JP6816498B2 - 位置検出装置、電子機器、及び位置検出方法 - Google Patents
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Description
すなわち、各画素の画素値を明度(反射率)によって決定した場合には、明度が同程度で色が異なるエッジは検出が困難となる。具体的には、明度がメディアと同程度となる低階調値のカラーパッチのエッジ(メディア表面との境界位置)の検出が困難となるため、カラーパッチの明度や色相によっては、検出対象の位置を高精度に検出することができないという課題があった。
このような構成では、対象物のエッジの位置(メディア表面との境界位置)を高精度に検出することができ、ひいてはメディア上における対象物の位置を高精度に検出することができる。例えば、メディアに印刷されたカラーパッチを検出対象とする場合、カラーパッチ上の対象位置における色座標と、メディアの色との色座標との色空間における距離を算出することにより、カラーパッチとメディア表面との境界位置を高精度に検出することができ、ひいては撮像画像における対象物としてのカラーパッチ位置を高精度に検出することができる。
本適用例では、メディアに応じた補正係数kcompを設定することにより、例えば、メディア種別に応じてメディアの色が異なる場合や、表面の光沢が異なる場合でも、補正係数kcompとして適切な値を設定することができる。したがって、メディア種別による距離の算出精度の低下を抑制でき、ひいては対象物の位置を高精度に検出できる。
本適用例では、位置検出部は、メディアに印刷されたカラーパッチのエッジ位置を検出対象とし、検出範囲設定部は、メディアの色を含む検出範囲を設定する。このような構成では、検出対象となるカラーパッチのエッジを含むように検出範囲を設定することができる。したがって、エッジ位置をより確実に検出できるとともに、検出範囲を絞り込むことによる処理負荷の低減を図ることができる。
本適用例では、検出範囲設定部は、対象位置に対して、当該対象位置を検出範囲に含めるか否かを判定するための判定範囲を設定する。そして、検出範囲設定部は、一方向に対象位置と判定範囲とを走査した際に、当該判定範囲におけるメディアの色の占有量が所定値を超える際の対象位置を、検出範囲の外縁に設定する。このような構成では、エッジ位置の近傍領域を含む範囲に検出範囲を絞り込むことができ、検出処理による処理負荷をより確実に低減させることができる。
以下、本発明に係る第1実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明の画像処理方法を実施する位置検出装置及び電子機器の一例として、プリンター1(インクジェットプリンター)について説明する。
図1は、プリンター1の外観の構成例を示す図である。図2は、プリンター1の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プリンター1は、供給ユニット11、搬送ユニット12と、キャリッジ13と、キャリッジ移動ユニット14と、制御ユニット15(図2参照)と、を備えている。このプリンター1は、例えばパーソナルコンピューター等の外部機器20から入力された印刷データに基づいて、各ユニット11,12,14及びキャリッジ13を制御し、メディアM上に画像を印刷する。また、本実施形態のプリンター1は、予め設定された元画像データに基づいてメディアM上の所定位置にテストパターンを形成し、当該テストパターンの撮像画像を取得して画像処理を行い、印刷された画像が適正でない場合に補正処理を行う。
以下、プリンター1の各構成について具体的に説明する。
なお、本実施形態では、ロール体111に巻装された紙面を供給する例を示すがこれに限定されない。例えば、トレイ等に積載された紙面等のメディアMをローラー等によって例えば1枚ずつ供給する等、如何なる供給方法によってメディアMが供給されてもよい。
