JP6812598B1 - 紫外線照射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】汎用的な紫外線照射装置を提供すること。【解決手段】紫外線の遮蔽機能および柔軟性を有する袋状のシート体2であって、内部に気体の流路21、22があり、外部から前記流路21、22に流入する気体が通る吸気孔23と、前記流路21、22から外部に流出する気体が通る排気孔24とがあるシート体2と、前記シート体2に収容され、前記流路21、22を流れる気体に紫外線を照射する光源31、34と、を備える紫外線照射装置1。【選択図】図7

Description

本発明は、紫外線を照射した気体を排気する紫外線照射装置に関する。
紫外線を気体に照射し、殺菌およびウィルスを不活化した気体を吐出する紫外線照射装置が知られる(例えば特許文献1)。特許文献1の装置は、防塵マスクのフィルタカートリッジ等であり、フィルタ、中間部材、UV−LEDが筐体に収められて一体化されている。
フィルタにより濾過した空気は、中間部材を通過した後に、UV−LEDによって紫外線が照射され、装置外に排気される。該装置では、中間部材が蛍光体を有することにより発光し、UV−LEDによる殺菌不活化機能の作動を目視できるようになっている。
特開2019−141377号公報
特許文献1の装置は、防塵マスクのフィルタカートリッジ等としてしか利用できず、汎用的ではない。
本発明は、汎用的な紫外線照射装置を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、図1〜図14の符号を参照すると以下の通りである。
(1)紫外線の遮蔽機能および柔軟性を有する袋状のシート体2であって、内部に気体の流路21、22があり、外部から前記流路21、22に流入する気体が通る吸気孔23と、前記流路21、22から外部に流出する気体が通る排気孔24とがあるシート体2と、
前記シート体2に収容され、前記流路21、22を流れる気体に紫外線を照射する光源31、34と、
を備える紫外線照射装置1。
(2)(1)に記載の紫外線照射装置1において、
平らであり、前記シート体2に収容されて前記光源31、34と対向する不織布製のフレーム5を備え、前記フレーム5には、前記流路21、22を形成する流路壁6が立設される紫外線照射装置1。
(3)(2)に記載の紫外線照射装置1において、
前記フレーム5は、
前記フレーム5の長手方向である第1方向(X方向)の一方側にある第1フレーム部51と、
前記第1方向の他方側にある第2フレーム部52と、
前記第1方向の両端が前記第1、第2フレーム部51、52に接続し、前記第1方向と直交する第2方向(Y方向)の幅が前記第1、第2フレーム部51、52よりも狭い第3フレーム部53とを備え、
前記流路21、22は、前記第1フレーム部51から前記第3フレーム53部に至る第1流路21と、前記第2フレーム部52から前記第3フレーム部53に致る第2流路22とがあり、
前記光源31、34は、前記第1流路21を流れる気体に紫外線を照射する第1光源31と、前記第2流路22を流れる気体に紫外線を照射する第2光源34とを備える紫外線照射装置1。
(4)(3)に記載の紫外線照射装置1において、
前記流路壁6は、
前記フレーム5の縁に沿う縁壁61と、
前記第1フレーム部51にて前記縁壁61の間に立設され、前記第1流路21を蛇行させる第1流路壁62と、
前記第2フレーム部52にて前記縁壁61の間に立設され、前記第2流路22を蛇行させる第2流路壁63と、を備える紫外線照射装置1。
(5)(3)または(4)に記載の紫外線照射装置1において、
前記シート体2に収容され、前記第3フレーム部53上の気体の流れを検出するセンサ37と、
前記シート体2に収容されるプロセッサ39であって、前記気体の流れが検出されない場合は、前記第1、第2光源31、34に紫外線を照射させず、前記気体の流れが検出された場合は、前記第1、第2光源31、34に紫外線を照射させるプロセッサ39とを備える紫外線照射装置1。
(6)(1)から(5)のいずれか一つに記載の紫外線照射装置1において、
