JP6817600B2 - 3端子素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、3端子素子に関し、特に電気二重層を利用した3端子の電子素子に関する。
近年、電気二重層を利用して絶縁体に伝導キャリアを誘起する技術が注目されている。下記の特許文献1は、図1に、電気二重層を利用した全固体型構造の電気伝導素子を開示している。この電気伝導素子は、絶縁体(または半導体)5およびゲート電極1の間に酸化物イオン伝導体6が挟まれた積層構造を有している。さらに、酸化物イオン伝導体6中に、互いに間隔をあけてドレイン電極2およびソース電極3が配置される。特許文献1によれば、ゲート電極1とソース電極3との間に電圧を印加することにより、絶縁体5中に伝導キャリアが誘起され、ソース−ドレイン間の電気伝導度が変化する。具体的には、電圧の印加によって酸化物イオン伝導体6および絶縁体5の界面近傍に電気二重層が形成され、誘起された正および負の電荷の一方が、絶縁体5内において伝導キャリアとして機能する。
特開2015−12049号公報
電気二重層の形成による伝導キャリアの誘起を利用した、新たなデバイスの開発が期待されている。
本開示の限定的ではないある例示的な実施形態によれば、以下が提供される。
導電基板と、第1面および第2面を有する固体電解質層であって、前記第2面が前記導電基板に対向する固体電解質層と、絶縁材料または半導体材料から形成された第1層であって、前記第1面の一部の上に配置された第1層と、前記第1層上に配置された第1電極と、第2電極および第3電極とを備え、前記第2電極は、少なくとも、前記第1層と前記固体電解質層との界面の端部の一部を覆っており、前記第3電極は、少なくとも、前記端部の他の一部を覆っている、3端子素子。
包括的または具体的な態様は、デバイス、装置、システム、集積回路または方法で実現されてもよい。また、包括的または具体的な態様は、素子、デバイス、装置、システム、集積回路および方法の任意の組み合わせによって実現されてもよい。
開示された実施形態の追加的な効果および利点は、明細書および図面から明らかになる。効果および/または利点は、明細書および図面に開示の様々な実施形態または特徴によって個々に提供され、これらの1つ以上を得るために全てを必要とはしない。
本開示の実施形態によれば、電気二重層を利用した、新規な構成の3端子素子が提供される。
図1は、本開示の実施形態による3端子素子の模式的な断面図である。 図2は、本開示の実施形態による3端子素子の模式的な平面図である。 図3は、電極層およびバッファ層の積層構造を有するソース電極20、ドレイン電極30および上面電極60が適用された変形例を示す模式的な断面図である。 図4は、3端子素子100Aと電源との接続の典型例を示す図である。 図5は、図4に示す接続と等価な接続を示す図である。 図6は、ドレイン電極30の電位に対して、ソース電極20および上面電極60を高電位とした接続の例を示す図である。 図7は、導電基板10と固体電解質層40との間に導電層55が配置された変形例を示す模式的な断面図である。 図8は、3端子素子の他の変形例を示す模式的な断面図である。 図9は、3端子素子のさらに他の変形例を示す模式的な断面図である。 図10は、3端子素子100Cの製造方法の例を説明するための模式的な断面図である。 図11は、3端子素子100Cの製造方法の例を説明するための模式的な断面図である。 図12は、3端子素子100Cの製造方法の例を説明するための模式的な断面図である。
本開示の一態様の概要は以下のとおりである。
[項目1]
導電基板と、
第1面および第2面を有する固体電解質層であって、第2面が導電基板に対向する固体電解質層と、
絶縁材料または半導体材料から形成された第1層であって、第1面の一部の上に配置された第1層と、
第1層上に配置された第1電極と、
第2電極および第3電極と、
を備え、
第2電極は、少なくとも、第1層と固体電解質層との界面の端部の一部を覆っており、
第3電極は、少なくとも、端部の他の一部を覆っている、3端子素子。
項目1の構成によれば、第2電極および第3電極から第1層に効率的にキャリアを注入し得る。
[項目2]
導電基板および第1電極への電位差の印加により、固体電解質層および第1層の界面近傍に電気二重層が形成され、第2電極および第3電極を結ぶ導電チャネルが形成される、項目1に記載の3端子素子。
項目2の構成によれば、導電基板および第1電極を結ぶ方向に沿った電界を固体電解質層に印加し得る。
[項目3]
第1層は、
一部が第1電極に対向する第3面と、
第1面に対向する第4面と、
第3面および第4面を結ぶ側面と、
を有し、
第2電極および第3電極の少なくとも一方は、第3面の他の一部および側面を覆っている、項目1または2に記載の3端子素子。
項目3の構成によれば、第2電極および第3電極形成時におけるアライメントずれの許容値を拡大し得るので、デバイスの信頼性を向上させ得る。
[項目4]
側面は、固体電解質層の法線方向に対して傾斜している、項目3に記載の3端子素子。
項目4の構成によれば、界面の端部近傍の少なくとも一部を覆うような第2電極および第3電極をより確実に形成し得る。
[項目5]
導電基板は、単結晶基板である、項目1から4のいずれかに記載の3端子素子。
項目5の構成によれば、エピタキシャル成長によって固体電解質層を形成し得る。
[項目6]
固体電解質層は、エピタキシャル層である、
