JP6823885B2 - 複合電池、それを備えた自動車及び鉄道回生電力貯蔵装置 - Google Patents

複合電池、それを備えた自動車及び鉄道回生電力貯蔵装置 Download PDF

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Description

本発明は、異種電池が並列接続された複合電池、それを備えた自動車及び鉄道回生電力貯蔵装置に関する。
比較的大きな電流の入出力が求められる場合、従来から用いられてきた鉛蓄電池は、頻繁に放電されることによって早期劣化する懸念があった。一方、リチウムイオン二次電池は、長寿命であり、材料選定や電極設計などを適切に行うことによって大電流の入出力に対応することができるが、高コストであり、かつ安全性に懸念があった。
これらの懸念を解消するために、性質の異なる2種類の二次電池を組み合わせた複合電池が開示されている。例えば、特許文献1には、2種類の二次電池の電圧範囲を適切に選んで互いに並列接続し、単一の電池として動作させる複合電池の技術が開示されている。また、特許文献2には、頻繁な充放電に対する耐久性が高い、リチウムイオン二次電池などの二次電池と安価な鉛蓄電池とを並列接続して搭載することが開示されている。
特許第5373999号 特許第5471083号
特許文献1の複合電池には、特にハイレートで充放電を繰り返すと、鉛蓄電池とリチウムイオン二次電池との電流バランスが崩れ、いずれか一方の二次電池、特にリチウムイオン二次電池に過大な入出力負荷が掛かるようになるという問題があった。この問題が発生するメカニズムについて説明する。
まず、鉛蓄電池とリチウムイオン二次電池とから成る複合電池に、例えば、1C以上の比較的ハイレートの入出力負荷が繰り返し掛かると、各二次電池の反応熱及びジュール熱によって各二次電池の温度が上昇する。この時、リチウムイオン二次電池は、鉛蓄電池よりもエネルギ密度が高く、また、鉛蓄電池よりも金属材料の割合が多いために比熱が小さいので、電池温度が鉛蓄電池よりも先に早く上昇する。一方、一般的に、電池温度が上昇すると電池の反応速度が上昇するために内部抵抗が低下するので、リチウムイオン二次電池の内部抵抗が鉛蓄電池よりも早く低下する。その結果、複合電池内の電流バランスが変化し、比熱が小さいために温度が上昇しやすいリチウムイオン二次電池の入出力電流の増加によってリチウムイオン二次電池の発熱量が増加するのに対して、比熱が大きいために温度が上昇しにくい鉛蓄電池の入出力電流の減少によって鉛蓄電池の発熱量が減少して、両者の温度差がさらに大きくなる。以上のような動作が繰り返されると、リチウムイオン二次電池に過大な入出力負荷が掛かるようになり、リチウムイオン二次電池の劣化が促進され、最悪の場合には熱暴走が引き起こされる可能性がある。なお、この問題は、電流負荷に対する発熱量が大きくなるハイレートでの充放電時に特異的に発生する。
また、特許文献2の構成では、鉛蓄電池とリチウムイオン二次電池との間にスイッチが設けられ、各二次電池が独立に制御されるので、制御が複雑になるという問題があった。
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ハイレートで充放電を繰り返しても、リチウムイオン二次電池に過大な入出力負荷が極力掛からないようにすることができ、各二次電池の入出力をシンプルに制御することが可能な複合電池を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記目的に加え、複合電池全体の放電特性を簡便かつ高精度に計算することができ、従来と同等以上に大容量化すること、安全性を向上すること、及び故障時のリスクを分散することが可能な複合電池を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、まず、温度変化に伴って変化する鉛蓄電池の内部抵抗値を0〜40℃の温度範囲内で任意に設定された基準温度の時の内部抵抗値で除して算出した鉛蓄電池の内部抵抗比と、温度変化に伴って変化するリチウムイオン二次電池の内部抵抗値を同一の基準温度の時の内部抵抗値で除して算出したリチウムイオン二次電池の内部抵抗比と、を比較した時に、その基準温度よりも高い温度範囲では鉛蓄電池の内部抵抗比よりも大きくなるように、リチウムイオン二次電池の内部抵抗比を設定することによって、ハイレートで充放電を繰り返しても、リチウムイオン二次電池に過大な入出力負荷が極力掛からないようにすることができ、各二次電池の入出力をシンプルに制御することができることを見出した。
また、本発明者は、リチウムイオン二次電池を覆わずにその温度を保ち、鉛蓄電池の少なくとも一部を覆うように断熱材を設けてその温度を上昇させ、リチウムイオン二次電池の内部抵抗を変化させずに鉛蓄電池の内部抵抗を低下させることによって、入出力負荷がより一層鉛蓄電池に掛かりやすく、即ち、リチウムイオン二次電池に掛かりにくくすることができることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明の第1の実施形態は、鉛蓄電池とリチウムイオン二次電池とを並列接続して構成され、鉛蓄電池は、温度変化に伴って変化する内部抵抗値を0〜40℃の温度範囲内で任意に設定された基準温度の時の内部抵抗値で除した第1内部抵抗比を有し、リチウムイオン二次電池は、温度変化に伴って変化する内部抵抗値を基準温度の時の内部抵抗値で除した第2内部抵抗比を有し、第2内部抵抗比は、基準温度よりも高い温度範囲では第1内部抵抗比よりも大きくなるように設定されることを特徴とする複合電池を提供するものである。
ここで、上記第1の実施形態においては、リチウムイオン二次電池は、低結晶性カーボンを用いた負極活物質を有するのが好ましい。
さらに、複合電池の状態を監視する電池状態監視装置を有し、電池状態監視装置は、複合電池の電圧値を検出する電圧検出部と、複合電池に流れる電流値を検出する電流検出部と、リチウムイオン二次電池に出入りする電気量、及びリチウムイオン二次電池の電圧値の少なくとも一方を検出し、リチウムイオン二次電池の充電率を計算する充電率検出部と、電圧検出部、電流検出部及び充電率検出部が検出又は計算した値を用いて複合電池の放電特性を計算する特性計算部と、を有するのが好ましい。
リチウムイオン二次電池は、鉛蓄電池の動作電圧範囲よりも大きい動作電圧範囲を有するのが好ましい。
さらに、リチウムイオン二次電池を覆わずに鉛蓄電池の少なくとも一部を覆う断熱材を有するのが好ましい。
また、本発明の第2の実施形態は、制動時に回生電力を発生させる発電機と、回生電力によって充電された後に放電する本発明の第1の実施形態の複合電池と、複合電池から放電された電力及び回生電力が供給される負荷と、を備えた自動車を提供するものである。
また、本発明の第3の実施形態は、変電所から伝送された電力でモータを回して走行すると共に、制動時にモータを用いて回生電力を発生させる電気式鉄道車両と、回生電力によって充電された後に放電する本発明の第1の実施形態の複合電池と、変電所からの電力を電気式鉄道車両に伝送すると共に、回生電力を複合電池に伝送する電力伝送部と、電力伝送部と複合電池との間に接続され、回生電力を電力変換して複合電池に出力すると共に、複合電池から放電された電力を電力変換して電力伝送部に出力する双方向コンバータ部と、を備えた鉄道回生電力貯蔵装置を提供するものである。
本発明によれば、ハイレートで充放電を繰り返しても、リチウムイオン二次電池に過大な入出力負荷が極力掛からないようにすることができ、各二次電池の入出力をシンプルに制御することができる。
