JP6820859B2 - ジヨードペルフルオロ−c3〜c7−アルカンの段階的合成 - Google Patents

ジヨードペルフルオロ−c3〜c7−アルカンの段階的合成 Download PDF

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Description

本発明は、中圧条件下におけるジヨードペルフルオロ−C3〜C7−アルカン(I(CF2nI)(式中、nは3〜7である)の合成に関する。
米国特許第6,002,055号の実施例1〜11には、触媒の存在下で及び触媒の存在なしに、185℃の反応器内にて自己圧力下でヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)をヨウ素と反応させてジヨードメタン及びその同族体を得ることが開示されている。HFPO/ヨウ素反応は、反応式(II)(カラム3、25行目)に開示されており、反応において消費されるHFPO 1モルにつき1モルのCF3COF(ペルフルオロアセチルフッ化物)(PAF)副生成物を形成する。実施例1には、HFPO反応物質266gからPAF 184gが形成されることが開示されている。HFPO/ヨウ素反応の結果、反応器内においてPAFが形成されることによって提起される問題は、特にPAF形成がそのピークに近づきつつある反応の終わり頃に、PAFによって反応器内の自己圧力が非常に高くなるので、耐高圧性反応器及びシールを含む補助設備の使用及び費用が必要になることである。
国際公開第2014/062450号には、I(CF2nI(式中、nは3〜11である)の合成中のI(CF2nI(式中、nは1又は2である)の生成を最小化する触媒としてNi及びMoの特定の組合せの存在下で実施されるHFPO/ヨウ素反応が開示されている。この発明の実施例では、170℃〜185℃の温度で反応が実施されている(実施例1〜3及び表4中のバッチ温度)。その形成が不可避であるにもかかわらず、反応におけるPAFの形成については言及されていない。しかし、比較例Aには、反応オートクレーブを室温に冷却し、続いて、ガスを排気することが開示されている。この排気には、反応において形成されるPAFの全量が含まれているであろう。
米国特許第6,002,055号 国際公開第2014/062450号
本発明によって、HFPO/ヨウ素反応を、実質的に従来よりも低い中圧で実施することが可能になる。これによって、より低圧で動作する反応器(付帯設備を含む)において反応を実施して、製造装備を節約することができるようになる。
本発明の方法は、夾雑物ICF2I及びI(CF22Iのうちの少なくとも1つを含有するI(CF2nI(式中、nは3〜7である)の同族体混合物を含む反応生成物を形成するが、当該方法は、
(a)反応器内にて150℃〜210℃の温度でヨウ素をヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)と反応させる工程であって、前記HFPOの量が前記ヨウ素と反応するHFPOの全量の一部であり、それによって、反応副生成物として気体状のペルフルオロアセチルフッ化物(PAF)を含有する反応生成物を形成する工程と、
(b)前記反応生成物を冷却して、前記気体状のペルフルオロアセチルフッ化物を除いて液体にする工程と、
(c)前記ペルフルオロアセチルフッ化物を前記反応器から排気する工程と、
(d)前記HFPOの前記全量が前記ヨウ素と反応するまで、工程(a)、(b)、及び(c)を繰り返す工程と、を含み、
その結果として、前記同族体混合物を含む前記反応生成物を得る。
反応が完了するまでPAFの排気(除去)を延期する代わりに、本発明の方法では、HFPO/ヨウ素反応の実施中に周期的にPAFを排気する。各工程(a)の開始時に存在するHFPOの一部が、用いられるHFPOの全量の1/3である、工程(a)〜(c)のシーケンスを3回実施する場合、PAFの形成の原因となる反応器内の自己圧力の上昇は、米国特許第6,002,055号及び国際公開第2014/062450号に例示されているとおり、一段階で実施される反応が完了するまでPAFの排気を延期するときの圧力上昇のわずか1/3に抑えられる。本発明に係る工程(a)の繰り返しとは、上記反応生成物の合成が段階的であることを意味する。本発明の方法は、工程(a)〜(d)の全てを考慮して、排気−充填プロセス、すなわち、PAFを排気し、追加のHFPOを反応器に充填するプロセスと称することもできる。
好ましくは、前記工程(a)のそれぞれにおいて反応するHFPOの一部は、ヨウ素と反応するHFPOの前記全量の10〜50%である。
好ましくは、ヨウ素と反応するHFPOの全量のモル比率は、少なくとも3.0である。
