JP6815570B1 - 静電選別装置 - Google Patents

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Abstract

帯電部(2)は、複数種類のプラスチック片(11a,11b)が混在したプラスチック片群(11)を撹拌して各プラスチック片を帯電させる。電界発生部(4〜6)は、帯電した各プラスチック片に電界を印加する。回収箱(7)は、電界発生部から落下した各プラスチック片を回収する。仕切り板(8または9)は、回収箱内においてX方向に移動可能に設けられる。制御装置(10)は、プラスチック片群の一部をサンプリングして複数種類のプラスチック片の組成比を測定し、過去に測定した組成比と今回測定した組成比とから組成比の変動傾向を解析し、その解析結果に基づいて仕切り板の位置を制御する。

Description

本開示は、静電選別装置および静電選別方法に関する。
空調機、冷蔵庫、洗濯機などの家電製品の筐体には、多くのプラスチック(樹脂)が用いられている。使用済みの家電製品が廃棄されると、廃棄された家電製品から筐体が外され、筐体は破砕機によって破砕される。破砕機から排出されるプラスチック片群には、複数種類のプラスチック片が混在しているため、プラスチックをリサイクルする場合には、プラスチック片群に含まれる複数種類のプラスチック片を種類毎に選別して回収することが行なわれている。
プラスチック片群には、たとえば、ポリプロピレン樹脂片(以下「PP(polypropylene)片」と称する。)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂片(以下「ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)片」と称する。)、ポリスチレン樹脂片(以下「PS(Polystyrene)片」と称する。)等の複数種類のプラスチック片が混在している。リサイクル工程では、まず、比重選別法によって比重の小さなPP片がプラスチック片群から選別回収され、次に、静電選別法によってABS片とPS片とが選別回収される。
静電選別法は、互いに帯電特性が異なる複数種類のプラスチック片を撹拌することにより摩擦帯電させたプラスチック片の帯電状態(静電気の極性、電荷量など)および電界から受ける力がプラスチック片の種類によって異なることを利用する方法である。
この静電選別法では、複数種類のプラスチック片の混合比率(この混合比率は、しばしば「組成比」とも称され、以下でも「組成比」と称する場合がある。)によってプラスチック片の帯電状態が変化し、静電選別するときの最適条件が変化する。たとえば、プラスチック片群に混在しているABS片とPS片の組成比が58:42である場合、その組成比に応じて静電選別の条件が最適化される。
特開2001−129435号公報(特許文献1)は、回収部に設置された複数の仕切り板によって複数の回収室を形成し、複数種類の被選別片(プラスチック片)を選別する静電選別装置を開示する。この静電選別装置では、複数種類の被選別片の選別が正確に行なわれていない場合、回収部の仕切り板の位置を移動させることによって、回収条件の調整が行なわれる(特許文献1参照)。
特開2001−129435号公報
静電選別法では、被選別材料の全数を検査することは困難であるため、一般的に抜き取り検査が行なわれる。上記の特開2001−129435号公報に記載の静電選別装置においても、被選別材料が静電分離される前に被選別材料のサンプリングが行なわれる。しかしながら、抜き取り検査による組成比の測定値には、±数%ptの標本誤差が含まれるため、被選別片の選別回収の精度が十分でない可能性がある。
それゆえに、本開示の主たる目的は、静電選別による選別回収の精度を向上可能な静電選別装置および静電選別方法を提供することである。
本開示の静電選別装置は、帯電部と、電界発生部と、回収箱と、仕切り部材と、制御装置とを備える。帯電部は、互いに帯電特性が異なる複数種類の被選別片が混在した被選別材料を撹拌して各被選別片を帯電させる。電界発生部は、帯電部によって帯電された各被選別片に電界を印加し、各被選別片の帯電状態に応じた位置に各被選別片を落下させる。回収箱は、電界発生部から落下した各被選別片を回収する。仕切り部材は、回収箱内において予め定められた方向に移動可能に設けられ、回収箱を複数の回収室に分割する。制御装置は、被選別材料の一部をサンプリングして複数種類の被選別片の組成比を測定し、過去に測定した組成比と今回測定した組成比とから組成比の変動傾向を解析し、その変動傾向の解析結果に基づいて、予め定められた方向における仕切り部材の位置を制御する。
この静電選別装置では、過去に測定した組成比と今回測定した組成比とから組成比の変動傾向を解析し、その解析結果に基づいて仕切り部材の位置を制御する。これにより、被選別材料のサンプリング(抜き取り)により生じる測定誤差を分離した組成比に基づいて、仕切り部材の位置を制御することができる。したがって、この静電選別装置によれば、静電選別による選別回収の精度を向上させることができる。
実施の形態1に従う静電選別装置の構成を示す図である。 図1に示す制御装置の構成を示すブロック図である。 図2に示す時系列データ解析部の解析結果を示す図である。 図2に示す組成比データ解析部の処理手順の一例を示すフローチャートである。 プラスチック片の落下分布の一例を示す図である。 組成比と図5に示す曲線Caのピーク位置との関係を示す図である。 組成比と図5に示す曲線Caのピーク幅との関係を示す図である。 図2に示す位置演算部の動作を説明するための図である。 図2に示す駆動装置の構成を例示する図である。 図2に示す制御装置に含まれる処理回路の構成を示すブロック図である。 実施の形態2における制御装置の構成を示すブロック図である。 図10に示す組成比予測部の動作を説明するための図である。 図10に示す組成比データ解析部の処理手順の一例を示すフローチャートである。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に従う静電選別装置の構成を示す図である。図1を参照して、この静電選別装置は、投入部1、帯電筒2、振動フィーダ3、電極4,5、直流電源6、回収箱7、仕切り板8,9、および制御装置10を備える。
