JP6810164B2 - 浚渫用取込口構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、浚渫用取込口構造体に関する。
2011年3月の福島第一原子力発電所の事故により拡散した放射性セシウムによる土壌汚染の対策が急がれている。とくに放射性セシウムを吸着した土壌が降雨などにより水域に流入し湖沼や池などの閉鎖した水域の水底に集積し、放射性セシウムの高濃度化が生じている。そして、このような閉鎖性水域が農業用のため池である場合には耕作地を再汚染し、漁場である場合には水産物の汚染を招くこととなり早急な対策が求められている。
水底での泥土汚染は表層において汚染度が高く、深いところでの汚染度は低くなることがわかっている。したがって、水底表層の深さ数cmから数十cm程度の泥や砂(以下「泥土」ということがある)を浚渫機により浚い取ることで、相当量の汚染泥土を除去することができる。特許文献1には、従来の浚渫機が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されているような従来の浚渫機には、泥土を巻き上げて水中に拡散させてしまうため、水底において沈静化している放射性セシウムを水中に拡散させてしまうという問題があった。
そこで、本発明の発明者は、水底の泥土を巻き上げることを抑制しつつ浚い取ることが可能な浚渫用取込口構造体を発明し、既に特許出願済みである。この発明は、進行方向に向けた開口を有することで、水底の泥土を巻き上げることを抑制しつつ浚い取ることを可能にしたものである。より詳細には、進行方向に相対的に下面より少なくとも一部は出っ張っている上面と、進行方向に相対的に上面より少なくとも一部は後退している下面と、上面と下面とに挟まれた進行方向に開口した取込開口と、取込開口に設けられる吸い込むと管が詰まる物を取込開口に入れないための柵と、吸込管とからなる浚渫用取込口構造体を提供するものである(特許文献2参照)。
特開2008−031745号公報 特開2016‐118088号公報
ところで、湖沼の水底には傾斜があることが十分に考えられ、しかもその傾斜は一定ではなく、場所により異なっていることが考えられる。このような状態の湖沼において、上述のような進行方向に向けた開口を有する浚渫用取込口構造体を用いて水底を移動させつつ浚渫を行う場合に、開口の向きが水平のままであると、開口下端と水底に傾斜の違いが生じてしまう。そうすると、例えば水底表層の深さ数cmから数十cmのところにほぼ同じ厚みで存在している汚染土を浚おうとしても、開口の下端部が表層内に進入する深さが一定にならないため、汚染土を効率的に浚い取ることができないという問題がある。
そこで、本発明の解決すべき課題は、このような進行方向に向けた開口を有する浚渫用取込口構造体において、湖沼の水底の傾斜の変化に合わせて開口の傾斜を変化させることができるようにし、もって泥土を効率よく浚い取ることができるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明のうち、第一の発明は、上面と、上面の進行方向後端に配置される背面と、側面と、背面下端近傍に設けられる浚渫対象となる泥や砂などを吸い上げるための取込口と、進行方向に向けた開口と、上面略前端から背面下端に向けて取込口がつまるサイズの物を取込口に入れないための柵と、自身を水底上で移動させるための移動用シャフトと、前記上面に備えられ、上面と前記移動用シャフトをローリング可能に連結するための移動用シャフト連結部材とを有する浚渫用取込口構造体を提供する。
また、第二の発明は、第一の発明を基礎として、前記移動用シャフト連結部材は、上面と前記移動用シャフトをピッチング可能に連結する浚渫用取込口構造体を提供する。
また、第三の発明は、上面と、上面の進行方向後端に配置される背面と、側面と、背面下端近傍に設けられる浚渫対象となる泥や砂などを吸い上げるための取込口と、進行方向に向けた開口と、上面略前端から背面下端に向けて取込口がつまるサイズの物を取込口に入れないための柵と、自身を水底上で移動させるための移動用シャフトと、前記上面に備えられ上面と前記移動用シャフトをピッチング可能に連結するための移動用シャフト連結部材とを有する浚渫用取込口構造体を提供する。
また、第四の発明は、第一又は第二の発明を基礎として、前記取込口に連結される取込管の取込口との連結部の軸線は、前記ローリングの軸線と略一致し、その後に取込管が曲がる場合でも曲がったのちの取込管と前記ローリングの軸線のなす角は、45度以下である浚渫用取込口構造体を提供する。
また、第五の発明は、第一から第四のいずれか一の発明に係る浚渫用取込口構造体を備えた浚渫装置を提供する。
また、第六の発明は、第一から第四のいずれか一の発明に係る浚渫用取込口構造体を用いて湖沼底面を浚渫する浚渫方法を提供する。
また、第七の発明は、第六の発明に係る浚渫方法を用いて湖沼底面にたまった放射性汚泥を浚渫し、浚い取られた放射性汚泥の放射性成分を凝集し、残りの部分を再度湖沼に戻すことによる湖沼の放射性汚泥除去方法を提供する。
本発明によれば、進行方向に向けた開口を有する浚渫用取込口構造体において、湖沼の水底の傾斜の変化に合わせて開口の傾斜を変化させることができることで泥土を効率よく浚い取ることができる浚渫用取込口構造体を提供することが可能となる。
実施例1の浚渫用取込口構造体を用いた浚渫装置により水底の泥土を浚い取る態様を示す概念図 実施例1の浚渫用取込口構造体の構成の一例を示す図 実施例1の浚渫用取込口構造体の構成の一例を示す図 実施例1の浚渫用取込口構造体を用いた浚渫機により水底の泥土を浚い取る態様を示す概念図 実施例1の移動用シャフト連結部材の具体的構成の一例を示す図 図5AのX−X線端面図 実施例1の移動用シャフト連結部材の具体的構成の一例を示す図 実施例1の移動用シャフト連結部材の具体的構成の一例を示す図 実施例1の移動用シャフト連結部材の具体的構成の一例を示す図 実施例2の移動用シャフト連結部材の具体的構成の一例を示す図 実施例4の浚渫用取込口構造体の構成の一例を示す図 実施例1の浚渫用取込口構造体を用いた浚渫方法における処理の流れの一例を示す図 実施例6の湖沼の放射性汚泥除去方法に用いる放射性汚泥除去装置の構成の一例を示す図 実施例6の湖沼の放射性汚泥除去方法に用いる放射性汚泥除去装置の構成の一例を示す図
