JP6819946B2 - 切削工具 - Google Patents

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Description

本発明は、切削工具に関する。
従来から、基材をダイヤモンド層で被覆した切削工具として、特開2015−85462号公報(特許文献1)に記載された切削工具が知られている。特許文献1に記載された切削工具の工具本体は、逃げ面と、すくい面と、逃げ面及びすくい面の交差稜線に形成された切れ刃とを有している。工具本体は、硬質皮膜に被覆されている。
特許文献1に記載の切削工具においては、切削工具の切れ味を改善するため、レーザがすくい面側に照射される。これにより、工具本体のすくい面側を被覆している硬質皮膜が除去され、工具本体の逃げ面側を被覆している硬質皮膜が残存している。
特開2015−85462号公報
特許文献1の切削工具においては、工具本体のすくい面側を被覆している硬質皮膜を除去する際に、条件によっては、レーザによりすくい面が粗面化されることがある。その結果、すくい面と被削材との摩擦が大きくなってしまう。また、レーザ照射の影響により、残存した工具本体の逃げ面側を被覆している硬質皮膜には、欠陥及び基材との膜密着性の劣化が生じる。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本発明は、すくい面と被削材との摩擦を低減し、切れ刃の切れ味を改善し、逃げ面側の基材を被覆しているダイヤモンド層の膜密着性の劣化等を抑制することができる切削工具を提供するものである。
本発明の一態様に係る切削工具は、すくい面と、すくい面に連なる逃げ面と、すくい面と逃げ面との稜線から構成される切れ刃とを備えている。本発明の一態様に係る切削工具は、基材と、ダイヤモンド層と、被覆層とを備えている。基材は、すくい面側の面である第1面と逃げ面側の面である第2面とを有している。ダイヤモンド層は、基材の第1面及び第2面を被覆している。被覆層は、基材の第1面と基材の第1面側を被覆しているダイヤモンド層との間に配置され、かつダイヤモンド層に接している。ダイヤモンド層と被覆層との間の密着強度は、被覆層と基材の第1面との間の密着強度よりも低い。
上記によると、レーザを照射することなく、被覆層とダイヤモンド層との界面に沿ってダイヤモンド層が容易に剥離する。そのため、上記によると、すくい面と被削材との摩擦を低減し、切れ刃の切れ味を改善し、逃げ面側の基材を被覆しているダイヤモンド層の膜密着性の劣化等を抑制することができる。
実施形態に係る切削工具の上面図である。 図1の領域IIにおける拡大上面図である。 実施形態に係る切削工具を用いた切削加工の模式図である。 図2のIV−IVにおける断面図である。 実施形態の変形例に係る切削工具の切れ刃に垂直な断面における断面図である。 実施形態に係る切削工具の製造方法の工程図である。 被覆層形成工程が行われた後における実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具の断面図である。 ダイヤモンド層形成工程が行われた後における実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具の断面図である。 切削開始後における実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具の切れ刃に垂直な断面における断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係る切削工具は、すくい面と、すくい面に連なる逃げ面と、すくい面と逃げ面との稜線から構成される切れ刃とを備えている。また、本発明の一態様に係る切削工具は、基材と、ダイヤモンド層と、被覆層とを備えている。基材は、すくい面側の面である第1面と逃げ面側の面である第2面とを有している。ダイヤモンド層は、基材の第1面及び第2面を被覆している。被覆層は、基材の第1面と基材の第1面側を被覆しているダイヤモンド層との間に配置され、かつダイヤモンド層に接している。ダイヤモンド層と被覆層との間の密着強度は、被覆層と基材の第1面との間の密着強度よりも低い。
(1)の切削工具によると、すくい面と被削材との摩擦を低減し、切れ刃の切れ味を改善し、逃げ面側の基材を被覆しているダイヤモンド層の膜密着性の劣化等を抑制することができる。
(2)(1)の切削工具において、基材は超硬合金であり、被覆層は脱炭層であり、脱炭層は、基材よりも低い合金炭素量を有していてもよい。
(2)の切削工具によると、簡易にすくい面と被削材との摩擦を低減し、切れ刃の切れ味を改善することができる。
(3)(1)の切削工具において、基材は超硬合金であり、被覆層は基材とは異なる金属材料により構成されている金属層及びセラミックスにより構成されるセラミックス層のいずれかであってもよい。
