JP6824035B2 - 乾式壁ジョイントテープ及びジョイント - Google Patents

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関連出願の相互参照
本出願は、２０１３年１０月２日に出願した米国仮特許出願第６１／８８５，８８１号、及び２０１４年８月２２日に出願した米国特許出願第１４／４６６，７３６号の出願日に基づく優先権を主張する。これらの出願は、参照によりその全内容が本明細書に援用される。

建築物の耐力壁組立体又は隔壁組立体は支持構造物で作られており、この支持構造物とは、例えば木製スタッド又は金属製スタッドを壁板で覆ったものである。様々な用途での必要性に応じて使用される、多様な種類の壁板がある。建築物での内壁を作るのに最も一般的に使用される壁板の種類は石膏壁板であり、石膏壁板は従来、スタッドに取り付けられる。石膏壁板は、所定の幅と所定の長さとを有する様々な規格寸法で入手可能であり、規格寸法は例えば４フィートの幅と、８フィート、１０フィート又は他の寸法の長さとを有する。従来の設置においては、乾式壁シートの長さ又は幅よりも大きい壁面を覆うために、壁板の上端と下端を繋いで、且つ／又は右端と左端を繋いで組み立てるので、壁板シートの縁部に沿ってジョイントを作成する必要がある。

典型的な壁板ジョイントは、ジョイント化合物とマトリックス材料との組合せによって作られ、ジョイントへ強度を与える複合構造が作成される。壁板の修理、及び／又は壁の角部分の内側と外側の仕上げにも、同様の方法が使用される。壁板ジョイントで一般的に使用されるマトリックス材料は、一般的に「テープ」と呼ばれる巻取材料である。ジョイントを作る際は、１層のジョイント化合物をジョイントに沿って塗った後、１層のテープをそのジョイントに沿って付けて、そのジョイントを覆ってもよい。公知のように、テープの上に１層以上のジョイント化合物を付けてもよく、互いの上に付けてもよい。結果として得られる、乾燥したジョイント化合物とテープの層は、複合ジョイント構造を形成する。この構造は、壁構造物が移動、据付けされる場合でも、あるいは壁構造物に応力が加えられた場合でもひび及び割れが防がれるよう、ジョイントに存在する可能性がある引張り応力、圧縮応力及びせん断応力といった様々な応力に耐え得る必要がある。しかしながら、事実はそうでない。複合ジョイント構造は概して、引張り応力、すなわちジョイントを引き離すように作用する応力に耐えることにおいては有効であるが、ジョイントを圧縮するか、又は滑らせるように作用する圧縮応力又はせん断応力に対しては充分な弾性ではない。

現在、従来の２種類のテープが当技術分野において使用されている。第１の種類は紙製であり、圧縮方向での強度がほとんどない程度から全くない程度である連続テープ片又は穿孔テープ片を含む。第２の種類はガラス繊維製であり、これも圧縮応力方向で脆弱である。概してガラス繊維テープは、乾式壁板間のジョイントを安定化することに対して理想的ではない。なぜならば、ガラス繊維テープは、幅方向の繊維（繊維の長さがテープの幅である短繊維）を有し、張力に強く、且つジョイントを引き離す引張り力に対し優れた耐久性を示すが、板を共に近づけるよう押し動かす圧縮力に対しほとんど耐久性を示さないからである。数多くの乾式壁ジョイント強度試験において、引張り力がジョイントにかけられる場合、ガラス繊維メッシュテープによりそのジョイントは比較的強くなるが、圧縮力又はせん断力がジョイントにかけられる場合、そのジョイントは容易に壊れることが示されている。ジョイント破損はジョイント化合物が割れていることを表しており、修理が必要となる。この理由により、ガラス繊維ジョイントテープは、乾燥型ジョイント化合物と共に使用することに対して好ましくない。乾燥型ジョイント化合物は、硬化型化合物ほど丈夫でなく耐亀裂性がない。

電気伝導性塗料で被覆されたテープ−化合物試料に、１番目の亀裂が入るまでの力を測定するＡＳＴＭ Ｃ４７４（付録）に従って、Ｆｉｂａｔａｐｅ（登録商標）を用いて作られた乾式壁ジョイント試料が試験されている。その塗料に１番目の亀裂が生じ、その亀裂により表面の電気導通が切断されるまでの力が測定され、最大引張り荷重が記録される。このような破損により、ガラス−ジョイント化合物複合体の強度は、典型的なテープ式ジョイントでは最適化されないことが示される。破損の一態様においては、引張り荷重は、ガラス繊維自身にその荷重を伝達させるのではなく、ジョイント化合物マトリックスからガラス繊維を分離させる傾向がある。