0100、0200 浚渫用取込口構造体
0110、0210 構造体本体
0103 支持台車
0104 台船
0105 レール
0106 水底の泥土
0107、207 取込管
0108 ホース
0109 容器
0116 開口
0130、0230 移動用シャフト
0140、0240 移動用シャフト連結部材
0211 上面
0212 背面
0213 側面
0215 取込口
0216 開口
0217 柵
0314 下面
0320 取込口
0542 ボルト
0543 ボルト孔
0741 縦長孔
0742a ボルト頭部
0819 曲線ラック
0832 ピニオン
1200 凝集撹拝装置
1201 凝集剤取入部
1203 凝集撹拌部
1205 濁水取入部
1207 排出路
1208 流路管本体
1209 混合管
1300 沈降分離装置
1310 フロック整流水槽
1320 凝集沈降槽
1330 濃縮槽
以下に、本発明の実施例を説明する。実施例と請求項の相互の関係は以下のとおりである。実施例1は主に請求項1、請求項6などに関し、実施例2は主に請求項2などに関し、実施例3は主に請求項3などに関し、実施例4は主に請求項4などに関し、実施例5は主に請求項5などに関し、実施例6は主に請求項7などに関する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
<概要>
本実施例の浚渫用取込口構造体は、進行方向に直交する方向(左右方向)の水底面の傾斜の変化に応じてこれに上面の向きを一致させるようにローリングが可能な浚渫用取込口構造体である。また、この浚渫用取込口構造体を含む浚渫装置を用いて湖沼底面を浚渫する浚渫方法も本実施例に含まれる。
<構成>
(全般)
図1は、本実施例の浚渫用取込口構造体を用いた浚渫装置により水底の泥土を浚い取る態様を示す概念図である。本図に示すように、本実施例の浚渫用取込口構造体0100を構成する構造体本体0110は、移動用シャフト連結部材0140を介して移動用シャフト0130と連結されている。そして、移動用シャフトを垂直に支持する支持台車0103が台船0104に敷設されるレール0105上を矢印A´方向に水平移動することにより、構造体本体を含む浚渫用取込口構造体が湖沼の水底の泥土0106を浚いながら矢印Aで示される進行方向(矢印A´方向と同じ方向)に移動する。構造体本体の進行方向には泥土を取込むための開口0116が備えられている。開口から構造体本体内に取り込まれた泥土は取込管0107及びこれに連接されたホース108を経てポンプなどにより吸引され所定の容器0109に収められる。このように採取された泥土は、所定の除染処理や廃棄処理などに供される。なお、本発明において「湖沼」とは、閉鎖的水域、即ち、水の流出入の乏しい環境に置かれている水域をいい、例えば、湖、沼、池、内海、湾、入江などが該当する。
図2は、本実施例の浚渫用取込口構造体の構成の一例を示す図である。このうち、図2(a)は、本実施例の浚渫用取込口構造体の一例を上方から見た斜視図で示したものである。また、図2(b)は、図2(a)で示した浚渫用取込口構造体を下方から見た斜視図で示したものである。この浚渫用取込口構造体は、図1に示す態様で浚渫に用いられるものである。
本図に示すように、本実施例の浚渫用取込口構造体0200は、構造体本体0210と、移動用シャフト0230と、移動用シャフト連結部材0240とを有する。また、本実施例の浚渫用取込口構造体は、通例取込管0207を備えている。ここで、構造体本体とは、浚渫用取込口構造体のうち移動用シャフト、移動用シャフト連結部材及び取込管を除いた部分を指す。
(構造体本体:全般)
構造体本体は、中空の構造物であり、その材料は、水圧のかかる環境下に置かれ岩石や硬い地盤に衝突する場合もあるため機械強度に優れる鉄や鋼などを用いることが好ましい。また、鉄や鋼などと同程度の機械強度を有する樹脂を用いてもよい。併せて、防錆性を付与することも好ましい。
(構造体本体:上面、背面、側面など)
図2に示したように、浚渫用取込口構造体は、構造体本体を構成する各面として、上面0211と、上面の進行方向後端に配置される背面0212と、左右に配置される側面0213とを有する。ここで進行方向とは、浚渫用取込口構造体が浚渫時に進んでいく方向をいい、本図では矢印Aで示す方向をいう。
背面の形状は、本図に示すように平板であってもよいが、取込口の部分を頂点とする凸型や弓型の形状であってもよい。背面の形状を取込口の部分を頂点とする凸型や弓型とすれば、取込口の吸引力が伝わる部分にムラがなくなるという利点があるので、この観点からは背面がこのような形状である方が望ましい。次の図3に示す例は背面の形状が取込口の部分を頂点とする凸型である好適な例である。
図2に示した例と異なり、本実施例の浚渫用取込口構造体は、上面と平行な下面を有していてもよい。図3は、本実施例の浚渫用取込口構造体の別の一例を示す図であって、構造体本体0310が下面0314を有する例を示したものである。後述のように、上面が湖沼の水底の傾斜に合わせて向きを変えることができるようにするため、構造体本体が水底からの反作用の力を受けてこの力を上面に固定されている移動用シャフト連結部材に伝えるように構成される必要があるが、かかる観点から、このような上面と平行な下面を有する構造は、水底からの力をムラなく受けてこれを移動用シャフト連結部材に伝えて上面、したがって下面の向きを水底の傾斜に合わせやすいという利点があるので望ましい構造といえる。ただし、図2に示したような下面のない構造でも、開口略前端、背面下端及び柵によって下面に相当する面が形成されているといえるので、水底からの力を受けてこれを移動用シャフト連結部材に伝えてこの面を水底の傾斜に合わせやすい点は同様であり、このようなものでももちろん差支えない。特に、後述のように、前記下面に相当する面がある程度の面積を占めているものは好適な一例となる。