前記シート体2に収容され、前記光源31、34に電力を供給する充電池32、35と、
前記シート体2に収容されるとともに、一部が前記シート体2の外部に露出し、前記充電池32、35を充電する外部充電に接続可能なコネクタ41と、
前記シート体2に収容され、前記充電池32、35の充電中に前記第1、第2光源31、34に紫外線を照射させ、前記シート体2の内部を除菌するプロセッサ39とを備える紫外線照射装置1。
(7)(2)から(5)のいずれか一つに記載の紫外線照射装置1において、
前記シート体2の第1面240の内面は、前記フレーム5において前記流路壁6が無い側の面と対向し、前記第1面240の外面には、接着層241が積層される紫外線照射装置1。
(8)マスク本体10と、前記マスク本体10における人体と対向する内面に取り付けられる(1)から(7)のいずれか一つに記載の紫外線照射装置1と、を備えるマスク100。
(9)ファン43と、
前記ファン43が吸気する気体に紫外線を照射する光源31Aと、
前記紫外線の遮蔽機能を有し、前記ファン43および前記光源31Aを収容し、内部に気体の流路21Aがあり、外部から前記流路21Aに流入する気体が通る吸気孔23Aと、前記流路21Aから外部に流出する気体が通る排気孔24Aとがある筐体2Aと、
前記排気孔24Aが顔に向く姿勢で前記筐体2Aを人体に装着させる装着部8と、
を備える紫外線照射装置1A。
マスク100を示す図である。 マスク本体10の他の例を示す図である。 紫外線照射装置1が取り付けられた図2のマスク本体10の装着状態を示す図である。 紫外線照射装置1の平面図である。 紫外線照射装置1の縦断面図である。 フレーム5の斜視図である。 紫外線照射装置1に貼り付けられたマスク本体10の断面を示す模式図である。 第1流路壁62の効果を説明するための模式的な平面図である。 第1流路壁62の他の効果を説明するための模式的な断面図である。 回路素子のブロック図である。 紫外線照射装置1Aの使用状態を示す図である。 紫外線照射装置1Aの断面図である。 回路素子のブロック図である。 装着者が息を吐いた際の紫外線照射装置1の機能を示す平面図である。 装着者が息を吐いた際の紫外線照射装置1の機能を示すフレーム5の平面図である。
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1は、マスク100を示す図である。
マスク100は、マスク本体10と、マスク本体10における人体と対向する内面に取り付けられる紫外線照射装置1と、を備える。紫外線照射装置1は、マスク本体10の外面に取り付けられてもよい。
マスク本体10は、人体の装着時に口および鼻を覆う位置に、天然繊維または化学繊維の編織物または不織布である捕集体を位置づける。マスク本体10は、捕集体により、外部からの細菌、ウイルス、花粉、ホコリ等を捕集するとともに、咳やくしゃみによる人体側からの飛沫の飛散を抑制する。マスク本体10は、素材がガーゼまたは不織布で、形状が平型またはブリーツ型または立体型であってもよい。マスク本体10は、耳掛け部が無くてもよく、両面テープ等により口の周囲に接着されてもよい。
図2は、マスク本体10の他の例を示す図である。
本例のマスク本体10は、2枚の矩形の樹脂フィルム911、912が接合する本体91を備える。樹脂フィルム911、912は、矩形の境界93の外側に塗布された接着剤により接合する。本体91にて境界93内に生じる収容空間V内には、捕集体92が収容される。捕集体92は、ガーゼ等であり、マスク本体10の装着時に口および鼻を覆う領域に位置づけられる。図2中手前側の樹脂フィルム911において、捕集体92と重なる位置には複数の吸気孔921がある。図2中奥側の樹脂フィルム912には、同様に複数の吸気孔922がある。吸気孔921、922は、平面視でずれた位置にある。樹脂フィルム911、912としては、適宜の合成樹脂を使用でき、例えばポリスチレンやポリカーボネート、ポリエチレンテレフタラート、アクリル樹脂等の熱可塑性合成樹脂を使用できる。樹脂フィルム911、912は、有色であってもよいし、不透明であってもよい。樹脂フィルム911、912には、印刷等により画像が形成されていてもよい。