搬送ローラー121は、図示略の搬送モーターからの駆動力が伝達され、制御ユニット15の制御により搬送モーターが駆動されると、その回転力により回転駆動されて、従動ローラーとの間にメディアMを挟み込んだ状態でY方向に沿って搬送する。また、搬送ローラー121のY方向の下流側(+Y側)には、キャリッジ13に対向するプラテン122が設けられている。
このキャリッジ13は、キャリッジ移動ユニット14によって、Y方向と交差する主走査方向(X方向)に沿って移動可能に設けられている。
また、キャリッジ13は、フレキシブル回路131により制御ユニット15に接続され、制御ユニット15からの指令に基づいて、印刷部16による印刷処理(メディアMに対する画像形成処理)及び、撮像部17による撮像処理を実施する。
なお、キャリッジ13の詳細な構成については後述する。
このキャリッジ移動ユニット14は、例えば、キャリッジガイド軸141と、キャリッジモーター142と、タイミングベルト143と、を含んで構成されている。
キャリッジガイド軸141は、X方向に沿って配置され、両端部がプリンター1の例えば筐体に固定されている。キャリッジモーター142は、タイミングベルト143を駆動させる。タイミングベルト143は、キャリッジガイド軸141と略平行に支持され、キャリッジ13の一部が固定されている。そして、制御ユニット15の指令に基づいてキャリッジモーター142が駆動されると、タイミングベルト143が正逆走行され、タイミングベルト143に固定されたキャリッジ13がキャリッジガイド軸141にガイドされて往復移動する。
[印刷部の構成]
印刷部16は、メディアMと対向する部分に、インクを個別にメディアM上に吐出して、メディアM上に画像を形成する。
この印刷部16は、複数色のインクに対応したインクカートリッジ(図示略)が着脱自在に装着されており、各インクカートリッジからインクタンク(図示略)にチューブ(図示略)を介してインクが供給される。また、印刷部16の下面(メディアMに対向する位置)には、インク滴を吐出するノズル(図示略)が、各色に対応して設けられている。これらのノズルには、例えばピエゾ素子が配置されており、ピエゾ素子を駆動させることで、インクタンクから供給されたインク滴が吐出されてメディアMに着弾し、ドットが形成される。
図3は、撮像部17の概略構成を示す図である。
撮像部17は、図3に示すように、光源171と、撮像レンズ172と、撮像素子173と、を含んで構成され、例えばキャリッジ13において、印刷部16の+X側で、かつ+Y側に配置されている。
このような撮像部17は、光源171からの照明光をメディアMに照射し、メディアMで反射された光を、撮像レンズ172を介して撮像素子173に入射させる。撮像素子173から出力された画像信号は、I−V変換器(図示略)、増幅器(図示略)、及びAD変換器(図示略)を介して制御ユニット15に入力される。
撮像レンズ172は、単一又は複数のレンズにより構成され、メディアMの照明領域で0°±10°で法線方向に反射された撮像光を、撮像素子173に導く。
次に、制御ユニット15について説明する。
制御ユニット15は、図2に示すように、I/F151と、ユニット制御回路152と、メモリー153と、CPU(Central Processing Unit)154と、を含む。
I/F151は、外部機器20から入力される印刷データをCPU154に入力する。
ユニット制御回路152は、供給ユニット11、搬送ユニット12、印刷部16、光源171、撮像部17、及びキャリッジ移動ユニット14をそれぞれ制御する制御回路を備えており、CPU154からの指令信号に基づいて、各ユニットの動作を制御する。なお、各ユニットの制御回路が、制御ユニット15とは別体に設けられ、制御ユニット15に接続されていてもよい。
各種データとしては、例えば、テストパターンを印刷するための元画像データ、印刷データとして含まれる色データに対する各インクの吐出量等を記憶した印刷プロファイルデータ等が挙げられる。
