に関して過剰体重の女性(25kg/m以上のBMI)では、同じ避妊薬処置に付された非過剰体重の女性と比べて、出血及び/又は点状出血の日数の有意な減少がみられる。
以下の表2に示す通り、DRSP処置に関して肥満女性では、同じ避妊薬処置に付された非肥満女性と比べて、出血及び/又は点状出血の日数の有意な減少がみられる。
実施例2−BMIとDRSP処置との間で体重の変化と心拍数の変化との間の相関
1/方法
実施例2では、実施例1に記載したLF111製剤を使用した。
CF111/301臨床試験プロトコルは、5か国(ハンガリー、ポーランド、チェコ共和国、ドイツ及びルーマニア)の約41箇所の施設に登録された、経口避妊薬を使用する意思のある713人の健康で性的に活発な女性を含んでいた。
ビジット1a(スクリーニング)でインフォームドコンセントに署名し、ビジット1bで試験投薬を受けた後、適格被験者は第1、第3、第6、第9及び第13サイクルの24±2日目のビジット2〜6に出席した。フォローアップ(ビジット7)はビジット6の10〜28日後に行われた。少なくとも515人の被験者が各13サイクルの試験を完了した。
データセットは、人口統計学的及び臨床検査パラメーター、婦人科及び病歴データ、臨床検査及びバイタルサイン評価、事前/併用薬/避妊具関連データに関する情報を有していた。
統計学的p値はFisherの正確検定を用いて計算し、p値はp≦0.05の閾値で有意な試験と判明した。
2/結果
肥満に影響される女性(BMI≧30kg/m)については、ビジット1(ベースラインで測定)からビジット6(試験の最後に測定)まで体重及び心拍数の減少傾向が観察された。
BMI群(BMI<30及びBMI≧30kg/m)の女性に関してビジット1〜6の体重及び心拍数の変化の分布をそれぞれ図1及び図2に示す。
線形モデル分析は、BMI群の効果が、ビジット1〜6の体重の変化(F統計量:1及び668DFで14.49、p値:0.0001541)及び心拍数の変化(F統計量:1及び666DFで4.947、p値:0.02647)において統計学的に有意であったことを示していた。
実施例3−肥満女性におけるDRSP処置の有害作用の低減
1/方法
CF111/1SS臨床試験プロトコルは、オーストリア、チェコ共和国、ドイツ、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スロバキア及びスペインの約114箇所の施設に登録された、経口避妊薬を使用する意思のある1570(1500+71)人の健康で性的に活発な女性を含んでいた。非肥満女性(BMI<30kg/m)の群と肥満女性(BMI≧30kg/m)の群とは別個に研究した。
2/結果
表3に、本発明のドロスピレノン含有組成物(LF111)による避妊に付された女性のコホートにおけるTEAE(処置下で発現した有害事象)の数量化の結果を示す。非肥満女性(BMI<30kg/m)と肥満女性(BMI≧30kg/m)をそれぞれ研究した。
表3に開示した結果は、TEAEのパーセンテージが、DRSP−POC処方に付された女性被験者において、肥満女性であるか又は非肥満女性であるかとは無関係に、同様であったことを示している。
従って、この結果は、本発明のドロスピレノン含有製剤が肥満女性による高い遵守率を与えられることを示している。
心拍数は、安静時(運動していない時)に人の心臓が毎分拍動する回数と解される。好ましくは、心拍数は患者が5分間以上、好ましくは10分間以上、さらに好ましくは15分間以上横たわってから測定することができる。或いは、心拍数は朝目覚めて起床する前に測定してもよい。心拍数は健康の重要な指標である。
成人の正常な心拍数は毎分約60〜約100拍動の範囲であり、低い心拍数は効率的な心機能の指標及び心血管系フィットネスの指標である。過体重及び肥満の女性は正常体重の女性よりも高い心拍数を有することが一般に観察されるが、速い心拍数は心血管系の問題の増大の警告サインであるとともに晩年の肥満の予測因子でもあることも判明している。心拍数の高い女性は肥満及び糖尿病に罹患しやすいことが判明している。Shigetoh, et al., Am. J. Hypertension, vol.22, number 2, pp.151−155, Feb. 2009。高い心拍数は、メタボリックシンドローム、糖尿病、脳卒中又は心臓発作を引き起こしかねない血餅の形成、心不全、失神、さらには突然死に関連すると考えられている。
実施例4−本発明のDRSPに基づく処置及びデソゲストレルに基づく処置を受けた肥満女性で観察される出血又は点状出血イベントの比較
1/目的
以下の研究CF111/302は、デソゲストレル0.075mg(Cerazette)と対比した、9サイクルにわたるLF111(DRSP)の避妊有効性、忍容性及び安全性に関するピボタル・多施設・二重盲検・ダブルダミー・ランダム化試験を表す。
第1の目的はLF111の避妊有効性を実証することであり、第2の目的は、デソゲストレル0.075mgと対比したLF111の忍容性及び安全性(特に出血パターンに関する)を実証することである。
2/材料及び方法
a)試験及び対照薬、投与量及び投与モード
本試験中、2種類の錠剤を経口投与した:
・LF111フィルムコート錠剤(試験薬;4mgのDRSPを含む24個の錠剤及び続く4個のプラセボ錠剤;Leon Farma社)を経口投与した。
・デソゲストレル0.075mgフィルムコート錠剤(対照品;28個の活性錠剤;NV Organon社)
b)試験デザイン
この前方視的多施設・ランダム化・二重盲検・ダブルダミー試験は、コントロールされていない現在の疾患がなく、妊娠のリスクがあり、18〜45歳の年齢の、収縮期血圧<140mmHg、拡張期血圧<90mmHgの女性1200人(857人はLF111、343人はデソゲストレル0.075mg;ランダマイズ比5:2)で実施し、オーストリア、チェコ共和国、ドイツ、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、スロバキア及びスペインの約88箇所の施設で経過観察した。
ビジット1a(スクリーニング;V1a)でインフォームドコンセントを与え、ビジット1bで試験投薬を受けた後、被験者は第1、第3及び第6サイクルの24±2日目のビジット2〜4並びに第9サイクルの29+2日目のビジット5(V5)に出席する。フォローアップ(ビジット6;V6)は最終LF111服用後7〜10日目に起こる。
試験の予定される全期間は16か月と設定され、登録プロセスのための最大6か月、避妊処置自体のための最大9か月及びフォローアップステップのための10日間を有する。個々の女性のための避妊処置の期間は9×28日間である。
c)除外基準
実施例1の対応する欄を参照。
d)評価基準
実施例1の対応する欄を参照。
3/結果
表4及び表5に、本発明のDRSPに基づく処置とデソゲストレル(Cerazette(商標)ピルとして市販)に基づく処置を施した肥満女性で観察された出血又は点状出血イベントの比較を示す。
本明細書に記載されたドロスピレノン系避妊薬処置を受けた肥満の女性個体では、デソゲストレル含有避妊組成物に基づく処置を受けた肥満の女性個体に比べて、解析したすべての期間サイクルに置いて出血又は点状出血イベントが有意に少ない。
対照的に、正常体重の個体及び過体重の個体を含むBMIが30kg/m未満の女性個体は、受けた避妊処置とは無関係に、同一又は同等な出血又は点状出血イベントにみまわれた。