樹脂フィルム911には、マスク本体10を鼻の形に沿う形状に保持するアルミプレート等の保形部材94が取り付けられている。本体91の長手方向であるX方向両側には、耳掛け部96がある。耳掛け部96には、X方向と直交するY方向に延びる長孔95がある。耳掛け部96は、長孔95に耳が挿入されることで耳に掛けられる。耳掛け部96には、長孔95よりもX方向端側に、Y方向に延びるスリット97がある。スリット97は、本体91に入れられた切り込みである。スリット97にも耳を挿入できる。顔幅に合わせて、適宜の位置の長孔95またはスリット97を利用できる。長孔95およびスリット97は、両方ある必要はなく、いずれか一方があればよく、また、共にX方向に適宜の数を設けることができる。
図3は、紫外線照射装置1が貼り付けられた図2のマスク本体10の装着状態を示す図である。
紫外線照射装置1は、マスク本体10の内面に貼り付けられる。マスク本体10にポケットが設けられ、紫外線照射装置1は、該ポケットに差し込まれてもよい。紫外線照射装置1のマスク本体10への設置方法は適宜の方法を採用できる。紫外線照射装置1は、人が息を吸う際の負圧を利用して吸気し、吸気した空気に紫外線を照射して除菌、不活化して排気し、該除菌、不活化した空気を人体に供給する。本実施形態によれば、マスク本体10だけでは十分には濾過できないことがある菌やウイルス、例えば新型コロナウイルス等を除菌、不活化できる。また、紫外線照射装置1は、人が吐く息を吸気し、吸気した空気に紫外線を照射して除菌、不活化して排気する。
図4は、紫外線照射装置1の平面図である。紫外線照射装置1の図4中紙面奥側の面がマスク本体10に貼り付けられる面となる。
紫外線照射装置1は、長手方向であるX方向(第1方向)に延びる平たい形状をしている。紫外線照射装置1は、外装として、紫外線の遮蔽機能および柔軟性を有する袋状のシート体2を備える。シート体2は、紫外線UV−Cである波長200〜280nmの紫外線の遮蔽機能を有する。シート体2は、後述の光源31、34が照射する紫外線を99%以上遮蔽するものとするが、80%以上あるいは90%以上遮蔽してもよい。シート体2の素材は、適宜でよく、本実施形態ではビニール素材であるものとする。
シート体2は、X方向に延びる矩形体のX方向中央に窪みが形成された平面視逆U字状である。シート体2は、大略、X方向の一方側(図4の左側)にある第1吸気部210と、X方向の他方側(図4の右側)にある第2吸気部220と、第1、第2吸気部210、220の間にありX方向の両端が第1、第2吸気部210、220に接続する排気部230と、を備える。なお、本実施形態では、要素に付された「吸気」や「排気」は、マスク100の装着者が息を吸った際の要素の機能(吸気、排気)を表している。装着者が息を吐いた際には、これらの要素は、付された機能と逆の機能を働かせる。例えば、装着者が息を吐いた際には、排気部230は吸気し、第1、第2吸気部210,220は、排気する。以下では、特に断りを入れない場合、各要素の説明は、装着者が息を吸った際のものである。
シート体2には、内部に空気の流路21、22があり、吸気孔23と排気孔24とがある。吸気孔23には、装着者が息を吸った際に外部から流路21、22に流入する空気が通る。排気孔24には、装着者が息を吸った際に流路21、22から外部に流出する空気が通る。吸気孔23は、第1、第2吸気部210において、X方向端側、かつX方向と直交するY方向の一方側(図4の下側)にある。排気孔24は、排気部230において、Y方向の両側にある。
Y方向の一方側(図4の下側)の排気孔24は、装着者が息を吸った際に装着者の口に向けて排気し、Y方向の他方側(図4の上側)の排気孔24は、鼻に向けて排気する。また、シート体2のX方向の一方側では、コネクタ41が外部に露出している。コネクタ41は、例えばUSB(UniversalSerial Bus)コネクタである。シート体2は、コネクタ41の周囲に密着し、コネクタ41周りからの紫外線の漏洩を防ぐようになっている。
