JP6238147B2 - パネル連結具及びこの連結具で形成された連結壁 - Google Patents

パネル連結具及びこの連結具で形成された連結壁 Download PDF

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Description

本発明は、コンクリート製のパネルを使用して鋼矢板を補修する際に用いるパネル連結具及びこの連結具で形成された連結壁に関する。
農業用水利施設や都市河川は、戦後の高度成長期にその多くが集中的に整備された。中でも鋼矢板護岸は、その経済性と施工性の良さから、多くの農業用水路や都市河川の整備に使用されてきたが、現在、これらの鋼矢板護岸による水路の多くが老朽化による更新時期を迎えようとしている。
鋼矢板の老朽化の原因としては、例えば錆による腐蝕が挙げられるが、特に水面上に露出されたり水面下に沈降したりすることが繰り返されることによる水面近傍の腐蝕が激しく、また、近年の農業地域の都市化が進んだことによる水質悪化、すなわち用水路や排水路に家庭からの生活雑排水などが流れ込んだことによる鋼矢板の腐蝕の進行が問題となっている。
このような腐蝕を放置すると、鋼矢板の強度が低下して護岸としての機能を果たさなくなることから設備の大幅な改修や新たな構築が必要となるが、施設を新しく造り代えることは多くの有効な部分が残存する施設にとって非効率的であり、しかも費用の負担も非常に大きなものとなるため、財政状況の厳しい現状においては現実的ではない。
そこで、補修を施すことが適切な対応となるが、従来の鋼矢板護岸の補修方法としては、例えば以下の特許文献などが認められる。
特許文献1に記載の補修方法は、錆が発生した鋼矢板の表面に、研磨剤と水溶性防錆剤とを液体に混合して成る補修用剤をブラスト装置により吹き付けする補修工程を行って、研磨剤の研磨作用により腐食した鋼矢板表面の錆を除去すると共に、鋼矢板表面に防錆剤を付着せしめ、続いてこの鋼矢板の表面に、液体を加えると硬化する性状の硬化剤と水溶性防錆剤とを液体に混合して成る補強用剤をブラスト装置により吹き付けする補強工程を行って、前記硬化剤の硬化作用によりこの鋼矢板の表面に防錆作用を有する補強層を形成する、と云うものである。
また特許文献2に第2実施例として記載された補修方法は、必要に応じて鋼矢板の表面に付着している貝殻、藻等の付着物を除去し、サンドブラストによって研磨して鋼矢板の表面を露出させた後、スタッドボルト17を鉄板(鋼矢板)16の上に溶接し、鉄板16の表面から一定の隙間を設けた枠体18(鉄板、FRP板)を取り付ける。そして、鉄板16と枠体18との間に合成樹脂(水中硬化型エポキシ樹脂)を充填する。また枠体18が鉄板の場合には、枠体18のさらに外側にスタッドボルト20を介してFRP製の外枠21を取り付け、枠体18と外枠21との間に合成樹脂を充填すると云うものである。
特開2012−2010号公報 特開平5−98659号公報
しかし、特許文献1に記載の補修方法では、鋼矢板表面に防錆剤や補強用剤(硬化剤と水溶性防錆剤との混合)を吹き付ける際に、施工の品質が雨などの天候の影響を受け易く、補強用剤が硬化することにより形成される補強層に剥離が生じるという問題がある。
また特許文献1に記載の補修方法では、樹脂系の硬化剤を用いることが記載されているが、合成樹脂は紫外線の影響を受けて劣化しやすいため、コンクリート材料に比べ耐候性に劣るという問題がある。
また特許文献2では、枠体の最初の一枚を固定するときには問題はない。しかしながら、二枚目以降の枠体を先に固定した枠体の隣に設置し鋼矢板に固定する際には、鋼矢板と先の枠体との間の狭い隙間に手を差し入れて作業をする必要があり、特に枠体20を支持しながら固定する作業は困難を伴うため、非常に作業効率が悪いという問題がある。
さらに特許文献2では、スタッドボルト20の先端が外枠21の外側に露出した状態で水中あるいは空気中に直接的に晒される構成であるため腐食しやすいという問題もある。