(3)の切削工具によると、簡易にすくい面と被削材との摩擦を低減し、切れ刃の切れ味を改善することができる。
(4)(1)〜(3)の切削工具において、被覆層の最大高さ粗さRzは2μm以下であってもよい。
(4)の切削工具によると、すくい面と被削材との摩擦をさらに低減し、切れ刃の切れ味をさらに改善することができる。
(5)(1)〜(4)の切削工具において、被覆層の摩擦係数は0.6以下であってもよい。
(5)の切削工具によると、すくい面と被削材との摩擦をさらに低減し、切れ刃の切れ味をさらに改善することができる。
(6)(1)〜(5)の切削工具において、被覆層の線膨張係数は、基材又はダイヤモンド層の線膨張係数より大きくてもよい。
(6)の切削工具によると、ダイヤモンド層が被覆層からさらに容易に剥離する。その結果、被覆層に残留応力が残りにくく、被覆層の表面の凹凸がさらに減少する。そのため、この場合には、すくい面と被削材との摩擦をさらに低減し、切れ刃の切れ味をさらに改善することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下に、本発明の実施形態の詳細について図を参照して説明する。なお、各図中同一または相当部分には同一符号を付している。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(実施形態に係る切削工具の構成)
以下に、実施形態に係る切削工具の構成について説明する。図1は、実施形態に係る切削工具の上面図である。実施形態に係る切削工具は、先端部1と、ボディ部2と、シャンク部3とを有している。実施形態に係る切削工具は、ボールエンドミルである。実施形態に係る切削工具は、ボールエンドミルに限られるものではない。例えば、実施形態に係る切削工具は、ラジアスエンドミル等であってもよい。
図2は、図1の領域IIにおける拡大上面図である。図2に示すように、実施形態に係る切削工具は、先端部1において、すくい面11と、逃げ面12(図4参照)とを有している。すくい面11は、逃げ面12に連なっている。すくい面11と逃げ面12との稜線は、切れ刃13を構成している。
図3は、実施形態に係る切削工具を用いた切削加工の模式図である。図3に示すように、実施形態に係る切削工具は、中心軸Aを中心として回転しながら、切れ刃13が被削材に付勢される。これにより、被削材の切削加工が行われる。
図4は、図2のIV−IV断面における断面図である。図4に示すように、実施形態に係る切削工具は、基材4と、ダイヤモンド層5と、被覆層6とを有している。基材4は、第1面41と、第2面42とを有している。第1面41は、基材4のすくい面11側の面である。第2面42は、基材4の逃げ面12側の面である。
基材4は、ダイヤモンド層5により被覆されている。具体的には、基材4の第1面41側及び第2面42側は、ダイヤモンド層5により被覆されている。基材4の第2面42は、ダイヤモンド層5に接している。基材4の第1面41側を被覆しているダイヤモンド層5は、厚さh1を有している。基材4の第2面42側を被覆しているダイヤモンド層5は、厚さh2を有している。厚さh1及び厚さh2は、3μm以上30μm以下である。切れ刃13は、丸まっている。
基材4は、炭素(C)を含有する金属材料である。基材4には、例えば、WC(炭化タングステン)等の粉末と、Co(コバルト)等の結合剤とを含む焼結体である超硬合金が用いられる。超硬合金中のCoの含有量は、12重量パーセント以下であることが好ましい。超硬合金中のCoの含有量は、重切削時の基材4の強度を考慮し、6重量パーセント以下であることがさらに好ましい。なお、基材4は、ダイヤモンド層5及び被覆層6以外の層によりコーティングされている場合は、そのコーティングを含めて基材4とする。
ダイヤモンド層5は、例えば、ダイヤモンド結晶を含有する層である。ダイヤモンド層5は、例えば、ダイヤモンド多結晶膜である。ダイヤモンド層5は、非ダイヤモンド成分(例えば非晶質成分)等を含有していてもよい。
被覆層6は、基材4の第1面41側を被覆しているダイヤモンド層5と基材4との間に設けられている。被覆層6は、基材4の第1面41側を被覆しているダイヤモンド層5に接している。被覆層6は、基材4の第1面41に接している。
ダイヤモンド層5と被覆層6との間の密着強度は、被覆層6と基材4の第1面41との間の密着強度よりも低い。このことを別の観点からいえば、ダイヤモンド層5と被覆層6との間の剥離は、被覆層6と基材4の第1面41との間の剥離よりも生じやすくなっている。ダイヤモンド層5と被覆層6との間の密着強度が被覆層6と基材4の第1面41との間の密着強度よりも低いことは(ダイヤモンド層5と被覆層6との間の剥離は、被覆層6と基材4の第1面41との間の剥離よりも生じやすくなっていることは)、切削加工前の切削工具のすくい面11及び逃げ面12に対してレーザを照射し、ダイヤモンド層5の剥離の程度の差を観察することにより判断できる。