この静電選別装置は、互いに帯電特性が異なる複数種類(たとえば2種類)のプラスチック片(被選別片)11a,11bが混在したプラスチック片群11(被選別材料)をプラスチック片11aとプラスチック片11bとに静電選別する。以下では、プラスチック片11aはABS片であり、プラスチック片11bはPS片であるものとする。プラスチック片11a,11bは、たとえば家電製品の筐体を粉砕機によって粉砕して乾燥したものであり、10mm角程度の大きさに形成されている。
投入部1は、ホッパー1aと、投入フィーダ1bとを含む。ホッパー1aには、乾燥機(図示せず)によって乾燥されたプラスチック片群11が供給される。ホッパー1aは、単位時間当たり予め定められた量のプラスチック片群11を投入フィーダ1bに供給する。投入フィーダ1bは、ホッパー1aからのプラスチック片群11を帯電筒2内に供給する。
帯電筒2は、回転することによりプラスチック片群11を攪拌する。帯電筒2内では、プラスチック片群11に混在する複数種類のプラスチック片11a,11bが互いに摩擦して帯電する。帯電したプラスチック片11a,11bの各々は、摩擦帯電系列に応じた極性(プラスまたはマイナス)および電荷量を有する。この例では、ABS片のプラスチック片11aはプラスに帯電し、PS片のプラスチック片11bはマイナスに帯電する。
帯電したプラスチック片11a,11bは、振動フィーダ3の上面の後端部に供給される。プラスに帯電したプラスチック片11aとマイナスに帯電したプラスチック片11bとは、静電気力によって吸引し合い、ペアリングする。振動フィーダ3は、プラスチック片11a,11bを上下させながら前方に押し出す上下押し出し振動により、プラスチック片11a,11bのペアリングを解消するとともに、プラスチック片11a,11bを図中のX方向に進行させて先端から落下させる。帯電筒2および振動フィーダ3は、プラスチック片11a,11bの各々を帯電させて落下させる帯電部を構成する。
電極4,5は、それぞれ第1の電極および第2の電極であり、平板状に形成されている。電極4,5は、図中のX方向に配列され、プラスチック片11a,11bの落下する経路を挟むようにして、互いに対向して配置される。電極4には接地電圧GNDが印加される。直流電源6は、電極4と電極5との間に所定の直流電圧を印加し、電極4と電極5との間に静電界を発生させる。
振動フィーダ3によってペアリングが解消されたプラスチック片11a,11bが電極4,5間に落とされると、各プラスチック片は、帯電状態(極性、電荷量)に応じた静電気力で2つの電極4,5のうちのいずれかの電極側に引き寄せられながら落下する。つまり、各プラスチック片は、帯電状態に応じた放物線の軌道を描き、異なる位置に落下する。この例では、プラスチック片11aは、プラスに帯電しているので、電極4側に落下する。一方、プラスチック片11bは、マイナスに帯電しているので、電極5側に落下する。
電極4,5および直流電源6は、帯電した各プラスチック片に静電界を印加し、各プラスチック片の帯電状態に応じた位置に各プラスチック片を落下させる電界発生部を構成する。
回収箱7は、電極4,5の下方に設けられ、振動フィーダ3から電極4,5間を通過して落下したプラスチック片11a,11bを回収する。回収箱7は、直方体状に形成され、その上部は開口されている。回収箱7の開口部は、長方形状に形成されており、その長辺は図中のX方向に向けられている。
仕切り板8,9の各々は、仕切り部材ともいい、回収箱7内において、図中のYZ平面と平行に配置され、図中のX方向に移動可能に設けられている。仕切り板8,9の各々のX方向の位置は、制御装置10によって制御される。仕切り板8は電極4側に設けられ、仕切り板9は電極5側に設けられる。回収箱7は、仕切り板8,9によって、電極4側の回収室7aと、電極5側の回収室7bと、回収室7a,7b間の回収室7cとに分割される。
振動フィーダ3から電極4,5間を通過して落下した各プラスチック片は、その帯電状態に応じて3つの回収室7a〜7cのうちのいずれかの回収室に回収される。この例では、プラスチック片11aは、プラスに帯電するので、回収室7aに回収される。一方、プラスチック片11bは、マイナスに帯電するので、回収室7bに回収される。十分に帯電しなかったプラスチック片11a,11bは、回収室7cに回収される。
回収室7aに回収されたプラスチック片11aと、回収室7bに回収されたプラスチック片11bと、回収室7cに回収されたプラスチック片11a,11bとは、搬送機(図示せず)によって運ばれ、別々の容器に収容される。
制御装置10は、プラスチック片群11の一部を予め定められた頻度でサンプリングしてプラスチック片11a,11bの組成比(被選別片の組成比)を測定し、過去に測定した組成比と今回測定した組成比とを測定した順序で配列して組成比の時系列データを生成する。そして、制御装置10は、時系列データを解析して、測定誤差を分離した組成比の変動傾向を求め、その変動傾向に基づいて最新の組成比を推定し、推定した最新の組成比に基づいて仕切り板8,9のX方向における位置を制御する。
図2は、制御装置10の構成を示すブロック図である。図2を参照して、制御装置10は、組成比取得部20、組成比データ解析部30、および位置制御部40を備える。組成比取得部20(測定部)は、サンプリング装置21および組成比測定装置22を含む。
