JP2014041565A - 時系列データ解析装置、方法、及びプログラム - Google Patents

時系列データ解析装置、方法、及びプログラム Download PDF

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眞哉 村田
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Abstract

【課題】突発的な変動も考慮した時系列データの解析を行う。
【解決手段】状態空間モデリング部31が、突発変動成分を含む複数の変動成分からなる状態ベクトルXをシステムノイズを用いて非線形に時間更新するための状態更新式、及び状態ベクトルXと観測値との関係を示す観測方程式によって定められた状態空間モデルであって、状態空間モデルに基づいて得られる観測値の予測値と実際の観測値との予測誤差が大きいほど大きく切り替わる突発変動ノイズを用いた時間減衰過程により突発変動成分をモデル化した状態空間モデルを定義し、状態推定部32が、状態空間モデル及び観測値の時系列データに基づいて、状態ベクトルXを逐次推定し、信号抽出部34が、推定された状態ベクトルXから、複数の変動成分の各々を示す信号を抽出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、時系列データ解析装置、方法、及びプログラムに関する。
現実に観測される時系列データは、変動のパターンが時間と共に大きく変化する非定常性を有している。従来では、この非定常性を、主に長期変動(トレンド)成分、及び長周期の周期変動成分で捉えられてきた(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1では時系列データの長期変動(トレンド)を精度良く解析するため、mth-order stochastic trendと呼ばれるモデルを提案している。このモデルでは、m=1で通常のrandom walkモデルに一致し、m≧2ではトレンドの傾き成分をrandom walkでモデル化している。トレンドの推定は周波数領域で行い、最小分散推定量としてWiener-Kolmogorov filterを導出している。
Andrew C. Harvey, et al., "General Model-Based Filters for Extracting Cycles and Trends in Economic Time Series", The Review of Economics and Statistics, 2003.
しかしながら、従来手法では、突発的に生じる変動に対して、妥当な解析結果を得ることができない場合がある、という問題があった。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたもので、突発的な変動も考慮した時系列データの解析を行うことができる時系列データ解析装置、方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の時系列データ解析装置は、突発変動成分を含む複数の変動成分からなる状態ベクトルXをシステムノイズを用いて非線形に時間更新するための状態更新式、及び状態ベクトルXと観測値との関係を示す観測方程式によって定められた状態空間モデルであって、前記状態空間モデルに基づいて得られる前記観測値の予測値と実際の観測値との予測誤差が大きいほど大きくなる突発変動ノイズを用いた時間減衰過程により前記突発変動成分をモデル化した状態空間モデルと、前記観測値の時系列データとに基づいて、前記状態ベクトルXを逐次推定する状態推定手段と、前記状態推定手段により推定された状態ベクトルXから、前記複数の変動成分の各々を示す信号を抽出する信号抽出手段と、を含んで構成されている。
本発明の時系列データ解析装置によれば、状態空間モデルとして、突発変動成分を含む複数の変動成分からなる状態ベクトルXをシステムノイズを用いて非線形に時間更新するための状態更新式、及び状態ベクトルXと観測値との関係を示す観測方程式によって定められたモデルを定義する。この状態ベクトルXに含まれる突発変動成分を、状態空間モデルに基づいて得られる観測値の予測値と実際の観測値との予測誤差が大きいほど大きくなる突発変動ノイズを用いた時間減衰過程によりモデル化する。そして、状態推定手段が、この状態空間モデルと観測値の時系列データとに基づいて、状態ベクトルXを逐次推定し、信号抽出手段が、状態推定手段により推定された状態ベクトルXから、複数の変動成分の各々を示す信号を抽出する。
