JP6824954B2 - mIDH1阻害剤としての5−ヒドロキシアルキルベンズイミダゾール - Google Patents

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Description

本発明は、本明細書で記載および定義される一般式(I)の5−ヒドロキシアルキルベンズイミダゾール化合物、前記化合物を調製する方法、前記化合物を調製するのに有用な中間体化合物、前記化合物を含む医薬組成物および組合せ、ならびに唯一の薬剤としてまたは他の有効成分と組み合わせて疾患、特に新生物を治療または予防するための医薬組成物を製造するための前記化合物の使用に関する。
本発明は、変異型イソクエン酸デヒドロゲナーゼ1(mIDH1 R132H)を阻害する化学化合物、前記化合物を調製する方法、前記化合物を含む医薬組成物および組合せ、疾患を治療または予防するための医薬組成物を製造するための前記化合物の使用、ならびに前記化合物の調製に有用な中間体化合物に関する。
イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH)は、イソクエン酸をα−ケトグルタル酸に変換する、細胞代謝における重要な酵素であり、異なる電子受容体の利用によって定義される2つのサブグループに属する。これらの2つ、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ1および2は、電子受容体としてNADP(+)を使用する。IDH1は細胞質およびペルオキシソームに位置し、IDH2は例えば、以下の反応においてTCAサイクルの必須部分としてミトコンドリアに位置する:
イソクエン酸+NADP→α−ケトグルタル酸+CO2+NADPH+H
両酵素はホモ二量体として作用する。
神経膠腫、急性骨髄性白血病(AML)、軟骨肉腫、胆管癌、黒色腫、前立腺がん、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫などを含む種々の腫瘍実体では、IDH1またはIDH2が別個のアミノ酸位置で突然変異している(Balss J.Acta Neuropathol.2008年12月;116(6):597〜602、Mardis ER、N Engl J Med.2009年9月10日;361(11):1058〜66、Amary MF、J Pathol.2011年7月;224(3):334〜43、Borger DR、Oncologist.2012年;17(1):72〜9、Shibata T、Am J Pathol.2011年3月;178(3):1395〜402、Ghiam AF、Oncogene.2012年8月16日;31(33):3826、Cairns RA,Blood.2012年2月23日;119(8):1901〜3)。この突然変異は常にヘテロ接合性であり、相互排他的である。これらの点突然変異のほとんどは酵素(2−オキソグルタル酸配位を担う)の触媒ドメイン中の重要な位置、例えば、IDH1R100、IDH1R132、IDH1G97およびIDH2R140、IDH2R172で見られた(Dang L.、Nature、2009年12月10日;462(7274):739〜44)。神経膠腫では、非原発性神経膠芽腫の70%超がIDH1変異しており、IDH1変異型腫瘍の92.7%で、アルギニンがヒスチジンによって置き換えられている(IDH1R132H)(Hartmann C、Acta Neuropathol.2009年10月;118(4):469〜74)。
これらの触媒残基の野生型アミノ酸の置換は、α−ケトグルタル酸をR−2−ヒドロキシグルタル酸(2−HG)に変換する酵素の新形態活性をもたらす。2−HGは代謝老廃物であるが、癌代謝物(oncometabolite)でもあり、腫瘍発生に寄与すると考えられている(Dang L.、Nature、2009年12月10日;462(7274):739〜44)。2−HGは、正常細胞では非常に低いレベルでしか産生されないが、IDH変異を有する細胞は、高レベルの2−HGを産生する。IDH変異を有する腫瘍でも多量の2−HGが見つかっている。IDH変異はまた、高い2−HGレベルを有する他の障害、例えば、超生理的レベルの2−HG(2−HG尿症)を特徴とするまれな神経代謝性障害の患者でも記載されている(Kranendijk M、Science.2010年10月15日;330(6002):336)。
よって、IDH変異およびその新形態活性の阻害は、腫瘍および他のIDH突然変異関連障害のための潜在的な治療処置選択肢となる。
国際公開第02/092575号パンフレットは、輸血などの膜融合関連イベントの阻害剤としてのベンズイミダゾール化合物に関する。
国際公開第03/007945号パンフレットおよび国際公開第02/04425号パンフレットは、特に、RNA依存性RNAポリメラーゼの阻害剤としてのベンズイミダゾール化合物に関する。
国際公開第2009/059214号パンフレットは、Aβ結合ベンズイミダゾール誘導体に関する。
国際公開第2008/153701号パンフレットは、KSPキネシン活性の阻害剤としてのベンズイミダゾール化合物に関する。
国際公開第2005/121132号パンフレットは、抗HCV効果を有する縮合複素環式化合物に関する。
欧州特許第0385850号明細書は、心血管疾患および十二指腸潰瘍を治療するためのベンズイミダゾールおよびアザベンズイミダゾール誘導体を開示している。
国際公開第00/32578号パンフレットは、ビトロネクチン受容体拮抗薬としてベンズイミダゾール化合物を開示している。
国際公開第2004/085425号パンフレットは、特に、VEGFR/KDR阻害活性を有するベンズイミダゾール化合物を開示している。
欧州特許第1810677号明細書は、GPR40受容体機能調節剤としてベンズイミダゾール化合物を開示している。
欧州特許第1069124号明細書は、ORL1受容体作動薬として2−ベンズイミダゾリルアミン化合物を開示している。
国際公開第2010/034796号パンフレットは、エイコサノイドおよびグルタチオン代謝ファミリーの膜結合タンパク質に属する酵素の阻害剤としてベンズイミダゾール化合物を開示している。
国際公開第2009/116074号パンフレットは、カンナビノイド調節物質として置換ベンズイミダゾールを開示している。
国際公開第03/074515号パンフレットは、TIE−2および/またはVEGFR−2阻害剤としてベンズイミダゾール誘導体を開示している。
国際公開第2005/044793号パンフレットは、特に、CRF受容体拮抗薬としてベンズイミダゾール化合物を開示している。
国際公開第2006/099379号パンフレットは、β−セクレターゼ阻害剤としてベンザゾール誘導体を開示している。
国際公開第2010/100249号パンフレットは、特に、ミクロソームプロスタグランジンE2合成酵素−1の阻害剤としてベンズイミダゾール化合物を開示している。
国際公開第2010/151441号パンフレットは、SKOV3およびA2780細胞の生存率に影響を及ぼすベンズアミド誘導体を開示している。
しかしながら、上記先行技術は、本明細書で定義される本発明の一般式(I)の特定の置換ベンズイミダゾール化合物、あるいは本明細書に記載および定義され、以下で「本発明の化合物」またはその薬理学的活性と呼ばれるその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩またはこれらの混合物を記載していない。
本発明の前記化合物が驚くべきかつ有利な特性を有することがここで分かり、このことが本発明の基礎を構成している。
特に、本発明の前記化合物は、変異型イソクエン酸デヒドロゲナーゼ1(mIDH1 R132H)を有効に阻害することが分かり、そのため、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞免疫応答、あるいは不適当な細胞炎症反応、あるいは制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞免疫応答、あるいは不適当な細胞炎症反応を伴う疾患、例えば、血液系腫瘍、固形腫瘍および/またはこれらの転移、例えば、白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫(血管免疫芽球性T細胞リンパ腫を含む)、頭頸部腫瘍(脳腫瘍および脳転移(例えば、退形成星こう腫、びまん性星細胞腫、膠芽腫、乏突起膠腫、二次性多形性膠芽腫)を含む)、胸部腫瘍(非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む)、胃腸腫瘍(胆管癌を含む)、内分泌腫瘍、乳房および他の婦人科腫瘍、泌尿器腫瘍(腎臓、膀胱および前立腺腫瘍を含む)、皮膚腫瘍、および肉腫(軟骨肉腫を含む)、ならびに/あるいはこれらの転移の疾患の治療または予防に使用され得る。
国際公開第02/092575号パンフレット 国際公開第03/007945号パンフレット 国際公開第02/04425号パンフレット 国際公開第2009/059214号パンフレット 国際公開第2008/153701号パンフレット 国際公開第2005/121132号パンフレット 欧州特許第0385850号明細書 国際公開第00/32578号パンフレット 国際公開第2004/085425号パンフレット 欧州特許第1810677号明細書 欧州特許第1069124号明細書 国際公開第2010/034796号パンフレット 国際公開第2009/116074号パンフレット 国際公開第03/074515号パンフレット 国際公開第2005/044793号パンフレット 国際公開第2006/099379号パンフレット 国際公開第2010/100249号パンフレット 国際公開第2010/151441号パンフレット
Balss J.Acta Neuropathol.2008年12月;116(6):597〜602 Mardis ER、N Engl J Med.2009年9月10日;361(11):1058〜66 Amary MF、J Pathol.2011年7月;224(3):334〜43 Borger DR、Oncologist.2012年;17(1):72〜9 Shibata T、Am J Pathol.2011年3月;178(3):1395〜402 Ghiam AF、Oncogene.2012年8月16日;31(33):3826 Cairns RA, Blood.2012年2月23日;119(8):1901〜3 Dang L.、Nature、2009年12月10日;462(7274):739〜44 Hartmann C、Acta Neuropathol.2009年10月;118(4):469〜74 Kranendijk M、Science.2010年10月15日;330(6002):336
第1の態様によると、本発明は、一般式(I):
Figure 0006824954
(式中、
R1は、ハロゲン原子または
C1〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキル、C1〜C6−アルコキシ、C3〜C6−シクロアルキルオキシ、C1〜C6−ハロアルキル、C1〜C6−ハロアルコキシ、シアノ、(C1〜C6−アルキル)−S−、(C1〜C6−アルキル)−S(=O)−、(C1〜C6−アルキル)−S(=O)2−、(C1〜C6−ハロアルキル)−S−、(C1〜C6−ハロアルキル)−S(=O)−、(C1〜C6−ハロアルキル)−S(=O)2−、−C(=O)OR9、−C(=O)N(R10)R11および−N(R10)R11
から選択される基を表し;
R2は水素原子を表し;
R3は、
Figure 0006824954
(式中、*は前記基と分子の残りとの付着点を示す)
から選択される基を表し;
R4は水素原子またはハロゲン原子を表し;
R5はC1〜C10−ヒドロキシアルキル基を表し、
該基は場合により1個または2個のC1〜C2−ハロアルキル基で置換されており;
R6は水素原子またはハロゲン原子または
C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、C3〜C6−シクロアルキル、C3〜C6−シクロアルキルオキシ、C1〜C6−ハロアルキル、C1〜C6−ハロアルコキシおよびシアノ
から選択される基を表し;
R7は水素原子を表す)
の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物を網羅する。
「置換されている」という用語は、存在している状況下で指定された原子の通常の結合価を超えないという条件で、指定された原子または基上の1個または複数の水素が指示される基から選択されるものによって置き換えられていることを意味する。置換基および/または変数の組合せは許容される。
「含む」という用語は、本明細書において使用される場合、「からなる」を含む。
「本明細書中で言及されるように」と本明細書の範囲内で呼ぶ場合、それは前の頁のいずれかで本明細書の範囲内で行われる開示のいずれをもさす。
本文で言及される用語は、好ましくは以下の意味を有する:
「ハロゲン原子」、という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子、好ましくはフッ素、塩素または臭素原子を意味する。
「C1〜C6−アルキル」という用語は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖または分岐の飽和一価炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、ネオ−ペンチル、1,1−ジメチルプロピル、ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチルもしくは1,3−ジメチルブチル基、またはこれらの異性体を意味する。特に、前記基は、1、2、3または4個の炭素原子を有する(「C1〜C4−アルキル」)、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチルイソブチル、またはtert−ブチル基、さらに特に1、2または3個の炭素原子を有する(「C1〜C3−アルキル」)、例えば、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソプロピル基である。
「C1〜C6−ハロアルキル」という用語は、「C1〜C6−アルキル」という用語が上に定義される通りであり、かつ水素原子の1個または複数が同一にまたは異なってハロゲン原子によって置き換えられている、直鎖または分岐の飽和一価炭化水素基を意味する。特に、前記ハロゲン原子はフッ素である。前記C1〜C6−ハロアルキル基は、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピルまたは1,3−ジフルオロプロパン−2−イルである。特に、前記基は1、2または3個の炭素原子を有する(「C1〜C3−ハロアルキル」)、例えばフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピルまたは1,3−ジフルオロプロパン−2−イル基であり、さらに特に1個または2個の炭素原子を有する(「C1〜C2−ハロアルキル」)、例えばフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチルまたはペンタフルオロエチル基である。
「C1〜C6−アルコキシ」という用語は、「C1〜C6−アルキル」という用語が上で定義されるものである式(C1〜C6−アルキル)−O−の直鎖または分岐の飽和一価基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソ−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシまたはn−ヘキシルオキシ基、またはこれらの異性体を意味する。特に、前記基は1、2または3個の炭素原子を有する(「C1〜C3−アルコキシ」)。前記C1〜C3−アルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシまたはイソプロポキシである。
「C1〜C6−ハロアルコキシ」という用語は、水素原子の1個または複数が同一にまたは異なってハロゲン原子によって置き換えられている、上に定義される直鎖または分岐の飽和一価C1〜C6−アルコキシ基を意味する。特に、前記ハロゲン原子はフッ素である。前記C1〜C6−ハロアルコキシ基は、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシまたはペンタフルオロエトキシである。特に、前記基は1、2または3個の炭素原子を有する(「C1〜C3−ハロアルコキシ」)。前記C1〜C3−ハロアルコキシ基は、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシまたはペンタフルオロエトキシである。
「C3〜C6−シクロアルキル」という用語は、3、4、5または6個の炭素原子を含む飽和一価単環式炭化水素環(「C3〜C6−シクロアルキル」)を意味する。前記C3〜C6−シクロアルキル基は、例えば、単環式炭化水素環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基である。
「C3〜C6−シクロアルコキシ」という用語は、3、4、5または6個の炭素原子を含む(「C3〜C6−シクロアルキルオキシ」)、「C3〜C6−シクロアルキル」という用語が上に定義されるものである、式(C3〜C6−シクロアルキル)−O−の飽和一価単環式基、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシまたはシクロヘキシルオキシ基を意味する。
「C1〜C10−ヒドロキシアルキル」という用語は、1個の水素原子がヒドロキシ基で置き換えられた1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素原子を有する直鎖または分岐の飽和一価炭化水素基、例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロパン−2−イル、2−ヒドロキシプロパン−2−イル、3−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、1−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチル、5−ヒドロキシ−ペンチル、4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、5−ヒドロキシ−5−メチル−ヘキシル、7−ヒドロキシヘプチル、6−ヒドロキシ−6−メチル−ヘプチル、8−ヒドロキシオクチル、7−ヒドロキシ−7−メチル−オクチル、9−ヒドロキシノニル、8−ヒドロキシ−8−メチル−ノニルまたは10−ヒドロキシデシル基、またはこれらの異性体を意味する。特に、前記基は、1、2、3、4、5、6、7または8個の炭素原子を有する(「C1〜C8−ヒドロキシアルキル」)、例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロパン−2−イル、2−ヒドロキシ−プロパン−2−イル、3−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、1−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチル、5−ヒドロキシ−ペンチル、4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、5−ヒドロキシ−5−メチル−ヘキシル、7−ヒドロキシヘプチル、6−ヒドロキシ−6−メチル−ヘプチルまたは8−ヒドロキシオクチル基であり、さらに特に、前記基は1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する(「C1〜C6−ヒドロキシアルキル」)、例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロパン−2−イル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプ
ロパン−2−イル、3−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、1−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチル、5−ヒドロキシペンチル、4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンチルまたは6−ヒドロキシヘキシル基であり、さらに特に、1、2、3、4または5個の炭素原子を有する(「C1〜C5−ヒドロキシアルキル」)、例えばヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロパン−2−イル、2−ヒドロキシプロパン−2−イル、3−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、1−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル、1−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチルまたは5−ヒドロキシ−ペンチル基である。
本文の全体にわたって使用される「C1〜C10」という用語は、例えば、「C1〜C10−ヒドロキシアルキル」の定義の文脈において、1〜10個の有限数の炭素原子、すなわち、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
本文の全体にわたって、例えば、「C1〜C6−アルキル」、「C1〜C6−ハロアルキル」、「C1〜C6−アルコキシ」または「C1〜C6−ハロアルコキシ」の定義の文脈で使用される「C1〜C6」という用語は、1〜6個、すなわち、1、2、3、4、5または6個の炭素原子という有限数の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
さらに、本明細書で使用される場合、本文の全体にわたって、例えば、「C3〜C6−シクロアルキル」の定義の文脈で使用される「C3〜C6」という用語は、3〜8個、すなわち、3、4、5または6個の炭素原子という有限数の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。
値の範囲が列挙される場合、その範囲内の各々の値および下位範囲を包含することが意図される。
例えば、「C1〜C10」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C1〜C10、C1〜C9、C1〜C8、C1〜C7、C1〜C6、C1〜C5、C1〜C4、C1〜C3、C1〜C2、C2〜C10、C2〜C9、C2〜C8、C2〜C7、C2〜C6、C2〜C5、C2〜C4、C2〜C3、C3〜C10、C3〜C9、C3〜C8、C3〜C7、C3〜C6、C3〜C5、C3〜C4、C4〜C10、C4〜C9、C4〜C8、C4〜C7、C4〜C6、C4〜C5、C5〜C10、C5〜C9、C5〜C8、C5〜C7、C5〜C6、C6〜C10、C6〜C9、C6〜C8、C6〜C7、C7〜C10、C7〜C9、C7〜C8、C8〜C10およびC8〜C9を包含することが意図される。
例えば、「C1〜C8」はC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C1〜C8、C1〜C7、C1〜C6、C1〜C5、C1〜C4、C1〜C3、C1〜C2、C2〜C8、C2〜C7、C2〜C6、C2〜C5、C2〜C4、C2〜C3、C3〜C8、C3〜C7、C3〜C6、C3〜C5、C3〜C4、C4〜C8、C4〜C7、C4〜C6、C4〜C5、C5〜C8、C5〜C7、C5〜C6、C6〜C8、C6〜C7およびC7〜C8を包含することが意図される。
例えば、「C1〜C6」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1〜C6、C1〜C5、C1〜C4、C1〜C3、C1〜C2、C2〜C6、C2〜C5、C2〜C4、C2〜C3、C3〜C6、C3〜C5、C3〜C4、C4〜C6、C4〜C5、およびC5〜C6を包含することが意図される。
例えば、「C1〜C5」は、C1、C2、C3、C4、C5、C1〜C5、C1〜C4、C1〜C3、C1〜C2、C2〜C5、C2〜C4、C2〜C3、C3〜C5、C3〜C4およびC4〜C5を包含することが意図される。
例えば、「C1〜C3」は、C1、C2、C3、C1−C3、C1〜C2およびC2〜C3を包含することが意図される。
例えば、「C1〜C2」は、C1、C2およびC1〜C2を包含することが意図される。
例えば、「C3〜C6」は、C3、C4、C5、C6、C3〜C6、C3〜C5、C3〜C4、C4〜C6、C4〜C5、およびC5〜C6を包含することが意図される。
一般式(I)の化合物は、同位体変異体として存在してよい。そのため、本発明には、一般式(I)の化合物、特に一般式(I)の重水素含有化合物の1またはそれ以上の同位体変異体が含まれる。
化合物または試薬の「同位体変異体」という用語は、そのような化合物を構成する、不自然な比率の1または複数の同位体を示す化合物と定義される。
「一般式(I)の化合物の同位体変異体」という用語は、そのような化合物を構成する、不自然な比率の1またはそれ以上の同位体を示す一般式(I)の化合物と定義される。
「不自然な比率」という表現は、そのような同位体のその自然存在比よりも高い比率を意味すると理解される。この文脈に適用される同位体の自然存在比は、“Isotopic Compositions of the Elements 1997”,Pure Appl.Chem.,70(1),217−235,1998に記載されている。
そのような同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の安定した放射性の同位元素、例えば、それぞれ、2H(重水素)、3H(トリチウム)、11C、13C、14C、15N、17O、18O、32P、33P、33S、34S、35S、36S、18F、36Cl、82Br、123I、124I、125I、129Iおよび131Iが挙げられる。
本明細書において指定される障害の処置および/または予防に関して、一般式(I)の化合物の1または複数の同位体変異体は、好ましくは重水素を含む(「一般式(I)の重水素含有化合物」)。1または複数の放射性同位元素、例えば、3Hまたは14Cなどが組み込まれている一般式(I)の化合物の同位体変異体は、例えば薬剤および/または基質組織分布研究に有用である。これらの同位体は、その組み込みの容易さおよび検出性のために特に好ましい。18Fまたは11Cなどのポジトロン放出同位体は、一般式(I)の化合物に組み込まれることができる。一般式(I)の化合物のこれらの同位体変異体は、インビボイメージング用途に有用である。一般式(I)の重水素含有および13C含有化合物は、前臨床または臨床研究の状況において質量分析で使用されることができる(H.J.Leisら,Curr.Org.Chem.,1998,2,131)。
一般式(I)の化合物の同位体変異体は、前記試薬同位体変異体の代わりに試薬、好ましくは重水素含有試薬を用いることによって、当業者に公知の方法、例えば本明細書中のスキームおよび/または例に記載される方法などによって一般的に調製することができる。重水素化の望ましい場所に応じて、一部の例では、D2Oの重水素は、化合物に直接組み込まれるか、またはそのような化合物を合成するのに有用な試薬に組み込まれることができる(Esakiら,Tetrahedron,2006,62,10954;Esakiら,Chem.Eur.J.,2007,13,4052)。重水素ガスも重水素を分子に組み込むために有用な試薬である。オレフィン結合の接触重水素化(Catalytic deuteration)(H.J.Leisら,Curr.Org.Chem.,1998,2,131;J.R.Morandiら,J.Org.Chem.,1969,34(6),1889)およびアセチレン結合(N.H.Khan,J.Am.Chem.Soc.,1952,74(12),3018;S.Chandrasekharら,Tetrahedron,2011,52,3865)は、重水素の組み込みのための速い経路である。金属触媒(すなわち、Pd、Pt、およびRh)は、重水素ガスの存在下で、炭化水素を含有する官能基において重水素を水素に直接交換するために使用され得る(J.G.Atkinsonら、米国特許第3966781号)。多様な重水素化試薬および合成構成要素が、例えばC/D/N Isotopes(カナダケベック州);Cambridge Isotope Laboratories Inc.(米国マサチューセッツ州アンドーバー);およびCombiPhos Catalysts、Inc.(米国ニュージャージー州プリンストン)などの会社から市販されている。重水素−水素交換に関する技術の現状のさらなる情報は、例えばHanzlikら,J.Org.Chem.55,3992−3997,1990;R.P.Hanzlikら,Biochem.Biophys.Res.Commun.160,844,1989;P.J.Reiderら,J.Org.Chem.52、3326−3334,1987;M.Jarmanら,Carcinogenesis 16(4),683−688,1993;J.Atzrodtら,Angew.Chem.,Int.Ed.2007,46,7744;K.Matoishiら,J.Chem.Soc,Chem.Commun.2000,1519−1520;K.Kassahunら,国際公開第2012/112363号に記載される。
「一般式(I)の重水素含有化合物」という用語は、1または複数の水素原子が1または複数の重水素原子によって置き換えられていて、一般式(I)の化合物の各々の重水素化された位置での重水素の存在比が、約0.015%である重水素の自然存在比よりも高い、一般式(I)の化合物として定義される。特に、一般式(I)の重水素含有化合物において、一般式(I)の化合物の各々の重水素化された位置での重水素の存在比は、前記1または複数の位置で10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%または80%よりも高い、好ましくは90%、95%、96%または97%よりも高い、さらにより好ましくは98%または99%よりも高い。各々の重水素化された位置の重水素の存在比が、他の1または複数の重水素化された位置の重水素の存在比とは無関係であることは理解される。
1または複数の重水素原子を一般式(I)の化合物に選択的に組み込むことは、分子の物理化学的性質(例えば、酸度[A.Streitwieserら,J.Am.Chem.Soc.,1963,85,2759;C.L.Perrinら,J.Am.Chem.Soc.,2007,129,4490]、塩基性度[C.L.Perrinら,J.Am.Chem.Soc.,2003,125,15008;C.L.Perrin in Advances in Physical Organic Chemistry,44,144;C.L.Perrinら,J.Am.Chem.Soc.,2005,127,9641]、親油性[B.Testaら,Int.J.Pharm.,1984,19(3),271])および/または代謝プロファイルを変えることがあり、親化合物と代謝産物の比、または生じる代謝産物の量に変化をもたらすことがある。そのような変化は、結果としてある特定の治療上の利点となることがあり、それゆえに一部の状況で好ましいことがある。代謝産物の比率が変化している、代謝および代謝切り替えの割合の低下は報告されている(D.J.Kushnerら,Can.J.Physiol.Pharmacol.,1999,77,79;A.E.Mutlibら,Toxicol.Appl.Pharmacol.,2000,169,102)。親薬物および代謝産物への曝露におけるこれらの変化は、一般式(I)の重水素含有化合物の薬動力学、忍容性および効力に関して重要な結果を有し得る。一部の例では、重水素置換は、望ましくないかまたは有毒な代謝産物の形成を減らすかまたは無くし、望ましい代謝産物の形成を強化する(例えばNevirapine:A.M.Sharmaら,Chem.Res.Toxicol.,2013,26,410;Uetrechtら,Chemical Research in Toxicology,2008,21,9,1862;Efavirenz:A.E.Mutlibら,Toxicol.Appl.Pharmacol.,2000,169,102)。その他の例では、重水素化の主な効果は、全身クリアランスの比率を低下させることである。結果として、化合物の生物学的半減期は増加する。有望な臨床上の利益には、ピーク値の低下およびトラフ値の増加を伴う、同様の全身曝露を維持する能力が含まれるであろう。これは、特定の化合物の薬物動態/薬力学の関係に応じて、副作用の低下および効力の増強という結果をもたらし得る。インディプロン(A.J.Moralesら,Abstract 285、第15回国際薬物動態学会北米会議(The 15th North American Meeting of the International Society of Xenobiotics)、カリフォルニア州サンディエゴ、2008年10月12〜16日)、ML−337(C.J.Wenthurら,J.Med.Chem.,2013,56,5208)、およびオダナカチブ(K.Kassahunら,国際公開第2012/112363号)は、この重水素の効果の例である。代謝速度の低下が全身クリアランス速度を変えることなく薬物の曝露を増加させるさらに他のケースが報告されている(例えばロフェコキシブ:F.Schneiderら,Arzneim.Forsch.Drug.Res.,2006,56,295;テラプレビル:F.Maltaisら,J.Med.Chem.,2009,52,7993)。この効果を示す重水素化薬物は、投薬の要件の減少(例えば望ましい効果を実現するための用量数を低下または投薬量の低下)を減らすことがあり、かつ/あるいは、代謝産物量の低下を生じることがある。
一般式(I)の化合物は、代謝を攻撃する、複数の可能性のある場所を有することがある。物理化学的性質および代謝プロファイルに対する上記の効果を最適化するため、ある特定のパターンの1または複数の重水素−水素交換を有する、一般式(I)の重水素含有化合物を選択することができる。特に、一般式(I)の1または複数の重水素含有化合物の1または複数の重水素原子は、炭素原子と結合していて、かつ/または、例えばシトクロムP450などの酵素を代謝するための攻撃の場所である、一般式(I)の化合物の位置に位置している。
別の実施形態では、本発明は、1、2、3または4個の重水素原子を有する、特に、1、2または3個の重水素原子を含む一般式(I)の重水素含有化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、CD3およびOCD3から選択される1または複数の基を含む一般式(I)の重水素含有化合物に関する。
化合物、塩、多形、水和物、溶媒和物などの語の複数形が本明細書で使用される場合、これは、単一の化合物、塩、多形、異性体、水和物、溶媒和物なども意味するとみなされる。
「安定な化合物」または「安定な構造」により、反応混合物からの有用な程度の純度までの単離、および有効な治療剤への製剤化を生き延びるのに十分に堅牢である化合物が意味される。