また、本発明によれば、上記効果に加え、複合電池全体の放電特性を簡便かつ高精度に計算することができ、従来と同等以上に大容量化すること、安全性を向上すること、及び故障時のリスクを分散することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態の複合電池を示すブロック図である。 図2は、図1の複合電池を構成する鉛蓄電池とリチウムイオン二次電池の温度と内部抵抗の関係を模式的に示すグラフである。 図3は、図1の複合電池の一実施例の斜視図である。 図4は、図1の複合電池を構成するリチウムイオン二次電池の変形例の放熱板の一部を破断し、その破断部の単電池要素を取り外した状態を示す斜視図である。 図5は、図4のリチウムイオン二次電池の単電池要素の積層状態を模式的に示す側面図である。 図6は、図4のリチウムイオン二次電池から放熱板を取り外した状態を示す平面図である。 図7は、図1の複合電池を構成する鉛蓄電池とリチウムイオン二次電池の充電率と電池電圧の関係を示すグラフである。 図8は、図1の複合電池に備えられる電池状態監視装置を示すブロック図である。 図9は、図8の電池状態監視装置の計算方法を示すブロック図である。 図10は、図8の複合電池の放電容量―電圧特性を模式的に示すグラフである。 図11は、図8の電池状態監視装置の第1変形例を示すブロック図である。 図12は、図8の電池状態監視装置の第2変形例を示すブロック図である。 図13は、図8の電池状態監視装置の第3変形例を示すブロック図である。 図14は、図1の複合電池の第1変形例の斜視図である。 図15は、図1の複合電池の第2変形例の側面図である。 図16は、図1の複合電池で構成された複合電池群を示すブロック図である。 図17は、本発明の第2の実施形態の自動車を示すブロック図である。 図18は、本発明の第3の実施形態の鉄道回生電力貯蔵装置を示すブロック図である。
以下に、本発明の複合電池を添付の図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の第1の実施形態の複合電池について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の複合電池を示すブロック図であり、図2は、図1の複合電池を構成する鉛蓄電池とリチウムイオン二次電池の温度と内部抵抗の関係を模式的に示すグラフであり、図3は、図1の複合電池の一実施例の斜視図である。
複合電池10は、鉛蓄電池12とリチウムイオン二次電池14とを並列接続して構成される。即ち、複合電池10は、12V系の複合電池であり、車載バッテリなどで使用される12V鉛蓄電池12にリチウムイオン二次電池14が並列接続される。鉛蓄電池12の出力端子面12aに設けられた出力端子12t、及びリチウムイオン二次電池14の出力端子面14aに設けられた出力端子14tは、ケーブル状の接続部材16によって電気的に接続される。リチウムイオン二次電池14は、鉛蓄電池12から分離され、出力端子面12aが水平になり出力端子面14aが垂直になる設置姿勢で互いに離れた場所に設置される。接続部材16は、バスバー又は他の導電性のある材料を用いた板状の接続部材でも良い。
このような構成とすることで、本発明の複合電池の内の、例えば、鉛蓄電池12をエンジンルーム内に、リチウムイオン二次電池14を客室内のシート下部に、別々に設置することができる。
鉛蓄電池12は、温度変化に伴って変化する内部抵抗値を0〜40℃の温度範囲内で任意に設定された基準温度の時の内部抵抗値で除した第1内部抵抗比を有し、リチウムイオン二次電池14は、温度変化に伴って変化する内部抵抗値を基準温度の時の内部抵抗値で除した第2内部抵抗比を有し、第2内部抵抗比は、基準温度よりも高い温度範囲では第1内部抵抗比よりも大きくなるように設定される。即ち、0〜40℃の温度範囲内で基準温度を任意に設定し、その温度よりも高い場合には、リチウムイオン二次電池14の内部抵抗の低下割合よりも鉛蓄電池12の内部抵抗の低下割合の方が大きいので、入出力負荷が鉛蓄電池12に掛かりやすくなると共に、リチウムイオン二次電池14に掛かりにくくなる。ここで、基準温度は、複合電池10がハイレートで充放電動作する前の温度であり、0〜40℃の温度範囲内であるのが好ましく、内部抵抗が急上昇する0〜10℃を除く10〜40℃であるのがより好ましく、20〜30℃の温度範囲内であるのがより一層好ましい。
また、上記構成を以下のように換言することができる。即ち、上記第1内部抵抗比は、温度上昇に伴って第1勾配で曲線的に単調に低下し、上記第2内部抵抗比は、温度上昇に伴って第2勾配で曲線的に単調に低下し、第2勾配は、各温度において第1勾配よりも絶対値が小さい。
リチウムイオン二次電池の内部抵抗の設定に影響する主要なパラメータを例示すると、第1のパラメータは、活物質の材料成分及び粒径であり、導電性は材料成分によって様々であるが、粒径が小さい程内部抵抗が小さくなり、粒径が大きい程内部抵抗が大きくなるのが一般的である。第2のパラメータは、活物質と導電助剤とバインダとの混合材料である電極合剤の組成であり、導電助剤比率が高い程内部抵抗が小さくなり、バインダ比率が高い程内部抵抗が大きくなるのが一般的である。第3のパラメータは、電極面積に対するタブ面積の比率であり、タブ面積比率が大きい程内部抵抗が小さくなり、タブ面積比率が小さい程内部抵抗が大きくなるのが一般的である。第4のパラメータは、電解液のイオン伝導度であり、イオン伝導度が低い程内部抵抗が小さくなり、イオン伝導度が高い程内部抵抗が大きくなるのが一般的である。
鉛蓄電池12及びリチウムイオン二次電池14の内部抵抗の測定方法は、交流インピーダンスを測定する方法、充放電開始前後の電圧変化から直流抵抗を測定する方法などがある。後者は、具体的には、複合電池10の充放電開始前の各二次電池の電圧と充放電開始から一定時間経過後、例えば5秒後の各二次電池の電圧との差を各二次電池の充放電電流で除して算出する方法である。
鉛蓄電池12は、複数の単セルを直並列接続して構成されるものであっても良く、また、例えば、自動車用12Vバッテリのように、直列接続された複数の単セルを1つの筐体に格納したユニットであっても良く、さらに、複数のユニットを直並列接続して構成されるものであっても良い。リチウムイオン二次電池14は、複数の単セルを直並列接続して1つの筐体に格納したものであっても良く、また、それぞれが複数の単セルと1つの筐体とから成る複数のサブモジュールを直並列接続して構成されるものであっても良い。リチウムイオン二次電池14又はリチウムイオン二次電池14の各サブモジュールは、安全性を確保するために保護回路を備えていても良い。また、筐体の内部に、リチウムイオン二次電池14の状態監視及び保護を行う保護回路基板を有しても良い。
鉛蓄電池12が12Vの鉛蓄電池の場合には、リチウムイオン二次電池14は、リチウムイオン二次電池の単セルを4〜5個直列接続したものが好ましい。例えば、負極に黒鉛又はハードカーボン又はソフトカーボンを使用し、正極にリン酸鉄系リチウム酸化物(LFP)を使用した平均電圧3.2V程度の単セルの場合、あるいは負極に黒鉛又はハードカーボン又はソフトカーボンを使用し、正極にLCO、NMC、NCAなどのリチウム酸化物を使用した平均電圧3.6V程度の単セルの場合には、単セルを4個直列接続するのが好ましい。また、負極にチタン系リチウム酸化物(LTO)を使用した平均電圧2.4V程度の単セルの場合には、単セルを5個直列接続するのが好ましい。
また、鉛蓄電池12が24Vの鉛蓄電池又は12Vの鉛蓄電池を2つ直列接続したものの場合には、リチウムイオン二次電池14は、上記平均電圧3.6V程度の単セルを7個直列接続して構成するのが好ましい。さらに、鉛蓄電池12が36Vの鉛蓄電池又は12Vの鉛蓄電池を3つ直列接続したものの場合には、リチウムイオン二次電池14は、上記平均電圧3.6V程度の単セルを11個直列接続して構成するのが好ましい。これらに限らず、鉛蓄電池12とリチウムイオン二次電池14の動作電圧範囲がほぼ等しい構成であれば、本発明の効果を奏することができる。
