図3は、本発明に係るコンタクト端子の各実施例が適用されるICソケットの外観を概略的に示す。
図3において、半導体装置用ソケットは、プリント配線基板PB上に固定され、後述する半導体装置12を着脱可能に収容する収容部を有するソケット本体部14と、装着された半導体装置12の各バンプ(電極部)をプリント配線基板PBの各電極部に電気的に接続するコンタクト端子群CGと、ソケット本体部14の上方に昇降動可能に設けられコンタクト端子群CGを構成する後述するコンタクト端子16aiの一対の可動片部の接点部を、半導体装置12の各バンプ(電極部)に対し選択的に当接または離隔させるカバー部材10と、を含んで構成されている。
ソケット本体部14における外周面の各辺には、それぞれ、二つの細長い溝が互いに平行に、かつ、プリント配線基板PBの表面に対し略直交するように形成されている。各溝には、それぞれ、後述するカバー部材10の各爪部が摺動可能に係合されている。各溝の一端には、カバー部材10が最上端位置をとるとき、各爪部の先端が係止されるように段差部が形成されている。
ソケット本体部14は、図2に示されるように、試験に供される半導体装置12を収容する収容部18Aを中央に有している略正方形の位置決め部材18を備えている。半導体装置12は、例えば、BGA型またはFBGA型のパッケージを有する正方形の半導体装置とされる。なお、パッケージの形状は、斯かる例に限られることなく、長方形であってもよい。半導体装置12は、図4(B)に示されるように、複数の略半球状の電極部としてのバンプ12ai(i=1〜n,nは正の整数)を縦横に所定の間隔でその下面に有している。その際、半導体装置12のバンプ12aiのスタンドオフ高さは、例えば、隣接するバンプ12aiの相互間距離およびバンプ12aiの最大直径に応じて規格化されている。
位置決め部材18は、ソケット本体部14における内側の基台部(不図示)に支持されている。位置決め部材18の収容部18Aは、半導体装置12のパッケージが載置される平坦面部(着座面部)と、その平坦面部の周囲にそれぞれ形成される側壁部とにより形成されている。その平坦面部は、その下方のプリント配線基板PBの表面に対し略平行に形成されている。各側壁部の内側における4隅には、それぞれ、装着された半導体装置12のパッケージの4隅にそれぞれ係合する位置決め部が形成されている。従って、装着される半導体装置12のパッケージの各隅が、位置決め部にそれぞれ係合されることにより,そのバンプ12aiの後述するコンタクト端子の一対の可動片部に対する位置決めが行なわれることとなる。
また、平坦面部には、コンタクト端子の一対の可動片部の接点部および上述の各バンプがそれぞれ挿入される微細な孔が縦横に形成されている。
ソケット本体部14における位置決め部材18の真下となる位置には、可動片作動部材としてのスライダ20が、図2において、直交座標系における座標軸Xに沿って往復動可能にソケット本体部14に配されている。なお、座標軸Xは、図2において、カバー部材10およびソケット本体部14の角の頂点10Aと頂点10Bとを結ぶ対角線に沿って設定されている。
スライダ20は、コンタクト端子16ai(i=1〜n,nは正の整数)の一対の可動片部の接点部の一方を、選択的に互いに近接または離隔させるように、カバー部材10の昇降動に連動してレバー部材22を介して移動せしめられるものとされる。スライダ20は、例えば、ソケット本体部14に設けられるレバー部材22を含むリンク機構、または、カバー部材10に形成されるカム機構を介して移動せしめられる。
スライダ20は、上述の位置決め部材18の複数の孔に対応した細長い開口列を複数個有している。隣接する各開口列は、その配列方向に沿った隔壁により区切られている。また、同一の開口列内は、図4(A),(B)に示されるように、スライダ20の移動に伴いコンタクト端子の一対の可動片部のうちの一方を押圧移動させる押圧部20ai(i=1〜n,nは正の整数)により区切られている。コンタクト端子の一対の可動片部は、押圧部20aiを挟んで相対向して配されている。これにより、一対の可動片部の接点部は、それぞれ、開口列内から上方の位置決め部材18の孔に向けて突出している。
ソケット本体部14におけるスライダ20の下端を摺動可能に支持する部分には、コンタクト端子の固定部が圧入される開口部がプリント配線基板PBの表面に対して略垂直に形成されている。各開口部は、隔壁により仕切られて形成されている。
カバー部材10は、図2に示されるように、着脱される半導体装置12が通過する略正方形の開口10aをその中央部に有している。また、カバー部材10とソケット本体部14との間には、カバー部材10をソケット本体部14に対し離隔する方向に付勢する付勢部材としてのコイルスプリング26が設けられている。
本発明に係るコンタクト端子の第1実施例としてのコンタクト端子16ai(i=1〜n,nは正の整数)は、図1(A)および(B)に拡大されて示されるように、薄板金属材料で作られ、上述のソケット本体部14の開口部に圧入される爪部を有する固定部16Kと、固定部16Kの一端側に延びる半田付け端子部16Fと、固定部16Kの他端側に延びる可動片部16Aおよび16Bとから構成されている。
弾性変位可能な可動片部16Aおよび16Bは、それぞれ、図1(A)および(B)に拡大されて示されるように、その先端部に接点部16aおよび16bを互いに向かい合うように有している。
