JP6818985B2 - 新規な改変バイオベース材料を調製する方法 - Google Patents

新規な改変バイオベース材料を調製する方法 Download PDF

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Description

[関連出願の相互参照]
[0001]本出願は、2015年10月1日に出願した欧州特許出願番号EP 15187825.3、及び2016年2月16日に出願した欧州特許出願番号EP 16155948.9の優先権を主張するものである。
[発明の背景]
[発明の分野]
[0002]本発明は、一般にセルロースをナノセルロースに変換する方法、及びより詳細には、機械的エネルギーの投入をほとんど必要としないこのような方法に関する。
[関連技術の説明]
[0003]セルロースをナノフィブリル化セルロース又はナノセルロースに変換する従来の方法は、通常、大量の機械的エネルギーの投入が必要である。いくつかの方法は、エネルギー投入要求量を低減するために、セルロースの誘導体化に依拠している。例えば、米国特許出願公開第2011/0036522号を参照されたい。エネルギー投入要求量を低減するために、化学処理、例えば無機酸の使用(例えば、Cellulose(1998)5、19〜32を参照されたい)、若しくはアルカリ処理、酵素処理、又はこれらの任意の組合せを使用することができる。また、所要のエネルギーを低減するために、処理の前に、木材パルプをセルロース誘導体と組み合わせることが提唱されている(米国特許出願公開第2012/0043039号を参照されたい)。
[0004]米国特許出願公開第2012/0158955号には、無機又は有機膨潤剤でセルロースを膨潤させるステップを含む方法が開示されている。膨潤セルロースは、2000Kw/t未満しか必要としない機械的粉砕プロセスでナノセルロースに変換することができる。
[0005]国際公開第2010/106053号には、セルロースをモノ及びオリゴ糖類に加水分解する方法が開示されている。開示された方法において、セルロースは無機溶融塩、例えば塩化亜鉛の水和物に溶解される。グルコースへの加水分解を促進するために、塩酸が溶媒媒体に添加される。この参考文献の実施例5は、塩酸を添加しない場合は、加水分解生成物は主としてソルビトールであることを示している。
[0006]したがって、セルロースを、水溶性のモノ及びオリゴ糖類の形成を回避する又は最小限に抑えるナノセルロースに変換するための溶媒ベースの方法が特に求められている。
[発明の簡単な概要]
[0007]本発明は、セルロースをナノセルロースに変換する方法であって、
a.セルロース成分を含む供給原料を、実質的にプロトンを含まない無機溶融塩の溶媒媒体と接触させて、それによって供給原料のセルロース成分を溶解させるステップと、
b.無機溶融塩の溶媒媒体に貧溶媒(antisolvent)を添加して、それによってナノセルロース材料を沈殿させるステップと、
c.無機溶融塩の溶媒媒体からナノセルロースを分離するステップと
を含む方法を提供することによって、こうした問題に対処する。
[0008]本発明の別の態様は、本方法によって得られたナノセルロース材料を含む。
[0009]本発明のさらに別の態様は、リグノセルロース供給原料が使用された場合、本方法の副生成物として生成されたリグニンを含む。
[0010]本発明の特徴及び利点は、以下の図面を参照すると理解されよう。
部分的に凝集されたナノセルロース繊維を有する、乾燥ナノセルロース材料のSEM画像である。 貧溶媒媒体中に紡糸することによるナノセルロース分離後の、セルローススレッドの形状をしたナノセルロース材料の画像である。
[発明の詳細な説明]
[0013]定義
[0014]本明細書で使用される場合、「セルロース」という用語は、実質的にすべての陸上植物によって産生された多糖類ポリマーを表す。セルロースのモノマーはグルコースであり、グルコースは6個の炭素原子を含む糖分子である。多数の植物において、セルロースは、ヘミセルロース(C5及びC6の糖のコポリマー)と、及び/又はリグニンと、混合されている。セルロースの主な供給源である木材パルプなどの材料は、典型的にはセルロース、ヘミセルロース及びリグニンを含む。一方、ワタの木から得られたセルロースは、実質的にリグニンを含まない。植物から得られたセルロースは、だいたい1000〜10,000の範囲の重合度(DP)を有する。