リチウムイオン二次電池の単セルは、円筒型形状であっても良い。円筒型形状の例としては、直径18mm、長さ65mmの18650型、直径21mm、長さ70mmの21700型、直径26mm、長さ65mmの26650型などがある。また、リチウムイオン二次電池の単セルは、樹脂製の表基材とアルミニウム又はステンレスなどの金属製の中間基材と樹脂製のシーラント材とを重ね合わせたラミネートフィルムを外装材料の少なくとも一部に用いたラミネート型形状であっても良い。さらに、リチウムイオン二次電池の単セルは、アルミニウム又はステンレスなどを深絞り加工などで加工した板材を外装材料の少なくとも一部に用いた角型形状であっても良い。
これらの円筒型、ラミネート型、角形のリチウムイオン二次電池の単セルに用いられる正極活物質は、特に限定されないが、例えば、三元系材料、NCA系材料、リン酸鉄リチウム、リチウムコバルト酸化物、リチウムマンガン酸化物等が挙げられる。また、円筒型、ラミネート型、角形のリチウムイオン二次電池の単セルに用いられる負極活物質は、特に限定されないが、例えば、ソフトカーボン又はハードカーボンなどの低結晶性カーボン、グラファイト、チタン酸リチウムなどが挙げられる。
このような構成とすることで、本発明の複合電池は、ハイレートで充放電を繰り返しても、リチウムイオン二次電池に過大な入出力負荷が極力掛からないようにすることができ、各二次電池の入出力をシンプルに制御することができる。
次に、本発明の複合電池を構成するリチウムイオン二次電池の内部構成について説明する。図4は、図1の複合電池を構成するリチウムイオン二次電池の変形例の放熱板の一部を破断し、その破断部の単電池要素を取り外した状態を示す斜視図であり、図5は、図4のリチウムイオン二次電池の単電池要素の積層状態を模式的に示す側面図であり、図6は、図4のリチウムイオン二次電池から放熱板を取り外した状態を示す平面図であり、図7は、図1の複合電池を構成する鉛蓄電池とリチウムイオン二次電池の充電率と電池電圧の関係を示すグラフである。
リチウムイオン二次電池30は、本発明の複合電池を構成するリチウムイオン二次電池の変形例であり、単電池要素20とケース32と放熱板34とを備える。単電池要素20は、負極要素22と正極要素24と負極要素22及び正極要素24を電気的に絶縁するセパレータ26とを備えたものである。ケース32は、単電池要素20を収納するための収納部を有するものである。収納部は、ケース32の取付面32aに形成された凹部32bに対応する。放熱板34は、電解液が注入されたケース32の収納部を気密に封止するものである。
即ち、ケース32の取付面32aには、四角形状の4つの凹部32bが形成され、それぞれの凹部32bに4つの単電池要素20のそれぞれが配置される。4つの凹部32bのそれぞれに配置されたそれぞれの単電池要素20は、負極バスバー36及び正極バスバー38で直列接続されるので、リチウムイオン二次電池30の平均放電電圧は、リチウムイオン二次電池の平均放電電圧3.0〜3.6Vの4倍の12.0〜14.4Vになり、鉛蓄電池の平均放電電圧とほぼ同一になる。負極バスバー36及び正極バスバー38の代わりに、負極要素22及び正極要素24のそれぞれに接続された配線を用いて直列接続されても良い。ケース32と放熱板34は、ねじ、ボルト、接着剤、超音波溶着などで固定される。凹部32bからの電解液流出及び電池外部からの水分流入を防ぐために、4つの凹部32bのそれぞれの周囲にOリングやガスケットが配置されていても良い。
なお、本好適実施形態では、ケース32の収納部及び単電池要素20の個数を4つとして説明するが、本発明はこれに限定されず、少なくとも1つであれば良い。ケース32の収納部は、凹部32bに限定されず、貫通した収納部、即ち、凹部32bの底面を取り除いた収納部であっても良い。その場合、リチウムイオン二次電池は、ケースの上下に2つの放熱板を備える。
ケース32の材料は、薬品耐性と機械強度が高い、アルミニウム、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂などが好ましい。PPS樹脂は、バスバーとケース32とを一体成型できるので、より好ましい。放熱板34の材料は、アルミニウム、ステンレス、銅、プラスチックなどが好ましい。負極バスバー36及び正極バスバー38の材料は、電気抵抗率が小さく、かつリチウムイオン二次電池の動作範囲において電気化学的に安定な金属、例えば、ニッケル、ステンレス、銅、アルミニウムなどが好ましい。特に、正極に接続される部分がアルミニウム、負極に接続される部分が銅のクラッド構造は、低電気抵抗率と電気化学的安定性の観点で好ましい。
次に、図5を参照して、単電池要素の構成について説明する。
負極要素22は、負極活物質22bと負極集電部22tとを有し、正極要素24は、正極活物質24bと正極集電部24tとを有するものである。即ち、負極要素22は、負極箔22aの一部である負極集電部22tと、負極箔22aの負極集電部22t以外の部分の両側に形成された負極活物質22bと、を有し、正極要素24は、正極箔24aの一部である正極集電部24tと、正極箔24aの正極集電部24t以外の部分の両側に形成された正極活物質24bと、を有する。
負極要素22及び正極要素24は、セパレータ26を介して交互に積層され、積層方向の両端には、負極箔22aの片側又は両側に負極活物質22bが形成された負極要素22が配置される。積層方向の一方の端には、正極箔24aの片側又は両側に正極活物質24bが形成された正極要素24が配置されても良い。単電池要素20は、アスペクト比の大きな負極要素22、セパレータ26、正極要素24をこの順に重ね、ロール状に捲回した構造でも良い。また、セパレータ26は、材料によっては、例えば、負極活物質22b又は正極活物質24bの内の一方に塗工することによって、負極要素22又は正極要素24の内の一方に一体化することができる。
単電池要素20の少なくとも一部は、収納部の中に露出した状態である。即ち、4つの単電池要素20のそれぞれは、個別の容器に収納されていないので、負極箔22a、負極活物質22b、負極集電部22t、正極箔24a、正極活物質24b、正極集電部24t、セパレータ26の例えば側面は、それぞれの凹部32bの中に露出した状態である。
次に、図6を参照して、単電池要素と負極バスバーとの電気的な接続方法及び単電池要素と正極バスバーとの電気的な接続方法について説明する。
単電池要素20は、4つの単電池要素から成り、負極バスバー36は、3つの負極バスバーから成り、正極バスバー38は、3つの正極バスバーから成り、各負極バスバーの一方の端部と各正極バスバーの一方の端部とは、それぞれ互いに電気的に接続される。ケース32は、さらに、リチウムイオン二次電池30から電力を取り出すための負極端子板36t及び正極端子板38tを備える。
次に、図7を参照して、本発明の複合電池を構成するリチウムイオン二次電池の負極活物質について説明する。
リチウムイオン二次電池30は、低結晶性カーボンを用いた負極活物質22bを有するのが好ましい。即ち、図7に示すように、負極活物質22bにグラファイトを用いた場合には、リチウムイオン二次電池30の充電率の範囲は、鉛蓄電池12の充電率が100%の時の電圧14.4V(満充電電圧)と等しくなる10%弱までの範囲C1しかないのに対して、負極活物質22bに低結晶性カーボンを用いた場合には、リチウムイオン二次電池30の充電率の範囲は、鉛蓄電池12の充電率が100%の時の電圧14.4V(満充電電圧)と等しくなる50%強までの範囲C2になる。
また、鉛蓄電池の中には、満充電電圧が14.4Vではなく、15V又は16Vのものも存在するが、その場合でも、負極活物質22bにグラファイトを用いるよりも低結晶性カーボンを用いた方が、リチウムイオン二次電池30の充電率の範囲が必ず大きくなるので、より好ましい。なお、上述のように、リチウムイオン二次電池が複数の円筒型、ラミネート型、角形のリチウムイオン二次電池の単セルで構成される場合も同様に、各単セルは、低結晶性カーボンを用いた負極活物質を有するのが好ましい。