接点部16aは、図5(A)〜(C)に拡大されて示されるように、一方の表面に各長辺に沿って所定の長さだけ平行に延びる第1当接部16a1および第2当接部16a3と、第1当接部16a1および第2当接部16a3の一端を連結する係止部16a2と、を門型に有している。第1当接部16a1、係止部16a2、および、第2当接部16a3は、それぞれ、略三角形の断面を有している。その三角形断面の一つの頂点は、可動片部16Bに向けて突出している。第1当接部16a1および第2当接部16a3の三角形断面の一つの頂点は、それぞれ、図5(B)に示されるように、係止部16a2における三角形断面の一つの頂点よりも若干外方に突出している。また、係止部16a2は、図6(A)に示されるように、バンプ12aiの球面を係止するように、可動片部16Aの表面に対し所定の角度θをなす右下がりの傾斜面を有している。
接点部16bは、図5(A)、(B)、および、(D)に拡大されて示されるように、一方の表面に各長辺に沿って所定の長さだけ平行に延びる第1当接部16b1および第2当接部16b3と、第1当接部16b1および第2当接部16b3の一端を連結する係止部16b2と、を門型に有している。第1当接部16b1、係止部16b2、および、第2当接部16b3は、それぞれ、略三角形の断面を有している。その三角形断面の一つの頂点は、可動片部16Aに向けて突出している。第1当接部16b1および第2当接部16b3の三角形断面の一つの頂点は、それぞれ、図5(B)に示されるように、係止部16b2における三角形断面の一つの頂点よりも若干外方に突出している。また、係止部16b2は、図6(A)に示されるように、接点部16aの係止部16a2と同様に、バンプ12aiの球面を係止するように、可動片部16Bの表面に対し所定の角度θをなす左下がりの傾斜面を有している。
斯かる構成において、カバー部材10が、そのコイルスプリング26の付勢力に抗して所定の最下端位置まで下降せしめられる場合、スライダ20および押圧部20aiは、図4(B)に示されるように、上述のリンク機構またはカム機構を介して左方向に移動せしめられる。これにより、コンタクト端子の一対の可動片部16Aおよび16Bのうちの一方の可動片部16Bは、他方の可動片部16Aに対し離隔せしめられる。
次に、半導体装置12が位置決め部材18の収容部18Aに載置された後、カバー部材10は、その押圧力が解放されるとき、上述のコイルスプリング26の付勢力により最下端位置から最上端位置まで上昇せしめられる。これにより、図4(A)に示されるように、スライダ20および押圧部20aiは、コンタクト端子の復元力および図示が省略される付勢部材の付勢力により、右方向に移動せしめられ、従って、コンタクト端子16aiの一対の可動片部16A,16Bのうちの一方の可動片部16Bは、再び他方の可動片部16Aに対し近接される。その結果、収容部18Aに装着された半導体装置12のバンプ12aiは、図6(A)に示されるように、コンタクト端子16aiに電気的に接続されることとなる。
一方、半導体装置12が位置決め部材18の収容部18Aから取り外される場合、そのコイルスプリング26の付勢力に抗して上述のカバー部材10の押圧操作が行なわれることにより、スライダ20および押圧部20aiが上述と同様に移動せしめられる。
さらに、図7(A)に示されるように、可動片部16Aの第1当接部16a1および第2当接部16a3と,可動片部16Bの第1当接部16b1および第2当接部16b3とが、半導体装置12のバンプ12aiの球面に食い込んで挟持した状態で、試験中、図7(B)に示されるように、半導体装置12の電極面が上向きに反った場合、あるいは、ICソケットに作用した衝撃による振動が原因で電極面が上下に浮き沈む場合、バンプ12aiが上昇せしめられるとき、可動片部16Aの係止部16a2の傾斜面と可動片部16Bの係止部16b2の傾斜面とが、バンプ12aiの球面を係止することとなる。これにより、半導体装置12のバンプ12aiが、一対の可動片部16Aおよび16B相互間から離脱することが回避される。一方、図8(A)に示されるように、可動片部16Aの第1当接部16a1および第2当接部16a3と,可動片部16Bの第1当接部16b1および第2当接部16b3とが、半導体装置12のバンプ12aiの球面に食い込んで挟持した状態で、試験中、図8(B)に示されるように、半導体装置12の電極面が下向きに反った場合、あるいは、ICソケットに作用した衝撃による振動が原因で電極面が上下に浮き沈む場合、半導体装置12の電極面が、位置決め部材18の収容部18Aの着座面に当接することにより、可動片部16Aおよび16Bの上端面と半導体装置12の電極面との間に所定の隙間が形成されるので半導体装置12の電極面が、可動片部16Aおよび16Bの上端面により損傷する虞がない。
図9(A)〜(D)は、本発明に係るコンタクト端子の第2実施例の接点部を拡大して示す。図9(A)〜(D)において、図5(A)〜(D)における構成要素と同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
コンタクト端子は、薄板金属材料で作られ、上述のソケット本体部14の開口部に圧入される爪部を有する固定部(不図示)と、固定部の一端側に延びる半田付け端子部(不図示)と、固定部の他端側に延びる可動片部16Aおよび16Bとから構成されている。
なお、上述の固定部および半田付け端子部の構造は、図1(A)に示される例における固定部16Kおよび半田付け端子部16Fの構造と同一の構造とされるのでその説明が省略される。
