JP6825530B2 - ベーン型圧縮機 - Google Patents

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Description

本明細書は、ベーン型圧縮機に関する。
特開昭62−248891号公報(特許文献1)に開示されるように、ベーン型圧縮機においては、ハウジング内にシリンダ室および吐出領域が形成され、回転軸およびロータがシリンダ室内で回転可能に設けられる。ロータにはベーン溝が形成され、ベーン溝にはベーンが出没可能に設けられる。ロータおよびベーンは圧縮室を形成する。圧縮室で圧縮された冷媒は分離され、一部は吐出領域から外部に吐出され、一部は吐出領域内で潤滑油として貯留される。
シリンダ室を区画している区画壁(サイドブロック)には、背圧供給穴と、円弧状(扇状)の背圧溝とが形成される。ベーンの底面とベーン溝との間はベーン背圧室とされる。ベーン背圧室には、吐出圧相当の圧力を有する潤滑油が、吐出領域から背圧供給穴(特許文献1においては高圧穴)を通して供給される。ベーン背圧室には、背圧溝からも潤滑油が供給される。背圧溝からの潤滑油や背圧供給穴からの潤滑油によってベーン背圧室に付与される圧力(背圧)を最適化することで、動力消費量の低減やチャタリングの抑制が可能となる。
特開昭62−248891号公報
特開昭62−248891号公報(特許文献1)に開示されたベーン型圧縮機においては、2つの背圧供給穴(高圧穴)が互いに離れた位置に形成され、且つ互いに連通していない。複数のうちの第1のベーン背圧室に、2つのうちの一方の背圧供給穴から潤滑油が供給され、第1のベーン背圧室で必要以上の背圧が発生したとする。第1のベーン背圧室とその隣の第2のベーン背圧室とが背圧溝を通して連通していれば、必要以上の背圧は、第1のベーン背圧室から背圧溝を通して第2のベーン背圧室に供給されることができる。しかしながら特許文献1に開示された構成では、第1のベーン背圧室において発生した必要以上の背圧が、第2のベーン背圧室とは異なるベーン背圧室に供給されることはできない。
本明細書は、ベーン背圧室にて発生した必要以上の背圧を他のベーン背圧室にて再利用しやすくすることが可能な構成を備えたベーン型圧縮機を開示することを目的とする。
本開示に基づくベーン型圧縮機は、シリンダ部と、上記シリンダ部とともにシリンダ室を区画する第1区画壁および第2区画壁と、を含む、ハウジングと、上記シリンダ部内に延在する回転軸と、上記シリンダ室内で上記回転軸と一体回転可能に設けられ、複数のベーン溝が形成されたロータと、各々の上記ベーン溝に各々が出没可能に設けられた複数のベーンと、を備え、上記シリンダ室内に、上記第1区画壁、上記第2区画壁、上記ロータおよび複数の上記ベーンによって複数の圧縮室が形成され、上記ハウジング内には、上記圧縮室内で圧縮された冷媒から分離された潤滑油を貯留するとともに、上記圧縮室内で圧縮された冷媒を外部に吐出する吐出領域が形成され、各々の上記ベーンの底面と各々の上記ベーン溝との間がベーン背圧室とされ、上記第1区画壁および上記第2区画壁のうちの一方の区画壁の上記シリンダ室側の端面には、上記吐出領域内に貯留された潤滑油を上記ベーン背圧室に供給可能であり、上記ベーン背圧室と対向して連通する第1背圧供給穴および第2背圧供給穴が、上記回転軸を挟んだ位置に設けられ、上記一方の区画壁の上記端面には、2つ以上の上記ベーン背圧室に同時に対向して連通可能な第1背圧溝と、2つ以上の上記ベーン背圧室に同時に対向して連通可能な第2背圧溝とが、上記回転軸を挟んだ位置に設けられ、上記第1背圧供給穴、上記第2背圧供給穴、上記第1背圧溝、および上記第2背圧溝は、上記回転軸の周方向において互いに離間して設けられ、上記一方の区画壁の上記端面には、上記第1背圧供給穴と上記第2背圧供給穴とを連通させる調整通路が、上記第1背圧溝および上記第2背圧溝から離間して上記第1背圧溝および上記第2背圧溝に非連通となるように形成されている。
上記構成を備えたベーン型圧縮機によれば、調整通路が、第1背圧溝および第2背圧溝から離間して第1背圧溝および第2背圧溝に非連通となるように形成され、この調整通路が、第1背圧供給穴と第2背圧供給穴とを連通させるため、特定のベーン背圧室にて発生した必要以上の背圧を他のベーン背圧室にて再利用しやすくすることができる。
上記ベーン型圧縮機においては、上記第1背圧供給穴が第1の上記ベーン背圧室に連通して第1の上記ベーン背圧室に潤滑油を供給している状態であって、且つ、上記第1背圧溝および上記第2背圧溝のうちの一方の背圧溝が2つ以上の上記ベーン背圧室に同時に対向している状態において、上記一方の背圧溝が同時に対向している2以上の上記ベーン背圧室とは異なる第2の上記ベーン背圧室と、第1の上記ベーン背圧室とが、上記調整通路によって連通していてもよい。
上記構成によれば、上記一方の背圧溝が同時に対向している2以上の上記ベーン背圧室とは異なる第2の上記ベーン背圧室と、第1の上記ベーン背圧室とが、上記調整通路によって連通しているため、第1のベーン背圧室にて発生した必要以上の背圧を第2のベーン背圧室にて再利用できる。
上記ベーン型圧縮機においては、上記調整通路は、上記第1背圧供給穴に連通するとともに、上記回転軸の回転により上記ベーン背圧室と連通または非連通とされる第1背圧調整路と、上記第2背圧供給穴に連通するとともに、上記回転軸の回転により上記ベーン背圧室と連通または非連通とされる第2背圧調整路と、上記第1背圧調整路と上記第2背圧調整路とを連通させる連通路と、を含んでいてもよい。
上記構成によれば、回転軸の回転によりベーン背圧室と連通または非連通とされる第1背圧調整路と、回転軸の回転によりベーン背圧室と連通または非連通とされる第2背圧調整路と、連通路とを介して、第1背圧供給穴と第2背圧供給穴とを連通させることができる。
上記ベーン型圧縮機においては、上記連通路は、上記一方の区画壁の上記端面に凹設されていてもよい。
上記構成によれば、上記連通路を、上記一方の区画壁の上記端面に容易に設けることができる。
上記ベーン型圧縮機においては、上記第1背圧供給穴のうちの上記端面側に位置する部分は、上記第1背圧調整路の内底面上で開口しており、上記第2背圧供給穴のうちの上記端面側に位置する部分は、上記第2背圧調整路の内底面上で開口していてもよい。
上記構成によれば、上記第1背圧供給穴を上記第1背圧調整路に容易に連通させることができ、上記第2背圧供給穴を上記第2背圧調整路に容易に連通させることができる。
上記ベーン型圧縮機においては、上記第1背圧調整路と上記第2背圧調整路とは、上記一方の区画壁に形成された上記連通路と、上記一方の区画壁に形成され上記回転軸が挿入された軸孔とを介して相互に連通していてもよい。
