JP6823539B2 - 胃内滞留性錠剤 - Google Patents

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Description

本発明は、胃内滞留性錠剤に関する。
経口投与された薬物の消化管内の吸収は主に下部消化管において行なわれる。例えば固形剤の場合、その崩壊速度が薬物の吸収の律速となる。そこで、薬物の吸収を調節する手段、例えば、持続的吸収製剤では主として製剤の硬度を種々変えることによって製剤の崩壊速度を調節し、消化管吸収を持続させる方法が用いられている。また、製剤から薬物が溶出する速度を調節する方法で吸収を調節する方法も用いられている。
最近、新しい薬物輸送系として胃内滞留製剤が開発され、いくつか提案されている。
例えば、薬物含有製剤部分が膨潤性製剤部分に埋設され、全体が被膜で被覆されている胃内浮遊型薬物徐放性固形剤(特許文献1参照)、均一に分散した水溶性薬物を含有する非崩壊性の生態適合性素材の内層、該内層の周囲を含む水を通さない内層の膨潤を制御しうる生体適合性素材の外層からなる柱状製剤(特許文献2参照)が知られている。
胃内膨潤製剤としてはさらに、胃液を吸収して体積を膨張させ、胃幽門通過を遅らせるもの(特許文献3)が公知である。この発明は、二層の構造を有する錠剤で、薬物層と膨潤層からなり、膨潤層が胃内で水分によって膨潤して体積が増加することで錠剤の幽門通過を遅らせる製剤である。
また、製剤を消化管粘膜に付着させて滞留時間を長くする提案がある。特許文献4には、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび/または脂質と薬効成分とを含むマトリックス粒子の少なくとも表層近傍に、粘性物質が分散しており、常温で固体の消化管粘膜付着性マトリックスからなる製剤が記載されている。この発明は、製剤の外層に水により粘性が発現し、消化管粘膜に対して付着性を示すとポリマーやポリエチレングリコールをコーティングし、内層に薬物とそれを含むマトリック構造を形成させ、付着後緩やかに薬剤が放出されるようにした製剤である。
さらにまた水に浮遊性を持つ製剤が提案されている。これは胃内に浮遊させて、胃内滞留時間を延長しようとするもので、これには2つの方法があり、中空性の製剤とする場合、胃内で反応して炭酸ガスを発生し、この炭酸ガスの浮力によって胃内滞留時間を延長する場合とがある。前者の先行技術としては、特許文献5に、中心部分に空洞部を有する中空構造を有し、糖アルコール、糖、セルロース誘導体およびスターチ類から選ばれる少なくとも1の賦形剤並びに疎水効果を示す成分を含む、水に浮遊可能である錠剤が開示されている。後者の先行技術としては、特許文献6に二酸化炭素を一時的に製剤中にとどめておく手段として、ヒドロキシプロピルセルロースやヒドロキシプロピルメチルセルロースなどで、炭酸カルシウムなどの炭酸ガス発生手段と薬物を含む組成物をコーティングする技術が記載されている。
このように胃内滞留製剤のために様々な技術が提案されているが、いずれも一長一短があり、必ずしも満足できるものがない。
特開平6−24959号公報 特開平7−187994号公報 特開2005−132803号公報 特開2007−246547号公報 国際公開第2011/004799号 特表2001−523241号公報
本発明は、胃内浮遊性錠剤であって、胃内にあって80分以上の胃内浮遊性を有する胃内滞留性錠剤を提供することを課題とする。
前記課題に鑑み、本発明者は鋭意検討を行なった結果、薬物を胃内に滞留させるために浮遊性を付与した錠剤にあっては、胃内の条件で錠剤の最外殻層に、錠剤内で発生する炭酸ガスを保持し、さらに胃液によって破壊されない構成が必要であることに着目し鋭意検討した結果、胃内浮遊性錠剤に必要な新たな構成を見出し、発明をなした。
すなわち本発明は、以下の構成からなる。
(1)発泡成分と薬剤を含む錠剤を、セルロース誘導体を含む組成物でコーティングした錠剤であって、前記発泡成分と薬剤を含む錠剤及び/又は前記セルロース誘導体を含む組成物がタンニンを含むことを特徴とする錠剤。
(2)発泡成分と薬剤を含む錠剤を、セルロース誘導体を含む組成物でコーティングした錠剤であって、前記セルロース誘導体を含む組成物がタンニンを含むことを特徴とする錠剤。