本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく発明されたものであり、既設の鋼矢板に適切な補修を施すことにより確実に腐食を防止し、施設の長寿命化を図って既存施設を有効活用することにより、ライフサイクルコストの低減に寄与すべく、コンクリート製のパネル同士の連結を容易に行うパネル用連結具及びこの連結具で形成された連結壁を創出することを課題とする。
上記課題を解決するための手段のうち、第1発明であるパネル用連結具の主たる手段は、
枚の平板矩形状からなるパネルの角部同士を連結するパネル用連結具であって、
4枚のパネルのうちの一のパネルの角部に設置される雄型プレートと、一のパネルに隣接配置された残り他の3枚のパネルの角部に3枚のパネルに亘って設置される雌型プレートとを有して構成され、
雄型プレートには、4枚のパネルの角部が集約される一点を挟んで軸対称に位置する前記一のパネルから他方のパネルに向かって外方向に突出する平板状の挿入部が設けられ、雌型プレートには、隆起部と、隆起部の下面と他のパネル表面との間に隙間を形成して挿入部が挿着される被挿入部と、隆起部に形成されると共にネジ棒が螺着される取付孔とが設けられており、
取付孔に螺着されたネジ棒の基端部が雄型プレートの挿入部に当接することにより、一のパネルと他の3枚のパネルとが連結固定されることを特徴とする、と云うものである。
上記第1発明の主たる手段では、隣接配置されるパネル同士の連結作業を容易とする連結具の提供を達成し得る。
また第1発明の他の構成は、上記手段に、雌型プレートが略正方形状に形成されると共に、この雌型プレートの角部の3箇所に取付け孔が配置され、残りの1箇所に被挿入部が配置されている、との構成を加えたものである。
上記手段では、主連結具を構成する雄型プレート及び雌型プレートの、各パネルへの確実な取り付けを達成し得る。
また第1発明の他の構成は、上記手段に、被挿入部を形成する隙間の入口にストッパ壁が設けられている、との構成を加えたものである。
上記手段では、雌型プレート内への雄型プレートの確実な挿着を行うことで、各パネル間の確実かつ高精度な連結を達成し得る。
上記手段では、補助連結具を構成する雄型プレート及び雌型プレートの、各パネルへの確実な取り付けを達成し得る。
また上記課題を解決するための手段のうち、第2発明である連結壁の主たる手段は、上記ずれか一項に記載のパネル用連結具を有して複数のパネル同士を横方向及び高さ方向に連結されて成ることを特徴とする、と云うものである。
上記第2発明では、工場で生産されることで薄くて軽いパネルを使用することが可能となり、品質及び強度的に安定した連結壁の構築を達成し得る。
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
第1発明においては、連結具を簡単且つ少ない部品点数で構成することにより、製造コストの低減を図ることができる。
また各プレートをパネルに取り付ける作業を容易且つ確実に行うことが可能となり、作業効率の改善による工期の大幅な短縮及び施工費用の低減を図ることができる。
また第2発明である連結壁では、特に、パネル自体は工場で生産されるため、安定した品質及び強度の維持、及び薄くて軽量化に優れた、パネルとすることが容易である。このため、施工時に大型重機を使用する必要がなく、狭隘な施工場所であっても人力による施工を可能とすることができる。