上記構成によれば、上記軸孔を介して上記第1背圧調整路と上記第2背圧調整路とを容易に連通させることができる。
上記ベーン型圧縮機においては、上記一方の区画壁に形成された上記連通路は、上記第1背圧調整路と上記一方の区画壁に形成された上記軸孔とを連通させる第1連通部分と、上記第2背圧調整路と上記一方の区画壁に形成された上記軸孔とを連通させる第2連通部分と、を含んでいてもよい。
上記構成によれば、上記軸孔を介して上記第1背圧調整路と上記第2背圧調整路とを容易に連通させることができる。
上記ベーン型圧縮機においては、上記吐出領域は、上記第2区画壁に対して上記シリンダ室とは反対側に形成され、上記調整通路は、上記第2区画壁に形成されていてもよい。
上記構成によれば、上記調整通路を、上記第2区画壁に容易に形成でき、上記調整通路を上記第1背圧供給穴と上記第2背圧供給穴とに容易に連通させることができる。
上記ベーン型圧縮機においては、上記第2区画壁の上記端面には、周方向において相互に並んで形成された、2つの上記第1背圧供給穴が設けられていてもよい。
上記構成が採用されることで、第1背圧供給穴がベーン背圧室に連通する区間が調整されてもよい。
上記ベーン型圧縮機においては、上記回転軸の回転方向において下流側に位置する上記第1背圧供給穴に、上記調整通路が連通していてもよい。
上記構成が採用されることで、第1背圧供給穴がベーン背圧室に連通する区間が調整されてもよい。
上記ベーン型圧縮機においては、上記回転軸の回転方向において上流側に位置する上記第1背圧供給穴には、上記調整通路が連通していなくてもよい。
上記構成が採用されることで、第1背圧供給穴がベーン背圧室に連通する区間が調整されてもよい。
上記ベーン型圧縮機においては、上記吐出領域は、上記第2区画壁に対して上記シリンダ室とは反対側に形成され、上記調整通路は、上記第1区画壁に形成されていてもよい。
上記構成によれば、上記第2区画壁に対して上記シリンダ室とは反対側において、第1ベーン背圧室にて発生した必要以上の背圧を第2のベーン背圧室にて再利用しやすくすることができる。
本開示の他の局面に基づくベーン型圧縮機は、シリンダ部と、上記シリンダ部とともにシリンダ室を区画する第1区画壁および第2区画壁と、を含む、ハウジングと、上記シリンダ部内に延在する回転軸と、上記シリンダ室内で上記回転軸と一体回転可能に設けられ、複数のベーン溝が形成されたロータと、各々の上記ベーン溝に各々が出没可能に設けられた複数のベーンと、を備え、上記シリンダ室内に、上記第1区画壁、上記第2区画壁、上記ロータおよび複数の上記ベーンによって複数の圧縮室が形成され、上記ハウジング内には、上記圧縮室内で圧縮された冷媒から分離された潤滑油を貯留するとともに、上記圧縮室内で圧縮された冷媒を外部に吐出する吐出領域が形成され、各々の上記ベーンの底面と各々の上記ベーン溝との間がベーン背圧室とされ、上記第1区画壁および上記第2区画壁のうちの一方の区画壁の上記シリンダ室側の端面には、上記吐出領域内に貯留された潤滑油を上記ベーン背圧室に供給可能であり、上記ベーン背圧室と対向して連通する第1背圧供給穴および第2背圧供給穴が、上記回転軸を挟んだ位置に設けられ、上記第1区画壁または上記第2区画壁には、2つ以上の上記ベーン背圧室に同時に対向して連通可能な第1背圧溝と、2つ以上の上記ベーン背圧室に同時に対向して連通可能な第2背圧溝とが、上記回転軸を挟んだ位置に設けられ、上記第1区画壁および上記第2区画壁のうちの他方の区画壁の上記シリンダ室側の端面には、調整通路が設けられ、上記第1背圧供給穴が第1の上記ベーン背圧室に連通して第1の上記ベーン背圧室に潤滑油を供給している状態であって、且つ、上記第1背圧溝および上記第2背圧溝のうちの一方の背圧溝が2つ以上の上記ベーン背圧室に同時に対向している状態において、上記一方の背圧溝が同時に対向している2以上の上記ベーン背圧室とは異なる第2の上記ベーン背圧室と、第1の上記ベーン背圧室とが、上記調整通路によって連通している。
上記構成によれば、上記第2区画壁に対して上記シリンダ室とは反対側において、第1ベーン背圧室にて発生した必要以上の背圧を第2のベーン背圧室にて再利用しやすくすることができる。
上記構成を備えたベーン型圧縮機によれば、ベーン背圧室にて発生した必要以上の背圧を他のベーン背圧室にて再利用しやすくすることができる。
実施の形態におけるベーン型圧縮機10を示す断面図である。 図1中のII−II線に沿った矢視断面図である。 図1中のIII−III線に沿った矢視断面図である。 実施の形態におけるベーン型圧縮機10に備えられるリヤサイドプレート15をその端面15sの側から見た様子を示す図である。 図1中のV−V線に沿った矢視断面図である。 実施の形態の第5変形例におけるベーン型圧縮機10Nに備えられるリヤサイドプレート15を示す図である。
発明を実施するための形態について、以下、図面を参照しながら説明する。以下の説明において同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態]
(ベーン型圧縮機10)
図1〜図5を参照して、実施の形態におけるベーン型圧縮機10について説明する。図1は、ベーン型圧縮機10を示す断面図である。図2は、図1中のII−II線に沿った矢視断面図であり、図3は、図1中のIII−III線に沿った矢視断面図である。
ベーン型圧縮機10は、ハウジング11、回転軸16、ロータ18、および複数のベーン19を備える。ハウジング11は、リヤハウジング12、フロントハウジング13、およびリヤサイドプレート15を含む。リヤハウジング12は、周壁12aを有し(図2,図3)、フロントハウジング13は、シリンダ部14および底壁部13p(図1)を有する。シリンダ部14は底壁部13pと一体に形成される。シリンダ部14は筒状に形成され、リヤハウジング12の周壁12aの内側に配置される。フロントハウジング13は、底壁部13pがリヤハウジング12の開口部を塞ぐようにリヤハウジング12に固定される。
リヤサイドプレート15は略円盤状の形状を有し、リヤハウジング12の周壁12aの内側に配置される(図1)。リヤサイドプレート15は軸方向(回転軸16の軸心Oが延びる方向)に対して直交する端面15sを有する。リヤサイドプレート15がシリンダ部14の後端に固定されることにより、リヤサイドプレート15はシリンダ部14とともにシリンダ室14dを区画する。底壁部13pは軸方向(回転軸16の軸心Oが延びる方向)に対して直交する端面13sを有する。シリンダ室14dは、リヤサイドプレート15の端面15sと底壁部13pの端面13s(図1)との間に位置する。本実施の形態ではフロントハウジング13の底壁部13pが第1区画壁に相当し、リヤサイドプレート15が第2区画壁に相当する。
