JP6813835B2 - 高分子電解質及びその利用 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池に好適な高分子電解質、それを用いた高分子電解質膜、膜/電極接合体、これらを含む燃料電池に関するものである。
近年、地球温暖化等の環境問題等の観点から、高効率でクリーンなエネルギー源の開発が求められている。その要求に対する一つの候補として燃料電池が注目されている。燃料電池は、水素ガスやメタノール等の燃料と酸素等の酸化剤をそれぞれ電解質で隔てられた電極に供給し、一方で燃料の酸化を、他方で酸化剤の還元を行い、直接発電するものである。上述した燃料電池の材料のなかで、最も重要な材料の一つが電解質である。その電解質からなる燃料と酸化剤とを隔てる電解質膜としては、これまで様々なものが開発されているが、近年、特にスルホン酸基などのプロトン伝導性官能基を含有する高分子化合物から構成される高分子電解質の開発が盛んである。こうした高分子電解質は、固体高分子形燃料電池の他にも、例えば、湿度センサー、ガスセンサー、エレクトロクロミック表示素子などの電気化学素子の原料としても使用される。これら高分子電解質の利用法の中でも、特に、固体高分子形燃料電池は、新エネルギー技術の柱の一つとして期待されている。例えば、プロトン伝導性官能基を有する高分子化合物からなる電解質膜を使用した固体高分子形燃料電池は、低温における作動、小型軽量化が可能などの特徴を有し、自動車などの移動体、家庭用コージェネレーションシステム等の用途で既に実用化され、さらに民生用小型携帯機器などへの適用が検討されている。
固体高分子形燃料電池に使用される電解質膜としては、1950年代に開発されたスチレン系の陽イオン交換膜があるが、燃料電池動作環境下における安定性に乏しく、充分な寿命を有する燃料電池を製造するには至っていない。一方、実用的な安定性を有する電解質膜としては、ナフィオン(Nafion,商品名)に代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸膜が広く検討されている。パーフルオロカーボンスルホン酸膜は、高いプロトン伝導性を有し、耐酸性、耐酸化性などの化学的安定性に優れているとされている。しかしながら、ナフィオン(商品名)は、使用原料が高く、複雑な製造工程を経るため、非常に高価であるという問題がある。また、電極反応で生じる過酸化水素やその副生物であるヒドロキシラジカルで劣化すると指摘されている。さらに、その構造上、プロトン伝導基であるスルホン酸基の導入には限界がある。
このような背景から、再び炭化水素系電解質膜の開発が期待されるようになってきた。その理由としては、炭化水素系電解質膜は化学構造の多様性を持たせやすく、スルホン酸基などのプロトン伝導基の導入の範囲が広く調整できる、他の材料との複合化、架橋の導入などが比較的容易であるという特徴があるからである。
近年、そのような炭化水素系高分子電解質膜として、スルホン酸基を有する親水性セグメントと、スルホン酸基を実質的に有さない疎水性セグメントからなる共重合体が、多数報告されている。このような高分子電解質からなる膜は、親水性セグメントと、疎水性セグメントが相分離し、親水性セグメントが高濃度に凝集した部分は、プロトンの伝導パスを形成し、疎水性セグメントが高濃度に凝集した部分で、膜の機械的強度を担保する役割を担っている。
このような高分子電解質の製造法としては、水酸基やスルフィド基等の求核性官能基を有するユニットと、ハロゲン等の脱離性置換基を有するユニットを予め用意し、それらの求核置換反応を利用する方法が挙げられる(特許文献1、2)。この製造方法は簡便であるが、樹脂骨格にエーテル結合や、チオエーテル結合が生成するため、燃料電池用電解質膜として利用した場合、酸化劣化しやすい(非特許文献1)という問題があった。
この課題を解決するため、親水性セグメントと疎水性セグメントを炭素−炭素直接結合で連結し、スルホン酸基の近傍からエーテル結合やチオエーテル結合を排除するという試みがなされている(特許文献3,4,5)。しかし、この方法により得られる高分子電解質には、依然として、疎水性セグメントにポリエーテルスルホンや、ポリエーテルケトン等のユニットを有する骨格が用いられており、燃料電池運転条件下における電解質膜の耐酸化性は改善されるものの、耐酸化性の一般的な試験法である過酸化水素と2価の鉄イオンを用いたFenton試験を行うと、大幅な重量減少や機械物性の低下が認められ、まだ十分と言える水準には達していなかった。特許文献6には、親水性モノマーと疎水性モノマーを炭素−炭素直接結合で連結したポリフェニレン型の高分子電解質が記載されている。しかし、この発明においては、プロトン伝導性やガス透過性、耐熱性を付与するためのミクロ相分離構造を精密に制御することを目的としており、そのために、親水性モノマーのスルホン酸基は電子供与性基を含む連結基で芳香環に接続されており、その製造プロセスは煩雑である。
また、炭化水素系電解質膜は水に膨潤しやすく、燃料電池運転条件下の乾燥と湿潤の繰り返し過程において膜が機械的に劣化し、破損にいたるという課題もあった。炭化水素系電解質膜の機械強度を改善し、機械的耐久性を改良する方法として、架橋の導入(特許文献7)や補強材との複合化(特許文献8)等が検討されているが、電解質膜に必要とされる十分な耐久性を有するまでには至っていない。
特開平10−21943号公報 特開2005−126684号公報 特開2007−177197号公報 特開2008−88420号公報 特開2012−229418号公報 特開2013−191375号公報 特開2007−31573号公報 特開2002−37986号公報
「Polymer」、2009年3月、第50巻、第7号、p.1671−1681
前記従来技術は、酸化劣化に対する耐性の問題と、水に対する耐膨潤性の問題があった。
本発明は、高いプロトン伝導度を発現し、燃料電池の運転条件下においても酸化劣化に対する耐性が高く、水に対する耐膨潤性が改良され、簡便な反応を用いて製造することのできる、燃料電池用の電解質膜としての使用に好適な炭化水素系高分子電解質及びその膜を提供する。
本発明は、下記一般式(2)で表されるポリフェニレンオリゴマー骨格(但し、芳香環上にアルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン、パーフルオロアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい)を有し、末端がハロゲンである化合物に関する。
(式中、a、b、cは0〜50の整数。但し、2≦a+b+c≦50を満足する。)
前記bが1以上の整数であることが好ましい。前記a+b+cの値が3〜10であることが好ましい。
前記一般式(2)表されるポリフェニレンオリゴマー骨格が、下記式群(3)から選ばれる構造であることが好ましい。
