JP6826967B2 - 残置型枠ブロック用接続金具 - Google Patents
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Description
岸壁の補修は、陸上からクレーンなどにより残置型枠ブロック3を吊り上げて、図9Aに示すように、吊り上げた残置型枠ブロック3を水中へと投入し、破損した岸壁2の前方に所定の間隔を空けて設置する。残置型枠ブロック3を設置した後、図9Bに示すように、岸壁2に取り付けたアンカー鉄筋51と残置型枠ブロック3に取り付けた連結鉄筋52とを溶接して接合する。
また、残置型枠ブロック用接続金具を用いた海岸河岸既存施設と残置型枠ブロックとの接続は、残置型枠ブロック用接続金具での調整と、接続部材に第一回転体及び第二回転体を調整された回転位置で固定するだけの簡単な作業で行うことができ、作業性の向上を図ることができる。
本実施形態の残置型枠ブロック用接続金具は、海岸河岸既存施設、例えば破損した岸壁の前方に、コンクリート製の残置型枠ブロックを設置し積み上げて新たな岸壁を構築する際に、破損したコンクリート製の岸壁とその前方に設置する残置型枠ブロックとを所定の間隔を空けて接続する接続金具である。
残置型枠ブロック用接続金具1は、図示のように、長さ調整可能な接続部材10と、第一回転体11及び第二回転体12とを有する。ここでは、長さ調整可能な接続部材10はターンバックルであるとして説明するが、長さが調整可能であれば、必ずしもターンバックルに限らない。
ターンバックル10は、軸部材13と、軸部材13の両側に軸方向に移動自在かつ旋回自在に取り付けた第一部材14及び第二部材15を有し、全長が伸縮自在である。第一回転体11及び第二回転体12は、それぞれターンバックル10の一方側及び他方側に取り付けられている。
ターンバックル10は、図示のように、軸部材13と第一部材14と第二部材15から成る。軸部材13は、軸方向中央部の一方側及び他方側にそれぞれ逆向きのネジを備えたネジ棒であり、ここでは、軸方向中央部を境に、例えば一方側を右ネジにし他方側を左ネジにする。第一部材14は軸部材13の一方側のネジに螺合する。第二部材15は軸部材13の他方側のネジに螺合する。これにより、第一部材14及び第二部材15は、軸部材13の両側に軸方向に移動自在かつ旋回自在に取り付けられる。
また、軸部材13には、その軸方向中央部に軸方向と直交する方向に丸棒状の回転用レバー16が取り付けられている。
第一回転体11は、図示のように、その一端側にネジ26が形成されたアンカー鉄筋24が螺合する回転部材25から成る。アンカー鉄筋24の他端側は破損したコンクリート製の岸壁に予め埋め込んで取り付けられている。
このようにアンカー鉄筋24を回転部材25に螺合して取り付けることで、第一回転体11の回転部材25は、岸壁に対して旋回可能となる。
第二回転体12は、図示のように、連結鉄筋33が接合された回転部材34から成る。連結鉄筋33は、その一端側が回転部材34に溶着や接着などの適宜手段で接合して取り付けられるとともに、他端側にネジ35が形成されており、ネジ35は破損した岸壁の前方に設置した残置型枠ブロックに螺合して取り付けられる。
このように連結鉄筋33が残置型枠ブロックに螺合して固着することで、第二回転体12の回転部材34は、残置型枠ブロックに対して旋回可能となる。
また、ターンバックル10の第一部材14及び第二部材15、第一回転体11の回転部材25、第二回転体12の回転部材34は、本実施形態では、平らな面のプレート部から成る板状であるが、形状はこれに限定されず、例えば、ブロック状でもよい。
また、第二回転体12の連結鉄筋33は、その一端側が回転部材34に接合して取り付けられるとともに、他端側にネジ35が形成されて残置型枠ブロックに螺合して取り付けられるが、一端側にネジが形成されて回転部材34に螺合して取り付けられるとともに、他端側が残置型枠ブロックに埋め込んで取り付けられるようにしてもよい。
図5Aは、残置型枠ブロック用接続金具1で岸壁2と残置型枠ブロック3を接続する工程において、それぞれ岸壁2及び残置型枠ブロック3に取り付けた第一回転体11と第二回転体12を示す平面図、図5Bは、図5Aにさらにターンバックル10を含めて示した平面図である。
また、図6Aは、残置型枠ブロック用接続金具1で岸壁2及び残置型枠ブロック3を接続した状態を示す平面図であり、図6Bはその側面図である。
まず、第一回転体11をアンカー鉄筋24により予め岸壁に取り付けておく。他方、第二回転体12は、水中へ投入する前の残置型枠ブロック3に連結鉄筋33を螺合して取り付けておく。つまり、残置型枠ブロック3は、第二回転体12が取り付けられた状態で水中に投入して設置する。次に、水中においてターンバックル10で第一回転体11と第二回転体12を連結して取り付ける。この場合、岸壁2に取り付けられた第一回転体11のアンカー鉄筋24は、第一回転体11と第二回転体12とを連結して取り付けできるように予め適合する長さのものが選択されているが、実際には残置型枠ブロック3を水中に投入設置した場合の施工誤差による位置ズレにより、両者が連結して取り付けられない場合が生じる。そこで、本実施形態では、その場合に、残置型枠ブロック用接続金具1のターンバック10の長さと、水平面内及び水平面内における角度を調整することで、第一回転体11及び第二回転体12を連結して取り付ける。
