JP5529645B2 - 鋼製部材へのライニングプレートの固定構造 - Google Patents
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Description
そして、胴板等の鋼板をチタンクラッド鋼等のクラッド鋼に代えて更新すると、胴板等を腐食に強いものにすることができる。
しかし、このクラッド鋼による更新は、現場の工事期間が長くなるとともに、コストが非常に高くなるという問題がある。
従来、鋼板にチタンライニングプレートを固定する場合には、例えば、次のようにしている。
すなわち、例えば、図4に示すように、鋼板aのネジ穴bにチタンライニングプレートcの貫通孔を通してチタン製のトラスビスdを締め込み、トラスビスdの頭部の外周縁とチタンライニングプレートcの表面とをTIG溶接によりシーム溶接(密封溶接)する。
また、図5に示すように、鋼板aのネジ穴bに、チタンライニングプレートcのすり鉢状の貫通孔を通してチタン製の皿ビスeをその頭部がチタンライニングプレートcの貫通孔の略下半分に嵌合するように締め込み、皿ビスeの頭部の上側のチタンライニングプレートcの貫通孔の部分をTIG溶接により溶接金属で充填する。
とを締結し、六角ボルトfの頭部の外周縁とチタンライニングプレートcの表面とをTIG溶接によりシーム溶接する。
また、図7に示すように、鋼板aおよびチタンライニングプレートcのボルト孔を貫通する鋼製の六角ボルトhとナットiとにより、鋼板aとチタンライニングプレートc
とを締結し、六角ボルトfの頭部を覆うチタン製のキャップjを配置し、このキャップJの外周縁とチタンライニングプレートcの表面とをTIG溶接によりシーム溶接する。
前記鋼製部材上に配置された前記ライニングプレートに開口部が設けられ、この開口部に鋼製の孔付きの座金が前記鋼製部材に前記ライニングプレートを押え付けるように嵌合され、この座金の前記孔の内周面と前記鋼製部材の表面とが溶接されることにより、前記鋼製部材に前記ライニングプレートが固定され、
前記ライニングプレート上にこのライニングプレートと同じ金属からなる蓋部材が前記座金を覆うように配置され、この蓋部材の外周縁部と前記ライニングプレートの表面とがシール溶接されていることを特徴とする。
図1に示すように、本発明の実施の形態は、本発明を石油精製装置の常圧蒸留装置や減圧蒸留装置の主蒸留塔を補修あるいは改良する場合に適用したものである。
本発明の実施の形態に係る主蒸留塔(塔槽類)Tは、横断面形状が円筒形の大型の塔(蒸留塔)であり、その胴部の直径は例えばおよそ4〜10m程度のものである。胴部の上側には鏡部が設けられ、鏡部の上端部中央にはノズル部が設けられている。胴部の円筒状の胴板(鋼製部材)1、鏡部のドーム状の鏡板(鋼製部材)2およびノズル部の円筒状のノズル板(鋼製部材)3はそれぞれ、鋼板で形成されている。
すなわち、炭素鋼またはステンレス鋼等の鋼板からなる胴板1の内面の上端部、鏡板2の内面全部およびノズル板3の上下方向下部の内面には、チタンからなるライニングプレート5が固定されている。ライニングプレート5の厚さは例えばおよそ2〜3mmである。さらに具体的に説明すると、ライニングプレート5は、複数個が周方向に並べられて、後述するように、各ライニングプレート5が鏡板2に密封状態で固定されるとともに、隣接するライニングプレート5どうしがチタンの溶加材(チタン溶加材)を用いたTIG溶接によりシール溶接(密封溶接)されて互いに密封状態で固定され、これにより上下方向に一定の高さを有する筒状ライニングプレート部分51が形成されている。この筒状ライニングプレート部分51が上下方向に複数個重ねて配置され、隣接する筒状ライニングプレート部分51どうしがチタンの溶加材を用いたTIG溶接によりシール溶接により互いに密封状態で固定されている。
また、鏡板2においては、ライニングプレート5は、筒状ライニングプレート部分51を周方向に略均等に複数個に分割した場合に得られる形状の円弧板状に形成されている。この部分のライニングプレート5は、下方に向かうにつれて次第に幅広い形状になっている。
また、ノズル板3においては、ライニングプレート5は、筒状ライニングプレート部分51を周方向に略均等に複数個に分割した場合に得られる形状である方形の円弧板状(正面視において方形でかつ平面視において円弧形の板状)に形成されている。
図2および図3に示すように、胴板1の内面に配置されたライニングプレート5には、複数個の開口部6が設けられている。開口部6は、すり鉢状に形成されており、その内周面は、胴板1から離れるにつれて漸次径が大きくなるテーパ面となっている。
なお、図1において、蓋部材8は、一部のライニングプレート5にのみに図示し、その他のライニングプレート5では省略してある。蓋部材8は例えば千鳥状におよそ200〜250mmピッチで設けられている。開口部6の径、座金7の鍔部73の外径および蓋部材8の外径はそれぞれ、例えばおよそ25mm、38mmおよび45mm程度である。
1 胴板(鋼板、鋼製部材)
2 鏡板(鋼板、鋼製部材)
3 ノズル板(鋼板、鋼製部材)
5 ライニングプレート
6 開口部
7 座金
71 貫通孔
72 嵌合部
73 鍔部
8 蓋部材
Claims (5)
- 鋼製部材上に金属からなるライニングプレートを固定する固定構造であって、
前記鋼製部材上に配置された前記ライニングプレートに開口部が設けられ、この開口部に鋼製の孔付きの座金が前記鋼製部材に前記ライニングプレートを押え付けるように嵌合され、この座金の前記孔の内周面と前記鋼製部材の表面とが溶接されることにより、前記鋼製部材に前記ライニングプレートが固定され、
前記ライニングプレート上にこのライニングプレートと同じ金属からなる蓋部材が前記座金を覆うように配置され、この蓋部材の外周縁部と前記ライニングプレートの表面とがシール溶接されていることを特徴とする鋼製部材へのライニングプレートの固定構造。 - 前記ライニングプレートの前記開口部の内周面にテーパ面が形成されるとともに、前記座金の外周面にテーパ面が形成され、これらのテーパ面が接することにより、前記鋼製部材に前記ライニングプレートが押え付けられることを特徴とする請求項1に記載の鋼製部材へのライニングプレートの固定構造。
- 前記座金には前記ライニングプレートの表面を押え付ける鍔部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鋼製部材へのライニングプレートの固定構造。
- 前記鋼製部材は、塔槽類を構成する鋼板であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の鋼製部材へのライニングプレートの固定構造。
- 前記ライニングプレートは、チタン、タンタルまたはジルコニウムからなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の鋼製部材へのライニングプレートの固定構造。
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