好ましくは、反応生成物の収率は、少なくとも70%である。
好ましくは、本発明の方法を実施することによって得られる反応生成物中のI(CF2nI(式中、nは1〜7又は3〜7のいずれかである)の同族体混合物は、反応生成物の少なくとも90%(GC面積)を含む。
好ましくは、夾雑物ICF2I及びI(CF22Iは、それぞれ1%以下(GC面積)及び0.1%以下の量で反応生成物中に存在する。
本発明の方法は、好ましくは、個々に及びまとめて、これら結果を得るのに有効な条件下で実施される。好ましい条件は、これら結果を得るのに有効な触媒の存在下で各工程(a)を実施することである。あるいは又は各工程(a)における反応物中に存在する触媒と組み合わせて、前記工程(a)、(b)、及び(c)の前記繰り返しのうちの最後の工程(a)の少なくとも後に、反応生成物を少なくとも220℃に加熱する。
これら好ましい例は、本発明の方法において個々に又は任意の組合せで実施することができる。
本明細書に開示する収率%量は、実施例に記載のとおり重量の比較である。
nが1若しくは2であろうと又は同族体混合物(n=3〜7、又はまとめてn=3〜7)の任意のメンバーであろうと、又は同様のものであろうと、本明細書に開示する化合物であるI(CF2nIの%量は、分析される反応生成物のガスクロマトグラフ分析(GC)によって得られる全ての他の曲線下ピーク面積と比較した、特定の化合物に対応するピーク面積を指す。したがって、この%量をGC面積%又は単に面積%と称することもある。GC面積%は、モル%の近似値である。
本発明の方法は、好ましくは、工程(a)で生じる化学反応の自己圧力下の反応器内で実施される。いずれも化学反応の温度において気体状であるヨウ素とHFPOとの化学反応では、PAF気体状副生成物が、反応器内の自己圧力上昇に実質的に寄与している。この寄与は、以下の表1で報告され、HFPO/ヨウ素反応を一段階で実施し、続いて、反応器からPAFを単回排気するとき、圧力上昇は100%になる。
工程(a)で反応器を加熱する温度は、好ましくは、170℃〜200℃であり、この下限温度は、不必要な副反応を最小化する。
化学反応におけるHFPOのヨウ素に対するモル比は、好ましくは、少なくとも3.0、より好ましくは、少なくとも3.3、更により好ましくは、少なくとも3.4、更により好ましくは、少なくとも3.5である。好ましくは、HFPOのヨウ素に対するモル比は、3.8以下である。これらモル比は、方法の工程(a)の全てについて、反応器に充填されるHFPOの全量に適用される。
反応するHFPOの全量のうちの一部のみが、最初の工程(a)の実施において存在し、反応するHFPOの全量のうちの残部に達するようにHFPOの追加部分が工程(a)の各繰り返しにおいて添加される。したがって、後続の反応工程(a)は、ヨウ素との反応で消費されるHFPOの追加部分の添加(充填)を含む。工程(a)における反応は、好ましくは、HFPO反応物質を100%変換するまで実施され、それによって、工程(c)でPAFと共にさもなければ排気される未反応HFPOを回収する必要がなくなる。
より好ましくは、本発明の方法の各工程(a)においてヨウ素と反応させるために反応器に添加され、反応器内に存在するHFPOの一部は、ヨウ素と反応するHFPOの全量の20〜50%、更により好ましくは33〜50%である。好ましくは、各工程(a)において反応するHFPOの一部は、同じ量である。
好ましくは、最初の工程(a)において存在するように、反応するヨウ素の全量を反応器に添加する。
各冷却工程(b)は、便利には、反応器の内容物を0℃に冷却することによって実施される。この温度では、反応生成物中のPAFは依然として気体状であるが、一方、I(CF2nI同族体混合物(式中、nは1〜7である)は液体状態であるので、反応器から排気することによって液体反応生成物からPAFを分離することができる。HFPO(沸点ー27.4℃)はPAFと共に排気されないが、それは、HFPOが好ましくは反応器内のヨウ素と反応したためである。
好ましくは、反応生成物の収率は、少なくとも75%、より好ましくは、少なくとも80%、更により好ましくは、少なくとも85%、最も好ましくは、少なくとも90%である。
好ましくは、本発明の方法を実施することによって得られる反応生成物中のI(CF2nI(式中、nは1〜7又は3〜7のいずれかである)の同族体混合物は、GC分析が行われる反応生成物の少なくとも92%(GC面積)含まれる。好ましくは、化合物I(CF23Iは、この反応生成物の少なくとも70%(GC面積)、より好ましくは、少なくとも80%、更により好ましくは、反応生成物と上述の化合物の同族体混合物の両方の少なくとも90%含まれる。