本発明の化合物は、場合により種々の所望の置換基の位置および性質に応じて、1個または複数の不斉中心を含む。不斉炭素原子は、(R)または(S)配置で存在し得、それは単一の不斉中心の場合にはラセミ混合物、複数の不斉中心の場合にはジアステレオマー混合物をもたらし得る。特定の例では、所与の結合、例えば、指定される化合物の2個の置換芳香環を接合する中心結合の周りの回転が制限されるために非対称が存在する場合もある。
本発明の化合物は、場合により非対称の硫黄原子、例えば、構造:
Figure 0006824954
(式中、は分子の残りが結合し得る原子を示す)
の非対称スルホキシドを含む。
環上の置換基はシス型またはトランス型のいずれで存在してもよい。全てのこのような配置(エナンチオマーおよびジアステレオマーを含む)が本発明の範囲に含まれることが意図されている。
好ましい化合物は、より望ましい生物学的活性をもたらすものである。本発明の化合物の分離された、純粋なまたは部分的に精製された異性体および立体異性体あるいはラセミまたはジアステレオマー混合物も本発明の範囲に含まれる。このような材料の精製および分離は、当技術分野で知られている標準的技術によって達成することができる。
光学異性体は、従来法によるラセミ混合物の分割、例えば、光学活性酸もしくは塩基を用いたジアステレオ異性体塩の形成または共有結合性ジアステレオマーの形成によって得ることができる。適当な酸の例には、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびカンファースルホン酸がある。ジアステレオ異性体の混合物は、当技術分野で知られている方法、例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶によって、その物理的および/または化学的違いに基づいて個々のジアステレオマーに分離することができる。その後、光学活性塩基または酸を分離したジアステレオマー塩から遊離させる。光学異性体の別の分離法は、エナンチオマーの分離を最大化するために選択してもよい、従来の誘導体化を用いるまたは用いない、キラルクロマトグラフィー(例えば、キラルHPLCカラム)の使用を含む。適当なキラルHPLCカラムは、Daicelによって製造されており、例えば、数ある中でも全て日常的に選択可能なChiracel ODおよびChiracel OJがある。誘導体化を用いるまたは用いない酵素分離も有用である。本発明の光学活性化合物はさらに、光学活性出発物質を利用したキラル合成によっても得ることができる。
異性体の異なる型を互いから限定するために、IUPAC Rules Section E(Pure Appl Chem 45、11〜30、1976)が参照される。
本発明は、単一の立体異性体として、または任意の比の前記立体異性体、例えば、R−またはS−異性体の任意の混合物として本発明の化合物の全ての可能な立体異性体を含む。本発明の化合物の単一の立体異性体、例えば、単一のエナンチオマーまたは単一のジアステレオマーの単離は、任意の適当な先行技術の方法、例えば、クロマトグラフィー、特にキラルクロマトグラフィーによって達成される。
さらに、本発明の化合物は、本発明の化合物の少なくとも1個の窒素が酸化されているという点で定義されるN−オキシドとして存在することができる。本発明は、全てのこのような可能なN−オキシドを含む。
本発明はまた、本明細書に開示される化合物の有用な形態、例えば、代謝産物、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、塩、特に薬学的に許容される塩、および共沈物に関する。
本発明の化合物は水和物または溶媒和物として存在することができ、本発明の化合物は例えば、化合物の結晶格子の構造要素として極性溶媒、特に水、メタノールまたはエタノールを含む。極性溶媒、特に水の量は、化学量論比または非化学量論比で存在し得る。化学量論的溶媒和物の場合、例えば、水和物、半−、(セミ−)、一−、セスキ−、二−、三−、四−、五−等溶媒和物、または水和物がそれぞれ可能である。本発明は、全てのこのような水和物または溶媒和物を含む。
さらに、本発明の化合物は、遊離型で、例えば、遊離塩基もしくは遊離酸もしくは双性イオンとして存在することができる、または塩型で存在することができる。前記塩は任意の塩、有機または無機付加塩のいずれか、特に薬学で習慣的に使用される任意の薬学的に許容される有機または無機付加塩であり得る。
「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の比較的非毒性の無機または有機酸付加塩を指す。例えば、S.M.Bergeら「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.1977、66、1〜19を参照されたい。
本発明の化合物の適当な薬学的に許容される塩は、例えば、十分に塩基性の、鎖中または環内に窒素原子を有する本発明の化合物の酸付加塩、例えば、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、重硫酸、リン酸または硝酸による酸付加塩、または有機酸、例えば、ギ酸、酢酸、アセト酢酸、ピルビン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、安息香酸、サリチル酸、2−(4−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸、ショウノウ酸、ケイヒ酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、パモ酸、ペクチニン酸、過硫酸、3−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバル酸、2−ヒドロキシエタンスルホネート、イタコン酸、スルファミン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、ナフタリンジスルホン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、アルギン酸、マレイン酸、フマル酸、D−グルコン酸、マンデル酸、アスコルビン酸、グルコヘプタン酸、グリセロリン酸、アスパラギン酸、スルホサリチル酸、ヘミ硫酸またはチオシアン酸による酸付加塩であり得る。
さらに、十分に酸性の本発明の化合物の別の適当な薬学的に許容される塩は、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウムもしくはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウムもしくはマグネシウム塩、アンモニウム塩または生理学的に許容されるカチオンを与える有機塩基による塩、例えば、N−メチル−グルカミン、ジメチル−グルカミン、エチル−グルカミン、リジン、ジシクロヘキシルアミン、1,6−ヘキサジアミン、エタノールアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、トリス−ヒドロキシ−メチル−アミノメタン、アミノプロパンジオール、sovak塩基、1−アミノ−2,3,4−ブタントリオールによる塩である。さらに、塩基性窒素含有基は、低級ハロゲン化アルキル(例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピルならびにブチル);硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、ジエチルおよびジブチル);および硫酸ジアミル、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルならびにステアリル)、ハロゲン化アラルキル(例えば、臭化ベンジルおよびフェネチル)などの剤によって四級化され得る。
当業者であれば、請求される化合物の酸付加塩が、いくつかの既知の方法のいずれかを介して化合物と適当な無機酸または有機酸の反応によって調製され得ることをさらに認識するだろう。あるいは、本発明の酸性化合物のアルカリおよびアルカリ土類金属塩は、種々の既知の方法を介して本発明の化合物を適当な塩基と反応させることによって調製される。
本発明は、単一の塩として、または任意の比の前記塩の任意の混合物として本発明の化合物の全ての可能な塩を含む。
本文中、特に実験節において、本発明の中間体および実施例の合成について、化合物を対応する塩基または酸による塩型として言及する場合、それぞれの調製および/または精製工程によって得られる前記塩型の正確な化学量論的組成は、ほとんどの場合、未知である。
特に指定しない限り、例えば、「塩酸塩」、「トリフルオロアセテート」、「ナトリウム塩」または「xHCl」、「xCF3COOH」、「xNa」などの化学名または構造式の接尾辞は、化学量論的指定としてではなく、単なる塩型として理解されるべきである。
合成中間体もしくは実施例化合物またはこれらの塩を、(定義する場合)未知の化学量論的組成の水和物などの溶媒和物として、調製および/または精製工程によって得た場合にもこれが同様に当てはまる。
本明細書で使用される場合、「インビボ加水分解性エステル」という用語は、カルボキシまたはヒドロキシ基を含む本発明の化合物のインビボ加水分解性エステル、例えば、ヒトまたは動物体内で加水分解して親酸またはアルコールを生成する薬学的に許容されるエステルを意味するものと理解される。カルボキシについての適当な薬学的に許容されるエステルには、例えば、アルキル、シクロアルキルおよび場合により置換されているフェニルアルキル、特にベンジルエステル、C1〜C6アルコキシメチルエステル、例えば、メトキシメチル、C1〜C6アルカノイルオキシメチルエステル、例えば、ピバロイルオキシメチル、フタリジルエステル、C3〜C8シクロアルコキシ−カルボニルオキシ−C1〜C6アルキルエステル、例えば、1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル;1,3−ジオキソレン−2−オニルメチルエステル、例えば、5−メチル−1,3−ジオキソレン−2−オニルメチル;およびC1〜C6−アルコキシカルボニルオキシエチルエステル、例えば、1−メトキシカルボニルオキシエチルが含まれ、これらは本発明の化合物中のいずれのカルボキシ基で形成されてもよい。
ヒドロキシ基を含む本発明の化合物のインビボ加水分解性エステルには、無機エステル、例えば、リン酸エステルおよび[α]−アシルオキシアルキルエーテルおよびエステルのインビボ加水分解の結果として分解して親ヒドロキシ基を与える関連化合物が含まれる。[α]−アシルオキシアルキルエーテルの例としては、アセトキシメトキシおよび2,2−ジメチルプロピオニルオキシメトキシが挙げられる。ヒドロキシについてのインビボ加水分解性エステル形成基の選択には、アルカノイル、ベンゾイル、フェニルアセチルおよび置換ベンゾイルおよびフェニルアセチル、アルコキシカルボニル(アルキルカルボネートエステルを与える)、ジアルキルカルバモイルおよびN−(ジアルキルアミノエチル)−N−アルキルカルバモイル(カルバメートを与える)、ジアルキルアミノアセチルおよびカルボキシアセチルが含まれる。本発明は全てのこのようなエステルを網羅する。
さらに、本発明は、本発明の化合物の全ての可能な結晶型または多形を、単一多形としてまたは任意の比の2種以上の多形の混合物として含む。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がハロゲン原子または
C1〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキル、C1〜C6−アルコキシ、C3〜C6−シクロアルキルオキシ、C1〜C6−ハロアルキルおよびC1〜C6−ハロアルコキシ
から選択される基を表し;
R2が水素原子を表し;
R3
Figure 0006824954
(式中、*は前記基と分子の残りとの付着点を示す)
から選択される基を表し;
R4が水素原子またはハロゲン原子を表し;
R5がC1〜C8−ヒドロキシアルキル基を表し、
該基が場合により1個または2個のC1〜C2−ハロアルキル基で置換されており;
R6が水素原子またはハロゲン原子または
C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、C3〜C6−シクロアルキル、C3〜C6−シクロアルキルオキシ、C1〜C6−ハロアルキルおよびC1〜C6−ハロアルコキシ
から選択される基を表し;
R7が水素原子を表す、
上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がハロゲン原子または
C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、C1〜C3−ハロアルキルおよびC1〜C3−ハロアルコキシ
から選択される基を表し;
R2が水素原子を表し;
R3
Figure 0006824954
(式中、*は前記基と分子の残りとの付着点を示す)
から選択される基を表し;
R4が水素原子またはハロゲン原子を表し;
R5がC1〜C6−ヒドロキシアルキル基を表し、
該基が場合により1個または2個のC1〜C2−ハロアルキル基で置換されており;
R6が水素原子またはハロゲン原子または
C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、C1〜C3−ハロアルキルおよびC1〜C3−ハロアルコキシ
から選択される基を表し;
R7が水素原子を表す、
上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がイソプロピル、イソプロポキシおよびトリフルオロメトキシから選択される基を表し;
R2が水素原子を表し;
R3
Figure 0006824954
(式中、*は前記基と分子の残りとの付着点を示す)
から選択される基を表し;
R4が水素原子を表し;
R5がC1〜C5−ヒドロキシアルキル基を表し、
該基が場合によりトリフルオロメチル基で置換されており;
R6が水素原子またはフッ素原子または
メチルおよびメトキシ
から選択される基を表し;
R7が水素原子を表す、
上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメトキシ基を表し;
R2が水素原子を表し;
R3
Figure 0006824954
(式中、*は前記基と分子の残りとの付着点を示す)
から選択される基を表し;
R4が水素原子を表し;
R5がC1〜C5−ヒドロキシアルキル基を表し、
該基が場合によりトリフルオロメチル基で置換されており;
R6が水素原子またはフッ素原子または
メチルおよびメトキシ
から選択される基を表し;
R7が水素原子を表す、
上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がイソプロピル、イソプロポキシおよびトリフルオロメトキシから選択される基を表し;
R2が水素原子を表し;
R3
Figure 0006824954
(式中、*は前記基と分子の残りとの付着点を示す)
から選択される基を表し;
R4が水素原子を表し;
R5
ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシプロパン−2−イル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−3−メチルブチルおよび2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル
から選択される基を表し;
R6が水素原子またはフッ素原子または
メチルおよびメトキシ
から選択される基を表し;
R7が水素原子を表す、
上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメトキシ基を表し;
R2が水素原子を表し;
R3
Figure 0006824954
(式中、*は前記基と分子の残りとの付着点を示す)
から選択される基を表し;
R4が水素原子を表し;
R5
ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシプロパン−2−イル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−3−メチルブチルおよび2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル
から選択される基を表し;
R6が水素原子またはフッ素原子または
メチルおよびメトキシ
から選択される基を表し;
R7が水素原子を表す、
上記の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、一般式(I−a):
Figure 0006824954
(式中、
R1はトリフルオロメトキシ基を表し;
R2は水素原子を表し;
R4は水素原子を表し;
R5はC1〜C5−ヒドロキシアルキル基を表し、
該基は場合によりトリフルオロメチル基で置換されており;
R6は水素原子またはフッ素原子または
メチルおよびメトキシ
から選択される基を表し;
R7は水素原子を表す)
の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメトキシ基を表し;
R2が水素原子を表し;
R4が水素原子を表し;
R5
2−ヒドロキシプロパン−2−イルおよび2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル
から選択される基を表し;
R6がメチル基を表し;
R7が水素原子を表す、
上記の一般式(I−a)の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、一般式(I−b)または(I−c):
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
(式中、
R1はトリフルオロメトキシ基を表し;
R2は水素原子を表し;
R4は水素原子を表し;
R5はC1〜C5−ヒドロキシアルキル基を表し、
該基は場合によりトリフルオロメチル基で置換されており;
R6は水素原子またはフッ素原子または
メチルおよびメトキシ
から選択される基を表し;
R7は水素原子を表す)
の化合物、またはそのN−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメトキシ基を表し;
R2が水素原子を表し;
R4が水素原子を表し;
R5
ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシプロパン−2−イル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルおよび3−ヒドロキシ−3−メチルブチル
から選択される基を表し;
R6が水素原子またはフッ素原子または
メチルおよびメトキシ
から選択される基を表し;
R7が水素原子を表す、
上記の一般式(I−b)または(I−c)の化合物、またはそのN−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、一般式(I−d):
Figure 0006824954
(式中、
R1はイソプロピル、イソプロポキシおよびトリフルオロメトキシから選択される基を表し;
R2は水素原子を表し;
R4は水素原子を表し;
R5はC1〜C5−ヒドロキシアルキル基を表し、
該基は場合によりトリフルオロメチル基で置換されており;
R6は水素原子またはフッ素原子または
メチルおよびメトキシ
から選択される基を表し;
R7は水素原子を表す)
の化合物、またはそのN−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、一般式(I−d):
Figure 0006824954
(式中、
R1はトリフルオロメトキシ基を表し;
R2は水素原子を表し;
R4は水素原子を表し;
R5はC1〜C5−ヒドロキシアルキル基を表し、
該基は場合によりトリフルオロメチル基で置換されており;
R6は水素原子またはフッ素原子または
メチルおよびメトキシ
から選択される基を表し;
R7は水素原子を表す)
の化合物、またはそのN−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がイソプロピル、イソプロポキシおよびトリフルオロメトキシから選択される基を表し;
R2が水素原子を表し;
R4が水素原子を表し;
R5が2−ヒドロキシプロパン−2−イル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルおよび3−ヒドロキシ−3−メチルブチルから選択される基を表し;
R6が水素原子を表し;
R7が水素原子を表す、
上記の一般式(I−d)の化合物、またはそのN−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメトキシ基を表し;
R2が水素原子を表し;
R4が水素原子を表し;
R5が2−ヒドロキシプロパン−2−イル基を表し;
R6が水素原子を表し;
R7が水素原子を表す、
上記の一般式(I−d)の化合物、またはそのN−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がハロゲン原子またはC1〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキル、C1〜C6−アルコキシ、C3〜C6−シクロアルキルオキシ、C1〜C6−ハロアルキル、C1〜C6−ハロアルコキシ、シアノ、(C1〜C6−アルキル)−S−、(C1〜C6−アルキル)−S(=O)−、(C1〜C6−アルキル)−S(=O)2−、(C1〜C6−ハロアルキル)−S−、(C1〜C6−ハロアルキル)−S(=O)−、(C1〜C6−ハロアルキル)−S(=O)2−、−C(=O)OR9、−C(=O)N(R10)R11および−N(R10)R11から選択される基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がハロゲン原子またはC1〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキル、C1〜C6−アルコキシ、C3〜C6−シクロアルキルオキシ、C1〜C6−ハロアルキルおよびC1〜C6−ハロアルコキシから選択される基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がハロゲン原子またはC1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、C1〜C3−ハロアルキルおよびC1〜C3−ハロアルコキシから選択される基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がイソプロピル、イソプロポキシおよびトリフルオロメトキシから選択される基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がイソプロピル基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がイソプロポキシ基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメトキシ基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R2が水素原子を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R3
Figure 0006824954
(式中、は前記基と分子の残りとの付着点を示す)
から選択される基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R3
Figure 0006824954
(式中、は前記基と分子の残りとの付着点を示す)
から選択される基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R3
Figure 0006824954

(式中、*は前記基と分子の残りとの付着点を示す)
を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R3
Figure 0006824954

(式中、*は前記基と分子の残りとの付着点を示す)
を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R3
Figure 0006824954

(式中、*は前記基と分子の残りとの付着点を示す)
を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R4が水素原子またはハロゲン原子を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R4が水素原子を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5がC1〜C10−ヒドロキシアルキル基を表し、該基が場合により1個または2個のC1〜C2−ハロアルキル基で置換されている、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5がC1〜C8−ヒドロキシアルキル基を表し、該基が場合により1個または2個のC1〜C2−ハロアルキル基で置換されている、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5がC1〜C6−ヒドロキシアルキル基を表し、
該基が場合により1個または2個のC1〜C2−ハロアルキル基で置換されている、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5がC1〜C5−ヒドロキシアルキル基を表し、該基が場合によりトリフルオロメチル基で置換されている、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5がヒドロキシメチル、2−ヒドロキシプロパン−2−イル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−3−メチルブチルおよび2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチルから選択される基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5が2−ヒドロキシプロパン−2−イルおよび2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチルから選択される基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5がヒドロキシメチル、2−ヒドロキシプロパン−2−イル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルおよび3−ヒドロキシ−3−メチルブチルから選択される基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5が2−ヒドロキシプロパン−2−イル基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5が2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5が3−ヒドロキシ−3−メチルブチル基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R6が水素原子またはハロゲン原子または
C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、C3〜C6−シクロアルキル、C3〜C6−シクロアルキルオキシ、C1〜C6−ハロアルキル、C1〜C6−ハロアルコキシおよびシアノ
から選択される基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R6が水素原子またはハロゲン原子または
C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、C1〜C3−ハロアルキルおよびC1〜C3−ハロアルコキシ
から選択される基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R6が水素原子またはフッ素原子またはメチルおよびメトキシから選択される基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、一般式(I−a):
Figure 0006824954
(式中、R1、R2、R4、R5、R6、およびR7は上記の一般式(I)の化合物について定義される通りである)
の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメトキシ基を表す、
上記の一般式(I−a)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R2が水素原子を表す、
上記の一般式(I−a)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R4が水素原子を表す、
上記の一般式(I−a)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5がC1〜C5−ヒドロキシアルキル基を表し、該基が場合によりトリフルオロメチル基で置換されている、
上記の一般式(I−a)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5が2−ヒドロキシプロパン−2−イルおよび2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチルから選択される基を表す、
上記の一般式(I−a)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R6が水素原子またはフッ素原子またはメチルおよびメトキシから選択される基を表す、
上記の一般式(I−a)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R6がメチル基を表す、
上記の一般式(I−a)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R7が水素原子を表す、
上記の一般式(I−a)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、一般式(I−b)または(I−c):
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
(式中、R1、R2、R4、R5、R6、およびR7は上記の一般式(I)の化合物について定義される通りである)
の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメトキシ基を表す、
上記の一般式(I−b)または(I−c)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R2が水素原子を表す、
上記の一般式(I−b)または(I−c)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R4が水素原子を表す、
上記の一般式(I−b)または(I−c)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5がC1〜C5−ヒドロキシアルキル基を表し、該基が場合によりトリフルオロメチル基で置換されている、
上記の一般式(I−b)または(I−c)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5がヒドロキシメチル、2−ヒドロキシプロパン−2−イル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルおよび3−ヒドロキシ−3−メチルブチルから選択される基を表す、
上記の一般式(I−b)または(I−c)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R6が水素原子またはフッ素原子または
メチルおよびメトキシ
から選択される基を表す、
上記の一般式(I−b)または(I−c)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R7が水素原子を表す、
上記の一般式(I−b)または(I−c)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、一般式(I−d):
Figure 0006824954
(式中、R1、R2、R4、R5、R6、およびR7は上記の一般式(I)の化合物について定義される通りである)
の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がイソプロピル、イソプロポキシおよびトリフルオロメトキシから選択される基を表す、
上記の一般式(I−d)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がイソプロピル基を表す、
上記の一般式(I−d)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がイソプロポキシ基を表す、
上記の一般式(I−d)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R1がトリフルオロメトキシ基を表す、
上記の一般式(I−d)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R2が水素原子を表す、
上記の一般式(I−d)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R4が水素原子を表す、
上記の一般式(I−d)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5がC1〜C5−ヒドロキシアルキル基を表し、該基が場合によりトリフルオロメチル基で置換されている、
上記の一般式(I−d)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5が2−ヒドロキシプロパン−2−イル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルおよび3−ヒドロキシ−3−メチルブチルから選択される基を表す、
上記の一般式(I−d)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5が2−ヒドロキシプロパン−2−イル基を表す、
上記の一般式(I−d)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5が2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R5が3−ヒドロキシ−3−メチルブチル基を表す、
上記の一般式(I)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R6が水素原子またはフッ素原子または
メチルおよびメトキシ
から選択される基を表す、
