JP6808576B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、携帯電話機などの各種の電子機器の表示装置として好適に実施することができる液晶表示装置に関する。
従来から、アクティブマトリクス型液晶表示装置において、黒表示時の液晶表示パネルの光透過率が極小にならず、表示品位の高いノーマリブラックの黒レベルが得られない、いわゆる黒浮きの問題を解決する技術が求められている。
このような問題を解決する従来技術は、たとえば特許文献1に記載されている。この従来技術では、反射機能を有する領域と透過機能を有する領域とが形成された一方基板と、対向電極が形成された他方基板とを有し、一方基板と他方基板との間に液晶層が挟持された液晶表示装置において、他方基板の液晶層とは反対の面に設けられた第1の偏光手段と、一方基板の液晶層とは反対の面に設けられた第2の偏光手段と、第1の偏光手段と液晶層との間に設けられ、第1の偏光手段からの直線偏光を円偏光とする第1の1/4波長板と、第2の偏光手段と液晶層との間に設けられ、第2の偏光手段からの直線偏光を円偏光とする第2の1/4波長板と、第1の偏光手段と液晶層との間に設けられ、第1の1/4波長板の屈折率異方性の波長依存性を補償する1/2波長板とを有し、液晶層が負の誘電異方性を有する垂直配向液晶材料である液晶表示装置が提案されている。
特開2000−35570号公報
上記の特許文献1に記載される従来技術は、垂直配向(Vertical Alignment;略称VA)制御型の液晶表示装置を対象としている。垂直配向制御型の液晶表示装置は、初期配向状態の液晶分子の配向方向が各基板の表面と垂直(垂直配向)であり、従来技術は、電界印加によって液晶分子を傾けて液晶の複屈折率Δnを変化させて透過光が変化する液晶表示装置についての黒浮きを改善する技術を提案するものであり、複屈折制御(Electrically Controlled Birefringence;略称ECB)型の液晶表示装置に対する黒浮きを広帯域で防止する技術については、提案していない。
複屈折制御型の液晶表示装置では、液晶層に電界を印加しない状態(初期配向状態)で液晶分子が基板の表面と平行であり、この液晶層に印加する電界を徐々に高くすると、ある閾値電界を超えたときに、液晶分子が基板の表面に対して徐々に立ち上がり始め、高電圧で分子配向方向が基板の表面に対して垂直になる動作モードで駆動される。このような複屈折制御型の液晶表示装置においても、上記の垂直配向制御型の液晶表示装置と同様に、広帯域で黒浮きを抑制する技術が求められている。
本発明の目的は、ノーマリブラックで表示を行う複屈折制御型の液晶表示装置において、広帯域で表示品位の高い黒レベルを実現して黒浮きを抑制することができる液晶表示装置を提供することである。
本発明は、ノーマリブラックで表示を行う複屈折制御型の液晶表示装置であって、
液晶層を有するとともに、表示面側から入射して前記液晶層を通過した光を反射する光反射部を有する液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの前記表示面側に配置される第1の偏光板と、
前記液晶表示パネルと前記第1の偏光板との間に、前記第1の偏光板の側から順に設けられる第1の1/2波長板および第2の1/2波長板と、を備え、
前記液晶層は、その位相差が前記第2の1/2波長板の位相差の1/2よりも小さく、
前記第2の1/2波長板は、その遅相軸が電界無印加時の液晶分子の配向軸と直交しており、
前記第1の1/2波長板の遅相軸と前記第2の1/2波長板の前記遅相軸とが交差していることを特徴とする液晶表示装置である。
また本発明は、前記第1の1/2波長板の遅相軸と、前記第2の1/2波長板の遅相軸とは、43°以上63°以下の交差角度で交差していることを特徴とする。
また本発明は、前記液晶表示パネルは、反表示面側から入射した光を、前記液晶層を透過させる光透過部を有し、
前記液晶表示パネルの前記反表示面側に配置される第2の偏光板と、
前記液晶表示パネルと前記第2の偏光板との間に、前記液晶表示パネルの側から順に設けられる1/4波長板および第3の1/2波長板と、をさらに備え、
前記1/4波長板の遅相軸と前記第2の1/2波長板の前記遅相軸とは、90°で交差しており、
前記第3の1/2波長板の遅相軸と前記第1の1/2波長板の遅相軸とは、88°以上108°以下で交差していることを特徴とする。
また本発明は、前記光透過部の位相差は、前記光反射部の位相差よりも大きいことを特徴とする。
また本発明は、ノーマリブラックで表示を行う複屈折制御型の液晶表示装置であって、
液晶層を有するとともに、表示面側から入射して前記液晶層を通過した光を反射する光反射部を有する液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの前記表示面側に配置される第1の偏光板と、
前記液晶表示パネルと前記第1の偏光板との間に設けられる、第1の1/2波長板と、を備え、
前記液晶層は、その位相差が前記第1の1/2波長板の位相差の1/2よりも小さく、
前記第1の1/2波長板は、その遅相軸が電界無印加時の液晶分子の配向軸と交差していることを特徴とする液晶表示装置である。
また本発明は、前記第1の1/2波長板の遅相軸と、前記電界無印加時の液晶分子の配向軸とは、53°以上78°以下の交差角度で交差していることを特徴とする。
また本発明は、前記液晶表示パネルは、反表示面側から入射した光を、前記液晶層を透過させる光透過部を有し、
前記液晶表示パネルの前記反表示面側に配置される第2の偏光板と、
前記液晶表示パネルと前記第2の偏光板との間に、前記液晶表示パネルの側から順に設けられる1/4波長板および第2の1/2波長板と、をさらに備え、
前記1/4波長板の遅相軸と前記電界無印加時の液晶分子の配向軸とは、90°で交差しており、
