JP6814011B2 - 鏡板部の部分更新方法および特殊治具 - Google Patents

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本発明は、圧力容器等の容器の鏡板部を部分的に更新する鏡板部の部分更新方法およびこの部分更新方法で使用される特殊治具に関する。
石油精製装置の常圧蒸留装置や減圧蒸留装置の主蒸留塔などの塔槽類等の圧力容器では、長年の使用により鏡板部の一部分が腐食したり、変形した場合、その箇所を部分的に新規部品に更新(交換)したり、修復する必要がある。
圧力容器の鏡板部(例えば流動接触分解装置用再生塔のプレナムチャンバ)の修復方法の一例として、特許文献1に記載のものが知られている。
この修復方法は、プレナムチャンバの内壁面から耐摩耗性被覆層を除去し、その後前記プレナムチャンバの変形部を矯正し、その後前記プレナムチャンバの前記内壁面上に複数の補強用リブを溶接し、その後前記複数の補強用リブを含めて前記プレナムチャンバの前記内壁面を新たな耐摩耗性被覆層で被覆する方法である。
特許5764516号公報
ところで、経年劣化や腐食によって鏡板部の板厚減少や変形が大きくなった場合、上述した圧力容器の鏡板部の修復方法では対応できなくなるため、容器の胴部と鏡板部とを含めた全体更新が必要であった。このように、従来では鏡板部の部分的な更新方法がなく、更新工事に多大のコストが必要であった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、容器の鏡板部の少なくとも一部を容易に更新できる鏡板部の部分更新方法およびこの方法において使用される特殊治具を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために本発明に係る鏡板部の部分更新方法は、容器の鏡板部の少なくとも一部を更新する方法であって、
前記鏡板部の外周側をナックル部、中央側を円盤部とすると、
前記ナックル部より内側でかつ前記円盤部より外側にある更新すべき部分を周方向に部分的に切除する切除工程と、切除することで生じた開口に扇形状の新規鏡板部材を取り付ける新規鏡板部材取付け工程とを繰り返すことにより、前記鏡板部の少なくとも一部を更新することを特徴とする。
本発明においては、ナックル部より内側でかつ円盤部より外側にある更新すべき少なくとも部分を周方向に部分的に切除する切除工程と、切除することで生じた開口に扇形状の新規鏡板部材を取り付ける新規鏡板部材取付け工程とを繰り返すことにより、鏡板部の少なくとも一部を更新するので、短い工事期間でかつ安い工事費用で鏡板部を部分更新することができる。すなわち、更新すべき部分を周方向に部分的に新たな新規鏡板部材に次々に取り替えてゆくことにより、新たな鏡板部にするので、容器全体を撤去せずに更新作業を行うことができるため、工事期間を短くできるとともに、工事費用を安くすることができる。
また、鏡板部のナックル部、円盤部、切除されていない更新すべき部分および更新された新規鏡板部材を作業床として切除作業や溶接作業を行えるので、別途足場を組み立てる必要がなく、容易に更新作業を行うことができる。
本発明の前記構成において、前記切除工程では、前記更新すべき部分を前記鏡板部の対角となるように部分的に切除し、
前記新規鏡板部材取付け工程では、切除することで生じた2つの開口にそれぞれ前記新規鏡板部材を取り付けてもよい。
このような構成によれば、切除工程では、更新すべき部分を鏡板部の対角となるように部分的に切除し、新規鏡板部材取付け工程では、切除することで生じた2つの開口にそれぞれ新規鏡板部材を取り付けるので、両開口が生じた状態において、鏡板部の周方向における断面係数のバランスが良く、強度上安定したものとすることができる。