(構造体本体:取込口)
図2に戻り、構造体本体の背面下端近傍には取込口0215が設けられる。取込口は、浚渫対象となる泥土を吸い上げるためのものである。吸い上げられた泥土はこの取込口に連接される取込管0207を経てホースに吸引され、容器に収められる。
(構造体本体:開口、柵)
構造体本体には進行方向に向けた開口0216が設けられる。この開口は水底の泥土を構造体本体の内部に取り込むためのものである。さらに、開口の上面略前端から背面下端に向けて柵0217が設けられる。この柵は、取込口がつまるサイズの物を取込口に入れないためのものである。従って、柵の間の寸法は、取込口の直径よりも小さい寸法に設計される。好適には、柵の間の寸法は取込口の直径の半分以下であることが望ましく、例えば、取込口の直径が20cmの場合には、柵の間の寸法は10cm以下であることが望ましい。このような構造により、構造体本体の開口の柵の間からは取込口がつまらないサイズの泥土だけが取り込まれることとなる。
開口面は、ある程度の面積を有し上面と平行な平面を含んでいることが望ましい。図2に示した例もこのような好適な例を示したものであり、上面略前端から斜め下方向に伸びている柵が、その後向きを変えて背面下端に至るまで水平に伸びており、これによって開口面が、ある程度の面積を有し上面と平行な平面(概ね破線Bで囲んだ範囲を占める平面)を含んでいる状態となる。このようにすることで、構造体本体が水底に接したときに、水底からこの平面に含まれる背面下端、側面下端及び柵に対し、この平面全体の向きが水底の傾斜と同じ向きになるようにしようとする力として加わることとなるため、これと平行な面である上面がこれと同じ向きになるようにローリング動作を行うことが容易となる。
なお、背面下端は略背面下端ならば本件発明の効果を失わない。つまり、背面に連続して微小な底面が設けられるような場合には、本件発明でいうところの略背面下端に該当するものとする。目安としては、上面の進行方向長に対して20%以下程度の底面が設けられそこに柵が終端するような場合には本件発明の構成を備えたものと解釈できる。これは上面略前端に関しても同様である。柵は取込口の詰まりの原因となる枝やごみなどの進入を妨げる。図示するように、柵は上面略前端から傾斜をもって下方に延び、屈曲した後に上面と略平行に背面下端に向けて延びている。このように渡深用取込口構造体の下側を面ではなく柵で構成することにより、水底の泥や砂に沈み込みやすくなる。したがって、上面、背面及び両側面に囲まれる空間に多くの泥土が収容される。そして、このように収容される泥土が取込口から吸い上げられる。
(取込管)
また、取込口には取込管0207が連接される。取込管は、取込口から泥土を吸い上げてホースを介して容器に送るための金属製などの管状の部材である。即ち、取込管は、取込口からホースまでの間を占めるものである。取込管の具体的構成の一例については、別の実施例にて説明する。
(移動用シャフト)
構造体本体は、次に説明する移動用シャフト連結部材を介して移動用シャフトと連結される。移動用シャフトは、浚渫用取込口構造体自身を水底で移動させるためのものである。
(移動用シャフト連結部材:全般)
構造体本体の上面には、上述の移動用シャフトを連結するための移動用シャフト連結部材が備えられる。本実施例の移動用シャフト連結部材の特徴は、構造体本体の上面と移動用シャフトをローリング可能に連結するようにした点にある。なお、本発明においてローリングとは、浚渫用取込口構造体の進行方向(前後方向。図2において矢印Aで示す方向)を軸としてこれと水平に直交する方向(左右方向)に回転する動きをいう。実際の浚渫時には、移動用シャフトの向きは垂直に固定されているため、構造体本体の上面が水底の左右方向の傾斜の変化に応じてローリングすることとなる。より詳細には、例えば、構造体本体の開口が水底の泥土の一定の深さまで侵入した状態で進行中に、開口下端が水底の傾斜の変化に応じてその傾斜を変化させると、これと平行な上面が同じ傾斜に向きを変えることとなる。このため、構造体本体の上面のローリングは水底の傾斜の変化に対応したものとなる。なお、ここで水底の傾斜とは、開口が水底の泥土の一定の深さまで侵入した状態で進行することを想定すれば、この一定の深さの部分によって形成される仮想的な底面の傾斜をいい、水底の表層面が形成している面の傾斜にほぼ一致する。
上面を水底の傾斜の変化に応じて同じ傾斜に向きを変えさせながら浚渫を行うことのメリットは、これにより浚渫用取込口構造体は、開口下端を水底の傾斜に一致させた状態で水底を進行することになるので、例えば水底表層から一定の深さまで同じ厚みで堆積している汚染度をすべて浚い取ることが可能になるという点にある。
図4は、このメリットを説明するため、本実施例の浚渫用取込口構造体を用いた浚渫装置により水底の泥土を浚い取る態様を示す概念図である。本図は硬い岩盤上の表層にほぼ均等な厚みに堆積した柔らかい泥土を浚う場合を想定したものである。本例では、表層の厚みは開口の高さの半分程度である場合を想定した。なお、煩雑を避けるために浚渫用取込口構造体以外の図示は省略した。また、あくまで概念図であるため、構造体本体、移動用シャフトなどの形状や寸法比は図1のものと必ずしも一致していない。
