JP6826003B2 - トンネル電界効果トランジスタ - Google Patents

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本発明は、InGaAsの層とGaAsSbの層とを用いたトンネル電界効果トランジスタに関する。
情報端末やこれらを相互に接続する通信ネットワークの進展により、IoT(Internet of Things)、クラウドコンピューティング、ネットワークを介した解像度の高い動画のリアルタイム配信など、新たなサービスやシステムが実用化されている。これらのサービスやシステムでは、大量のデータを高速に処理することが求められる。このために使用されるパーソナルコンピュータ、携帯型情報端末、ネットワーク機器などの端末機器では、高性能な電子部品が数多く使用されており、消費電力の増加が問題となっている。
電子部品の消費電力を低減するには、使用される電子デバイスの消費電力を低減する必要がある。現在、多くの電子回路では、電界効果トランジスタ(MOSFET)が用いられている。電界効果トランジスタは、動作電圧(ゲート電圧)を制御することで、信号のオン状態とオフ状態となる際の電流を切り換えている。電子回路の消費電力を低減するには、この動作電圧を低減する必要がある。しかしながら、電界効果トランジスタでは、動作電圧が原理的な限界近くまで低減されており、今後、消費電力を劇的に低減することは困難である。
トンネル電界効果トランジスタは、従来の電界効果トランジスタより低い駆動電圧で動作させることが可能であり、電子回路の消費電力の大幅な低減が期待できるため、研究・開発が進められている。トンネル電界効果トランジスタでは、様々な構造が検討されている。この中で、トンネル接合に価電子帯の頂点と伝導帯の底が別々の層にあるタイプIIのバンド配列を持つヘテロ構造を用いた構造は、駆動電圧を低減する上で有利である。
図12を用いて、タイプIIのヘテロ構造を用いたトンネル接合について説明する。図12は、タイプIIのヘテロ接合を用いたトンネル電界効果トランジスタにおける、オフ状態(a)とオン状態(b)におけるバンド配列の状態を示している。なお、ゲート電圧は、A層とB層との界面に印加される。図12に示すように、価電子帯の頂点はA層、伝導帯の底がB層にある。
ゲート電圧が低いオフ状態(a)では、A層とB層との接合界面に電流は流れない。ゲート電圧を増加させることでバンド配列が図12の(b)に示す状態に変化し、接合界面を電子がトンネリングするために電流が流れる。オン状態まで電流を流すのに必要なゲート電圧が、基本的にはデバイスを動作させるために必要な駆動電圧となる。タイプIIのヘテロ接合を用いたトンネル電界効果トランジスタでは、図12におけるA層の価電子帯の頂点とB層の伝導帯の底とのエネルギー差EBeffが、重要なパラメータとなる。
このエネルギー差EBeffは、トンネル接合における実効的な障壁高さと呼ばれる。エネルギー差EBeffは、価電子帯のバンド不連続ΔEvとB層のバンドギャップEg(B)を用いて「EBeff=Eg(B)−ΔEv・・・(1)」で表すことができる。
Beffが小さいほど、低い駆動電圧でA層の価電子帯からB層の伝導帯へと電子をトンネリングさせることができる。式(1)から分かるように、タイプIIのヘテロ接合では、この実効的な障壁高さを、ヘテロ接合を構成する材料のバンドギャップよりも価電子帯のバンド不連続の分だけ小さくできる。このため、タイプIIのヘテロ接合を用いたトンネル電界効果トランジスタは、タイプIのヘテロ接合を用いた場合よりも駆動電圧の低減が可能である。
トンネル電界効果トランジスタに求められる主要なデバイス特性には、次の2つがある。第1に、小さなゲート電圧の変化でオン状態とオフ状態での電流比(オン電流/オフ電流)を急峻に増加できることがある。第2に、オン状態での電流が大きいことがある。
第1の特性の(オン電流/オフ電流)を急峻に増加させるためには、オフ電流を小さくする必要がある。オフ電流には、少数キャリアの拡散が関係した拡散電流、接合界面や空乏層に存在する結晶欠陥を介した発生電流、界面が酸素に晒されたことに起因する表面リーク電流、接合界面の欠陥を介したトンネル電流など、様々な要因が考えられる。
