JP6815645B2 - ドローンの離着陸装置及び災害発生予測システム - Google Patents
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Description
しかし、限定範囲での観測とは言え、災害発生場所はその時々に異なることから監視カメラの設置場所は全体を眺められる場所を選定しなくてはならず、災害発生点から比較的離れた場所になることが多く、また発生点が地形や立ち木の陰になって画像が得られない問題がある。
しかし、災害発生後に現場へドローンを持ち込んで状況を観測するのは時間的遅れが生じ、また多くのドローンは飛行時間が20〜30分と短く、安全な場所から飛ばすので無駄な飛行時間が必要になる。
災害発生が予測される場所では何時でも観測可能な体制が必要で、ドローンを持ち込んで飛ばす方法では情報の即時性が得られず、特に人災が予測される場合は避難情報としての即時性に欠ける欠点がある。
災害検出装置は災害を検知したとき管理装置に災害検出信号を出力する。管理装置は無人飛行機に発信前処理の命令信号を出力する。保管状態の無人飛行機はカタパルト上に配置されカタパルト端子と接続している。無人飛行機はカタパルト端子から管理装置の命令信号を受けて発進前処理を実行する。発進前処理において、無人飛行機はバッテリーを充電し、自律飛行用の測位センサを初期化する。システム運用者が無人飛行機を災害地に発進させる必要があると判断したとき、既に発進前処理が行われているため、無人飛行機は直ちに災害地に向けて発進し、災害地の情報を収集することができる。
ドローン(自律式マルチコプター)の出入り口を下側にガード付で設置して吹雪や台風でも雪や雨が内部に浸入しないような構造とし、また内部に充電機の接点との合致を確実にするためのガイドを設置したドローン用シェルターであって、充電機及び画像伝送等の通信部を付帯し、さらに必要に応じ太陽光発電機又は風力発電機、あるいは太陽光発電機と風力発電機の両方を付帯する。
[ドローン格納庫]
上端に設けているドローン格納庫は電動又はその他の方法で開閉する屋根を有し、ドローンの離陸/着陸時に応じて自動で開閉するものとする。
[気象観測器]
気象観測器は、ドローンの離発着に影響する気象(風向/風速/気温/湿度/雨量/気圧)の6要素から成る観測機能を一体的に構成するものとし、離陸と着陸が可能な気象、特に風向・風速・雨量を考慮して自動で離着陸を行うことが出来る。
[電源装置]
山間地での電源確保はドローンタワー設置場所に左右され、離着陸時に風の影響が少ない場所が望ましい。谷間に設置することが多くなることから、太陽光発電が不利な場所になりがちで、その為に河川管理法の適用を受けない小川や沢の水を利用するのが有利で、電源装置はピコ水力発電を主体として太陽電池を補助的に用いた構造としている。
水力は落差3〜10m程度、水量2リットル/秒程度で30〜100wの発電を行い、渇水期に電力不足が生じる場合は補助的に太陽光発電を用い、電源装置の蓄電池を充電する。
そこで、電源装置の蓄電池容量は、ドローン搭載蓄電池容量の数倍の規模とし、緊急事態に行う繰り返し飛行に耐えるものとする。
ドローンの充電は短時間で済ませることを前提とし、飛行の連続性が必要な場合は蓄電池の自動取り換え装置を選択する。
電源装置の蓄電池は常に満充電状態を保ち、ドローン本体の蓄電池は着陸後、直ちに充電を行なって満充電とする。
渇水期の補助電源としての太陽電池は、ドローン格納庫の屋根に取付けられる。
[記録カメラ]
ドローンタワーは野生動物の生息域に設置することから動物被害が予測されるので、動物の体温に反応する赤外線センサー等を利用して画像の記録と情報伝送を行うと共に、定時撮影で周辺環境の変化記録を行ない、将来の獣害対策や植物対策等に活かすことが出来る。
カメラ台数はドローンタワーを中心に水平360°の画像を残す目的で3台程度を設けるものとする。
[情報伝送盤]
ドローンタワーには情報伝送盤が取付けられ、格納時のドローン状態、GPS位置と時間の管理、気象観測、電源装置の状態、小電力無線観測の情報、記録カメラ情報、等を地上の無線情報インフラ、例えばドコモのデータ通信などを利用するか、又は、付近にインターネット回線があれば、WIFIなどの無線伝送機能を用いてインターネトに接続してドローンを管制する専用の管制サーバーに情報を伝送するように構成している。