上記の一般式(I−d)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R6が水素原子を表す、
上記の一般式(I−d)の化合物に関する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、
R7が水素原子を表す、
上記の一般式(I−d)の化合物に関する。
本発明はまた上記好ましい実施形態の任意の組合せに関することも理解されるべきである。
さらに、本発明は、下記の本文の実施例節で開示される一般式(I)、(I−a)、(I−b)、(I−c)および(I−d)の化合物を網羅する。
別の態様によると、本発明は、本明細書の実験節で記載されるステップを含む、本発明の化合物を調製する方法を網羅する。
さらなる態様によると、本発明は、上記の一般式(I−a)、(I−b)、(I−c)および(I−d)の化合物の調製に有用な中間体化合物を網羅する。
さらに、本発明は、下記の本文の実施例節で開示される中間体化合物を網羅する。
さらなる態様によると、本発明は、上に定義される一般式(I)の化合物を調製するための、一般式(II):
Figure 0006824954
(式中、R1、R2、R3、R4、R6およびR7は上記の一般式(I)の化合物について定義される通りであり、Aは基−C(=O)OR10または基−(C1〜C10−アルキル)−C(=O)OR10または基−CH(=O)または基−(C1〜C10−アルキル)−CH(=O)(式中、R10はアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはtert−ブチル基を表す)を表す)
の中間体化合物の使用を網羅する。
さらなる態様によると、本発明は、上に定義される一般式(I−a)の化合物を調製するための、一般式(II−a):
Figure 0006824954
(式中、R1、R2、R4、R6およびR7は上記の一般式(I)の化合物について定義される通りであり、Aは基−C(=O)OR10または基−(C1〜C10−アルキル)−C(=O)OR10または基−CH(=O)または基−(C1〜C10−アルキル)−CH(=O)(式中、R10はアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはtert−ブチル基を表す)を表す)
の中間体化合物の使用を網羅する。
さらなる態様によると、本発明は、上に定義される一般式(I−b)または(I−c)の化合物を調製するための、一般式(II−b)または(II−c):
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
(式中、R1、R2、R4、R6およびR7は上記の一般式(I)の化合物について定義される通りであり、Aは基−C(=O)OR10または基−(C1〜C10−アルキル)−C(=O)OR10または基−CH(=O)または基−(C1〜C10−アルキル)−CH(=O)(式中、R10はアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはtert−ブチル基を表す)を表す)
の中間体化合物の使用を網羅する。
さらなる態様によると、本発明は、上に定義される一般式(I−d)の化合物を調製するための、一般式(II−d):
Figure 0006824954
(式中、R1、R2、R4、R6およびR7は上記の一般式(I)の化合物について定義される通りであり、Aは基−C(=O)OR10または基−(C1〜C10−アルキル)−C(=O)OR10または基−CH(=O)または基−(C1〜C10−アルキル)−CH(=O)(式中、R10はアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはtert−ブチル基を表す)を表す)
の中間体化合物の使用を網羅する。
さらなる態様によると、本発明は、疾患の治療または予防に使用するための、上記の一般式(I)、(I−a)、(I−b)、(I−c)または(I−d)の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、特にその薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物に関する。
さらなる態様によると、本発明は、上記の一般式(I)、(I−a)、(I−b)、(I−c)または(I−d)の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、特にその薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物と、薬学的に許容される希釈剤または担体とを含む医薬組成物に関する。
特に、医薬配合物は、
上記の一般式(I)、(I−a)、(I−b)、(I−c)または(I−d)の化合物から選択される1種または複数の第1の有効成分と、
化学療法抗癌剤(下記参照)から選択される1種または複数の第2の有効成分と
を含む。
さらなる態様によると、本発明は、疾患を治療または予防するための、上記の一般式(I)、(I−a)、(I−b)、(I−c)または(I−d)の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物または塩、特にその薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物の使用に関する。
さらなる態様によると、本発明は、疾患を予防または治療するための医薬品を調製するための、上記の一般式(I)、(I−a)、(I−b)、(I−c)または(I−d)の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物または塩、特にその薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物の使用に関する。
前記の疾患は特に、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞免疫応答、あるいは不適当な細胞炎症反応の疾患であり、特に、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞免疫応答、あるいは不適当な細胞炎症反応の疾患は血液系腫瘍、固形腫瘍および/またはこれらの転移、例えば、白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、頭頸部腫瘍(脳腫瘍および脳転移を含む)、胸部腫瘍(非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む)、胃腸腫瘍、内分泌腫瘍、乳房および他の婦人科腫瘍、泌尿器腫瘍(腎臓、膀胱および前立腺腫瘍を含む)、皮膚腫瘍、および肉腫、ならびに/あるいはこれらの転移である。
実験節
以下の表1は、本文中で説明しない限り、この段落および実施例節で使用される略語を列挙する。NMRピーク形態はスペクトルに現れる通りに言及し、考えられる高次効果は考慮しなかった。化学名はACD labsのICS命名ツールを使用して作成した。いくつかの場合、商業的に入手可能な試薬の一般的に受け入れられている名称をICS命名ツール作成名の代わりに使用した。
Figure 0006824954
Figure 0006824954
他の略語は、それ自体当業者にとって慣例の意味を有する。
本出願に記載される本発明の種々の態様を以下の実施例によって示すが、これらは本発明を限定することを何ら意図していない。
化合物の合成(概説)
以下のスキームおよび一般的手順は、本発明の一般式(I)の化合物への一般的な合成経路を示すが、限定的であることを意図していない。スキーム1および2に例示されている変換の順序を様々に修正することができることは当業者に自明である。そのため、スキーム1および2に例示されている変換の順序は限定的であることを意図していない。さらに、例示の変形の前および/または後で、置換基、例えば、残基A、R1、R3、R4、R5、R6およびR7の相互変換を行うことができる。これらの修飾は、例えば、保護基の導入、保護基の切断、官能基の還元もしくは酸化、ハロゲン化、金属化、置換または当業者に知られている他の反応などであり得る。これらの変換には、置換基のさらなる相互変換を可能にする官能基を導入するものが含まれる。適当な保護機ならびにその導入および切断は当業者に周知である(例えば、T.W.GreeneおよびP.G.M.WutsのProtective Groups in Organic Synthesis、第3版、Wiley 1999参照)。
スキーム1:
Figure 0006824954
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は上に定義される通りであり、Aは基−C(=O)OR10、または基−(C1〜C10−アルキル)−C(=O)OR10、または基−CH(=O)、または基−(C1〜C10−アルキル)−CH(=O)(式中、R10はアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはtert−ブチル基を表す)を表し、Xはハロゲン原子を表す)。
一般式3のニトロアニリンは、室温〜溶媒の沸点の間の温度、典型的には50〜90℃で、適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルなど)中および適当な塩基(例えば、炭酸カリウムまたはトリエチルアミンなど)の存在下で、一般式2のアミンによる求核置換によって、一般式1のニトロアレーンから得ることができる。一般式2のアミンを用いる代わりに、その対応するアンモニウム塩を同様に使用することもできる。ニトロアレーン1およびアミン2またはその対応するアンモニウム塩は商業的に入手可能な既知の化合物である、または当業者によって既知の方法により既知の化合物から形成され得る。
一般式4のジアミンは、還元によって一般式3のニトロアニリンから得ることができる。還元のために、当業者に知られている全ての方法を適用することができる。ニトロアニリン3を、0℃〜溶媒の沸点の間の温度、典型的には室温で、適当な溶媒(例えば、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メタノールまたはエタノールまたはその混合物)中および金属触媒(例えば、パラジウム炭など)の存在下、1bar〜100barの間の圧力で、水素雰囲気下で水素化することができる。適当な酸(例えば、塩酸または酢酸など)の添加が必要となり得る。あるいは、一般式3のニトロアニリンを、室温〜溶媒の沸点の間の温度、典型的には70℃で、適当な溶媒(例えば、水、メタノールもしくはエタノールまたはこれらの混合物など)中、鉄/塩化アンモニウムまたは塩化スズ(II)を用いて還元することができる。
一般式(II)の化合物は、適切に官能化された式4のジアミンと一般式5のチオイソシアネートの反応から得ることができる。0℃〜溶媒の沸点の間の温度、典型的には70℃で、適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフランなど)中およびカルボジイミド(例えば、ジイソプロピルカルボジイミドなど)またはEDCの存在下で、反応を行う。チオイソシアネート5は商業的に入手可能な既知の化合物である、または当業者によって既知の方法により既知の化合物から形成され得る。
一般式(I)の化合物は、例えば、
適切に官能化された一般式(II)のベンズイミダゾールと還元剤(ジイソブチルアルミニウムヒドリドなど)の反応により(この反応は、適切な溶媒(例えばテトラヒドロフランなど)中、−78℃〜0℃の間の温度で行われる)、
または適切に官能化された一般式(II)のベンズイミダゾールとグリニャール試薬(例えばメチルマグネシウムブロミドなど)の反応により(この反応は、適切な溶媒(例えばテトラヒドロフランなど)中、−30℃〜50℃の間の温度で行われる、好ましくは反応は室温で行われる)、
または適切に官能化された一般式(II)のベンズイミダゾールとアルキルリチウム試薬(例えばメチルリチウムなど)の反応により(この反応は、適切な溶媒(例えばテトラヒドロフランなど)中、−78℃〜室温の間の温度で行われる)、
または適切に官能化された一般式(II)のベンズイミダゾール(式中、Aは基−CH(=O)、または基−(C1〜C10−アルキル)−CH(=O)を表す)と(トリフルオロアルキル)シラン試薬(例えばトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(Ruppert試薬)など)のテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリドの存在下での反応により(この反応は、適切な溶媒(例えばテトラヒドロフランなど)中、−10℃〜40℃の間の温度で行われる、好ましくは反応は室温で行われる)
得ることができる。
スキーム2:
Figure 0006824954
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は上に定義される通りであり、Aは基−C(=O)OR10、または基−(C1〜C10−アルキル)−C(=O)OR10、または基−CH(=O)、または基−(C1〜C10−アルキル)−CH(=O)(式中、R10はアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはtert−ブチル基を表す)を表し、Xはハロゲン原子を表す)。
あるいは、一般式(II)の化合物は、スキーム2に従ってクロロベンズイミダゾール6から得ることができる。適当に官能化されたクロロベンズイミダゾール6を、室温〜溶媒の沸点の間の温度、典型的には110℃で、適当な溶媒(例えば、NMPなど)中、一般式7のアニリンと反応させることができる。アニリン7は商業的に入手可能な既知の化合物である、または当業者によって既知の方法により既知の化合物から形成され得る。
クロロベンズイミダゾール6は、室温〜試薬の沸点の間の温度、典型的には105℃で、塩素化剤(例えば、三塩化リンなど)との反応によって一般式5のベンズイミダゾロンから得ることができる。一般式5のベンズイミダゾロンは、室温〜溶媒の沸点の間の温度、典型的には50℃で、適当な溶媒(例えば、DMFまたはテトラヒドロフランなど)中、一般式4の適当に官能化されたジアミンから、カルボン酸同等物(例えば、CDIなど)、ホスゲンまたはホスゲン誘導体との反応によって合成することができる。
一実施形態によると、本発明はまた、上で定義される一般式(I)の化合物を調製する方法であって、一般式(II):
Figure 0006824954
(式中、R1、R2、R3、R4、R6およびR7は上に定義される通りであり、Aは基−C(=O)OR10、または基−(C1〜C10−アルキル)−C(=O)OR10、または基−CH(=O)、または基−(C1〜C10−アルキル)−CH(=O)(式中、R10はアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはtert−ブチル基を表す)を表す)
の中間体化合物を、
還元剤(ジイソブチルアルミニウムヒドリドなど)と反応させて、
それによって、一般式(I):
Figure 0006824954
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は上記の一般式(I)の化合物について定義される通りである)
の化合物を得るステップを含む方法に関する。
別の実施形態によると、本発明はまた、上で定義される一般式(I)の化合物を調製する方法であって、一般式(II):
Figure 0006824954
(式中、R1、R2、R3、R4、R6およびR7は上に定義される通りであり、Aは基−C(=O)OR10、または基−(C1〜C10−アルキル)−C(=O)OR10、または基−CH(=O)、または基−(C1〜C10−アルキル)−CH(=O)(式中、R10はアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはtert−ブチル基を表す)を表す)
の中間体化合物を、
アルキルグリニャール試薬(メチルマグネシウムブロミドなど)と反応させて、
それによって、一般式(I):
Figure 0006824954
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は上記の一般式(I)の化合物について定義される通りである)
の化合物を得るステップを含む方法に関する。
別の実施形態によると、本発明はまた、上で定義される一般式(I)の化合物を調製する方法であって、一般式(II):
Figure 0006824954
(式中、R1、R2、R3、R4、R6およびR7は上に定義される通りであり、Aは基−C(=O)OR10、または基−(C1〜C10−アルキル)−C(=O)OR10、または基−CH(=O)、または基−(C1〜C10−アルキル)−CH(=O)(式中、R10はアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはtert−ブチル基を表す)を表す)
の中間体化合物を、
アルキルリチウム試薬(メチルリチウムなど)と反応させて、
それによって、一般式(I):
Figure 0006824954
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は上記の一般式(I)の化合物について定義される通りである)
の化合物を得るステップを含む方法に関する。
さらに別の実施形態によると、本発明はまた、上で定義される一般式(I)の化合物を調製する方法であって、一般式(II):
Figure 0006824954
(式中、R1、R2、R3、R4、R6およびR7は上に定義される通りであり、Aは基−CH(=O)、または基−(C1〜C10−アルキル)−CH(=O)を表す)
の中間体化合物を、
(トリフルオロアルキル)シラン試薬(トリメチル(トリフルオロメチル)シランなど)と、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリドの存在下で反応させて、
それによって、一般式(I):
Figure 0006824954
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は上記の一般式(I)の化合物について定義される通りである)
の化合物を得るステップを含む方法に関する。
総論
その合成が実験部に記載されていない全ての試薬は、商業的に入手可能である、または既知の化合物である、または当業者によって既知の方法により既知の化合物から形成され得る。
本発明の方法により製造された化合物および中間体は精製を必要とし得る。有機化合物の精製は当業者に周知であり、同化合物を精製するいくつかの方法が存在し得る。いくつかの場合、精製は必要でない場合もある。いくつかの場合、結晶化によって化合物を精製することができる。いくつかの場合、適当な溶媒を用いて不純物を撹拌することができる。いくつかの場合、例えば、予備充填シリカゲルカートリッジ、例えば、Biotage SNAPカートリッジKP−Sil(登録商標)またはKP−NH(登録商標)をBiotage自動精製装置システム(SP4(登録商標)またはIsolera Four(登録商標))および溶離液(ヘキサン/酢酸エチルまたはDCM/メタノールの勾配など)と組み合わせて使用して、クロマトグラフィー、特にフラッシュカラムクロマトグラフィーによって化合物を精製することができる。いくつかの場合、例えば、ダイオードアレイ検出器および/またはオンラインエレクトロスプレーイオン化質量分析計を備えるWaters自動精製装置を適当な予備充填逆相カラムおよび溶離液、例えば、トリフルオロ酢酸、ギ酸またはアンモニア水などの添加剤を含み得る水およびアセトニトリルの勾配と組み合わせて使用して、分取HPLCによって化合物を精製することができる。
一部の例では、上記のような精製方法によって、例えば、十分に塩基性または酸性の官能性を有する本発明の化合物を塩の形態で、十分に塩基性の本発明の化合物の場合は例えばトリフルオロ酢酸塩またはギ酸塩を、あるいは、十分に酸性の本発明の化合物の場合は例えばアンモニウム塩を得ることができる。この種の塩を、当業者に知られている種々の方法によって、それぞれその遊離塩基もしくは遊離酸型に変換することができるし、後の生物学的アッセイに塩として使用することもできる。単離され、本明細書に記載される本発明の化合物の具体的な形態(例えば、塩、遊離塩基など)は必ずしも具体的な生物学的活性を定量化するために前記化合物を生物学的アッセイに適用することができる唯一の形態ではないことを理解すべきである。
UPLC−MS標準的手順
分析UPLC−MSを下記のように行った。質量(m/z)は、ネガティブモードを示さない限り(ES−)、ポジティブモードエレクトロスプレーイオン化から報告する。大部分で、方法Aを使用する。そうでない場合は指示する。
UPLC−MS方法A
機器:Waters Acquity UPLC−MS SQD 3001;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7 50x2.1mm;溶離液A:水+0.1%ギ酸、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0〜1.6分1〜99%B、1.6〜2.0分99%B;流量0.8mL/分;温度:60℃;注入:2μL;DADスキャン:210〜400nm。
UPLC−MS方法B
機器:Waters Acquity UPLC−MS SQD 3001;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7 50x2.1mm;溶離液A:水+0.2%アンモニア、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0〜1.6分1〜99%B、1.6〜2.0分99%B;流量0.8mL/分;温度:60℃;注入:2μL;DADスキャン:210〜400nm;ELSD。
UPLC−MS方法D
機器:Waters Acquity UPLC−MS ZQ4000;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7 50x2.1mm;溶離液A:水+0.2%アンモニア、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0〜1.6分1〜99%B、1.6〜2.0分99%B;流量0.8mL/分;温度:60℃;注入:2μL;DADスキャン:210〜400nm;ELSD。
UPLC−MS方法E
機器:Waters Acquity UPLC−MS ZQ2000;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7 50x2.1mm;溶離液A:水+0.1%ギ酸、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0〜1.6分1〜99%B、1.6〜2.0分99%B;流量0.8mL/分;温度:60℃;注入:1μL;DADスキャン:210〜400nm;ELSD。
UPLC−MS方法F
機器:Waters Acquity UPLC−MS ZQ2000;カラム:Acquity UPLC BEH C18 1.7 50x2.1mm;溶離液A:水+0.2%アンモニア、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0〜1.6分1〜99%B、1.6〜2.0分99%B;流量0.8mL/分;温度:60℃;注入:1μL;DADスキャン:210〜400nm;ELSD。
UPLC−MS方法G
機器:Waters Acquity UPLC−MS;カラム:XBridge BEH C18 2.5μm 2.1x50mm;溶離液A:10mM重炭酸アンモニウムpH10、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0.80分で2〜98%B、1.30分まで98%Bで維持;流量0.8mL/分;検出:Waters Acquity Autosampler(UPLC LG 500nm)。
UPLC−MS方法I
機器:Waters Acquity UPLC−MS;カラム:XBridge BEH C18 2.5μm 2.1x50mm;溶離液A:10mM重炭酸アンモニウムpH10、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0.80分で60〜98%B、1.30分まで98%Bで維持;流量0.8mL/分;検出:Waters Acquity Autosampler(UPLC LG 500nm)。
LC−MS標準的手順
分析LC−MSを下記のように行った。質量(m/z)は、ネガティブモードを示さない限り(ES−)、ポジティブモードエレクトロスプレーイオン化から報告する。
LC−MS方法A
機器:Waters Alliance 2695 HPLC Pump;カラム:XBridge C18 2.5μm 2.1x20mm;溶離液A:10mM重炭酸アンモニウムpH10、溶離液B:アセトニトリル;勾配:0.18分まで0%B、2.00分まで0〜95%B、2.60分まで95%Bで維持;流量1mL/分;検出:Waters 996 PDA 215〜350nm;実行時間:3.10分。
NMRピーク形態はスペクトルに現れる通りに言及し、考えられる高次効果は考慮しなかった。
得られた一般式(I)のベンズイミダゾールはキラルであり得、キラルHPLCによってそのジアステレオマーおよび/またはエナンチオマーに分離することができる。
中間体
ジアミン中間体
中間体1−1
(±)メチル3−アミノ−4−{[(トランス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエートおよび(±)メチル3−アミノ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエート
Figure 0006824954
および
Figure 0006824954
ならびに
Figure 0006824954
および
Figure 0006824954
ステップ1:メチル3−ニトロ−4−[(3,3,5−トリメチルシクロヘキシル)アミノ]ベンゾエート
メチル4−フルオロ−3−ニトロベンゾエート(商業的に入手可能)22.7g(114mmol)および(±)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンアミン(立体異性体の混合物、商業的に入手可能)16.1g(114mmol)をテトラヒドロフラン460mLに加えた。炭酸カリウム17.3g(125mmol)を添加した後、反応混合物を50℃で45時間加熱した。固体をガラス繊維フィルタを介して濾別し、酢酸エチルで洗浄し、捨てた。濾液を水(200mL)および酢酸エチル(450mL)で希釈した。15分間激しく撹拌した後、有機相を分離した。水相を酢酸エチル(250mL)で洗浄した。合わせた有機抽出物を水(150mL)および食塩水(150mL)で洗浄した。乾燥(硫酸ナトリウム)後、溶媒を蒸発させると、梔子色固体(立体異性体の混合物)35.9g(93%)が得られ、これをさらには精製することなく次のステップに使用した。
UPLC−MS:Rt=1.67分;m/z=321(ES+、M+1)。
ステップ2:メチル3−アミノ−4−{[(トランス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエートおよびメチル3−アミノ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエート
ステップ1からのメチル3−ニトロ−4−[(3,3,5−トリメチルシクロヘキシル)アミノ]ベンゾエート15g(47mmol)を酢酸エチル(706mL)に溶解した。パラジウム炭素0.98g(9.2mmol)を添加した後、反応混合物を水素雰囲気下室温で7時間撹拌した。触媒をガラス繊維フィルタを介して濾別し、酢酸エチルで洗浄した。溶媒を蒸発させた後、残渣をカラムクロマトグラフィー(Biotage、溶離液:ヘキサン/酢酸エチル)によって精製すると、トランスジアステレオマー(ラセミ体として)0.6g(4.2%)およびシスジアステレオマー(ラセミ体として)9.99g(70%)が得られた。
トランス:1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.81−0.97(m,10H),1.21−1.33(m,2H),1.38(d,1H),1.62(d,1H),1.72(d,1H),1.99−2.13(m,1H),3.68−3.78(br.,4H),4.74(br.,3H),6.42(d,1H),7.14−7.24(m,2H).
シス:1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.68−1.06(m,12H),1.35(d,1H),1.62−1.79(m,2H),1.91−2.03(m,1H),3.42−3.57(m,1H),3.70(s,3H),4.72(s,2H),4.82(d,1H),6.45(d,1H),7.11−7.22(m,2H).
中間体1−2
(±)メチル5−アミノ−2−メチル−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエート
Figure 0006824954
および
Figure 0006824954
ステップ1:(±)メチル2−メチル−5−ニトロ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエートおよび(±)メチル2−メチル−5−ニトロ−4−{[(トランス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエート
中間体1−1のステップ1と同様に:メチル4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロベンゾエート(CAS番号[1163287−01−1];5.14g、24.1mmol)をTHF(154mL)中炭酸カリウム(1.10当量、3.67g、26.5mmol)および(±)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンアミン(立体異性体の混合物、商業的に入手可能;1.00当量、3.41g、24.1mmol)と室温で20時間反応させると、標記化合物(8.51g、定量的)がシスジアステレオマーおよびトランスジアステレオマーのラセミ混合物(約7:1)として得られ、これをさらには精製しなかった。
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=335;Rt=1.71/1.72分。
ステップ2:(±)メチル5−アミノ−2−メチル−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエート
中間体1−1のステップ2と同様に:ステップ1からの(±)メチル2−メチル−5−ニトロ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエートおよび(±)メチル2−メチル−5−ニトロ−4−{[(トランス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエートの混合物(約7:1;8.51g、24.2mmol)を酢酸エチル(400mL)中パラジウム炭素(10重量%;0.250当量、643mg、6.04mmol)および水素ガスにより室温で一晩水素化すると、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2−ヘキサン/酢酸エチル)による精製後に、標記化合物(3.7g、50%)がラセミシスジアステレオマーとして得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.66−0.81(m,2H),0.88(d,3H),0.93(s,3H),0.96−1.02(m,4H),1.35−1.38(m,1H),1.65−1.78(m,2H),1.95−1.99(m,1H),2.38(s,3H),3.46−3.55(m,1H),3.69(s,3H),4.51(br.s.,2H),4.75(d,1H),6.28(s,1H),7.15(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=305;Rt=1.49分(方法D)。
中間体1−3
メチル5−アミノ−2−メチル−4−[(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)アミノ]ベンゾエート
Figure 0006824954
ステップ1:4−アミノ−2−メチル−3−ニトロ安息香酸および4−アミノ−2−メチル−5−ニトロ安息香酸
4−アセトアミド−2−メチル安息香酸(CAS番号[103204−69−9];20.0g、104mmol)の濃硫酸中懸濁液を0℃に冷却し、発煙硝酸(1.05当量、4.51mL、109mmol)と濃硫酸(1.85当量、10.5mL、192mmol)の混合物で液滴処理した。反応混合物を室温に加温し、1時間撹拌した。これを氷水に小分けで添加し、形成した橙色沈殿を濾別および風乾すると4−アミノ−2−メチル−3−ニトロ安息香酸と4−アミノ−2−メチル−5−ニトロ安息香酸の混合物(約2:3、17g、84%)が得られ、これをさらには精製することなく次のステップに使用した。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6,major isomer):δ[ppm]=2.46(s,3H),6.82(s,1H),8.58(s,1H)[minor isomer:2.38(s,3H),6.74(d,1H),7.73(d,1H)].
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=197;Rt=0.73分。
ステップ2:メチル4−アミノ−2−メチル−3−ニトロベンゾエートおよびメチル4−アミノ−2−メチル−5−ニトロベンゾエート
メタノール(323mL)中ステップ1からの4−アミノ−2−メチル−3−ニトロ安息香酸と4−アミノ−2−メチル−5−ニトロ安息香酸の混合物(約2:3;40.6g、207mmol)を、濃硫酸(9.5当量、105mL、2.0mol)で液滴処理し、60℃で7時間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ入れ、形成した沈殿を濾別し、冷水で洗浄した。得られた物質を真空中40℃で一晩乾燥させると、メチル4−アミノ−2−メチル−3−ニトロベンゾエートとメチル4−アミノ−2−メチル−5−ニトロベンゾエートの混合物(約2:3、44g、定量的)が得られ、これをさらには精製することなく次のステップに使用した。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6,major isomer):δ[ppm]=2.46(s,3H),3.78(s,3H),6.84(s,1H),7.83(br.s.,2H),8.58(s,1H)[minor isomer:2.37(s,3H),3.75(s,3H),6.51(br.s.,2H),6.75(d,1H),7.73(d,1H)].