前記化合物は下記化学式で表される構造を有することが好ましい。
前記化合物は高分子電解質の疎水性セグメントの前駆体として用いてもよい。
本発明の高分子電解質は、高いプロトン伝導度を発現し、燃料電池の運転条件下においても酸化劣化に対する耐性が高く、水に対する耐膨潤性が改良され、効率よく合理的に製造することができる。
本発明の実施例1と比較例1の各電解質膜のプロトン伝導度を示すグラフである。 本発明の実施例1と比較例1の各電解質膜の引張特性を示すグラフである。 本発明の実施例1と比較例1の各電解質膜の貯蔵弾性率(E’)を示すグラフである。 本発明の実施例1と比較例1の各電解質膜の損失弾性率(E’’)を示すグラフである。 本発明の実施例1と比較例1の各電解質膜の損失正接(tanδ)を示すグラフである。 本発明の実施例1の電解質膜のIV特性を示すグラフである。 本発明の実施例1の電解質膜のOCV耐久性試験結果を示すグラフである。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、スルホン酸基が導入されていない、主鎖が主に芳香環からなる疎水性セグメント、及び、スルホン酸基が導入され、主鎖が主に芳香環からなる親水性セグメントから構成される共重合体を含み、疎水性ブロックを構成する芳香環が、炭素−炭素直接結合で連結され、親水性セグメントのスルホン酸基が芳香環に直接結合し、かつ、疎水性セグメントと親水性セグメントが芳香環の炭素−炭素直接結合で連結されている高分子電解質が、簡便なプロセスで製造することができ、高いプロトン伝導度を有し、かつFenton試験のような厳しい酸化条件下においても高い耐久性を発現するとともに、高い耐膨潤性を示すことを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の好ましい態様としては、疎水性セグメントが、下記式群(1)で表される2価の基(当該2価の基は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン、パーフルオロアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい)から選ばれる少なくとも1種、又は2種以上を構成単位として有する。
本発明のさらに好ましい態様としては、疎水性セグメントが、一般式(2)で表される構造を有する前駆体から誘導される高分子電解質である。
(式中、a,b,cは0〜50の整数。但し、2≦a+b+c≦50を満足する。)
本発明のさらに好ましい態様としては、上記式(2)のb又はcの少なくとも一方が1〜50の整数である高分子電解質である。
本発明のさらに好ましい態様としては、疎水性セグメントが、下記式群(3)から選ばれる構造を有する前駆体から誘導される。
本発明のさらに好ましい態様としては、親水性セグメントが、下記式群(4)から選ばれる構造を有する前駆体から誘導される。
(式中、mは1〜4の整数、k、lは0〜4の整数を表し、k+lは1以上の整数である。Pは0〜10の整数、qは0〜10の整数、rは1〜4の整数を表す。Xは、−CO−、−SO2−、−C(CF32−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を表し、Yは、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2t−(tは1〜10の整数)、−C(CF32−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を表し、Zは直接結合又は、−(CH2o−(oは1〜10の整数)、−C(CH32−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を表す。Ar1は、−SO3H又はO(CH2sSO3H(sは1〜12の整数)で表される置換基を有する芳香族基を表す。
本発明のさらに好ましい態様としては、一般式(5)で表される高分子電解質である。
(式中、xは1〜2000の整数、yは1〜1500の整数)
この化学構造であれば、疎水性セグメントを構成する複数の芳香環は、疎水性セグメントを構成する芳香環の炭素−炭素直接結合で連結され、疎水性セグメントと親水性セグメントの芳香環は、疎水性セグメントと前記親水性セグメントを構成する芳香環の炭素−炭素直接結合で連結されていることにより、高い耐酸化性を有する。また、主鎖中に、エーテル結合やスルホン基、カルボニル基等の極性基を含まないため疎水性が強く、高い耐膨潤性を有する。また、疎水性セグメントは中央にパラフェニレン基が位置し、その両サイドにメタフェニレン基が位置していることにより、剛直性と柔軟性がバランスした構造となる。
本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は以下の説明に限定されるものではない。
本発明の高分子電解質は、スルホン酸基を有さない、主鎖が主に複数の芳香環からなる疎水性セグメント、及び、スルホン酸基が導入され、主鎖が主に芳香環からなる親水性セグメントから構成される共重合体を含み、疎水性セグメントを構成する芳香環が、炭素−炭素直接結合で連結され、親水性セグメントのスルホン酸基が芳香環に直接結合し、かつ、疎水性セグメントと親水性セグメントが芳香環の炭素−炭素直接結合で連結されている。
疎水性セグメントを構成する芳香環が炭素−炭素直接結合で連結され、エーテル結合やチオエーテル結合などのヘテロ結合を含まず、また、疎水性セグメントと親水性セグメントも芳香環の炭素−炭素直接結合で連結されているため、燃料電池運転下の厳しい酸化条件に対し、高い耐久性を発現する。
芳香環が炭素−炭素直接結合で連結されている疎水性セグメントの構造に特に限定はないが、下記式群(1)で表される2価の基(当該2価の基は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン、パーフルオロアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい)を少なくとも1種、構成単位として有する構造であることが好ましい。
芳香環どうしの結合様式としては、フェニレン基の場合、1,2−、1,3−、1,4−結合が可能である。また、ナフチレン基の場合、1,2−、1,3−、1,4−、2,3−、1,5−、1,6−、1,7−、1,8−、2,6−、2,7−結合が可能である。ここで、疎水性セグメントの主鎖に沿って、屈曲構造が導入されていると、溶媒への溶解性が高まり、高分子電解質の製造、及び、製膜が行いやすくなるので好ましい。すなわち、1,4−フェニレン基以外のフェニレン基、又は、1,4−ナフチレン基以外のナフチレン基の少なくとも一つを有していることが好ましい。上記式群(1)のうち、原料の入手性の観点から、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基が好ましい。
