JP6827296B2 - データ通信方法 - Google Patents
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Description
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるデータ通信システム1について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかるデータ通信システムの構成を示すブロック図である。
無線I/F部23は、パケット格納部22からのパケットを、BLE(Bluetooth Low Energy:登録商標)、3G、LTE、Wifiなどの一般的な無線通信方式に則って、端末機器20の動作クロック(RTC:Real Time Clock)に基づいて一定間隔で無線送信する機能を有している。
打刻部13は、データ通信装置10の動作クロックに基づいて、パケット処理部12で各パケットから抽出されたデータに対して、このパケットの受信処理時刻を示す受信側タイムスタンプを打刻する機能を有している。
時刻補正部15は、時刻平滑化部14での移動平均フィルタ処理により平滑化時刻に含まれる遅れ時間を補正し、得られた補正時刻を前記パケットの受信側タイムスタンプとする機能を有している。
T’i=(Ti-n+Ti-n+1+…+Ti-2+Ti-1+Ti)/n …(1)
T’i=T’i-1+(Ti−Ti-n-1)/n …(2)
T”i=T’i+ΔT*n/2 …(3)
T”=T’i+(Ti-n+Ti-n+1+…+Ti-2+Ti-1+Ti)/2 …(4)
この式(4)は、nを十分に多く取れて平均値が真値によく収束する場合に精度が得られる。しかし、nが十分に多くない場合はRTCの製造ばらつき以上に揺らぎの影響が効いてしまう。状況に応じて式(3)と式(4)を適切に使い分けることが望ましい。
このように、本実施の形態は、時刻平滑化部14が、パケットから抽出したデータに打刻した受信側タイムスタンプを移動平均フィルタ処理することにより平滑化された平滑化打刻時刻を計算し、時刻補正部15が、移動平均フィルタ処理により平滑化打刻時刻に生じる遅れ時間を補正し、得られた補正打刻時刻をデータの受信側タイムスタンプとするようにしたものである。
このうち、図4(a)は平滑化・補正処理適用前のデータ波形を示しており、図4(b)は平滑化・補正処理適用後のデータ波形を示している。ここでは、n=49、ΔT=40msとして前述の式(3)により補正打刻時刻T”iを求めた。
これら波形は生体から観測された心電波形であるが、遅延揺らぎが発生して受信側タイムスタンプの時刻ずれが生じると、本来の心電波形の一部に遅延や歪が生じたりするため、動態や疾患を正しく評価できない場合がある。
次に、図5を参照して、本誌発明の第2の実施の形態にかかるデータ通信システム1について説明する。図5は、第2の実施の形態にかかるデータ通信システムの構成を示すブロック図である。
カウンタ24は、例えばパケットごとに0から2000程度の値を、パケット送信順に応じた連番で、1ずつ増加するカウンタ値を繰り返し生成する機能を有している。カウンタ回路は構成が簡素であり、パケットにおいてタイムスタンプほどビット数を必要としないため、ウェアラブルデバイスでも実装が容易である。
すなわち、データ通信装置10において、打刻部13は、パケット処理部12でパケットから抽出されたカウンタ値Cをモニタし、1ずつ増加していればパケットの損失がなく、2以上の増加があればパケットの損失があったと判定する機能と、カウンタ値Cに基づくパケット損失ありの判定に応じて、パケット損失発生以降のパケットのデータに、パケット損失分の損失時刻を加えた受信側タイムスタンプを擬似生成して打刻する機能とを有している。
Tk+m=Tk+(Tk+1+j−Tk)*m/j …(5)
このようにして、疑似生成した受信側タイムスタンプで欠損を補間したうえで、前述した式(3)に従って移動平均フィルタ処理を行う。
このように、本実施の形態は、打刻部13が、受信したパケットに含まれるパケット送信順に応じた連番のカウンタ値に基づいてパケット損失を監視し、パケット損失が検出された場合には、損失パケットの前後で正しく受信されたパケットに含まれるカウンタ値を元にパケット損失区間における損失時刻を計算し、損失パケット以降に受信されたパケットのデータに対して、損失時間を加えた受信側タイムスタンプを擬似生成して打刻するようにしたものである。
しかしながら、図7(b)に示すように、ピーク発生時刻P’は、パケット損失がない場合のピーク発生時刻Pと同等に打刻されることになる。