[0015]本明細書で使用される場合、「ナノセルロース」という用語は、1超のアスペクト比及び15nm〜900nmの範囲の平均長さを有するセルロース粒子を表す。ナノセルロースは、例えば機械的作用を介して、しばしばセルロース粒子の間の粒子間結合を弱体化させる薬品の存在下、セルロースを脱フィブリル化(defibrillating)することによって得ることができる。本発明は、機械的エネルギーをほとんど又は全く必要とせずに、セルロースを溶解させるステップと、該溶液からナノセルロースを沈殿させるステップとを含む方法を提供する。
[0016]本発明の一態様は、セルロースをナノセルロースに変換する方法であって、
a.セルロース成分を含む供給原料を、実質的にプロトンを含まない無機溶融塩の溶媒媒体と接触させて、それによって供給原料のセルロース成分を溶解させるステップと、
b.無機溶融塩の溶媒媒体に貧溶媒を添加して、それによってナノセルロースを沈殿させるステップと、
c.無機溶融塩の溶媒媒体からナノセルロースを分離するステップと
を含む、方法である。
[0017]無機溶融塩が、セルロースを溶解させることが可能であるとして国際公開第2010/106053号に開示されている。無機溶融塩は、この性質を、多数の有機イオン液体と共有している。無機溶融塩は、有機イオン液体と比較して多数の重要な利点を提供し、最も重要な利点は、より低いコスト、及びはるかにより高い温度安定性である。
[0018]本発明の方法のための溶媒媒体に使用するのに好ましい無機溶融塩は、塩化亜鉛の水和物、特に塩化亜鉛四水和物(ZnCl.4HO)である。重量ベースで、塩化亜鉛四水和物は、塩化亜鉛約70%及び水約30%を含む。当業者には、塩水和物に存在する水は、遊離の水ではなく、水が塩分子と結合していることは十分理解されよう。
[0019]国際公開第2010/106053号に示されているように、無機溶融塩媒体にプロトンを、例えば塩酸の形態で添加すると、溶解されたセルロースのグルコースへの加水分解を触媒する。塩酸を添加しない場合、依然として加水分解は行われるが、主な加水分解生成物は、グルコースの代わりにソルビトールである(国際公開第2010/106053号の実施例5及び図4を参照されたい)。本発明の方法において、加水分解は望ましくない。なぜなら、加水分解はナノセルロースの収率を低下させ、溶媒媒体から除去することが困難である極めて可溶性の副生成物を生じさせるからである。
[0020]本発明の方法は、無機溶融塩の水和物が、プロトン供給源(例えば塩酸等)を添加しなくとも少量のプロトンを含むという発見に基づいている。溶解されたセルロースの加水分解を触媒するには、少量のプロトンで十分である。本発明の方法は、実質的にはプロトンを含まない無機溶融塩の溶媒媒体を利用する。
[0021]本発明の目的では、媒体に溶解された5%未満のセルロースがグルコースに加水分解された場合、無機溶融塩の溶媒媒体は実質的にプロトンを含まないと考えられる。
[0022]無機溶融塩媒体を実質的にプロトンを含まなくする様々な方法が存在する。例えば、溶媒媒体を陽イオン交換材料のカラムを通して通過させてもよく、ここで、溶媒からのプロトンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ性の陽イオンで置換される。溶融塩媒体を汚染しない陽イオンを使用することが望ましい。したがって、溶融塩が塩化亜鉛水和物である場合、交換カラムの好ましい陽イオンはZn2+である。この方法によって実質的にプロトンを含まなくされた溶媒媒体は、経時的に新規なプロトンを生じ得る。このような理由で、こうした溶媒は、陽イオン交換カラムを通して通過された後、短時間内に本方法に使用されるべきである。
[0023]実質的にプロトンを含まない無機溶融塩の溶媒媒体を作製する代替の方法は、プロトン捕捉剤の添加である。本発明の目的では、水素より強い還元剤である任意の金属酸化物又は水酸化物を、プロトン捕捉剤として使用することができる。当業者なら、水素に対する金属の還元電位は酸化還元表を調べることによって容易に確認することができることが十分理解されよう。ほとんどの酸化還元表は水素の酸化還元電位をゼロに設定しており、したがって、表の任意の金属酸化還元電位は水素の酸化還元電位に対して報告されている。