好ましくは、夾雑物ICF2I及びI(CF22Iは、反応生成物中に、それぞれ、1%以下及び0.1%以下の量で存在する。用語「それぞれ、1%以下及び0.1以下の量」とは、反応生成物中に夾雑物の片方又は両方を測定可能な量含まないことを意図する。
本発明の方法は、個々に及びまとめて、上述の結果を得るために実施される。
これら結果を得ることを目的とする1つの(第1の)実施形態では、各工程(a)は、米国特許第6,002,055号及び国際公開第2014/062450号に開示されているような触媒の存在下で実施される。触媒は、これらの結果をもたらすのに有効であるように、他の反応条件と共に選択される。’450号には、2つの金属Ni及びMoの組合せ、又は合金の全重量に基づいて50〜70重量%のNi及び20〜40重量%のMoのNi/Mo合金である触媒が開示されている。’450号の実施例2には、Hastelloy B2で内張りされた反応器の使用、最小量のICF2I及びI(CF22Iを得るためにHFPO/ヨウ素反応を一段階で実施する反応器に添加される、小さな穴を含有するNiリボンであるニッケル触媒2と共に28重量%のMo及び6.89重量%を含有するHastelloyが開示されている。このような触媒、並びにICF2I及びI(CF22Iをほとんど又は全く形成しない化合物I(CF2nI(式中、nは3〜7である)の同族体混合物の形成に対して高い選択性を提供するのに有効な他の触媒を、本発明の段階的合成方法で用いることができる。この反応からPAF副生成物を周期的に排気することによって、最大量のPAFが反応器内で形成され及び反応器内に存在する、一段階で反応を実施し、完了する場合よりも低い自己圧力で、触媒されるHFPO/ヨウ素反応を実施することができる。
この第1の実施形態の1つの態様によれば、各工程(a)における反応は、添加触媒の存在なしに実施される。添加触媒の存在なしとは、反応器内で実施される化学反応内に又は化学反応に添加される触媒が存在しないことを意味する。反応器の内張り等の内面は、内面が触媒である場合、それは添加触媒ではないが、その理由は、内面が化学反応に隣接するので、化学反応内ではないためである。この第1の実施形態の別の態様は、その内面がHFPO/ヨウ素反応の触媒である反応器において、各工程(a)における反応を実施することができることである。この態様によれば、各工程(a)における反応は、触媒の存在下であるが、添加触媒の存在なしに実施される。
上記結果を得ることを目的とする別の(第2の)実施形態では、工程(a)における反応生成物を、工程(a)、(b)、及び(c)の繰り返しの最後の工程(a)の少なくとも後に、少なくとも220℃に加熱する。このHFPO/ヨウ素反応を実施する温度からの加熱は、好ましくは220℃〜240℃、より好ましくは、225℃〜240℃で実施される。この反応温度からの加熱の効果は、工程(a)の反応において形成されるICF2I及びI(CF22Iを分解することである。この加熱は、化合物I(CF2)nI(式中、は3〜7である)の所望の同族体混合物を分解することなく所望の分解を達成するのに有効な量の時間、実施される。好ましくは、この加熱によって、ICF2I及びI(CF22Iの量が、加熱前に反応生成物中に存在する量の少なくとも1/3、より好ましくは、少なくとも1/5、更により好ましくは、少なくとも1/10に低減する。好ましくは、加熱によって、夾雑物ICF2I及びI(CF22I(1つ又は両方が存在する場合)が、反応生成物中にそれぞれ1%(GC面積)以下及び0.1%以下の量で存在するという結果が得られる。
この第2の実施形態の1つの態様では、少なくとも220℃の温度への加熱は、各工程(a)の一部として、すなわち、150℃〜210℃、好ましくは、170℃〜200℃の範囲の温度で反応を実施した後かつ工程(b)の前に実施することができる。あるいは、加熱工程は、最後の工程(b)の前に最後の工程(a)の一部として1回だけ、すなわち、工程(a)、(b)、及び(c)の繰り返しにおいて全ての工程(a)の反応が実施された後の反応生成物に対して実施することができる。
第1及び第2の実施形態の実施を組み合わせてもよい。好ましくは、この実施形態の組合せでは、第2の実施形態は、各工程(a)における反応が添加触媒の存在なしに実施される態様である。その代わり、各工程(a)における反応は、好ましくは、添加触媒ではない触媒の存在下で、すなわち、工程(a)の反応が実施される反応器の内面を形成する触媒の存在下で実施される。次いで、この反応は、触媒の存在下かつ添加触媒の存在なしに実施される。
実施例では、ジヨードペルフルオロアルカンを以下のように称することがある:
Figure 0006820859
