本発明は、そのいくつかの実施形態において、肥満手術の分野に関し、より詳細には、胃スリーブの管腔内形成に関する。
・概説
本発明のいくつかの実施形態の広範な一態様は、胃スリーブの管腔内形成によって、任意選択で高速および/もしくは高信頼性で患者の体重および関連する健康問題を管理するための装置および方法に関する。
場合により、胃スリーブの管腔内形成によって幅広い可用性を達成する方法については、迅速かつ高信頼性であるものとする。いくつか提案されている高速形成のための自動化および半自動化ソリューションでは、胃スリーブの「ブラインド」形成を想定しており、推定既知位置への吸込みによって組織が形成されるため、これを通して、所定の経路に沿った固定装置の駆動が可能である。生体構造の変化、不正確な最初の位置決め(確認が困難な場合)、および/または手術中の移動(最初の位置決めが正しくても)といった背景においては、このような手法の潜在的な欠点が生じる。これらの欠点の一部または全部は、本発明のいくつかの実施形態を用いることにより、回避または軽減可能である。
(糸式の)縫合との関連付けが多い微細な操作では、管腔内胃スリーブを作成する必要がある閉じた空間を考えて、遅さおよび/または技術的困難さの可能性が示唆される。通常の胃スリーブの直径は、たとえば公称直径がおよそ12.5mmであり、最大およそ20mmである。このような縫合の必要性を一部取り除くために、胃スリーブの形成には、外科的縫合に代わる取り付け手段が提案されており、外科用ステープル、螺旋状ワイヤ、クリップ、および取り付けカップを具備する。
1つの選択肢は、有顎(「無結節」)縫合である(耐破損性の信頼が高くなる)。有顎縫合は潜在的に、結節の必要性が除去または抑制されていることから、従来の縫合よりも迅速に配置される。有顎縫合は、その長さ方向に沿って、応力をより一様に分散させることから、組織の局所的な引裂の発生が抑えられる可能性がある。また、有顎縫合は、閉じた外科的状況において、より簡単に配置される。場合により、施術者は、たとえば内視鏡(通常、ビデオスコープ型内視鏡)の使用によって、作業エリアを明確に視認可能であることが望ましい。
別の縫合ソリューションは、内視鏡搭載縫合機の形態に存する。ただし、内視鏡自体は、たとえばその再位置決めを可能とするため、直径が1cmよりも大きくなる可能性があり、縫合機のサイズが大きくなる。
本発明の例示的な一実施形態においては、任意選択で縫合および縫合状取り付け技術の使用に十分な空間の提供と整合するスリーブ形成のガイドのための制御可能、明確な、および/または確認可能な条件を生成する管腔内スリーブ胃形成のための方法および/または装置が提供されるが、いくつかの実施形態は、縫合を使用しないことに留意されたい。任意選択で、制御、規定、および確認という要素のうちの1つまたは複数は、ステープル、ピン、クリップ、螺旋状インサート、組織接着剤、および/または他の機器等の他の取り付け形態と併用されることを理解されたい。本明細書に記載するような縫合と具体的に関連する特徴を除いて、縫合に関する言及は、例示であって、これらには限定されず、他の組織接続形態に関する言及も同様に含むことを理解されたい。
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、胃スリーブのテンプレートを形成するように構成されたブジーへの制御された、任意選択で可変の胃壁貫入を可能にするおよび/または補助する適応性開窓およびその使用方法の提供に関する。
いくつかの実施形態において、胃腔への経口挿入に適したサイズおよび柔軟性のブジー(たとえば、一般的に円筒状の中空体を備えた医療機器の形態)は、本明細書に記載の通り、たとえばサイズ、形状、および/または動的特性を含む他の特性に基づいて、胃スリーブを形成するテンプレートとしての使用に適応されている。ブジーのテンプレート化は、胃切除術によるスリーブ形成を含めて、様々な形態の胃縮小に用いられる。本発明のいくつかの実施形態には、この通常の胃縮小要素に新たな機能を追加するブジーの改良を含む。
いくつかの実施形態において、ブジーには、(たとえば、胃の外側から)真空が適用され、その周りで胃壁が壊れる1つまたは複数の開口が設けられている。任意選択で、ブジーが円筒状である場合、少なくともブジーの円周の大部分では、一般的に円筒状の潰れとなる。任意選択で、ブジーは、GI系の他の部分および/または胃の他の開口を介して真空が「逃げる」ことのないように、胃の一部または全部を封止する1つまたは複数の要素を具備する。
いくつかの実施形態において、壁への管腔内アクセスは、本明細書において開窓と関連する特殊な開口部によってもたらされる。
いくつかの実施形態において、開窓は、胃スリーブの形成中に形状(たとえば、断面形状、接続性および/またはサイズおよび/または2つ以上の開窓間の幾何学的関係)を設定して、少なくとも2つの状態を選択することができる。いくつかの実施形態において、開窓の壁位置決め状態では、「胃スリーブのテンプレート化」と整合する位置に胃壁組織を保持するが、その遠位の組織の操作および/または可視化との物質的な干渉は防止される。いくつかの実施形態において、縫合提示状態であれば、縫合のプロファイルを示す距離まで、組織がブジーに貫入可能である。いくつかの実施形態において、縫合提示状態では、縫合または他の取り付けによって、ブジーが胃の組織と一体的に結び付くが、第3および/または別の状態(縫合解放状態)に入ると、この接続が解除され、ブジーが胃との接続から解除される。いくつかの実施形態において、ブロッカの位置は、2つ以上の状態で同じである(たとえば、位置決め状態および縫合提示状態は同じである)。いくつかの実施形態において、状態の遷移および/または状態自体の設定は、徐々に選択可能である。たとえば、開窓サイズは、固定/位置決め状態から徐々に調整可能であり、所望の組織貫通深さを選択することにより、縫合提示状態で組織を提示して縫合することができる。いくつかの実施形態において、組織除外状態では、スリーブ形成手術の選択段階まで、階層のレベルでの胃壁組織のブジーへの貫入を完全に防止する。本発明の例示的な一実施形態において、提示して縫合するための開窓形状(たとえば、円周方向および/または軸方向)は、2*(ML+GM)と2*(ML+GM+SL)との間であり、MLは粘膜層の厚さ、GMは胃筋層の厚さ、SLは漿膜層の厚さである。この形状は、たとえばカラーが開窓を囲む場合、異なっていてもよく、最大20%大きくてもよいし、小さくてもよい(または、それ以上)。
いくつかの実施形態において、状態間の遷移は、開窓の一部の選択的ブロックおよびブロック解除を行うブロッカ装置の移動により実現される。いくつかの実施形態において、ブロッカ装置は、代替または追加として、開窓を2つ以上の部分に分割してサイズを効果的に縮小するが、これもブロックの一形態として機能する。いくつかの実施形態においては、開窓が大小いずれかになるサイズ遷移と、2つ以上の分離開窓の統合または単一の開窓開口部の分割が行われる「トポロジ」遷移という2つの状態遷移モードが存在する。いくつかの実施形態においては、これらのモードの一方のみが用いられる。いくつかの実施形態において、遷移には、複合的な移動および遷移を伴う。たとえば、短スリットの開口全体で2つの窓を統合して、スリットに縫合を通過させて解放した後、窓を再分割してブジー管腔から組織を除外する。
いくつかの実施形態において、ブロッカ装置は、たとえばブジーの本体に取り付けて挿入可能であり、また、ブジーの本体に対する移動に適したストリップ、チューブ、ヘリックス、および/または他の部品を備える。任意選択で、ブロッカは、そのような相対運動が可能な1つ、2つ、3つ、またはそれ以上である。ブロッカは、たとえばブジーに沿った軸方向並進ならびに/またはブジー内もしくはブジー周りの回転移動等の横方向移動の一形態によって移動する。
いくつかの実施形態において、ブロッカ装置は最初、縫合の準備として、互いに近い胃壁の部分を掴んで位置決めするのに適した真空ポートへと(たとえば、軸方向に分散した一列の)開窓のアレイを変換するように位置決めされる。いくつかの実施形態において、真空ポート・モードの各ポートは、組織のブジー管腔への貫入を防止するが、これは、依然として真空接続を形成しつつ、より遠い部分の可視化に必要な程度である。
いくつかの実施形態において、ブロッカ装置は、再位置決めによって、開窓(たとえば、同時に一対の分割開窓)を縫合提示モードに変換することができる。縫合提示モードにおいては、選択された組織深さ範囲内で縫合針等の取り付け装置を確実に挿入できる組織の深さが提示されるように、たとえば真空圧下で、開窓による組織の進入が可能である。
いくつかの実施形態においては、縫合提示モードおよび真空ポート・モードが開窓対に対して同じであり、ブロックされた開窓の寸法は、(後ほどではなく)ブロッカが適所にある間、組織の取り込みを正確に測定して縫合するようにサイズ規定および成形されている。これは、ブジーのすべての開窓を対象とすることができる。あるいは、ブロッカの除去に際して、組織を提示して縫合するための適正なサイズ規定等、一部の開窓を異なるサイズ規定とすることも可能である。この追加または代替として、縫合提示および真空ポート・モードは、一部の開窓/使用シナリオ(たとえば、胃壁組織が比較的薄い患者および/または箇所)に対して同じであり、それ以外(たとえば、胃壁組織が比較的厚い患者および/または箇所)については個別に選択可能である。
本発明のいくつかの実施形態において、ブロッカの除去には、縫合解放モードに入ることを含む。任意選択で、ブロッカ自体の周りの胃壁の2カ所が縫合によって連結されるように、縫合中、ブロッカは適所に配置する。たとえば、ブロッカと連結するブジーの別の部分との間に縫合を配置して、一時的に、胃とブジーとを一体的にロックする。いくつかの実施形態においては、縫合領域を通る摺動によるブロッカの除去によって、縫合された胃からブジーが解放される。
なお、いくつかの実施形態においては、たとえばブロッカの部分的な後退によって、異なる開窓が一度に異なる状態となり得る。
いくつかの実施形態において、開窓は、平行な対ではない。たとえば、交互対ならびに/または一部のみが重なる対もしくは軸方向に重ならない対であってもよい。いくつかの実施形態において、開窓は線に沿って配置されるが、この線は、湾曲している場合および/または単一面にない場合がある。これにより、非円筒状のスリーブを作成できる場合がある。任意選択または代替として、ブジー自体は、任意選択で2つ以上の方向に湾曲している場合および/またはその軸が単一面にない場合がある。
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、正しい貫通深さを奨励する開窓形状に関する。いくつかの実施形態において、選択提示深さは、(たとえば、薄い穴付きシリンダの形状等の様々なブジーおよび/またはブジー・インサートの使用および/または選択中の設計および/または操作によって)胃壁の比較的頑丈な筋層(通常、粘膜層および粘膜下層の1〜3mm以上下側に埋まっている)へのアクセスを保証するとともに、針(または、他の縫合ツール)が筋層および/または漿膜層を通って貫通し、胃壁に穿孔を生じることのないように補助する範囲内で高信頼性となるように構成されている。筋層自体は通常、厚さが1〜3mmしかないため、組織の許可される貫入度は潜在的に、確実に成功するための重要なパラメータであることを理解されたい。
いくつかの実施形態において、適正な位置決めには、ブジーの軸に沿った作動レベルに応じて、開窓のサイズ、ブジー壁の直径、ブジー壁の厚さ、および/またはブロッカのサイズのうちの1つまたは複数の選択を含む。通常、胃壁の生体構造は、この寸法に沿って可変であり、噴門の近くで厚さが最大となることが多く、幽門に近づくほど薄くなる。本発明のいくつかの実施形態においては、確実な縫合によって、引裂(浅過ぎる縫合)および/または穿孔(深過ぎる縫合)のリスクを抑えられるように、テンプレート寸法がこの生体構造の関数として変動する。いくつかの実施形態においては、ブジーからの組織除外により、貫通が深くなり過ぎないようにして提示が制御される。いくつかの実施形態においては、たとえば組織の作動領域においてブジー上に見られるランドマークおよび/またはスケーリング指標に従って、組織深さを判定可能とすることにより提示が制御される。いくつかの実施形態においては、針等の取り付け装置の位置決めにチャネルおよび/または制限を加えることによって、提示が制御される。たとえば、規定位置、角度、および/または深さで開窓を通過するように針等の固定装置が挿入される開窓壁の部分となるようにチャネルが切断される。この追加または代替としては、針の通過のため、針穴または管腔(任意選択で、糸の解放を可能とすべく周方向に分割)が設けられている。いくつかの実施形態においては、ガイド・チャネルがブジーに沿って連続している場合および/または開窓レベル間で連続している場合がある(たとえば、ブジーの長さの一部に沿ってレベル間を通過するスパイラル状トラック)。任意選択で、このようなトラックは、開窓全体で分割されているが、一方側から他方側への交差に際して再び容易に見つけられるように自己整列している。いくつかの実施形態においては、このようなトラックに沿って、針等の固定部材の先端を連続して駆動可能となるように対策がなされている。任意選択で、トラックに沿った駆動は、各開窓における組織の位置決めを縫合前に確認可能となるように、内視鏡による可視化の下で行われる。
いくつかの実施形態において、開窓の全幅は、たとえば6〜8mm、8〜10mm、9〜13mm、11〜15mm、14〜17mm、これら以上、または中間幅である。いくつかの実施形態においては、たとえば幅が1〜2mm、2〜4mm、3〜5mm、これら以上、または中間幅の連結開口部を通して開窓が軸方向に相互連結される。任意選択で、開窓は、このような連結開口部間に生じる拡大によって規定される。いくつかの実施形態において、開窓は、軸方向に分離している。いくつかの実施形態においては、たとえば4〜10mm、9〜13mm、11〜15mm、14〜17mm、これら以上、または中間長だけ開窓が軸方向に分離している。いくつかの実施形態において、開窓の軸方向長さは、たとえば、およそ4〜9mm、8〜10mm、9〜13mm、11〜15mm、14〜17mm、これら以上、または中間軸方向長さである。いくつかの実施形態において、横方向の(最も分離した)開窓境界は、たとえば、およそ20°−30°、25°−40°、30°−45°、40°−60°、50°−80°、75°−90°、これら以上、以下、および/または中間角だけ分離している。
本発明のいくつかの実施形態において、開窓間の周期を制約する可能性がある検討事項は、縫合の間隔である。非食物充填胃袋が後で確保される胃スリーブにおいて、縫合は、十分に近づけて胃の内容物が通過しないようにして、スリーブが異なる区画を構成するようにする必要がある。これには、一般的におよそ2cmの間隔で十分であるが、いくつかの実施形態においては、たとえば1〜1.3cm、1.3〜1.5cm、1.5〜2.5cm、2.3〜3.0cm、1.0〜2.5cm、これら以上、以下、または中間縫合間隔等、別の間隔も用いられる。いくつかの実施形態においては、胃の上側または下側領域が縫合されずに残され、これにより、たとえば隔離領域が実質的に食物のない状態に保たれていても、隔離胃袋の分泌物が下部消化管に入り続けることおよび/または胃から出ていくことになる。下部開口の潜在的な利点として、胃袋への望ましくない食物の進入の防止および/または胃蠕動の補助が可能である。任意選択または代替としては、重力および/または蠕動によって、このような胃袋から食物が出ていくことも可能である。開口を設けることにより、必要に応じて、動作を逆転させることが可能であってもよい。
いくつかの実施形態において、たとえば上掲のような寸法の名目上単一開口部の開窓は、胃スリーブ形成のある部分の期間中、ブロッカ装置(たとえば、開窓の中心を通るストリップを備えたブロッカ)によって2つの開口部に分割される。いくつかの実施形態において、ブロッカは、たとえば1mm幅または潜在的にこれ以下の幅等、安定した分割器を備えるのに過不足ない幅である。潜在的に、このような微細な分割器は、主として、接近する2つの胃壁のうちの一方のみによる単一開窓の充填に対抗するように機能する。いくつかの実施形態において、ブロッカは広く、たとえば2mm、3mm、4mm、5mm、これら以上、以下、または中間幅である。幅広なブロッカは、たとえば胃スリーブ形成術の一部の期間中、ブジーへの組織の深い貫入を防止するように機能する。いくつかの実施形態において、ブロッカの幅は、たとえば最大2mm、3mm、4mm、これら以上、以下、または中間変動範囲の幅差を通じて、ブジーの軸に沿って変動する。幅が可変であることの潜在的な利点として、異なる厚さへの調整および/またはブジーの軸方向範囲に沿った胃壁の畳み込みが可能である。いくつかの実施形態において、ブロッカは、遮る開窓の総幅の少なくとも20%にわたって延びている。いくつかの実施形態においては、たとえば交差する開窓の幅の少なくとも30%、40%、50%、75%、90%、これら以上、以下、または中間割合にわたって延びている。いくつかの実施形態において、ブロッカは、交差する開窓を完全にブロックする。いくつかの実施形態において、ブロッカは、2つの開窓を分離する円弧の角度を規定する。たとえば、開窓の内側(ブロッカの両側)は、およそ0°−10°、5°−20°、10°−25°、20、−30°、これら以上、以下、および/または中間角の角度(たとえばブジー管腔の中央から測定して)だけ分離している。
ブジーの開窓を通した縫合の潜在的な問題としては、縫合線に合わせたブジーへの「縫い込み」または別の接続手段によるロックといったトポロジ問題の管理がある。いくつかの実施形態において、ブロッカ装置は、縫合前(第1の場合の問題を防止)または(たとえば、最初に関与した縫合から軸方向にブロッカ装置を摺動させて)縫合後に開窓から除去可能である。縫合後に除去する手法の潜在的な利点として、ブロッカ装置は、真空圧を意図的または偶発的に解放すべき場合であっても、適所に残留しつつ、縫合線の安定化を支援する。潜在的には、縫合の開始前に、縫合の位置決めおよび/または提示を同時に決定および設定可能である。
いくつかの実施形態においては、たとえば本明細書に記載の通り、手術の一部においてブロッカにより開窓が完全にブロックされる開窓モードがもたらされる。これには、たとえば縫合対象の組織の部分が高真空下で費やす時間を減らせるという潜在的な利点がある。別の潜在的な利点として、胃壁を最初の開始点から徐々に「ジップアップ」することにより、位置決めを手術中に適応させることができる。場合によっては、縫合の開始前に2つの対向壁の全範囲を同時に捕捉するという最初の要件に従うよりも、胃壁を容易に捕捉する方法となる可能性がある。潜在的には、2つの種類の手術の選定が手術の開始時に行われることおよび/または両者間の妥協となる可能性があり、たとえば、最初に各壁の一部を捕捉した後、安定した基部が確立されたら、残りを「ジップアップ」する。
本発明のいくつかの実施形態の潜在的な利点としては、様々な患者、選好、および/または様々な施術者の経験レベルといった胃の可変条件に対して、この装置および/または方法を適応させることができる。また、管腔内スリーブ胃形成の技術は、時間とともに進化し続けることが想定され、装置を使用することは、スリーブ形成方法の具体的な要件に従って適応可能であることが潜在的な利点である。
いくつかの実施形態において、胃および/またはブジーの位置決めは、ブジー本体への挿入およびブジー本体からの延伸を行うように構成された1つまたは複数の位置決め補助具の使用によって支援される。いくつかの実施形態において、位置決め補助具は、ブジーのチャネルを通して挿入され、胃の内側でその予備形成形状に戻って押圧することにより、真空の適用による胃スリーブ・チャネルの適正な形成および/またはブジー端部の胃内での横方向の適正な位置決めが行われる予備形成ニチノール(または、他の超弾性または形状記憶材料の)ストリップを備える。
いくつかの実施形態において、ブジーには、膨張時に胃管腔を真空封止区画に変換する可膨張バルーンが一方端または両端に設けられている。いくつかの実施形態においては、吸引によって腸から気体または液体が戻ることのないように、1つのバルーンが幽門またはその隣接領域に挿入される。いくつかの実施形態においては、吸引によって気体が食道を流れ落ちることのないように、バルーンが食道領域および/または噴門に挿入される。いくつかの実施形態において、胃壁組織の固定および/または適当な測定量の胃壁組織のブジー開窓への引き込みのために適用される(ゲージ圧)真空量は、および0.1〜0.2bar、およそ0.2〜0.4bar、およそ0.3〜0.5bar、およそ0.4〜0.6bar、同等、これら以上、以下の圧力範囲、および/または中間範囲である。いくつかの実施形態においては、封止が適用されると、およそ±0.05barの範囲内で圧力が安定する。いくつかの実施形態においては、およそ±0.01bar、±0.03bar、±0.08bar、±0.1bar、これら以上の範囲、または中間範囲で圧力が安定する。
