以下、添付図面を参照して、実施形態に係る医用画像診断システムについて、詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、実施形態に係る医用画像診断システムの全体構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1及び図2は、第1の実施形態に係る医用画像診断システムの全体構成を説明するための図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る医用画像診断システムは、第1架台装置1と、第2架台装置2と、寝台3と、コンソール装置4とを備える。
ここで、第1架台装置1は、例えば形態画像診断装置の有する架台装置であり、第2架台装置2は、例えば機能画像診断装置の有する架台装置である。形態画像診断装置の例としては、例えばX線CT(Computed Tomography)装置や、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置が挙げられる。また、機能画像診断装置の例としては、例えば核医学イメージング装置であるPET(Positron Emission Tomography)装置や、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置が挙げられる。以下では、第1架台装置1が、X線CT装置における架台装置であり、第2架台装置2が、PET装置における架台装置である例について説明する。このとき、第1の実施形態に係る医用画像診断システムは、PET−CT装置となる。
第1架台装置1は、被検体Pを透過したX線を検出することで、X線CT画像を再構成するためのX線投影データや、スキャノグラムを生成するためのX線投影データを生成する装置である。
第1架台装置1は、図2に示すX線管10、X線検出器15、データ収集部16などを有する。ここで、X線管10は、X線ビームを発生し、発生したX線ビームを被検体Pに照射する装置である。X線検出器15は、X線管に対向する位置にて、被検体Pを透過したX線を検出する。具体的には、X線検出器15は、被検体Pを透過したX線の2次元強度分布のデータ(2次元X線強度分布データ)を検出する2次元アレイ型検出器である。より具体的には、X線検出器15は、複数チャンネル分のX線検出素子を配してなる検出素子列が被検体Pの体軸方向に沿って複数列配列されている。なお、X線管10およびX線検出器15は、第1架台装置1の内部にて、図示しない回転フレームにより支持されている。
データ収集部16は、例えばDAS(Data Acquisition System)であり、X線検出器15により検出された2次元X線強度分布データに対して、増幅処理やA/D変換処理などを行なって、X線投影データを生成する。そして、データ収集部16は、X線投影データを図1に示すコンソール装置4に送信する。なお、実施形態は、データ収集部16が、第1架台装置1に含まれる場合に限られず、コンソール装置4に含まれていてもよい。
図1に戻り、第2架台装置2は、被検体Pに投与された陽電子放出核種を取り込んだ生体組織から放出される一対のガンマ線を検出することで、PET画像を再構成するためのガンマ線の投影データ(ガンマ線投影データ)を生成する装置である。
第2架台装置は、図2に示すPET検出器20や、同時計数回路12などを有する。PET検出器20は、被検体Pから放出されるガンマ線を検出するフォトンカウンティング(photon counting)方式の検出器である。具体的には、PET検出器20は、複数のPET検出器モジュールが、被検体Pの周囲をリング状に取り囲むように配置されることで構成される。
例えば、PET検出器モジュールは、シンチレータと、光電子増倍管(PMT:Photomultiplier Tube)と、ライトガイドとを有するアンガー型の検出器である。
シンチレータは、被検体Pから放出されて入射したガンマ線を可視光に変換するNaI(ヨウ化ナトリウム)やBGO(ゲルマニウム酸ビスマス)などが、2次元に複数個配列されている。また、光電子増倍管は、シンチレータから出力された可視光を増倍して電気信号に変換する装置であり、ライトガイドを介して稠密に複数個配置されている。ライトガイドは、シンチレータから出力された可視光を光電子増倍管に伝達するために用いられ、光透過性に優れたプラスチック素材などからなる。
なお、光電子増倍管は、シンチレーション光を受光し光電子を発生させる光電陰極、発生した光電子を加速する電場を与える多段のダイノード、および電子の流れ出し口である陽極から成っている。光電効果により光電陰極から放出された電子は、ダイノードに向って加速されてダイノードの表面に衝突し、複数の電子を叩き出す。この現象が多段のダイノードに渡って繰り返されることにより、なだれ的に電子数が増倍され、陽極での電子数は、約100万にまで達する。かかる例では、光電子増倍管の利得率は、100万倍となる。また、なだれ現象を利用した増幅のためにダイノードと陽極との間には、通常1000ボルト以上の電圧が印加される。
このように、PET検出器20は、ガンマ線をシンチレータにより可視光に変換し、変換した可視光を光電子増倍管により電気信号に変換することで、被検体Pから放出されたガンマ線の数を計数する。
第2架台装置2は、例えば同時計数回路12を有する。同時係数回路12は、複数のPET検出器20としてのPET検出器のモジュールそれぞれが有する複数の光電子増倍管それぞれと接続される。そして、同時計数回路12は、PET検出器20の出力結果から、陽電子から放出された一対のガンマ線の入射方向を決定するための同時計数情報を生成する。具体的には、同時計数回路12は、シンチレータから出力された可視光を同じタイミングで電気信号に変換出力した光電子増倍管の位置および電気信号の強度から重心位置を演算することで、ガンマ線の入射位置(シンチレータの位置)を決定する。また、同時計数回路12は、各光電子増倍管が出力した電気信号の強度を演算処理(積分処理および微分処理)することで、入射したガンマ線のエネルギー値を演算する。
そして、同時計数回路12は、PET検出器20の出力結果の中から、ガンマ線の入射タイミング(時間)が一定時間の時間ウィンドウ幅以内にあり、エネルギー値がともに一定のエネルギーウィンドウ幅にある組み合わせを検索(Coincidence Finding)する。例えば、2nsecの時間ウィンドウ幅と、350keV〜550keVのエネルギーウィンドウ幅とが、検索条件として設定される。そして、同時計数回路12は、検索した組み合わせの出力結果を、2つの消滅フォトンを同時計数した情報であるとして同時計数情報(Coincidence List)を生成する。そして、同時計数回路12は、同時計数情報をPET画像再構成用のガンマ線投影データとして図1に示すコンソール装置4に送信する。なお、2つの消滅フォトンを同時計数した2つの検出位置を結ぶ線は、LOR(Line of Response)と呼ばれる。また、同時計数情報は、コンソール装置4にて生成される場合であってもよい。
図1に戻って、寝台3は、被検体Pを載せるベッドである。寝台3は、コンソール装置4を介して受け付けた医用画像診断システムとしてのPET−CT装置の操作者からの指示に基づいて、第1架台装置1および第2架台装置2それぞれの撮影口に順次移動される。