前記第2の1/2波長板の遅相軸と前記第1の1/2波長板の遅相軸とは、90°以上110°以下で交差していることを特徴とする。
また本発明は、前記光透過部の位相差は、前記光反射部の位相差よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、ノーマリブラックで表示を行う複屈折制御型の液晶表示装置において、第2の1/2波長板は、その遅相軸が電界無印加時の液晶分子の配向軸と直交していることによって、液晶層の位相差を打ち消す。これによって、第2の1/2波長板および液晶層は、1/4波長板として機能する。第1の1/2波長板、第2の1/2波長板および液晶層から出射した円偏光は、広帯域の円偏光となる。
液晶層に電界が印加された状態では、液晶層の位相差が第2の1/2波長板の位相差の1/2よりも小さく設定されるので、第2の1/2波長板から入射した円偏光は液晶層を通って楕円偏光となり、光反射部で反射される。楕円偏光の反射光は、再び液晶層と第2の1/2波長板と第1の1/2波長板とを通過し、第1の偏光板の偏光方向の光だけが通過して、白表示となる。
また、液晶層に電界が印加されない状態では、第2の1/2波長板および液晶層は1/4波長板として機能し、液晶層から出射した円偏光は、広帯域の円偏光となり、円偏光のまま光反射部で反射されて反射光となる。円偏光の反射光は、再び液晶層と第2の1/2波長板および第1の1/2波長板を通過し、第1の偏光板の偏光方向に直交する直線偏光となり、広帯域でノーマリブラックの色味、すなわち表示品位の高い黒レベル、いわゆる黒浮きが抑制された黒表示となる。
また本発明によれば、第1の1/2波長板の遅相軸と第2の1/2波長板の遅相軸との交差角度を、43°以上63°以下とすることによって、表示品位の高いノーマリブラックの黒表示を実現することができる。
また本発明によれば、液晶表示パネルは反表示面側から入射した光は光透過部を有する液晶層を透過する。1/4波長板の遅相軸と第2の1/2波長板の遅相軸との交差角度が90°であり、第3の1/2波長板の遅相軸と第1の1/2波長板の遅相軸との交差角度が88°以上108°以下であるので、液晶表示パネルの反表示面の側から入射した光は、第2の偏光板によって直線偏光となるが、この直線偏光は、第3の1/2波長板および1/4波長板を通過すると広帯域において円偏光となる。この円偏光は、液晶層および第2の1/2波長板をそのまま通過し、第1の1/2波長板を通過した後、直線偏光となる。この直線偏光の偏光方向は、第1の偏光板の偏光方向に直交する。これによって、直線偏光は、第1の偏光板から外部に出射せず、表示品位の高いノーマリブラックの黒表示が得られる、いわゆる半透過反射型の液晶表示装置を実現することができる。
また本発明によれば、光透過部の位相差が光反射部の位相差よりも大きいので、液晶層の光透過部および光反射部の位相差を調整するためのマルチギャップ、すなわち液晶層の層厚調整層を設けることが可能となり、これによって反射表示および透過表示共に高いコントラストを実現することができる。
本発明によれば、ノーマリブラックで表示を行う複屈折制御型の液晶表示装置において、液晶層の位相差は、1/4波長板として機能する。第1の1/2波長板および液晶層から出射した円偏光は、広帯域の円偏光となる。
液晶層に電界が印加された状態では、第1の1/2波長板と液晶層とを通って直線偏光となり、光反射部で反射される。直線偏光の反射光は、再び液晶層と第1の1/2波長板とを通過し、第1の偏光板の偏光方向と同じ直線偏光となるため、白表示となる。
また、液晶層に電界が印加されない状態では、第1の1/2波長板および液晶層は1/4波長板として機能し、液晶層から出射した円偏光は、広帯域の円偏光となり、円偏光のまま光反射部で反射されて反射光となる。円偏光の反射光は、再び液晶層および第1の1/2波長板を通過し、第1の偏光板の偏光方向に直交する直線偏光となり、広帯域でノーマリブラックの色味、すなわち表示品位の高い黒レベル、いわゆる黒浮きが抑制された黒表示となる。
また本発明によれば、第1の1/2波長板の遅相軸と電界無印加時の液晶分子の配向軸との交差角度を、53°以上78°以下とすることによって、表示品位の高いノーマリブラックの黒表示を実現することができる。
また本発明によれば、液晶表示パネルは反表示面側から入射した光は光透過部を有する液晶層を透過する。1/4波長板の遅相軸と電界無印加時の液晶分子の配向軸との交差角度が90°であり、第2の1/2波長板の遅相軸と第1の1/2波長板の遅相軸との交差角度が90°以上110°以下であるので、液晶表示パネルの反表示面の側から入射した光は、第2の偏光板によって直線偏光となるが、この直線偏光は、第2の1/2波長板および1/4波長板を通過すると広帯域において円偏光となる。この円偏光は、液晶層および第1の1/2波長板を通過した後、直線偏光となる。この直線偏光の偏光方向は、第1の偏光板の偏光方向に直交する。これによって、直線偏光は、第1の偏光板から外部に出射せず、表示品位の高いノーマリブラックの黒表示が得られる、いわゆる半透過反射型の液晶表示装置を実現することができる。
また本発明によれば、光透過部の位相差が光反射部の位相差よりも大きいので、液晶層の光透過部および光反射部の位相差を調整するためのマルチギャップ、すなわち液晶層の層厚調整層を設けることが可能となり、これによって反射表示および透過表示共に高いコントラストを実現することができる。
本発明の一実施形態の液晶表示装置の構成を示す断面図である。 液晶表示装置の電界無印加時および電界印加時の動作を説明するための図である。 液晶表示装置の軸配置および位相差値を示す図である。 本発明の他の実施形態の液晶表示装置の構成を示す断面図である。 他の実施形態の液晶表示装置の電界無印加時および電界印加時の動作を説明するための図である。 他の実施形態の液晶表示装置の軸配置および位相差値を示す図である。 本発明の他の実施形態の液晶表示装置の構成を示す断面図である。 液晶表示装置の電界無印加時および電界印加時の動作を説明するための図である。 液晶表示装置の軸配置および位相差値を示す図である。 本発明の他の実施形態の液晶表示装置の構成を示す断面図である。 他の実施形態の液晶表示装置の電界無印加時および電界印加時の動作を説明するための図である。 他の実施形態の液晶表示装置の軸配置および位相差値を示す図である。