これらのオフ電流の要因は、材料のバンドギャップが関係しており、大きなバンドギャップの材料を用いることが、オフ電流の低減には有効である。
この他、オフ電流を低減するには、接合界面での結晶欠陥が少ないことも重要である。これは、界面に結晶欠陥があると、電圧が印加されなくても、結晶欠陥を介した電流が流れるためである。接合界面に結晶欠陥が少ないことは、第2の特性のオン電流を増加させるためにも必要である。これは、トンネル接合界面の結晶欠陥があると、これに起因したトラップで電子が捕獲され、オン電流が減少するためである。
InGaAsとGaAsSbは、InPに格子整合させることが可能であり、InGaAsとGaAsSbとのヘテロ構造は、図12で示したタイプIIのヘテロ接合となる。InGaAsとGaAsSbのInPに格子整合させた場合のバンドギャップは、ともに室温で0.7eV以上であり、タイプIIのヘテロ接合を作る際に使用する材料の中では比較的大きなバンドギャップを有している。InGaAs/GaAsSbヘテロ構造は、トンネル電界効果トランジスタのトンネル接合に求められる多くの要求事項を満たせる可能性が大きいため、これをトンネル接合に応用したデバイスの研究・開発が進められている。
J. Decoberta and G. Patriarche, "Transmission electron microscopy study of the InP/InGaAs and InGaAs/InP heterointerfaces grown by metalorganic vapor-phase epitaxy", Journal of Applied Physics, vol. 92, no. 10, pp. 5749-5755, 2002. R. Kaspi et al., "As-soak control of the InAs-on-GaSb interface", Journal of Crystal Growth, vol. 225, pp. 544-549, 2001. Y. Zhu et al., "Role of InAs and GaAs terminated heterointerfaces at source/channel on the mixed As-Sb staggered gap tunnel field effect transistor structures grown by molecular beam epitaxy", Journal of Applied Physics, vol. 112, no. 2, 024306, 2012. J. W. Matthews and A. B. Blakealee, "Defects in epitaxial multilayers I. Misfit dislocations", Journal of Crystal Growth, vol. 27, pp. 118-125, 1974. T. Sato et al., "Surfactant-mediated growth of InGaAs multiple-quantum-well lasers emitting at 2.1 m by metalorganic vapor phase epitaxy", Applied Physics Letters, vol. 87, no. 21, 211903, 2005. 満原 学 他、「MOMBEによるInP基板上への歪InGaAsSb/InGaAsSb MQW構造の成長」、 第76回応用物理学会秋季学術講演会 講演予稿集、14a-2W-10、2015年。
しかしながら、現在のところ、InGaAs/GaAsSbヘテロ構造は、トンネル電界効果トランジスタのトンネル接合として有望と考えられているにも関わらず、期待されるほどのデバイス特性は得られていない。この1つの大きな要因は、InGaAs/GaAsSbヘテロ構造の作製が難しいことに起因している。より詳しくは、トンネル接合界面におけるV族元素の切り換えが難しいことに起因している。