また、本発明の前記構成において、更新すべき全ての新規鏡板部材を取り付けた後、前記円盤部を切除し、切除することで生じた開口に新規円盤部材を取り付けてもよい。
このような構成によれば、円盤部の変形が大きくなって更新の必要がある場合に、円盤部を切除することで生じた開口に新規円盤部材を取り付けることにより、円盤部の更新を容易に行うことができる。
本発明に係る特殊治具は、前記鏡板部の部分更新方法で使用される特殊治具であって、
周方向に隣り合う2つの前記新規鏡板部材の間に介在される仕切り部と、
この仕切部の下端部に設けられて2つの前記新規鏡板部材の下面を支持する支持部と、
前記仕切り部に形成された貫通孔に挿通されて、2つの前記新規鏡板部材の上面に当接する挿通部材とを備えることを特徴とする。
本発明においては、上述した鏡板部の部分更新方法を行うに際し、周方向に隣り合う2つの新規鏡板部材の間に仕切り部を介在させるとともに、支持部によって、2つの新規鏡板部材の下面を支持し、さらに、挿通部材を仕切り部に形成された貫通孔に挿通して2つの新規鏡板部材の上面に当接することによって、2つの新規鏡板部材を挿通部材と支持部とによって挟み付けるように、かつ仕切り部によって所定の隙間をもって保持できる。
したがって、2つの新規鏡板部材の溶接端部にそれぞれ開先面を形成しておくことにより、開先幅を均一に保持することができるので、2つの新規鏡板部材どうしの溶接作業を安定的に行える。
また、本発明に係る鏡板部の部分更新方法は、前記特殊治具を用意するとともに、2つの前記新規鏡板部材の溶接端部にそれぞれ開先面を形成しておき、
前記開先面間に前記特殊治具の仕切り部を介在させるとともに前記特殊治具の支持部によって、2つの前記新規鏡板部材の下面を支持し、さらに、前記特殊治具の挿通部材を前記仕切り部に形成された貫通孔に挿通して2つの前記新規鏡板部材の上面に当接することを特徴とする。
本発明においては、2つの新規鏡板部材を挿通部材と支持部とによって挟み付けるように、かつ仕切り部によって開先面間を所定の隙間をもって保持できる。
したがって、開先幅を均一に保持することができるので、2つの新規鏡板部材どうしの溶接作業を安定的に行える。
本発明によれば、容器の鏡板部の一部を容易に更新できるとともに、ナックル部、円盤部および切除されていない更新すべき部分を作業床として切除作業や溶接作業を行えるので、容易に更新作業を行うことができる。
本発明の実施の形態を示すもので、プレナムヘッドの要部を示す断面図であある。 同、プレナムチャンバー(鏡板部)の概略平面図である。 同、鏡板部の部分更新方法の工程を示すもので、(a)は最初の新規鏡板部材を溶接した状態を示す鏡板部の概略平面図、(b)は2番目の新規鏡板部材を開口に嵌め込んだ状態を示す鏡板部の概略平面図、(c)は2番目の新規鏡板部材を溶接した状態を示す鏡板部の概略平面図、(d)は3番目の新規鏡板部材を開口に嵌め込んだ状態を示す鏡板部の概略平面図、(e)は3番目の新規鏡板部材を溶接した状態を示す鏡板部の概略平面図、(f)は円盤部を溶接した状態を示す鏡板部の概略平面図である。 同、特殊治具を新規鏡板部材とともに示す側断面図である。 同、特殊治具を新規鏡板部材とともに示す正面図である。 同、隣り合う新規鏡板部材どうしを溶接した状態を示す要部の側断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態は、本発明を、流動接触分解装置のリジェネレータプレナムヘッド部の内部のプレナムチャンバー(鏡板部)を部分的に更新する場合に適用したものである。
図1は、プレナムヘッドの要部を示す断面図、図2はプレナムチャンバー(鏡板部)1の概略平面図である。
