JP2021169805A - ベーン型圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】必要以上の背圧がベーン背圧室に供給されることを抑制可能なベーン型圧縮機を得る。【解決手段】ベーン型圧縮機のハウジングは、シリンダ室を区画する第1端面13sを有し、第1端面に開口する軸孔13hを備える第1区画壁13pと、シリンダ室を区画する第2端面15sを有し、第2端面に開口する軸孔15hを備える第2区画壁15とを含み、第1端面13sおよび第2端面15sのうちの少なくとも一方には、開口に対して径方向に離間し少なくとも吸入行程でベーン背圧室に連通する後側背圧溝15a1と、開口から径方向外側に延び、ベーン背圧室に対向して連通する前側背圧溝15c1とがそれぞれ形成され、後側背圧溝15a1における角度範囲は、前側背圧溝15c1における角度範囲よりも大きい。【選択図】図6

Description

本明細書は、ベーン型圧縮機に関する。
特開昭62−248891号公報(特許文献1)に開示されるように、ベーン型圧縮機においては、ハウジング内にシリンダ室および吐出領域が形成され、回転軸およびロータがシリンダ室内で回転可能に設けられる。ロータには複数のベーン溝が形成され、複数のベーン溝には複数のベーンが各々出没可能に設けられる。ロータおよび複数のベーンによって複数の圧縮室が形成される。各圧縮室で圧縮された冷媒は吐出領域に吐出され、分離され、一部は吐出領域から外部に圧縮されたガスの状態で吐出され、一部は吐出領域内で潤滑油として貯留される。
シリンダ室を区画している区画壁(サイドブロック等とも称される)には、背圧供給路と、円弧状(扇状)等の形状を有する背圧溝とが形成される。各ベーンの底面と各ベーン溝との間はベーン背圧室とされる。ベーン背圧室が背圧供給路に対向することで、吐出圧相当の圧力を有する潤滑油が、吐出領域から背圧供給路(特許文献1においては高圧穴)を通してベーン背圧室に供給される。あるいは、ベーン背圧室が背圧溝に対向することで、ベーン背圧室の圧力が背圧溝内の圧力に応じて調整されたり、背圧溝からベーン背圧室に潤滑油が供給されたりする。背圧溝からの潤滑油や背圧供給路からの潤滑油により、ベーン背圧室に付与される圧力(背圧)が最適化され、動力消費量の低減やチャタリングの抑制が可能となる。
特開昭62−248891号公報
特許文献1に開示されたベーン型圧縮機においては、背圧供給溝が区画壁(サイドブロック)に形成されると共に、背圧溝が所定の角度範囲にわたって、周方向に長く延在して形成されている。当該構成の場合、ベーン背圧室が長い区間にわたって背圧溝と連通するため、たとえば、圧縮行程の後半から吐出行程の後半までの間の区間など、必要背圧が高い区間において高い背圧をベーン背圧室に供給するように設定した場合には、吸入行程から圧縮行程の初期までの間の区間など、必要背圧が低い区間において必要以上の背圧がベーン背圧室に供給される可能性がある。
本明細書は、必要以上の背圧がベーン背圧室に供給されることを抑制することにより、動力消費量の低減を図ることが可能なベーン型圧縮機を開示することを目的とする。
本開示に基づくベーン型圧縮機は、回転軸と、冷媒を吸入する吸入口および冷媒を吐出する吐出口を備え、シリンダ室を内部に区画し、上記回転軸を支持するハウジングと、上記シリンダ室内で上記回転軸と一体回転可能に設けられ、複数のベーン溝が形成されたロータと、各々の上記ベーン溝に各々が出没可能に設けられた複数のベーンと、を備え、複数の上記ベーンと上記ロータとにより上記シリンダ室内に複数の圧縮室が形成され、各々の上記ベーンの底面と各々の上記ベーン溝との間はベーン背圧室とされ、上記ハウジングは、吐出領域を上記ハウジングの内部に区画し、上記圧縮室内で圧縮された冷媒は上記吐出領域および上記吐出口を介して外部に吐出され、上記ハウジングは、上記シリンダ室を区画する第1端面を有し、上記第1端面に開口して上記回転軸を挿入して支持する第1の挿入孔を備える第1区画壁と、上記シリンダ室を区画する第2端面を有し、上記第2端面に開口して上記回転軸を挿入して支持する第2の挿入孔を備え、上記ロータを挟んで軸方向において上記第1区画壁の反対側に配置された第2区画壁と、を含み、上記第1端面および上記第2端面のうちの少なくとも一方の端面には、上記回転軸を挿入して支持する開口に対して径方向に離間するとともに少なくとも吸入行程において上記ベーン背圧室に対向して連通する後側背圧溝と、上記回転軸の回転方向において上記後側背圧溝よりも前側に位置して上記開口から径方向外側に延び、上記ベーン背圧室に対向して連通する前側背圧溝とがそれぞれ形成されており、上記後側背圧溝における角度範囲は、上記前側背圧溝における角度範囲よりも大きい。