本図(a)は、図示の便宜上、硬い岩盤面のみを示し、その表層に堆積している泥土の図示は省略したが、水底の傾斜が一定でない場合に、浚渫用取込口構造体が進行方法(矢印Aで示す手前方向)に向かって進んで来る態様を示したものである。(b)は浚渫用取込口構造体が(a)におけるX−X線上に位置しているときの水底面及び下面の向きの関係を示したものである。この下面は、例えば、前述したような、開口面のうちある程度の面積を有し上面と平行な平面である。
本図において、X´−X´線は表層面の位置を示したものである。同様に、(c)はY−Y線上、(d)はZ−Z線上に位置しているときの水底面及び下面の向きの関係を示したものであり、それぞれY´−Y´線、Z´−Z´線が表層面の位置を示す。(b)〜(d)に示すように、浚渫用取込口構造体が進むにつれその下方の水底面が左上がり、水平、右上がりと変化しているが、これに対応して、浚渫用取込口構造体の下面の向きも左上がり、水平、右上がりと変化し、浚渫用取込口構造体の下面の向きが常に水底面にほぼ平行に向き合うように変化している。このように下面の向きを水底面に平行に変化させることで、開口の一部もしくは全部(本図の例では一部)が表層面下に左右均等に潜り込んで泥土を効率的に浚い取ることができる。(e)は、参考までに、開口が水底面の傾斜の変化に応じて向きを変化させることができない場合を示したものであり、下面下に斜線部aで示すような泥土の取り残し部分が生じるなど、浚渫を効率的に行うことができないことが示されている。
(移動用シャフト連結部材:具体的構成)
次に、上面と前記移動用シャフトをローリング可能に連結するための移動用シャフト連結部材の具体的構成について説明する。
(移動用シャフト連結部材の具体的構成の一例(1))
図5Aに本実施例の移動用シャフト連結部材の具体的構成の一例を示す。本図に示すように、移動用シャフト連結部材0540は、構造体本体0510の上面0511に設けられた略円筒形状の筒状の部材であり、矢印A方向で示す進行方向の前面及び背面にボルト孔(図には現れない)が設けられている。また、当該部材に嵌設される移動用シャフト0530にもこれに対応する位置にボルト孔(図には現れない)が設けられている。そして、移動用シャフト連結部材とボルト孔と移動用シャフト連結部材の径内に嵌合された移動用シャフトのボルト孔の位置を合わせた状態でこれらボルト孔に挿通されるボルト0542によって、移動用シャフトが移動用シャフト連結部材に対して固定されている。
その際、移動用シャフトと移動用シャフト連結部材の内壁との間にはすき間が設けられる。なお、図5Aの例では、すき間は移動用シャフトの周囲全体にわたって設けられているが、少なとも移動用シャフトの左右にすき間が設けられていればよい。これにより、移動用シャフトは、移動用シャフト連結部材の径内において矢印Aに示す進行方向に対して左右方向に傾くことが可能となる。移動用シャフトの向きは垂直に固定されているので、実際には、移動用シャフト連結部材がローリングすることで、この移動用シャフト連結部材を固定する上面がローリングすることとなる。
図5Bは図5AのX−X線端面図であり、ボルト0542の高さの位置で輪切りにした状態を示したものである。本図に示すように、移動用シャフト連結部材0540(薄墨で示す)の進行方向(矢印Aで示す)の前面及び背面にボルト孔0543が設けられるとともに、当該部材に嵌設される移動用シャフト0530(薄墨で示す)にもこれに対応する位置にボルト孔0531が設けられている。そして、移動用シャフト連結部材とボルト孔と移動用シャフト連結部材の径内に嵌合された移動用シャフトのボルト孔の位置を合わせた状態でこれらボルト孔に挿通されるボルト0542によって、移動用シャフトが移動用シャフト連結部材に対して固定されている。そして、移動用シャフトと移動用シャフト連結部材(厳密には移動用シャフト連結部材が固定されている上面)とをローリング可能に接続するため、移動用シャフト連結部材のボルト孔とボルトの寸法関係又は移動用シャフトのボルト孔とボルトの寸法関係のうち少なくともいずれか一方は、水底の左右方向の傾斜の変化に応じて孔径内でボルトが回転できる程度の余裕がある関係に設計される。その際にどの程度の余裕を持たせればよいかについては次段落以下で述べる。
ローリングは、外部動力によって実現される必要はなく、浚渫中に水底面の傾斜の変化に応じて構造体本体、従ってその上面が向きを変化させることで自然に実現される。この構造体本体の向きの変化は、移動用シャフト連結部材のボルト孔又は移動用シャフトのボルト孔の少なくともいずれか一方がボルトの周囲で回転運動をすることにより実現される。このため、移動用シャフト連結部材又は移動用シャフトのボルト孔とボルトの接触状態は、構造体本体の上面が向きを変えようとしたときにこれに応じて回転することができる程度に緩やかである必要がある。なぜなら、ボルト孔とボルトの周囲が回転困難なほどきつく締められていると、水底の傾斜の変化に応じて構造体本体が向きを変えることができず、傾斜にずれが生じたまま構造体本体が進行してしまい、泥土を効率よく浚えなくなってしまうからである。
とはいえ、これとは逆に移動用シャフトのボルト孔とボルトの接触状態が緩すぎると、構造体本体が水底の傾斜とは無関係に動いてしまい、やはり傾斜にずれが生じたまま構造体本体が進行してしまい、泥土を効率よく浚えなくなってしまうおそれがある。
従って、移動用シャフトのボルト孔とボルトの接触状態はきつすぎることも緩すぎることもなく、水底の傾斜の変化に応じて水底からの反作用による力が上面に加わり、上面が向きを変化させようとするときにこれを許容できる程度の接触状態が好ましい。換言すれば、移動用シャフトのボルト孔とボルトの間に生じる摩擦力が上記反作用による力よりも若干小さい程度であることが好ましい。移動用シャフトのボルト孔とボルトの接触状態をこのようにすることにより、浚渫に際して構造体本体を水底の泥土の中に潜り込ませようとする場合に、開口下端が表層面からほぼ均等な深さに潜り込ませるように開口下端を傾斜させることが可能となり、あるいは水底のごく浅い部分に固い地盤が存在している場合には、開口下端をその固い地盤の表面の傾斜に合わせて傾斜させることが可能となる。