一態様においては、本開示は乾式壁用ジョイントテープを記載する。このジョイントテープは基材層を含み、この基材層は、長さ方向に細長い形状を有し、且つ長さ方向及び横方向で柔軟性である。このテープは、上記の基材層上に固着して置かれた被覆層をさらに含む。この被覆層は横方向で剛性であり、概して横方向で加えられる圧縮力と、概して横方向に沿って加えられるせん断応力とに耐えるよう形成されている。

別の態様においては、本開示は、隣接する２枚の乾式壁パネルの間の乾式壁ジョイントを記載する。このジョイントは、隣接する２枚の乾式壁パネルの、概して当接する縁部に沿って置かれた１層のジョイント化合物と、そのジョイント化合物の層内に埋め込まれたジョイントテープとを含む。このジョイントテープは基材層を含み、この基材層は、概して当接する縁部に沿った長さ方向に細長い形状を有する。この基材層は、長さ方向及び横方向で柔軟性である。横方向は、長さ方向に対して垂直である。このジョイントテープは、上記の基材層上に固着して置かれた被覆層をさらに含む。この被覆層は横方向で剛性であり、隣り合う２枚の乾式壁パネルを互いに押し合うように作用する、概して横方向で加えられる圧縮力と、当接縁部に沿って２枚の乾式壁パネルを互いに対して滑らせるよう作用する、概して横方向に沿って加えられるせん断応力とに耐えるよう形成されている。

さらに別の態様においては、本開示は、乾式壁ジョイントで使用するジョイントテープの製造方法を記載する。この方法は、長さ方向及び横方向で柔軟性である基材層を準備することを含む。この方法は、長さ方向で柔軟性であるが、横方向で剛性である被覆層を準備することをさらに含む。このジョイントテープを製造する際は、基材層と被覆層を重ね合わせて置き、ジョイントテープ予備成形物を作製する。次に、このジョイントテープ予備成形物中で基材層を被覆層に固着させ、長さ方向で柔軟性であるが、横方向で剛性であるジョイントテープを作製する。

図１は、本開示の壁板ジョイントの断面を示す。 図２は、本開示のジョイントテープのロールを示す。 図３は、本開示のジョイントテープの様々な実施形態を示す。 図４は、本開示のジョイントテープの様々な実施形態を示す。 図５は、本開示のジョイントテープの様々な実施形態を示す。 図６は、本開示のジョイントテープの様々な実施形態を示す。 図７は、本開示のジョイントテープの一実施形態の断面を示す。 図８は、本開示のジョイントテープの代替実施形態を示す。 図９は、本開示のジョイントテープの製造方法を示す。

本開示は、乾式壁ジョイント又は他の壁板ジョイントで利用可能であり、より詳細には、１種以上のジョイント化合物中に埋め込まれたテープを含む複合ジョイント構造物で使用するジョイントテープで利用可能である。乾式壁用ジョイントテープに関し、様々な実施形態が本明細書において記載されるが、ジョイントテープを作製又は使用することに関する構造物及び方法は、他の種類の壁パネルにも利用可能であることを理解する必要がある。

乾式壁ジョイント１００の断面を図１に示す。示されるように、乾式壁ジョイント１００は、２枚の乾式壁パネル１０２の間に形成された複合ジョイントである。各パネルは、ジョイント縁部１０６に沿って凹部１０４を形成して、乾式壁外面１０８で平面が呈されるように、ジョイント１００を作る材料を入れる。このジョイント１００は、本明細書においては「複合」ジョイントと呼ばれ、「複合」ジョイントとは、ジョイント構造物が、異なる材料の組合せでできていることを意味する。例えば、図示された実施形態におけるジョイント１００は、重なっている硬化ジョイント化合物１１０の層と、硬化ジョイント化合物１１０中に埋め込まれたジョイントテープ１１２と、任意のスキム被覆化合物層１１４とを含む。このスキム被覆化合物層１１４は、乾式壁外面１０８に調和するよう作られた上仕上げ面へと形成させることができる。有利に、硬化ジョイント化合物１１０は乾燥型ジョイント化合物であってもよく、乾燥型ジョイント化合物は、テープ１１２を埋め込むと、以前には達せられた圧縮応力及びせん断応力に対して優れた耐久性を有する構造物を形成する。テープ１１２は、ジョイント化合物中に埋め込まれて示されているが、ジョイント化合物の付着前に乾式壁上に直接貼り付く１層の接着剤を代替的に含んでもよい。公知のように、様々な壁パネルの間のジョイントは段階的に組み立てられてもよく、この段階には、各適用間の材料の付着、成形及び研磨が含まれる。図示された実施形態においては、ジョイントテープ１１２は、２枚の壁パネル１０２の間に加えられるせん断応力、引張り応力及び圧縮応力に耐えるよう有利に形成される。

