JP6819452B2 - 直流遮断装置 - Google Patents

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本発明は、モジュラー・マルチレベル・カスケード変換器(MMCC)を使用した直流遮断装置に関する。
従来から直流電流を遮断する直流遮断装置が知られている。直流電流は交流電流と異なり零点が生じないため、機械遮断器を開極した際に発生するアークを消弧できないという課題がある。そこで、機械遮断器開極時の電流を補助回路に迂回させることで電流の零点を作り出し、アークを消弧する方法が考えられる。
しかし、機械遮断器開極時の電流を補助回路に迂回される方法では、短絡事故発生時など大電流を遮断する際、補助回路の素子に系統電圧と同等、またはそれ以上の電圧が印加される。
系統電圧が10kV以上と高い場合は、高耐圧のコンデンサやダイオードを使用するか、または、複数直列にして耐圧を高くする必要があり、部品点数やコストが増加する。直列接続を選択する場合は各素子の電圧分担を均等にする追加回路が必要となる。
また、素子の直列接続により補助回路のインピーダンスが増加すれば、電流を迂回させる効果が低下し、結果として機械遮断器に電流零点を作り出せず電流遮断に失敗する恐れが高まってしまう。
トランスを使用せず高圧系統に直接接続できる電力変換回路としてモジュラー・マルチレベル・カスケード変換器(MMCC)がある。この回路の特徴は図2(a)(b)に示すチョッパセルCやブリッジセルBをカスケード接続したモジュールでアームを構成する点にあり、セル接続台数を増加することでより高い電圧を扱うことができる。MMCCを直流遮断装置に応用した例として特許文献1が開示されている。
特開2016−149213号公報 特開2011−182517号公報
特許文献1の構成では、電流路に単相変圧器の一次巻線があるため、正常時においても一次巻線に電流が流れ続け、単相変圧器の銅損が発生するという問題がある。また、電流が一定ではない場合、電流の時間変化に応じて単相変圧器の鉄損も発生する。そのため、直流遮断装置の定常損失は零にはならない。
また、一次巻線には電流増加速度を制限する効果がある。しかし、短絡発生時には大電流が流れるため、変圧器の磁気飽和を防ぐため鉄心断面積を大きくする必要があり、重量が増加するという問題もある。
以上示したようなことから、直流遮断装置において、系統電圧が高い場合でも直流電流を遮断することが課題となる。
本発明は、前記従来の問題に鑑み、案出されたもので、その一態様は、第1直流系統の+端子と第2直流系統の+端子との間に接続された機械遮断器と、前記第1直流系統の+端子と前記機械遮断器の共通接続点と、前記第1直流系統の−端子との間に接続されたコンデンサと、前記機械遮断器と前記第2直流系統の+端子の共通接続点と、前記第1直流系統の−端子と前記第2直流系統の−端子の共通接続点との間に1つ接続され、または、複数直列接続されたチョッパセルと、前記チョッパセルに直列接続されたバッファリアクトルと、を備え、前記チョッパセルは、一方の接続端子に一端が接続された第1スイッチングデバイスと、前記一方の接続端子と他方の接続端子との間に接続された第2スイッチングデバイスと、前記第1スイッチングデバイスの他端と前記他方の接続端子との間に接続された第1セルコンデンサと、を備えたことを特徴とする。
また、他の態様として、第1直流系統の−端子と第2直流系統の−端子との間に接続された機械遮断器と、前記第1直流系統の−端子と前記機械遮断器の共通接続点と、前記第1直流系統の+端子との間に接続されたコンデンサと、前記機械遮断器と前記第2直流系統の−端子の共通接続点と、前記第1直流系統の+端子と前記第2直流系統の+端子の共通接続点との間に1つ接続され、または、複数直列接続されたチョッパセルと、前記チョッパセルに直列接続されたバッファリアクトルと、を備え、前記チョッパセルは、一方の接続端子に一端が接続された第1スイッチングデバイスと、前記一方の接続端子と他方の接続端子との間に接続された第2スイッチングデバイスと、前記第1スイッチングデバイスの他端と前記他方の接続端子との間に接続された第1セルコンデンサと、を備えたことを特徴とする。
また、その一態様として、前記チョッパセルに、直列接続された1つ、または、複数のブリッジセルを備え、前記ブリッジセルは、一方の接続端子に一端が接続された第3スイッチングデバイスと、前記第3スイッチングデバイスに直列に接続された第4スイッチングデバイスと、前記第3スイッチングデバイスの他端と他方の接続端子との間に接続された第5スイッチングデバイスと、前記第4スイッチングデバイスと他方の接続端子との間に接続された第6スイッチングデバイスと、前記第3,第5スイッチングデバイスの共通接続点と前記第4,第6スイッチングデバイスの共通接続点との間に接続された第2セルコンデンサと、前記第2セルコンデンサに並列接続された非線形抵抗と、を備えたことを特徴とする。
また、他の態様として、第1直流系統の+端子と第2直流系統の+端子との間に接続された機械遮断器と、前記第1直流系統の+端子と前記機械遮断器の共通接続点と、前記第1直流系統の−端子との間に接続されたコンデンサと、前記機械遮断器と前記第2直流系統の+端子の共通接続点と、前記第1直流系統の−端子と前記第2直流系統の−端子の共通接続点との間に1つ接続され、または、複数直列接続されたブリッジセルと、前記ブリッジセルに直列接続されたバッファリアクトルと、を備え、前記ブリッジセルは、一方の接続端子に一端が接続された第3スイッチングデバイスと、前記第3スイッチングデバイスに直列に接続された第4スイッチングデバイスと、前記第3スイッチングデバイスの他端と他方の接続端子との間に接続された第5スイッチングデバイスと、前記第4スイッチングデバイスと他方の接続端子との間に接続された第6スイッチングデバイスと、前記第3,第5スイッチングデバイスの共通接続点と前記第4,第6スイッチングデバイスの共通接続点との間に接続された第2セルコンデンサと、前記第2セルコンデンサに並列接続された非線形抵抗と、を備えたことを特徴とする。
