JP6825714B2 - 振動判定装置、振動判定方法及びプログラム - Google Patents

振動判定装置、振動判定方法及びプログラム Download PDF

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Description

本開示は、振動を解析する技術に関し、特に構造物の振動を解析する技術に関数する。
パーソナルコンピュータの筐体及びプリント基板、又は、自動車のフレームなどの構造物の振動特性は、それらの構造部の設計及び評価等に有効である。構造部の設計及び評価に使用される振動特性は、例えば、構造物の特定の固有振動モードにおける固有振動数及び減衰率である。構造物の振動は、例えば、構造物の表面等に配置された、変位、速度、又は、加速度センサ等のセンサによって測定される。固有振動モードは、固有振動数で振動している物体における振動の現れ方を指す。振動の現れ方、すなわち、固有振動モードは、例えば、固有振動数で振動している物体における振動振幅の空間的な分布によって表される。例えば、構造物の表面上に複数のセンサを配置し、それらのセンサによって振動を測定する場合、構造物の振動は、例えば、それらのセンサによって測定された振動の振幅を要素として含むベクトルによって表される。一般に、構造物には複数の固有振動モードが存在する。構造物の振動は、複数の固有振動モードの重ね合わせによって表される。構造物の固有振動モードを示す振動振幅の位置の分布をベクトルによって表した場合、構造物の振動を表すベクトルは、構造物の固有振動モードを表すベクトルの線形和によって表される。構造物の振動の固有振動数が固有値である。構造物の、その固有振動数における固有振動モードを表すベクトルが、構造物の振動の、その固有振動数に対応する固有ベクトルである。このように、固有ベクトルは、固有振動モードが示す固有振動における振動振幅の位置の分布を表す。このように、構造物の振動特性は、固有ベクトル、固有振動数及び減衰率によって表すことができる。
実際の構造物の振動には、様々な振動モードが存在する。構造物の設計や評価において、構造物の振動モードが同じでなければ、振動特性の評価は困難である。
構造物の振動モードが着目振動モードと同じであるか否かを判別する判別方法の一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1の方法は、着目振動モードの固有ベクトルと、判別対象振動モードの固有ベクトルとの間のモード相関係数を使用して、判別対象振動モードが着目振動モードであるか否かを判定する。
特許第4626351号公報
前述のように、構造物の振動は、例えば、構造物の表面に取り付けられているセンサによって測定される。振動の測定値は、センサに例えば劣化や故障などの異常がある場合、及び、センサが取り付けられている場所に例えばクラックなどの異常がある場合、そのセンサによって正常な測定値を得ることはできない。正常な測定値は、例えば、そのセンサが正常であり、そのセンサが取り付けられている場所が正常である場合の測定値である。正常ではない測定値を、以下では異常値と表記する。判別対象振動モードにおいて測定された測定値に異常値が存在する場合、構造物の判別対象振動モードが着目振動モードであっても、異常値のために、上述のモード相関係数は、測定値に異常値が存在しない場合と比較して低下する。判別対象振動モードが着目振動モードであっても、判別対象振動モードが着目振動モードと判別されないことがある。
本開示の目的の一つは、振動の測定値に異常が存在する場合における、振動を判定する性能を向上できる振動判定装置等を提供することにある。
本開示の一態様に係る振動判定装置は、構造物の振動の特徴を表す複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が基準振動であるか否かを判定する判定手段と、前記構造物の振動が前記基準振動であると判定されない場合、前記複数の特徴量に含まれるはずれ値を検出する検出手段と、を備え、前記判定手段は、さらに、検出された前記はずれ値以外の前記複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が前記基準振動であるか否かを判定し、前記構造物の振動が前記基準振動であるか否かを出力する出力手段をさらに備える。
本開示の一態様に係る振動判定方法は、構造物の振動の特徴を表す複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が基準振動であるか否かを判定し、前記構造物の振動が前記基準振動であると判定されない場合、前記複数の特徴量に含まれるはずれ値を検出し、さらに、検出された前記はずれ値以外の前記複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が前記基準振動であるか否かを判定し、前記構造物の振動が前記基準振動であるか否かを出力する。
本開示の一態様に係る記憶媒体は、コンピュータに、構造物の振動の特徴を表す複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が基準振動であるか否かを判定する判定処理と、前記構造物の振動が前記基準振動であると判定されない場合、前記複数の特徴量に含まれるはずれ値を検出する検出処理と、を実行させ、前記判定処理は、さらに、検出された前記はずれ値以外の前記複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が前記基準振動であるか否かを判定し、コンピュータに、前記構造物の振動が前記基準振動であるか否かを出力する出力処理をさらに実行させるプログラムを記憶する。本開示の一態様は、上述の記憶媒体に格納されているプログラムによっても実現される。
本開示には、振動の測定値に異常が存在する場合における、振動を判定する性能を向上できるという効果がある。
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る振動判定装置の構成の例を表すブロック図である。 図2は、本開示の第1の実施の形態に係る振動判定システムの構成の例を表すブロック図である。 図3は、複数のセンサが取り付けられている、剥離等の破損がない構造物の例を模式的に示す図である。 図4は、剥離等の破損がない構造体が加振された場合に得られる測定データに基づく、振動の振幅を模式的に表す図である。 図5は、複数のセンサが取り付けられている、剥離が存在する構造物の例を模式的に示す図である。 図6は、剥離が存在する構造体が加振された場合に得られる測定データに基づく、振動の振幅を模式的に表す図である。 図7は、本開示の第1の実施の形態に係る振動判定装置の動作の例を表すフローチャートである。 図8は、本開示の第1の実施の形態に係る振動判定装置の動作の例を表すフローチャートである。 図9は、本開示の第1の実施の形態に係る振動判定装置の判定処理の動作の例を表すフローチャートである。 図10は、本開示の第2の実施形態に係る振動判定装置の構成の例を表すブロック図である。 図11は、本開示の第2の実施の形態に係る振動判定装置の動作の例を表すフローチャートである。 図12は、本開示の第2の実施の形態に係る振動判定装置の全体の動作の例を表すフローチャートである。 図13は、本開示の第3の実施の形態に係る振動判定装置の構成を表すブロック図である。 図14は、本開示の第3の実施の形態に係る振動判定装置の動作の例を表すフローチャートである。 図15は、本開示の実施の形態に係る振動判定装置を実現することができる、コンピュータのハードウェア構成の一例を表す図である。
以下では、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
[構成の説明]
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る振動判定装置の構成の例を表すブロック図である。図1に示す振動判定装置100は、受付部101と、算出部102と、比較部103と、判定部104と、検出部105と、更新部106と、抽出部107と、出力部108とを含む。