図1は本発明の一実施形態の液晶表示装置の構成を示す断面図であり、図2は液晶表示装置の電界無印加時および電界印加時の動作を説明するための図であり、図3は液晶表示装置の軸配置および位相差値を示す図である。
本実施形態の液晶表示装置1は、ノーマリブラックで表示を行う複屈折制御型の反射型液晶表示装置である。この液晶表示装置1は、液晶層2を有するとともに、表示面3側から入射して液晶層2を通過した光を反射する光反射層4を有する液晶表示パネル5と、液晶表示パネル5の表示面3側に配置される第1の偏光板6と、液晶表示パネル5と第1の偏光板6との間の、第1の偏光板6側に配置される第1の1/2波長板7と、液晶表示パネル5と第1の偏光板6との間の、液晶表示パネル5側に配置される第2の1/2波長板8と、を含む。このように、液晶表示パネル5と第1の偏光板6との間には、第1の偏光板6の側から順に設けられる第1の1/2波長板7および第2の1/2波長板8を備える。
液晶層2は、その位相差が第2の1/2波長板8の位相差の1/2よりも小さく、第2の1/2波長板8は、その遅相軸が電界無印加時の液晶分子の配向軸と直交している。第1の1/2波長板7の遅相軸と第2の1/2波長板8の遅相軸とは、交差している。
液晶表示パネル5は、第1の基板10、遮光層11、カラーフィルタ層12、共通電極13、第1の配向層14、柱状部15、液晶層2、第2の配向層16、透明電極17、第5の層間絶縁層18、光反射層4、第4の層間絶縁層19、ドレイン電極20、ソース電極21、層間接続部22、第3の層間絶縁層23、第2の層間絶縁層24、第1の層間絶縁層25、第2のゲート絶縁層26、第1のゲート絶縁層27、第2の基板28、チャネル部29、半導体層30およびゲート電極31を備える。
前述のドレイン電極20、ソース電極21、層間接続部22、チャネル部29、半導体層30およびゲート電極31は、アクティブ素子としての薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;略称TFT)を構成する。ドレイン電極20は、画素電極である光反射層4に層間接続部22などによって接続される。ゲート電極31に接続されるゲート信号線は、画素の行ごとに設けられ、ソース電極21に接続されるソース信号線は、画素の列ごとに設けられ、ゲート信号線とソース信号線との各交差部に画素がそれぞれ形成される。
第1の基板10および第2の基板28は、ガラス基板によって実現される。遮光層11は、ブラックマトリクスを構成し、図1の上方から見た平面視において画素間に設けられ、各画素を区画している。共通電極13は、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide;略
称ITO)等から成り、透明電極層を構成している。第1の配向層14および第2の配向層16は、ポリイミド等から成る。第4の層間絶縁層19は、アクリル系樹脂等から成る。第1〜第3の層間絶縁層25,24,23ならびに第1および第2のゲート絶縁層26,27は、酸化珪素(SiO)または窒化珪素(SiN)から成る。光反射層4は、モリブデン(Mo),アルミニウム(Al)等から成り、例えば、Mo層上にAl層を積層した構成等である。
薄膜トランジスタは、アモルファスシリコン(a-Si)、低温多結晶シリコン(Low-Temperature Poly Silicon;LTPS)などから成る半導体層30を有し、ゲート電極31、ソース電極21、ドレイン電極20の3端子素子であって、ゲート電極31に所定電位の電圧(例えば、3V,6V)を印加することによって、ソース電極21とドレイン電極20との間の半導体層30(チャネル)に電流を流す、スイッチング素子(ゲートトランスファ素子)として機能する。
第1の偏光板6は、直線偏光板であって、外部から表示面3に入射するランダム偏光(楕円偏光)の光から光透過軸(以下、透過軸ともいう)に一致する直線偏光の光だけを透過させる。第1の偏光板6の光透過軸(または光吸収軸(以下、吸収軸ともいう))と後述の第2の偏光板44(図4を参照)の光透過軸(または光吸収軸)との交差角度は、必ずしも90°でなくてもよい。本実施形態において、交差角度は95°以上115°以下に配置され、好ましくは106°に配置される。なお、後述の他の実施形態でも、106°に配置される。
液晶表示パネル5は、複屈折制御(Electrically Controlled Birefringence;略称ECB)型であり、液晶層2に電界が印加されていない初期配向状態で、液晶分子が第1および第2の基板10,28の互いに対向する各表面と平行になるように水平配向処理を施したものを用いる。この液晶表示パネル5に印加する電圧を徐々に高くしていくと、ある閾値電圧を超えたときに液晶分子は第1および第2の基板10,28の各表面に対して徐々に立ち上がり始め、規定値以上の高電圧で分子配向方向は各基板10,28の各表面に対して垂直になる。
液晶は屈折率異方性媒質であるので、液晶分子の配向軸方向(X軸)の光波と、液晶分子の配向軸と直交方向(Y軸)の光波では、進行速度が異なり、換言すると、X軸とY軸とでは光波の屈折率が異なる。X軸の屈折率(nx)とY軸の屈折率(ny)との差を複屈折率Δn(=nx−ny)という。
液晶層2に入射し、それから出射した光波は、X軸とY軸で速度が違うため、X軸とY軸で位相がずれ、この位相のずれを位相差またはリタデーション(Retardation)という。ここで、入射光の波長をλ、液晶層2の厚さをd、複屈折率をΔnとすると、位相差δは、次式(1)で表わされる。また、Δn・d(nm)でも表される。