疎水性セグメントは、その前駆体となるものを、後述するように親水性セグメントの前駆体と共重合させることにより形成される。ここで前駆体とは、後述する共重合反応により疎水性、または親水性のセグメントとなる、反応部位を持つ単独高分子のことをいう。疎水性セグメント前駆体を共重合させることにより、式群(1)に示すような構造を構成単位とする疎水性セグメントが形成される。
そのような疎水性セグメントの前駆体としては、例えば、下記式群(2)で表されるポリフェニレンオリゴマー骨格(但し、芳香環上にアルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン、パーフルオロアルキル基から選ばれる置換基を有していてもよい)を有する化合物を例示することができる。
(式中、a、b、cは0〜50の整数。但し、2≦a+b+c≦50を満足する。)
a+b+cの値、すなわちフェニレン基の重合度としては、2〜50が好ましく、3〜10の範囲がより好ましい。a+b+cが50より大きいと、溶媒に対する溶解度が低くなり、本発明の高分子電解質を製造することが困難となる。
上記のように、疎水性ブロックは、主鎖に沿って屈曲構造が導入されていることが好ましく、従って、式2におけるbとcの少なくとも一つは、1以上の整数であることが好ましい。bとcがいずれもゼロである場合、疎水性セグメントは、ポリ−p−フェニレン骨格となり、溶媒への溶解性が低下して、ハンドリングが困難になることがある。
式(2)の構造を具体的に例示するならば、以下の[化11]に示すものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中でも、原料の入手性、製造のしやすさ、得られる疎水性セグメント前駆体のハンドリングのしやすさの観点から、下記式群(3)に示す構造のものが好ましい。
これらの疎水性セグメント前駆体は、芳香環がすべて炭素−炭素直接結合で連結されており、また、後述するように親水性セグメント前駆体と反応して炭素−炭素結合を形成するための反応部位を有している必要がある。従って、疎水性セグメント前駆体の製造は、それらの条件を満たす反応プロセスと原料を用いる必要がある。
本発明における疎水性セグメント前駆体の製造法としては特に限定はないが、芳香環の炭素−炭素直接結合を形成させる反応を適切に用いることによって製造することができる。そのような反応としては、ハロゲンを有する芳香族化合物を金属銅を用い、加熱してカップリングさせるUlmannカップリング反応、ボロン酸を有する芳香族化合物とハロゲンを有する芳香族化合物を、パラジウム系触媒を用いて反応させる鈴木−宮浦カップリング反応、芳香族ハロゲン化物どうしを、ニッケル系化合物を用いてカップリングさせる反応等が好適に用いられる。これらのうち、反応を穏和な条件で行うことができ、さらに所望の位置に炭素−炭素結合を形成させることができ、かつ、副反応が少ないという点で、パラジウム系触媒や、ニッケル系化合物を用いたカップリング反応が好ましい。また、親水性ブロック前駆体と反応するための官能基が、カップリング反応時に消費されないことが必要なため、官能基選択性の高いパラジウム系触媒を用いたカップリング反応が好ましい。式(6)に、鈴木−宮浦カップリング反応を用いた疎水性セグメント前駆体の合成例を示した。ボロン酸基は臭素と反応するが、塩素とは反応しにくいため、塩素原子が残存し、芳香環が炭素−炭素直接結合で連結した化合物が得られる。末端に残る塩素原子を利用することにより、親水性セグメント前駆体と反応させることが可能になる。
鈴木−宮浦カップリング反応に用いられるパラジウム触媒としては、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム等の0価のパラジウム、酢酸パラジウム等の2価のパラジウム化合物が挙げられる。反応を促進するために、トリフェニルホスフィン、トリス(オルトトリル)ホスフィン等の配位子を添加してもよい。カップリング反応は、溶媒を用いても用いなくともよい。溶媒を用いる場合、溶媒としては、例えば、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、アルコール系溶媒等が挙げられる。炭化水素系溶媒としては、飽和脂肪族炭化水素、芳香族系炭化水素が挙げられ、例示するならば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等である。ハロゲン化炭化水素系溶媒としては、ハロゲン化飽和脂肪族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素等が挙げられる。ハロゲン化飽和脂肪族炭化水素としては、例えば、モノクロロメタン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、モノクロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等が挙げられ、取り扱いの容易さからジクロロメタンが好ましい。ハロゲン化芳香族炭化水素としては、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等が挙げられ、取り扱いの容易さからクロロベンゼンが好ましい。アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等が挙げられる。また、パラジウム触媒の溶解性を確保するために、水を共存させることも一般的に行われる。
鈴木−宮浦カップリング反応の反応温度は、反応に応じて適宜設定すればよく、具体的には0℃〜200℃に設定すればよく、より好ましくは50℃〜150℃である。0℃よりも低温であれば反応が遅くなり、目的とするカップリング反応が100%まで進行しない傾向があり、200℃よりも高温であれば副反応が起こる傾向がある。
反応時間は、疎水性ブロック前駆体の構造により適宜選択され得るが、通常1分間〜50時間程度の範囲内であればよい。1分間より短いとカップリング反応が十分進行しない傾向があり、50時間より長いと副反応が起こる傾向がある。
ニッケル系化合物を用いるカップリング反応におけるニッケル系化合物としては、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、テトラキストリフェニルホスフィンニッケル等の0価ニッケル化合物が好適に用いられる。また、臭化ニッケルや、ジクロロビストリフェニルホスフィンニッケル等の2価のニッケル化合物を、亜鉛等の還元剤存在下に触媒量使用することもできる。反応を促進するために、トリフェニルホスフィンや、2,2‘−ビピリジル等の配位子を併用してもよい。