InGaAs/GaAsSbヘテロ構造の作製では、InGaAsとGaAsSbの界面でV族元素の切り換えが必要である。III-V族化合物半導体を用いたヘテロ界面でV族元素が切り換わる場合、界面付近でのV族組成の制御が難しく、これに起因した結晶性の劣化が起きることが知られている(例えば、非特許文献1、非特許文献2を参照)。InGaAs/GaAsSbヘテロ構造を用いたトンネル電界効果トランジスタでも、このヘテロ界面の形成時に結晶欠陥が発生し易く、この界面の状態がデバイス特性に大きな影響を与えることが知られている(例えば、非特許文献3を参照)。
以下に、InGaAs/GaAsSbヘテロ構造を用いたトンネル電界効果トランジスタの構造的な問題について図を用いて説明する。
図13は、InPに格子整合するInGaAsの層401と、GaAsSbの層402とのヘテロ接合に関して、界面付近のAsとSbの組成変化を示した図である。図13に示すように組成を変化させるためには、ヘテロ界面403でV族元素を切り換える必要があり、結晶欠陥はこの界面付近で起こり易い。
InGaAs/GaAsSbヘテロ接合を用いたトンネル電界効果トランジスタでは、上述したヘテロ接合の界面をトンネル接合界面として用いており、ヘテロ界面における結晶性の劣化がそのままデバイス特性に反映される。すなわち、従来の構造では、結晶性の劣化が起こり易い界面と、トンネル接合界面が同じであるため、デバイス特性の改善が難しいという課題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、InGaAsの層とGaAsSbの層とを用いたトンネル電界効果トランジスタのデバイス特性が改善できるようにすることを目的とする。
本発明に係るトンネル電界効果トランジスタは、InPから構成された基板の上に形成されたInGaAsから構成された第1半導体層および基板の上に形成されてGaAsSbから構成された第2半導体層を備え、第1半導体層と第2半導体層との間に形成されるトンネル接合によるトンネル電界効果トランジスタであって、第1半導体層と第2半導体層との間に形成されて、InPより格子定数が大きなInGaAsSbから構成された中間層と、中間層と第2半導体層との間に形成されるトンネル接合にゲート電界を印加するためのゲート電極とを備える。
上記トンネル電界効果トランジスタにおいて、中間層は、V族元素におけるSbの組成比が0.01以上0.2以下であり、第1半導体層、中間層、および第2半導体層の積層方向の中間層の厚さは、1nm以上15nm以下とされてい
上記トンネル電界効果トランジスタにおいて、中間層は、III族元素におけるInの組成比が、0.53以上であ
以上説明したように、本発明によれば、InGaAsから構成された第1半導体層とGaAsSbから構成された第2半導体層との間に、InPより格子定数が大きなInGaAsSbから構成された中間層を挿入したので、InGaAsの層とGaAsSbの層とを用いたトンネル電界効果トランジスタのデバイス特性が改善できるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態におけるトンネル電界効果トランジスタの構成を示す構成図である。 図2は、本発明の実施の形態におけるトンネル電界効果トランジスタの、第1半導体層101から第2半導体層102にかけての、AsおよびSbの組成変化を示した説明図である。 図3は、実施の形態のトンネル電界効果トランジスタにおける、トンネル接合111付近のバンド配列を模式的に示したバンド図である。 図4は、中間層103のIII族元素におけるIn組成比が0.53の場合について、中間層103におけるSb組成を0から0.4まで変化させた場合の実効的な障壁高さの変化を計算により求めた特性図である。 図5は、In組成が0.53のInGaAsSbについて、Sb組成を0から0.4まで変化させた場合のInPに対する格子不整合の変化を示した特性図である。 図6は、In組成が0.53のInGaAsSbについて、Sb組成を0から0.4まで変化させた場合の臨界層厚の変化を示す特性図である。 図7は、Sb組成が0.01のInGaAsSbについて、In組成を0.53から1.0まで変化させた場合の実効的な障壁高さの変化を示す特性図である。 図8は、本発明の実施の形態における実際に作製した試料の構成を示す構成図である。 図9は、本発明の実施の形態における実際に作製した試料のX線回折の結果を示した図である。 図10は、本発明の実施の形態における実際に作製した試料の断面をHAADF−STEMを用いて観察した結果を示す写真である。 図11は、本発明の実施の形態におけるトンネル電界効果トランジスタのより詳細な構成を示す断面図である。 図12は、タイプIIのヘテロ構造を用いたトンネル接合におけるバンド配列を示した図である。 図13は、InPに格子整合するInGaAsの層401と、GaAsSbの層402とのヘテロ接合に関して、界面付近のAsとSbの組成変化を示した説明図である。
