JP6808385B2 - 光学ガラス、プリフォーム材及び光学素子 - Google Patents

光学ガラス、プリフォーム材及び光学素子 Download PDF

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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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    • C03C3/068Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron containing rare earths

Description

本発明は、光学ガラス、プリフォーム材及び光学素子に関する。
近年、光学系を使用する機器のデジタル化や高精細化が急速に進んでおり、デジタルカメラやビデオカメラ等の撮影機器や、プロジェクタやプロジェクションテレビ等の画像再生(投影)機器等の各種光学機器の分野では、光学系で用いられるレンズやプリズム等の光学素子の枚数を削減し、光学系全体を軽量化及び小型化する要求が強まっている。
光学素子を作製する光学ガラスの中でも特に、光学系全体の軽量化及び小型化を図ることが可能な、1.70以上の屈折率(n)を有し、25以上50以下のアッベ数(ν)を有する高屈折率低分散ガラスの需要が非常に高まっている。このような高屈折率低分散ガラスとして、特許文献1及び2に代表されるようなガラス組成物が知られている。
特開2011−178571号公報 特開2014−047099号公報 特開2013−067558号公報 特開2012−214350号公報 特開2011−093781号公報 特開2009−203155号公報 特開2011−173783号公報 特開2011−225383号公報
光学ガラスから光学素子を作製する方法としては、例えば、光学ガラスから形成されたゴブ又はガラスブロックに対して研削及び研磨を行って光学素子の形状を得る方法、光学ガラスから形成されたゴブ又はガラスブロックを再加熱して成形(リヒートプレス成形)して得られたガラス成形体を研削及び研磨する方法、及び、ゴブ又はガラスブロックから得られたプリフォーム材を超精密加工された金型で成形(精密モールドプレス成形)して光学素子の形状を得る方法が知られている。いずれの方法であっても、熔融したガラス原料からゴブ又はガラスブロックを形成する際に、安定なガラスが得られることが求められる。ここで、得られるゴブ又はガラスブロックを構成するガラスの失透に対する安定性(耐失透性)が低下してガラスの内部に結晶が発生した場合、もはや光学素子として好適なガラスを得ることができない。
また、光学ガラスの材料コストを低減するために、光学ガラスを構成する諸成分の原料費は、なるべく安価であることが望まれる。また、光学ガラスを量産するにあたっては、ガラス作製時の失透が起こり難いことが望まれる。ところが、特許文献1〜8に記載されたガラス組成物は、これらの諸要求に十分応えるものとは言い難い。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にありながら、耐失透性が高いガラスを、より安価に得ることにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意試験研究を重ねた結果、B成分及びLa成分と、CaO成分及びBaO成分のうち少なくともいずれかを含有するガラスにおいて、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にあり、且つ、材料コストの高い成分、特にNb成分やWO成分の含有量を低減させながらも、ガラスの液相温度が低くなることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) モル%で、
成分を5.0%以上55.0%以下、
La成分を5.0%以上30.0%以下
含有し、
CaO成分及びBaO成分のうち少なくともいずれかを合計で0%超30.0%以下含有し、
モル和(Nb+WO)が10.0%未満であり、
1.70以上の屈折率(n)を有し、25以上50以下のアッベ数(ν)を有する光学ガラス。
(2) モル%で、
SiO成分 0〜25.0%
ZnO成分 0〜45.0%
TiO成分 0〜40.0%未満
ZrO成分 0〜15.0%
成分 0〜25.0%
である(1)記載の光学ガラス。
(3) モル%で、
Nb成分 0〜10.0%未満
WO成分 0〜10.0%未満
Gd成分 0〜4.0%未満
Yb成分 0〜4.0%未満
Ta成分 0〜5.0%未満
MgO成分 0〜10.0%
CaO成分 0〜10.0%
SrO成分 0〜10.0%
BaO成分 0〜25.0%
LiO成分 0〜10.0%
NaO成分 0〜10.0%
O成分 0〜10.0%
成分 0〜10.0%
GeO成分 0〜10.0%
Al成分 0〜15.0%
Ga成分 0〜15.0%
Bi成分 0〜15.0%
TeO成分 0〜15.0%
SnO成分 0〜3.0%
Sb成分 0〜1.0%
であり、
上記各金属元素の1種又は2種以上の酸化物の一部又は全部と置換した弗化物のFとしての含有量が0〜15.0モル%である(1)又は(2)記載の光学ガラス。
(4) モル比SiO/Bが0.17以上1.70以下である(1)から(3)のいずれか記載の光学ガラス。
(5) モル和Ta+Nb+WO+Gd+Ybが10.0%未満である(1)から(4)のいずれか記載の光学ガラス。
(6) モル比(RO+ZnO)/Lnが0.30超である(1)から(5)のいずれか記載の光学ガラス。
(7) Ln成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Yb、Luからなる群より選択される1種以上)のモル和が5.0%以上40.0%以下であり、
RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr、Baからなる群より選択される1種以上)のモル和が0%超25.0%以下であり、
RnO成分(式中、RnはLi、Na、Kからなる群より選択される1種以上)のモル和が10.0%以下である(1)から(6)のいずれか記載の光学ガラス。
(8) (1)から(7)のいずれか記載の光学ガラスからなるプリフォーム材。
(9) (1)から(7)のいずれか記載の光学ガラスからなる光学素子。
(10) (8)又は(9)に記載の光学素子を備える光学機器。
本発明によれば、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にありながら、耐失透性が高いガラスを、より安価に得ることができる。
また、本発明によれば、所望の高い屈折率を得られながらも、可視光の短波長側の光についての透過率を高められ、また、希土類の合計量を減らせることで、更なるコスト低減を図ることもできる。
本発明の光学ガラスは、モル%で、B成分を5.0%以上55.0%以下、La成分を5.0%以上30.0%以下含有し、CaO成分及びBaO成分のうち少なくともいずれかを合計で0%超30.0%以下含有し、モル和(Nb+WO)が10.0%未満であり、1.70以上の屈折率(n)を有し、25以上50以下のアッベ数(ν)を有する。B成分及びLa成分をベースとし、さらにCaO成分及びBaO成分のうち少なくともいずれかを含有させることにより、1.70以上の屈折率(n)及び25以上50以下のアッベ数(ν)を有しながらも、安定なガラスが得られ易くなる。また、本願発明者は、1.70以上の屈折率(n)及び25以上50以下のアッベ数(ν)を有するガラスにおいて、材料コストの高い成分、特にNb成分やWO成分の含有量を低減させた場合であっても、ガラスの液相温度が低くなり、特にガラス作製時において失透を低減できることを見出した。従って、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にありながら、耐失透性が高い光学ガラスを、より安価に得ることができる。
また、特にCaO成分及びBaO成分のうち少なくともいずれかを含有させることにより、所望の高い屈折率を得られながらも、可視光の短波長側の光についての透過率を高められる。また、Nb成分やWO成分に加えて、希土類の合計量を減らせることで、更なるコスト低減を図ることもできる。
さらに、本発明の光学ガラスは、可視光についての透過率が高いことで可視光を透過させる用途に好適に使用できる。
以下、本発明の光学ガラスの実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所について、適宜説明を省略する場合があるが、発明の趣旨を限定するものではない。
[ガラス成分]
本発明の光学ガラスを構成する各成分の組成範囲を以下に述べる。本明細書中において、各成分の含有量は、特に断りがない場合、全て酸化物換算組成の全モル数に対するモル%で表示されるものとする。ここで、「酸化物換算組成」は、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が熔融時に全て分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、当該生成酸化物の総モル数を100モル%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
<必須成分、任意成分について>
成分は、希土類酸化物を多く含む本発明の光学ガラスでは、ガラス形成酸化物として必須の成分である。特に、B成分の含有量を5.0%以上にすることで、ガラスの耐失透性を高め、且つガラスのアッベ数を高められる。従って、B成分の含有量は、好ましくは5.0%以上、より好ましくは10.0%超、さらに好ましくは14.0%超とする。
一方、B成分の含有量を55.0%以下にすることで、より大きな屈折率を得易くでき、且つ化学的耐久性の悪化を抑えられる。従って、B成分の含有量は、好ましくは55.0%以下、より好ましくは51.0%未満、さらに好ましくは47.0%未満、さらに好ましくは42.0%未満、さらに好ましくは38.0%未満とする。
成分は、原料としてHBO、Na、Na・10HO、BPO等を用いることができる。
La成分は、ガラスの屈折率及びアッベ数を高める必須成分である。従って、La成分の含有量は、好ましくは5.0%以上、より好ましくは7.0%超、さらに好ましくは8.0%超とする。
一方、La成分の含有量を30.0%以下にすることで、ガラスの安定性を高めることで失透を低減でき、アッベ数の必要以上の上昇を抑えられる。また、ガラス原料の熔解性を高められる。従って、La成分の含有量は、好ましくは30.0%以下、より好ましくは25.0%未満、さらに好ましくは22.0%未満、さらに好ましくは19.5%以下、さらに好ましくは17.5%以下、さらに好ましくは16.5%以下、さらに好ましくは14.5%以下とする。
La成分は、原料としてLa、La(NO・XHO(Xは任意の整数)等を用いることができる。
CaO成分及びBaO成分は、少なくともいずれかを合計で0%超30.0%以下含有する。
特に、この和を0%超にすることで、ガラスの屈折率や可視光透過率を高められる。また、これにより希土類の含有量を減らせるため、更なるコスト低減を図れることもできる。従って、モル和(CaO+BaO)は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは2.0%超とする。
