JP6815210B2 - 結像光学系及び撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、結像光学系及び撮像装置に関し、特に、CCDやCMOS等の固体撮像素子を用いた撮像装置に好適な広角の結像光学系及び撮像装置に関する。
従来より、車両に撮像装置を搭載し、撮像装置により取得した画像を画像表示装置に表示させることで種々の運転支援を行う運転支援システムが知られている。このような運転支援システムとして、例えば、車両後方の画像を画像表示装置に表示させるバックビューモニターや車両の周囲の画像を車両の上方から見下ろしているかのような画像を画像表示装置に表示させるアラウンドビューモニターなどが知られている。また、ドライブレコーダーの普及も進んでいる。
また、近年では、自動運転の実現に向けて、画像センシング技術を利用した衝突被害軽減ブレーキシステム、レーンキープアシストシステム、車間距離自動制御システムなどの種々の先進的運転支援システムが実用化されている。これらの先進的運転支援システムでは、撮像装置により取得した画像データに基づき、車両周囲の障害物や、車線位置、車間距離などを検知している。
このような撮像装置の結像光学系には種々の要求がある。例えば、近年の固体撮像素子の高画素化に伴い、車載用の撮像装置においても解像度の高い明るい光学系が求められている。
また、車両の周囲をより少ない数の撮像装置でモニタリングするために、画角の広い光学系が求められている。画角を広げると、周辺光量の低下が生じ得る。しかしながら、自動運転を実現するには、画像の周辺部においても高精度に画像認識を行う必要がある。そのため、広角であり、且つ、画像の周辺部の光量低下のない光学系が求められている。
さらに、車載用の撮像装置の使用雰囲気温度は大きく変化する。車載用の撮像装置の結像光学系は、焦点位置が固定された固定焦点レンズが用いられることが多い。固定焦点レンズの場合、使用雰囲気温度の変化によってフォーカスシフトが生じると、画質が低下する。そのため、高温環境下、或いは、低温環境下においても、高解像度を維持することのできる結像光学系が求められている。
そして、車載用の撮像装置の結像光学系は、これら種々の要求を満たしつつ小型軽量であり、且つ、低コストであることが求められる。なお、これらの課題は、屋外等で使用される監視用の撮像装置の結像光学系においても同様である。
このような車載用の撮像装置等に用いることができる結像光学系として、例えば、特許文献1〜特許文献3に開示の光学系が知られている。特許文献1〜特許文献3に開示の光学系では、正射影方式を採用し、或いは、それ以上に画像周辺部に歪曲を発生させることにより、広角であり、且つ、画像周辺の光量低下を抑制した明るい光学系を実現している。なお、画像周辺部に生じた歪曲は、画像処理により補正することができる。
特開2016−133599号公報 特開2007−155976号公報 特開2004−354572号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光学系は、Fナンバーが1.6と小さく、明るい光学系を実現しているが、レンズ枚数が7枚と多く、小型軽量化、低コスト化が十分ではない。
特許文献2に記載の光学系は、Fナンバーが2.8であるため、明るさの点で更なる向上が求められる。また、当該光学系を構成するレンズ枚数が9枚と多く、小型軽量化、低コスト化の点でも十分ではない。
特許文献3に記載の光学系は、Fナンバーが2.0と小さく、明るい光学系を実現している。また、レンズ枚数が6枚であり、小型軽量化も図られている。しかしながら、当該光学系では、雰囲気温度の変化に伴いフォーカスシフトが生じ得るため、高温時又は低温時において、常温時における結像性能を維持することが困難である。フォーカスシフトが生じ得る点は、特許文献1及び特許文献2に開示の光学系も同様である。
本件発明の課題は、広角であり、雰囲気温度の変化によらず高解像度を維持することのできる小型の結像光学系及び撮像装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本件発明に係る結像光学系は被写体側から、前群と、絞りと、後群とが順に配置されてなる結像光学系であって、前記前群は、最も被写体側に配置される第一レンズと、当該第一レンズよりも像側に順に配置される第二レンズ及び第三レンズとを含み、前記第一レンズは、負レンズであり、前記第二レンズは、被写体側の面が凹面であり、且つ、像側の面が凸面である正レンズであり、前記第三レンズは、被写体側の面が凹面であり、前記第二レンズの像側の面と前記第三レンズの被写体側の面とは、光軸上では空気間隔を有し、各レンズの有効径の範囲外では両レンズが互いに接するようにして隣接配置されていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本件発明に係る撮像装置は、上記本件発明に係る結像光学系と、当該結像光学系の像側に、当該結像光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。
本件発明によれば、広角であり、雰囲気温度の変化によらず高解像度を維持することのできる小型の結像光学系及び撮像装置を提供することができる。
本件発明の実施例1の結像光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成例を示す断面図である。 実施例1の結像光学系の無限遠合焦時における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例1の結像光学系の無限遠合焦時における横収差図である。 本件発明の実施例2の結像光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成例を示す断面図である。 実施例2の結像光学系の無限遠合焦時における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例2の結像光学系の無限遠合焦時における横収差図である。 本件発明の実施例3の結像光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成例を示す断面図である。 実施例3の結像光学系の無限遠合焦時における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例3の結像光学系の無限遠合焦時における横収差図である。 