シート体2には、流路21、22を流れる空気に紫外線を照射する光源31、34が収容される。光源31、34は、UV−C域の波長の紫外線を照射する。本実施形態では、光源31、34は、細菌のDNA損傷およびウイルスの不活化を強く誘発する波長域250−270nm中の波長260nmを主波長とする紫外線を照射する。これにより、吸気された空気が除菌、不活化される。光源31、34から照射される紫外線は、シート体2に遮蔽されるため、シート体2の外部には漏れない。
光源31、34は、波長222nmを主波長とする紫外線を照射してもよい。波長222nmの紫外線は、細菌のDNA損傷およびウイルスの不活化を誘発するが人の核には到達せず人のDNA損傷は誘発しない。光源31、34は、本実施形態では、LED(LightEmitting Diode)であり複数あるものとするが、適宜の物を採用でき、その数も適宜でよい。
紫外線照射装置1において、マスク100の装着者が鼻または口にて空気を吸い込むと、排気孔24の付近に負圧が生じる。該負圧は、排気孔24からシート体2の内部を介して吸気孔23に伝搬する。これにより、吸気孔23から、マスク本体10の内側の空気が吸気される。吸気された空気は、シート体2の内部で光源31、34によって紫外線を照射され、除菌、不活化される。除菌、不活化された空気は、排気孔24からマスク本体10の内側に排気され、装着者に吸われる。
従って、マスク本体10の内面に紫外線照射装置1を貼ることで、マスク本体10だけでは十分には濾過できないことがある菌やウイルス、例えば新型コロナウイルス等を除菌・不活化できる。加えて、紫外線照射装置1では、全体が、紫外線の遮蔽機能を有するビニール素材のシート体2で包まれているため、皮膚にやさしく、また紫外線の漏洩を防止できるので安全である。そして、シート体2は柔軟であり、マスク本体10の形状への追随性を有するので、紫外線照射装置1は、大半のマスクに装着可能である。
また、図14に参照されるように、装着者が鼻または口にて息を吐くと、息が排気孔24からシート体2内に流入する。息は、シート体2の内部で光源31、34によって紫外線を照射され、除菌、不活化される。除菌、不活化された息は、吸気孔23からマスク本体10の内側に排気された後、マスク本体10外へ流出する。従って、本実施形態によれば、装着者の吐く息も除菌、不活化でき、衛生的である。
図5は、紫外線照射装置1の縦断面図である。
シート体2は、一枚または複数枚のシートを備えて袋状に形成されていてもよく、本実施形態では、2枚のシート240、250を備えて袋状に形成される。2枚のシート240、250は、平面視略同一形状であり、対向した状態で互いの縁部が接合される。
図5中下側のシート240(第1面)の外面には、接着層241が積層される。接着層241には、不図示の剥離層が積層される。剥離層を剥がすことで、紫外線照射装置1を適宜の対象物、本実施形態ではマスク本体10に貼り付けることができる。排気孔24は、シート240にある。吸気孔23は、図5中上側のシート250(第2面)にある。
シート体2には、フレーム5および基板38が重ねられた状態で収容される。基板38は、柔軟性を有するフレキシブル基板であるものとするが、リジット基板であってもよい。基板38は、シート250の内面上に接着等により固定される。フレーム5および基板38がシート240、250に出し入れ可能なように、シート240、250にファスナーやジッパーがあってもよい。シート体2は、フレーム5を包むことにより上記形状に保持される。
図6は、フレーム5の斜視図である。
フレーム5は、空気の流路21、22を保持するものであり、適宜の材料を用いることができるが、本実施形態では不織布が用いられる。フレーム5は、可撓性または柔軟性を有していてもよい。フレーム5は、X方向に延びる矩形体のX方向中央に窪みが形成され、各角にはRが付けられた平面視逆U字状である。フレーム5は、フレーム5の長手方向であるX方向の一方側(図6の左側)にある第1フレーム部51と、X方向の他方側にある第2フレーム部52と、第3フレーム部53とを備える。第3フレーム部53は、X方向の両端が第1、第2フレーム部51、52に接続し、X方向と直交するY方向の幅が第1、第2フレーム部51、52よりも狭い。第1、第2フレーム部51、52の内側の外郭線511、521は、Y方向の一方側(図5の下側)から他方側(図5の上側)に向かうにしたがって、X方向の中央側に進むように傾斜する。