以下、本発明の実施の形態におけるトンネル電界効果トランジスタついて図1を参照して説明する。このトンネル電界効果トランジスタは、InGaAsから構成された第1半導体層101およびGaAsSbから構成された第2半導体層102を備える。また、このトランジスタは、第1半導体層101と第2半導体層102との間に形成されて、InPより格子定数が大きなInGaAsSbから構成された中間層103を備える。なお、第1半導体層101、第2半導体層102、および中間層103は、InPからなる基板(不図示)の上に形成されている。
このトランジスタは、第1半導体層101と第2半導体層102との間において、中間層103と第2半導体層102との界面に形成されるトンネル接合111によるトンネル電界効果トランジスタである。このトンネル電界効果トランジスタは、トンネル接合111にゲート電界(電圧)を印加するためのゲート電極104を備える。
従来のInP上のInGaAs/GaAsSbヘテロ構造を用いたトンネル電界効果トランジスタでは、図13に示したようにV族元素が切り換わる界面とトンネル接合界面が一致している。これに対し、中間層103を用いるようにした実施の形態によれば、図2に示すように、V族元素が切り換わる界面112とトンネル接合111の界面とが分離される。
図2は、第1半導体層101から中間層103を経由して第2半導体層102にかけての、AsおよびSbの組成変化を示した説明図である。なお、図2では、第1半導体層101は、In0.53Ga0.47Asから構成し、第2半導体層102は、GaAs0.51Sb0.49から構成した場合を示している。これは、InPに格子整合する組成である。なお、これらの組成は、格子歪により結晶欠陥が入らない範囲で調整することが可能であり、厳密にIn0.53Ga0.47As、GaAs0.51Sb0.49である必要はない。
図2に示すように、V族組成がAsのみからAs+Sbの混晶へと変化する界面112は、トンネル接合111とは異なる。この構成において、中間層103には、Sbが組成レベルで含まれている必要がある。III−V族化合物半導体の製造において、V族元素を組成として制御する場合、一般的にはパーセントオーダー(組成比で0.01以上)のV族元素が含まれる必要がある。このため、中間層103のV族元素におけるSbの組成比は、0.01以上である必要がある。この他にも、中間層103の組成や層厚には、より有効な範囲が存在する。
次に組成と厚さの有効的な範囲について説明する。図3は、実施の形態のトンネル電界効果トランジスタにおける、トンネル接合111付近のバンド配列を模式的に示したバンド図である。このバンド配列において、トンネル接合111に電界が加わることにより、電子は、第2半導体層102(GaAsSb)の価電子帯から、中間層103(InGaAsSb)の伝導帯へとトンネリングする。この電界を加える際に必要な電圧は、図12を用いて説明したように、実効的な障壁高さが小さい程、小さくすることができる。実効的な障壁高さ(EBeff)は、中間層103のバンドギャップをEg(InGaAsSb)、第2半導体層102と中間層103との間の価電子帯のバンド不連続をΔEvとすると、「EBeff=Eg(InGaAsSb)−ΔEv・・・(2)」で表すことができる。
式(2)から、実効的な障壁高さの低減には、価電子帯のバンド不連続を増加させること、および中間層103のバンドギャップを小さくすることが有効であることが分かる。中間層103のV族元素におけるSbの組成比(Sb組成)を増加させた場合、中間層103のバンドギャップと、価電子帯のバンド不連続はともに減少する。すなわち、中間層103のSb組成を増加させた場合、実効的な障壁高さは中間層103のバンドギャップの減少分だけ小さくなり、価電子帯のバンド不連続の減少分だけ大きくなるため、中間層103のSb組成の調整が重要になる。