本件発明の実施例4の結像光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成例を示す断面図である。 実施例4の結像光学系の無限遠合焦時における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例4の結像光学系の無限遠合焦時における横収差図である。 本件発明の実施例5の結像光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成例を示す断面図である。 実施例5の結像光学系の無限遠合焦時における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例5の結像光学系の無限遠合焦時における横収差図である。 本件発明の実施例6の結像光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成例を示す断面図である。 実施例6の結像光学系の無限遠合焦時における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例6の結像光学系の無限遠合焦時における横収差図である。 本件発明の実施例7の結像光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成例を示す断面図である。 実施例7の結像光学系の無限遠合焦時における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例7の結像光学系の無限遠合焦時における横収差図である。 本件発明の実施例8の結像光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成例を示す断面図である。 実施例8の結像光学系の無限遠合焦時における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例8の結像光学系の無限遠合焦時における横収差図である。 本件発明の実施例9の結像光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成例を示す断面図である。 実施例9の結像光学系の無限遠合焦時における球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例9の結像光学系の無限遠合焦時における横収差図である。
以下、本件発明に係る結像光学系及び撮像装置の実施の形態を説明する。但し、以下に説明する当該結像光学系及び撮像装置は本件発明に係る結像光学系及び撮像装置の一態様であって、本件発明に係る結像光学系は以下の態様に限定されるものではない。
1.結像光学系
1−1.結像光学系の構成
まず、本件発明に係る結像光学系の実施の形態を説明する。本件発明に係る結像光学系は、被写体側から、前群と、絞りと、後群とが順に配置されてなる結像光学系であって、前記前群は、最も被写体側に配置される第一レンズと、当該第一レンズよりも像側に順に配置される第二レンズ及び第三レンズとを含み、前記第一レンズは、負レンズであり、前記第二レンズは、被写体側の面が凹面であり、且つ、像側の面が凸面である正レンズであり、前記第三レンズは、被写体側の面が凹面であり、前記第二レンズの像側の面と前記第三レンズの被写体側の面とは、光軸上では空気間隔を有し、各レンズの有効径の範囲外では両レンズが互いに接するようにして隣接配置されていることを特徴とする。
本件発明に係る結像光学系によれば、第一レンズを負レンズとすることにより、画角を広げることが容易になる。また、第二レンズの像側の面と第三レンズの被写体側の面とは光軸上では空気間隔を有し、各レンズの有効径の範囲外では両レンズが互いに接するようにして隣接配置することにより、第二レンズと第三レンズとを接着剤等により接合する必要がなく、雰囲気温度の変化に伴い接着剤が剥がれるなどして、第二レンズと第三レンズとの軸ズレが生じて結像性能が低下することを抑制することができる。そのため、雰囲気温度の変化によらず高解像度を維持することが容易になる。さらに、第二レンズと第三レンズとを、各レンズの有効径の範囲外で互いに接するように隣接配置させることで、当該結像光学系を組み立てる際に第二レンズと第三レンズとの光軸合わせが容易になり、第三レンズのシフト・チルトを抑制し、解像度の低下を防止することができる。そして、第二レンズと第三レンズとの間の間隔環が不要になるため、製造コストを下げることができる。なお、各レンズの有効径の範囲外とは、例えば、第二レンズの場合、当該結像光学系において第二レンズの像面側の面を通過する光束の最大径の外側をいい、第三レンズの場合、当該結像光学系において第三レンズの被写体側の面を通過する光束の最大径の外側をいい、レンズの周縁部などと称される部分をいう。
このように、本件発明に係る結像光学系は上記構成を採用することにより、広角であり、雰囲気温度の変化によらず高解像度を維持することのできる小型の結像光学系を提供することが可能になる。まず、本件発明に係る光学系の構成について説明し、条件式に関する事項は後で説明するものとする。
本件発明に係る結像光学系は、複数枚のレンズで構成される。前群は、絞りよりも被写体側に配置されたレンズから構成される。後群は、絞りよりも像面側に配置されたレンズから構成される。以下、前群及び後群の好ましい構成例について説明する。
(1)前群
前群は、上記第一レンズ、第二レンズ及び第三レンズを含む限り、その具体的なレンズ構成は特に限定されるものではない。
負レンズである第一レンズを前群の最も被写体側に配置することで、像面の周辺部における負の歪曲が生じやすくなるが、周辺光量の低下を抑制することができる。また、像面の周辺部における負の歪曲は画像処理により補正することができる。また、第一レンズは、被写体側の面が凸面であり、且つ、光軸から離れると凸のパワーを弱める非球面である負レンズであることが好ましい。これにより、周辺光量を大きくしつつ、像面湾曲を抑えて高解像度を達成することができる。そのため、像面全体の明るい光学系を実現することが更に容易になる。
第二レンズは、第一レンズよりも像面側に配置される正レンズである。当該第二レンズの被写体側の面を凹面とし、像面側の面を凸面とし、第三レンズとの間に光軸上において空気間隔を設けることにより、コマ収差及び像面湾曲の補正を良好に行うことができ、解像度の高い結像光学系を実現することが容易になる。
第三レンズは、正レンズであっても負レンズであってもよいが、コマ収差を抑制して、より解像度の高い結像光学系を得るという観点から、当該第三レンズは正レンズであることがより好ましい。このとき、正レンズである当該第三レンズの像面側は像面側に凸形状であることが好ましい。