ここで、複合電池10の満充電電圧とは、システム設計者が複合電池10の充電を止めるために安全上の上限電圧と下限電圧との間に予め設定した電圧であり、長時間にわたる放電の間に徐々に低下していく複合電池10の正負極端子間の放電開始時の電圧である。複合電池10の放電終止電圧とは、システム設計者が複合電池10の放電を止めるために安全上の上限電圧と下限電圧との間に予め設定した電圧であり、複合電池10が放電される場合に到達する正負極端子間の最小の電圧である。
このような構成とすることで、10%以上の範囲の充電率に対する電池電圧の勾配が大きくなった結果、鉛蓄電池の電池電圧範囲に適合するリチウムイオン二次電池の充電率範囲が大きくなるので、本発明の複合電池は、大容量化することができる。
次に、本発明の複合電池を構成するリチウムイオン二次電池の動作電圧範囲について説明する。
リチウムイオン二次電池30は、鉛蓄電池12の動作電圧範囲よりも大きい動作電圧範囲を有するのが好ましい。即ち、一般に、鉛蓄電池12の満充電電圧が約14.0〜16.4Vであり、放電終止電圧が約10.5〜12.0Vであるのに対して、負極活物質22bに低結晶性カーボンを用いた場合には、リチウムイオン二次電池30の満充電電圧が約16.8Vであり、放電終止電圧が約10.0Vになる。
従って、上述のように、鉛蓄電池の満充電電圧が15V又は16Vの場合でも、リチウムイオン二次電池30の満充電電圧約16.8Vの方が必ず高くなる。なお、上述のように、リチウムイオン二次電池が複数の円筒型、ラミネート型、角形のリチウムイオン二次電池の単セルで構成される場合も同様に、リチウムイオン二次電池は、鉛蓄電池12の動作電圧範囲よりも大きい動作電圧範囲を有するのが好ましい。
鉛蓄電池12とこのリチウムイオン二次電池30とを並列接続して構成された複合電池10を充電し続けた場合、鉛蓄電池12の水溶液の電気分解が主となり、ガスが発生して充電エネルギが消費され、複合電池10の充電電圧の上昇が抑制される。また、複合電池10を放電し続けた場合、リチウムイオン二次電池30よりも先に鉛蓄電池12が過放電になる。なお、リチウムイオン二次電池の動作電圧範囲の設定に影響するパラメータは、正極活物質と負極活物質の組み合わせである。
このような構成とすることで、複合電池を使用した場合に、リチウムイオン二次電池が過充電又は過放電になるリスクが低減されるので、本発明の複合電池は、安全性を向上することができる。
次に、本発明の複合電池に備えられる電池状態監視装置について説明する。図8は、図1の複合電池に備えられる電池状態監視装置を示すブロック図である。
複合電池10は、さらに、複合電池10の状態を監視する電池状態監視装置40を有するのが好ましく、その場合には、電池状態監視装置40は、電圧検出部42と電流検出部44と充電率検出部46と特性計算部48とを有する。電圧検出部42は、複合電池10の電圧値を検出し、電流検出部44は、複合電池10に流れる電流値を検出する。充電率検出部46は、リチウムイオン二次電池14に出入りする電気量、及びリチウムイオン二次電池14の電圧値の少なくとも一方を検出し、リチウムイオン二次電池14の充電率を計算する。特性計算部48は、電圧検出部42、電流検出部44及び充電率検出部46が検出又は計算した値を用いて複合電池の放電特性を計算する。
即ち、電圧検出部42は、例えば電圧センサとA/D変換器で構成され、電圧センサによって検出された複合電池10の電圧値をA/D変換して得られたデジタル値の電圧を特性計算部48に出力する。電流検出部44は、例えば電流センサとA/D変換器で構成され、電流センサによって検出された複合電池10の電流値をA/D変換して得られたデジタル値の電流を特性計算部48に出力する。電流センサは、例えば、変流器(CT)やホール効果型電流センサに代表されるクランプ電流計であり、シャント抵抗器と電圧計から構成されたものでも良い。
充電率検出部46は、例えばクーロンカウンタ46aと充電率計算部とA/D変換器で構成され、クーロンカウンタ46aによって検出されたリチウムイオン二次電池14に出入りする電気量からリチウムイオン二次電池14の充電率を計算し、その値をA/D変換して得られたデジタル値の充電率を特性計算部48に出力する。充電率計算部は、プロセッサ及びプロセッサに各種の処理を実行させるための動作プログラム、又は、回路で構成される。なお、充電率検出部46は、クーロンカウンタ46aの代わりに、矢印46bのように電圧検出部42から出力された複合電池10の電圧値からリチウムイオン二次電池14の充電率を計算し、その値を特性計算部48に出力しても良い。この場合には、複合電池10の電圧とリチウムイオン二次電池14の充電率の関係式を予め測定して定め、その関係式に基づいてリチウムイオン二次電池14の充電率を計算する。また、本発明では、鉛蓄電池12の充電率を計算する必要がないので、充電率検出部46は、鉛蓄電池12の充電率を計算しない。
特性計算部48は、プロセッサ及びプロセッサに各種の処理を実行させるための動作プログラム、又は、回路で構成され、電圧検出部42によって検出された複合電池10の電圧値と、電流検出部44によって検出された複合電池10に流れる電流値と、充電率検出部46によって計算されたリチウムイオン二次電池14の充電率と、を用いて複合電池の放電特性を計算するものである。特性計算部48によって計算された複合電池の放電特性は、所定の目的を達成するために稼働する外部機器52に出力される。
リチウムイオン二次電池14の充電率は、充電率検出部46によって検出されたリチウムイオン二次電池14に出入りする電気量に基づく電流積分方式、及び充電率検出部46によって検出されたリチウムイオン二次電池14の電圧値に基づく電圧参照方式の少なくとも一方によって計算されても良い。さらに、リチウムイオン二次電池14の充電率は、リチウムイオン二次電池14の放電特性や温度特性を予め測定して記憶しておき、これらを用いて計算しても良く、また、稼働中の電圧、電流、温度をモニタすることによって得られたリチウムイオン二次電池14のインピーダンスの値を用いて計算しても良い。
特性計算部48は、通信部48aを備えても良い。通信部48aは、特性計算部48が計算した放電特性を外部機器52に対して送信するものである。即ち、通信部48aは、有線又は無線によってデジタル情報を送信するものであれば、特に限定されない。また、特性計算部48は、記憶部48bを備えても良い。記憶部48bは、特性計算部48が計算した放電特性を時系列で記憶するものである。即ち、記憶部48bは、デジタル情報を一定期間、一定容量保持するものであれば、特に限定されない。通信部48aは、記憶部48bが記憶している過去の放電特性を外部機器52に対して送信しても良い。外部機器52は、負荷50と有線又は無線で接続され、かつ通信部48aが送信した放電特性に基づいて負荷50の動作を制御するものである。
次に、電池状態監視装置の計算方法について、計算例を参照しながら説明する。図9は、図8の電池状態監視装置の計算方法を示すブロック図であり、図10は、図8の複合電池の放電容量―電圧特性を模式的に示すグラフである。
複合電池10は、リチウムイオン二次電池14と鉛蓄電池12とが並列接続されたものであるが、鉛蓄電池12の充電率の測定精度は、リチウムイオン二次電池14と比較して低い。これは、鉛蓄電池12の充放電中に常に副反応である水分解反応が起こることによって鉛蓄電池12に流れる電流値を積分してその充電率を算出することが困難であるため、及び、鉛蓄電池12の充放電反応が不均一反応であるために、本質的に充放電電圧が平坦であり、鉛蓄電池12の電圧からその充電率を算出することが困難であるためである。従って、複合電池の放電容量Q1は、複合電池10の電圧値や複合電池10に流れる電流値を検出するのみでは、高精度に計算することができない。