上記ベーン型圧縮機においては、上記第2区画壁には、上記吐出領域の下部と上記第2の挿入孔とを連通し潤滑油を上記第2の挿入孔に供給する第1の貫通孔と、上記第1の貫通孔の途中から分岐して上記吐出領域の下部と上記ベーン背圧室とを連通する第2の貫通孔を有し、上記ベーン背圧室に背圧を間欠的に供給する背圧供給路が形成されており、上記回転軸が回転することに伴って、上記ベーン背圧室が、上記後側背圧溝に対向して上記後側背圧溝に連通し、かつ、上記前側背圧溝および上記背圧供給路に対向しない第1状態と、上記第1状態よりも後のタイミングで、上記ベーン背圧室が、上記前側背圧溝に対向して上記前側背圧溝に連通し、かつ、上記後側背圧溝および上記背圧供給路に対向しない第2状態と、上記第2状態よりも後のタイミングで、上記ベーン背圧室が、上記背圧供給路に対向して連通し、かつ、上記後側背圧溝および上記前側背圧溝に対向しない第3状態と、が形成されてもよい。
上記ベーン型圧縮機においては、上記回転軸が回転することに伴って、上記第1状態よりも後であって且つ上記第2状態よりも前のタイミングに、上記ベーン背圧室が、上記後側背圧溝および上記前側背圧溝の双方に対向して連通するという状態が形成されてもよい。
上記ベーン型圧縮機においては、上記後側背圧溝は、吸入から圧縮初期行程にかけて上記ベーン背圧室に対向して連通してもよい。
上記構成によれば、必要以上の背圧がベーン背圧室に供給されることを抑制することにより、動力消費量の低減を図ることが可能なベーン型圧縮機を得ることができる。
実施の形態におけるベーン型圧縮機10を示す断面図である。 図1中のII−II線に沿った矢視断面図である。 図1中のIII−III線に沿った矢視断面図である。 図1中のIV−IV線に沿った矢視断面図である。 図1中のV−V線に沿った矢視断面図である。 実施の形態におけるベーン型圧縮機10によって形成される第1状態S1、状態SC、第2状態S2および第3状態S3を説明するための図である。 比較例のベーン型圧縮機10Zにおける底壁部13p(第1区画壁)および背圧溝13f1,13f2の構成を示す図であり、実施の形態における図4に対応している。 比較例におけるベーン型圧縮機10Zのリヤサイドプレート15(第2区画壁)および背圧溝15f1,15f2の構成を示す図であり、実施の形態における図5に対応している。 回転軸16およびロータ18の回転角度と、ベーン背圧室41の圧力との関係を示したシミュレーション結果に基づくグラフである。
実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。以下の説明において同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態]
(ベーン型圧縮機10)
図1〜図6を参照して、実施の形態におけるベーン型圧縮機10について説明する。図1は、ベーン型圧縮機10を示す断面図である。図2は、図1中のII−II線に沿った矢視断面図であり、図3は、図1中のIII−III線に沿った矢視断面図である。
ベーン型圧縮機10は、ハウジング11、回転軸16、ロータ18、および複数のベーン19を備える。ハウジング11は、冷媒を吸入する吸入口22および冷媒を吐出する吐出口34を備え、内部にシリンダ室14dを区画し、回転軸16を支持する。本実施の形態においては、ハウジング11は、リヤハウジング12、フロントハウジング13、およびリヤサイドプレート15を含む。
リヤハウジング12は、周壁12aを有し(図2,図3)、フロントハウジング13は、シリンダ部14と、第1区画壁としての底壁部13p(図1)とを有する。シリンダ部14は底壁部13pと一体に形成される。シリンダ部14は筒状に形成され、リヤハウジング12の周壁12aの内側に配置される。フロントハウジング13は、底壁部13pがリヤハウジング12の開口部を塞ぐようにリヤハウジング12に固定される。
第2区画壁としてのリヤサイドプレート15は略円盤状の形状を有し、リヤハウジング12の周壁12aの内側に配置される(図1)。リヤサイドプレート15は、軸方向(回転軸16の軸心Oが延びる方向)に対して直交する端面15s(第2端面)を有し、ロータ18を挟んで軸方向において底壁部13pの反対側に配置される。リヤサイドプレート15がシリンダ部14の後端に固定されることにより、リヤサイドプレート15の端面15sは、シリンダ部14とともにシリンダ室14dを区画する。
底壁部13pも、軸方向(回転軸16の軸心Oが延びる方向)に対して直交する端面13s(第1端面)を有する。底壁部13pの端面13sも、シリンダ部14とともにシリンダ室14dを区画する。シリンダ室14dは、リヤサイドプレート15の端面15sと底壁部13pの端面13s(図1)との間に位置する。