δ=2・π・Δn・d/λ …(1)
垂直配向(Vertical Alignment;略称VA)方式は、ECB方式とは逆に、初期配向状態の液晶分子の配向方向が第1および第2の基板10,28の表面と垂直(垂直配向)となるような配向膜を配置し、電界が印加されることによって液晶分子を傾け、複屈折率Δnを変化させる。
本件発明者は、複屈折制御型であって、ノーマリブラックの液晶表示装置1において、液晶層2の位相差が第1および第2の1/2波長板7,8の位相差(1/2波長である。例えば、波長が550nmである場合、第1および第2の1/2波長板7,8で約275nmの位相差となる。本実施形態では270nm)の1/2よりも小さい場合(例えば、本実施形態では110nm)に、ノーマリブラックの色味(黒さの程度)が良好である(真黒に近い)ことを見出した。そして、この液晶表示パネル5に付加される第1および第2の1/2波長板7,8の遅相軸を所定の方向に配置することによって、ノーマリブラックの色味を改善することができることを見出した。
本件発明者は、ノーマリブラックの視認性が改善されていることを確認するために、実施例1および比較例1の液晶表示装置サンプルを作製し、液晶層2の位相差値を、実施例1では110nm、比較例1では140nmとし、コニカミノルタジャパン株式会社製の分光測色計「CM−2600d」を用いて、黒表示の反射率、白表示の反射率、反射コントラスト比を計測した。第1の偏光板6として、日東電工株式会社製、製品名「TEG1465DUHC」の偏光板を使用した。また、第1および第2の1/2波長板7,8として、日本ゼオン株式会社製、製品名「ゼオノアフィルム」の位相差値が270nmを使用した。
実験の結果、実施例1では、黒表示の反射率が0.6%、白表示の反射率が18%、反射コントラスト比が30:1であった。これに対して比較例1では、黒表示の反射率が3.4%、白表示の反射率が17%、反射コントラスト比が5:1となり、黒表示において良好な視認性が得られることが確認された。このような実験によって、液晶層2の位相差を第2の1/2波長板8の位相差の1/2よりも小さくすると、表示品位の高い黒レベルにすることができ、黒表示の視認性を向上することが確認された。ただし、第2の1/2波長板8の位相差の1/4よりも小さい場合、例えば、液晶層2の位相差値を65nmとすると、表示色は青色がかった黒表示となり、黒表示の視認性が低下する傾向であった。したがって、液晶層2の位相差は、第2の1/2波長板8の位相差の1/4以上1/2よりも小さいことが好ましい。
第2の1/2波長板8は、その遅相軸が電界無印加時の液晶分子の配向軸と直交していることによって、液晶層2の位相差を打ち消すことができる。これによって、第2の1/2波長板および液晶層は、1/4波長板として機能する。第1の1/2波長板と第2の1/2波長板および液晶層から出射した円偏光は、広帯域の円偏光となる。ただし、液晶層2から出射した円偏光は、光反射層4で反射されると、回転方向が逆転した円偏光となる。
図2および図3をも参照して、液晶表示パネル5を表示面3側から見たとき、第2の1/2波長板8の遅相軸の方向、すなわち液晶分子の電界無印加時の初期配向方向(=ラビング方向)に直交する方向を基準軸(=0°)とし、その基準軸から各軸までの反時計まわりの角度を遅相軸の角度とすると、第1の偏光板6の吸収軸の角度θp1は63°である。第1の1/2波長板7の遅相軸の角度θf1は53°(位相差値Δnd=270nm)であり、第2の1/2波長板8の遅相軸の角度θf2は0°(位相差値Δnd=270nm)である。
第1の1/2波長板7の遅相軸と第2の1/2波長板8の遅相軸とは交差角度α1で交差している。第1の1/2波長板7の遅相軸と第2の1/2波長板8の遅相軸との交差角度α1は、43°以上63°以下に配置され、好ましくは53°に配置される。第2の1/2波長板8の遅相軸と液晶層2の液晶分子の配向方向との交差角度α2は、ほぼ直交し、好ましくは90°である。これによって、表示品位の高い黒レベルの黒表示が得られ、ノーマリブラックの色味(黒さの程度)を改善することができる。
次に、液晶表示装置1の表示について説明すると、外部から液晶表示装置1の表示面3の側に入射したランダム偏光(楕円偏光)の光a1は、第1の偏光板6によって直線偏光(直線偏光a2とする)となる。直線偏光a2は、液晶層2を通過すると円偏光(円偏光a3とする)となる。
液晶層2に電界が印加された状態では、液晶層2の位相差が第2の1/2波長板8の位相差の1/2よりも小さく設定されるので、液晶層2を通って楕円偏光a4となり、光反射層4で反射される。その楕円偏光a4の反射光b3は、再び液晶層2と第2の1/2波長板8と第1の1/2波長板7とを通過し、楕円偏光b4となり、第1の偏光板6の偏光方向の光だけが通過して、白表示となる。
また、液晶層2に電界が印加されない状態では、液晶層2を通過し、広帯域の円偏光a3となり、広帯域の円偏光a3のまま光反射層4で反射されて反射光b1となる。円偏光の反射光b1は、再び液晶層2および第2の1/2波長板8および第1の1/2波長板7を通過し、第1の偏光板6の偏光方向に直交する直線偏光b2となり、ノーマリブラックの色味、すなわち表示品位の高い黒レベル、いわゆる黒浮きが抑制された黒表示を得ることができる。
図4は本発明の他の実施形態の液晶表示装置を示す断面図であり、図5は液晶表示装置の電界無印加時および電界印加時の動作を説明するための図であり、図6は液晶表示装置の軸配置を示す図である。なお、前述の実施形態と対応する部分には、同一の参照符を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の液晶表示装置1aは、液晶表示パネル5の反表示面43側に配置される第2の偏光板44と、液晶表示パネル5と第2の偏光板44との間に配置される1/4波長板45および第3の1/2波長板50とをさらに備え、液晶表示パネル5の反表示面43の側から入射した光を透過させる光透過部46が液晶層2に設けられ、いわゆる半透過型(光反射部と光透過部との双方を備える)の液晶表示装置として実現される。基本的には、反表示面43側にバックライト装置は不要であるが、あってもよい。