ジョイントテープのロール２００を図２に示し、その様々な構造的態様及び／又は機能的態様を図示する。ロール２００は、図１に示されて記載されるものと同じ又は同様な種類のジョイントテープ１１２で作られていてもよい。ジョイントテープのロール２００は、乾式壁ジョイントの組立て中、適切な長さのテープ２０２を分配することに対し有利に形成されていてもよい。図２で見られるように、テープ２０２は、基材層２０４と、被覆層２０８の２層でできている。本明細書において使用される場合、「層」は、同様な特性を共有する複数の繊維又は一群の繊維を示す。この特性には、同様な組成、サイズ、機能及び／又は付着パターンが含まれるがこれらに限定されず、テープ構造物中の特定の位置決めは必ずしも含まれるわけではない。したがって、２つの別個の基材層と被覆層が、ジョイントテープの少数の実施形態に従って記載されて示されるが、これらの層を作る様々な繊維は共に織られ得ることが意図される。言い換えると、特定の実施形態においては、層は別個で示されて記載されるが、基材層と被覆層は、１枚の織物で共に織られてもよい。

図示された実施形態においては、基材層２０４は、テープ２０２の基材を形成し、テープ２０２の長軸に沿って延びる、概して細長い形状を有し、且つテープ２０２がロール２００へと巻くことを可能にする、テープ２０２の材料層を形成し、テープ２０２の使用及び取扱いに対する柔軟性等を与える。一実施形態においては、基材層２０４は、テープがジョイント化合物に埋め込まれる前に、ジョイントの周りの乾式壁パネル上に直接付くことを可能にする接着剤を含んでもよい。基材層２０４は、テープ２０２のロール２００への形成を可能にする、良好な屈曲特性及び強度特性を有する好適な任意の材料でできていてもよい。基材層２０４を形成するのに好適であると考えられる材料としては、強化プラスチック、ガラス、織物又は金属が挙げられ、それらはそれぞれ、紐、糸又は繊維２０６に成形され、細長い形状に織られるか、又は他の方法で細長い形状に構築される。それらの作製に使用される材料に応じて、基材層２０４の繊維は充分な柔軟性を有して、テープの取扱い、使用及び巻取りを可能にする。なぜならこれらの繊維は、壁パネルの間の継ぎ目に対し、長さ方向に（図１に示される縁部１０６に沿って）延び、したがってジョイント１００の形成後、相当の応力に耐えるとは予想されないからである。

テープ２０２の被覆層２０８は、ジョイント構造物１００（図１）の一部分を形成し、これにより以前に提案されたテープ設計よりも、圧縮応力及びせん断応力に対し優れた耐久性が得られる。図示された実施形態においては、被覆層２０８は、複数の横方向に延びる繊維２０１でできており、この繊維２０１は、全体のテープ組立体が圧縮応力及びせん断応力に耐えることができるように、繊維のそれぞれの軸方向に沿って剛性を有する。明確化のため、テープの長さ方向はテープの巻取方向に沿っており、図２では「Ｌ」の表示で図示されている。横方向は長さ方向に対して垂直の方向であり、図２では「Ｗ」の表示で図示されている。

テープ２０２では、被覆層２０８中の横方向繊維２１０は、金属、ガラスもしくはプラスチックでできているか、又は、硬化乾式壁接合化合物等の硬化可能セメント質材料のマトリックス中に取り込まれた際に圧縮応力もしくはせん断応力下で耐座屈性を有する繊維へと成形することができる別の好適な材料でできている。意図される一実施形態においては、基材層２０４を作る繊維は、被覆層２０８を作る繊維とは異なる機械特性を有し、その結果、柔軟性（基材層）及び剛性（被覆層）を有するよう、各層を調整又は形成することができる。一実施形態においては、被覆層２０８及び基材層２０４中の繊維は、テープが１枚の織物層で作製されるよう、共に織られる。言い換えると、テープ２０２は有利に、長さ方向では柔軟性であり、それによりテープの取扱い、設置及び包装が可能となり、且つ、交差方向又は横方向では剛性であり、それによりジョイント１００は圧縮荷重及びせん断荷重を耐えることが可能となる。