弾性変位可能な可動片部16Aおよび16Bは、それぞれ、その先端部に接点部16´aおよび16bを互いに向かい合うように有している。
接点部16´aは、図9(A)〜(C)に拡大されて示されるように、一方の表面に各長辺に沿って所定の長さだけ平行に延びる第1当接部16´a1および第2当接部16´a3を有している。第1当接部16´a1、および、第2当接部16´a3は、それぞれ、略三角形の断面を有している。その三角形断面における一つの頂点は、可動片部16Bに向けて突出している。
斯かる構成において、可動片部16Aの第1当接部16´a1および第2当接部16´a3と、可動片部16Bの第1当接部16b1および第2当接部16b3とが、図10(A)および(B)に示されるように、半導体装置12のバンプ12aiの球面に食い込んで挟持した状態で、試験中、半導体装置12の電極面が上向きに反った場合、あるいは、ICソケットに作用した衝撃による振動が原因で電極面が上下に浮き沈む場合、バンプ12aiが上昇せしめられるとき、可動片部16Bの係止部16b2の傾斜面が、バンプ12aiの球面を係止することとなる。これにより、半導体装置12のバンプ12aiが、一対の可動片部16Aおよび16B相互間から離脱することが回避される。
図11(A)〜(D)は、本発明に係るコンタクト端子の第3実施例の接点部を拡大して示す。図11(A)〜(D)において、図5(A)〜(D)における構成要素と同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
コンタクト端子は、薄板金属材料で作られ、上述のソケット本体部14の開口部に圧入される爪部を有する固定部(不図示)と、固定部の一端側に延びる半田付け端子部(不図示)と、固定部の他端側に延びる可動片部16Aおよび16Bとから構成されている。
なお、上述の固定部および半田付け端子部の構造は、図1(A)に示される例における固定部16Kおよび半田付け端子部16Fの構造と同一の構造とされるのでその説明が省略される。
弾性変位可能な可動片部16Aおよび16Bは、それぞれ、その先端部に接点部16dおよび16bを互いに向かい合うように有している。
接点部16dは、図11(A)〜(C)に拡大されて示されるように、一方の表面の中央部に長辺に沿って所定の長さだけ延びる第1当接部16d1を有している。第1当接部16d1は、略三角形の断面を有している。その三角形断面における一つの頂点は、可動片部16Bに向けて突出している。
斯かる構成において、可動片部16Aの第1当接部16d1と、可動片部16Bの第1当接部16b1および第2当接部16b3とが、図12(A)および(B)に示されるように、半導体装置12のバンプ12aiの球面に食い込んで挟持した状態で、試験中、半導体装置12の電極面が上向きに反った場合、あるいは、ICソケットに作用した衝撃による振動が原因で電極面が上下に浮き沈む場合、バンプ12aiが上昇せしめられるとき、可動片部16Bの係止部16b2の傾斜面が、バンプ12aiの球面を係止することとなる。これにより、半導体装置12のバンプ12aiが、一対の可動片部16Aおよび16B相互間から離脱することが回避される。
図13(A)〜(D)は、本発明に係るコンタクト端子の第4実施例の接点部を拡大して示す。図13(A)〜(D)において、図5(A)〜(D)における構成要素と同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
コンタクト端子は、薄板金属材料で作られ、上述のソケット本体部14の開口部に圧入される爪部を有する固定部(不図示)と、固定部の一端側に延びる半田付け端子部(不図示)と、固定部の他端側に延びる可動片部16Aおよび16Bとから構成されている。
なお、上述の固定部および半田付け端子部の構造は、図1(A)に示される例における固定部16Kおよび半田付け端子部16Fの構造と同一の構造とされるのでその説明が省略される。
弾性変位可能な可動片部16Aおよび16Bは、それぞれ、その先端部に接点部16eおよび16bを互いに向かい合うように有している。
接点部16eは、図13(A)〜(C)に拡大されて示されるように、一方の表面の右端に長辺に沿って所定の長さだけ延びる第1当接部16e1を有している。第1当接部16e1は、略三角形の断面を有している。その三角形断面における一つの頂点は、可動片部16Bに向けて突出している。
斯かる構成において、可動片部16Aの第1当接部16e1と、可動片部16Bの第1当接部16b1および第2当接部16b3とが、図14(A)および(B)に示されるように、半導体装置12のバンプ12aiの球面に食い込んで挟持した状態で、試験中、半導体装置12の電極面が上向きに反った場合、あるいは、ICソケットに作用した衝撃による振動が原因で電極面が上下に浮き沈む場合、バンプ12aiが上昇せしめられるとき、可動片部16Bの係止部16b2の傾斜面が、バンプ12aiの球面を係止することとなる。これにより、半導体装置12のバンプ12aiが、一対の可動片部16Aおよび16B相互間から離脱することが回避される。
図15(A)〜(D)は、本発明に係るコンタクト端子の第5実施例の接点部を拡大して示す。図15(A)〜(D)において、図5(A)〜(D)における構成要素と同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
コンタクト端子は、薄板金属材料で作られ、上述のソケット本体部14の開口部に圧入される爪部を有する固定部(不図示)と、固定部の一端側に延びる半田付け端子部(不図示)と、固定部の他端側に延びる可動片部16Aおよび16Bとから構成されている。