本発明のパネル連結具の実施例として、主連結具の連結状態を示す平面側斜視図である。 主連結具の連結状態を示す底面側斜視図である。 主連結具の分離状態を示す平面側斜視図である。 主連結具の分離状態を示す底面側斜視図である。 本発明のパネル連結具の実施例として、補助連結具の分離状態を示す斜視図である。 補助連結具の連結状態を示す斜視図である。 本発明の連結壁を構成するパネルの参考例を示す斜視図である。 主連結具及び補助連結具を用いて構築した連結壁の平面図である。 図8のIX−IXにおける断面図であり、Aは主連結具側の分離状態を示す断面図、Bは主連結具側の連結状態を示す断面図である。 図8のX−Xにおける断面図であり、Aは補助連結具側の分離状態を示す断面図、Bは補助連結具側の連結状態を示す断面図である。 図8のA部の拡大図であって、主連結具の分離状態を示す部分平面図である。 主連結具を用いて構築した連結壁の断面図である。 補助連結具を用いて構築した連結壁の断面図である。 複数のパネルを連結して構築した連結壁の背面図である。 鋼矢板の補修工法の一例として、複数のパネルを連結した連結壁を鋼矢板に対向させて設置した状態を示す斜視図である。 図15の平面図である。 図16に続く鋼矢板の補修工法の一例として、鋼矢板と連結壁との間にコンクリート又はモルタルを打設した状態を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
まず第1の発明であるパネル連結具について説明する。
図1乃至図4は本発明のパネル連結具の実施例としての主連結具を示し、図1は連結状態を示す平面側斜視図、図2は連結状態を示す底面側斜視図、図3は分離状態を示す平面側斜視図、図4は分離状態を示す底面側斜視図である。
図1乃至図4に示すように主連結具10は、雌型プレート11と雄型プレート12とを有して構成される。雌型プレート11及び雄型プレート12は、施工後にはコンクリート又はモルタル内に埋もれて水路面側に露出しないので、特に防食性に優れた金属、例えばステンレス鋼、アルミニウム、チタニウムなどの金属で形成しても良いが、必ずしもそのような高価な金属で形成する必要はなく、鉄などの一般的な鋼材により形成することが可能である。
雌型プレート11は、略正方形の一角に欠損部11Aを有する平板状の部材であり、その中央部にはプレス加工により表面側に突出形成された隆起円形部11a1及びこの隆起円形部11a1の中心を通ると共に対角線に沿って欠損部11Aを除く3方向に延びる隆起延出部11a2からなる隆起部11aを有する。そして、隆起円形部11a1の中心には雌ネジ11b1が刻設された取付孔11bが形成され、隆起円形部11a1の下面側には隙間から成る被挿入部11cが形成されている。
また雌型プレート11の欠損部11A側には、その一部を折り曲げて形成した主壁11e1とその両側に連設された2つの側壁11e2とから成るストッパ壁11eが形成されており、このストッパ壁11eの下部には被挿入部11cの入口11dが形成されている。また取付孔11bには例えば全ネジ棒から成る連結ロッド13を螺合させることで垂設可能とされている。
また雌型プレート11の欠損部11Aを除く3つの角部には3つの取付け孔11fが穿設されている。より詳しくは、3つの取付け孔11fは雌型プレート11の3箇所の角部の位置に、各取付け孔11fの縦方向及び横方向の距離が全て等しい間隔Lとなるように設定されている。なお、この間隔Lは、後述するパネル1の角部を構成する各辺からアンカーナット3までの距離の2倍に相当するよう設定されている。
他方、雄型プレート12は、長方平板状の底部12aとその両端に設けられた壁部12bとを有すると共に、底部12aの先端に半円形状の挿入部12cを備えた部材である。この挿入部12cは、雌型プレート11側の隆起円形部11a1下面に形成されている被挿入部11c内に挿入可能とされている(図2参照)。また底部12aの後端側には孔12dが穿設され、壁部12bの先端にはストッパ壁11eに当接可能な当接端12eが形成されている。当接端12eの底部12aに対する傾斜角度は、ストッパ壁11eを構成する主壁11e1と同じ傾斜角度で形成されている。
図5及び図6は本発明のパネル連結具の参考例としての補助連結具を示し、図5は分離状態を示す斜視図、図6は連結状態を示す斜視図である。