図1に示すように、プレナムヘッドの内部には、プレナムチャンバー(鏡板部)1が設けられている。鏡板部1は、下向きに凸の略球欠状でかつ平面視円状に形成されており、図2に示すように、平面視円状の鏡板部本体2と、この鏡板部本体2の外側にある平面視円環状のナックル部3とから構成されている。また、鏡板部1の断面視において、ナックル部3の曲率半径は鏡板部本体2の曲率半径より小さくなっている。
鏡板部本体2は、中央側の円盤部4と、この円盤部4の外側にある円環部5とから構成されている。また、ナックル部3の外周縁部は胴部6の内周面に溶接されている。
本実施の形態では、ナックル部3より内側でかつ円盤部4より外側にある円環部5を更新すべき部分5として、鏡板部1の部分更新方法について説明する。
この鏡板部1の部分更新方法では、更新すべき部分(円環部)5を周方向に部分的に切除する切除工程と、切除することで生じた開口に扇形状の新規鏡板部材10を取り付ける新規鏡板部材取付け工程とを繰り返すことにより、鏡板部1の一部(円環部5)を更新する。
すなわち、まず、図3(a)に示すように、円環部5を平面視において、周方向に6等分するような切断線L1〜L6を決定する。この切断線L1〜L6は、例えば作業者が鏡板部1の円環部5上に乗って、当該円環部5の表面に線を引くことで形成される。
次に、切断線L1と切断線L2との間にある部分と、切断線L4と切断線L5との間にある部分を切除する。つまり、更新すべき部分(円環部)5を鏡板部1の対角となるように部分的に切除する(切除工程)。
切除するには、切断線L1,L2、切断線L1,L2の外周側端部間にある円環部5の内周縁および切断線L1,L2の内周側端部間にある円環部5の外周縁を溶断等によって切断し、切断されて残った扇形状の部分を取り除くとともに、切断線L4,L5、切断線L4,L5の外周側端部間にある円環部5の内周縁および切断線L4,L5の内周側端部間にある円環部5の外周縁を溶断等によって切断し、切断されて残った扇形状の部分を取り除けばよい。
次に、切除することで生じた2つの扇形状の開口11a,11aにそれぞれ扇形状の新規鏡板部材10(10A1,10A2)を以下のようにして取り付ける(新規鏡板部材取付け工程)。取り付けられた新規鏡板部材10(10A1,10A2)にはハッチングが施してある。同様に以下の説明においても、取り付けられた新規鏡板部材10にはハッチングが施してある。
開口11a,11aに新規鏡板部材10(10A1,10A2)を取り付けるには、当該新規鏡板部材10(10A1,10A2)を、プレナムヘッドの頂部に設けられている支持部7(図1参照)から図示しないワイヤで吊り下げて開口11a,11aに嵌め込んだうえで、新規鏡板部材10(10A1,10A2)の内周縁部を円盤部4の外周縁部に溶接するとともに、新規鏡板部材10(10A1,10A2)の外周縁部をナックル部3の内周縁部に溶接する。この溶接よる溶接線は太線で示している。同様、以下の説明においても溶接による溶接線は太線で示している。
上述したような切除工程および新規鏡板部材取付け工程は、ナックル部3、円盤部4および切除されていない更新すべき部分(切断線L2と切断線L4との間にある部分および切断線L5と切断線L1との間にある部分)を作業床として行える。
次に、切断線L2と切断線L3との間にある部分と、切断線L5と切断線L6との間にある部分を切除する。つまり、更新すべき部分(円環部)5を鏡板部1の対角となるように部分的に切除する(切除工程)。切除するには、切断線L2,L5は既に切断されているので、切断線L3、切断線L2,L3の外周側端部間にある円環部5の内周縁および切断線L2,L3の内周側端部間にある円環部5の外周縁を溶断等によって切断し、切断されて残った扇形状の部分を取り除くとともに、切断線L6、切断線L5,L6の外周側端部間にある円環部5の内周縁および切断線L5,L6の内周側端部間にある円環部5の外周縁を溶断等によって切断し、切断されて残った扇形状の部分を取り除けばよい。