受付部101は、例えば、構造物の異なる場所に設置されている複数のセンサによる振動を測定することによって得られた、構造物の振動の推移を表す測定データを受け付ける。構造物は、パーソナルコンピュータの筐体もしくはプリント基板、又は、自動車のフレームなどの、振動し得る物体である。構造物は、橋梁などの建造物であってもよい。構造物は、以上の例に限られない。センサは、例えば、変位センサ、速度センサ、又は、加速度センサなどである。測定データは、例えば、上述のセンサによって所定の周期で測定された、加振された構造物のセンサが取り付けられている場所における変位、速度、又は、加速度等によって表される、構造物の振動の推移を表すデータである。加振された構造物の加振の後の振動の推移は、振動応答と呼ばれる。測定データは、例えば、センサごとの、測定時刻の順に並べられた、センサによる測定値の列である。測定データは、以下の説明では、測定値の系列、及び、時刻歴波形データとも表記される。複数のセンサによって得られた測定データの組を、測定データセットとも表記する。この場合、測定データセットは、測定値の複数の系列である。測定データセットは、振動応答を表すデータを含む。
受付部101は、センサと接続され、センサから測定値の推移を示す信号を受信してもよい。受付部101は、受信した信号を、上述の時刻歴波形データに変換してもよい。受付部101は、センサによって測定された測定データセットを記憶するデータロガーなどの装置に接続され、データロガーなどの装置から測定データセットを受信してもよい。
図2は、本開示の第1の実施の形態に係る振動判定システムの構成の例を表すブロック図である。図2に示す振動判定システム1は、振動判定装置100と、データロガー200と、端末装置300とを含む。振動判定装置100は、データロガー200及び端末装置300と通信可能に接続されている。
データロガー200は、受信部201と、記憶部202と、送信部203とを含む。受信部201は、構造物に取り付けられているセンサから、例えば、測定値の推移を示す信号を受信する。信号は、デジタルの信号でもアナログの信号でもよい。受信部201は、受信した信号を、例えば、コンピュータが取り扱える形式の、上述の時刻歴波形データのデータに変換し、変換されたデータを記憶部202に格納する。記憶部202は、時刻歴波形データを記憶する。送信部203は、例えば、振動判定装置100からの要求に応じて、記憶部202に格納されている時刻歴波形データを読み出し、読み出した時刻歴波形データを振動判定装置100に送信する。
端末装置300は、振動判定装置100から情報(例えば、後述されるように、構造物の振動特性)を受け取り、受け取った情報を出力する。端末装置300は、例えば、通信インタフェース、ディスプレイ等の表示部、及び、キーボードなどの入力部等を備えるコンピュータである。端末装置300は、例えば、通信インタフェースを介して振動判定装置100から受け取った情報を、例えば表示部に表示する。
振動判定システム1のオペレータは、剥離及びクラックなどの破損や劣化が存在しないことが確認されている構造物を加振してもよい。オペレータは、加振によって振動をしている構造物を、故障及び取り付けの不具合が存在しないことが確認されているセンサによって測定してもよい。オペレータが構造物に加振する方法は、構造物の複数の固有振動モードのうち、例えば、構造物の設計や評価に使用する振動特性が得られる固有振動モードで、構造物が振動するように設定された方法であればよい。オペレータは、測定された測定データセットを、データロガーによって記録していてもよい。そのような測定データセットを、以下では、基準データセットと表記する。基準データセットに含まれる測定データを、基準データとも表記する。基準データに含まれる測定値を、基準測定値とも表記する。基準データは、基準測定値の系列である。基準データセットは、複数の基準データの組、すなわち、基準測定値の複数の系列である。基準データセットは、構造物の基準固有振動モードの振動の推移を表す。基準データセットの測定データが測定された際の構造物の振動モードを、基準固有振動モードと表記する。受信部201は、基準データセットを示す信号を受信し、受信した信号を基準データセットに変換し、得られた基準データセットを記憶部202に格納してもよい。送信部203は、記憶部202から基準データセットを読み出し、読み出した基準データセットを振動判定装置100に送信してもよい。送信部203は、振動判定装置100からの基準データセットの要求に応じて、基準データセットを振動判定装置100に送信してもよい。基準データセットの測定が行われる構造物は、上述の測定データセットの測定が行われる構造物と、同質で同じ形状の構造物であってもよい。基準データセットの測定が行われる構造物は、センサの故障、及び、構造物の破損や劣化などの状態の変化が生じる前の、上述の測定データセットの測定が行われる構造物であってもよい。
受付部101は、さらに、基準データセットを受け付ける。受付部101は、振動判定装置100が動作を開始すると、例えばデータロガー200に、基準データセットを要求してもよい。
算出部102は、構造物の振動の推移を表すデータ(すなわち、測定データセット)から、構造物の振動の特徴(例えば、後述の固有ベクトル)を算出する。算出部102は、算出した、構造物の振動の特徴を、比較部103に送出する。算出部102は、構造物の基準固有振動モードの振動の推移を表すデータ(すなわち、基準データセット)から、構造物の基準固有振動モードの振動の特徴(例えば、後述の基準固有ベクトル)を予め算出しておいてもよい。算出部102は、算出した、構造物の基準固有振動モードの振動の特徴を、比較部103に送出してもよい。
具体的には、算出部102は、受付部101が受信した時刻歴波形データが含む測定値の列のうち、加振による構造物の振動の減衰部分を表す区間(以下、減衰区間と表記)を特定する。言い換えると、算出部102は、振動応答を表す部分を特定する。算出部102は、例えば、測定値の列のうち、振動応答を表す、所定の長さの区間を特定すればよい。算出部102は、測定値の列において振幅のピークを特定し、特定したピークの値が測定されてから所定時間後に測定された値から、連続する所定個数の値を、振動応答を表す部分として特定してもよい。算出部102は、センサごとに、減衰区間の測定データを、例えば、時間に関してフーリエ変換を行うことによって、測定したセンサごとに、周波数領域のデータに変換する。算出部102は、例えば、減衰区間の測定データ、すなわち、測定値の列に対して、高速フーリエ変換を行えばよい。算出部102は、例えば、Z変換又はヒルベルト変換など他の変換によって、測定データを周波数領域のデータに変換してもよい。算出部102は、変換後の周波数領域のデータにおいて、周波数スペクトルのピークを検出する。算出部102は、例えば、センサごとの同一周波数の振幅値を要素として含むベクトルの大きさがピークである周波数を検出してもよい。算出部102がピークを算出する周波数の範囲は、予め定められていればよい。算出部102は、検出した周波数における上述のベクトルを正規化したベクトルを、固有ベクトルとして算出すればよい。算出部102は、算出した固有ベクトルを、比較部103に送出する。
例えば、構造物がx軸方向に延びる長さLの梁であり、梁の両端が固定され、梁を加振することによって梁に自由減衰振動が起きた場合の振動について説明する。構造物上の、座標x(0<x<L)によって示される位置に設置されている変位センサから得られるz方向のたわみ変位の時刻歴波形は、次の式によって近似できる。
Figure 0006825714
ここで、関数w(x,t)は、時刻t、位置xにおけるたわみ変位である。関数φn(x)は、n番目の固有振動モードを表す固有関数である。値Anは、初期振動振幅である。値λnは、n番目の固有振動モードの減衰率である。値ωnは、n番目の固有振動モードの固有角周波数である。値Φnは、n番目の固有振動モードの初期位相である。
固有振動数は、固有角周波数を2πで除した値である。複数の位置における固有関数の値を並べることによって、固有ベクトルが生成される。例えば、梁である構造物に設定されたx軸上に、k個の変位センサを取り付けた場合の、k個のセンサ位置を、x、x、...、xと表記する。この場合、n番目の固有振動モードの場合の固有ベクトル|φn>は、|φn > = n(x1), φn(x2),…, φn(xk))と表記される。また、たわみ変位の時刻歴波形w(x,t)を時間tでフーリエ変換することによって得られる関数を、F(f,x)と表記する。