本発明の複合電池10は、ステップS10において、複合電池10を構成するリチウムイオン二次電池14の充電率と複合電池の放電容量の関係を示す第1関数を予め測定して特性計算部48が記憶しておく。また、この前又は後に、ステップS12において、複合電池10のゼロから最大放電容量Q0までの放電容量と満充電電圧Vmaxから放電終止電圧Vminまでの開放電圧との関係を示す第2関数(曲線A)を予め測定して特性計算部48が記憶しておく。なお、ステップS10とステップS12の順序は、逆でも良い。
次に、ステップS20において、充電率検出部46がリチウムイオン二次電池14の充電率を計算する。次に、ステップS22において、特性計算部48がリチウムイオン二次電池14の充電率を第1関数に当てはめて、複合電池の放電容量Q1を計算する。次に、ステップS24において、特性計算部48が複合電池の放電容量Q1を第2関数に当てはめて、複合電池の放電容量Q1における複合電池の開放電圧V1Aの値を求める。
次に、ステップS26において、電圧検出部42が複合電池10の電圧値V0を検出し、電流検出部44が複合電池10に流れる電流値I0を検出し、特性計算部48が複合電池の開放電圧V1Aの値から内部抵抗による電圧降下分の値、即ちI1・V0/I0の値をマイナスして、複合電池10を放電容量Q1の状態から電流値I1で放電した場合の複合電池10の電圧V1Bの値を求める。次に、ステップS28において、特性計算部48が第2関数からI1・V0/I0の値をマイナスして、複合電池10を放電容量Q1の状態から電流値I1で放電した場合の放電容量―電圧特性の関数(曲線B)を計算する。
次に、ステップS30において、電流値I1で継続的に放電した場合に、複合電池10の電圧が放電終止電圧Vminに到達する放電容量Q2を計算する。次に、ステップS32において、電流値I1で継続的に放電した場合の複合電池10の放電残容量Q2−Q1を計算する。特性計算部48は、さらに、この放電残容量Q2−Q1、及び電流値I1で放電を開始した直後の複合電池10の電圧V1Bに基づいて、複合電池10の劣化を判定するものであっても良い。
このような構成とすることで、本発明の複合電池は、複合電池全体の放電特性を簡便かつ高精度に計算することができる。
本発明の第1の実施形態の複合電池は、基本的に以上のように構成される。このような構成とすることで、本発明の複合電池は、ハイレートで充放電を繰り返しても、リチウムイオン二次電池に過大な入出力負荷が極力掛からないようにすることができ、各二次電池の入出力をシンプルに制御することができ、また、複合電池全体の放電特性を簡便かつ高精度に計算することができ、従来と同等以上に大容量化すること、安全性を向上すること、及び故障時のリスクを分散することができる。
次に、本発明の複合電池を構成する電池状態監視装置の第1変形例について説明する。図11は、図8の電池状態監視装置の第1変形例を示すブロック図である。
電池状態監視装置60は、電圧検出部42と電流検出部44と充電率検出部46と特性計算部62とを有し、さらに、検出判定部64を備えても良い。充電率検出部46は、クーロンカウンタ46aによって検出されたリチウムイオン二次電池14に出入りする電気量から、又は矢印46bのように電圧検出部42から出力された複合電池10の電圧値から、リチウムイオン二次電池14の充電率を計算する。特性計算部62は、通信部48a及び記憶部48bを備えても良い。
電池状態監視装置60は、電池状態監視装置40に対して、検出判定部64を有する点、検出判定部64の判定結果を含めて計算する特性計算部62を有する点以外は同一の構成を有するものであるので、同一の構成要素の説明を省略する。また、特性計算部62が備える通信部及び記憶部は、特性計算部48の通信部48a及び記憶部48bと同一であるので、説明を省略する。
検出判定部64は、リチウムイオン二次電池14又は鉛蓄電池12に流れる電流値を検出し、その検出値と電流検出部44によって検出された複合電池10に流れる電流値の両方が、予め定められた各閾値以下であるか否かを判定するものである。閾値以下である場合に、特性計算部62は、閾値以下であると判定された後に電圧検出部42、電流検出部44及び充電率検出部46が検出した値を用いて複合電池の放電特性を計算する。
検出判定部64は、リチウムイオン二次電池14又は鉛蓄電池12に流れる電流値を検出し、その検出値と電流検出部44によって検出された複合電池10に流れる電流値の両方が、予め定められた各閾値以下であるか否かを判定するものである。閾値以下である場合に、特性計算部62は、閾値以下であると判定された後に電圧検出部42、電流検出部44及び充電率検出部46が検出した値を用いて複合電池の放電特性を計算する。
次に、電池状態監視装置の第1変形例の計算方法について説明する。
複合電池10では、負荷50に対する充放電を行っていない場合であっても、複合電池10を構成するリチウムイオン二次電池14と鉛蓄電池12との間で電流のやり取りが発生し、電池状態がわずかに変化する。従って、電池状態が変化している間に上記ステップS20の計算を行っても、リチウムイオン二次電池14の充電率の計算精度は悪くなる。これに対して、このやり取りされる電流が小さくて、電池状態がほとんど変化していない時に上記ステップS20の計算を行えば、リチウムイオン二次電池14の充電率をより高精度に計算することができる。
検出判定部64は、例えば電流センサ64aと判定計算部で構成され、ステップS12の次に、電流センサ64aによって検出されたリチウムイオン二次電池14に流れる電流値をA/D変換して得られたデジタル値の電流と、電流検出部44によって検出された複合電池10に流れるデジタル値の電流と、を予め定められた各閾値と比較し、両方共に各閾値以下である場合に、電池状態がほとんど変化していないと判定する。次に、ステップS20〜S32において、この状態で電圧検出部42、電流検出部44及び充電率検出部46が検出した値を用いて特性計算部62が複合電池の放電特性を計算する。電流センサ64aは、例えば、変流器(CT)やホール効果型電流センサに代表されるクランプ電流計であり、シャント抵抗器と電圧計から構成されたものでも良い。
電池状態監視装置の第1変形例及びその計算方法は、基本的に以上のように構成される。このような構成とすることで、本発明の複合電池の電池状態監視装置は、複合電池全体の放電特性をより高精度かつ確実に計算することができる。
次に、本発明の複合電池を構成する電池状態監視装置の第2変形例について説明する。図12は、図8の電池状態監視装置の第2変形例を示すブロック図である。
電池状態監視装置70は、電圧検出部42と電流検出部44と充電率検出部46と特性計算部72とを有し、さらに、検出判定部74を備えても良い。充電率検出部46は、クーロンカウンタ46aによって検出されたリチウムイオン二次電池14に出入りする電気量から、又は矢印46bのように電圧検出部42から出力された複合電池10の電圧値から、リチウムイオン二次電池14の充電率を計算する。特性計算部72は、通信部48a及び記憶部48bを備えても良い。
電池状態監視装置70は、電池状態監視装置40に対して、検出判定部74を有する点、検出判定部74の判定結果を含めて計算する特性計算部72を有する点以外は同一の構成を有するものであるので、同一の構成要素の説明を省略する。また、特性計算部72が備える通信部及び記憶部は、特性計算部48の通信部48a及び記憶部48bと同一であるので、説明を省略する。
検出判定部74は、複合電池10が最後に充放電を行ってからの経過時間を検出し、その検出値が予め定められた閾値以上であるか否かを判定するものである。閾値以上である場合に、特性計算部72は、閾値以上であると判定された後に電圧検出部42、電流検出部44及び充電率検出部46が検出した値を用いて複合電池の放電特性を計算する。
次に、電池状態監視装置の第2変形例の計算方法について説明する。
複合電池10では、上述のように、負荷50に対する充放電を行っていない場合であっても、電池状態がわずかに変化するので、電池状態が変化している間に上記ステップS20の計算を行っても、リチウムイオン二次電池14の充電率の計算精度は悪くなる。これに対して、複合電池10の休止時間が長ければ電池状態がほとんど変化しなくなるので、その時に上記ステップS20の計算を行えば、リチウムイオン二次電池14の充電率をより高精度に計算することができる。