フロントハウジング13(底壁部13p)は軸孔13hを有し、リヤサイドプレート15は軸孔15hを有し、回転軸16は軸孔13h,15hに挿入され、シリンダ室14d内に延在する。回転軸16は、リヤサイドプレート15に形成された軸孔15hを通り抜けるように軸孔15hに挿通されていてもよいし、回転軸16の少なくとも一部が軸孔15h内に位置するように軸孔15hに挿入されていてもよい。フロントハウジング13に回転軸16を挿入するための軸孔13hを設けるという構成、およびリヤサイドプレート15に回転軸16を挿入するための軸孔15hを設けるという構成は、いずれも必須の構成ではなく、回転軸16は他の手段によって回転可能に軸支されていてもよい。フロントハウジング13およびリヤサイドプレート15は回転軸16を回転可能に支持する。回転軸16とフロントハウジング13との間には、リップシール型の軸封装置17aが設けられる。回転軸16はシリンダ室14dを貫通するように配置される。ロータ18は、シリンダ室14d内で回転軸16と一体回転可能に設けられる。ロータ18の前端面は底壁部13pのシリンダ室14d側の端面13sと対向し、ロータ18の後端面はリヤサイドプレート15のシリンダ室14d側の端面15sと対向する。
図2および図3に示すように、シリンダ部14の内周面14cは楕円状の形状を有し、ロータ18の外周面18cは正円状の形状を有する。ロータ18の外周面18cには複数のベーン溝18aが形成される。複数のベーン溝18aの各々には、複数のベーン19の各々が出没可能に設けられる。各々のベーン19の底面と各々のベーン溝18aとの間はベーン背圧室41とされる。複数のベーン溝18a(ベーン背圧室41)の各々には後述する吐出領域35(図1)内の潤滑油が供給される。
回転軸16およびロータ18が回転することに伴って、ベーン19の先端はシリンダ部14の内周面14cに接触する。シリンダ室14d内には複数の圧縮室21が形成される。ロータ18の外周面18c、シリンダ部14の内周面14c、複数のベーン19、底壁部13pの端面13s(図1)、および、リヤサイドプレート15の端面15s(図1)により、複数の圧縮室21が形成される。
図1および図2に示すように、リヤハウジング12には吸入ポート22が形成される。吸入ポート22の内側には逆止弁(図示せず)が設けられる。シリンダ部14には、凹部14aおよび一対の吸入孔23(図2)が形成される。凹部14aは、シリンダ部14の外周面の周方向における全周に亘って延在する。凹部14aおよびリヤハウジング12の内周面により、吸入空間20が区画される。吸入行程の際、圧縮室21と吸入空間20とは、吸入孔23を介して連通する。
図1および図3に示すように、シリンダ部14には、一対の凹部14b(図3)が形成される。一対の凹部14bは、回転軸16を挟んで互いに反対側に位置する。一対の凹部14bおよびリヤハウジング12の内周面により、一対の吐出室30が区画される。シリンダ部14には、一対の吐出口31(図3)が形成される。吐出口31は、吐出弁32によって開閉する。
圧縮室21で圧縮された冷媒ガスは、吐出弁32を押し退け吐出口31を経由して吐出室30へ吐出される。吐出室30は、吸入空間20よりも後方側に位置し、吸入空間20と吐出室30とは、軸方向において互いに異なる位置に形成される。吸入空間20は、吐出室30よりも底壁部13pの近く位置し、吐出室30は、吸入空間20よりもリヤサイドプレート15の近く位置する。
リヤハウジング12には吐出ポート34が形成される。ハウジング11内の空間のうちのリヤサイドプレート15に対してシリンダ室14dとは反対側の位置に、吐出領域35が形成される。吐出領域35内には油分離器36が設けられる。リヤサイドプレート15には連通孔37が形成され、連通孔37は、吐出室30と油分離器36とを連通させる。油分離器36は、冷媒ガス中に含まれる潤滑油を分離する。吐出室30内の冷媒(圧縮室21内で圧縮された冷媒)は、連通孔37および油分離器36を通して吐出領域35に吐出される。吐出領域35は、圧縮室21内で圧縮された冷媒から分離された潤滑油を貯留するとともに、圧縮室21内で圧縮された冷媒を吐出ポート34を通して外部に吐出する。
リヤサイドプレート15には、油通路15d1、環状通路15d2、および、油通路15d3,15d4が形成される。環状通路15d2は、軸孔15hを取り囲むように形成され、油通路15d1は、吐出領域35の底部と環状通路15d2とを連通させる。回転軸16の後端は油通路15d4の内側に位置している。油通路15d3は、環状通路15d2と油通路15d4とを連通させる。
(ベーン背圧室41)
上述のとおり、各々のベーン19の底面と各々のベーン溝18aとの間はベーン背圧室41(図2,図3)とされる。ベーン19は、ベーン背圧室41内の圧力変化によって、ベーン溝18aに対して出没する。
(フロント側の背圧溝13a、第1背圧調整路13e1、第2背圧調整路13e2)
図4は、図1中のIV−IV線に沿った矢視断面図である。図1,図2,図4に示すように、フロントハウジング13の底壁部13pの端面13sには、一対の背圧溝13a、第1背圧調整路13e1、第2背圧調整路13e2、および一対の連通路13qが形成される。一対の背圧溝13a、第1背圧調整路13e1、第2背圧調整路13e2、および一対の連通路13qは、いずれも底壁部13pのうちのシリンダ室14d側の端面13s上に開口している。第1背圧調整路13e1、第2背圧調整路13e2、および一対の連通路13qは、「調整通路」に相当することができる。調整通路を構成しているこれらの第1背圧調整路13e1、第2背圧調整路13e2、および一対の連通路13qは、第1背圧溝13a1および第2背圧溝13a2から離間して第1背圧溝13a1および第2背圧溝13a2に非連通となるように形成されている。
以下、一対の背圧溝13aを区別して表現する場合には、第1背圧溝13a1および第2背圧溝13a2という表現を用いるものとする。一対の連通路13qを区別して表現する場合には、連通路13q1および連通路13q2という表現を用いるものとする。一対の背圧溝15a(第1背圧溝15a1、第2背圧溝15a2)、および、一対の連通路15q(15q1,15q2)などについても略同様である。複数のベーン背圧室41(41a〜41e)についても略同様である。