このように、時系列データの突発的な変動を示す突発変動成分を、予測誤差が大きいほど大きくなる突発変動ノイズを用いた時間減衰過程によりモデル化した状態空間モデルに基づいて、突発変動成分を含む状態ベクトルを推定するため、突発的な変動も考慮した時系列データの解析を行うことができる。
また、前記状態推定手段は、前記突発変動ノイズを、前記予測誤差をパラメータとするシグモイド関数で表すことができる。シグモイド関数は、信号の切替えによく用いられる関数であり、突発的な変動をモデル化するために適した関数である。
また、前記状態推定手段は、前記状態空間モデル及び前記観測値の時系列データに基づいて、シグマ点列の発生、状態ベクトルの状態更新、及び観測更新を行うUFK(UnscentedKalmanFilter)によって、前記状態ベクトルX及び該状態ベクトルの推定誤差分散の共分散行列Pを逐次推定する際に、前記状態更新後の前記共分散行列Pの予測値 ̄Pをシステムノイズの共分散行列Qの対角成分の総和で正規化した正規化共分散行列 ̄P’、前記観測更新後の前記共分散行列Pの推定値^Pを前記総和で正規化した正規化共分散行列^P’、及び前記システムノイズの共分散行列Qを前記総和で正規化した正規化システムノイズQ’を用いると共に、前記総和を用いて変更された重みに基づいて、前記シグマ点列を発生させることができる。これにより、ノイズの統計量が未知であっても、通常のUFKと同程度の精度で、ロバストな解析結果を得ることができる。
また、前記状態推定手段の推定結果に基づいて、前記正規化システムノイズQ’の各分散値の比率、及び前記突発変動ノイズに関するパラメータをパラメトライズして得られる尤度が最大となるときのパラメータを、前記状態空間モデルのパラメータとして同定するモデル同定手段を含んで構成することができる。
また、前記状態推定手段は、前記総和が収束するまで前記UFKを繰り返し行い、前記総和が収束した際の前記状態ベクトルXの推定値^Xを平滑化した平滑化推定値~Xを推定することができる。
また、本発明の時系列データ解析方法は、状態推定手段と、信号抽出手段とを含む時系列データ解析装置における時系列データ解析方法であって、前記状態推定手段が、突発変動成分を含む複数の変動成分からなる状態ベクトルXをシステムノイズを用いて非線形に時間更新するための状態更新式、及び状態ベクトルXと観測値との関係を示す観測方程式によって定められた状態空間モデルであって、前記状態空間モデルに基づいて得られる前記観測値の予測値と実際の観測値との予測誤差が大きいほど大きくなる突発変動ノイズを用いた時間減衰過程により前記突発変動成分をモデル化した状態空間モデルと、前記観測値の時系列データとに基づいて、前記状態ベクトルXを逐次推定し、前記信号抽出手段が、前記状態推定手段により推定された状態ベクトルXから、前記複数の変動成分の各々を示す信号を抽出する方法である。
また、本発明の時系列データ解析プログラムは、コンピュータを、上記の時系列データ解析装置を構成する各手段として機能させるためのプログラムである。
以上説明したように、本発明の時系列データ解析装置、方法、及びプログラムによれば、時系列データの突発的な変動を示す突発変動成分を、予測誤差が大きいほど大きくなる突発変動ノイズを用いた時間減衰過程によりモデル化した状態空間モデルに基づいて、突発変動成分を含む状態ベクトルを推定するため、突発的な変動も考慮した時系列データの解析を行うことができる、という効果が得られる。
