JP6821280B2 - セルロースナノファイバーフィルムの製造方法 - Google Patents

セルロースナノファイバーフィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、セルロースナノファイバーフィルムの製造方法に関する。
セルロースナノファイバー(以下、CNFと表記する)は植物、被嚢類、藻類、細菌等から作ることができるため、資源が豊富である。CNFは化学的な処理方法と物理的な処理方法がある。化学的な処理方法はTEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル)触媒酸化法、カチオン化法、酸加水分解法、酵素処理法等があり、物理的な処理方法は高圧ホモジナイザー法、グラインダー法、二軸混錬法等がある。
CNFは、その径が数nm〜数十nmで、長さが数百nm〜数μmである。CNFは軽量(密度が鋼鉄の5分の1)、高強度(鋼鉄の5倍以上)、低線熱膨張(石英ガラス並)等の優れた性質がある。
CNFは優れた性能を持っており、またCNFでできたフィルムは透明であることから透明シート、ガスバリアフィルム等への用途が考えられる。
CNFフィルムの製造方法は溶媒キャスト法、溶融押出法、吸引濾過法がある。溶媒キャスト法と溶融押出法は特許文献1で開示されており、吸引濾過法は特許文献2で開示されている。
特開2014−24928号公報 特開2015−40358号公報
特許文献1で開示された溶融押出法はCNF及び必要に応じて添加剤を含むフィルム前駆体を高温で溶融し、得られた溶融物を押出することで流延用支持体に流延して成膜する方法である。
一方、溶媒キャスト法はCNF及び必要に応じて添加物を溶媒に溶解させてドープを調整し、得られたドープを金属支持体上に流延、乾燥する方法である。
特許文献2で開示された吸引濾過法は、CNFを水性媒体中に分散させて水性分散液を調整し、水性分散液を貯留して吸引濾過を行い、脱水乾燥する方法である。
しかしながら、溶融押出法、溶媒キャスト法、吸引濾過法では、溶融物を流延したり、吸引濾過したりする必要があるため、CNFフィルムの厚み調整が難しく、乾燥時間が長いという問題点があった。
本実施形態では、上記のような問題点を解決し、ミスト塗布成膜方法によるCNFフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態によれば、セルロースナノファイバーと前記セルロースナノファイバーを希釈する溶媒とを含むセルロースナノファイバー分散溶液をミスト化して原料溶液ミストを得るミスト化工程と、前記原料溶液ミストを供給し、基板の表面上に前記原料溶液ミストを塗布して原料溶液液膜を形成する塗布工程と、前記原料溶液液膜を焼成し、乾燥して前記基板の表面上にセルロースナノファイバーフィルムを形成する成膜工程と、形成された前記セルロースナノファイバーフィルムを前記基板から剥離する剥離工程と、を有するセルロースナノファイバーフィルムの製造方法が提供される。このセルロースナノファイバーフィルムの製造方法では、前記塗布工程は、前記基板の表面に対向して設けられたミスト噴出口を有するミスト塗布ヘッドを介して前記原料溶液ミストを塗布する工程を含む。前記ミスト噴出口は、前記基板の表面に平行な方向から所定の角度をなして設けられる。
実施形態のセルロースナノファイバーフィルムの製造方法によれば、原料溶液ミストを塗布して基板の表面上に原料溶液液膜を形成した後、焼成・乾燥機構により原料溶液液膜を焼成・乾燥して基板の表面上に所定の原料を含むフィルムを形成している。この際、原料溶液としてCNF分散溶液を用いている。
その結果、実施形態のセルロースナノファイバーフィルムの製造方法では、セルロースナノファイバー分散溶液に含まれる所定の原料を構成材料としたフィルムの厚みを任意に調整でき、乾燥時間を短縮でき、均一性良基板の表面上にセルロースナノファイバーフィルムを形成することができる。
実施形態に係るミスト塗布成膜装置を例示する模式的な説明図である。 図1のミスト塗布ヘッドの底面構造を示す平面図である。 図1のミスト塗布成膜装置によるCNFフィルムの製造方法を例示するフローチャートである。 本実施の形態のミスト塗布成膜方法の実行時における基板の表面上の状態を模式的に示す説明図である。 基板に対するヘッド底面の位置関係を模式的に示す説明図である。