検出判定部74は、例えば複合電池10が最後に充放電を行ってからの経過時間を検出するための稼働率計74aと判定計算部で構成され、ステップS12の次に、稼働率計74aによって検出された経過時間をA/D変換して得られたデジタル値の経過時間を予め定められた閾値と比較し、閾値以上である場合に、電池状態がほとんど変化していないと判定する。次に、ステップS20〜S32において、この状態で電圧検出部42、電流検出部44及び充電率検出部46が検出した値を用いて特性計算部72が複合電池の放電特性を計算する。なお、電池状態監視装置の第2変形例は、第1変形例の代替手段として効果的である。
電池状態監視装置の第2変形例及びその計算方法は、基本的に以上のように構成される。このような構成とすることで、本発明の複合電池の電池状態監視装置は、複合電池全体の放電特性をより高精度かつノイズの影響を受けずにシンプルに計算することができる。
次に、本発明の複合電池を構成する電池状態監視装置の第3変形例について説明する。図13は、図8の電池状態監視装置の第3変形例を示すブロック図である。
電池状態監視装置80は、電圧検出部42と電流検出部44と充電率検出部46と特性計算部82とを有し、さらに、検出判定部84を備えても良い。充電率検出部46は、クーロンカウンタ46aによって検出されたリチウムイオン二次電池14に出入りする電気量から、又は矢印46bのように電圧検出部42から出力された複合電池10の電圧値から、リチウムイオン二次電池14の充電率を計算する。特性計算部82は、通信部48a及び記憶部48bを備えても良い。
電池状態監視装置80は、電池状態監視装置40に対して、検出判定部84を有する点、検出判定部84の判定結果を含めて計算する特性計算部82を有する点以外は同一の構成を有するものであるので、同一の構成要素の説明を省略する。また、特性計算部82が備える通信部及び記憶部は、特性計算部48の通信部48a及び記憶部48bと同一であるので、説明を省略する。
検出判定部84は、リチウムイオン二次電池14に備わる保護スイッチのON/OFF状態を検出するものである。特性計算部82は、保護スイッチのON/OFF状態に基づいて複合電池の放電特性を計算する。リチウムイオン二次電池14に備わる保護スイッチは、例えばFET、IGBT、GTOなどの半導体スイッチング素子の他、リレー、電磁開閉器、ブレーカなどであっても良く、また、例えば電流ヒューズ、温度ヒューズ、サーミスタ、セルフコントロールプロテクタ(SCP)のように、一旦作動すると交換しない限り電気的な接続が自動的に回復しないものであっても良い。
次に、電池状態監視装置の第3変形例の計算方法について説明する。
複合電池10では、リチウムイオン二次電池14の保護機能が作動することによって、リチウムイオン二次電池14が鉛蓄電池12及び負荷50から電気的に切り離された状態になると、電池状態が大きく変化する。従って、リチウムイオン二次電池14の保護機能の作動状態を考慮すれば、複合電池全体の放電特性をより高精度に計算することができる。
検出判定部84は、例えばリチウムイオン二次電池14のFETスイッチのON/OFF状態を検出するための導通センサ84aと判定計算部で構成され、ステップS12の次に、導通センサ84aによって検出されたON/OFF状態を、例えばFETスイッチがONであれば1、OFFであれば0に二値化する。次に、検出判定部84は、検出値が1、即ちFETスイッチがONであり、リチウムイオン二次電池14が鉛蓄電池12及び負荷50に電気的に接続されている場合には、その状態を踏まえて複合電池全体の放電特性を計算するように、特性計算部82に指示する。又は、検出判定部84は、検出値が0、即ちFETスイッチがOFFであり、リチウムイオン二次電池14が鉛蓄電池12及び負荷50から電気的に切り離されている場合には、その状態を踏まえて複合電池全体の放電特性を計算するように、特性計算部82に指示しても良い。なお、電池状態監視装置の第3変形例は、第1変形例の代替手段として第2変形例と併用するとより効果的である。
電池状態監視装置の第3変形例及びその計算方法は、基本的に以上のように構成される。このような構成とすることで、本発明の複合電池の電池状態監視装置は、複合電池全体の放電特性をより高精度かつノイズの影響を受けずにシンプルに計算することができる。
次に、本発明の複合電池の第1変形例について説明する。図14は、図1の複合電池の第1変形例の斜視図である。
複合電池90は、鉛蓄電池92とリチウムイオン二次電池94とを並列接続して構成される。即ち、複合電池90は、12V系の複合電池であり、車載バッテリなどで使用される12V鉛蓄電池92にリチウムイオン二次電池94が並列接続される。鉛蓄電池92の出力端子面92aに設けられた出力端子92t、及びリチウムイオン二次電池94の出力端子面94aに設けられた出力端子94tは、板状の接続部材96によって電気的に接続される。
複合電池90は、複合電池10に対して、リチウムイオン二次電池14と設置姿勢が異なるリチウムイオン二次電池94を有する点、接続部材16と形状が異なる接続部材96を有する点以外は同一の構成を有するものであり、鉛蓄電池92は、鉛蓄電池12と同一の基本的機能を有し、リチウムイオン二次電池94は、リチウムイオン二次電池14と同一の基本的機能を有するので、説明を省略する。
リチウムイオン二次電池94は、出力端子面92aに隣接する面と出力端子面94aに隣接する面とを重ね合わせることによって鉛蓄電池92と一体化され、出力端子面92a及び出力端子面94aが共に水平になる設置姿勢で1つの場所に設置される。また、複合電池90は、電池状態監視装置40、60、70、80を備えても良い。
本発明の複合電池の第1変形例は、基本的に以上のように構成される。このような構成とすることで、本発明の複合電池は、配線抵抗を低減し、複合電池の体積を縮小することができる。また、自動車のアイドルストップ用二次電池として使用する場合には、例えば、N55規格の鉛蓄電池に薄型のリチウムイオン二次電池を隣接させることによって、Q85規格の鉛蓄電池と同一サイズに複合電池90を構成することができるので、本発明の一体化された複合電池90をエンジンルーム内の既存のスペースに設置することができる。
次に、本発明の複合電池の第2変形例について説明する。図15は、図1の複合電池の第2変形例の側面図である。
複合電池100は、鉛蓄電池102とリチウムイオン二次電池104とを並列接続して構成される。即ち、鉛蓄電池102の出力端子面102aに設けられた出力端子102t、及びリチウムイオン二次電池104の出力端子面104aに設けられた出力端子104tは、接続部材106によって電気的に接続される。
複合電池100は、複合電池10に対して、リチウムイオン二次電池14と設置姿勢が異なるリチウムイオン二次電池104を有する点、接続部材16と形状が異なる接続部材106を有する点、断熱材108を有する点以外は同一の構成を有するものであり、鉛蓄電池102は、鉛蓄電池12と同一の基本的機能を有し、リチウムイオン二次電池104は、リチウムイオン二次電池14と同一の基本的機能を有するので、説明を省略する。
複合電池100は、さらに、リチウムイオン二次電池104を覆わずに鉛蓄電池102の少なくとも一部を覆う断熱材108を有するのが好ましい。即ち、リチウムイオン二次電池104は、断熱材108で覆われないので、充放電時の発熱を放熱しやすく、そのために温度が保たれやすい傾向にあるのに対して、鉛蓄電池102は、少なくとも一部を覆うように断熱材108が設けられるので、充放電時の発熱を放熱しにくく、そのために温度が上昇しやすい傾向になる。その結果、リチウムイオン二次電池104の内部抵抗が変化せずに鉛蓄電池102の内部抵抗が低下するので、入出力負荷が鉛蓄電池102に掛かりやすくなると共に、リチウムイオン二次電池104に掛かりにくくなる。