固有振動数は、たわみ変位の時刻歴波形を表す関数w(x,t)をフーリエ変換することによって得られる周波数スペクトルがピークをとる周波数である。
F(f,x)は、fを定数とみなした場合、固有関数φn(x)の線形結合によって表される。したがって、複数の位置における固有振動の振幅を表す固有ベクトルは、関数w(x,t)をフーリエ変換した関数の、それらの複数の位置における値を要素として含むベクトルを、正規化することによって得られる。
例えば、梁に設定されているx軸上に取り付けられているk個の変位センサの位置をx1,x 2,…,xkとする場合、n番目の固有振動モードの場合の、変位センサの位置における固有振動を表す固有ベクトル(|φn>)は、|φn > = 1/Z t(F(ωn ,x1 ),F(ωn,x2 ),…,F(ωn,xk))である。Zは、正規化係数であり、内積<φnn >が、<φnn > = 1となるように設定される。
数1に示す関数w(x,t)は、構造物の梁である場合の例であり、他の構造物の振動を示す式は数1に示す式とは異なる。本実施形態では、上述の測定データセットが、関数w(x,t)に相当する。測定データセットが含む、複数のセンサからの測定データから、フーリエ変換などによって変換された周波数領域のデータが、関数F(f,x)に相当する。
算出部102は、構造物が板である場合、固有関数や固有振動数は、例えば、文献『足立義雄、「道路橋床版の低周波域における振動性状について」、土木学会論文報告集、第330号、1983年2月、土木学会』に記載されている方法によって、固有関数、固有振動数、及び、固有ベクトルを算出してもよい。以上の説明は、単に例である。算出部102は、他の方法によって、構造物の固有ベクトルを算出してもよい。
受付部101が基準データセットを受信した場合、算出部102は、受信した基準データセットから、同様に固有ベクトルを算出する。基準データセットから算出された固有ベクトルを、基準固有ベクトルと表記する。算出部102は、例えば数1に示す式で表される構造物のモデルが既知である場合、構造物のモデルに基づいて、数値計算によって、基準固有ベクトルを算出してもよい。その場合、振動判定システム1のオペレータは、例えば端末装置300を介して、それぞれのセンサの位置を表すデータを、振動判定装置100に、予め入力しておけばよい。算出部102は、算出した基準固有ベクトルを、比較部103に送出する。
図3は、複数のセンサが取り付けられている、剥離等の破損がない構造物の例を模式的に示す図である。図3に示す例では、5個のセンサ(センサS1、センサS2、センサS3、センサS4、及び、センサS5)が構造体に取り付けられている。
図4は、図3に示す、剥離等の破損がない構造体が加振された場合に得られる測定データに基づく、振動の振幅を模式的に表す図である。図4に示す、X1からX5は、それぞれ、センサS1からセンサS5が取り付けられている位置を表す。図4の縦軸は、振幅の大きさを表す。図4に描かれている黒い点は、それぞれ、センサS1からセンサS5によって測定された振動の振幅を表す。図3に示す構造体の基準固有ベクトルは、例えば、図4に描かれている黒い点によって示されている振幅の値を要素として含むベクトルである。
図5は、複数のセンサが取り付けられている、剥離が存在する構造物の例を模式的に示す図である。図5に示す例でも、5個のセンサ(センサS1、センサS2、センサS3、センサS4、及び、センサS5)が構造体に取り付けられている。図5に示す例では、センサS2が取り付けられている場所に剥離が存在する。図5に示す構造物は、剥離の存在を除いて、図3に示す構造物と同等である。図5に示す構造物に加振した場合、図5に示す構造物には、剥離の場所を除いて、図3に示す構造物に加振した場合に生じる振動と同等の振動が生じる。
図6は、図5に示す、剥離が存在する構造体が加振された場合に得られる測定データに基づく、振動の振幅を模式的に表す図である。図6に示す、X1からX5は、それぞれ、センサS1からセンサS5が取り付けられている位置を表す。図6の縦軸は、振幅の大きさを表す。図6に描かれている黒い点は、それぞれ、センサS1からセンサS5によって測定された振動の振幅を表す。図6に示す例では、X2によって示される場所の振動の振幅は0である。構造物に加振した場合であっても、センサS2が取り付けられている、X2によって示される場所は、剥離のために、振動していない。X1、X3、X4及びX5によって示される場所の振動の振幅は、図4に示す、X1、X3、X4及びX5によって示される場所の振動の振幅と同等である。図5に示す構造体の基準固有ベクトルは、例えば、図6に描かれている黒い点によって示されている振幅の値を要素として含むベクトルである。振幅は、位相の情報を含む複素振幅であってもよい。
比較部103は、構造物の基準固有振動モードの振動の特徴(具体的には、例えば、上述の基準固有ベクトル)を算出部102から受信し、受信した、構造物の基準固有振動モードの振動の特徴(例えば、基準固有ベクトル)を記憶する。比較部103は、さらに、測定された構造物の振動の特徴(具体的には、例えば、固有ベクトル)を算出部102から受信する。比較部103は、測定された構造物の振動の特徴を、その構造物の基準固有振動モードの振動の特徴と比較する。具体的には、比較部103は、受信した対象固有ベクトルを、基準固有ベクトルと比較する。以下、基準固有ベクトルと比較される固有ベクトルを、対象固有ベクトルと表記する。さらに具体的には、比較部103は、基準固有ベクトルと対象固有ベクトルとの間の相関を示す値を算出する。相関を示す値は、例えば、モード信頼性評価基準(Modal Assurance Criterion、MAC)である。
MACは、以下の式によって表される。以下の式において、|φ>は、基準固有ベクトルを表し、|ψ>は、対象固有ベクトルを表す。
Figure 0006825714
比較部103は、測定された構造物の振動の特徴の、その構造物の基準固有振動モードの振動の特徴との比較の結果を、判定部104に送出する。具体的には、比較部103は、上述のMACを判定部104に送出すればよい。
判定部104は、測定された構造物の振動の特徴の、その構造物の基準固有振動モードの振動の特徴との比較の結果に基づいて、測定された構造物の振動が、その構造物の基準固有振動モードの振動の特徴を備えるか否かを判定する。
上述のように、測定された構造物の振動の特徴は、例えば、測定された構造物の振動の固有振動モードを示す対象固有ベクトルによって表される。その構造物の基準固有振動モードの振動の特徴は、例えば、基準固有振動モードを示す基準固有ベクトルによって表される。測定された構造物の振動が、その構造物の基準固有振動モードの振動の特徴を備えるとは、構造物の振動が基準固有振動モードの振動であることである。測定された構造物の振動の特徴の、その構造物の基準固有振動モードの振動の特徴との比較の結果は、具体的には、対象固有ベクトルと基準固有ベクトルとの間の相関を表す値(例えば、MAC)である。
例えば、対象固有ベクトルと基準固有ベクトルとの間の相関が所定の基準より高い場合、対象固有ベクトルは基準固有ベクトルである、すなわち、構造物の振動が基準固有振動モードの振動であるとみなすことができる。判定部104は、対象固有ベクトルと基準固有ベクトルとの間の相関が所定の基準より高い場合、構造物の振動が基準固有振動モードの振動である、すなわち、測定された構造物の振動が、その構造物の基準固有振動モードの振動の特徴を備えると判定する。具体的には、判定部104は、対象固有ベクトルと基準固有ベクトルとの間の相関を表す相関値(例えば上述のMAC)が所定の閾値C以上である場合、構造物の振動が基準固有振動モードの振動であると判定する。閾値Cは、例えば、0.8であってもよい。閾値Cは、例えば、0.9であってもよい。閾値Cの値は、以上の例に限られない。閾値Cの値は、例えば目的に応じて設定されていればよい。
なお、判定部104は、比較部103を含んでいてもよい。振動判定装置100が比較部103を含まず、判定部104が比較部103として動作してもよい。本実施の形態では、比較部103と判定部104は別の部として説明される。