なお、第二レンズ及び第三レンズは、第一レンズよりも像側に配置されていればよく、第一レンズと第二レンズとの間に、他のレンズが配置されていてもよい。
但し、本件発明に係る結像光学系の小型軽量化及び低コスト化を図る観点から、前群を構成するレンズ枚数は少ない方が好ましく、4枚以下のレンズで構成されることがより好ましい。前群は、例えば、被写体側から順に、負レンズである上記第一レンズ、正レンズである上記第二レンズ、上記第三レンズの3枚のレンズから実質的に構成されることが、高解像度を維持しつつ、本件発明に係る結像光学系の小型軽量化及び低コスト化を図る上で最も好ましい。
(2)後群
後群の具体的な構成は特に限定されるものではない。しかしながら、当該結像光学系の画角をより広げるという観点から、後群は全体として正の屈折力を有することが好ましい。後群に正の屈折力を配置することで、上記第一レンズが負レンズであることから、いわゆるレトロフォーカス型のレンズとすることが容易になり、バックフォーカスを長くしてレンズ鏡筒設計を容易にするうえでより有効である他、種々の収差補正を行う上でも有効である。
このとき、後群において最も被写体側に配置されるレンズは正レンズであることが好ましく、球面収差を抑制する観点から、後群において最も絞りの近くに配置される正レンズの被写体側は被写体側に凸形状であることが好ましい。
本件発明に係る結像光学系の小型軽量化及び低コスト化を図る観点から、後群を構成するレンズ枚数は少ない方が好ましく、4枚以下のレンズで構成されることがより好ましい。このとき、少なくとも1枚の負レンズを備えることにより、収差補正等を良好に行うことができる。
例えば、後群は、被写体側から順に、絞りの最も近くに配置される正レンズである第四レンズ、負レンズである第五レンズ、正レンズである第六レンズの3枚のレンズから実質に構成されることが、高解像度を維持しつつ、本件発明に係る結像光学系の小型軽量化及び低コスト化を図る上で最も好ましい。
前群及び後群を合わせて、当該結像光学系を構成するレンズ枚数が6枚よりも多くなると、解像度の高い結像光学系を得る上では有利であるが、小型軽量化及び低コスト化を図ることが困難になる。当該結像光学系を構成するレンズ枚数が6枚よりも少なくなると、解像度の高い結像光学系を得ることが困難になる。
なお、前群及び後群を構成するレンズの材質は特に限定されるものではないが、使用雰囲気温度の変化に伴うフォーカスシフトを抑制して、結像性能の低下を防止するという観点から、前群及び後群を構成するレンズはいずれもガラス製であることが好ましい。
また、接合レンズの場合、レンズ成分とレンズ成分との間の接着剤の線膨張係数と、各レンズ成分の線膨張係数との差から、雰囲気温度が変化したときに、接着剤の剥がれが生じやすくなる。そのため、雰囲気温度の変化によって、結像性能の低下が生じやすい。当該観点から、前群及び後群はそれぞれ接合レンズを含まないことが好ましい。
1−2.条件式
次に、当該結像光学系が満たすべき条件、又は、満たすことが好ましい条件について説明する。
当該結像光学系は、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする。
(1)1.05 < (|L2R2|+d23)/|L3R1| < 2.49
ただし、
L2R2 : 第二レンズの像側の面の曲率半径
L3R1 : 第三レンズの被写体側の面の曲率半径
d23 : 第二レンズと第三レンズの光軸上の空気間隔
1−2−1.条件式(1)
条件式(1)を満足させることにより、軸上色収差を良好に補正することができ、より解像度の高い結像光学系を得ることができる。また、条件式(1)を満足させることにより、第二レンズと第三レンズとの間の光軸上の空気間隔が適切な範囲内となり、当該結像光学系を組み立てる際に、第二レンズに第三レンズとを上記レンズ周縁部において当接させる際に、第二レンズの像側の面と第三レンズの被写体側の面とが有効径の範囲内で接触して、レンズ面が傷つくことを防止することができる。
これに対して、条件式(1)の数値が下限値以下になると、第二レンズと第三レンズとの間の光軸上の空気間隔が小さくなりすぎて、当該結像光学系を組み立てる際に、第二レンズの像側の面と、第三レンズの被写体側の面とが有効径の範囲内で接触して、レンズ面が傷つき、解像度が低下するおそれがあるため、好ましくない。また、条件式(1)の数値が上限値以上になると、第二レンズと第三レンズとの間の光軸上の空気間隔が大きくなりすぎて、色収差が発生し、解像度が低下してしまうため、好ましくない。
これらの効果を得る上で、条件式(1)の下限値は1.07であることが好ましく、1.10であることがより好ましく、1.14であることがさらに好ましい。また、条件式(1)の上限値は2.10であることが好ましく、1.80であることがより好ましく、1.40であることがさらに好ましい。
1−2−2.条件式(2)及び条件式(3)
本件発明に係る結像光学系は、前群が、上記第二レンズ以外に、少なくとも一枚の正レンズを含む場合、条件式(2)及び条件式(3)を満足することが好ましい。条件式(2)及び条件式(3)は、当該前群に含まれる正レンズのうち、d線に対するアッベ数が最も小さい正レンズのアッベ数と、当該前群に含まれる正レンズのうち、d線に対するアッベ数が最も大きい正レンズのアッベ数とをそれぞれ規定した式である。
(2) ν2 < 47
(3) ν3 > 65
ただし、
ν2 : 前記前群に含まれる正レンズのうち、d線に対するアッベ数が最も小さい正レンズのアッベ数
ν3 : 前記前群に含まれる正レンズのうち、d線に対するアッベ数が最も大きい正レンズのアッベ数
前群を、条件式(2)を満足する正レンズと、条件式(3)を満足する正レンズとを含む構成とすることにより、軸上色収差を良好に補正することができ、解像度のより高い結像光学系を得ることができる。条件式(2)又は条件式(3)を満足しない場合、軸上色収差を良好に補正することが困難になる。
当該効果を得る上で、条件式(2)の上限値は45であることがより好ましく、43であることがさらに好ましく、41であることがより一層好ましい。なお、アッベ数が上記上限値未満の硝材からなる正レンズであれば、前群が条件式(3)を満足する硝材からなる正レンズを含むことを条件に、上述した効果が得られる。そのため、当該条件式(2)の下限値は特に規定する必要はないが、例えば、下限値は10とすることができ、16としてもよい。