静電選別装置によって1日に処理されるプラスチック片の数は膨大であり、全数検査を行なうことは困難である。そこで、サンプリング装置21は、投入部1または振動フィーダ3のうちの予め定められた箇所からプラスチック片群11の一部をサンプリングする。一回にサンプリングするプラスチック片群11の重量は、たとえば70g程度である。サンプリングする頻度は、1日1回でもよいし、週に2回でもよく、その頻度は問わない。
組成比測定装置22は、サンプリング装置21によってサンプリングされたプラスチック片群11を予め定められた方法で組成解析し、その解析結果に基づいてプラスチック片11a,11bの組成比を算出する。
組成解析法としては、たとえば近赤外解析法がある。近赤外解析法とは、近赤外線をプラスチック片に照射して、反射波のスペクトル(含まれる波長の特徴)を解析する方法である。種類の異なるプラスチック片では、スペクトルの特徴が異なり、スペクトルの特徴によってプラスチック片の種類が特定される。複数種類のプラスチック片の組成比は、特定された複数種類のプラスチック片の量の比として求められる。
このようなサンプリングによる抜き取り検査によって得られる組成比の測定値には、±数%ptの標本誤差が含まれる。たとえば、組成比取得部20によって取得されたプラスチック片11aの比率が50%であっても、実際の値は45%の可能性もあれば、55%の可能性もある。すなわち、抜き取り検査で得られた測定値をそのまま使用して仕切り板8,9の位置制御を行なうと、仕切り板8,9の位置制御に誤差が生じ、プラスチック片11a,11bの選別精度が低くなる。
そこで、本実施の形態1に従う静電選別装置では、組成比データ解析部30において、過去から現在までに組成比測定装置22によって測定された組成比の時系列データを生成し、その時系列データを解析することにより、測定誤差を分離した最新の組成比を推定する。
組成比データ解析部30は、組成比記憶部31、時系列データ生成部32、時系列データ解析部33、および組成比推定値出力部34を含む。組成比記憶部31には、組成比測定装置22によって過去に多数測定された組成比のデータを、測定された順序で配列した組成比データベースが格納されている。各組成比のデータには、測定された日時を示す情報が添付されている。
時系列データ生成部32は、組成比記憶部31から組成比データベースを読み出し、読み出した組成比データベースに含まれる過去の組成比と組成比測定装置22によって今回測定された組成比とを測定された順序で配列することにより、組成比の時系列データを生成する。
たとえば、過去に取得された300日分の組成比が組成比記憶部31に格納されており、今回新たに10日分の組成比が組成比測定装置22によって測定されたのであれば、時系列データ生成部32は、310日分の組成比を日付順に配列して時系列データを生成する。生成された時系列データは、新たな組成比データベースとして組成比記憶部31に格納されるとともに、時系列データ解析部33に与えられる。
時系列データ解析部33は、時系列データ生成部32によって生成された組成比の時系列データから組成比の変動傾向を解析し、その変動傾向の解析結果に基づいて、測定誤差を分離した最新の組成比を推定する。時系列データを解析する方法としては、たとえば状態空間モデルを使用する方法がある。状態空間モデルとは、測定値に測定誤差が含まれるデータに対して、測定誤差を分離した値(以下、状態値と記載する)を推定する方法である。状態空間モデルは既知の技術であるが、状態値を推定する方法について簡単に説明する。
状態空間モデルでは、状態値を推定するため、フィルタリング処理と平滑化処理が行なわれる。フィルタリング処理とは、時点t1から時点tNまでの時系列データが存在する場合に、途中の時点t(n−1)までの観測値Y={y,…,yn-1}に基づいて、時点tnの状態値αを推定する処理である。ただし、Nは2以上の整数であり、nは1以上でNよりも小さな整数である。また、時点tは、たとえば日付である。
本実施の形態1では、フィルタリング処理を行なうためにカルマンフィルタを用いる。カルマンフィルタでは、観測値に含まれる誤差が正規分布になると仮定し、時点t1から時点t(n−1)までの観測値Y={y,…,y(n−1)}を用いて、時点tnの状態値αを予測する。このような予測は、1期先予測と言われる。この1期先予測を時点t1から時点tNまで逐次的に行ない、各地点での状態値を推定する。平滑化処理とは、与えられた全ての観測値Y={y,…,y}を用いて全時点の状態値α,…,αを推定する処理である。
図3は、時系列データ解析部33の解析結果を示す図である。図3を参照して、横軸は日付(時点t)を示し、縦軸は組成比(%)を示している。組成比は、サンプリングしたプラスチック片群11に含まれるプラスチック片11a,11bのうちのプラスチック片11aの割合(%)である。〇印は、組成比の測定値である。平滑カーブは、上記平滑化処理によって得られた全時点t1〜tNの状態値α,…,αを結ぶ曲線である。時点tNにおける状態値αが最新の組成比の推定値とされる。
再び図2を参照して、組成比推定値出力部34は、時点tNにおける状態値αを組成比推定値として位置制御部40に出力する。たとえば、組成比取得部20によって取得された時点tNにおける組成比の測定値が45%であり、時系列データ解析部33によって得られた時点tNにおける組成値推定値が42%である場合、組成比推定値出力部34は、45%の測定値を出力せずに、42%の推定値を出力する。
図4は、図2に示した組成比データ解析部30の処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、所定の周期毎に繰り返し実行される。