すなわち、医用画像診断システムとしてのPET−CT装置は、寝台3を移動させることで、最初に、第1の撮影であるX線CT画像の撮影を行ない、続いて、第2の撮影の条件を設定する。その後、設定された撮影条件に基づいて、医用画像システムは、第2の撮影でるPET画像の撮影を行なう。例えば、第1架台装置1は、本撮影において回転フレーム15を回転させながら寝台3を移動させることで、被検体Pの撮影部位をX線により螺旋状にスキャンするヘリカルスキャンを行う。コンソール装置4は、得られたデータに基づいてX線CT画像を生成する。生成されるX線CT画像は、2D画像であってもよいし3D画像であってもよい。また、第1架台装置1は、位置決め撮影において、低線量ヘリカルスキャンを行う。コンソール装置4は、得られたデータをもとに、3Dの位置決め画像であるヘリカルスキャノ画像を生成する。また、第1架台装置1は、位置決め撮像において回転フレームを固定させた状態でX線管からX線を照射しながら寝台3を移動させることで、被検体Pの全身を体軸方向に沿ってスキャンし、コンソール装置4が2Dの位置決め画像であるX線CT画像(スキャノ画像)を生成してもよい。
第2架台装置2は、被検体Pの撮影部位が第2架台装置2の撮影口内に挿入されるように寝台3を移動させることで、PET画像を生成する。
コンソール装置4は、操作者からの指示を受け付けて医用画像診断装置における撮影処理を制御する装置である。
図2に示すように、コンソール装置4は、例えば、記憶回路30と、処理回路5とを有する。処理回路5は、例えば、画像生成機能31と、設定機能32と、特定機能33と、制御機能34と、受付機能35と、入力装置36と、ディスプレイ37とを有する。画像生成機能31の例としては、例えば、第1生成機能11、第2生成機能12がある。
ここで、図2に示す設定機能32、特定機能33、受付機能35、第1生成機能11、第2生成機能12、画像生成機能31は、それぞれ設定部、特定部、受付部、第1生成部、第2生成部、画像生成部とも呼ばれる。
図2における実施形態では、画像生成機能31(第1生成機能11、第2生成機能12)、設定機能32、特定機能33、制御機能34、受付機能35にて行われる各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路30へ記憶されている。処理回路5はプログラムを記憶回路30から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読みだした状態の処理回路5は、図2の処理回路5内に示された各機能を有することになる。なお、図2においては単一の処理回路5にて、画像生成機能31(第1生成機能11、第2生成機能12)、設定機能32、特定機能33、制御機能34、受付部35にて行われる処理機能が実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路5を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。
換言すると、上述のそれぞれの機能がプログラムとして構成され、1つの処理回路が各プログラムを実行する場合であってもよいし、特定の機能が専用の独立したプログラム実行回路に実装される場合であってもよい。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central processing unit)、GPU(Graphical processing unit)或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD),複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device),及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路30に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路30にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
更に、記憶回路30は、第1架台装置1から送信されたX線投影データを記憶する。具体的には、記憶回路30は、第1生成機能11により、スキャノグラムを生成するためのX線投影データや、X線CT画像を再構成するためのX線投影データを記憶する。
処理回路5は、画像生成機能31により、記憶回路30が記憶するスキャノグラムを生成するためのX線投影データから、スキャノグラムを生成する。処理回路5は、第1生成機能11により、記憶回路30が記憶する再構成用のX線投影データを、例えば、FBP(Filtered Back Projection)法により逆投影処理することで、X線CT画像を再構成する。
すなわち、処理回路5は、第1生成機能11により、PET−CT装置を用いた全身検査において撮影計画を立案するためのスキャノグラムを生成して形態画像を生成する。そして、処理回路5は、第1生成機能11により、PET−CT装置を用いた全身検査において、撮影計画により決定された撮影条件(例えば、スライス幅など)に基づいて、X線投影データから、被検体Pの体軸方向に直交する複数の断面を撮影した複数のX線CT画像を再構成する。
例えば、処理回路5は、第1生成機能11により、記憶回路30に記憶された投影データに基づいてボリュームデータ又は2次元の断層画像データを再構成する。ボリュームデータと2次元の断層画像データとを「画像」と総称する。画像データや操作画面を表示するために、図示しない表示部がコンソール装置4に設けられる。また、処理回路5は、受付機能35により、操作者の指示を、入力装置36を通じて受け付ける。入力装置36は、例えば、キーボード、マウス等から構成される。
処理回路5は、特定機能33に含まれるアナトミカルランドマーク検出機能により、被検体に対してX線CTヘリカルスキャンを行って得られた形態画像(ヘリカルスキャノ画像)より、パターン認識等の画像処理によりその形態的特徴等に基づいて複数の解剖学的特徴点を抽出する。各解剖学的特徴点の位置データと、それぞれの解剖学的特徴の識別コードとは、記憶回路30に保持される。また、処理回路5は、特定機能33に含まれるアナトミカルランドマーク検出機能により、本撮影によって取得された画像データから、パターン認識等の画像処理により、形態的特徴等に基づいて複数の解剖学的特徴点を抽出することも可能である。
すなわち、処理回路5は、特定機能33により、形態画像から、被検体Pの特徴点の位置を特定し、特定した特徴点の位置に基づいて、被検体Pの部位を特定する。また、処理回路5は、位置決め撮影の際だけでなく、本撮影時においても、特定機能33により、形態画像から、被検体Pの特徴点の位置を特定し、特定した特徴点の位置に基づいて、被検体Pの部位を特定してもよい。
なお、処理回路5が、特定機能33により、被検体Pの部位を特定する方法は、上述のように、アナトミカルランドマーク検出機能により特定された特徴点の位置に基づいて特定する方法に限られず、例えば処理回路5は、アナトミカルランドマーク検出以外の部位認識の方法を用いて、上述の被検体Pの部位を特定してもよい。
また、処理回路5は、受付機能35により、図示しない入出力装置から操作者の指示を受け付けてもよい。例えば、処理回路5は、受付機能35により、第2架台装置2が行う第2の撮影において、被検体の部位に応じた撮影条件(部位ごとの撮影条件)の入力を、図示しない入出力装置から受け付ける。処理回路5は、例えば、設定機能32により、特定機能33により特定した被検体の部位に対して、第2の撮影の、部位に応じた撮影条件を設定する。例えば、処理回路5は、設定機能33により、受付機能35により受け付けた撮影条件の入力に基づいて、第2の撮影の、部位に応じた撮影条件を設定する。