項目5に記載の3端子素子。
項目6の構成によれば、固体電解質層において、結晶粒界の影響を抑制し得る。あるいは、特定の結晶異方性を示す固体電解質層を形成し得る。また、エピタキシャル成長によって第1層を形成し得る。
[項目7]
第1層は、エピタキシャル層である、
項目6に記載の3端子素子。
項目7の構成によれば、第1層において、結晶粒界の影響を抑制し得る。あるいは、特定の結晶異方性を示す第1層を形成し得る。
[項目8]
導電基板は、NbまたはLaがドープされたSrTiO3基板である、項目1から7のいずれかに記載の3端子素子。
項目8の構成によれば、SrTiO3基板への電圧印加によって3端子素子の動作を制御し得る。
[項目9]
第2電極および第3電極の一方と第1電極とは、等電位である、項目1から8のいずれかに記載の3端子素子。
項目9の構成によれば、意図しないキャリアの逆転現象を回避し得る。
[項目10]
固体電解質層と導電基板との間に配置された導電層をさらに備える、項目1から9のいずれかに記載の3端子素子。
項目10の構成によれば、導電基板に電圧を印加する場合と同様の効果が得られる。
[項目11]
固体電解質層の表面の少なくとも一部は、露出されている、項目1から10のいずれかに記載の3端子素子。
項目11の構成によれば、固体電解質層に積極的に例えばプロトンを導入させ得る。
[項目12]
固体電解質層は、BaZr1-xx3-δ、SrZr1-xx3-δ、および、CaZr1-xx3-δ(0<x≦0.5)の少なくともいずれかを含む、項目1から11のいずれかに記載の3端子素子。
項目12の構成によれば、固体電解質層の材料として酸化物イオン伝導性の材料を用いる場合と比較して、より低い温度域において3端子素子を動作させ得る。
[項目13]
第1電極、第2電極および第3電極の少なくともいずれかは、バッファ層および電極層の積層構造を有し、
バッファ層は、Ti層またはCr層であり、
電極層は、AuおよびPtの少なくともいずれかを含有する、項目1から12のいずれかに記載の3端子素子。
項目13の構成によれば、電極層と固体電解質層または第1層との間の密着性を向上させ得、デバイスの信頼性を向上させ得る。
[項目14]
第1層を構成する材料は、超伝導材料である、項目1から13のいずれかに記載の3端子素子。
項目14の構成によれば、3端子素子を、超伝導を発現するデバイスとして動作させ得る。
[項目15]
固体電解質層の法線方向から見たときの第1層の面積は、法線方向から見たときの固体電解質層の面積よりも小さい、項目1から14のいずれかに記載の3端子素子。
項目15の構成によれば、第1層の全面を有効に活用し得る。
[項目16]
固体電解質層は、有機電解質を含有する、項目1から15のいずれかに記載の3端子素子。
[項目17]
導電基板上に固体電解質層を形成する工程(a)と、
固体電解質層上に絶縁材料または半導体材料を堆積することにより、固体電解質層の一部上に絶縁材料または半導体材料を含む第1層を形成する工程(b)と、
少なくとも、第1層と固体電解質層との界面の端部の一部を覆う第1電極を形成する工程(c)と、
少なくとも、端部の他の一部を覆う第2電極を形成する工程(d)と、
第1層の一部上に第3電極を形成する工程(e)と、
を含む、3端子素子の製造方法。
項目17の構成によれば、固体電解質層の形成の前に第1層を形成する必要がないので、第1層を形成するための材料をより多くの材料の中から選択し得る。
[項目18]
工程(a)において、固体電解質層は、エピタキシャル成長によって形成される、項目17に記載の3端子素子の製造方法。
項目18の構成によれば、固体電解質層において、結晶粒界の影響を抑制し得る。あるいは、特定の結晶異方性を示す固体電解質層を形成し得る。
[項目19]
工程(b)において、第1層は、エピタキシャル成長によって形成される、項目17または18に記載の3端子素子の製造方法。
項目19の構成によれば、第1層において、結晶粒界の影響を抑制し得る。あるいは、特定の結晶異方性を示す固体電解質層を形成し得る。
[項目20]
工程(a)の前に、導電基板上に導電層を形成する工程(a1)をさらに含む、項目17から19のいずれかに記載の3端子素子の製造方法。
項目20の構成によれば、導電基板と固体電解質層との間に導電層を有する3端子素子が得られる。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも包括的または具体的な例を示す。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。本明細書において説明される種々の態様は、矛盾が生じない限り互いに組み合わせることが可能である。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。
(3端子素子の実施形態)
図1および図2は、本開示の実施形態による3端子素子の断面および上面を模式的に示す。参考のために、図1および図2には、互いに直交するx軸、y軸およびz軸を示す矢印が描かれている。他の図面においても、x軸、y軸またはz軸を示すことがある。言うまでもないが、図1および図2は、3端子素子を構成する各部の配置をあくまで模式的に示し、したがって、現実の形状およびサイズを厳密に反映している訳ではない。他の図面についても同様である。なお、本明細書における「上面」および「下面」の用語は、部材間の相対的な配置を説明するために用いられており、本開示の3端子素子の使用時における姿勢を限定する意図ではない。