実施形態に係る切削工具においては、被覆層6は、例えば脱炭層6aである。脱炭層6aにおける合金炭素量は、基材4の炭素濃度よりも低い。より具体的には、基材4が超硬合金である場合、脱炭層6aは、イーター(η)相(WCoC、WCoC)により構成されていてもよい。脱炭層6a上にダイヤモンド層5を成膜する過程において、脱炭層6aの表面上で浸炭現象が発生する。その結果、脱炭層6aとダイヤモンド層5との間に煤(遊離炭素)が生じる。これに伴い、脱炭層6aとダイヤモンド層5との膜密着性が低下する。
基材4を被覆しているダイヤモンド層5をレーザ等により除去した場合における基材4の表面粗さ(なお、表面粗さとは、JIS B0601−2013に定める最大高さ粗さRzをいう。以下において同じ。)は、6μm程度である。そのため、被覆層6の表面粗さは、これよりも小さいことが好ましい。被覆層6の表面粗さは、2μm以下であることがさらに好ましい。被覆層6の摩擦係数は、0.6以下であることが好ましい。
なお、被覆層6の表面粗さは、触針式又は光学干渉式の表面粗さ測定器を用いて測定される。なお、被覆層6の摩擦係数は物質固有の値である。
被覆層6の線膨張係数は、ダイヤモンド層5の線膨張係数よりも大きいことが好ましい。この場合には、被覆層6とダイヤモンド層5との間の熱応力に起因して、被覆層6との境界においてダイヤモンド層5の剥離が生じやすくなる。被覆層6の線膨張係数は、基材4の線膨張係数よりも大きいことがさらに好ましい。この場合には、被覆層6とダイヤモンド層5との線膨張係数の差がさらに拡大することにより、被覆層6との境界においてダイヤモンド層5の剥離がさらに生じやすくなる。より具体的には、0.7×10−6/K以上であることが好ましい。
(実施形態の変形例に係る切削工具の構成)
以下に、実施形態の変形例に係る切削工具の構成について説明する。なお、以下においては、実施形態に係る切削工具と異なる点について主に説明し、同様の説明は繰り返さない。
図5は、実施形態の変形例に係る切削工具の切れ刃13に垂直な断面における断面図である。図5に示すように、実施形態の変形例に係る切削工具は、すくい面11と、逃げ面12と、切れ刃13とを有している。また、実施形態の変形例に係る切削工具は、基材4と、ダイヤモンド層5と、被覆層6とを有している。これらの点において、実施形態の変形例に係る切削工具は、実施形態に係る切削工具と同様である。
実施形態の変形例に係る切削工具の被覆層6は、金属から構成される層(金属層6b)又はセラミックスから構成される層(セラミックス層6c)である。この点において、実施形態の変形例に係る切削工具は、実施形態に係る切削工具と異なっている。
金属層6bに用いられる金属は、基材4に用いられる材料とは異なっている。金属層6bには、ダイヤモンド層5との間の密着強度が、基材4の第1面41との間の密着強度よりも低くなるような金属が用いられる。具体的には、金属層6bには、Ni(ニッケル)が用いられる。
セラミックス層6cには、ダイヤモンド層5との間の密着強度が、基材4の第1面41との間の密着強度よりも低くなるようなセラミックスが用いられる。具体的には、SiO(二酸化珪素)、アルミナ(Al)、DLC(Diamond Like Carbon)等が用いられる。
(実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具の製造方法)
以下に、実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具の製造方法について説明する。図6は、実施形態に係る切削工具の製造方法の工程図である。図6に示すように、実施形態に係る切削工具の製造方法は、被覆層形成工程S1と、ダイヤモンド層形成工程S2とを有する。
図7は、被覆層形成工程S1が行われた後における実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具の断面図である。図7に示すように、被覆層形成工程S1においては、被覆層6が形成される。具体的には、図7(A)に示すように、基材4の第1面41側に、脱炭層6aが形成される。脱炭層6aは、基材4の第1面41上にレーザを照射することにより形成される。すなわち、このレーザ照射により、基材4の第1面41側において合金炭素量が減少することにより、脱炭層6aが形成される。なお、脱炭層6aは、放電加工により形成してもよい。図7(B)に示すように、被覆層形成工程S1においては、基材4の第1面41上に、金属層6b又はセラミックス層6cが形成されてもよい。金属層6b及びセラミックス層6cは、例えばPVD(Physical Vapor Deposition)により形成される。