次に、図3(b)に示すように、切除することで生じた2つの扇形状の開口11a,11aにそれぞれ扇形状の新規鏡板部材10(10B1,10B2)を取り付ける(新規鏡板部材取付け工程)。
開口11a,11aに新規鏡板部材10(10B1,10B2)を取り付けるには、当該新規鏡板部材10(10B1,10B2)を、支持部7(図1参照)から図示しないワイヤで吊り下げて開口11a,11aに嵌め込んだうえで、図3(c)に示すように、新規鏡板部材10(10B1,10B2)の内周縁部を円盤部4の外周縁部に溶接するとともに、新規鏡板部材10(10B1,10B2)の外周縁部をナックル部3の内周縁部に溶接する。
さらに、この新規鏡板部材10(10B1,10B2)と先に取り付けた新規鏡板部材10(10A1,10A2)とを溶接するが、その前に、図4に示すように、周方向に隣り合う新規鏡板部材10,10の溶接端部にそれぞれ開先面10aを形成しておくとともに、特殊治具20を用意しておく。
開先面10a,10aは新規鏡板部材10,10を突き合わせた状態において断面V字状に形成されており、開先面10a,10aのなす角度は60°となっている。なお、開先面10aは予め工場等において新規鏡板部材10に形成しておいてもよいし、現場で新規鏡板部材10に形成してもよい。
特殊治具20は、図4および図5に示すように、仕切り部21と支持部22と挿通部材23とを備えている。
仕切り部21は、周方向に隣り合う2つの新規鏡板部材10,10の間に介在されるもので、厚さ3mm程度の矩形板状に形成されている。
支持部22は、仕切り部21の下端部に当該仕切り部21と直角にかつ一体的に設けられたもので、仕切り部21とほぼ同厚の矩形板状に形成され、2つの新規鏡板部材10,10の下面を支持するようになっている。
挿通部材23は截頭円錐状に形成されており、仕切り部21に形成された貫通孔21aに挿通されるものであり、挿通された状態において、2つの新規鏡板部材10,10の上面に当接するようになっている。
そして、2つの新規鏡板部材10,10どうしを溶接する際は、それらの開先面10a,10a間に特殊治具20の仕切り部21を下方から挿通して、介在させるとともに当該特殊治具20の支持部22によって、2つの新規鏡板部材10,10の下面を支持する。この状態において、開先面10a,10aのそれぞれの下縁部が仕切り部21に当接しているので、開先幅(開先面10a,10a間の距離)は均一に保持される。
さらに、挿通部材23を仕切り部21に形成されている貫通孔21aに挿通して、2つの新規鏡板部材10,10の上面に当接する。これによって、新規鏡板部材10,10の突き当て部は挿通部材23と支持部22とによって上下から挟み付けられるようにして保持される。
このような特殊治具20は、図3(b)に示すように、2つの新規鏡板部材10,10を突き合わせた突き合わせライン上に当該ラインに沿って、所定間隔で複数箇所(図3(b)では2箇所)設置する。なお、特殊治具20の設置数は鏡板部1の大きさ(直径)によって適宜設定すればよい。
このようにして特殊治具20を設置することによって、2つの新規鏡板部材10,10がほぼ面一に配置されるとともに、溶接端部の開先幅が均一に保持される。
そして、図3(c)および図6に示すように、開先面10a,10a間に溶接金属Mを流し込むことによって、2つの新規鏡板部材10,10どうしを溶接する。
なお、特殊治具20が設置されている部分は溶接できないが、特殊治具20が設置されている以外の開先面10a,10a間に溶接金属Mを流し込んだ後に特殊治具20を取り除いて、特殊治具20が設置されていた部分の開先面10a,10a間に溶接金属Mを流し込むことによって溶接できる。
特殊治具20は、仕切り部21の貫通孔21aから挿通部材23を引き抜くことによって容易に取り除くことができる。