同様に、上記効果を得る上で、条件式(3)の下限値は、67であることがより好ましく、69であることがさらに好ましく、71であることがより一層好ましい。また、条件式(2)の場合と同様に、アッベ数が上記下限値よりも大きい硝材からなる正レンズであれば、前群が条件式(2)を満足する硝材からなる正レンズを含むことを条件に、上述した効果が得られる。そのため、当該条件式(3)の上限値は特に規定する必要はないが、例えば、上限値は100とすることができ、96としてもよい。
1−2−3.条件式(4)
本件発明に係る結像光学系は、前群が、上記第二レンズ以外に、少なくとも一枚の正レンズを含む場合において、条件式(4)を満足することが好ましい。条件式(4)は、当該前群に含まれる正レンズのうち、d線に対する屈折率が最も大きい正レンズの屈折率と、当該前群に含まれる正レンズのうち、d線に対する屈折率が最も小さい正レンズの屈折率とをそれぞれ規定した式である。
(4) 0.15 < N2−N3
ただし、
N2 : 前群に含まれる正レンズのうち、d線に対する屈折率が最も大きい正レンズの屈折率
N3 : 前群に含まれる正レンズのうち、d線に対する屈折率が最も小さい正レンズの屈折率
前群が二枚以上の正レンズを含む構成としたときに、当該条件式(4)を満足させることで、球面収差を良好に補正して、解像度のより高い結像光学系を得ることができる。条件式(4)の数値が下限値以下になると、前群に含まれる正レンズのうち、d線に対する屈折率が最も大きい正レンズの屈折率が小さくなりすぎて、当該正レンズの被写体側の面と、像側の面との曲率半径の差が大きくなる。そのため、当該正レンズの外周部(但し、有効径の範囲内)に入射した光線の屈折角が大きくなり、球面収差が大きくなるため、解像度が低下し、好ましくない。
当該効果を得る上で、条件式(4)の下限値は0.20であることがより好ましく、0.22であることがさらに好ましく、0.24であることが一層好ましい。当該条件式(4)の数値が下限値よりも大きければ、上記効果を得ることができる。そのため、その上限値は特に規定する必要はないが、例えば、0.68とすることができ、0.52とすることができ、0.45とすることができる。
ここで、条件式(2)における前群に含まれる正レンズのうち、d線に対するアッベ数が最も小さい正レンズは、条件式(4)における前群に含まれる正レンズのうち、d線に対する屈折率が最も大きい正レンズであることが好ましい。また、条件式(3)における前群に含まれる正レンズのうち、d線に対するアッベ数が最も大きい正レンズは、条件式(4)における前群に含まれる正レンズのうち、d線に対する屈折率が最も小さい正レンズであることが好ましい。
1−2−4.条件式(5)
本件発明に係る結像光学系において、前群が被写体側から順に、負レンズである第一レンズと、正レンズである第二レンズと、上記絞りの最も近くに配置される第三レンズとを含んで構成される場合、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
(5) 1.3 < |f12 / f| < 9.5
ただし、
f : 当該結像光学系の焦点距離
f12: 第二レンズの焦点距離
条件式(5)を満足する場合、非点収差と倍率色収差を良好に補正することができ、より解像度の高い結像光学系を得ることができる。条件式(5)の数値が下限値以下になると、上記第二レンズの屈折力が大きくなりすぎるため、非点収差の補正が困難になり解像度が低下する。一方、条件式(5)の数値が上限値以上になると、上記第二レンズの屈折力が小さくなりすぎるため、倍率色収差の補正が困難になり解像度が低下する。
上記効果を得る上で、条件式(5)の下限値は1.4であることがより好ましく、1.5であることがさらに好ましい。また、条件式(5)の上限値は6.2であることがより好ましく、5.5であることがさらに好ましく、4.7であることがより一層好ましい。
1−2−6.条件式(6)
本件発明に係る結像光学系は、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
(6) 2.2 < |f13 / f| < 8.9
ただし、
f : 当該結像光学系の焦点距離
f13: 第三レンズの焦点距離
条件式(6)を満足する場合、球面収差とコマ収差とを良好に補正することができ、より解像度の高い結像光学系を得ることができる。条件式(6)の数値が下限値以下になると、上記第三レンズの屈折力が大きくなりすぎるため、球面収差の補正が困難になり解像度が低下する。一方、条件式(6)の数値が上限値以上になると、上記第三レンズの屈折力が小さくなりすぎるため、コマ収差の補正が困難になり解像度が低下する。
上記効果を得る上で、条件式(6)の下限値は3.1であることがより好ましく、4.2であることがさらに好ましい。また、条件式(6)の上限値は7.8であることがより好ましく、7.5であることがさらに好ましい。
2.撮像装置
次に、本件発明に係る撮像装置について説明する。本件発明に係る撮像装置は、上記本件発明に係る結像光学系と、当該結像光学系の像面側に設けられた、当該結像光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。
本件発明において、撮像素子等に特に限定はなく、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの固体撮像素子等も用いることができる。当該固体撮像素子の像高や解像度は特に限定されるものではないが、例えば、以下であることが好ましい。
本件発明に係る結像光学系において、撮像素子の像高は5.5mm以下であることが好ましく、5.0mm以下であることがより好ましく、4.5mm以下であることがさらに好ましい。但し、本件発明に係る結像光学系及び撮像装置において、撮像素子の像高は特に限定されるものではなく、結像光学系の最大像高に応じて適宜適切な大きさのものを用いることができ、撮像素子の像高が5.5mmよりも大きいものについても本件発明を適用することができる。
また、本件発明に係る結像光学系において、撮像素子の画素ピッチは、2.0μm以上であることが好ましく、2.2μm以上であることがより好ましい。但し、本件発明に係る結像光学系及び撮像装置において、撮像素子の画素ピッチは特に限定されるものではなく、撮像素子の画素ピッチが2.0μm未満のものについても本件発明を適用することができる。
上述した本件発明に係る結像光学系は高解像度を実現することができるため、上記のような固体撮像素子に好適である。また、本件発明に係る撮像装置は、画角が広く、周辺光量が高く、雰囲気温度の変化によらず高解像度を維持することができるため、各種運転支援システムに供される車載用の撮像装置、或いは、監視用の撮像装置などの、屋内外で車両等の移動体や建造物等に据付設置されて常時使用される据付設置型の撮像装置に好適である。