(移動用シャフト連結部材の具体的構成の一例(2))
図6は本実施例の移動用シャフト連結部材の具体的構成の別の一例を示す図である。本図の例では、移動用シャフト連結部材の前面に設けられたボルト孔0641は左右に細長い円弧状の形状をしている。背面(図示されない)にも同様の形状のボルト孔が設けられる。この場合には、ボルトは移動用シャフトのボルト孔に対してはきつく締められる。一方、移動用シャフト連結部材のボルト孔とボルトの接触状態は、図5で示した例における移動用シャフトのボルト孔とボルトの接触状態と同じ程度に保たれる。
(移動用シャフト連結部材の具体的構成の一例(3))
図7は本実施例の移動用シャフト連結部材の具体的構成の別の一例を示す図である。本図の例では、移動用シャフト連結部材及び移動用シャフトのボルト孔は、左右の側面(左側面は図示されない)に設けられる。また、移動用シャフト連結部材のボルト孔には、移動用シャフトのローリングに伴いボルトが上下に移動できるようにするために縦長孔0741が設けられている。また、ローリングの際にボルト頭部が移動用シャフト連結部材につかえて動けないことを避けるため、ボルト0742はボルト頭部0742aがやや外側に張り出した位置になるように取り付けられる。この場合には、ボルトは移動用シャフトのボルト孔に対してはきつく締められる。一方、移動用シャフト連結部材のボルト孔とボルトの接触状態は、図5で示した例における移動用シャフトのボルト孔とボルトの接触状態と同じ程度に保たれる。
(移動用シャフト連結部材の具体的構成の一例(4))
図8は本実施例の移動用シャフト連結部材の具体的構成の別の一例を示す図であり、移動用シャフト連結部材及びこれに嵌設されている移動用シャフトを垂直断面図で示したものである。本図の例でも、移動用シャフト連結部材0840の進行方向(手前方向)の前面及び背面にボルト孔(図には現れない)が設けられるとともに、移動用シャフト0830のこれに対応する位置にもボルト孔0831が設けられ、これらがボルトで固定される。その際、移動用シャフト連結部材のボルト孔又は移動用シャフトのボルト孔の少なくとも一方は、ボルトの周囲で回転可能な状態で接触するように構成される。
また、移動用シャフトの下端付近には、ピニオン0832が回転自在に取り付けられている。構造体本体の上面0811には、このピニオンと噛み合う曲線ラック0819が固定的に取り付けられている。この曲線ラックは、移動用シャフト連結部材のボルト孔を中心とする円弧形状をなしており、これにより、移動用シャフトのピニオンがラック上を回転しながら移動することで移動用シャフトと上面がローリングすることが可能となっている。
<処理の流れ>
図11は、本実施例の浚渫用取込口構造体を用いた浚渫方法における処理の流れの一例を示す図である。ここでは、処理の流れの開始時点が、図1に示すような状態、即ち、浚渫用取込口構造体を含む浚渫装置が湖沼内に設置され、浚渫用取込口構造体が水底にあって進行方向に向かって移動可能な状態になっている時点であることを前提として説明する。また、ここでは説明の便宜上、浚渫用取込口構造体が現在所在している水底が水平な状態であることを前提とする。従って、このとき浚渫用取込口構造体の上面は水平な状態になっている。
まず、浅漢用取込口構造体の進行ステップS1101において、浚渫用取込口構造体は進行方向(図1に示すA方向)に進行する。この進行は、図1の例に即せば、支持台車が台船上に敷設されるレールを進行方向と同じ方向である矢印A´方向に水平移動することにより、支持台車から垂直に吊り下げられている移動用シャフト及びこれに固定されている構造体本体が同じ方向に移動することで実現される。水底が水平である間は、構造体本体も水平状態を保ったまま移動する。
次に、水底に左右方向の傾斜の変化があった場合(ステップS1102)、浚渫用取込口構造体の上面のローリングステップS1103において、浚渫用取込口構造体の構造体本体の上面が水底と同じ傾斜になるようにローリングする。
より詳細には、以下のサブステップを通じてかかる動作が実現される。まず、構造体本体が水底からの反作用による力を受ける(サブステップS1104)。具体的には、構造体本体が水底に接している背面下端及び柵の一部を含む下面にこの力が加わる。するとこの力が上面に伝達され、さらに上面に固定されている移動用シャフト連結部材に伝わる(サブステップS1105)。そこで、移動用シャフト連結部材は、垂直方向に固定されかつ移動用シャフト連結部材とはローリング可能に接続されている移動用シャフトに対し、ローリング動作を行う(サブステップS1106)。この移動用シャフト連結部材のローリング動作に伴い、上面及び下面も同じ傾斜になるように回転する(サブステップS1107)。そして、下面が水底と同じ傾斜になると、水底からの反作用の力が下面全体に均等に伝わるため、もはや下面を傾斜させようとする力が加わらなくなり、移動用シャフト連結部材にも傾斜させようとする力が加わらなくなる。そこで、移動用シャフト連結部材はその姿勢でローリング動作を終了する(サブステップS1108)。なお、これら各サブステップのすべての処理は、実際にはほぼ瞬時に行われる。また、ローリング動作の間も浚渫用取込口構造体は進行を続けている。
その後は、新たな水底の傾斜の変化がない限り、浚渫用取込口構造体はその姿勢を保ったまま進行する。新たな水底の傾斜の変化があると(ステップS1109)、上述のステップS1103を繰り返すことでその水底の傾斜に応じたローリング動作が行われることとなる。このようにして、本実施例の浚渫用取込口構造体は、常に水底の変化に応じて下面の向きを変えることができ、泥土を効率的に浚い取ることが可能となる。
<効果>
本実施例の発明によれば、開口型の浚渫用取込口構造体において、水底面の進行方向に対して左右方向の傾斜の変化に応じて開口面の向きを動かせることができ、泥土を効率よく浚い取ることができる浚渫用取込口構造体を提供することが可能となる。