一対の背圧溝13a、第1背圧調整路13e1、第2背圧調整路13e2、および一対の連通路13qは、軸孔13hから離れた位置において、いずれも円弧状に延びるように形成されている。第1背圧溝13a1、第1背圧調整路13e1、第2背圧溝13a2、第2背圧調整路13e2が、回転軸16を中心とする周方向に沿って、間隔を空けて(互いに離間して)この順に並んで形成されている。第1背圧溝13a1および第2背圧溝13a2は、回転軸16を挟んだ位置に設けられている。
(フロント側の連通路13q)
一対の連通路13qはいずれも、底壁部13pの端面13sに凹設されている。連通路13q1は、第1背圧調整路13e1と軸孔13hとを連通させるようにこれらの間に延びて形成されている。連通路13q2は、第2背圧調整路13e2と軸孔13hとを連通させるようにこれらの間に延びて形成されている。第1背圧調整路13e1と第2背圧調整路13e2とは、連通路13q1、軸孔13hおよび連通路13q2を介して互いに連通している。
図2は、図1中のII−II線に沿った矢視断面図である。図1に示されるII−II線の位置および矢視方向に基づけば、背圧溝13a、連通路13q、第1背圧調整路13e1および第2背圧調整路13e2は、図2中には本来的には現れない。説明上の便宜のため、背圧溝13a、連通路13q、第1背圧調整路13e1および第2背圧調整路13e2を図2中に図示している。
(リヤ側の背圧溝15a、第1背圧調整路15e1、第2背圧調整路15e2)
図5は、図1中のV−V線に沿った矢視断面図である。図1,図3,図5に示すように、リヤサイドプレート15の端面15sには、一対の背圧溝15a、第1背圧調整路15e1、第2背圧調整路15e2、および一対の連通路15qが形成される。一対の背圧溝15a、第1背圧調整路15e1、第2背圧調整路15e2、および一対の連通路15qは、いずれもリヤサイドプレート15のうちのシリンダ室14d側の端面15s上に開口している。第1背圧調整路15e1、第2背圧調整路15e2、および一対の連通路15qも、「調整通路」に相当することができる。調整通路を構成しているこれらの第1背圧調整路15e1、第2背圧調整路15e2、および一対の連通路15qは、第1背圧溝15a1および第2背圧溝15a2から離間して第1背圧溝15a1および第2背圧溝15a2に非連通となるように形成されている。
一対の背圧溝15a、第1背圧調整路15e1、第2背圧調整路15e2、および一対の連通路15qは、軸孔15hから離れた位置において、いずれも円弧状に延びるように形成されている。第1背圧溝15a1、第1背圧調整路15e1、第2背圧溝15a2、第2背圧調整路15e2が、回転軸16を中心とする周方向に沿って、間隔を空けて(互いに離間して)この順に並んで形成されている。第1背圧溝15a1および第2背圧溝15a2は、回転軸16を挟んだ位置に設けられている。
(リヤ側の連通路15q)
一対の連通路15qはいずれも、リヤサイドプレート15の端面15sに凹設されている。連通路15q1は、第1背圧調整路15e1と軸孔15hとを連通させるようにこれらの間に延びて形成されている。連通路15q2は、第2背圧調整路15e2と軸孔15hとを連通させるようにこれらの間に延びて形成されている。第1背圧調整路15e1と第2背圧調整路15e2とは、連通路15q1、軸孔15hおよび連通路15q2を介して互いに連通している。
(第1背圧供給穴15c1、第2背圧供給穴15c2)
図1および図5を参照して、リヤサイドプレート15には、第1背圧供給穴15c1および第2背圧供給穴15c2も設けられる。第1背圧供給穴15c1および第2背圧供給穴15c2は、回転軸16を挟んだ位置に設けられている。第1背圧供給穴15c1、第2背圧供給穴15c2、第1背圧溝15a1、および第2背圧溝15a2は、回転軸16の周方向において互いに離間して設けられている。第1背圧供給穴15c1の一端は、第1背圧調整路15e1の内底面上において開口しており、第1背圧供給穴15c1の他端は、環状通路15d2上において開口している。第1背圧調整路15e1は、第1背圧供給穴15c1、環状通路15d2(図1)および油通路15d1を介して吐出領域35に連通している。第2背圧供給穴15c2の一端は、第2背圧調整路15e2の内底面上において開口しており、第2背圧供給穴15c2の他端は、環状通路15d2上において開口している。第2背圧調整路15e2は、第2背圧供給穴15c2、環状通路15d2(図1)および油通路15d1を介して吐出領域35に連通している。
一対の背圧溝13a、一対の背圧溝15a、第1背圧調整路13e1,15e1、第2背圧調整路13e2,15e2は、回転軸16の回転により、各々がベーン背圧室41と連通または非連通とされる。第1背圧溝13a1の周方向長さは、周方向において相互に隣り合う2以上(ここでは2つ)のベーン背圧室41に1つの第1背圧溝13a1が対向してこれらが互いに連通可能なような値に設定されている(図2,図4)。第2背圧溝13a2の周方向長さは、周方向において相互に隣り合う2以上(ここでは2つ)のベーン背圧室41に1つの第2背圧溝13a2が対向してこれらが互いに連通可能なような値に設定されている(図2,図4)。同様に、第1背圧溝15a1の周方向長さは、周方向において相互に隣り合う2以上(ここでは2つ)のベーン背圧室41に1つの第1背圧溝15a1が対向して互いに連通可能なような値に設定されている(図3,図5)。第2背圧溝15a2の周方向長さは、周方向において相互に隣り合う2以上(ここでは2つ)のベーン背圧室41に1つの第2背圧溝15a2が対向してこれらが介して互いに連通可能なような値に設定されている(図3,図5)。
第1背圧調整路15e1がベーン背圧室41に対向している状態では、第1背圧供給穴15c1がこのベーン背圧室41に対向して連通する。第2背圧調整路15e2がベーン背圧室41に対向している状態では、第2背圧供給穴15c2がこのベーン背圧室41に対向して連通する。すなわち、第1背圧供給穴15c1および第2背圧供給穴15c2も、回転軸16の回転によって、各々がベーン背圧室41と連通または非連通とされる。第1背圧供給穴15c1は、吐出領域35内に貯留された潤滑油を、当該第1背圧供給穴15c1に連通しているベーン背圧室41に供給可能である。第2背圧供給穴15c2は、吐出領域35内に貯留された潤滑油を、当該第2背圧供給穴15c2に連通しているベーン背圧室41に供給可能である。
背圧溝13a,15aは、圧縮行程の初期から中期にかけてベーン背圧室41と連通する。第1背圧調整路13e1,15e1および第2背圧調整路13e2,15e2は、圧縮行程の後期から吐出行程、および吸入行程の初期にかけてベーン背圧室41と連通する。ベーン背圧室41がこれらの背圧調整路(13e1,15e1,13e2,15e2)にのみ対向している状態では、ベーン背圧室41は背圧溝13a,15aには連通しない。