また、他の態様として、第1直流系統の−端子と第2直流系統の−端子との間に接続された機械遮断器と、前記第1直流系統の−端子と前記機械遮断器の共通接続点と、前記第1直流系統の+端子との間に接続されたコンデンサと、前記機械遮断器と前記第2直流系統の−端子の共通接続点と、前記第1直流系統の+端子と前記第2直流系統の+端子の共通接続点との間に1つ接続され、または、複数直列接続されたブリッジセルと、前記ブリッジセルに直列接続されたバッファリアクトルと、を備え、前記ブリッジセルは、一方の接続端子に一端が接続された第3スイッチングデバイスと、前記第3スイッチングデバイスに直列に接続された第4スイッチングデバイスと、前記第3スイッチングデバイスの他端と他方の接続端子との間に接続された第5スイッチングデバイスと、前記第4スイッチングデバイスと他方の接続端子との間に接続された第6スイッチングデバイスと、前記第3,第5スイッチングデバイスの共通接続点と前記第4,第6スイッチングデバイスの共通接続点との間に接続された第2セルコンデンサと、前記第2セルコンデンサに並列接続された非線形抵抗と、を備えたことを特徴とする。
また、その一態様として、セルモジュール電流の検出値がセルモジュール電流指令値と等しくなるように、電流制御を行うことを特徴とする。
また、その一態様として、前記第1直流系統から前記第2直流系統に電流が流れており、前記第2直流系統で事故が発生した場合は、前記チョッパセルの前記第1スイッチングデバイスをON,前記第2スイッチングデバイスをOFFにし、機械遮断器通過電流が所定値よりも低くなった時点で前記機械遮断器を開極し、前記第2直流系統から前記第1直流系統に電流が流れており、前記第1直流系統で事故が発生した場合は、前記チョッパセルの前記第1スイッチングデバイスをOFF,前記第2スイッチングデバイスをONし、機械遮断器通過電流が所定値よりも低くなった時点で前記機械遮断器を開極することを特徴とする。
また、他の態様として、前記第1直流系統から前記第2直流系統に電流が流れており、前記第2直流系統で事故が発生した場合は、前記チョッパセルの前記第1スイッチングデバイスをON,前記第2スイッチングデバイスをOFFにし、前記ブリッジセルの前記第3,第6スイッチングデバイスをON,前記第4,第5スイッチングデバイスをOFFし、機械遮断器通過電流が所定値よりも低くなった時点で前記機械遮断器を開極し、前記第2直流系統から前記第1直流系統に電流が流れており、前記第1直流系統で事故が発生した場合は、前記チョッパセルの前記第1スイッチングデバイスをOFF,前記第2スイッチングデバイスをONし、前記ブリッジセルの前記第3,第6スイッチングデバイスをOFF,前記第4,第5スイッチングデバイスをONし、機械遮断器通過電流が所定値よりも低くなった時点で前記機械遮断器を開極することを特徴とする。
また、他の態様として、前記第1直流系統から前記第2直流系統に電流が流れており、前記第2直流系統で事故が発生した場合は、前記ブリッジセルの前記第3,第6スイッチングデバイスをON,前記第4,第5スイッチングデバイスをOFFし、機械遮断器通過電流が所定値よりも低くなった時点で前記機械遮断器を開極し、前記第2直流系統から前記第1直流系統に電流が流れており、前記第1直流系統で事故が発生した場合は、前記ブリッジセルの前記第3,第6スイッチングデバイスをOFF,前記第4,第5スイッチングデバイスをONし、機械遮断器通過電流が所定値よりも低くなった時点で前記機械遮断器を開極することを特徴とする。
本発明によれば、直流遮断装置において、系統電圧が高い場合でも直流電流を遮断することが可能となる。
実施形態1における直流遮断装置を示す回路図。 チョッパセルとブリッジセルを示す回路図。 実施形態1におけるセルコンデンサの充電動作を示す図。 実施形態1におけるセルコンデンサの充電電流の減少を示す図。 実施形態1における第2直流系統短絡時の遮断動作を示す図。 実施形態1における第1直流系統短絡時の遮断動作を示す図。 実施形態2における直流遮断装置を示す回路図。 実施形態2における第2直流系統短絡時の遮断動作を示す図。 実施形態2における第1直流系統短絡時の遮断動作を示す図。 実施形態2における第2直流系統短絡時のシミュレーション条件を示す図。 実施形態2におけるシミュレーション結果を示す図。 実施形態2における第1直流系統短絡時のシミュレーション条件を示す図。 実施形態2におけるシミュレーション結果を示す図。 実施形態3における直流遮断装置を示す回路図。 実施形態3における直流遮断装置の制御部を示すブロック図。 セル4台の場合のキャリア三角波と起動信号を示す図。
以下、本願発明における直流遮断装置の実施形態1〜3を図1〜図15に基づいて詳述する。
[実施形態1]
図1に本実施形態1における直流遮断装置3の主回路構成を示す。図1に示すように、本実施形態1における直流遮断装置3は、機械遮断器CBと、コンデンサCaと、バッファリアクトルLzと、n台のチョッパセルCと、電流検出器4と、を備える。
第1直流系統1の+端子と第2直流系統2の+端子との間に機械遮断器CBが接続される。第1直流系統1の+端子と機械遮断器CBの共通接続点と、第1直流系統1の−端子との間にコンデンサCaが接続される。
機械遮断器CBと第2直流系統2の+端子の共通接続点にはバッファリアクトルLzの一端が接続される。バッファリアクトルLzの他端と第1直流系統1の−端子と第2直流系統2の−端子の共通接続点との間には1つ、または、複数の図2(a)に示すチョッパセルCがカスケード接続される。ここではチョッパセルCの台数をn台とする。チョッパセルCの台数nはセル内の部品の耐圧と第1系統電圧Vdcに基づいて定められる。
第1直流系統1は、第1系統電圧Vdcが印加される。図1では、直流電圧源5と、リアクトル6で示している。第2直流系統2は、第2系統電圧Vlが印加される。図1では、直流電圧源7とリアクトル8で示しているが、負荷でもよい。また、第2直流系統2に流れる電流Ilを検出する電流検出器4が設けられる。
チョッパセルCは、図2(a)に示すように、一方の接続端子に一端が接続された第1スイッチングデバイスS1と、一方の接続端子と他方の接続端子との間に接続された第2スイッチングデバイスS2と、第1スイッチングデバイスS1の他端と他方の接続端子との間に接続されたセルコンデンサCcと、を備える。