<概要>
本実施例の浚渫用取込口構造体は、実施例1の構成に加えて、移動用シャフト連結部材が上面と移動用シャフトをピッチング可能にも連結するように構成されているものである。水底面は進行方向に向かって左右方向にのみ傾斜があるとは限らず、前後方向に傾斜がある場合も考えられる。この場合、構造体の上面を水底面の傾斜に合わせて向きを変えるためには、台船の向きを変えて浚渫用取込口構造体の進行方向を90度方向転換することも考えられるが、それよりも浚渫用取込口構造体の進行方向を変えずに左右にも前後にも上面を傾けることができる方が、作業効率が良い。そこで、本実施例の構成の目的は、水底面の傾斜に応じて上面がローリングもピッチングも可能な浚渫用取込口構造体を提供することにある。
<構成>
(全般)
本実施例の浚渫用取込口構造体は、実施例1で述べたものと基本的に共通するが、本実施例では、移動用シャフト連結部材が上面と移動用シャフトをピッチング可能にも連結するように構成されている点に特徴がある。なお、本発明においてピッチンングとは、浚渫用取込口構造体の進行方向を軸としてこれと同一の方向(前後方向)に回転する動きをいう。以下、本実施例の浚渫用取込口構造体の移動用シャフト連結部材の構成について説明する。その余の構成は実施例1の浚渫用取込口構造体と同様であるので、説明を省略する。
(移動用シャフト連結部材)
図9は、本実施例の移動用シャフト連結部材の具体的構成の一例を示す図である。本図に示す移動用シャフト連結部材0940は、構造体本体0910の上面に設けられた略円筒形状の筒状の部材であり、進行方向の前面、背面(図示されない)、左側面(図示されない)及び右側面にボルト孔0941が設けられている。また、当該部材に嵌設される移動用シャフト0930にもこれに対応する位置にボルト孔が設けられている。そして、移動用シャフト連結部材とボルト孔と移動用シャフト連結部材の径内に嵌合された移動用シャフトのボルト孔の位置を合わせた状態でこれらボルト孔に挿通されるボルト0942及びナット(図示されない)によって、移動用シャフトが移動用シャフト連結部材に対して固定されている。
また、移動用シャフト連結部材のボルト孔のうち、左右側面のホルト孔は、移動用シャフトのローリングに伴いボルトが上下に移動できるようにするために縦長の孔となっている。同様に、前面及び背面のホルト孔は、移動用シャフトのピッチングに伴いボルトが上下に移動できるようにするために縦長の孔となっている。また、ローリングの際にボルト頭部が移動用シャフト連結部材につかえて動けないことを避けるため、ボルトはボルト頭部がやや外側に張り出した位置になるように取り付けられる。つまり、本実施例の移動用シャフト連結部材は、前実施例において図5に示したような前面及び背面に縦長のボルト孔を設けた構成を、前面、背面及び左右の側面に拡張したものである。
この場合、ボルトは移動用シャフトのボルト孔に対してはきつく締められる。一方、移動用シャフト連結部材のボルト孔とボルトの接触状態は、図5で示した例における移動用シャフトのボルト孔とボルトの接触状態と同じ程度に保たれる。
このような構成によれば、水底面の左右方向の傾斜に対しては左右のボルト孔を利用してローリング可能であり、水底面の前後方向の傾斜に対しては前後のボルト孔を利用してピッチング可能となる。
<処理の流れ>
なお、以上に述べた構成を有する浚渫用取込口構造体を用いて湖沼底面を浚渫する浚渫方法も本実施例に含まれるが、その処理の流れのうち、ローリングに係る処理の流れは実施例1で説明したところと同様であり、ピッチングに係る処理の流れについても、ローリングの場合と部材の構造が変わることにより回転方向が変わるだけであって処理の流れ自体はローリングに係る処理の流れと同様であるので、詳細な説明は省略する。
<効果>
本実施例の発明によれば、開口型の浚渫用取込口構造体において、水底面の進行方向に対して左右方向及び前後方向の傾斜の変化に応じて開口面の向きを動かせることができ、泥土を効率よく浚い取ることができる浚渫用取込口構造体を提供することが可能となる。
<概要>
本実施例の浚渫用取込口構造体は、進行方向に対して前後方向の水底面の傾斜の変化に応じてこれに上面の向きを一致させるようにピッチングが可能な浚渫用取込口構造体である。
<構成>
(全般)
本実施例における浚渫用取込口構造体は、実施例1、2の浚渫用取込口構造体と同様、構造体本体と、取込口と、移動用シャフト連結部材と、移動用シャフトとを有する。また、構造体本体が、上面と、背面と、側面とを有する点も実施例1、2の浚渫用取込口構造体と同様である。さらに、構造体本体には進行方向に向けた開口が設けられるとともに、開口に柵が設けられるといった点も同様である。
ただし、本実施例では、移動用シャフト連結部材は、移動用シャフトに対して構造体本体の上面をピッチング可能に連結するようになっており、この点で移動用シャフト連結部材が移動用シャフトに対して構造体本体の上面をローリング可能に連結するようになっている実施例1と異なる。
(移動用シャフト連結部材)
図示は省略するが、本実施例の移動用シャフト連結部材の具体的構成の一例としては、実施例1において図5に示したのと同様、上面に設けられた略円筒形状の筒状の部材であって、進行方向の左右側面にボルト孔が設けられたものが挙げられる。即ち、本例においても、当該部材に嵌設される移動用シャフトにもこれに対応する位置にボルト孔が設けられ、移動用シャフト連結部材とボルト孔と移動用シャフト連結部材の径内に嵌合された移動用シャフトのボルト孔の位置を合わせた状態でこれらボルト孔に挿通されるボルト及びナットによって、移動用シャフトが移動用シャフト連結部材に対して固定される。また、移動用シャフトと移動用シャフト連結部材の内壁との間にはすき間が設けられる点も図5に示した例と同様である。なお、本例では、すき間は少なとも移動用シャフトの前後に設けられていればよい。