(3)発泡成分と薬剤を含む錠剤を、セルロース誘導体を含む組成物でコーティングした錠剤であって、前記発泡成分と薬剤を含む錠剤がタンニンを含むことを特徴とする錠剤。
(4)タンニンがカテキン類である(1)〜(3)のいずれかに記載の錠剤。
(5)タンニンが没食子酸及び/又はタンニン酸である(1)〜(3)のいずれかに記載の錠剤。
(6)カテキン類がガレート基を有するカテキン類(ガレート体)である(4)に記載の錠剤。
(7)カテキン類がカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートのいずれか1以上である(4)に記載の錠剤。
(8)タンニンが緑茶抽出物由来である(1)〜(7)のいずれかに記載の錠剤。
(9)発泡成分が炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素カルシウム及び炭酸水素カリウムから選択される少なくとも一種又はこれらの少なくとも2種以上の混合物である(1)〜(8)のいずれかに記載の錠剤。
(10)さらにクエン酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸及びマレイン酸から選択される少なくとも一種以上の有機酸を含む(1)〜(9)のいずれかに記載の錠剤。
(11)セルロース誘導体がヒドロキシプロピルメチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースである(1)〜(10)のいずれかに記載の錠剤。
本発明により、新たに浮遊性胃内滞留型の錠剤が提供される。本発明の錠剤は、酸耐久性を有する錠剤であり、胃内滞留時間が延長されるため、持続型製剤や胃内で吸収される薬剤の製剤として有用である。
日本薬局方崩壊試験1液に対して、本発明の錠剤が浮遊していることを示す画像である。液面に本発明の錠剤が浮遊していることが観察される。 崩壊試験80分経過後の錠剤を取り出して、皮膜を開いたときの画像である。
本発明は、発泡成分と薬剤を含む錠剤をセルロース誘導体とカテキン類からなる組成物でコーティングした錠剤に係る発明である。
本発明の錠剤について具体的に説明する。
本発明において、胃内滞留型錠剤とは、経口服用された錠剤が胃内に長時間滞留し、含有される薬剤を持続的に放出する錠剤をいう。そして本発明の錠剤は、胃内において水分又は胃内の酸と反応して二酸化炭素を発生させ、この二酸化炭素が錠剤内にとどまることによって浮力が生じて錠剤が胃液の上面に浮遊し、幽門から排出されない状態を維持できる。なお、本発明でいう胃内で浮遊する状態とは、日本薬局方に定める崩壊性試験において、第1液を用いた崩壊性試験において、錠剤が液面に浮遊して40分以上崩壊しない状態をいう。
崩壊性試験に用いる第1液は胃液のモデルとして設定された試験液であって、その構成は、塩化ナトリウム2.0gに塩酸7.0mlおよび水を加えて1000mlとした溶液である。この液は無色透明で、そのpHは約1.2である。
錠剤がこの溶液に崩壊せず、なおかつ溶液と反応し、二酸化炭素ガスを発生させる。さらに二酸化炭素が錠剤内にとどまり、浮力を発生させるためには、錠剤にコーティングを行ってコーティング層を形成する。コーティング層は水分又は塩酸を通過させ、さらに炭酸ガスを通過させない特性を有することが必要である。
コーティング層は、水溶性セルロース誘導体とカテキン類からなる組成物によって形成する。またグリセリンや糖アルコールなどの可塑剤を配合しても良い。水溶性セルロース誘導体としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
コーティング層には、このセルロース誘導体とカテキン類を含有させる。カテキン類は、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどのガレート基を持つものでなければならない。水の存在下では、セルロース誘導体とガレート基を持つカテキンが重合し、不溶体を生成する。不溶化したコーティング層は、風船のようにその内部に気体を閉じ込めて膨らむことができるので、錠剤内部より発生する二酸化炭素を保持し、錠剤に浮力を発生させることができる。錠剤1粒当たり、セルロース誘導体は2〜10mg、好ましくは3〜6mgが望ましい。またコーティング層に配合するカテキンは錠剤1粒当たり1〜4mgが望ましい。カテキンが4mgより多いと不溶化したコーティング層の柔軟性が不足し、ガスを閉じ込めたまま膨らむことができずに被膜に亀裂が入るので浮遊することが出来ない。また1mgより少ないと不溶体を生成する前に水溶性セルロース誘導体の被膜が溶けてしまい浮遊することが出来ない。