本実施の形態に係る時系列データ解析装置の構成を示す概略図である。 観測値の時系列データのデータ構造の一例を示す図である。 出力データのデータ構造の一例を示す図である。 本実施の形態における時系列データ解析処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 実験に用いた時系列データを示すグラフである。 本実施の形態のモデルによる循環変動成分の抽出結果を示すグラフである。 本実施の形態のモデルによる長期変動成分の抽出結果を示すグラフである。 本実施の形態のモデルによる周期変動成分の抽出結果を示すグラフである。 本実施の形態のモデルによる突発変動成分の抽出結果を示すグラフである。 既存モデルによる循環変動成分の抽出結果を示すグラフである。 本実施の形態のモデルの突発変動ノイズとして観測ノイズを適用した場合のモデルによる循環変動成分の抽出結果を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
<本実施の形態の概要>
本実施の形態に係る時系列データ解析装置では、まず、時系列データの突発的な変動を時間減衰過程としてモデル化する。そして通常の時系列成分モデルにこの突発変動成分を加えたモデルを状態空間で表現する。状態の推定は、後述するNoises Normalized Unscented Kalman Filter & URTS Smoother(NN−UKF&URTSS)を使用して行い、突発的な事象をオンラインで検出しながら推定を実行する。
<システム構成>
本実施の形態に係る時系列データ解析装置10は、CPUと、RAMと、後述する時系列データ解析処理ルーチンを実行するためのプログラムを記憶したROMとを備えたコンピュータで構成されている。このコンピュータは、機能的には、図1に示すように、入力部20と、演算部30と、出力部40とを含んだ構成で表すことができる。
入力部20は、入力された観測値の時系列データを受け付ける。観測値は、スカラー値であり、すなわち、時系列データは、1次元時系列である。観測値は、例えば、図2に示すように、時刻tと観測値yとの組(t=1,・・・,N)からなる時系列データである。
また、入力部20は、オペレータから、後述する状態空間モデルを定義するための設定値の入力を受け付ける。
演算部30は、状態空間モデリング部31と、状態推定部32と、モデル同定部33と、信号抽出部34とを含んだ構成で表すことができる。
状態空間モデリング部31は、オペレータにより入力部20から入力された設定値を受け付けて、下記(1)式及び(2)式に示す状態空間モデルを定義する。
Figure 2014041565
ただし、Xは時刻tにおける状態ベクトルで、通常、非観測量が取られる。状態ベクトルXを時系列データyを用いて推定することを目的とする。μはシステムノイズベクトルであり、正規分布に従う白色ノイズベクトルである。また、N(m、v)は平均m、分散vの正規分布を表す。したがって、Qはシステムノイズの共分散行列に相当する。なお、ここでは、観測ノイズフリーとしている。上記(2)式に示されるように、yは時刻tにおける観測値で、状態Xの線形変換Hにより生成される。上記(2)式は、状態ベクトルXと観測値yとの関係を示している。また、上記(1)式のf(・)が非線形箇所であり、これによりシステムモデルは非線形になる。f(・)の型はモデルにより異なる。
次に、突発的な変動Eは、下記(3)式に示す時間減衰過程としてモデル化する。
Figure 2014041565
ただし、τは時定数であり、Eが1/eになるまでの時間を意味する。また、μ'はシステムノイズμの共分散行列の対角成分、すなわちシステムノイズμの各分散値にGを掛けたものである。(3)式の離散解は、下記(4)式となる。
Figure 2014041565
ただし、Δは時系列データの観測幅であり、本実施の形態では1として説明する。この突発変動成分を加えた時系列成分モデルの観測方程式は、下記(5)式となる。
Figure 2014041565
ただし、xは時刻tにおける循環変動成分(AR過程)、Tは長期変動(トレンド)成分、βは周期変動成分、Eは突発変動成分である。それぞれの成分の時間更新式は、下記(6)式〜(10)式となる。
Figure 2014041565
循環変動成分はM次のAR過程、長期変動(トレンド)成分は線形トレンド、周期変動成分は周期Cでモデル化してある。時定数τは突発変動成分Eをある程度の自己相関を持った減衰過程として抽出するため、例えば、τ∈[7,13]という制限を持った局所一定モデルに従い時間発展するものとする。なお、μ(i=1,2,・・・,2M+3+C+1)は、システムノイズμのi番目の分散値であることを表す。