CPU154は、メモリー153に記憶された各種プログラムを読み出し実行することで、図4に示すように、走査制御部154A、印刷制御部154B、撮像制御部154C、パッチ位置取得部154D、補正部154E等として機能する。
パッチ位置取得部154Dは、検出範囲設定部154D1、距離算出部154D2、エッジ検出部154D3、及び位置算出部154D4として機能する。
距離算出部154D2は、メディア表面の色座標に対する、検出範囲の各画素の色座標の色空間における距離を算出する。ここで、色空間における距離は、メディア表面の色座標を基準とした各画素の階調値である。なお、色空間としてRGB色空間を用いる場合は、撮像画像の画像データであるR,G,Bの各階調値を色座標として使用することができる。また、色空間としRGB色空間以外にも、例えば、XYZ色空間等の他の色座標系によって表現される色空間を用いることもできる。この場合、距離算出部154D2は、各画素におけるR,G,Bの各階調値がXYZ座標系に変換された画像データを用いて、XYZ色空間における上記距離を算出する。
位置算出部154D4は、エッジ検出部154D3によるカラーパッチ群のエッジの検出結果に基づいて、撮像画像におけるカラーパッチ群の位置及び当該カラーパッチ群を構成するカラーパッチの位置を算出する。
次に、本実施形態のプリンター1における画像処理方法について、図面に基づいて説明する。
図5は、プリンター1における画像処理方法を示すフローチャートである。また、図6は、プリンター1におけるエッジ位置の検出対象となるカラーパッチの一例を模式的に示す図である。
プリンター1は、メディアMに複数のカラーパッチ31からなるカラーパッチ群30(図6参照)を印刷し、印刷された各カラーパッチ31の位置を検出する。そして、プリンター1は、カラーパッチ31の撮像画像に基づく各種処理を行う。
つまり、走査制御部154Aは、供給ユニット11、搬送ユニット12を制御して、プラテン122の所定位置にメディアMを搬送させ、印刷制御部154Bは、印刷部16を制御して、搬送されたメディアMの所定位置にテストパターン3(図6参照)を印刷する。このテストパターン3は、メモリー153に予め記憶された元画像データに基づいて印刷される。したがって、走査制御部154Aは、元画像データに従ってメディアMの搬送量、キャリッジ13の移動量を制御し、印刷制御部154Bは、元画像データに基づいて、キャリッジ13が所定位置に位置した際に所定色のインクを吐出させてテストパターン3を形成する。また、必要に応じて乾燥機構によりインクを乾燥させてもよい。
ステップS3の後、補正部154Eは、撮像画像におけるR,G,Bの各階調値に基づいて、画像解析処理を実施する。そして、例えば、カラーパッチ31の階調値に基づく濃淡むらや白スジ等を検出して、印刷部16のノズルの印字密度等を補正する補正処理を実施する(ステップS4)。
図7は、図5のステップS3における、パッチ位置取得部154Dによるカラーパッチ位置の取得方法を示すフローチャートである。また、図8及び図9は、カラーパッチ位置の取得手順の一例を模式的に示す図である。
パッチ位置取得部154Dは、撮像画像におけるカラーパッチ群30のエッジを複数点で検出し、エッジ位置の検出結果に基づいてカラーパッチ31の位置を算出する。
ここで、以下の説明では、撮像画像における水平方向(図8における左右方向)は、プリンター1の主走査方向(X方向)に沿う方向である。また、撮像画像における垂直方向(図8における上下方向)は、プリンター1の副走査方向(Y方向)に沿う方向である。すなわち、カラーパッチ群30の左右のエッジは、上下方向に延在し、上下のエッジは、左右方向に延在するものとする。なお、撮像画像における水平方向(左右方向)と、プリンター1における主走査方向とは、搬送時におけるメディアMの位置ずれ等により、必ずしも一致しない。また、上下方向(垂直方向)及び副走査方向についても同様である。