フロントハウジング13(底壁部13p)は軸孔13h(第1の挿入孔)を有し、リヤサイドプレート15は軸孔15h(第2の挿入孔)を有する。軸孔13hは端面13s(第1端面)に開口しており、回転軸16を挿入して支持する。軸孔15hは、端面15s(第2端面)に開口しており、回転軸16を挿入して支持する。回転軸16はシリンダ室14d内に延在する。回転軸16は、リヤサイドプレート15に形成された軸孔15hを通り抜けるように軸孔15hに挿通されていてもよいし、回転軸16の少なくとも一部が軸孔15h内に位置するように軸孔15hに挿入されていてもよい。
フロントハウジング13に回転軸16を挿入するための軸孔13hを設けるという構成、およびリヤサイドプレート15に回転軸16を挿入するための軸孔15hを設けるという構成は、いずれも必須の構成ではなく、回転軸16は他の手段によって回転可能に軸支されていてもよい。フロントハウジング13およびリヤサイドプレート15は回転軸16を回転可能に支持する。
回転軸16とフロントハウジング13との間には、リップシール型の軸封装置17aが設けられる。回転軸16はシリンダ室14dを貫通するように配置される。ロータ18は、シリンダ室14d内で回転軸16と一体回転可能に設けられる。ロータ18の前端面は底壁部13pのシリンダ室14d側の端面13sと対向し、ロータ18の後端面はリヤサイドプレート15のシリンダ室14d側の端面15sと対向する。
図2および図3に示すように、シリンダ部14の内周面14cは楕円状の形状を有し、ロータ18の外周面18cは正円状の形状を有する。ロータ18の外周面18cには複数のベーン溝18aが形成される。複数のベーン溝18aの各々には、複数のベーン19の各々が出没可能に設けられる。各々のベーン19の底面と各々のベーン溝18aとの間はベーン背圧室41とされる。複数のベーン溝18a(ベーン背圧室41)の各々には後述する吐出領域35(図1)内の潤滑油が供給される。
回転軸16およびロータ18が回転することに伴って、ベーン19の先端はシリンダ部14の内周面14cに接触する。シリンダ室14d内には複数の圧縮室21が形成される。ロータ18の外周面18c、シリンダ部14の内周面14c、複数のベーン19、底壁部13pの端面13s(図1)、および、リヤサイドプレート15の端面15s(図1)により、複数の圧縮室21が形成される。
図1および図2に示すように、リヤハウジング12には吸入口22が形成される。吸入口22の内側には逆止弁(図示せず)が設けられる。シリンダ部14には、凹部14aおよび一対の吸入孔23(図2)が形成される。凹部14aは、シリンダ部14の外周面の周方向における全周に亘って延在する。凹部14aおよびリヤハウジング12の内周面により、吸入空間20が区画される。吸入行程の際、圧縮室21と吸入空間20とは、吸入孔23を介して連通する。
図1および図3に示すように、シリンダ部14には、一対の凹部14b(図3)が形成される。一対の凹部14bは、回転軸16を挟んで互いに反対側に位置する。一対の凹部14bおよびリヤハウジング12の内周面により、一対の吐出室30が区画される。シリンダ部14には、一対の吐出口31(図3)が形成される。吐出口31は、吐出弁32によって開閉する。
圧縮室21で圧縮された冷媒ガスは、吐出弁32を押し退け吐出口31を経由して吐出室30へ吐出される。吐出室30は、吸入空間20よりも後方側に位置し、吸入空間20と吐出室30とは、軸方向において互いに異なる位置に形成される。吸入空間20は、吐出室30よりも底壁部13pの近く位置し、吐出室30は、吸入空間20よりもリヤサイドプレート15の近く位置する。
リヤハウジング12には吐出口34が形成される。ハウジング11内の空間のうちのリヤサイドプレート15に対してシリンダ室14dとは反対側の位置に、吐出領域35が形成される。吐出領域35は、リヤサイドプレート15に対して軸方向においてシリンダ部14の反対側に位置している。吐出領域35内には油分離器36が設けられる。
リヤサイドプレート15には連通孔37が形成され、連通孔37は、吐出室30と油分離器36とを連通させる。油分離器36は、冷媒ガス中に含まれる潤滑油を分離する。吐出室30内の冷媒(圧縮室21内で圧縮された冷媒)は、連通孔37および油分離器36を通して吐出領域35に吐出される。吐出領域35は、圧縮室21内で圧縮された冷媒から分離された潤滑油を貯留するとともに、圧縮室21内で圧縮された冷媒を吐出口34を通して外部に吐出する。