状態ベクトルの定義は下記(11)式となり、各変動成分と関連パラメータ(AR係数及び時定数)とを同時に推定する。
Figure 2014041565
観測モデル(2)式のHはH=[1,0,・・・,1,0,1,0,・・・,0,1,0]であり、(5)式の観測方程式と同等になるように設計する。
また、システムモデル(1)式のGは、下記(12)式となる。
Figure 2014041565
ここで、νは時刻tにおける予測誤差で、この予測誤差が非常に大きくなった時点を突発的な変動の開始とみなし、g(ν)が大きくなる様に設定する。その結果、(9)式のμ'(2M+3+C)=g(ν)μ(2M+3+C)が大きくなり、Eが突発変動を成分として推定し始めることになる。
状態推定部32は、入力された時系列データと、状態空間モデリング部31でモデリングされた状態空間モデルとに基づき、状態ベクトルの逐次推定を行う。モデルは非線形であるので、以下に示すNN−UKF&URTSSによって、状態ベクトルXの逐次状態推定(オンライン状態推定)を行う。NN−UKFのアルゴリズムは、下記(13)式〜(25)式で表されるシグマ点列の発生、状態更新(1期先予測)、及び観測更新(フィルタ)からなる。
Figure 2014041565
ただし、κは予め定められた定数であり、nは状態ベクトルXの次元数である。Pは状態ベクトルXの推定誤差分散の共分散行列である。また、 ̄A(数式中では、記号A上に“ ̄”)は状態更新により予測されたAの予測値を示し、^A(数式中では、記号A上に“^”)は観測更新により推定されたAの推定値を示す。なお、 ̄P'、^P'、Q’は下記(26)式〜(28)式に示すように、共分散行列の予測値 ̄P、共分散行列の推定値^P、及びシステムノイズの共分散行列Qを、tr(Q)で割って正規化したものである。なお、観測方程式に観測ノイズを含む場合には、NN−UKFアルゴリズムに観測ノイズの分散値に関するr’の項が含まれるが、本実施の形態では、観測ノイズフリーとしているため、NN−UKFアルゴリズム内のr’は0としている。
Figure 2014041565
ここで、tr(Q)はシステムノイズμの共分散行列Qの対角成分、すなわちシステムノイズμの分散値の総和であり、アルゴリズム中のαとの関係はtr(Q)=1/αである。多くの場合、tr(Q)の値は未知であるので、最初はtr(Q)=1、すなわちα=1に設定してNN−UKFを実行する。そして、NN−UKFの実行毎に、下記(30)式及び(31)式に基づいて、tr(Q)を推定する。
Figure 2014041565
状態推定部32は、NN−UKF実行時に使用したtr(Q)nowの値と、NN−UKF実行終了時に推定したtr(Q)newの値との差が所定の閾値以下であれば、tr(Q)の値が収束したとみなし、この実行によって推定された状態の結果を採用する手法を取る。
また、(12)式のg(ν)は、下記(32)式〜(34)式となる。
Figure 2014041565
ここで、σは時刻tにおける予測分布の標準偏差で、zは予測誤差νの大きさを表す量である。ξはzの平均を表すパラメータであり、本実施の形態では、ξ=4,5と振っている。g(ν)は標準シグモイド関数で、0〜1の値を取る。シグモイド関数はその形から信号の切替えによく使われ、本実施の形態においても、上述したように、突発変動成分の時間発展時にのるノイズ(突発変動ノイズ)の量の切替えに使用する。通常の予測誤差の範囲であればg(ν)は0に近い値を取り、従って、μ'(2M+3+C)=g(ν)μ(2M+3+C)も小さくなり、突発変動成分Eは正常に減衰する。一方、予測誤差が大きく外れる様なデータを観測すると、g(ν)は1に近い値を取り、μ'(2M+3+C)=g(ν)μ(2M+3+C)も大きくなり、突発変動成分Eは観測更新(フィルタ)によりその値が大きく修正されることになる。この予測誤差に基づくノイズの切替えにより、突発変動成分を自己相関減衰過程として抽出する。
最後の観測値yt=Nまでの処理が完了すると、(21)式を使用したNoises Normalized Unscented RTS Smoother(NN−URTSS)により、下記(35)式〜(37)式に示す平滑化を行う。
Figure 2014041565