エッジ検出処理では、パッチ位置取得部154Dは、検出方向に沿って検出範囲を設定し、設定した当該検出範囲におけるカラーパッチ群30とメディアMとの境界位置をエッジ位置として検出する。ステップS11では、図8の上段の図に示すように、パッチ位置取得部154Dは、カラーパッチ群30の左側の境界B3を左右方向に跨ぐように検出範囲Ar(第1プレ検出範囲Ar1)を設定し、左側のエッジ位置(第1プレ検出位置Po1)を検出する。また、パッチ位置取得部154Dは、同様に、カラーパッチ群30の右側の境界B4を含む検出範囲Ar(第2プレ検出範囲Ar2)を設定し、右側のエッジ位置(第2プレ検出位置Po2)を検出する。
なお、検出範囲Arの設定方法や、エッジ検出の方法については、後述する。
図8の中段の図に示すように、パッチ位置取得部154Dは、カラーパッチ群30の上側の境界B1を上下方向に跨ぐように検出範囲Ar(第1上部検出範囲Ar11)を設定し、上側のエッジ位置として第1上部エッジ位置P11を検出する。また、パッチ位置取得部154Dは、同様に、第2上部検出範囲Ar12を設定し、第2上部エッジ位置P12を検出する。第1上部検出範囲Ar11及び第2上部検出範囲Ar12は、左右方向にて第1プレ検出位置Po1と第2プレ検出位置Po2との間に設定される。また、第2上部検出範囲Ar12は、第1上部検出範囲Ar11の右側に設定される。
パッチ位置取得部154Dは、同様に、下側の境界B2を含む第1下部検出範囲Ar21を設定し、下側のエッジ位置として第1下部エッジ位置P21を検出する。また、パッチ位置取得部154Dは、境界B2を含む第2下部検出範囲Ar22を設定し、第2下部エッジ位置P22を検出する。
図8の下段の図に示すように、パッチ位置取得部154Dは、カラーパッチ群30の左側の境界B3を左右方向に跨ぐように検出範囲Ar(第1左部検出範囲Ar31)を設定し、左側のエッジ位置として第1左部エッジ位置P31を検出する。また、パッチ位置取得部154Dは、同様に、第2左部検出範囲Ar32を設定し、第2左部エッジ位置P32を検出する。第1左部検出範囲Ar31及び第2左部検出範囲Ar32は、上下方向にて、第1上部エッジ位置P11及び第2上部エッジ位置P12と、第1下部エッジ位置P21及び第2下部エッジ位置P22との間に設定される。
パッチ位置取得部154Dは、同様に、右側の境界B2を含む第1右部検出範囲Ar41を設定し、第1右部エッジ位置P41を検出する。また、パッチ位置取得部154Dは、境界B2を含む第2右部検出範囲Ar42を設定し、第2右部エッジ位置P42を検出する。
位置算出部154D4は、図9に示すように、カラーパッチ群30の四隅の各点P5〜P8の座標を算出することにより、カラーパッチ群30の位置を算出する。具体的には、位置算出部154D4は、第1上部エッジ位置P11及び第2上部エッジ位置P12を通る第1直線L1と、第1下部エッジ位置P21及び第2下部エッジ位置P22を通る第2直線L2と、第1左部エッジ位置P31及び第2左部エッジ位置P32を通る第3直線L3と、第1右部エッジ位置P41及び第2右部エッジ位置P42を通る第4直線L4と、を算出する。そして、位置算出部154D4は、第1直線L1及び第3直線L3の交点として点P5の座標を算出する。同様に、位置算出部154D4は、第1直線L1及び第4直線L4から点P6、第2直線L2及び第3直線L3から点P7、並びに、第2直線L2及び第4直線L4から点P8のそれぞれの座標を算出する。
次に、ステップS11乃至ステップS13におけるエッジ位置の検出方法の詳細について、図面に基づいて説明する。
図10は、プリンター1におけるエッジ位置の検出方法を示すフローチャートである。また、図11から図13は、図10に示すエッジ位置の検出方法を説明するための図である。
以下の説明では、ステップS11及びステップS13において、水平方向(左右方向)に沿ってエッジ検出を行い、左側の境界B3に対応するエッジ位置を検出する場合について主に説明する。
検出範囲設定部154D1は、例えば、図11の上段の図に示すように、カラーパッチ群30の左側の境界B3に対応するエッジ位置を検出する場合、検出方向αに沿って検出範囲Ar(第1プレ検出範囲Ar1、第1左部検出範囲Ar31、及び第2左部検出範囲Ar32)を設定する。