処理回路5は、制御機能34により、医用画像診断装置全体の処理を制御する。具体的には、処理回路5は、制御機能34により、第1架台装置1および第2架台装置2を制御することで、医用画像診断装置による撮影を制御する。また、処理回路5は、制御機能34により、記憶回路30が記憶するデータを用いて第2生成機能12の実行を制御する。また、処理回路5は、制御機能34により、記憶回路30が記憶するデータを用いたスキャノグラム生成機能および第2生成機能12の実行を制御する。また、処理回路5は、制御機能34により、図示しない入出力装置にて、操作者が指示を入力するためのGUI(Graphical User Interface)や、スキャノグラム、X線CT画像およびPET画像を表示するように制御する。また、処理回路5は、制御機能34により、処理回路5が設定機能32により設定した撮影条件に従って第2架台装置2が第2の撮影に基づいて機能画像を生成する処理を制御する。
また、記憶回路30は、第1架台装置1から送信された投影データを記憶するのみでなく、第2架台装置2に含まれる同時計数回路から送信されたガンマ線投影データも記憶する。このとき、処理回路5は、第2生成機能12により、記憶回路30が記憶するガンマ線投影データから逐次近似法によりPET画像を再構成する。
以下、第2生成機能12により実行される逐次近似法について説明する。逐次近似法としては、MLEM(Maximum Likelihood Expectation Maximization)法や、MLEM法のアルゴリズムを改良することで大幅に収束時間を短縮したOSEM(Ordered Subset MLEM)法がある。
MLEM法においては、実際に収集されたガンマ線投影データからPET画像が、例えば、FBP法などの逆投影処理により初期画像として再構成される。そして、初期画像を投影処理することで、第1イタレーションの推定投影データが生成され、第1イタレーションの推定投影データを逆投影処理することで第1イタレーションの再構成画像が再構成される。そして、第1イタレーションの再構成画像を投影処理することで、第2イタレーションの推定投影データが生成され、第2イタレーションの推定投影データを逆投影処理することで第2イタレーションの再構成画像が再構成される。かかる処理が、逐次近似の繰り返し演算数分繰り返される。なお、以下では、繰り返し演算数をイタレーション(Iteration)数と記載する。
これにより、実際に収集された投影データとの比率が略「1」に収束した推定投影データが生成される。収束した推定投影データを逆投影処理した再構成画像は、確率論的に最も確からしい陽電子放出核種の集積分布を表すPET画像となる。
また、OSEM法は、ガンマ線投影データを、いくつかの部分集合(サブセット)に分割し、サブセットごとに上記した逐次近似を行なうことで、画像を修正する方法である。すなわち、分割数(サブセット数)が「1」であるOSEM法は、MLEM法となる。
ここで、第2生成機能12における総演算数は、MLEM法を実行する場合、イタレーション数に依存する。また、第2生成機能12における総演算数は、OSEM法を実行する場合、サブセット数にイタレーション数を乗算した数に依存する。
なお、以下では、処理回路5が、第2生成機能12において、OSEM法によりPET画像を再構成する場合について説明する。ただし、実施形態は、処理回路5が、第2生成機能12において、MLEM法によりPET画像を再構成する場合であっても適用可能である。
第1の実施形態に係る医用画像診断システムに係るコンソール装置4の有する処理回路5は、第1生成機能11と、特定機能33と、設定機能22と、第2生成機能12とを備える。処理回路5は、第1生成機能11により、被検体に対する第1の撮影に基づいて形態画像を生成する。処理回路5は、特定機能33により、形態画像から、被検体の特徴点の位置を特定し、特定した特徴点の位置に基づいて、被検体の部位を特定する。処理回路5は、設定機能22により、特定機能33が特定した部位に対して、第2の撮影の、部位に応じた撮影条件(複数の部位毎の撮影条件)を設定する。処理回路5は、第2生成機能により、部位に応じた撮影条件に従って行われた第2の撮影に基づいて機能画像(核医学画像)を生成する。
換言すると、第1の実施形態に係る医用画像診断システムは、例えば、形態画像診断装置(例えば第1架台装置1)と核医学画像診断装置(例えば、第2架台装置)とを有する医用画像診断システムである。当該医用画像診断システムは、処理回路5と架台装置(例えば第2架台装置2)とを有する。処理回路5は、図示しない取得部により、形態画像診断装置が収集した形態画像に基づいて、被検体Pの部位に係る情報を取得する。架台装置は、被検体の核医学画像を撮影する。処理回路5は、取得した被検体Pの部位に関する情報と、複数の部位毎の撮影条件とに基づいて、架台装置を制御する。
さらに、処理回路5は、受付機能35を更に備えても良い。かかる場合、処理回路5は、受付機能35により、部位に応じた撮影条件の入力を受け付ける。また、処理回路5は、設定機能22により、受付機能35により受け付けた撮影条件の入力に基づいて、第2の撮影の、部位に応じた撮影条件を設定する。
これらの点について、図3及び図4を用いて説明する。図3は、第1の実施形態に係る医用画像診断システムの処理の流れを説明するためのフローチャートである。処理回路5は、記憶回路30から、各種機能に対応する所定のプログラムを呼び出し実行することにより、各種機能を実現する。また、図4は、第1の実施形態に係る医用画像診断システムに係る撮影条件の設定について説明した図である。以下、図3のフローチャートの各ステップについて、適宜図4を参照しながら説明する。
処理回路5は、受付機能35により、第2の撮影における、被検体の部位に応じた撮影条件(複数の部位毎の撮影条件)の入力を受け付ける。ここで、第2の撮影とは、例えば第2架台装置2を用いたPET撮影である。処理回路5は、受付機能35により、操作者から、パラメータ設定の入力を受け付ける(ステップS101)。ここで言うパラメータとは、例えば、特定部位とその収集時間および全身撮影(より具体的には、特定部位以外の部位の撮影)の収集時間の設定である。すなわち、処理回路5は、受付機能35により、被検体の部位に応じた撮影条件(複数の部位毎の撮影条件)として、撮影範囲における撮影時間又は撮影速度の入力を受け付ける。処理回路5は、受付機能35により、操作者から、例えば、部位「頭部」に対して、部位に応じた撮影条件として、収集時間「1ポジションあたり5分」の入力を受け付ける。また、処理回路5は、受付機能35により、部位「全身(頭部以外の部位)」に対して、部位に応じた撮影条件として、収集時間「1ポジションあたり2分」の入力を受け付ける。ここで「1ポジション」とは、例えば、第2の撮影においてPET装置を用いて、ステップ・アンド・シュート方式で撮影を行う場合において、1回のステップにおいて撮影を行う範囲のことを言う。
また、別の例として、処理回路5は、受付機能35により、操作者から、1ポジション当たりの収集時間ではなく、所定の部位の全体を撮影するのに要する収集時間の入力を受け付けても良い。例えば、処理回路5は、受付機能35により、部位「頭部」に対して、部位に応じた撮影条件として、収集時間「全部で15分」の入力を受け付け、部位「全身(頭部部位以外の部位)」に対して、部位に応じた撮影条件として、収集時間「全部で20分」の入力を受け付けてもよい。
第1架台装置1は、処理回路5が受付機能35により操作者からパラメータ設定の入力を受け付けると、第1の撮影を行う(ステップS102)。ここで、第1の撮影とは、例えばX線CT装置を用いたX線CT撮影である。例えば、第1架台装置1は、低線量ヘリカルスキャンによりX線CT撮影を実施する。