また、カテキン類はコーティング層中ではなく、錠剤内部に配合しても良い。その場合、10質量%以上のカテキンが必要となる。カテキンを錠剤内部のみに配合することで、コーティング液の調製溶媒にエタノールを使用しなくてもコーティングが可能となり、加工費用を抑えることができる。
水溶性セルロース誘導体とカテキンによるコーティング被膜は、水中で不溶化した後も親水性を保っており、水や水に溶解した薬剤はコーティング被膜を自由に出入りすることができる。胃内の水分や胃液は不溶化したコーティング被膜を通過して錠剤内部へ浸透し、錠剤中に含有されている発泡成分の炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素カルシウム及び炭酸水素カリウムと反応して二酸化炭素を発生させる。また、クエン酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸及びマレイン酸などの有機酸が溶解して強い酸性となって前記の発泡成分からの炭酸ガス発生を促進する。
本発明に用いる水溶性セルロース誘導体としてヒドロキシプロピルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましいことは上記のとおりである。
ヒドロキシプロピルセルロース(以下「HPC」)は、セルロースの水酸基を酸化プロピレンでエーテル化することで得られ、多数のヒドロキシプロピル基(−OCHCH(OH)CH)を持つ。1グルコースあたりの置換された水酸基の平均数は置換度(degree of substitution,DS)として表され、これは最大3である。しかしヒドロキシプロピル基にも水酸基が含まれるため、反応途中にここもエーテル化される。そのため、1グルコースあたりのヒドロキシプロピル基の数であるモル置換度(moles of substitution,MS)は3より大きくなる。HPCは食品添加物又は医薬品の賦形剤として市販されている。
食品添加物として市販されているHPCとしては、例えば日本曹達株式会社製のセルニーSSL(分子量40,000)、セルニーSL(分子量100,000)、セルニーL(分子量140,000)、セルニーM(分子量620,000)、セルニーH(分子量910,000)を例示することができる。本発明においてはセルニーSSLまたはSL、Lが好ましく、特に好ましくはセルニーSSLを使用することが好ましい。
本発明に用いるヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下「HPMC」)は、メチルセルロースにヒドロキシプロポキシル基を導入したセルロースエーテルであり、水溶性のセルロース誘導体である。HPMCは薬物の徐放性基材として知られている。本発明の目的に適したHPMCは、医薬品の賦形剤や食品添加物用としても市販されている。このようなHPMCとしては、信越化学工業株式会社製のHPMC メトローズ SE06、メトローズ SE50、メトローズ NE100、メトローズ SFE400、メトローズ NE4000、メトローズ SFE4000を例示することができる。
本発明に用いるカテキン類とは、緑茶ポリフェノールのうちフラバン−3−オール骨格を有するカテキン類で、(−)−エピガロカテキンガレート(EGCG)、(−)−エピカテキンガレート(ECG)、(−)−エピガロカテキン(EGC)、(−)−エピカテキン(EC)、(−)−ガロカテキンガレート(GCG)、(−)−カテキンガレート(CG)、(±)−ガロカテキン(GC)及び(±)−カテキン(C)等の分子種を含むがこれらに限定されない。本明細書においてガレート基を有するカテキン類とは、(−)−エピガロカテキンガレート(EGCG)、(−)−エピカテキンガレート(ECG)、(−)−カテキンガレート(CG)および(−)−ガロカテキンガレート(GCG)等の分子種を含むがこれらに限定されない。本明細書においてガレート基を有しないカテキン類とは、(−)−エピガロカテキン(EGC)、(−)−エピカテキン(EC)、(±)−ガロカテキン(GC)及び(±)−カテキン(C)等の分子種を含むがこれらに限定されない。またカテキン類は、精製されたものであっても良いし、緑茶から抽出された粗精製物である緑茶エキスであっても良い。緑茶エキスは、ツバキ科植物・チャの芽葉を原料として抽出されたエキスをいう。一般には緑茶を原料として、水で又はアルコールで抽出し、乾燥したものが市販されている。緑茶エキスは水抽出物が好ましい。本発明においては市販の緑茶エキスを使用することができる。