被覆層２０８と基材層２０４の機械特性における所望の差異は、異なる方法によって達成することができる。一実施形態においては、２つの異なる層の繊維は異なる材料でできていてもよく、例えば基材層２０４は柔軟性織物又はガラスマット、被覆層２０８は剛性プラスチックでできていてもよい。あるいは繊維は、例えばガラス、プラスチック又は金属等の同じ材料でできているが、異なるゲージ又は断面サイズを有してもよく、基材層はより薄く、より柔軟な繊維で作られ、被覆層はより厚く、より剛性の繊維でできていてもよい。さらに、いずれの層においても、繊維の配置パターンによって、せん断応力及び圧縮応力への耐久性を増加させることもできる。

テープ２０２の少なくとも被覆層中の繊維の配置について、４つの異なる実施形態を図３〜６に示す。これらの実施形態においては、説明用にテープの下端部が部分的にほどかれて示されており、基材層２０４は、簡易化のため、互いに平行に延びる繊維２０６で作られて示されている。図３〜６に示されるテープの実施形態においては、様々な基材層及び被覆層の繊維は、１枚の織物へと共に織られており、この織物は簡易化のため、上面図で示されていることを理解する必要がある。図３に示されるテープの第１実施形態３０２においては、被覆層２０８は、互いに対して平行で、横方向Ｗに延びる繊維３０４でできている。被覆層繊維３０４は、互いに間隔ｄで置かれており、この間隔ｄは、硬化セメント質ジョイント化合物材料中に埋め込まれた際に最良の圧縮特性を示すよう、繊維幅及び繊維材料に基づき経験的に選択される。

図４に示されるテープの第２実施形態３０６においては、被覆層２０８は、横方向Ｗに対し角度 で延びる繊維３０８でできている。図示された実施形態においては、角度 は約６０°であるが、他の角度を使用してもよい。被覆層繊維３０８は、互いに間隔ｄで置かれており、この間隔ｄは、硬化セメント質ジョイント化合物材料中に埋め込まれた際に最良の圧縮特性を示すよう、繊維幅及び繊維材料に基づき経験的に選択される。

図５に示されるテープの第３実施形態３１０においては、被覆層２０８は、示されるような十字配置で配置された、異なる２層の繊維３１２でできている。詳細には、繊維３１２の第１ネットワークは、第１角度１で互いに平行に延びる繊維を含み、繊維３１２の第２ネットワークは、第２角度２で互いに平行に延びる繊維を含む。対称性を維持し、いずれの方向にもテープを設置できるようにするため、図示された実施形態において、１＝１８０°−２である。示されるように、１は約６０°に等しく、２は約１２０°に等しい。繊維の第１及び第２ネットワークそれぞれにおいては、繊維３１２は、互いに間隔ｄで置かれており、この間隔ｄは、硬化セメント質ジョイント化合物材料中に埋め込まれた際に最良の圧縮特性を示すよう、繊維幅及び繊維材料に基づき経験的に選択される。テープ３０６と比較してテープ３１０は、せん断応力及び圧縮応力に対処するよう、より良好に形態が整っている。これは、被覆層の繊維密度が大きいからであり、且つ被覆層繊維が２方向に置かれていることにより、横方向ではない方向で加えられる圧縮応力に耐えることができるからである。

図６に示されるテープの第４実施形態３１４においては、被覆層２０８は、示されるような十字配置と横配置とで配置された、異なる３層の繊維３１２でできている。詳細には、繊維３１６の第１ネットワークは、第１角度１で互いに平行に延びる繊維を含み、繊維３１６の第２ネットワークは、第２角度２で互いに平行に延びる繊維を含み、繊維３１６の第３ネットワークは、横方向Ｗに対して平行に延びる繊維を含む。対称性を維持し、いずれの方向にもテープを設置できるようにするため、図示された実施形態において、１＝１８０°−２である。示されるように、１は約６０°に等しく、２は約１２０°に等しく、第３ネットワークの繊維は横方向Ｗに対して平行であるか、又は０°の角度である。繊維の第１、第２及び第３ネットワークそれぞれにおいては、繊維３１６は、互いに間隔ｄで置かれており、この間隔ｄは、硬化セメント質ジョイント化合物材料中に埋め込まれた際に最良の圧縮特性を示すよう、繊維幅及び繊維材料に基づき経験的に選択される。テープ３１０と比較してテープ３１４は、せん断応力及び圧縮応力に対処するよう、より良好に形態が整っている。これは、被覆層の繊維密度が大きいことと、被覆層繊維が２方向に置かれていることにより、横方向ではない方向で加えられる圧縮応力に耐えることができることと、さらなる繊維層の存在により、横方向と横方向ではない方向とで加えられる圧縮応力に、一緒になって耐えることができることとによる。