各チョッパセルCにはコンデンサ電圧を検出する電圧検出器を接続する。k番目のセルコンデンサ電圧をVckとする。
以下、本実施形態1における直流遮断装置の動作を説明する。まず、正常時は機械遮断器CBを閉じ、セルコンデンサCcを充電して待機する。各セルコンデンサ電圧の合計は第1系統電圧Vdcを上回るように充電する必要がある。今、セルコンデンサ電圧平均値をVcavgと置き、Vck≒Vcavgと仮定する。
(k+1)Vcavg>Vdc>kVcavgを満たす場合、セルコンデンサ電圧の高い方からn−k台のチョッパセルCの第2スイッチングデバイスS2をONする。これにより、バッファリアクトルLzにはVdc−kVcavgの電圧が印加され、セルモジュール電流Izは以下の(1)式で表される傾きで図1の下向き(+端子側から−端子側)に流れ始める。
Figure 0006819452
このセルモジュール電流Izは、セルコンデンサ電圧の低い方からk台のチョッパセルCのセルコンデンサCcを充電する。あらかじめ定めた時間が経過した後は、全チョッパセルCの第1,第2スイッチングデバイスS1,S2をOFFにする。これによりバッファリアクトルLzにはVdc−nVcavgの電圧が印加され、セルモジュール電流Izは以下の(2)式で表される傾きで減少し零になる。
Figure 0006819452
このときの電流は全チョッパセルCのセルコンデンサCcを充電する。以上の動作を繰り返し、セルコンデンサ電圧Vcを所定の値に充電する。
この一連の動作により、セルコンデンサCcを充電するほか、セルコンデンサ電圧の低いセルの充電量が増加するため各セルのセルコンデンサ電圧Vcを均等にすることができる。
図3,図4にn=4すなわちチョッパセル4台における例を示す。この例では、各セルコンデンサ電圧Vc1〜Vc4をVdc/3に充電することを考え、現時点でのセルコンデンサ電圧をVc4>Vc3>Vc2>Vc1とする。このときは図3に示すように一番上のチョッパセルCの第2スイッチングデバイスS2をONする。すると、セルモジュール出力電圧はVc1+Vc2+Vc3となり、セルモジュール電流Izは以下の(3)式で表される傾きで下向き(+端子側から−端子側)に増加する。
Figure 0006819452
このセルモジュール電流Izにより、セルコンデンサCc1,Cc2,Cc3が充電される。あらかじめ定めた時間が経過した後は、全チョッパセルCの第1,第2スイッチングデバイスS1,S2をOFFにする。セルモジュール出力電圧はVc1+Vc2+Vc3+Vc4となり、下向きに流れていたセルモジュール電流Izは以下の(4)式で表される傾きで減少し零になる。
Figure 0006819452
このときの電流は全チョッパセルのセルコンデンサCc1〜Cc4を充電する。以上の動作を繰り返し、セルコンデンサ電圧Vc1〜Vc4をVdc/3に充電する。充電が完了すると、任意のチョッパセルC1台の第2スイッチングデバイスS2をONしてもセルモジュール出力電圧は第1系統電圧Vdcになり、バッファリアクトルLz印加電圧は零となるため、セルモジュール電流Izは流れない。そのため、充電が完了してもスイッチングデバイスのON状態を保持し続けてよい。この場合、充電完了の判定が不要になるため、第1系統電圧Vdcを検出しなくてよい。もちろん、第1系統電圧Vdcを検出して充電完了を判定しスイッチングデバイスをOFFにしてもよい。
次に、短絡電流を遮断する動作を説明する。電流検出器4で検出された第2直流系統2に流れる電流Ilの振幅から短絡が発生したことを検出し、第2直流系統2に流れる電流Ilの符号から短絡が第1直流系統1と第2直流系統2のどちらで発生したかを検出する。
第2直流系統2で短絡が発生し、短絡電流が左(第1直流系統1)から右(第2直流系統2)へ流れている場合、全チョッパセルCの第1スイッチングデバイスS1をONする。これによりセルモジュールからnVcavgの電圧が出力され、バッファリアクトルLzにはVdc−nVcavgの電圧が印加され上向き(セルモジュール側から+端子側)に電流が流れる。
この電流の一部が第1直流系統1に接続されたコンデンサCaに充電電流として流れ、機械遮断器CBを通過する短絡電流を打ち消して機械遮断器通過電流Icbの零点を作る。機械遮断器通過電流Icbが所定値未満となった時点で機械遮断器CBを開極する。この段階で、第2直流系統2の短絡電流はすべてセルモジュールが負担する。
これによりセルコンデンサCcは放電され、放電後は電流は第2スイッチングデバイスS2の逆並列ダイオードを通過する。その後、系統インピーダンスやダイオード電圧降下により短絡電流は減衰し零になる。
第1直流系統1で短絡が発生し、短絡電流が右(第2直流系統2)から左(第1直流系統1)へ流れている場合は、全チョッパセルCの第2スイッチングデバイスS2をONする。これによりセルモジュール出力電圧は零となり、バッファリアクトルLzには第2系統電圧Vlの電圧が印加され下向き(+端子側からセルモジュール側)に電流が流れる。
このとき、第1直流系統1に接続されたコンデンサCaから機械遮断器CB→バッファリアクトルLz→セルモジュールを経由して放電電流が流れる。この放電電流で機械遮断器CBを通過する短絡電流を打ち消して電流の零点を作る。機械遮断器通過電流Icbが所定値未満となった時点で機械遮断器CBを開極する。
この段階で、第1直流系統1の短絡電流はすべてセルモジュールに転流され、第2直流系統2から供給される。その後は全チョッパセルCの第1,第2スイッチングデバイスS1,S2をOFFすると、電流は第1スイッチングデバイスS1の逆並列ダイオードとセルコンデンサCcを通過しセルコンデンサCcが充電される。コンデンサ電圧がVdc/nまで充電されると、第2直流系統2からの電流は零になる。
なお、機械遮断器CBが開極指令を受けてから実際に開極となるまでは時間遅れがある。本明細書では遮断、または、開極すると記載している場合、実際に開極した時を示すものとする。
図5,図6にチョッパセルCが4台の場合における例を示す。各セルコンデンサ電圧Vc1〜Vc4はVdc/3に充電されているとする。図5は短絡電流が左(第1直流系統1)から右(第2直流系統2)へ流れている場合である。