図4を参照して、組成比取得部20によって新たな組成比の測定値が取得されると、ステップS1において、過去に測定された組成比と今回測定された組成比とが時系列データ生成部32によって日付順に配列されて、組成比の時系列データが生成される。ステップS2において、時系列データ解析部33によって時系列データにおける組成比の変動傾向が解析される。ステップS3において、時系列データ解析部33によって平滑カーブ(図3)が抽出される。ステップS4において、組成比推定値出力部34によって最新の組成比推定値が出力される。
再び図2を参照して、位置制御部40は、組成比データ解析部30から出力された最新の組成比推定値に基づいて、仕切り板8,9(図1)の各々をX方向における最適な位置に移動させる。位置制御部40は、落下分布記憶部41、落下分布予測部42、純度設定部43、位置演算部44、位置出力部45、および駆動部46を含む。
ここで、プラスチック片11a,11bの組成比とプラスチック片11a,11bの落下分布との関係について説明する。図5は、プラスチック片11a,11bの組成比がある値である場合におけるプラスチック片11a,11bの落下分布を示す図である。
図5を参照して、横軸はX方向(図1)における位置x(mm)を示し、縦軸は落下したプラスチック片11a,11bの重量比率(wt%)を示す。振動フィーダ3の先端の直下の位置xをX方向の原点(x=0)とし、プラスチック片11a,11bの各々の落下分布は正規分布になると仮定している。曲線Ca,Cbは、それぞれプラスチック片11a,11bの落下分布を示している。
プラスチック片11a,11bの組成比が変われば、プラスチック片11a,11bの各々の数が変化し、プラスチック片11a全体の帯電量およびプラスチック片11b全体の帯電量が変化するため、曲線Ca,Cbのピーク位置およびピーク幅が変化する。予め実験により、複数の組成比(たとえば、90%,50%,10%)の各々について、曲線Ca,Cbのピーク位置とピーク幅が求められている。ここでは、プラスチック片11a,11b組成比は、プラスチック片11a,11bの重量に対するプラスチック片11aの重量の比率(%)で示されている。
図6A,図6Bは、予め実験により求められた組成比(%)と曲線Caとの関係を示す図である。図6Aは、組成比(%)と曲線Caのピーク位置(mm)との関係を示し、図6Bは、組成比(%)と曲線Caのピーク幅(mm)との関係を示している。ここで、ピーク位置(mm)は、原点(x=0)からの距離を示している。
図6A,図6Bから分かるように、組成比(%)に比例してピーク位置(mm)が減少し、組成比(%)に比例してピーク幅(mm)が増大している。図6A,図6Bの各々において回帰分析を行なうと、3つの実験値は1本の回帰直線で結ばれ、回帰直線は1次の回帰式で表される。したがって、組成比(%)が任意の値である場合でも、その組成比(%)と2つの回帰式とに基づいて、曲線Caのピーク位置(mm)およびピーク幅(mm)を求めることができる。
同様にして、組成比(%)が任意の値である場合でも、その組成比(%)と他の2つの回帰式とに基づいて、曲線Cbのピーク位置(mm)およびピーク幅(mm)を求めることができる。したがって、任意の組成比(%)について、プラスチック片11a,11bの落下分布を予測することができる。
再び図2を参照して、落下分布記憶部41には、プラスチック片11a,11bの組成比とプラスチック片11a,11bの落下分布との関係を示すデータベースが格納されている。そのデータベースには、たとえば、任意の組成比(%)から曲線Caのピーク位置(mm)およびピーク幅(mm)を求めるための2つの回帰式と、任意の組成比(%)から曲線Cbのピーク位置(mm)およびピーク幅(mm)を求めるための他の2つの回帰式とが格納されている。
落下分布予測部42は、組成比推定値出力部34から与えられた最新の組成比推定値(すなわち任意の組成比)と落下分布記憶部41に格納されたデータベースとに基づいて、曲線Ca,Cb(すなわち、プラスチック片11a,11bの落下分布)を予測する。
純度設定部43は、回収室7aに回収されるプラスチック片11aの純度Paの目標値Patと、回収室7bに回収されるプラスチック片11bの純度Pbの目標値Pbtとを設定する。
なお、純度Paとは、回収室7aに回収されたプラスチック片11a,11bのうちのプラスチック片11aの割合である。また、純度Pbとは、回収室7bに回収されたプラスチック片11a,11bのうちのプラスチック片11bの割合である。純度目標値Patと純度目標値Pbtは、同じ値でもよいし、異なる値でも構わない。
位置演算部44は、純度設定部43によって予め設定された純度目標値Pat,Pbtが達成される条件下で、プラスチック片11aの回収率Raが最大になる仕切り板8(図1)の位置x1と、プラスチック片11bの回収率Rbが最大になる仕切り板9(図1)の位置x2とを求める。
なお、回収率Raは、静電選別装置に供給されたプラスチック片11a,11bの全量のうちの回収室7aに回収されたプラスチック片11aの量の割合である。また、回収率Rbは、静電選別装置に供給されたプラスチック片11a,11bの全量のうちの回収室7bに回収されたプラスチック片11bの量の割合である。
図7は、位置演算部44の動作を説明するための図であって、図5に仕切り板8,9を追記したものである。仕切り板8,9は、それぞれx=x1,x=x2の位置に配置されているものとする。ただし、x1>0,x2>0である。仕切り板8よりも左側の領域が回収室7aに対応し、仕切り板9よりも右側の領域が回収室7bに対応し、仕切り板8,9の間の領域が回収室7cに対応している。
プラスチック片11a,11bの落下分布は、落下位置xを変数としたガウス関数によって表されるものとし、それぞれfa(x),fb(x)と表記される。回収室7aに回収されるプラスチック片11a,11bの量をそれぞれQa,Qbとすると、Qa,Qbはそれぞれガウス関数fa(x),fb(x)を−∞からx1まで積分した値となり、次式(1),(2)で表される。