次に、実施例を示して本件発明を具体的に説明する。但し、本件発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下に挙げる各実施例の光学系は、上記撮像装置(光学装置)に用いられる結像光学系であり、特に、車載用の撮像装置等の据付設置型の撮像装置に好ましく適用することができる。また、各レンズ断面図において、図面に向かって左方が被写体側、右方が像面側である。
(1)光学系の構成
図1に、本件発明に係る実施例1の結像光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成を示す。
実施例1の結像光学系は、前群G1と、絞り(開口絞り)Sと、後群G2とが順に配置されてなり、CCDセンサ、CMOSセンサ等の撮像素子の像面Iに被写体像を結像させる。なお、図1において、「IRCF」は赤外線カットフィルターである。これらの点は、他の実施例で示す各レンズ断面図においても同様であるため、以下では説明を省略する。
当該結像光学系は実質的に6枚のレンズから構成される。具体的には、前群は、被写体側から順に負レンズである第一レンズと、正レンズである第二レンズと、正レンズである第三レンズとから構成される。また、後群は、被写体側から順に、正レンズである第四レンズと、負レンズである第五レンズと、正レンズである第六レンズとから構成される。
上記第一レンズは、被写体側の面が凸面であり、且つ、光軸から離れると凸のパワーを弱める非球面である。また、第二レンズは、被写体側の面が凹面であり、且つ、像側の面が凸面である。これらの面形状は、後述する表1、表2に示すとおりである。
(2)数値実施例
次に、当該結像光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表1に当該結像光学系の面データを示す。表1において、「NS」は被写体側から数えたレンズ面の順番、すなわち面番号であり、「R」はレンズ面の曲率半径、「D」はレンズ面の光軸上の間隔、「Nd」はd線(波長λ=587.56nm)に対する屈折率、「Vd」はd線に対するアッベ数を示している。また、面番号の次に付したアスタリスク「*」は当該レンズ面が非球面であることを示している。また、「R」の欄に記載の「INF」は「∞(無限大)」であることを意味する。
表2に、非球面データを示す。非球面データは、下記式で非球面を定義したときの円錐係数、各次数の非球面係数を示す。
Figure 0006815210

但し、Xは光軸面頂からの非球面形状サグ量(像面の方向を正とする)、Hは光軸からレンズ外径方向への距離、Rは近軸曲率半径、εは円錐係数(EP)、A、B、C、D、E、Fはそれぞれ2次、4次、6次、8次、10次、12次の非球面係数である。また、表2において「E−a」は「×10−a」を示す。
また、表3に当該結像光学系の諸元データを示す。表3において、「F」は当該結像光学系の焦点距離であり、「Fno」は当該結像光学系のFナンバーであり、「2w」は当該結像光学系の画角である。
また、表28に当該結像光学系の上記各条件式(1)〜条件式(6)の数値を示す。これらの各表に関する事項は、他の実施例で示す各表においても同様であるため、以下では説明を省略する。
また、図2に当該結像光学系の無限遠合焦時の縦収差図を示す。当該図面に向かって左側から順に、球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)である。
球面収差図において、縦軸はFナンバー(図中、FNOで示す)を表し、実線がd線(波長587.56nm)、長破線がC線(波長656.27nm)、短破線がF線(波長486.13nm)における特性である。
非点収差図において、縦軸は像高(Y)を表し、実線がd線(波長587.56nm)に対するサジタル像面(S)、点線がd線に対するメリジオナル像面(T)における特性である。
歪曲収差図において、縦軸は像高(Y)を表し、d線(波長587.56nm)における特性を示している。
また、図3に当該結像光学系の無限遠合焦時の横収差図を示す。各横収差図は、0.70FA及び0.00FAのときのコマ収差を示している。なお、FAは、最大像高である。また各横収差図において、横軸は瞳面上での主光線からの距離を表し、実線がd線(波長587.56nm)、長破線がC線(波長656.27nm)、短破線がF線(波長486.13nm)を表す。これらの収差図に関する事項は、他の実施例で示す各図においても同様であるため、以下では説明を省略する。
また、実施例1の結像光学系において、上記第三レンズ及び上記第四レンズのd線に対する温度20℃から40℃における相対屈折率の温度係数(dn3、dn4)(単位:10−6/K)はそれぞれ以下のとおりである。なお、前群及び後群においてそれぞれ絞りの最も近くに配置される正レンズである第三レンズ及び第四レンズがこのような相対屈折率の温度係数を有することで、雰囲気温度が変化したときもフォーカスシフトを抑制して、高解像度を維持することがより容易になる。以下の実施例においても同様である。
dn3=−5.9
dn4= 3.4
Figure 0006815210
Figure 0006815210
Figure 0006815210
(1)光学系の構成
図4に、本件発明に係る実施例2の結像光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成を示す。
実施例2の結像光学系は、前群G1と、絞り(開口絞り)Sと、後群G2とが順に配置されてなり、撮像素子の像面Iに被写体像を結像させる。前群は、被写体側から順に負レンズである第一レンズと、正レンズである第二レンズと、正レンズである第三レンズとから構成される。また、後群は、被写体側から順に、正レンズである第四レンズと、負レンズである第五レンズと、正レンズである第六レンズとから構成され、当該結像光学系は実質的に6枚のレンズからなる。
上記第一レンズは、被写体側の面が凸面であり、且つ、光軸から離れると凸のパワーを弱める非球面である。また、第二レンズは、被写体側の面が凹面であり、且つ、像側の面が凸面である。これらの面形状は、後述する表4、表5に示すとおりである。
(2)数値実施例
次に、当該結像光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表4に当該結像光学系の面データを示し、表5に非球面データを示し、表6に当該結像光学系の諸元データを示す。また、表28に当該結像光学系の上記各条件式(1)〜条件式(6)の数値を示す。