全チョッパセルCの第1スイッチングデバイスS1をONするとセルモジュールから4Vdc/3の電圧が出力され、第1直流系統1に接続されたコンデンサCaに充電電流が流れる。この充電電流により、機械遮断器CBを通過する短絡電流を打ち消して電流の零点を作り、機械遮断器CBを開極する。
図6は短絡電流が右(第2直流系統2)から左(第1直流系統1)へ流れている場合であり、全チョッパセルCの第2スイッチングデバイスS2をONする。これによりセルモジュール出力電圧は零となり、第1直流系統1に接続されたコンデンサCaから放電電流が流れる。この放電電流により、機械遮断器CBを通過する短絡電流を打ち消して電流の零点を作り、機械遮断器CBを開極する。
なお、バッファリアクトルLzの位置は、図1に示す機械遮断器CBと第2直流系統2の+端子との共通接続点と1番上のチョッパセルとの間に限らなくともよい。コンデンサCaと第2直流系統2の−端子との共通接続点と1番下のチョッパセルとの間に位置してもよいし、チョッパセル間の中間位置でもよい。
また、機械遮断器CBは、図1の位置の代わりに、コンデンサCaと第1直流系統1の−端子との共通接続点と1番下のチョッパセルと第1直流系統1の−端子との共通接続点の間に挿入してもよい。この場合、第1直流系統1の+端子と第2直流系統2の+端子は接続される。
以上示したように、本実施形態1における直流遮断装置3によれば、双方向の電流を遮断することが可能となる。また、特許文献1と比較して、定常時の電流路には変圧器やリアクトルなどを接続せず機械遮断器CBのみを接続するため、電力損失が小さい。
また、チョッパセルCにはバッファリアクトルLzが必要となるが、インダクタンスは小さくてよい(応答速度が必要であるため、小さくなければならない)。また、電流遮断時のセルモジュールのゲート操作はフィードフォワードで行うため、高速な遮断が可能となる。
また、本実施形態1によれば、系統電圧が高い場合でも、セル数を増加することで対応することができる。また、セル数を増加すれば、セルに使用する部品の耐電圧を低くすることができる。
また、セルコンデンサ電圧Vcが均等になるよう動作するため、追加の電圧バランス回路が不要である。また、セルモジュール電流Izを検出する検出器や系統電圧を検出する検出器が不要である。
[実施形態2]
図7に本実施形態2における直流遮断装置3の主回路構成を示す。本実施形態2は、実施形態1のチョッパセルCの1台をブリッジセルBに変更した構成である。
ブリッジセルBは、図2(b)に示すように、一方の接続端子に第3スイッチングデバイスS3の一端が接続される。第3スイッチングデバイスS3に対して直列に第4スイッチングデバイスS4が接続される。第3スイッチングデバイスS3の他端と他方の接続端子との間に第5スイッチングデバイスS5が接続される。第4スイッチングデバイスS4と他方の接続端子との間に第6スイッチングデバイスS6が接続される。
第3,第5スイッチングデバイスS3,S5の共通接続点と第4,第6スイッチングデバイスS4,S6の共通接続点との間にセルコンデンサCcが接続される。セルコンデンサCcには非線形抵抗Rが並列接続される。
実施形態1において、第1直流系統1で短絡が発生した場合は全チョッパセルCの第2スイッチングデバイスS2をONしてセルモジュール出力電圧を零とする。しかし、実際にはバッファリアクトルLzや第1,第2スイッチングデバイスS1,S2において電圧降下が発生するため、セルモジュール出力電圧は零にはならない。特に、短絡箇所が機械遮断器CBの直近だった場合はセルモジュール出力電圧が短絡後の第1系統電圧Vdcよりも大きくなってしまい、コンデンサCaから放電電流が流れず機械遮断器CBに電流の零点を作り出せず電流を遮断できなくなる恐れがある。
本実施形態2は上記問題に対処するため、チョッパセルCの1台をブリッジセルBに置き換えたものである。ブリッジセルBはマイナスの電圧を出力することができる。
そのため、第1直流系統1で短絡が発生した時、チョッパセルCは第2スイッチングデバイスS2をONし、ブリッジセルBでマイナスの電圧を出力することでセルモジュール出力電圧をマイナスにできる。このセルモジュール出力電圧により、第1直流系統1に接続されたコンデンサCaを逆向きに充電し、その充電電流で機械遮断器CBを通過する短絡電流を打ち消して電流の零点を作り、機械遮断器CBを開極することができる。
セルコンデンサ充電動作、第2直流系統2の短絡時の動作は実施形態1と同様である。
図8,図9に、本実施形態2における短絡電流の遮断動作を示す。図8は短絡電流が左(第1直流系統1)から右(第2直流系統2)へ流れている場合である。
全チョッパセルCの第1スイッチングデバイスS1をON、ブリッジセルBの第3,第6スイッチングデバイスS3,S6をONするとセルモジュールから4Vdc/3の電圧が出力され、第1直流系統1に接続されたコンデンサCaに充電電流が流れる。この充電電流により、機械遮断器CBを通過する短絡電流を打ち消して電流の零点を作り、機械遮断器CBを開極する。
図9は短絡電流が右(第2直流系統2)から左(第1直流系統1)へ流れている場合であり、全チョッパセルCの第2スイッチングデバイスS2をON、ブリッジセルBの第4,第5スイッチングデバイスS4,S5をONする。これによりセルモジュール出力電圧は−Vc1(ブリッジセルBの直流電圧)となり、第1直流系統1に接続されたコンデンサCaから放電電流が流れる。この放電電流により、機械遮断器CBを通過する短絡電流を打ち消して電流の零点を作り、機械遮断器CBを開極する。
本実施形態2の直流遮断装置3で短絡電流を遮断するシミュレーションを実施した。図10に第2直流系統2が短絡した場合のシミュレーション条件を示す。
各チョッパセルC,ブリッジセルBのコンデンサ容量は500uF,充電電圧を500Vとした。時刻0secにおいて負荷3Ω抵抗の両端を短絡し、機械遮断器通過電流Icbが750Aを超えたことを検出したら1.5msの遅延後に開極指令を機械遮断器CBに入力する。ただし、アークを模擬するため機械遮断器CBは開極指令入力後に機械遮断器通過電流Icbが零にならないと開極しないものとする。
開極指令と同じタイミングでセルモジュールに所定のゲート信号(ON/OFF指令信号)を入力する。機械遮断器通過電流Icbが0.1ms間零であれば遮断が完了したと判断してブリッジセルBのみゲート信号をOFFにした。