処理回路5は、第1生成機能11により、被検体に対する第1の撮影に基づいて形態画像を生成する。
処理回路5は、特定機能33により、生成した形態画像から、被検体の特徴点の位置を特定する。すなわち、処理回路5は、所定の部位を抽出する(ステップS103)。例えば、処理回路5を構成する処理ソフトウェアは、撮影した低線量ヘリカルスキャン画像から所定部位を自動で抽出する。
続いて、処理回路5は、特定機能33により、特定した特徴点の位置に基づいて、被検体の所定の部位を特定する。または、処理回路5は、特定機能33により、特定した特徴点の位置に基づいて、被検体の複数の部位を特定する。すなわち、処理回路5は、特定機能33により、所定の部位(又は複数の部位)の位置を特定する(ステップS104)。
図4に、このようにして処理回路5の特定機能33により特定された部位が、第2の撮影の撮影範囲に重ね合わされて表示されている。この例では、処理回路5は、特定機能33により、部位「頭部50A」を、撮影範囲54Aとして特定する。処理回路5は、特定機能33により、部位「全身(頭部以外の部位)」を、撮影範囲54Bとして特定する。
処理回路5は、設定機能32により、特定機能33により特定した部位に対して、第2の撮影の、部位に応じた撮影条件を設定する。または、処理回路5は、設定機能32により、特定した複数の部位それぞれに対して、第2の撮影の、複数の部位それぞれに応じた撮影条件を設定する。例えば、処理回路5は、設定機能32により、受付機能35により受け付けた撮影条件の入力に基づいて、第2の撮影の、部位に応じた撮影条件を設定する(ステップS105)。例えば、処理回路5は、設定機能32により、収集時間(撮影時間又は撮影速度)の設定を行う。
例えば、処理回路5は、設定機能32により、部位「頭部」として特定された撮影範囲54Aに対して、部位に応じた撮影条件「1ポジションあたり5分」を設定する。また、処理回路5は、設定機能32により、部位「全身(頭部以外の部位)」として特定された撮影範囲54Bに対して、部位に応じた撮影条件「1ポジションあたり2分」を設定する。
また、処理回路5は、設定機能32により、1ポジション当たりの収集時間ではなく、所定の部位の全体を撮影するのに要する収集時間の設定をしても良い。例えば、処理回路5は、設定機能32により、部位「頭部」として特定された撮影範囲54Aに対して、部位に応じた撮影条件「全部で15分」にし、部位「全身(頭部以外の部位)」として特定された撮影範囲54Bに対して、部位に応じた撮影条件「全部で20分」を設定してもよい。
また、処理回路5は、設定機能32により、必要に応じてその他のパラメータの設定を行う。
なお、領域51、52それぞれは、第2の撮影における部位「頭部」の撮影における1ポジション目、2ポジション目の撮影領域を示す。このように、第2架台装置2は、ポジションごとに、撮影場所をオーバーラップされながら、第2の撮影を行う。
処理回路5は、収集時間及びその他のパラメータなど撮影条件の設定を行うと、設定した撮影条件などを、ディスプレイ等の表示装置に表示する(ステップS106)。例えば、処理回路5は、ディスプレイに、部位「頭部」に対して、撮影条件「1ポジションあたり5分」が設定されており、部位「全身(頭部以外の部位)」に対して、撮影範囲「1ポジションあたり2分」が設定されている旨のメッセージを表示する。また、例えば、処理回路5は、ディスプレイに、第1の撮影により生成された形態画像に、部位「頭部」として特定された撮影範囲54A及び部位「全身(頭部以外の部位)」として特定された撮影範囲54Bを、重ね合わせて表示する。更に、処理回路5は、ディスプレイに、それらの形態画像に、部位「頭部」に対して、撮影条件「1ポジションあたり5分」が設定されており、部位「全身(頭部以外の部位)」に対して、撮影範囲「1ポジションあたり2分」が設定されている旨のメッセージを併せて表示する。
処理回路5は、入力装置36を通じて、操作者からの入力を受け付ける。操作者からの入力に基づいて、処理回路5は、受付機能35により、撮影条件を承認する入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS107)。操作者が撮影条件を承認しない場合、処理回路5は、受付機能35により、撮影条件を承認する入力を受け付けていないと判断し、(ステップS107 No)、ステップS101と同様な処理を繰り返し、操作者からパラメータ設定の再入力を受け付ける。その後、操作者から再入力されたパラメータに基づいて、処理回路5は、ステップS105に戻り、設定機能32により、撮影条件の設定を再び行う。
操作者が撮影条件を承認する場合、処理回路5は、受付機能35により、撮影条件を承認する入力を受け付けたと判断し(ステップS107 Yes)、第2架台装置2は、処理回路5が設定機能32により設定した部位に応じた撮影条件に従って、機能画像を生成するための第2の撮影を行う。又は、第2架台装置2は、処理回路5が設定機能32により設定した複数の部位それぞれに応じた撮影条件に従って、機能画像を生成するための第2の撮影を行う(ステップS108)。
第2の撮影が終了すると、処理回路5は、第2生成機能12により、部位に応じた撮影条件に従って行われた第2の撮影に基づいて機能画像を生成し(ステップS109)、又は複数の部位それぞれに応じた撮影条件に従って行われた第2の撮影に基づいて機能画像を生成し、処理は終了する。
このように、第1の実施形態では、処理回路5は、特定機能33により、形態画像から、被検体の特徴点の位置を特定し、特定した特徴点の位置に基づいて、被検体の部位を特定する。また、処理回路5は、設定機能32により、特定した部位に対して、第2の撮影の、部位に応じた撮影条件を設定する。また、処理回路5は、第2生成機能12により、部位に応じた撮影条件に従って行われた第2の撮影に基づいて機能画像を生成する。特に、部位に応じた撮影条件として、撮影時間または撮影速度の入力を受け付ける。
これにより、第1の実施形態に係る医用画像診断システムによれば、操作者の負担を軽減することができる。特に、診断のために高精度な撮影が必要とされる部位と、高精度な撮影が必要とされない部位に対して、異なる撮影速度を設定できることで、限られた患者の撮影時間の中で精度の良い画像を取得することができるが、第1の実施形態に係る医用画像診断システムによれば、ユーザが手動で撮影範囲の設定を行わなくてよい。したがって、操作者の負担を軽減しつつ、精度の良い画像を取得することが可能となる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、部位に応じた撮影条件として、撮影時間又は撮影速度の入力を受け付ける場合について説明した。第2の実施形態では、部位に応じた撮影条件として、部位に応じた撮影条件として、FOV(Field Of View)の大きさを設定する。
これにより、部位に対して不必要に大きいFOVの大きさを設定しなくて済むようになることから、撮像に無関係な領域に係るイベント(バックグラウンドの散乱成分)による誤差を低減することができ、機能画像の画質を向上することができる。
第2の実施形態に係る医用画像診断システムの有する処理回路5は、設定機能32により、FOVの大きさを設定する。
第2の実施形態に係る医用画像診断システムの行う処理について、図3、図5、図6A、図6B、図6Cを参照しながら説明する。図5、図6A、図6B、図6Cは、第2の実施形態に係る医用画像診断システムに係る撮影条件の設定について説明した図である。
第2の実施形態においては、第1の実施形態と同様に、図3のフローチャートに記載の処理を行うが、ステップS105の処理が第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態と同様の処理を行う部分については、詳細な説明は省略する。