ドローンの定時観測の飛行業務は、あらかじめ設定したコースの画像撮影等の情報収集を定時毎に行うが、天候が悪く飛行出来ない場合は自動で管制サーバーへ通知する。
また、定点観測の定時観測と緊急観測はその都度管制サーバーへ伝送する。
[離陸方法]
ところで、タワー上端に設けた格納庫に収容されているドローンが飛び立つ場合、離陸を要求する前に気象状況を判断する。離陸可能な場合はドローン格納庫の屋根を開き全開信号を確認してドローンを固定している位置修正装置の固定を解除してドローンに離陸を指示する。ドローンを固定する位置修正装置は、ドローン着陸時にドローン格納床の中央から外れて着陸した場合、床の中央へ移動する装置であり、地震等の振動による移動を防止する為の固定機能を有するものである。
[狭所着陸方法]
そして、ドローンを狭い格納庫の床に着陸させる方法は次のように行う。
GPSでドローンタワー付近の上空へ戻ったドローンは、格納庫の屋根を開く無線信号を情報伝送盤に送って開き、ドローンは撮影用のカメラを真下に向け格納庫床のポインター図形を認識し、降下位置を決めて徐々に高度を下げ着陸する。
夜間は暗闇で画像が得られないので、ポインターをLED発光素子で描き誘導する方法とする。
ドローン格納庫の床に着陸したドローンの位置は床の中央部から少し外れる場合が多く、床面に設けた位置修正装置でドローンを床中央へ移動すると共に、地震の振動などで位置ズレしないよう固定され、充電を行う。
電源としては、僅かな水量で発電することが可能な水力発電装置を備え、また補助的に太陽電池を取付けている。
観測は定時観測と緊急観測に分け、緊急観測はセンサー毎に予め設定した異常な値を観測した場合、観測場所・時間・測定値を即時に伝送することが出来る。
[定点観測と連動する飛行]
異常内容を受信した情報伝送盤は続けて管制サーバーへ情報を伝え、サーバーは予め設定してある携帯電話へ情報内容を伝えて人的支持を待つものとするが、待ち時間を過ぎても指示が出ない場合は、自動で異常を発信したセンサー上空付近の画像を撮影して伝送することが出来る。
[被災者救助への応用]
ドローンの到達可能範囲で人的災害が発生したときは、管制サーバーに被災場所のGPS位置を入力して自動で指定場所へ直行する飛行指示を出し、付近に到達した場合は自動飛行から人の操作に切り替えて被災者を探す。被災者が見つかった場合は管制室から音声で被災者に呼びかけ、収音マイクで遭難者の音声を聴きとる機能を付加して、遠隔会話ができるようにしている。
[農業等獣害対策への応用]
農業分野で問題となっている鳥や獣による害の対策を目的にドローンタワーの応用では、獣を感知する赤外線センサーとGPSを組み合わせ、ドローンで追い払うことが出来る。
そして、5は気象観測器、6は記録カメラ、7は情報伝送盤(GPS内蔵)、8は無線観測装置、9は水力電源装置で、これらを一体化して現地の組み立て作業を短縮することが出来る構造としている。また、上記情報伝送盤7は電波が通る樹脂製の箱でGPSを内蔵している。給水管10と排水管11は水力発電用であり、太陽電池13を収納庫屋根上に取り付けている。
ドローンの蓄電池容量は15V−40AH程度で、電源装置の蓄電池で概ね連続3回の飛行をカバーすることが出来る。
情報伝送盤7にはGPS/ECU/Internet通信機器を収納し、ドローンタワーの状態、水力発電装置9の回転数/発電電圧/発電電流、並びに、太陽電池13の電圧/発電電流、主蓄電池電圧、格納庫屋根2の開閉状況、気象観測器の観測値、並びに、タワー周辺の状況を得る記録カメラ6の画像情報、及び、ドローン1との通信、無線観測装置8が収集する観測情報を、無線を用いたインターネット回線で専用の管制サーバーと結んでいる。
無線観測装置8は所定の場所に配置して河川の水位を計測する河川水位計と、山間部での土砂崩れを観測することが出来る傾斜振動計を含み、現地観測機器の計測信号を省電力無線を用いて受信することが出来るようにしている。