図11にシミュレーション結果を示す。時刻1.6ms付近でセルモジュール電流Izが増加し、機械遮断器通過電流Icbは減少する。機械遮断器通過電流Icbが零に達したところで機械遮断器CBが開極され、遮断が完了する。
このとき、セルコンデンサ電圧Vc1〜Vc4はセルモジュール電流Izにより放電され、零になる。その後、ブリッジセルBのスイッチングデバイスのゲート信号をOFFすることでブリッジセルBのセルコンデンサCc1のみが充電され、セルモジュール電流Iz,第2直流系統2を流れる電流Ilは急速に減衰する。ブリッジセルBのセルコンデンサCc1のコンデンサ電圧Vc1は1500Vで上昇しなくなるが、これは非線形抵抗Rが導通したためである。非線形抵抗Rには、印加電圧が1500V未満のときに所定の抵抗値をもち、印加電圧が1500V以上のときに抵抗値がほぼ零となる特性の抵抗を選定する。以上の動作により短絡電流は遮断される。
ブリッジセルBのゲート信号をOFFする際、ブリッジセルBのスイッチングデバイスは3kA近くの電流を遮断しなければならない。しかし、セルコンデンサ電圧Vc1は零であるため零電圧スイッチングが成立し、スイッチング損失を小さく抑えることができる。チョッパセルCについては、電流は第2スイッチングデバイスS2の逆並列ダイオードを通過するためゲート信号のON・OFFに関わらず動作波形は変わらない。
図12に第1直流系統1が短絡した場合のシミュレーション条件を示す。条件は、図10に比べて直流電源と負荷の位置を入れ替えただけである。
図13にシミュレーション結果を示す。時刻1.6ms付近までの機械遮断器CBの開極までの流れは図11と同様であり、機械遮断器通過電流Icbを遮断できている。ただし、短絡箇所の違いから電流の符号が異なる。
時刻1.6ms以降はブリッジセルBのセルコンデンサ電圧Vc1だけが放電される。ブリッジセルBのゲート信号をOFFする際は、零電圧スイッチングが成立する。ブリッジセルBのゲート信号のOFF後はセルコンデンサCc1が充電され、セルモジュール電流Iz,第2直流系統2を流れる電流Ilが減衰する。ブリッジセルBのセルコンデンサ電圧Vc1は並列接続された非線形抵抗Rにより1500V程度で充電が停止する。
第1直流系統1が短絡した場合、チョッパセルCのコンデンサ電圧Vc2〜Vc4は放電されず500Vを維持する。ここでゲート信号をOFFすると4kA近くの電流を500Vで遮断するため大きなスイッチング損失が発生しスイッチングデバイスが熱破損する恐れがある。そのため、電流が安全に遮断できるレベルまで減衰してからゲート信号をOFFする必要がある。
実施形態1ではチョッパセルCしかないためコンデンサ電圧において大電流を遮断しなければならないが、本実施形態2ではブリッジセルBが零電圧で大電流を遮断できるため、セルのスイッチング損失を低減できる。
本実施形態2によれば実施形態1と同様の作用効果を奏する。また、より確実に第2直流系統2から第1直流系統1に流れる短絡電流を遮断することができる。
また、実施形態1に対し、スイッチングデバイスは2個の追加でよい。また、第2直流系統2の短絡時の負荷電流を早く減衰させることができる。
また、第1直流系統1の短絡時に各セルのスイッチングデバイスをOFFする際、ブリッジセルBから先にOFFすることによりセルスイッチング損失を低減することができる。
また、本実施形態2では、実施形態1の1つのチョッパセルCをブリッジセルBに置き換えたが、2以上のチョッパセルCをブリッジセルBに置き換えても、全てのチョッパセルCをブリッジセルBに置き換えても良い。
[実施形態3]
図14に本実施形態3の主回路構成を示す。本実施形態3は、実施形態1にセルモジュール電流Izを検出する電流検出器9と電圧検出器10を追加したものである。図14では、電圧検出器10を第1直流系統1に接続して第1系統電圧Vdcを検出しているが、第2直流系統2に接続して第2系統電圧Vlを検出してもよい。
図15に本実施形態3の電流制御ブロック構成を示す。本実施形態3の制御ブロックは、セルモジュール出力電流指令値演算部11と、セルモジュール電流制御部12と、出力電圧指令値補正部13と、セルコンデンサ電圧制御部14と、を備える。
セルモジュール出力電流指令値演算部11は、減算器15において、各相のセルコンデンサ電圧平均値Vcavgとセルコンデンサ平均電圧指令値Vc*の偏差を求める。フィルタ16は、偏差から急激な変化分を除去し、低周波の脈動を抽出する。アンプ17は、フィルタ16の出力にゲインGcをかけ、セルコンデンサCc充電のための電流指令値を出力する。
スイッチSW1は、電流指令値Iaと第2直流系統2に流れる電流Ilの検出値を入力し、正常時は電流指令値Ia、短絡発生時など電流を遮断するときは第2直流系統2に流れる電流Ilの検出値を出力する。電流指令値Iaは外部から入力され、零固定の他、系統の共振抑制や負荷平準化、過負荷アシストなど目的に応じた値を外部で演算し入力してもよい。
加算器18は、アンプ17の出力にスイッチSW1の出力を加算し、セルモジュール電流指令値I*として出力する。
セルモジュール電流制御部12は、微分器19において、セルモジュール電流指令値I*の現在の値と時間Δt前の値との差分を出力する。微分器19は、後述する信号を入力しセルn台分のキャリア三角波の最大値の谷の部分(図16のA点、すなわち起動信号パルスがある点)でのみ動作する。Δtはキャリア三角波の1/n周期である。なお、図16は、セル4台構成の例を示したものである。よって、キャリア三角波が4種類ある。
アンプ20は、微分器19の出力にゲインGlをかける。アンプ21は、セルモジュール電流指令値I*にゲインGrをかける。加算器22は、アンプ20の出力とアンプ21の出力を加算する。加算器22の出力結果が、電圧指令値のフィードフォワード項となる。
減算器23は、セルモジュール電流指令値I*とセルモジュール電流Izの検出値との偏差を演算する。アンプ24は減算器23の出力(偏差)にゲインGをかけ、電圧指令値を出力する。加算器25は、加算器22の出力とアンプ24の出力と1とを加算する。加算器25の出力がセルモジュールの出力電圧指令値V*となる