図5に示されているように、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様の処理を行うことにより、ステップS104において、処理回路5は、特定機能33により、特定した特徴点の位置に基づいて、被検体の所定の部位を特定する。図5の例では、処理回路5は、特定機能33により、部位「頭部」を、撮影範囲64Aとして特定する。処理回路5は、特定機能33により、部位「肩から下腹部」を、撮影範囲64Bとして特定する。処理回路5は、特定機能33により、部位「下肢」を、撮影範囲64Cとして特定する。
第2の実施形態では、ステップS105において、処理回路5は、設定機能32により、FOVの大きさを設定する。図6Aは、部位「頭部」に対するアキシャル断面像であり、境界71Aが、被検体の体表面に対応する。同様に、図6Bは、部位「肩から下腹部」に対するアキシャル断面像であり、境界71Bが、被検体の体表面に対応する。同様に、図6Cは、部位「下肢」に対するアキシャル断面像であり、境界71Cが、被検体の体表面に対応する。
ここで、処理回路5は、設定機能32により、部位「頭部」として特定された撮影範囲64Aに対するFOVとして、図6Aの領域71Aを設定する。具体的には、処理回路5は、設定機能32により、被検体の体表面70Aの全部を含む領域を、領域71Aとして設定する。同様に、処理回路5は、設定機能32により、部位「肩から下腹部」として特定された撮影範囲64Bに対するFOVとして、図6Bの領域71Bを設定する。処理回路5は、設定機能32により、部位「下肢」として特定された撮影範囲64Cに対するFOVとして、図6Cの領域71Cを設定する。処理回路5は、このように設定した撮影条件に基づいて、第1の実施形態と同様の処理を行う。
このように、第2の実施形態では、処理回路5は、設定機能32により、FOVの大きさを設定する。この理由は以下の通りである。PETにおいては、対消滅において生成された一組のγ線ペアを検出器が検出するが、部位に対してFOVが不必要に大きいと、被検体とは無関係な場所で発生したγ線の信号(バックグラウンドの散乱成分)を、検出器が検出してしまう。その結果、ノイズが増大し、得られる機能画像の画質が低下する。そのため、FOVの大きさは、被検体の部位に比較して、不必要に大きくしない方が望ましい。第2の実施形態では、処理回路5が、設定機能32により、FOVの大きさを自動設定することから、部位に対して不必要に大きいFOVの大きさを設定しなくて済むようになる。その結果、撮像に無関係な領域に係るイベントによる誤差を低減することができ、機能画像の画質を向上することができる。この操作を操作者が手動で行うことも可能であるが、FOVの大きさを設定する操作を操作者が手動で行うのでは、操作者の負担は大きい。第2の実施形態に係る医用画像診断システムは、機能画像の画質を維持することを、操作者の負担を軽減することと両立することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、部位に応じた撮影条件として、各回の撮影の重複領域の大きさの入力を設定する。これにより、機能画像の画質(S/N比)を維持しながら撮影時間を短縮することと、操作者の負担を軽減することとを両立することができる。
第3の実施形態では、処理回路5は、受付機能35により、所定の部位に対して第2の撮影を複数回の撮影に分けて行う場合において、各回の撮影の重複領域の大きさの入力を、部位に応じた撮影条件として受け付ける。処理回路5は、設定機能32により、受け付けた撮影条件の入力に基づいて、第2の撮影の、部位に応じた撮影条件を設定する。
第3の実施形態に係る医用画像診断システムの行う処理について、図3及び図7を参照しながら説明する。図7は、第3の実施形態に係る医用画像診断システムに係る撮影条件の設定について説明した図である。
第3の実施形態においては、第1の実施形態と同様に、図3のフローチャートに記載の処理を行うが、ステップS101及びステップS105の処理が第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態と同様の処理を行う部分については、詳細な説明は省略する。
前述したように、第2架台装置2は、通常、ポジションごとに、撮影場所をオーバーラップ(重複)させながら、第2の撮影を行う。処理回路5は、オーバーラップ(重複)領域の大きさの入力を、撮影条件として受け付ける。具体的には、ステップS101において、処理回路5は、受付機能35により、被検体の部位に応じた撮影条件(複数の部位毎の撮影条件)として、所定の部位に対して第2の撮影を複数回の撮影に分けて行う場合において、各回の撮影の重複領域の大きさの入力を、部位に応じた撮影条件として受け付ける。例えば、処理回路5は、受付機能35により、被検体の部位に応じた撮影条件として、部位「頭部」に対して、重複領域の大きさ「50%」の入力を受け付ける。また、処理回路5は、受付機能35により、被検体の部位に応じた撮影条件として、部位「下肢」に対して、重複領域の大きさ「30%」の入力を受け付ける。また、処理回路5は、受付機能35により、被検体の部位に応じた撮影条件として、部位「その他」に対して、重複領域の大きさ「40%」の入力を受け付ける。
図7に示されているように、第3の実施形態では、第1の実施形態と同様の処理を行うことにより、ステップS104において、処理回路5は、特定機能33により、特定した特徴点の位置に基づいて、被検体の所定の部位を特定する。図7の例では、処理回路5は、特定機能33により、部位「頭部」を、撮影範囲82Aとして特定する。処理回路5は、特定機能33により、部位「下肢」を、撮影範囲82Cとして特定する。処理回路5は、特定機能33により、部位「その他」を、撮影範囲82Bとして特定する。
第3の実施形態では、ステップS105において、処理回路5は、設定機能32により、各回の撮影の重複領域の大きさを設定する。
処理回路5は、設定機能32により、部位「頭部」として特定された撮影範囲82Aにおける撮影の重複領域の大きさとして、「50%」を設定する。同様に、処理回路5は、設定機能32により、部位「下肢」として特定された撮影範囲82Bにおける撮影の重複領域の大きさとして、「30%」を設定する。同様に、処理回路5は、設定機能32により、部位「その他」として特定された撮影範囲82Cにおける撮影の重複領域の大きさとして、「40%」を設定する。処理回路5は、このように設定した撮影条件に基づいて、第1の実施形態と同様の処理を行う。
このように、第3の実施形態では、処理回路5は、設定機能32により、各回の撮影の重複領域の大きさを設定する。この理由は以下の通りである。PETにおいては、ステップ・アンド・シュート方式で撮影を行う場合、各ポジションの両端では、各ポジションの中心付近に比べ、γ線を検出器の端で検出することになるので、検出効率が低下する。従って、その効果を補うために、各回の撮影ごとに、重複領域を設けてデータを補償する。この重複領域の大きさは、大きければ大きいほど得られるデータの精度(S/N比)は増加するが、重複領域が大きいほど、全体での撮影時間は増加してしまう。従って、最終的に要求されるデータの精度は部位ごとに異なることから、部位ごとに重複領域の大きさを設定することで、全体での撮影時間を短縮しつつ、必要な部位でのデータの精度を保つことができる。この操作を操作者が手動で行うことも可能であるが、重複領域の大きさを設定する操作を操作者が手動で行うのでは、操作者の負担は大きい。第3の実施形態に係る医用画像診断システムによれば、機能画像の画質(S/N比)を維持しながら撮影時間を短縮することと、操作者の負担を軽減することとを両立することができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、処理回路5が呼吸同期撮影や心電同期撮影など同期撮影の撮影条件を設定する。