[0024]適したプロトン捕捉剤には、アルカリ金属及びアルカリ土類金属酸化物及び水酸化物、並びに非貴金属遷移金属の酸化物及び水酸化物が含まれる。対応する溶融塩の酸化物又は水酸化物を使用することが望ましい。例えば、塩化亜鉛の水和物が無機溶融塩として使用される場合、好ましいプロトン捕捉剤はZnO及びZn(OH)である。
[0025]プロトン捕捉は、多段階反応を介して行われる可能性がある。例えば、塩化亜鉛中のZnOのプロトン捕捉作用は、以下の反応ステップを含むものと考えられる:
ZnO+HO=Z(OH)
Zn(OH)+Cl=Zn(OH)Cl+OH
OH+H=H
[0026]これらの反応が必ず実際に行われるかどうか、及び並行する経路に従って進行する代替の反応スキームが存在する可能性が在るかどうかを、確信をもって決定することは困難である。正確なメカニズムは本発明に対しては重要ではない。重要な側面は強塩基の存在であり、強塩基はプロトン濃度を極めて低く保つ。
[0027]pHの定義は、モルプロトン濃度の負の対数である。水溶液において、プロトンは水分子と結合していると考えられ、このような理由で、記号Hの代わりに、記号Hがしばしば使用される。市販のpHメーターは、水性溶液のpHを測定するために利用可能である。このようなpHメーターは、典型的には既知のpH値、例えば7又は4を有する緩衝液に対して較正される。
[0028]イオン性溶融塩の溶媒媒体は強酸性であるが、−log[H]値は、低い値の[H]のために非常に高いはずである。ZnCl70%/HO30%の溶融塩水和物のpHを、市販されているpHメーター(例えば、Methohm 907 Titrando又はMethohm 744)で測定した場合、−0.8〜−1.1の範囲の非常に低い値が記録されている。これは、該液体の強酸性と整合するが、非常に低いプロトン濃度とは整合しない。
[0029]ZnOは塩化亜鉛四水和物溶融塩に溶解しにくい。飽和溶液は、溶融塩1500グラムとZnO 5グラムを室温で混合することによって調製される。480分間撹拌した後、溶解されていないZnOをろ過によって除去する。得られた液体は、Methohm 744で−0.65の「pH値」が記録され、最初の塩化亜鉛四水和物の溶融塩と比較して、pH値のわずかな増加を示している。この読取り値の意味は不明であるが、pHのわずかな増加は、溶融塩水和物における少量の溶解されたZnOの存在と整合している。
[0030]本方法のステップaにおいて、セルロースを含む供給原料は溶媒媒体に溶解される。供給原料は、ほぼ完全にセルロース、例えば綿リンター又は脱リグニン処理木材パルプから構成されていてもよい。木材チップ又はサトウキビバガス等のリグノセルロース系供給原料を使用することも可能である。
[0031]供給原料のセルロース成分は、室温から120℃の範囲、好ましくは70℃〜100℃の範囲の温度で、約20〜約60分間撹拌することによって溶媒媒体に溶解される。使用されるセルロース供給原料に応じて、該溶液は相当量の不溶性材料、例えばリグニンを含んでいてもよい。ステップbを実施する前に、溶解されていない固体を、例えばろ過によって除去することが望ましい。
[0032]ステップbにおいて、溶解されたセルロースは、ナノセルロースに変換されており、貧溶媒を添加することによって溶媒媒体から沈殿される。ナノセルロースを溶解せず、無機溶融塩媒体と混和性である任意の液体を貧溶媒として使用することができる。例には、水及び1〜6個の炭素原子有するアルコール、例えばtert−ブチルアルコール(TBA)が含まれる。
[0033]貧溶媒の選択は、ナノセルロース生成物の収率及びその組成に影響を有する。アルコールは、水より多くのナノセルロース系生成物を溶液から沈殿させて、より高い収率をもたらす。アルコールによる沈殿物は、水による沈殿物より短鎖の生成物を含み、より短鎖の生成物は、特定の用途に対して望ましくないことがある。
[0034]ステップcにおいて、沈殿したナノセルロースを溶媒媒体から分離する。該材料は、ろ過によって溶媒媒体から容易に分離できることが分かっている。