Figure 0006815570
プラスチック片11aの純度Paは、回収室7aに回収されるプラスチック片11a,11bのうちのプラスチック片11aが占める割合であるので、Pa=Qa/(Qa+Qb)となる。また、プラスチック片11aの回収率Raは、静電選別装置に供給されたプラスチック片11a,11bの全量のうちの回収室7aに回収されたプラスチック片11aの量の割合であるので、次式(3)で表される。
Figure 0006815570
静電選別装置に供給されたプラスチック片11a,11bの全量、すなわち数式(3)の分母を1とすると、Ra=Qaとなる。プラスチック片11bの純度Pbおよび回収率Rbは、プラスチック片11aの純度Paおよび回収率Raと同じ方法で求められる。
次に、仕切り板8の位置と、プラスチック片11aの純度Paおよび回収率Raとの関係について説明する。まず、仕切り板8の位置をx=x1からx=x1+Δxに移動した場合について考える。ただし、Δx>0である。
つまり、図7において仕切り板8の位置を図7中の右側に移動させると、回収室7a内におけるプラスチック片11aの落下分布の面積が大きくなるので、プラスチック片11aの回収率Raが増大する。その一方で、回収室7a内におけるプラスチック片11bの落下分布の面積が大きくなるので、プラスチック片11aの純度Paが低下する。
次に、仕切り板8の位置をx=x1からx=x1−Δxに移動した場合について考える。つまり、図7において仕切り板8の位置を図中の左側に移動させると、回収室7a内におけるプラスチック片11aの落下分布の面積が小さくなるので、プラスチック片11aの回収率Raが減少する。その一方で、回収室7a内におけるプラスチック片11bの落下分布の面積が小さくなるので、プラスチック片11aの純度Paが上昇する。
つまり、純度Paと回収率Raはトレードオフの関係にあり、回収率Raが増大するように仕切り板8の位置を移動させれば純度Paは低下し、純度Paが増大するように仕切り板8の位置を移動させれば、回収率Raは低下する。
位置演算部44(図2)は、純度設定部43によって純度目標値Patがたとえば99%に設定された場合、純度Paが純度目標値Pat以上になるように、仕切り板8の位置x1を求める。この場合、求められた仕切り板8の位置x1は、純度Paが純度目標値Pat以上になる条件下で、最大の回収率Raが得られる位置である。仕切り板9の位置x2と、プラスチック片11bの純度Pbおよび回収率Rbとの関係は、仕切り板8の位置x1と、プラスチック片11aの純度Paおよび回収率Raとの関係と同じであるので、その説明は繰り返さない。
位置出力部45は、位置演算部44によって求められた仕切り板8,9の位置x1,x2を出力する。駆動部46は、位置出力部45から出力された位置x1に仕切り板8を移動させるとともに、位置出力部45から出力された位置x2に仕切り板9を移動させる。
図8は、駆動部46の構成を例示する図であって、回収箱7を上方から見た図である。図8を参照して、駆動部46は、レール51,52、スライダ53,54、ボールねじ55,56、およびモータ57,58を含む。レール51,52は、図中のX方向に向けられて配置され、予め定められた間隔を開けて互いに平行に配置される。上方から見て、回収箱7はレール51,52の間に配置されている。
スライダ53,54の各々は、回収箱7の側壁に形成された帯状の孔を貫通してレール51,52を跨ぐように配置され、摺動部材(図示せず)を介してレール51,52に結合されている。スライダ53,54の各々は、レール51,52に沿ってX方向に移動可能に設けられるとともに、ストッパ(図示せず)によって図中のY方向およびZ方向への移動が制限されている。仕切り板8は、図中のYZ平面と平行に配置され、スライダ53の上に固定される。仕切り板9は、図中のYZ平面と平行に配置され、スライダ54の上に固定される。
スライダ53の奥側端部(図では上側端部)には、X方向に延在するネジ孔が貫通しており、そのネジ孔にボールねじ55が螺合されている。ボールねじ55の一方端には、モータ57が結合されている。モータ57は、位置出力部45から出力された位置x1に仕切り板8が位置するように、ボールねじ55を回転させる。
また、スライダ54の手前側端部(図では下側端部)には、X方向に延在するネジ孔が貫通しており、そのネジ孔にボールねじ56が螺合されている。ボールねじ56の一方端には、モータ58が結合されている。モータ58は、位置出力部45から出力された位置x2に仕切り板9が位置するように、ボールねじ56を回転させる。
図9は、制御装置10(図2)に含まれる処理回路60の構成を示すブロック図である。制御装置10において、機構部を除く部分は、処理回路60によって実現し得る。処理回路60は、少なくとも1つのプロセッサ61と、少なくとも1つのメモリ62とを備える。処理回路60は、プロセッサ61およびメモリ62とともに、あるいはそれらの代用として、少なくとも1つの専用のハードウェア63を備えてもよい。
処理回路60がプロセッサ61およびメモリ62を備える場合、制御装置10の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。そのプログラムはメモリ62に格納される。プロセッサ61は、メモリ62に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置10の各機能を実現する。
プロセッサ61は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)とも言われる。メモリ62は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどにより構成される。