Claims (10)

  1. 30.0kg/m 以上のBMIを有する肥満女性患者のための避妊薬として使用するための医薬組成物であって、一日活性投与量単位における唯一の避妊成分としてドロスピレノンを3mg以上の量で含む医薬組成物。
  2. 前記一日活性投与量単位が、1以上の包装単位を含む避妊薬キットに含まれており、各包装単位が21〜28の一日活性投与量単位を含んでおり、
    (a)各一日活性投与量単位におけるドロスピレノンの量が、エストロゲンなしで、3mg以上であり、かつ
    (b)各一日活性投与量単位が、一日活性投与量単位をUSP XXIIIパドル法に準拠したインビトロ溶解試験に付したときに、
    (i)前記一日活性投与量単位に当初存在するドロスピレノンの50%以下が30分間以内に溶解し、かつ
    (ii)該ドロスピレノンの50%以上が3〜4時間の時間範囲で溶解する
    形態でドロスピレノンを含んでおり、前記ドロスピレノンのパーセンテージが、前記一日活性投与量単位に当初存在するドロスピレノンの量に対する、請求項1記載の医薬組成物。
  3. 前記一日活性投与量単位におけるドロスピレノンの量が3.5mg〜4.5mgである、請求項に記載の医薬組成物。
  4. 前記1以上の包装単位が、さらに、薬学的に許容されるプラセボの1〜7の一日投与量単位を含む、請求項又は請求項に記載の医薬組成物。
  5. 各包装単位が、24の一日活性投与量単位を含む、請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  6. 各包装単位が、4の一日プラセボ投与量単位を含む、請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  7. 前記避妊成分が結晶質の形態である、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  8. 前記避妊成分が、微粒子化されていない形態である、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  9. 前記避妊成分が70μm未満のd50を有する、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  10. 粒子の形態の前記避妊成分が、2000cm/g〜8500cm/gの比表面積を有する、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の医薬組成物。
JP2017567465A 2015-06-23 2016-06-23 過剰体重に影響される女性患者のためのドロスピレノン系避妊薬 Active JP6827962B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP15305965.4A EP3108889A1 (en) 2015-06-23 2015-06-23 Drospirenone-based contraceptive for a female patient affected with excess weight
EP15305965.4 2015-06-23
CN201510348953.1 2015-06-23
CN201510348953.1A CN106265694A (zh) 2015-06-23 2015-06-23 用于过重女性患者的基于屈螺酮的避孕药
PCT/EP2016/064574 WO2016207298A1 (en) 2015-06-23 2016-06-23 Drospirenone-based contraceptive for a female patient affected with excess weight