ここで、St−1は平滑化ゲイン、~Xt−1及び~Pt−1(数式中では、記号XまたはP上に“~”)はそれぞれ状態の期待値及び共分散行列の平滑化推定値である。
モデル同定部33は、状態推定部32により正規化されたシステムノイズの共分散行列Q’の対角成分(分散値)の総和μ+μ+・・・+μ(2M+3+C+1)を利用して、各分散値の比率γ、及び(33)で導入したξ(例えば、ξ=4,5)をパラメトライズして振って、γとξとの組(γ,ξ)毎に下記(38)式〜(41)式に示す対数尤度LL(γ,ξ)を求める。なお、(6)式及び(9)式に示した循環変動成分及び突発変動成分にのるノイズμ及びμ'(2M+3+C)以外は非常に小さい(?0)ため、ここでは、γについては、μとμ'(2M+3+C)との比率のみをパラメトライズする。そして、対数尤度LL(γ、ξ)が最大になった(γ,ξ)から得られるQ’を、状態推定モデルのパラメータとして推定することにより、モデルの同定を行う。
Figure 2014041565
ここで、M(γ,ξ)がシステムノイズμの分散値の総和の推定値となる。
信号抽出部34は、状態推定部32により推定された平滑化推定値~Xt−1から、各成分(循環変動成分x、長期変動(トレンド)成分T、周期変動成分β、突発変動成分E)を示す信号(信号A,信号B,・・・)を抽出する。
出力部40は、モデル同定部33により同定されたモデルを示すパラメータの推定値、及び信号抽出部34により抽出された信号を出力する。信号抽出部34により抽出された信号は、例えば、図3に示すように、時刻tと抽出された信号A,信号B・・・との組(t=1,・・・,N)からなる時系列データとして出力することができる。
<時系列データ解析装置の作用>
次に、本実施の形態に係る時系列データ解析装置10の作用について説明する。まず、オペレータにより、状態空間モデルを定義するための設定値が時系列データ解析装置10に入力されると、時系列データ解析装置10によって、入力された設定値が、メモリ(図示省略)へ格納される。また、時刻t〜tの観測値からなる時系列データが、時系列データ解析装置10に入力されると、時系列データ解析装置10によって、入力された時系列データが、メモリへ格納される。そして、時系列データ解析装置10によって、図4に示す時系列データ解析処理ルーチンが実行される。
まず、ステップ100で、メモリに格納された状態空間モデルを定義するための設定値及び観測値の時系列データを取得する。そして、ステップ102で、状態空間モデリング部31が、取得した設定値を用いて、上記(1)式及び(2)式に示す状態空間モデルを定義する。
次に、ステップ104で、状態推定部32が、NN−UKF&URTSSを実行するための初期設定として、システムノイズの分散値の総和(tr(Q))、及び時系列データの時刻を示すtをそれぞれ1にセットする。
次に、ステップ106で、状態推定部32が、NN−UKFのアルゴリズムに従って、上記ステップ100で取得した観測値の時系列データ、及び上記ステップ104で設定された初期設定を用いて、シグマ点列の発生、状態更新、及び観測更新を逐次行って、状態ベクトル及びその共分散行列を推定する。
次に、ステップ108で、状態推定部32が、上記(30)式及び(31)式によりtr(Q)を推定し、上記ステップ106で使用したtr(Q)nowの値と、本ステップで推定したtr(Q)newの値との差が所定の閾値以下か否かを判定することにより、tr(Q)の値が収束したか否かを判定する。tr(Q)の値が収束していない場合には、ステップ106へ戻り、推定された状態ベクトル^X、推定され正規化された共分散行列^P'、及び推定されたtr(Q)を用いて、NN−UKFによる状態ベクトル及びその共分散行列の推定を繰り返す。
一方、tr(Q)の値が収束した場合には、ステップ110へ移行し、tがNになったか否かを判定することにより、最後の観測値yまで処理が完了したか否かを判定する。tがNに達していない場合には、ステップ112へ移行して、tを1インクリメントして、ステップ106へ戻る。t=Nとなった場合には、ステップ114へ移行する。
ステップ114では、状態推定部32が、上記(21)式を使用したNN−URTSSにより、上記(35)式〜(37)式に示す平滑化を行い、状態ベクトルの平滑化推定値~Xt−1及びその共分散行列の平滑化推定値~Pt−1を得る。