テープ２０２の剛性を増加させるため、特定の実施形態においては、接着構造物又は接着操作を加えて、より剛性のテープ構造物を作ることができるよう、基材層と被覆層とを互いに固着してもよい。可能な２つの実施形態を、図７及び図８の断面図に示す。これらの図においては、簡易化のため、同じ参照番号を使用して上記と同様の構造を表しており、断面は、テープの好ましい一実施形態、ここでは図２に示されるテープ２０２から取っている。各断面においては、基材層繊維２０６が図の下部で示されており、被覆層繊維２１０は、断面図の上部で、断面で示されている。

１番目の図においては、接着剤４０２は、基材繊維と被覆繊維の間の各交差部分で、又は少なくとも大多数の交差部分で付けられている。接着剤４０２は、２つの繊維を互いに固着する。接着剤４０２は、例えば硬化可能エポキシ等の非常に強固な材料でできており、被覆層繊維が屈曲することを少なくとも部分的に防ぎ、したがってテープ２０２の全体的な剛性は増加する。２番目の図においては、図８に示すように、接着剤４０２を使用しない代わりに溶接操作を行って、２つの繊維配列間の交差部分４０４で、基材繊維を被覆層繊維に融合させる。このような融合又は溶接は、異なる方法によって行ってもよく、別の材料で行ってもよい。例えば基材層繊維と被覆層繊維の両方がプラスチックでできている実施形態においては、各交差部分４０４での繊維間の融合操作は、テープを加熱して、繊維材料が融合できるように繊維材料を局所的に溶かすことによって、超音波溶接操作によって、材料を溶媒に曝すことによって、及び他の好適な方法によってなされてもよい。

本開示のジョイントテープ製造方法４０６を模式的に図示するブロック図を図９に示す。図示された実施形態においては、基材層予備成形物４１０を含む第１供給ロール４０８が、補助ローラ４１２を経由して、成層場所４１４へとその予備成形物を供給する。同時に、被覆層予備成形物４１８を含む第２供給ロール４１６は、その予備成形物を成層場所４１４へ供給し、ここで２つの予備成形物は接触してジョイントテープ予備成形物４２０を作る。このジョイントテープ予備成形物４２０は固着場所４２２を通過し、ここで予備成形物は共にプレスされ、任意に固着されて、テープ２０２を作製し、テープ２０２はジョイントテープロール４２２へと巻かれる。テープの裏面に壁接着剤と剥離紙とをつけること等のさらなる任意操作も行ってよいが、簡易化のため本明細書では示されていない。

テープ２０２を組み立てる際、様々な考慮を入れることができる。例えば、ジョイントテープ予備成形物４２０は、複数のジョイントテープ幅と等しい幅を有するマットとして形成されてもよく、その後そのマットを１区分に切断して、所望の各ジョイントテープロールの包装を作ってもよい。さらに、一代替実施形態においては、基材層予備成形物及び被覆層予備成形物のそれぞれを繊維に予備成形してテープの組立てに使用する代わりに、例えば繊維のプラスチック押出成形によって、基材層予備成形物及び被覆層予備成形物のそれぞれを要求に応じて製造してもよい。固着場所４２２では、１工程又は複数工程で、圧力及び／又は接着剤を加えて、基材テープ層及び被覆テープ層を互いに固着させてもよい。あるいは固着場所は、接着剤の貯蔵所又は大桶を備えてもよく、それをテープが通過した結果、接着剤が繊維交差部位にたまり、それ以外では残りのテープ構造から流れ出てもよい。１層よりも多い繊維層が被覆テープ層を作る実施形態においては、被覆繊維層間のように、接着剤を使用して繊維を互いに接続してもよく、又は機械的手段によって互いにからませるか、もしくは織ってもよい。