図1に示すように、本開示の実施形態による3端子素子100Aは、導電基板10と、固体電解質層40と、絶縁材料または半導体材料から形成された第1層50と、ソース電極20およびドレイン電極30とを有する。ここでは、固体電解質層40の断面形状は、矩形である。導電基板10は、固体電解質層40の下面40bに対向しており、第1層50は、固体電解質層40の上面40uの一部の上に配置されている。
図1に例示する構成において、3端子素子100Aは、第1層50上に配置された上面電極60をさらに有する。3端子素子100Aの動作時、上面電極60には、基準電位が印加される。後に詳しく説明するように、3端子素子100Aの動作においては、ソース電極20およびドレイン電極30の間に電位差が印加された状態で、上面電極60および導電基板10の間に電位差が印加される。このときの上面電極60の電位は、一定の基準電位である(典型的には接地電位)。導電基板10および上面電極60への電位差の印加により、固体電解質層40および第1層50の界面近傍に電気二重層が形成される。電気二重層の形成により、ソース電極20およびドレイン電極30を結ぶ導電チャネルが第1層50内に形成され、ソース電極20とドレイン電極30との間に電流が流れる。すなわち、ソース電極20とドレイン電極30との間の電流は、導電基板10に印加する電圧に応じて変化する。本開示の実施形態において、導電基板10は、電界効果トランジスタ(FET)におけるゲート電極と同様の機能を有する。
なお、図1に示す3端子素子100Aは、ソース電極20、ドレイン電極30およびFETにおけるゲート電極と同様に機能する導電基板10に加えて、上面電極60をさらに含んでおり、4つの端子を有するといえる。しかしながら、上面電極60は、典型的には接地電極であり、したがって、3端子素子100Aの実質的な端子数は、導電基板10、ソース電極20およびドレイン電極30の3つであるといってよい。このように、本明細書における「3端子」の用語は、電圧を印加可能な端子の数が厳密に3つに限定されることを意図しない。
図1および図2に示すように、ソース電極20およびドレイン電極30は、固体電解質層40上に間隔をあけて配置され、第1層50は、ソース電極20およびドレイン電極30によって挟まれている。図1に示すように、ソース電極20およびドレイン電極30は、固体電解質層40および第1層50の界面の端部の少なくとも一部を覆うように設けられる。ソース電極20およびドレイン電極30の厚さは、例えば100nm以上である。
図2に示すように、この例では、固体電解質層40の法線方向(ここでは導電基板10の法線方向およびz軸方向に一致している)から見たときの第1層50の形状は、矩形であり、したがって、ここでは、固体電解質層40と第1層50との界面の端部Bdも矩形である。もちろん、導電基板10の法線方向から見たときの第1層50の形状は、矩形に限定されず、円形、楕円形、多角形、不定形などであり得る。なお、導電基板10のサイズと固体電解質層40のサイズとが一致している必要はない。
図2に例示する構成において、固体電解質層40と第1層50との界面の端部Bdは、第1層50の矩形状の1辺に沿って延びる部分Bd1および他の1辺に沿って延びる部分Bd2を含む。図2に示すように、ソース電極20およびドレイン電極30は、それぞれ、界面の端部Bdにおける部分Bd1、および、部分Bd1に対向する部分Bd2に接するように配置されている。固体電解質層40および第1層50の界面の端部Bdは、界面が外部に露出された部分であるといってもよい。固体電解質層40および第1層50の界面の端部Bdにおける部分Bd1および部分Bd2を覆うようにソース電極20およびドレイン電極30をそれぞれ配置することにより、ソース電極20およびドレイン電極30から第1層50に効率的にキャリアを注入し得る。
この例では、ソース電極20およびドレイン電極30は、固体電解質層40の上面40uの一部の上に配置されている。図2に示すように、ここでは、固体電解質層40の上面40uは、第1層50、ソース電極20およびドレイン電極30のいずれとも重ならずに露出された部分を有している。
図2によく示されているように、3端子素子100Aでは、ソース電極20およびドレイン電極30は、固体電解質層40に覆われておらず、固体電解質層40の上面40uの一部の上に配置されている。これに対し、特許文献1の電気伝導素子では、絶縁体5上または絶縁体5内に配置されたドレイン電極2およびソース電極3を覆うように酸化物イオン伝導体6が設けられる。このような構成においては、絶縁体5の形成後に酸化物イオン伝導体6を形成する必要がある。特許文献1の例えば実施例1では、絶縁体5の基板上にガドリニウム添加セリアの膜を形成している。ガドリニウム添加セリアなどの無機のイオン伝導体の膜の形成には、一般に、500〜800℃程度、あるいは、それ以上の高温までの加熱を要する。イオン伝導体6の膜の形成時、表面上にイオン伝導体6の膜が形成される絶縁体(または半導体)5も高温にさらされる結果、絶縁体(または半導体)5において結晶構造の転移(構造相転移)が生じ、所望の特性が得られないことがある。そのため、従来の構成においては、チャネルが形成される絶縁体または半導体の材料として、イオン伝導体の形成時の高温下においても安定な材料を選択せねばならず、材料に対する制約が大きい。また、ドレイン電極2またはソース電極3の材料にAl、Cuなどを用い、ドレイン電極2およびソース電極3がイオン伝導体6によって覆われるような構造を適用する場合、500〜800℃程度の比較的高温下では、これらの金属がイオン伝導体6中に拡散する結果、デバイスの特性が劣化するおそれがある。