次に、図8を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかるデータ通信システム1について説明する。図8は、第3の実施の形態にかかるデータ通信システムの構成を示すブロック図である。
本実施の形態は、第2の実施の形態の変形例であり、データ通信装置10にデータ補間部16を新たに設け、打刻部13で検出したパケット損失発生期間Qにおける欠損データを、パケット損失前後のデータに基づいて補間するようにしたものである。データ補間手法については、パケット損失前後のデータを用いた線形補間やスプライン補間(参考文献1)など、公知の補間手法を利用すればよい。
次に、本発明の第4の実施の形態にかかるデータ通信装置10について説明する。
本実施の形態は、第1〜第3の実施の形態の変形例である。1台のデータ受信装置10に対して複数の端末機器20が接続される場合、各端末機器20の動作クロックを生成するRTCには製造ばらつきがあり、安価なRTCモジュールであればあるほどばらつきは顕著になる。
次に、図10を参照して、本発明の第5の実施の形態にかかるデータ通信装置10について説明する。図10は、第5の実施の形態にかかるデータ通信システムの構成を示すブロック図である。
本実施の形態は、第1〜第4の実施の形態の変形例である。第1〜第4の実施の形態によれば、端末機器20から送信されたデータに対して適切な受信側タイムスタンプを打刻でき、特に第4の実施の形態によれば、端末機器20間における動作クロックのばらつきの影響を抑制できる。しかし、これらデータに付与された受信側タイムスタンプは、時間的に等間隔となるとは限らないので、フーリエ解析やウェーブレット解析といった周波数解析をこのままでは実行できない。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
Claims (4)
- 時系列で計測したデータをパケットにより送信する端末機器と、通信ネットワークを介して前記端末機器から受信したパケットに格納されているデータを収集するデータ通信装置とを備えるデータ通信システムで用いられるデータ通信方法であって、
前記データ通信装置の打刻部が、前記データのそれぞれに対して、受信側の動作クロックに基づく受信側タイムスタンプを打刻する打刻ステップと、
前記データ通信装置の時刻平滑化部が、前記データに打刻した前記受信側タイムスタンプを移動平均フィルタ処理することにより平滑化された平滑化打刻時刻を計算する時刻平滑化ステップと、
前記データ通信装置の時刻補正部が、前記移動平均フィルタ処理により前記平滑化打刻時刻に生じる遅れ時間を補正し、得られた補正打刻時刻を前記データの受信側タイムスタンプとする時刻補正ステップとを備え、
前記打刻ステップは、前記パケットに含まれるパケット送信順に応じた連番のカウンタ値に基づいてパケット損失が検出された場合には、前記パケット損失の前後で正しく受信されたパケットに含まれるカウンタ値を元にパケット損失区間に関する損失時間を計算し、前記パケット損失以降に正しく受信されたパケットのデータに対して、前記損失時間により補正した受信側タイムスタンプを打刻し、
前記データ通信装置のデータ補間部が、前記パケット損失区間における欠損データを、前記パケット損失の前後で正しく受信されたパケットから得られたデータに基づいて補間するデータ補間ステップを備えることを特徴とするデータ通信方法。 - 請求項1に記載のデータ通信方法において、
前記端末機器が、前記データ通信装置に対してデータをパケットで送信する他の端末機器との間でスケジューリングすることにより、前記パケットをそれぞれの送信タイミングで順番に前記データ通信装置へ送信するステップをさらに備えることを特徴とするデータ通信方法。 - 請求項1または2に記載のデータ通信方法において、
前記データ通信装置のリサンプリング部が、前記時刻補正ステップで得られた前記受信側タイムスタンプに基づき前記データを補間して一定間隔でリサンプリングすることにより、等間隔の受信側タイムスタンプを持つデータを生成するリサンプリングステップをさらに備えることを特徴とするデータ通信方法。 - 請求項1から3のいずれかに記載のデータ通信方法において、
前記端末機器は、心電位や筋電位を計測する電圧計、または、振動を計測する加速度計
からなるデータ計測部により、時系列でデータを計測してパケットで送信するステップを
さらに備えることを特徴とするデータ通信方法。
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