図5に示すように、ベーン背圧室41a(第1のベーン背圧室)が第1背圧調整路15e1に対向している状態では、第1背圧供給穴15c1は、第1背圧調整路15e1を介してベーン背圧室41aに連通する。第1背圧調整路15e1がベーン背圧室41aに連通してベーン背圧室41aに潤滑油を供給している状態であって、且つ、第1背圧溝15a1が2つのベーン背圧室41b,41cに同時に対向している状態においては、第1背圧溝15a1が同時に対向している2つのベーン背圧室41b,41cとは異なるベーン背圧室41d(第2のベーン背圧室)と、ベーン背圧室41a(第1のベーン背圧室)とが、第1背圧調整路15e1、連通路15q1、軸孔15h、連通路15q2、および第2背圧調整路15e2によって連通している。上述のとおり、第1背圧調整路15e1、第2背圧調整路15e2、および一対の連通路15q(連通路15q1,15q2)は、「調整通路」として機能することができる。
(高圧ガス供給通路15f)
図1に示すように、リヤサイドプレート15の上部には高圧ガス供給通路15fが形成されている。高圧ガス供給通路15fは、吐出領域35の上部(冷媒ガス雰囲気)と背圧溝15aとを連通する。高圧ガス供給通路15fは、吐出領域35側に位置する大径部15gと、背圧溝15a側に位置する小径部15jとを有する。大径部15gと小径部15jとの間には弁孔が形成される。大径部15g内には、球状の弁体33がこの弁孔を開閉可能なように収容される。弁体33は、バネ33sにより開弁方向に付勢されている。ベーン型圧縮機10が起動された後、吐出領域35の圧力が所定値以上になると弁体33が高圧ガス供給通路15f(弁孔)を閉鎖する。
(ベーン型圧縮機10の作用)
図2を参照して、ロータ18がベーン19とともに回転されると、圧縮室21を形成している一対のベーン19のうちの先行するベーン19が、吸入孔23の始端を通過する。吸入空間20内の冷媒ガスは、吸入孔23を通して圧縮室21内に流入する。圧縮室21を形成している一対のベーン19のうちの後行するベーン19が吸入孔23を通過し終えると、この圧縮室21では圧縮行程が始まり冷媒ガスが圧縮される。
先行するベーン19が吐出口31(図3)を通過することで吐出行程が開始される。圧縮された冷媒ガスは吐出弁32を開き、吐出口31を通して吐出室30へ吐出される。吐出室30へ吐出された冷媒ガスは連通孔37内を流れ、冷媒ガス中に含まれる油は油分離器36によって分離される。冷媒ガス中に含まれる油(潤滑油)は吐出領域35の底部に貯留され、冷媒ガスは吐出ポート34を通して外部回路に送られる。
ベーン型圧縮機10が停止している状態では吐出領域35の圧力とベーン背圧室41の圧力とが均衡している。弁体33はバネ33sにより付勢されており高圧ガス供給通路15fを閉鎖していない。この状態でベーン型圧縮機10が起動されると、吐出口31から連通孔37を経て、吐出圧力相当の圧縮ガスが吐出領域35に供給される。吐出圧力相当の圧縮ガスは、高圧ガス供給通路15fおよび背圧溝15aを介してベーン背圧室41に供給される。ベーン19は、適正な背圧でシリンダ部14の内周面14cに圧接される。起動直後においてベーン19の躍動(チャタリング)が防止され、圧縮動作、およびロータ18とベーン19との摺動面などの潤滑動作が適正に行なわれる。ベーン型圧縮機10の起動後、所定時間が経過して吐出領域35内の圧力が上昇し、弁体33の前後に作用する差圧がバネ33sの付勢力を超えると、弁体33は高圧ガス供給通路15fを閉鎖する。
吐出領域35(図1)の底部に貯留された吐出圧力(高圧)を有する潤滑油は、吐出領域35の底部から、油通路15d1、環状通路15d2、油通路15d3,15d4、および軸孔15hへと流れる。潤滑油はその後、軸孔15hから、リヤサイドプレート15の端面15sのうちの軸孔15hと背圧溝15aとの間のクリアランス(隙間)内を流れ、背圧溝15aに供給される。吐出領域35の底部に貯留された吐出圧力(高圧)を有する潤滑油は、これらの通路を通過することで減圧された状態で、背圧溝15aに供給される。ベーン型圧縮機10の運転時には、このようにして減圧された潤滑油が、背圧溝15aを通してベーン背圧室41に供給され、ベーン19は突出する方向に付勢される。
また、吐出領域35(図1)の底部に貯留された吐出圧力(高圧)を有する潤滑油は、吐出領域35の底部から、油通路15d1および環状通路15d2を通して、高圧の状態をほぼ維持したまま第1背圧供給穴15c1および第2背圧供給穴15c2に供給される。潤滑油はその後、第1背圧供給穴15c1および第2背圧供給穴15c2からそれぞれ第1背圧調整路15e1および第2背圧調整路15e2に高圧の状態をほぼ維持したまま供給される。潤滑油はその後、ベーン背圧室41に高圧のまま供給されたり、第1背圧調整路15e1および第2背圧調整路15e2からそれぞれ連通路15q1,15q2を通して軸孔15hに供給されたりする。あるいは、潤滑油は、リヤサイドプレート15の端面15sのうちの第1背圧調整路15e1と背圧溝15aとの間のクリアランス(隙間)内を流れる際に減圧され、減圧された状態で、背圧溝15aに供給されたり、第2背圧調整路15e2と背圧溝15aとの間のクリアランス(隙間)内を流れる際に減圧され、減圧された状態で、背圧溝15aに供給されたりする。ベーン型圧縮機10の運転時には、このようにして潤滑油がベーン背圧室41に供給され、ベーン19は突出する方向に付勢される。
圧縮行程においては、高圧の圧縮室を形成しているベーン19は、シリンダ部14の内周面14cからの応力を受けて径方向内側へ移動する。ベーン溝18a内で移動するベーン19の底面により、ベーン背圧室41内の潤滑油に圧力が作用する。潤滑油はベーン背圧室41から流出し、背圧溝15a(および背圧溝13a)を経由して、圧力の相対的に低いベーン背圧室41(圧縮室(低圧))へ流入する。背圧溝13a内の潤滑油は、底壁部13pの端面13sのうちの背圧溝13aと軸孔13hとの間のクリアランス(隙間)内を流れ、軸封装置17aに供給される。このようにして背圧溝13a,15aを介して、ベーン背圧室41内の圧力は適切に調整されることができる。