格納庫屋根2はドローン1が飛び立ち、屋根から10m以上離れたことをドローン1のGPS信号から位置を割り出して自動で閉じた。
ドローン1から着陸確認信号を受信した情報伝送盤7は、ドローン1を地震等の振動で移動しないように固定する機能を持つ位置修正装置15を駆動して、床中央へ移動して固定した。
ドローン1の固定完了を確認した後、格納庫屋根2を閉じて充電端子+16と充電端子−17からドローン1の充電を行った。
河川水位計及び傾斜振動計の配置方法に関しては限定しないが、河川水位計は一般に橋桁に取付けることが出来、傾斜振動計であればコンクリートブロックに取付けて山間部の傾斜面に配置することが出来る。
そこで、該システム全体の機能を確認する為に準備した空き地を観測フィールドに見立て、各センサーを数十メートル隔てて設置、センサー毎の異常観測に対してドローン1の発着と画像観測機能を確認した。
人的災害を想定して専用サーバーから被災場所のGPS位置情報を入力し、自動で指定場所へ直行する飛行指示を出してGPS位置に配置した被災者を見立てた人とドローン間での通話の可能性を実験した。その結果、ドローン1から発する音声は被害者に届いたが、被災者の声はドローン1の羽の回転音で聞き取り難いことが分かり、ドローン1の羽回転に伴う音を消すソフトを付加して音声として聞き取ることが出来る改善が必要と分かったが、被災者が大声で話せば全く聞き取れないものではなかった。
赤外線を用いた人体感知センサーにGPSと無線装置を組合せた獣感知装置を試験製作し、その信号でドローン1を飛ばし獣感知装置附近の画像観測を行った。今後は、ドローン1に獣が嫌う音と光を発する機能を付加して追い払うことを検討する。
2 格納庫屋根
3 格納庫床
4 屋根開閉機
5 気象観測器
6 記録カメラ
7 情報伝送盤
8 無線観測装置
9 水力電源装置
10 給水管
11 排水管
12 支柱
13 太陽電池
14 床ポインター
15 位置修正装置
16 充電電極+
17 充電電極−
Claims (2)
- ドローン格納庫、GPS、ドローンの離着陸可能な気象状況を判断する気象観測器、水平360°周記録カメラ、情報伝送盤、及び小川や沢の水を利用して発電が可能な水力発電装置と渇水期の補助電源として機能する太陽電池を備え、タワー型式に一体化した構造とし、上記ドローン格納庫をタワー上端に設けると共に、開閉機によって開閉する屋根を備え、格納庫の床には着陸したドローンを位置決め固定することが出来る位置修正装置を取付けたことを特徴とするドローン離着陸装置。
- 河川の水位、土砂崩れなどの災害を予測するシステムにおいて、遠隔指示でドローンの離陸と着陸を可能とする格納庫をタワーの上端に備えると共に該格納庫には開閉機によって開閉する屋根を取付け、タワーには小川や沢の水を利用して発電が可能な水力発電装置と渇水期の補助電源として機能する太陽電池を備え、該タワーにはドローンの離着陸に影響を受けない高さに気象観測器を付帯すると共に該気象観測器によってドローンの離着陸可能な気象状況を判断し、そしてタワーには、水平360°周辺の画像を監視できるように複数のカメラを備え、また情報を伝送する情報伝送盤を取付け、上記タワーの附近には防災観測器である河川水位計/土砂崩観測用の傾斜振動計/雪崩観測器等を配置し、観測情報をリアルタイムに情報伝送盤を経由して、ドローンをコントロールする専用の管制サーバーへインターネット回線又は無線を利用して送るように構成し、ドローンが格納庫の床に着陸する際には、GPSでタワー付近の上空に戻って上記格納庫の屋根を開く為に無線信号をタワーに取付けている情報伝送盤に送り、撮影用のカメラを真下に向けて格納庫床のポインター図形を認識して高度を下げて着陸するもので、上記ドローン格納庫の床には着陸したドローンを位置決め固定することが出来る位置修正装置を設け、一方、ドローンが格納庫から離陸する場合には屋根を開き、全開信号を確認してドローンを固定している位置修正装置の固定を解除してドローンの離陸を指示するようにし
たことを特徴とする災害発生予測システム。
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