第4の実施形態では、処理回路5は、受付機能35により、部位に応じた撮影条件(複数の部位毎の撮影条件)として、同期撮影の撮影条件の入力を受け付ける。処理回路5は、設定機能32により、受け付けた撮影条件の入力に基づいて、第2の撮影の、部位に応じた撮影条件を設定する。
第4の実施形態に係る医用画像診断システムの行う処理について、図3、図8及び図9を参照しながら説明する。図8は、第4の実施形態に係る医用画像診断システムに係る撮影条件の設定について説明した図である。また、図9は、第4の実施形態に係る医用画像診断システムにおけるデータ処理について説明した図である。
第4の実施形態においては、第1の実施形態と同様に、図3のフローチャートに記載の処理を行う。以下、第1の実施形態と同様の処理を行う部分については、詳細な説明は省略する。
ステップS101において、処理回路5は、受付機能35により、部位に応じた撮影条件(複数の部位毎の撮影条件)として、同期撮影の撮影条件の入力を受け付ける。処理回路5は、受付機能35により、被検体の部位に応じた撮影条件として、図8に示された部位「胸部90」に対して、「呼吸同期を行う」旨、及び「呼吸同期に関するパラメータ」の入力を受け付ける。別の例として、処理回路5は、受付機能35により、被検体の部位に応じた撮影条件として、部位「心臓」に対して、「心電同期を行う」旨、及び「心電同期に関するパラメータ」の入力を受け付ける。また、別の例として、処理回路5は、受付機能35により、被検体の部位に応じた撮影条件として、所定の部位に対して、「呼吸同期と心電同期とを組み合わせた同期撮影を行う」旨、及び「所定のパラメータ」の入力を受け付ける。加えて、処理回路5は、受付機能35により、被検体の部位に応じた撮影条件として、図8に示された部位「頭部」や、部位「その他」等に対して、所定の条件の入力を受け付ける。
ここで、同期撮影とは、撮影を、所定の間隔で反復継続する事象と関連づけて撮影することで、例えば、撮影を、呼吸位相と関連付けて撮影する呼吸同期、撮影を心電位相と関連つけて撮影する心電同期撮影である。呼吸同期撮影を行う場合、第2架台装置2は、呼吸位相に関連づけて複数の時刻で撮影を行って、複数の時刻それぞれでのデータを収集する。処理回路5は第2生成機能により、例えば、呼吸位相と関連付けられた当該複数の時刻それぞれのデータを、呼吸位相ごとにまとめることにより、呼吸位相ごと(拡張期、収縮期等)の機能画像を生成する。呼吸同期に関するパラメータの例として、呼吸同期撮影を行う撮影回数、撮影開始時刻、撮影終了時刻、撮影時間、撮影間隔等が挙げられる。また、心電同期撮影を行う場合、第2架台装置2は、心電位相に関連付けて複数の時刻で撮影を行って、複数の時刻それぞれでのデータを収集する。処理回路5は第2生成機能により、例えば、心電位相と関連付けられた当該複数の時刻それぞれのデータを、心電位相ごとにまとめることにより、心電位相ごと(心収縮期、心拡張期)の機能画像を生成する。心電同期に関するパラメータの例として、心電同期撮影を行う撮影回数、撮影開始時刻、撮影終了時刻、撮影時間、撮影間隔等が挙げられる。
図8に示されているように、第4の実施形態では、第1の実施形態と同様の処理を行うことにより、ステップS104において、処理回路5は、特定機能33により、特定した特徴点の位置に基づいて、被検体の所定の部位を特定する。図8の例では、処理回路5は、特定機能33により、部位「頭部」を、撮影範囲91Aとして特定する。処理回路5は、特定機能33により、部位「胸部」を、撮影範囲91Bとして特定する。処理回路5は、特定機能33により、部位「その他」を、撮影範囲82Bとして特定する。
第4の実施形態では、ステップS105において、処理回路5は、設定機能32により、部位に応じた撮影条件(複数の部位毎の撮影条件)として、同期撮影の撮影条件を設定する。処理回路5は、設定機能32により、部位「胸部」として特定された撮影範囲91Bにおける撮影条件として、「呼吸同期撮影を行う」旨、及び「呼吸同期撮影に関するパラメータ」の設定を行う。処理回路5は、設定機能32により、部位「胸部」以外の部位に関しては、第1の実施形態と同様の設定を行う。
ステップS108において、第2架台装置2は、処理回路5が設定機能32により設定した部位に応じた撮影条件に従って、第2の撮影を行う。
例えば、図9に、この状況が示されている。第2架台装置2は、第1の呼吸位相に対応する時刻で撮影を行って、データ110A及びデータ111Aを収集する。第2架台装置2は、第2の呼吸位相に対応する時刻で撮影を行って、データ110B及びデータ111Bを収集する。第2架台装置2は、第3の呼吸位相に対応する時刻で撮影を行って、データ110C及びデータ111Cを収集する。
ここで、データ110A、データ110B、データ110Cは、同期撮影の対象である部位「胸部」に係るデータである。また、データデータ111A、データ111B、データ111Cは、部位「胸部」以外の部位に係るデータである。
ステップS109において、第2の撮影が終了すると、処理回路5は、第2生成機能12により、部位に応じた撮影条件に従って行われた第2の撮影に基づいて機能画像を生成する。具体的には、処理回路5は、第2生成機能12により、同期撮影を行う部位に関しては、位相ごとにデータを統合し、それをもとに、位相ごとの画像を生成する。一方、処理回路5は、第2生成機能12により、同期撮影を行わない部位に関しては、すべての位相のデータを統合し、それをもとに、一つの画像を生成する。
具体的には、部位「胸部」については、処理回路5は、第2生成機能12により、第1の呼吸位相に対応するデータ110A、第2の呼吸位相に対応するデータ110B、第3の呼吸位相に対応するデータ110Cを統合して、呼吸位相ごとのデータを生成し、それをもとに、呼吸位相ごとの画像を生成する。一方、部位「胸部」以外の部位については、処理回路5は、第2生成機能12により、データ111A、データ111B、データ111Cを統合して、一つのデータを生成し、それをもとに画像を生成する。
このように、第4の実施形態では、処理回路5は、設定機能32により、部位に応じた撮影条件として、同期撮影の撮影条件を設定する。この理由は以下の通りである。胸部や心臓などの部位は、動きがあるので、それ以外の部位とは異なり、同期撮影など、特別な処理を行うのが望ましい。しかしながら、このようなパラメータ設定を操作者が手動で行うのはわずらわしい。処理回路5が同期撮影の撮影条件を設定することで、第4の実施形態に係る医用画像診断システムによれば、操作者の負担を軽減することができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、処理回路5がダイナミック撮影の撮影条件を設定する。
第5の実施形態では、処理回路5は、受付機能35により、部位に応じた撮影条件(複数の部位毎の撮影条件)として、ダイナミック撮影の撮影条件の入力を受け付ける。処理回路5は、設定機能32により、受け付けた撮影条件の入力に基づいて、第2の撮影の、部位に応じた撮影条件を設定する。
第5の実施形態に係る医用画像診断システムの行う処理について、図3、図10及び図11を参照しながら説明する。図10は、第5の実施形態に係る医用画像診断システムに係る撮影条件の設定について説明した図である。また、図11は、第5の実施形態に係る医用画像診断システムにおけるデータ処理について説明した図である。