他方で、この和を30.0%以下にすることで、ガラスの液相温度が低くなるため、ガラスの失透を低減できる。従って、モル和(CaO+BaO)は、好ましくは30.0%以下、より好ましくは25.0%未満、さらに好ましくは20.0%未満、さらに好ましくは15.0%未満とする。
Nb成分及びWO成分の合計量は、10.0%未満にすることが好ましい。これにより、これら高価な成分の含有量が低減されるため、ガラスの材料コストを抑えられる。従って、モル和(Nb+WO)は、好ましくは10.0%未満、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは2.0%未満、さらに好ましくは1.5%未満、さらに好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.1%未満とする。
SiO成分は、0%超含有する場合に、熔融ガラスの粘度を高められ、ガラスの着色を低減できる任意成分である。また、ガラスの安定性を高めて量産に耐えるガラスを得易くする成分でもある。従って、SiO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは5.0%超、さらに好ましくは8.0%超、さらに好ましくは10.5%超としてもよい。
他方で、SiO成分の含有量を25.0%以下にすることで、ガラス転移点の上昇を抑えられ、且つ屈折率の低下を抑えられる。従って、SiO成分の含有量は、好ましくは25.0%、より好ましくは22.0%未満、さらに好ましくは20.0%未満、さらに好ましくは18.0%未満、さらに好ましくは15.5%未満、さらに好ましくは14.0%未満とする。
SiO成分は、原料としてSiO、KSiF、NaSiF等を用いることができる。
ZnO成分は、0%超含有する場合に、原料の熔解性を高め、溶解したガラスからの脱泡を促進し、また、ガラスの安定性を高められる任意成分である。また、熔解時間を短くできること等により、ガラスの着色を低減できる成分でもある。また、ガラス転移点を低くでき、且つ化学的耐久性を改善できる成分でもある。従って、ZnO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは2.2%超、さらに好ましくは4.2%超、さらに好ましくは5.0%超、さらに好ましくは10.0%超、さらに好ましくは15.0%超としてもよい。
他方で、ZnO成分の含有量を45.0%以下にすることで、ガラスの屈折率の低下を抑えられ、且つ、過剰な粘性の低下による失透を低減できる。従って、ZnO成分の含有量は、好ましくは45.0%以下、より好ましくは40.0%未満、さらに好ましくは33.0%未満とする。
ZnO成分は、原料としてZnO、ZnF等を用いることができる。
ZrO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率及びアッベ数を高められ、且つ耐失透性を向上できる任意成分である。従って、ZrO成分の含有量を、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは2.0%以上としてもよい。
他方で、ZrO成分の含有量を15.0%以下にすることで、ZrO成分の過剰な含有による失透を低減できる。従って、ZrO成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは12.0%未満、さらに好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは6.9%未満、さらに好ましくは6.0%未満とする。
ZrO成分は、原料としてZrO、ZrF等を用いることができる。
TiO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高め、且つガラスの液相温度を低くすることで安定性を高められる任意成分である。従って、TiO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.1%超、さらに好ましくは4.0%超、さらに好ましくは5.0%超としてもよい。
他方で、TiO成分の含有量を40.0%未満にすることで、TiO成分の過剰な含有による失透を低減でき、ガラスの可視光(特に波長500nm以下)に対する透過率の低下を抑えられる。また、これによりアッベ数の低下を抑えられる。従って、TiO成分の含有量は、好ましくは40.0%未満、より好ましくは37.0%未満、さらに好ましくは35.0%未満、さらに好ましくは30.0%未満、さらに好ましくは25.0%未満、さらに好ましくは20.0%未満、さらに好ましくは15.0%未満とする。
TiO成分は、原料としてTiO等を用いることができる。
成分は、0%超含有する場合に、高屈折率及び高アッベ数を維持しながらも、他の希土類元素に比べてガラスの材料コストを抑えられ、且つ、他の希土類成分よりもガラスの比重を低減できる任意成分である。従って、Y成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは1.5%超、さらに好ましくは2.0%超としてもよい。
他方で、Y成分の含有量を25.0%以下にすることで、ガラスの屈折率の低下を抑えられ、且つガラスの安定性を高められる。また、ガラス原料の熔解性の悪化を抑えられる。従って、Y成分の含有量は、好ましくは25.0%以下、より好ましくは20.0%未満、さらに好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは7.0%未満とする。
成分は、原料としてY、YF等を用いることができる。
Nb成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高め、且つガラスの液相温度を低くすることで耐失透性を高められる任意成分である。