中間層103をトンネル接合界面に応用する場合、実効的な障壁高さが従来のトンネル接合界面で用いられるInGaAsよりも小さくなるようにSb組成を調整することが望ましい。図4は、中間層103のIII族元素におけるIn組成比(In組成)が0.53の場合について、中間層103におけるSb組成を0から0.4まで変化させた場合の実効的な障壁高さの変化を計算により求めた特性図である。
実効的な障壁高さは、中間層103のSb組成を0から0.1まで増加させることで減少し、さらにSb組成を増加させると増加する。図4から、中間層103を用いた場合、実効的な障壁高さをInGaAsよりも小さくするには、中間層103のSb組成を0.2以下にする必要があることが分かる。前述したようにInGaAsSbのSbをV族組成として制御するには0.01以上のSb組成が必要なため、中間層103のSb組成の有効範囲は0.01以上、0.2以下となる。
中間層103のSb組成を変化させた場合、層厚にも制限が加わる。以下に、この層厚の制限について説明する。図5は、In組成が0.53のInGaAsSbについて、Sb組成を0から0.4まで変化させた場合のInPに対する格子不整合の変化を示した特性図である。InGaAsSbでは、Sb組成を増加させることによりInPに対する格子不整合が増加する。この格子不整合のため、結晶内部の格子歪が増加し、一定以上の層厚になると格子緩和が起こり易くなる。この格子緩和により結晶欠陥が発生し、デバイス特性を劣化させるため、格子歪が加わった中間層103は一定の層厚以下にする必要がある。
図6は、In組成が0.53のInGaAsSbについて、Sb組成を0から0.4まで変化させた場合の臨界層厚(格子歪により格子緩和が起き始める層厚)を、非特許文献4をもとに求めた結果を示している。InGaAsSbには、Sb組成が0.2の場合で約+1.5%の格子歪が加わる。この場合の臨界層厚は、約15nmである。このため、中間層103の層厚は、15nm以下であることが望ましい。
次に層厚の下限について述べる。InGaAsSbは、4つの元素からなる4元混晶である。4元混晶は、InPなどの2元混晶と比べると組成と層厚を均一に成長することが困難である。一方、中間層103と同様にInP基板上の4元混晶であるInGaAsPでは、量子井戸構造で1nm刻みでの層厚制御が一般的に行われている。すなわち、中間層103は、1nm以上で層厚を制御することが可能である。以上より、中間層103の層厚の有効範囲は、1nm以上、15nm以下となる。
上記の例では、InGaAsSbのIn組成が0.53の場合について説明したが、In組成は0.53に限定されるものではない。これは、図示しないがInGaAsSb のIn組成を変化させても実効的な障壁高さのSb組成に対する変化は、実効的な障壁高さの絶対値が異なるだけで図4と同様の傾向を示すためである。したがって、中間層103のIn組成が0.53以外の場合であっても、Sb組成の有効範囲(0.01以上、0.2以下)は変わるものではない。
InGaAsSbは、In組成を増加させることにより式(2)における価電子帯のバンド不連続をほとんど変化させることなく、バンドギャップを小さくすることができる。このため、InGaAsSbのIn組成を増加させることは、実効的な障壁高さを低減する上で有効である。
図7は、Sb組成が0.01のInGaAsSbについて、In組成を0.53から1.0まで変化させた場合の実効的な障壁高さの変化を計算した図である。図7より、中間層103のIn組成を増加させることで実効的な障壁高さを小さくできることが分かる。原理的には、In組成を1とした場合、言い換えると、中間層をInAsSbから構成した場合に、実効的な障壁層の高さが最も低くなる。図7ではSb組成が0.01の場合について示したが、Sb組成が0.01以上、0.2以下の場合、実効的な障壁高さは図7と同様にIn組成の増加により単調に減少する。以上のことから、実効的な障壁高さを小さくするためには、中間層103のIn組成を0.53以上にすることが望ましい。
InGaAsSbでは、In組成が0.53以上の場合、In組成が増加することでInPよりも格子定数が大きくなり、結晶内部に加わる格子歪が増加する。前述したように、InPに対して格子不整合が大きな結晶では、層厚を増加させることにより結晶欠陥が発生する。この格子不整合に起因した格子緩和は、InGaAsの結晶成長時にSbを添加することで抑制できることが知られている(例えば、非特許文献5を参照)。