図5に示すように、上述のとおり本実施の形態においては、ベーン背圧室41a(第1のベーン背圧室)が第1背圧調整路15e1に対向している状態では、第1背圧供給穴15c1は、第1背圧調整路15e1を介してベーン背圧室41aに連通する。第1背圧調整路15e1がベーン背圧室41aに連通してベーン背圧室41aに潤滑油を供給している状態であって、且つ、第1背圧溝15a1が2つのベーン背圧室41b,41cに同時に対向している状態においては、第1背圧溝15a1が同時に対向している2つのベーン背圧室41b,41cとは異なるベーン背圧室41d(第2のベーン背圧室)と、ベーン背圧室41a(第1のベーン背圧室)とが、第1背圧調整路15e1、連通路15q1、軸孔15h、連通路15q2、および第2背圧調整路15e2によって連通している。
本実施の形態においてはさらに、第1背圧供給穴15c1がベーン背圧室41aに連通してベーン背圧室41aに潤滑油を供給している状態であって、且つ、第1背圧溝13a1(図4)が2つのベーン背圧室41b,41cに同時に対向している状態においては、第1背圧溝13a1が同時に対向している2つのベーン背圧室41b,41cとは異なるベーン背圧室41d(第2のベーン背圧室)と、ベーン背圧室41a(第1のベーン背圧室)とが、第1背圧調整路13e1、連通路13q1、軸孔13h、連通路13q2、および第2背圧調整路13e2によって連通している。
仮に、複数のうちのベーン背圧室41a(第1のベーン背圧室)に、2つのうちの一方の第1背圧供給穴15c1から潤滑油が供給され、ベーン背圧室41a(第1のベーン背圧室)で必要以上の背圧が発生したとする。ベーン背圧室41aとその隣のベーン背圧室(たとえばベーン背圧室41b,41e)とが背圧溝(背圧溝13a,15a)を通して連通していれば、必要以上の背圧は、ベーン背圧室41aから背圧溝13a,15aを通してベーン背圧室41b,41eに供給されることができる。
本実施の形態においては、ベーン背圧室41aとベーン背圧室41b,41eとが背圧溝(背圧溝13a,15a)を通して連通していないが、ベーン背圧室41aとベーン背圧室41d(第2のベーン背圧室)とが、第1背圧調整路13e1、連通路13q1、軸孔13h、連通路13q2、および第2背圧調整路13e2、ならびに、第1背圧調整路15e1、連通路15q1、軸孔15h、連通路15q2、および第2背圧調整路15e2によって連通している。第1背圧調整路13e1、第2背圧調整路13e2、および一対の連通路13q(連通路13q1,13q2)も、「調整通路」として機能することができる。したがってベーン背圧室41a内の圧力が必要以上に上昇することがなく、必要以上の背圧がベーン背圧室41aに供給されることは抑制され、必要以上の背圧はベーン背圧室41dの背圧として再利用されることとなる。したがってベーン型圧縮機10によれば、動力消費量の低減を図ることが可能であり、必要以上の背圧がベーン背圧室41aに供給されることは抑制されることによって、ベーン19やシリンダ部14などの各部材の耐用寿命が短くなることも抑制可能である。
なお、ベーン背圧室41a(第1のベーン背圧室)とベーン背圧室41d(第2のベーン背圧室)とは、完全に同じタイミングで上記の連通通路を介して連通していなくても良く、若干ずれたタイミングで上記の連通通路を介して連通している場合であっても、同様の効果が得られる。すなわち、ベーン背圧室41a(第1のベーン背圧室)が上記連通通路に連通し、その連通の直後に、回転軸16のわずかな回転によって、ベーン背圧室41d(第2のベーン背圧室)が上記連通通路に連通するように構成される場合であっても、同様の効果が得られる。
[実施の形態の第1変形例]
上述の実施の形態においては、連通路13qは、フロントハウジング13の底壁部13pの端面13sに凹設される。連通路15qは、リヤサイドプレート15の端面15sに凹設される。連通路13q,15qの形成態様はこれらに限られず、たとえば複数の部材が組み合わされることによって連通路13q,15qが凹状に構成されていても構わない。
[実施の形態の第2変形例]
上述の実施の形態においては、第1背圧調整路15e1、第2背圧調整路15e2および一対の連通路15qが、調整通路として、リヤサイドプレート15に形成される。連通路15q1は第1背圧調整路15e1を介して第1背圧供給穴15c1に連通しており、連通路15q2は第2背圧調整路15e2を介して第2背圧供給穴15c2に連通している。さらに、第1背圧調整路13e1、第2背圧調整路13e2および一対の連通路13qが、他の調整通路として、フロントハウジング13の底壁部13pに形成されている。これらの構成は必須ではない。
第1背圧調整路15e1、第2背圧調整路15e2および一対の連通路15qが、調整通路としてリヤサイドプレート15に形成されている場合には、第1背圧調整路13e1、第2背圧調整路13e2および一対の連通路13qは、フロントハウジング13の底壁部13pに設けられていなくてもよい。当該構成であっても、ベーン背圧室41a(第1のベーン背圧室)とベーン背圧室41d(第2のベーン背圧室)とが、第1背圧調整路15e1、連通路15q1、軸孔15h、連通路15q2、および第2背圧調整路15e2によって連通し、上述の実施の形態と略同様の作用および効果を得ることができる。
同様に、第1背圧調整路13e1、第2背圧調整路13e2および一対の連通路13qが、調整通路としてフロントハウジング13の底壁部13pに形成されている場合には、第1背圧調整路15e1、第2背圧調整路15e2および一対の連通路15qは、リヤサイドプレート15に設けられていなくてもよい。当該構成であっても、ベーン背圧室41a(第1のベーン背圧室)とベーン背圧室41d(第2のベーン背圧室)とが、第1背圧調整路13e1、連通路13q1、軸孔13h、連通路13q2、および第2背圧調整路13e2によって連通し、上述の実施の形態と略同様の作用および効果を得ることができる。
[実施の形態の第3変形例]
上述の実施の形態においては、リヤサイドプレート15のシリンダ室14d側の端面15sの側に、第1背圧供給穴15c1と第2背圧供給穴15c2とが開口しており、第1背圧供給穴15c1のうちの端面15s側に位置する部分は、第1背圧調整路15e1の内底面上で開口しており、第2背圧供給穴15c2のうちの端面15s側に位置する部分は、第2背圧調整路15e2の内底面上で開口している。このような構成に限られず、第1背圧供給穴15c1が連通路15q1に連通しないように構成されていてもよく、第2背圧供給穴15c2が連通路15q2に連通しないように構成されていてもよい。