したがって一実施形態においては、本開示は、長さ方向に細長い形状を有する基材層を含む、乾式壁用ジョイントテープを記載する。この基材層は、長さ方向及び横方向で柔軟性である。上記のジョイントテープは、基材層上に固着して置かれた被覆層をさらに含む。この被覆層は横方向で剛性であり、概して横方向で加えられる圧縮力と、概して横方向に沿って加えられるせん断応力とに耐えるよう形成されている。

一実施形態においては、基材層は、長さ方向に延びる基材繊維でできている。別の実施形態においては、被覆層は、横方向に延びる被覆繊維でできている。さらに別の実施形態においては、被覆層は、横方向に対し、ある角度で延びる被覆繊維でできており、さらに別の実施形態においては、基材層及び被覆層は、１枚の織物層へと共に織られている。

さらなる実施形態においては、基材層は基材繊維でできており、被覆層は被覆繊維でできており、この基材繊維及び被覆繊維は交差点で交差し、ジョイントテープは、各交差点又は少なくとも大多数の交差点に置かれて基材繊維と被覆繊維を互いに固着する接着剤をさらに含む。別の実施形態においては、基材層及び被覆層は、異なる材料で作られている。

さらなる実施形態においては、基材層は基材繊維を含み、被覆層は被覆繊維を含み、基材繊維は被覆繊維と同じ材料でできており、基材繊維は被覆繊維よりも細く且つ柔軟性であり、被覆繊維はより太く且つより剛性である。一実施形態においては、基材層は、溶接操作によって被覆層に融合される。

別の態様においては、本開示は、隣接する２枚の乾式壁パネルの間の乾式壁ジョイントを記載する。この乾式壁ジョイントは、隣接する２枚の乾式壁パネルの、概して当接する縁部に沿って置かれた１層のジョイント化合物と、そのジョイント化合物の層内に埋め込まれたジョイントテープとを含む。この実施形態においては、ジョイントテープは基材層を含み、この基材層は、概して当接する縁部に沿った長さ方向に細長い形状を有し、この基材層は、長さ方向及び横方向で柔軟性であり、横方向は長さ方向に対して垂直であり、被覆層が上記の基材層上に固着して置かれ、この被覆層は横方向で剛性であり、隣り合う２枚の乾式壁パネルを互いに押し合うように作用する、概して横方向で加えられる圧縮力と、当接縁部に沿って２枚の乾式壁パネルを互いに対して滑らせるよう作用する、概して横方向に沿って加えられるせん断応力とに耐えるよう形成されている。

一実施形態においては、基材層は、長さ方向に延びる基材繊維でできており、別の実施形態においては、被覆層は横方向に延びる被覆繊維でできている。さらなる実施形態においては、被覆層は、横方向に対し、ある角度で延びる被覆繊維でできており、別の実施形態においては、基材層及び被覆層は、１枚の織物層へと共に織られている。

さらなる実施形態においては、基材層は基材繊維でできており、被覆層は被覆繊維でできており、この基材繊維及び被覆繊維は交差点で交差し、ジョイントテープは、各交差点又は少なくとも大多数の交差点に置かれて基材繊維と被覆繊維を互いに固着する接着剤をさらに含む。

別の実施形態においては、基材層及び被覆層は異なる材料で作られており、さらに別の実施形態においては、基材層は基材繊維を含み、被覆層は被覆繊維を含み、基材繊維は被覆繊維と同じ材料でできており、基材繊維は被覆繊維よりも細く且つ柔軟性であり、被覆繊維はより太く且つより剛性である。代替実施形態においては、基材層は、溶接操作によって被覆層に融合される。

さらに別の態様においては、本開示は、乾式壁ジョイントで使用するジョイントテープの製造方法を記載する。この方法は、長さ方向及び横方向で柔軟性である基材層を準備することと、長さ方向で柔軟性であるが、横方向で剛性である被覆層を準備することと、基材層と被覆層を重ね合わせて置き、ジョイントテープ予備成形物を作製することと、このジョイントテープ予備成形物中で基材層を被覆層に固着させ、長さ方向で柔軟性であるが、横方向で剛性であるジョイントテープを作製することとを含む。