リヤサイドプレート15には、油通路15d1、環状通路15d2、および、油通路15d3,15d4が形成される。油通路15d1は、吐出領域35の下部と環状通路15d2とを連通させる。環状通路15d2は、軸孔15hを取り囲むように形成される。油通路15d1および環状通路15d2は、第1の貫通孔に相当し、吐出領域35の下部と軸孔15h(第2の挿入孔)とを連通し潤滑油を軸孔15hに供給する。油通路15d3は、環状通路15d2と油通路15d4とを連通させる。回転軸16の後端は油通路15d4の内側に位置している。油通路15d1、環状通路15d2、および、油通路15d3,15d4も、第1の貫通孔として機能することができ、吐出領域35の下部と軸孔15h(第2の挿入孔)とを連通し潤滑油を軸孔15hに供給する。
(ベーン背圧室41)
上述のとおり、各々のベーン19の底面と各々のベーン溝18aとの間はベーン背圧室41(図2,図3)とされる。ベーン19は、ベーン背圧室41内の圧力変化によって、ベーン溝18aに対して出没する。
(フロント側の後側背圧溝および前側背圧溝)
図4は、図1中のIV−IV線に沿った矢視断面図である。図示上の便宜のため、図4にはハッチング線を付していない。図1,図2,図4に示すように、フロントハウジング13の底壁部13pの端面13sには、後側背圧溝13a1、前側背圧溝13c1、後側背圧溝13a2、および前側背圧溝13c2が、ロータ18の回転方向に沿ってこの記載順に並んで形成されている。
前側背圧溝13c1は、回転軸16の回転方向において後側背圧溝13a1よりも前側に位置し、前側背圧溝13c2は、回転軸16の回転方向において後側背圧溝13a2よりも前側に位置する。後側背圧溝13a1,13a2および前側背圧溝13c1,13c2は、いずれも底壁部13pのうちのシリンダ室14d側の端面13s(第1端面)上に開口している。
後側背圧溝13a1,13a2および前側背圧溝13c1,13c2は、いずれも所定の周長さを有する円弧状に延びるように形成されている。後側背圧溝13a1,13a2および前側背圧溝13c1,13c2は、周方向において互いに離間している。後側背圧溝13a1,13a2は、軸孔13h(開口)に対して径方向に離間するとともに、少なくとも吸入行程においてベーン背圧室41に対向して連通する。後側背圧溝13a1,13a2は、吸入から圧縮初期行程にかけてベーン背圧室41に対向して連通してもよい。一方で、前側背圧溝13c1,13c2は、軸孔13h(開口)に接続されており、軸孔13hから径方向外側に延び、ベーン背圧室41に対向して連通する。前側背圧溝13c1,13c2は、軸孔13hを介して互いに連通している。
(リヤ側の後側背圧溝および前側背圧溝)
図5は、図1中のV−V線に沿った矢視断面図である。図1に示されるV−V線の位置および矢視方向に基づけば、ロータ18および複数のベーン19などは、図5中には本来的には現れない。説明上の便宜のため、これらの各要素を図5中に図示している。
図1,図3,図5に示すように、リヤサイドプレート15の端面15sには、後側背圧溝15a1、前側背圧溝15c1、後側背圧溝15a2、および前側背圧溝15c2が、ロータ18の回転方向に沿ってこの記載順に並んで形成されている。
前側背圧溝15c1は、回転軸16の回転方向において後側背圧溝15a1よりも前側に位置し、前側背圧溝15c2は、回転軸16の回転方向において後側背圧溝15a2よりも前側に位置する。後側背圧溝15a1,15a2および前側背圧溝15c1,15c2は、いずれもリヤサイドプレート15のうちのシリンダ室14d側の端面15s(第2端面)上に開口している。
後側背圧溝15a1,15a2および前側背圧溝15c1,15c2は、いずれも所定の周長さを有する円弧状に延びるように形成されている。後側背圧溝15a1,15a2および前側背圧溝15c1,15c2は、周方向において互いに離間している。後側背圧溝15a1,15a2は、軸孔15h(開口)に対して径方向に離間するとともに、少なくとも吸入行程においてベーン背圧室41に対向して連通する。後側背圧溝15a1,15a2は、吸入から圧縮初期行程にかけてベーン背圧室41に対向して連通してもよい。一方で、前側背圧溝15c1,15c2は、軸孔15h(開口)に接続されており、軸孔15hから径方向外側に延び、ベーン背圧室41に対向して連通する。前側背圧溝15c1,15c2は、軸孔15hを介して互いに連通している。
後側背圧溝13a1、前側背圧溝13c1、後側背圧溝13a2、および前側背圧溝13c2は、それぞれ、後側背圧溝15a1、前側背圧溝15c1、後側背圧溝15a2、および前側背圧溝15c2と同じ大きさおよび形状を有している。後側背圧溝13a1、前側背圧溝13c1、後側背圧溝13a2、および前側背圧溝13c2を軸方向の後方側に向かって投影すると、投影によって形成されたそれぞれの投影像は、後側背圧溝15a1、前側背圧溝15c1、後側背圧溝15a2、および前側背圧溝15c2にそれぞれぴったりと重なる。
(背圧供給路15e1,15e2)