他方で、Nb成分の含有量を10.0%未満にすることで、ガラスの材料コストを抑えられる。また、Nb成分の過剰な含有による失透を低減でき、且つ、ガラスの可視光(特に波長500nm以下)に対する透過率の低下を抑えられる。また、これによりアッベ数の低下を抑えられる。従って、Nb成分の含有量は、好ましくは10.0%未満、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは2.0%未満、さらに好ましくは1.4%未満、さらに好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.1%未満とする。特に材料コストを低減させる観点では、Nb成分を含有しないことが最も好ましい。
Nb成分は、原料としてNb等を用いることができる。
WO成分は、0%超含有する場合に、他の高屈折率成分によるガラスの着色を低減しながら、屈折率を高め、ガラス転移点を低くでき、且つ耐失透性を高められる任意成分である。
他方で、WO成分の含有量を10.0%未満にすることで、ガラスの材料コストを抑えられる。また、WO成分によるガラスの着色を低減して可視光透過率を高められる。従って、WO成分の含有量は、好ましくは10.0%未満、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.1%未満とする。特に材料コストを低減させる観点では、WO成分を含有しないことが最も好ましい。
WO成分は、原料としてWO等を用いることができる。
Gd成分及びYb成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高められる任意成分である。
しかしながら、Gd成分及びYb成分は原料価格が高く、その含有量が多いと生産コストが高くなるため、Nb成分やWO成分等を低減することによる効果が減殺される。また、Gd成分やYb成分の含有を低減させることで、ガラスのアッベ数の上昇を抑えられる。従って、Gd成分及びYb成分の含有量は、それぞれ好ましくは4.0%未満、より好ましくは2.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.1%未満とする。特に材料コストを低減させる観点では、これらの成分を含有しないことが最も好ましい。
Gd成分及びYb成分は、原料としてGd、GdF、Yb等を用いることができる。
Ta成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高められ、且つ耐失透性を高められる任意成分である。
しかしながら、Ta成分は原料価格が高く、その含有量が多いと生産コストが高くなるため、Nb成分やWO成分等を低減することによる効果が減殺される。また、Ta成分の含有量を5.0%未満にすることで、原料の熔解温度が低くなり、原料の熔解に要するエネルギーが低減されるため、光学ガラスの製造コストも低減できる。従って、Ta成分の含有量は、好ましくは5.0%未満、より好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.1%未満とする。特に材料コストを低減させる観点では、Ta成分を含有しないことが最も好ましい。
Ta成分は、原料としてTa等を用いることができる。
MgO成分、CaO成分、SrO成分及びBaO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率や熔融性、耐失透性を調整できる任意成分である。特に、BaO成分は、屈折率を高めることができ、また、ガラス原料の熔解性を高められる成分でもある。従って、BaO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは2.0%超としてもよい。
他方で、MgO成分、CaO成分及びSrO成分の含有量をそれぞれ10.0%以下にすることで、屈折率の低下を抑えることができ、且つこれらの成分の過剰な含有による失透を低減できる。従って、MgO成分、CaO成分及びSrO成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
また、BaO成分の含有量を25.0%以下にすることでも、所望の屈折率を得易くでき、且つこれらの成分の過剰な含有による失透を低減できる。従って、BaO成分の含有量は、好ましくは25.0%以下、より好ましくは20.0%未満、さらに好ましくは15.0%未満とする。
MgO成分、CaO成分、SrO成分及びBaO成分は、原料としてMgCO、MgF、CaCO、CaF、Sr(NO、SrF、BaCO、Ba(NO、BaF等を用いることができる。
LiO成分、NaO成分及びKO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの熔融性を改善でき、ガラス転移点を低くできる任意成分である。
他方で、LiO成分、NaO成分及びKO成分のそれぞれ10.0%以下にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くし、且つガラスの失透を低減できる。また、特にLiO成分の含有量を低減させることで、ガラスの粘性が高められるため、ガラスの脈理を低減できる。従って、LiO成分、NaO成分及びKO成分の含有量は、それぞれ好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.1%未満とする。
LiO成分、NaO成分及びKO成分は、原料としてLiCO、LiNO、LiCO、NaCO、NaNO、NaF、NaSiF、KCO、KNO、KF、KHF、KSiF等を用いることができる。
成分は、0%超含有する場合に、ガラスの液相温度を下げて耐失透性を高められる任意成分である。