溶媒は用いても用いなくてもよいが、溶媒を用いる場合、炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系の他、非プロトン性の極性溶媒を使用することができる。炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系溶媒としては、上記の鈴木−宮浦カップリング反応に用いたものを例示することができる。また、非プロトン性極性溶媒としては、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド等を挙げることができる。
反応温度は使用する化合物の反応性を考慮して決定すればよく、好ましくは、0℃〜200℃、さらに好ましくは30℃〜100℃である。0℃未満であると、反応が遅くなる傾向があり、200℃を超えると、副反応が起こる傾向がある。
反応時間は、疎水性セグメント前駆体の構造により適宜選択され得るが、通常1分間〜50時間程度の範囲内であればよい。1分間より短いとカップリング反応が十分進行しない傾向があり、50時間より長いと副反応が起こる傾向がある。
本発明の高分子電解質を構成するスルホン酸基が導入された親水性セグメントは、スルホン酸基を有し主鎖が主に芳香環からなり、かつ、スルホン酸基が芳香環に直接結合しているものである。親水性セグメントがスルホン酸基を有するので、高分子電解質のプロトン伝導性が発現し、主鎖が主に芳香環からなるので、耐熱性、化学的耐久性に優れるものになる。
本発明におけるスルホン酸基としては、例えば、スルホン酸基、スルホン酸基の塩、スルホン酸エステル基等が挙げられる。すなわち、スルホン酸基は、例えば、ナトリウム、カリウム等の塩になっていてもよいし、ネオペンチルエステル、メチルエステル、プロピルエステル等のエステル基で保護されていてもよい。特に親水性セグメント前駆体の合成中や合成後は、塩やエステル等の保護基を有する状態になっているのが好ましいことが多いが、当該高分子電解質が、例えば燃料電池の電解質膜として用いられる場合は、無機酸の水溶液等に浸漬することにより、スルホン酸基に変換して使用されることが多い。よって、本発明においては、スルホン酸基としては、容易にスルホン酸基になる状態の基であれば、塩やエステル等の保護基を有する状態の基も含まれる。
スルホン酸基の量は、親水性セグメントを形成する繰り返し単位当たり、1〜6個が好ましく、1〜4個がより好ましい。6個よりスルホン酸基の量が多くなると、親水性セグメントの水溶性が高くなり、合成中の取り扱いが難しくなる傾向がある。1個より少ないと十分なプロトン伝導性が発現しにくくなる傾向がある。
本発明における親水性セグメントは、主に芳香環からなるものである。ここで「主に芳香環からなる」とは、親水性セグメントにおける主鎖の連結基(エーテル基、チオエーテル基、スルホン基、ケトン基、スルフィド基等)以外の部分の分子量を100%とした場合、その70%以上が芳香環からなるということを意味する。芳香環としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル、硫黄や窒素等を含む芳香族複素環等が挙げられる。主鎖が主に芳香環からなると、化学的熱的な安定性が高い。このような主鎖構造としては、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリケトン、ポリスルホン、ポリスルフィド、ポリフェニレン、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール等が例示される。これらのなかでも、当該親水性セグメントは、下記一般式群(4)に記載の構造の少なくとも1つを有する前駆体を用いるのが好ましい。ここで前駆体とは、後述する共重合反応により親水性セグメントとなる、反応部位を持つ繰り返し単位のことをいう。
(式中、mは1〜4の整数、k、lは0〜4の整数を表し、k+lは1以上の整数である。Pは0〜10の整数、qは0〜10の整数、rは1〜4の整数を表す。Xは、−CO−、−SO2−、−C(CF32−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を表し、Yは、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2t−(tは1〜10の整数)、−C(CF32−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を表し、Zは直接結合又は、−(CH2o−(oは1〜10の整数)、−C(CH32−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を表す。Ar1は、−SO3H又はO(CH2sSO3H(sは1〜12の整数)で表される置換基を有する芳香族基を表す。)
一般式群(4)で表される親水性セグメント前駆体の構造を具体的に例示するならば下記(化15)などである。
親水性セグメント前駆体は、疎水性セグメント前駆体と共重合して炭素−炭素直接結合を形成するので、上記の具体例の構造は、そのための反応部位を有している必要がある。そのような反応部位は、疎水性セグメント前駆体が有する反応部位の種類、及び共重合時に使用する反応の種類に応じて選択される。具体的には、本発明の高分子電解質の製造法の項で述べる。
スルホン酸基を有する親水性セグメント前駆体は、対応する芳香族系化合物に、スルホン酸化剤を作用させることにより製造することができる。スルホン酸化剤としては公知のものを使用することができ、例示するならば、硫酸、無水硫酸、クロロスルホン酸、アセチル硫酸、発煙硫酸などである。クロロスルホン酸、発煙硫酸が適度な反応性を有しているために好ましい。スルホン酸化反応において、溶媒は用いても用いなくてもよい。溶媒を用いる場合、溶媒としては、スルホン酸化剤に対して不活性なものであればよく、例えば、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素等が挙げられる。炭化水素系溶媒としては、飽和脂肪族炭化水素が挙げられ、特に炭素数5〜15の直鎖状又は分岐状の炭化水素が好ましく、溶解度の点から、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカンがより好ましい。ハロゲン化炭化水素としては、ハロゲン化飽和脂肪族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素等が挙げられる。ハロゲン化飽和脂肪族炭化水素としては、例えば、モノクロロメタン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、モノクロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等が挙げられ、取り扱いの容易さからジクロロメタンが好ましい。ハロゲン化芳香族炭化水素としては、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等が挙げられ、取り扱いの容易さからクロロベンゼンが好ましい。