図1および図5を参照して、リヤサイドプレート15には、背圧供給路15e1および背圧供給路15e2も設けられる。背圧供給路15e1,15e2は、回転軸16を挟んだ位置に設けられている。背圧供給路15e1は、ロータ18の回転方向において前側背圧溝15c1の前側に位置し、背圧供給路15e2は、ロータ18の回転方向において前側背圧溝15c2の前側に位置する。
背圧供給路15e1、前側背圧溝15c1、および後側背圧溝15a1は、回転軸16の周方向において互いに離間して設けられており、背圧供給路15e2、前側背圧溝15c2、および後側背圧溝15a2も、回転軸16の周方向において互いに離間して設けられている。
各背圧供給路15e1,15e2は、第1の貫通孔の途中(ここでは環状通路15d2)から分岐する第2の貫通孔を有しており、ここでは第2の貫通孔は軸方向に沿ってフロント側に向かって延びている。この第2の貫通孔の一端は、リヤサイドプレート15の端面15s(第2端面)上で開口しており、この第2の貫通孔の他端は、環状通路15d2(図1)上において開口している。各背圧供給路15e1,15e2は、環状通路15d2(図1)および油通路15d1を介して吐出領域35の下部に連通している。吐出領域35の下部に貯留された潤滑油は、背圧供給路15e1,15e2を通してベーン背圧室41に間欠的に供給される。
(第1状態S1、第2状態S2、および第3状態S3)
シリンダ室14dから見てフロント側に設けられた後側背圧溝13a1,13a2および前側背圧溝13c1,13c2(図4)、ならびに、シリンダ室14dから見てリア側に設けられた後側背圧溝15a1,15a2、前側背圧溝15c1,15c2、および背圧供給路15e1,15e2は、回転軸16の回転により、各々がベーン背圧室41と連通または非連通とされる。
回転軸16がロータ18とともに回転することに伴って、以下に述べる第1状態S1、第2状態S2および第3状態S3が少なくとも形成される。以下の説明では、リヤサイドプレート15の動作に着目して第1状態S1、第2状態S2および第3状態S3について説明するが、底壁部13pの側についても同様な状態が形成される。
図6に示すように、第1状態S1においては、ベーン背圧室41が、後側背圧溝15a1に対向して後側背圧溝15a1に連通し、かつ、前側背圧溝15c1および背圧供給路15e1に対向しない。この状態はたとえば、吸入行程の初期と圧縮行程の初期との間に形成される。第1状態S1の際には、ベーン背圧室41は、後側背圧溝15a1(および後側背圧溝13a1)のみに対向しており、前側背圧溝15c1(および後側背圧溝13a2)や、背圧供給路15e1からの高い圧力が、このベーン背圧室41に供給されることはほとんど、あるいはまったくない。
第2状態S2は、第1状態S1よりも後のタイミングで形成され、第2状態S2においては、ベーン背圧室41が、前側背圧溝15c1に対向して前側背圧溝15c1に連通し、かつ、後側背圧溝15a1および背圧供給路15e1に対向しない。この状態はたとえば、圧縮行程の後半に形成される。第2状態S2の際には、ベーン背圧室41は、前側背圧溝15c1(および前側背圧溝13c1)のみに対向しており、後側背圧溝15a1(および後側背圧溝13a1)からの低い圧力が、このベーン背圧室41に供給されることはほとんど、あるいはまったくない。
第3状態S3は、第2状態S2よりも後のタイミングで形成され、第3状態S3においては、ベーン背圧室41が、背圧供給路15e1に対向する。この状態はたとえば、圧縮行程の後半から吐出行程にかけて形成される。背圧供給路15e1からの高圧がベーン背圧室41に供給される。第3状態S3においては、ベーン背圧室41は前側背圧溝15c1(前側背圧溝13c1)にも対向していてもよいし、これらに対向していなくてもよい。これらが連通または非連通とされることによって、ベーン背圧室41からの高圧が前側背圧溝15c1や前側背圧溝13c1にも供給されたり、供給されなくなったりする。
本実施の形態においては、回転軸16を中心としたベーン背圧室41の1回の回転のうち、ベーン背圧室41が後側背圧溝15a1(および後側背圧溝13a1)に対向する角度範囲θAは、ベーン背圧室41が前側背圧溝15c1(前側背圧溝13c1)に対向する角度範囲θCよりも大きい。
図6に示すように、本実施の形態においてはさらに、回転軸16が回転することに伴って、第1状態S1よりも後であって且つ第2状態S2よりも前のタイミングに、他の状態SCが形成される。他の状態SCにおいては、ベーン背圧室41が、後側背圧溝15a1および前側背圧溝15c1の双方(さらに、後側背圧溝13a1および前側背圧溝13c1の双方)に対向して後側背圧溝15a1および前側背圧溝15c1の双方(さらに、後側背圧溝13a1および前側背圧溝13c1の双方)に連通する。これらが連通していることによって、前側背圧溝15c1からの高圧が後側背圧溝15a1に供給され、あるいはその逆向きの圧力移動が行なわれる。前側背圧溝13c1および後側背圧溝13a1についても同様である。