次に、ステップ116で、モデル同定部33が、正規化されたシステムノイズの共分散行列Q’の対角成分(分散値)の総和μ+μ+・・・+μ(2M+3+C+1)を利用して、各分散値の比率γ、及び(33)で導入したξ(ξ=4,5)をパラメトライズして振って、γとξとの組(γ,ξ)毎に(38)式〜(41)式に示す対数尤度LL(γ,ξ)を求める。そして、対数尤度LL(γ、ξ)が最大になった(γ,ξ)から得られるQ’を、状態推定モデルのパラメータとして推定することにより、モデルの同定を行う。
次に、ステップ118で、信号抽出部34が、上記ステップ114で推定された平滑化推定値~Xt−1から、各成分(循環変動成分x、長期変動(トレンド)成分T、周期変動成分β、突発変動成分E)を示す信号(信号A,信号B,・・・)を抽出する。
次に、ステップ120で、出力部40が、上記ステップ116で同定されたモデルを示すパラメータの推定値、及び上記ステップ118で抽出された信号を出力し、時系列データ解析処理ルーチンを終了する。
<実験結果>
ここで、あるECサイトの日毎の売上げ高の時系列データ(図5)を、本実施の形態における状態推定モデルで解析した実験結果を示す。図6は循環変動成分の抽出結果、図7は長期変動成分の抽出結果、図8は周期変動成分の抽出結果、図9は突発変動成分の抽出結果である。ここでは、循環変動成分のAR次数Mは3、周期変動成分の周期Cは7、つまり1週間周期とした。
次に、既存のモデル(循環変動成分、長期変動成分、周期変動成分からなる状態ベクトルを推定するモデル、突発変動成分を含まないモデル)に基づき、上述の時系列データを解析した際の、循環変動成分の抽出結果を図10に、観測ノイズの分散値を本実施の形態と同様な手法で切替えたモデル、すなわち、突発的な変動は大きな観測ノイズがのったことに依るものと見なすモデルに基づく抽出結果を図11に示す。本実施の形態に観測ノイズを適用する場合には、(2)式の観測モデルに観測ノイズw〜N(0,r)を加え、(3)式及び(4)式の突発変動成分の定義のμ’をw’(w’=Gw)とする。また、NN−UKFアルゴリズムにおいてr’=0とした箇所に適切なr’を用いる。
抽出された循環変動成分はそれぞれ明らかに非定常になっており、推定されたAR係数も非定常と定常の境界に近い値を示していた。本実施の形態のモデルの対数尤度は-18063で、既存モデルの対数尤度はそれぞれ-19069、-18311であることから、突発的な変動を含む非定常時系列データに対して本実施の形態のモデルが有効であることを示している。また、突発的な変動を含まないデータに対しては突発変動成分Eがほぼ0として推定されるため、本実施の形態のモデルは様々な時系列データに対して汎用的に使用可能である。
以上説明したように、時系列データの突発的な変動を示す突発変動成分を、予測誤差が大きいほど大きく切り替わるノイズをのせた時間減衰過程としてモデル化した状態空間モデルに基づいて、突発変動成分を含む状態ベクトルを推定するため、突発的な変動も考慮した時系列データの解析を行うことができる。
現実の時系列データは、時間と共にその様相が大きく変化する非定常性を有している。カルマンフィルタに代表されるフィルタリング手法は時系列データを生成する状態を確率的に推定し、特に時変する状態の追従性に優れている。本実施の形態では、既存の時系列モデルでは取り扱ってこなかった突発的な変動をモデル化することにより、突発事象の形相を原系列から分離抽出することが可能になり、突発変動成分のさらなる詳細な分析が可能となる。また、本実施の形態の突発変動成分を既存の成分モデルに加えることで、変化が激しい時系列データに対しても安定的な状態推定を行うことができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、状態空間モデルの定義を予め設定しておき、状態空間モデルを定義するための設定値の入力を不要としてもよい。
また、本実施の形態では、状態空間モデルのパラメータ推定値及び抽出した信号を出力する場合について説明したが、状態推定部により推定された平滑化推定値~Xt−1及び~Pt−1を出力するようにしてもよいし、 ̄y=H ̄Xに従って観測値の予測値を求めて出力するようにしてもよい。