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態、ミスト塗布成膜装置)
図1は、本実施形態に係るミスト塗布成膜装置100の構成を模式的に示す説明図である。同図に示すように、本実施の形態のミスト塗布成膜装置100は、原料溶液ミスト化機構50、ミスト塗布機構70、焼成・乾燥機構90を主要構成要素として有している。
原料溶液ミスト化機構50は、原料溶液ミスト発生処理を実行する。原料溶液ミスト化処理は、ミスト化(霧化)して原料溶液ミスト6を発生する。超音波を発生する超音波振動子1を利用することによって、ミスト化容器4に投入した原料溶液5を、中心粒径が約4μmで粒径分布が(σが±20%以下の)狭い液滴にミスト化することができる。原料溶液ミスト6はキャリアガス供給部16から供給されるキャリアガスによってミスト供給ライン22を介してミスト塗布機構70に搬送される。
ミスト塗布機構70は、原料溶液ミスト塗布処理(mist coating processing)を実行する。原料溶液ミスト塗布処理は、ミスト供給ライン22を介して供給された原料溶液ミスト6を、基板9(成膜対象の基板)の表面上に塗布して(coat)、原料溶液液膜を形成する。原料溶液ミスト塗布処理では、ミスト塗布ヘッド8から移動ステージ10(載置部)上に載置された基板9(成膜対象の基板)の表面上に原料溶液ミスト6が供給される。
焼成・乾燥機構90は、焼成・乾燥処理を実行する。焼成・乾燥処理は、原料溶液液膜に含まれるCNF原料を構成材料としたフィルムを基板9の表面上に形成する処理である。焼成・乾燥処理では、ホットプレート13上において、表面上に原料溶液液膜が形成された基板9を焼成・乾燥し、原料溶液液膜の溶媒を蒸発させる。
(原料溶液ミスト化機構50)
原料溶液ミスト化機構50において、超音波振動子1は、例えば1.5〜2.5MHz範囲内で設定された周波数で発振する。超音波振動子1上に設けられた水槽2には、超音波伝播の媒体として水3が導入されている。超音波振動子1を設定された発振周波数で駆動することによって、ミスト化容器4に投入された原料溶液5がミスト化(霧化)される。ミスト化された原料溶液5は、中心粒径が4μm程度で、(σが±20%の)狭い粒径分布を有するマイクロメーターサイズの液滴を含む原料溶液ミスト6とされる。
なお、原料溶液5として、低粘度の原料溶液が想定される。低粘度の原料溶液は、アセトン、メチルエチルケトン、塩化メチレン、メタノール、トルエン、水、ヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、または塩化エチル等の溶媒で希釈される。
原料溶液5がCNF分散溶液の場合を考える。この場合、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、または水等の溶媒により希釈されて原料溶液5が得られる。
なお、CNF分散溶液とは、繊維径が3nm以上で70nm以下の繊維状物質が、水やアルコール等の溶媒に溶けることなく、CNFが浮いて存在している溶液である。
キャリアガス供給部16から供給されたキャリアガスは、キャリアガス導入ライン21からミスト化容器4内に供給される。これにより、ミスト化容器4の内部空間でミスト化された液滴状の原料溶液ミスト6は、ミスト供給ライン22を介してミスト塗布機構70のミスト塗布ヘッド8に向けて運ばれる。
キャリアガスには、主に窒素ガスあるいは空気が用いられ、原料溶液ミスト6を搬送する。キャリアガス流量は、ミスト制御部35によって、2〜10(L/min)に制御される。バルブ21bは、キャリアガス流量を調整するためのバルブである。バルブ21bは、キャリアガス導入ライン21に設けられている。
ミスト制御部35は、バルブ21bの開閉度合を制御してキャリアガス供給部16から供給されるキャリアガス流量を制御する。ミスト制御部35は、キャリアガス流量の制御とともに、超音波振動子1の超音波発振回路の開閉や、異なった超音波周波数を有する超音波振動子のための超音波発振回路の開閉等を制御する。
(ミスト塗布機構70)
ミスト塗布機構70は、ミスト塗布ヘッド8及びフィルム形成用の基板9を上部に載置している。ミスト塗布機構70は、移動制御部37の制御下で移動可能な移動ステージ10(載置部)を主要構成要素として有している。