InGaAsSbは、InGaAsにSbが組成レベルで加えられた結晶と考えることができ、InGaAsSbでもInGaAsと比べて、同じ格子不整合であっても格子緩和が起こり難いことに変わりはない(例えば、非特許文献6を参照)。すなわち、InGaAsSbはIn組成を増加させても格子緩和に起因した結晶欠陥が起こり難く、InGaAsSbを中間層とした本特許の構造も同様に結晶欠陥が起こり難いと言える。
中間層103の臨界層厚は、Sb組成とIn組成が関係し、結晶成長条件にも大きく依存する。しかし、中間層103のSb組成が0.01以上、0.2以下、In組成が0.53以上、1.0以下の範囲であれば、1nmから15nmまでの範囲で格子緩和が発生しない層厚に設定することが可能である。すなわち、中間層103のIn組成が、0.53以上である場合、中間層103の層厚はIn組成に応じて1nmから15nmまでの範囲で、適宜、格子緩和が起こらないように設定すれば良い。
次に、実際に作製した試料における特性評価の結果について説明する。はじめに、作製したトンネル接合界面の評価について説明する。図8は、作製した試料の層構造を示す構成図である。試料の作製においては、よく知られた有機金属分子線エピタキシー法を用いた。また、III族原料ガスは、トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルガリウム(TEGa)を用いた。また、V族原料ガスは、ホスフィン(PH3)、アルシン(AsH3)、トリスジメチルアミノアンチモン(TDMASb)を用いた。
まず、n−InP基板201上に、層厚が0.2mmのn−InP層202と、層厚が0.3mmのInGaAsからなる第1半導体層203を積層し、引き続いて中間層として層厚が10nmのIn0.74Ga0.26As0.90Sb0.10からなる中間層204を積層し、最後に層厚が0.15mmのGaAsSbからなる第2半導体層205を積層した。第1半導体層203および第2半導体層205は、InPにほぼ格子整合するようにそれぞれ組成を調整する。
中間層204は、前述したようにSbを組成として含んでいるためにInPに対する格子不整合が大きくても格子緩和が起き難いと考えられる。このことを確認するため、本実施例では層厚を10nmとした中間層204は、InGaAsでは容易に格子緩和が起こる+2.1%もの格子不整合を持つIn0.74Ga0.26As0.90Sb0.10を用いた。
この試料について、X線回折パターンを測定し、シミュレーション結果と比較する。図9は、上述した試料に対する実験結果(a)とシミュレーション結果(b)を示したものである。実験結果とシミュレーション結果は、細かな振幅も含めてよく一致している。この細かい振幅は、作製した試料の構造において、第1の半導体層203から第2の半導体層205までのすべての界面を反映したものであり、これらの界面の平坦性が良好であることを示している。入射角が30.2度付近のピークは、主に中間層204を反映したものであり、中間層204はInPとの格子不整合が大きいにも関わらず、格子緩和が起きていないことを示している。
中間層204と第2半導体層205との間の界面の平坦性と結晶欠陥の有無について、さらに詳しく調べるため、HAADF−STEMを用いた断面観察を行った。断面観察は、比較のために作製した図8において、中間層204がない試料に関しても実施した。図10は、このHAADF−STEMを用いた断面観察の結果を示したものである。界面の平坦性に関しては、中間層204(InGaAsSb)を挿入することで、中間層204と第2半導体層205(GaAsSb)との界面(トンネル接合界面)が明瞭になり、界面の平坦性も良くなっていることが確認された。なお、HAADF−STEMで検出できるような結晶欠陥は、中間層の有無によらず、いずれの試料でも観察されなかった。