上述したような切除工程および新規鏡板部材取付け工程は、ナックル部3、円盤部4、切除されていない更新すべき部分(切断線L3と切断線L4との間にある部分および切断線L6とL1との間にある部分)および更新された部分(新規鏡板部材10A1,10A2)を作業床として行える。
また、2つの新規鏡板部材10,10どうしを溶接する前に、2つ目の新規鏡板部材10(10B1,10B2)を円盤部4とナックル部3とに溶接したが、これに代えて、2つ目の新規鏡板部材10(10B1,10B2)の内周縁部と円盤部4の外周縁部との突き合わせ部に周方向に沿って特殊治具20を所定間隔で複数設置するとともに、同新規鏡板部材10(10B1,10B2)の外周縁部とナックル部3の内周縁部との突き合わせ部に周方向に沿って特殊治具20を所定間隔で複数設置することで、同新規鏡板部材10(10B1,10B2)を支持しておき、同新規鏡板部材10(10B1,10B2)を円盤部4とナックル部3に溶接するとともに、2つの新規鏡板部材10,10どうしを溶接してもよい。
さらに、特殊治具20を、新規鏡板部材10(10B1,10B2)と、切断線L3,L6を境に隣り合う更新すべき既設部分(後述のように、当該既設部分は新規鏡板部材10C1,10C2によって更新される。)との突き合わせ部に特殊治具20を設置、当該特殊治具20によっても新規鏡板部材10(10B1,10B2)を支持しておいてもよい。このように特殊治具20によって新規鏡板部材10(10B1,10B2)を支持しておき(仮支持しておき)、その後、溶接してもよい。
なお、このような溶接作業においても、新規鏡板部材10と、ナックル部3および円盤部4との溶接端部には、開先面10aと同様に開先面を形成しておく。
次に、図3(c)に示すように、切断線L3と切断線L4との間にある部分と、切断線L6と切断線L1との間にある部分を切除する。つまり、更新すべき部分(円環部)5を鏡板部1の対角となるように部分的に切除する(切除工程)。切除するには、切断線L3,L4および切断線L6,L1は既に切断されているので、切断線L3,L4の外周側端部間にある円環部5の内周縁および切断線L3,L4の内周側端部間にある円環部5の外周縁を溶断等によって切断し、切断されて残った扇形状の部分を取り除くとともに、切断線L6,L1の外周側端部間にある円環部5の内周縁および切断線L6,L1の内周側端部間にある円環部5の外周縁を溶断等によって切断し、切断されて残った扇形状の部分を取り除けばよい。
次に、図3(d)に示すように、切除することで生じた2つの扇形状の開口11a,11aにそれぞれ扇形状の新規鏡板部材10(10C1,10C2)を取り付ける(新規鏡板部材取付け工程)。
開口11a,11aに新規鏡板部材10(10C1,10C2)を取り付けるには、当該新規鏡板部材10(10C1,10C2)を、支持部7(図1参照)から図示しないワイヤで吊り下げて開口11aに嵌め込んだうえで、図3(e)に示すように、新規鏡板部材10(10C1,10C2)の内周縁部を円盤部4の外周縁部に溶接するとともに、新規鏡板部材10(10C1,10C2)の外周縁部をナックル部3の内周縁部に溶接する。
さらに、この新規鏡板部材10(10C1)と先に取り付けた新規鏡板部材10(10B1,10A2)とを溶接するとともに、新規鏡板部材10(10C2)と先に取り付けた新規鏡板部材10(10B2,10A1)とを溶接する。この溶接は上述した場合と同様に、特殊治具20を用意しておき、当該特殊治具20を、図3(d)に示すように、新規鏡板部材10,10を突き合わせた突き合わせライン上に当該ラインに沿って、所定間隔で複数箇所(図3(d)では2箇所)設置する。