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2018527305A JP2018527305A (ja) 2018-09-20
JP2018527305A5 JP2018527305A5 (ja) 2019-07-18
JP6827962B2 true JP6827962B2 (ja) 2021-02-10

Family

ID=56178376

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017567465A Active JP6827962B2 (ja) 2015-06-23 2016-06-23 過剰体重に影響される女性患者のためのドロスピレノン系避妊薬

Country Status (25)

Country Link
EP (1) EP3313408B1 (ja)
JP (1) JP6827962B2 (ja)
KR (1) KR102217942B1 (ja)
CN (2) CN113750108A (ja)
AU (1) AU2016282863B2 (ja)
BR (1) BR112017028048A2 (ja)
CA (1) CA2989975C (ja)
DK (1) DK3313408T3 (ja)
EA (1) EA036497B1 (ja)
ES (1) ES2970532T3 (ja)
FI (1) FI3313408T3 (ja)
HK (1) HK1255216A1 (ja)
HR (1) HRP20240121T8 (ja)
HU (1) HUE065350T2 (ja)
LT (1) LT3313408T (ja)
MX (1) MX2017016801A (ja)
MY (1) MY187233A (ja)
NI (1) NI201700173A (ja)
PH (1) PH12017502379A1 (ja)
PL (1) PL3313408T3 (ja)
RS (1) RS65196B1 (ja)
SI (1) SI3313408T1 (ja)
SV (1) SV2017005602A (ja)
WO (1) WO2016207298A1 (ja)
ZA (1) ZA201800067B (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2383279A1 (en) 2011-07-19 2011-11-02 Pantarhei Bioscience B.V. Process for the preparation of estetrol
WO2016203009A1 (en) 2015-06-18 2016-12-22 Mithra Pharmaceuticals S.A. Orodispersible tablet containing estetrol
GEP20217243B (en) 2015-06-18 2021-04-26 Sprl Estetra Orodispersible dosage unit containing an estetrol component
HUE054551T2 (hu) 2015-06-18 2021-09-28 Estetra Sprl Ösztetrolt tartalmazó, szájban diszpergálódó tabletta
NO3106148T3 (ja) 2015-06-18 2018-08-11
KR20220144885A (ko) 2016-08-05 2022-10-27 에스테트라, 소시에떼 아 레스폰서빌리떼 리미떼 월경통 및 생리통의 관리방법
TWI801561B (zh) 2018-04-19 2023-05-11 比利時商依思特拉私人有限責任公司 化合物及其用於緩解絕經相關症狀的用途
JOP20200260A1 (ar) 2018-04-19 2019-10-19 Estetra Sprl مركبات واستخداماتها للتخفيف من الأعراض المصاحبة لانقطاع الطمث
EP4134082A1 (en) 2021-08-12 2023-02-15 Chemo Research, S.L. Method for treating endometriosis and providing effective contraception