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=211;Rt=1.00分。
ステップ3:メチル2−メチル−3−ニトロ−4−[(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)アミノ]ベンゾエートおよびメチル2−メチル−5−ニトロ−4−[(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)アミノ]ベンゾエート
1,2−ジクロロエタン(10mL)中ステップ2からのメチル4−アミノ−2−メチル−3−ニトロベンゾエートとメチル4−アミノ−2−メチル−5−ニトロベンゾエートの混合物(約2:3;1.00g、4.76mmol)および3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサノン(CAS番号[14376−79−5];1.00当量、734mg、4.76mmol)をトリフルオロ酢酸(5mL)で液滴処理し、室温で5分間撹拌し、そこにナトリウムトリアセトキシボロヒドリド([56553−60−7];1.5当量、1.5g、7.1mmol)を小分けで添加し、室温での撹拌を2日間続けた。さらなる量のトリフルオロ酢酸(1mL)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.0当量、1.0g、4.8mmol)を添加し、室温での撹拌を6日間続けた。氷冷した反応混合物をアンモニア水溶液(25%)でクエンチし、水とジクロロメタンに分配した。相を分離し、水相をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2−ヘキサン/酢酸エチル)によって精製すると、メチル2−メチル−3−ニトロ−4−[(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)アミノ]ベンゾエートとメチル2−メチル−5−ニトロ−4−[(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)アミノ]ベンゾエートの混合物(約4:1、667mg、39%)が得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,major isomer):δ[ppm]=0.89−1.17(m,14H),1.20−1.29(m,2H),1.59−1.62(m,2H)[minor isomer:1.74−1.77(m,2H)],2.36(s,3H)[minor isomer:2.57(s,3H)],3.65−3.74(m,1H),3.77(s,3H)[minor isomer:3.80(s,3H)],5.98(d,1H),6.81(d,1H),7.84(d,1H)[minor isomer:6.93(s,1H),8.05(d,1H),8.66(s,1H)].
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=349;Rt=1.73/1.76分。
ステップ4:メチル5−アミノ−2−メチル−4−[(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)アミノ]ベンゾエート
酢酸エチル(30mL)中ステップ3からのメチル2−メチル−3−ニトロ−4−[(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)アミノ]ベンゾエートとメチル2−メチル−5−ニトロ−4−[(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)アミノ]ベンゾエートの混合物(約4:1;660mg、1.89mmol)をパラジウム炭素(10重量%;0.25当量、50mg、0.47mmol)で処理し、水素雰囲気下室温で一晩撹拌した。反応混合物をCelite上で濾過し、酢酸エチルで洗浄し、濾液を真空中で濃縮した。得られた位置異性体混合物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2−ヘキサン/酢酸エチル)によって精製すると、メチル3−アミノ−2−メチル−4−[(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)アミノ]ベンゾエート(357mg、59%)が微量の異性体メチル5−アミノ−2−メチル−4−[(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)アミノ]ベンゾエート(中間体1−3;111mg、17%)と一緒に得られた。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.91(s,6H),0.99(t,2H),1.06−1.11(m,7H),1.25−1.30(m,1H),1.72−1.76(m,2H),2.38(s,3H),3.56−3.64(m,1H),3.69(s,3H),4.54(br.s.,2H),4.79(d,1H),6.26(s,1H),7.16(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=319;Rt=1.52分。
中間体1−4
(±)メチル5−アミノ−2−メトキシ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエート
Figure 0006824954
および
Figure 0006824954
ステップ1:(±)メチル2−フルオロ−5−ニトロ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエートおよび(±)メチル4−フルオロ−5−ニトロ−2−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエート
メチル2,4−ジフルオロ−5−ニトロベンゾエート(CAS番号[125568−71−0];15.7g、72.3mmol)のアセトニトリル(360mL)中溶液をトリエチルアミン(1.30当量、13.1mL、94.0mmol)および(±)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンアミン(立体異性体の混合物、商業的に入手可能;1.40当量、14.3g、101mmol)で処理し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を水(300mL)で希釈し、混合物のpHを塩酸水溶液(2M)を添加することによってpH3に調整した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮すると、(±)メチル2−フルオロ−5−ニトロ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエートおよび(±)メチル4−フルオロ−5−ニトロ−2−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエートの混合物(約78:22、33.5g、定量的)が得られた。物質(微量の対応するトランス生成物を含んでいた)をさらに精製することなく次のステップに使用した。
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=339;Rt=1.72/1.76分。
ステップ2:(±)メチル2−メトキシ−5−ニトロ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエート
メタノール(15mL)中ステップ1からの(±)メチル2−フルオロ−5−ニトロ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエートと(±)メチル4−フルオロ−5−ニトロ−2−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエートの氷冷混合物(約78:22;7.00g、16.5mmol)をナトリウムメトキシドのメタノール中溶液(CAS番号[124−41−4];10当量、30重量%溶液38mL)でゆっくり処理し、0℃で1時間撹拌した。懸濁液を酢酸エチルで溶解し、水で洗浄した。相を分離し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2−ヘキサン/酢酸エチル)によって精製すると標記化合物(2.9g、50%)がラセミシスジアステレオマーとして得られた。
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=351;Rt=1.57分。
ステップ3:(±)メチル5−アミノ−2−メトキシ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエート
中間体1−1のステップ2と同様に:ステップ2からの(±)メチル2−メトキシ−5−ニトロ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエート(2.07g、5.26mmol)を、酢酸エチル(80mL)中パラジウム炭素(10重量%;0.250当量、140mg、1.31mmol)および水素ガスにより室温で一晩水素化すると、標記化合物(1.9g、定量的)が得られ、これをさらに精製することなく次にステップに使用した。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.73−0.82(m,2H),0.90(d,3H),0.93−0.99(m,4H),1.01(s,3H),1.36−1.39(m,1H),1.71−1.82(m,2H),1.95−1.99(m,1H),3.47−3.58(m,1H),3.65(s,3H),3.69(s,3H),4.29(br.s.,2H),4.91(d,1H),6.10(s,1H),7.03(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=321;Rt=1.26分(方法E)。
中間体1−5
(±)メチル(5−アミノ−2−メチル−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセテート
Figure 0006824954
および
Figure 0006824954
ステップ1:(4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロフェニル)酢酸
(4−フルオロ−2−メチルフェニル)酢酸(6g、35mmol、CAS番号[407640−40−8])を濃硫酸(36ml)に懸濁し、−10℃に冷却した。次いで、硝酸(1.8ml、90%)と濃硫酸(2.6ml)の混合物を滴加し、−10℃で1時間撹拌し、氷に注ぎ入れた。沈殿を濾別し、乾燥させると標記化合物6.46g(84%)が得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=2.31(s,3H),3.75(s,2H),7.45(d,1H),8.05(d,1H).
ステップ2:メチル(4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロフェニル)アセテート
ステップ1からの(4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロフェニル)酢酸(9g、42mmol)のメタノール(78mL)中溶液を氷浴中で冷却し、濃硫酸(3.50当量、7.8mL、147mmol)で液滴処理した。添加と同時に、混合物を室温に加温し、この温度で24時間撹拌した。反応混合物を真空中で半分の体積に濃縮し、酢酸エチルで希釈し、有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液および食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮すると、標記化合物(8.7g、90%)が得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=2.32(s,3H),3.64(s,3H),3.88(s,2H),7.48(d,1H),8.09(d,1H).
ステップ3:(±)メチル(2−メチル−5−ニトロ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセテート
ステップ2からのメチル(4−フルオロ−2−メチル−5−ニトロフェニル)アセテート2g(8.8mmol)をテトラヒドロフラン133mLに加えた。炭酸カリウム1.33g(9.6mmol)を添加した後、反応混合物を室温で10分間撹拌した。(±)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンアミン(立体異性体の混合物、商業的に入手可能)1.6g(11mmol)を添加し、反応混合物を50℃で一晩加熱した。反応混合物を濾過し、濾液を蒸発させた。残渣を酢酸エチルと水に分配した。水相を酢酸エチルで2回再抽出し、合わせた有機抽出物を乾燥させた(硫酸ナトリウム)。溶媒を蒸発させると、所望の生成物3.32g(>100%)が得られた。
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=349;Rt=1.65分(方法F)。
ステップ4:(±)メチル(5−アミノ−2−メチル−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセテート
ステップ3からの(±)メチル(2−メチル−5−ニトロ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセテート3.3g(9.5mmol)を酢酸エチル(143mL)に溶解した。パラジウム炭素198mg(1.8mmol)を添加した後、反応混合物を水素雰囲気下室温で一晩撹拌した。触媒をガラス繊維フィルタを介して濾別し、酢酸エチルで洗浄した。変換が不完全であったので、水素化手順を2回繰り返した。溶媒を蒸発させた後、所望の生成物(粗)3g(98%)が得られた。
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=318;Rt=1.50分(方法F)。
中間体1−6
(±)メチル(5−アミノ−2−メトキシ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセテート
Figure 0006824954
および
Figure 0006824954
ステップ1:(2,4−ジフルオロ−5−ニトロフェニル)酢酸
(2,4−ジフルオロフェニル)酢酸(商業的に入手可能)(6g、34mmol)を濃硫酸(36mL)に懸濁し、0℃に冷却した。次いで、硝酸(1.8mL、90%)と濃硫酸(2.5ml)の混合物を滴加し、反応混合物を0℃で1時間撹拌し、氷に注ぎ入れた。沈殿を濾別し、乾燥させると標記化合物6.9g(91%)が得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=2.77(s,2H),7.65−7.77(m,1H),8.32(t,1H)12.71(s、1H)。
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=232;Rt=1.03分(方法E)。
ステップ2:メチル(2,4−ジフルオロ−5−ニトロフェニル)アセテート
ステップ1からの(2,4−ジフルオロ−5−ニトロフェニル)酢酸(10g、46mmol)のメタノール(85mL)中溶液を氷浴中で冷却し、濃硫酸(3.50当量、8.6ml、161mmol)で液滴処理した。添加と同時に、混合物を室温に加温し、この温度で24時間撹拌した。反応混合物を真空中で半分の体積に濃縮し、酢酸エチルで希釈し、有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム溶液および食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮すると、標記化合物(10.5g、98%)が得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=3.66(s,2H),3.91(s,3H),7.69−7.80(m,1H),8.36(t,1H).
ステップ3:(±)メチル(2−フルオロ−5−ニトロ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセテート
ステップ2からのメチル(2,4−ジフルオロ−5−ニトロフェニル)アセテート(3.5g、15mmol)をアセトニトリル(130mL)に溶解した。トリエチルアミン(4.6mL、33mmol)および(±)(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンアミン塩酸塩(2.9g、16mmol、商業的に入手可能)を添加し、混合物を50℃で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を水と酢酸エチルに分配し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮すると、標記化合物(5.3g、99%)が得られた。
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=353;Rt=1.66分(方法F)。
ステップ4:(±)メチル(2−メトキシ−5−ニトロ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセテート
ステップ3からの(±)メチル(2−フルオロ−5−ニトロ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセテート(2.5g、7mmol)をメタノール(50mL)に懸濁し、室温で一晩メタノール中ナトリウムメチラート(13.3mL、70mmol、30%溶液)で処理した。次いで、混合物を水と酢酸エチルに分配し、層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮すると、標記化合物が得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.80−0.97(m,12H),1.34−1.41(m,1H),1.74−1.85(m,2H),2.00−2.08(m,1H),3.55(s,2H),3.59(s,3H),3.88(s,3H),6.35(s,1H),7.98(s,1H),8.21(d,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=365;Rt=1.61分(方法F)。
ステップ5:(±)メチル(5−アミノ−2−メトキシ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセテート
ステップ4からの(±)メチル(2−メトキシ−5−ニトロ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセテート(2.66g、7.3mmol)のテトラヒドロフラン(70mL)およびメタノール(30mL)中溶液をパラジウム炭素(10重量%;0.33当量、250mg、2.8mmol)で処理し、水素雰囲気下室温で6時間撹拌した。反応混合物をCelite上で濾過し、酢酸エチルで洗浄し、濾液を真空中で濃縮すると、標記化合物(2.38g、97%)が得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.65−0.82(m,2H),0.85−1.03(m,10H),1.32−1.40(m,1H),1.68−1.79(m,2H),1.93−2.00(m,1H),3.35(s,2H),3.55(s,3H),3.62(s,3H),3.97−4.13(m,2H),6.14(s,1H),6.36(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=335;Rt=1.18分(方法E)。
中間体1−7
(±)メチル(5−アミノ−2−フルオロ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセテート
Figure 0006824954
および
Figure 0006824954
中間体1−6のステップ3からの(±)メチル(2−フルオロ−5−ニトロ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセテート(3g、8.5mmol)をメタノール(35mL)に懸濁し、塩化スズ(II)(11.3g、59mmol)を添加した。混合物を70℃で一晩撹拌し、真空中で濃縮した。残渣を水(200mL)と酢酸エチル(200mL)に分配し、次いで、炭酸ナトリウム溶液を用いてpHを10に調整した。混合物をCelite上で濾過し、層を分離し、有機層を水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮すると、所望の生成物2.46g(89%)が得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.61−0.71(m,1H),0.78(t,1H),0.85−1.02(m,10H),1.32−1.40(m,1H),1.62−1.79(m,2H),1.93−2.02(m,1H),3.41(s,2H),3.59(s,3H),4.27−4.44(m,2H),6.22(d,1H),6.39(d,1H).
中間体1−8
(±)4−ブロモ−N1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]ベンゼン−1,2−ジアミン
Figure 0006824954
および
Figure 0006824954
ステップ1:4−ブロモ−2−ニトロ−N−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシル)アニリン
4−ブロモ−1−フルオロ−2−ニトロベンゼン(商業的に入手可能)17.0g(77.3mmol)をテトラヒドロフラン308mLに加えた。炭酸カリウム11.8g(85.0mmol)を添加した後、反応混合物を室温で10分間撹拌した。(±)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンアミン(立体異性体の混合物、商業的に入手可能)10.9g(77.3mmol)を添加し、反応混合物を50℃で一晩加熱した。反応混合物を酢酸エチルおよび水で希釈し、相を分離した。水相を酢酸エチルで2回再抽出し、合わせた有機抽出物を乾燥させた(硫酸ナトリウム)。溶媒を蒸発させると、所望の生成物28.3g(97%)が立体異性体の混合物として得られた。
UPLC−MS:Rt=1.78分;m/z=341(ES+、M+1)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.72−1.03(m,11H),1.13(t,1H),1.29−1.39(m,1H),1.59−1.89(m,2H),1.91−2.05(m,1H),3.70−3.90(m,1H),7.12(d,1H),7.64(dd,1H),7.82(d,1H),8.15(d,1H).
ステップ2:(±)4−ブロモ−N1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]ベンゼン−1,2−ジアミン
ステップ1からの粗生成物、4−ブロモ−2−ニトロ−N−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシル)アニリン28.3g(82.9mmol)をメタノール(366mL)に溶解した。塩化スズ(II)二水和物66.8g(290mmol)を添加した後、反応混合物を70℃で12時間撹拌した。反応混合物を蒸発乾固し、残渣を酢酸エチルで希釈した。水および食塩水で洗浄した後、有機相を乾燥させ、溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル)によって残渣を精製すると、標記化合物27g(99%)が得られた。
UPLC−MS:Rt=1.54分;m/z=311(ES+、M+1)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.72−1.02(m,11H),1.09−1.21(m,1H),1.29−1.39(m,1H),1.54−1.75(m,2H),1.85−2.02(m,1H),3.40−3.60(m,1H),6.74−6.92(m,2H),6.99(d,1H).
中間体1−9
(±)メチル3−(5−アミノ−2−メトキシ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)プロパノエート
Figure 0006824954
および
Figure 0006824954
ステップ1:1−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロベンゼン
1−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシベンゼン(CAS番号[450−88−4];10.0g、48.8mmol)の濃硫酸(50mL)中混合物を0℃に冷却し、発煙硝酸(1.05当量、2.1mL、51mmol)と濃硫酸(1.85当量、4.8mL、90mmol)の新たに調製した混合物で液滴処理した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、氷水に小分けで注ぎ入れた。形成した沈殿を濾別し、冷水で洗浄し、保った。濾液を酢酸エチルで抽出し、有機層を単離した沈殿と合わせた。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2−ヘキサン/酢酸エチル)によって精製すると、標記化合物(5.88g、44%)が得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=4.00(s,3H),7.44(d,1H),8.40(d,1H).UPLC−MS(ESI−):[M−H]=248/250;Rt=1.17 min(Br isotope pattern;Method E).
ステップ2:(±)4−ブロモ−5−メトキシ−2−ニトロ−N−[(シス)3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アニリン
中間体1−1のステップ1と同様に:ステップ1からの1−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−5−ニトロベンゼン(2.90g、11.6mmol)をTHF(87mL)中炭酸カリウム(1.10当量、1.76g、12.8mmol)および(±)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンアミン(立体異性体の混合物、商業的に入手可能;1.00当量、1.64g、11.6mmol)と70℃で一晩反応させると、標記化合物(4.39g、97%)がシスジアステレオマー(約92〜94%)とトランスジアステレオマー(約6〜8%)のラセミ混合物として得られ、これをさらには精製しなかった。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6,cis isomer):δ[ppm]=0.81−0.94(m,8H),1.04(s,3H),1.08(t,1H),1.35−1.38(m,1H),1.76−1.79(m,2H),2.02−2.05(m,1H),3.83−3.93(m,1H),3.98(s,3H),6.44(s,1H),8.14(br.d.,1H),8.22(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=371/373;Rt=1.72分(Br同位体パターン;方法E)。
ステップ3:(±)メチル(2E)−3−(2−メトキシ−5−ニトロ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)プロパ−2−エノエート
ステップ2からの(±)4−ブロモ−5−メトキシ−2−ニトロ−N−[(シス)3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アニリン(6.79g、17.4mmol)のDMF(129mL)中溶液に、メチルプロパ−2−エノエート(CAS番号[96−33−3];3.00当量、4.69mL、52.1mmol)およびトリエチルアミン(2.00当量、4.84mL、34.7mmol)を添加した。混合物をアルゴンで数回パージし、室温で10分間撹拌した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.150当量、3.01g、2.61mmol)を添加し、混合物をアルゴンで再度パージし、一晩110℃に加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水で希釈した。これを酢酸エチルで抽出し(3回)、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2−ヘキサン/酢酸エチル)によって精製すると標記化合物(3.9g、55%)がラセミシスジアステレオマーとして得られた。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.80−0.94(m,8H),1.04(s,3H),1.11(t,1H),1.35−1.39(m,1H),1.76−1.80(m,2H),2.01−2.05(m,1H),3.69(s,3H),3.85−3.96(m,1H),4.00(s,3H),6.39(s,1H),6.53(d,1H),7.66(d,1H),8.27(br.d.,1H),8.40(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=377;Rt=1.68分(方法E)。
ステップ4:(±)メチル3−(5−アミノ−2−メトキシ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)プロパノエート
中間体1−1のステップ2と同様に:ステップ3からの(±)メチル(2E)−3−(2−メトキシ−5−ニトロ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)プロパ−2−エノエート(2.70g、7.17mmol)の酢酸エチル(190mL)中溶液をパラジウム炭素(10重量%;1.50当量、1.15g、10.8mmol)で処理し、水素雰囲気下室温で一晩撹拌した。変換が不完全であったため、さらなる量のパラジウム炭素(10重量%;0.50当量、382mg、3.59mmol)を添加し、水素雰囲気下室温での撹拌を1日続けた。反応混合物をCelite上で濾過し、酢酸エチルで洗浄し、濾液を真空中で濃縮すると、標記化合物(2.34g、84%)がラセミシスジアステレオマーとして得られ、これをさらには精製しなかった。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.66−0.74(m,1H),0.77(t,1H),0.85−0.91(m,7H),0.99(s,3H),1.34−1.37(m,1H),1.70−1.73(m,2H),1.94−1.97(m,1H),2.40−2.44(m,2H),2.58−2.62(m,2H),3.33−3.41(m,1H),3.57(s,3H),3.65(s,3H),3.94(br.d.,1H),4.00(br.s.,2H),6.13(s,1H),6.33(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=349;Rt=1.49分(方法F)。
中間体1−10
メチル3−アミノ−4−{[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエート
Figure 0006824954
ステップ1:メチル4−{[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]アミノ}−3−ニトロベンゾエート
メチル−4−フルオロ−3−ニトロベンゾエート(商業的に入手可能)770mg(3.86mmol)および(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキサン−1−アミン(CAS番号[2216−54−8])600mg(3.86mmol)を、46mLテトラヒドロフランに入れた。炭酸カリウム587mg(4.25mmol)を添加した後、反応混合物を50℃で一晩加熱した。固体をガラス繊維フィルタを介して濾別し、酢酸エチルで洗浄し、捨てた。濾液を水(50mL)および酢酸エチル(80mL)で希釈した。15分間激しく撹拌した後、有機相を分離した。有機相を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。蒸発させた後、生成物が定量的収量で得られ、これをさらに精製することなく次のステップに使用した。
UPLC−MS(ESI+):[M+H]+=335;Rt=1.67分(方法D)。
ステップ2:メチル3−アミノ−4−{[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエート
ステップ1のメチル4−{[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]アミノ}−3−ニトロベンゾエート1.35g(4.04mmol)を、メタノール(17ml)とTHF(40ml)の混合物に溶解した。パラジウム炭素(10%Pd)0.35g(0.40mmol)を添加した後、反応混合物を水素雰囲気下室温で2時間撹拌した。触媒をガラス繊維フィルタを介して濾別し、酢酸エチルで洗浄した。溶媒を蒸発させた後、メチル3−アミノ−4−{[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエート1.2g(97%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.66(d,3H),0.84−0.92(m,6H),1.03−1.16(m,1H),1.28−1.38(m,1H),1.42−1.56(m,1H),1.62−1.78(m,2H),1.94−2.01(m,1H),2.−10−2.20(m,1H),3.71(s.,3H),4.85(m,2H),6.49(d,1H),7.13−7.21(m,2H).
ベンズイミダゾール中間体
中間体1−11−1
メチル2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート、エナンチオマーA
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
ステップ1:(±)メチル2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート
(±)メチル3−アミノ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエート(中間体1−1)4.00g(13.8mmol)をテトラヒドロフラン274mLに溶解した。1−イソチオシアナト−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン3.02g(13.8mmol)およびN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド3.48(27.6mmol)を添加し、反応混合物を70℃で64時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をジクロロメタン(250mL)で希釈した。有機相を水および食塩水(それぞれ100mL)で洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(Biotage、溶離液:ヘキサン/酢酸エチル)によって精製すると、所望の生成物6g(92%)が得られた。
UPLC−MS:Rt=1.57分;m/z=476.2(ES+、M+1)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.90−1.20(m,10H),1.41(t,2H),1.70−1.95(m,3H),1.95−2.11(m,1H),3.83(s,3H),4.69(t,1H),7.34(d,2H),7.67(s,2H),7.87(d,2H),7.93(s,1H),9.20(s,1H).
ステップ2:メチル2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート、エナンチオマーA
ステップ1からのラセミ化合物(±)メチル2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート(5.9g)を、キラルHPLC(システム:Agilent Prep 1200、2xPrep Pump、DLA、MWD、Prep FC;カラム:Chiralpak IA、5μM 250x30mm;注入:ジクロロメタン18×1.6mL中6g;溶媒:ヘキサン、2−プロパノール、ジエチルアミン(70:30:0.1);流量:40mL/分;検出:UV254nm)を介してそのエナンチオマーに分離すると、標記化合物(エナンチオマーA、保持時間範囲:5.9〜9.1分)2.78gおよび中間体1−11−2に記載されるエナンチオマーB2.81gが得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.90−1.18(m,10H),1.41(t,2H),1.70−1.98(m,3H),1.99−2.11(m,1H),3.83(s,3H),4.69(t,1H),7.34(d,2H),7.68(s,2H),7.85(d,2H),7.93(s,1H),9.18(s,1H).
中間体1−11−2
メチル2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート、エナンチオマーB
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
中間体1−11−1のステップ1からのラセミ化合物(±)メチル2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート(実施例2−64;5.9g)を、キラルHPLC(システム:Agilent Prep 1200、2xPrep Pump、DLA、MWD、Prep FC;カラム:Chiralpak IA、5μM 250x30mm;注入:ジクロロメタン18×1.6mL中6g;溶媒:ヘキサン、2−プロパノール、ジエチルアミン(70:30:0.1);流量:40mL/分;検出:UV254nm)を介してそのエナンチオマーに分離すると、標記化合物(エナンチオマーB、保持時間範囲:9.1〜14.1分)2.81gおよび中間体1−11−1に記載されるエナンチオマーA2.77gが得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.90−1.18(m,10H),1.41(t,2H),1.70−1.98(m,3H),1.99−2.11(m,1H),3.83(s,3H),4.69(t,1H),7.34(d,2H),7.68(s,2H),7.85(d,2H),7.93(s,1H),9.18(s,1H).