出力電圧指令値補正部13は、除算器26において、セルコンデンサ電圧平均値Vcavgをセル台数で乗算し、その結果の逆数である1/nVcavgを出力する。乗算器27は、除算器26の出力と第1系統電圧Vdcの積を演算する。乗算器27の出力Vdc/nVcavgが振幅の補正係数となり、乗算器28によりセルコンデンサの出力電圧指令値V*との積が演算される。
セルコンデンサ電圧制御部14は、減算器29において、セルコンデンサ電圧Vcの検出値とセルコンデンサ電圧平均値Vcavgとの偏差を演算する。セルコンデンサ電圧Vcの検出値は、セルn台分の信号である(Vc1〜Vcn)。
アンプ30は、セルコンデンサ電圧Vcの検出値とセルコンデンサ電圧平均値Vcavgとの偏差にゲインGciをかけ、電圧指令値を出力する。符号抽出器31は、Iz>0ならば1を、Iz<0ならば−1を、Iz=0ならば0を出力する。
乗算器32は、アンプ30の出力に、制御対象のセルと同じ相の符号抽出結果との積を演算する。乗算器32の出力が各セルのコンデンサ電圧制御に必要な出力電圧指令の補正値である。加算器33において、乗算器28の出力と乗算器32の出力とが加算され、PWM変調器34に出力される。
PWM変調器34で使用するキャリア三角波は、以下のようにPS(フェーズシフト)によって生成される。
キャリア三角波生成器35から出力されたキャリア三角波は、遅延器36により、k番目のセルに対して、三角波の位相を(k−1)π/nだけ遅らせる。遅延器36により、π/nずつ位相のずれたn本のキャリア三角波が生成される。PWM変調器34では、k番目の三角波キャリアはk番目のセル電圧指令値と比較され、得られたゲート信号はk番目のセルに送られる。
キャリア三角波からは、以下のブロックを用いてセルモジュール電流制御部12の微分器19の起動信号を生成する。
最大値選択部maxは、遅延器36から出力されるn本のキャリア三角波から値が最大のものを選択して出力する。微分器37は、最大値選択部maxの出力を微分する。
比較器38は、微分器37の出力がプラスならば1を出力する。バッファZ-1は微分器37の出力を1演算時間だけ遅らせる。比較器39はバッファZ-1の出力がマイナスならば1を出力する。
AND素子40は、比較器38,39の出力が両方1ならば1を出力する。AND素子40は、キャリア三角波の最大値の傾きがマイナスからプラスに変化した直後に1演算時間だけ1を出力する。AND素子40の出力はセルモジュール電流制御部12内部の微分器19に出力される。微分器19はキャリア三角波最大値の谷の部分(図16のA点)でのみ動作する。
以下、本実施形態3の回路の動作を説明する。電流を遮断する際、消弧したアークが再度発生し遮断に失敗する場合がある。これを防ぐため、特許文献1ではPIアンプによる電流制御を行い機械遮断器の零電流をある期間維持している。
しかし、PIアンプは応答が遅く、機械遮断器の電流が零になるまで時間がかかるという問題がある。本実施形態3は、実施形態1に電流制御を適用し、遮断失敗を防ぎ、かつ、応答の早い電流制御アンプを適用することで遮断にかかる時間を短縮した。
まずは、セルコンデンサ電圧平均値Vcavgとセルコンデンサ平均電圧指令値Vc*との偏差を演算し、ゲインGcをかけ、セルモジュール電流指令値I*を求める。
ゲインGcは、待機時間がそのまま充放電時間となり十分な余裕があるため、小さめの値を適当に設定してよい。
フィルタ16についてであるが、遮断動作中はコンデンサ電圧充放電よりも機械遮断器CBの電流を零にすることが優先される。そのため、フィルタ16を用いて遮断動作中におけるコンデンサ電圧の急激な変動を除去し、充放電を停止する。または、フィルタ16を使用せずに短絡が発生したらゲインGc=0に設定してもよい。
待機中はセルコンデンサ充電電流を出力し、コンデンサ電圧の維持を行う。必要であれば、系統の共振抑制や負荷平準化、過負荷アシストなど目的に応じた電流指令値Iaを外部から入力し、待機中に別の動作を行うこともできる。
セルモジュール電流制御部12について説明する。セルモジュール電流制御部12は、一般的な電流制御部とフィードフォワード項で構成される。
一般的な電流制御部は、セルモジュール電流Izの検出値とセルモジュール電流指令値I*の偏差をゲインGで増幅する。
フィードフォワード項について説明する。短絡発生時に機械遮断器通過電流Icbを零にするには、高速な電流制御が必要となる。そこで、バッファリアクトルLzの電圧・電流の関係から所望の電流出力に必要な電圧を計算し、フィードフォワードで出力することで高速化を実現する。バッファリアクトルをLz、その寄生抵抗をRzと置くと、必要なセルモジュール出力電圧v、ゲインGl,Grは以下の(5)式で求められる。
Figure 0006819452
ここで、vLzはバッファリアクトルLzの印加電圧を示す。以上の(5)式で得られたvをセルモジュールの出力電圧指令値V*とする。
バッファZ-1により、ある一定時間Δt前のセルモジュール電流指令値I*を保持、現在の値との差分を演算することでΔI*を求める。ここで、Δtはセルモジュールの出力できる電圧パルスの最小単位、すなわち、キャリア三角波の1/n周期とする。
求めたΔI*にゲインGlをかけ、電圧指令値として出力する。以上のフィードフォワード補償により、セルモジュール電流指令値I*が変化してもキャリア三角波の1/n周期後にはセルモジュール電流Izの検出値をセルモジュール電流指令値I*にほぼ等しくすることができる。
アンプ24のゲインGはセルモジュール電流Izの検出値とセルモジュール電流指令値I*のずれを補正するのが目的であるため、小さくてよい。ただし、これだけではバッファリアクトルLzやスイッチングデバイスの寄生抵抗によりセルモジュール電流Izが減衰してしまう。そこで、セルモジュール電流指令値I*にゲインGrをかけ寄生抵抗の電圧降下を推定、結果をセルモジュールの出力電圧指令値V*に加算することで寄生抵抗の電圧降下を補償し電流の減衰を防ぐことができる。
加算器25では、フィードフォワード項として1を加算している。これは後段の補正係数Vdc/nVcavgをかけることで(5)式のVdc相当となる。セルモジュール電流指令値I*が零の場合セルモジュールの出力電圧指令値V*=1となり、このときセルモジュールから第1系統電圧Vdcに等しい電圧を出力させセルモジュール電流Izの検出値を零にするためのものである。