第5の実施形態においては、第1の実施形態と同様に、図3のフローチャートに記載の処理を行う。以下、第1の実施形態と同様の処理を行う部分については、詳細な説明は省略する。
ステップS101において、処理回路5は、受付機能35により、部位に応じた撮影条件(複数の部位毎の撮影条件)として、ダイナミック撮影の撮影条件の入力を受け付ける。処理回路5は、受付機能35により、被検体の部位に応じた撮影条件として、図10に示された部位「心臓」に対して、「ダイナミック撮影を行う」旨、及び「ダイナミックに関するパラメータ」の入力を受け付ける。加えて、処理回路5は、受付機能35により、被検体の部位に応じた撮影条件として、図8に示された部位「頭部」や、部位「その他」等に対して、所定の条件の入力を受け付ける。
ここで、ダイナミック撮影とは、撮影を、時系列(時相)に沿って撮影することで、例えば、所定の部位における時間変化をみることのできる撮影である。ダイナミック撮影も、同期撮影も、共に所定の部位の時間変化を観察するという点においては共通する。同期撮影が、呼吸や心拍などの周期的に繰り返す動きにおける、所定の位相での運動に着目する撮影であるのに対して、ダイナミック撮影とは、例えば造影剤注入に対する過渡的特性に着目する撮影であり、例えば病巣内の血管動態を観察する目的で行われる。例えば、通常の撮影では、所定の注入速度で造影剤を注入し、血液内の造影剤濃度が平衡に達した時点で撮影を開始する。この結果、平衡相における撮影を行うことができる。これに対して、ダイナミック撮影においては、例えば造影剤注入速度を通常の撮影より増大させ短期間に造影剤注入を行い、血液中の造影剤濃度が平衡に達する前に撮影を行うことで、過渡的特性(動脈層)を観察することができる。
ダイナミック撮影に関するパラメータの例として、ダイナミック撮影を行う撮影回数、撮影開始時刻、撮影終了時刻、撮影時間、撮影間隔等が挙げられる。
図10に示されているように、第5の実施形態では、第1の実施形態と同様の処理を行うことにより、ステップS104において、処理回路5は、特定機能33により、特定した特徴点の位置に基づいて、被検体の所定の部位を特定する。図10の例では、処理回路5は、特定機能33により、部位「頭部」を、撮影範囲120Aとして特定する。処理回路5は、特定機能33により、部位「心臓」を、撮影範囲120Bとして特定する。処理回路5は、特定機能33により、部位「下肢」を、撮影範囲120Cとして特定する。
第5の実施形態では、ステップS105において、処理回路5は、設定機能32により、部位に応じた撮影条件(複数の部位毎の撮影条件)として、ダイナミック撮影の撮影条件を設定する。処理回路5は、設定機能32により、部位「心臓」として特定された撮影範囲120Bにおける撮影条件として、「ダイナミック撮影を行う」旨、及び「ダイナミック撮影に関するパラメータ」の設定を行う。処理回路5は、設定機能32により、部位「心臓」以外の部位に関しては、第1の実施形態と同様の設定を行う。
ステップS108において、第2架台装置2は、処理回路5が設定機能32により設定した部位に応じた撮影条件に従って、第2の撮影を行う。
例えば、図11に、この状況が示されている。第2架台装置2は、第1の時相に対応する時刻で撮影を行って、データ130A及びデータ131Aを収集する。第2架台装置2は、第2の時相に対応する時刻で撮影を行って、データ130B及びデータ131Bを収集する。第2架台装置2は、第3の時相に対応する時刻で撮影を行って、データ130C及びデータ131Cを収集する。
ここで、データ130A、データ130B、データ130Cは、ダイナミック撮影の対象である部位「心臓」に係るデータである。また、データデータ131A、データ131B、データ131Cは、部位「心臓」以外の部位に係るデータである。
ステップS109において、第2の撮影が終了すると、処理回路5は、第2生成機能12により、部位に応じた撮影条件に従って行われた第2の撮影に基づいて機能画像を生成する。具体的には、処理回路5は、第2生成機能12により、ダイナミック撮影を行う部位に関しては、データを統合し、それをもとに、時系列画像を生成する。一方、処理回路5は、第2生成機能12により、ダイナミック撮影を行わない部位に関しては、すべての時相のデータを統合し、それをもとに、一つの画像を生成する。
具体的には、部位「心臓」については、処理回路5は、第2生成機能12により、第1の時相に対応するデータ130A、第2の時相に対応するデータ130B、第3の時相に対応するデータ130Cを統合して、時相ごとのデータを生成し、それをもとに、時系列画像を生成する。一方、部位「心臓」以外の部位については、処理回路5は、第2生成機能12により、データ131A、データ131B、データ131Cを統合して、一つのデータを生成し、それをもとに画像を生成する。
このように、第5の実施形態では、処理回路5は、設定機能32により、部位に応じた撮影条件として、ダイナミック撮影の撮影条件を設定する。ダイナミック撮影を行う部位は、通常撮影を行う部位とは別のパラメータ設定が必要であるが、このようなパラメータ設定を操作者が手動で行うのはわずらわしい。処理回路5がダイナミック撮影の撮影条件を設定することで、第5の実施形態に係る医用画像診断システムによれば、操作者の負担を軽減することができる。
(第6の実施形態)
これまでの実施形態では、第2架台装置2が、ステップ・アンド・シュート方式で撮影を行う場合について説明してきたが、実施形態はこれに限られない。第6の実施形態では、第2の撮影は、被検体の撮影部位を連続移動させて行う連続撮影(Continuous 撮影)である。
ここで、連続撮影(Continuous撮影)法とは、ステップ・アンド・シュート方式で撮影を行うのではなく、被検体の撮影部位を連続移動させて行う撮影法である。ステップ・アンド・シュート方式では、撮影部位を離散的に変化するので、生成される画像の精度は空間的にばらつきが生じる。被検体の撮影部位を連続移動させて撮影を行うことで、第6の実施形態に係る医用画像診断システムは、生成される画像の精度の空間的なばらつきを軽減することができる。
第6の実施形態に係る医用画像診断システムの行う処理について、図3及び図12を参照しながら説明する。図12は、第6の実施形態に係る医用画像診断システムに係る撮影条件の設定について説明した図である。
第6の実施形態においては、第1の実施形態と同様に、図3のフローチャートに記載の処理を行う。以下、第1の実施形態と同様の処理を行う部分については、詳細な説明は省略する。
第2架台装置2は、連続撮影法を用いて行う。処理回路5は、連続撮影法に係る所定のパラメータを、撮影条件として受け付ける。ステップS101において、例えば、処理回路5は、受付機能35により、被検体の部位に応じた撮影条件として、部位「頭部」に対して、合計撮影時間「4分」の入力を受け付ける。また、処理回路5は、受付機能35により、被検体の部位に応じた撮影条件として、部位「下肢」に対して、合計撮影時間「1分」の入力を受け付ける。また、処理回路5は、受付機能35により、被検体の部位に応じた撮影条件として、部位「その他」に対して、合計撮影時間「2分」の入力を受け付ける。
図12に示されているように、第6の実施形態では、第1の実施形態と同様の処理を行うことにより、ステップS104において、処理回路5は、特定機能33により、特定した特徴点の位置に基づいて、被検体の所定の部位を特定する。図12の例では、処理回路5は、特定機能33により、部位「頭部」を、撮影範囲140Aとして特定する。処理回路5は、特定機能33により、部位「下肢」を、撮影範囲140Cとして特定する。処理回路5は、特定機能33により、部位「その他」を、撮影範囲140Bとして特定する。