他方で、P成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの化学的耐久性、特に耐水性の低下を抑えられる。従って、P成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
成分は、原料としてAl(PO、Ca(PO、Ba(PO、BPO、HPO等を用いることができる。
GeO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高められ、且つ耐失透性を向上できる任意成分である。
しかしながら、GeOは原料価格が高く、その含有量が多いと生産コストが高くなるため、Gd成分やTa成分等を低減することによる効果が減殺される。従って、GeO成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.1%未満とする。材料コストを低減させる観点で、GeO成分を含有しなくてもよい。
GeO成分は、原料としてGeO等を用いることができる。
Al成分及びGa成分は、0%超含有する場合に、ガラスの化学的耐久性を向上でき、且つ熔融ガラスの耐失透性を向上できる任意成分である。
他方で、Al成分及びGa成分の含有量をそれぞれ15.0%以下にすることで、ガラスの液相温度を下げて耐失透性を高められる。従って、Al成分及びGa成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
Al成分及びGa成分は、原料としてAl、Al(OH)、AlF、Ga、Ga(OH)等を用いることができる。
Bi成分は、0%超含有する場合に、屈折率を高められ、且つガラス転移点を下げられる任意成分である。
他方で、Bi成分の含有量を15.0%以下にすることで、ガラスの液相温度を下げて耐失透性を高められる。従って、Bi成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
Bi成分は、原料としてBi等を用いることができる。
TeO成分は、0%超含有する場合に、屈折率を高められ、且つガラス転移点を下げられる任意成分である。
他方で、TeOは白金製の坩堝や、熔融ガラスと接する部分が白金で形成されている熔融槽でガラス原料を熔融する際、白金と合金化しうる問題がある。従って、TeO成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
TeO成分は、原料としてTeO等を用いることができる。
SnO成分は、0%超含有する場合に、熔融ガラスの酸化を低減して清澄し、且つガラスの可視光透過率を高められる任意成分である。
他方で、SnO成分の含有量を3.0%以下にすることで、熔融ガラスの還元によるガラスの着色や、ガラスの失透を低減できる。また、SnO成分と熔解設備(特にPt等の貴金属)の合金化が低減されるため、熔解設備の長寿命化を図れる。従って、SnO成分の含有量は、好ましくは3.0%以下、より好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.1%未満とする。
SnO成分は、原料としてSnO、SnO、SnF、SnF等を用いることができる。
Sb成分は、0%超含有する場合に、熔融ガラスを脱泡できる任意成分である。
他方で、Sb量が多すぎると、可視光領域の短波長領域における透過率が悪くなる。従って、Sb成分の含有量は、好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.3%未満とする。
Sb成分は、原料としてSb、Sb、NaSb・5HO等を用いることができる。
なお、ガラスを清澄し脱泡する成分は、上記のSb成分に限定されるものではなく、ガラス製造の分野における公知の清澄剤、脱泡剤或いはそれらの組み合わせを用いることができる。
F成分は、0%超含有する場合に、ガラスのアッベ数を高め、ガラス転移点を低くし、且つ耐失透性を向上できる任意成分である。
しかし、F成分の含有量、すなわち上述した各金属元素の1種又は2種以上の酸化物の一部又は全部と置換した弗化物のFとしての合計量が15.0%を超えると、F成分の揮発量が多くなるため、安定した光学恒数が得られ難くなり、均質なガラスが得られ難くなる。また、アッベ数が必要以上に上昇する。
従って、F成分の含有量は、好ましくは15.0%以下、より好ましくは10.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満とする。
F成分は、原料として例えばZrF、AlF、NaF、CaF等を用いることで、ガラス内に含有することができる。
成分の含有量に対するSiO成分の含有量の比率(モル比)は、0.17以上1.50以下が好ましい。
特に、このモル比を0.17以上にすることで、失透を低減して量産に耐える安定なガラスを得易くできる。従って、モル比SiO/Bは、好ましくは0.17以上、より好ましくは0.20超、さらに好ましくは0.24超、さらに好ましくは0.28超、さらに好ましくは0.32超とする。
他方で、このモル比を1.70以下にすることで、ガラス転移点の上昇を抑えられる。従って、モル比SiO/Bは、好ましくは1.70以下、より好ましくは1.30未満、さらに好ましくは1.00未満、さらに好ましくは0.85未満とする。
La成分及びY成分の含有量に対する、ZnO成分の含有量の比率(モル比)は、0.10以上4.00以下が好ましい。
特に、このモル比を0.10以上にすることで、ガラス原料の熔解性を高められ、より安定なガラスを得易くできる。従って、モル比ZnO/(La+Y)は、好ましくは0.10以上、より好ましくは0.15以上、さらに好ましくは0.20以上、さらに好ましくは0.24以上、さらに好ましくは0.26超とする。
他方で、このモル比を4.00以下にすることで、液相温度を低くでき、且つ、ガラス転移点の必要以上の低下による失透を低減できる。従って、モル比ZnO/(La+Y)は、好ましくは4.00以下、より好ましくは3.50以下、さらに好ましくは3.00以下とする。