また、図5に当該結像光学系の無限遠合焦時の縦収差図を示し、図6に当該結像光学系の無限遠合焦時の横収差図を示す。
また、実施例2の結像光学系において、上記第三レンズ及び上記第四レンズのd線に対する温度20℃から40℃における相対屈折率の温度係数(dn3、dn4)はそれぞれ以下のとおりである。
dn3=−0.7
dn4= 3.4
Figure 0006815210
Figure 0006815210
Figure 0006815210
(1)光学系の構成
図7に、本件発明に係る実施例3の結像光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成を示す。
実施例3の結像光学系は、前群G1と、絞り(開口絞り)Sと、後群G2とが順に配置されてなり、撮像素子の像面Iに被写体像を結像させる。前群は、被写体側から順に負レンズである第一レンズと、正レンズである第二レンズと、正レンズである第三レンズとから構成される。また、後群は、被写体側から順に、正レンズである第四レンズと、負レンズである第五レンズと、正レンズである第六レンズとから構成され、当該結像光学系は実質的に6枚のレンズからなる。
上記第一レンズは、被写体側の面が凸面であり、且つ、光軸から離れると凸のパワーを弱める非球面である。また、第二レンズは、被写体側の面が凹面であり、且つ、像側の面が凸面である。これらの面形状は、後述する表7、表8に示すとおりである。
(2)数値実施例
次に、当該結像光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表7に当該結像光学系の面データを示し、表8に非球面データを示し、表9に当該結像光学系の諸元データを示す。また、表28に当該結像光学系の上記各条件式(1)〜条件式(6)の数値を示す。
また、図8に当該結像光学系の無限遠合焦時の縦収差図を示し、図9に当該結像光学系の無限遠合焦時の横収差図を示す。
また、実施例3の結像光学系において、上記第三レンズ及び上記第四レンズのd線に対する温度20℃から40℃における相対屈折率の温度係数(dn3、dn4)はそれぞれ以下のとおりである。
dn3=−5.9
dn4= 3.4
Figure 0006815210
Figure 0006815210
Figure 0006815210
(1)光学系の構成
図10に、本件発明に係る実施例4の結像光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成を示す。
実施例4の結像光学系は、前群G1と、絞り(開口絞り)Sと、後群G2とが順に配置されてなり、撮像素子の像面Iに被写体像を結像させる。前群は、被写体側から順に負レンズである第一レンズと、正レンズである第二レンズと、正レンズである第三レンズとから構成される。また、後群は、正レンズである第四レンズと、負レンズである第五レンズと、正レンズである第六レンズとから構成され、当該結像光学系は実質的に6枚のレンズからなる。
上記第一レンズは、被写体側の面が凸面であり、且つ、光軸から離れると凸のパワーを弱める非球面である。また、第二レンズは、被写体側の面が凹面であり、且つ、像側の面が凸面である。これらの面形状は、後述する表10、表11に示すとおりである。
(2)数値実施例
次に、当該結像光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表10に当該結像光学系の面データを示し、表11に非球面データを示し、表12に当該結像光学系の諸元データを示す。また、表28に当該結像光学系の上記各条件式(1)〜条件式(6)の数値を示す。
また、図11に当該結像光学系の無限遠合焦時の縦収差図を示し、図12に当該結像光学系の無限遠合焦時の横収差図を示す。
また、実施例4の結像光学系において、上記第三レンズ及び上記第四レンズのd線に対する温度20℃から40℃における相対屈折率の温度係数(dn3、dn4)はそれぞれ以下のとおりである。
dn3=−5.9
dn4= 3.4
Figure 0006815210
Figure 0006815210
Figure 0006815210
(1)光学系の構成
図13に、本件発明に係る実施例5の結像光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成を示す。
実施例5の結像光学系は、前群G1と、絞り(開口絞り)Sと、後群G2とが順に配置されてなり、撮像素子の像面Iに被写体像を結像させる。前群は、被写体側から順に負レンズである第一レンズと、正レンズである第二レンズと、正レンズである第三レンズとから構成される。また、後群は、被写体側から順に、正レンズである第四レンズと、負レンズである第五レンズと、正レンズである第六レンズとから構成され、当該結像光学系は実質的に6枚のレンズからなる。
上記第一レンズは、被写体側の面が凸面であり、且つ、光軸から離れると凸のパワーを弱める非球面である。また、第二レンズは、被写体側の面が凹面であり、且つ、像側の面が凸面である。これらの面形状は、後述する表13、表14に示すとおりである。
(2)数値実施例
次に、当該結像光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表13に当該結像光学系の面データを示し、表14に非球面データを示し、表15に当該結像光学系の諸元データを示す。また、表28に当該結像光学系の上記各条件式(1)〜条件式(6)の数値を示す。
また、図14に当該結像光学系の無限遠合焦時の縦収差図を示し、図15に当該結像光学系の無限遠合焦時の横収差図を示す。
また、実施例5の結像光学系において、上記第三レンズ及び上記第四レンズのd線に対する温度20℃から40℃における相対屈折率の温度係数(dn3、dn4)はそれぞれ以下のとおりである。
dn3=−6.5
dn4= 1.1
Figure 0006815210
Figure 0006815210
Figure 0006815210
(1)光学系の構成
図16に、本件発明に係る実施例6の結像光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成を示す。
実施例6の結像光学系は、前群G1と、絞り(開口絞り)Sと、後群G2とが順に配置されてなり、撮像素子の像面Iに被写体像を結像させる。前群は、被写体側から順に負レンズである第一レンズと、正レンズである第二レンズと、正レンズである第三レンズとから構成される。また、後群は、被写体側から順に、正レンズである第四レンズと、負レンズである第五レンズと、正レンズである第六レンズとから構成され、当該結像光学系は実質的に6枚のレンズからなる。