図2は、ミスト塗布ヘッド8の底面構造を示す平面図である。図2にXY座標軸を示している。同図に示すように、ミスト塗布ヘッド8のヘッド底面8bには、Y方向(所定方向)を長手方向としたスリット状のミスト噴出口18が形成されている。
基板9は、その表面がミスト塗布ヘッド8のヘッド底面8bに対向するように置かれる。つまり、基板9は、ヘッド底面8bの下側に置かれる。図2において、基板9の仮想の平面位置が破線によって示されている。基板9は、図中、長辺のX方向の辺と、短辺のY方向の辺と、を有する。
図2に示すように、ミスト噴出口18は、ヘッド底面8bに設けられる。ミスト噴出口18は、基板9の短辺の方向(Y方向)を長手方向としたスリット状に設けられている。ミスト噴出口18の形成長(Y方向の長さ)は、基板9の短辺幅と同程度に設定される。
例えば、移動ステージ10によって基板9をX方向(ミスト噴出口18の短手方向)に沿って移動させながら、ミスト塗布ヘッド8内で整流された原料溶液ミスト6をミスト噴出口18から供給する。これにより、基板9の表面上のほぼ全面に原料溶液ミスト6を塗布して、基板9の表面上に原料溶液の液膜を形成することができる。ミスト噴出口18は、スリット状に形成されている。そのため、ミスト塗布ヘッド8における長手方向(Y方向,所定方向)の形成長を調整することによって、フィルム形成用基板である基板9の短辺幅に制限されることがなく、短辺幅が広い基板9にも適応することができる。具体的には、想定される基板9の最大短辺幅に合致した長手方向の幅をミスト塗布ヘッド8に持たせることによって、ミスト噴出口18の形成長を基板9の最大短辺幅にほぼ合致させることができる。
移動ステージ10は、その上部に基板9を載置している。移動ステージ10は、ミスト塗布ヘッド8のヘッド底面8bから2〜5mm離れた状態で、移動制御部37による制御の下で、X方向に沿って移動することができる。これにより、基板9の表面のほぼ全面上に原料溶液ミスト6を塗布することができ、原料溶液液膜を基板9の表面上に形成することができる。
この際、移動制御部37によって移動ステージ10の移動速度を変更することにより、原料溶液液膜の厚さを調整することができる。
すなわち、移動制御部37は、ミスト塗布ヘッド8のミスト噴出口18の短手方向に合致する移動方向(図2のX方向)に沿って移動ステージ10を移動させ、移動方向に沿った移動ステージ10の移動速度を可変制御する。
また、ミスト塗布ヘッド8及び移動ステージ10は、ミスト塗布チャンバー11内に設けられている。ミスト塗布チャンバー11内で揮発した原料溶液ミスト6の溶媒蒸気とキャリアガスとの混合ガスは、排ガス出力ライン23を介して、図示しない排気処理装置によって処理された後に大気に放出される。なお、バルブ23bは排ガス出力ライン23に設けられるバルブである。
原料溶液液膜が形成された基板9は、バッチ処理によって、まとめて次の工程に移動させるようにしても良いし、移動ステージ10ごと次の工程に移動させて連続製造工程とすることもできる。
(焼成・乾燥機構90)
焼成・乾燥機構90は、焼成・乾燥チャンバー14内に設けられるホットプレート13を主要構成として有している。ミスト塗布機構70を用いた原料溶液ミスト6の塗布によって、表面上に原料溶液液膜が形成された基板9が焼成・乾燥チャンバー14内においてホットプレート13上に載置される。
ホットプレート13を用いて原料溶液液膜が表面上に形成された基板9に対し焼成・乾燥処理を行う。焼成・乾燥処理によって、塗布された原料溶液ミスト6で形成された原料溶液液膜の溶媒を蒸発させて、基板9の表面上に原料溶液5に含まれる原料(所定の原料)そのものを構成材料としたCNFフィルムを形成することができる。なお、焼成・乾燥処理により生成した原料溶液5の溶媒蒸気は排ガス出力ライン24から、図示しない排気処理装置にて処理された後に大気に放出される。排ガス出力ライン24は、バルブ24bによって開閉される。
なお、図1で示す例では、焼成・乾燥処理をホットプレート13を用いて実行したが、ホットプレート13を用いることなく、焼成・乾燥チャンバー14内に熱風を供給する態様で焼成・乾燥機構90を構成しても良い。
(第2の実施形態、CNFフィルムの製造方法)