また、本願明細書中において、プログラムが予めインストールされている実施形態として説明したが、当該プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。
10 時系列データ解析装置
20 入力部
30 演算部
31 状態空間モデリング部
32 状態推定部
33 モデル同定部
34 信号抽出部
40 出力部

Claims (7)

  1. 突発変動成分を含む複数の変動成分からなる状態ベクトルXをシステムノイズを用いて非線形に時間更新するための状態更新式、及び状態ベクトルXと観測値との関係を示す観測方程式によって定められた状態空間モデルであって、前記状態空間モデルに基づいて得られる前記観測値の予測値と実際の観測値との予測誤差が大きいほど大きくなる突発変動ノイズを用いた時間減衰過程により前記突発変動成分をモデル化した状態空間モデルと、前記観測値の時系列データとに基づいて、前記状態ベクトルXを逐次推定する状態推定手段と、
    前記状態推定手段により推定された状態ベクトルXから、前記複数の変動成分の各々を示す信号を抽出する信号抽出手段と、
    を含む時系列データ解析装置。
  2. 前記状態推定手段は、前記突発変動ノイズを、前記予測誤差をパラメータとするシグモイド関数で表した請求項1記載の時系列データ解析装置。
  3. 前記状態推定手段は、前記状態空間モデル及び前記観測値の時系列データに基づいて、シグマ点列の発生、状態ベクトルの状態更新、及び観測更新を行うUFK(Unscented Kalman Filter)によって、前記状態ベクトルX及び該状態ベクトルの推定誤差分散の共分散行列Pを逐次推定する際に、前記状態更新後の前記共分散行列Pの予測値 ̄Pをシステムノイズの共分散行列Qの対角成分の総和で正規化した正規化共分散行列 ̄P’、前記観測更新後の前記共分散行列Pの推定値^Pを前記総和で正規化した正規化共分散行列^P’、及び前記システムノイズの共分散行列Qを前記総和で正規化した正規化システムノイズQ’を用いると共に、前記総和を用いて変更された重みに基づいて、前記シグマ点列を発生させる請求項1または請求項2記載の時系列データ解析装置。
  4. 前記状態推定手段の推定結果に基づいて、前記正規化システムノイズQ’の各分散値の比率、及び前記突発変動ノイズに関するパラメータをパラメトライズして得られる尤度が最大となるときのパラメータを、前記状態空間モデルのパラメータとして同定するモデル同定手段を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の時系列データ解析装置。
  5. 前記状態推定手段は、前記総和が収束するまで前記UFKを繰り返し行い、前記総和が収束した際の前記状態ベクトルXの推定値^Xを平滑化した平滑化推定値~Xを推定する請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の時系列データ解析装置。
  6. 状態推定手段と、信号抽出手段とを含む時系列データ解析装置における時系列データ解析方法であって、
    前記状態推定手段が、突発変動成分を含む複数の変動成分からなる状態ベクトルXをシステムノイズを用いて非線形に時間更新するための状態更新式、及び状態ベクトルXと観測値との関係を示す観測方程式によって定められた状態空間モデルであって、前記状態空間モデルに基づいて得られる前記観測値の予測値と実際の観測値との予測誤差が大きいほど大きくなる突発変動ノイズを用いた時間減衰過程により前記突発変動成分をモデル化した状態空間モデルと、前記観測値の時系列データとに基づいて、前記状態ベクトルXを逐次推定し、
    前記信号抽出手段が、前記状態推定手段により推定された状態ベクトルXから、前記複数の変動成分の各々を示す信号を抽出する
    時系列データ解析方法。
  7. コンピュータを、請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の時系列データ解析装置を構成する各手段として機能させるための時系列データ解析プログラム。
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