図8は、ダイヤモンド層形成工程S2が行われた後における実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具の断面図である。図8(A)及び図8(B)に示すように、ダイヤモンド層形成工程S2においては、基材4の第1面41側及び第2面42側がダイヤモンド層5により被覆される。より具体的には、基材4の第2面42及び被覆層6(脱炭層6a、金属層6b又はセラミックス層6c)がダイヤモンド層5により被覆される。これにより、被覆層6が基材4の第1面41側を被覆しているダイヤモンド層5と基材4との間に位置し、かつ基材4の第1面41側を被覆しているダイヤモンド層5に接することになる。なお、このダイヤモンド層5の成膜は、例えばHFCVD(Hot Filament Chemical Vapor Deposition)を用いて行われる。以上から、実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具の製造方法が完了する。
ダイヤモンド層5の成膜時には、実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具の先端周辺の温度が、他の部分よりも高くなる。そのため、ダイヤモンド層5の成膜が促進される。その結果、実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具の製造方法が完了した後であって切削加工の開始前の段階においては、実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具の切れ刃13は、丸まっている。
(実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具の効果)
以下に、実施形態の切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具の効果について説明する。図9は、切削開始後における実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具の切れ刃13に垂直な断面における断面図である。図9(A)及び図9(B)に示すように、切削開始後においては、被覆層6(脱炭層6a、金属層6b又はセラミックス層6c)上のダイヤモンド層5が剥離している。すなわち、切削開始後においては、被覆層6(脱炭層6a、金属層6b又はセラミックス層6c)が露出している。このことを別の観点からいえば、実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具は、切削開始後においては、すくい面11の一部が、被覆層6により構成されている。
実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具においては、被覆層6(脱炭層6a、金属層6b又はセラミックス層6c)とダイヤモンド層5との間の密着強度が、被覆層6と基材4の第1面41との間の密着強度よりも低い。そのために、被覆層6上のダイヤモンド層5は、切削の際に被削材から加わる力により、容易に剥離する。
その結果、実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具においては、切削開始に伴うダイヤモンド層5の剥離により、鋭利な切れ刃が形成され、切削工具の切れ味が改善される。
実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具においては、レーザ等を用いることなく、第1面41側のダイヤモンド層5が除去される。そのため、第1面41側のダイヤモンド層5の除去に伴ってすくい面11が粗面化されることはなく、基材4の逃げ面12側を被覆しているダイヤモンド層5に対する欠陥の発生や基材4との密着性の低下も生じにくい。その結果、実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具によると、すくい面11と被削材との摩擦を低減することができ、基材4の逃げ面12側を被覆しているダイヤモンド層5の基材4との密着性の低下を抑制することができる。
実施形態に係る切削工具において被覆層6が脱炭層6aである場合、基材4の第1面41側の極表面上に空気中で弱い強度のレーザを照射する等により、簡易に被覆層6を形成することができる。そのため、この場合には、簡易にすくい面と被削材との摩擦を低減し、切れ刃の切れ味を改善することができる。
被覆層6が金属層6b又はセラミックス層6cである場合、すなわち、実施形態の変形例に係る切削工具の場合、基材4の第1面41上にPVD等により、簡易に被覆層6を形成することができる。そのため、この場合には、簡易にすくい面と被削材との摩擦を低減し、切れ刃の切れ味を改善することができる。