中間体1−12−1
メチル6−メチル−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート、エナンチオマーA
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
ステップ1:(±)メチル6−メチル−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート
中間体1−11−1のステップ1と同様に:(±)メチル5−アミノ−2−メチル−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエート(中間体1−2;800mg、2.63mmol)を、THF(26mL)中1−イソチオシアナト−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(CAS番号[64285−95−6];1.00当量、576mg、2.63mmol)およびN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(2.00当量、663mg、823μL、5.26mmol)と70℃で一晩反応させると、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2−ヘキサン/酢酸エチル)後に、標記化合物(1.13g、86%)が得られた。
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=490;Rt=1.57分。
ステップ2:メチル6−メチル−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート、エナンチオマーA
ステップ1からのラセミ物質のエナンチオマーをキラル分取HPLC(システム:Agilent:Prep 1200、2xPrep Pump、DLA、MWD、Gilson:Liquid Handler 215;カラム:Chiralpak IA 5μm 250x30mm;溶媒:ヘキサン/2−プロパノール/ジエチルアミン70:30:0.1(v/v/v);流量:50mL/分;温度:室温;溶液:800mg/6.5mL DCM/MeOH;注入:13×0.5mL;検出:UV254nm)によって分離し、キラルHPLC(システム:Waters:Alliance 2695、DAD 996、ESA:Corona;カラム:Chiralpak IA 3μm 100x4.6mm;溶媒:ヘキサン/2−プロパノール/ジエチルアミン70:30:0.1(v/v/v);流量:1.0mL/分;温度:25℃;溶液:1.0mg/mL EtOH/MeOH1:1;注入:5.0μl;検出:DAD254nm;Rt=2.59分)によって分析的に特徴付けて、標記化合物(エナンチオマーA)を得た。
中間体1−12−2
メチル6−メチル−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート、エナンチオマーB
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
中間体1−12−1のステップ1からのラセミ物質のエナンチオマーをキラル分取HPLC(システム:Agilent:Prep 1200、2xPrep Pump、DLA、MWD、Gilson:Liquid Handler 215;カラム:Chiralpak IA 5μm 250x30mm;溶媒:ヘキサン/2−プロパノール/ジエチルアミン70:30:0.1(v/v/v);流量:50mL/分;温度:室温;溶液:800mg/6.5mL DCM/MeOH;注入:13×0.5mL;検出:UV254nm)によって分離し、キラルHPLC(システム:Waters:Alliance 2695、DAD 996、ESA:Corona;カラム:Chiralpak IA 3μm 100x4.6mm;溶媒:ヘキサン/2−プロパノール/ジエチルアミン70:30:0.1(v/v/v);流量:1.0mL/分;温度:25℃;溶液:1.0mg/mL EtOH/MeOH1:1;注入:5.0μl;検出:DAD254nm;Rt=3.57分)によって分析的に特徴付けて、標記化合物(エナンチオマーB)を得た。
中間体1−13
メチル6−メチル−1−(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート
Figure 0006824954
中間体1−11−1のステップ1と同様に:メチル5−アミノ−2−メチル−4−[(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)アミノ]ベンゾエート(中間体1−3;50mg、0.16mmol)のTHF(1.5mL)中溶液を、1−イソチオシアナト−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(CAS番号[64285−95−6];1.0当量、34mg、0.16mmol)およびN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(2.0当量、40mg、49μL、0.31mmol)と70℃で20時間反応させると、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2−ヘキサン/酢酸エチル)後に、標記化合物(56mg、70%)が無色油として得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.99(s,6H),1.11(s,6H),1.24−1.28(m,1H),1.36−1.39(m,1H),1.54−1.56(m,2H),2.06(t,2H),2.63(s,3H),3.81(s,3H),4.58−4.65(m,1H),7.31−7.33(m,2H),7.51(s,1H),7.65−7.67(m,2H),7.89(s,1H),9.04(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=504;Rt=1.61分。
中間体1−14
6−メチル−1−(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−カルバルデヒド
Figure 0006824954
ステップ1:[6−メチル−1−(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−イル]メタノール
水素化アルミニウムリチウム(151mg、3.90mmol)をアルゴン下でテトラヒドロフラン(15mL)に懸濁し、次いで、0℃に冷却した。メチル6−メチル−1−(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート(中間体1−13;1.00g、1.98mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、滴加した。反応物を0℃で30分間、次いで、室温で1時間撹拌した。硫酸ナトリウム十水和物を、ガスの発生が止むまで添加した。次いで、混合物をCeliteを通して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を蒸発させて淡褐色ワックス状固形物を得て、これをジクロロメタンで研和すると、標記化合物(0.69g、収率73%)が白色粉末として得られた。
1H−NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=0.91(s,6H),0.97(s,6H),1.28(m,2H),1.60(d,2H),1.98(m,4H),2,49(s,3H),4.41(tt,1H),4.75(s,2H),7.17(m,4H),7.20(s,1H),7.56(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=476;Rt=1.02分(方法G)。
ステップ2:6−メチル−1−(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−カルバルデヒド
ステップ1からの[6−メチル−1−(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−イル]メタノール(690mg、1.40mmol)をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解し、安定化2−ヨードキシ安息香酸(1.08g、1.70mmol、45重量%)を添加し、フラスコを箔に包んだ。反応物を室温で8時間撹拌した。紫色溶液を酢酸エチルで希釈し、次いで、飽和重炭酸ナトリウム溶液で2回洗浄した。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮すると、藍色固体が得られた。粗物質をヘプタンで研和し、濾過し、ヘプタンで洗浄すると、標記化合物(415mg、収率60%)が淡い赤みがかった固体として得られた。
1H−NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=1.00(s,12H),1.21(d,1H),1.34(d,1H),1.68(d,2H),1.97(d,2H),2.79(s,3H),4.47(m,1H),7.17(m,3H),7.32(m,2H),7.96(s,1H)10.24(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=474;Rt=0.86分(方法I)。
中間体1−15
(±)メチル6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート
Figure 0006824954
および
Figure 0006824954
中間体1−11−1のステップ1と同様に:(±)メチル5−アミノ−2−メトキシ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエート(中間体1−4;1.9g、6.0mmol)を、THF(95mL)中1−イソチオシアナト−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(CAS番号[64285−95−6];1.0当量、1.3g、6.0mmol)およびN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(2.0当量、1.5g、1.9mL、12mmol)と70℃で一晩反応させると、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2−ヘキサン/酢酸エチル)による精製後に、標記化合物(2.8g、83%)がラセミシスジアステレオマーとして得られた。
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=506;Rt=1.50分(方法E)。
中間体1−16
(±)メチル(6−メチル−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)アセテート
Figure 0006824954
および
Figure 0006824954
中間体1−11−1のステップ1と同様に、(±)メチル(5−アミノ−2−メチル−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセテート(中間体1−5;330mg、1.04mmol)を、THF(20mL)中1−イソチオシアナト−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(CAS番号[64285−95−6];1.00当量、227mg、1.04mmol)およびN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(2.0当量、0.26g、0.32mL、2.1mmol)と60℃で一晩反応させると、分取HPLCによる精製後に、標記化合物がラセミシスジアステレオマーとして得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.92−1.16(m,10H),1.32−1.44(m,2H),1.71−1.96(m,3H),2.05(t,1H),2.30(s,3H),3.60(s,3H),3.69(s,2H),4.55−4.67(m,1H),7.21(s,1H),7.29(d,2H),7.35(s,1H),7.76(d,2H),8.95(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=504;Rt=1.66分(方法F)。
中間体1−17
(±)メチル(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)アセテート
Figure 0006824954
および
Figure 0006824954
中間体1−11−1のステップ1と同様に、(±)メチル(5−アミノ−2−メトキシ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセテート(中間体1−6;300mg、0.897mmol)を、THF(20mL)中1−イソチオシアナト−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(CAS番号[64285−95−6];1.00当量、197mg、0.987mmol)およびN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(2.0当量、0.23g、0.28mL、1.8mmol)と60℃で一晩反応させると、分取HPLCによる精製後に、標記化合物(97mg、20%)がラセミシスジアステレオマーとして得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.92−1.16(m,10H),1.36−1.45(m,2H),1.71−1.94(m,3H),2.04(t,1H),3.59(s,3H),3.62(s,2H),3.81(s,3H),4.54−4.66(m,1H),7.00(s,1H),7.23(s,1H),7.28(d,2H),7.70(d,2H),8.88(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=520;Rt=1.62分(方法F)。
中間体1−18
(±)メチル(6−フルオロ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)アセテート
Figure 0006824954
および
Figure 0006824954
中間体1−11−1のステップ1と同様に、(±)メチル(5−アミノ−2−フルオロ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセテート(中間体1−7;300mg、0.930mmol)を、THF(20mL)中1−イソチオシアナト−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(CAS番号[64285−95−6];1.00当量、204mg、0.930mmol)およびN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(2.0当量、0.23g、0.29mL、1.9mmol)と60℃で一晩反応させると、分取HPLCによる精製後に、標記化合物(308mg、62%)がラセミシスジアステレオマーとして得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.92−1.08(m,9H),1.1−1.21(m,1H),1.31−1.43(m,2H),1.68−1.93(m,3H),2.02(t,1H),3.62(s,3H),3.73(s,2H),4.56−4.69(m,1H),7.27−7.36(m,3H),7.46(d,1H),7.77(d,2H),9.05(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=508;Rt=1.60分(方法D)。
中間体1−19−1
メチル3−(2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパノエート、エナンチオマーA
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
ステップ1:(±)5−ブロモ−N−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン
中間体1−11−1のステップ1と同様に:(±)4−ブロモ−N1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]ベンゼン−1,2−ジアミン(中間体1−8;5.0g、16mmol)を、THF(320mL)中1−イソチオシアナト−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(CAS番号[64285−95−6];1.0当量、3.5g、16mmol)およびN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(2.0当量、4.1g、5.0mL、32mmol)と70℃で2時間反応させると、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2−ヘキサン/酢酸エチル)による精製後に、標記化合物(1.4g、17%)がラセミシスジアステレオマーとして得られた。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.91−1.21(m,10H),1.32−1.50(m,2H),1.65−2.09,m,4H),4.58−4.73(m,1H),7.08−7.18(m,1H),7.27−7.38(m,2H),7.46−7.58(m,2H),7.75−7.86(m,2H),9.12(s,1H).
UPLC−MS:Rt=1.69分;m/z=496.1(ES+、M+1)。
ステップ2:(±)メチル(2E)−3−(2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)アクリレート
ステップ1からの(±)5−ブロモ−N−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン(548mg、1.10mmol)、メチルプロパ−2−エノエート(190mg、2.21mmol)、トリ−2−トリルホスフィン(57mg、0.19mmol)および酢酸パラジウム(II)(25mg、0.11mmol)をアセトニトリル(8mL)に溶解した。トリエチルアミン(0.18mL、1.26mmol)を添加した後、反応混合物を電子レンジで110℃で60分間加熱した。反応混合物をフラッシュカラムに入れ、酢酸エチル(250mL)で洗浄して触媒および塩を除去した。濾液を蒸発乾固し、残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製すると、標記化合物(329mg、56%)が得られた。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.90−1.23(m,10H),1.31−1.48(m,2H),1.68−2.12(m,4H),3.69(s,3H),4.57−4.77(m,1H),6.55(d,1H),7.28−7.43(m,3H),7.59(d,1H),7.70−7.81(m,2H),7.85(d,2H),9.14(s,1H).
UPLC−MS:Rt=1.57分;m/z=502(ES+、M+1)。
ステップ3:(±)メチル3−(2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパノエート
ステップ2からの(±)メチル(2E)−3−(2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)アクリレート(1.01g、2.01mmol)をエタノール(44mL)に溶解した。パラジウム炭素(43mg、0.4mmol)を添加し、反応混合物をH2雰囲気下室温で12時間撹拌した。触媒をガラス繊維フィルタを介して濾別し、溶媒を蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製すると所望の化合物(0.63g、56%)が得られた。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.88−1.13(m,10H),1.38(d,2H),1.70−1.92(m,3H),1.95−2.09(m,1H),2.63(t,2H),2.88(t,2H),3.57(s,3H),4.61(br. s.,1H),6.87(d,1H),7.21(s,1H),7.30(d,2H),7.42(d,1H),7.78(d,2H),8.98(s,1H).
UPLC−MS:Rt=1.31分;m/z=504.2(ES+、M+1)。
ステップ4:メチル3−(2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパノエート、エナンチオマーA
ステップ3からのラセミ化合物(±)メチル3−(2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパノエート(627mg)を、キラルHPLC(システム:Agilent Prep 1200、2xPrep Pump、DLA、MWD、Prep FC;カラム:Chiralpak IA、5μM 250x20mm;注入:ジクロロメタン/メタノール8 x 0.7mL中627mg;溶媒:ヘキサン、2−プロパノール、ジエチルアミン(70:30:0.1);流量:40mL/分;検出:UV254nm)を介してそのエナンチオマーに分離すると、標記化合物(エナンチオマーA、保持時間範囲:7.8〜8.9分)214mgおよび中間体1−19−2に記載されるエナンチオマーB200mgが得られた。標記化合物(エナンチオマーA)を、分析的キラルHPLC(システム:Waters:Alliance 2695、DAD 996、ESA:Corona;カラム:Chiralpak IA 3μm 100x4.6mm;溶媒:ヘキサン/2−プロパノール/ジエチルアミン70:30:0.1(v/v/v);流量:1.0mL/分;温度:25℃;溶液:1.0mg/mL EtOH/MeOH1:1;注入:5.0μl;検出:DAD254nm)によってさらに特徴付けた:Rt=3.64分。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.88−1.15(m,10H),1.38(d,2H),1.68−1.94(m,3H),2.02(t,1H),2.56−2.68(m,2H),2.80−2.94(m,2H),3.57(s,3H),4.51−4.71(m,1H),6.87(d,1H),7.22(s,1H),7.30(d,2H),7.42(d,1H),7.78(d,2H),8.98(s,1H).
中間体1−19−2
メチル3−(2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパノエート、エナンチオマーB
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
中間体1−19−1のステップ3からのラセミ化合物(±)メチル3−(2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパノエート(627mg)を、キラルHPLC(システム:Agilent Prep 1200、2xPrep Pump、DLA、MWD、Prep FC;カラム:Chiralpak IA、5μM 250x20mm;注入:ジクロロメタン/メタノール8 x 0.7mL中627mg;溶媒:ヘキサン、2−プロパノール、ジエチルアミン(70:30:0.1);流量:40mL/分;検出:UV254nm)を介してそのエナンチオマーに分離すると、標記化合物(エナンチオマーB、保持時間範囲:12.7〜14.8分)200mgおよび中間体1−19−1に記載されるエナンチオマーA214mgが得られた。標記化合物(エナンチオマーB)を、分析的キラルHPLC(システム:Waters:Alliance 2695、DAD 996、ESA:Corona;カラム:Chiralpak IA 3μm 100x4.6mm;溶媒:ヘキサン/2−プロパノール/ジエチルアミン70:30:0.1(v/v/v);流量:1.0mL/分;温度:25℃;溶液:1.0mg/mL EtOH/MeOH1:1;注入:5.0μl;検出:DAD254nm)によってさらに特徴付けた:Rt=5.74分。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.90−1.13(m,10H),1.38(d,2H),1.65−1.91(m,3H),2.02(t,1H),2.63(t,2H),2.87(t,2H),3.57(s,3H),4.61(br.s.,1H),6.82−6.91(m,1H),7.22(s,1H),7.30(d,2H),7.42(d,1H),7.78(d,2H),8.99(s,1H).
中間体1−20−1
メチル3−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパノエート、エナンチオマーA
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
ステップ1:(±)メチル3−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパノエート
(±)メチル3−(5−アミノ−2−メトキシ−4−{[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)プロパノエート(中間体1−9;1.40g、3.62mmol)のTHF(39mL)中溶液を1−イソチオシアナト−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(CAS番号[64285−95−6];1.00当量、792mg、3.62mmol)で処理し、室温で3時間撹拌した。EDC(2.00当量、1.39g、7.23mmol)を添加し、反応混合物を70℃に加熱し、この温度での撹拌を24時間続けた。混合物を室温に冷却し、炭酸水素ナトリウム水溶液(10%)に注ぎ入れた。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を飽和塩化アンモニウム溶液および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2−ヘキサン/酢酸エチル)によって精製すると標記化合物(1.58g、80%)がラセミシスジアステレオマーとして得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.97−0.98(m,6H),1.02(s,3H),1.08(t,1H),1.38−1.41(m,2H),1.72−1.91(m,3H),2.02(t,1H),2.55−2.59(m,2H),2.83−2.87(m,2H),3.58(s,3H),3.84(s,3H),4.55−4.63(m,1H),6.97(s,1H),7.17(s,1H),7.27−7.29(m,2H),7.67−7.71(m,2H),8.87(br.s.,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=534;Rt=1.67分(方法F)。
ステップ2:メチル3−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパノエート、エナンチオマーA
ステップ1からのラセミ物質のエナンチオマーをキラル分取HPLC(システム:2xLabomatic Pump HD−3000、Labomatic AS−3000、Knauer DAD 2600、Labomatic Labcol Vario 4000 Plus;カラム:Chiralpak ID 5μm 250x30mm;番号:018BF;溶媒:ヘキサン/2−プロパノール/ジエチルアミン70:30:0.1(v/v/v);流量:50mL/分;温度:室温;溶液:1400mg/9.5mL DCM/MeOH;注入:7 x 1.5mL;検出:UV254nm)によって分離し、キラルHPLC(システム:Agilent 1260;カラム:Chiralpak ID 5μm 150x4.6mm;溶媒:ヘキサン/2−プロパノール/ジエチルアミン70:30:0.1(v/v/v);流量:1.0mL/分;温度:25℃;溶液:1.0mg/mL EtOH/MeOH2:1;注入:5.0μl;検出:DAD254nm;Rt=4.09分)によって分析的に特徴付けて、標記化合物(エナンチオマーA)を得た。
中間体1−20−2
メチル3−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパノエート、エナンチオマーB
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
中間体1−20−1のステップ1からのラセミ物質のエナンチオマーをキラル分取HPLC(システム:2xLabomatic Pump HD−3000、Labomatic AS−3000、Knauer DAD 2600、Labomatic Labcol Vario 4000 Plus;カラム:Chiralpak ID 5μm 250x30mm;番号:018BF;溶媒:ヘキサン/2−プロパノール/ジエチルアミン70:30:0.1(v/v/v);流量:50mL/分;温度:室温;溶液:1400mg/9.5mL DCM/MeOH;注入:7 x 1.5mL;検出:UV254nm)によって分離し、キラルHPLC(システム:Agilent 1260;カラム:Chiralpak ID 5μm 150x4.6mm;溶媒:ヘキサン/2−プロパノール/ジエチルアミン70:30:0.1(v/v/v);流量:1.0mL/分;温度:25℃;溶液:1.0mg/mL EtOH/MeOH2:1;注入:5.0μl;検出:DAD254nm;Rt=5.94分)によって分析的に特徴付けて、標記化合物(エナンチオマーB)を得た。
中間体1−21
メチル1−[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート
Figure 0006824954
中間体1−11−1のステップ1と同様に:メチル3−アミノ−4−{[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]アミノ}ベンゾエート(中間体1−10)400mg(1.3mmol)を、テトラヒドロフラン20mLに溶解した。4−トリフルオロメトキシフェニルイソチオシアネート287mg(1.3mmol)およびN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド406μL(2.6mmol)を添加し、反応混合物を60℃で24時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣を分取HPLCによって精製して、所望の生成物420mg(65%)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.61(d,3H),0.67(d,3H),1.00(d,3H),1.11−1.28(m,2H),1.67−2.01(m,5H),2.19−2.29(m,1H),3.84(s,3H),4.40−4.51(m,1H),7.35(d,2H),7.68(s,2H),7.88(d,2H),7.95(s,1H),9.26(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=490;Rt=1.68分(方法B)。
中間体1−22
メチル(3−アミノ−4−{[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)−アセテート
Figure 0006824954
ステップ1:メチル(4−{[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]アミノ}−3−ニトロフェニル)アセテート
メチル3−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)プロパノエート(823mg、3.8mmol、CAS 226888−37−5)の1,4−ジオキサン(21mL)中の溶液を、600mg(3.86mmol)(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキサン−1−アミン(CAS 2216−54−8)および炭酸セシウム(1.25g、3.8mmol)で処理し、90℃に加温し、この温度で72時間撹拌した。室温に冷却すると同時に、沈殿を濾別し、酢酸エチルで洗浄した。合わせた濾液を真空中で濃縮し、得られた残渣を水と酢酸エチルに分配した。相を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水(2回)および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空中で濃縮すると、標記化合物(1.02g、75%)が得られ、これをさらには精製しなかった。
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=349;Rt=1.64分(方法F)。
ステップ2:メチル(3−アミノ−4−{[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)アセテート
中間体1−10のステップ2と同様に、メチル(4−{[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]アミノ}−3−ニトロフェニル)アセテート(ステップ1の生成物)から標記化合物を調製した。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.67(d,3H),0.82−0.91(m,6H),1.00−1.15(m,1H),1.22−1.32(m,1H),1.37−1.50(m,1H),1.61−1.74(m,2H),1.96−2.04(m,1H),2.22−2.31(m,1H),3.57(s,3H),3.93(mc,1H),4.51(mc,2H),6.30−6.44(m,3H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=319;Rt=1.55分(方法B)。
中間体1−23
メチル3−(3−アミノ−4−{[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]アミノ}フェニル)プロパノエート
Figure 0006824954
ステップ1:メチル3−(4−{[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]アミノ}−3−ニトロフェニル)プロパノエート
メチル3−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)プロパノエート(870mg、3.8mmol、市販)の1,4−ジオキサン(40 mL)中の溶液を、600mg(3.86mmol)(1R,2S,5R)−5−メチル−2−(プロパン−2−イル)シクロヘキサン−1−アミン(CAS 2216−54−8)、炭酸カリウム(1g、7.7mmol)および炭酸セシウム(1.25g、3.8mmol)で処理し、90℃に加温し、この温度で96時間撹拌した。室温に冷却すると同時に、沈殿を濾別し、酢酸エチルで洗浄した。合わせた濾液を真空中で濃縮し、得られた残渣を水と酢酸エチルに分配した。相を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水(2回)および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空中で濃縮すると、標記化合物(1.25g、89%)が得られ、これをさらには精製しなかった。
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=363;Rt=1.67分(方法D)。
ステップ2:メチル3−(3−アミノ−4−{[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]アミノ}−フェニル)プロパノエート
中間体1−10(ステップ2)と同様に、メチル3−(4−{[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]アミノ}−3−ニトロフェニル)プロパノエート(ステップ1)から標記化合物を合成した。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.67(d,3H),0.82−0.91(m,6H),1.00−1.13(m,1H),1.22−1.30(m,1H),1.34−1.47(m,1H),1.60−1.74(m,2H),1.96−2.05(m,1H),2.23−2.33(m,1H),2.57−2.63(m,2H),2.99−3.11(m,1H),3.57(s,3H),3.82(d,1H),4.35−4.49(m,2H),6.26−6.38(m,3H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=333;Rt=1.60分(方法B)。
表2の中間体を、中間体1−10、1−22、1−23および対応する市販のチオイソシアネートから出発して、中間体1−21と同様に調製した。
Figure 0006824954
Figure 0006824954
Figure 0006824954
Figure 0006824954
実施例
実施例2−1−1
(2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)メタノール、エナンチオマーA
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
メチル2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート、エナンチオマーA(中間体1−11−1;1.00g、2.10mmol)のテトラヒドロフラン(120mL)中溶液を−78℃に冷却し、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(4.0当量、8.4mmol、トルエン中1M溶液8.4mL)で液滴処理した。−78℃での撹拌を30分間続けたら、反応混合物を徐々に室温に加温し、一晩撹拌した。転化が完了しなかったので、さらなる量のジイソブチルアルミニウムヒドリド(6.0当量、13ミリモル、トルエン中1M溶液13mL)を0℃で添加し、0℃での撹拌を30分間続けた。反応混合物を酒石酸カリウムナトリウムの飽和水溶液(60mL)でクエンチし、酢酸エチルで希釈し、室温で1時間撹拌した。相を分離し、有機層を水で洗浄した。合わせた水層を酢酸エチル(3×)で抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮すると、標記化合物(1.0g、定量的)が得られ、これをさらには精製しなかった。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.96−0.98(m,6H),1.04−1.12(m,4H),1.38−1.42(m,2H),1.71−1.87(m,3H),2.05(t,1H),4.51(d,2H),4.58−4.69(m,1H),5.02(t,1H),6.99(dd,1H),7.30−7.32(m,3H),7.48(d,1H),7.77−7.82(m,2H),9.00(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=448;Rt=1.24分(方法E)。
実施例2−1−2
(2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)メタノール、エナンチオマーB
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
実施例2−1−1と同様に:メチル2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート、エナンチオマーB(中間体1−11−2;3.90g、8.20mmol)のテトラヒドロフラン(200mL)中溶液をジイソブチルアルミニウムヒドリド(6.0当量、49mmol、トルエン中1M溶液49mL)と0℃で30分間反応させると、標記化合物(3.9g、定量的)が得られ、これをさらには精製しなかった。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.95−0.97(m,6H),1.04−1.12(m,4H),1.38−1.42(m,2H),1.71−1.87(m,3H),2.05(t,1H),4.52(d,2H),4.58−4.69(m,1H),5.03(t,1H),7.00(dd,1H),7.30−7.32(m,3H),7.48(d,1H),7.77−7.82(m,2H),9.00(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=448;Rt=1.22分(方法E)。
実施例2−2−2
2−(2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オール、エナンチオマーB
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
メチル2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート、エナンチオマーB(中間体1−11−2;250mg、0.526mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)中溶液を−78℃に冷却し、メチルリチウム(6.0当量、3.2mmol、ジエチルエーテル中1.6M溶液2.0mL)で液滴処理したら、反応混合物を室温に徐々に加温し、一晩撹拌した。。反応混合物を真空中で濃縮し、分取HPLCによって精製すると、標記化合物(106mg、42%)が得られた。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.95−0.97(m,6H),1.04−1.09(m,4H),1.38−1.42(m,2H),1.45(s,6H),1.70−1.86(m,3H),2.04(t,1H),4.58−4.66(m,1H),4.88(s,1H),7.15(dd,1H),7.29−7.32(m,2H),7.43(d,1H),7.46(d,1H),7.78−7.81(m,2H),8.98(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=476;Rt=1.55分(方法B)。
実施例2−3−1
2−(6−メチル−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オール、エナンチオマーA
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
メチル6−メチル−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボキシレート、エナンチオマーA(中間体1−12−1;500mg、1.02mmol)のテトラヒドロフラン(35mL)中溶液をメチルマグネシウムブロミド(10当量、10mmol、2−メチルテトラヒドロフラン中3.4M溶液3.0mL)で室温において液滴処理し、一晩撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)で希釈し、相を分離した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮し、分取HPLCによって精製すると、標記化合物(249mg、50%)が得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.96−0.98(m,6H),1.03(s,3H),1.09(t,1H),1.38−1.41(m,2H),1.53(s,6H),1.68−1.91(m,3H),2.04(t,1H),2.62(s,3H),4.56−4.62(m,1H),4.79(br.s.,1H),7.25−7.32(m,3H),7.45(s,1H),7.74−7.76(m,2H),8.95(br.s.,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=490;Rt=1.62分(方法B)。
実施例2−3−2
2−(6−メチル−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オール、エナンチオマーB
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
実施例2−3−1と同様に:メチル6−メチル−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート、エナンチオマーB(中間体1−12−2;500mg、1.02mmol)のテトラヒドロフラン(35mL)中溶液をメチルマグネシウムブロミド(10当量、10mmol、2−メチルテトラヒドロフラン中3.4M溶液3.0mL)と室温で一晩反応させると、分取HPLC後に、標記化合物(258mg、52%)が得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.96−0.98(m,6H),1.03(s,3H),1.08(t,1H),1.36−1.41(m,2H),1.53(s,6H),1.69−1.91(m,3H),2.03(t,1H),2.62(s,3H),4.55−4.61(m,1H),4.77(br.s.,1H),7.23(s,1H),7.28−7.30(m,2H),7.44(s,1H),7.75−7.78(m,2H),8.92(s.,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=490;Rt=1.60分(方法F)。
実施例2−4
2−[6−メチル−1−(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−イル]プロパン−2−オール
Figure 0006824954
メチル6−メチル−1−(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート(中間体1−13;198mg、0.3mmol)をテトラヒドロフラン(4mL)に溶解し、氷/水で冷却し、メチルマグネシウムブロミド(ジエチルエーテル中3M、0.46mL、1.38mmol)を2分間にわたって滴加し、氷上で5分間撹拌し、次いで、室温に19時間放置した。反応物を50℃で4時間加熱した。次いで、これを冷却し、追加のメチルマグネシウムブロミド(ジエチルエーテル中3M、0.46mL、1.38mmol)を添加し、室温で19時間撹拌した。さらなるメチルマグネシウムブロミド(ジエチルエーテル中3M、0.46mL、1.38mmol)を添加し、反応物を室温で24時間撹拌した。反応物を飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチし、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、固体硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。フラッシュシリカカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中30%酢酸エチル−50%酢酸エチル−70%酢酸エチル)を介した精製により、標記化合物(95mg、48%)が淡黄色ガラスとして得られた。
1H−NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=0.91(s,6H),0.96(s,6H),1.25(m,2H),1.55−2.00(m,5H),1.71(s,6H),2.74(s,3H),4.40(tt,1H),7.18(m,5H),7.68(s,1H).