図5及び図6に示すように補助連結具15は、雌型プレート16と雄型プレート17とを有して構成される。雌型プレート16及び雄型プレート17は、上述の主連結具10同様に施工後にはコンクリート又はモルタル内に埋もれて水路面側に露出しないので、特に防食性に優れた金属、例えばステンレス鋼、アルミニウム、チタニウムなどの金属である必要はなく、一般的な鋼材により形成することが可能である。
補助連結具15の雌型プレート16は、平板状の頂壁部16aの左右両側を折り曲げることにより形成された一対の側壁16bを有する枠体状の部材である。頂壁部16aには孔16cと、バーリング加工により形成した孔の内周面にネジ溝を形成した取付孔16dとが形成されている。
また雄型プレート17も、平板状の底壁部17aの左右両側を折り曲げることにより形成された一対の側壁17bを有する枠体状の部材であり、底壁部17aには孔17cが穿設され、一対の側壁17bの先端には傾斜端17d1を有する挿入部17dが夫々形成されている。
次に、上記主連結具及び補助連結具を用いてパネルを連結することにより構築される連結壁について説明する。
図7は本発明の連結壁を構成するパネルの実施例を示す斜視図である。
図7に示すように、パネル1はコンクリート製の略正方形状の平板として形成されている。パネル1の4つの角部近傍には、主連結具10及び補助連結具15を取り付けるためのアンカーナット3がそれぞれ埋設されている。アンカーナット3が埋設される位置はパネル1の角部を形成する2つの辺から等距離の位置であり、これは上記間隔Lの1/2に相当する位置である。
次に、連上記主連結具及び補助連結具を用いた鋼矢板の補修工法ついて説明する。
図8は主連結具及び補助連結具を用いて構築した連結壁の平面図、図9は図8のIX−IXにおける断面図であり、Aは主連結具側の分離状態を示す断面図、Bは主連結具側の連結状態を示す断面図、図10は図8のX−Xにおける断面図であり、Aは補助連結具側の分離状態を示す断面図、Bは補助連結具側の連結状態を示す断面図、図11は図8のA部の拡大図であって、主連結具の分離状態を示す部分平面図である。
以下においては、4枚のパネルを縦横に2枚ずつ配置する場合、すなわちパネル1Aとパネル1Bとを横方向に隣接配置すると共に、パネル1Aの上にパネル1Cを、パネル1Bの上にパネル1Dを夫々縦方向に配置する場合を示して説明する。
(1)連結具の取り付けと連結壁の組み立て
a)先ず下段側を構成するパネル1Aの左上部及び右下部の各アンカーナット3に、補助連結具15側の雌型プレート16の孔16cに挿通させたボルト4の先端を螺合させて雌型プレート16を夫々締着固定する。この際、左上部では取付孔16dが孔16cよりも上側に配置させた状態で雌型プレート16を垂直に設置し、右下部では取付孔16dが孔16cよりも右側に配置させた状態で雌型プレート16を水平に設置する。
b)次に、下段側を構成するもう一枚のパネル1Bの左下部に、補助連結具15側の雄型プレート17の孔17cに挿通させたボルト4の先端を螺合させて雄型プレート17を水平に締着固定する。この際には、雄型プレート17の挿入部17dを、パネル1Bの左辺から左向きに突出させた状態に固定する(図10A参照)。
c)同様に、上段側を構成するパネル1Cの左下部に、補助連結具15側の雄型プレート17の孔17cに挿通させたボルト4の先端を螺合させて雄型プレート17を水平に締着固定する。この際には、雄型プレート17の挿入部17dを、パネル1Cの下辺から下向きに突出させた状態に固定する(図10A参照)。
d)次に、下段側にて横方向に互いに隣接するパネル1Aとパネル1Bとを連結する。この際には、図10A、Bに示すように、右側のパネル1Bの左辺から水平に突出する補助連結具15側の雄型プレート17の挿入部17dを、左側のパネル1Aの右辺に固定されている雌型プレート16の頂壁部16a及び一対の側壁16bとパネル1A表面との間に形成される隙間から成る被挿入部16A内に挿入することにより行う。これにより、パネル1Aとパネル1Bとの間が補助連結具15を介して連結される。