実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具においては、切削開始後にすくい面11側のダイヤモンド層5が剥離されるため、すくい面11の表面粗さは、被覆層6の表面粗さにより決定される。そのため、実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具において、被覆層6の表面粗さ(最大高さ粗さRz)が2μm以下である場合、すくい面11と被削材との摩擦をさらに低減し、切れ刃の切れ味をさらに改善することができる。
実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具においては、切削開始後にすくい面11側のダイヤモンド層5が剥離されるため、すくい面11の摩擦係数は、被覆層6の摩擦係数により決定される。そのため、実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具において被覆層6の摩擦係数が0.6以下である場合には、すくい面11と被削材との摩擦をさらに低減し、切れ刃の切れ味をさらに改善することができる。
実施形態に係る切削工具及び実施形態の変形例に係る切削工具において、被覆層6の線膨張係数が基材4又はダイヤモンド層5の線膨張係数よりも大きい場合、特に被覆層6の線膨張係数が0.7×10−6/K以上である場合、ダイヤモンド層5が被覆層6からさらに容易に剥離する。そのため、ダイヤモンド層5が剥離した後の被覆層6に残留している応力は小さく、ダイヤモンド層5が剥離した後の被覆層6の表面は、凹凸が少なく平坦である。したがって、この場合には、すくい面11と被削材との摩擦をさらに低減し、切れ刃の切れ味をさらに改善することができる。また、この場合には、ダイヤモンド層5の剥離後に切れ刃となる残存したダイヤモンド層5の端面の凹凸が小さくなり、切れ刃の切れ味をさらに改善することができる。なお、上記においては、ダイヤモンド層5と被覆層6との間の密着強度が被覆層6と基材4の第1面41との間の密着強度より低い場合について説明したが、基材4のすくい面11側を被覆しているダイヤモンド層5を基材4から剥離しやすくする効果を発現する観点からは、ダイヤモンド層5と被覆層6との間の密着強度及び被覆層6と基材4の第1面との間の密着強度のうちの少なくともいずれかが、ダイヤモンド層5と基材4の第2面42との間の密着強度よりも低ければよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 先端部
11 すくい面
12 逃げ面
13 切れ刃
2 ボディ部
3 シャンク部
4 基材
41 第1面
42 第2面
5 ダイヤモンド層
6 被覆層
6a 脱炭層
6b 金属層
6c セラミックス層
A 中心軸
h1,h2 厚さ
S1 被覆層形成工程
S2 ダイヤモンド層形成工程。

Claims (6)

  1. すくい面と、前記すくい面に連なる逃げ面と、前記すくい面と前記逃げ面との稜線から構成される切れ刃とを備える切削工具であって、
    前記すくい面側の面である第1面と、前記逃げ面側の面である第2面とを有する基材と、
    前記基材の前記第1面及び前記第2面を被覆しているダイヤモンド層と、
    前記基材の前記第1面と前記基材の前記第1面側を被覆している前記ダイヤモンド層との間に配置され、かつ前記ダイヤモンド層に接する被覆層とを備え、
    前記ダイヤモンド層と前記被覆層との間の密着強度は、前記被覆層と前記基材の前記第1面との間の密着強度よりも低
    前記第2面と前記ダイヤモンド層とは、互いに接している、切削工具。
  2. 前記基材は、超硬合金により構成されており、
    前記被覆層は、前記基材より低い合金炭素量を有する脱炭層である、請求項1に記載の切削工具。
  3. 前記基材は、超硬合金により構成されており、
    前記被覆層は、前記基材とは異なる金属により構成されている金属層及びセラミックスにより構成されているセラミックス層のいずれかである、請求項1に記載の切削工具。
  4. 前記被覆層の最大高さ粗さRzは、2μm以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の切削工具。
  5. 前記被覆層の摩擦係数は、0.6以下である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の切削工具。
  6. 前記被覆層の線膨張係数は、前記基材又は前記ダイヤモンド層の線膨張係数よりも大きい、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の切削工具。
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