補正係数をかけた後、電圧指令値にはセル個別のコンデンサ電圧制御指令値が加算される。セル個別コンデンサ電圧制御は、特許文献2のものをそのまま適用することができる。セル個別のコンデンサ電圧Vc1〜Vcnの検出値とセルコンデンサ電圧平均値Vcavgの偏差をアンプ30のゲインGciにより増幅する。
次に、セルモジュール電流Izの検出値の符号によりアンプ出力を補正する。例えば、制御対象のセルコンデンサ電圧が過剰でアンプ出力がプラス、セルモジュール電流Izの検出値もプラスの場合、対象のセル出力電圧を増加すれば出力有効電力が増加しセルコンデンサを放電することができる。
セル出力電圧を増加する必要があるため、加算すべきセル個別電圧制御指令値はプラスである。同じ条件でセルモジュール電流Izの検出値がマイナスの場合、対象のセル出力電圧を減少すれば入力される有効電力が減少しセルコンデンサ充電量を減少することができる。セル出力電圧を減少させるため、加算すべきセル個別電圧制御指令値はマイナスとなる。
k番目のセル出力電圧指令値は、以下の(6)式になる。
Figure 0006819452
最後に、補正後の電圧指令値(加算器33の出力)とキャリア三角波を比較し各セルのゲート指令を生成する。ここではキャリア三角波はフェーズシフト方式とし、位相を(k−1)π/nずつずらしたものを用意する。
このとき、すべてのキャリア三角波から最大値を抽出し谷の部分(図16のA点)で起動信号を生成し、セルモジュール電流制御部12内部の微分器19に出力する。これにより、微分器19はΔt前のセルモジュール電流指令値I*と現在のセルモジュール電流指令値I*の差分を演算、出力することができる。
以上の構成により、正常時には電流指令値Ia=0ならばセルコンデンサを充放電して待機、または適切な電流指令値Iaを入力することで共振抑制などを行うことができる。短絡発生時など電流を遮断する場合は、スイッチSW1が下に切り替わりセルモジュール電流Izの検出値と第2直流系統2に流れる電流Ilの検出値が一致することで機械遮断器CBの電流を零にすることができ、電流が遮断される。
特許文献1との違いとして、特許文献1は(7)式による電流制御を行うがフィードフォワードに使用する微分項はセルモジュール電流Izの検出値である。そのため、実際に電流が出力されるまでは微分項は動作せず、遅延が生じてしまう。
一方、本実施形態3では指令値を微分項に使用するため、電流が流れ出す前から微分項が動作しセルモジュールは必要な電圧を出力でき、応答速度を高めることができる。
本実施形態3は、実施形態2と同様にチョッパセルCをブリッジセルBに変更することも可能である。
以上示したように、本実施形態3によれば、実施形態1,2と同様の作用効果を奏する。
また、本実施形態3は、特許文献1に対して、電流制御の応答が早く、キャリア三角波の1/n周期で機械遮断器CBの電流を零にでき、高速な遮断が可能となる。
また、機械遮断器CBの電流が零になる期間が長くなり、より確実に電流を遮断することができる。さらに、正常時には別途電流指令値Iaを入力することで、共振抑制や負荷平準化、過負荷の一時的なアシストなど別の機能を持たせることができる。
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
1…第1直流系統
2…第2直流系統
3…直流遮断装置
4…電流検出器
Lz…バッファリアクトル
C…チョッパセル
B…ブリッジセル
CB…機械遮断器
Ca…コンデンサ

Claims (6)

  1. 第1直流系統の+端子と第2直流系統の+端子との間に接続された機械遮断器と、
    前記第1直流系統の+端子と前記機械遮断器の共通接続点と、前記第1直流系統の−端子との間に接続されたコンデンサと、
    前記機械遮断器と前記第2直流系統の+端子の共通接続点と、前記第1直流系統の−端子と前記第2直流系統の−端子の共通接続点との間に1つ接続され、または、複数直列接続されたチョッパセルと、
    前記チョッパセルに直列接続されたバッファリアクトルと、を備え、
    前記チョッパセルは、
    一方の接続端子に一端が接続された第1スイッチングデバイスと、
    前記一方の接続端子と他方の接続端子との間に接続された第2スイッチングデバイスと、
    前記第1スイッチングデバイスの他端と前記他方の接続端子との間に接続された第1セルコンデンサと、
    を備え
    前記第1直流系統から前記第2直流系統に電流が流れており、前記第2直流系統で事故が発生した場合は、前記チョッパセルの前記第1スイッチングデバイスをON,前記第2スイッチングデバイスをOFFにし、機械遮断器通過電流が所定値よりも低くなった時点で前記機械遮断器を開極し、
    前記第2直流系統から前記第1直流系統に電流が流れており、前記第1直流系統で事故が発生した場合は、前記チョッパセルの前記第1スイッチングデバイスをOFF,前記第2スイッチングデバイスをONし、機械遮断器通過電流が所定値よりも低くなった時点で前記機械遮断器を開極することを特徴とする直流遮断装置。
  2. 第1直流系統の−端子と第2直流系統の−端子との間に接続された機械遮断器と、
    前記第1直流系統の−端子と前記機械遮断器の共通接続点と、前記第1直流系統の+端子との間に接続されたコンデンサと、
    前記機械遮断器と前記第2直流系統の−端子の共通接続点と、前記第1直流系統の+端子と前記第2直流系統の+端子の共通接続点との間に1つ接続され、または、複数直列接続されたチョッパセルと、
    前記チョッパセルに直列接続されたバッファリアクトルと、を備え、
    前記チョッパセルは、
    一方の接続端子に一端が接続された第1スイッチングデバイスと、
    前記一方の接続端子と他方の接続端子との間に接続された第2スイッチングデバイスと、
    前記第1スイッチングデバイスの他端と前記他方の接続端子との間に接続された第1セルコンデンサと、
    を備え
    前記第1直流系統から前記第2直流系統に電流が流れており、前記第2直流系統で事故が発生した場合は、前記チョッパセルの前記第1スイッチングデバイスをON,前記第2スイッチングデバイスをOFFにし、機械遮断器通過電流が所定値よりも低くなった時点で前記機械遮断器を開極し、