1/4波長板45は、その遅相軸と第2の1/2波長板8の遅相軸とが直交するので、第2の1/2波長板7の残留位相差、すなわち第2の1/2波長板8に対して1/2の位相差分を打ち消すことができる。このように液晶表示パネル5と第2の偏光板44との間には、液晶表示パネル5の側から順に1/4波長板45および第3の1/2波長板50が設けられる。1/4波長板45の遅相軸と第2の1/2波長板8の遅相軸との交差角度は90°である。また第3の1/2波長板50の遅相軸と第1の1/2波長板7の遅相軸とは、88°以上108°以下の交差角度で交差している。
次に、液晶表示装置1aの表示について説明すると、液晶表示パネル5は、反表示面43側から入射した光を透過させる光透過部46を液晶層2に有するので、液晶層2に電界が印加されていない状態では、液晶表示パネル5の反表示面43の側から入射した光は、第2の偏光板44によって直線偏光c1となるが、この直線偏光c1は、第3の1/2波長板50および1/4波長板45を通過すると広帯域の円偏光c2となる。この広帯域の円偏光c2は、液晶層2および第2の1/2波長板8、さらに第1の1/2波長板7を通過した後、直線偏光c3となる。この直線偏光c3の偏光方向は、第1の偏光板6の偏光方向に直交する。これによって、直線偏光c3は、第1の偏光板6から外部に出射せず、表示品位の高いノーマリブラックの黒表示が得られる、いわゆる半透過型の液晶表示装置を実現することができる。
また、液晶層2に電界が印加された状態では、反表示面43側からの入射光は、第2の偏光板44を通過し、直線偏光d1となる。この直線偏光d1の光は、第3の1/2波長板50と1/4波長板45によって広帯域の円偏光d2となる。この広帯域の円偏光d2は、液晶層2、第2の1/2波長板8、第1の1/2波長板7を通過して楕円偏光d3となり、楕円偏光d3は第1の偏光板6の偏光方向の光だけが通過して、白表示となる。
図5および図6をも参照して、液晶表示パネル5を表示面3側から見たとき、第2の1/2波長板8の遅相軸の方向、すなわち液晶分子の電界無印加時の初期配向方向(=ラビング方向)に直交する方向を基準軸(=0°)とし、その基準軸から各軸までの反時計まわりの角度を遅相軸の角度とすると、第1の偏光板6の吸収軸の角度θp1は63°である。第1の1/2波長板7の遅相軸の角度θf1は54°(位相差値Δnd=270nm)であり、第2の1/2波長板8の遅相軸の角度θf2は0°(位相差値Δnd=270nm)である。1/4波長板45の遅相軸の角度θf3は90°(位相差値Δnd=140nm)であり、第3の1/2波長板50の遅相軸の角度θf4は152°(位相差値Δnd=270nm)、第2の偏光板44の吸収軸の角度θp2は169°である。
第1の1/2波長板7の遅相軸と第2の1/2波長板8の遅相軸との交差角度α3は、43°以上63°以下に選ばれ、好ましくは54°に選ばれる。第2の1/2波長板8と液晶層2の液晶分子の配向方向との交差角度α3は、90°であり、第2の1/2波長板8の遅相軸と1/4波長板45の遅相軸との交差角度は90°であり、第3の1/2波長板50の遅相軸と第1の1/2波長板7の遅相軸との交差角度(θf3−θf1)が88°以上108°以下、好ましく98°に選ばれる。さらに第1の偏光板6の吸収軸と第2の偏光板44の吸収軸との交差角度(θp2−θp1)は、95°以上115°以下、好ましくは106°に選ばれる。
これによって、黒レベルの表示品位が高いノーマリブラックの黒表示を実現することができる。
他の実施形態では、第1の1/2波長板7の遅相軸と第2の1/2波長板8の遅相軸との交差角度を43°以上63°以下とし、第2の1/2波長板8の遅相軸と液晶層2の液晶分子の配向方向との交差角度をほぼ直交、好ましくは90°とし、第2の1/2波長板8の遅相軸と1/4波長板45の遅相軸との公差角度がほぼ直交、好ましくは90°とし、第1の1/2波長板7の遅相軸と第3の1/2波長板50の遅相軸との交差角度を88°以上108°以下、好ましくは98°とし、第1の偏光板6の吸収軸と第2の偏光板44の吸収軸との交差角度を95°以上115°以下、好ましくは106°としてもよい。
また、光透過部46の位相差を光反射部47の位相差よりも大きくし、液晶層2の光透過部46と光反射部47とをマルチギャップ化すること、すなわち液晶層2の層厚調整層を設けることができる。これによって反射表示および透過表示共に高いコントラストを実現することができる。
図7は本発明の他の実施形態の液晶表示装置の構成を示す断面図であり、図8は液晶表示装置の電界無印加時および電界印加時の動作を説明するための図であり、図9は液晶表示装置の軸配置および位相差値を示す図である。なお、前述の実施形態と対応する部分には、同一の参照符を付す。
本実施形態の液晶表示装置1bは、ノーマリブラックで表示を行う複屈折制御型の反射型液晶表示装置である。この液晶表示装置1bは、液晶層2を有するとともに、表示面3側から入射して液晶層2を通過した光を反射する光反射層4を有する液晶表示パネル5と、液晶表示パネル5の表示面3側に配置される第1の偏光板6と、液晶表示パネル5と第1の偏光板6との間に設けられる第1の1/2波長板7と、を備える。
液晶層2は、その位相差が第1の1/2波長板7の位相差の1/2よりも小さく、その遅相軸が電界無印加時の液晶分子の配向軸とは交差している。
液晶表示パネル5は、第1の基板10、遮光層11、カラーフィルタ層12、共通電極13、第1の配向層14、柱状部15、液晶層2、第2の配向層16、透明電極17、第5の層間絶縁層18、光反射層4、第4の層間絶縁層19、ドレイン電極20、ソース電極21、層間接続部22、第3の層間絶縁層23、第2の層間絶縁層24、第1の層間絶縁層25、第2のゲート絶縁層26、第1のゲート絶縁層27、第2の基板28、チャネル部29、半導体層30およびゲート電極31を備える。