従来、イオン伝導体の膜の形成時における熱の影響は、十分に検討されていなかった。本発明者らは、このような課題を見出し、鋭意検討を重ね、本願発明に到達した。後述するように、本開示の実施形態によれば、固体電解質層40の形成の前に第1層50を形成する必要がないので、第1層50を形成するための材料の選択の幅が広がる。また、固体電解質層40の形成時の加熱による、第1層50における結晶構造の転移を回避し得るので、3端子素子における特性の劣化を回避し得る。
上述したように、図1および図2に例示する構成においては、ソース電極20およびドレイン電極30は、固体電解質層40の上面40uの一部の上に配置されており、固体電解質層40に覆われていない。図2からわかるように、3端子素子100Aにおいて、固体電解質層40の法線方向から見たときの第1層50の面積は、固体電解質層40の面積よりも小さい。図1および図2に示すように、固体電解質層40および第1層50の界面の端部Bdに接するようにソース電極20およびドレイン電極30を配置することにより、第1層50を構成する材料(絶縁材料または半導体材料)の使用量を抑えながら、第1層50の全面を有効に活用し得る。これに対し、特許文献1の電気伝導素子では、ドレイン電極2およびソース電極3を覆うように酸化物イオン伝導体6が設けられており、酸化物イオン伝導体6のうち、ドレイン電極2およびソース電極3の直上にある部分は、電気二重層の形成に寄与しない。また、ドレイン電極2およびソース電極3を酸化物イオン伝導体6内に配置する構成では、酸化物イオン伝導体6の厚さを一定以上とする必要がある。
(3端子素子100Aの各部の詳細)
以下、図1〜図3を参照しながら、3端子素子100Aの各部の詳細を説明する。
導電基板10としては、導電基板10上の構造を支持可能な剛性を有し、かつ、導電性を有する基板を選択すればよい。導電基板10として、低抵抗Si基板、LaまたはNbなどがドープされたSrTiO3基板などが例示される。後述するように、導電基板10に適当な電圧印加回路を接続することにより、3端子素子100Aの動作を制御し得る。例えば、SrTiO3基板への電圧印加によって3端子素子100Aの動作を制御し得る。
導電基板10の厚さは、典型的には、100μm〜1mm程度である。導電基板10によって固体電解質層40などを支持する構成によれば、3端子素子100Aのハンドリングを容易とすることができる。
導電基板10は、単結晶基板であってもよい。単結晶基板を導電基板10として用いることにより、エピタキシャル成長によって導電基板10上に固体電解質層40を形成し得る。エピタキシャル成長を適用することにより、結晶粒界の形成の抑制、特定の結晶異方性を示す材料特性などを実現し得る。
固体電解質層40は、典型的には、水素イオン(プロトン)伝導性の材料から形成される。固体電解質層40は、例えば、BaZr1-xx3-δ、SrZr1-xx3-δ、および、CaZr1-xx3-δ(0<x≦0.5)の少なくともいずれかを含む。固体電解質層40を形成するための材料として、YSZなどの酸化物イオン伝導性の材料、または、その他のイオン伝導性の材料を用いてもよい。なお、より低い温度において動作を確保する観点からは、固体電解質層40の材料として、酸化物イオン伝導性の材料よりも水素イオン伝導性の材料の方がより有利である。
固体電解質層40は、有機電解質を含有していてもよい。本開示の実施形態によれば、導電基板10上に配置した固体電解質のパターニングが必須ではないので、例えば、デュポン社製のナフィオン(「NAFION」は、デュポン社の登録商標)などの有機高分子を用いた膜を固体電解質層40として用いることも可能である。
固体電解質層40として、例えば、BaZr1-xx3-δ層、SrZr1-xx3-δ層、または、CaZr1-xx3-δ層をエピタキシャル成長によって形成した場合、第1層50の材料として、固体電解質層40における格子定数(例えば4.0Å〜4.2Å)にマッチングする格子定数を有する材料を選択し得る。第1層50の材料として適当な格子定数を有する材料を選択すれば、固体電解質層40上にエピタキシャル成長によって第1層50を形成し得る。エピタキシャル成長を適用することにより、第1層50において、結晶粒界の形成の抑制、特定の結晶異方性を示す材料特性などを実現し得る。
第1層50を形成するための材料は、絶縁材料または半導体材料から選択される。換言すれば、第1層50は、金属以外の材料から構成される。なお、金属は、電気抵抗率の温度依存性によって半導体材料から区別され得る。金属は、温度の上昇に対して電気抵抗率が上昇するような温度依存性を有する。
第1層50は、固体電解質層40および第1層50の界面近傍に電気二重層が形成されることにより、表面近傍に、ソース電極20およびドレイン電極30を結ぶ伝導チャネルを形成する。第1層50を形成するための材料としては、電界効果によって電子、正孔などの電気伝導キャリア濃度が変動しやすい材料を適用することができ、ZnO、YBa2Cu37(YBCO)、Sr1-yNdyCuO2(0≦y<0.2)などを例示することができる。上述したように、固体電解質層40をエピタキシャル成長によって形成し、固体電解質層40における格子定数にマッチングする格子定数を有する材料を選択することにより、第1層50をエピタキシャル成長によって形成し得る。