[0035]本方法によって調製されたナノセルロースを走査電子顕微鏡(SEM)によって解析した。顕微鏡写真は繊維の集合を示し、ここで、一部の個別の繊維を識別することができる。個別の繊維は、長さ1μm未満(即ち1000nm未満)及び直径約20〜50nmを有するように見える。
[0036]ナノセルロース材料の重合度(DP)を、該材料で形成された水性ゲルの粘度を測定することによって決定した。DPは、供給原料中のセルロースに対する約3,000に比較して、約800であった。
[0037]溶媒媒体を本方法で使用した後、容易に再生することができる。主要な汚染物は貧溶媒、及び溶融塩/貧溶媒混合物に可溶性の反応生成物(主としてオリゴ糖)である。貧溶媒を蒸発によって、好ましくは減圧下で除去することができる。凝縮後、貧溶媒を再使用することが可能である。
[0038]溶解された反応生成物を吸着、抽出、又はこれらの組合せによって除去することができる。
[0039]前述のように、供給原料からのリグニンは、ステップaにおいて形成された溶液からろ過によって回収することができる。従来の木材パルプ化法からのリグニンに比較して、本発明の方法のリグニン副生成物は、はるかに高純度である。
[0040]以下のものは、本発明のいくつかの実施形態の説明であり、例としてのみ、図面を参照して示す。
[0041]実施例1
[0042]撹拌したタンク反応器中で、長繊維のセルロースを70%のZnCl2/H2O(ZnCl2.4H2Oに対応する)溶媒と混合して、含量5〜10wt.%の均一な混合物を形成した。混合物を90℃で20分間連続的撹拌を続けた。加熱ステップの後、反応器に水を添加して、30wt.%未満のZnCl2の濃度を確保し、ナノセルロースを粒子として沈殿させた。最終混合物を30分間撹拌し続け、形成されたナノセルロース固体粒子をろ過によって分離し、蒸留水で、洗浄した液体中にZnCl2がなくなるまで洗浄し、10〜12wt.%の乾燥固体を有する水懸濁液として貯蔵した。
[0043]実施例2
[0044]実施例1に従って沈殿後、形成された固体粒子を遠心分離(5000〜7000rpm;400ml遠心分離バイアル)によって除去した。固体残留物を保持した遠心分離バイアルから液体相を取り除いた。バイアルに蒸留水(300ml)を充填し、振とうして均一な懸濁液にし、再度遠心分離した。この手順を少なくとも6回反復して、100ppm未満のZnCl濃度を得た。最後の洗浄後、ナノセルロース固体を遠心分離バイアルから取り出し、10〜12wt.%の乾燥個体の水懸濁液として保管した。
[0045]実施例3
[0046]実施例1のようにセルロース溶解の後、様々な貧溶媒媒体(凝固剤)−アセトン、エタノール、t−ブチルアルコール等で固体を沈殿させた。固体の分離及び洗浄は、遠心分離によって又はろ過によって実施することができる。得られたナノセルロースの試料を、10〜12wt.%の乾燥固体を有する、対応する凝集剤の懸濁液として貯蔵した。
[0047]実施例4
[0048]得られたナノセルロース粒子を、懸濁液中の所望の乾燥固体含量まで、適当な凝固剤を添加又は除去することによって、より高い又はより低い乾燥固体含量を有する懸濁液として貯蔵することができる。
[0049]実施例5
[0050]沈殿及び洗浄(実施例1、2及び/又は3)の後、ナノセルロースが、残留する凝固剤を蒸発、真空乾燥、超臨界CO下で乾燥、又は凍結乾燥させることで除去することによって、乾燥粉末として得られた。図1は、超臨界CO条件下で乾燥されたセルロースの一例を示す。
[0051]実施例6
[0052]ナノセルロースを、セルロース/ZnCl70%/HOの混合物を貧溶媒、例えばアセトン中に紡糸することによって、スレッド又は繊維として造形された形態で製造した。形成されたスレッドを、凝固剤によって洗浄し、乾燥することができる。図2は、セルロース8%/ZnCl70%/HOの溶液をアセトン中に紡糸することによって製造されたセルローススレッドの一例を示す。
[0053]実施例7