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2652761C2 (de) 1976-11-16 1985-11-21 Schering AG, 1000 Berlin und 4709 Bergkamen 15,16-Methylen-Spirolactone, Verfahren zu deren Herstellung und diese enthaltende Arzneimittel
DE19525017A1 (de) * 1995-06-28 1997-01-02 Schering Ag Pharmazeutisches Kombinatonspräparat, Kit und Methode zur hormonalen Kontrazeption
DE19633685C1 (de) 1996-08-12 1997-10-09 Schering Ag Verfahren zur Herstellung von Drospirenon (6beta,7beta;15 beta,16beta-Dimethyl-en-3-oxo-17alpha-pregn-4-en-21,17-carbolacton, DRSP) sowie 7alpha-(3-Hydroxy-1-propyl)-6beta,7beta;15beta, 16beta-dimethylen-5beta-androstan-3beta,5,17beta-triol (ZK 92836) und 6beta,7beta;15beta,16beta-dimethylen-5beta-hydroxy-3-oxo-17alpha-androstan-21,17-carbolacton (90965) als Zwischenprodukte des Verfahrens
MY151322A (en) * 2004-04-30 2014-05-15 Bayer Ip Gmbh Management of breakthrough bleeding in extended hormonal contraceptive regimens
GT200500099A (es) * 2004-04-30 2006-05-05 Tratamiento de la hemorragia de disrupcion en regimenes anticonceptivos extendidos
ITMI20042338A1 (it) 2004-12-06 2005-03-06 Ind Chimica Srl Processo per la preparazione di drospirenone
ATE403668T1 (de) 2005-07-21 2008-08-15 Bayer Schering Pharma Ag Verfahren zur herstellung von 3-oxo-pregn-4-en-21,17-carbolactonen durch die metallfreie oxidation von 17-(3-hydroxypropyl)-3,17- dihydroxyandrostanen
PE20090805A1 (es) * 2007-04-05 2009-07-25 Bayer Schering Pharma Ag COMBINACION DE DROSPIRENONA Y 17ß-ESTRADIOL COMO CONTRACEPTIVO ORAL
CN102395596B (zh) * 2010-03-16 2013-02-13 台州太法药业有限公司 屈螺酮制备方法
AR081670A1 (es) * 2010-06-29 2012-10-10 Leon Farma Sa Lab Composicion farmaceutica que comprende drospirenona y kit anticonceptivo
CN103372015A (zh) * 2012-04-19 2013-10-30 国家人口计生委科学技术研究所 包含屈螺酮或屈螺酮和雌激素的阴道环制剂
RU2527357C1 (ru) * 2013-08-02 2014-08-27 Государственное бюджетное образовательное Учреждение высшего профессионального образования "Московский государственный медико-стоматологический университет имени А.И. Евдокимова" Министерства здравоохранения Российской Федерации (МГМСУ имени А.И. Евдокимова" Минздрава России) Способ персонифицированной профилактики эстрогензависимых заболеваний у здоровых женщин и женщин с факторами сердечно-сосудистого риска в возрасте 45-60 лет

Also Published As

Publication number Publication date
HRP20240121T1 (hr) 2024-04-12
BR112017028048A2 (pt) 2018-09-04
CN113750108A (zh) 2021-12-07
NI201700173A (es) 2018-04-02
HK1255216A1 (zh) 2019-08-09
LT3313408T (lt) 2024-03-12
PL3313408T3 (pl) 2024-04-15
CN108025014B (zh) 2021-10-22
WO2016207298A1 (en) 2016-12-29
JP2018527305A (ja) 2018-09-20
EP3313408A1 (en) 2018-05-02
AU2016282863B2 (en) 2021-05-27
RS65196B1 (sr) 2024-03-29
HRP20240121T8 (hr) 2024-05-10
DK3313408T3 (da) 2024-01-29
EA036497B1 (ru) 2020-11-17
MY187233A (en) 2021-09-13
ES2970532T3 (es) 2024-05-29
CN108025014A (zh) 2018-05-11
CA2989975A1 (en) 2016-12-29
MX2017016801A (es) 2018-05-11
EP3313408B1 (en) 2023-12-06
SI3313408T1 (sl) 2024-04-30
PH12017502379A1 (en) 2018-06-25
KR102217942B1 (ko) 2021-02-19
AU2016282863A1 (en) 2018-02-08
ZA201800067B (en) 2019-07-31
SV2017005602A (es) 2018-08-14
CA2989975C (en) 2021-10-12
KR20180019173A (ko) 2018-02-23
EA201792595A1 (ru) 2018-06-29
FI3313408T3 (fi) 2024-01-25
HUE065350T2 (hu) 2024-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6827962B2 (ja) 過剰体重に影響される女性患者のためのドロスピレノン系避妊薬
US11291632B2 (en) Synthetic progestogens and pharmaceutical compositions comprising the same
US10179140B2 (en) Pharmaceutical compositions comprising active drugs, contraceptive kits comprising active drugs, and methods of administering the same
US11951213B2 (en) Synthetic progestogens and pharmaceutical compositions comprising the same
US11413249B2 (en) Synthetic progestogens and pharmaceutical compositions comprising the same
EP3108889A1 (en) Drospirenone-based contraceptive for a female patient affected with excess weight
OA18512A (en) Drospirenone-based contraceptive for a female patient affected with excess weight.
AU2011273605B8 (en) Pharmaceutical composition comprising drospirenone and contraceptive kit
CN106265694A (zh) 用于过重女性患者的基于屈螺酮的避孕药
OA16285A (en) Pharmaceutical composition comprising drospirenone and contraceptive kit.

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190612

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190612

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200917

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6827962

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250