なお緑茶エキス又は緑茶抽出物としてはネキシラ(株)「グリーンティ抽出物EGCG40」、三井農林(株)「ポリフェノン」(ポリフェノン70A)、(株)伊藤園「テアフラン」(テアフラン90S)、太陽化学(株)「サンフェノン」(サンフェノン90S)などの市販品がある。
本発明に使用するに適したガレート基を有するカテキンの量はHPLC法で定量することができる。
またカテキン以外のガレート基を持つ化合物である没食子酸及び/又はタンニン酸であっても同様の効果を発揮する。
本発明に使用する発泡成分の炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素カルシウム及び炭酸水素カリウムは、食品や医薬品の原料として市販されているものであれば使用可能である。またホタテ貝殻末(ホタテ末)やボーンカルシウム(骨粉)のような炭酸カルシウムを主成分とする食品原料も使用可能である。発泡成分は、コーティング前の素錠当たり1〜10質量%、好ましくは3〜5質量%配合する。
クエン酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸及びマレイン酸などの有機酸を配合する場合は前記の発泡成分と混合し、造粒しておくと、炭酸ガスの発泡効率が上昇する。有機酸を配合する場合は、コーティング前の素錠当たり1〜5質量%、好ましくは3〜5質量%配合する。
本発明の錠剤を製造する場合、目的の薬剤または生理活性成分と発泡成分、有機酸を混合し、必要に応じて各種賦形剤を添加し、常法に則って造粒後打錠成型する。
賦形剤としては、例えば、ぶどう糖、果糖、麦芽糖、乳糖、異性化乳糖、還元乳糖、蔗糖、D−マンニトール、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、パラチノース(登録商標)、トレハロース、ソルビトール、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、コムギデンプン、コメデンプン、結晶セルロース、タルク、無水ケイ酸、無水リン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム等が挙げられ、これらの1種または2種以上適宜配合して用いてもよい。好ましくは、乳糖、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、ケイ酸カルシウムおよび無水リン酸カルシウムである。特に好ましくは乳糖、結晶セルロースおよびケイ酸カルシウムである。
結合剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、部分α化デンプン、α化デンプン、アルギン酸ナトリウム、プルラン、アラビアゴム末、ゼラチン、デキストリン等が挙げられ、これらの1種または2種以上適宜配合して用いてもよい。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、蔗糖脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコール等が挙げられ、これらの1種または2種以上適宜配合して用いてもよい。好ましくは、ステアリン酸マグネシウム、蔗糖脂肪酸エステル、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウムおよびポリエチレングリコールである。特に好ましくはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムおよび蔗糖脂肪酸エステルである。