熱伝導率(TCD)検出器と共に、直線状の等温160℃の温度条件で20% OV−210充填カラム(Supelco,Bellefonte,PA)を用いて、Agilent 7890ガスクロマトグラフィ(GC)システム(Santa Clara,CA)を用いて、1つ以上の化合物(I(CF2)nI、式中、は1〜7である)に関して%、GC面積%、又は面積%として開示されるガスクロマトグラフィGC分析結果が得られる。上記化合物の同族体混合物のGC面積%は、言及される化合物、例えば、混合物(式中、nは3〜7であるか又はnは3単独である)の形成の選択性である。実施例で用いられる反応器は、重量%で56% Ni、3.5% W、6.2% Fe、16.5% Cr、17% Mo、並びに1%未満の量のC、V、Mn、Si、P、及びSを含有する金属合金であるHastelloy(登録商標)Cで作製される。
収率%は、反応生成物の実際の重量と反応生成物の理論的重量との比較である。
計算式:収率%=(実際の重量÷理論的重量)×100
反応生成物の実際の重量は、反応の生成物のPAF副生成物を排気し、続いて、この直接反応生成物の残部を洗浄して、精製反応生成物を得た後の重量である。反応生成物の理論的重量は、以下の計算式:ヨウ素の重量+HFPO由来のCF2(ジフルオロカルベン)の重量(=(50/166)×HFPOの重量から得られる。
(i)直接反応生成物を0℃に冷却することによってペルフルオロアセチルフッ化物(PAF)を除去し、(ii)反応器から気体を排気し、(iii)次いで、残りの反応生成物を洗浄した後の精製反応生成物に対するCG分析からGC分析結果を得る。PAFは−59℃で沸騰する。
本明細書において言及する洗浄は、ヨウ素が除去されている水溶液を用いて実施され、それによって、残りの反応生成物が洗浄されて、微量の未反応ヨウ素及び任意の水溶性物質が除去される。水溶液は、例えば、亜硫酸水素ナトリウムの飽和溶液であってよい。洗浄は、便利には、周囲温度(15℃〜25℃)で実施される。
HFPO/ヨウ素反応の完了時、PAFの最後の除去(排気)後、以下のとおり2つの反応生成物が存在すると考えることができる:(1)反応から直接得られた反応生成物、すなわち、直接反応生成物、及び(2)周囲温度(15℃〜25℃)における亜硫酸水素ナトリウムの飽和水溶液などによる直接反応生成物の洗浄から得られた反応生成物。反応生成物(2)は、上述の精製反応生成物である。この洗浄による重量減少は、直接反応生成物(1)の重量と比較して非常にわずかである。収率%の計算では、反応生成物の実際の重量は、精製反応生成物の重量である。
本明細書において反応温度又は反応器の内容物を加熱する温度とも称されるHFPO/ヨウ素反応を実施する温度、及び本明細書に開示するとおり化合物ICF2I及びI(CF22Iを分解するために少なくとも220℃まで加熱する温度は、全て、反応器の内容物の温度、すなわち、反応器の内部の温度を指す。実施例で用いられる小さな反応器(チューブ)では、熱電対の位置が反応器の外面と反応器の内部とで異なるとき、温度の読み取り値を比較することによって決定する反応器の温度とその内容物の温度とは同じである。したがって、実施例で報告する温度は、実際に、反応器の内容物の温度である。実施例では、反応器を0℃まで冷却することによって、反応器の内容物を同じ温度まで冷却する。大きな反応器では、場合によっては反応温度、分解温度、冷却温度などの実際の内部温度を提供するために、反応器の内部に温度熱電対を配置する。
実施例1−排気−充填プロセス(段階的合成)
反応器としての400mLのシェイカーチューブに、ヨウ素(50.8グラム、0.2モル)を充填し、意図するHFPO量(ヘキサフルオロプロピレンオキシド)(116グラム、0.70モル)を3段階サイクルで反応に充填した。各移動は、冷却−排出プロセスを通して行った。各段階中の反応器内の最高圧を表1に報告する。
段階I:HFPOの最初の部分(38.7グラム、0.233モル)を反応チューブに移した。チューブを190℃/4時間で加熱し(工程(a))、次いで、230℃で1時間加熱した。チューブを0℃に冷却し(工程(b))、気相物質を放出及び除去、すなわち、排気した(工程(c))(次いで、40% KOH/水溶液と共にスクラバーに通した);
段階II:反応チューブをドライアイス/アセトン浴において−78℃に更に冷却し、次いで、HFPO(38.7グラム、0.233モル)の第2の部分を反応チューブに移した。チューブを190℃/4時間で加熱し(工程(a))、次いで、230℃で1時間加熱し;チューブを再度0℃に冷却し(工程(b))、気相物質を排気した(工程(c));