胃管腔を真空封止することの潜在的な利点として、組織がブジーに引き付けられる程度を変化させる傾向にある圧力損失が回避される。別の潜在的利点であり、特に厳重な封止を提供する理由として、胃スリーブを固定する作業中に、気泡のブジーへの引き付けが回避される。気泡は潜在的に、たとえば泡の生成によって可視化を妨げる。たった1つの気泡の表面であっても、ブジー内部の良質な可視化を妨げる可能性となり得る。
いくつかの実施形態において、遠位バルーン・インサートの位置決めは、2段階の手順で実行され、まず、内視鏡を用いて幽門近くの挿入部位までの距離を測定した後、ブジーを同じ距離まで挿入するようにする(口からの距離が幽門と同じである遠位バルーンがアクセス可能な唯一の領域が幽門だからである)。いくつかの実施形態においては、内視鏡によりバルーンの位置を視覚的に確認できる窓が設けられている。たとえば、食道および/または噴門での位置決めのため、バルーン・インサートの長手方向近くに窓が設けられている。任意選択で、内視鏡を用いて窓のレベルで外側の組織を観察することにより、バルーン・シールの適正な位置決めを支援する。
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、管腔内胃形成術中の不用意な組織貫通を検出する方法に関する。
いくつかの実施形態において、幽門領域封止および食道/噴門領域封止の両者が設けられたブジーは、(たとえば、真空源および/もしくはブジーに至るラインおよび制御装置に結合された圧力センサならびに/または警報システムを用いて)施術者に警報を発する音声もしくは視覚アラーム等のわずかな漏洩(および/または、圧力/流れの急変)でも検出可能な程度までブジー内の真空圧を安定させる。任意選択で、手術中に真空圧がモニタリングされ、圧力の変化が漏洩の可能性として施術者に警報される。いくつかの実施形態においては、フィードバックによって圧力が維持されるとともに、真空維持装置の流れの変化が検出されて警報が発せられる。
この方法の潜在的な利点としては、是正措置を講じ得るように、漏洩状態を胃形成術中に即時的および/または意図的に検出可能である。特に、縫合移動が生じるたびにこのような情報を利用可能にするという潜在的な利点がある。これにより、問題を迅速に特定して是正処置を講じられる可能性が高くなり得る。いくつかの実施形態において、圧力変化の検出は、およそ±0.001bar、±0.005bar、±0.01bar、±0.05bar、これら以上の範囲、または中間範囲内の漏洩の影響を受けやすい。
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、胃スリーブの取り付け線を規定する取り付け点の線形アレイの提供に関する。
いくつかの実施形態においては、柔軟なリンク・チェーンが提供され、リンク・チェーンに沿って取り付け手段(たとえば、フック)が設けられている。いくつかの実施形態において、(一対または二対の)チェーンは、計画している胃スリーブの2つの壁間の有望な取り付け線の両側に沿って取り付けられる。いくつかの実施形態において、2つの胃壁面は、線形アレイ装置が提供するフックまたはバーブに胃壁の一部を固定することによって取り付けられる。いくつかの実施形態において、提供される取り付け点の線形アレイには、規定の縫合孔またはフック、ヘリックス、クリップ、および/もしくはステープル等の取り付け装置を受容する別の表面を含む。
いくつかの実施形態において、線形アレイの2つの部分は、胃スリーブを閉じる取り付け線に沿って自己取り付けされるように構成されている。たとえば、この装置は、スリーブに沿った相補取り付け機構を備えており、スリーブの対向壁上で各リンクを対応するリンクに取り付け可能である。いくつかの実施形態においては、取り付けられた装置の2つの端部を一緒に引っ張ることによって取り付け部が形成され、これは、インターロックによって自動的に形成される。この装置は、自己ロックされることが潜在的な利点である。なぜなら、これにより、食物消化のプロセスとは別に、胃スリーブの外側で終わるように装置を位置決め可能なためである。
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、自然な状態では「閉塞」されているものの、胃の両壁が適所に配置されるまでは開放状態に保たれる自己取り付けクリップまたはステープルの提供に関する。任意選択で、クリップは、ニチノールまたは別の形状記憶材料で形成されている。いくつかの実施形態においては、一列のクリップが設けられ、クリップ・ホルダ装置によって開放位置に保持されている。任意選択で、クリップ・ホルダの開口部に真空が適用されており、これによって、組織がクリップ端部の近くに引き付けられる傾向にある。任意選択で、クリップ端部は、先鋭化および/または有顎化によって、引き付ける組織への取り付けが促進される。いくつかの実施形態において、クリップは、各胃壁に取り付けられると、それぞれの自然な位置まで屈曲して壁を固定可能となる。自己固定クリップの潜在的な利点として、最終的な閉塞の力を外部で負う必要がなく、胃スリーブ形成の窮屈な状態に適している。
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、螺旋状経路周りの所定経路において針を駆動するように構成された縫合装置の提供に関しており、経路が間隔を置いて部分的に遮断されることで、胃壁組織の隙間を埋めている。いくつかの実施形態において、胃壁組織の隙間を埋めることは、たとえば螺旋状経路の開口部を介した真空の適用によって促進される。
いくつかの実施形態において、針は、その1つまたは複数の突起を押圧して螺旋状経路周りに駆動するラチェット機構により、長さ方向に沿った相互作用によって駆動される。いくつかの実施形態において、針の長さは、それが横断する螺旋状経路の長さと比較して短い。たとえば、針の長さは、螺旋状経路の2周、1周、半周、1/3周、1/4周、これら以上、以下、または中間長に従うようにサイズ規定されている。いくつかの実施形態において、針は、その一部が組織から抜け出るまで、進入する組織の進入側の背後から駆動され続け得るように、長さ方向に沿った複数の領域で相互作用によって駆動される。出口側では、針の抜け出る部分との駆動機構の相互作用によって、針が引き取られて前進するため、組織の前方から前進する一方、針の後部は、組織を通過し続ける。いくつかの実施形態において、針は、その螺旋状経路に沿って引き付けられる縫合線に取り付けられている。いくつかの実施形態において、縫合装置の一部は、縫合線内から引き出されるが、この縫合線の締め付けによって、胃スリーブの最終縫合線が形成される。
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、沿った線の各側に開窓のアレイを有するとともに、離れるように延びて開窓側への胃の潰れの管理に役立つ取り外し可能な要素を具備するブジーに関する。いくつかの実施形態において、取り外し可能な要素は、任意選択で本明細書に記載のような可動ブロッカに搭載され、任意選択で開窓近くの胃組織を線の一方側または別の側にガイドするように構成された1つまたは複数のバッフルを備える。任意選択または代替として、可動要素は、ブジーから離れるように湾曲して延び、胃の遠位部と係合してブジーから遠くに押しやる細長要素を備える。
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、有窓の胃スリーブ・ブジーの横断配向縁部に対する解放可能な開窓フレーム縁部に関する。
いくつかの実施形態において、ブジーの壁の一部の開窓への分割には、遠位および/または近位開窓フレーム縁部を構成する取り外し可能な分割器の使用を含む。これらのフレーム縁部は、ブジーの長手方向範囲に沿った開窓の相互分割および/または吸引の適用時のブジーへの組織の貫入の制御を行う。いくつかの実施形態において、取り外し可能な分割器は、たとえばブジーの長手軸に沿って延びた別の配向で設けられている。
いくつかの実施形態において、取り外し可能な分割器は、横切って延びる縫合から解放可能となるように解放される。すなわち、胃壁組織を出てから戻るステッチは、ブジーの組織位置決め開口部の水平範囲にわたって最初に延びる分割器の下、ブジーの本体内で交差可能である。このような分割器は、組織位置決め開口部を横断して(および/または、斜めに)ブジーの長手軸まで延びる。このため、任意選択で、分割器は、ブジー内から貫入組織まで縫うことができるが、その後、分割器の解放機構を用いて解放される。潜在的には、これによって、使用する縫合パターンの制限がほとんどない状態または全くない状態で、胃スリーブを構成する縫合により、ブジーに対する組織の制御および安定化を支援可能である。
いくつかの実施形態において、分割器は、コードを備えており、このコードは、たとえばワイヤ、縫合糸、リボン、または別の可撓性かつ長手方向に延びた構成である。いくつかの実施形態において、コードは、たとえば屈曲半径が1〜2mm以下の可撓性である。任意選択で、コードは、ブジー上に設けられた固定領域上および/または固定領域を通る糸状である。任意選択で、コード糸のトポロジにより、引っ張りおよび/または回転抽出によって、コードをそのブロック位置から(任意選択で、ブジー自体から)引き出すことができる。任意選択で、ブジーからのブロッカ・コードの取り外しには、取り付け部(たとえば、胃スリーブのテンプレートを構成するブジーの領域の長手方向範囲の両側の取り付け部)からブロッカ・コードを解放する(たとえば、コード、アンカー、または制御部材を引き寄せる)アンカー要素への力の印加を含む。
より詳細に、いくつかの実施形態においては、アンカー間で横断してジグザグに進むとともにブジーに沿って長手方向に進む単一パスにおいて、ブロッカ・コードが糸状である。任意選択で、解放には、他端がアンカーを通過するまで一端を引き寄せることによって、コードを抽出することを含む。この追加または代替として、いくつかの実施形態においては、ブロッカ・コードが第1のアンカー領域から出て戻るループ状であり、ループの屈曲部が第2のアンカー領域において固定されている。第2のアンカー領域におけるループの解放によって、ブロッカが解放させる可能性がある。この追加または代替として、解放されたコードは、引き寄せてループを小さくすることができる。いくつかの実施形態においては、この構成についても、両アンカーを過ぎてコードの遠位端を引っ張ることによる引っ張り解放されやすい。
任意選択で、解放可能な開窓フレーム縁部は、別の身体管腔(たとえば、結腸または血管)の外科的修復および/または修正に用いられるように構成された管状構造に合わせて設けられるとともに、サイズが適当に修正されている。
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、胃スリーブのブジー内から胃壁組織を通って針を並進させるように構成された把持装置に関する。
いくつかの実施形態において、縫合に用いられる針は、螺旋状の形態である。これには、針、ブジー、および針を並進させる把持装置の形状およびサイズを整合させるという潜在的な利点がある。
いくつかの実施形態において、ブジーの内側の把持装置の移動は、把持装置が結合される挿入ツールによってガイドされる。任意選択で、挿入ツールは、ブジーの直径に合わせてサイズ規定されており、ブジーに挿入可能である。任意選択で、把持装置は、針の半径方向位置に整合する挿入ツールの遠位端の半径方向位置に位置決めされている。たとえば、把持装置は、その長手方向の並進により、ブジーの管腔壁に嵌合された螺旋状針の一部に対して持ち上がるように、挿入ツールの外径に対して位置決めされている。任意選択で、挿入ツールの透明および/または開放開口部に内視鏡を挿入して(および/または、挿入ツールを内視鏡の一部および/または延長部として)、把持装置の動作を観察することができる。
いくつかの実施形態において、把持装置は、針を把持すると、挿入ツールの回転によって針を前進させる。いくつかの実施形態において、把持装置は、挿入ツールに対して、回転および/または長手方向の並進が可能である。
いくつかの実施形態においては、形状適合把持装置が用いられ、その形状によって、針の一部との一体化および/または針の一部の押圧を行うことにより、回転して針を前進させることができる。
いくつかの実施形態においては、摩擦および/または挟持把持装置が用いられ、これは、開放および閉塞によって針を解放および把持する開口を間に備えた2つの顎部を備える。任意選択で、針が螺旋状であり、把持装置が回転して縫合する。任意選択で、針の螺旋状形態により、形成する胃スリーブに沿って、針の前進に回転が加えられる。いくつかの実施形態において、把持装置は、挿入のための挿入ツールおよび/または内視鏡の作動チャネルを介して制御される。いくつかの実施形態においては、内視鏡の回転を伴わずに把持装置の回転が任意選択で用いられることにより、針が移動する。いくつかの実施形態において、把持装置および内視鏡は、一体的に回転する。
本発明のいくつかの実施形態において、把持ヘッドは、挿入ツールおよび/または内視鏡の作動チャネルを通過するようにサイズ規定されたシャフト内に潰れて収容される可撓性部材を備える。任意選択で、把持ヘッドは、ブジーの内側に来ると、針を押圧可能となる(たとえば、針の押圧による針の切り欠きもしくは突起の受容ならびに/または針の断面の把持が可能となる)ように展開する。針が湾曲状(たとえば、螺旋状)であり、ブジーの内径に合わせてサイズ規定されている場合は、把持ヘッドについても、ブジーに対する作動チャネルの何らかの配向(挿入ツールおよび/または内視鏡の作動チャネルが偏心している場合)および/または任意の配向(作動チャネルが中心の場合)にて、把持装置シャフトからブジーの内径まで延びるようにサイズ規定されている。任意選択で、把持ヘッドは、実質的に内視鏡の軸方向中心に拡がって、遠方の壁に到達する。把持ヘッドは、可撓性であることから、任意選択で、針と一緒に回転した場合に形状を適応させ、ブジー壁との会合時に回転によって圧縮した後、回転が停止する。
いくつかの実施形態において、潰れた把持ヘッドは、長手方向に延びた可撓性材料(ニチノール等)を含んでおり、把持ヘッドの受容部がヘッドに沿って形成され、受容部の近位および遠位に支持部材が位置付けられている。展開時、いくつかの実施形態において、展開した把持ヘッドは、受容部がシャフトの半径方向外側となって、支持部材により一方端に取り付けられた構成を採る。
いくつかの実施形態において、針は、たとえば把持装置が当該針と安定的に相互作用して当該針を前進させ得る複数の切り欠き、突起、および/または粗面化エリアを設けることによって、把持装置との併用のために修正される。
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、スリーブ形成部に対して柔軟に結合された遠位固定部および/または封止部が設けられた胃スリーブ・ブジーに関する。
いくつかの実施形態においては、遠位バルーン・アンカーの使用により、胃スリーブのテンプレート化のために真空が適用された場合の気体の漏洩に対して、胃の幽門部を封止する。
いくつかの実施形態において、遠位バルーン・アンカーは、(たとえば、カテーテル上の)ブジーの本体とは別個に取り付けられ、幽門領域に挿入されたガイドワイヤ上の摺動によってその位置を見出す。任意選択で、膨張カテーテルは、ブジーから延伸する。たとえば、ブジーの主管腔および/または専用のカテーテル・チャネルを通過する。本発明のいくつかの実施形態において、カテーテルは、アンカーの膨張に用いられる。任意選択で、カテーテルは、適所に留まって、強固な固定なく、ブジー自体の遠位端を拘束する。これにより、アンカーからある程度独立してブジーを移動可能であり、任意選択で提供される固定および/または真空封止の途絶なく位置決めを調整可能となる潜在的な利点がもたらされる。
いくつかの実施形態において、ブジーの本体は、真空下で胃スリーブを形成するための強固な近位部および遠位アンカーを位置決めするための柔軟な遠位部という二重の構成である。いくつかの実施形態において、柔軟な遠位部は、ブジー壁の薄化および/またはより柔軟な材質のブジー壁の製造によって設けられている。任意選択で、ブジー本体は、遠位部の何らかの薄片化によって薄くなり、柔軟性が向上する。任意選択で、ブジー本体は、十分に薄化され、カテーテルの直径に近似する。
カテーテルがガイドするバルーン・アンカーと一体構成のブジー本体が搭載されたバルーン・アンカーとの違いとして、カテーテルがガイドするバルーン・アンカーは、その固定に対して、ブジーの胃スリーブ形成部の運動柔軟性がより高い。ただし、カテーテルおよびブジーを別個に管理するよりも、(遠位柔軟性が十分な)単一の構成を適所にガイドする方が潜在的に容易である。
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳しく説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明および/または図面に示す構成の詳細ならびに構成要素および/もしくは方法の構成に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態または様々な実装もしくは実行が可能である。
可変開窓を備えたブジー
ここで図1Aおよび図1Bを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、胃袋18が部分的に隔離された胃スリーブ16のブジー・テンプレート外科的形成を模式的に示している。また、図1Cも参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、可変開窓108A、108Bを備えた例示的なブジー100を模式的に示している。
いくつかの実施形態において、開窓108A、108Bは、選択的な可変によって、胃スリーブ16の作成時に様々な機能を実行可能である。機能としては、たとえば胃壁組織20の固定および/もしくは解放ならびに/またはブジー内の縫合ツールに対する胃壁組織の露出の制御による胃スリーブの作成が挙げられる。いくつかの実施形態において、開窓108A、108Bには、胃スリーブ形成の特定の段階および/または位置の要件に応じて、(特に、ブジーへの真空の適用下において)ブジー内で選定厚さの胃壁組織を露出するように選択された幅、高さ、厚さ、および/もしくは間隔ならびに/または選択可能な幅、高さ、厚さ、および/もしくは間隔を有する開窓を含む。いくつかの実施形態において、開窓の寸法は、たとえばブロッカ102等の間隔構造の移動によって変更可能である。いくつかの実施形態において、開窓のトポロジ/連結性は、ブロッカ102等の枠組構造の移動によって変更可能である。いくつかの実施形態において、異なる開窓は、異なるサイズ規定、間隔、および/または調整が可能である。これにより、たとえばブジー100の長さ(長手軸)に沿った胃壁の厚さ等の生体構造的特徴の変動への適応という潜在的な利点がもたらされる。
本発明のいくつかの実施形態においては、食道への挿入に合わせたサイズ(たとえば、直径11〜20mm)のブジー100が胃10に挿入される。いくつかの実施形態において、ブジーは、その本体120を通じて、食道14の基部の噴門から幽門12の領域まで延びた胃10の湾曲生体構造に従う曲線を前提としている。また、真空の適用によって、胃スリーブ16を形成する胃壁の部分内のブジー100を包み込む。任意選択で、包み込みによって、壁が接近線11で一体化する。いくつかの実施形態においては、接近線11に沿った取り付けによって、たとえば縫合により胃スリーブが構成される。いくつかの実施形態において、ブジー100は、挿入のための十分な可撓性を与え得るポリマーで構成されている。いくつかの実施形態において、ポリマーは、透明であり、位置決めおよび/または縫合時の可視化という潜在的な利点をもたらす。構成の例示的な材料としては、たとえばポリエチレン、環状オレフィン共重合体、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリウレタン、フッ素化エチレンプロピレン、ポリエチレン、および/またはテレフタレートが挙げられる。いくつかの実施形態において、ブジー本体の可撓性は、およそ50〜60ショアA、およそ55〜65ショアA、およそ50〜80ショアA、これらと同等、以上、以下、および/または中間範囲の可撓性範囲である。いくつかの実施形態において、本体の異なる部分は、異なる可撓性を有する。たとえば、短い領域は、ブジーの経口通過を可能とするより柔軟な領域によって分離されている場合、より強固となり得る。いくつかの実施形態において、ブジーは、たとえば(真空圧下での潰れ耐性の向上という潜在的な利点をもたらす)金属領域ならびに(柔軟性をもたらす)プラスチックおよび/もしくはゴム領域という2つ以上の材料のリンクを備える。本発明のいくつかの実施形態において、ブジーは、押し出しポリマー材料を含む。