LC−MS:[M+H]=504;Rt=1.74分(方法A)。
実施例2−5
(±)2,2,2−トリフルオロ−1−[6−メチル−1−(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−イル]エタノール
Figure 0006824954
および
Figure 0006824954
トリメチル(トリフルオロメチル)シラン(0.16mL、0.35mmol)およびテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド(0.634mL、0.63mmol、テトラヒドロフラン中1M溶液)を、6−メチル−1−(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−カルバルデヒド(中間体1−14;100mg、0.21mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)中溶液にアルゴン下で添加した。反応物を室温で1時間撹拌し、次いで、さらなるトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(0.16mL、0.35mmol)を添加した。反応物をさらに2時間撹拌し、追加のトリメチル(トリフルオロメチル)シラン(0.156mL、0.35mmol)を添加した。反応物をさらに3時間撹拌し、次いで、反応物を塩酸水溶液(2M)で酸性化した。混合物をさらに30分間撹拌し、次いで、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を固形硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。粗物質をフラッシュシリカカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)によって精製すると、標記化合物(20mg、17%)が無色固体として得られた。
1H−NMR(300 MHz,CDCl3):δ[ppm]=0.82(s,6H),0.90(s,6 H),1.10−1.40(m,2H),1.60−1.70(m,2H),1.85−2.00(m,2H),2.49(s,3H),4.38(m,1H),5.33(m,1H),7.10−7.30(m,5H),7.32(m,2H),7.90(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=544;Rt=0.81分(方法I)。
実施例2−6
(±)(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)メタノール
Figure 0006824954
および
Figure 0006824954
実施例2−1−1と同様に:(±)メチル6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート(中間体1−15;1.00g、1.98mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)中溶液をジイソブチルアルミニウムヒドリド(5.0当量、9.9mmol、トルエン中1.2M溶液8.2mL)と0℃で30分間および室温で2日間反応させると、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2−ヘキサン/酢酸エチル)による精製後に、標記化合物(622mg、64%)が得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.97−0.98(m,6H),1.02(s,3H),1.08(t,1H),1.38−1.41(m,2H),1.72−1.89(m,3H),2.03(t,1H),3.83(s,3H),4.51(d,2H),4.56−4.64(m,1H),4.84(t,1H),6.96(s,1H),7.27−7.29(m,2H),7.37(s,1H),7.67−7.71(m,2H),8.87(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=478;Rt=1.18分(方法E)。
実施例2−6−1
(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)メタノール、エナンチオマーA
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
(±)(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)メタノールのエナンチオマー(実施例2−6;580mg)をキラル分取HPLC(システム:Labomatic Pump HD−5000、Labomatic SP−3000、Labocord 5000、Labomatic Labcol Vario 4000、Gilson GX−241;カラム:Chiralpak IC 5μm 250×30mm;溶媒:アセトニトリル+0.1%ジエチルアミン;流量:40mL/分;温度:室温;溶液:580mg/7.5mLDCM/MeOH;注入:15×0.5mL;検出:UV254nm)によって分離し、キラルHPLC(システム:Agilent 1260;カラム:Chiralpak IC 3μm 100×4.6mm;溶媒:アセトニトリル+0.1%ジエチルアミン;流量:1.0mL/分;温度:25℃;溶液:1.0mg/mL EtOH/MeOH 1:1;注入:5.0μL;検出:DAD 254nm;Rt=3.26分)によって分析的に特徴付けて、標記化合物(エナンチオマーA、190mg)を得た。
実施例2−6−2
(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)メタノール、エナンチオマーB
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
(±)(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)メタノールのエナンチオマー(実施例2−6;580mg)をキラル分取HPLC(システム:Labomatic Pump HD−5000、Labomatic SP−3000、Labocord 5000、Labomatic Labcol Vario 4000、Gilson GX−241;カラム:Chiralpak IC 5μm 250×30mm;溶媒:アセトニトリル+0.1%ジエチルアミン;流量:40mL/分;温度:室温;溶液:580mg/7.5mLDCM/MeOH;注入:15×0.5mL;検出:UV254nm)によって分離し、キラルHPLC(システム:Agilent 1260;カラム:Chiralpak IC 3μm 100×4.6mm;溶媒:アセトニトリル+0.1%ジエチルアミン;流量:1.0mL/分;温度:25℃;溶液:1.0mg/mL EtOH/MeOH 1:1;注入:5.0μL;検出:DAD 254nm;Rt=4.24分)によって分析的に特徴付けて、標記化合物(エナンチオマーB、195mg)を得た。
実施例2−7
(±)2−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オール
Figure 0006824954
および
Figure 0006824954
実施例2−2−2と同様:(±)メチル6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート(中間体1−15;594mg、1.18mmol)のテトラヒドロフラン(35mL)中溶液を−78℃に冷却し、メチルリチウム(6.0当量、7.1mmol、ジエチルエーテル中1.6M溶液4.4mL)で液滴処理したら、反応混合物を室温に徐々に加温し、室温で2日間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2−ヘキサン/酢酸エチル)によって精製すると、標記化合物(110mg、18%)が得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.96−0.98(m,6H),1.02(s,3H),1.07(t,1H),1.38−1.41(m,2H),1.49(s,6H),1.71−1.85(m,3H),2.01(t,1H),3.85(s,3H),4.54−4.62(m,1H),4.85(s,1H),6.97(s,1H),7.26−7.29(m,2H),7.57(s,1H),7.68−7.70(m,2H),8.86(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=506;Rt=1.29分(方法E)。
実施例2−7−1
2−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オール、エナンチオマーA
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
(±)2−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オールのエナンチオマー(実施例2−7;100mg)をキラル分取HPLC(システム:Agilent:Prep 1200、2xPrep Pump、DLA、MWD、Prep FC;カラム:Chiralpak IF 5μm 250×20mm;溶媒:ヘキサン/エタノール74:26(v/v);流量15mL/分;温度:室温;溶液:100mg/1.5mL DCM/MeOH 1:1;注入:9×0.2mL;検出:UV254nm)によって分離し、キラルHPLC(システム:Agilent 1260/Agilent 1290;カラム:Chiralpak IF 3μm 100x4.6mm;溶媒:ヘキサン/エタノール74:26(v/v)+0.1%ジエチルアミン;流量:1.0mL/分;温度:25℃;溶液:1.0mg/mL EtOH/MeOH 1:1;注入:5.0μL;検出:DAD254nm;Rt=3.18分)によって分析的に特徴付けて、標記化合物(エナンチオマーA、45mg)を得た。
実施例2−7−2
2−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オール、エナンチオマーB
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
(±)2−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オールのエナンチオマー(実施例2−7;100mg)をキラル分取HPLC(システム:Agilent:Prep 1200、2xPrep Pump、DLA、MWD、Prep FC;カラム:Chiralpak IF 5μm 250×20mm;溶媒:ヘキサン/エタノール74:26(v/v);流量15mL/分;温度:室温;溶液:100mg/1.5mL DCM/MeOH 1:1;注入:9×0.2mL;検出:UV254nm)によって分離し、キラルHPLC(システム:Agilent 1260/Agilent 1290;カラム:Chiralpak IF 3μm 100x4.6mm;溶媒:ヘキサン/エタノール74:26(v/v)+0.1%ジエチルアミン;流量:1.0mL/分;温度:25℃;溶液:1.0mg/mL EtOH/MeOH 1:1;注入:5.0μL;検出:DAD254nm;Rt=4.85分)によって分析的に特徴付けて、標記化合物(エナンチオマーB、50mg)を得た。
表3の実施例を、所与の前駆体から始めて、実施例2−3−1と同様に調製した。エナンチオマーをラセミ前駆体から所与の手順に従って分離および分析した。
Figure 0006824954
Figure 0006824954
Figure 0006824954
Figure 0006824954
Figure 0006824954
Figure 0006824954
Figure 0006824954
Figure 0006824954
Figure 0006824954
実施例2−11−1
2−メチル−4−(2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)ブタン−2−オール、エナンチオマーA
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
実施例2−2−2と同様に:メチル3−(2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパノエート、エナンチオマーA(中間体1−19−1;200mg、0.397mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)中溶液を−78℃に冷却し、メチルリチウム(6.0当量、2.4mmol、ジエチルエーテル中1.6M溶液1.5mL)で液滴処理し、−78℃で1時間撹拌したら、反応混合物を室温に徐々に加温し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2−ヘキサン/酢酸エチル)、引き続いて分取HPLCによって精製すると、標記化合物(18mg、8%)が得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.95−0.97(m,6H),1.03−1.10(m,4H),1.15(s,6H),1.38−1.41(m,2H),1.63−1.67(m,2H),1.70−1.89(m,3H),2.03(t,1H),2.62−2.66(m,2H),4.23(s,1H),4.58−4.66(m,1H),6.85(dd,1H),7.19(d,1H),7.29−7.32(m,2H),7.41(d,1H),7.76−7.80(m,2H),8.98(s,1H).
UPLC−MS(ESI−):[M−H]=502;Rt=1.64分(方法B)。
実施例2−11−2
2−メチル−4−(2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)ブタン−2−オール、エナンチオマーB
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
実施例2−3−1と同様に:メチル3−(2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパノエート、エナンチオマーB(中間体1−19−2;306mg、0.608mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)中溶液をメチルマグネシウムブロミド(10当量、6.1mmol、2−メチルテトラヒドロフラン中3.4M溶液1.8mL)と室温で一晩反応させると、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2−ヘキサン/酢酸エチル)後、標記化合物(187mg、60%)が得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.95−0.97(m,6H),1.03−1.10(m,4H),1.15(s,6H),1.38−1.41(m,2H),1.63−1.67(m,2H),1.70−1.85(m,3H),2.03(t,1H),2.62−2.66(m,2H),4.23(s,1H),4.58−4.66(m,1H),6.85(dd,1H),7.19(d,1H),7.29−7.32(m,2H),7.41(d,1H),7.76−7.80(m,2H),8.98(s,1H).
UPLC−MS(ESI−):[M−H]=502;Rt=1.64分(方法F)。
実施例2−12−1
4−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−2−メチルブタン−2−オール、エナンチオマーA
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
実施例2−2−2と同様に:メチル3−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパノエート、エナンチオマーA(中間体1−20−1;216mg、0.405mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)中溶液を−78℃に冷却し、メチルリチウム(6.0当量、2.4mmol、ジエチルエーテル中1.6M溶液1.5mL)で液滴処理し、−78℃で1時間撹拌したら、反応混合物を室温に徐々に加温し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO2−ヘキサン/酢酸エチル)、引き続いて分取HPLCによって精製すると、標記化合物(32mg、14%)が得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.95−1.02(m,9H),1.07−1.10(m,1H),1.15(s,6H),1.38−1.41(m,2H),1.57−1.61(m,2H),1.71−1.90(m,3H),2.02(t,1H),2.58−2.62(m,2H),3.82(s,3H),4.18(s,1H),4.55−4.63(m,1H),6.95(s,1H),7.14(s,1H),7.27−7.29(m,2H),7.66−7.70(m,2H),8.86(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=534;Rt=1.60分(方法F)。
実施例2−12−2
4−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−2−メチルブタン−2−オール、エナンチオマーB
Figure 0006824954
または
Figure 0006824954
実施例2−2−2と同様に:メチル3−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパノエート、エナンチオマーB(中間体1−20−2;400mg、0.750mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)中溶液を−72℃に冷却し、メチルリチウム(6.0当量、4.5mmol、ジエチルエーテル中1.6M溶液2.8mL)で液滴処理し、−72℃で30分間撹拌したら、反応混合物を室温に徐々に加温し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)で希釈し、相を分離した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮し、分取HPLCによって精製すると、標記化合物(154mg、39%)が得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.97−1.10(m,10H),1.15(s,6H),1.38−1.41(m,2H),1.57−1.62(m,2H),1.71−1.86(m,3H),2.02(t,1H),2.58−2.63(m,2H),3.83(s,3H),4.16(s,1H),4.55−4.61(m,1H),6.95(s,1H),7.14(s,1H),7.26−7.29(m,2H),7.66−7.70(m,2H),8.84(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=534;Rt=1.60分(方法F)。
実施例2−13
2−(1−[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オール
Figure 0006824954
実施例2−3−1と同様に:メチル1−[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−カルボキシレート(中間体1−21;305mg、0.623mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)中溶液をメチルマグネシウムブロミド(10当量、6.2mmol、2−メチルテトラヒドロフラン中3.4M溶液1.9mL)と室温で一晩反応させると、分取HPLC後に、標記化合物(12mg、4%)が得られた。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ[ppm]=0.60(d,3H),0.67(d,3H),0.97(d,3H),1.11−1.20(m,2H),1.45(d,6H),1.65−1.91(m,5H),2.17−2.26(m,1H),2.72(s,2H),4.32−4.41(m,1H),4.88(s,1H),7.15(d,1H),7.29(d,2H),7.38−7.47(m,2H),7.83(d,2H),8.98(s,1H).
UPLC−MS(ESI+):[M+H]=490;Rt=1.62分(方法B)。
表4の実施例を、所与の前駆体から始めて、実施例2−13と同様に調製した。
Figure 0006824954
Figure 0006824954
Figure 0006824954
Figure 0006824954
さらに、本発明の式(I)の化合物は、当業者に知られている任意の方法によって、本明細書に記載されている任意の塩に変換することができる。同様に、本発明の式(I)の化合物の任意の塩は、当業者に知られている任意の方法によって、遊離化合物に変換することができる。
本発明の化合物の医薬組成物
本発明はまた、本発明の1種または複数の化合物を含む医薬組成物に関する。これらの組成物を利用して、それを必要とする患者に投与することによって所望の薬理学的効果を達成することができる。本発明の目的のために、患者は、特定の状態または疾患についての治療を必要とする、ヒトを含む哺乳動物である。そのため、本発明は、薬学的に許容される担体と、薬学的有効量の本発明の化合物またはその塩とで構成される医薬組成物を含む。薬学的に許容される担体は、好ましくは担体に起因するいかなる副作用も有効成分の有益な効果を無効にしないように、有効成分の有効な活性と調和した濃度で、患者に比較的非毒性および無害である担体である。化合物の薬学的有効量は、好ましくは、治療されている特定の状態に対して結果をもたらすまたは影響を及ぼす量である。本発明の化合物は、即時、遅延および徐放製剤を含む任意の有効な従来の単位剤形を用いて、当技術分野で周知の薬学的に許容される担体を用いて経口的に、非経口的に、局所的に、経鼻的に、眼科的に、視覚的に、舌下に、直腸に、経膣的になどで投与することができる。
経口投与のために、化合物を固体または液体製剤、例えば、カプセル剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤、メルト剤(melts)、散剤、液剤、懸濁剤または乳剤に製剤化することができ、医薬組成物を製造するための当技術分野で知られている方法により調製することができる。固体単位剤形は、例えば、界面活性剤、潤滑剤および不活性賦形剤、例えば、乳糖、ショ糖、リン酸カルシウムおよびコーンスターチを含む通常の硬または軟ゼラチン型であり得るカプセルであり得る。
別の実施形態では、本発明の化合物は、バインダー(アカシア、コーンスターチまたはゼラチンなど)、投与後の錠剤の崩壊および溶解を補助することを意図した崩壊剤(ジャガイモデンプン、アルギン酸、コーンスターチおよびグアーガム、トラガントガム、アカシアなど)、錠剤顆粒の流動を改善し、錠剤材料が錠剤型および穿孔器の表面に付着するのを防ぐことを意図した潤滑剤(例えば、タルク、ステアリン酸、またはステアリン酸マグネシウム、カルシウムもしくは亜鉛)、錠剤の審美的品質を向上させ、錠剤を患者にとってより許容可能なものにすることを意図した染料、着色剤ならびに香味剤(ペパーミント、ウィンターグリーン油またはサクサンボ香味など)と組み合わせた従来の錠剤基剤(乳糖、ショ糖およびコーンスターチなど)を用いて錠剤化され得る。経口液体剤形に使用するのに適した賦形剤には、薬学的に許容される界面活性剤、懸濁化剤または乳化剤を添加したまたは添加しないリン酸二カルシウムおよび希釈剤(水およびアルコール、例えば、エタノール、ベンジルアルコールおよびポリエチレンアルコールなど)が含まれる。種々の他の材料は、コーティングとしてまたは投与量単位の物理的形態を修正するために存在し得る。例えば、錠剤、丸剤またはカプセル剤は、シェラック、糖または両方でコーティングされ得る。
分散性粉末および顆粒が水性懸濁剤を調製するのに適している。これらは分散または湿潤剤、懸濁化剤、および1種または複数の保存剤と混和した有効成分を提供する。適当な分散または湿潤剤および懸濁化剤は、既に上で言及されているものによって示されている。追加の賦形剤、例えば、上記の甘味剤、香味剤および着色剤が存在してもよい。
本発明の医薬組成物はまた、水中油型乳剤の形態であってもよい。油相は、植物油、例えば、流動パラフィンまたは植物油の混合物であり得る。適当な乳化剤は、(1)天然ガム、例えば、アラビアガムおよびトラガントガム、(2)天然ホスファチド、例えば、ダイズおよびレシチン、(3)脂肪酸およびヘキシトール無水物から得られるエステルまたは部分エステル、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、(4)前記部分エステルとエチレンオキシドの縮合物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであり得る。乳剤はまた、甘味剤および香味剤を含んでもよい。
油性懸濁剤は、有効成分を植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油、または鉱物油、例えば、流動パラフィンに懸濁することによって製剤化することができる。油性懸濁剤は、増稠剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含んでもよい。懸濁剤はまた、1種または複数の保存剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルもしくはn−プロピル;1種または複数の着色剤;1種または複数の香味剤;および1種または複数の甘味剤、例えば、ショ糖またはサッカリンを含んでもよい。
シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはショ糖を用いて製剤化することができる。このような製剤は、粘滑剤、および保存剤、例えば、メチルおよびプロピルパラベン、ならびに香味剤および着色剤を含んでもよい。
本発明の化合物はまた、非経口的に、すなわち、皮下に、静脈内に、眼内に、関節滑液嚢内に、筋肉内にまたは腹腔内に、薬学的に許容される界面活性剤(石鹸もしくは洗剤など)、懸濁化剤(ペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースもしくはカルボキシメチルセルロースなど)、または乳化剤および他の薬学的アジュバントを用いてまたは用いないで、好ましくは滅菌液体または液体の混合物、例えば、水、生理食塩水、ブドウ糖液および関連する糖液、アルコール(エタノール、イソプロパノールもしくはヘキサデシルアルコールなど)、グリコール(プロピレングリコールもしくはポリエチレングリコールなど)、グリセロールケタノール(2,2−ジメチル−1,1−ジオキソラン−4−メタノールなど)、エーテル(ポリ(エチレングリコール)400など)、油、脂肪酸、脂肪酸エステルまたは脂肪酸グリセリド、またはアセチル化脂肪酸グリセリドであり得る薬学的担体を含む生理学的に許容される希釈剤中の注射可能な投与量の化合物として投与することもできる。
本発明の非経口製剤に使用することができる油の例には、石油、動物、植物または合成起源のもの、例えば、ラッカセイ油、ダイズ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、ワセリンおよび鉱物油がある。適当な脂肪酸には、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸およびミリスチン酸が含まれる。適当な脂肪酸エステルには、例えば、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルがある。適当な石鹸には脂肪酸アルキル金属、アンモニウムおよびトリエタノールアミン塩が含まれ、適当な洗剤には陽イオン性洗剤、例えば、ハロゲン化ジメチルジアルキルアンモニウム、ハロゲン化アルキルピリジニウムおよび酢酸アルキルアミン;陰イオン性洗剤、例えば、スルホン酸アルキル、アリールおよびオレフィン、硫酸アルキル、オレフィン、エーテルおよびモノグリセリド、ならびにスルホサクシネート;非イオン性洗剤、例えば、脂肪族アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミドおよびポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)またはエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシド共重合体;ならびに両性洗剤、例えば、アルキル−β−アミノプロピオネートおよび2−アルキルイミダゾリン四級アンモニウム塩ならびに混合物が含まれる。
本発明の非経口組成物は、典型的には溶液中に約0.5重量%〜約25重量%の有効成分を含む。有利には保存剤および緩衝剤を使用してもよい。注射部位での刺激を最小化するまたは排除するために、このような組成物は、好ましくは約12〜約17の親水性−親油性バランス(HLB)を有する非イオン界面活性剤を含んでもよい。このような製剤中の界面活性剤の量は、好ましくは約5重量%〜約15重量%に及ぶ。界面活性剤は上記HLBを有する単一成分であってもよいし、または所望のHLBを有する2種以上の成分の混合物であってもよい。
非経口製剤に使用される界面活性剤の例には、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステルのクラス、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、およびプロピレンオキシドとプロピレングリコールの縮合により形成されるエチレンオキシドと疎水性基剤の高分子量付加物がある。
医薬組成物は、滅菌注射水性懸濁剤の形態であってもよい。このような懸濁剤は、適当な分散または湿潤剤および懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガントガムおよびアラビアガム;天然ホスファチド、例えば、レシチン、アルキレンオキシドと脂肪酸の縮合物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合物、例えば、ヘプタデカ−エチレンオキシセタノール、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルの縮合物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物由来の部分エステルの縮合物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンである得る分散または湿潤剤を用いて既知の方法により製剤化することができる。
滅菌注射製剤はまた、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の滅菌注射溶液または懸濁液であってもよい。使用され得る希釈剤および溶媒は、例えば、水、リンガー液、等張食塩水および等張グルコース溶液である。さらに、滅菌不揮発性油が溶媒または懸濁化媒体として慣用的に使用されている。この目的のために、合成モノ−またはジグリセリドを含む任意の無刺激不揮発性油を使用してもよい。さらに、オレイン酸などの脂肪酸を注射剤の調製に使用することができる。
本発明の組成物を、薬剤の直腸投与のために坐剤の形態で投与してもよい。これらの組成物は、薬剤を、常温では固体であるが、直腸温度で液体であり、それゆえ直腸内で溶融して薬剤を放出する適当な非刺激賦形剤と混合することによって調製することができる。このような材料には、例えば、カカオ脂およびポリエチレングリコールがある。
本発明の方法に使用される別の製剤は、経皮送達装置(「パッチ」)を使用する。このような経皮パッチを使用して、制御された量での本発明の化合物の連続または不連続注入を提供してもよい。医薬剤を送達するための経皮パッチの構築および使用は当技術分野で周知である(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、1991年6月11日に付与された米国特許第5023252号明細書参照)。このようなパッチを、医薬剤の連続、拍動性またはオンデマンド送達のために構築してもよい。
非経口投与用の制御放出製剤には、当技術分野で知られているリポソーム、ポリマーミクロスフェアおよびポリマーゲル製剤が含まれる。
医薬組成物を、機械送達装置を介して患者に導入することが望ましいまたは必要となり得る。医薬剤を送達するための機械送達装置の構築および使用は当技術分野で周知である。例えば、薬剤を脳に直接投与するための直接技術は、通常、薬剤送達カテーテルを患者の脳室系に配置して血液脳関門をバイパスすることを伴う。薬剤を体の特定の解剖学的領域に輸送するために使用される1つのこのような埋め込み型送達システムは、1991年4月30日に付与された米国特許第5011472号明細書に記載されている。
本発明の組成物はまた、必要に応じてまたは所望の通り一般的に担体または希釈剤と呼ばれる他の従来の薬学的に許容される配合剤を含むこともできる。適当な剤形のこのような組成物を調製するための従来手順を利用することができる。