処理回路60が専用のハードウェア63を備える場合、処理回路60は、たとえば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらの組み合わせによって実現される。
制御装置10の各機能は、それぞれ処理回路60で実現することができる。あるいは、制御装置10の各機能は、まとめて処理回路60で実現することもできる。制御装置10の各機能について、一部を専用のハードウェア63で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。このように、処理回路60は、ハードウェア63、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで制御装置10の各機能を実現する。
次に、この静電選別装置の動作について説明する。再び図1を参照して、破砕機(図示せず)から排出されて乾燥機(図示せず)によって乾燥されたプラスチック片群11は、投入部1に供給され、投入部1によって単位時間当たり一定量ずつ帯電筒2に供給される。プラスチック片群11に混在している複数種類のプラスチック片11a,11bは、帯電筒2によって撹拌され、プラスチック片11a,11bは、それぞれプラスおよびマイナスに摩擦帯電される。
帯電したプラスチック片11a,11bは、振動フィーダ3に供給され、上下押し出し振動を伴ないながら振動フィーダ3上をX方向に搬送され、電極4,5の間に個別に落とされる。電極4と電極5との間には、直流電源6によって高圧の直流電圧が印加され、電界が発生している。この電界とプラスチック片11a,11bの各々の帯電状態(極性、電荷量)に応じて、プラスチック片11a,11bの各々の落下経路が変化する。
電極4,5の下方には回収箱7が配置されており、回収箱7は、2つの仕切り板8,9によって3つの回収室7a〜7cに分割されている。プラスに帯電したプラスチック片11aは、電極4側に引き寄せられながら落下し、主に回収室7aに回収される。マイナスに帯電したプラスチック片11bは、電極5側に引き寄せられながら落下し、主に回収室7bに回収される。回収室7a,7b間の回収室7cには、不十分に帯電したプラスチック片11a,11bが回収される。
回収室7aに回収されたプラスチック片11aは、当該種類のプラスチックとして再生され、回収室7bに回収されたプラスチック片11bは、当該種類のプラスチックとして再生される。回収室7cに回収されたプラスチック片11a,11bは、たとえば、破砕機(図示せず)によって新たに生成されたプラスチック片11a,11bと混合されて、再び投入部1に供給される。
以上の動作と並行して、投入部1および振動フィーダ3のうちの予め定められた箇所から予め定められた頻度で、プラスチック片群11の一部がサンプリング装置21(図2)によってサンプリングされる。サンプリングされたプラスチック片群11に含まれるプラスチック片11a,11bの組成比が組成比測定装置22によって測定される。
組成比記憶部31に格納されている過去に測定された組成比と、組成比測定装置22によって今回測定された組成比とが、時系列データ生成部32により、測定された日付順に配列されて組成比の時系列データが生成される。生成された時系列データが時系列データ解析部33によって解析され、測定誤差を分離した組成比の変動傾向が求められ、その変動傾向に基づいて最新の組成比が推定される。
落下分布記憶部41には、プラスチック片11a,11bの組成比と、プラスチック片11a,11bの落下分布との関係を示すデータベースが格納されている。最新の組成比推定値と落下分布記憶部41に格納されたデータベースとに基づき、落下分布予測部42によってプラスチック片11a,11bの各々の落下分布が予測される。
予測された落下分布に基づいて、回収されるプラスチック片11a,11bの純度目標値Pat,Pbtが達成されるように、位置演算部44によって仕切り板8,9の位置x1,x2が求められる。そして、求められた位置x1,x2が駆動部46(図2、図8)に伝達され、駆動部46によって仕切り板8,9がそれぞれ位置x1,x2に移動される。
以上のように、この実施の形態1では、測定した組成比の時系列データを解析して、測定誤差を分離した最新の組成比を推定し、推定した最新の組成比に基づいて仕切り板8,9の位置を制御する。したがって、選別精度の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態1では、プラスチック片11a,11bがそれぞれABS片およびPS片である場合について説明したが、これに限るものではない。プラスチック片11a,11bとしては、互いに帯電特性の異なる2種類のプラスチック片を任意に選択することができる。プラスチックとしては、ABSおよびPSの他に、たとえば、PP、PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PVC(ポリ塩化ビニル)などがある。
また、本実施の形態1では、回収箱7を2枚の仕切り板8,9によって3つの回収室7a,7b,7cに分割したが、これに限るものではなく、回収箱7を1枚の仕切り板によって2つの回収室7a,7bに分割してもよい。
また、本実施の形態1では、2種類のプラスチック片11a,11bを選別するものとしたが、3種類以上のプラスチック片を選別しても構わない。この場合、回収箱7は、3枚以上の仕切り板によって4つ以上の回収室に分割される。
また、本実施の形態1では、複数種類のプラスチック片を選別する場合について説明したが、これに限るものではなく、互いに帯電特性が異なる複数種類の被選別片を選別することができる。被選別片は、帯電するものであれば、プラスチック以外の材料で構成されていても構わない。
実施の形態2.