いくつかの実施形態において、ブジー100は、胃10の内側曲線から遠いブジー本体120の側面に沿って分散した開窓108A、108Bを備える。開窓108A、108Bは、胃に挿入された場合、胃壁とブジーの作動管腔との間に連通路を備える。特に、開窓108A、108Bは、胃スリーブの形成時に1つまたは複数の機能を同時および/または異なるタイミングで与える。これらの機能は、最初に概要を説明する。他の詳細については、本明細書に提示の特定の実施形態に関連して説明する。
1.いくつかの実施形態において、開窓は、任意選択で、ブジーの管腔に印加された吸引を胃壁の一部の位置決めおよび/または固定に適用可能であるポートとして機能する。特に、いくつかの実施形態においては、ブジー本体120の外側曲線上に並んで位置付けられた2列の開窓108A、108Bが存在する。任意選択で、開窓は、たとえば縫合によるより永続的な取り付けに備えて胃10の2つの対向壁それぞれの一部が引き寄せられる接近線11を規定する。いくつかの実施形態においては、(たとえば、ブジー100の本体周りに位置付けられた)他の開窓も真空ポートとして機能する。いくつかの実施形態においては、真空が引かれた場合に、膨張して幽門12(バルーン106)および/または食道14(バルーン104)からの気体の進入を封止可能となる場所で、ブジー100の本体に沿ってバルーン106、104が位置付けられている。潜在的には、これによって漏洩が防止され、真空が安定する。潜在的には、これによって、真空によりブジー100の開窓108A、108Bに対して引っ張られる組織の位置決めの安定化が補助される。
2.開窓は、任意選択で、ブジーに対する胃壁の配置の観察および/または整列を可能にする観察ポートとして機能する。たとえば、2つの胃壁が互いに接近する場所に形成される折り目線が開窓を通して観察される。いくつかの実施形態においては、ブジー壁の少なくとも一部が透明であるため、可視化は開窓全体に限定されない。その場合も、開窓は、任意選択で、特に位置決め時の通例の目標が、一方の壁が左列の開窓に引き付けられ、他方が右列に引き付けられるように、接近線を規定する折り目の移動および/または確認によって2列の開窓108A、108B間となるようにすることである限り、整列ガイドとして機能する。
3.いくつかの実施形態において、開窓は、任意選択で、(たとえば、それぞれのサイズおよび/または形状に応じて)真空の適用時にブジーに吸い付けられる組織の管腔貫入を制限するように機能する。ただし、この制限が必要な場合に限る。いくつかの条件において、吸引により引っ張られて開窓と並置された胃壁は、開窓の(少なくとも1つの次元の)サイズが小さいことにより、ブジーの管腔への貫入(または、深い貫入)が防止される。これは、たとえば検査、操作、および/または縫合用にブジーの遠位端の部位へのブジーを通した鮮明な内視鏡アクセスが維持されるという潜在的な利点である。いくつかの実施形態において、貫入の制限は、たとえばブロッカ装置102の引き込みに際して手術中に反転可能である。
4.いくつかの実施形態において、開窓は、任意選択で、永続的な取り付け手段の適用に適した深さまで(たとえば、吸引下で)組織を収容するように機能する。いくつかの実施形態において、開窓は、たとえば内視鏡でガイドする縫合針によって胃の筋層22(図3B)を貫通するのに十分な組織ではあるものの、貫通によって胃壁を完全に通過するほどではない組織を収容するようにサイズ規定されている。なお、(健常かつ正常に膨張した)胃壁は通常、およそ1.5〜3mmの粘膜および粘膜下層24を含み、これが別の1〜3mm(または、患者、胃の位置、および/または膨張度に応じて、たとえば2〜4mm等の厚さ)の筋層22に重なっていることに留意するものとする。筋肉に入り込む永続的な縫合は具体的に、長期の取り付けの十分な強度および耐久性を与えるのが好ましい。ただし、実際の胃壁の貫通は、たとえば胃の分泌物の漏洩による悪影響のため、回避するのが好ましい。
5.いくつかの実施形態において、開窓は、任意選択で、針ならびに/または縫合糸(ならびに/または、他の取り付け手段および/もしくは取り付け部形成に関わる機器)がブジーの管腔から胃壁へと通過するポートとして機能する。いくつかの実施形態においては、ブジー管腔の全体で縫合が行われる。ただし、他の実施形態において、縫合には、ブジーの外側および/またはその壁が規定する厚さ内での針等の貫通部材および/または縫合機器の少なくとも一部あるいは全部の通過を伴う。
6.いくつかの実施形態において、開窓は、任意選択で、縫合自体への関与によって、胃壁組織を一時的に安定させるように機能する。たとえば、いくつかの実施形態においては、縫合糸が1つの開窓から引き出された後、別の開窓に(任意選択で、複数回)戻される。これにより、任意選択で、開窓(ブジー)を規定するフレームが一時的に胃壁自体と結び付けられる。いくつかの実施形態において、ブジーは、縫合糸を切断することなく、開窓のトポロジの変更によって上記関与から解放されるように構成されている。たとえば、ブジーから、ストリップ、ガイド、またはインサートを取り外しできるように構成されている。この追加または代替として、開窓を分離する枠組は、適当な操作によって縫合作業を通過させ得る間隙(永続的および/または開放可能)を備える。いくつかの実施形態においては、任意選択で粘膜層までの貫通を伴うブジーへの一時的な縫合を用いることにより、胃壁の安定化および/または位置決めを行って、より安定した主縫合を受け付ける。任意選択で、ブジー縫い込みの縫合による安定化は、手術の最後まで保たれる。任意選択で、安定化は、大きくなる縫合線の作動領域の周りに集中しており、作動領域が遠ざかるにつれて、縫合領域が固定から解放され得る。
7.開窓は、任意選択で、別の手段によって、胃壁組織を一時的に安定させるように機能する。いくつかの実施形態においては、たとえば、潜在的に真空圧がない場合および/または低下している場合であっても、開窓の形状変更によって、胃壁組織の把持および/または固定を補助可能である。いくつかの実施形態においては、たとえばピンおよび/またはクラプ等、開窓を通してブジーに貫入する組織に一時的固定装置が適用される。任意選択で、一時的固定装置自体は、開窓のフレームを通過できないようにサイズ規定および/または成形されることで、組織を適所に固定する。任意選択で、縫合線の作動領域の遠位または近位(または、両者)で固定が行われる。また、任意選択で、移動する作動領域(縫合を受容している領域)の近くで安定化が反復的に追加される。任意選択で、手術が終わる前に、作動領域から遠い安定化が除去および/または解放される。
本明細書では、一般的に、本発明のいくつかの実施形態に係る開窓を備えたブジーに関する説明においてブジー100に言及する。詳細が当てはまる限りにおいて、このような言及には、胃壁縫合用の開窓を備えたブジーの他の実施形態も含むことを理解されたい。(ブジー300、400、500、および/または同じく本明細書に記載の詳細異形のうちの1つまたは複数を含むブジーの実施形態を含むが、これらに限定されない)。
さらに、本明細書に記載の例は、胃スリーブ形成を具体的に参照して説明しているものの、これらの実施形態が他の管腔臓器との併用にも適用可能であり、必要に応じて(たとえば、サイズおよび/または位置決め手段が)変更されることを理解されたい。
胃スリーブの規定
ここで図1Dを参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、縫合の準備に際してブジーを位置決めするプロセスの模式的なフローチャートである。
いくつかの実施形態において、ブロック160では、食道14を介して、ブジー100または別のブジー等、たとえば本明細書の1つまたは複数の図面に関して説明するようなブジーを胃10に挿入する。いくつかの実施形態において、ブジーの直径は、32〜60Fr(およそ11〜20mm)または胃への食道挿入に適した別の直径である。
いくつかの実施形態において、ブロック162では、ブジー100をその最初の位置に戻す。たとえば、いくつかの実施形態においては、たとえば図1Aに示すように、必要に応じて、バルーン部104、106はバルーン膨張に適したところに配置され、および/またはブジー100の曲線は、胃10の内側曲線と整列される。
ここで図1Fおよび図1Gを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、バルーン104、106の収縮状態から膨張状態への変換を模式的に示している。また、図6A〜図6Cを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、胃の適所におけるバルーン104、106の収縮状態から膨張状態への変換を模式的に示している。
本発明のいくつかの実施形態において、ブジー100の遠位端121は、幽門12の領域に到達するように、胃に挿入される。任意選択で、ブジーは、バルーン106の膨張によって固定される。任意選択で、バルーン106は、その膨張時に耐真空シールが形成されるように、幽門12、十二指腸、および/または胃10の下部に位置付けられる。任意選択で、ブジーは、バルーン104の膨張によって近位固定される。任意選択で、バルーン104は、その膨張時に耐真空シールが形成されるように、食道14、噴門、および/または胃10の上部に位置付けられる。耐真空性は、たとえば、最大およそ0.1bar、0.2bar、0.3bar、0.4bar、0.5bar、0.6barの真空ゲージ圧、これら以上、以下、または中間真空圧である。
図1Fおよび図1G(真っ直ぐに延びた状態を示している)の相違ならびに対応する図6Aおよび図6C(胃10における湾曲ブジーの位置決めを示している)の相違も、バルーン104、106の膨張である。図1Fおよび図6Aにおいては、バルーン104、106が収縮している。図1Gおよび図6Bにおいては、バルーン104、106が膨張している。また、図6Aおよび図6Cは、胃スリーブ16が形成される領域と、食物の進入が大きく制限される胃袋18が形成される胃の外側曲線とを含む胃10の形体に対するブジーの位置を示している。図1Aおよび図1Bに示すように、2つの領域間の境界は、接近線11に沿って規定された仕切りに従う。図1Aおよび図1Bに示す胃袋の構成は、例示であり、本発明の実施形態を適用可能な胃収縮の形態を何ら制限するものではないことを理解されたい。たとえば、胃取り付けの最終的なパターン、位置、および/または長さは、手術の詳細に応じて、本発明のいくつかの実施形態の適用が異なれば潜在的に異なる。
このような管腔内胃形成の潜在的な利点としては、たとえば漏洩リスクの低減、手術の低侵襲化、および/または回復時間の短縮が挙げられる。潜在的には、大規模な切除の回避によって、胃/幽門のその他の機能部への血液供給の中断のリスクが低下する。任意選択または代替としては、電気的閉塞および/または不整脈が回避される。
この場合も、想定される手術の範囲の一例として、胃スリーブの最初の胃形成は、胃切除に至る一連の手術の第1段階として機能する。最初の胃形成は、食道と幽門との間の全域で実行され、たとえばスリーブから隔離胃袋への痕跡物質の移送を測定することにより、結果の開存性の追跡が実行される。たとえば、良好なシールが形成された旨の判定に際しては、胃切除の実行によって胃袋領域を除去することにより、手術を永続的なものとする。
いくつかの実施形態において、(たとえば、幽門近傍の)胃袋の開口は、胃袋からの流出の許可ならびに/または血流、電気、および/もしくは蠕動波の遮断の回避を行うように機能する。
図6Bは、胃10を除外した屈曲形態のブジー100を示しており、曲線130が胃スリーブ形成領域16の内側曲線近傍の胃の曲線に一致する。いくつかの実施形態において、ブジー100は、(非拘束の場合は)自然な状態で直線であり、挿入時に屈曲して曲線に一致する。いくつかの実施形態において、ブジー100は、(非拘束の場合は)自然な状態で湾曲しているものの、十分に直線となり、食道14を通過して胃10に進入可能である。胃内で、予備湾曲したブジー100は、再びその湾曲形状となって、潜在的に位置決めを支援する傾向にある。
いくつかの実施形態において、ブロック164では、ブジー100の本体120上の開窓108A、108Bの列に沿った状態または概ね沿った状態で縫い目線が形成されるよう、壁を近づけるようにブジーおよび/または胃壁を操作する。任意選択で、操作には、(たとえば、およそ0.5barゲージ、これ以上、または以下の)真空の適用を含む。任意選択で、真空適用時の潰れは、2つの壁が自然に壊れて開窓列の領域で会合するように、一様かつブジー周りで対称である。任意選択で、第1の壁が捕捉された後、第2の壁が捕捉される。任意選択で、壁が(一度に1つずつ、同時、または交互に)適所に引き込まれる際は、所望の構成に達する前に、真空が捕捉時にオン/オフされる。
本発明のいくつかの実施形態においては、ブジー周りの接近プロセスのガイドを補助するために真空ポートが位置決めされている。図21Aのブジー2100は、その円周に分散した真空ポートの一例を与えており、潜在的には、一方側から2つの壁部が会合する他方側まで、ブジーの周りで連続的に胃壁を引き付けるように機能する。ブジー100のいくつかの実施形態においては、このように円周方向に分散した真空ポートが設けられている。
いくつかの実施形態において、ブジー100の少なくとも一部の材料は、透明である。任意選択で、これにより、ブジー本体120を通して、胃壁20の周囲状態を可視化できる。潜在的には、これが位置決めのガイドに役立つ。
挿入(上述または別の順序の副作業)が完了すると、以下の1つまたは複数が実現されている。
ブジーを包む壁部によって、その後の胃スリーブの壁が規定されている。
開窓108A、108Bの列により規定された線に概ね沿って、対向するスリーブ壁が取り付けられる縫い目が規定され配置されている。
任意選択で、気体の進入に対して胃区分が封止され、安定した真空が可能となっている。
さらに、いくつかの実施形態においては、真空によって、胃壁組織がブジー100の開窓108A、108Bへと引っ張られて保持されるが、開窓のほとんどまたはすべてにおいて、ブロッカ102によりブジー100の管腔40への深い貫入が阻止される。
ここで図2A〜図2Cを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、真空下で位置決めされたブジー100の断面周りの胃壁組織であって、ブジーの管腔40への自由な進入がブロッカ102により阻まれた、胃壁組織の位置を模式的に示している。
いくつかの実施形態において、ブロッカ102は、ブジー100の有窓長さに沿って延びたストリップを備える。任意選択で、ストリップは、2列の開窓を分割して、それぞれに中央境界を規定する。ストリップは、たとえばその一部が通過するスロット109および/または空洞により、ブジーの長さに沿って補助される。
図2Aは、説明の明瞭化のため真っ直ぐに延びた構成のブジー100を示している。図2Bおよび図2Cは、それぞれ断面704および702を示している。断面704は、開いた開窓が存在しないブジー本体120のレベルにある。ブロッカ102は、このレベルでブジー100に存在することになりかねない領域111の任意の間隙を完全に覆う。したがって、ここで胃壁20が近づけられることはない。
断面704は、開いた開窓108Aおよび108Bが見つかるブジー本体120のレベルにある。2つの開窓は、ブロッカ102の介在位置により、このレベルで直接結合することはない。たとえば真空によって開窓を介した胃壁20の貫入20Aが生じるものの、突起の深さは、管腔40が実質的に開いたままとなるのに十分な浅さである。
図2Bにおいては、ブジー本体120の壁の間隙を架橋するものとしてブロッカ102を示している。いくつかの実施形態において、ブジー本体の壁は、同じ列の開窓間の領域と交差し続け、ブロッカ102は、これらの領域の壁内または壁中を通過する。
いくつかの実施形態において、同じブロッカ102または別のブロック構造は、開窓列の横方向境界に沿って延びる領域を含み、開窓幅を制限する。任意選択で、ブロッカ部は、ブジー100の長さに沿って測定した場合の開窓サイズを低減する部分を含む。開窓の各側のサイズを制限するブロック構成を含む一例において、摺動ブロッカは、開窓の周期に対応する間隔で水平ストリップにより交差連結された3つの長い垂直ストリップを備える。
図2Bおよび図2Cには、ブジー本体120の側壁に含まれる第2の管腔106Aも示している。いくつかの実施形態において、これは、バルーン106に通じる膨張流体管路を含む。
ここで図5を参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、可膨張ブジー固定バルーン104、106およびそれぞれの膨張管腔104A、106Aの構成を模式的に示している。
いくつかの実施形態において、バルーン104、106の膨張状態は、それぞれの膨張流体管路104A、106Aを通る膨張流体(空気もしくはCO2等の気体または生理食塩水等の液体)の移動によって管理される。任意選択で、1つの管路が両バルーンに対応する。いくつかの実施形態において、バルーン104、106は、たとえばリング105の周りでブジー100の本体120に取り付けられた可撓性(任意選択で、弾性)膜を備える。
胃スリーブの縫合
ここで図1Eを参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、ブジー100を用いて胃壁を一体的に縫合するプロセスの模式的なフローチャートである。
本発明の実施形態によって、縫合手術の複数の変形例が可能になるものと想定している。場合によっては、1つの実施形態の種々利用によって、複数の変形例を実行可能である。任意選択で、変形例が1つの手術に属する。場合によっては、本発明の異なる実施形態によって変形例が実行される。可変実行動作については、必要に応じて点線迂回路および角丸ブロックを用いて図1Eに示している。また、必要に応じて、実際の外科的手術においては、他の順序の動作、反転、および反復が実行されることを理解されたい。
いくつかの実施形態において、縫合は、外科的縫合糸および針を用いて、内視鏡ガイド下で行われる。任意選択で、使用する縫合は、有顎または「無結節」縫合である。いくつかの実施形態においては、自動または半自動縫合装置を用いて縫合が行われる。
いくつかの実施形態においては、ブジー100の挿入および位置決めの後、ブロック170で、副次的な安定化を任意選択で行う。いくつかの実施形態において、(特に、たとえば、患者の生体構造の不規則性等によって、バルーン104、106の一方または両方を封止固定するのが困難であることが分かった場合は)別の安定化方法で真空安定化が直ちに補われる。任意選択で、たとえば、この段階でより安定な筋層が外科的にアクセス可能となるか否かに関わらず、ブジー100の本体120に沿った1つまたは複数の箇所で、2つの胃壁部間を有顎縫合が通過する。
ここで図4Cを参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、針ホルダ35の制御下での針33による胃壁組織の表面領域24Aへの貫入を模式的に示している。いくつかの実施形態において、針および/または針ホルダの動きは、視覚的にモニタリングされ、たとえば内視鏡またはX線でモニタリングされている。任意選択で、ブジーには、その両端および/または封止バルーン(存在する場合)において、たとえば開窓の近くに1つまたは複数のX線不透過性マーカが設けられている。
いくつかの実施形態においては、この比較的不安定な縫合形態を用いて、真空の偶発的な変動または位置調整時の変動に対する(任意選択で、一時的な)安定性をもたらす。潜在的に、このような縫合は、比較的高速かつ実行が容易である。たとえば、その理由として、ブジー本体120の管腔40には、比較的自由な操作室(組織の充填が少ない)が存在するため、貫通する組織24Aがより深い筋層22Aに比較して頑丈ではないことおよび/または必要な貫通深さが比較的浅いことが挙げられる。任意選択で、安定化縫合によって、最終的に固定されることになる縫合点の一部のみが取り付けられる。この安定化は、縫合ブロッカ102から組織に至ることに留意するものとする。後でブロッカを適所から摺動可能であることから、これが永続的な状況になることはない。