(高圧ガス供給通路15f)
図1に示すように、リヤサイドプレート15の上部には高圧ガス供給通路15fが形成されている。高圧ガス供給通路15fは、吐出領域35の上部(冷媒ガス雰囲気)と、たとえば後側背圧溝15a1とを連通する。高圧ガス供給通路15fは、吐出領域35側に位置する大径部15gと、後側背圧溝15a1側に位置する小径部15jとを有する。大径部15gと小径部15jとの間には弁孔が形成される。大径部15g内には、球状の弁体33がこの弁孔を開閉可能なように収容される。弁体33は、バネ33sにより開弁方向に付勢されている。ベーン型圧縮機10が起動された後、吐出領域35の圧力が所定値以上になると弁体33が高圧ガス供給通路15f(弁孔)を閉鎖する。
(ベーン型圧縮機10の作用)
図2を参照して、ロータ18がベーン19とともに回転されると、圧縮室21を形成している一対のベーン19のうちの先行するベーン19が、吸入孔23の始端を通過する。この際に、ベーン19が飛び出す分だけベーン背圧室41、後側背圧溝15a1および前側背圧溝15c1の双方(または、ベーン背圧室41、後側背圧溝13a1および前側背圧溝13c1の双方)による容積が拡大するため圧力が低下する。吸入空間20内の冷媒ガスは、吸入孔23を通して圧縮室21内に流入する。圧縮室21を形成している一対のベーン19のうちの後行するベーン19が吸入孔23を通過し終えると、この圧縮室21では圧縮行程が始まり、冷媒ガスが圧縮される。
先行するベーン19が吐出口31(図3)を通過することで吐出行程が開始される。圧縮された冷媒ガスは吐出弁32を開き、吐出口31を通して吐出室30へ吐出される。吐出室30へ吐出された冷媒ガスは連通孔37内を流れ、冷媒ガス中に含まれる油は油分離器36によって分離される。冷媒ガス中に含まれる油(潤滑油)は吐出領域35の底部に貯留され、冷媒ガスは吐出口34を通して外部回路に送られる。
ベーン型圧縮機10が停止している状態では吐出領域35の圧力とベーン背圧室41の圧力とが均衡している。弁体33はバネ33sにより付勢されており高圧ガス供給通路15fを閉鎖していない(開通している)。この状態でベーン型圧縮機10が起動されると、吐出口31から連通孔37を経て、吐出圧力相当の圧縮ガスが吐出領域35に供給される。吐出圧力相当の圧縮ガスは、高圧ガス供給通路15fおよび後側背圧溝15a1を介してベーン背圧室41に供給される。
ベーン19は、適正な背圧でシリンダ部14の内周面14cに圧接される。起動直後においてベーン19の躍動(チャタリング)が防止され、圧縮動作、およびロータ18とベーン19との摺動面などの潤滑動作が適正に行なわれる。ベーン型圧縮機10の起動後、所定時間が経過して吐出領域35内の圧力が上昇し、弁体33の前後に作用する差圧がバネ33sの付勢力を超えると、弁体33は高圧ガス供給通路15fを閉鎖する。
吐出領域35(図1)の底部に貯留された吐出圧力(高圧)を有する潤滑油は、吐出領域35の底部から、油通路15d1、環状通路15d2、油通路15d3,15d4、および軸孔15hへと流れる。潤滑油はその後、リヤサイドプレート15の端面15sのうちの軸孔15hから、前側背圧溝15c1,15c2に流れ、各背圧溝に供給される。また、潤滑油は、リヤサイドプレート15の端面15sのうちの軸孔15hから、ロータ18と端面15sとの間のクリアランスを流れ、後側背圧溝15a1,15a2に流れ、各背圧溝に供給される。
さらに、吐出領域35の底部に貯留された吐出圧力(高圧)を有する潤滑油は、背圧供給路15e1,15e2を経由して、後側背圧溝15a1,15a2および前側背圧溝15c1,15c2に供給される。ベーン型圧縮機10の運転時には、このようにして、ベーン背圧室41に潤滑油(背圧)が供給され、ベーン19は突出する方向に付勢される。
図6に示すように、上述のとおり本実施の形態においては、回転軸16がロータ18とともに回転することに伴って、第1状態S1、第2状態S2および第3状態S3が少なくとも形成される。このことにより得られる特別顕著な効果について、以下の比較例と比較しながら説明する。
[比較例]
図7は、比較例のベーン型圧縮機10Zにおける底壁部13p(第1区画壁)および背圧溝13f1,13f2の構成を示す図であり、実施の形態における図4に対応している。図8は、比較例におけるベーン型圧縮機10Zのリヤサイドプレート15(第2区画壁)および背圧溝15f1,15f2の構成を示す図であり、実施の形態における図5に対応している。
背圧溝13f1は、実施の形態における後側背圧溝13a1および前側背圧溝13c1を組み合わせたような形状を有しており、実施の形態の場合とは異なり、周方向において互いに分離された2つの空間ではない。背圧溝13f2、背圧溝15f1および背圧溝15f2についても同様である。