このような成分および手順には、その各々が参照により本明細書に組み込まれる以下の参考文献に記載されているものが含まれる:Powell,M.F.ら、「Compendium of Excipients for Parenteral Formulations」PDA Journal of Pharmaceutical Science&Technology 1998、52(5)、238〜311;Strickley,R.G「Parenteral Formulations of Small Molecule Therapeutics Marketed in United States(1999)−Part−1」PDA Journal of Pharmaceutical Science&Technology 1999、53(6)、324〜349;およびNema,S.ら、「Excipients and Their Use in Injectable Products」PDA Journal of Pharmaceutical Science&Technology 1997、51(4)、166〜171。
その意図された投与経路のために組成物を製剤化するために適宜使用することができる一般的に使用される医薬成分には以下が含まれる:
酸性化剤(例としては、それだけに限らないが、酢酸、クエン酸、フマル酸、塩酸、硝酸が挙げられる);
アルカリ化剤(例としては、それだけに限らないが、アンモニア溶液、炭酸アンモニウム、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、トロラミンが挙げられる);
吸着剤(例としては、それだけに限らないが、粉末セルロースおよび活性炭が挙げられる);
エアゾール噴射剤(例としては、それだけに限らないが、二酸化炭素、CCl2F2、F2ClC−CClF2およびCClF3が挙げられる);
空気置換剤(例としては、それだけに限らないが、窒素およびアルゴンが挙げられる);
抗真菌保存剤(例としては、それだけに限らないが、安息香酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウムが挙げられる);
抗微生物保存剤(例としては、それだけに限らないが、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀およびチメロサールが挙げられるが);
抗酸化剤(例としては、それだけに限らないが、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、次亜リン酸、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムが挙げられる);
結合材料(例としては、それだけに限らないが、ブロックポリマー、天然および合成ゴム、ポリアクリレート、ポリウレタン、シリコーン、ポリシロキサンおよびスチレン−ブタジエンコポリマーが挙げられる);
緩衝化剤(例としては、それだけに限らないが、メタリン酸カリウム、リン酸二カリウム、酢酸ナトリウム、無水クエン酸ナトリウムおよびクエン酸ナトリウム二水和物が挙げられる);
担持剤(carrying agent)(例としては、それだけに限らないが、アカシアシロップ、芳香族シロップ、芳香族エリキシル、チェリーシロップ、ココアシロップ、オレンジシロップ、シロップ、トウモロコシ油、鉱油、ピーナッツ油、ゴマ油、静菌性塩化ナトリウム注射液および注射用静菌水が挙げられる);
キレート剤(例としては、それだけに限らないが、エデト酸二ナトリウムおよびエデト酸が挙げられる);
着色剤(例としては、それだけに限らないが、FD&C赤色3号、FD&C赤色20号、FD&C黄色6号、FD&C青色2号、D&C緑色5号、D&C橙色5号、D&C赤色8号、カラメルおよび赤色酸化第二鉄が挙げられる);
清澄化剤(例としては、それだけに限らないが、ベントナイトが挙げられる);
乳化剤(例としてはそれだけに限らないが、アカシア、セトマクロゴール、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、レシチン、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン50が挙げられる);
カプセル化剤(例としては、それだけに限らないが、ゼラチンおよび酢酸フタル酸セルロースが挙げられる);
香味剤(例としては、それだけに限らないが、アニス油、シナモン油、ココア、メントール、オレンジ油、ペパーミント油およびバニリンが挙げられる);
保湿剤(例としては、それだけに限らないが、グリセロール、プロピレングリコールおよびソルビトールが挙げられる);
研和剤(例としては、それだけに限らないが、鉱油およびグリセリンが挙げられる);
油(例としては、それだけに限らないが、ラッカセイ油、鉱油、オリーブ油、ピーナッツ油、ゴマ油および植物油が挙げられる);
軟膏基剤(例としては、それだけに限らないが、ラノリン、親水性軟膏、ポリエチレングリコール軟膏、ワセリン、親水性ワセリン、白色軟膏、黄色軟膏およびバラ水軟膏が挙げられる);
浸透促進剤(経皮送達)(例としては、それだけに限らないが、モノヒドロキシまたはポリヒドロキシアルコール、一価または多価アルコール、飽和または不飽和脂肪アルコール、飽和または不飽和脂肪酸エステル、飽和または不飽和ジカルボン酸、精油、ホスファチジル誘導体、セファリン、テルペン、アミド、エーテル、ケトンおよび尿素が挙げられる);
可塑剤(例としては、それだけに限らないが、ジエチルフタレートおよびグリセロールが挙げられる);
溶媒(例としては、それだけに限らないが、エタノール、コーン油、綿実油、グリセロール、イソプロパノール、鉱油、オレイン酸、ピーナッツ油、精製水、注射用水、注射用滅菌水および灌注用滅菌水が挙げられる);
硬化剤(例としては、それだけに限らないが、セチルアルコール、セチルエステルワックス、ミクロクリスタリンワックス、パラフィン、ステアリルアルコール、白蝋および黄蝋が挙げられる);
坐剤基剤(例としては、それだけに限らないが、カカオ脂およびポリエチレングリコール(混合物)が挙げられる);
界面活性剤(例としては、それだけに限らないが、塩化ベンザルコニウム、ノノキシノール10、オクトキシノール9、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウムおよびソルビタンモノパルミテートが挙げられる);
懸濁化剤(例としては、それだけに限らないが、寒天、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カオリン、メチルセルロース、トラガカントおよびビーガムが挙げられる);
甘味剤(例としては、それだけに限らないが、アスパルテーム、デキストロース、グリセロール、マンニトール、プロピレングリコール、サッカリンナトリウム、ソルビトールおよびスクロースが挙げられる);
錠剤付着防止剤(例としては、それだけに限らないが、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクが挙げられる);
錠剤結合剤(例としては、それだけに限らないが、アカシア、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、圧縮糖、エチルセルロース、ゼラチン、液状グルコース、メチルセルロース、非架橋ポリビニルピロリドンおよびα化デンプンが挙げられる);
錠剤およびカプセル剤希釈剤(例としては、それだけに限らないが、リン酸水素カルシウム、カオリン、乳糖、マンニトール、微結晶セルロース、粉末セルロース、沈降炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ソルビトールおよびデンプンが挙げられる);
錠剤コーティング剤(例としては、それだけに限らないが、液状グルコース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースおよびシェラックが挙げられる);
錠剤直接圧縮賦形剤(例としては、それだけに限らないが、リン酸水素カルシウムが挙げられる);
錠剤崩壊剤(例としては、それだけに限らないが、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、微結晶セルロース、ポラクリリンカリウム、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、グリコール酸デンプンナトリウムおよびデンプンが挙げられる);
錠剤滑剤(例としては、それだけに限らないが、コロイドシリカ、コーンスターチおよびタルクが挙げられる);
錠剤潤滑剤(例としては、それだけに限らないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ステアリン酸およびステアリン酸亜鉛が挙げられる);
錠剤/カプセル不透明化剤(opaquant)(例としては、それだけに限らないが、二酸化チタンが挙げられる);
錠剤光沢剤(例としては、それだけに限らないが、カルナウバロウおよび白蝋が挙げられる);
粘稠化剤(例としては、それだけに限らないが、蜜蝋、セチルアルコールおよびパラフィンが挙げられる);
等張化剤(例としては、それだけに限らないが、デキストロースおよび塩化ナトリウムが挙げられる);
増粘剤(例としては、それだけに限らないが、アルギン酸、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウムおよびトラガカントが挙げられる);および
湿潤剤(例としては、それだけに限らないが、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、レシチン、ソルビトールモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートおよびポリオキシエチレンステアレートが挙げられる)。
本発明による医薬組成物を以下の通り示すことができる:
滅菌IV溶液:本発明の所望の化合物の5mg/mL溶液を滅菌注射用水を用いて製造することができ、必要に応じてpHを調整する。この溶液を投与するために滅菌5%ブドウ糖を用いて1〜2mg/mLに希釈し、約60分間にわたってIV注入として投与する。
IV投与用の凍結乾燥粉末:(i)凍結乾燥粉末としての本発明の所望の化合物100〜1000mg、(ii)32〜327mg/mLのクエン酸ナトリウムおよび(iii)Dextran 40 300〜3000mgを用いて滅菌製剤を調製することができる。製剤を滅菌注射用生理食塩水またはブドウ糖5%を用いて再構成して10〜20mg/mLの濃度にし、これをさらに生理食塩水またはブドウ糖5%を用いて希釈して0.2〜0.4mg/mLにし、15〜60分間にわたってIVボーラスまたはIV注入によって投与する。
筋肉内懸濁剤:筋肉内注射用に以下の溶液または懸濁液を調製することができる:
50mg/mLの本発明の所望の水不溶性化合物
5mg/mLのカルボキシメチルセルロースナトリウム
4mg/mLのTWEEN 80
9mg/mLの塩化ナトリウム
9mg/mLのベンジルアルコール
硬カプセル剤:それぞれ粉末有効成分100mgを含む標準的ツーピース硬ガランチン(galantine)カプセル、乳糖150mg、セルロース50mgおよびステアリン酸マグネシウム6mgを充填することによって多数の単位カプセル剤を調製する。
軟ゼラチンカプセル剤:有効成分のダイズ油、綿実油またはオリーブ油などの可消化油中混合物を調製し、容量型ポンプを用いて溶融ゼラチンに注射して有効成分100mgを含む軟ゼラチンカプセル剤を形成する。カプセル剤を洗浄し、乾燥させる。有効成分を、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびソルビトールの混合物に溶解して水混和性薬剤混合物を調製することができる。
錠剤:投与量単位が有効成分100mg、コロイド状二酸化ケイ素0.2mg、ステアリン酸マグネシウム5mg、微結晶セルロース275mg、デンプン11mgおよび乳糖98.8mgとなるように従来手順によって多数の錠剤を調製する。適当な水性および非水性コーティングを施して嗜好性を増加させ、優雅さおよび安定性を改善する、または吸収を遅らせることができる。
即時放出錠剤/カプセル剤:これらは従来のおよび新規な方法によって製造される固体経口剤形である。これらの単位を、薬剤の即時溶解および送達のために水なしで経口的に服用させる。有効成分を、糖、ゼラチン、ペクチンおよび甘味剤などの成分を含む液体に混合する。これらの液体を、凍結乾燥および固相抽出技術によって固体錠剤またはカプレットに凝固する。薬剤化合物を粘弾性および熱弾性の糖およびポリマーまたは発泡性成分を用いて圧縮して、水を必要としない即時放出を意図した多孔質マトリックスを製造することができる。
併用療法
本発明における「組合せ」という用語は、当業者に知られているように使用され、固定した組合せ、固定していない組合せまたはパーツキット(kit−of−parts)として存在し得る。
本発明における「固定した組合せ」は、当業者に知られているように使用され、前記第1の有効成分および前記第2の有効成分が1つの単位投与量または単一実体中に一緒に存在する組合せとして定義される。「固定した組合せ」の1つの例は、前記第1の有効成分および前記第2の有効成分が同時投与用の混和物、例えば、製剤中に存在する医薬組成物である。「固定した組合せ」の別の例は、前記第1の有効成分および前記第2の有効成分が混和していないが一単位中に存在する医薬組合せである。
本発明における固定していない組合せまたは「パーツキット」は、当業者に知られているように使用され、前記第1の有効成分および前記第2の有効成分が2つ以上の単位中に存在する組合せとして定義される。固定していない組合せまたはパーツキットの1つの例は、前記第1の有効成分および前記第2の有効成分が別々に存在する組合せである。固定していない組合せまたはパーツキットの成分は、別々に、順次、同時に、同時発生的にまたは時差的交互的に(chronologically staggered)投与することができる。
本発明の化合物は、唯一の医薬剤として、または組合せが許容できない有害効果をもたらさない1種以上の他の医薬剤との組合せで投与することができる。本発明はまた、このような組合せに関する。例えば、本発明の化合物は、既知の化学療法剤または抗癌剤、例えば、抗過増殖または他の適応症の薬剤など、ならびにこれらの混和物および組合せと組み合わせることができる。他の適応症の薬剤には、それだけに限らないが、抗血管新生剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、DNA挿入抗生物質、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答修飾物質または抗ホルモン剤が含まれる。
化学療法剤および抗癌剤の例としては以下が挙げられる:
131I−chTNT、アバレリックス、アビラテロン、アクラルビシン、ado−トラスツズマブエムタンシン、アファチニブ、アフリベルセプト、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アレンドロン酸、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミフォスチン、アミノグルテチミド、ヘキシルアミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アンセスチム、アネトールジチオールチオン、アンジオテンシンII、抗トロンビンIII、アプレピタント、アルシツモマブ、アルグラビン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アキシチニブ、アザシチジン、バシリキシマブ、ベロテカン、ベンダムスチン、ベリノスタット、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビサントレン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブセレリン、ボスチニブ、ブレンツキシマブベドチン、ブスルファン、カバジタキセル、カボザンチニブ、ホリナートカルシウム、レボホリナートカルシウム、カペシタビン、カプロマブ、カルボプラチン、カルフィルゾミブ、カルモフール、カルムスチン、カツマキソマブ、セレコキシブ、セルモロイキン、セリチニブ、セツキシマブ、クロラムブシル、クロルマジノン、クロルメチン、シドホビル、シナカルセト、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、クロファラビン、コパンリシブ、クリサンタスパーゼ、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルベポエチンアルファ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デプレオチド、デスロレリン、デクスラゾキサン、塩化ジブロスピジウム、ジアンヒドロガラクチトール、ジクロフェナク、ドセタキセル、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ドキソルビシン+エストロン、ドロナビノール、エクリズマブ、エドレコロマブ、酢酸エリプチニウム、エルトロンボパグ、エンドスタチン、エノシタビン、エンザルタミド、エピルビシン、エピチオスタノール、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンゼータ、エプタプラチン、エリブリン、エルロチニブ、エソメプラゾール、エストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、ファドロゾール、フェンタニル、フィルグラスチム、フルオキシメステロン、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フォリン酸、フォルメスタン、ホスアプレピタント、ホテムスチン、フルベストラント、ガドブトロール、ガドテリドール、ガドテル酸メグルミン、ガドベルセタミド、ガドキセト酸、硝酸ガリウム、ガニレリクス、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、グルカルピダーゼ、グルトキシム(glutoxim)、GM−CSF、ゴセレリン、グラニセトロン、顆粒球コロニー刺激因子、ヒスタミン二塩酸塩、ヒストレリン、ヒドロキシカルバミド、I−125シード、ランソプラゾール、イバンドロン酸、イブリツモマブ・ティウキセタン、イブルチニブ、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イミキモド、インプロスルファン、インジセトロン、インカドロン酸、インゲノールメブテート、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、イオビトリドール、イオベングアン(123I)、イオメプロール、イピリムマブ、イリノテカン、イトラコナゾール、イクサベピロン、ランレオチド、ラパチニブ、ラソコリン(lasocholine)、レナリドミド、レノグラスチム、レンチナン、レトロゾール、ロイプロレリン、レバミソール、レボノルゲストレル、レボチロキシンナトリウム、リスリド、ロバプラチン、ロムスチン、ロニダミン、マソプロコール、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メラルソプロール、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メスナ、メタドン、メトトレキサート、メトキサレン、アミノレブリン酸メチル、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、メチロシン、ミファムルチド、ミルテホシン、ミリプラチン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、モガムリズマブ、モルグラモスチム、モピダモール、モルヒネ塩酸塩、モルヒネ硫酸塩、ナビロン、ナビキシモルス、ナファレリン、ナロキソン+ペンタゾシン、ナルトレキソン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネララビン、ネリドロン酸、ニボルマブペンテトレオチド(nivolumabpentetreotide)、ニロチニブ、ニルタミド、ニモラゾール、ニモツズマブ、ニムスチン、ニトラクリン、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オクトレオチド、オファツムマブ、オマセタキシン・メペサクシネート、オメプラゾール、オンダンセト
ロン、オプレルベキン、オルゴテイン、オリロチモド(orilotimod)、オキサリプラチン、オキシコドン、オキシメトロン、オゾガマイシン、p53遺伝子療法、パクリタキセル、パリフェルミン、パラジウム−103シード、パロノセトロン、パミドロン酸、パニツムマブ、パントプラゾール、パゾパニブ、ペグアスパルガーゼ、PEG−エポエチンベータ(メトキシPEG−エポエチンベータ)、ペムブロリズマブ、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ−2b、ペメトレキセド、ペンタゾシン、ペントスタチン、ペプロマイシン、ペルフルブタン、ペルホスファミド、ペルツズマブ、ピシバニール、ピロカルピン、ピラルビシン、ピクサントロン、プレリキサホル、プリカマイシン、ポリグルサム、リン酸ポリエストラジオール、ポリビニルピロリドン+ヒアルロン酸ナトリウム、ポリサッカリド−K、ポマリドミド、ポナチニブ、ポルフィマーナトリウム、プララトレキサート、プレドニムスチン、プレドニゾン、プロカルバジン、プロコダゾール、プロプラノロール、キナゴリド、ラベプラゾール、ラコツモマブ、塩化ラジウム223、ラドチニブ、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラモセトロン、ラムシルマブ、ラニムスチン、ラスブリカーゼ、ラゾキサン、レファメチニブ、レゴラフェニブ、リセドロン酸、エチドロン酸レニウム−186、リツキシマブ、ロミデプシン、ロミプロスチム、ロムルチド、ロニシクリブ、サマリウム(153Sm)レキシドロナム、サルグラモスチム、サツモマブ、セクレチン、シプロイセルT、シゾフィラン、ソブゾキサン、グリシジダゾールナトリウム、ソラフェニブ、スタノゾロール、ストレプトゾシン、スニチニブ、タラポルフィン、タミバロテン、タモキシフェン、タペンタドール、タソネルミン、テセロイキン、テクネチウム(99mTc)ノフェツモマブメルペンタン、99mTc−HYNIC−[Tyr3]−オクトレオチド、テガフール、テガフール+ギメラシル+オテラシル、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テストステロン、テトロホスミン、サリドマイド、チオテパ、チマルファシン、サイロトロピンアルファ、チオグアニン、トシリズマブ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラベクテジン、トラマドール、トラスツズマブ、トラスツズマブエムタンシン、トレオスルファ
ン、トレチノイン、トリフルリジン+チピラシル、トリロスタン、トリプトレリン、トラメチニブ、トロフォスファミド、トロンボポエチン、トリプトファン、ウベニメクス、バラチニブ、バルルビシン、バンデタニブ、バプレオチド、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ビスモデギブ、ボリノスタット、ボロゾール、イットリウム90ガラスミクロスフェア、ジノスタチン、ジノスタチンスチマラマー、ゾレドロン酸、ゾルビシン。
本発明の化合物をタンパク質治療薬と組み合わせて投与してもよい。がんまたは他の血管形成障害の治療ならびに本発明の組成物で使用するのに適したこのようなタンパク質治療薬には、それだけに限らないが、インターフェロン(例えば、インターフェロンα、βまたはγ)上作動性(supraagonistic)モノクローナル抗体、チュービンゲン(Tuebingen)、TRP−1タンパク質ワクチン、コロストリニン、抗FAP抗体、YH−16、ゲムツズマブ、インフリキシマブ、セツキシマブ、トラスツズマブ、デニロイキンジフチトクス、リツキシマブ、チモシンα1、ベバシズマブ、メカセルミン、メカセルミンリンファバート、オプレルベキン、ナタリズマブ、rhMBL、MFE−CP1+ZD−2767−P、ABT−828、ErbB2特異的免疫毒素、SGN−35、MT−103、リンファバート、AS−1402、B43−ゲニステイン、L−19に基づく放射免疫療法、AC−9301、NY−ESO−1ワクチン、IMC−1C11、CT−322、rhCC10、r(m)CRP、MORAb−009、アビスクミン(aviscumine)、MDX−1307、Her−2ワクチン、APC−8024、NGR−hTNF、rhH1.3、IGN−311、エンドステイン、ボロシキシマブ、PRO−1762、レクサツムマブ、SGN−40、ペルツズマブ、EMD−273063、L19−IL−2融合タンパク質、PRX−321、CNTO−328、MDX−214、チガポチド(tigapotide)、CAT−3888、ラベツズマブ、α粒子放出放射線同位元素結合リンツズマブ、EM−1421、HyperAcuteワクチン、ツコツズマブセルモロイキン、ガリキシマブ、HPV−16−E7、Javelin−前立腺がん、Javelin−メラノーマ、NY−ESO−1ワクチン、EGFワクチン、CYT−004−MelQbG10、WT1ペプチド、オレゴボマブ、オファツムマブ、ザルツムマブ、シントレデキンベスドトクス(cintredekin besudotox)、WX−G250、アルブフェロン、アフリバーセプト、デノスマブ、ワクチン、CTP−37、エフングマブ(efungumab)または131I−chTNT−1/Bが含まれる。タンパク質治療薬として有用なモノクローナル抗体には、それだけに限らないが、ムロモナブ−CD3、アブシキシマブ、エドレコロマブ、ダクリズマブ、ゲムツズマブ、アレムツズマブ、イブリツモマブ、セツキシマブ、ベバシズマブ、エファリズマブ、アダリムマブ、オマリズマブ、ムロモマブ−CD3、リツキシマブ、ダクリズマブ、トラスツズマブ、パリビズマブ、バシリキシマブおよびインフリキシマブが含まれる。
本明細書で定義される一般式(I)の化合物を、以下の1種または複数と組み合わせて投与してもよい:ARRY−162、ARRY−300、ARRY−704、AS−703026、AZD−5363、AZD−8055、BEZ−235、BGT−226、BKM−120、BYL−719、CAL−101、CC−223、CH−5132799、デフォロリムス、E−6201、エンザスタウリン、GDC−0032、GDC−0068、GDC−0623、GDC−0941、GDC−0973、GDC−0980、GSK−2110183、GSK−2126458、GSK−2141795、MK−2206、ノボリムス、OSI−027、ペリホシン、PF−04691502、PF−05212384、PX−866、ラパマイシン、RG−7167、RO−4987655、RO−5126766、セルメチニブ、TAK−733、トラメチニブ、トリシリビン、UCN−01、WX−554、XL−147、XL−765、ゾタロリムス、ZSTK−474。
一般的に、本発明の化合物または組成物と組み合わせた細胞毒性および/または細胞増殖抑制剤の使用は、
(1)いずれかの薬剤単独の投与と比べて、腫瘍の成長を減少させるのに優れた効果をもたらすまたは腫瘍を排除さえする、
(2)より少量の投与される化学療法剤の投与をもたらす、
(3)単独薬剤の化学療法および特定の他の併用療法で観察されるよりも有害な薬理学的合併症が少なく、患者の耐容性が良好である化学療法治療を提供する、
(4)哺乳動物、特にヒトにおいて広範囲の異なる癌型の治療を提供する、
(5)治療されている患者間の高い奏功率を提供する、
(6)標準的化学療法治療と比べて、治療されている患者間で長い生存期間を提供する、
(7)より長い腫瘍進行の時間をもたらす、および/または
(8)他の癌薬剤組合せが拮抗効果をもたらす既知の例と比べて、単独で使用される薬剤の結果と少なくとも同じくらい良い効能および耐容性結果をもたらす
のに役立つ。
細胞を放射線に感作させる方法
本発明の別個の実施形態では、本発明の化合物を用いて細胞を放射線に感作させることができる。すなわち、細胞の放射線治療の前の、本発明の化合物による細胞の処理が、細胞が本発明の化合物による処理を受けていない場合よりも、細胞をDNA損傷および細胞死を受けやすくする。一態様では、細胞を少なくとも1種の本発明の化合物で処理する。
したがって、本発明はまた、細胞を死滅させる方法であって、細胞が従来の放射線治療と組み合わせて1種または複数の本発明の化合物を投与される方法も提供する。
本発明はまた、細胞を、より細胞死を受けやすくする方法であって、細胞死を引き起こすまたは誘導するために細胞が細胞の処理前に1種または複数の本発明の化合物で処理される方法も提供する。一態様では、正常な細胞の機能を阻害するまたは細胞を死滅させる目的でDNA損傷を引き起こすために、細胞を1種または複数の本発明の化合物で処理した後に、細胞を少なくとも1種の化合物もしくは少なくとも1つの方法、またはこれらの組合せで処理する。
一実施形態では、細胞を少なくとも1種のDNA損傷剤で処理することによって細胞を死滅させる。すなわち、細胞を1種または複数の本発明の化合物で処理して細胞を細胞死に感作させた後で、細胞を少なくとも1種のDNA損傷剤で処理して細胞を死滅させる。本発明で有用なDNA損傷剤には、それだけに限らないが、化学療法剤(例えば、シスプラチン)、電離放射線(X線、紫外線放射)、発癌物質および突然変異誘発物質が含まれる。
別の実施形態では、細胞を少なくとも1つの方法で処理してDNA損傷を引き起こすまたは誘導することによって細胞を死滅させる。このような方法には、それだけに限らないが、経路が活性化されるとDNA損傷をもたらす細胞シグナル伝達経路の活性化、経路が阻害されるとDNA損傷をもたらす細胞シグナル伝達経路の阻害、および細胞における生化学的変化の誘導(ここでは変化がDNA損傷をもたらす)が含まれる。非限定的例として、細胞のDNA修復経路を阻害し、それによってDNA損傷の修復を防ぐ、および細胞のDNA損傷の異常な蓄積をもたらすことができる。
本発明の一態様では、放射線または細胞のDNA損傷の他の誘導の前に、本発明の化合物を細胞に投与する。本発明の別の態様では、放射線または細胞のDNA損傷の他の誘導と同時に、本発明の化合物を細胞に投与する。本発明のさらに別の態様では、放射線または細胞のDNA損傷の他の誘導の直後に、本発明の化合物を細胞に投与する。
別の態様では、細胞はインビトロである。別の実施形態では、細胞はインビボである。
上記のように、本発明の前記化合物は、驚くべきことに、紡錘体形成チェックポイントを有効に阻害することが分かり、そのため、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞免疫応答、あるいは不適当な細胞炎症反応、あるいは制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞免疫応答、あるいは不適当な細胞炎症反応を伴う疾患(特に、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞免疫応答、あるいは不適当な細胞炎症反応は、紡錘体形成チェックポイントの阻害によって発症する)、例えば、血液系腫瘍、固形腫瘍および/またはこれらの転移、例えば、白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、頭頸部腫瘍(脳腫瘍および脳転移を含む)、胸部腫瘍(非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む)、胃腸腫瘍、内分泌腫瘍、乳房および他の婦人科腫瘍、泌尿器腫瘍(腎臓、膀胱および前立腺腫瘍を含む)、皮膚腫瘍、および肉腫、ならびに/あるいはこれらの転移の疾患の治療または予防に使用され得る。
そのため、別の態様によると、本発明は、上記の疾患の治療または予防に使用するための、本明細書に記載および定義される一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物または塩、特にその薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物を網羅する。
そのため、本発明の別の特定の態様は、疾患を予防または治療するための、上記一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物または塩、特にその薬学的に許容される塩、またはこれらの混合物の使用である。
そのため、本発明の別の特定の態様は、疾患を治療または予防するための医薬組成物を製造するための、上記一般式(I)の化合物の使用である。
前2段落で言及される疾患は、制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞免疫応答、あるいは不適当な細胞炎症反応、あるいは制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞免疫応答、あるいは不適当な細胞炎症反応を伴う疾患、例えば、血液系腫瘍、固形腫瘍および/またはこれらの転移、例えば、白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、頭頸部腫瘍(脳腫瘍および脳転移を含む)、胸部腫瘍(非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む)、胃腸腫瘍、内分泌腫瘍、乳房および他の婦人科腫瘍、泌尿器腫瘍(腎臓、膀胱および前立腺腫瘍を含む)、皮膚腫瘍、および肉腫、ならびに/あるいはこれらの転移の疾患である。
本発明の文脈、特に本明細書で使用される「不適当な細胞免疫応答または不適当な細胞炎症反応」の文脈内の「不適当な」という用語は、正常より小さいまたは大きい、また前記疾患の病理学に関連する、の原因である、または、をもたらす応答を意味するものと理解されるべきである。
好ましくは、使用は疾患の治療または予防におけるものであり、疾患は血液系腫瘍、固形腫瘍および/またはこれらの転移である。
過剰増殖障害を治療する方法