この代替または追加として、副次的な安定化には、ブジー管腔への短い組織貫入によって水平方向または垂直方向に駆動される1つまたは複数のピンを含む。たとえば、一方または両方の列の組織貫入を垂直下方にピンが駆動される。この追加または代替としては、水平方向に配置された刺針によって、組織の貫入が安定化される。手術のスピードのため、このような刺針をユニットとして動作させるのが潜在的な利点である。たとえば、任意選択で、一列の円弧状針を(シャフトまたは部分的チューブ等の)共通駆動機構に搭載し、ブジーの内周で駆動させて、側方から組織貫入に刺し込む。任意選択で、副次的な安定化は、たとえば一度に1つの貫入について、垂直ピンを除去すること、または、一度に1つの針について、水平刺針を除去することにより、個々に制御可能であって、特に、必要に応じて個々に除去可能である。副次的な安定化手段の他の例としては、螺旋状インサート(胃壁にねじ込まれるコルクスクリュー)および/またはクランプが挙げられる。
たとえば、ブジーの別の部分における真空の低減および/または壁位置の再調整が必要であることが分かった場合は、如何なる種類の副次的な安定化手段も任意選択で適用される。ただし、一般的には、真空下のブジーの開窓列内の胃壁の良好な初期位置決めが容易に実現可能であり、バルーンによりもたらされる真空の安定性によって、副次的な安定性の再調整または依拠の必要なく縫合を完了可能であることが発明者らによって確認されている。
いくつかの実施形態において、ブロック171では、ブロッカ102をその以前のブロック位置から近位方向に(任意選択で)部分的に引っ張る。任意選択で、ブロッカ102は、一対の開窓108A、108Bを統合して1つの統合開窓110を構成するのに十分なだけ引っ張られる。任意選択で、ブロッカ102の移動によって開窓が開かれ、別の胃壁組織が収容されることになりかねない。たとえば、ブロッカの移動により、開窓の側方、上部、および/または底部からの開窓サイズの制約が取り除かれる。この追加または代替として、ブロッカは、開窓108A、108Bが(たとえば、真空圧の力の下で)別の組織を収容しつつ分離されたままとなるように、より薄い中央部(ブジー壁の部分または別の可動ブロッカ)をマスクする。
ここで図1Hおよび図1Iを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、ブロッカ102が部分的に引き出されてその対を成す開窓列の一部を統合したブジー100を模式的に示している。図1Iは、途中の部分を省略して、図1Hと同じ詳細の一部を拡大して示している。また、図1Iは、図1Hと異なる部分的非ブロック開窓108Cとの相対的な位置にあるブロッカ102の末端102Bを示している。
いくつかの実施形態において、ブロッカ102のブロック部102Aは、ブジー100の近位端122を介して少なくとも部分的に近くで引き出されるまで、開窓108A、108Bの列を分離する。ブロッカ102の遠位ブロッカ端102Bは、完全に分離したままの最も遠い点を示している。いくつかの実施形態においては、ブロッカ102の引き出しにより、一度に一対ずつ、開窓列が統合されて統合開窓110が形成される。また、いくつかの実施形態においては、引き出しによって、ブジー本体120の長さに沿って隣接する開窓を接続する間隙を含む領域111が露出される。あるいは、領域111には、ブロッカ102が交差するものの、その引き出し時には開かないブジー本体120を横切る架橋部を含む。
いくつかの実施形態において、(非ブロック)開窓および/または両者間の幅(円周方向)、高さ(長さ方向)、および間隔は、およそ1cmである。このような距離によって、縫合ピッチはおよそ2cmとなるため、胃スリーブを横切って半隔離胃袋に至る実質的な漏洩の防止と組織を通る過剰な縫合パスによる手術の長さおよび/または困難さの増大の回避との合理的なバランスがもたらされる。場合によっては、たとえば0.8〜2cm(たとえば、およそ1cmまたは1.2cm)の異なるステッチ・ピッチが与えられる。
本発明の例示的な一実施形態においては、各開窓が1つのピッチを受け付ける。いくつかの実施形態においては、少なくとも一部の開窓に2つ以上のステッチが設けられていてもよい。いくつかの実施形態においては、たとえば漏洩の防止および/または組織接着の促進のため、ステッチが詰まっている。任意選択で、たとえばブロッカ102を介した溶出または注入によって、胃壁間に組織接着材料が設けられている。任意選択または代替としては、メッシュ等の接着促進要素が胃壁間に埋め込まれており、たとえば最初からブロッカ102に搭載されてブロッカ102よりも縫合でしっかりと保持されているため、そこから分離可能である。
本発明の例示的な一実施形態において、胃の外層の貫通がない場合は、たとえばスリーブに進入する食物の10%〜40%(以上)の胃袋への漏れが許容されるようになっていてもよい。他の実施形態においては、少なくともステッチ間での漏洩が、たとえば10%、5%、または1%未満であり、ステッチのピッチが一体的に十分な近さおよび/または緊密さであるのが望ましい。
ブロック時、ブロッカ102の幅がおよそ3mmで、開窓の幅は、たとえばおよそ3mmまで小さくなる。これらは、2〜5mmの通常の胃壁厚さ(単一厚さ)と関連付けられる。一部の健常な患者においては、最大およそ7mmの胃壁厚さが報告されている。たとえば、新生物を有する胃および/または十分な膨張が実現されていない胃においては、さらに大きな胃壁厚さが生じ得る。いくつかの実施形態においては、最大4つの壁厚(部分的に重なった2つの壁)がブジーに引き付けられて相互に取り付けられる。また、これらの測定ごとに異なる寸法および/または異なる開窓間の寸法等、食道を介した胃へのチューブ挿入の外科的条件に適合する他の寸法も可能であることを理解されたい。また、たとえば図10A〜図10Hに関連して、種々の実施形態の開窓の寸法を以下に説明する。
ここで図3Aを参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、貫入制限開窓を備えたブジー100に対する胃壁組織の真空陥入を模式的に示している。また、図3Bを参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、真空適用の継続中にブロッカ102を除去した際のブジー100に対する胃壁組織20のさらなる陥入を模式的に示している。順番に考えて、図3Aおよび図3Bは、一対の開窓108A、108Bからのブロッカ102の引き出し時のブジー管腔40の断面内の組織位置への影響を示している。
図3Aにおいては、縫合の開始のため、たとえばブジーの適正な位置決め後に胃壁20の2つの対向部29A、29Bが位置決めされた場合に、ブジー100の本体120周りに引き付けられた状態を示している。ブジーへの真空適用によって、より表面の胃壁層24の部分26がブジー管腔40に引き込まれる。表面層24には、たとえば粘膜層および/または粘膜下層の一部を含む。開窓108A、108Bの少なくとも1つの寸法が比較的狭いため、引き付けられる組織の量が比較的少なく、管腔40は相対的に開いたままである。
ただし、ブロッカ102の引き出しによって、より広い統合開窓110が形成される(図3B)。その後、部分26は、ブジー本体120の管腔40内へとさらに陥入可能である。この結果、胃壁20のより深い層22が管腔側からよりアクセス可能となる。任意選択で、この深い層には、たとえば胃壁の筋層を含む。いくつかの実施形態において、筋層は、縫合支持においてより頑丈であることから、縫合の好ましい対象である。開窓108A、108Bを広げる別の変更であっても、別の組織を収容して縫合可能であることが了解され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、開窓の拡幅には、図3Bの平面の上側および/または下側の横方向配置ブロッカおよび/またはブロックの除去を含む。同様に、開窓108A、108Bを統合して単一の開窓110にすることは、本発明のいくつかの実施形態の特徴ではあるものの、すべての実施形態の特徴ではない。開窓の統合によって、ブジー自体のフレームを適所に縫合することなく、対向壁を一体的に縫合できるという潜在的な利点が与えられる。別の潜在的な利点としては、単純に、縫合の動作と干渉し得る位置からブロッカ102が取り除かれる。
この場合も、いくつかの実施形態においては、たとえばブロック176に関して説明する通り、縫合のこの段階でブロッカ102を適所に残して、後の段階でこれを除去する(ブジーを解放する)ことができる。
いくつかの実施形態において、ブロック172では、ブジーの位置および/または安定性を任意選択で調整する。いくつかの実施形態においては、(たとえば、ブロック164における)縫合の開始前に、胃壁が十分に位置決めされ、縫合手術全体で真空が十分に維持される。潜在的に、この構成は、十分に安定しているため、これ以上の位置調整は不要である。いくつかの実施形態において、最初の構成には、最終的な接近線の一部のみを掴んで位置決めすることを含むため、ブロッカ102の移動によって、固定に利用可能な組織が変化する。いくつかの実施形態においては、たとえば真空の反復的な上昇および低下、ブジーの引き込み動作(ウィギング)、または別の方法によって、真空に新たに露出された壁の領域が適所に調整される。
いくつかの実施形態において、ブロック173では、ブジー100に沿った次の組織貫入部位の縫合を実行する。
ここで図4Aおよび図4Bを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、別の縫合状況を模式的に示している。また、図4Dおよび図4Eを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、ブジー100内からの縫合の切断側面視を模式的に示している。さらに、図4Fおよび図4Gを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、ブジー100内のより遠い組織貫入の縫合に対する近位組織貫入の干渉の可能性を模式的に示している。また、図4Hを参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、ブロッカが適所にあるブジーのレベルでの縫合を模式的に示している。
本発明のいくつかの実施形態においては、ブジーの遠位部から始まって、部位ごとにより近位で作動する部位を縫合するのが潜在的な利点である。ブロッカ102の近位指向除去によって、遠い部位が最初に深く陥入する一方、より近い部位は、管腔40への貫入が制限され続ける。手術の最初から、すべての部位が管腔40に深く陥入しているなら、ブジーの遠位端に達することはより困難となる可能性がある。図4Bにおいて、いくつかの実施形態においては、除去したブロッカの部位への縫合の状況が模式的に示されている。針ホルダ35は、元の大きさに戻ろうとする組織で大部分が充填された管腔40の部分において、胃壁の深い(筋肉)層22Aに針32を通すものとして示されている。この構成における縫合の利点は、筋層22Aの比較的高い露出である。潜在的に、開窓自体の断面における空間の制限の不都合は、面外角度からの縫合によって克服される。
ただし、いくつかの実施形態においては、縫合時にブロッカ102が実質的に適所に残る。任意選択で、その代わりに、たとえば手術の最後の縫合後に除去される。図4Aは、この別の形態の手術の縫合を示している。この場合、筋組織の露出は、潜在的に低い。図示のように、針は、対象とする筋層22Aに達するため、管腔40の実質的に外側を通る必要がある。潜在的には、これによって、いくらか大きな半径および/または長尺の針31を用いる必要があり、縫合に利用可能な運動範囲に別の形態の空間的制約が生じる可能性がある。また、針31は、面外位置31Aにて示されており、このような空間的制約を克服できる可能性がある。
図4Hは、縫合の配置後までブロッカ102が適所に残り、ブジー本体120の管腔40内で縫合が行われる別の縫合状況を示している。いくつかの実施形態において、ブロッカ102および開窓108A、108Bは、吸引の適用によって、対象組織窓22Aの一部が管腔40に収容されるようにサイズ規定されている。いくつかの実施形態においては、これによって、たとえば縫合領域が解放されるまでのブジーの長手軸に沿った近位摺動により、針ホルダ35が針32を対象層に通して、ブジーのブロッカ102が除去されるまで、ブジー本体120への効果的な縫い込みを行う。
いくつかの実施形態において、縫合後解放を可能にする別の形態のブロッカには、開窓に並んで位置付けられ、たとえば開窓周期に対応する間隔で「L」字状突起が取り付けられた長手方向本体を有するブロッカを含む。ブロッカの「L」字の水平バーが開窓間で突き出る一方、「L」字の直立バーは、開窓間で長手方向に突き出る(一方の長手方向であり、両方の場合は、形状が横向きの「T」となる)。任意選択で、各突起間に十分な間隙が設けられることで、間隙が通過する場合に、縫合および/または縫合組織の解放が可能となる。いくつかの実施形態において、解放には、(「L」の向きに応じて)ブロッカの近位または遠位移動を含み、解放が生じる十分な割合の開窓間空間が得られる。これにより、縫い込み開窓の同時解放が可能となり得る。潜在的には、これによって、ブジーの長さ方向に沿った組織の貫通深さの同時調整が可能となる。間隙が開窓領域と交差する場合、開窓に沿った組織により実現された最も深い貫通が大きくなる傾向にあるためである。
本発明のいくつかの実施形態において、LまたはT突出ブロッカは、ブジーの軸周りに回転可能である。任意選択で、この運動は、胃壁の捕捉時に用いられる。任意選択で、ブロッカの最初の回転により、一組の開窓のうちの1つの上を垂直突出バーが適所へと移動して、1つの壁への接近時に捕捉されたすべての組織が開窓列の単一側に落ちる。第1の壁の十分な捕捉により、バーが中央へと回転して捕捉壁を押し出し、第2の壁が探索および捕捉される。
図4Dおよび図4Eは、貫入胃壁組織層24A、22Aに挿入された針34を直交角度から見た図である。
本発明のいくつかの実施形態において、縫合は、自動または半自動ステッチ装置(たとえば、内視鏡の端部に搭載された装置)による。このような装置および/または装置が搭載された内視鏡先端は通常、1cm以上の直径の円筒を占める。潜在的には、これがブジー管腔40の大部分を占め、操作の空間はほとんど残っていない。さらに、いくつかの縫合装置においては、遠位突出部およびより近位の部分が存在しており、両者間に縫合対象の組織を位置決めする必要がある。このような実施形態においては、ブロッカを引き出す前に縫合装置を適所に移動させて、遠位突出部とより近位の部分との間を組織が埋められるようにすることで縫合が生じ得るようにするのが潜在的な利点である。図10Cは、このような状況において潜在的に有用な一実施形態を示しており、(2つの壁に対応する)2列の開窓1002A、1002Bがブジーの長さ方向に沿って交互に配置されている(距離1009だけ相互にオフセットしている)。このようなオフセットにより、ブロッカ102の引き出しによって交互に開放可能となるため、このような突起ごとに、一度に1つの組織突起ずつ、縫合装置を適所に移動可能である。
図4Fおよび図4Gにおいては、組織層22A、24Aを含む組織突起に針34を挿入しようとして比較的薄い針ホルダ35が示されている。
図4Fのより遠位の突起20Bは、管腔40を十分に満たして、針34および/または針ホルダ35の可視化および/または位置決めを妨げている。ただし、図4Gのより遠位の突起20Cは、ブロッカ102による制約を受けたままであるため、針34および/または針ホルダ35の可視化および/または位置決めがより自由になっている。
ここで図12Eを参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、ホルダ35に保持された針32による縫合が内視鏡41による観察下で実行される有窓ブジー100の模式斜視図である。
図12Eは、胃スリーブを縫合する動作時のブジー100内の制約の例示的な場合を示している。開窓108A、108Bがブロッカ102により分離された状態でブジーの本体120に包まれた組織20の断面が示されている。針ホルダ35および内視鏡41は、ブジー100に平行に挿入され、別個の動作によって、視覚的観察下での縫合を可能としている。
いくつかの実施形態においては、別個の針ホルダ35が省略され、(自動縫合または固定装置等の)取り付け支援装置が内視鏡41の端部に取り付けられて、対向する胃壁部間の取り付け部の形成に用いられる。
ここで図12Fを参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、針32の位置決めを支援するスロット領域43を有するブジー本体120の模式断面図である。
本発明のいくつかの実施形態において、ブジー本体120の管腔40は、1つまたは複数の部分リング42を備え、各リング42は、(たとえば、長手方向からの)針ホルダ35の内部の通過および(たとえば、ブジーの周囲の)針ホルダ35に沿った通過に合わせてサイズ規定されたスロット領域43を含む。任意選択で、管腔40の中心領域が開放されて、たとえば観察装置を通過させることができる。任意選択で、スロット領域43は、針32が組織20の目標レベルへと進入するように、針ホルダ35の移動のガイドを強制する。
ここで図1Eに戻り、いくつかの実施形態において、ブロック174では、最後の部位が縫合されたか否かの判定を行う。縫合されていない場合は、いくつかの実施形態において、フローがブロック171で継続する。あるいは、フローがブロック172に戻って副次的な安定性の調整を行うか、または直接、次の部位の縫合を行う。
あるいは、任意選択で、ブロック176では、以前の縫合で引き出されていない場合にブロッカ102を引き出す。いくつかの実施形態においては、これによって、手術中に適所に残されたブロッカの周りに生じた縫い込みからブジー100が解放される。いくつかの実施形態において、ブロック178ではブジーを引き出すが、たとえば、真空の解放、縫合および/もしくは壁による残留貫入からの解放に必要なブジーの任意の操作、ならびに/または固定バルーン104、106の収縮等が含まれる。
いくつかの実施形態において、ブロック180では、胃スリーブの完結を実行する。これには、たとえば縫合の最終的な締め付け、結果の結果、および/または必要に応じた追加縫合を含む(スリーブ自体は実質的に形成済みである)。追加縫合は、たとえば縫合間で目に付く可能性がある(食物が通過する可能性がある)過剰なサイズの間隙の低減および/またはスリーブ部の延長による胃の端部(幽門の端部または食道)近くへの到達のために任意選択で行われる。これで、図1Eのフローチャートの説明を終了する。
ブロッカおよび開窓の特徴およびパラメータ
ここで図7A〜図7Dを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、位置決め/縫合開窓108A、108B、110の全体的および部分的ブロックの両者を可能とするように成形されたブロッカ・スライダ302で構成されたブジー300を模式的に示している。また、図7Eおよび図7Fを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、ブジー300の斜視および詳細斜視を模式的に示している。図7Fは、図7Eのブジー300の領域140の詳細図である。
いくつかの実施形態において、ブジー300は、ブジー本体320の一部を通って延びたブロッカ302を備えており、ブロッカ302は、1つまたは複数の開窓308全体をブロックするように位置決め可能である。
いくつかの実施形態において、ブロッカ302は、その長さの一部302Aがブジー300の円周の十分な外側円弧にわたって横方向に延びることにより、開窓108A、108Bの全幅をブロックする。任意選択で、ブロッカ302は、この長さの一部を通って、ブジー300の内部または周囲に適合する完全なチューブを備える。いくつかの実施形態において、ブロッカ302が完全なチューブでない場合は、幅広ブロッカ302を保持する十分な幅のスロット109Aが設けられている。
いくつかの実施形態において、ブロッカ302は、薄い部分302Cを含んでおり、十分に狭いため、ブジー300の長さ方向に沿って開窓108A、108Bのレベルで(たとえば、ブロッカ302の近位引き出しにより)部分302が位置決めされた場合に、開窓が部分的に開放される。いくつかの実施形態において、部分的に開放されると、縫合動作と干渉する深い貫入なく、胃壁組織20の開窓108A、108Bへの吸引による安定化が可能となる。いくつかの実施形態において、開窓対108A、108Bを過ぎてブロッカ302の遠位端302Bをさらに引き出すと、開窓が統合されて単一の開窓110となる。
いくつかの実施形態において、開窓露出の変化は、遠位−近位軸に沿ったブロッカ(102、302、または別のブロッカ)の動きによって制御される。この追加または代替として、ブロッカの回転によっても、開窓の露出が変化する。たとえば、チューブ状ブロッカは任意選択で、少なくとも1つの斜めに配向した(螺旋状)側面を有する開放領域を含む。そして、開窓開口の程度および/または位置は、ブロッカの回転位置によって少なくとも部分的に制御可能である。