フレーム5には、流路21、22を形成する流路壁6が立設される。流路壁6は、基板38に当接する(図5参照)。流路壁6は、フレーム5の縁に沿う縁壁61と、第1流路壁62と、第2流路壁63と、収容壁64とを備える。
縁壁61において、第1フレーム部51のX方向の両端かつY方向の一方側(図6の下側)の両角部には、スリット65が入れられている。シート240において、該スリット65に対応する各位置にも吸気孔23がある(図5)。第3フレーム部53のY方向両端の縁壁61にもスリット66が入れられている。
収容壁64は、第1フレーム部51の中央にあり、円環状で第1充電池32を収容する。収容壁64は、同様の物が第2フレーム部52の中央にもあり第2充電池35を収容する。第1、第2充電池32、35は、コイン形の充電池であり、基板38に実装される。第1、第2充電池32、35は、シート形でも角形でもよい。第1、第2充電池32、35に替えて一次電池を利用してもよい。
第1流路壁62は、第1フレーム部51にて縁壁61の間に複数立設され、第1流路21を蛇行させる。第1流路壁62は、第3フレーム部53にまで立設されてもよい。第1流路壁62は、Y方向の一方側(図6の下側)から他方側(図6の上側)に向かうにしたがって、X方向の一方側(図6の左側)に進むように傾斜する。第1流路壁62は、縁壁61と同じ高さであり、縁壁61か収容壁64に繋がる。第3流路壁63は、シート体2のX方向の中央線を境に第1流路壁62と線対称であるので、説明は省略する。
フレーム5において流路壁6が無い側の面は、接着層241が積層されるシート240と対向する(図5参照)。
光源31、34は、第1流路21を流れる気体に紫外線を照射する複数の第1光源31と、第2流路22を流れる気体に紫外線を照射する複数の第2光源34とを備える。第1光源31は、基板38に実装され、平面視で第1流路壁62間に位置づけられる。第2光源34は、基板38に実装され、平面視で第2流路壁63間に位置づけられる。
平面視で第3フレーム53と重なる位置にセンサ37が配置される。センサ37は、基板38に実装され、第3フレーム53上の空気の流れを検出する。センサ37は、マイクロフローセンサであるものとするが、適宜の物を使用できる。
図7は、紫外線照射装置1に貼り付けられたマスク本体10の断面を示す模式図である。
装着者が息を吸うと、第1フレーム部51上に、空気が、シート250の吸気孔34を通って直接またはスリット65を介して吸気される。空気は、収容部64の両側を通って第3フレーム部53上へ向かうところ、第1流路壁62によって蛇行する。空気は、第1流路壁62間を通る間に第1光源31によって紫外線を照射され、除菌、不活化される。第3フレーム部53上の除菌、不活化された空気は、スリット66を通り排気孔24(図4)から装着者の鼻または口へ向かって排気される。以上の空気の流路が第1流路21となる。
同様に、装着者が息を吸うと、第2フレーム部52上に空気が吸気され、空気は、収容部64の両側を通って第3フレーム部53上へ、第2流路壁63によって蛇行しながら向かう。空気は、第2光源34に紫外線を照射されて除菌、不活化され、スリット66を通り排気孔24(図4)から装着者の鼻または口へ向かって排気される。以上の空気の流路が第2流路22となる。このように、紫外線照射装置1は、X方向の両側から空気を吸気でき、両側でそれぞれ吸気した空気を除菌、不活化できる。
装着者が息を吐いた際には、図15に示すように、第1、第2流路21、22は逆方向となる。装着者の息は、シート体2の排気孔24(図4)、スリット66を通って第3フレーム部53上に流入する。息は、第1、第2フレーム部51,52上へ向かい、第1、第2流路壁62、63によって蛇行する。息は、第1、第2光源31、34によって紫外線を照射され、除菌、不活化された後、シート体2の吸気孔23からマスク本体10内へ排気される。
以下、図7の点線で囲った部分での第1流路壁62の効果を、図8および図9を利用して説明する。図8は、第1流路壁62の効果を説明するための模式的な平面図である。