なお、垂直方向に沿って上下のエッジを検出する場合、検出方向αは、図11における上から下に向かう方向である。
また、検出範囲Arの検出方向αにおける寸法は、カラーパッチ31の寸法よりも大きい。これにより、検出範囲にカラーパッチ群30の境界B3が含まれず、エッジ位置を検出することができないという不具合が生じることを抑制できる。なお、本実施形態では、検出範囲Arは、検出方向αに沿って二つのカラーパッチ群30に亘って設定されている。また、検出範囲Arは、検出対象のカラーパッチ群30Aにおいて、検出方向αに沿って隣接する二つのカラーパッチ31A,31Bに亘って設定されている。
ステップS22では、検出範囲Ar内の各画素の色座標を(RC1,RC2,RC3)とし、メディアMの色座標を(RM1,RM2,RM3)として、距離算出部154D2は、RGB色空間における、メディアMの色座標に対する各画素の色座標の距離を、下記式(4)に基づいて算出し、各画素の階調値R1とする。この階調値R1は、メディアMの色座標に基づいて、各画素の階調値をグレースケール変換した値である。なお、例えば、RC1はR階調値に、RC2はG階調値に、RC3はB階調値にそれぞれ対応する。
また、メディアMの色に基づいてホワイトバランス調整を行う場合、(RM1,RM2,RM3)の各値に同一の値を用いることができる。
すなわち、エッジ検出部154D3は、直交方向βに重なる各画素の階調値R1の平均値R2を算出する(図11の下段図参照)。これにより、検出範囲Arは、検出方向αに1次元化される。このステップS23の1次元化処理により、直交方向βに画素平均を算出することにより、カラーパッチ31の色むらの影響が抑制される。
検出範囲設定部154D1は、図11に示すように、検出方向αに沿って平均値R2が増大する位置(境界B3に対応する位置)をエッジ位置として検出する、すなわち、立ち上がりエッジを検出する場合、検出範囲Arの判定位置αk(α方向における画素の位置座標)の−α側に判定範囲Ardを設定する。そして、検出範囲設定部154D1は、検出方向αに沿って、判定位置αk及び判定範囲Ardを走査して、判定範囲Ardにおけるメディア領域の占有量が所定閾値を超えた際の判定位置αkを、検出範囲の端点(外縁に相当)に設定する。
検出方向αに沿って立ち上がりエッジを検出する場合、すなわち、上部エッジや左部エッジを検出する場合、図12の中段の図に示すように、判定範囲Ardは、(α−Δα1)から(α−Δα2)の範囲(但し、Δα1>Δα2)に設定される。また、立ち上がりエッジを検出する場合、積算値V(αk)は、下記式(6)に基づいて算出される。
図12の中段の図に示す例では、画素位置α1から画素位置α2の範囲において、積算値V(αk)の値が判定閾値Vthを超えている。すなわち、絞り込み関数F(αk)の値は、図12の下段の図に示すように、画素位置α1から画素位置α2の範囲で1となり、それ以外の範囲で0となる。なお、図12の中段の図における射線によって示される範囲が、メディアMが検出された検出領域に相当する。
また、立ち下がりエッジを検出する場合の積算値V(α)は、下記式(8)に基づいて算出される。
図13の上段の図に示すように、微分値ΔR2(αk)は、検出方向αに沿って、平均値R2が立ち上がりエッジに対応する位置では正の値となり、立ち下がりエッジに対応する位置では負の値となり、それ以外の位置では0付近の値となる。
なお、ステップS24の絞り込み処理が施された検出範囲では上記微分値が出力され、それ以外の領域では0が出力されるフィルターを用いてもよい。これにより、空間微分処理における処理負荷の増大を抑制することができる。
具体的には、エッジ検出部154D3は、図13の下段の図に示すように、微分値ΔR2(αk)に絞り込み関数F(αk)を適用した、すなわち、絞り込み関数F(αk)と微分値ΔR2(αk)との積の値に基づいて、エッジ位置を特定する。図13では、左側のエッジを検出する場合について図示しており、検出対象のカラーパッチ群30の境界B3に対応する立ち上がりエッジが検出される。