ここで図7G〜図7Jを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、ブロック領域のサイズおよび/または位置が螺旋運動によって制御されるブロッカ352を備えたブジー350を模式的に示している。
いくつかの実施形態において、ブロッカ352は、螺旋状スリット358を有する少なくとも1つのブロッカ部355を備える。スリット358のピッチおよび幅に応じて、ブロッカ部355が(たとえば、方向357に)回転すると、ブジー350の開窓351に対向する領域がブジーの長さ方向に沿って移動する。このように、ブジー開窓351は、移動により、開口362のサイズおよび位置に応じて、完全開放開窓365または部分開放開窓367となり得る。任意選択で、開口360を有する第2のブロッカ部356が用いられ、これは任意選択で、開口358と異なるピッチおよび/または幅を有する。いくつかの実施形態においては、ピッチが反対方向に延びるため、両者間に空孔362が規定され、この制御により、矢印357、359の方向またはその反対の回転に応じて、ブジー350の長さ方向に沿った移動が可能となる。この追加または代替として、ブジー開窓351に対する開口362の露出は、ブロッカ部355、356の相対運動が異なれば、大きくなったり小さくなったりする。
開窓開口を制御するこの方法の潜在的な利点として、作動領域の現在位置に応じて、選択されたブジー開窓351の内側および外側での胃壁組織20の緩徐な移動が可能である。任意選択で、2つのブロッカ部355、356は、相互および/または開窓自体の壁に対して作用することにより、胃壁組織20を適所に挟持する。この追加または代替として、ブロッカ部355、356は、ブジーの外側の「レバー」組織に合わせて回転可能である。任意選択で、ブジー開窓の開口の横方向サイズを設定する能力の利用により、組織壁の状態に合わせた動的な調整を行う。たとえば、より厚い粘膜/粘膜下層の下に筋層が埋め込まれた大型の開窓および/または壁を完全に貫通する危険性がより高い薄型の開窓を開放する。
図示の螺旋状スロットは、完全な螺旋状縁部を有する必要がないことを理解されたい。任意選択で、壁は、たとえば開窓の形状とのより良い整合のため、刻み目を含む。この追加または代替として、いくつかの実施形態では、スロット358、360を横切るようにブロッカ材料の水平突起を追加することにより、決してブロックされない領域が規定される。
さらに、(ブロッカ102等の)「スライダ」構成のブロッカは、任意選択で、1つまたは複数の回転スロット・ブロッカと一体的に用いられることが了解され得る。いくつかの実施形態においては、たとえば垂直方向にスロットが形成されたブロッカが設けられており、任意選択で、回転により、2つの胃壁の一方の貫通深さを他方に対して別様に制御する。
一般的に、ブロッカは、入れ子状および/または隣接した組として、多かれ少なかれチューブ状またはストリップ状として設けられ、各ブロック部のスロットおよび/または幅が同じ「マスク」または異なる「マスク」の形状に合わせて設定されているため、ブジーへの胃壁組織貫通の位置特定、深さ、および程度に対する所要の種類および/または特異性の制御が得られることを理解されたい。潜在的には、大きな制御を与えることによって、患者に対する縫合深さおよび胃壁厚のような状態の領域固有の変動を調整する施術者の大きな能力が可能となる。一方、いくつかの実施形態においては、唯一のブロッカ等、より単純なブロック構成の選定によって、最大の操作室、動作効率、再現性、または別の因子が得られる。
ここで図8Aおよび図8Bを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、組織貫通深さが壁厚変動領域によって調整される開窓を備えたブジー400を模式的に示している。図8Bは、ブジー400の領域440の断面を示している。また、図9Aおよび図9Bを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、組織貫通深さが壁厚変動領域によって調整される開窓を備えたブジー500を模式的に示している。図9Bは、ブジー500の領域540の断面を示している。
いくつかの実施形態において、ブジーの開窓を規定する材料の寸法は、組織貫通の深さを選択するように構成されている。図8Aにおいては、長さ方向に沿って隆起した領域442を有するブジー400が示されている。隆起領域は、縫合に露出される胃壁20の厚さが薄くなるように、開窓の周りで壁厚443が増大する傾向にある。特に、真空固定に関与するパワーが維持されつつ、縫合開窓間の領域における組織貫入の深さは浅くなる。壁の隆起部442は、開窓444に隣接する壁部に対して、たとえば1mm、2mm、3mm、これら以上、以下、または中間厚さだけ追加となっている。いくつかの実施形態においては、厚さを増した壁により、たとえば当該点において、より大型および/または堅牢なスロット446を壁に切り込み可能とすることにより、ブロッカ402に対する大きな補助を提供可能である。これは、たとえばおよそ0.5barゲージの真空圧に耐える必要があるブジーにとって、潜在的な利点である。
図9Aおよび図9Bにおいて、隆起部542は、ブジーの周囲をより長い距離にわたって延びており、考え得る別の形状が示されている。別の選択肢としては、たとえば胃壁の薄い部分での貫通を抑えて、針による偶発的な貫通に対処できるように、ブジーに沿った様々な位置で隆起部の高さを変更する。また、図9Bは、ブジーへの組織貫通の相対的な深さを再び示している。比較的厚いリング542(たとえば、壁縁部544および/またはリングの中間に近い肉厚領域によって厚さが規定されている)によって、潜在的には、中間部546を比較的薄く構築可能であり、また、真空圧に十分耐え得る。これにより、潜在的には、粘膜/粘膜下層24および内面26の対応する深い貫通を要することなく、縫合エリアのレベルでのより大きな操作室および/または筋層22のより大きな露出が可能となる。
いくつかの実施形態においては、突起542の最大スタンドオフ点から内方に傾斜した組織が、開窓508の長さ全体での最良の貫通を可能とする角度へとガイドされるように、スロープ543が調整される。
ここで図10A〜図10Mを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、機能への様々な影響を有する開窓および支持壁の様々な寸法および形状を模式的に示している。
一般的に、2列を含むものとして関連する開窓108A、108Bは、ブロッカ102により分離された一列の開窓110とも考えられる。図10Aでは、全体が1000と表記された別の開窓に対して2つの半開窓1000A、1000Bを表記することにより、これを示している。開窓1000は、任意選択で、より薄い領域1000Cにより連結されており、極限では、領域1000Cが薄いために消失して、開窓が完全に分離されている。これらの関係に影響する寸法としては、
開窓の全幅1003(たとえば8〜10mm、9〜13mm、11〜15mm、14〜17mm、これら以上、または中間幅)と、
連結領域の幅1004(たとえば0mm、1〜2mm、2〜4mm、3〜5mm、これら以上、または中間幅)と、
連結領域の長さ1006(たとえば8〜10mm、9〜13mm、11〜15mm、14〜17mm、これら以上、または中間幅)と、
開窓の長さ1005(たとえば8〜10mm、9〜13mm、11〜15mm、14〜17mm、これら以上、または中間幅)と、
が挙げられる。
開窓間の周期を制限する可能性のある検討事項は、縫合の間隔である。非充填胃袋が後で確保される胃スリーブにおいて、縫合は、十分に近づけて胃の内容物が通過しないようにして、スリーブが異なる区画を構成するようにする必要がある。これには、一般的におよそ2cmの間隔で十分であるが、いくつかの実施形態においては、たとえば1〜1.3cm、1.3〜1.5cm、1.5〜2.5cm、2.3〜3.0cm、これら以上、以下、または中間縫合間隔等、別の間隔も用いられる。選定された距離によって、距離1005および1006の合計が決まる。
上述の通り、開窓開口の最大サイズに影響を及ぼす最大の検討事項は、縫合針が通過する組織の厚さである。ブジー管腔には、少なくとも3〜5mmの組織が収容されることにより、ブジーの内壁の境界を越えて筋層が通過可能となるのが好ましい。壁自体は、厚さが2〜3mm以上であってもよく、ブジーの外径を越えて収容される必要がある厚さが増大する。この場合も、これとあまり変わらない組織が収容されることにより、縫合が胃壁から完全に外れて胃の漏洩を生じ得る危険性が回避されるものとする。
2つの二重胃壁は、通常の厚さが12〜20mmの範囲である(少なくとも鋭く折り返されている場合)。少なくとも上記幅の十分に長い開窓であれば、ブジーの他方側までの組織を収容できる可能性がある。これでは一般的に、胃壁の外面がブジー内となる可能性があるため、組織が多過ぎる。ブジーの外径自体は、食道を通過するように、およそ20mmに制限されている(11〜20mmが通常の範囲である)。この場合も、壁厚1013が2mmである最大開放の20mmのブジーは、壁の二重厚さを完全に収容し得る範囲の縁部にちょうど落ちることになる。いくつかの実施形態においては、開窓の長さ1005が所望の貫通範囲を超えない十分な短さ(たとえば、8〜10mm、9〜12mm、11〜14mm、これら以上、または以下の高さ)であるのが好ましい。いくつかの実施形態においては、開窓が追加または代替として狭隘化されることにより、ブジーの曲線が各側の開窓の収容開口部を距離1012だけ小さくすることができる。
十分な組織がブジーに収容される限り、鋭い角度で組織がブジーに収容されて、緩徐な隆起ではなく鋭い「絶壁」の組織と針が対向するという潜在的な利点がある。縫合中、針自体は、それ自体がかなり薄いものの、より厚い保持手段の前方にはわずかな距離だけとなる傾向があり、これは、操作空間においてより制限される。これを考慮して、「絶壁」は潜在的に、針が接近する開窓側で最も重要となる。ただし、組織を鋭く屈強させると、組織が避けて通るためにより鋭い屈曲を通過する必要があることから、その傾向も低くなる可能性がある。
この場合も、壁1011または1031がブジーの外径となす鋭角は、真空圧のレベルによって不要な損傷が胃壁を引き寄せる潜在源である鋭い縁部1010または1030を生成する傾向にある。いくつかの実施形態においては、代わりに丸みを帯びた縁部1020、1050が設けられており、鋭角壁状の壁1021へのアクセスであっても和らげられる可能性がある。また、鋭角の縁部は、露出壁1040がブジーの円周となす傾斜を変化させることによって低減可能である。これは、壁縁部1041の見掛けの厚さを変化させる効果も有する可能性がある。
いくつかの実施形態においては、組織の収容量の制御にも傾斜の変化が用いられる。たとえば、同じ距離1012の場合は、より鋭い外角によって、より多くの組織が除外される可能性があるものの、ブジーに侵入する組織では、より平行な構成でそうなる傾向がある。これに対して、より深く面取りされた縁部によれば、潜在的に、ブジー管腔へのより深い組織貫通が可能となることが了解され得る。また、ブジー壁の強度に対する切断領域の影響についても考慮すべきである。これは、理想的な「完全」形状から除去される壁材料が多いほど、真空下で壁が壊れる傾向が高くなるためである。
鋭い開窓隅部は一般的に、限定され過ぎているため、組織の収容に対する影響を大きくすることはできないが、不要な損傷の潜在源も含んでいる。本発明のいくつかの実施形態において、開窓隅部1007A、1007B、1007C、1007Dは、丸みを帯びている(曲率半径は、たとえば、およそ1mm、2mm、3mm、これら以上、以下、または中間半径である)。任意選択で、異なる隅部の曲線は異なる。たとえば、滑らかな曲線はアクセスの妨害となる可能性が低いため、縫合ツールから遠い縁部で丸みを大きくすることができる。
いくつかの実施形態において、2つの半開窓は、ブジーの長さ方向に沿って互いにシフトしている。任意選択で、シフト距離は、開窓周期の任意の割合である。列がシフトしていることの潜在的な利点として、左側と右側とを交互に露出可能である。潜在的には、これによって、各レベルにより多くの操作室が設けられる。縫合機を用いる場合は、シフトによって、各壁面が交互に掴まれ、必要に応じて、縫合用の組織貫入の周りに縫合機が適正に適合される確実性を高くすることができるため、有用となり得る。縫合の周期(距離1008A、1008Bの合計によって決まる)は、たとえば距離1005、1006の合計によって決まる周期に関する説明の通り、可変である。
周期の50%よりも小さなオフセット(たとえば、30%、40%、これら以上、以下、または中間オフセット)を用いることには、縫合の終了後に壁をしっかりと掴む作業が容易になるという潜在的な利点がある。たとえば、このような場合は、相対運動を抑えて最も強固な縫合閉鎖を実現する必要がある。
本発明のいくつかの実施形態において、ブジーの外壁からブジーの内壁に至る傾斜は、ブジーの長手軸と垂直に延びる開窓の壁によって規定されるが、1つまたは複数の機能的検討事項に応じて選択される。
基準の実施形態として、この傾斜は、ブジーの横断面に垂直に延びるものと考え得る。より近位の開窓壁の傾斜が遠位から近位(たとえば、外側から内側)へと延びる場合および/またはより遠位の開窓壁の傾斜が近位から遠位へと延びる場合は、より開放された内部の効果が得られて、組織へのアクセスの促進に役立つ可能性がある。
また、より開放された内部は、組織を追い出すのが難しくなる可能性もある。潜在的に、内方に開放された開窓壁によれば、組織が使える場所が拡がるため、ここに格納されるようになる。これは、安定性の潜在的な利点であり、(たとえば、ブロッカ要素の引き寄せおよび/または回転によって)剪断力または把持力を負える場合は、特に当てはまる。一方、いくつかの実施形態においては、組織を開窓からより簡単に引き出せるのが潜在的な利点である。たとえば、制限された窓がブジーの長さ方向に沿って移動する実施形態では、開窓から組織を効果的に押し戻して、より近位に移動させ得る必要がある。いくつかの実施形態において、ブジーの長さと垂直に延びる開窓壁の一方または両方の傾斜は、ブジー壁の外側へと開窓が大きくなって潜在的にこれを支援するように設定される。いくつかの実施形態においては、傾斜が平行な方向に延びることから、一方側からの圧力が「把持」となる傾向にある一方、他方側からの圧力が上昇および抽出となる傾向にある。
ここで図11A〜図11Cを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、幅、開窓寸法、および/またはブロッカ寸法が変動するブジー1100、1110、1130を模式的に示している。差異をより明確に示すため、水平および垂直寸法は、必ずしも縮尺通りに図示していないことを理解されたい。
本発明のいくつかの実施形態において、ブジー本体1101の直径は、遠位から近位方向に変動し、たとえば遠位端1104の小さな直径から大きな直径へと、領域1109Bを通る傾斜で広がっている。これにより、開窓のサイズおよび位置が固定の場合は、胃スリーブのテンプレート化が可能となり、食道の近くで大きな管腔が遠位で狭くなる可能性がある。ただし、図示の例において、遠位の開窓1106は、近位の開窓1108よりも最大幅が小さい。潜在的には、この結果として、手術の最後に縫合がしっかりと掴まれると、胃チューブの円周がチューブに沿って概ね同等に維持される。ブジーの直径および開窓幅の相対的な変化に応じて、他の中間結果も生じ得ることを理解されたい。
この可変性の潜在的な利点として、ブジーを通常の生体構造観察状況に適応させることができ、食道/噴門に近い胃壁組織が相対的に厚く、幽門の領域に近づくにつれて薄くなる。さらに、より厚い粘膜/粘膜下層の領域近傍で、胃壁の畳み込みが深くなる可能性がある。この可変性に開窓を適応させることにより、(筋肉に達する)十分に深い縫合と(壁穿孔を回避する)深過ぎない縫合とのバランスを胃壁の領域ごとに別個に選択可能であるという潜在的な利点が導出される。
いくつかの実施形態において、ブロッカ1102は、幅の変動にも適応している。たとえば、ブロッカ1102は、ブジー/開窓が広くなると広がるため、ブジーの長さ方向に沿って、組織の貫入が同程度まで阻止される。たとえば、ブロッカ領域1109Aは、ブロッカ幅が拡がる領域を含む。
ブジー幅の最大差は一般的に、通常の11〜20mmのブジー直径により設定された範囲内となる。いくつかの実施形態において、可変性は、1〜9mmの範囲のブジー外径となるか、または、たとえば1〜3mm、2〜4mm、3〜6mm、または、これらと同等、以上、以下、および/もしくは中間範囲の可変性範囲となる。図11Aにおいては、変動する特定の開窓寸法として幅を示しているが、たとえば図10A〜図10Mに関して説明した開窓寸法はいずれも、ブジーに沿った長さの関数として変化し得ることを理解されたい。
任意選択で、寸法の可変性は、開窓サイズ、ブロッカサイズ、およびブジー本体サイズの態様のうちの1つまたは2つに過ぎない。たとえば、図11Bにおいて、ブジー本体1111の外形は一定である。近位の開窓1118は、遠位の開窓1116よりも大きい(この例では、広い)。ブロッカ1112の領域1120は、遠位開窓の近くで狭く、近位開窓の近くで広くなるブロッカ幅の遷移の領域を示す。任意選択で、これら態様のうちの1つだけが変化する。たとえば、図11Cにおいては、ブロッカ1122およびブジー本体1129の幅が固定である一方、近位開窓1128は遠位開窓1126よりも広く、たとえば開窓1124および1125において、開窓幅が漸進的に遷移するものとして示している。
ここで図11D〜図11Gを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、ブジー・ブロッカ113、115およびそれぞれの搭載領域の別の構成を示している。
いくつかの実施形態において、ブジー100Aは、2つ構成のブロッカ113で構成されている。任意選択で、第1の部分113Aが広い方の部分である。幅広部分には、引き出しによって、たとえば胃壁組織との開窓108A、108Bの相互作用を「除外かつ固定」から最初に、「包含して縫合」に遷移させる役割がある。任意選択で、狭隘部113Cは、手術中に縫合領域の連続固定をブジーに与えて、手術の最後にのみ破壊および/または引き出しが行われるように用いられる。いくつかの実施形態において、ブロッカの狭隘部113Cは、十分に狭いため、ブロッカの幅広部113Aの遠位端113Bが開窓対から引き出されると、胃壁組織がその横を実質的に通過可能である。いくつかの実施形態において、ブジー100Aの壁には、除去前のブロッカを支持するように成形されたスロット111Aまたはスロット対を含む。薄いブロッカをさらに支持できるように、開窓を完全に非連結の状態(スロット111A周りのブジー壁の架橋)にしておくのが潜在的な利点である。
いくつかの実施形態において、ブジー100Bは、単一の摺動ブロッカ115(任意選択で、ブロッカ102によく似たブロッカ)を備える。任意選択で、ブジー本体自体は、開窓対を互いに完全に分離している。任意選択で、開口部スロット111Bは、摺動ブロッカ115をその除去まで適所に保持する。
ここで図12A〜図12Dを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、ブジー本体1200、1208、1210、1220の様々な形状を模式的に示している。
本発明のいくつかの実施形態において、ブジー本体1210は、たとえば開窓間隙1204ならびに/またはブロッカの開口部もしくはスロット1202の割り込みを除いて、実質的に円形である。
いくつかの実施形態において、ブジー1200の壁は、開窓開口部1204の近く(たとえば、壁領域1206)で薄くなっている。開口部の近くで薄くなっている壁については、たとえば図8A〜図9Bに関して、開口部間で厚くなっている壁との関係でも説明した。
いくつかの実施形態において、ブジーの全体形状は、非円形である。たとえば、ブジー本体1208は、長円形で示している。非円形状の潜在的な利点としては、(任意選択で、組織の十分な収容には不要の)より狭いブジー深さのトレードオフ関係で、より広い収容開口部を開窓開口に設けることができる。
図12Dに示す別の種類の実施形態において、ブジー本体1220は、幅広のブロッカおよび/または広い範囲で幅が可変のブロッカが通過するようにサイズ規定された長いスリット1222を備える。任意選択で、スリット1222は、開窓開口部1224よりも広いため、たとえば図7A〜7Fに関しても説明した通り、十分に広いブロッカによって開窓を完全にブロック可能である。
ここで図13A〜図13Cを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、胃位置決め/サイズ規定拡張部1301、1305を備えたブジー1300、1330を示している。
本発明のいくつかの実施形態において、ブジー1300、1330には、縫合の準備に際して胃を位置決めするのに役立つサイズ規定拡張部1301、1305が設けられている。