本発明は、哺乳動物の過剰増殖障害を治療するために、本発明の化合物およびその組成物を使用する方法に関する。化合物を利用して細胞増殖および/または細胞分裂を阻害する、遮断する、低減する、減少させる等、ならびに/あるいはアポトーシスをもたらすことができる。この方法は、障害を治療するのに有効な量の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩、異性体、多形、代謝産物、水和物、溶媒和物もしくはエステル等を、ヒトを含む、それを必要とする哺乳動物に投与するステップを含む。過剰増殖障害には、それだけに限らないが、例えば、乾癬、ケロイドおよび皮膚に影響を及ぼす他の過形成、前立腺肥大症(BPH)、固形腫瘍(乳房、気道、脳、生殖器、消化管、尿路、目、肝臓、皮膚、頭頸部、甲状腺、副甲状腺の癌およびこれらの遠隔転移など)が含まれる。これらの障害にはリンパ腫、肉腫および白血病も含まれる。
乳がんの例には、それだけに限らないが、浸潤性乳管癌、浸潤性小葉癌、非浸潤性乳管癌、および非浸潤性小葉癌が含まれる。
気道のがんの例には、それだけに限らないが、小細胞および非小細胞肺癌、ならびに気管支腺腫および胸膜肺芽腫が含まれる。
脳癌の例には、それだけに限らないが、脳幹および視床下部(hypophtalmic)膠腫、小脳および大脳星状細胞腫、髄芽腫、上衣腫、退形成星こう腫、びまん性星細胞腫、膠芽腫、乏突起膠腫、二次性多形性膠芽腫ならびに神経外胚葉および松果体腫瘍が含まれる。
男性生殖器の腫瘍には、それだけに限らないが、前立腺および精巣癌が含まれる。女性生殖器の腫瘍には、それだけに限らないが、子宮内膜、子宮頚部、卵巣、膣および外陰癌、ならびに子宮の肉腫が含まれる。
消化管の腫瘍には、それだけに限らないが、肛門、結腸、結腸直腸、食道、胆嚢、胃、膵臓、直腸、小腸および唾液腺癌が含まれる。
尿路の腫瘍には、それだけに限らないが、膀胱、陰茎、腎臓、腎盂、尿管、尿道およびヒト乳頭状腎臓癌が含まれる。
目のがんには、それだけに限らないが、眼内黒色腫および網膜芽細胞腫が含まれる。
肝がんの例には、それだけに限らないが、肝細胞癌(線維層板型の変形を伴うまたは伴わない肝臓細胞癌)、胆管癌(肝内胆管癌)および混合肝細胞性胆管癌が含まれる。
皮膚がんには、それだけに限らないが、扁平上皮癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚がんおよび非黒色腫皮膚がんが含まれる。
頭頸部癌には、それだけに限らないが、喉頭、下咽頭、鼻咽頭、中咽頭癌、および口腔癌および扁平細胞が含まれる。リンパ腫には、それだけに限らないが、AIDS関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病および中枢神経系のリンパ腫が含まれる。
肉腫には、それだけに限らないが、軟組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫および横紋筋肉種が含まれる。
白血病には、それだけに限らないが、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病および有毛細胞白血病が含まれる。
これらの障害はヒトにおいてよく特徴付けられているが、他の哺乳動物でも類似の病因で存在し、本発明の医薬組成物を投与することによって治療することができる。
本文書の全体にわたって述べられている「治療すること」または「治療」という用語は、慣習的に使用され、例えば、がんなどの疾患または障害の状態等と戦う、これを緩和する、低減する、軽減する、改善する目的での対象の管理または介護である。
血管新生障害を治療する方法
本発明はまた、過剰なおよび/または異常な血管新生に関連する障害および疾患を治療する方法も提供する。
血管新生の不適切な異所性発現は生物にとって有害となり得る。いくつかの病理学的状態が外来性血管の成長に関連している。これらには、例えば、糖尿病網膜症、虚血性網膜静脈閉塞症および未熟児網膜症[Aiello等New Engl.J.Med.1994、331、1480;Peer等Lab.Invest.1995、72、638]、加齢黄斑変性[AMD;Lopez等Invest.Opththalmol.Vis.Sci.1996、37、855参照]、血管新生緑内障、乾癬、後水晶体線維増殖症、血管線維腫、炎症、関節リウマチ(RA)、再狭窄、ステント内再狭窄、移植血管閉塞等が含まれる。さらに、癌性および腫瘍性組織に関連する血液供給増加は、急速な腫瘍拡大および転移をもたらす成長を促進する。さらに、腫瘍中での新たな血管およびリンパ管の成長は、変節した細胞のための脱出経路を提供し、癌の転移および結果としての広がりを促進する。したがって、本発明の化合物を利用して、例えば、血管形成を阻害するおよび/または低減することにより;内皮細胞増殖もしくは血管新生に関与する他の型を阻害する、遮断する、低減する、減少させる等、ならびにこのような細胞型の細胞死またはアポトーシスを引き起こすことにより上記血管新生障害のいずれかを治療および/または予防することができる。
用量および投与
哺乳動物において上で同定された状態の治療を決定するための標準的毒性試験および標準的薬理学的アッセイ、ならびにこれらの結果とこれらの状態を治療するために使用される既知の医薬品の結果との比較による、過剰増殖障害および血管新生障害の治療に有用な化合物を評価するために知られている標準的実験室技術に基づいて、本発明の化合物の有効投与量を各所望の適応症を治療するために容易に決定することができる。これらのうちのある状態の治療で投与されるべき有効成分の量は、使用される特定の化合物および投与量単位、投与様式、治療期間、治療される患者の年齢および性別、ならびに治療される状態の性質および程度などの考慮事項により広く変化し得る。
投与されるべき有効成分の総量は、一般的に約0.001mg/kg〜約200mg/kg体重/日、好ましくは約0.01mg/kg〜約20mg/kg体重/日に及ぶ。臨床的に有用な投与スケジュールは、1〜3回/日投与〜4週間に1度投与に及ぶ。さらに、患者が一定期間薬剤を投与されない「休薬日」が、薬理学的効果と耐容性との間の全体的なバランスに有益となり得る。単位投与量は約0.5mg〜約1500mgの有効成分を含み、1日1回もしくは複数回または1日1回未満投与することができる。静脈内、筋肉内、皮下および非経口注射を含む注射による投与、ならびに注入技術の使用のための平均1日投与量は、好ましくは0.01〜200mg/kg総体重となる。平均1日直腸投与レジメンは、好ましくは0.01〜200mg/kg総体重となる。平均1日膣投与レジメンは、好ましくは0.01〜200mg/kg総体重となる。平均1日局所投与レジメンは、好ましくは1日1〜4回、0.1〜200mg投与される。経皮濃度は、好ましくは0.01〜200mg/kgの1日量を維持するのに必要とされるものとなる。平均1日吸入投与レジメンは、好ましくは0.01〜100mg/kg総体重となる。
当然、各患者のための具体的な初期および継続投与レジメンは、主治診断医により決定される状態の性質および重症度、使用される具体的な化合物の活性、患者の年齢および全身状態、投与期間、投与経路、薬剤の排泄率、薬剤の組合せなどによって変化する。本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルもしくは組成物の所望の治療様式および投与回数は、従来の治療試験を用いて当業者によって確認され得る。
好ましくは、前記方法の疾患は血液系腫瘍、固形腫瘍および/またはこれらの転移である。
本発明の化合物は、腫瘍成長の前処理を用いてまたは用いないで、特に、全ての適応症および病期の固形腫瘍の腫瘍成長および転移の特に治療および予防、すなわち予防法に使用することができる。
特定の薬理学的または薬学的特性について試験する方法は当業者に周知である。
本明細書に記載される実施例の試験実験は本発明を説明するのに役立つが、本発明は示される例に限定されない。
生物学的アッセイ:
実施例を選択された生物学的アッセイで1回または複数回試験した。2回以上試験した場合、データは平均値または中央値のいずれかとして報告し、ここで
平均値は算術平均値とも呼ばれ、得られた値の和÷試験した回数を表し、
中央値は昇順または降順で並べた場合の値の群の中央の数を表す。設定されたデータの値の数が奇数の場合、中央値は中央の値になる。設定されたデータの値の数が偶数の場合、中央値は2つの中央の値の算術的平均となる。
実施例を1回または複数回合成した。2回以上合成した場合、生物学的アッセイのデータは、1つまたは複数の合成バッチの試験から得られたデータセットを利用して計算される平均値または中央値を表す。
変異型IDH1 R132H生化学的アッセイ
mIDH1は、α−ケトグルタル酸(α−KG)の(2R)−2−ヒドロキシグルタル酸(2−HG)へのNADPH依存性還元を触媒する。NADPH消費を発光読み取りによって測定した。
反応体積41μLおよび以下のアッセイ緩衝液条件:50mM Tris pH7.5、100mM NaCl、20mM MgCl2、0.05% BSA、0.01% Brij、1μM NADPHおよび250μM α−KGを用いて、384ウェルプレート中32℃で生化学的アッセイを行った。IDH1 R132H酵素を1.5nMの最終濃度で使用した。試験化合物を0.002〜10μMの間の濃度範囲で使用した。最終DMSO濃度は2.4%であった。
反応物を30分間インキュベートし、次いで、検出混合物40μL(0.75μg/mlルシフェラーゼ、0.02U/mlオキシドレダクターゼ、4μg/mL FMN、2μL/mlデカナール/エタノール、50mM Tris pH7.5、0.5%グリセリン、0.01%Tween−20、0.05%BSA)を添加した。発光を発光読み取り装置(10秒測定時間、1秒積分期間、30%感度)で測定した。発光の減少はmIDH1活性に比例する。相対発光対阻害剤濃度のプロットからの内挿によってIC50値を決定する。
Figure 0006824954
Figure 0006824954
変異型IDH1細胞アッセイ
(2R)−2−ヒドロキシグルタル酸(2HG)のレベルを、変異型イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(mIDH)タンパク質を過剰発現している細胞株の培地で測定した。mIDHは、α−ケトグルタル酸の2−HGへのNADPH依存性還元を触媒する。細胞(LN229 R132H、Mohrenzら、Apoptosis(2013)18:1416〜1425)を、10%FCSを含むDMEMで培養した。これらをトリプシンによって回収し、96ウェルプレートに蒔いた。細胞を5%CO2中37℃で一晩インキュベートした。翌日、試験化合物を各細胞ウェルに添加した。DMSOの最終濃度は0.1%であり、DMSO対照を含めた。次いで、プレートをインキュベーターに24時間入れた。
Balssら(Acta Neuropathol(2012)124:883〜891)により2−HGを測定した。手短に言えば、過塩素酸を各ウェルに添加し、プレートを遠心分離した。一定分量を取り出し、ヒドロキシグルタル酸デヒドロゲナーゼ(HGDH)、ジアホラーゼ、NAD+およびレサズリンとインキュベートした。レサズリンのレゾルフィンへの変換を励起540nm発光600nmで蛍光分光法によって検出した。蛍光の増加は2−HG産生に比例する。相対蛍光対阻害剤濃度のプロットからの内挿によってIC50値を決定する。
Figure 0006824954

Claims (20)

  1. 式(I):
    Figure 0006824954
    (式中、
    R1は、ハロゲン原子または
    C1〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキル、C1〜C6−アルコキシ、C3〜C6−シクロアルキルオキシ、C1〜C6−ハロアルキル、C1〜C6−ハロアルコキシ、シアノ、(C1〜C6−アルキル)−S−、(C1〜C6−アルキル)−S(=O)−、(C1〜C6−アルキル)−S(=O)2−、(C1〜C6−ハロアルキル)−S−、(C1〜C6−ハロアルキル)−S(=O)−、(C1〜C6−ハロアルキル)−S(=O)2−、−C(=O)OR9、−C(=O)N(R10)R11および−N(R10)R11
    から選択される基を表し;
    R2は水素原子を表し;
    R3は、
    Figure 0006824954
    (式中、*は前記基と分子の残りとの付着点を示す)
    から選択される基を表し;
    R4は水素原子またはハロゲン原子を表し;
    R5はC1〜C10−ヒドロキシアルキル基を表し、
    該基は場合により1個または2個のC1〜C2−ハロアルキルで置換されており;
    R6は水素原子またはハロゲン原子または
    C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、C3〜C6−シクロアルキル、C3〜C6−シクロアルキルオキシ、C1〜C6−ハロアルキル、C1〜C6−ハロアルコキシおよびシアノ
    から選択される基を表し;
    R7は水素原子を表す)
    の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物。
  2. R1がハロゲン原子または
    C1〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキル、C1〜C6−アルコキシ、C3〜C6−シクロアルキルオキシ、C1〜C6−ハロアルキルおよびC1〜C6−ハロアルコキシ
    から選択される基を表し;
    R2が水素原子を表し;
    R3
    Figure 0006824954
    (式中、*は前記基と分子の残りとの付着点を示す)
    から選択される基を表し;
    R4が水素原子またはハロゲン原子を表し;
    R5がC1〜C8−ヒドロキシアルキル基を表し、
    該基が場合により1個または2個のC1〜C2−ハロアルキル基で置換されており;
    R6が水素原子またはハロゲン原子または
    C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、C3〜C6−シクロアルキル、C3〜C6−シクロアルキルオキシ、C1〜C6−ハロアルキルおよびC1〜C6−ハロアルコキシ
    から選択される基を表し;
    R7が水素原子を表す、
    請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物。
  3. R1がハロゲン原子または
    C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、C1〜C3−ハロアルキルおよびC1〜C3−ハロアルコキシ
    から選択される基を表し;
    R2が水素原子を表し;
    R3
    Figure 0006824954
    (式中、*は前記基と分子の残りとの付着点を示す)
    から選択される基を表し;
    R4が水素原子またはハロゲン原子を表し;
    R5がC1〜C6−ヒドロキシアルキル基を表し、
    該基が場合により1個または2個のC1〜C2−ハロアルキル基で置換されており;
    R6が水素原子またはハロゲン原子または
    C1〜C3−アルキル、C1〜C3−アルコキシ、C1〜C3−ハロアルキルおよびC1〜C3−ハロアルコキシ
    から選択される基を表し;
    R7が水素原子を表す、
    請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物。
  4. R1がイソプロピル、イソプロポキシおよびトリフルオロメトキシから選択される基を表し;
    R2が水素原子を表し;
    R3
    Figure 0006824954
    (式中、*は前記基と分子の残りとの付着点を示す)
    から選択される基を表し;
    R4が水素原子を表し;
    R5がC1〜C5−ヒドロキシアルキル基を表し、
    該基が場合によりトリフルオロメチル基で置換されており;
    R6が水素原子またはフッ素原子または
    メチルおよびメトキシ
    から選択される基を表し;
    R7が水素原子を表す、
    請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物。
  5. R1がイソプロピル、イソプロポキシおよびトリフルオロメトキシから選択される基を表し;
    R2が水素原子を表し;
    R3
    Figure 0006824954
    (式中、*は前記基と分子の残りとの付着点を示す)
    から選択される基を表し;
    R4が水素原子を表し;
    R5
    ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシプロパン−2−イル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−3−メチルブチルおよび2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル
    から選択される基を表し;
    R6が水素原子またはフッ素原子または
    メチルおよびメトキシ
    から選択される基を表し;
    R7が水素原子を表す、
    請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物。
  6. 構造式(I−a)
    Figure 0006824954
    (式中、
    R1はトリフルオロメトキシ基を表し;
    R2は水素原子を表し;
    R4は水素原子を表し;
    R5はC1〜C5−ヒドロキシアルキル基を表し、
    該基は場合によりトリフルオロメチル基で置換されており;
    R6は水素原子またはフッ素原子または
    メチルおよびメトキシ
    から選択される基を表し;
    R7は水素原子を表す)
    を有する請求項1に記載の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物。
  7. R1がトリフルオロメトキシ基を表し;
    R2が水素原子を表し;
    R4が水素原子を表し;
    R5
    2−ヒドロキシプロパン−2−イルおよび2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル
    から選択される基を表し;
    R6がメチル基を表し;
    R7が水素原子を表す、
    請求項6に記載の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物。
  8. 構造式(I−b)または(I−c)
    Figure 0006824954
    または
    Figure 0006824954
    (式中、
    R1はトリフルオロメトキシ基を表し;
    R2は水素原子を表し;
    R4は水素原子を表し;
    R5はC1〜C5−ヒドロキシアルキル基を表し、
    該基は場合によりトリフルオロメチル基で置換されており;
    R6は水素原子またはフッ素原子または
    メチルおよびメトキシ
    から選択される基を表し;
    R7は水素原子を表す)
    を有する請求項1に記載の化合物、またはそのN−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物。
  9. R1がトリフルオロメトキシ基を表し;
    R2が水素原子を表し;
    R4が水素原子を表し;
    R5
    ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシプロパン−2−イル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルおよび3−ヒドロキシ−3−メチルブチル
    から選択される基を表し;
    R6が水素原子またはフッ素原子または
    メチルおよびメトキシ
    から選択される基を表し;
    R7が水素原子を表す、
    請求項8に記載の化合物、またはそのN−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物。
  10. 構造式(I−d)
    Figure 0006824954
    (式中、
    R1はイソプロピル、イソプロポキシおよびトリフルオロメトキシから選択される基を表し;
    R2は水素原子を表し;
    R4は水素原子を表し;
    R5はC1〜C5−ヒドロキシアルキル基を表し、
    該基は場合によりトリフルオロメチル基で置換されており;
    R6は水素原子またはフッ素原子または
    メチルおよびメトキシ
    から選択される基を表し;
    R7は水素原子を表す)
    を有する請求項1に記載の化合物、またはそのN−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物。
  11. R1がイソプロピル、イソプロポキシおよびトリフルオロメトキシから選択される基を表し;
    R2が水素原子を表し;
    R4が水素原子を表し;
    R5が2−ヒドロキシプロパン−2−イル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルおよび3−ヒドロキシ−3−メチルブチルから選択される基を表し;
    R6が水素原子を表し;
    R7が水素原子を表す、
    請求項10に記載の化合物、またはそのN−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物。
  12. 以下からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物:
    (2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(1R,5R)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)メタノール、
    (2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(1S,5S)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)メタノール、
    2−(2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オール、
    2−(6−メチル−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(1R,5R)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オール、
    2−(6−メチル−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(1S,5S)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オール、
    2−[6−メチル−1−(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−イル]プロパン−2−オール、
    (±)2,2,2−トリフルオロ−1−[6−メチル−1−(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−イル]エタノール、
    (1R)−2,2,2−トリフルオロ−1−[6−メチル−1−(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−イル]エタノール、
    (1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[6−メチル−1−(3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキシル)−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−イル]エタノール、
    (±)(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)メタノール、
    (6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(1R,5R)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)メタノール、
    (6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(1S,5S)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)メタノール、
    (±)2−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オール、
    2−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(1R,5R)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オール、
    2−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(1S,5S)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オール、
    (±)2−メチル−1−(6−メチル−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリ−メチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オール、
    2−メチル−1−(6−メチル−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(1R,5R)−3,3,5−トリ−メチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オール、
    2−メチル−1−(6−メチル−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(1S,5S)−3,3,5−トリ−メチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オール、
    (±)1−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−2−メチルプロパン−2−オール
    1−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(1R,5R)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−2−メチルプロパン−2−オール、
    1−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(1S,5S)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−2−メチルプロパン−2−オール、
    (±)1−(6−フルオロ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(シス)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−2−メチルプロパン−2−オール、
    1−(6−フルオロ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(1R,5R)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−2−メチルプロパン−2−オール、
    1−(6−フルオロ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(1S,5S)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−2−メチルプロパン−2−オール、
    2−メチル−4−(2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(1R,5R)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)ブタン−2−オール、
    2−メチル−4−(2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(1S,5S)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)ブタン−2−オール、
    4−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(1R,5R)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−2−メチルブタン−2−オール、
    4−(6−メトキシ−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1−[(1S,5S)−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−2−メチルブタン−2−オール、
    2−(1−[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)プロパン−2−オール、
    2−{1−[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]−2−[(4−イソプロピルフェニル)アミノ]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル}プロパン−2−オール、
    1−(1−[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−2−メチルプロパン−2−オール、
    1−{1−[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]−2−[(4−イソプロピルフェニル)アミノ]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル}−2−メチルプロパン−2−オール、
    1−{2−[(4−イソプロポキシフェニル)アミノ]−1−[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル}−2−メチルプロパン−2−オール、
    4−(1−[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]−2−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ}−1H−ベンズイミダゾール−5−イル)−2−メチルブタン−2−オール、
    4−{1−[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]−2−[(4−イソプロピルフェニル)アミノ]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル}−2−メチルブタン−2−オールおよび
    4−{2−[(4−イソプロポキシフェニル)アミノ]−1−[(1R,2S,5R)−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシル]−1H−ベンズイミダゾール−5−イル}−2−メチルブタン−2−オール、
    またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物。
  13. 疾患の治療または予防に使用するための、請求項1から12のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物を含む組成物
  14. 請求項1から12のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物と、薬学的に許容される希釈剤または担体とを含む医薬組成物。
  15. 請求項1から12のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物から選択される1種または複数の第1の有効成分と、
    化学療法抗癌剤から選択される1種または複数の第2の有効成分と
    を含む医薬組合せ。
  16. 疾患を予防または治療するための医薬品を調製するための、請求項1から12のいずれか一項に記載の一般式(I)の化合物、またはその立体異性体、N−オキシド、水和物、溶媒和物もしくは塩、またはこれらの混合物の使用。
  17. 前記疾患が制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞免疫応答、あるいは不適当な細胞炎症反応の疾患である、請求項16に記載の使用。
  18. 前記疾患が制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞免疫応答、あるいは不適当な細胞炎症反応の疾患である、請求項13に記載の組成物。
  19. 制御されない細胞成長、増殖および/または生存、不適当な細胞免疫応答、あるいは不適当な細胞炎症反応の前記疾患が、血液系腫瘍、固形腫瘍および/またはこれらの転移である、請求項17に記載の使用。
  20. 血液系腫瘍又は固形腫瘍が、白血病および骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、頭頸部腫瘍(脳腫瘍および脳転移を含む)、胸部腫瘍(非小細胞および小細胞肺腫瘍を含む)、胃腸腫瘍、内分泌腫瘍、乳房および他の婦人科腫瘍、泌尿器腫瘍(腎臓、膀胱および前立腺腫瘍を含む)、皮膚腫瘍、および肉腫、ならびに/あるいはこれらの転移を含む、請求項19に記載の使用。
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