また、やはり図示は省略するが、本実施例の移動用シャフト連結部材の具体的構成の別の一例としては、実施例2において図8で示したもののうち、進行方向の左右側面にのみ縦長のボルト孔を備えたものが挙げられる。ボルト、ボルト孔等の構成は、図8に示したものと同様であって、移動用シャフト連結部材とボルト孔と移動用シャフト連結部材の径内に嵌合された移動用シャフトのボルト孔の位置を合わせた状態でこれらボルト孔に挿通されるボルト及びナットによって、移動用シャフトが移動用シャフト連結部材に対して固定される。また、ローリングの際にボルト頭部が移動用シャフト連結部材につかえて動けないことを避けるため、ボルトはボルト頭部がやや外側に張り出した位置になるように取り付けられる点も、図8に示した例と同様である。
なお、本実施例の浚渫用取込口構造体の移動用シャフト連結部材は、進行方向の左右側面に加え、前面及び背面にも同様の構成を備えたものであってもよいが、この場合には、実施例2で説明したものと同様の構成となる。
なお、以上に述べた構成を有する浚渫用取込口構造体を用いて湖沼底面を浚渫する浚渫方法も本実施例に含まれるが、その処理の流れは、ローリングの場合と部材の構造が変わることにより回転方向が変わるだけであって、処理の流れ自体は実施例1で説明したローリングに係る処理の流れと同様であるので、詳細な説明は省略する。
<効果>
本実施例の発明によれば、開口型の浚渫用取込口構造体において、水底面の進行方向に対して前後方向の傾斜の変化に応じて開口面の向きを動かせることができ、泥土を効率よく浚い取ることができる浚渫用取込口構造体を提供することが可能となる。
<概要>
本実施例の浚渫用取込口構造体は、取込口に連結される取込管の取込口との連結部の軸線がローリングの軸線と略一致し、その後に取込管が曲がる場合でも曲がったのちの取込管とローリングの軸線のなす角が45度以下であることを特徴とするものである。
<構成>
本実施例の浚渫用取込口構造体は、実施例1から実施例3のいずれか一で述べた浚渫用取込口構造体と基本的に共通する。ただし、本実施例の浚渫用取込口構造体は、取込口に連結される取込管の取込口との連結部の軸線がローリングの軸線と略一致し、その後に取込管が曲がる場合でも曲がったのちの取込管とローリングの軸線のなす角が45度以下であるように構成されている。このように構成する目的は、上面がローリングした時、即ち、構造体本体がローリングした時に、これに接続されている取込管が大きく左右に振れることがないようにすることにある。これは、取込管が大きく左右に振れると、水中で無用の抵抗を受けて台船が揺れたり、取込管に連接されたホースが左右に大きく振られて作業効率を悪くしたりするおそれがあるため、これを防ぐ趣旨である。
図10は、本実施例の浚渫用取込口構造体の構成の一例を示す図であって、取込管1020の取込口1007との連結部の軸線(A−Aで示す)は、ローリングの軸線と略一致し、その後に取込管が曲がる場合でも曲がったのちの取込管と前記ローリングの軸線のなす角θは45度以下である例を示す。なお、取込管とローリングの軸線のなす角はできるだけ小さいことが望ましく、例えば30度以下であることが望ましい。
<効果>
本実施例の発明により、上面がローリングした時にこれに接続されている取込管が大きく左右に振れることがないようにすることができ、もって、台船が揺れたり作業効率を悪くしたりするおそれがない浚渫用取込口構造体を提供することができる。
<概要>
本実施例は、実施例1〜4で説明した浚渫用取込口構造体を備えた浚渫装置にかかるものである。
<構成>
本実施例の浚渫装置の構成の一例は、図1に示した態様の浚渫作業において用いられている浚渫装置と同じ構成を有するものである。即ち、図1に即して改めてその構成を説明すれば、本実施例の浚渫装置は、台船0104、台船上に敷設されるレール0105、レール上に水平移動可能に載置される支持台車0103及び支持台車に接続されている浚渫用取込口構造体0100からなる。浚渫用取込口構造体の構成は、実施例1〜4で説明したとおりであり、いずれも水底の傾斜の変化に応じて開口面の向きを変えることができ、泥土を効率よく浚い取ることができるという特徴を有するものである。
<効果>
本実施例の発明によれば、水底の傾斜の変化に応じて開口面の向きを変えることができ、泥土を効率よく浚い取ることができるという特徴を有する浚渫用取込口構造体を備えることで、この特徴を生かした効率的な浚渫作業の実施が可能な浚渫装置を提供することができる。
<概要>
本実施例は、実施例1などで説明した浚渫用取込口構造体を用いた浚渫方法を用いて湖沼底面にたまった放射性汚泥を渡潔し、浚い取られた放射性汚泥の放射性成分を凝集し、残りの部分を再度湖沼に戻すことによる湖沼の放射性汚泥除去方法に係るものである。本実施例の湖沼の放射性汚泥除去方法に用いる放射性汚泥除去装置としては、例えば、(1)特開2015−020134号公報で開示されている発明に係る凝集撹拝装置、(2)特開2015−033665号公報で開示されている発明に係る沈降分離装置、又は(3)特開2015−040728号公報で開示されている発明に係る移動型コンパクト除染装置を利用することができる。なお、本発明の出願人は、これら各発明の発明者の一人である。
上記3件の発明は、いずれも、それまでの汚染土壌の除染装置が、除染処理所要量に見合う処理能力を待たせようとすると大型のものとならざるを得ず、現場での装置の設置・撤収に数日を要したり、水田や溜池などにアクセス困難であったりといった問題があったことから、処理能力を落とさずにコンパクトな装置を提供することを目的としたものである。
このうち、(1)の発明に係る凝集撹拝装置は、それまで広い設置場所を用いて独立の水槽を用意して行っていた撹拝工程をコンパクトな装置を用いて行うことができるようにするために、処理対象となる濁水の減容化を可能にしたものである。