スルホン酸化工程の反応温度は、反応に応じて適宜設定すればよく、具体的にはスルホン酸化剤の最適使用範囲である−80℃〜200℃に設定すればよく、より好ましくは−50℃〜150℃であり、さらに好ましくは−20℃から130℃である。−80℃よりも低温であれば反応が遅くなり、目的とするスルホン酸化が100%まで進行しない傾向があり、200℃よりも高温であれば副反応が起こる傾向がある。スルホン酸化工程の反応時間は、原料となる芳香族系化合物の構造により適宜選択され得るが、通常1分間〜50時間程度の範囲内であればよい。1分間より短いと均一なスルホン酸化が進行しない傾向があり、50時間より長いと副反応が起こる傾向がある。
スルホン酸化工程におけるスルホン酸化剤の添加量は、原料の芳香族系化合物に含まれるスルホン酸化される部位の全量を1当量とした場合、1当量〜50当量であることが好ましい。1当量より少ないと、スルホン酸化される部位が不均一になる傾向があり、一方、50当量より多いと副反応が起こる傾向がある。
スルホン酸化工程における原料の芳香族系化合物の濃度は、スルホン酸化剤と接触させた場合に均一に反応が進行すれば特に限定されないが、副反応が起きにくくすることと、溶媒量抑制によるコスト優位性の観点から、スルホン酸化反応に用いた化合物全体の重量に対して1〜30重量%であることが好ましい。
親水性セグメントのみのイオン交換容量(以下、イオン交換容量をIECと示すこともある)は、高分子電解質膜としてのIECが高く設定でき、また低加湿下で高いプロトン伝導性を発現することができる点から、2.0meq./g以上であることが好ましい。meq./gは、ミリ当量/gを意味する。親水性セグメントのIECは、NMRの分析による計算や、共重合により得られた電解質のIEC(従来公知の方法、例えば滴定等により容易に求められる)を、親水性セグメントの重量割合で除すること等により求めることができる。
次に、本発明の高分子電解質の製造法について説明する。本発明の高分子電解質の製造法に制約はないが、親水性セグメントと、疎水性セグメントの前駆体を製造しておき、それらを連結する方法が好ましく用いられる。本発明においては、親水性セグメントと疎水性セグメントが芳香環の直接結合で連結されるので、それぞれのセグメントの前駆体は、上記のように、直接結合で連結されるための官能基を有している必要がある。
例えば、疎水性セグメント前駆体と親水性セグメント前駆体の末端を、いずれもハロゲンとしておき、金属銅を用いたUlmannカップリング反応や、特許文献5に記載されている方法に従い、遷移金属化合物を用いてカップリングする方法を用いることができる。遷移金属化合物としては、ニッケル系化合物、パラジウム系化合物が好ましく用いられ、好ましくは、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、テトラキストリフェニルホスフィンニッケル等の0価ニッケル錯体が用いられる。また、ジクロロビストリフェニルホスフィンニッケル等の2価のニッケル錯体を、亜鉛等の還元剤の存在下に使用してもよい。
また、親水性セグメント前駆体と疎水性セグメント前駆体の一方にボロン酸官能基を導入し、他方にハロゲンを導入しておき、パラジウム触媒を用いた鈴木−宮浦カップリング反応を用いることもできる。パラジウム触媒、あるいはニッケル系化合物を用いるカップリング反応では、使用する溶媒、反応温度、反応時間は、疎水性セグメント前駆体の製造の項に記載した条件を採用することができる。
以上のようにして得られる高分子電解質の数平均分子量は、1,000〜500,000が好ましく、より好ましくは5,000〜200,000であり、さらに好ましくは、7,000〜100,000である。数平均分子量が1,000より小さいと膜にした場合の強度が不足する傾向があり、一方、500,000より大きいと、溶媒への溶解性が低下し、ハンドリング性が悪化する傾向がある。当該数平均分子量は、後述の実施例に記載の方法から求めることができる。
親水性セグメントと疎水性セグメントから構成される共重合体を含む高分子電解質には、スルホン酸基が0.5〜4.0meq./gの割合で含まれることが好ましく、1.2〜3.8meq./gがより好ましく、1.4〜3.6meq./gがさらに好ましい。0.5meq./g未満であると、プロトン伝導度が不十分となる傾向があり、4.0meq./gを超えると、膜とした場合に強度を維持することが困難となる傾向がある。
以上の方法により得られる高分子電解質は、使用する原料や反応の組み合わせにより、種々の構造を取り得る。それらの中でも、一般式(5)の構造を有する高分子電解質が特に好ましい。
(式中、xは1〜2000の整数、yは、1〜1500の整数を表す)
一般式(5)の高分子電解質における親水性セグメントは、原料が入手しやすいとともに、親水性セグメントにおけるスルホン酸基当量が高く、他の親水性セグメントに比較して、より少ない使用量で、高いプロトン伝導率が得られるというメリットがある。また、疎水性セグメントは、比較的安価な原料を用い、比較的短い反応ステップで得ることができ好ましい。一般式(5)におけるxは1〜2000の整数、yは1〜1500の整数であり、好ましくは、xは2〜1000の整数、yは、5〜500の整数であり、さらに好ましくは、xは3〜400の整数、yは、6〜250の整数である。xの値が2000より大きいと、高分子電解質の親水性が高くなりすぎ、膨潤耐性が低くなったり、水に溶解してしまう可能性がある。一方、yが1500を越えると、溶媒に溶解しにくく、成形性が低下する。
本発明の高分子電解質は、様々な産業上の利用が考えられ、その利用(用途)については、特に制限されるものではないが、高分子電解質膜、燃料電池用触媒層、膜/電極接合体、燃料電池に好適である。
本発明にかかる高分子電解質膜は、上記高分子電解質を任意の方法で膜状に成型したものである。このような製膜方法としては、公知の方法が適宜使用され得る。上記公知の方法としては、例えば、ホットプレス法、インフレーション法、Tダイ法などの溶融押出成形、キャスト法、エマルション法などの溶液からの製膜方法が例示され得る。例えば溶液からの製膜方法としては、キャスト法が例示される。これは粘度を調整した高分子電解質の溶液を、ガラス板などの平板上に、バーコーター、ブレードコーターなどを用いて塗布し、溶媒を気化させて膜を得る方法である。工業的には溶液を連続的にコートダイからベルト上に塗布し、溶媒を気化させて長尺物を得る方法も一般的である。