一実施形態においては、基材層と被覆層を固着させる方法の工程は、接着剤の使用と、溶接又は溶融操作とのうちの１つ以上によってなされる。

上の記載は、本開示の機構及び技術の例を提供するものであることが理解されるであろう。しかしながら、本開示の他の実施は、上の例とは細部で異なってもよいことが意図されている。本開示又は本開示の例への参照は、議論中の論点の特定の例を参照するものであることが意図されており、より一般的な本開示の範囲に関する限定を意味することを意図するものではなく、どんな限定も意図されない。特定の特徴に関し区別する全用語及び否定的な全用語は、それらの特徴に対する好ましさがないこと示すことが意図され、別段の定めがないかぎり、本開示の範囲全体からそれらを除外しないことが意図される。

本明細書における値の範囲の記載は、本明細書において別段の定めがないかぎり、その範囲内にある別個の各値を個々に参照する省略方法として扱われることを単に意図するものであり、別個の各値は、本明細書において個々に記載されているものとして本明細書に取り込まれる。本明細書において記載される全方法は、本明細書において別段の定めがないかぎり、又は文脈で明らかに矛盾しないかぎり、好適な任意の順番で実施することができる。

本発明を記載する文脈において（特に、以下の特許請求の範囲の文脈において）、「１つの（ａ）」及び「１つの（ａｎ）」及び「その（ｔｈｅ）」及び「１つ以上の（ａｔ ｌｅａｓｔ ｏｎｅ）」という用語並びに同様の指示物の使用は、本明細書において別段の定めがないかぎり、又は文脈で明らかに矛盾しないかぎり、単数と複数の両方を網羅すると解釈される必要がある。「１つ以上（ａｔ ｌｅａｓｔ ｏｎｅ）」という用語と、それに続く１つ以上の項目の列挙（例えば、「ＡとＢとのうちの１つ以上」）の使用は、本明細書において別段の定めがないかぎり、又は文脈で明らかに矛盾しないかぎり、列挙した項目から選択された１つの項目（Ａ又はＢ）、又は列挙した項目のうちの２つ以上の任意の組合せ（Ａ及びＢ）を意味すると解釈される必要がある。

したがって本開示は、適用法令が許すように、本明細書に添付される特許請求の範囲において記載される対象の全改造物及び全等価物を含む。さらに、その可能な全変形における上記の要素の任意の組合せが、本明細書において別段の定めがないかぎり、又は文脈で明らかに矛盾しないかぎり、本開示によって包含される。

本実施例は、例えば金属製強化材等のさらなる剛性部材を含む、従来のガラス繊維テープのせん断強度を例示する。さらなる剛性部材は、ジョイントの横方向の剛性を増加させることが知られている。壁板試料１Ａ及び１Ｂは、３”×８”の乾式壁パネルを切断し、４インチ重なり合うよう、オフセット配置でパネルの長寸を一直線に合わせることによってジョイントを作り、調製した。

質量で５０／５０の、Ｈａｒｄｍａｎ（登録商標）Ｐａｒｔ Ａ ８１７３接着剤とＨａｒｄｍａｎ（登録商標）Ｐａｒｔ Ｂ ８１７３接着剤の混合物を、２枚のパネルの隣接する側面の紙表面に沿って、薄層で塗布した。次に金属製強化材を、ジョイントに対して垂直にして均一に置き、２枚のパネルを接続した。金属製強化材を、接着剤の層の中に軽く押し入れ、２４時間、板面に接着させた。ＳＨＥＥＴＲＯＣＫ（登録商標）ガラス繊維乾式壁テープの一部分を、ジョイントに沿って、金属製補強材と板とに直接接着させた。ジョイント化合物（ＳＨＥＥＴＲＯＣＫ（登録商標）汎用ジョイント化合物、レディーミクスト）の薄層を、３インチ離して置かれた２２ゲージのガイドバーを使用して、接着したガラス繊維メッシュテープの上に塗布した。２２ゲージの被覆を２４時間乾燥させ、１６ゲージのガイドバーを使用してジョイントを埋め、４”×３”×０．０５５”のジョイント化合物を作製した。

全ての測定は、７０°Ｆ／５０％Ｒ．Ｈ．に維持された温度／湿度管理室に置かれたＡＴＳ Ｍｏｄｅｌで行った。調製した試料を試験用取付具に載せ、圧縮モードで試験を行った。せん断強度の結果を以下の表１に示す。表１で、「ガラス繊維」テープはＳＨＥＥＴＲＯＣＫ（登録商標）ガラス繊維乾式壁テープを指し、これは、ＳＨＥＥＴＲＯＣＫ（登録商標）汎用ジョイント化合物（レディーミクスト）を使用して試料上に付け、「紙」テープはＳＨＥＥＴＲＯＣＫ（登録商標）紙テープを指し、これは、ＳＨＥＥＴＲＯＣＫ（登録商標）汎用ジョイント化合物（レディーミクスト）を使用して試料上に付けた。