Ta成分、Nb成分、WO成分、Gd成分及びYb成分の合計量(モル和)は、10.0%未満が好ましい。これにより、これら高価な成分の含有量が低減されるため、ガラスの材料コストを抑えられる。従って、モル和Ta+Nb+WO+Gd+Ybは、好ましくは10.0%未満、より好ましくは8.0%未満、さらに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは2.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。特に材料コストの低廉なガラスを得る観点では、モル和Ta+Nb+WO+Gd+Ybを0.1%未満にすることがさらに好ましく、0%にすることが最も好ましい。
Ln成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Yb、Luからなる群より選択される1種以上)の合計含有量に対する、RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr、Baからなる群より選択される1種以上)及びZnO成分の合計含有量の比率(モル比)は、0.30超が好ましい。
これにより、ガラスの材料コストをより一層低減でき、且つガラスの安定性を高められる。従って、モル比(RO+ZnO)/Lnは、好ましくは0.30超、より好ましくは0.45超、さらに好ましくは0.50超、さらに好ましくは0.80超、さらに好ましくは1.00超とする。
他方で、このモル比は、屈折率の低下を抑える観点から、好ましくは7.00未満、より好ましくは5.00未満、さらに好ましくは4.00未満としてもよい。
Ln成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Yb、Luからなる群より選択される1種以上)の含有量の和(モル和)は、5.0%以上40.0%以下が好ましい。
特に、この和を5.0%以上にすることで、ガラスの屈折率及びアッベ数が高められるため、所望の屈折率及びアッベ数を有するガラスを得易くすることができる。従って、Ln成分のモル和は、好ましくは5.0%以上、より好ましくは8.0%超、さらに好ましくは10.0%超、さらに好ましくは12.0%超とする。
他方で、この和を40.0%以下にすることで、ガラスの液相温度が低くなるため、ガラスの失透を低減できる。本発明の光学ガラスでは、CaO成分及びBaO成分のうち少なくともいずれかを合計することで、より少ないLn成分含有量であっても所望の高屈折率のガラスが得られるため、ガラスの材料コストをさらに低減できる。また、アッベ数の必要以上の上昇を抑えられる。従って、Ln成分のモル和は、好ましくは40.0%以下、より好ましくは35.0%未満、さらに好ましくは30.0%未満、さらに好ましくは27.0%未満、さらに好ましくは25.0%未満、さらに好ましくは22.0%未満、さらに好ましくは20.0%未満、さらに好ましくは18.0%未満、さらに好ましくは16.5%未満とする。
RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr、Baからなる群より選択される1種以上)の含有量の和(モル和)は、25.0%以下が好ましい。これにより、屈折率の低下を抑えられ、また、ガラスの安定性を高められる。従って、RO成分のモル和は、好ましくは25.0%以下、より好ましくは20.0%未満、さらに好ましくは15.0%未満とする。
他方で、RO成分のモル和は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%超、さらに好ましくは2.0%超としてもよい。
RnO成分(式中、RnはLi、Na、Kからなる群より選択される1種以上)の含有量の和(モル和)は、10.0%以下が好ましい。これにより、溶融ガラスの粘性の低下を抑えられ、ガラスの屈折率を低下し難くでき、且つガラスの失透を低減できる。従って、RnO成分のモル和は、好ましくは10.0%以下、よりに好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満、さらに好ましくは0.1%未満とする。
RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr、Baからなる群より選択される1種以上)の合計含有量に対するBaO成分の含有量の比率(モル比)は、0.50以上が好ましい。これにより、ガラスの屈折率を高められる。従って、モル比BaO/ROは、好ましくは0.50、より好ましくは0.70、さらに好ましくは0.80を下限としてもよい。
なお、このモル比の上限は、1.00であってもよい。
<含有すべきでない成分について>
次に、本発明の光学ガラスに含有すべきでない成分、及び含有することが好ましくない成分について説明する。
他の成分を本願発明のガラスの特性を損なわない範囲で必要に応じ、添加することができる。ただし、Ti、Zr、Nb、W、La、Gd、Y、Yb、Luを除く、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag及びMo等の各遷移金属成分は、それぞれを単独又は複合して少量含有した場合でもガラスが着色し、可視域の特定の波長に吸収を生じる性質があるため、特に可視領域の波長を使用する光学ガラスにおいては、実質的に含まないことが好ましい。
また、PbO等の鉛化合物及びAs等の砒素化合物は、環境負荷が高い成分であるため、実質的に含有しないこと、すなわち、不可避な混入を除いて一切含有しないことが望ましい。