上記第一レンズは、被写体側の面が凸面であり、且つ、光軸から離れると凸のパワーを弱める非球面である。また、第二レンズは、被写体側の面が凹面であり、且つ、像側の面が凸面である。これらの面形状は、後述する表16、表17に示すとおりである。
(2)数値実施例
次に、当該結像光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表16に当該結像光学系の面データを示し、表17に非球面データを示し、表18に当該結像光学系の諸元データを示す。また、表28に当該結像光学系の上記各条件式(1)〜条件式(6)の数値を示す。
また、図17に当該結像光学系の無限遠合焦時の縦収差図を示し、図18に当該結像光学系の無限遠合焦時の横収差図を示す。
また、実施例6の結像光学系において、上記第三レンズ及び上記第四レンズのd線に対する温度20℃から40℃における相対屈折率の温度係数(dn3、dn4)はそれぞれ以下のとおりである。
dn3=−6.5
dn4=−0.7
Figure 0006815210
Figure 0006815210
Figure 0006815210
(1)光学系の構成
図19に、本件発明に係る実施例7の結像光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成を示す。
実施例7の結像光学系は、前群G1と、絞り(開口絞り)Sと、後群G2とが順に配置されてなり、撮像素子の像面Iに被写体像を結像させる。前群は、被写体側から順に負レンズである第一レンズと、正レンズである第二レンズと、正レンズである第三レンズとから構成される。また、後群は、被写体側から順に、正レンズである第四レンズと、正レンズと、負レンズである第五レンズと、正レンズである第六レンズとから構成され、当該結像光学系は実質的に7枚のレンズからなる。なお、実施例7の結像光学系は、実施例1〜実施例6の結像光学系と異なり、第四レンズと、第五レンズとの間に、正レンズを備える。
上記第一レンズは、被写体側の面が凸面であり、且つ、光軸から離れると凸のパワーを弱める非球面である。また、第二レンズは、被写体側の面が凹面であり、且つ、像側の面が凸面である。これらの面形状は、後述する表19、表20に示すとおりである。
(2)数値実施例
次に、当該結像光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表19に当該結像光学系の面データを示し、表20に非球面データを示し、表21に当該結像光学系の諸元データを示す。また、表28に当該結像光学系の上記各条件式(1)〜条件式(6)の数値を示す。
また、図20に当該結像光学系の無限遠合焦時の縦収差図を示し、図21に当該結像光学系の無限遠合焦時の横収差図を示す。
また、実施例7の結像光学系において、上記第三レンズ及び上記第四レンズのd線に対する温度20℃から40℃における相対屈折率の温度係数(dn3、dn4)はそれぞれ以下のとおりである。
dn3=−5.1
dn4= 1.3
Figure 0006815210
Figure 0006815210
Figure 0006815210
(1)光学系の構成
図22に、本件発明に係る実施例8の結像光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成を示す。
実施例8の結像光学系は、前群G1と、絞り(開口絞り)Sと、後群G2とが順に配置されてなり、撮像素子の像面Iに被写体像を結像させる。前群は、被写体側から順に負レンズである第一レンズと、負レンズと、正レンズである第二レンズと、正レンズである第三レンズとから構成される。また、後群は、被写体側から順に、正レンズである第四レンズと、負レンズである第五レンズと、正レンズである第六レンズとから構成され、当該結像光学系は実質的に7枚のレンズからなる。なお、実施例8の結像光学系は、実施例1〜実施例6の結像光学系と異なり、第一レンズと、第二レンズとの間に、負レンズを備える。
上記第一レンズは、被写体側の面が凸面であり、且つ、光軸から離れると凸のパワーを弱める非球面である。また、第二レンズは、被写体側の面が凹面であり、且つ、像側の面が凸面である。これらの面形状は、後述する表22、表23に示すとおりである。
(2)数値実施例
次に、当該結像光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表22に当該結像光学系の面データを示し、表23に非球面データを示し、表24に当該結像光学系の諸元データを示す。また、表28に当該結像光学系の上記各条件式(1)〜条件式(6)の数値を示す。
また、図23に当該結像光学系の無限遠合焦時の縦収差図を示し、図24に当該結像光学系の無限遠合焦時の横収差図を示す。
また、実施例8の結像光学系において、上記第三レンズ及び上記第四レンズのd線に対する温度20℃から40℃における相対屈折率の温度係数(dn3、dn4)はそれぞれ以下のとおりである。
dn3=−5.9
dn4=−0.7
Figure 0006815210
Figure 0006815210
Figure 0006815210
(1)光学系の構成
図25に、本件発明に係る実施例9の結像光学系の無限遠合焦時におけるレンズ構成を示す。
実施例9の結像光学系は、前群G1と、絞り(開口絞り)Sと、後群G2とが順に配置されてなり、撮像素子の像面Iに被写体像を結像させる。前群は、被写体側から順に負レンズである第一レンズと、負レンズと、正レンズである第二レンズと、正レンズである第三レンズとから構成される。また、後群は、被写体側から順に、正レンズである第四レンズと、正レンズと、負レンズである第五レンズと、正レンズである第六レンズとから構成され、当該結像光学系は実質的に8枚のレンズからなる。なお、実施例9の結像光学系は、実施例1〜実施例6の結像光学系と異なり、第一レンズと第二レンズとの間に負レンズを備え、第四レンズと第五レンズとの間に正レンズを備える。
上記第一レンズは、被写体側の面が凸面であり、且つ、光軸から離れると凸のパワーを弱める非球面である。また、第二レンズは、被写体側の面が凹面であり、且つ、像側の面が凸面である。これらの面形状は、後述する表25、表26に示すとおりである。
(2)数値実施例
次に、当該結像光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表25に当該結像光学系の面データを示し、表26に非球面データを示し、表27に当該結像光学系の諸元データを示す。また、表28に当該結像光学系の上記各条件式(1)〜条件式(6)の数値を示す。