なお、上述の固定部および半田付け端子部の構造は、図1(A)に示される例における固定部16Kおよび半田付け端子部16Fの構造と同一の構造とされるのでその説明が省略される。
弾性変位可能な可動片部16Aおよび16Bは、それぞれ、その先端部に接点部16fおよび16bを互いに向かい合うように有している。
接点部16fは、図15(A)〜(C)に拡大されて示されるように、一方の表面に長辺に沿って所定の長さだけ延びる第1当接部16f1および第2当接部16f2を所定の間隔をもって有している。第1当接部16f1および第2当接部16f2の一端は、接点部16fの先端に向うにつれた徐々に互いに近接するように所定の勾配で傾斜している。第1当接部16f1および16f2は、略三角形の断面を有している。その三角形断面における一つの頂点は、可動片部16Bに向けて突出している。
斯かる構成において、可動片部16Aの第1当接部16f1および16f2と、可動片部16Bの第1当接部16b1および第2当接部16b3とが、図16(A)および(B)に示されるように、半導体装置12のバンプ12aiの球面に食い込んで挟持した状態で、試験中、半導体装置12の電極面が上向きに反った場合、あるいは、ICソケットに作用した衝撃による振動が原因で電極面が上下に浮き沈む場合、バンプ12aiが上昇せしめられるとき、可動片部16Bの係止部16b2の傾斜面が、バンプ12aiの球面を係止することとなる。これにより、半導体装置12のバンプ12aiが、一対の可動片部16Aおよび16B相互間から離脱することが回避される。
図17は、(A)〜(D)は、本発明に係るコンタクト端子の第6実施例の接点部を拡大して示す。
コンタクト端子は、薄板金属材料で作られ、上述のソケット本体部14の開口部に圧入される爪部を有する固定部(不図示)と、固定部の一端側に延びる半田付け端子部(不図示)と、固定部の他端側に延びる可動片部16Aおよび16Bとから構成されている。
なお、上述の固定部および半田付け端子部の構造は、図1(A)に示される例における固定部16Kおよび半田付け端子部16Fの構造と同一の構造とされるのでその説明が省略される。
弾性変位可能な可動片部16Aおよび16Bは、それぞれ、その先端部に接点部16hおよび16gを互いに向かい合うように有している。
接点部16hは、図15(A)〜(C)に拡大されて示されるように、一方の表面に長辺に沿って所定の長さだけ延びる第1当接部16h1と、第1当接部16h1の一端に交差する係止部16h2と有している。第1当接部16h1および係止部16h2は、それぞれ、略三角形の断面を有している。その三角形断面における一つの頂点は、可動片部16Bに向けて突出している。第1当接部16h1の三角形断面の一つの頂点は、それぞれ、図17(B)に示されるように、係止部16h2における三角形断面の一つの頂点よりも若干外方に突出している。また、係止部16h2は、図18(A)に示されるように、バンプ12aiの球面を係止するように、可動片部16Aの表面に対し所定の角度θをなす右下がりの傾斜面を有している。
接点部16gは、図15(A)、(B)、(D)に拡大されて示されるように、一方の表面に長辺に沿って所定の長さだけ延びる第1当接部16g1と、第1当接部16g1の一端に交差する係止部16g2と有している。第1当接部16g1および係止部16g2は、それぞれ、略三角形の断面を有している。その三角形断面における一つの頂点は、可動片部16Aに向けて突出している。第1当接部16g1の三角形断面の一つの頂点は、図17(B)に示されるように、係止部16g2における三角形断面の一つの頂点よりも若干外方に突出している。また、係止部16g2は、図18(A)に示されるように、バンプ12aiの球面を係止するように、可動片部16Bの表面に対し所定の角度θをなす左下がりの傾斜面を有している。
斯かる構成において、可動片部16Aの第1当接部16h1と、可動片部16Bの第1当接部16g1が、図18(A)および(B)に示されるように、半導体装置12のバンプ12aiの球面に食い込んで挟持した状態で、試験中、半導体装置12の電極面が上向きに反った場合、あるいは、ICソケットに作用した衝撃による振動が原因で電極面が上下に浮き沈む場合、バンプ12aiが上昇せしめられるとき、可動片部16Aの係止部16h2および可動片部16Bの係止部16g2の傾斜面が、バンプ12aiの球面を係止することとなる。これにより、半導体装置12のバンプ12aiが、一対の可動片部16Aおよび16B相互間から離脱することが回避される。
図19(A)〜(D)は、本発明に係るコンタクト端子の第7実施例の接点部を拡大して示す。
コンタクト端子は、薄板金属材料で作られ、上述のソケット本体部14の開口部に圧入される爪部を有する固定部(不図示)と、固定部の一端側に延びる半田付け端子部(不図示)と、固定部の他端側に延びる可動片部16Aおよび16Bとから構成されている。
なお、上述の固定部および半田付け端子部の構造は、図1(A)に示される例における固定部16Kおよび半田付け端子部16Fの構造と同一の構造とされるのでその説明が省略される。
弾性変位可能な可動片部16Aおよび16Bは、それぞれ、その先端部に接点部16kおよび16jを互いに向かい合うように有している。
接点部16kは、図19(A)〜(C)に拡大されて示されるように、一方の表面に長辺に沿って所定の長さだけ延びる第1当接部16k1、および、第2当接部16k3と、