超伝導材料を用いて第1層50を形成してもよい。この場合、3端子素子100Aを、超伝導を発現するデバイスとして動作させ得る。超伝導材料としては、イットリウム系超伝導体の一種である上述のYBCOを例示することができる。あるいは、SrCuO2の組成式で表され得る、無限層と呼ばれる構造を有する超電導材料も用い得る。
ソース電極20、ドレイン電極30および上面電極60を形成するための材料としては、化学的に安定なAuおよびPtを例示することができる。ソース電極20、ドレイン電極30および上面電極60の少なくともいずれかが、電極層およびバッファ層の積層構造を有していてもよい。図3は、電極層およびバッファ層の積層構造を有するソース電極20、ドレイン電極30および上面電極60が適用された変形例を示す。図3に例示する構成において、ソース電極20は、電極層20eおよびバッファ層20bの積層構造を有し、ドレイン電極30は、電極層30eおよびバッファ層30bの積層構造を有している。この例では、上面電極60も電極層60eおよびバッファ層60bの積層構造を有している。ソース電極20における電極層20e、ドレイン電極30における電極層30eおよび上面電極60における電極層60eの材料としては、例えば、AuまたはPtを用いることができる。ソース電極20におけるバッファ層20b、ドレイン電極30におけるバッファ層30bおよび上面電極60におけるバッファ層60bは、典型的には、Ti層またはCr層である。
電極層20eと固体電解質層40との間、および、電極層30eと固体電解質層40との間にそれぞれバッファ層20bおよび30bを介在させることにより、電極層20eと固体電解質層40との間、および、電極層30eと固体電解質層40との間の密着性を向上させ得、3端子素子100Aにおける信頼性を向上させ得る。典型的には、バッファ層20bおよびバッファ層30bは、同層であり、電極層20eおよび電極層30eは、同層である。図3に例示するように、電極層60eと第1層50との間にバッファ層60bを介在させれば、電極層60eと第1層50との間の密着性を向上させ得る。
(3端子素子100Aの動作の典型例)
ここで、3端子素子100Aの動作の典型例を説明する。
図4は、3端子素子100Aと電源との接続の典型例を示す。3端子素子100Aの動作においては、ソース電極20およびドレイン電極30の間に電位差が印加された状態で、FETにおけるゲート電極に相当する導電基板10に正または負の極性の電圧(以下、便宜的に「ゲート電圧」と呼ぶことがある)を印加する。3端子素子100Aの動作においては、ソース電極20またはドレイン電極30の一方に接地電位が印加され、他方に接地電位よりも高い電圧が印加される。図4は、ソース電極20が接地され、ドレイン電極30に電圧印加回路32が接続された例を示している。電圧印加回路32は、例えば、一端に電源電圧が供給される負荷34を含む。
ソース電極20およびドレイン電極30の間に電位差が印加された状態において、上面電極60および導電基板10の間に電位差を印加する。例えば、導電基板10の電位が上面電極60の電位よりも高くなるようなゲート電圧を導電基板10に印加する。図4においては、導電基板10にゲート電圧を印加する電源を仮想的な電源として破線によって示している。上面電極60には、例えば接地電位が印加される。したがって、ここでは、ソース電極20および上面電極60は、等電位である。図5に示す接続も可能である。図5に示す接続は、図4に示す接続と等価である。ソース電極20と上面電極60とを短絡してもよい。
上面電極60に印加される電圧(ここではGND)よりも高い電圧を導電基板10に印加することにより、導電基板10および上面電極60を結ぶ方向に沿った電界が固体電解質層40に印加される。換言すれば、固体電解質層40および第1層50の界面に、導電基板10および上面電極60を結ぶ方向に沿った電界が印加される。電界の形成により、固体電解質層40中のイオンが電界に従って移動し、固体電解質層40と第1層50との界面近傍に電気二重層が形成される。電気二重層の形成により、第1層50内において、固体電解質層40と第1層50との界面近傍に伝導キャリア(この例では負の電荷)が誘起される。すなわち、導電基板10に印加する電圧によって、ソース電極20およびドレイン電極30の間におけるキャリア密度の変調などを制御することができる。特に、第1層50の材料として超電導材料を用いた場合には、第1層50内の、固体電解質層40と第1層50との界面近傍における伝導キャリアの誘起を電気的に制御することによって、超伝導状態への転移を制御し得る。
図4および図5に示す例のように、ソース電極20に印加する電圧よりも高い電圧を導電基板10に印加することによって第1層50に負の極性の伝導キャリアを誘起させる構成を想定する。このような構成において、ソース電極20および上面電極60にそれぞれ別系統の回路が接続された場合、上面電極60に浮遊電位が印加されることにより、上面電極60が導電基板10よりも高電位となるおそれがある。上面電極60が導電基板10よりも高電位となると、第1層50に本来誘起されるべきキャリアとは逆の極性のキャリアが誘起されるために、所期の特性を得られない可能性がある。図4および図5に示すように、ソース電極20と上面電極60とを等電位とすることにより、電気二重層におけるこのようなキャリアの逆転現象を回避し得る。