いくつかの実施形態において、サイズ規定拡張部1301は、形成材料(たとえば、ニチノール)のストリップを備える。任意選択で、拡張部ストリップは、ブジー1300内のスロットに沿って胃に入り、ブジーの遠位端近くから押し出されて、包み込みにより最終的な胃成形補助具を構成する。胃成形補助具は、たとえばストリップ領域1316の狭隘領域であって、幽門との統合前に胃が狭まる、狭隘領域、胃の対応する幅広領域における幅広領域1314、噴門のエリアに達する後方曲線1310、ならびに/またはストリップが密にカールしたものもしくはシリコーンゴム等の柔軟材料である傷をつけない先端材料を単に含み得る保護終端1312を備える。ニチノールの使用は、潜在的な利点であって、ブジーの通過中に真っ直ぐな形状となれる一方、胃壁に対して拡張可能となった場合は依然として、その自然な構成形状へと完全に戻る。サイズ規定拡張部1301は、胃の全範囲に及ぶ必要がないことを理解されたい。いくつかの実施形態において、そのストレイテナとしての役割は、ブジーから外方への比較的短い伸張によって果たされる。いくつかの実施形態において、拡張部1301は、壁分離器としても機能し、吸引の適用に際して、左右の胃壁が適当な開窓領域と結合するようにする。
本発明のいくつかの実施形態において、ブジー1330は、より近位の点1318でブジー本体から抜け出て、幽門の領域またはその近傍に遠位終端1320を有するサイズ規定拡張部1305を備える。
ここで図13Dおよび図13Eを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、幽門位置決め/サイズ規定拡張部1303、1304を備えたブジー1321、1320を示している。
いくつかの実施形態において、ブジー1321、1320の位置決めは、幽門の領域において、補助フィン1303、1304を設けることにより支援される。いくつかの実施形態において、補助フィン1303は、幽門の領域における胃の非対称性を考慮して、一方側のみに設けられており、胃の幽門が始まる側へとブジーを付勢可能である。いくつかの実施形態においては、両側フィン1303、1304が設けられている。任意選択で、フィン1304は、フィン1303よりいくらか弱いため、ブジーを胃壁から遠ざけるものの、依然として、胃の幽門が始まる側へとブジーを付勢可能である。任意選択で、フィンは、脇への屈曲によって、挿入および抽出を可能とする。任意選択で、バルーン106の膨張(または、別の膨張流体経路を介した圧力供給)は、フィン1303、1304が膨張圧により硬化/直立するように、流体を駆動する。これは、より簡単な挿入/除去を可能とする潜在的な利点である。任意選択で、フィンは、ニチノールで構成されており、フィンに固定された制御部材の前進/後退によってブジーからの駆動/ブジーへの引き込みが可能であるが、制御はブジーの外部にある。任意選択で、フィンは、ポリマーで構成されており、十分に柔らかいため、食道を通した挿入/除去に際して潰れ可能であるものの、自由に使える場所がある場合は拡がって、ブジーの適所への付勢に役立つ。
ここで図14A、図14B、および図15を参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、胃内スリーブを形成するマルチリンク胃インプラントを示している。また、図16を参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、胃壁組織がフックに取り込まれたマルチリンク胃インプラントの断面図である。
いくつかの実施形態において、胃インプラント1400は、フック1420を有するマルチリンク・インプラントを備える。インプラント1400は、開ループ構成にて、たとえば胃カメラの作動チャネルを通って胃10に挿入される。任意選択で、フック1420は、挿入時、リンク1410の側面に対して潰れる。インプラントのリンクは最初、互いに隣り合って自由に回転可能であるため、胃壁周りに位置決め可能である(図14B)。インプラント1400の自由端1405、1415は、互いの近くに位置決めされ、位置決め後にループが閉じられる。そして、フックが展開され、フックで胃壁が採取される。胃内スリーブの構成のため、この装置は、実質的に真っ直ぐである。直線化には、隣接リンクの互いのロックを伴う(図15)。結果として、縫い目状の領域となる。図16は、この領域の断面を示している。リンク1410は、相互ロックされ、それぞれのフック1420が胃組織1421と係合することにより、本質的に、胃の各側に1つずつ、2列に沿って捕捉されるようになっている。いくつかの実施形態においては、リンクが胃袋1426を占有しており、(食物が通過し続ける)胃スリーブ1424が遮断されないようにしている。
ここで図17Aおよび図17Bを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、2つの胃壁部分を互いに固定する自己固定クリップ1700を示している。
いくつかの実施形態において、自己固定クリップは、接近線に沿って2つの胃壁を連結するように設けられ、胃スリーブを構成する。図17Bは、本体1710が密なループまたはU字に湾曲した「自然」(非拘束)な形状の例示的なニチノール・クリップ(クリップ1700)を示している。図17Aは、真っ直ぐなクリップ1700を示しており、互いに離れた両端を屈曲するように拘束可能である。図示のように、クリップ1700は、短い先端シャフト1720の端部に鋭い先端部1722を有しており、クリップの端部を胃壁に貫通可能である。バーブ1724は、貫通したら、貫通組織への連続固定を保証するのに役立つ。
ここで図18Aおよび図18Bを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、2つの胃壁部分を互いに固定する一列の自己固定クリップ1700を備えた送達システムの遠位セグメントを示している。
いくつかの実施形態において、クリップ1700の送達システムは、シャフト1800およびロック・ストリップ1810を備える。いくつかの実施形態において、ロック・ストリップ1810とシャフト1800との間の空間は、当該空間に含まれるクリップ1700が両者間で真っ直ぐな位置にロック(拘束)されるように制限されている(図18A)。
図18Bは、クリップ1700の解放プロセス時の同じシャフト1800およびロック・ストリップ1810を示している。ストリップ1810が近位方向に引っ張られると、クリップ1700がそれぞれの拘束から順次解放される。これにより、自己成形から自然な湾曲構成へと解放される。図には、7つの遠位クリップ1700が解放される一方、その他のクリップがロックされたままの段階を示している。
いくつかの実施形態において、シャフト1800は、クリップ間に真空ポート1820を具備する。任意選択で、シャフトに適用された真空は、組織を引っ張って並置し、クリップ1700の鋭い端部1722に固定して、クリップを固定するのに役立つ。
ここで図19A〜図19Fを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、自己固定クリップ1700の送達システムのシャフト1800の構成の詳細を示している。
図19Aおよび図19Bは、側面斜視でシャフト1800の全体(図19A)および領域1800Bの詳細(図19B)を示している。また、真空ポート1820の位置を示している。
図19Cおよび図19Dは、シャフト1800の中央垂直断面、特に、領域1800Dの詳細を示している。シャフト1800は、ストリップ1810が摺動する長手方向スリット/孔1830を具備する。スリット1830に沿って位置付けられた溝1840は、クリップ1700を含んで幾何学的にロックするようにサイズ規定されている。
図19Eおよび図19Fは、側面に沿って真空ポート1820につながる真空管路1825(水平断面)、特に、領域1800Fの詳細を示している。いくつかの実施形態においては、独立して動作可能な2つの真空管路1825が存在する。潜在的には、これによって、最初に真空を一方側に適用して第1の壁領域を固定した後、真空を他方側に適用して第2の壁領域を固定することにより、胃壁組織を順次掴むことができる。
ここで図20A〜図20Cを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、胃壁のあるセグメントを近づけるシーケンスを示している。
図20Aにおいては、第1の壁2000Aに固定された装置1800が示されている。固定は、たとえば隣接する真空管路で真空を適用してクリップ1700上の近い組織を固定することで生じる。図20Bにおいては、壁に近づけて第2の管路で真空を適用した後、第2の壁2000Bに別途固定された装置1800が示されている。図20Cにおいては、ストリップ1810が引っ張られており、クリップ1700の屈曲および自己固定が可能であって、送達システムが取り除かれる。壁2000A、2000Bは、クリッピングされた状態である(図20C)。
簡単化のため、図面には、真っ直ぐなシャフト・セグメントを示している。ただし、送達システムは、いくつかの実施形態において、湾曲シャフトを備えることを理解されたい。たとえば、シャフトは、胃の生体構造の曲率に対して、より自然に従うように湾曲している。
ここで図21A〜図21Cを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、ブジーおよび内視鏡/胃カメラ等の従来の胃腸手段と一体化したクリップ装置を示している。
いくつかの実施形態(図21A)において、シャフト1800は、ブジー2100の一方側に沿って、当該ブジー2100に接続されている。任意選択で、クリップを覆う取り外し可能なカバー1860が設けられている。これにより、潜在的には、クリップ1700による消化管の引っかき/損傷なく、胃への経口挿入が可能となる。任意選択で、ブジー2100は、透明材料(たとえば、ポリエチレン、環状オレフィン共重合体、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリウレタン、フッ素化エチレンプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリマー)で構成されており、その管腔内に配置された胃カメラ2150の動作中のオペレータの可視化を支援する。
いくつかの実施形態において、ブジー2100は、穿孔によって孔2100が設けられており、真空吸引の適用によって、ブジー2100の周囲に胃壁を引き付けて配置することができる。孔2110の内側の真空は、たとえば胃カメラ2150の作動チャネルを通した吸引および/またはブジー2100の壁に沿って埋め込まれた管路(図示せず)による吸引を適用することにより、ブジー管腔2100の開口部に適用された吸引によって伝えられる。
クリップ装置が胃に挿入された後(図21B)、医師は任意選択で、装置が十分に位置決めされるまで、装置の移動と併せて、(カバー1860を維持しつつ)真空を繰り返しオン/オフに切り替える。
その後(図21C)、医師は、カバー1860を取り外し、たとえばブジー2100の遠位開口部からのアクセスおよび/またはブジー2100内からアクセス可能な留め金の解放を行う。カバーの解放によって、(任意選択で、組織を引っ張る真空力に補助されて)胃壁2000に貫入したクリップ1700が露出する。図21Cにおいては、上述の通り、ストリップ1810が引っ張られており、クリップ1700が解放されて胃内スリーブが形成される。いくつかの実施形態においては、単一の長いクリップ装置の使用により、胃スリーブ全体を一度にクリッピングする。いくつかの実施形態において、クリップ装置は、胃スリーブに沿ったセグメントにおいて別個に適用される。
ここで図22Aおよび図22Bを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、部分的に開放されたスパイラル経路に沿って、装置に固定された組織を繰り返し通して針を駆動する半自動縫合装置2200を示している。図22Bは、図22Aの領域2250の別の詳細を示している。
いくつかの実施形態において、縫合装置2200は、ケーシング・チューブ2210および駆動チューブ2220を備える。図中、ケーシング・チューブ2210の部分2221は、下部の駆動チューブ2220が見えるように切断して示していることに留意するものとする。任意選択で、チューブ2210、2220の一方または両方がポリマー性であって、実質的に透明である。潜在的には、これによって、管腔内からの内視鏡視覚化が可能である。いくつかの実施形態において、ケーシング・チューブ2210は、その円周を部分的(たとえば、円周の230°〜300°であり、図示のように、円周のおよそ270°)に包む外側ジャケット2211を備える。
いくつかの実施形態において、ジャケット2211は、(たとえば、真空の適用により)胃壁が引き付けられて把持される複数の長手方向スリット2212を備える。いくつかの実施形態において、ジャケット2211は、任意選択で、ケーシング・チューブ2210の周囲のジャケット2211の境界で一部または全部が遮断される螺旋状スロット2215を備える。いくつかの実施形態において、螺旋状スロット2215および長手方向スリット2212は、共通の管腔を占有する。いくつかの実施形態において、これらは、別個のチャネルを備える。
いくつかの実施形態においては、針2300が設けられており、螺旋状スロット2215の周りを進むようにサイズ規定されている。針2300は、縫合糸と接続されている。針2300は、ジャケット2211から抜け出ると、装置に吸引された胃壁組織等の組織と会合する可能性がある。スロット2215およびスリット2212の管腔を組み合わせることの潜在的な利点として、針2300が直接貫通する点での固定が増強される。
任意選択で、装置は、(真空に対する)封止および/または固定用の近位バルーン2230および/または遠位バルーン2240を備える。
ここで図23A〜図23Dを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、針2300の駆動機構を示している。図23Aでは、参照の容易化のため、図22Aに示した装置2200の構造を繰り返している。図23Bおよび図23Cは、装置2200の構成要素を図示している。図23Dは、針2300が占有するレベルで駆動チューブ2220の軸に沿って長手方向に見た装置2200の切断視を模式的に示している。
いくつかの実施形態において、針2300は、たとえばバルーン2240の下部に格納された糸2350に接続されている。いくつかの実施形態において、針2300は、複数の可撓性ラッチ2310を備える。駆動チューブ2220の回転により、駆動チューブ2220の長手方向突起2222は、可撓性ラッチ2310を押し進め、螺旋状溝2215に沿うとともに、長手方向スリット2212に沿って保持された組織を通して針2300を駆動する。
動作は、たとえば可視化の下、胃腔の内側に配置されたシステムで開始される。可視化は、たとえば蛍光透視下もしくはシステム内での内視鏡(任意選択で、ビデオスコープ型内視鏡)の使用ならびに/または別の撮像方法によって行われる。いくつかの実施形態において、オペレータはその後、近位バルーン(2230)および遠位バルーン(2240)を展開して、胃の入口および出口を封止する。潜在的には、これによって、装置管腔およびその溝を介した真空の適用時の安定性が向上する。真空の適用に際して、胃は、たとえば実質的に図21Bに示すように、縫合装置2200に対して収縮する。胃壁組織が装置を囲んでおり、組織が過度に壊れている。
ケーシング・チューブ2210およびジャケット2211の周りで胃壁が壊れると、ジャケット2211の間隙も充填されて、組織が螺旋状スロット2215の出口開口部へと運ばれる。駆動チューブ2220の回転に際して、針2300は、胃壁組織に押し入れられる。針は十分に長いため、他端が抜け出る前に先端がジャケット内に戻り、針の包含が継続する。駆動ラッチ2310は、(たとえば、組織中で)1つが縫合装置の外側となり、少なくとも1つの他のラッチが装置内となって針2300の駆動に利用可能となるように、針2300に沿って離隔している。また、ジャケットの深さおよび/またはスロット2215から抜け出る針2300の位置によって、縫合針が組織を通過する深さが決まる。
針は、胃スリーブの十分な長さが縫合されるまで、装置の周りで連続的に駆動される。可視化の下で行われる場合、オペレータは、直接可視化に基づいて決定を行うことができる。あるいは、所定数の回転が行われる。縫合がなされる距離に応じて、スロット2215のピッチは、たとえば0.8cm〜2cm、これ以上、または中間ピッチである。
縫合後、オペレータは、縫合装置を取り外す。いくつかの実施形態において、縫合装置2200は、ばらばらに取り外して、動作中の装置の縫い込みを防止可能である。たとえば、駆動チューブ2220および/またはケーシング・チューブは、ジャケット2211から別個に取り外し可能である。いくつかの実施形態においては、スロット2215の(ジャケット2211中の)床部が開いており、取り外し時に縫合糸から分離可能である。
装置から解放された縫合糸2350を締め付けて、胃壁の継続的な相互接近を近似および/または保証する。任意選択で、ロック要素が糸を横切って固定されることにより、密な縫合を維持する。いくつかの実施形態においては、有顎縫合の使用により、固定を維持する。結果として、外科的開口を作る必要なく管腔内形成された胃スリーブが得られる。
・長手方向に傾いた解放可能ブロッカ
・長手方向に傾いたコード・ブロッカ
ここで図24A〜図24Eを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、胃切除ブジー2400の開窓を横断方向に区分する分割コード2410を模式的に示している。
任意選択で、胃スリーブ・ブジーに用いる縫合パターンは、開窓ごとに、横方向、長手方向、および/または両者の組み合わせ方向(たとえば、対角方向)に交差する。たとえば、螺旋状針は、針のピッチに従って、隣接する開窓間を横方向に通過するのみならず、上方にも通過する一列(一対)の開窓内で縫合パターンを形成する可能性がある。任意選択で、このような列の2つの開窓は、長手方向に相互オフセットして、針のピッチを補償している。螺旋状針が回転を終えて、長手方向に規定された新たな開窓列の縫合を開始すると、次の縫合では、任意選択で、前の列と新たな列との間で長手方向に位置付けられた開窓境界と交差する。これにより、長手方向に延びたブロッカの除去前にブジーが一時的に適所に縫い込まれる状態と類似の「ブジー縫い込み」という潜在的な状態が生じる。
いくつかの実施形態においては、縫合と交差していても、縫合中に開窓間の境界を規定した後、解放されてブジーを抽出可能な横方向延伸(長手方向分離)開窓分割器が提供されている。
図24A〜図26Bに関して説明する実施形態の特徴は、任意選択で、本明細書に記載のその他任意の有窓ブジーの実施形態と組み合わせて用いられることが了解されるものとし、長手方向に延びたブロッカを備えたブジー、開窓が互いにオフセットした配列のブジー、および開窓の寸法が可変のブジーが挙げられるが、これらに限定されない。ブジーの寸法および構成に関する説明は、図24A〜図26Bのブジーにも適用可能であり、記載の詳細を組み込む必要に応じて変更される。
本発明のいくつかの実施形態において、ブジー2400は、任意選択で遠位部および近位部2403、2402が横に配置された組織位置決め部2401を備える。いくつかの実施形態においては、任意選択で使用時に、胃スリーブの形成のために近づけられる2つの胃壁の部分に対応する少なくとも2つの側へと組織位置決め部2401の開口2405Bを長手方向に分割するブロッカ2407が設けられている。
いくつかの実施形態においては、開口2405Bを横断方向にさらに分割して、開口2405Bが分割された2つ以上の開窓2405の近位縁部および/または遠位縁部を形成する分割コード2410が設けられている。いくつかの実施形態において、コード2410は、編組および/または巻回構成のケーブルを含む。いくつかの実施形態において、コード2410は、単一繊維ワイヤ、ナイロン糸、または他の単一糸状構成を含む。
いくつかの実施形態において、分割コード2410は、開口2405に跨って前後に通され、胃腔組織または他の体腔組織の貫入を制限(ブロック)する複数の開窓フレーム境界が形成される(たとえば、3つ、4つ、5つ、またはこれら以上の任意数の長手方向配置開窓が形成される)。このように、いくつかの実施形態においては、開窓フレーム縁部が(1)ブジー・ハウジング2401の縁部、(2)長手方向ブロッカ要素2407の縁部、および/または(3)コード2410によって規定された縁部のうちの1つまたは複数で構成されている。いくつかの実施形態においては、ブロッカ2407がループ2411の上昇支持部として動作することに留意するものとする。