第1流路21を構成するフレーム5、フレーム5に立設される第1流路壁62、および縁壁61は、不織布であり表面にヒゲ部分や凹凸がある。本実施形態では、第1流路壁62により空気の第1流路21が蛇行するので、空気(または装着者の息)中の雑菌、ウイルスがフレーム5や第1流路壁62、縁壁61に付着しやすい。第2流路22における第2流路壁63の作用も同様である。従って、本実施形態では、空気(または装着者の息)中の雑菌、ウイルスに対し、紫外線を良好に照射できる。
図9は、第1流路壁62の他の効果を説明するための模式的な断面図である。
第1流路21は、第1流路壁62に囲まれ、フレーム5の平面方向の幅が狭められる。このため、本実施形態では、第1光源31から照射される紫外線を第1流路壁62によって近い距離で反射でき、空気(または装着者の息)に効率的に紫外線を照射できる。第2流路22における第2流路壁63も同様の効果を奏する。
図10は、回路素子のブロック図である。
基板38には、回路素子として、上記第1、第2光源31、34、第1、第2充電池32、35、センサ37、コネクタ41の他、プロセッサ39およびメモリ40が実装される。各回路素子間は、パス381にて適宜に接続される。プロセッサ39は、メモリ40内のプログラムを読み込んで回路素子全体を制御する。
プロセッサ39にはセンサ37の出力信号が入力される。プロセッサ39は、第3フレーム53上の空気の流れを検出しない場合、第1、第2光源31、34に紫外線を照射させず、第3フレーム53上の空気の流れを検出する場合、第1、第2光源31、34に紫外線を照射させる。これにより、紫外線照射装置1は、マスク100の装着者が呼吸した場合にのみ紫外線を照射でき、マスク100が外されている場合には動作を停止させるので、消費電力を抑えることができる。
プロセッサ39は、コネクタ41に外部電源が接続し、第1、第2充電池32、35の充電を開始すると、第1、第2光源31、34による紫外線の照射を開始する。プロセッサ39は、第1、第2充電池32、35の充電を終了すると、第1、第2光源31、34による紫外線の照射を終了させる。本実施形態によれば、充電中に、シート体2の内部を自己除菌、不活化できる。なお、紫外線の照射の終了は、照射の開始から定められた経過時間で終了するように条件づけられていてもよい。
紫外線照射装置1は、シート体2が非常に軽量であり、回路素子として極小の物を利用できるので、全体の重量を8.5g程度に抑えることが可能である。
本実施形態では、第1、第2光源31、34としてLEDを利用するので、全体の電力消費量を抑えることができる。そのため、本実施形態では、第1、第2充電池32、35としてコイン形の軽量のものを使用しても、例えば5時間程度の十分な点滅稼働時間を確保できる。
(第2実施形態)
図11は、紫外線照射装置1Aの使用状態を示す図である。
紫外線照射装置1Aは、内部にファン43(図12)を備え、除菌、不活化した空気を顔に向けて送る。紫外線照射装置1Aの筐体2Aは、本実施形態では硬質の樹脂製であり、箱状に形成されている。筐体2Aの一面には吸気孔23Aがあり、他面には排気孔24Aがある。筐体2Aには、排気孔24Aが顔に向く姿勢で筐体2Aを人体に装着させる装着部8がある。装着部8は、本実施形態では首を通すネックストラップとするが、服やベビーカーに筐体2Aを取り付けるクリップであってもよい。また、筐体2AがU字状で首にかけて使用するものである場合、筐体2Aの首にかける部分が装着部8となる。
図12は、紫外線照射装置1Aの断面図である。
筐体2Aは、光源31Aが射出する紫外線の遮蔽機能を有する。筐体2Aは、ファン43および光源31A等を収容し、内部に気体の流路21Aがある。吸気孔23Aは、筐体2Aの外部から流路21Aに流入する気体が通る。排気孔24Aは、流路21Aから筐体2Aの外部に流出する空気が通る。