第1当接部16k1および第2当接部16k3の一端を連結する係止部16k2と有している。第1当接部16k1および第2当接部16k3は、所定の間隔をもって、接点部16kの先端に向うにつれて互いに一端が徐々に近接するように形成されている。
第1当接部16k1および第2当接部k3、係止部16k2は、それぞれ、略三角形の断面を有している。その三角形断面における一つの頂点は、可動片部16Bに向けて突出している。
第1当接部16k1および第2当接部k3の三角形断面の一つの頂点は、それぞれ、図19(B)に示されるように、係止部16k2における三角形断面の一つの頂点よりも若干外方に突出している。また、係止部16k2は、図20(A)に示されるように、バンプ12aiの球面を係止するように、可動片部16Aの表面に対し所定の角度θをなす右下がりの傾斜面を有している。
接点部16jは、図19(A)、(B)、(D)に拡大されて示されるように、一方の表面に長辺に沿って所定の長さだけ延びる第1当接部16j1、および、第2当接部16j3と、第1当接部16j1および第2当接部16j3の一端を連結する係止部16j2と有している。第1当接部16j1および第2当接部16j3は、所定の間隔をもって、接点部16jの先端に向うにつれて互いに一端が徐々に近接するように形成されている。
第1当接部16j1および第2当接部j3、係止部16j2は、それぞれ、略三角形の断面を有している。その三角形断面における一つの頂点は、可動片部16Aに向けて突出している。
第1当接部16j1および第2当接部j3の三角形断面の一つの頂点は、それぞれ、図19(B)に示されるように、係止部16j2における三角形断面の一つの頂点よりも若干外方に突出している。また、係止部16j2は、図20(A)に示されるように、バンプ12aiの球面を係止するように、可動片部16Bの表面に対し所定の角度θをなす左下がりの傾斜面を有している。
斯かる構成において、可動片部16Aの第1当接部16k1および第2当接部16k3と、可動片部16Bの第1当接部16j1および第2当接部16j3が、図20(A)および(B)に示されるように、半導体装置12のバンプ12aiの球面に食い込んで挟持した状態で、試験中、半導体装置12の電極面が上向きに反った場合、あるいは、ICソケットに作用した衝撃による振動が原因で電極面が上下に浮き沈む場合、バンプ12aiが上昇せしめられるとき、可動片部16Aの係止部16k2および可動片部16Bの係止部16j2の傾斜面が、バンプ12aiの球面を係止することとなる。これにより、半導体装置12のバンプ12aiが、一対の可動片部16Aおよび16B相互間から離脱することが回避される。
図21(A)〜(D)は、本発明に係るコンタクト端子の第8実施例の接点部を拡大して示す。
コンタクト端子は、薄板金属材料で作られ、上述のソケット本体部14の開口部に圧入される爪部を有する固定部(不図示)と、固定部の一端側に延びる半田付け端子部(不図示)と、固定部の他端側に延びる可動片部16Aおよび16Bとから構成されている。
なお、上述の固定部および半田付け端子部の構造は、図1(A)に示される例における固定部16Kおよび半田付け端子部16Fの構造と同一の構造とされるのでその説明が省略される。
弾性変位可能な可動片部16Aおよび16Bは、それぞれ、その先端部に接点部16mおよび16nを互いに向かい合うように有している。
接点部16mは、図21(A)〜(C)に拡大されて示されるように、一方の表面の中央部に長辺に沿って所定の長さだけ延びる第1当接部16m2と、第1当接部16m2の一端に交差する第1係止部16m1および第2係止部16m3とを有している。第1当接部16m2、第1係止部16m1および第2係止部16m3は、それぞれ、略三角形の断面を有している。その三角形断面における一つの頂点は、可動片部16Bに向けて突出している。
第1当接部16m2の三角形断面の一つの頂点は、それぞれ、図21(B)に示されるように、第1係止部16m1および第2係止部16m3における三角形断面の一つの頂点よりも若干外方に突出している。また、第1係止部16m1および第2係止部16m3は、図22(A)に示されるように、バンプ12aiの球面を係止するように、可動片部16Aの表面に対し所定の角度θをなす右下がりの傾斜面を有している。
接点部16nは、図21(A)、(B)、(D)に拡大されて示されるように、一方の表面の中央部に長辺に沿って所定の長さだけ延びる第1当接部16n2と、第1当接部16n2の一端に交差する第1係止部16n1および第2係止部16n3とを有している。第1当接部16n2、第1係止部16n1および第2係止部16n3は、それぞれ、略三角形の断面を有している。その三角形断面における一つの頂点は、可動片部16Aに向けて突出している。
第1当接部16n2の三角形断面の一つの頂点は、それぞれ、図21(B)に示されるように、第1係止部16n1および第2係止部16n3における三角形断面の一つの頂点よりも若干外方に突出している。また、第1係止部16n1および第2係止部16n3は、図22(A)に示されるように、バンプ12aiの球面を係止するように、可動片部16Bの表面に対し所定の角度θをなす左下がりの傾斜面を有している。