図3は、図1で示したミスト塗布成膜方法のCNFフィルム形成手順を示すフローチャートである。図4は、ミスト塗布成膜方法の実行時における基板9の表面上の状態を模式的に示す説明図である。以下、図3及び図4を参照して、ミスト塗布成膜方法の処理手順を説明する。
ステップS1において、原料溶液ミスト化機構50により、超音波振動子1を利用してミスト化容器4内の原料溶液5をミスト化して液滴状の原料溶液ミスト6を発生する原料溶液ミスト発生処理を実行する。以下では、原料溶液5としてCNF分散溶液を用いた場合を説明する。
具体的には、原料溶液5である0.4wt%(重量パーセント)のCNF分散溶液を1.6MHzで振動する2つの超音波振動子1(図1では1つの超音波振動子1のみ図示)を駆動して原料溶液5をミスト化する。キャリアガス流量が2L/minの窒素キャリアガスをキャリアガス供給部16から供給する。これらによって、ミスト化容器4内で発生された原料溶液ミスト6がミスト供給ライン22を介してミスト塗布機構70内のミスト塗布ヘッド8に搬送することができる。
このように、霧化制御部であるミスト制御部35は、複数の超音波振動子1のうちに動作する振動子数を設定して超音波発振回路の開閉を調整し、キャリアガス供給部16から供給されるキャリアガスのキャリアガス流量を制御する。これによって、原料溶液ミスト6をミスト塗布機構70内のミスト塗布ヘッド8に精度良く供給することができる。
次に、ステップS2において、ミスト塗布機構70により、ミスト塗布ヘッド8のミスト噴出口18から原料溶液ミスト6を供給する。塗布対象基板である基板9は、移動ステージ10上に載置されている。ミスト塗布機構70では、載置された基板9の表面上に原料溶液ミスト6を塗布する。図4(a)に示すように、基板9の表面上に原料溶液液膜61(原料溶液液膜)を形成する原料溶液ミスト塗布処理を実行する。
具体的には、ミスト塗布ヘッド8内で整流された原料溶液ミスト6はスリット状に形成されたミスト噴出口18を通して基板9の表面に供給されることにより原料溶液ミスト塗布処理が実行される。
移動ステージ10上に載置(セット)された基板9は、ヘッド底面8bの下方2mm〜5mmの間隔を隔てた位置に存在する。移動制御部37による制御下で移動ステージ10を図2のX方向に移動(スキャン)させることによって、基板9の表面上のほぼ全面に原料溶液ミスト6の塗布による原料溶液液膜61が形成される。なお、移動制御部37によって移動ステージ10の移動速度は1〜50(mm/sec)の範囲で可変制御できる。
原料溶液ミスト6を塗布して原料溶液液膜61を基板9の表面上に形成するためには、原料溶液ミスト6が基板9の表面上で良く濡れる(濡れ性を高める)必要がある。原料溶液ミスト6が基板9の表面上で良く濡れるためには、原料溶液ミスト6の表面張力を小さくして、基板9の表面張力を大きくする必要がある。原料溶液5がCNF分散溶液であるため、溶媒水をメチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、アセトン、ベンゼンまたはメタノール等の溶媒で希釈することによって、原料溶液ミスト6の表面張力を小さくすることができる。それとともに、基板9表面上を親水化処理することにより基板9の表面張力を大きくすることができる。その結果、塗布される原料溶液ミスト6の基板9の表面上での濡れ性が高まる結果、基板9の表面上に液体状の原料溶液液膜61を形成することができる。
このように、原料溶液5においてCNFを分解できて表面張力が小さい溶媒の使用と基板9の表面親水化処理することによって、塗布される原料溶液ミスト6が基板9の表面で良く濡れて原料溶液液膜61を形成している。また、ミスト塗布ヘッド8を固定しつつ、基板9を載置した移動ステージ10のみを移動して基板9の表面上に原料溶液ミスト6を塗布することにより、比較的容易に基板9の表面上に原料溶液液膜61を形成することができる。
図5は、基板9に対するヘッド底面8bの位置関係を模式的に示す説明図である。同図において、XZ座標軸を併記している。同図に示すように、基板9の表面形成方向(図5のX方向)に対し傾きθを持たせることにより、ミスト噴出口18から基板9の垂線L9から角度θ分、斜め方向に原料溶液ミスト6を噴出することができる。