図12は、本実施例の湖沼の放射性汚泥除去方法に用いる放射性汚泥除去装置としての凝集撹拝装置の構成の一例を示す図であって、上述の(1)の発明に係る凝集撹拝装置の構成を示したものである。本図に示すように、当該凝集撹拝装置は、流路管本体1208と、排出路1207と、流路管本体側から見て排出路より先に設けられる凝集撹拌部1203とからなる混合管1209と、流路管本体に設けられ泥などで濁った濁水を前記凝集撹拌部にて撹拝するように取り入れる濁水取入部1205と、流路管本体に凝集剤を取り入れる凝集剤取入部1201とから構成されている。その詳細な構成や当該装置を用いた凝集撹拝方法については、当該文献に詳細に開示されているのでここでは省略するが、かかる装置を用いることで、配管内で効率よく撹拝を行うことができる凝集撹拝装置を提供することができ、凝集擬拝装置のコンパクト化を図ることができるとともに、除染装置全体のコンパクト化につなげることもできる。
また、(2)の発明に係る凝集撹拝装置は、凝集分離工程における濁水の減容化を図ることが可能な凝集剤添加後濁水の沈降分離装置を提供することものである。
図13は、本実施例の湖沼の放射性汚泥除去方法に用いる放射性汚泥除去装置としての凝集撹拝装置の構成の一例を示す図であって、上述の(2)の発明に係る沈降分離装置の構成を示したものである。本図に示すように、当該沈降分離装置1300は、濁水を整流してフロックを効率的に凝集沈降槽に送り込むための水槽であるフロック整流水槽1310と、フロック整流水槽から取り入れられた原濁水に対して凝集沈降処理を行うための槽である凝集沈降槽1320と、凝集沈降によって得られた凝集物の濃縮を行うための槽である濃縮槽1330とを有する。
その詳細な構成や当該装置を用いた沈降分離方法については、当該文献に詳細に開示されているのでここでは省略するが、かかる装置を用いることで、減容化のより図られた濁水を次の脱水工程に送り込むことができるようにした沈降分離装置を提供することができ、沈降分離装置のコンパクト化を図ることができるとともに、除染装置全体のコンパクト化につなげることもできる。
さらに、(3)の発明に係る移動型コンパクト除染装置は、以上に説明したような凝縮分離装置や沈降分離を含む除染装置を4tトラックの荷台に搭載して移動可能なコンパクトなものとするとともに、コンパクトであっても十分な処理能力を有する除染装置を提供するものである。
このようなコンパクトでかつ十分な処理能力を有する装置を用いた除染方法によれば、大型車両のアクセスが困難な場所の汚染土壌についても十分な除染処理を行うことが可能となるが、本実施例の湖沼の放射性汚泥除去方法は、実施例1などで説明した浚渫用取込口構造体を用いた浚渫方法を用いることで、湖沼底面にたまった放射性汚泥を効率的に浚渫して除染処理に回すことができるため、その後の除染処理を行って汚泥が除去された残りの部分を再度湖沼に戻すことによる湖沼の放射性汚泥除去方法を効率的に行うことができる。
<効果>
本実施例の発明によれば、水底の傾斜の変化に応じて開口面の向きを変えることができ、泥土を効率よく浅い取ることができるという特徴を有するという浚渫用取込口構造体の特徴を生かすとともに、その後の除染処理をコンパクトかつ十分な処理能力を有する装置を用いて行うことができるため、湖沼の放射性汚泥除去作業を効率的に行う方法を提供することが可能となる。

Claims (7)

  1. 上面と、
    上面の進行方向後端に配置される背面と、
    側面と、
    背面下端近傍に設けられる浚渫対象となる泥や砂などを吸い上げるための取込口と、
    進行方向に向けた開口であって、上面略前端から背面下端まで形成される開口と、
    取込口がつまるサイズの物を取込口に入れないための上面略前端から背面下端まで形成される柵と、
    自身を水底上で移動させるための移動用シャフトと、
    前記上面に備えられ、上面と前記移動用シャフトをローリング可能に連結するための移動用シャフト連結部材と、
    を有する浚渫用取込口構造体。
  2. 前記移動用シャフト連結部材は、上面と前記移動用シャフトをピッチング可能に連結する請求項1に記載の浚渫用取込口構造体。
  3. 上面と、
    上面の進行方向後端に配置される背面と、
    側面と、
    背面下端近傍に設けられる浚渫対象となる泥や砂などを吸い上げるための取込口と、
    進行方向に向けた開口であって、上面略前端から背面下端まで形成される開口と、
    取込口がつまるサイズの物を取込口に入れないための上面略前端から背面下端まで形成される柵と、
    自身を水底上で移動させるための移動用シャフトと、
    前記上面に備えられ上面と前記移動用シャフトをピッチング可能に連結するための移動用シャフト連結部材と、
    を有する浚渫用取込口構造体。


  4. 前記取込口に連結される取込管の取込口との連結部の軸線は、前記ローリングの軸線と略一致し、その後に取込管が曲がる場合でも曲がったのちの取込管と前記ローリングの軸線のなす角は、45度以下である請求項1又は請求項2に記載の浚渫用取込口構造体。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一に記載の浚渫用取込口構造体を備えた浚渫装置。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか一に記載の浚渫用取込口構造体を用いて湖沼底面を浚渫する浚渫方法。
  7. 請求項6に記載の浚渫方法を用いて湖沼底面にたまった放射性汚泥を浚渫し、
    浚い取られた放射性汚泥の放射性成分を凝集し、残りの部分を再度湖沼に戻すことによる湖沼の放射性汚泥除去方法。
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