いくつかの実施形態において、コード2410は、高速に解放可能となるように、ブジーの要素に通される。たとえば、コード2410は、そのループ2411がある間隔で構造2417から突出した状態で、支持構造(たとえば、図24Dの管状構造2417であるが、必ずしも管状ではない)に沿って通される(たとえば、ループは、管状構造2417の長手方向範囲に沿って離隔した開口部2419を介して構造の管腔から引き出される)。
本発明のいくつかの実施形態において、コード2410の遠位端2410Bは、張力を受けた状態での移動に耐えるように、一時的または永続的に取り付けられている。近位端2410Aは、任意選択で、操作可能な点に運ばれる。また、この追加または代替として、近位端2410Aは、張力に耐えるように固定される。
コード2410を備えた支持構造2417は、任意選択で、開口2405Bの一方の長手方向延伸面に沿って設けられている。いくつかの実施形態において、ループ2411は、開口2405Bの対向する長手方向範囲に沿って1つまたは複数の領域2420でブジー2400の本体に固定されるように、さらに構成されている。たとえば(図24B)、ループ2411は、ループ・アンカー2412に引っ掛けられる。任意選択で、ループ・アンカー2412は、スロット2413に沿って長手方向に延びており、複数のループ2411を固定するように動作する。任意選択で、コード・ループ2411は、フック、クランプ、接着剤、または他の固定手段によって、適所に保たれる。
いくつかの実施形態において、胃スリーブの形成には、胃組織がブジー位置決め部2401に吸引されるように、ブジー2400への吸引の適用およびブジー2400の操作を含む。たとえば、第1の胃壁部がブロッカ2407の一方側への(長手方向に沿う)吸引によって固定され、第2の胃壁部(第1の部分と連なってはいない)が他方側への吸引によって位置決めされる。縫合中(または、締め付けおよび/または固定等の別の壁間取り付け手術中)、分割コード2410による開口2405Bの交差は、任意選択で、(縫合部位等の)取り付け部位間の間隔の規定に役立つ。さらに、交差によって、胃壁組織がブジーに進入する距離の制御が補助される。たとえば、(支持が最も少ない長手方向中点の近くで最も深くなる可能性がある)1つの長い長手方向延伸突起の代わりに、組織が周期的な突起を代替する。任意選択で、各突起は、縫合等の外科的取り付け手段を受け付ける部位である。一般的には、たとえば図1Hおよび図1Iに関して説明した横断的な開窓縁部の相対配置の同じ変形例が、コード2410との併用時も利用可能である(たとえば、可変間隔およびシフト位置決め)。たとえば、およそ0.8〜およそ2cmの長手方向開窓ピッチ(任意選択で、変動するピッチ)が与えられている。
コード2410の潜在的な利点として、胃スリーブの完了後に縫合を解放可能である。解放については、たとえば、ブロッカ2407が一例となる長手方向延伸ブロッカの図4Hに関して説明した。コード2410を解放可能とすることにより、潜在的には、開窓境界を横断交差する縫合も解放可能となる。したがって、個々のループの2つの側面間を縫合が通って挿入されない限り、ブジーは、両方の次元で解放可能である。潜在的には、これによって、「適所へのブジーの縫い込み」を防止するパターンのみを使用することに細心の注意を払う必要なく、胃スリーブ壁の相互固定に任意の開窓間縫合パターンを使用可能である。
いくつかの実施形態において、解放は、ループ・アンカー2412の長手方向の並進による。任意選択で、ループ・アンカー2412は、スロット2413から近位方向に引っ張られて、当該ループ・アンカーの端部が各ループ2411から遠くへと引っ張られた場合に解放が実現されるように構成された長いロッド、ワイヤ、または他の長手方向延伸部材である。この追加または代替として、ループ・アンカー2412を移動させると、ループ2411の取り付けを解除あるいは中断する干渉が生じる。いくつかの実施形態において、長手方向延伸ブロッカ2407は、ループ・アンカーとしても動作する。たとえば、コード・セグメント(たとえば、ループ)は、開口2405Bの両側から中央へと運ばれ、長手方向ブロッカ2407に巻き付いて、フックへの取り付けあるいは固定がなされる。任意選択で、ブジーの解放には、ブロッカ2407を引っ張ること、開口2405Bの長手方向中線と交差する縫合を同時に解放すること、およびブジーの長手軸と斜めに開口2405Bを交差して縫合することを含む。
いくつかの実施形態において、コード2410の近位端2410Aは、胃の外側からの制御によって引き寄せられ、ブジー2400との取り付けが解放されるように構成されている。任意選択で、解放後に引っ張ると、ループ2411が開口2419へと後退して(図24E)、縫合とコードとの間の任意の絡み合いが取り除かれる可能性がある。
いくつかの実施形態において、十分な力で引っ張ると、ループ・アンカー2412に対するコード2410の取り付けが破壊されて解放される。たとえば、コードは、破壊可能な接着取り付けならびに/または歪曲および/もしくは離脱部材で固定されている。
ループ構造の潜在的な利点として、ブジーの解放を実現するのに、各点に跨って解放する必要があるループ長コードは、せいぜい1つである。潜在的には、これによって、解放に対抗する摩擦力の低減および/またはコード引き出し時の損傷のリスクの低減が図られる。別の潜在的な利点として、コードの遠位端2410Bは、ブロッカ・コード2510をその開口2405B上の交差から解放するのに移動の必要がないため、ブジーに対して永続的に固定可能である。
ここで図24F〜図24Iを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、吸引ブジーの開窓を区分する糸式コード横断セパレータの別の構成の比較を模式的に示している。
図24Fおよび図24Gは、図24A〜図24Eと同様の構成を示しており、コード・ループ2411がブジー2400の本体を真っ直ぐに横断して通過する。図24Fは、吸引および縫合時に用いられるブジー2400の糸式構成を示している。一方、図24Gは、(ブロッカ・コードを除去した)開口2405Bの全開構成を示している。
図24Hおよび図24Iは、ブジー2460の別の構成を示している。いくつかの実施形態において、ブジーの壁位置決め領域2461の一方側のループ外領域(たとえば、コード通過構造2467の開口部2469から抜け出るループによって規定されたループ外領域)は、それぞれの対応するループ固定領域2480から長手方向にオフセットしている。その結果、開口2465を分割する開窓2465は、互いに異なる形状および/または空間的関係を有する。任意選択で、オフセット構成により、胃壁に沿って長手方向に並進する縫合パターンがそれぞれ壁間を通過するものとして使用可能である。また、図24Hは、吸引および縫合時に用いられるブジー2460の糸式構成を示している。一方、図24Iは、(ブロッカ・コードを除去した)開口2465Bの全開構成を示している。
図24Hおよび図24Iの長手方向オフセット構成の潜在的な利点は、螺旋状針との併用の場合の適応可能性であり、針のピッチによって、針が前進する場合に、縫合接触点が長手方向および横方向に移動する。任意の程度の長手方向オフセットを任意選択で選定することにより、たとえば特定の螺旋状針ピッチに対応可能であることを理解されたい。
ここで図25を参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、吸引ブジー2500の開窓2505、2506を区分する糸式分割コード2510の別の構成を模式的に示している。
いくつかの実施形態において、長手方向ブロッカ2507は、開口2505Bを横切って延び、長手方向に複数の開窓に分割する。コード2510は、分割された開窓と交差するセグメント2514で前後に通されており、セグメント2514は、一連のアンカー2511によって各側に固定されている。コード2510は、任意選択で、(たとえば、ステンレス鋼またはニチノールの)ワイヤであり、および/または、ポリマー(たとえば、ナイロン)を含む。任意選択で、コード2510は、縫合材料で構成されている。図25には、6つの交差を示している。交差数は、任意選択で、たとえば8個、10個、12個、15個、20個、25個、これら以上、以下、または中間交差数等、所与の開窓幅に対して、形成される胃チューブの長さに適した任意の数であることを理解されたい。交差は、一定の間隔で配置される必要がなく、系統的にオフセット可能であり、さらに、ブジーの2つの面に関して対称に配置する必要もないことを理解されたい。
任意選択で、アンカーは、コード2510が通されるブジー2500の本体との取り付けおよび/または一体化がなされたチューブを備える。U字状チューブは、たとえばブジー2500の押し出しポリマーにステンレス鋼の管類および/またはチャネルを備える。この追加または代替として、アンカーは、開放チャネル、突起、または別のコード固定形態を含む。本発明のいくつかの実施形態において、長手方向ブロッカ2507および糸式ブロッカ・コード2510は、開窓(たとえば、開窓2505、2506)を規定している。任意選択で、長手方向ブロッカ2507は、ブロッカ・コード2510の交差2514を支持する。任意選択で、ブジーの各側の交互アンカー退出点2511A、2511Bの相対位置は、シフトしている(図示)。この追加または代替として、退出点2511A、2511Bは、長手方向に整列している。
図示の構成においては、開窓2505のように成形された比較的長い開窓および開窓2506のように形成された比較的短い開窓という2つの異なる開窓形状が形成されている。任意選択で、どちらかの種類のみまたは両方の種類を用いて縫合を行う。任意選択で、縫合時の開窓サイズの選定は、ブジーに沿った距離の関数として変化する。たとえば、粘膜層が比較的厚い場合は、ブジーへの大きな胃壁貫入を可能とする長い開窓が用いられ、粘膜層が比較的薄い場合は、短い開窓が用いられる。2つ以上の胃壁貫入深さを利用可能であることは、胃壁の生体構造の患者間の違いに基づいて調整を行えるため、潜在的な利点である。開窓サイズの一方を使用しない場合は、開窓サイズが交互の構成によって、規定取り付け(たとえば、縫合)点間の分離が大きくなるという潜在的な利点がもたらされる。
本発明のいくつかの実施形態において、ブロッカ・コード2510の解放には、遠位端2510Bが糸パターンから抽出されるまで近位端2510Aを引き寄せることを含む。
・長手方向に傾いたストラップ・ブロッカ
ここで図26Aを参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、胃スリーブ形成ブジー2600の開窓2605を区分するストラップ横断ブロッカ2610を模式的に示している。また、図26Bおよび図26Cを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、ストラップ横断ブロッカ2610A、2610Bを模式的に示している。このようなストラップ・ブロッカは、縫合結合からの解放を可能にする別の手段を備える可能性がある。
ストラップ・ブロッカの潜在的な利点として、開窓間の間隔を広くできることおよび/または吸引下配置時にブジーから多くの組織を除外できることが挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態において、ブジー2600は、近位部2602と遠位部2603との間に組織位置決め部2601を備える(遠位部2603には、任意選択での固定バルーン2604も示している)。任意選択で、長手方向ブロッカ2607は、開口2605Bを長手方向に駆動する。ストラップ・ブロッカ2610は、ブジーの長手軸に対して斜めの角度で開口2605Bと交差する複数のストラップ・セグメントを備える。いくつかの実施形態において、ブジー2600の本体は、ストラップ・ブロッカ2610が開口2605Bから後退する1つまたは複数のチャネル2613を備える。2つのブロッカの種類(長手方向および横断方向)が開窓2605を規定しており、たとえば本明細書に記載の他の開窓の実施形態では、寸法が選択されている。たとえば、およそ0.8〜およそ2cmの長手方向開窓ピッチ(任意選択で、変動するピッチ)が与えられている。
いくつかの実施形態において、横断ブロッカ2610は、螺旋状である(たとえば、ブロッカ2610A)。開口2605Bの非ブロックは、たとえばブロッカの反復回転による相補螺旋状チャネル2613を介した巻き戻しによる。いくつかの実施形態において、螺旋状ブロッカは、引っ張りを可能とする十分な可撓性を有する。この代替または追加として、横断ブロッカ2610は、任意選択で長手方向延伸連結セグメント2620により接続された実質的に別個のストラップ2612を備えた構成を含む(たとえば、ブロッカ2610B)。開口2605Bの非ブロックは、たとえば本体の長手軸周りの全体回転による間隙2622の開口2605Bとの整列による。任意選択で、ブロッカ2610Bからブジーの近位端まで操作可能な制御部材が延びている。
いくつかの実施形態において、ストラップ・ブロッカ2610は、ステンレスばね鋼(たとえば、SAE鋼等級302または301)で構成されている。いくつかの実施形態において、ストラップ・ブロッカ2610は、ポリマー樹脂で構成されている。任意選択で、ストラップ・ブロッカの厚さは、およそ0.2〜0.4mmまたは別の厚さである。ストラップの幅は、任意選択で、およそ4〜10mmの範囲または別の幅である。いくつかの実施形態において(たとえば、ブロッカがヘリックスである場合)、ストラップ・ブロッカはワイヤであり、任意選択で、円形ワイヤ(たとえば、直径0.2〜0.4mmのワイヤ)である。
・針把持装置
・長顎把持装置
ここで図27A〜図27Eを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、ブジー内で把持動作を行う内視鏡挿入可能把持装置2700を模式的に示している。
ブジーの範囲内で針を移動させることは、潜在的に、ブジーおよび吸引取り付け体腔組織の特定の範囲に適応した把持または駆動装置の利益を享受する。
図27A〜図30Cに関して説明する実施形態の特徴は、任意選択で、本明細書に記載のその他任意のブジーの実施形態と組み合わせて用いられることが了解されるものとし、特に、螺旋状針との関係で説明される任意のブジーの実施形態および/または螺旋状針と併用可能であることが示された任意のブジーの実施形態と組み合わせて用いられることが了解されるものの、これらに限定されない。
本発明のいくつかの実施形態において、把持装置2700は、内視鏡プローブ2701の作動チャネル2702との併用のために設けられている。いくつかの実施形態において、把持装置2700は、その長手軸と実質的に垂直に延びた顎部2714、2712を備える。顎部2714、2712の少なくとも一方は、たとえば内側シャフト2715上を摺動可能なスリーブ2716の使用により、把持装置2700のシャフト2710に移動可能に取り付けられている。このため、いくつかの実施形態において、2つの顎部間の間隙2720は、調整によって針2725を把持可能である(図27Cには、螺旋状針2725を示している。あるいは、たとえば部分的ヘリックス、平坦曲線、または他の針形状等、別の形状の針が用いられる)。
本発明のいくつかの実施形態において、針2725の前進には、針2725が把持されている間のそれ自体のシャフト2710の中心長手軸周りの把持装置2700の回転2707を含む。任意選択で、中心長手軸周りの内視鏡プローブ2701の回転2705によって、把持装置2700の顎部2712、2714が到達するブジーの円周部を選択できる大きな自由がもたらされる。この追加または代替として、針2725は、把持装置と併せた内視鏡2701の本体の回転によって前進する。
任意選択で、把持装置の顎部2712、2714は、作動チャネル2702に通された後の把持装置シャフト2710に取り付けられている。任意選択で、把持装置シャフト自体は、制御ワイヤが1つだけ作動チャネルを通過した状態で、内視鏡の端部に取り付けられている。あるいは、把持装置の顎部2712、2714は、作動チャネルの長手軸に沿って延びて挿入されるように回転可能であり、(たとえば、ばね機構によって)作動チャネルの遠位端から抜け出た後にそれぞれの角度位置へと移動するように構成されている。通常の作動チャネル直径は、標準的な直径11mmの内視鏡の場合、およそ2.8mmである。いくつかの実施形態において、把持装置は、内視鏡ではないか、または、視覚化可能ではあるが標準的な内視鏡ではないブジーの内径に合わせてサイズ規定された挿入ツールに取り付けられている。
任意選択で、針および/または把持装置は、粗いテクスチャ加工ならびに/または障害によって把持を安定化させる突起および/もしくは切り欠きの形成が施されている。
図27Dおよび図27Eは、把持装置2700、内視鏡2701、針2725、およびブジー2704の相対的な構成を示している。いくつかの実施形態において、内視鏡は、ブジー内に適合する十分小さな直径でサイズ規定されているものの、ブジーを実質的に満たすのに十分な大きさであるため、トルクの印加によって針2725を移動可能な比較的安定した基部を構成する。図27Dおよび図27Eの比較は、内視鏡が適所に残っている間の把持装置2700の回転の一例を示している。
胃内での動作中、胃壁組織は、ブジー開口部2703および/またはその細分開窓に引き込まれることに留意するものとする(横断ブロッカは、明瞭化のため図示していない)。これは、ブロッカの構成様態に応じて、ブジーの内部の部分的なブロックとなり得る。内視鏡2701は、把持装置シャフト2710が長手方向ブロッカ2708の中線に沿って延びるように回転するものとして示されている。任意選択で、内方組織の貫入間で押し進める必要のないように、吸引がなされる前にブジーの遠位端で把持装置(および/または、その内視鏡自体)が適所に位置決めされるとともに、内視鏡による観察下で縫合が遠位端から近位端へと進行する。任意選択で、内視鏡自体は、より近位に引き出されるまで、ブジーの管腔を満たすとともに組織貫入を防止する限りにおいて、ブロッカとしても動作する。あるいは、いくつかの実施形態において、最初のブロッカ構成では、組織の深い貫入が防止され、真空下で把持装置が挿入される。任意選択で、1つまたは複数のブロック要素を徐々に引き出すことによって、組織が縫合位置に運ばれる。潜在的には、これによって、近位の見やすい点からブジーのより遠い部分を観察する間にも、作動エリアの明瞭な視界を維持することができる。
いくつかの実施形態においては、螺旋状針2725が用いられる(あるいは、針が部分的ヘリックスを含む)。針の螺旋ピッチは、たとえばブジーにより形成された開窓のピッチと一致するように設定されている。任意選択で、ブジーの内壁には、ブジーに沿って前進した場合に針をガイドするように構成された螺旋状チャネル(および/または、他のガイド)を含む。本発明のいくつかの実施形態において、針自体のピッチは、最初にいくつかの縫合が配置された場合の前進の速度をガイドする。任意選択で、把持装置は、針の特定の所望挿入点に達するようにコイル状の針を圧縮または延伸するのに用いられる。いくつかの実施形態において、針は、平坦で湾曲している(たとえば、ブジーの内径に一致するように湾曲している)。任意選択で、針は、(通常の平坦状態でも)十分に柔軟であり、ばね状の伸縮によって、形成する胃スリーブの長手方向範囲に沿った縫合点から縫合点まで到達可能である。
いくつかの実施形態において、螺旋状針2725は、ブジーの内壁に対して適合するように、半径方向にサイズ規定されている。任意選択で、把持装置の顎部2712、2714は、作動チャネルを離れるシャフトから針2725が位置決めされるブジーの壁まで延びるようにサイズ規定されている。いくつかの実施形態において、顎部は、内視鏡面を横切って延び、針に到達するようにサイズ規定されている。潜在的には、これによって、より大きな半径ひいては相対的に長い「飛距離」が得られる。すなわち、顎部は、依然として良好な把持を維持するとともに転回の場所を有しつつ、比較的長い距離を介して転回可能である。
・短顎把持装置
ここで図28A〜図28Dを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、ブジー内で把持動作を行う短顎側方把持装置2800を模式的に示している。
縫合の容易性および/または信頼性を向上するため、ブジーの範囲内で縫合針に対して把持装置の位置決めを少なくとも部分的に制限するのは、潜在的な利点である。さらに、縫合動作を可視化するのは潜在的な利点であり、個々の患者の特定の条件に合わせた調整ならびに/または動作の誤りの把握および調整が可能である。