    前記第2直流系統から前記第1直流系統に電流が流れており、前記第1直流系統で事故が発生した場合は、前記チョッパセルの前記第1スイッチングデバイスをOFF,前記第2スイッチングデバイスをONし、機械遮断器通過電流が所定値よりも低くなった時点で前記機械遮断器を開極することを特徴とする直流遮断装置。
  3. 前記チョッパセルに、直列接続された1つ、または、複数のブリッジセルを備え、
    前記ブリッジセルは、
    一方の接続端子に一端が接続された第3スイッチングデバイスと、
    前記第3スイッチングデバイスに直列に接続された第4スイッチングデバイスと、
    前記第3スイッチングデバイスの他端と他方の接続端子との間に接続された第5スイッチングデバイスと、
    前記第4スイッチングデバイスと他方の接続端子との間に接続された第6スイッチングデバイスと、
    前記第3,第5スイッチングデバイスの共通接続点と前記第4,第6スイッチングデバイスの共通接続点との間に接続された第2セルコンデンサと、
    前記第2セルコンデンサに並列接続された非線形抵抗と、
    を備え
    前記第1直流系統から前記第2直流系統に電流が流れており、前記第2直流系統で事故が発生した場合は、前記チョッパセルの前記第1スイッチングデバイスをON,前記第2スイッチングデバイスをOFFにし、前記ブリッジセルの前記第3,第6スイッチングデバイスをON,前記第4,第5スイッチングデバイスをOFFし、機械遮断器通過電流が所定値よりも低くなった時点で前記機械遮断器を開極し、
    前記第2直流系統から前記第1直流系統に電流が流れており、前記第1直流系統で事故が発生した場合は、前記チョッパセルの前記第1スイッチングデバイスをOFF,前記第2スイッチングデバイスをONし、前記ブリッジセルの前記第3,第6スイッチングデバイスをOFF,前記第4,第5スイッチングデバイスをONし、機械遮断器通過電流が所定値よりも低くなった時点で前記機械遮断器を開極することを特徴とする請求項1または2記載の直流遮断装置。
  4. 第1直流系統の+端子と第2直流系統の+端子との間に接続された機械遮断器と、
    前記第1直流系統の+端子と前記機械遮断器の共通接続点と、前記第1直流系統の−端子との間に接続されたコンデンサと、
    前記機械遮断器と前記第2直流系統の+端子の共通接続点と、前記第1直流系統の−端子と前記第2直流系統の−端子の共通接続点との間に1つ接続され、または、複数直列接続されたブリッジセルと、
    前記ブリッジセルに直列接続されたバッファリアクトルと、を備え、
    前記ブリッジセルは、
    一方の接続端子に一端が接続された第3スイッチングデバイスと、
    前記第3スイッチングデバイスに直列に接続された第4スイッチングデバイスと、
    前記第3スイッチングデバイスの他端と他方の接続端子との間に接続された第5スイッチングデバイスと、
    前記第4スイッチングデバイスと他方の接続端子との間に接続された第6スイッチングデバイスと、
    前記第3,第5スイッチングデバイスの共通接続点と前記第4,第6スイッチングデバイスの共通接続点との間に接続された第2セルコンデンサと、
    前記第2セルコンデンサに並列接続された非線形抵抗と、
    を備え
    前記第1直流系統から前記第2直流系統に電流が流れており、前記第2直流系統で事故が発生した場合は、前記ブリッジセルの前記第3,第6スイッチングデバイスをON,前記第4,第5スイッチングデバイスをOFFし、機械遮断器通過電流が所定値よりも低くなった時点で前記機械遮断器を開極し、
    前記第2直流系統から前記第1直流系統に電流が流れており、前記第1直流系統で事故が発生した場合は、前記ブリッジセルの前記第3,第6スイッチングデバイスをOFF,前記第4,第5スイッチングデバイスをONし、機械遮断器通過電流が所定値よりも低くなった時点で前記機械遮断器を開極することを特徴とする直流遮断装置。
  5. 第1直流系統の−端子と第2直流系統の−端子との間に接続された機械遮断器と、
    前記第1直流系統の−端子と前記機械遮断器の共通接続点と、前記第1直流系統の+端子との間に接続されたコンデンサと、
    前記機械遮断器と前記第2直流系統の−端子の共通接続点と、前記第1直流系統の+端子と前記第2直流系統の+端子の共通接続点との間に1つ接続され、または、複数直列接続されたブリッジセルと、
    前記ブリッジセルに直列接続されたバッファリアクトルと、を備え、
    前記ブリッジセルは、
    一方の接続端子に一端が接続された第3スイッチングデバイスと、
    前記第3スイッチングデバイスに直列に接続された第4スイッチングデバイスと、
    前記第3スイッチングデバイスの他端と他方の接続端子との間に接続された第5スイッチングデバイスと、
    前記第4スイッチングデバイスと他方の接続端子との間に接続された第6スイッチングデバイスと、
    前記第3,第5スイッチングデバイスの共通接続点と前記第4,第6スイッチングデバイスの共通接続点との間に接続された第2セルコンデンサと、
    前記第2セルコンデンサに並列接続された非線形抵抗と、
    を備え、
    前記第1直流系統から前記第2直流系統に電流が流れており、前記第2直流系統で事故が発生した場合は、前記ブリッジセルの前記第3,第6スイッチングデバイスをON,前記第4,第5スイッチングデバイスをOFFし、機械遮断器通過電流が所定値よりも低くなった時点で前記機械遮断器を開極し、
    前記第2直流系統から前記第1直流系統に電流が流れており、前記第1直流系統で事故が発生した場合は、前記ブリッジセルの前記第3,第6スイッチングデバイスをOFF,前記第4,第5スイッチングデバイスをONし、機械遮断器通過電流が所定値よりも低くなった時点で前記機械遮断器を開極することを特徴とする直流遮断装置。
  6. セルモジュール電流の検出値がセルモジュール電流指令値と等しくなるように、電流制御を行うことを特徴とする請求項1〜5のうち何れかに記載の直流遮断装置。
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