この状態において、図5Bに示すように、ターンバックル10を用意する。このターンバックル10を岸壁2に取り付けた第一回転体11と残置型枠ブロック3に取り付けた第二回転体12とにわたって取り付ける。即ち、第一回転体11の回転部材25とターンバックル10の第一部材14とを重ね合わせて、それぞれに設けたボルト挿通孔29,19にボルト31を挿通して、ターンバックル10に第一回転体11を回転自在に取り付ける。また、第二回転体12の回転部材34とターンバックル10の第二部材15とを重ね合わせて、それぞれに設けたボルト挿通孔37,23にボルト31を挿通して、ターンバックル10に第二回転体12を回転自在に取り付ける。
それとともに、ターンバックル10と第一回転体11について、第一回転体11を、ターンバックル10に対してボルト挿通孔19,29に挿通したボルト31を中心にして調整された回転位置(任意の回転位置)になるように、ターンバックル10と第一回転体11の回転角度を調整する。
また、ターンバックル10と第二回転体12についても、第二回転体12を、ターンバックル10に対してボルト挿通孔23,37に挿通したボルト31を中心にして調整された回転位置(任意の回転位置)になるように、ターンバックル10と第二回転体12の回転角度を調整する。
これにより、残置型枠ブロック用接続金具1を岸壁2と残置型枠ブロック3に取り付けて、岸壁2と残置型枠ブロック3を接続することができる。
基本的には、施工誤差による位置ズレが水平面内で発生した場合と同じであるが、ターンバックル10の第一部材14及び第二部材15での旋回、第一回転体11の回転部材25での旋回、第二回転体12の回転部材34での旋回を行うことで、それぞれの旋回角度を調整する。
即ち、ターンバックル10の第一部材14及び第二部材15、第一回転体11の回転部材25、第二回転体12の回転部材34の向きが、すべて一致するよう、それぞれの旋回角度を調整する。
これにより、岸壁2と残置型枠ブロック3において施工誤差による位置ズレが斜め方向に発生した場合でも、残置型枠ブロック用接続金具1を岸壁2と残置型枠ブロック3に取り付けて、これらを接続することができる。
残置型枠ブロック用接続金具1は、図示のように、岸壁2に付けるアンカー鉄筋24と残置型枠ブロック3に付ける連結鉄筋33の位置及び方向に合わせて、残置型枠ブロック用接続金具1の位置(長さの微調整を含む)、方向、回転角度及び旋回角度を調整することにより、岸壁2とその前方に設置する残置型枠ブロック3での様々な状況(岸壁2と残置型枠ブロック3の間の距離及び位置ズレ)に対応させて、岸壁2と残置型枠ブロック3を接続することができる。
このように、本実施形態によれば、従来のような溶接による作業をなくすことで、その作業性の向上を図ることができる。しかも、これらの作業を水中で行っても、作業が簡単であるから、容易に行うことができ、作業時間の短縮を図ることができる。
図8は、第二の実施形態の残置型枠ブロック用接続金具の斜視図である。
残置型枠ブロック用接続金具1は、前述の実施形態の残置型枠ブロック用接続金具1と基本的な構成は同じであるが、図示のように、ターンバックル10の第一部材14及び第二部材15と六角パイプ部18,22の接合、第一回転体11の回転部材25と六角パイプ部28の接合、第二回転体12の回転部材34と連結鉄筋33の接合において異なるので、ここについてのみ説明する。なお、符号は、前述の実施形態で説明したのと同じである。
なお、第二の実施形態においても、第一の実施形態と同様に、岸壁2と残置型枠ブロック3の間の距離及び位置ズレに対して容易に対応して、両者を強固に連結することができる。
Claims (6)
- 海岸や河岸に構築した海岸河岸既存施設と残置型枠ブロックとを所定の間隔を空けて接続する残置型枠ブロック用接続金具であって、
軸部材と、当該軸部材の両側に軸方向に移動自在かつ旋回自在に取り付けた第一部材と第二部材を有する伸縮自在な接続部材と、
接続部材の前記第一部材に回転自在に取り付けた回転部材を有し、当該回転部材に海岸河岸既存施設に取り付けられるアンカー鉄筋を取り付けた第一回転体と、
接続部材の前記第二部材に回転自在に取り付けた回転部材を有し、当該回転部材に残置型枠ブロックに取り付けられる連結鉄筋を取り付けた第二回転体と、を有し、
前記第一回転体及び前記第二回転体を前記接続部材に調整された回転位置で固定することを特徴とする残置型枠ブロック用接続金具。
- 請求項1に記載された残置型枠ブロック用接続金具において、
接続部材は、ターンバックルであることを特徴とする残置型枠ブロック用接続金具。 - 請求項1又は2に記載された残置型枠ブロック用接続金具において、
接続部材の軸部材は、軸方向中央部の一方側及び他方側にそれぞれ逆向きのネジを備えたネジ棒であり、軸部材の一方側に第一部材を螺合するとともに、軸部材の他方側に第二部材を螺合することを特徴とする残置型枠ブロック用接続金具。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載された残置型枠ブロック用接続金具において、
第一回転体は、アンカー鉄筋の一端側にネジが形成され、ネジが回転部材に螺合して取り付けられていることを特徴とする残置型枠ブロック用接続金具。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載された残置型枠ブロック用接続金具において、
第一回転体及び第二回転体の接続部材への調整された回転位置での固定は、ボルトとナットの締結手段を用いることを特徴とする残置型枠ブロック用接続金具。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載された残置型枠ブロック用接続金具において、
接続部材の軸部材に回転用レバーが取り付けられていることを特徴とする残置型枠ブロック用接続金具。
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