すなわち図7および図8に示す比較例においては、背圧溝が所定の角度範囲にわたって、周方向に長く延在して形成されている。当該構成の場合、ベーン背圧室41が長い区間にわたってこれらの背圧溝と連通するため、たとえば、圧縮行程の後半から吐出行程の後半までの間の区間など、必要背圧が高い区間において高い背圧をベーン背圧室41に供給するように設定した場合には、吸入行程から圧縮行程の初期までの間の区間など、必要背圧が低い区間において必要以上の背圧がベーン背圧室41に供給される可能性がある。
これに対して実施の形態におけるベーン型圧縮機10では、たとえば、圧縮行程の後半から吐出行程の後半までの間の区間など、必要背圧が高い区間において高い背圧をベーン背圧室41に供給するように設定した場合には、前側背圧溝15c1,13c1および前側背圧溝15c2,13c2の圧力が高められる。
前側背圧溝15c1と後側背圧溝15a1とは、周方向において互いに離間しているため、前側背圧溝15c1内に供給される高められた圧力は、後側背圧溝15a1に伝わることはほとんどない。したがって、吸入行程から圧縮行程の初期までの間の区間など、必要背圧が低い区間において必要以上の背圧がベーン背圧室41に供給される可能性を低くすることが可能となっており、これらについては、前側背圧溝13c1および前側背圧溝15c2,13c2についても同様である。したがって本実施の形態のベーン型圧縮機10によれば、必要以上の背圧がベーン背圧室41に供給されることを抑制することにより、動力消費量の低減を図ることが可能となっている。
図9は、回転軸16およびロータ18の回転角度と、ベーン背圧室41の圧力との関係を示したシミュレーション結果に基づくグラフである。実施の形態に基づく実施例の場合には、比較例の場合に比べて、10°(吸入行程の初期)から110°(圧縮行程の前半)までの範囲において、ベーン背圧室41の圧力を小さくすることができていることがわかる。
上述のとおり、本実施の形態においては(図6参照)、回転軸16を中心としたベーン背圧室41の1回の回転のうち、ベーン背圧室41が後側背圧溝15a1(および後側背圧溝13a1)に対向する角度範囲θAは、ベーン背圧室41が前側背圧溝15c1(前側背圧溝13c1)に対向する角度範囲θCよりも大きい。吸入、圧縮および吐出の一連のサイクルの中の前半の長い期間に、ベーン背圧室41に低い圧力を設定し、必要以上の背圧がベーン背圧室41に供給されることを抑制することにより、動力消費量の低減を図ることが可能となっている。仕様に応じて、角度範囲θA,θCの大小関係は、上記とは逆であってもよい。
図6に示すように、本実施の形態においてはさらに、回転軸16が回転することに伴って、第1状態S1よりも後であって且つ第2状態S2よりも前のタイミングに、他の状態SCが形成される。他の状態SCにおいては、ベーン背圧室41が、後側背圧溝15a1および前側背圧溝15c1の双方(さらに、後側背圧溝13a1および前側背圧溝13c1の双方)に対向して後側背圧溝15a1および前側背圧溝15c1の双方(さらに、後側背圧溝13a1および前側背圧溝13c1の双方)に連通する。
これらが連通していることによって、前側背圧溝15c1からの高圧が後側背圧溝15a1に供給され、あるいはその逆向きの圧力移動が行なわれる。前側背圧溝13c1および後側背圧溝13a1についても同様である。吸入、圧縮および吐出の一連のサイクルの中の前半の長い期間に、ベーン背圧室41に過度に低い圧力が設定されることを抑制することで、必要圧力以上の適正な圧力を確保しながらも、チャタリングの抑制が可能となる。
また、本実施の形態においては、吐出領域35がリヤ側に設けられており、背圧供給路15e1,15e2もリヤサイドプレート15に設けられており、装置の軸方向における簡素化や簡略化を図ることが可能になっている。背圧供給路は、仕様に応じてフロント側に設けられていてもよい。
本実施の形態においては、フロント側にも、後側背圧溝13a1、前側背圧溝13c1、後側背圧溝13a2、および前側背圧溝13c2として、背圧溝が設けられているフロント側およびリヤ側の双方からベーン背圧室41に対して圧力を付与することや、ベーン背圧室41の圧力調整を行なうことが可能となっている。これらの背圧溝の形成は、フロント側のみであってもよいし、リヤ側のみであってもよいし、フロント側およびリヤ側の双方であってもよい。
ハウジング11においては、底壁部13pとシリンダ部14とが一体に形成されているが、この構成に代えて、底壁部13pをフロントサイドプレートとしてシリンダ部14と別体に形成し、軸方向において間隔を空けて配置されたフロントサイドプレートとリヤサイドプレート15との間にシリンダ部14を配置する構成としてもよい。当該構成の場合、フロントサイドプレートが第1区画壁を構成し、リヤサイドプレートが第2区画壁を構成する。