斯かる構成において、可動片部16Aの第1当接部16m2と、可動片部16Bの第1当接部16n2が、図22(A)および(B)に示されるように、半導体装置12のバンプ12aiの球面に食い込んで挟持した状態で、試験中、半導体装置12の電極面が上向きに反った場合、あるいは、ICソケットに作用した衝撃による振動が原因で電極面が上下に浮き沈む場合、バンプ12aiが上昇せしめられるとき、可動片部16Aの第1係止部16m1、第2係止部16m3の傾斜面、可動片部16Bの第1係止部16n1および第2係止部16n3の傾斜面が、バンプ12aiの球面を係止することとなる。これにより、半導体装置12のバンプ12aiが、一対の可動片部16Aおよび16B相互間から離脱することが回避される。
図23は、本発明に係るコンタクト端子の第9実施例の可動片部を、半導体装置のバンプとともに拡大して示す。
半導体装置用ソケットは、図示が省略されるが、プリント配線基板上に固定され、半導体装置12を着脱可能に収容する収容部を有するソケット本体部と、装着された半導体装置12の各バンプ(電極部)12aiをプリント配線基板の各電極部に電気的に接続するコンタクト端子群CGと、ソケット本体部の上方に昇降動可能に設けられコンタクト端子群CGを構成する後述するコンタクト端子26aiの可動片部26Aの接点部を、半導体装置12の各バンプ(電極部)12aiに対し選択的に当接または離隔させるカバー部材(不図示)と、を含んで構成されている。
半導体装置12は、図24に示されるように、例えば、BGA型またはFBGA型のパッケージを有する略正方形の半導体装置とされる。半導体装置12は、略半球状の電極部としてのバンプ12ai(i=1〜n,nは正の整数)を、例えば、縦横に所定の間隔でその下面に偶数列有している。
ソケット本体部は、図23に示されるように、試験に供される半導体装置12を収容する収容部28Aを中央に有している略正方形の位置決め部材28を備えている。収容部28Aの底部を形成する底壁には、複数のコンタクト端子26aiの可動片部26Aが挿入される開口部28aが形成されている。
ソケット本体部における位置決め部材28の真下となる位置には、可動片作動部材としてのスライダ30が、図23において、矢印の示す方向に沿って昇降動可能にソケット本体部に配されている。なお、矢印Uは、図23において、スライダ30が上昇する方向を示し、矢印Dは、スライダ30が下降する方向を示す。図23は、スライダ30が最大に上昇した位置を示す。
スライダ30は、コンタクト端子26aiの可動片部26Aの接点部を、バンプ12aiに対し選択的に近接または離隔させるように、カバー部材の昇降動に連動してレバー部材(不図示)を介して移動せしめられるものとされる。スライダ30は、例えば、ソケット本体部に設けられるレバー部材を含むリンク機構、または、カバー部材に形成されるカム機構を介して移動せしめられる。
スライダ30は、上述の装着された半導体装置12の各バンプに対応した細孔を複数個有している。同一列における隣接する細孔は、その配列方向に沿った隔壁30ai(i=1〜n,nは正の整数)により区切られている。また、細孔を形成する隣接した隔壁30aiのうちの一方の壁面には、スライダ30の昇降動に伴いコンタクト端子の可動片部26Aを、スライダ30の移動方向に対し直交する方向に押圧移動させる押圧部が形成されている。スライダ30における押圧部は、装着された半導体装置12の半球状の各バンプ12aiの一方の球面(第1の面)12as1の真下となる位置、または、他方の球面(第2の面)12as2の真下となる位置に対応している。コンタクト端子26aiの可動片部26Aは、上述の押圧部に向き合って細孔内に移動可能に配されている。これにより、後述する可動片部26Aの接点部は、細孔内から上方の位置決め部材28の開口部28aを介して各バンプ12aiに向けて突出している。スライダ30における押圧部が矢印Dの示す方向に移動せしめられる場合、可動片部26Aの接点部が、各バンプ12aiの一方の球面(第1の面)12as1、または、他方の球面(第2の面)12as2から離隔され、一方、スライダ30における押圧部が矢印Uの示す方向に移動せしめられる場合、可動片部26Aの接点部が、各バンプ12aiの一方の球面(第1の面)12as1、または、他方の球面(第2の面)12as2に近接せしめられる。
図4(A)に示される例においては、コンタクト端子16aiは、一対の可動片部16Aおよび16Bを有するものとされるが、その代わりに、図23に示される例においては、コンタクト端子26ai(i=1〜n,nは正の整数)は、1本の可動片部26Aを有するものとされる。
コンタクト端子26aiは、薄板金属材料で作られ、上述のソケット本体部の開口部に圧入される爪部を有する固定部(不図示)と、その固定部の一端側に延びる半田付け端子部(不図示)と、その固定部の他端側に延びる可動片部26Aとから構成されている。
各コンタクト端子26aiにおける弾性変位可能な可動片部26Aは、その先端部に上述の第1の面12as1、または、第2の面12as2に選択的に当接する接点部を有している。図23においては、接点部26aは、例えば、上述の図5(C)に拡大されて示される例と同様に、一方の表面に各長辺に沿って所定の長さだけ平行に延びる第1当接部および第2当接部と、第1当接部および第2当接部の一端を連結する係止部と、を門型に有している。第1当接部、係止部、および、第2当接部は、それぞれ、略三角形の断面を有している。その三角形断面の一つの頂点は、バンプの第1の面12as1、または、第2の面12as2に向けて突出している。第1当接部および第2当接部の三角形断面の一つの頂点は、それぞれ、図5(B)に示されるように、係止部における三角形断面の一つの頂点よりも若干外方に突出している。また、係止部は、バンプ12aiの球面を係止するように、可動片部26Aの表面に対し所定の角度θをなす傾斜面を有している。