なお、ソース電圧よりも低い電圧をゲート電圧として用いてもよい。図6に例示するように、ドレイン電極30の電位に対して、ソース電極20および上面電極60を高電位としてもよい。図6に示す例では、負荷34を介してソース電極20に電源電位が印加され、上面電極60にも電源電位が印加されている。このような構成においては、例えば、導電基板10に接地電位を印加することによって第1層50に正のキャリアが誘起され、ソース電極20−ドレイン電極30間のキャリア密度が増加する。この場合も、ソース電圧よりも高い電圧をゲート電圧として用いたときと同様に、ソース電極20およびドレイン電極30の間におけるキャリア密度を制御可能である。
図7に示すように、導電基板10と固体電解質層40との間に導電層55を配置してもよい。この例では、上面電極60の電位を基準として、上面電極60に印加される電圧よりも高い電圧をゲート電圧として導電層55に印加する。導電基板10と固体電解質層40との間に導電層55を配置し、導電層55と、ソース電極20および上面電極60との間の電位差を制御することにより、導電基板10と上面電極60とを結ぶ方向に沿った電界を固体電解質層40に印加し得る。
導電層55を構成する材料の典型例は、Agである。なお、導電層55を形成するための材料としてAgを用い、Agの層の厚さを10nm程度に低減することにより、結晶格子の不整合を抑制して、エピタキシャル成長により固体電解質層40を形成することが可能である。この場合、導電基板10として例えばSrTiO3単結晶基板を用い得る。
(3端子素子の他の変形例)
図8は、3端子素子の他の変形例を示す。図8に示す3端子素子100Bと、図1〜図7を参照して説明した3端子素子100Aとの間の主な相違点は、3端子素子100Bが、3端子素子100Aにおけるソース電極20およびドレイン電極30とは形状の異なるソース電極20Bおよびドレイン電極30Bを有している点である。
図8に示すように、3端子素子100Bにおけるソース電極20Bおよびドレイン電極30Bは、第1層50の上面50uのうち、上面電極60に対向していない部分の一部と、第1層50の上面50uおよび下面50bを結ぶ側面50sとを覆っている。ここでは、上面50uおよび下面50bは、ほぼ平行である。
このように、ソース電極20Bおよびドレイン電極30Bの少なくとも一方が、第1層50の上面50uの少なくとも一部と、第1層50の側面50sとを覆う形状を有していてもよい。第1層50の上面50uと、ソース電極20Bまたはドレイン電極30Bとの間の重なりを許容することにより、ソース電極20Bおよびドレイン電極30Bの形成時におけるアライメントずれに関するマージンを拡大し得る。すなわち、アライメントずれの許容値を拡大しながら、固体電解質層40および第1層50の間の界面の端部の少なくとも一部を覆うようなソース電極20Bおよびドレイン電極30Bを形成し得る。結果として、デバイスの信頼性を向上させ得る。
図9は、3端子素子のさらに他の変形例を示す。図9に示す3端子素子100Cと、図8を参照して説明した3端子素子100Bとの間の主な相違点は、3端子素子100Cが、側面50sの傾斜した第1層50Cを有する点である。すなわち、この例では、第1層50Cの断面は、下面50bから上面50uに向けて幅が小さくなるテーパー形状を有している。
図9に例示する構成において、第1層50Cの側面50sは、固体電解質層40の法線方向(ここではz軸方向)に対して傾斜している。このような断面形状を有する第1層50Cは、例えば、メタルマスクを用いて絶縁材料または半導体材料を堆積することによって形成し得る。あるいは、絶縁材料または半導体材料の堆積後に、ウェットエッチングまたはドライエッチングにより、第1層50Cの形状を調整してもよい。側面50sは、曲面であってもよい。
図9に示すように、ソース電極20Cおよびドレイン電極30Cは、図8に示すソース電極20Bおよびドレイン電極30Bと同様に、第1層50の上面50uの少なくとも一部と、第1層50の側面50sとを覆っている。このように、固体電解質層40の法線方向に対して傾斜した側面50sを有する第1層50Cを形成することにより、側面50sが固体電解質層40の法線方向に立ちあがっている場合と比較して、固体電解質層40および第1層50の間の界面の端部を電極材料によってより確実に覆うことが可能である。すなわち、固体電解質層40および第1層50の間の界面の端部近傍における断線を抑制して、界面の端部近傍の少なくとも一部を覆うようなソース電極20Cおよびドレイン電極30Cをより確実に形成し得る。結果として、デバイスの信頼性を向上させ得る。
図1〜図9から明らかなように、本開示の実施形態による3端子素子(3端子素子100A〜100C)における固体電解質層40の表面の少なくとも一部は、封止樹脂などに覆われることなく、露出されている。換言すれば、固体電解質層40は、表面の少なくとも一部に、第1層50、ソース電極20およびドレイン電極30のいずれにも覆われていない部分を有する。このように、固体電解質層40の表面の少なくとも一部が空気(特に水蒸気雰囲気)に曝されるようにすることにより、固体電解質層40に例えばプロトンを積極的に導入させ得、3端子素子の特性を向上させ得る。