このようにして特殊治具20を設置することによって、3つの新規鏡板部材10B1,10C1,10A2がほぼ面一に配置されるとともに、溶接端部の開先幅が均一に保持される。同様に、3つの新規鏡板部材10B2,10C2,10A1がほぼ面一に配置されるとともに、溶接端部の開先幅が均一に保持される。
そして、図3(e)および図6に示すように、開先面10a,10a間に溶接金属Mを流し込むことによって、新規鏡板部材10,10どうしを溶接する。
なお、特殊治具20が設置されている部分は溶接できないが、特殊治具20が設置されている以外の開先面10a,10a間に溶接金属Mを流し込んだ後に特殊治具20を取り除いて、特殊治具20が設置されていた部分の開先面10a,10a間に溶接金属Mを流し込むことによって溶接できる。
上述したような切除工程および新規鏡板部材取付け工程は、ナックル部3、円盤部4、および更新された部分(新規鏡板部材10A1,10A2,10B1,10B2)を作業床として行える。
また、新規鏡板部材10,10どうしを溶接する前に、3つ目の新規鏡板部材10(10C1,10C2)を円盤部4とナックル部3とに溶接したが、これに代えて、3つ目の新規鏡板部材10(10C1,10C2)の内周縁部と円盤部4の外周縁部との突き合わせ部に周方向に沿って特殊治具20を所定間隔で複数設置するとともに、同新規鏡板部材10(10C1,10C2)の外周縁部とナックル部3の内周縁部との突き合わせ部に周方向に沿って特殊治具20を所定間隔で複数設置することで、同新規鏡板部材10(10C1,10C2)を支持しておき、同新規鏡板部材10(10C1,10C2)を円盤部4とナックル部3に溶接するとともに、新規鏡板部材10,10どうし(新規鏡板部材10C1と新規鏡板部材10B1,10A2どうし、および新規鏡板部材10C2と新規鏡板部材10B2,10A1どうし)を溶接してもよい。
更新すべき全ての新規鏡板部材10を取り付けた後、円盤部4を更新する必要がある場合、図3(e)および図3(f)に示すように、円盤部4を切除し、切除することで生じた開口4aに新規円盤部材14を取り付ける。
開口4aに新規円盤部材14を取り付けるには、当該新規円盤部材14を、支持部7(図1参照)から図示しないワイヤで吊り下げて開口4aに嵌め込んだうえで、新規円盤部材14の外周縁部を開口4aの内周縁部に溶接する。
このように、円盤部4の変形が大きくなって更新の必要がある場合に、円盤部4を切除することで生じた開口4aに新規円盤部材14を取り付けることにより、円盤部4の更新を容易に行うことができる。
このような円盤部4の切除工程および新規円盤部材14の取付け工程は、ナックル部3、円盤部4、および更新された部分(新規鏡板部材10A1,10A2,10B1,10B2,10C1,10C2)を作業床として行える。
以上のように、本実施の形態によれば、ナックル部3より内側でかつ円盤部4より外側にある更新すべき部分(円環部5)を周方向に部分的に切除する切除工程と、切除することで生じた開口11aに扇形状の新規鏡板部材10を取り付ける新規鏡板部材取付け工程とを繰り返すことにより、鏡板部1の一部を更新するので、短い工事期間でかつ安い工事費用で鏡板部1を部分更新することができる。すなわち、更新すべき部分を周方向に部分的に新たな新規鏡板部材10に次々に取り替えてゆくことにより、新たな鏡板部1にするので、容器全体を撤去せずに更新作業を行うことができるため、工事期間を短くできるとともに、工事費用を安くすることができる。
また、鏡板部1のナックル部3、円盤部4、切除されていない更新すべき部分および更新された新規鏡板部材10を作業床として切除作業や溶接作業を行えるので、別途足場を組み立てる必要がなく、容易に更新作業を行うことができる。