また、エッジ検出部154D3は、立ち下がりエッジを検出する場合であり、かつ、F(αk)・ΔR2(αk)が最小値となるエッジ候補位置が複数存在する場合では、最も+α側の位置をエッジ位置とする。
例えば、ステップS11の左右エッジ位置のプレ検出処理では、エッジ検出部154D3は、左側の立ち上がりエッジと、右側の立ち下がりエッジと、の各1点ずつのエッジ位置を検出している場合、YESと判定し、図10に示すフローチャートによる処理を終了させる。一方、エッジ検出部154D3は、全てのエッジ位置を検出していない場合は、ステップS21に戻り、検出していないエッジ位置の検出を行う。
また、ステップS13の左右エッジ位置の検出処理では、エッジ検出部154D3は、左側の立ち上がりエッジ及び右側の立ち下がりエッジ、のそれぞれについて2点ずつのエッジ位置を検出している場合、ステップS27でYESと判定する。
本実施形態では、距離算出部154D2は、RGB色空間における、メディアMの色座標に対する、対象物としてのカラーパッチ群30の対象位置の色座標の距離を算出する。エッジ検出部154D3は、算出された距離に基づいて、メディアMにおけるカラーパッチ群30のエッジ位置を検出する。このような構成では、エッジ位置を高精度に検出することができ、ひいてはメディアM上におけるカラーパッチ群30及びカラーパッチ31の位置を、高精度に検出することができる。すなわち、本実施形態では、メディアMに印刷されたカラーパッチ群30及びカラーパッチ31を検出対象とする場合、上述の色空間における対象位置の色座標の距離を算出することにより、カラーパッチ31とメディアM表面との境界位置を高精度に検出することができる。したがって、撮像画像におけるカラーパッチ31の位置を高精度に検出することができる。
以下、第2実施形態について説明する。
第1実施形態では、パッチ位置取得部154Dは、上記式(4)を用いて、色空間における各画素の距離を算出していた。これに対して、第2実施形態では、各画素の階調値に対してグレースケール変換を行った後に、色空間における距離を算出する点で、第1実施形態と相違する。
なお、以降の説明にあたり、第1実施形態と同様の構成については、同符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
ここで、下記式(9)を用いたグレースケール変換は、メディアMの色に基づいてホワイトバランス調整を実施した場合に実施することができる。なお、下記式(9)では、メディアMの各色の階調値RM1,RM2,RM3をRwとしている。また、グレースケール変換を行う際の変換行列における各値(係数)は、下記式(9)に示す値に限定されず、変換方式に各種の値を適宜用いることができる。
なお、下記式(10)におけるkcompは、グレー軸における補正係数であり、メディアMの色に応じた値であり、例えば予め実験等により取得され、メモリー153に記憶されている。距離算出部154D2は、メディアMの種別に応じて、kcompを取得する。なお、メディアMの種別は、ユーザーによって指定されてもよいし、撮像画像におけるメディア領域の階調値に基づいて判定されてもよい。
本実施形態では、撮像画像のホワイトバランスをメディアMの色に基づいて調整する場合、上記式(9)に基づいて、対象位置の色座標にグレースケール変換を行う。さらに、上記式(10)に基づいて、グレースケール変換後の対象位置の色座標における、距離を算出する。このような構成では、対象位置の色座標をグレー軸方向に圧縮することができ、メディアMの凹凸による輝度むらの影響を抑制することができる。また、メディアMの色座標の各値として同一の値を用いることができるため、距離を算出する場合の処理負荷の増大を抑制できる。
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