e)続いて、パネル1Aの上に雄型プレート17を取り付けたパネル1Cを載置する。この際、図10A、Bに示すように、上段側のパネル1Cの下辺から下向きに突出している補助連結具15側の雄型プレート17の挿入部17dを、下段側のパネル1Aの上辺に固定されている雌型プレート16の頂壁部16a及び一対の側壁16bとパネル1A表面との間に形成される隙間から成る被挿入部16A内に挿入することにより行う。これにより、パネル1Aとパネル1Cとの間が補助連結具15を介して連結される。
f)次に、上段右側に位置することとなるパネル1Dに、主連結具10側の雄型プレート12及び補助連結具15側の雄型プレート17を夫々固定する。すなわち、主連結具10側の雄型プレート12は、パネル1Dの左下部のアンカーナット3に孔12dに挿通させたボルト4の先端を螺合させてパネル1Dに締着固定する。この際には、雄型プレート12の挿入部12cをパネル1Dの左下の角部から外側に突出させた状態で固定することにより行う(図9A、図11参照)。
また補助連結具15側の雄型プレート17を、パネル1Dの左上部と右下部の2箇所に固定する。この際には、この際には、雄型プレート17の挿入部17dを、パネル1Dの左辺から左向きに突出させた水平状態で、及びパネル1Dの下辺から下向きに突出させた垂直状態で夫々固定することにより行う(図10A参照)。
g)次に、下段側のパネル1Aの右上部、パネル1Bの左上部及び上段側のパネル1Cの右下部との間に、主連結具10側の雌型プレート11を跨るように固定する。この時には、雌型プレート11の欠損部11Aが、図8に示すような右上段のパネル1D側の位置、又はこれとは逆の左上段のパネル1C側の位置(図示せず)となる状態に設定し、雌型プレート11の3つの取付け孔11fとこれに対応するパネル1A、1B及び1Cの各アンカーナット3との間にボルト4を夫々挿入して締着固定する。これにより、3枚のパネル1A,1B及び1Cの各角部が主連結具10の雌型プレート11を介して強固に連結される。
h)続いて、図11に示すように、欠損部11Aを有する側の最後の一角にパネル1Dを設置する。この設置は、パネル1Dの左下の角から突出する主連結具10の雄型プレート12の挿入部12cを、3枚のパネル1A,1B及び1C間に跨って固定されている主連結具10の入口11dから被挿入部11c内に挿入することにより行う(図9A,B及び図11参照)。挿入部12cが被挿入部11c内に挿入され、雄型プレート12の当接端12eが雌型プレート11のストッパ壁11eに当接することで雌型プレート11のこれ以上の挿入が制限され、雌型プレート11内への雄型プレート12の挿着が完了する。これにより、強固に固定された3枚のパネル1A,1B及び1Cの3の角部とパネル1Dの角部との間が主連結具10を介して連結される。
なお、パネル1Dの左上部と右下部に夫々固定されている補助連結具15側の雄型プレート17は、それらの挿入部17dをパネル1Bの表面及びパネル1Dの表面に接する状態で突出されることになる。
i)最後に、下段側のパネル1Bの右上部と上段側のパネル1Cの右上部の各アンカーナット3に、補助連結具15側の雌型プレート16を夫々締着固定する。補助連結具15側の雌型プレート16の固定は、孔16cに挿通させたボルト4の先端をアンカーナット3に螺合させて行うが、この際には、雌型プレート16でパネル1Bの面上及びパネル1Dの面上に夫々突出している補助連結具15側の雄型プレート17の挿入部17dを覆い、挿入部17dが雌型プレート16の頂壁部16a及び一対の側壁16bとパネル1B又はパネル1Dの表面との間の被挿入部16A内に挿入されている図10B同様に状態に設定する。これにより、パネル1Bとパネル1Dとの間、及びパネル1Cとパネル1Dとの間が補助連結具15を介して夫々連結される。
上記作業を行うことにより、4枚のパネル1A,1B、1C及び1Dの各角部が一点に集約され、各パネル1が縦横に規則正しく並ぶ連結壁20が組み立てられる(図8参照)。
(2)連結壁の設置