段階III:反応チューブをドライアイス/アセトン浴において−78℃に更に冷却し、次いで、HFPO(38.7グラム、0.233モル)の第3の部分を反応チューブに移した。チューブを190℃/4時間で加熱し(最後の工程(a))、次いで、230℃で8時間加熱し;最後の工程(b)及び(c)後、最後の生成物混合物を、既に記載したとおり亜硫酸水素ナトリウム洗浄によって後処理した。ヨウ素と反応したHFPOの全量は、ヨウ素1モルあたりHFPO 3.5モルであった。得られた精製反応生成物(73.0グラム、85.1%)をGCによって調べた。PDA−3は、72.2%の面積を有し、PDA−1及びPDA−2は、それぞれ、0.05面積%及び0.02面積%を有する。検出された全てのPDAが、精製反応生成物全体の97.47面積%を占めていた。
最後の工程(a)から得られた直接反応生成物に対してのみ230℃への加熱を実施したときも同様の結果が得られる。
(実施例2)
反応の各段階において、添加触媒がシェイカーチューブ内に存在していたことを除いて、実施例1を繰り返した。シェイカーチューブに添加した触媒は、5gのNi ProPack(登録商標)+10gのMoワイヤであった。この実験の結果は、73.7g(収率86.0%)の精製反応生成物であり、以下のGC分析が得られた:PDA−1=0.17面積%、PDA−2=0.00面積%、PDA−3=81.30面積%、PDA−4=1.50面積%、PDA−5=12.50面積%、PDA−6=1.15面積%、及びPDA−7=0.97面積%、合計97.59面積%。添加触媒の効果は、主に、少量のPDA−2を実施例1の0.02面積%から検出不可能にまで低減することである。
比較例A−一段階合成、単回排気
実施例1と同じ量のヨウ素及びHFPOを用い、添加触媒を使用せずに、ジヨードペルフルオロアルカンのバッチを生成した。反応器としての400mLのシェイカーチューブに、ヨウ素(50.8グラム、0.2モル)を充填し、HFPO(116グラム、0.70モル)を冷却−排出プロセスを通して充填した。チューブを190℃で8時間、及び230℃で6時間加熱した。反応中に測定した最高圧を表1に報告する。チューブを冷却し、次いで、PAFを排気し、次いで、40% KOH/水溶液でクエンチした。液体反応生成物を回収し、次いで、飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液で洗浄して、78.6g(91.7%)の精製反応生成物を得、以下のGC分析が得られた:PDA−1=0.11面積%、PDA−2=0.02面積%、PDA−3=74.8面積%、PDA−4=2.58面積%、PDA−5=17.7面積%、PDA−6=2.01面積%、及びPDA−7=2.25面積%、合計99.47面積%。
Figure 0006820859
データは、本発明の排気−充填プロセス(段階的合成)が、良好な収率及び生成物の選択性を維持しながら、このプロセスの最高圧を大きく低下させることを示す。この圧力低下は、段階を増加させることによって3超に増加し得る。

Claims (1)

  1. 夾雑物ICF2I及びI(CF22Iのうちの少なくとも1つを含有するI(CF2)nI(式中、nは3〜7である)の同族体混合物を含む反応生成物を形成する方法であって、
    (a)反応器内にて150℃〜210℃の温度でヨウ素をヘキサフルオロプロピレンオキシドと反応させる工程であって、前記ヘキサフルオロプロピレンオキシドの量が前記ヨウ素と反応するヘキサフルオロプロピレンオキシドの全量の一部であり、それによって、反応副生成物として気体状のペルフルオロアセチルフッ化物を含有する反応生成物を形成する工程と、
    (b)前記反応生成物を冷却して、前記気体状のペルフルオロアセチルフッ化物を除いて液体にする工程と、
    (c)前記ペルフルオロアセチルフッ化物を前記反応器から排気する工程と、
    (d)前記HFPOの前記全量が前記ヨウ素と反応するまで、工程(a)、(b)、及び(c)を繰り返す工程と、を含み、
    その結果として、前記同族体混合物を含み
    前記工程(a)のそれぞれにおいて反応する前記ヘキサフルオロプロピレンオキシドの一部が、前記ヨウ素と反応する前記ヘキサフルオロプロピレンオキシドの前記全量の10〜50%であり、前記ヨウ素に対する前記ヘキサフルオロプロピレンオキシドの前記全量のモル比率が、少なくとも3.0である、前記反応生成物を得る方法。
JP2017545585A 2015-02-27 2016-02-25 ジヨードペルフルオロ−c3〜c7−アルカンの段階的合成 Active JP6820859B2 (ja)

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