さらに、高分子電解質膜の分子配向などを制御するために、得られた高分子電解質膜に対して二軸延伸などの処理を施したり、結晶化度を制御するための熱処理を施したりしてもよい。また、高分子電解質膜の機械的強度を向上させるために各種フィラーを添加したり、ガラス不織布などの補強剤と高分子電解質膜とをプレスにより複合化させたりすることも、本発明の範疇である。
高分子電解質膜の厚さは、用途に応じて任意の厚さを選択することができる。例えば、得られる高分子電解質膜の内部抵抗を低減することを考慮した場合、高分子電解質膜の厚みは薄い程よい。一方、得られた高分子電解質膜のガス遮断性やハンドリング性を考慮すると、高分子電解質膜の厚みは薄すぎると好ましくない場合がある。これらを考慮すると、高分子電解質膜の厚みは、1.2μm以上350μm以下であることが好ましい。上記高分子電解質膜の厚さが上記数値の範囲内であれば、取り扱いが容易であり、破損が生じ難いなどハンドリング性が向上する。また、得られた高分子電解質膜のプロトン伝導性も所望の範囲で発現させることができる。
なお、本発明の高分子電解質膜の特性をさらに向上させるために、電子線、γ線、イオンビーム等の放射線を照射させることも可能である。これらにより、高分子電解質膜中に架橋構造などが導入でき、さらに性能が向上する場合がある。またプラズマ処理やコロナ処理などの各種表面処理により、高分子電解質膜表面の触媒層との接着性を上げるなどの特性向上を図ることもできる。
本発明の高分子電解質膜は、イオン交換容量が0.5meq./g以上であることが好ましく、1.2meq./g以上であることがより好ましく、1.4meq./g以上であることがさらに好ましい。また、4.0meq./g以下であることが好ましく、3.8meq./g以下であることがより好ましく、3.6meq./g以下であることがさらに好ましい。0.5meq./g未満であるとプロトン伝導性が低くなりすぎる傾向があり、4.0meq./gを超えると水による膨潤で機械強度が著しく低下する傾向がある。
本発明の燃料電池用触媒層は、本発明の高分子電解質を含有してなるものである。具体的には、当該燃料電池用触媒層は、上述の高分子電解質、燃料電池用触媒、必要に応じて撥水剤やバインダー樹脂から構成されるものである。本発明の高分子電解質を使用することにより、固体高分子形燃料電池や直接メタノール型燃料電池のアノード又はカソード触媒層に好適な、優れた発電特性を示すことができる。
本発明で使用される燃料電池用触媒は、当業者にとって従来公知の燃料電池用触媒であればよく、導電性触媒担体と当該導電性触媒担体に担持された触媒活性物質を含むものであればよく、その他の具体的な構成については特に限定されない。具体的には、燃料電池の電極反応に対して活性な触媒が使用される。アノード側では、燃料(水素やメタノールなど)の酸化能を有する触媒が使用される。
導電性触媒担体としては、具体的には、カーボンブラック、ケッチェンブラック(商品名)、活性炭、カーボンナノホーン、カーボンナノチューブなどの高表面積のカーボン担体が挙げられ、触媒担持能や電子伝導性、電気化学的安定性などから、これらの材料が好ましい。
触媒活性物質としては、具体的には、白金、コバルト、ルテニウム等が例示でき、これらを単独で、あるいはこれらの少なくとも一種を含んだ合金、さらには任意の混合物として使用しても構わない。特に燃料の酸化能、酸化剤の還元能、耐久性を考慮すると、白金又は白金を含む合金であることが好ましい。これらは必要に応じて、安定化や長寿命化のために、鉄、錫、希土類元素等を用い、3成分以上で構成してもよい。
本発明の燃料電池用触媒層は、本発明の高分子電解質、燃料電池用触媒及び溶媒を含む触媒インクを支持体上に塗布し、溶媒を除去することによって調製することができる。溶媒としては、高分子電解質を溶解でき、燃料電池用触媒を被毒しないものであれば何ら制限なく使用可能である。当該触媒インクは、必要に応じて非電解質バインダー、撥水剤、分散剤、増粘剤、造孔剤などの添加剤を含んでいても構わない。また、これらの添加剤は、当業者にとって従来公知のものが使用可能であり、その他の具体的な構成については特に限定されない。
前記組成及び方法で調製された触媒インクは、粘度や基材の種類に応じて、下記に示すような塗布方法が利用できる。前記触媒インクの基材への塗布方法としては、当業者にとって従来公知の塗布方法であればよく、その他の具体的な構成については特に限定されない。例えば、ナイフコーター、バーコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷などを利用する方法が列挙できるが、これらに限定されるものではない
本発明において、基材として高分子フィルムを使用した場合には、燃料電池用触媒層転写シートが、基材として導電性多孔質シートを使用した場合には、燃料電池用ガス拡散電極が、それぞれ製造できる。
本発明にかかる膜/電極接合体(以下、「MEA」と表記する)は、本発明の高分子電解質又は高分子電解質膜を用いてなる。かかるMEAは、例えば、燃料電池、特に、固体高分子形燃料電池に用いることができる。MEAを作製する方法は、従来検討されている、パーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質膜やその他の炭化水素系高分子電解質膜(例えば、スルホン酸化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン酸化ポリエーテルスルホン、スルホン酸化ポリスルホン、スルホン酸化ポリイミド、スルホン酸化ポリフェニレンサルファイドなど)で行われる公知の方法が適用可能である。
上述した例以外にも、本発明にかかる高分子電解質は、例えば特開2006−179298号公報等で公知になっている固体高分子形燃料電池の電解質として、使用可能である。これらの公知の特許文献に基づけば、当業者であれば、本発明の高分子電解質を用いて容易に固体高分子形燃料電池を構成することができる。
以下実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
各測定は以下のように行った。
(分子量の測定)
GPC法により分子量を測定した。条件は以下の通り。
GPC測定装置:HLC−8220(東ソー株式会社製)
カラム:SuperAW4000及びSuperAW2500(昭和電工株式会社製)の2本を直列に接続
カラム温度:40℃
移動相溶媒:NMP(N−メチルピロリドン、LiBrを10mmol/dm3になるように添加)
溶媒流量:0.3mL/min
標準物質:TSK標準ポリスチレン(東ソー株式会社製)
以下、標準ポリスチレンで換算した数平均分子量をMnと表記し、標準ポリスチレンで換算した重量平均分子量をMwと表記する。
(イオン交換容量の測定)