また、上下左右のエッジのうちの一つのみが検出された場合は、検出されたエッジに沿ってエッジ検出を行い、カラーパッチ群30の角部に相当する座標を検出してもよい。
すなわち、メディア領域からカラーパッチに向かってエッジ検出を行う場合は、判定位置と、判定位置よりも検出方向の下流側の領域と、を含む領域に判定範囲を設定すればよい。また、カラーパッチの領域からメディア領域に向かってエッジ検出を行う場合は、判定位置と、判定位置よりも検出方向の上流側の領域と、を含む領域に判定範囲Ardを設定すればよい。これにより、上記各実施形態と同様に、検出対象ではないエッジを検出範囲から除外でき、エッジの誤検出を抑制できる。
なお、この場合、各エッジについて複数のエッジ位置を検出して、上述のように、複数のエッジ位置に基づいて平均二乗法等によりエッジに相当する直線を算出することにより、エッジの検出精度を向上させることができる。
Claims (6)
- 対象物が印刷されたメディアを撮像して得られた撮像画像に基づいて、色空間における、前記メディアの色座標に対する、対象位置の色座標の距離を算出する距離算出部と、
前記距離算出部により算出された前記距離に基づいて、前記メディアにおける前記対象物の位置を検出する位置検出部と、
前記対象物として前記メディアに印刷されたカラーパッチのエッジ位置を検出する検出範囲であって、前記メディアの色を含む前記検出範囲を設定する検出範囲設定部と、を備え、
前記検出範囲設定部は、一方向において、前記対象位置に対して判定範囲を設定し、前記一方向に前記対象位置及び前記判定範囲を走査して、前記判定範囲における前記メディアの色の占有量が所定値を超えた際の前記対象位置を、前記検出範囲の外縁に設定し、
前記位置検出部は、前記検出範囲における前記エッジ位置を検出する
ことを特徴とする位置検出装置。 - 請求項3に記載の位置検出装置において、
前記距離算出部は、前記メディアに応じた補正係数kcompを設定する
ことを特徴とする位置検出装置。 - 対象物が印刷されたメディアを撮像して得られた撮像画像に基づいて、色空間における、前記メディアの色座標に対する、対象位置の色座標の距離を算出する距離算出部と、
前記距離算出部により算出された前記距離に基づいて、前記メディアにおける前記対象物の位置を検出する位置検出部と、
前記対象物として前記メディアに印刷されたカラーパッチのエッジ位置を検出する検出範囲であって、前記メディアの色を含む前記検出範囲を設定する検出範囲設定部と、
前記対象物の前記位置の検出結果に基づく処理を行う処理部と、を備え、
前記検出範囲設定部は、一方向において、前記対象位置に対して判定範囲を設定し、前記一方向に前記対象位置及び前記判定範囲を走査して、前記判定範囲における前記メディアの色の占有量が所定値を超えた際の前記対象位置を、前記検出範囲の外縁に設定し、
前記位置検出部は、前記検出範囲における前記エッジ位置を検出する
ことを特徴とする電子機器。 - 対象物が印刷されたメディアを撮像して得られた撮像画像に基づいて、前記メディアにおける前記対象物の位置を検出する位置検出装置における位置検出方法であって、
色空間における、前記メディアの色座標に対する、対象位置の色座標の距離を算出する距離算出ステップと、
算出された前記距離に基づいて、前記メディアにおける前記対象物の位置を検出する位置検出ステップと、
前記対象物として前記メディアに印刷されたカラーパッチのエッジ位置を検出する検出範囲であって、前記メディアの色を含む前記検出範囲を設定する検出範囲設定ステップと、を実施し、
前記検出範囲設定ステップは、一方向において、前記対象位置に対して判定範囲を設定し、前記一方向に前記対象位置及び前記判定範囲を走査して、前記判定範囲における前記メディアの色の占有量が所定値を超えた際の前記対象位置を、前記検出範囲の外縁に設定し、
前記位置検出ステップは、前記検出範囲における前記エッジ位置を検出する
ことを特徴とする位置検出方法。
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