測定された構造物の振動が、その構造物の基準固有振動モードの振動の特徴を備えていないと判定された場合、すなわち、相関値が閾値Cより小さい場合、測定された構造物の振動が、その構造物の基準固有振動モードの振動であるが、測定データの一部が異常である可能性がある。異常な測定データとは、例えば、構造物の振動を反映していない測定データを指す。例えば、センサが故障している場合、センサが取り付けられている部分の正確な変位等のデータは得られない。例えば、構造物の、センサが取り付けられている場所に剥離などの異常が存在する場合、そのセンサは、異常が存在しない場所に取り付けられているセンサによる測定データと整合性のある測定データを得ることはできない。構造物の振動の特徴のうち、異常な測定データに基づく特徴を、はずれ値と表記する。測定データに異常値が含まれ、構造物の振動の特徴が上述の固有ベクトルによって表される場合、固有ベクトルのいずれかの要素が、はずれ値になる。
測定された構造物の振動が、その構造物の基準固有振動モードの振動の特徴を備えていないと判定された場合、検出部105は、測定された構造物の振動の特徴に含まれるはずれ値を、その構造物の基準固有振動モードの振動の特徴とを用いて検出する。具体的には、相関値が閾値Cより小さい場合、検出部105は、対象固有ベクトルと基準固有ベクトルを用いて、対象固有ベクトルの要素においてはずれ値を検出する。対象固有ベクトルの要素のはずれ値は、例えば、同じ番号の、対象固有ベクトルの要素と基準固有ベクトルの要素との差が、他の番号の要素の差と比較して大きい要素である。検出部105は、以下で具体的に説明する交差比較によって、対象固有ベクトルの要素にはずれ値を検出してもよい。
検出部105は、対象固有ベクトル及び基準固有ベクトルから同じ順番の1つの要素が除かれた2つのベクトルのMACを、除かれる要素を最初の要素から最後の要素まで変化させながら、算出すればよい。以下の説明では、i番目(i=1,...,k)の要素が除かれた2つのベクトルのMACを、MACと表記する。自然数kは、構造物に取り付けられているセンサの数、すなわち、対象固有ベクトルと基準固有ベクトルの要素の数である。検出部105は、MACからMACのうち、最大であり、他のMACが所定の閾値(以下、閾値C2と表記)よりも小さいMAC(以下、MAC(1≦m≦k)と表記)を検出してもよい。閾値C2は、閾値Cと同じであってもよい。検出部105は、MACからMACのうち、単に、最大のMACを検出してもよい。検出部105は、検出されたMACを算出する際に除かれた、対象固有ベクトル要素を、はずれ値として検出する。検出部105は、はずれ値として特定された要素が算出された測定データを異常な測定データとして検出する。
具体的には、検出部105は、まず、基準固有ベクトル|φ> = t(a1,a2,…,ai-1,ai,ai +1,…,ak)から、基準固有ベクトルのi番目の要素以外の要素を、元の基準固有ベクトルにおける順序と同じ順序で含む、新しい基準固有ベクトルを生成する。生成される、i番目の要素aiが除かれた基準固有ベクトル|φi>は、|φi> = t(a1,a2,…,ai-1,ai+1,…,ak)である。
検出部105は、対象固有ベクトル|ψ> = t(b1,b2,…,bi-1,bi,bi+1,…,bk)から対象固有ベクトルのi番目の要素以外の要素を、元の対象固有ベクトルにおける順序と同じ順序で含む、新しい対象固有ベクトルを生成する。生成される、i番目の要素biを除いた対象固有ベクトル|ψi>は、|ψi> = t(b1,b2,…,bi-1,bi+1,…,bk)とする。自然数kは、固有ベクトルの要素の数である。自然数iは、k以下である。
検出部105は、更新された、基準固有ベクトル|φi>と対象固有ベクトルとの間の相関MACiを算出する。検出部105は、元の対象固有ベクトルと基準固有ベクトルとから、i番目の要素を取り除き、MACiを算出する動作を、iが1から固有ベクトルの要素の数kになるまで、iを1ずつ増加させながら繰り返す。
対象固有ベクトルと基準固有ベクトルの各々から取り除かれる要素の個数は、1に限られない。検出部105は、対象固有ベクトルと基準固有ベクトルの各々から、固有ベクトルの要素の数kに比べて十分小さい、2以上の数の要素を取り除いてもよい。検出部105は、それらの要素が取り除かれた対象固有ベクトルと基準固有ベクトルとの間のMACを算出してもよい。例えば、取り除かれる要素の個数が2である場合、検出部105は、kC2通りのMACを算出する。
検出部105は、算出したk個のMACi (i=1,2,…,n)を使用して、はずれ値である要素を検出する。検出部105は、例えば、MAC1からMACkの中でMACmが最大であり、MACj (j≠m)の各々が、あらかじめ定められている閾値C2以下である場合、m番目の要素をはずれ値として検出する。
検出部105は、基準固有ベクトルから、m番目の要素を取り除いた、更新された基準固有ベクトルを生成する。更新部106は、対象固有ベクトルから、はずれ値として検出されたm番目の要素を取り除いた、更新された対象固有ベクトルを生成する。
図4及び図6に示す例において、MACが閾値より小さい場合、例えば、X2における黒い点が示す値の要素が、はずれ値に相当する。すなわち、センサS2によって得られる測定データが、はずれ値と判定される。
検出部105は、例えば、基準固有ベクトルの各要素の値から、例えば最尤推定によって固有関数を推定してもよい。検出部105は、推定した固有関数の、基準固有ベクトルの要素いずれかの位置における、値の誤差の範囲に、対象固有ベクトルの要素の値が含まれない場合、誤差の範囲に値が含まれない要素をはずれ値として検出してもよい。
以上で説明したはずれ値の検出方法は例である。検出部105は、例えば、ホテリング法、固有ベクトルの要素の分布の違いに基づく方法など、他の方法によって、はずれ値を検出してもよい。
更新部106は、測定された構造物の振動の特徴を、受け取った測定データセットから検出された異常な測定データを除いた測定データセットによって表される振動の特徴になるように更新する。更新部106は、さらに、構造物の基準固有振動モードの特徴を、基準データセットから、検出された異常な測定データが得られた場所のデータを取り除いた基準データセットによって表される振動の特徴になるよう更新する。
具体的には、更新部106は、対象固有ベクトルの要素から、検出されたはずれ値を取り除く更新を行う。更新部106は、さらに、基準固有ベクトルの要素から、はずれ値と同じ順番の要素を取り除く更新を行う。さらに具体的には、更新部106は、はずれ値である要素が取り除かれた対象固有ベクトルと、はずれ値である要素の番号と同じ番号の要素が取り除かれた基準固有ベクトルとを生成する。更新部106は、生成した対象固有ベクトル及び基準固有ベクトルに対して正規化を行ってもよい。更新部106は、更新が行われた対象固有ベクトル及び基準固有ベクトルのそれぞれに、正規化を行ってもよい。更新部106は、更新が行われた対象固有ベクトル及び基準固有ベクトルを、比較部103に送出する。なお、検出部105が、要素が除かれた対象固有ベクトル及び基準固有ベクトルから算出されたMACを使用してはずれ値を検出する場合、更新部106は存在しなくてもよい。その場合、検出部105は、検出されたはずれ値が除かれた対象固有ベクトル及び基準固有ベクトルから算出されたMACを、判定部104に送信すればよい。
比較部103は、更新が行われた対象固有ベクトル及び基準固有ベクトルを、更新部106から受け取った場合、受け取った対象固有ベクトルと基準固有ベクトルとの間のMACを算出する。比較部103は、算出したMACを、判定部104に送出する。
以上の説明では、更新部106は、はずれ値が取り除かれた、対象固有ベクトルと基準固有ベクトルとを生成する。しかし、更新部106は、はずれ値である要素を示すはずれ値データ(例えば、はずれ値と判定された要素の番号のリスト)を生成し、生成したはずれ値データを、比較部103に送信してもよい。その場合、比較部103は、はずれ値データが示す要素以外の要素を使用して、MAC等の相関値を算出してもよい。
判定部104は、異常な測定データ以外の測定データセットに基づく測定された構造物の振動の特徴の、その構造物の基準固有振動モードの振動の特徴との比較の結果に基づいて、測定された構造物の振動が、その構造物の基準固有振動モードの振動の特徴を備えるか否かを判定する。具体的には、はずれ値データが示す要素以外の要素を使用して算出された相関値(例えば、MAC)値が、所定の閾値Cよりも大きい場合、判定部104は、構造物の振動が基準固有振動モードの振動であると判定する。はずれ値データが示す要素以外の要素を使用して算出された相関値(例えば、MAC)値が、所定の閾値C以下である場合、判定部104は、構造物の振動が基準固有振動モードの振動ではないと判定する。