さらに、Th、Cd、Tl、Os、Be、及びSeの各成分は、近年有害な化学物資として使用を控える傾向にあり、ガラスの製造工程のみならず、加工工程、及び製品化後の処分に至るまで環境対策上の措置が必要とされる。従って、環境上の影響を重視する場合には、これらを実質的に含有しないことが好ましい。
[製造方法]
本発明の光学ガラスは、例えば以下のように作製される。すなわち、上記原料を各成分が所定の含有量の範囲内になるように均一に混合し、作製した混合物を白金坩堝に投入し、ガラス原料の熔解難易度に応じて電気炉で1100〜1500℃の温度範囲で2〜5時間熔解させて攪拌均質化した後、適当な温度に下げてから金型に鋳込み、徐冷することにより作製される。
このとき、ガラス原料として熔解性の高いものを用いることが好ましい。これにより、より低温での熔解や、より短時間での熔解が可能になるため、ガラスの生産性を高め、生産コストを低減できる。また、成分の揮発や坩堝等との反応が低減されるため、着色の少ないガラスを得易くできる。
[物性]
本発明の光学ガラスは、高屈折率及び高アッベ数(低分散)を有することが好ましい。特に、本発明の光学ガラスの屈折率(n)は、好ましくは1.70、より好ましくは1.74、さらに好ましくは1.80を下限とする。この屈折率(n)は、好ましくは2.10、より好ましくは2.00、より好ましくは1.90を上限としてもよい。また、本発明の光学ガラスのアッベ数(ν)は、好ましくは25、より好ましくは27、さらに好ましくは30を下限とする。このアッベ数(ν)は、好ましくは50を上限とするが、好ましくは45、より好ましくは42、さらに好ましくは40.5を上限としてもよい。
このような高屈折率を有することで、光学素子の薄型化を図っても大きな光の屈折量を得ることができる。また、このような低分散を有することで、単レンズとして用いたときに光の波長による焦点のずれ(色収差)を小さくできる。そのため、例えば高分散(低いアッベ数)を有する光学素子と組み合わせて光学系を構成した場合に、その光学系の全体として収差を低減させて高い結像特性等を図ることができる。
このように、本発明の光学ガラスは、光学設計上有用であり、特に光学系を構成したときに、高い結像特性等を図りながらも、光学系の小型化を図ることができ、光学設計の自由度を広げることができる。
本発明の光学ガラスは、可視光透過率、特に可視光のうち短波長側の光の透過率が高く、それにより着色が少ないことが好ましい。
特に、本発明の光学ガラスは、ガラスの透過率で表すと、厚み10mmのサンプルで分光透過率70%を示す波長(λ70)は、好ましくは500nm、より好ましくは450nm、さらに好ましくは400nmを上限とする。
また、本発明の光学ガラスにおける、厚み10mmのサンプルで分光透過率5%を示す最も短い波長(λ)は、好ましくは400nm、より好ましくは380nm、さらに好ましくは360nmを上限とする。
これらにより、ガラスの吸収端が紫外領域又はその近傍になり、可視光に対するガラスの透明性が高められるため、この光学ガラスを、レンズ等の光を透過させる光学素子に好ましく用いることができる。
本発明の光学ガラスは、耐失透性が高いこと、より具体的には、低い液相温度を有することが好ましい。すなわち、本発明の光学ガラスの液相温度は、好ましくは1200℃、より好ましくは1150℃、さらに好ましくは1100℃を上限とする。これにより、熔解後のガラスをより低い温度で流出しても、作製されたガラスの結晶化が低減されるため、熔融状態からガラスを形成したときの失透を低減でき、ガラスを用いた光学素子の光学特性への影響を低減できる。また、ガラスの熔解温度を低くしてもガラスを成形できるため、ガラスの成形時に消費するエネルギーを抑えることで、ガラスの製造コストを低減できる。一方、本発明の光学ガラスの液相温度の下限は特に限定しないが、本発明によって得られるガラスの液相温度は、概ね800℃以上、具体的には850℃以上、さらに具体的には900℃以上であることが多い。なお、本明細書中における「液相温度」とは、50mlの容量の白金製坩堝に30ccのカレット状のガラス試料を白金坩堝に入れて1250℃で完全に熔融状態にし、所定の温度まで降温して1時間保持し、炉外に取り出して冷却した後直ちにガラス表面及びガラス中の結晶の有無を観察したときに、結晶が認められない一番低い温度を表す。ここで降温する際の所定の温度は、1200℃〜800℃の間の10℃刻みの温度である。
本発明の光学ガラスは、700℃以下のガラス転移点(Tg)を有することが好ましい。
これにより、光学ガラスが700℃以下のガラス転移点を有することで、ガラスがより低い温度で軟化するため、光学ガラスをプレス成形に用いた場合であっても、より低い温度でガラスをプレス成形し易くできる。従って、本発明の光学ガラスのガラス転移点は、好ましくは700℃以下、より好ましくは650℃以下、さらに好ましくは630℃以下とする。
他方で、光学ガラスのガラス転移点は、500℃以上としてもよい。これにより、ガラスの安定性が高められて結晶化が起こり難くなるため、ガラス作製時やプレス成形時の失透を低減でき、これによりプレス成形に好適なガラスを得られる。従って、本発明の光学ガラスのガラス転移点は、好ましくは500℃以上、より好ましくは530℃以上、さらに好ましくは550℃以上としてもよい。
本発明の光学ガラスは、800℃以下の屈伏点(At)を有することが好ましい。屈伏点は、ガラス転移点と同様にガラスの軟化性を示す指標の一つであり、プレス成形温度に近い温度を示す指標である。そのため、屈伏点が700℃以下のガラスを用いることにより、光学ガラスをプレス成形に用いた場合であっても、より低い温度でガラスをプレス成形し易くできる。従って、本発明の光学ガラスの屈伏点は、好ましくは800℃、より好ましくは750℃、さらに好ましくは700℃を上限とする。
なお、本発明の光学ガラスの屈伏点は特に限定されないが、好ましくは500℃、より好ましくは550℃、さらに好ましくは600℃を下限としてもよい。