リチウムイオン二次電池104は、鉛蓄電池102から分離され、出力端子面102aが水平になり出力端子面104aが垂直になる設置姿勢で互いに離れた場所に設置され、ケーブル状の接続部材16によって互いに電気的に接続されても良い。また、リチウムイオン二次電池104は、鉛蓄電池102と一体化され、出力端子面102a及び出力端子面104aが共に水平になる設置姿勢で1つの場所に設置され、板状の接続部材96によって互いに電気的に接続されても良いが、その場合には、出力端子面102aに隣接する面と出力端子面104aに隣接する面とを重ね合わせる時に両者の間に断熱材108を備えるのが好ましい。さらに、複合電池100は、電池状態監視装置40、60、70、80を備えても良い。
本発明の複合電池の第2変形例は、基本的に以上のように構成される。このような構成とすることで、本発明の複合電池は、ハイレートで充放電を繰り返しても、リチウムイオン二次電池に過大な入出力負荷が極力掛からないようにすることができ、各二次電池の入出力をシンプルに制御することができる。
次に、本発明の複合電池で構成された複合電池群について説明する。図16は、図1の複合電池で構成された複合電池群を示すブロック図である。
複合電池群110は、互いに直並列接続された複数の複合電池10で構成され、各複合電池10は、鉛蓄電池12とリチウムイオン二次電池14とを並列接続して構成される。また、複合電池群110は、複合電池10の代わりに、複合電池90又は100で構成されても良い。
本発明の複合電池で構成された複合電池群は、基本的に以上のように構成される。このような構成とすることで、複合電池群は、故障時のリスクを分散することができる。
次に、本発明の第2の実施形態の自動車について説明する。図17は、本発明の第2の実施形態の自動車を示すブロック図である。
自動車120は、発電機122と複合電池10と負荷とを備える。発電機122は、制動時に回生電力を発生させる。複合電池10は、回生電力によって充電された後に放電する。負荷は、一般負荷124、走行必要負荷及び被保護負荷126で構成され、複合電池10から放電された電力及び回生電力が供給される。一般負荷124は、ヘッドライト、フォグランプ、ウィンカ、ワイパ、ラジエータファン、スタータモータ、エアコンなどを含み、走行必要負荷及び被保護負荷126は、ナビ/オーディオ、メータ、ストップランプ、コントローラ類、点火コイル、インジェクタ、燃料ポンプ、CVT電動ポンプなどを含む。また、自動車120は、複合電池10の代わりに、複合電池90、100、又は複合電池群110で構成されても良い。
複合電池10は、一般負荷124、走行必要負荷及び被保護負荷126の両方の負荷に常時接続され、複合電池10の電力が両方の負荷に常時供給される。発電機122は、加速時及び等速走行時には停止するが、減速(制動)時には動作し、発電機122が発電した電力によって複合電池10が充電される。発電機122は、ISG(Integrated Starter Generator)などのモータ機能付き発電機であっても良く、その場合には、再始動後の加速時に発電機122をエンジンのアシスト用モータとして使用するために、複合電池10の電力が発電機122に供給される。
本発明の第2の実施形態の自動車は、基本的に以上のように構成される。このような構成とすることで、本発明の自動車は、ハイレートで充放電を繰り返しても、リチウムイオン二次電池に過大な入出力負荷が極力掛からないようにすることができ、各二次電池の入出力をシンプルに制御することができ、また、複合電池全体の放電特性を簡便かつ高精度に計算することができ、従来と同等以上に大容量化すること、安全性を向上すること、及び故障時のリスクを分散することができる。
次に、本発明の第3の実施形態の鉄道回生電力貯蔵装置について説明する。図18は、本発明の第3の実施形態の鉄道回生電力貯蔵装置を示すブロック図である。
鉄道回生電力貯蔵装置130は、電気式鉄道車両132と複合電池10と電力伝送部134と双方向コンバータ部136とを備える。電気式鉄道車両132は、変電所から伝送された電力でモータを回して走行すると共に、制動時にモータを用いて回生電力を発生させる。複合電池10は、回生電力によって充電された後に放電する。電力伝送部134は、変電所からの電力を電気式鉄道車両132に伝送すると共に、回生電力を複合電池10に伝送する。双方向コンバータ部136は、電力伝送部134と複合電池10との間に接続され、回生電力を電力変換して複合電池10に出力すると共に、複合電池10から放電された電力を電力変換して電力伝送部134に出力する。電力伝送部134は、正極の架線及び負極のレールで構成され、双方向コンバータ部136は、昇降圧チョッパ、ノイズ除去用のフィルタ、及び断路器などで構成される。昇降圧チョッパは、電流のオンオフを繰り返すことによって、実効値として任意の電圧や電流を擬似的に作り出す装置である。また、鉄道回生電力貯蔵装置130は、複合電池10の代わりに、複合電池90、100、又は複合電池群110で構成されても良い。
電気式鉄道車両132が減速(制動)時にモータを用いて発生させた回生電力は、電力伝送部134を通って双方向コンバータ部136に伝送され、双方向コンバータ部136で電力変換された電力によって複合電池10が充電される。これによって、架線電圧の上昇を抑制することができる。また、複合電池10に充電された電力は、例えば、同一の電気式鉄道車両132が次に加速又は等速走行する時、又は遠くを走行中の別の電気式鉄道車両132が加速又は等速走行する時に放電され、双方向コンバータ部136で電力変換された後、電力伝送部134を通って加速中の電気式鉄道車両132に伝送されて使用される。これによって、架線電圧の低下を抑制することができる。特に、その車両が変電所から離れた場所を走行している場合、及び朝夕のラッシュ時に多数の車両が走行している場合に効果的である。
本発明の第3の実施形態の鉄道回生電力貯蔵装置は、基本的に以上のように構成される。このような構成とすることで、本発明の鉄道回生電力貯蔵装置は、ハイレートで充放電を繰り返しても、リチウムイオン二次電池に過大な入出力負荷が極力掛からないようにすることができ、各二次電池の入出力をシンプルに制御することができ、また、複合電池全体の放電特性を簡便かつ高精度に計算することができ、従来と同等以上に大容量化すること、安全性を向上すること、及び故障時のリスクを分散することができる。
次に、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明についてより詳細に説明する。
まず、実施例として、容量7Ah、公称電圧3.6Vの円筒型リチウムイオン二次電池の単セルを4直列1並列に接続したリチウムイオン二次電池と、容量36Ah、公称電圧12Vの鉛蓄電池と、を並列接続して複合電池を構成した。リチウムイオン二次電池及び鉛蓄電池には、それぞれシャント抵抗を設置し、各二次電池に流れる電流を測定した。なお、シャント抵抗の抵抗値は、各二次電池の抵抗に対して十分小さいので、充放電挙動には影響しない。
次に、この複合電池を25℃に温度設定された恒温槽内に設置し、24時間放置して複合電池温度を25℃にした。その後、複合電池電圧を12.7V(=Vorg)に調整し、複合電池に160Aの放電負荷をかけ、放電開始から5秒後の複合電池電圧Vset、放電開始から5秒後のリチウムイオン二次電池からの放電電流Ilib、及び放電開始から5秒後の鉛蓄電池からの放電電流Ipbbを測定し、以下の式に基づいて25℃におけるリチウムイオン二次電池の内部抵抗(直流抵抗)Rlib、及び鉛蓄電池の内部抵抗(直流抵抗)Rpbbを算出した。
Rlib=(Vorg−Vset)/Ilib
Rpbb=(Vorg−Vset)/Ipbb
次に、恒温槽の温度を48℃に設定し、24時間放置して複合電池温度を48℃にした。その後、同一の方法で48℃における各二次電池の内部抵抗Rlib、Rpbbを算出した。