このような構成が採用される場合であっても、第1背圧供給穴15c1がベーン背圧室41aに連通してベーン背圧室41aに潤滑油を供給している状態であって、且つ、第1背圧溝15a1がベーン背圧室41b,41cに同時に対向している状態においては、第1背圧溝15a1が同時に対向しているベーン背圧室41b,41cとは異なるベーン背圧室41dとベーン背圧室41aとが、第1背圧調整路15e1、連通路15q1、軸孔15h、連通路15q2、および第2背圧調整路15e2によって連通していることで、上述の実施の形態と略同様の作用および効果を得ることができる。
上述のような構成に限られず、吐出領域35に連通してベーン背圧室41に高圧(吐出圧相当)の潤滑油を付与する背圧供給穴は、底壁部13pの側に設けられ、その背圧供給穴が連通路13q1,13q2に連通するように構成されていてもよい。当該構成が採用される場合であっても、背圧供給穴がベーン背圧室41aに連通してベーン背圧室41aに潤滑油を供給している状態であって、且つ、第1背圧溝13a1がベーン背圧室41b,41cに同時に対向している状態においては、第1背圧溝13a1が同時に対向しているベーン背圧室41b,41cとは異なるベーン背圧室41dとベーン背圧室41aとが、第1背圧調整路13e1、連通路13q1、軸孔13h、連通路13q2、および第2背圧調整路13e2によって連通していることで、上述の実施の形態と略同様の作用および効果を得ることができる。
[実施の形態の第4変形例]
上述の実施の形態においては、第1背圧調整路15e1と第2背圧調整路15e2とは、リヤサイドプレート15に形成された連通路15qと、リヤサイドプレート15に形成された軸孔15hとを介して相互に連通している。リヤサイドプレート15に形成された連通路15qは、第1背圧調整路15e1と軸孔15hとを連通させる連通路15q1(第1連通部分)、および、第2背圧調整路15e2と軸孔15hとを連通させる連通路15q2(第2連通部分)を含む。これらの構成は必須ではない。たとえば、連通路15qは、軸孔15hの位置を避けるように平面視でC字状に延在して、第1背圧調整路15e1と第2背圧調整路15e2とを接続してこれらを連通させていてもよい。
同様に、上述の実施の形態においては、第1背圧調整路13e1と第2背圧調整路13e2とは、フロントハウジング13の底壁部13pに形成された連通路13qと、底壁部13pに形成された軸孔13hとを介して相互に連通している。底壁部13pに形成された連通路13qは、第1背圧調整路13e1と軸孔13hとを連通させる連通路13q1(第1連通部分)、および、第2背圧調整路13e2と軸孔13hとを連通させる連通路13q2(第2連通部分)を含む。これらの構成も必須ではない。たとえば、連通路13qは、軸孔13hの位置を避けるように平面視でC字状に延在して、第1背圧調整路13e1と第2背圧調整路13e2とを連通させていてもよい。
[実施の形態の第5変形例]
図6は、実施の形態の第5変形例におけるベーン型圧縮機10Nに備えられるリヤサイドプレート15を示す図であり、上述の実施の形態における図5に対応している。
図6に示すように、リヤサイドプレート15の端面15sには、2つの第1背圧供給穴15c1a,15c1bが周方向において相互に並んで形成されているとともに、2つの第2背圧供給穴15c2a,15c2bが周方向において相互に並んで形成されている。回転軸16の回転方向において下流側に位置する第1背圧供給穴15c1bおよび第2背圧供給穴15c2bが、それぞれ第1背圧調整路15e1の内底面および第2背圧調整路15e2の内底面上で開口しており、第1背圧供給穴15c1bおよび第2背圧供給穴15c2bに、連通路15q1,15q2がそれぞれ連通している。
当該構成が採用されることにより、背圧供給穴がベーン背圧室41に連通する区間が調整されてもよい。たとえば、ベーン背圧室41が背圧溝15aにも背圧供給穴にも連通していない状態では、ベーン19の移動によって変化するベーン背圧室41の体積(体積変化量)が大きくなる。本変形例の構成が採用されることにより背圧供給穴がベーン背圧室41に連通可能な区間を制御することで、このような体積変化が生じることを抑制してもよい。
上記のような構成に限られず、回転軸16の回転方向において上流側に位置する第1背圧供給穴15c1aおよび第2背圧供給穴15c2aが、それぞれ第1背圧調整路15e1の内底面および第2背圧調整路15e2の内底面上で開口し、第1背圧供給穴15c1aおよび第2背圧供給穴15c2aに、連通路15q1,15q2がそれぞれ連通するように構成されてもよい。このような構成が採用されることにより背圧供給穴がベーン背圧室41に連通可能な区間を制御することで、このような体積変化が生じることを抑制してもよい。当該第5変形例で述べた技術的思想は、フロントハウジング13の側に背圧供給穴が設けられる場合にも適用可能である。
[他の変形例]
フロントハウジング13においては、底壁部13pとシリンダ部14とが一体に形成されているが、この構成に代えて、底壁部13pをフロントサイドプレートとしてシリンダ部14と別体に形成し、軸方向において間隔を空けて配置されたフロントサイドプレートとリヤサイドプレート15との間にシリンダ部14を配置する構成としてもよい。当該構成の場合、フロントサイドプレートが第1区画壁を構成し、リヤサイドプレートが第2区画壁を構成する。
以上、実施の形態について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,10N ベーン型圧縮機、11 ハウジング、12 リヤハウジング、12a 周壁、13 フロントハウジング、13a,15a 背圧溝、13a1,15a1 第1背圧溝、13a2,15a2 第2背圧溝、13e1,15e1 第1背圧調整路、13e2,15e2 第2背圧調整路、13h,15h 軸孔、13p 底壁部、13q,13q1,13q2,15q,15q1,15q2 連通路、13s,15s 端面、14 シリンダ部、14a,14b 凹部、14c 内周面、14d シリンダ室、15 リヤサイドプレート、15c1,15c1a,15c1b 第1背圧供給穴、15c2,15c2a,15c2b 第2背圧供給穴、15d1,15d3,15d4 油通路、15d2 環状通路、15f 高圧ガス供給通路、15g 大径部、15j 小径部、16 回転軸、17a 軸封装置、18 ロータ、18a ベーン溝、18c 外周面、19 ベーン、20 吸入空間、21 圧縮室、22 吸入ポート、23 吸入孔、30 吐出室、31 吐出口、32 吐出弁、33 弁体、33s バネ、34 吐出ポート、35 吐出領域、36 油分離器、37 連通孔、41,41a,41b,41c,41d,41e ベーン背圧室、O 軸心。

Claims (12)

  1. シリンダ部と、前記シリンダ部とともにシリンダ室を区画する第1区画壁および第2区画壁と、を含む、ハウジングと、