また、切除工程では、更新すべき部分を鏡板部1の対角となるように部分的に切除し、新規鏡板部材取付け工程では、切除することで生じた2つの開口11a,11aにそれぞれ新規鏡板部材10を取り付けるので、両開口11a,11aが生じた状態において、鏡板部1の周方向における断面係数のバランスが良く、強度上安定したものとすることができる。
また、特殊治具20が仕切り部21と支持部22と挿通部材23とを備えており、鏡板部1の部分更新方法を行うに際し、周方向に隣り合う2つの新規鏡板部材10,10の間に仕切り部21を介在させるとともに、支持部22によって、2つの新規鏡板部材10,10の下面を支持し、さらに、挿通部材23を仕切り部21に形成された貫通孔21aに挿通して2つの新規鏡板部材10,10の上面に当接することによって、2つの新規鏡板部材10,10を挿通部材23と支持部22とによって挟み付けるように、かつ仕切り部21によって所定の隙間をもって保持できる。
したがって、2つの新規鏡板部材10,10の溶接端部にそれぞれ開先面10a,10aを形成しておくことにより、開先幅を均一に保持することができるので、2つの新規鏡板部材10,10どうしの溶接作業を安定的に行える。
なお、本実施の形態において、切除工程では、更新すべき部分(円環部5)を鏡板部1の対角となるように部分的に切除し、切除することで生じた2つの開口11a,11aにそれぞれ新規鏡板部材10を取り付けるようにしたが、本発明はこれに限ることはない。
例えば、更新すべき部分(円環部5)を周方向に順次部分的に切除し、切除された開口に新規鏡板部材10を取り付けていってもよいし、更新すべき部分(円環部5)を周方向に所定間隔を隔てて部分的に切除し、切除された開口に新規鏡板部材10を取り付けていってもよい。要は、鏡板部1のナックル部3、円盤部4、切除されていない更新すべき部分および更新された新規鏡板部材10を作業床として使用できるように、更新すべき部分(円環部5)を部分的に切除し、切除することで生じた開口に新規鏡板部材を取り付けるようにすればよい。
また、本実施の形態では、ナックル部3より内側でかつ円盤部4より外側にある円環部5の全体を更新したが、本発明はこれに限ることはない。例えば、円環部5の一部が腐食したり、変形していた場合、その一部を更新すればよく、さらに、本実施の形態で説明したとおり円盤部4も更新してもよいし、本実施の形態では説明していないが、ナックル部3も更新してもよい。
また、本実施の形態では、重油流動接触分解装置のリジェネレータプレナムヘッド部の内部のプレナムチャンバー(鏡板部)を部分的に更新する場合を例にとって説明したが、本発明は、プレナムヘッド部の上部の鏡板部や、その他の容器の上下部にある鏡板部を部分的に更新する場合にも適用することができる。
1 鏡板部
2 鏡板部本体
3 ナックル部
4 円盤部
4a 開口
5 円環部(更新すべき部分)
10(10A1,10A2,10B1,10B2,10C1,10C2) 新規鏡板部材
11a 開口
14 新規円盤部材
20 特殊治具
21 仕切り部
22 支持部
23 挿通部材

Claims (9)

  1. 容器の鏡板部の少なくとも一部を更新する方法であって、
    前記鏡板部の外周側をナックル部、中央側を円盤部とすると、
    前記ナックル部より内側でかつ前記円盤部より外側にある更新すべき部分を周方向に部分的に切除する切除工程と、切除することで生じた開口に扇形状の新規鏡板部材を取り付ける新規鏡板部材取付け工程とを繰り返すことにより、前記鏡板部の少なくとも一部を更新し、
    前記鏡板部の前記ナックル部、前記円盤部、切除されていない前記更新すべき部分および更新された前記新規鏡板部材を作業床として前記切除工程および前記新規鏡板部材取付け工程を行うことを特徴とする鏡板部の部分更新方法。
  2. 前記切除工程では、前記更新すべき部分を前記鏡板部の対角となるように部分的に切除し、