筐体2Aの内部において排気孔24の前段には、遠心タイプのファン43がある。ファン43は、軸流タイプであってもよい。筐体2Aに内部において吸気孔23Aの後段には、空気を除菌、不活化するための以下の機構がある。筐体2Aの側面29の内面上には反射層33Aが積層される。反射層33Aは、筐体2Aに接着されたアルミ箔であるものとするが、適宜の素材を使用できる。反射層33Aの筐体2Aへの固定方法は、接着の他、めっきや蒸着であってもよい。側面29と対向する不図示の側面(図12の紙面手前側の側面)側には、基板38(図13)がある。基板38は、リジッド基板であってもよい。
側面29と、側面29に対向する不図示の側面に亘って、流路壁62Aが複数ある。流路壁62Aは、不織布または樹脂等により長手状に形成され、X方向(図12の左右方向)に間隔を空けて配置されるとともに、Y方向(図12の上下方向)に間隔をあけて配置される。これにより、流路壁62Aは、空気の流路21Aを蛇行させる。光源31Aは、260nmを主波長とする紫外線を照射し、平面視で流路21Aと重なる位置、かつ流路壁62Aと重ならない位置にある。
本実施形態でも、光源31Aにより流路21A中の空気に紫外線を照射し、空気を除菌、不活化できる。除菌、不活化された空気は、筐体2A内の不図示の通路によりファン43の軸中心部に導かれ、ファン43に吸気および排気された後、筐体2Aの排気孔24Aから装着者の顔に向けて排気される。
図13は、回路素子のブロック図である。
基板38には、回路素子として、上記の他、電源32A、プロセッサ39、メモリ40、コネクタ41、スイッチ44が実装される。各回路素子は、パス381にて適宜に接続される。プロセッサ39は、メモリ40内のプログラムを読み込んで回路素子全体を制御する。スイッチ44は、一部が外部に露出しており、装着者からON、OFF操作を受け付ける。プロセッサ39は、スイッチ44がONされると、ファン43を回すとともに光源31Aに紫外線を照射させる。
本実施形態では、紫外線照射装置1Aを装着するだけで、除菌、不活化した空気を装着者の顔に向けて送ることができ、手軽に使用でき、医療現場の人々等に有効である。
電源32Aは、一次電池も利用できるが、本実施形態では充電池であるものとする。コネクタ41は、一部が外部に露出しており、例えばUSBコネクタである。プロセッサ39は、コネクタ41に外部電源が接続し、電源32Aの充電を開始すると、光源31Aによる紫外線の照射を開始し、充電を終了すると光源31Aによる紫外線の照射を終了させる。本実施形態によれば、充電中に、筐体2Aの内部を自己除菌、不活化できる。なお、紫外線の照射の終了は、照射開始から定められた経過時間で終了するように条件づけられていてもよい。
なお、上述の紫外線照射装置1、1Aは、適宜の気体中に設置されてもよく、該気体に紫外線を照射するものであってもよい。紫外線照射装置1は、マスク本体10以外の物に設けられてもよい。
1、1A…紫外線照射装置、2…シート体、2A…筐体、8…装着部、10…マスク本体、21、21A、22…流路、23、23A…吸気孔、24、24A…排気孔、31、31A…光源。

Claims (9)

  1. 紫外線の遮蔽機能および柔軟性を有する袋状のシート体であって、内部に気体の流路があり、外部から前記流路に流入する気体が通る吸気孔と、前記流路から外部に流出する気体が通る排気孔とがあり、マスク本体における人体と対向する内面または前記マスク本体の外面に取り付けられるシート体と、
    前記シート体に収容され、前記流路を流れる気体に紫外線を照射する光源が実装され、柔軟性を有する基板と、
    前記流路を構成する不織布製の流路壁が立設され、前記シート体に収容されて前記光源と対向する不織布製の長手状のフレームと、を備え
    前記フレームは、
    前記フレームの長手方向である第1方向の一方側にある第1フレーム部と、
    前記第1方向の他方側にある第2フレーム部と、
    前記第1方向の両端が前記第1、第2フレーム部に接続し、前記第1方向と直交する第2方向の幅が前記第1、第2フレーム部よりも狭い第3フレーム部とを備え、
    前記流路は、前記第1フレーム部から前記第3フレーム部に至る第1流路と、前記第2フレーム部から前記第3フレーム部に致る第2流路とがあり、
    前記光源は、前記第1流路を流れる気体に紫外線を照射する第1光源と、前記第2流路を流れる気体に紫外線を照射する第2光源とを備え、