いくつかの実施形態においては、ブジーの内側に適合し、巻回するような引き込みおよび/または駆動によって、所定の順序で組織を順次貫通可能な螺旋状針が設けられている。針が位置決めされるブジー管腔の外側限界内で移動するように制限された把持装置を用意すること、針の操作を支援すること、および/または把持装置を内視鏡視野から相対的に追い出すことは、潜在的な利点である。
いくつかの実施形態において、把持装置2800は、シャフト2810が搬送するとともにシャフト2810に沿って動作可能であり、針2807の本体を把持するようにサイズ規定された比較的短い空間2820を両者間に規定する2つの小型顎部2812、2814を備える。顎部および/またはシャフトは、チャネル2808(たとえば、挿入ツール2801のチャネル)を通過するようにサイズ規定されている。把持は、たとえば図28Cおよび図28Dに示すように、顎部2812および2814の長手軸に沿った並進による。任意選択で、顎部2814は、主シャフト2810に沿って進む副シャフトを含む。任意選択で、中心長手軸周りの内視鏡プローブ2801の回転2805によって、把持装置2800の顎部2812、2814が到達するブジーの円周部を選択できる大きな自由がもたらされる。
いくつかの実施形態において、チャネル2808は、たとえば針2807の半径方向位置上の場所において、挿入ツール2801の外径近くで当該挿入ツールから抜け出る。いくつかの実施形態において、チャネル2808は、直径がおよそ3〜6mm(これら以上、以下、または中間直径)である。一方、挿入ツールの直径は、その2〜4倍(たとえば、およそ11mm、およそ12mm、およそ13mm、これら以上、以下、または中間直径)である。
本発明のいくつかの実施形態において、チャネル2808は、ブジー管腔の壁および/または挿入ツール外径から1mmの範囲内で挿入ツールから抜け出る。任意選択で、チャネルは、たとえば0.5mm、1.5mm、2mm、これら以上、以下、または中間距離等、別の距離範囲内で抜け出る。
チャネル2808との併用の選択肢として、把持装置2800は、チャネル2808に関して説明した固定オフセットにて、挿入ツール2801自体の端部に直接取り付けられている。
いくつかの実施形態においては、図28Bに示すように、把持装置2800による把持の場合、挿入ツール2801の回転によって、針2807を前進させる。任意選択で、短顎把持装置2800自体の回転によって針を前進させる。任意選択で、挿入ツールには、標準的な内視鏡または把持装置および/もしくはブジーとの併用に対して具体的に適応された内視鏡ビューワの一部を含む。
短顎把持装置2800の潜在的な利点として、針2807の操作中に把持装置2800が耐えるのに必要なトルクが抑えられる。いくつかの実施形態においては、顎部の長さが図27A〜図27Eと図28A〜図28Cとの中間の把持装置が提供されることを理解されたい。
・可撓性ドライバ
ここで図29A〜図29Dを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、針2925と一体になってブジー2901内で当該針を前進させる押圧結合ドライバ2900を模式的に示している。また、図29Eを参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、図29A〜図29Dの押圧結合ドライバと併用する切り欠き針2925を模式的に示している。さらに、図29Fおよび図29Gを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、スナップ嵌合ドライバを模式的に示している。
胃スリーブ・ブジーと併せて標準的な内視鏡を使用できることは、潜在的な利点である。ただし、このようなブジーとの併用に向けて具体的に設計されていない内視鏡を使用する場合、把持する針の部分に対する内視鏡胃チャネルの半径方向位置は、可変となる可能性がある。いくつかの実施形態においては、作動チャネルから係合すべき針の特定の半径方向位置までドライバが交差する必要がある利用可能な長さに応じて半径方向の延伸および/または接触を行うような柔軟性および回復力を有する可変長針ドライバ・ヘッドが設けられている。
本発明のいくつかの実施形態において、ブジー2901に沿って針2925を前進させる機構は、針2925と相互作用して沿うように移動させる駆動ヘッド2910を備える。いくつかの実施形態において、駆動ヘッド2910は、(たとえば、ニチノールで形成された)可撓性の本体を備える。任意選択で、駆動ヘッド2910は、たとえば標準的な内視鏡の作動チャネルにドライバ2900を通すのに適した収容位置をドライバ2900のシャフト内に有する。任意選択で、ドライバ2900は、たとえば図28A〜図28Dに関して説明したような別の挿入ツールと併せて用いられる。任意選択で、駆動ヘッド2910は、たとえば当該駆動ヘッド2910に取り付けられ、ツールの操作可能な制御部材(図示せず)へと近位方向に延びた制御部材の使用により、シャフトから開口部2920を通って延びることで使用可能である。任意選択で、シャフトは、駆動ヘッド2910の一部が適合して適所に固定する固定開口部2918を含む。駆動ヘッド2910は、送達用に柔軟ではあるものの、展開すると十分に強固であるため、たとえば縫合針に力を印加して胃壁組織に押し通すのに使用可能である。
いくつかの実施形態において、駆動ヘッドの補助具2911は、針2925と相互作用するように成形された受容部2912で構成されたソケット要素2913を支持する。いくつかの実施形態において、受容部2912は、針2925の本体に沿って位置付けられた複数の切り欠き2927のうちの1つに適合するように構成され、駆動ヘッド2910から針2925にトルクを伝達可能である。
この追加または代替として、受容部2962は、(たとえば、針を挟持するために)針2925の一部を押圧把持するように成形されている。たとえば、ドライバ2950との関係で示すように(図29Fおよび図29G)、可撓性の駆動ヘッド2960は、制御要素2961からの歪め力を受容するように構成されている。歪みは、受容部2962を十分に開いて、針2975の本体へと達する(部分断面で図示)。そして、制御要素2961からの歪め力の復帰により、針が保持される。任意選択で、(たとえば、制御要素2961のさらなる引き寄せによる)別の力の印加によって、針2975をより強固に把持することも可能である。あるいは、歪んでいない形態が開放形態であり、歪みによって把持が開始となる。いくつかの実施形態において、受容部2962は、たとえば返し2963等、把持を強化する不規則性および/または突起を含む。
この追加または代替としては、受容部が針に押圧されて転回可能となるように、針2925および受容部2912が摩擦によって相互作用するように構成されている。
いくつかの実施形態において、支持部2911上のドライバ2900のシャフトからの駆動ヘッド2910のオフセットのサイズは、ヘッドを平坦構成から展開構成に変換するのに適用される制御並進の量に応じて可変である。この追加または代替として、駆動ヘッドは、その支持部2911上で屈曲するため、針が半径方向の近くである(かつ、支持部が内方に屈曲している)場合および針が遠い(支持部が外方に屈曲可能な)場合の両者で針に押圧されるように動作可能である。
特に標準的な内視鏡との併用の場合、駆動ヘッドをこのように適応可能であることは、潜在的な利点であり、ドライバ・シャフトが抜け出る作動チャネルは、相互作用する針の部分からの距離が可変となる可能性がある。
任意選択で、ドライバ2900のシャフトは、ブジー2901の遠位領域に設けられた受容ソケットへのシャフト遠位部の挿入によって安定する。任意選択で、シャフトの遠位部は、駆動ヘッド2910と別個に長手軸と並進するように構成されている。たとえば、シャフトは、駆動ヘッド2910が取り付けられるシャフト部から別個に延伸可能な外側チューブおよび/または内側チューブを備える。これにより、ブジーの長手軸に沿って駆動ヘッドが自由に異なる位置へ並進可能である間に、シャフトを2つの端部で安定化可能とすることによって、潜在的な利点がもたらされる。
いくつかの実施形態においては、駆動ヘッドが可撓性であり、たとえばドライバ2900のシャフトから0mm〜少なくとも5mmだけ延びた範囲に針を駆動する。
・長手方向に配向した把持装置
ここで図30A〜図30Cを参照して、これらは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、ブジー3001の管腔3010内で把持動作を行う端部把持装置3000を模式的に示している。
本発明のいくつかの実施形態において、把持装置3000は、制御に用いる挿入ツール3002の軸に沿って長手方向に延びた一対の顎部3003を備える。任意選択で、挿入ツールには、標準的な内視鏡または把持装置および/もしくはブジーとの併用に対して具体的に適応された内視鏡ビューワの一部を含む。
いくつかの実施形態において、把持装置顎部3003の開閉は、制御部材3004によって制御される。任意選択で、制御部材3004は、顎部近くの遠位方向および近位方向の並進によって制御を行う。たとえば、制御部材は、遠位方向に前進した場合に顎部を閉じるチューブを備える。いくつかの実施形態においては、開放構成にて顎部3003を針の一部に前進させた後、顎部を閉じることによって、針3007が把持される。任意選択で、顎部は、針のプロファイルを適合的に囲むように成形されている(たとえば、針をしっかりと把持するように、把持領域が湾曲あるいは成形されている)。いくつかの実施形態においては、別個の制御部材が設けられていない。顎部は、閉塞位置に付勢されており、(たとえば、スナップ嵌合を構成するための)針本体への力の印加によって開放となる。任意選択で、取り外しは、顎部が解放されるまで針本体から引き離して行う。任意選択で潜在的には、動作の主要な力は、長手方向の力の印加ではなく回転であり、針を組織に通すのに十分な係合を維持しつつ、針のスナップ嵌合および解放の構成が可能となる。
横断方向の接近ではなく長手方向の接近によって把持を行う顎部の潜在的な利点として、比較的低い要件でトルクに耐えるように動作可能でありながら、任意選択で、針の断面を顎部で囲むことができる。
いくつかの実施形態において、把持装置3000は、たとえば針3007の半径方向位置上の場所において、挿入ツール3002の外径近くで当該挿入ツール3002の遠位端に取り付けられている。任意選択で、チャネル内を通るシャフトに取り付けられている。あるいは、挿入ツール自体の端部に直接取り付けられている。
いくつかの実施形態において、把持装置3000は、直径がおよそ3〜6mm(これら以上、以下、または中間サイズ)である。一方、挿入ツール3002の直径は、その2〜4倍(たとえば、およそ11mm、およそ12mm、およそ13mm、これら以上、以下、または中間直径)である。
本発明のいくつかの実施形態において、把持装置3000は、ブジー管腔の壁および/または挿入ツール外径からおよそ1mmの範囲内で挿入ツール3002から遠位方向に延びている。任意選択で、チャネルは、たとえばおよそ0.5mm、1.5mm、2mm、これら以上、以下、または中間距離等、別の距離範囲内で抜け出る。
いくつかの実施形態においては、把持装置3000による把持の場合、挿入ツール3002の回転によって、針3007を前進させる。
・カテーテル搭載遠位アンカー
ここで図31を参照して、これは、本発明のいくつかの例示的な実施形態に係る、カテーテル3111を用いて位置決めおよび/または操作がなされる封止バルーン部3107が設けられたブジー3100を模式的に示している。
いくつかの実施形態においては、ブジー3100の本体から取り外される(または、取り外し可能な)ブジー3100の遠位固定部3107が設けられている。いくつかの実施形態において、固定部3107は、適所にある場合に膨張してGI管の遠位部を封止する可膨張バルーンを備える。潜在的には、これによって、確実かつ安定して胃の真空を引き、胃スリーブ形成時に胃壁を位置決めすることができる。潜在的には、真空形成中の胃への気体の引き込みに対する十分に高品質なシールによって、縫合時の可視化を妨害し得るブジーへの泡の引き込みの防止に役立つ。
本発明のいくつかの実施形態においては、まず、幽門弁の領域(または、それを過ぎて)ガイドワイヤ3105を位置決めする。その後、固定部3107をガイドワイヤ(たとえば、可撓性カテーテル3111)上で前進させる。任意選択で、カテーテルは、固定部3107のバルーンに膨張流体を運んでシールを形成するのに用いられる。任意選択で、収縮したバルーンの内径は、概ね、隣接するカテーテル部の直径である。いくつかの実施形態において、高可撓部の直径は、およそ2mmである。いくつかの実施形態において、高可撓部の直径は、およそ2.5、3、4、5、8、これら以上、以下、または中間直径である。本発明のいくつかの実施形態において、低可撓部の直径は、たとえば、およそ11〜20mmである。任意選択で、捩れる前の高可撓部の曲率半径は、およそ2cm、4cm、6cm、これら以上、以下、または中間半径である。任意選択で、捩れる前の低可撓部の曲率半径は、およそ20cm、40cm、60cm、これら以上、以下、または中間半径である。任意選択で、低可撓部の曲率半径は、高可撓部の曲率半径の少なくとも5倍、10倍、20倍、これら以上、以下、または中間倍率である。いくつかの実施形態において、高可撓部の壁厚は、たとえば低可撓部の壁厚のおよそ50%、30%、20%、これら以上、以下、または中間厚である。
いくつかの実施形態において、部分3111は、(たとえば、図1Aに示すように)直径が大きく、ブジー本体の遠位拡張部を備えており、ブジー本体(特に、真空下で組織が吸引される部分)が比較的強固である(たとえば、真空下で潰れに耐えるほど強固である)一方、遠位拡張部は比較的柔軟である。潜在的には、比較的柔軟な部分により、幽門の領域に到達して遠位アンカーを挿入するのが容易となる。任意選択で、ガイドワイヤのない2段階剛性ブジーが設けられている。
2段階剛性ブジーの潜在的な利点として、ブジーの遠位固定を与えるブジーの部分から、ブジーの強固な耐真空近位部の構成が切り離される。遠位部をより柔軟にする(たとえば、壁の薄化もしくは柔軟材料での構成ならびに/またはカテーテルへの遠位部の搭載による)ことによって、潜在的には、遠位アンカーの幽門領域挿入の実現がより容易になる。
固定部の取り外しの潜在的な利点として、胃スリーブの形成に用いられる位置決めおよび操作から、封止アンカー3107の位置決めが切り離される。たとえば、固定部3107の配置を妨害しがちな力の印加なく、ブジーの胃スリーブ形成部3109を捩っての胃壁の捕捉、前進、および/または後退が可能である。
別の潜在的な利点として、(任意選択で、真空シールを形成するバルーンでもある)近位アンカー3113と遠位アンカー3107との間の距離は、容易に調整可能である。ブジー3100自体とは無関係にカテーテルを前進および後退可能だからである。
図31に関して説明する実施形態の特徴は、任意選択で、本明細書に記載のその他任意のブジーの実施形態と組み合わせて用いられることを理解されたい。
本明細書において量または値に言及する場合、用語「およそ(about)」は、「その±10%以内」を意味する。
用語「備える(comprises、comprising)」、「含む(includes、including)」、「有する(having)」、およびそれぞれの活用形は、「非限定的に含む」を意味する。
用語「〜から成る(consisting of)」は、「限定的に含む」を意味する。
用語「本質的に〜から成る(consisting essentially of)」は、その組成、方法、または構造が別の成分、ステップ、および/または部品を含み得ることを意味するものの、これらの別の成分、ステップ、および/または部品が特許請求の範囲に係る組成、方法、または構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない場合に限る。
本明細書において、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上別段の明確な指示がない限り、複数表現を含む。たとえば、用語「化合物(a compound)」または「少なくとも1つの化合物(at least one compound)」は、その混合物を含めて、複数の化合物を含み得る。
本明細書において、単語「例(example)」および「例示(exemplary)」は、「一例、事例、または例示として機能すること」を意味する。「例」または「例示」として記載された任意の実施形態は、必ずしも他の実施形態より好適または有利との解釈がなされることおよび/または他の実施形態の特徴の組み込みを除外することを意図していない。
本明細書において、単語「任意選択で(optionally)」は、「いくつかの実施形態において提供され、他の実施形態では提供されない」ことを意味する。本発明の如何なる特定の実施形態も、矛盾する場合を除いて、複数の「任意選択での」特徴を含み得る。
本明細書において、用語「方法(method)」は、所与の課題を達成する様態、手段、技術、および手順を表しており、化学、薬理学、生物学、生物化学、および医学の熟練者に既知または既知の様態、手段、技術、および手順から容易に開発可能な様態、手段、技術、および手順を含むが、これらに限定されない。
本明細書において、用語「処置(treating)」は、状態の進行の無効化、実質的な阻止、低速化、もしくは反転、状態の臨床的もしくは美的症状の実質的な改善、または状態の臨床的もしくは美的症状の出現の実質的な防止を含む。
本出願の全体を通して、本発明の実施形態は、範囲形式を参照して表される場合がある。範囲形式での記述は、利便性および簡便性を目的としているに過ぎず、本発明の範囲に対する絶対的な制限と解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の記述は、当該範囲内の考え得るすべての下位範囲および個別の数値を具体的に開示したものと考えられるべきである。たとえば、「1〜6」等の範囲の記述は、「1〜3」、「1〜4」、「1〜5」、「2〜4」、「2〜6」、「3〜6」等の下位範囲のほか、たとえば1、2、3、4、5、および6等、当該範囲内の個々の数値を具体的に開示したものと考えられるべきである。このことは、範囲の幅とは無関係に当てはまる。
本明細書において数値範囲(たとえば、「10−15」、「10から15まで(10 to 15)」、または別の範囲指標により連結された任意対の数字)が指定されている場合は常に、文脈上別段の明確な指示がない限り、範囲境界も含めて、支持された範囲境界内の任意の数字(小数または整数)を含むものとする。本明細書において、第1の指示数と第2の指示数との間の「範囲(range/ranging/ranges)」および第1の指示数から第2の指示数まで(「to」、「up to」、「until」、「through」、または別の範囲指示語)の「範囲(range/ranging/ranges)」という表現は、区別なく用いられており、第1および第2の指示数ならびに両者間のすべての小数および整数を含むものである。
以上、具体的な実施形態と併せて本発明を説明したが、当業者には当然のことながら、多くの変更、改良、および変形が明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲の主旨および広い範囲に含まれるこのようなすべての変更、改良、および変形が包含されるものとする。
本明細書に記載のすべての刊行物、特許、および特許出願は、各個別の刊行物、特許、または特許出願の具体的かつ個別の援用指示と同じ程度まで、そのすべての内容を参照により本明細書に援用する。また、本出願における如何なる参考文献の引用または識別も、このような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることを認めるものとして解釈されないものとする。項目見出しは、その使用の限りにおいて、必ずしも限定的に解釈されるべきではない。
当然のことながら、本発明の特定の特徴は、明瞭化のため、個々の実施形態の背景において説明したが、1つの実施形態において組み合わせて提供可能であることを理解されたい。逆に、本発明の種々特徴は、簡潔化のため、1つの実施形態の背景において説明したが、別個の提供、任意適当な副組み合わせでの提供、または本発明のその他任意の上記実施形態に適したものとしての提供も可能である。種々実施形態の背景において説明した特定の特徴は、当該要素なしで無効とならない限り、上記実施形態の本質的な特徴とは考えられないものとする。
・関連出願の相互参照
本出願は、2015年4月15日に出願された米国仮特許出願第62/147,897号および2013年10月10日に出願された米国仮特許出願第61/889,099号の優先権の利益を主張する2014年10月8日に出願された国際特許出願第PCT/IL2014/050893号の優先権の利益を主張するものであり、それらすべての内容を参照により本明細書に援用する。