崩壊剤としては、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルスターチ、トウモロコシデンプン等が挙げられ、これらの1種または2種以上適宜配合して用いてもよい。
錠剤を打錠成形後、カテキン類と水溶性セルロースの混合物を溶解したコーティング液をコーティングする。可塑剤としてグリセリンや糖アルコールなどを使用してよい。コーティング液の調製溶媒には、エタノール又は水エタノール混合物を使用するのが望ましい。溶媒のエタノール濃度は、セルロース誘導体が溶解でき、かつカテキン類とセルロース誘導体の不溶体が生成されないように調節する必要がある。例えば、ヒドロキシプロピルセルロースを用いる場合はエタノール95〜100質量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いる場合はエタノール70質量%溶液を使用できる。コーティングは、パンコーティング法、通気式コーティング装置による方法、流動コーティング法のいずれでも使用可能である。
以下に実施例及び試験例を示し、本発明をさらに説明する。
1.試験用錠剤の製造
(1)素錠の製造
胃内で吸収されることが明らかになっているフェルラ酸を含有する錠剤を下記の表1の組成で製造した。
フェルラ酸、カテキン(ネキシラ株式会社製)、ホタテ末、微粒二酸化ケイ素は、流動層造粒機(株式会社パウレック製 MP−01)を用いて、クラスターデキストリン15%濃度液をバインダーとして造粒した。これに賦形剤を添加し混合した後、ロータリー式打錠装置(株式会社菊水製作所製 VEL−2)を用いて打圧1000kgfで打錠し、直径8mm 250mgの素錠を製造した。
(2)コーティング
下記の表2の組成のコーティング液を調製した。
コーティング溶液は、70質量%エタノール溶液を溶媒とし、表2の組成で固形分濃度8質量%に調整した。錠剤コーティング機(株式会社パウレック製 DRC−200)を用いて1錠当り6〜8mgをコーティングした。
2.崩壊性試験(浮遊性試験)
上記1で調製した錠剤を用いて第16改正日本薬局方に収載の崩壊試験1液(胃液相当)に対する崩壊性及び浮遊性を崩壊試験機により試験した。
試験液を37±0.5℃に保ち、錠剤6粒を容器に投入し、崩壊試験機を作動させ、錠剤が浮遊する様子を観察した(表3)。実施例1、2はコーティング被膜が不溶化し、5〜9分で錠剤が膨らみ試験液表面に浮遊した。一方、比較例の錠剤のコーティング被膜は不溶化せずに剥れ、錠剤は浮遊せずに約40分後に完全崩壊して消失した。80分経過後に浮遊している実施例1、2の錠剤を取り出し、コーティング層を開けて内部の状態を確認したところ、錠剤は全て溶けており、試験液中に溶出していた。
崩壊試験1液による試験結果から、本発明の錠剤は胃内で80分以上浮遊しながら被膜内部の成分を放出することが確認された。






Claims (5)

  1. 発泡成分と薬剤を含む錠剤を、セルロース誘導体を含む組成物でコーティングした錠剤であって、前記発泡成分と薬剤を含む錠剤及び/又は前記セルロース誘導体を含むコーティング組成物が没食子酸、タンニン酸、ガレート基を有するカテキン類のいずれかを含むことを特徴とする錠剤。
  2. ガレート基を有するカテキン類がカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートのいずれか1以上である請求項1に記載の錠剤。
  3. 発泡成分が炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素カルシウム及び炭酸水素カリウムから選択される少なくとも一種又はこれらの少なくとも2種以上の混合物である請求項1又は2に記載の錠剤。
  4. さらにクエン酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸及びマレイン酸から選択される少なくとも一種以上の有機酸を含む請求項1〜のいずれかに記載の錠剤。
  5. セルロース誘導体がヒドロキシプロピルメチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースである請求項1〜のいずれかに記載の錠剤。
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