    前記シリンダ部内に延在する回転軸と、
    前記シリンダ室内で前記回転軸と一体回転可能に設けられ、複数のベーン溝が形成されたロータと、
    各々の前記ベーン溝に各々が出没可能に設けられた複数のベーンと、を備え、
    前記シリンダ室内に、前記第1区画壁、前記第2区画壁、前記ロータおよび複数の前記ベーンによって複数の圧縮室が形成され、
    前記ハウジング内には、前記圧縮室内で圧縮された冷媒から分離された潤滑油を貯留するとともに、前記圧縮室内で圧縮された冷媒を外部に吐出する吐出領域が形成され、
    各々の前記ベーンの底面と各々の前記ベーン溝との間がベーン背圧室とされ、
    前記第1区画壁および前記第2区画壁のうちの一方の区画壁の前記シリンダ室側の端面には、前記吐出領域内に貯留された潤滑油を前記ベーン背圧室に供給可能であり、前記ベーン背圧室と対向して連通する第1背圧供給穴および第2背圧供給穴が、前記回転軸を挟んだ位置に設けられ、
    前記一方の区画壁の前記端面には、2つ以上の前記ベーン背圧室に同時に対向して連通可能な第1背圧溝と、2つ以上の前記ベーン背圧室に同時に対向して連通可能な第2背圧溝とが、前記回転軸を挟んだ位置に設けられ、
    前記第1背圧供給穴、前記第2背圧供給穴、前記第1背圧溝、および前記第2背圧溝は、前記回転軸の周方向において互いに離間して設けられ、
    前記一方の区画壁の前記端面には、前記第1背圧供給穴と前記第2背圧供給穴とを連通させる調整通路が、前記第1背圧溝および前記第2背圧溝から離間して前記第1背圧溝および前記第2背圧溝に非連通となるように形成されている、
    ベーン型圧縮機。
  2. 前記第1背圧供給穴が第1の前記ベーン背圧室に連通して第1の前記ベーン背圧室に潤滑油を供給している状態であって、且つ、前記第1背圧溝および前記第2背圧溝のうちの一方の背圧溝が2つ以上の前記ベーン背圧室に同時に対向している状態において、前記一方の背圧溝が同時に対向している2以上の前記ベーン背圧室とは異なる第2の前記ベーン背圧室と、第1の前記ベーン背圧室とが、前記調整通路によって連通している、
    請求項1に記載のベーン型圧縮機。
  3. 前記調整通路は、
    前記第1背圧供給穴に連通するとともに、前記回転軸の回転により前記ベーン背圧室と連通または非連通とされる第1背圧調整路と、
    前記第2背圧供給穴に連通するとともに、前記回転軸の回転により前記ベーン背圧室と連通または非連通とされる第2背圧調整路と、
    前記第1背圧調整路と前記第2背圧調整路とを連通させる連通路と、を含む、
    請求項1または2に記載のベーン型圧縮機。
  4. 前記連通路は、前記一方の区画壁の前記端面に凹設されている、
    請求項3に記載のベーン型圧縮機。
  5. 前記第1背圧供給穴のうちの前記端面側に位置する部分は、前記第1背圧調整路の内底面上で開口しており、
    前記第2背圧供給穴のうちの前記端面側に位置する部分は、前記第2背圧調整路の内底面上で開口している、
    請求項3または4に記載のベーン型圧縮機。
  6. 前記第1背圧調整路と前記第2背圧調整路とは、前記一方の区画壁に形成された前記連通路と、前記一方の区画壁に形成され前記回転軸が挿入された軸孔とを介して相互に連通している、
    請求項3から5のいずれか1項に記載のベーン型圧縮機。
  7. 前記一方の区画壁に形成された前記連通路は、
    前記第1背圧調整路と前記一方の区画壁に形成された前記軸孔とを連通させる第1連通部分と、
    前記第2背圧調整路と前記一方の区画壁に形成された前記軸孔とを連通させる第2連通部分と、を含む、
    請求項6に記載のベーン型圧縮機。
  8. 前記吐出領域は、前記第2区画壁に対して前記シリンダ室とは反対側に形成され、
    前記調整通路は、前記第2区画壁に形成されている、
    請求項1から7のいずれか1項に記載のベーン型圧縮機。
  9. 前記第2区画壁の前記端面には、周方向において相互に並んで形成された、2つの前記第1背圧供給穴が設けられている、
    請求項8に記載のベーン型圧縮機。
  10. 前記回転軸の回転方向において下流側に位置する前記第1背圧供給穴に、前記調整通路が連通している、
    請求項9に記載のベーン型圧縮機。
  11. 前記回転軸の回転方向において上流側に位置する前記第1背圧供給穴には、前記調整通路が連通していない、
    請求項10に記載のベーン型圧縮機。
  12. シリンダ部と、前記シリンダ部とともにシリンダ室を区画する第1区画壁および第2区画壁と、を含む、ハウジングと、
    前記シリンダ部内に延在する回転軸と、
    前記シリンダ室内で前記回転軸と一体回転可能に設けられ、複数のベーン溝が形成されたロータと、
    各々の前記ベーン溝に各々が出没可能に設けられた複数のベーンと、を備え、
    前記シリンダ室内に、前記第1区画壁、前記第2区画壁、前記ロータおよび複数の前記ベーンによって複数の圧縮室が形成され、
    前記ハウジング内には、前記圧縮室内で圧縮された冷媒から分離された潤滑油を貯留するとともに、前記圧縮室内で圧縮された冷媒を外部に吐出する吐出領域が形成され、
    各々の前記ベーンの底面と各々の前記ベーン溝との間がベーン背圧室とされ、
    前記第1区画壁および前記第2区画壁のうちの一方の区画壁の前記シリンダ室側の端面には、前記吐出領域内に貯留された潤滑油を前記ベーン背圧室に供給可能であり、前記ベーン背圧室と対向して連通する第1背圧供給穴および第2背圧供給穴が、前記回転軸を挟んだ位置に設けられ、
    前記第1区画壁または前記第2区画壁には、2つ以上の前記ベーン背圧室に同時に対向して連通可能な第1背圧溝と、2つ以上の前記ベーン背圧室に同時に対向して連通可能な第2背圧溝とが、前記回転軸を挟んだ位置に設けられ、
    前記第1区画壁および前記第2区画壁のうちの他方の区画壁の前記シリンダ室側の端面には、調整通路が設けられ、
    前記第1背圧供給穴が第1の前記ベーン背圧室に連通して第1の前記ベーン背圧室に潤滑油を供給している状態であって、且つ、前記第1背圧溝および前記第2背圧溝のうちの一方の背圧溝が2つ以上の前記ベーン背圧室に同時に対向している状態において、前記一方の背圧溝が同時に対向している2以上の前記ベーン背圧室とは異なる第2の前記ベーン背圧室と、第1の前記ベーン背圧室とが、前記調整通路によって連通している、
    ベーン型圧縮機。
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