前述のドレイン電極20、ソース電極21、層間接続部22、チャネル部29、半導体層30およびゲート電極31は、アクティブ素子としての薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;略称TFT)を構成する。ドレイン電極20は、画素電極である光反射層4に層間接続部22などによって接続される。ゲート電極31に接続されるゲート信号線は、画素の行ごとに設けられ、ソース電極21に接続されるソース信号線は、画素の列ごとに設けられ、ゲート信号線とソース信号線との各交差部に画素がそれぞれ形成される。
第1の基板10および第2の基板28は、ガラス基板によって実現される。遮光層11は、ブラックマトリクスを構成し、図7の上方から見た平面視において画素間に設けられ、各画素を区画している。共通電極13は、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide;略称ITO)等から成り、透明電極層を構成している。第1の配向層14および第2の配向層16は、ポリイミド等から成る。第4の層間絶縁層19は、アクリル系樹脂等から成る。第1〜第3の層間絶縁層25,24,23ならびに第1および第2のゲート絶縁層26,27は、酸化珪素(SiO)または窒化珪素(SiN)から成る。光反射層4は、モリブデン(Mo),アルミニウム(Al)等から成り、例えば、Mo層上にAl層を積層した構成等である。
薄膜トランジスタは、アモルファスシリコン(a-Si)、低温多結晶シリコン(Low-Temperature Poly Silicon;LTPS)などから成る半導体層30を有し、ゲート電極31、ソース電極21、ドレイン電極20の3端子素子であって、ゲート電極31に所定電位の電圧(例えば、3V,6V)を印加することによって、ソース電極21とドレイン電極20との間の半導体層30(チャネル)に電流を流す、スイッチング素子(ゲートトランスファ素子)として機能する。
第1の偏光板6は、直線偏光板であって、外部から表示面3に入射するランダム偏光(楕円偏光)の光から光透過軸(以下、透過軸ともいう)に一致する直線偏光の光だけを透過させる。第1の偏光板6の光透過軸(または光吸収軸(以下、吸収軸ともいう))と後述の第2の偏光板44(図10を参照)の光透過軸(または光吸収軸)との交差角度は、必ずしも90°でなくてもよい。本実施形態において、交差角度は60°以上80°以下に配置され、好ましくは70°に配置される。
液晶表示パネル5は、複屈折制御(Electrically Controlled Birefringence;略称ECB)型であり、液晶層2に電界が印加されていない初期配向状態で、液晶分子が第1および第2の基板10,28の互いに対向する各表面と平行になるように水平配向処理を施したものを用いる。この液晶表示パネル5に印加する電圧を徐々に高くしていくと、ある閾値電圧を超えたときに液晶分子は第1および第2の基板10,28の各表面に対して徐々に立ち上がり始め、規定値以上の高電圧で分子配向方向は各基板10,28の各表面に対して垂直になる。
前述のように、液晶は屈折率異方性媒質であり、液晶分子の配向軸方向(X軸)の光波と、液晶分子の配向軸と直交方向(Y軸)の光波では、進行速度が異なり、換言すると、X軸とY軸とでは光波の屈折率が異なる。X軸の屈折率(nx)とY軸の屈折率(ny)との差を複屈折率Δn(=nx−ny)という。
液晶層2に入射し、それから出射した光波は、X軸とY軸で速度が違うため、X軸とY軸で位相がずれ、この位相のずれを位相差またはリタデーション(Retardation)という。ここで、入射光の波長をλ、液晶層2の厚さをd、複屈折率をΔnとすると、位相差δは、前述の式(1)と同様な式(2)によって表わされる。また、Δn・d(nm)でも表される。
δ=2・π・Δn・d/λ …(2)
垂直配向(Vertical Alignment;略称VA)方式は、ECB方式とは逆に、初期配向状態の液晶分子の配向方向が第1および第2の基板10,28の表面と垂直(垂直配向)となるような配向膜を配置し、電界が印加されることによって液晶分子を傾け、複屈折率Δnを変化させる。
本件発明者は、複屈折制御型であって、ノーマリブラックの液晶表示装置1bにおいて、液晶層2の位相差が第1の1/2波長板7の位相差(1/2波長である。例えば、波長が550nmである場合、第1の1/2波長板7で約275nmの位相差となる。本実施形態では270nm)の1/2よりも小さい場合(例えば、本実施形態では110nm)に、ノーマリブラックの色味(黒さの程度)が良好である(真黒に近い)ことを見出した。そして、この液晶表示パネル5に付加される第1の1/2波長板7の遅相軸を所定の方向に配置することによって、ノーマリブラックの色味を改善することができることを見出した。
本件発明者は、ノーマリブラックの視認性が改善されていることを確認するために、実施例2および比較例2の液晶表示装置サンプルを作製し、液晶層2の位相差値を、実施例2では110nm、比較例2では140nmとし、コニカミノルタジャパン株式会社製の分光測色計「CM−2600d」を用いて、黒表示の反射率、白表示の反射率、反射コントラスト比を計測した。第1の偏光板6として、日東電工株式会社製、製品名「TEG1465DUHC」の偏光板を使用した。また、第1の1/2波長板7として、日本ゼオン株式会社製、製品名「ゼオノアフィルム」の位相差値が270nmを使用した。