[0054]撹拌したタンク反応器中で、2〜3mmのサイズの木材粒子を70%のZnCl/HO溶媒と混合して、含量5〜10wt%の均一な混合物を形成した。混合物を90℃で20分間連続的に撹拌し続けた。加熱ステップの後、残留する固体(主にリグニン)をろ過によって溶液から除去した。残留する液体を反応器中で水と混合して、30wt%未満のZnCl濃度を確保し、ナノセルロースを粒子として沈殿させた。最終混合物を30分間撹拌し続け、形成されたナノセルロース固体粒子をろ過によって分離し、蒸留水で、洗浄した液体中にZnClがなくなるまで洗浄し、10〜12wt.%の乾燥固体を有する水懸濁液として又は乾燥ナノセルロースとして貯蔵した。
[0055]このようにして、上で論じたいくつかの実施形態を参照することによって、本発明を説明してきた。これらの実施形態は、当業者には周知の様々な修正及び代替の形態を受け入れることができるものと解される。例えば、セルロース供給原料を、バガス、スイッチグラス、又は任意の他の豊かなセルロース供給源を用いることによって変更してもよい。貧溶媒を別のアルコール又はケトンで置換してもよい。副生成物として生成されたリグニンを基盤薬品にさらに処理してもよい。
[0056]上記のものに加えて多数の修正を、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の構造及び技術に加えることができる。したがって、特定の実施形態を説明してきたが、これらのものは例にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。

Claims (13)

  1. セルロースをナノセルロースに変換する方法であって、
    a.セルロース成分を含む供給原料を、実質的にプロトンを含まない無機溶融塩の溶媒媒体と接触させて、それによって前記供給原料の前記セルロース成分を溶解させるステップと、
    b.前記無機溶融塩の溶媒媒体に貧溶媒を添加して、それによってナノセルロースを沈殿させるステップと、
    c.前記無機溶融塩の溶媒媒体から前記ナノセルロースを分離するステップと
    を含み、
    前記無機溶融塩の溶媒媒体がプロトン捕捉剤を含む、方法。
  2. 前記プロトン捕捉剤が金属酸化物又は金属水酸化物である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記無機溶融塩の溶媒媒体がZnClの水和物を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記無機溶融塩の溶媒媒体がZnCl.4HOを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記プロトン捕捉剤がZnOを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記無機溶融塩の溶媒媒体が、ZnCl.4HO中のZnOの飽和溶液を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記貧溶媒が、(i)水;1〜6個の炭素原子を有するアルカノール;及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記無機溶融塩の溶媒媒体を再生するさらなるステップを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記無機溶融塩の溶媒媒体を再生する前記ステップが、前記貧溶媒を減圧において蒸発させるステップを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記無機溶融塩の溶媒媒体を再生する前記ステップが、溶解された反応生成物をそれから除去するステップを含む、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 溶解された反応生成物が、抽出、吸着、又はこれらの組合せによって除去される、請求項10に記載の方法。
  12. ステップaが、20〜120℃の範囲の温度で実施される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. ステップaが20〜100分間実施される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
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