実施の形態1では、プラスチック片群11の一部をサンプリングしてプラスチック片11a,11bの組成比が測定され、過去の測定値と今回の測定値に基づいて最新の組成比推定値が算出され、その組成比推定値に応じた位置に仕切り板8,9が移動するものとした。したがって、次に組成比推定値を求めて仕切り板8,9を移動させる前にプラスチック片11a,11bの組成比が変動した場合には、組成比の変動に応じてプラスチック片11a,11bの落下分布が変動し、純度Pa,Pbおよび回収率Ra,Rbが低下する恐れがある。実施の形態2では、この問題の解決が図られる。
実施の形態2に従う静電選別装置は、図1に示した実施の形態1に従う静電選別装置の構成において、制御装置10に代えて制御装置70を備える。
図10は、実施の形態2における制御装置70の構成を示すブロック図である。この図10は、実施の形態1で説明した図2と対比される図である。
図10を参照して、制御装置70は、実施の形態1における制御装置10の組成比データ解析部30を組成比データ解析部71で置換したものである。組成比データ解析部71は、組成比データ解析部30に組成比予測部72を追加し、組成比推定値出力部34を組成比予測値出力部73で置換したものである。
組成比予測部72は、時系列データ解析部33によって求められた平滑カーブ(過去から現時点までの期間における組成比の変動傾向)と、現時点から将来のある時点までの予測期間において組成比の変動に影響する外的要因とに基づいて予測カーブ(予測期間における組成比の変動傾向)を生成し、その予測カーブに基づいて予測期間における組成比を予測する。
詳しく説明すると、使用済み家電製品の種類および量は、季節(春、夏、秋、冬)に応じて変動する。たとえば、使用済みの空調機は、夏に増加する傾向がある。使用済み家電製品の種類および量に季節変動があるため、静電選別装置に供給されるプラスチック片11a,11bの組成比にも季節変動がある。
組成比予測部72は、時系列データ解析部33によって生成された平滑カーブに基づいて、プラスチック片11a,11bの組成比(%)の変動と相関のある外的要因を予め抽出し、予測モデルを生成する。
プラスチック片11a,11bの組成比(%)の変動に影響を与える外的要因としては、たとえば、(a)リサイクル工場に引き取られた家電製品の台数の変動、(b)家電製品の種類に応じた、リサイクル工場での解体処理台数の変動、(c)季節および気象状況、などが考えられる。
組成比予測部72は、上記の(a)〜(c)のような各種外的要因と平滑カーブの傾きとの相関性を解析し、平滑カーブの傾きと一定の相関関係が認められる外的要因を抽出する。そして、組成比予測部72は、抽出した外的要因に基づいて予測モデルを生成し、その予測モデルに基づいて、予測期間においてプラスチック片11a,11bの組成比(%)が増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのか、それとも増減がないのかを決定する。
たとえば、8月のある時期について予測モデルを作成する際に、過去の平滑カーブと上記(b)の外的要因との間に一定の相関関係が認められた場合について考える。この場合、ある種類の家電製品の解体処理台数が毎年8月のある時期に増加する傾向があると分かれば、相関関係よりプラスチック片11a,11bの組成比(%)もその時期に増加する傾向があると判断できる。
次に、組成比予測部72は、生成した予測モデルと平滑カーブとに基づいて、図11に示すように、現時点tN(図3の時点tNに対応)から将来のある時点tMまでの組成比の変動を示す予測カーブを生成する。ただし、MはNよりも大きな整数である。時点tMは、次に新しい組成比の測定値を追加する予定の時点であることが望ましい。
次いで、組成比予測部72は、予測カーブに基づいて、プラスチック片11a,11bの組成比(%)の予測値を生成する。組成比(%)の予測値は、時点tNにおける組成比(%)の推定値と、時点tMにおける組成比(%)の予測値との平均値であることが望ましい。
再び図10を参照して、組成比予測値出力部73は、組成比予測部72によって生成された組成比予測値(%)を位置制御部40に出力する。位置制御部40は、組成比推定値(%)の代わりに、組成比予測値(%)に基づいて仕切り板8,9の各々の位置を制御する。
図12は、図10に示した組成比データ解析部71の処理手順の一例を示すフローチャートである。この図12は、実施の形態1で説明した図4と対比される図である。
図12を参照して、ステップS11〜S13は、それぞれ図4のステップS1〜S3と同じである。ステップS11において、時系列データ生成部32によって組成比の時系列データが生成される。ステップS12において、時系列データ解析部33によって時系列データにおける組成比の変動傾向が解析される。ステップS13において、時系列データ解析部33によって平滑カーブが抽出される。
そして、この実施の形態2における組成比データ解析部71では、ステップS14において、組成比予測部72によって、平滑カーブと、組成比の変動傾向に影響する外的要因とに基づいて、予測モデルが生成される。ステップS15において、組成比予測部72によって、平滑カーブと予測モデルとに基づいて予測カーブが生成され、その予測カーブに基づいて将来の組成比が予測される。ステップS16において、組成比予測値出力部73によって将来の組成比予測値が出力される。
以上のように、この実施の形態2では、将来の組成比を予測して仕切り板8,9を移動させるので、次に仕切り板8,9の各々を移動させるときまでにプラスチック片11a,11bの組成比(%)が変動した場合でも、仕切り板8,9の各々を最適な位置に移動させることができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示により示される技術的範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 投入部、1a ホッパー、1b 投入フィーダ、2 帯電筒、3 振動フィーダ、4,5 電極、6 直流電源、7 回収箱、7a〜7c 回収室、8,9 仕切り板、10,70 制御装置、11 プラスチック片群、11a,11b プラスチック片、20 組成比取得部、21 サンプリング装置、22 組成比測定装置、30,71 組成比データ解析部、31 組成比記憶部、32 時系列データ生成部、33 時系列データ解析部、34 組成比推定値出力部、40 位置制御部、41 落下分布記憶部、42 落下分布予測部、43 純度設定部、44 位置演算部、45 位置出力部、46 駆動部、51,52 レール、53,54 スライダ、55,56 ボールねじ、57,58 モータ、60 処理回路、61 プロセッサ、62 メモリ、63 ハードウェア、72 組成比予測部、73 組成比予測値出力部。