斯かる構成において、カバー部材が、そのコイルスプリングの付勢力に抗して所定の最下端位置まで下降せしめられる場合、スライダ30および押圧部は、上述のリンク機構またはカム機構を介して矢印Dの示す方向に移動せしめられる。これにより、各コンタクト端子の可動片部26Aは、各バンプ12aiに対し離隔せしめられる。
次に、半導体装置12が位置決め部材28の収容部28Aに載置された後、カバー部材は、その押圧力が解放されるとき、上述のコイルスプリングの付勢力により最下端位置から最上端位置まで上昇せしめられる。これにより、スライダ30および押圧部は、コンタクト端子の復元力および図示が省略される付勢部材の付勢力により、矢印Uの示す方向に移動せしめられ、従って、コンタクト端子26aiの可動片部26Aは、再び各バンプ12aiに対し近接される。その結果、収容部28Aに装着された半導体装置12のバンプ12aiは、コンタクト端子26aiに電気的に接続されることとなる。
一方、半導体装置12が位置決め部材28の収容部28Aから取り外される場合、そのコイルスプリングの付勢力に抗して上述のカバー部材の押圧操作が行なわれることにより、スライダ30および押圧部が上述と同様に移動せしめられる。
さらに、可動片部26Aの接点部26aの第1当接部および第2当接部が、半導体装置12のバンプ12aiの球面に食い込んで挟持した状態で、試験中、半導体装置12の電極面が上向きに反った場合、あるいは、ICソケットに作用した衝撃による振動が原因で電極面が上下に浮き沈む場合、バンプ12aiが上昇せしめられるとき、可動片部26Aの係止部の傾斜面が、バンプ12aiの球面を係止することとなる。これにより、半導体装置12のバンプ12aiが、一対の可動片部26Aから離脱することが回避される。
図25は、上述の本発明に係るコンタクト端子の第9実施例が適用されるICソケットの他の一例の要部を示す。
半導体装置用ソケットは、図示が省略されるが、プリント配線基板上に固定され、半導体装置12を着脱可能に収容する収容部を有するソケット本体部と、装着された半導体装置12の各バンプ(電極部)12aiをプリント配線基板の各電極部に電気的に接続するコンタクト端子群CGと、ソケット本体部の上方に昇降動可能に設けられコンタクト端子群CGを構成する後述するコンタクト端子26aiの可動片部26Aの接点部を、半導体装置12の各バンプ(電極部)12aiに対し選択的に当接または離隔させるカバー部材(不図示)と、を含んで構成されている。
なお、図25および図26において、図23に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
ソケット本体部における位置決め部材28の真下となる位置には、可動片作動部材としてのスライダ40および42が、それぞれ、図25において、矢印L、矢印Rに沿って往復動可能にソケット本体部に配されている。なお、矢印Lは、図25において、スライダ40が左に移動する方向を示し、矢印Rは、スライダ42が右に移動する方向を示す。図25は、スライダ40および42の初期位置を示す。
スライダ40および42は、コンタクト端子26aiの可動片部26Aの接点部を、選択的にバンプ12aiに対し近接または離隔させるように、カバー部材の昇降動に連動してレバー部材(不図示)を介して移動せしめられるものとされる。スライダ40および42は、上下に重ねられて配置され、例えば、ソケット本体部に設けられるレバー部材を含むリンク機構、または、カバー部材に形成されるカム機構を介して移動せしめられる。
スライダ40は、上述の装着された半導体装置12の各バンプに対応した細孔を複数個有している。同一列における隣接する細孔は、その配列方向に沿った隔壁40ai(i=1〜n,nは正の整数)により区切られている。また、細孔を形成する隣接した隔壁40aiのうちの一方の壁面には、スライダ40の往復動に伴いコンタクト端子の可動片部26Aを、スライダ40の移動方向に押圧移動させる押圧部が形成されている。スライダ40における押圧部は、装着された半導体装置12の半球状の各バンプ12aiの他方の球面(第2の面)12as2の真下となる位置に対応している。コンタクト端子26aiの可動片部26Aは、上述の押圧部に向き合って細孔内に移動可能に配されている。
スライダ42は、上述の装着された半導体装置12の各バンプに対応した細孔を複数個有している。同一列における隣接する細孔は、その配列方向に沿った隔壁42ai(i=1〜n,nは正の整数)により区切られている。また、細孔を形成する隣接した隔壁42aiのうちの一方の壁面には、スライダ42の往復動に伴いコンタクト端子の可動片部26Aを、スライダ42の移動方向に押圧移動させる押圧部が形成されている。スライダ42における押圧部は、装着された半導体装置12の半球状の各バンプ12aiの一方の球面(第1の面)12as1の真下となる位置に対応している。コンタクト端子26aiの可動片部26Aは、上述の押圧部に向き合って細孔内に移動可能に配されている。
これにより、後述する可動片部26Aの接点部は、細孔内から上方の位置決め部材28の開口部28aを介して各バンプ12aiに向けて突出している。スライダ40における押圧部が矢印Lの方向に移動せしめられるとともに、スライダ42における押圧部が矢印Rの方向に移動せしめられる場合、可動片部26Aの接点部が、各バンプ12aiの一方の球面(第1の面)12as1、または、他方の球面(第2の面)12as2から離隔され、一方、スライダ40における押圧部が矢印Lの方向とは逆方向に移動せしめられるとともに、スライダ42における押圧部が矢印Rの方向とは逆方向に移動せしめられる場合、図26に示されるように、可動片部26Aの接点部が、各バンプ12aiの一方の球面(第1の面)12as1、または、他方の球面(第2の面)12as2に近接せしめられる。