［付記］
［付記１］
長さ方向に細長い形状を有する基材層であって、該基材層は、前記長さ方向及び横方向で柔軟性である基材層；及び
前記基材層上に固着して置かれた被覆層であって、該被覆層は、前記横方向で剛性であり、且つ、概して前記横方向で加えられる圧縮力と、概して前記横方向に沿って加えられるせん断応力とに耐えるよう形成されている被覆層
を含む乾式壁用ジョイントテープ。
［付記２］
前記基材層が、前記長さ方向に延びる基材繊維でできている付記１記載のジョイントテープ。
［付記３］
前記被覆層が、前記横方向に延びる被覆繊維でできている付記１記載のジョイントテープ。
［付記４］
前記被覆層が、前記横方向に対し、ある角度で延びる被覆繊維でできている付記１記載のジョイントテープ。
［付記５］
前記基材層及び前記被覆層が、１枚の織物層へと共に織られている付記１記載のジョイントテープ。
［付記６］
前記基材層が基材繊維でできており、前記被覆層が被覆繊維でできている付記１記載のジョイントテープであって、前記基材繊維及び前記被覆繊維は交差点で交差し、前記ジョイントテープは、各交差点又は少なくとも大多数の交差点に置かれて前記基材繊維と前記被覆繊維とを互いに固着する接着剤をさらに含む前記ジョイントテープ。
［付記７］
前記基材層及び前記被覆層が、異なる材料で作られている付記１記載のジョイントテープ。
［付記８］
前記基材層が基材繊維を含み、前記被覆層が被覆繊維を含む付記１記載のジョイントテープであって、前記基材繊維は前記被覆繊維と同じ材料でできており、前記基材繊維は前記被覆繊維よりも細く且つ柔軟性であり、前記被覆繊維はより太く且つより剛性である前記ジョイントテープ。
［付記９］
前記基材層が、溶接操作によって前記被覆層に融合されている付記８記載のジョイントテープ。
［付記１０］
付記１〜９のいずれかに記載のジョイントテープを含む、隣接する２枚の乾式壁パネル間の乾式壁ジョイントであって、前記ジョイントテープが、前記隣接する２枚の乾式壁パネルの、概して当接する縁部に沿って置かれたジョイント化合物の層内に埋め込まれたジョイントテープである乾式壁ジョイント。

Claims (3)

1. 長さ方向に細長い形状を有する基材層であって、該基材層は基材繊維から作られ、前記基材繊維は、前記長さ方向及び該長さ方向に垂直な横方向で柔軟性であり、且つ、前記長さ方向に沿って互いに平行に延在する、基材層；及び
   前記基材層上に置かれた被覆層であって、該被覆層は被覆繊維から作られ、前記被覆繊維は、前記横方向で剛性であり、且つ、概して前記横方向で加えられる圧縮力と、概して前記横方向に沿って加えられるせん断応力とに耐えるよう形成されており、且つ、前記横方向に沿って互いに平行に延在する、被覆層
   を含み、
   前記基材繊維は、前記被覆繊維と重なり、且つ、前記基材繊維及び前記被覆繊維の間の交差点で前記被覆繊維と交差し、且つ、前記基材繊維及び前記被覆繊維は、前記交差点で互いに固着されており、
   前記基材繊維及び前記被覆繊維が、異なる材料で作られており、
   前記基材繊維は前記被覆繊維よりも柔軟性であり、前記被覆繊維はより剛性である、
   乾式壁用ジョイントテープ。
2. 前記ジョイントテープは、各前記交差点又は少なくとも大多数の前記交差点に置かれて前記基材繊維と前記被覆繊維とを互いに固着する接着剤をさらに含む、請求項１記載のジョイントテープ。
3. 請求項１又は２に記載のジョイントテープを含む、隣接する２枚の乾式壁パネル間の乾式壁ジョイントであって、前記ジョイントテープが、前記隣接する２枚の乾式壁パネルの、概して当接する縁部に沿って置かれたジョイント化合物の層内に埋め込まれたジョイントテープである乾式壁ジョイント。