図4及び図6に示す例では、X2によって示される位置の黒い丸によって示される値の要素が取り除かれた対象固有ベクトル及び基準固有ベクトルが生成される。これらのベクトルの間の相関を表すMACが所定値よりも大きい場合、図5に示す構造体の振動は、基準固有振動モードの振動であると判定される。
測定された構造物の振動が、その構造物の基準固有振動モードの振動の特徴を備えると判定された場合、すなわち、構造物の振動が基準固有振動モードの振動であると判定された場合、抽出部107は、構造物の固有振動モードにおける、他の振動特性を抽出する。振動特性は、例えば、固有ベクトル、固有振動数及び減衰率である。この場合、他の振動特性は、固有振動数及び減衰率である。具体的には、抽出部107は、測定データセットの周波数スペクトルの、ピークの周波数に2πを掛けた値を、固有角振動数として抽出してもよい。測定データセットの周波数スペクトルは、測定データセットの各々の測定データを、時間tに関するフーリエ変換によって変換することによって得られる、周波数領域のデータである。抽出部107は、測定データセットの周波数スペクトルの、ピークの値の半値半幅を、減衰率として算出してもよい。抽出部107は、線形予測分析を使用した方法など、他の方法によって、振動特性を抽出してもよい。
測定された構造物の振動が、その構造物の基準固有振動モードの振動の特徴を備えないと判定された場合、すなわち、構造物の振動が基準固有振動モードの振動ではないと判定された場合、抽出部107は、他の振動特性を抽出しなくてよい。
構造体の振動が基準固有振動モードの振動であると判定された場合、すなわち、構造物の他の振動特性が抽出された場合、出力部108は、抽出された、構造物の振動特性を、例えば端末装置300に出力してもよい。構造物の振動特性は、例えば、固有ベクトル、固有振動数及び減衰率である。その場合、出力部108は、構造体の振動が基準固有振動モードの振動であることを示すメッセージを、例えば端末装置300に出力してもよい。
構造体の振動が基準固有振動モードの振動ではないと判定された場合、すなわち、構造物の他の振動特性が抽出されなかった場合、出力部108は、振動特性を出力しなくてもよい。その場合、出力部108は、構造体の振動が基準固有振動モードの振動ではないことを示すメッセージを、例えば端末装置300に出力してもよい。
[動作の説明]
次に、本実施形態に係る振動判定装置100の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、振動判定装置100の準備動作について説明する。
図7は、本実施の形態に係る振動判定装置100の動作の例を表すフローチャートである。図7に示す動作は、基準データの複数の系列(すなわち、上述の基準データセット)から基準固有振動モードの振動の特徴(すなわち、基準固有ベクトル)を算出する動作を表す。
まず、受付部101が、基準データセット、すなわち、基準測定値の複数の系列を受け付ける(ステップS101)。次に、算出部102が、基準データセットから、基準固有振動モードの振動の特徴(すなわち、基準固有ベクトル)を算出する(ステップS102)。比較部103は、算出された、基準固有振動モードの振動の特徴(すなわち、基準固有ベクトル)を記憶する(ステップS103)。
次に、振動判定装置100の全体の動作について説明する。
図8は、本実施の形態に係る振動判定装置100の動作の例を表すフローチャートである。
まず、受付部101が、測定データの複数の系列(すなわち、測定データセット)を受け付ける(ステップS111)。算出部102は、測定データの複数の系列(すなわち、測定データセット)から、構造体の振動の特徴(すなわち、対象固有ベクトル)を算出する(ステップS112)。
次に、振動判定装置100は、判定処理を行う(ステップS113)。ステップS113の判定処理の動作については、後で詳細に説明する。振動判定装置100は、ステップS113の判定処理の動作によって、受け付けた測定データの複数の系列が得られた構造体の振動が、基準固有振動であるか否か、すなわち、その構造体の振動が基準固有振動モードの振動であるか否かを判定する。
振動が基準固有振動であると判定された場合(ステップS114においてYES)、抽出部107は、振動特性を抽出する(ステップS115)。そして、出力部108は、振動特性を出力する(ステップS116)。ステップS116において、出力部108は、振動が基準固有振動であることを示すメッセージなどを、判定の結果として出力してもよい。
振動が基準固有振動であると判定されなかった場合(ステップS114においてNO)、振動判定装置100は図8に示す動作を終了する。図8に示す動作の終了の前に、出力部108は、振動が基準固有振動でないことを示すメッセージなどを、判定の結果として出力してもよい。
次に、振動判定装置100の判定処理の動作について説明する。
図9は、本実施の形態に係る振動判定装置100の判定処理の動作の例を表すフローチャートである。
比較部103及び判定部104は、振動の特徴(すなわち、対象固有ベクトル)に基づいて、振動が基準固有振動であるか判定する(ステップS121)。具体的には、比較部103は、固有ベクトルと基準固有ベクトルの相関値(例えば上述のMAC)を算出する。判定部104は、算出された相関値を所定の閾値Cよりも大きい場合、振動が基準固有振動であると判定する。算出された相関値を所定の閾値C以下である場合、判定部104は、振動が基準固有振動であると判定しない。
振動が基準固有振動であると判定された場合(ステップS122においてYES)、振動判定装置100は、図9に示す動作を終了する。
振動が基準固有振動であると判定されなかった場合(ステップS122においてNO)、検出部105は、振動の特徴の異常値を検出する(ステップS123)。具体的には、検出部105は、上述のように、対象固有ベクトルの要素のはずれ値を、振動の特徴の異常値として検出する。振動の特徴の異常値が存在しない場合(ステップS124においてNO)、すなわち、振動の特徴の異常値が検出されなかった場合、判定部104は、振動は基準固有振動ではないと判定する(ステップS128)。
振動の特徴の異常値が存在する場合(ステップS124においてYES)、すなわち、振動の特徴の異常値が検出された場合、更新部106は、振動の特徴が検出された異常値を含まないように、振動の特徴を更新する(ステップS125)。具体的には、更新部106は、例えば、更新前の固有ベクトルの、はずれ値である要素以外の要素を、更新前の固有ベクトルにおける順番と同じ順番で含み、はずれ値である要素を含まない、固有ベクトルを生成する。更新部106は、ステップS125において、さらに、検出された異常値が算出された測定値を測定したセンサによって測定された測定値から算出された値を含まないように、基準固有振動の特徴を更新する。具体的には、更新部106は、例えば、更新前の基準固有ベクトルの、はずれ値である要素と同じ番号の要素以外の要素を、更新前の基準固有ベクトルにおける順番と同じ順番で含み、はずれ値である要素と同じ番号の要素を含まない、基準固有ベクトルを生成する。
比較部103及び判定部104は、更新された振動の特徴(すなわち、対象固有ベクトル)に基づいて、振動が基準固有振動であるか判定する(ステップS126)。具体的には、比較部103は、更新後の、固有ベクトルと基準固有ベクトルの相関値(例えば上述のMAC)を算出する。判定部104は、算出された相関値が所定の閾値Cよりも大きい場合、振動が基準固有振動であると判定する。
振動が基準固有振動であると判定された場合(ステップS127においてYES)、振動判定装置100は、図9に示す判定処理の動作を終了する。
算出された相関値が所定の閾値C以下である場合、すなわち、振動が基準固有振動であると判定されない場合(ステップS127においてNO)、判定部104は、振動は基準固有振動ではないと判定する(ステップS128)。そして、振動判定装置100は、図9に示す判定処理の動作を終了する。
[効果の説明]