測定サンプルとして、酸処理後の膜を10〜20mg切り出し、80℃で減圧乾燥し、乾燥重量(Wdry)を測定した。この膜を、飽和NaCl水溶液(30mL)に室温で24時間浸漬させることで、イオン基をH+型からNa+型へ変換した。その後得られた溶液に含まれるHClを、電位差自動滴定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)を用いて0.01M NaOH水溶液により定量し、以下の式を用いてイオン交換容量IEC値を算出した。同一の膜について2サンプル作成し、2回の測定の平均値を滴定による算出IEC値とした。
(膨潤率の測定)
約2cm×3cmにカットした高分子電解質膜のサンプルを準備し、サンプルを室温で純水に6時間浸漬した。浸漬直後のサンプル、およびそれを100℃で2時間真空乾燥を行って絶乾状態としたサンプルの膜厚方向の寸法変化、および重量を測定し、変化率を計算した。膜厚方向については、3箇所の寸法変化を測定し、その平均値を結果とした。
(プロトン伝導度の測定)
電解質膜のプロトン伝導度測定は、日本ベル株式会社製電解質評価装置(MSB−AD−V−FC)を用いて行った。チャンバー内温度は80℃一定で、相対湿度(RH)20%、40%、60%、80%、及び、90%の条件下で行った。測定は、RH=20%→40%→60%→80%→90%→80%→60%→40%→20%を1サイクルとして、2サイクル目の湿度降下時の値を測定結果として用いた。サンプルのサイズは1.0cm×3.0cm、Auプローブ間の距離は1.0cmとし、Solartron 1255B/1287(株式会社東陽テクニカ製)を用いて、交流4端子法(300mV、1−100000Hz)により測定を行った。インピーダンスZはボードプロットにより位相角が0°に近い値でかつ1000Hzに近い値を用いた。導電率σ(S/cm)は次式により計算した。
σ=(L/Z)×1/A
ここでLはAuプローブ間の距離(1.0cm)、Aはサンプルの断面積(1cm×膜厚Xcm)である。
(弾性率の評価)
電解質膜(0.5cm×3cm)を、アイティー計測制御株式会社製DV−200を用いて行った。測定周波数10Hz、80℃一定での1%RH/minの湿度上昇速度における相対湿度0%RHから90%RHの貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率(E’’)、及び、損失正接(tanδ)の各データを取得した。測定は3サイクル行い、3サイクル目のデータを使用した。
(耐酸化性の評価(Fenton試験))
約1×3 cmほどの膜(約30 mg)を用意した。この膜を50 mLのFenton溶液(2 ppm FeSO4を含む3% H2O2)中に加え、80℃で1時間、浸漬した。
(引張特性の評価)
温度・湿度制御チャンバー(Bethel-3A,Toshin Kogyo)を備えた引張試験機(AGS-J500N,Shimadzu)を測定に用いた。ダンベル状に膜サンプルをカットし(DIN-53504-S3,35mm×6mm (total),12 mm×2mm(test area))、応力ひずみ曲線を得た。測定条件は、60% RHかつ80℃において、引張速度10mm/minとした。
(燃料電池発電試験(IV試験))
試験に使用する燃料電池セルを以下のようにして作製した。Pt/CB触媒(田中貴金属工業製 TEC10E50E)、Nafion(商品名)分散液(Dupont製 D-521、IEC=0.95-1.03 mmol/g)、脱イオン水、エタノールを、ボールミルを用いて30分混合し、触媒ペーストを得た。Nafion(商品名)バインダーと、炭素担体の質量比は、0.7に調整した。電解質膜の両面に、触媒ペーストをスプレー塗布し、60 ℃で12時間乾燥させ、さらに140 ℃、10 kgfの条件で3分間ホットプレスして触媒塗布電解質膜(CCM)とした。触媒層の有効面積、および白金担持量は、それぞれ、4.41 cm2、0.50±0.02 mg/cm2とした。CCMをガス拡散層(SGLカーボン製 29BC)ではさみ、アノード、カソード両極ともサーペンタイン型ガス流路を有するカーボンセパレーターを有するセルに組み込んだ。
上記のセルを用い、温度80℃、相対湿度100%または30%において電圧−電流特性(IV特性)を測定した。純水素、純酸素をそれぞれアノード、カソードに供給した。ガスの利用率はアノードで70%、カソードで40%であった。セルの高周波抵抗(HFR)は、AC milliohmmeter(鶴賀電機製 Model 3356)を用いて1.0 kHzで測定した。
(開回路電圧耐久試験(OCV試験))
上記のセルを用いてOCV耐久性試験を80 ℃、相対湿度30%で1000時間行った。純水素と空気の流量は、それぞれ100 mL/minとした。
<合成例1>
3,3''-dibromo-para-terphenylの合成
リービッヒ冷却器を備え、窒素パージしている1 L一口フラスコ中に、1,4-phenylenediboronic acid(9.76 g, 58.9 mmol)、1-bromo-3-iodobenzene (50.0 g, 177 mmol)、tri(ortho-tolyl)phosphine (P(o-tol)3: 1.34 g, 4.42 mmol)、2 M炭酸カリウム水溶液(100 mL, 200 mmol)、toluene (320 mL)及びethanol (120 mL)を加えた。次いで得られた懸濁液中にpalladium acetate (198 mg, 0.883 mmol)を加えて80 °Cで18時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、超純水及びtolueneで希釈後不溶物を商品名" Celite"でろ別した。ろ液2層を分離後、水層をtolueneで抽出し合わせた有機層を減圧下濃縮した。得られた残渣にmethanolを加えて超音波をかけると、固体が析出した。生じた固体をろ過により回収し、methanol洗浄及び60 °Cにて減圧乾燥することで中間体である3,3''-dibromo-para-terphenylを淡黄色固体として得た(15.6 g, 68%収率)。
<合成例2>
3,3''''-Dichloro-1,1':3',1'':4'',1''':3''',1''''-quinquephenylの合成