(3端子素子の製造方法の典型例)
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態による3端子素子の典型的な製造方法を説明する。ここでは、図9に示す3端子素子100Cの製造方法を例示する。
まず、図10に示すように、導電基板10を用意し、導電基板10上に固体電解質を堆積することにより、固体電解質層40を形成する。固体電解質の堆積には、RFマグネトロンスパッタリング、パルスレーザー堆積(PLD)、原子層堆積(ALD)、化学気相成長(CVD)、分子線エピタキシー(MBE)などの真空プロセスを適用し得る。導電基板10として単結晶基板を用いる場合には、エピタキシャル成長により固体電解質層40を形成することも可能である。ここでは、固体電解質としてBaZr0.80.23-δを用いる。ナフィオン膜など、有機電解質を含む固体電解質層を形成する場合には、キャスト法、ディッピング法またはスピンコーティング法などの湿式法を適用すればよい。
導電基板10上への固体電解質の堆積に先立ち、導電基板10上に導電層55を形成してもよい。この場合、蒸着、スパッタリングなどにより、導電層55として、例えば厚さが10nm程度のAg膜を導電基板10の表面上に形成すればよい。導電基板10上に導電層55を形成することにより、導電基板10と固体電解質層40との間に導電層55を有する3端子素子(図7参照)を作製することができる。
次に、固体電解質層40上に絶縁材料または半導体材料を堆積することにより、第1層50を形成する。絶縁材料または半導体材料の堆積には、固体電解質の堆積と同様に例えば真空プロセスを用いることができる。ここでは、第1層50を形成するための材料として、Sr0.86Nd0.14CuO2を用いる。図11において模式的に示すように、絶縁材料または半導体材料(ここではSr0.86Nd0.14CuO2)の堆積においてメタルマスクMkを用いることにより、固体電解質層40よりも小さな面積を有し、側面が固体電解質層40の法線方向に対して傾斜する第1層50Cを形成することができる。あるいは、材料の堆積後に、ドライエッチングまたはウェットエッチングを実行してもよい。なお、固体電解質層40をエピタキシャル成長によって形成した場合には、固体電解質層40と同様に、第1層50をエピタキシャル成長によって形成することが可能である。絶縁材料または半導体材料の堆積後にパターニングを行えば、固体電解質層40の表面の一部を露出させることができ、絶縁材料または半導体材料を含む第1層50Cを固体電解質層40の表面の一部上に配置することができる。
次に、ソース電極20C、ドレイン電極30Cおよび上面電極60を形成する。ソース電極20C、ドレイン電極30Cおよび上面電極60の形成には、メタルマスクを用いたパターニング、または、リソグラフィを用いたリフトオフを適用することができる。例えばリフトオフを適用する場合、固体電解質層40の上面40u上にレジストパターンRgを形成した後、蒸着、スパッタリングなどによってレジストパターンRg上に金属材料を堆積して金属膜22を形成する(図12参照)。その後、金属膜22のうちレジスト上にある部分をレジストパターンRgの剥離によって除去することにより、固体電解質層40の上面40uの一部および第1層50の上面50uの一部を露出させる。レジストパターンRgの除去により、固体電解質層40と第1層50との界面の端部Bdの少なくとも一部を覆うソース電極20C、界面の端部Bdの他の少なくとも一部を覆うドレイン電極30Cおよび第1層50の上面50uの少なくとも一部に接する上面電極60を形成することができる。以上の工程により、図9に示す3端子素子100Cが得られる。このように、本開示の実施形態による3端子素子の製造には、公知の半導体プロセスを適用可能である。
図1に示す第1層50に例示されるように、側面が固体電解質層40の法線方向にほぼ平行である場合には、マスクのアライメント誤差などを考慮して、固体電解質層40および第1層50の界面の端部Bdの少なくとも一部に接するようにソース電極20およびドレイン電極30を形成すればよい。なお、図1は、あくまでも断面構造を模式的に示しており、第1層50の上面50u上にソース電極20および/またはドレイン電極30の一部が残っていてもよい。ソース電極20、ドレイン電極30および上面電極60は、上述した例のように一括して形成されてもよいし、例えば、ソース電極20およびドレイン電極30の形成後に、上面電極60が別途に形成されてもよい。
本開示の実施形態による3端子素子(例えば3端子素子100A)においては、固体電解質層40の導電基板10とは反対側の表面に第1層50、ソース電極20およびドレイン電極30が配置される。そのため、第1層50、ソース電極20、ドレイン電極30および上面電極60を、固体電解質層40の形成後に形成することができる。すなわち、第1層50(および/またはソース電極20およびドレイン電極30)への、固体電解質層40の形成時における熱の印加を回避することができる。したがって、本開示の実施形態によれば、固体電解質層40の形成時の熱に起因する、第1層50における構造相転移の発生を抑制可能である。