次に、本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態には、振動の測定値に異常が存在する場合における、振動を判定する性能を向上できるという効果がある。その理由は、構造物の振動が基準固有振動であると判定されない場合、検出部105が、構造物の振動の特徴において、異常値を検出するからである。判定部104は、検出された異常値を含まない、構造物の振動の特徴に基づいて、構造物の振動が基準固有振動であるか否かを判定する。従って、構造物の振動が基準固有振動であるが、センサやセンサが取り付けられている場所の異常によって生じる異常値を振動の特徴が含むために、構造物の振動が基準固有振動ではないと判定される可能性が低減される。すなわち、振動の測定値に異常が存在する場合における、振動を判定する性能を向上できる。
[第2の実施の形態]
次に、本開示の第2の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図10は、本実施形態に係る振動判定装置100Aの構成の例を表すブロック図である。図10に示す振動判定装置100Aは、受付部101と、算出部102と、比較部103と、判定部104と、検出部105と、更新部106と、抽出部107と、出力部108と、センサ情報記憶部109と、生成部110とを含む。
受付部101、算出部102、比較部103、判定部104、検出部105、更新部106、抽出部107及び出力部108は、以下で説明する相違を除いて、第1の実施の形態の同じ名称が付与されている部の動作と同じ動作を行う。
受付部101は、さらに、センサが取り付けられている位置の情報を受け取る。受付部101は、センサが取り付けられている位置の情報として、例えば、構造物の形状を表す情報と、構造物におけるセンサの位置の情報であってもよい。構造物の形状を表す情報は、例えば、構造物の三次元モデルであってもよい。構造物の形状を表す情報は、構造物の形状が投影された画像であってもよい。受付部101は、受け取った、センサが取り付けられている位置の情報を、センサ情報記憶部109に格納する。
センサ情報記憶部109は、センサが取り付けられている位置の情報を記憶する。
検出部105は、さらに、構造物の振動の特徴におけるはずれ値が導出された、測定データセットに含まれている測定データを、異常な測定データとして検出してもよい。異常な測定データは、構造物の振動の特徴におけるはずれ値が導出された測定データを表す。具体的には、検出部105は、上述の対象固有ベクトルの、はずれ値として検出された要素が導出された測定データを、異常な測定データとして特定してもよい。検出部105は、さらに、異常な測定データが得られたセンサを、異常センサとして特定してもよい。検出部105は、異常な測定データとして検出された測定データを特定する情報を、例えば判定部104に送出してもよい。検出部105は、異常センサとして特定されたセンサを特定する情報を、例えば判定部104に送出してもよい。なお、異常センサを特定する情報は、異常な測定データとして検出された測定データを特定する情報であってもよい。
構造物の振動が基準固有振動モードの振動であると判定され、かつ、振動の特徴の異常値が検出された場合、判定部104は、異常な測定データとして検出された測定データを、例えば抽出部107を介して、出力部108に送出してもよい。構造物の振動が基準固有振動モードの振動であると判定され、かつ、振動の特徴の異常値が検出された場合、判定部104は、異常センサを特定する情報を、生成部110に送出してもよい。
生成部110は、例えば判定部104から、異常センサを特定する情報を受け取る。生成部110は、異常なセンサを特定する情報と、センサ情報記憶部109に格納されている、センサが取り付けられている位置を表す情報とに基づいて、異常センサによって測定された、異常な測定データが測定された場所を特定する情報を生成する。生成部110は、異常な測定データが測定された場所を特定する情報として、異常センサが取り付けられている場所を表す情報を生成すればよい。異常な測定データが測定された場所を特定する情報は、例えば、異常センサを特定する情報であってもよい。異常センサが取り付けられている場所を表す情報は、例えば、異常センサが取り付けられている場所を示すマークが、その異常センサが取り付けられている場所に相当する位置に重畳されている、構造物の画像であってもよい。異常センサが取り付けられている場所を示すマークを、異常センサを示すマークとも表記する。マークは、例えば、円、三角形又は四角形などの多角形、矢印又は他の図形であってもよい。マークは、+マーク、Xマーク、文字又は文字列であってもよい。マークは、図形と、1つ又は複数の文字との組み合わせであってもよい。マークは、異常の例に限られない。マークは、点滅していてもよい。生成部110は、異常センサとして検出されていないセンサを示すマークを、構造物の画像に重畳してもよい。その場合、生成部110は、異常センサを示すマークを、異常センサとして検出されていないセンサを示すマークの表示形式とは、色、大きさ及び動きの少なくともいずれかが異なる表示形式で、構造物の画像に重畳してもよい。
出力部108は、異常データとして検出された測定データを特定する情報を、例えば抽出部107を介して判定部104から受け取ってもよい。出力部108は、異常な測定データとして検出された測定データを特定する情報を、例えば端末装置300などに出力してもよい。
出力部108は、生成部110から、異常な測定データが測定された場所を特定する情報を受け取り、受け取った、異常な測定データが測定された場所を特定する情報を、例えば端末装置300などに出力してもよい。
[動作の説明]
次に、本実施の形態に係る振動判定装置100Aの動作について、図面を参照して詳細に説明する。
図11は、本実施の形態に係る振動判定装置100Aの動作の例を表すフローチャートである。図11に示す動作は、振動判定装置100Aの初期動作を表す。図11に示す動作において、振動判定装置100Aは、基準データの複数の系列(すなわち、上述の基準データセット)から基準固有振動モードの振動の特徴(すなわち、基準固有ベクトル)を算出するのに加えて、センサの位置の情報を受け付ける。
図11のステップS101からステップS103までの動作は、図7に示す、第1の実施形態のステップS101からステップS103までの動作と同じである。
次に、受付部101は、センサの位置の情報を受け付ける(ステップS204)。受付部101は、受け付けた、センサの位置の情報を、センサ情報記憶部109に格納する(ステップS205)。
図12は、本実施の形態に係る振動判定装置100Aの全体の動作の例を表すフローチャートである。図12におけるステップS111からステップS116までの動作は、それぞれ、図8に示す、ステップS111からステップS116までの動作と同じである。
構造物の振動が基準固有振動であると判定され、さらに、構造物の振動の特徴にはずれ値が検出された場合(ステップS217においてYES)、出力部218は、はずれ値が導出された異常値に関する情報を出力する。はずれ値が導出された異常値に関する情報は、例えば、上述の異常な測定データを特定する情報であってもよい。はずれ値が導出された異常値に関する情報は、例えば、異常センサを特定する情報であってもよい。はずれ値が導出された異常値が測定された場所に関する情報であってもよい。はずれ値が導出された異常値が測定された場所に関する情報は、異常センサが取り付けられている場所に関する情報であってもよい。異常センサが取り付けられている場所に関する情報は、異常センサの場所を示すマークが重畳された、構造物の画像であってもよい。
構造物の振動の特徴にはずれ値が検出された場合(ステップS217においてNO)、振動判定装置100Aは、図12に示す動作を終了する。
[効果の説明]
本実施形態には、第1の実施の形態の効果と同じ効果がある。その理由は、第1の実施の形態の効果が生じる理由と同じである。
本実施形態には、さらに、センサ及び構造物に生じる異常を見つけやすくできると言う効果がある。その理由は、生成部110が、異常データとして検出された測定データを特定する情報を生成するからである。異常データとして検出された測定データを特定する情報は、出力部108によって出力される。
[第3の実施の形態]
図13は、本開示の第3の実施の形態に係る振動判定装置100Bの構成を表すブロック図である。