第6の実施形態では、ステップS105において、処理回路5は、設定機能32により、連続撮影法に係る所定のパラメータを設定する。
処理回路5は、設定機能32により、部位「頭部」として特定された撮影範囲140Aにおける撮影条件として、合計撮影時間「4分」を設定する。同様に、処理回路5は、設定機能32により、部位「下肢」として特定された撮影範囲140Cにおける撮影条件として、合計撮影時間「1分」を設定する。同様に、処理回路5は、設定機能32により、部位「その他」として特定された撮影範囲140Bにおける撮影条件して、合計撮影時間「2分」を設定する。処理回路5は、このように設定した撮影条件に基づいて、連続撮影法を用いて撮影を行う。
このように、第6の実施形態では、処理回路5は、設定機能32により、連続撮影法に係る所定のパラメータを設定する。連続撮影法を行うことにより、生成される画像の精度が空間的に均一化される状態で、部位ごとに所望の精度の画像を得ることができる。しかしながら、連続撮影法における部位毎のパラメータの設定を操作者が手動で行うのでは、操作者の負担は大きい。第6の実施形態に係る医用画像診断システムによれば、連続撮影法を行うメリットを生かしつつ、操作者の負担を軽減することができる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、処理回路5は、受付機能35により、収集されたデータの再構成条件の入力を、部位に応じた撮影条件(複数の部位毎の撮影条件)として受け付ける。処理回路5は、設定機能32により、受け付けた撮影条件の入力に基づいて、第2の撮影の、部位に応じた撮影条件を設定する。
第7の実施形態に係る医用画像診断システムの行う処理について、図3及び図13を参照しながら説明する。図13は、第6の実施形態に係る医用画像診断システムに係る撮影条件の設定について説明した図である。
第7の実施形態においては、第1の実施形態と同様に、図3のフローチャートに記載の処理を行う。以下、第1の実施形態と同様の処理を行う部分については、詳細な説明は省略する。
ステップS101において、例えば、処理回路5は、受付機能35により、被検体の部位に応じた撮影条件として、部位「頭部」に対して、頭部に係る再構成条件の入力を受け付ける。また、処理回路5は、受付機能35により、被検体の部位に応じた撮影条件として、部位「全身(頭部を除いた部位)」に対して、全身撮影(頭部を除いた部位)に係る再構成条件の入力を受け付ける。ここで、再構成条件の具体例としては、前述したOSEM法のイタレーション数やサブセット数が挙げられる。
図13に示されているように、第7の実施形態では、第1の実施形態と同様の処理を行うことにより、ステップS104において、処理回路5は、特定機能33により、特定した特徴点の位置に基づいて、被検体の所定の部位を特定する。図13の例では、処理回路5は、特定機能33により、部位「頭部」を、撮影範囲150Bとして特定する。処理回路5は、特定機能33により、部位「全身(頭部を除いた部位)」を、撮影範囲150Cとして特定する。
第7の実施形態では、ステップS105において、処理回路5は、設定機能32により、撮影条件として、部位に応じたデータの再構成条件を設定する。具体的には、処理回路5は、設定機能32により、部位「頭部」として特定された撮影範囲150Aにおける撮影条件として、頭部に係る再構成条件を設定する。同様に、処理回路5は、設定機能32により、部位「全身(頭部を除いた部位)」として特定された撮影範囲150Cにおける撮影条件として、全身(頭部を除いた部位)撮影に係る再構成条件の入力を設定する。
処理回路5は、ステップS109において、ステップS105において設定された再構成条件に基づいて、機能画像を生成する。
このように、第7の実施形態では、処理回路5は、設定機能32により、再構成条件を設定する。部位ごとに必要な画像の精度は異なることから、部位毎に画像の再構成条件を設定することが望ましい。しかしながら、これらのパラメータの設定を操作者が手動で行うのでは、操作者の負担は大きい。第7の実施形態に係る医用画像診断システムによれば、操作者の負担を軽減することができる。
(その他の実施形態)
実施形態に係る医用画像診断システムにおいて、第1架台装置1がX線CT装置の架台であり、第2架台装置2がPET装置の架台である場合について説明したが、モダリティはこれらに限られない。例えば、第1架台装置1として、磁気共鳴イメージング装置の有する架台であってもよい。また、第2架台装置2として、SPECT装置の有する架台であってもよい。
実施形態に係る医用画像診断システムにおいて、形態画像診断装置のみを独立して抽出して構成する実施形態も可能である。例えば、形態画像診断装置は、撮影により取得した形態画像から、特徴点を抽出して部位を特定し、それを基に、機能画像診断装置が行う第2の撮影における部位に応じた撮影条件を設定してもよい。具体的には、形態画像診断装置の有する処理回路5は、第1生成機能11と、特定機能33と、設定機能32とを有する。処理回路5は、第1生成機能11により、被検体Pに対する第1の撮影に基づいて形態画像を生成する。処理回路5は、特定機能33により、かかる形態画像から、被検体Pの特徴点の位置を特定し、特定した特徴点の位置に基づいて、前記被検体Pの部位を特定する。処理回路5は、設定機能32により、機能画像を生成するために行う第2の撮影の、部位に応じた撮影条件を、特定機能33により特定された部位に対して設定する。
かかる形態画像診断装置は、架台装置(例えば、第1架台装置1)と、処理回路5とを備える。架台装置は、形態画像を収集する。処理回路5は、架台装置が収集した形態画像に基づいて、被検体の部位の位置に係る情報を取得する。処理回路5は、被検体の部位の位置に係る情報と、複数の部位毎の撮影条件とに基づいて、被検体Pの核医学画像を撮影する架台装置を制御する。
また、実施形態に係る医用画像診断システムにおいて、機能画像診断装置(核医学診断画像装置)のみを独立して抽出して構成する実施形態も可能である。例えば、機能画像診断装置(核医学診断画像装置)は、形態画像診断装置から取得した形態画像から、特徴点を抽出し、被検体の部位を特定し、それを基に、部位に応じた撮影条件を設定して撮影を行って機能画像を生成してもよい。係る機能画像診断装置(核医学診断画像装置)の有する処理回路5は、特定機能33と、設定機能32と、第2生成機能12とを有する。処理回路5は、特定機能33により、被検体Pに対する第1の撮影により生成された形態画像から、被検体Pの特徴点の位置を特定し、特定した特徴点の位置に基づいて、被検体Pの部位を特定する。処理回路5は、特定機能33により特定された部位に対して、第2の撮影の、部位に応じた撮影条件を設定する。処理回路5は、第2生成機能12により、部位に応じた撮影条件に従って行われた第2の撮影に基づいて、機能画像を生成する。
かかる核医学画像診断装置は、処理回路5と、架台装置(例えば、第2架台装置2)とを備える。処理回路5は、被検体P内の形態画像を収集する形態画像診断装置より、形態画像を取得する。架台装置は、被検体Pの核医学画像を撮影する。処理回路5は、形態画像に基づいて、被検体Pの部位の位置に係る情報を取得し、部位の位置に係る情報と複数の部位毎の撮影条件とに基づいて、架台装置を制御する。
以上に説明したとおり、実施形態に係る医用画像診断システムによれば、操作者の負担を軽減することが可能になる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。