    前記流路壁は、
    前記第1フレーム部に立設され、前記第1流路を蛇行させる第1流路壁と、
    前記第2フレーム部に立設され、前記第2流路を蛇行させる第2流路壁と、を備える紫外線照射装置。
  2. 請求項1に記載の紫外線照射装置において、
    前記流路壁は、前記フレームの縁に沿う縁壁を備え、
    前記第1流路壁は、前記第1フレーム部にて前記縁壁の間に立設され、
    前記第2流路壁は、前記第2フレーム部にて前記縁壁の間に立設される紫外線照射装置。
  3. 請求項または請求項に記載の紫外線照射装置において、
    前記シート体に収容され、前記第3フレーム部上の気体の流れを検出するセンサと、
    前記シート体に収容されるプロセッサであって、前記気体の流れが検出されない場合は、前記第1、第2光源に紫外線を照射させず、前記気体の流れが検出された場合は、前記第1、第2光源に紫外線を照射させるプロセッサとを備える紫外線照射装置。
  4. 請求項1から請求項のいずれか一つに記載の紫外線照射装置において、
    前記シート体に収容され、前記光源に電力を供給する充電池と、
    前記シート体に収容されるとともに、一部が前記シート体の外部に露出し、前記充電池を充電する外部充電に接続可能なコネクタと、
    前記シート体に収容され、前記充電池の充電中に前記第1、第2光源に紫外線を照射させ、前記シート体の内部を除菌するプロセッサとを備える紫外線照射装置。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の紫外線照射装置において、
    前記基板に実装される第1電池および第2電池を備え、
    前記流路壁は、前記第1フレーム部にあり、前記第1電池を収容する第1収容壁と、前記第2フレーム部にあり、前記第2電池を収容する第2収容壁とを備える紫外線照射装置。
  6. 請求項1に記載の紫外線照射装置において、
    前記基板に実装される第1電池および第2電池を備え、
    前記流路壁は、
    前記第1フレーム部にあり、前記第1電池を収容する第1収容壁と、
    前記第2フレーム部にあり、前記第2電池を収容する第2収容壁と、
    前記フレームの縁に沿う縁壁とを備え、
    前記フレームは、前記第1方向中央に窪みが形成された平面視逆U字状であり、前記第1フレーム部および前記第2フレーム部の内側の外郭線は、前記第2方向の一方側から他方側に向かうにしたがって、前記第1方向の中央側に進むように傾斜し、
    前記第1流路壁は、前記第1フレーム部にて前記縁壁の間に立設され、前記第2方向の前記一方側から前記他方側へ向かうにしたがって、前記第1方向の前記一方側に進み、前記縁壁か前記第1収容壁に繋がり、
    前記第2流路壁は、前記第2フレーム部にて前記縁壁の間に立設され、前記第2方向の前記一方側から前記他方側へ向かうにしたがって、前記第1方向の前記他方側に進み、前記縁壁か前記第2収容壁に繋がる紫外線照射装置。
  7. 請求項から請求項のいずれか一つに記載の紫外線照射装置において、
    前記シート体の第1面の内面は、前記フレームにおいて前記流路壁が無い側の面と対向し、前記第1面の外面には、接着層が積層される紫外線照射装置。
  8. 前記マスク本体と、前記マスク本体の前記内面に貼り付けられる請求項7に記載の紫外線照射装置と、を備えるマスク。
  9. 請求項6に記載の紫外線照射装置において、
    前記第1フレーム部の前記縁壁において、前記第1方向の前記一方側、かつ前記第2方向の前記一方側の角部には、前記第1流路に対して気体が出入りするための開口があり、
    前記第2フレーム部の前記縁壁において、前記第1方向の前記他方側、かつ前記第2方向の前記一方側の角部には、前記第2流路に対して気体が出入りするための開口があり、
    前記第3フレーム部の前記第2方向両端の前記縁壁には、それぞれ、前記第3フレーム部上に対して気体を出入りさせるための開口がある紫外線照射装置。
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