リービッヒ冷却器を備え、窒素パージしている500 mL一口フラスコ中に、先に得られた3,3"-dibromo-para-terphenyl (15.6 g, 40.2 mmol)、3-chlorophenylboronic acid (25.2 g, 161 mmol)、炭酸ナトリウム(17.1 g, 161 mmol)、DMF (120 mL)及び超純水(160 mL)を加えた。次いで得られた懸濁液中にpalladium acetate (903 mg, 4.02 mmol)を加えて60 °Cで24時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、超純水及びtolueneで希釈後不溶物をCeliteRでろ別した。ろ液を超純水で洗浄し、減圧下濃縮した。得られた残渣にmethanolを加えて超音波をかけ、生じた灰色固体をろ取、methanol洗浄し、さらに得られた固体をethyl acetate/dichloromethane (1/2, 約700 mL)中に再度溶かし、活性炭素(約2 g)を加えることで不純物を除去した。活性炭素をろ別後、ろ液を減圧下乾燥することで最終的に目的とするquinquephenyl dichloroモノマーを白色固体として得た(14.2 g, 収率78%)。中間体及びquinquephenyl dichloroモノマーは1H NMR及び13C NMRスペクトルで構造を確認した。
<合成例3>
還流管とDeanStark管を取り付けた500mLの4つ口フラスコに、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(31.6g,110mmol)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン(21.4g,100mmol)、炭酸カリウム(20.7g,150mmol)、ジメチルアセトアミド(200mL)、及びトルエン(50mL)を加えた。混合物を170℃に加熱し、生成した水を除去しながら35時間、攪拌を続けた。4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(0.5g)を追加し、さらに5時間攪拌した。混合物を、濾紙を用いて濾過し、過剰の炭酸カリウムを除去した後、濾液を500mLのメタノールに注いで、生成物を再沈殿させた。生成物を減圧下、70℃で4時間乾燥させた後、500mLの純水で、60℃で2回洗浄、さらに500mLのメタノールで60℃で1回洗浄し、減圧下、70℃で一晩乾燥させ、下式の疎水部オリゴマーを41.5g得た。GPCによる分子量はMn=5400、Mw=13900であった。
(実施例1)
リービッヒ冷却器とディーン・スタックトラップを備え、窒素パージしている三口フラスコ中へ、2,5-Dichlorobenzenesulfonic acid dihydrateモノマー(2.5 mmol)とQuinquephenyl dichloroモノマー(1.1 mmol)、2,2'-bipyridine(11 mmol)、炭酸カリウム(2.8 mmol)を加え、Dimethyl sulfoxide(DMSO) (22 mL)へ溶解した。脱水操作のために、共沸剤として脱水toluene (4 mL)を加えた。最初に170℃へと昇温し、脱水操作を2時間行った。水とtolueneを除去後、80℃へと温度を下げ、Bis(1,5-cyclooctadiene)nickel(0) (11 mmol)を加えてUllmannカップリング反応を開始した。3時間反応後放冷し、メタノール中へと滴下した。得られた黒色固体を塩酸洗浄2回、純水洗浄3回行い、真空乾燥することで黄色の目的物を収率97%で得た。
合成した重合体をDMSO中で加熱撹拌することにより溶解させ、ガラスフィルターG3により不純物を取り除き、ポリマー溶液をシリコンゴムで縁取りしたガラス板に流し込み、60℃のホットプレート上で加熱乾燥した。得られた膜を1mol/Lの硫酸水溶液中で一晩処理し、その後純水で洗浄した。この膜をメンブレンフィルターとガラス板を用いてはさみ、重しをのせて、水がなくなるまで大気中で乾燥した。
得られた高分子電解質膜の平均分子量、イオン交換容量(IEC)、膨潤度、および耐酸化性(Fenton試験)の評価を、上記の方法に従い実施した。結果を表1に示した。プロトン伝導度、引張試験、粘弾性測定、IV試験、OCV試験、についても上記の方法に従い実施し、結果を図1〜7に示した。
(比較例1)
リービッヒ冷却器とディーン・スタックトラップを備え、窒素パージしている三つ口フラスコ中へ、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸2水和物(0.825g,3.32mmol)、合成例3のオリゴマー(0.394g,0.165mmol)、炭酸カリウム(0.477g,3.45mmol)、2,2‘−ビピリジル(1.19g,7.62mmol)、ジメチルスルホキシド(14mL)、トルエン(3mL)を仕込んだ。170℃で2時間脱水を行なった。水とトルエンを除去後、80℃へと温度を下げ、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(2.0g,7.26mmol)を加えて重合を開始した。100℃に昇温し、4時間反応後、放冷し、6mol/L塩酸中へ滴下した。ろ過、洗浄、乾燥して、目的の電解質を0.78g得た(収率89%)。得られた電解質を実施例1と同様にして、精製、製膜した。平均分子量、イオン交換容量、膨潤度、耐酸化性(Fenton試験)の結果を表1、プロトン伝導度(Proton coductivity)、引張試験、粘弾性測定の結果を図1〜5に示した。
表1より、実施例の電解質膜は、耐酸化性試験の後も、分子量、イオン交換容量、重量の変化はほとんど認められず、高い耐酸化性を示した。一方、比較例1の電解質膜は、重量と分子量が大きく低下し、主鎖が分解したことがわかる。また、図1より、実施例の電解質膜は、比較例の電解質膜に比較してイオン交換容量が低いものの、高いプロトン伝導度を発現し、耐酸化性試験の後もほとんど低下しないことがわかる。図2より、実施例の電解質膜は比較例の電解質膜に比較して、分子量が低いものの、ほぼ同等な応力−歪特性を有し、耐酸化性試験後も、大きな物性低下がないことがわかる。実施例の電解質膜の耐酸化性の高さは、図7のOCV耐久性試験において、1000時間後にも、ほとんど開回路電圧が低下していないことからも見てとれる。表1より、実施例の電解質膜は、比較例の電解質膜に比較して膨潤度が小さく、また、図3〜5より、実施例の電解質膜は、比較例の電解質膜と同様に粘弾性の湿度依存性がほとんど認められず、高い機械的安定性を有することが期待される。さらに、実施例の電解質膜は、耐酸化性試験後においても、粘弾性特性はほとんど変化していないことがわかる。図6より、実施例の高分子電解質は、高い発電(IV)特性を有することがわかる。

Claims (2)

  1. 下記化学式で表される構造を有する化合物。
  2. 高分子電解質の疎水性セグメントの前駆体として用いる請求項1に記載の化合物。
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