TEMやSTEMは、結晶欠陥の観察に広く用いられている方法であるが、ここで観察されるのは貫通転位などの比較的広範囲にわたる結晶欠陥であり、界面で局所的に発生する点欠陥などの結晶欠陥は観察が困難である。この局所的な結晶欠陥に関しては、界面の平坦性からある程度は判断することができる。一般的に、界面の平坦性が良いほど、結晶欠陥は発生し難く、結晶欠陥があったとしても、欠陥密度は少ない場合が多い。したがって、中間層を用いた場合は、中間層がない場合よりも界面の平坦性が良いため、結晶欠陥が起こり難く、結晶欠陥があったとしても、欠陥密度は少ないと考えられる。
In0.74Ga0.26As0.90Sb0.10から構成した中間層は、前述したトンネル接合の実効的な障壁高さを低減できるSb組成(0.01以上、0.2以下)、In組成(0.53以上、1.0以下)を満たしている。計算からは、中間層がある構造では、中間層がない場合に比べて実効的な障壁高さを50meV以上低減できると見積もられた。以上のことから、本発明の中間層を用いた構造をトンネル電界トランジスタに用いることで、トンネル接合界面における結晶欠陥の発生を抑制でき、さらにトンネル接合の実効的な障壁高さを低減できることが分かる。
上述では、中間層のIn組成が0.74、Sb組成が0.10、層厚が10nmの場合について示したが、組成や層厚は設計や作製の容易さを考慮して変更できるため、組成と層厚はこれに限られるものではなく、上述した実施の形態における組成と層厚の範囲内で変更することが可能なことは明らかである。
また、上述では、結晶成長方法として有機金属分子線エピタキシー法を用いた場合について説明したが、本発明の層構成は、有機金属気相エピタキシー法や分子線エピタキシー法などの他の成長方法を用いても作製できるため、結晶成長方法によらず有効なことは明らかである。
次に、本発明の実施の形態におけるトンネル電界効果トランジスタについて、図11を用いてより詳細に説明する。このトンネル電界効果トランジスタは、まず、n型のInPからなる基板301の上に、n型のInPからなるバッファ層302を備える。また、バッファ層302の上には、第1半導体層303,中間層304,第2半導体層305から構成されたメサ部を備える。第1半導体層303は、InGaAsから構成されている。中間層304は、InGaAsSbから構成されている。第2半導体層305は、p型のGaAsSbから構成されている。
また、第1半導体層303,中間層304,第2半導体層305から構成されたメサ部の側面には、ゲート絶縁層306が形成され、メサ部の側面には、ゲート絶縁層306を介してゲート電極307が形成されている。ゲート電極307により、中間層304と第2半導体層305との界面におけるトンネル接合に、電界を印加可能としている。また、第2半導体層305の上には、ソース電極308がオーミック接続して形成されている。また、基板301の裏面には、ドレイン電極309がオーミック接続して形成されている。
上述したトンネル電界効果トランジスタの製造について、簡単に説明する。まず、基板301の上に、有機金属分子線エピタキシー法を用い、層厚が0.2mmのn−InP層、層厚が0.3mmのInGaAs層を積層し、引き続いて層厚が10nmのIn0.74Ga0.26As0.90Sb0.10層を積層し、最後に層厚が0.15mmのp−GaAsSb層を積層する。III族原料ガスは、TMIn、TEGaを用いればよい。また、V族原料ガスは、PH3、AsH3、TDMASbを用いればよい。
次に、公知のリソグラフィー技術およびエッチング技術により、InGaAs層、In0.74Ga0.26As0.90Sb0.10層、p−GaAsSb層をパターニングし、第1半導体層303,中間層304,第2半導体層305からなるメサ部を形成する。
次に、メサ部を覆うようにゲート絶縁膜306となるAl23の膜を形成し、次いで、Al23の膜の上に、ゲート電極307となる金属膜を蒸着する。次に、ソース電極を形成する領域のAl23の膜および金属膜を、リソグラフィー技術およびエッチング技術により除去して、この領域に金属膜を蒸着して、ソース電極308を形成する。
ソース電極308は、ゲート電極307とは絶縁分離した状態に形成する。この後、基板301の裏面に、例えば、蒸着法により金属を堆積することで、ドレイン電極309を形成する。
ここで、トンネル電界トランジスタの駆動電圧を下げるためには、ドレイン電流(ドレイン〜ソース間に流れる電流)を小さなゲート電圧(ゲート〜ソース間の電圧)で大きく変化させることが重要となる。この性能指標には、サブスレッショルド係数が用いられる。このサブスレッショルド係数とは、ドレイン電流が1桁増加するのに必要なゲート電圧のことであり、基本的にはサブスレッショルド係数が小さいほど低電圧での駆動が可能である。