パネル1A,1B、1C及び1Dを主連結具10及び補助連結具15を用いて連結した連結壁20を、補修対象となる既存の鋼矢板30の正面に、鋼矢板30から所定の距離を隔てた位置に対向する状態で設置する場合について説明する。
なお、連結壁20の設置は、鋼矢板30の正面の位置に、複数のパネル1、主連結具10及び補助連結具15を用意し、連結壁20を組み立てながら行うようにしても良いし、上記作業により組み立てた4枚のパネルを1組とし、組ごとに鋼矢板30の正面の位置に運搬して最終的な組み立てを行うようにしても良い。いずれにせよ、図14に示すように上記複数のパネル1を主連結具10及び補助連結具15を利用して横方向、さらには縦方向に順に連結することにより、さらに拡張された連結壁20を構築することができる。
(3)連結壁と鋼矢板との接続
図12は主連結具を用いて構築した連結壁の断面図、図13は補助連結具を用いて構築した連結壁の断面図、図14は複数のパネルを連結して構築した連結壁の背面図、図15は鋼矢板の補修工法の一例として、複数のパネルを連結した連結壁を鋼矢板に対向させて設置した状態を示す斜視図、図16は図15の平面図、図17は図16に続く鋼矢板の補修工法の一例として、鋼矢板と連結壁との間にコンクリート又はモルタルを打設した状態を示す斜視図である。
図12及び図13に示すように、上記の方法で組み立てた連結壁20と補修対象となる既存の鋼矢板30との間にネジ棒から成る複数の連結ロッド13を架設する。
連結ロッド13は、一端である基端部13aを、主連結具10の取付孔11bに又は補助連結具15の取付孔16dに夫々螺合させることにより、主連結具10又は補助連結具15に垂直に取り付けられる。この際、連結ロッド13の長さ寸法が足りない場合には、ナット14を利用して連結ロッド13を継ぎ足しても良い。この際、継ぎ足される側の連結ロッド13(長さ寸法が足りる場合にはその連結ロッド13)の接続部13b側を略L字状に折り曲げておくのが好ましい。
そして、上記の各工程を繰り返して行うことにより、図14乃至図17に示すように複数のパネル1が主連結具10及び補助連結具15によって横方向及び縦方向に拡張された連結壁20を構築することができる。
(4)連結ロッドと鋼矢板との接続
次に、連結ロッド13の接続部13bとこれに対向する鋼矢板30の表面との間を溶接手段により溶着固定する。これにより、連結壁20が、補修対象である鋼矢板30の正面で、且つ所定の距離を隔てた位置に強固に設置される。
(5)コンクリート又はモルタルの打設
図17に示すように、最後の工程では既設の鋼矢板30と連結壁20との間に、コンクリート又はモルタル31を充填して固化させることにより、鋼矢板30の補修が完了する。
上記補修方法では、コンクリート又はモルタル31が有する強アルカリ性により、鋼矢板30表面に安定的な不動態皮膜を形成することができるため、鋼矢板30のこれ以上の腐食を防止し、水路施設等の長寿命化を達成することが可能となる。
また連結壁20の外面は平滑な壁面からなるコンクリート製のパネル1で形成されており、鋼矢板水路の凹凸状の壁面を隠して粗度係数を低減することができるため、通水面積の減少にもかかわらず、全体的な流下能力の低下を防止することができる。
また本発明では、主連結具10及び補助連結具15をコンクリート又はモルタル31内に埋設させることができるため、主連結具10及び補助連結具15自体の腐食を防止し、コンクリート製の連結壁20自体、又は鋼矢板30と連結壁20との間に打設されたコンクリート又はモルタル31の劣化の原因となるひび割れの発生を防止することができ、この点においても鋼矢板の長寿命化を実現することが可能となる。
特に、本発明の連結壁20を構築するコンクリート製のパネル1は、品質管理の行き届いた工場で製造されるため、品質だけでなく、薄くて軽く、しかも強度的にも強い特性を有する。このため、パネル1の施工時に大型の重機が不要であり、狭隘な施工場所であっても水路内から人力による施工も可能である。