図13に示す振動判定装置100Bは、判定部104と、検出部105と、出力部108とを含む。
判定部104は、構造物の振動の特徴を表す複数の特徴量に基づいて、構造物の振動が基準振動であるか否かを判定する。構造物の振動の特徴を表す複数の特徴量は、例えば、上述の固有ベクトル(すなわち、上述の固有ベクトルの複数の要素)である。基準振動は、上述の基準固有振動モードの振動である。判定部104は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態の判定部104による方法と同じ方法によって、構造物の振動が基準振動であるか否かを判定すればよい。
検出部105は、構造物の振動が基準振動であると判定されない場合、複数の特徴量に含まれるはずれ値を検出する。検出部105は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態の検出部105による方法と同じ方法によって、はずれ値を検出すればよい。
判定部104は、さらに、複数の特徴量のうち、検出されたはずれ値以外の特徴量に基づいて、前述の構造物の振動が基準振動であるか否かを判定する。
出力部108は、構造物の振動が基準振動であるか否かを出力する。言い換えると、出力部108は、構造物の振動が基準振動であるか否かを示す情報を出力する。さらに言い換えると、ステップS302及びステップS304のいずれかにおいて、振動が基準振動であると判定された場合、出力部108は、構造物の振動が基準振動であることを示す情報を出力する。構造物の振動が基準振動であることを示す情報は、テキストのメッセージであってもよい。構造物の振動が基準振動であることを示す情報は、予め定められた値であってもよい。また、ステップS304において、構造物の振動が基準振動であると判定されなかった場合、出力部108は、構造物の振動が基準振動ではないことを示す情報を出力する。構造物の振動が基準振動ではないことを示す情報は、テキストのメッセージであってもよい。構造物の振動が基準振動ではないことを示す情報は、予め定められた、構造物の振動が基準振動であることを示す値と異なる値であってもよい。
[動作の説明]
図14は、本実施の形態に係る振動判定装置100Bの動作の例を表すフローチャートである。
まず、判定部104が、構造物の振動の特徴を表す複数の特徴量に基づいて、構造物の振動が基準振動であるか否かを判定する(ステップS301)。振動が基準振動であると判定された場合(ステップS302においてYES)、振動判定装置100Bは、次に、ステップS305の動作を行う。振動が基準振動であると判定されない場合(ステップS302においてNO)、検出部105は、複数の特徴量からはずれ値を検出する(ステップS303)。判定部104は、さらに、検出されたはずれ値を除く複数の特徴量に基づいて、構造物の振動が基準振動であるか否かを判定する(ステップS304)。次に、出力部108は、構造物の振動が基準振動であるか否かを出力する(ステップS305)。
[効果の説明]
本実施形態には、第1の実施の形態の効果と同じ効果がある。その理由は、第1の実施の形態の効果が生じる理由と同じである。
[他の実施の形態]
上述の実施の形態に係る振動判定装置は、記憶媒体から読み出されたプログラムがロードされたメモリと、そのプログラムを実行するプロセッサとを含むコンピュータによって実現することができる。上述の実施の形態に係る振動判定装置は、専用のハードウェアによって実現することもできる。上述の実施の形態に係る振動判定装置は、前述のコンピュータと専用のハードウェアとの組み合わせによって実現することもできる。
図15は、本開示の実施の形態に係る振動判定装置を実現することができる、コンピュータ1000のハードウェア構成の一例を表す図である。図15を参照すると、コンピュータ1000は、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、I/O(Input/Output)インタフェース1004とを含む。また、コンピュータ1000は、記憶媒体1005にアクセスすることができる。メモリ1002と記憶装置1003は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶装置である。記憶媒体1005は、例えば、RAM、ハードディスクなどの記憶装置、ROM(Read Only Memory)、可搬記憶媒体である。記憶装置1003が記憶媒体1005であってもよい。プロセッサ1001は、メモリ1002と、記憶装置1003に対して、データやプログラムの読み出しと書き込みを行うことができる。プロセッサ1001は、I/Oインタフェース1004を介して、例えば、データロガー200及び端末装置300と通信を行うことができる。プロセッサ1001は、記憶媒体1005にアクセスすることができる。記憶媒体1005には、コンピュータ1000を、振動判定装置100、振動判定装置100A、又は、振動判定装置100Bとして動作させるプログラムが格納されている。
プロセッサ1001は、記憶媒体1005に格納されている、コンピュータ1000を、振動判定装置100、振動判定装置100A、又は、振動判定装置100Bとして動作させるプログラムを、メモリ1002にロードする。そして、プロセッサ1001が、メモリ1002にロードされたプログラムを実行することにより、コンピュータ1000は、振動判定装置100、振動判定装置100A、又は、振動判定装置100Bとして動作する。
受付部101、算出部102、比較部103、判定部104、検出部105、更新部106、抽出部107及び出力部108は、例えば、メモリ1002にロードされた専用のプログラムを実行するプロセッサ1001により実現することができる。生成部110も、例えば、メモリ1002にロードされた専用のプログラムを実行するプロセッサ1001により実現することができる。また、センサ情報記憶部109は、コンピュータ1000が含むメモリ1002やハードディスク装置等の記憶装置1003により実現することができる。受付部101、算出部102、比較部103、判定部104、検出部105、更新部106、抽出部107及び出力部108の一部又は全部を、各部の機能を実現する専用の回路によって実現することもできる。センサ情報記憶部109及び生成部110の一部又は全部を、各部の機能を実現する専用の回路によって実現することもできる。
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
構造物の振動の特徴を表す複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が基準振動であるか否かを判定する判定手段と、
前記構造物の振動が前記基準振動であると判定されない場合、前記複数の特徴量に含まれるはずれ値を検出する検出手段と、を備え、
前記判定手段は、さらに、検出された前記はずれ値以外の前記複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が前記基準振動であるか否かを判定し、
前記構造物の振動が前記基準振動であるか否かを出力する出力手段をさらに備える
振動判定装置。
(付記2)
前記複数の特徴量は、前記構造物の異なる場所において測定された振動の特徴をそれぞれ表し、
前記出力手段は、さらに、前記はずれ値として検出された前記特徴量によって示される前記振動の特徴が測定された場所に関する情報を出力する
付記1に記載の振動判定装置。
(付記3)
前記出力手段は、前記はずれ値として検出された前記特徴量によって示される前記振動の特徴が測定された場所に設置されているセンサである異常センサを特定する情報を出力する
付記2に記載の振動判定装置。
(付記4)
前記出力手段は、前記構造物に取り付けられている前記異常センサの場所を示すマークが重畳されている、前記構造物の画像を出力する
付記3に記載の振動判定装置。
(付記5)
前記検出手段は、前記複数の特徴量から選択された選択特徴量以外の、前記複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が前記基準振動であると判定される場合、前記選択特徴量を、前記はずれ値として検出する
付記1から4のいずれか1項に記載の振動判定装置。
(付記6)