次に、比較例として、実施例と異なる、容量2Ah、公称電圧3.6Vの円筒型リチウムイオン二次電池の単セルを4直列4並列に接続したリチウムイオン二次電池と、実施例と同一の、容量36Ah、公称電圧12Vの鉛蓄電池と、を並列接続して複合電池を構成した。実施例の複合電池と同一の方法で、25℃及び48℃における各二次電池の内部抵抗Rlib、Rpbbを算出した。実施例の算出結果を表1の実施例の欄に、比較例の算出結果を表1の比較例の欄に、それぞれ示す。また、表1の内部抵抗比は、各温度での内部抵抗値を基準温度25℃の時の内部抵抗値で除したものである。
実施例の複合電池では、48℃でのリチウムイオン二次電池の内部抵抗比0.84が48℃での鉛蓄電池の内部抵抗比0.48よりも大きいので、実施例の複合電池は、本発明の条件を満たすものである。これに対して、比較例の複合電池では、48℃でのリチウムイオン二次電池の内部抵抗比0.76が48℃での鉛蓄電池の内部抵抗比0.82よりも小さいので、比較例の複合電池は、本発明の条件を満たさないものである。
<充放電サイクル試験>
次に、本発明の効果を確認するために、実施例の複合電池及び比較例の複合電池を25℃に温度設定された恒温槽内に設置し、24時間放置して複合電池温度を25℃にした。その後、再び複合電池電圧を12.7V(=Vorg)に調整し、以下の条件の充放電サイクル試験を行った。
1)充電1:電流320A、時間5秒
2)充電2:電圧160A、時間10秒
3)休止:30秒
4)放電:電流160A、時間20秒
5)休止:30秒
6)1〜5を合計100回繰り返す。
100回目における放電開始から5秒後のリチウムイオン二次電池からの放電電流Ilib、及び放電開始から5秒後の鉛蓄電池からの放電電流Ipbbを測定した。実施例の測定結果を表2の実施例の欄に、比較例の測定結果を表2の比較例の欄に、それぞれ示す。また、表2の合計は、放電電流Ilibと放電電流Ipbbとを合計したものである。
実施例の複合電池では、リチウムイオン二次電池の放電電流が240A、鉛蓄電池の放電電流が80Aであるのに対して、比較例の複合電池では、リチウムイオン二次電池の放電電流が310A、鉛蓄電池の放電電流が10Aである。これを放電電流の合計に対する比率で見ると、実施例の複合電池では、リチウムイオン二次電池の放電電流が75%、鉛蓄電池の放電電流が25%であるのに対して、比較例の複合電池では、リチウムイオン二次電池の放電電流が実施例よりも高い97%、鉛蓄電池の放電電流が実施例よりも低い3%である。この結果から、実施例の複合電池の構成によって、ハイレートで充放電を繰り返しても、リチウムイオン二次電池に過大な入出力負荷が極力掛からないようにすることができるのは明らかである。
以上、本発明の複合電池、それを備えた自動車及び鉄道回生電力貯蔵装置について、実施形態及び実施例を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしても良いのはもちろんである。
本発明の複合電池、それを備えた自動車及び鉄道回生電力貯蔵装置は、ハイレートで充放電を繰り返しても、リチウムイオン二次電池に過大な入出力負荷が極力掛からないようにすることができ、各二次電池の入出力をシンプルに制御することができるという効果に加え、複合電池全体の放電特性を簡便かつ高精度に計算することができ、従来と同等以上に大容量化すること、安全性を向上すること、及び故障時のリスクを分散することができるという効果もあるので、産業上有用である。
10、90、100 複合電池
12、92、102 鉛蓄電池
12a、14a、92a、94a、102a、104a 出力端子面
12t、14t、92t、94t、102t、104t 出力端子
14、30、94、104 リチウムイオン二次電池
16、96、106 接続部材
20 単電池要素
22 負極要素
22a 負極箔
22b 負極活物質
22t 負極集電部
24 正極要素
24a 正極箔
24b 正極活物質
24t 正極集電部
26 セパレータ
32 ケース
32a 取付面
32b 凹部
34 放熱板
36 負極バスバー
36t 負極端子板
38 正極バスバー
38t 正極端子板
40、60、70、80 電池状態監視装置
42 電圧検出部
44 電流検出部
46 充電率検出部
46a クーロンカウンタ
46b 矢印
48、62、72、82 特性計算部
48a 通信部
48b 記憶部
50 負荷
52 外部機器
64、74、84 検出判定部
64a 電流センサ
74a 稼働率計
84a 導通センサ
108 断熱材
110 複合電池群
120 自動車
122 発電機
124 一般負荷
126 走行必要負荷及び被保護負荷
130 鉄道回生電力貯蔵装置
132 電気式鉄道車両
134 電力伝送部
136 双方向コンバータ部

Claims (7)

  1. 鉛蓄電池とリチウムイオン二次電池とを並列接続して構成され、
    前記鉛蓄電池は、温度変化に伴って変化する内部抵抗値を0〜40℃の温度範囲内で任意に設定された基準温度の時の内部抵抗値で除した第1内部抵抗比を有し、
    前記リチウムイオン二次電池は、温度変化に伴って変化する内部抵抗値を前記基準温度の時の内部抵抗値で除した第2内部抵抗比を有し、
    前記第2内部抵抗比は、前記基準温度よりも高い温度範囲では前記第1内部抵抗比よりも大きくなるように設定されることを特徴とする複合電池。
  2. 前記リチウムイオン二次電池は、低結晶性カーボンを用いた負極活物質を有する請求項1に記載の複合電池。
  3. さらに、前記複合電池の状態を監視する電池状態監視装置を有し、
    前記電池状態監視装置は、
    前記複合電池の電圧値を検出する電圧検出部と、
    前記複合電池に流れる電流値を検出する電流検出部と、
    前記リチウムイオン二次電池に出入りする電気量、及び前記リチウムイオン二次電池の電圧値の少なくとも一方を検出し、前記リチウムイオン二次電池の充電率を計算する充電率検出部と、
    前記電圧検出部、前記電流検出部及び前記充電率検出部が検出又は計算した値を用いて前記複合電池の放電特性を計算する特性計算部と、を有する請求項1又は2に記載の複合電池。
  4. 前記リチウムイオン二次電池は、前記鉛蓄電池の動作電圧範囲よりも大きい動作電圧範囲を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合電池。
  5. さらに、前記リチウムイオン二次電池を覆わずに前記鉛蓄電池の少なくとも一部を覆う断熱材を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合電池。
  6. 制動時に回生電力を発生させる発電機と、
    前記回生電力によって充電された後に放電する請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合電池と、
    前記複合電池から放電された電力及び前記回生電力が供給される負荷と、を備えた自動車。
  7. 変電所から伝送された電力でモータを回して走行すると共に、制動時に前記モータを用いて回生電力を発生させる電気式鉄道車両と、
    前記回生電力によって充電された後に放電する請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合電池と、
    前記変電所からの電力を前記電気式鉄道車両に伝送すると共に、前記回生電力を前記複合電池に伝送する電力伝送部と、
    前記電力伝送部と前記複合電池との間に接続され、前記回生電力を電力変換して前記複合電池に出力すると共に、前記複合電池から放電された電力を電力変換して前記電力伝送部に出力する双方向コンバータ部と、を備えた鉄道回生電力貯蔵装置。
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