実際に作製した上述の中間層304のあるトンネル電界効果トランジスタでは、サブスレッショルド係数が350mV/decである。一方、中間層を形成していない、中間層以外は同一構成のトンネル電界効果トランジスタでは、サブスレッショルド係数が420mV/decである。このように、実施の形態における中間層の挿入は、トンネル電界効果トランジスタの駆動電圧の低減に有効である。
また、トンネル電界トランジスタにおいて、オン状態での電流を増加させるためには、ドレイン電流の飽和値が大きいことが望ましい。実際に作製した上述の中間層304のあるトンネル電界効果トランジスタでは、ドレイン電流の飽和値は、2.5A/mである。一方、中間層を形成していない、中間層以外は同一構成のトンネル電界効果トランジスタでは、ドレイン電流の飽和値は、1.8A/mである。このように、実施の形態における中間層の挿入は、トンネル電界効果トランジスタのオン状態における電流を増加させる上でも有効である。
なお、図11を用いて説明したトンネル電界効果トランジスタでは、メサ構造を用いた所謂縦型のトランジスタについて例示したが、これに限るものではない。例えば、プレーナ型などの他の構造を持つトンネル電界トランジスタにおいても、中間層を用いることでトンネル接合界面とV族元素の切り換え界面とを分離できるため、上述同様の効果が得られることは明らかである。
以上に説明したように、本発明によれば、InGaAsから構成された第1半導体層とGaAsSbから構成された第2半導体層との間に、InPより格子定数が大きなInGaAsSbから構成された中間層を挿入したので、InGaAsの層とGaAsSbの層とを用いたトンネル電界効果トランジスタのデバイス特性が改善できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…第1半導体層、102…第2半導体層、103…中間層、104…ゲート電極、111…トンネル接合。

Claims (2)

  1. InPから構成された基板の上に形成されたInGaAsから構成された第1半導体層および前記基板の上に形成されてGaAsSbから構成された第2半導体層を備え、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に形成されるトンネル接合によるトンネル電界効果トランジスタであって、
    前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に形成されて、InPより格子定数が大きなInGaAsSbから構成された中間層と、
    前記中間層と前記第2半導体層との間に形成される前記トンネル接合にゲート電界を印加するためのゲート電極と
    を備え
    前記中間層は、V族元素におけるSbの組成比が0.01以上0.2以下であり、
    前記第1半導体層、前記中間層、および前記第2半導体層の積層方向の前記中間層の厚さは、1nm以上15nm以下とされていることを特徴とするトンネル電界効果トランジスタ。
  2. InPから構成された基板の上に形成されたInGaAsから構成された第1半導体層および前記基板の上に形成されてGaAsSbから構成された第2半導体層を備え、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に形成されるトンネル接合によるトンネル電界効果トランジスタであって、
    前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に形成されて、InPより格子定数が大きなInGaAsSbから構成された中間層と、
    前記中間層と前記第2半導体層との間に形成される前記トンネル接合にゲート電界を印加するためのゲート電極と
    を備え、
    前記中間層は、III族元素におけるInの組成比が、0.53以上であることを特徴とするトンネル電界効果トランジスタ。
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