斯かる構成においても、可動片部26Aの接点部26aの第1当接部および第2当接部が、半導体装置12のバンプ12aiの球面に食い込んで挟持した状態で、試験中、半導体装置12の電極面が上向きに反った場合、あるいは、ICソケットに作用した衝撃による振動が原因で電極面が上下に浮き沈む場合、バンプ12aiが上昇せしめられるとき、可動片部26Aの係止部の傾斜面が、バンプ12aiの球面を係止することとなる。これにより、半導体装置12のバンプ12aiが、一対の可動片部26Aから離脱することが回避される。
なお、上述の例においては、半導体装置12は、略半球状の電極部としてのバンプ12ai(i=1〜n,nは正の整数)を、縦横に所定の間隔でその下面に偶数列有しているが、斯かる例に限られることなく、例えば、図27に示されるように、半導体装置12´が、略半球状の電極部としてのバンプ12´ai(i=1〜n,nは正の整数)を、縦横に所定の間隔でその下面に奇数列有しているものであってもよい。このような半導体装置12´が、ソケット本体部の収容部に装着される場合、例えば、図23に示されるような、スライダが用いられても良い。そのスライダは、コンタクト端子26aiの可動片部26Aの接点部を、バンプ12aiに対し選択的に近接または離隔させるように、カバー部材の昇降動に連動してレバー部材(不図示)を介して移動せしめられる。
図28(A)および(B)は、上述の本発明に係るコンタクト端子の第9実施例が適用される半導体装置用ソケットのさらなる他の一例の要部を示す。
図23および図25に示される例においては、装着された半導体装置12のバンプ12aiが、複数のコンタクト端子26aiの可動片部26Aの接点部に作用する押圧力だけにより保持されているが、その代わりに、図28(A)および(B)に示される例においては、装着された半導体装置12のバンプ12aiが、整列板38の隔壁38Pi(i=1〜n,nは正の整数)の壁面とコンタクト端子26aiの可動片部26Aの接点部26aとにより挟持されることにより保持されるものとされる。
半導体装置用ソケットは、図示が省略されるが、プリント配線基板上に固定され、半導体装置12を着脱可能に収容する収容部を有するソケット本体部と、装着された半導体装置12の各バンプ(電極部)12aiをプリント配線基板の各電極部に電気的に接続するコンタクト端子群CGと、ソケット本体部の上方に昇降動可能に設けられコンタクト端子群CGを構成する後述するコンタクト端子26aiの可動片部26Aの接点部を、半導体装置12の各バンプ(電極部)12aiに対し選択的に当接または離隔させるカバー部材(不図示)と、を含んで構成されている。
ソケット本体部は、試験に供される半導体装置12を収容する収容部を中央に有している略正方形の位置決め部材を備えている。位置決め部材の収容部の底部を形成する底壁には、整列板38が配されている。整列板38は、図28(A)に示されるように、複数のコンタクト端子26aiの可動片部26Aおよびバンプ12aiがそれぞれ挿入される複数の細孔を有している。隣接する細孔列は、仕切壁により仕切られている。同一列の細孔は、向かい合って形成される隔壁38Piにより仕切られている。
ソケット本体部における位置決め部材の真下となる位置には、可動片作動部材としてのスライダ(不図示)が、往復動可能にソケット本体部に配されている。
スライダが一方向に移動せしめられる場合、図28(A)に示されるように、可動片部26Aの接点部26aが、各バンプ12aiの一方の球面から離隔され、一方、スライダが他方向に移動せしめられる場合、可動片部26Aの接点部26aが、図28(B)に示されるように、各バンプ12aiの一方の球面に近接せしめられる。これにより、各バンプ12aiが、可動片部26Aの接点部26aおよび隔壁38Piの壁面により挟持されることとなる。
なお、本発明に係るコンタクト端子の実施例は、上述の例に限られることなく、コンタクト端子が、例えば、図9(C)に示される接点部、あるいは、図13(C)に示される接点部と、図17(C)に示される接点部と備えるものであってもよい。また、コンタクト端子が、例えば、図17(C)に示される接点部と、図11(C)に示される接点部、あるいは、図15(C)に示される接点部とを備えるものであってもよい。さらに、コンタクト端子が、例えば、図21(C)に示される接点部と、図11(C)に示される接点部、あるいは、図13(C)に示される接点部とを備えるものであってもよい。さらにまた、コンタクト端子は、少なくとも一方の可動片部が、上述した各実施例に用いられた接点部の係止部を備え、他方の可動片部が、上述した各実施例に用いられた接点部の当接部を備えるように、接点部の如何なる組み合わせが用いられてもよいことは勿論である。
本発明に係るICソケットの一例においては、可動片作動部材としてのスライダがプリント配線基板PBの表面に対し略平行に移動することにより、一対の可動片部のうちの一方を移動させるように構成されているが、斯かる例に限られることなく、例えば、可動片作動部材がプリント配線基板PBの表面に対し略垂直方向に移動することにより、一対の可動片部の双方を互いに離隔または近接するように構成されるものであってもよい。