また、図26に当該結像光学系の無限遠合焦時の縦収差図を示し、図27に当該結像光学系の無限遠合焦時の横収差図を示す。
また、実施例9の結像光学系において、上記第三レンズ及び上記第四レンズのd線に対する温度20℃から40℃における相対屈折率の温度係数(dn3、dn4)はそれぞれ以下のとおりである。
dn3=−6.7
dn4=−0.7
Figure 0006815210
Figure 0006815210
Figure 0006815210
Figure 0006815210
本件発明によれば、広角であり、雰囲気温度の変化によらず高解像度を維持することのできる小型の結像光学系及び撮像装置を提供することができる。
G1・・・前群
G2・・・後群
S ・・・開口絞り
IRCF・・・赤外線カットフィルター
I ・・・像面

Claims (11)

  1. 被写体側から、前群と、絞りと、後群とが順に配置されてなる結像光学系であって、
    前記前群は、最も被写体側に配置される第一レンズと、当該第一レンズよりも像側に順に配置される第二レンズ及び第三レンズとを含み、
    前記第一レンズは、負レンズであり、
    前記第二レンズは、被写体側の面が凹面であり、且つ、像側の面が凸面である正レンズであり、
    前記第三レンズは、被写体側の面が凹面である正レンズであり
    前記第二レンズの像側の面と前記第三レンズの被写体側の面とは、光軸上では空気間隔を有し、各レンズの有効径の範囲外では両レンズが互いに接するようにして隣接配置されていることを特徴とする結像光学系。
  2. 被写体側から、前群と、絞りと、後群とが順に配置されてなる結像光学系であって、
    前記前群は、最も被写体側に配置される第一レンズと、当該第一レンズよりも像側に順に配置される第二レンズ及び第三レンズとを含み、且つ、被写体側から順に、前記第一レンズと、前記第二レンズと、前記第三レンズとから構成され、
    前記後群は、被写体側から順に、正レンズである第四レンズと、負レンズである第五レンズと、正レンズである第六レンズとから構成され、
    前記第一レンズは、負レンズであり、
    前記第二レンズは、被写体側の面が凹面であり、且つ、像側の面が凸面である正レンズであり、
    前記第三レンズは、被写体側の面が凹面であり、
    前記第二レンズの像側の面と前記第三レンズの被写体側の面とは、光軸上では空気間隔を有し、各レンズの有効径の範囲外では両レンズが互いに接するようにして隣接配置され、
    当該結像光学系はこれらの6枚のレンズから実質的になることを特徴とする結像光学系。
  3. 前記第二レンズ及び前記第三レンズは、以下の条件式(1)を満足する請求項1又は請求項2に記載の結像光学系。
    (1)1.05 < (|L2R2|+d23)/|L3R1| < 2.49
    ただし、
    L2R2 : 前記第二レンズの像側の面の曲率半径
    L3R1 : 前記第三レンズの被写体側の面の曲率半径
    d23 : 前記第二レンズと前記第三レンズの光軸上の空気間隔
  4. 前記第一レンズは、被写体側の面が凸面であり、且つ、光軸から離れると凸のパワーを弱める非球面である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の結像光学系。
  5. 前記第三レンズは正レンズである請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の結像光学系。
  6. 前記前群は、前記第二レンズ以外に、少なくとも一枚の正レンズを含み、
    以下の条件式(2)及び条件式(3)を満足する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の結像光学系。
    (2) ν2 < 47
    (3) ν3 > 65
    ただし、
    ν2 : 前記前群に含まれる正レンズのうち、d線に対するアッベ数が最も小さい正レンズのアッベ数
    ν3 : 前記前群に含まれる正レンズのうち、d線に対するアッベ数が最も大きい正レンズのアッベ数
  7. 前記前群は、前記第二レンズ以外に、少なくとも一枚の正レンズを含み、
    以下の条件式(4)を満足する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の結像光学系。
    (4) 0.15 < N2−N3
    ただし、
    N2 : 前記前群に含まれる正レンズのうち、d線に対する屈折率が最も大きい正レンズの屈折率
    N3 : 前記前群に含まれる正レンズのうち、d線に対する屈折率が最も小さい正レンズの屈折率
  8. 前記前群は、被写体側から順に、前記第一レンズと、前記第二レンズと、前記第三レンズとから構成され、
    前記後群は、被写体側から順に、正レンズである第四レンズと、負レンズである第五レンズと、正レンズである第六レンズとから構成され、
    当該結像光学系はこれらの6枚のレンズから実質的になる請求項1、又は請求項3から請求項7のいずれか一項に記載の結像光学系。
  9. 当該結像光学系は、以下の条件式(5)を満足する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の結像光学系。
    (5) 1.3 < |f12 / f| < 9.5
    ただし、
    f : 当該結像光学系の焦点距離
    f12: 前記第二レンズの焦点距離
  10. 当該結像光学系は、以下の条件式(6)を満足する請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の結像光学系。
    (6) 2.2 < |f13 / f| < 8.9
    ただし、
    f : 当該結像光学系の焦点距離
    f13: 前記第三レンズの焦点距離
  11. 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の結像光学系と、当該結像光学系の像側に、当該結像光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する前記撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。
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