構造物の振動の特徴を表す複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が基準振動であるか否かを判定し、
前記構造物の振動が前記基準振動であると判定されない場合、前記複数の特徴量に含まれるはずれ値を検出し、
さらに、検出された前記はずれ値以外の前記複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が前記基準振動であるか否かを判定し、
前記構造物の振動が前記基準振動であるか否かを出力する
振動判定方法。
(付記7)
前記複数の特徴量は、前記構造物の異なる場所において測定された振動の特徴をそれぞれ表し、
さらに、前記はずれ値として検出された前記特徴量によって示される前記振動の特徴が測定された場所に関する情報を出力する
付記6に記載の振動判定方法。
(付記8)
前記はずれ値として検出された前記特徴量によって示される前記振動の特徴が測定された場所に設置されているセンサである異常センサを特定する情報を出力する
付記7に記載の振動判定方法。
(付記9)
前記構造物に取り付けられている前記異常センサの場所を示すマークが重畳されている、前記構造物の画像を出力する
付記8に記載の振動判定方法。
(付記10)
前記複数の特徴量から選択された選択特徴量以外の、前記複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が前記基準振動であると判定される場合、前記選択特徴量を、前記異常値として検出する
付記6から9のいずれか1項に記載の振動判定方法。
(付記11)
コンピュータに、
構造物の振動の特徴を表す複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が基準振動であるか否かを判定する判定処理と、
前記構造物の振動が前記基準振動であると判定されない場合、前記複数の特徴量に含まれるはずれ値を検出する検出処理と、を実行させ、
前記判定処理は、さらに、検出された前記はずれ値以外の前記複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が前記基準振動であるか否かを判定し、
コンピュータに、前記構造物の振動が前記基準振動であるか否かを出力する出力処理をさらに実行させる
プログラムを記憶する記憶媒体。
(付記12)
前記複数の特徴量は、前記構造物の異なる場所において測定された振動の特徴をそれぞれ表し、
前記出力処理は、さらに、前記はずれ値として検出された前記特徴量によって示される前記振動の特徴が測定された場所に関する情報を出力する
付記11に記載の記憶媒体。
(付記13)
前記出力処理は、前記はずれ値として検出された前記特徴量によって示される前記振動の特徴が測定された場所に設置されているセンサである異常センサを特定する情報を出力する
付記12に記載の記憶媒体。
(付記14)
前記出力処理は、前記構造物に取り付けられている前記異常センサの場所を示すマークが重畳されている、前記構造物の画像を出力する
付記13に記載の記憶媒体。
(付記15)
前記検出処理は、前記複数の特徴量から選択された選択特徴量以外の、前記複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が前記基準振動であると判定される場合、前記選択特徴量を、前記はずれ値として検出する
付記11から14のいずれか1項に記載の記憶媒体。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
本発明によれば、橋梁といった構造物のモード判定・抽出に適用できる。
1 振動判定システム
100 振動判定装置
100A 振動判定装置
100B 振動判定装置
101 受付部
102 算出部
103 比較部
104 判定部
105 検出部
106 更新部
107 抽出部
108 出力部
109 センサ情報記憶部
110 生成部
200 データロガー
201 受信部
202 記憶部
203 送信部
300 端末装置
1000 コンピュータ
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 記憶装置
1004 I/Oインタフェース
1005 記憶媒体

Claims (10)

  1. 構造物の振動の特徴を表す複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が基準振動であるか否かを判定する判定手段と、
    前記構造物の振動が前記基準振動であると判定されない場合、前記複数の特徴量に含まれるはずれ値を検出する検出手段と、を備え、
    前記判定手段は、さらに、検出された前記はずれ値以外の前記複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が前記基準振動であるか否かを判定し、
    前記構造物の振動が前記基準振動であるか否かを出力する出力手段をさらに備える
    振動判定装置。
  2. 前記複数の特徴量は、前記構造物の異なる場所において測定された振動の特徴をそれぞれ表し、
    前記出力手段は、さらに、前記はずれ値として検出された前記特徴量によって示される前記振動の特徴が測定された場所に関する情報を出力する
    請求項1に記載の振動判定装置。
  3. 前記出力手段は、前記はずれ値として検出された前記特徴量によって示される前記振動の特徴が測定された場所に設置されているセンサである異常センサを特定する情報を出力する
    請求項2に記載の振動判定装置。
  4. 前記出力手段は、前記構造物に取り付けられている前記異常センサの場所を示すマークが重畳されている、前記構造物の画像を出力する
    請求項3に記載の振動判定装置。
  5. 前記検出手段は、前記複数の特徴量から選択された選択特徴量以外の、前記複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が前記基準振動であると判定される場合、前記選択特徴量を、前記はずれ値として検出する
    請求項1から4のいずれか1項に記載の振動判定装置。
  6. 構造物の振動の特徴を表す複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が基準振動であるか否かを判定し、
    前記構造物の振動が前記基準振動であると判定されない場合、前記複数の特徴量に含まれるはずれ値を検出し、
    さらに、検出された前記はずれ値以外の前記複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が前記基準振動であるか否かを判定し、
    前記構造物の振動が前記基準振動であるか否かを出力する
    振動判定方法。
  7. 前記複数の特徴量は、前記構造物の異なる場所において測定された振動の特徴をそれぞれ表し、
    さらに、前記はずれ値として検出された前記特徴量によって示される前記振動の特徴が測定された場所に関する情報を出力する
    請求項6に記載の振動判定方法。
  8. 前記はずれ値として検出された前記特徴量によって示される前記振動の特徴が測定された場所に設置されているセンサである異常センサを特定する情報を出力する
    請求項7に記載の振動判定方法。
  9. 前記構造物に取り付けられている前記異常センサの場所を示すマークが重畳されている、前記構造物の画像を出力する
    請求項8に記載の振動判定方法。
  10. コンピュータに、
    構造物の振動の特徴を表す複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が基準振動であるか否かを判定する判定処理と、
    前記構造物の振動が前記基準振動であると判定されない場合、前記複数の特徴量に含まれるはずれ値を検出する検出処理と、を実行させ、
    前記判定処理は、さらに、検出された前記はずれ値以外の前記複数の特徴量に基づいて、前記構造物の振動が前記基準振動であるか否かを判定し、
    コンピュータに、前記構造物の振動が前記基準振動であるか否かを出力する出力処理をさらに実行させる
    プログラム
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