以上、実施の形態について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,10Z ベーン型圧縮機、11 ハウジング、12 リヤハウジング、12a 周壁、13 フロントハウジング、13a1,13a2,15a1,15a2 後側背圧溝、13c1,13c2,15c1,15c2 前側背圧溝、13f1,13f2,15f1,15f2 背圧溝、13h,15h 軸孔、13p 底壁部、13s,15s 端面、14 シリンダ部、14a,14b 凹部、14c 内周面、14d シリンダ室、15 リヤサイドプレート、15d1,15d3,15d4 油通路、15d2 環状通路、15e1,15e2 背圧供給路、15f 高圧ガス供給通路、15g 大径部、15j 小径部、16 回転軸、17a 軸封装置、18 ロータ、18a ベーン溝、18c 外周面、19 ベーン、20 吸入空間、21 圧縮室、22 吸入口、23 吸入孔、30 吐出室、31,34 吐出口、32 吐出弁、33 弁体、33s バネ、35 吐出領域、36 油分離器、37 連通孔、41 ベーン背圧室、O 軸心、S1 第1状態、S2 第2状態、S3 第3状態、SC 状態。

Claims (4)

  1. 回転軸と、
    冷媒を吸入する吸入口および冷媒を吐出する吐出口を備え、シリンダ室を内部に区画し、前記回転軸を支持するハウジングと、
    前記シリンダ室内で前記回転軸と一体回転可能に設けられ、複数のベーン溝が形成されたロータと、
    各々の前記ベーン溝に各々が出没可能に設けられた複数のベーンと、を備え、
    複数の前記ベーンと前記ロータとにより前記シリンダ室内に複数の圧縮室が形成され、
    各々の前記ベーンの底面と各々の前記ベーン溝との間はベーン背圧室とされ、
    前記ハウジングは、吐出領域を前記ハウジングの内部に区画し、前記圧縮室内で圧縮された冷媒は前記吐出領域および前記吐出口を介して外部に吐出され、
    前記ハウジングは、
    前記シリンダ室を区画する第1端面を有し、前記第1端面に開口して前記回転軸を挿入して支持する第1の挿入孔を備える第1区画壁と、
    前記シリンダ室を区画する第2端面を有し、前記第2端面に開口して前記回転軸を挿入して支持する第2の挿入孔を備え、前記ロータを挟んで軸方向において前記第1区画壁の反対側に配置された第2区画壁と、を含み、
    前記第1端面および前記第2端面のうちの少なくとも一方の端面には、前記回転軸を挿入して支持する開口に対して径方向に離間するとともに少なくとも吸入行程において前記ベーン背圧室に対向して連通する後側背圧溝と、前記回転軸の回転方向において前記後側背圧溝よりも前側に位置して前記開口から径方向外側に延び、前記ベーン背圧室に対向して連通する前側背圧溝とがそれぞれ形成されており、
    前記後側背圧溝における角度範囲は、前記前側背圧溝における角度範囲よりも大きい、
    ベーン型圧縮機。
  2. 前記第2区画壁には、前記吐出領域の下部と前記第2の挿入孔とを連通し潤滑油を前記第2の挿入孔に供給する第1の貫通孔と、前記第1の貫通孔の途中から分岐して前記吐出領域の下部と前記ベーン背圧室とを連通する第2の貫通孔を有し、前記ベーン背圧室に背圧を間欠的に供給する背圧供給路が形成されており、
    前記回転軸が回転することに伴って、
    前記ベーン背圧室が、前記後側背圧溝に対向して前記後側背圧溝に連通し、かつ、前記前側背圧溝および前記背圧供給路に対向しない第1状態と、
    前記第1状態よりも後のタイミングで、前記ベーン背圧室が、前記前側背圧溝に対向して前記前側背圧溝に連通し、かつ、前記後側背圧溝および前記背圧供給路に対向しない第2状態と、
    前記第2状態よりも後のタイミングで、前記ベーン背圧室が、前記背圧供給路に対向して連通し、かつ、前記後側背圧溝および前記前側背圧溝に対向しない第3状態と、が形成される、
    請求項1に記載のベーン型圧縮機。
  3. 前記回転軸が回転することに伴って、前記第1状態よりも後であって且つ前記第2状態よりも前のタイミングに、前記ベーン背圧室が、前記後側背圧溝および前記前側背圧溝の双方に対向して連通するという状態が形成される、
    請求項2に記載のベーン型圧縮機。
  4. 前記後側背圧溝は、吸入から圧縮初期行程にかけて前記ベーン背圧室に対向して連通する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のベーン型圧縮機。
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