    前記新規鏡板部材取付け工程では、切除することで生じた2つの開口にそれぞれ前記新規鏡板部材を取り付けることを特徴とする請求項1に記載の鏡板部の部分更新方法。
  3. 更新すべき全ての新規鏡板部材を取り付けた後、前記円盤部を切除し、切除することで生じた開口に新規円盤部材を取り付けることを特徴とする請求項1または2に記載の鏡板部の部分更新方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鏡板部の部分更新方法で使用される特殊治具であって、
    周方向に隣り合う2つの前記新規鏡板部材の間に介在される仕切り部と、
    この仕切部の下端部に設けられて2つの前記新規鏡板部材の下面を支持する支持部と、
    前記仕切り部に形成された貫通孔に挿通されて、2つの前記新規鏡板部材の上面に当接する挿通部材とを備えることを特徴とする特殊治具。
  5. 請求項4に記載の特殊治具を用意するとともに、2つの前記新規鏡板部材の溶接端部にそれぞれ開先面を形成しておき、
    前記開先面間に前記特殊治具の仕切り部を介在させるとともに前記特殊治具の支持部によって、2つの前記新規鏡板部材の下面を支持し、さらに、前記特殊治具の挿通部材を前記仕切り部に形成された貫通孔に挿通して2つの前記新規鏡板部材の上面に当接することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鏡板部の部分更新方法。
  6. 容器の鏡板部の少なくとも一部を更新する方法であって、
    前記鏡板部の外周側をナックル部、中央側を円盤部とすると、
    前記ナックル部より内側でかつ前記円盤部より外側にある更新すべき部分を周方向に部分的に切除する切除工程と、切除することで生じた開口に扇形状の新規鏡板部材を取り付ける新規鏡板部材取付け工程とを繰り返すことにより、前記鏡板部の少なくとも一部を更新し、
    更新すべき全ての新規鏡板部材を取り付けた後、前記円盤部を切除し、切除することで生じた開口に新規円盤部材を取り付けることを特徴とする鏡板部の部分更新方法。
  7. 前記切除工程では、前記更新すべき部分を前記鏡板部の対角となるように部分的に切除し、
    前記新規鏡板部材取付け工程では、切除することで生じた2つの開口にそれぞれ前記新規鏡板部材を取り付けることを特徴とする請求項6に記載の鏡板部の部分更新方法。
  8. 容器の鏡板部の少なくとも一部を更新する方法であって、
    前記鏡板部の外周側をナックル部、中央側を円盤部とすると、
    前記ナックル部より内側でかつ前記円盤部より外側にある更新すべき部分を周方向に部分的に切除する切除工程と、切除することで生じた開口に扇形状の新規鏡板部材を取り付ける新規鏡板部材取付け工程とを繰り返すことにより、前記鏡板部の少なくとも一部を更新する鏡板部の部分更新方法で使用される特殊治具において、
    周方向に隣り合う2つの前記新規鏡板部材の間に介在される仕切り部と、
    この仕切部の下端部に設けられて2つの前記新規鏡板部材の下面を支持する支持部と、
    前記仕切り部に形成された貫通孔に挿通されて、2つの前記新規鏡板部材の上面に当接する挿通部材とを備えることを特徴とする特殊治具。
  9. 請求項8に記載の特殊治具を用意するとともに、2つの前記新規鏡板部材の溶接端部にそれぞれ開先面を形成しておき、
    前記開先面間に前記特殊治具の仕切り部を介在させるとともに前記特殊治具の支持部によって、2つの前記新規鏡板部材の下面を支持し、さらに、前記特殊治具の挿通部材を前記仕切り部に形成された貫通孔に挿通して2つの前記新規鏡板部材の上面に当接することを特徴とする請求項6または7に記載の鏡板部の部分更新方法。
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