例えば、上述の例において第1層50の材料として例示したSr0.86Nd0.14CuO2は、500℃程度において構造相転移を示す。一方、上述の例のようにBaZr0.80.23-δを固体電解質層40の材料として用いる場合、固体電解質層40の形成において700℃程度までの加熱が行われる。したがって、特許文献1の電気伝導素子のように絶縁体5上にイオン伝導体6を形成する必要のある構成では、イオン伝導体6の形成時の加熱によって絶縁体5に構造相転移が生じてしまう。これに対し、本開示の実施形態では、第1層50への、固体電解質層40の形成時における熱の印加が回避されるので、第1層50における構造相転移の発生を回避することが可能である。つまり、第1層50の材料として、固体電解質層40の形成時の温度において安定な材料以外の材料を選択することが可能であり、幅広い選択肢から第1層50の材料を選ぶことが可能である。
本開示の実施形態による3端子素子は、トランジスタ、電気二重層コンデンサ、超伝導デバイスなどとして利用し得る。
10 導電基板
20、20B、20C ソース電極
20b、30b、60b バッファ層
20e、30e、60e 電極層
30、30B、30C ドレイン電極
32 電圧印加回路
40 固体電解質層
50、50C 第1層
55 導電層
60 上面電極
100A〜100C 3端子素子

Claims (19)

  1. 導電基板と、
    第1面および第2面を有する固体電解質層であって、前記第2面が前記導電基板に対向する固体電解質層と、
    超伝導材料から形成された第1層であって、前記第1面の一部の上に配置された第1層と、
    前記第1層上に配置された第1電極と、
    第2電極および第3電極と、
    を備え、
    前記第2電極は、少なくとも、前記第1層と前記固体電解質層との界面の端部の一部を覆っており、
    前記第3電極は、少なくとも、前記端部の他の一部を覆っている、3端子素子。
  2. 前記導電基板および前記第1電極への電位差の印加により、前記固体電解質層および前記第1層の界面近傍に電気二重層が形成され、前記第2電極および前記第3電極を結ぶ導電チャネルが形成される、請求項1に記載の3端子素子。
  3. 前記第1層は、
    一部が前記第1電極に対向する第3面と、
    前記第1面に対向する第4面と、
    前記第3面および前記第4面を結ぶ側面と、
    を有し、
    前記第2電極および前記第3電極の少なくとも一方は、前記第3面の他の一部および前記側面を覆っている、請求項1または2に記載の3端子素子。
  4. 前記側面は、前記固体電解質層の法線方向に対して傾斜している、請求項3に記載の3端子素子。
  5. 前記導電基板は、単結晶基板である、請求項1から4のいずれかに記載の3端子素子。
  6. 前記固体電解質層は、エピタキシャル層である、
    請求項5に記載の3端子素子。
  7. 前記第1層は、エピタキシャル層である、
    請求項6に記載の3端子素子。
  8. 前記導電基板は、NbまたはLaがドープされたSrTiO3基板である、請求項1から7のいずれかに記載の3端子素子。
  9. 前記第2電極および前記第3電極の一方と前記第1電極とは、等電位である、請求項1から8のいずれかに記載の3端子素子。
  10. 前記固体電解質層と前記導電基板との間に配置された導電層をさらに備える、請求項1から9のいずれかに記載の3端子素子。
  11. 前記固体電解質層の表面の少なくとも一部は、露出されている、請求項1から10のいずれかに記載の3端子素子。
  12. 前記固体電解質層は、BaZr1-xx3-δ、SrZr1-xx3-δ、および、CaZr1-xx3-δ(0<x≦0.5)の少なくともいずれかを含む、請求項1から11のいずれかに記載の3端子素子。
  13. 前記第1電極、前記第2電極および前記第3電極の少なくともいずれかは、バッファ層および電極層の積層構造を有し、
    前記バッファ層は、Ti層またはCr層であり、
    前記電極層は、AuおよびPtの少なくともいずれかを含有する、請求項1から12のいずれかに記載の3端子素子。
  14. 前記固体電解質層の法線方向から見たときの前記第1層の面積は、前記法線方向から見たときの前記固体電解質層の面積よりも小さい、請求項1から13のいずれかに記載の3端子素子。
  15. 前記固体電解質層は、有機電解質を含有する、請求項1から14のいずれかに記載の3端子素子。
  16. 導電基板上に固体電解質層を形成する工程(a)と、
    前記固体電解質層上に絶縁材料または半導体材料を堆積することにより、前記固体電解質層の一部上に絶縁材料または半導体材料を含む第1層を形成する工程(b)と、
    少なくとも、前記第1層と前記固体電解質層との界面の端部の一部を覆う第1電極を形成する工程(c)と、
    少なくとも、前記端部の他の一部を覆う第2電極を形成する工程(d)と、
    前記第1層の一部上に第3電極を形成する工程(e)と、
    を含む、3端子素子の製造方法。
  17. 前記工程(a)において、前記固体電解質層は、エピタキシャル成長によって形成される、請求項16に記載の3端子素子の製造方法。
  18. 前記工程(b)において、前記第1層は、エピタキシャル成長によって形成される、請求項16または17に記載の3端子素子の製造方法。
  19. 前記工程(a)の前に、前記導電基板上に導電層を形成する工程(a1)をさらに含む、請求項16から18のいずれかに記載の3端子素子の製造方法。
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