実験の結果、実施例2では、黒表示の反射率が0.58%、白表示の反射率が17.5%、反射コントラスト比が30:1であった。これに対して比較例2では、黒表示の反射率が3.7%、白表示の反射率が17%、反射コントラスト比が4.6:1となり、黒表示において良好な視認性が得られることが確認された。このような実験によって、液晶層2の位相差を第1の1/2波長板7の位相差の1/2よりも小さくすると、表示品位の高い黒レベルにすることができ、黒表示の視認性を向上することが確認された。ただし、第1の1/2波長板7の位相差の1/4よりも小さい場合、例えば、液晶層2の位相差値を65nmとすると、表示色は青色がかった黒表示となり、黒表示の視認性が低下する傾向であった。したがって、液晶層2の位相差は、第1の1/2波長板7の位相差の1/4以上1/2よりも小さいことが好ましい。
液晶層2の位相差は、1/4波長板として機能する。第1の1/2波長板7および液晶層2から出射した円偏光は、広帯域の円偏光となる。ただし、液晶層2から出射した円偏光は、光反射層4で反射されると、回転方向が逆転した円偏光となる。
図8および図9をも参照して、液晶表示パネル5を表示面3側から見たとき、すなわち液晶分子の電界無印加時の初期配向方向(=ラビング方向)に直交する方向を基準軸(=0°)とし、その基準軸から各軸までの反時計まわりの角度を遅相軸の角度とすると、第1の偏光板6の吸収軸の角度θp1は1°である。第1の1/2波長板7の遅相軸の角度θf1は158°(位相差値Δnd=270nm)である。
第1の1/2波長板7の遅相軸と電界無印加時の液晶分子の配向軸とは交差角度α1で交差している。第1の1/2波長板7の遅相軸と電界無印加時の液晶分子の配向軸との交差角度α1は、53°以上78°以下に配置され、好ましくは68°に配置される。これによって、表示品位の高い黒レベルの黒表示が得られ、ノーマリブラックの色味(黒さの程度)を改善することができる。
次に、液晶表示装置1bの表示について説明すると、外部から液晶表示装置1bの表示面3の側に入射したランダム偏光(楕円偏光)の光a1は、第1の偏光板6によって直線偏光(直線偏光a2とする)となる。直線偏光a2は、第1の1/2波長板7と液晶層2を通過すると広帯域の円偏光(円偏光a3とする)となる。
液晶層2に電界が印加された状態では、液晶層2の位相差が0となるので、第1の1/2波長板7と液晶層2とを通って直線偏光a4となり、光反射層4で反射される。その直線偏光a4の反射光b3は、再び液晶層2と第1の1/2波長板7とを通過し、第1の偏光板6の偏光方向と同じ、直線偏光b4となり、白表示となる。
また、液晶層2に電界が印加されない状態では、液晶層2を通過し、広帯域の円偏光a3となり、広帯域の円偏光a3のまま光反射層4で反射されて反射光b1となる。円偏光の反射光b1は、再び液晶層2と第1の1/2波長板7とを通過し、第1の偏光板6の偏光方向に直交する直線偏光b2となり、ノーマリブラックの色味、すなわち表示品位の高い黒レベル、いわゆる黒浮きが抑制された黒表示を得ることができる。
図10は本発明の他の実施形態の液晶表示装置を示す断面図であり、図11は液晶表示装置の電界無印加時および電界印加時の動作を説明するための図であり、図12は液晶表示装置の軸配置を示す図である。なお、前述の実施形態と対応する部分には、同一の参照符を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の液晶表示装置1cは、液晶表示パネル5の反表示面43側に配置される第2の偏光板44と、液晶表示パネル5と第2の偏光板44との間に配置される1/4波長板45および第2の1/2波長板51とをさらに備え、液晶表示パネル5の反表示面43の側から入射した光を透過させる光透過部46が液晶層2に設けられ、いわゆる半透過型(光反射部と光透過部との双方を備える)の液晶表示装置として実現される。基本的には、反表示面43側にバックライト装置は不要であるが、あってもよい。
1/4波長板45は、その遅相軸と電界無印加時の液晶分子の配向軸とが直交するので、位相差を打ち消すことができる。このように液晶表示パネル5と第2の偏光板44との間には、液晶表示パネル5の側から順に1/4波長板45および第2の1/2波長板51が設けられる。また第2の1/2波長板51の遅相軸と第1の1/2波長板7の遅相軸とは、90°以上110°以下の交差角度で交差している。
次に、液晶表示装置1cの表示について説明すると、液晶表示パネル5は、反表示面43側から入射した光を透過させる光透過部46を液晶層2に有するので、液晶層2に電界が印加されていない状態では、液晶表示パネル5の反表示面43の側から入射した光は、第2の偏光板44によって直線偏光c1となるが、この直線偏光c1は、第2の1/2波長板51および1/4波長板45を通過すると広帯域の円偏光c2となる。この広帯域の円偏光c2は、液晶層2および第1の1/2波長板7を通過した後、直線偏光c3となる。この直線偏光c3の偏光方向は、第1の偏光板6の偏光方向に直交する。これによって、直線偏光c3は、第1の偏光板6から外部に出射せず、表示品位の高いノーマリブラックの黒表示が得られる、いわゆる半透過型の液晶表示装置を実現することができる。
また、液晶層2に電界が印加された状態では、反表示面43側からの入射光は、第2の偏光板44を通過し、直線偏光d1となる。この直線偏光d1の光は、第2の1/2波長板51と1/4波長板45とによって広帯域の円偏光d2となる。この広帯域の円偏光d2は、液晶層2、第1の1/2波長板7を通過して楕円偏光d3となり、楕円偏光d3は第1の偏光板6の偏光方向の光だけが通過して、白表示となる。
図11および図12をも参照して、液晶表示パネル5を表示面3側から見たとき、すなわち液晶分子の電界無印加時の初期配向方向(=ラビング方向)に直交する方向を基準軸(=0°)とし、その基準軸から各軸までの反時計まわりの角度を遅相軸の角度とすると、第1の偏光板6の吸収軸の角度θp1は1°である。第1の1/2波長板7の遅相軸の角度θf1は158°(位相差値Δnd=270nm)である。1/4波長板45の遅相軸の角度θf2は0°(位相差値Δnd=140nm)であり、第2の1/2波長板51の遅相軸の角度θf3は58°(位相差値Δnd=270nm)、第2の偏光板44の吸収軸の角度θp2は71°である。