以上、実施例に沿って本発明の構成とその作用効果について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施例に限定されるものではない。
また上下に拡張する場合の鋼矢板の補修工法は、最初にパネル1を横方向に連結して下段側の連結へ連結壁20を構築し、次にこれらの上にパネル1を連結して上段側の連結壁20を構築する工法でもよいし、あるいは最初に上下に連結した2枚の連結壁20を複数形成し、次にこれらを横方向に連結して行く工法でもよい。
またコンクリート製のパネル1の内面(コンクリート又はモルタル31が打設される側の面)に複数の凹部を設けても良い。この構成では、パネル1の軽量化、及びパネル1と設置後に打設するコンクリート又はモルタル31との付着性を向上させることが可能となる。
1 : パネル
1A : 左下のパネル
1B : 右下のパネル
1C : 左上のパネル
1D : 右上のパネル
2 : 凹部
3 : アンカーナット
4 : ボルト
10 : 主連結具
11 : 雌型プレート
11A : 欠損部
11a : 隆起部
11a1: 隆起円形部
11a2: 隆起延出部
11b : 取付孔
11b1: 雌ネジ
11c : 被挿入部
11d : 入口
11e : ストッパ壁
11e1: 主壁
11e2: 側壁
11f : 取付け孔
12 : 雄型プレート
12a : 底部
12b : 壁部
12c : 挿入部
12d : 孔
12e : 当接端
13 : 連結ロッド
13a : 基端部
13b : 接続部
14 : ナット
15 : 補助連結具
16 : 雌型プレート
16A : 被挿入部
16a : 頂壁部
16b : 側壁
16c : 孔
16d : 取付孔
17 : 雄型プレート
17a : 底壁部
17b : 側壁
17c : 孔
17d : 挿入部
17d1: 傾斜端
20 : 連結壁
30 : 鋼矢板
31 : コンクリート又はモルタル

Claims (4)

  1. 4枚の平板矩形状からなるパネル(1)の角部同士を連結するパネル用連結具であって、
    4枚のパネル(1)のうちの一のパネル(1)の角部に設置される雄型プレート(12)と、前記一のパネル(1)に隣接配置された残り他の3枚のパネル(1)の角部に前記3枚のパネル(1)に亘って設置される雌型プレート(11)とを有して構成され、
    前記雄型プレート(12)には、4枚のパネル(1)の角部が集約される一点を挟んで軸対称に位置する前記一のパネル(1)から他方のパネル(2)に向かって外方向に突出する平板状の挿入部(12c)が設けられ、前記雌型プレート(11)には、隆起部(11a)と、該隆起部(11a)の下面と前記他のパネル(1)表面との間に隙間を形成して前記挿入部(12c)が挿着される被挿入部(11c)と、前記隆起部(11a)に形成されると共にネジ棒が螺着される取付孔(11b)とが設けられており、
    前記取付孔(11b)に螺着されたネジ棒の基端部(13a)が前記雄型プレート(12)の挿入部(12c)に当接することにより、前記一のパネル(1)と前記他の3枚のパネル(1)とが連結固定されることを特徴とするパネル用連結具。
  2. 雌型プレート(11)が略正方形状に形成されると共に、該雌型プレート(11)の角部の3箇所に取付け孔(11f)が配置され、残りの1箇所に被挿入部(11c)が配置されている請求項に記載のパネル用連結具。
  3. 被挿入部(11c)を形成する隙間の入口(11d)にストッパ壁(11e)が設けられている請求項1又は2に記載のパネル用連結具。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のパネル用連結具を有して複数のパネル(1)同士を横方向及び高さ方向に連結されて成ることを特徴とする連結壁。
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