Claims (7)

  1. 互いに帯電特性が異なる複数種類の被選別片が混在した被選別材料を撹拌して各被選別片を帯電させる帯電部と、
    前記帯電部によって帯電された各被選別片に電界を印加し、各被選別片の帯電状態に応じた位置に各被選別片を落下させる電界発生部と、
    前記電界発生部から落下した各被選別片を回収する回収箱と、
    前記回収箱内において予め定められた方向に移動可能に設けられ、前記回収箱を複数の回収室に分割する仕切り部材と、
    前記予め定められた方向における前記仕切り部材の位置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記被選別材料の一部をサンプリングして前記複数種類の被選別片の組成比を測定し、
    過去に測定した前記組成比と今回測定した前記組成比とから前記組成比の変動傾向を解析し、
    前記変動傾向の解析結果に基づいて前記仕切り部材の位置を制御し、
    前記制御装置は、
    前記被選別材料の一部をサンプリングして前記組成比を測定する測定部と、
    前記測定部によって過去に測定された前記組成比と今回測定された前記組成比とを測定された順序に配列して前記組成比の時系列データを生成する時系列データ生成部と、
    前記時系列データから前記組成比の変動傾向を解析し、前記変動傾向の解析結果に基づいて最新の前記組成比を推定する時系列データ解析部と、
    前記時系列データ解析部によって推定された最新の前記組成比に基づいて、前記予め定められた方向における前記仕切り部材の位置を制御する位置制御部とを含む、静電選別装置。
  2. 前記時系列データ解析部は、状態空間モデルを用いて、前記組成比の変動傾向を示す平滑カーブを前記時系列データから抽出し、抽出した前記平滑カーブに基づいて最新の前記組成比を推定する、請求項1に記載の静電選別装置。
  3. 前記位置制御部は、
    複数の前記組成比と、前記複数種類の被選別片の前記回収箱への落下分布との関係を記憶した落下分布記憶部と、
    前記時系列データ解析部によって推定された最新の前記組成比と前記落下分布記憶部の記憶内容とに基づいて、前記複数種類の被選別片の前記回収箱への落下分布を予測する落下分布予測部と、
    前記落下分布予測部の予測結果と、前記複数の回収室に回収される前記複数種類の被選別片の、前記複数の回収室における純度の目標値とに基づいて、前記予め定められた方向における前記仕切り部材の位置を求める位置演算部と、
    前記位置演算部によって求められた位置に前記仕切り部材を移動させる駆動部とを含む、請求項1または請求項2に記載の静電選別装置。
  4. 互いに帯電特性が異なる複数種類の被選別片が混在した被選別材料を撹拌して各被選別片を帯電させる帯電部と、
    前記帯電部によって帯電された各被選別片に電界を印加し、各被選別片の帯電状態に応じた位置に各被選別片を落下させる電界発生部と、
    前記電界発生部から落下した各被選別片を回収する回収箱と、
    前記回収箱内において予め定められた方向に移動可能に設けられ、前記回収箱を複数の回収室に分割する仕切り部材と、
    前記予め定められた方向における前記仕切り部材の位置を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記被選別材料の一部をサンプリングして前記複数種類の被選別片の組成比を測定し、
    過去に測定した前記組成比と今回測定した前記組成比とから前記組成比の変動傾向を解析し、
    前記変動傾向の解析結果に基づいて前記仕切り部材の位置を制御し、
    前記制御装置は、
    前記被選別材料の一部をサンプリングして前記組成比を測定する測定部と、
    前記測定部によって過去に測定された前記組成比と今回測定された前記組成比とを測定された順序に配列して前記組成比の時系列データを生成する時系列データ生成部と、
    前記時系列データから前記組成比の変動傾向を解析する時系列データ解析部と、
    前記変動傾向の解析結果と、現時点から将来のある時点までの予測期間において前記組成比の変動に影響する外的要因とに基づいて、前記予測期間における前記組成比の変動傾向を予測し、前記変動傾向の予測結果に基づいて、前記予測期間における前記組成比を予測する組成比予測部と、
    前記組成比予測部によって予測された前記組成比に基づいて、前記予め定められた方向における前記仕切り部材の位置を制御する位置制御部とを含む、静電選別装置。
  5. 前記時系列データ解析部は、状態空間モデルを用いて、前記組成比の変動傾向を示す平滑カーブを前記時系列データから抽出し、
    前記組成比予測部は、前記平滑カーブと前記外的要因とに基づいて、前記予測期間における前記組成比の変動傾向を示す予測カーブを生成し、生成された前記予測カーブに基づいて前記予測期間における前記組成比を予測する、請求項4に記載の静電選別装置。
  6. 前記位置制御部は、
    複数の前記組成比と、前記複数種類の被選別片の前記回収箱への落下分布との関係を記憶した落下分布記憶部と、
    前記組成比予測部によって予測された前記組成比と前記落下分布記憶部の記憶内容とに基づいて、前記複数種類の被選別片の前記回収箱への落下分布を予測する落下分布予測部と、
    前記落下分布予測部の予測結果と、前記複数の回収室に回収される前記複数種類の被選別片の、前記複数の回収室における純度の目標値とに基づいて、前記予め定められた方向における前記仕切り部材の位置を求める位置演算部と、
    前記位置演算部によって求められた位置に前記仕切り部材を移動させる駆動部とを含む、請求項4または請求項5に記載の静電選別装置。
  7. 前記電界発生部は、
    前記予め定められた方向に配列され、互いに対向して設けられた第1および第2の電極と、
    前記第1および第2の電極間に直流電圧を印加して前記第1および第2の電極間に電界を発生させる直流電源とを含み、
    前記帯電部は、帯電させた各被選別片を前記第1および第2の電極間に落下させ、
    前記回収箱は、前記帯電部から前記第1および第2の電極間を通って落下する各被選別片を回収する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の静電選別装置。
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