第1の1/2波長板7の遅相軸と電界無印加時の液晶分子の配向軸との交差角度は、453°以上78°以下に選ばれ、好ましくは68°に選ばれる。電界無印加時の液晶分子の配向軸と1/4波長板45の遅相軸との交差角度は90°であり、第2の1/2波長板51の遅相軸と第1の1/2波長板7の遅相軸との交差角度(θf3−θf1)が90°以上110°以下、好ましく100°に選ばれる。さらに第1の偏光板6の吸収軸と第2の偏光板44の吸収軸との交差角度(θp2−θp1)は、60°以上80°以下、好ましくは70°に選ばれる。
これによって、黒レベルの表示品位が高いノーマリブラックの黒表示を実現することができる。
また、光透過部46の位相差を光反射部47の位相差よりも大きくし、液晶層2の光透過部46と光反射部47とをマルチギャップ化すること、すなわち液晶層2の層厚調整層を設けることができる。これによって反射表示および透過表示共に高いコントラストを実現することができる。
1,1a,1b,1c 液晶表示装置
2 液晶層
3 表示面
4 光反射層
5 液晶表示パネル
6 第1の偏光板
7 第1の1/2波長板
8 第2の1/2波長板
10 第1の基板
11 遮光層
12 カラーフィルタ層
13 共通電極
14 第1の配向層
15 柱状部
16 第2の配向層
17 透明電極
18 第5の層間絶縁層
19 第4の層間絶縁層
20 ドレイン電極
21 ソース電極
22 層間接続部
23 第3の層間絶縁層
24 第2の層間絶縁層
25 第1の層間絶縁層
26 第2のゲート絶縁層
27 第1のゲート絶縁層
28 第2の基板
29 チャネル部
30 半導体層
31 ゲート電極
43 反表示面
44 第2の偏光板
45 1/4波長板
46 光透過部
47 光反射部
50 第3の1/2波長板
51 第2の1/2波長板

Claims (8)

  1. ノーマリブラックで表示を行う複屈折制御型の液晶表示装置であって、
    液晶層を有するとともに、表示面側から入射して前記液晶層を通過した光を反射する光反射部を有する液晶表示パネルと、
    前記液晶表示パネルの前記表示面側に配置される第1の偏光板と、
    前記液晶表示パネルと前記第1の偏光板との間に、前記第1の偏光板の側から順に設けられる第1の1/2波長板および第2の1/2波長板と、を備え、
    前記液晶層は、その位相差が前記第2の1/2波長板の位相差の1/2よりも小さく、
    前記第2の1/2波長板は、その遅相軸が電界無印加時の液晶分子の配向軸と直交しており、
    前記第1の1/2波長板の遅相軸と前記第2の1/2波長板の前記遅相軸とが交差していることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記第1の1/2波長板の前記遅相軸と、前記第2の1/2波長板の前記遅相軸とは、43°以上63°以下の交差角度で交差していることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記液晶表示パネルは、反表示面側から入射した光を、前記液晶層を透過させる光透過部を有し、
    前記液晶表示パネルの前記反表示面側に配置される第2の偏光板と、
    前記液晶表示パネルと前記第2の偏光板との間に、前記液晶表示パネルの側から順に設けられる1/4波長板および第3の1/2波長板と、をさらに備え、
    前記1/4波長板の遅相軸と前記第2の1/2波長板の前記遅相軸とは、90°で交差しており、
    前記第3の1/2波長板の遅相軸と前記第1の1/2波長板の遅相軸とは、88°以上108°以下で交差していることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記光透過部の位相差は、前記光反射部の位相差よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
  5. ノーマリブラックで表示を行う複屈折制御型の液晶表示装置であって、
    液晶層を有するとともに、表示面側から入射して前記液晶層を通過した光を反射する光反射部を有する液晶表示パネルと、
    前記液晶表示パネルの前記表示面側に配置される第1の偏光板と、
    前記液晶表示パネルと前記第1の偏光板との間に設けられる、第1の1/2波長板と、を備え、
    前記液晶層は、その位相差が前記第1の1/2波長板の位相差の1/2よりも小さく、
    前記第1の1/2波長板は、その遅相軸が電界無印加時の液晶分子の配向軸と交差していることを特徴とする液晶表示装置。
  6. 前記第1の1/2波長板の前記遅相軸と、前記電界無印加時の液晶分子の配向軸とは、53°以上78°以下の交差角度で交差していることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
  7. 前記液晶表示パネルは、反表示面側から入射した光を、前記液晶層を透過させる光透過部を有し、
    前記液晶表示パネルの前記反表示面側に配置される第2の偏光板と、
    前記液晶表示パネルと前記第2の偏光板との間に、前記液晶表示パネルの側から順に設けられる1/4波長板および第2の1/2波長板と、をさらに備え、
    前記1/4波長板の遅相軸と電界無印加時の液晶分子の配向軸とは、90°で交差しており、
    前記第2の1/2波長板の遅相軸と前記第1の1/2波長板の遅相軸とは、90°以上110°以下で交差していることを特徴とする請求項5または6に記載の液晶表示装置。
  8. 前記光透過部の位相差は、前記光反射部の位相差よりも大きいことを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
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