このように、ミスト塗布ヘッド8のヘッド底面8bを基板9の表面形成方向に対し傾きθを持たせることにより、キャリアガス供給部16からのキャリアガス流量による原料溶液ミスト6が基板9の表面に当たる際に生じる液膜の乱れを効果的に抑制して、原料溶液ミスト6がより均一に基板9の表面上に塗布できるようにして、原料溶液液膜61の均一性を高めている。
次に、ステップS3において、焼成・乾燥機構90により、基板9の表面上に形成された原料溶液液膜61を焼成・乾燥する。図4(b)に示すように、基板9の表面上にCNF分散溶液に含まれるCNF原料(所定の原料)そのものを構成材料とした、原料溶液液膜61より厚みが薄く透明なCNFフィルム62を形成する焼成・乾燥処理を実行する。
ステップS4において、図1等には、図示しない剥離機構により、基板9の表面上に形成されたCNFフィルム62を基板9から剥離する。基板9としてセラミック基板を用いることによって、形成されたCNFフィルム62は、容易に剥離することができる。剥離されたCNFフィルム62は、例えば巻き取り機等によってロールに巻き取られる。
以上のステップS1〜S4によるミスト塗布成膜方法により、基板9の表面上に短い乾燥時間で、厚みを調整できるCNFフィルム62を形成することができる。
このように、図3で示したステップS1〜S4を備えたミスト塗布成膜方法を実行する、本実施の形態のミスト塗布成膜方法はミスト塗布機構70により、原料溶液5としてCNF分散溶液を用い、原料溶液ミスト6を塗布して基板9の表面上に原料溶液液膜61を形成している。そして、焼成・乾燥機構90により原料溶液液膜61を焼成・乾燥して基板9の表面上に原料溶液5の原料(所定の原料)を構成材料とした機能性を有するCNFフィルムを形成している。
その結果、本実施の形態のミスト塗布成膜方法は、CNF分散溶液内に含まれる原料溶液5の原料を構成要素としたCNFフィルムを均一性良基板9の表面上に形成することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

Claims (7)

  1. セルロースナノファイバーと前記セルロースナノファイバーを希釈する溶媒とを含むセルロースナノファイバー分散溶液をミスト化して原料溶液ミストを得るミスト化工程と、
    前記原料溶液ミストを供給し、基板の表面上に前記原料溶液ミストを塗布して原料溶液液膜を形成する塗布工程と、
    前記原料溶液液膜を焼成し、乾燥して前記基板の表面上にセルロースナノファイバーフィルムを形成する成膜工程と、
    形成された前記セルロースナノファイバーフィルムを前記基板から剥離する剥離工程と、
    を有し、
    前記塗布工程は、前記基板の表面に対向して設けられたミスト噴出口を有するミスト塗布ヘッドを介して前記原料溶液ミストを塗布する工程を含み、
    前記ミスト噴出口は、前記基板の表面に平行な方向から所定の角度をなして設けられたセルロースナノファイバーフィルムの製造方法。
  2. 前記溶媒は、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、アセトン、ベンゼン及びメタノールのうちのいずれか1つを含む請求項1記載のセルロースナノファイバーフィルムの製造方法。
  3. 前記基板の表面は、親水化処理された請求項2記載のセルロースナノファイバーフィルムの製造方法。
  4. 前記セルロースナノファイバーは、繊維径が最小3nm、最大70nmの範囲である請求項1記載のセルロースナノファイバーフィルムの製造方法。
  5. 前記原料溶液ミストは、平均粒径が4μmの液滴を含む請求項1記載のセルロースナノファイバーフィルムの製造方法。
  6. 前記塗布工程は、前記基板を移動させながら、前記基板の表面に対向して設けられたミスト噴出口を有するミスト塗布ヘッドを介して前記原料溶液ミストを塗布する工程を含み、
    前記塗布工程の後に、前記原料溶液ミストを塗布された前記基板を前記成膜工程に移動させる工程をさらに有する請求項1記載のセルロースナノファイバーフィルムの製造方法。
  7. 前記剥離工程の後に、剥離された前記セルロースナノファイバーフィルムを巻き取る巻き取り工程をさらに有する請求項記載のセルロースナノファイバーフィルムの製造方法。
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