[プリフォーム材及び光学素子]
作製された光学ガラスから、例えば研磨加工の手段、又は、リヒートプレス成形や精密プレス成形等のモールドプレス成形の手段を用いて、ガラス成形体を作製することができる。すなわち、光学ガラスに対して研削及び研磨等の機械加工を行ってガラス成形体を作製したり、光学ガラスからモールドプレス成形用のプリフォームを作製し、このプリフォームに対してリヒートプレス成形を行った後で研磨加工を行ってガラス成形体を作製したり、研磨加工を行って作製したプリフォームや、公知の浮上成形等により成形されたプリフォームに対して精密プレス成形を行ってガラス成形体を作製したりすることができる。なお、ガラス成形体を作製する手段は、これらの手段に限定されない。
このように、本発明の光学ガラスは、様々な光学素子及び光学設計に有用である。その中でも特に、本発明の光学ガラスからプリフォームを形成し、このプリフォームを用いてリヒートプレス成形や精密プレス成形等を行い、レンズやプリズム等の光学素子を作製することが好ましい。これにより、径の大きなプリフォームの形成が可能になるため、光学素子の大型化を図りながらも、カメラやプロジェクタ等の光学機器に用いたときに高精細で高精度な結像特性及び投影特性を実現できる。
本発明の実施例(No.1〜No.38)及び比較例(No.A)の組成、並びに、これらのガラスの屈折率(n)、アッベ数(ν)、ガラス転移点(Tg)、屈伏点(At)、及び分光透過率が5%、70%を示す波長(λ、λ70)の結果を表1〜表6に示す。なお、以下の実施例はあくまで例示の目的であり、これらの実施例のみ限定されるものではない。
本発明の実施例及び比較例のガラスは、いずれも各成分の原料として各々相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、弗化物、水酸化物、メタ燐酸化合物等の通常の光学ガラスに使用される高純度原料を選定し、表に示した各実施例の組成の割合になるように秤量して均一に混合した後、白金坩堝に投入し、ガラス原料の熔解難易度に応じて電気炉で1100〜1500℃の温度範囲で2〜5時間熔解させた後、攪拌均質化してから金型等に鋳込み、徐冷して作製した。
ここで、実施例及び比較例のガラスの屈折率(n)及びアッベ数(ν)は、日本光学硝子工業会規格JOGIS01―2003に基づいて測定した。ここで、屈折率(n)、アッベ数(ν)は、徐冷降温速度を−25℃/hrにして得られたガラスについて測定を行うことで求めた。
実施例及び比較例のガラスのガラス転移点(Tg)及び屈伏点(At)は、横型膨張測定器を用いた測定を行うことで求めた。ここで、測定を行う際のサンプルはφ4.8mm、長さ50〜55mmのものを使用し、昇温速度を4℃/minとした。
実施例及び比較例のガラスの透過率は、日本光学硝子工業会規格JOGIS02に準じて測定した。なお、本発明においては、ガラスの透過率を測定することで、ガラスの着色の有無と程度を求めた。具体的には、厚さ10±0.1mmの対面平行研磨品をJISZ8722に準じ、200〜800nmの分光透過率を測定し、λ(透過率5%時の波長)、λ70(透過率70%時の波長)を求めた。
実施例及び比較例のガラスの液相温度は、50mlの容量の白金製坩堝に30ccのカレット状のガラス試料を白金坩堝に入れて1250℃で完全に熔融状態にし、1200℃〜800℃まで10℃刻みで設定したいずれかの温度まで降温して1時間保持し、炉外に取り出して冷却した後直ちにガラス表面及びガラス中の結晶の有無を観察したときに、結晶が認められない一番低い温度を求めた。
Figure 0006808385
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表に表されるように、本発明の実施例の光学ガラスは、モル和(Nb+WO)が10.0%未満であるため、より安価に得ることが可能である。他方で、比較例(No.A)のガラスは、モル和(Nb+WO)が11.53%であるため、材料コストの高いものである。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれも屈折率(n)が1.70以上、より詳細には1.80以上であるとともに、この屈折率(n)は2.00以下であり、所望の範囲内であった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれもアッベ数(ν)は50以下、より詳細には41以下であるとともに、このアッベ数(ν)が25以上、より詳細には26以上であり、所望の範囲内であった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、λ70(透過率70%時の波長)がいずれも500nm以下、より詳細には450nm以下であった。また、本発明の実施例の光学ガラスは、λ(透過率5%時の波長)がいずれも400nm以下、より詳細には370nm以下であり、所望の範囲内であった。
また、本発明の光学ガラスは、安定なガラスを形成しており、ガラス作製時において失透が起こり難いものであった。このことは、本発明の光学ガラスの液相温度が1250℃以下、より詳細には1210℃以下であることからも推察される。
従って、本発明の実施例の光学ガラスは、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にありながらも、可視短波長における透過率が高く、耐失透性が高いことが明らかになった。
加えて、本発明の実施例の光学ガラスは、ガラス転移点(Tg)が700℃以下、より詳細には620℃以下であった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、屈伏点(At)が800℃以下、より詳細には670℃以下であった。
これらのことから、本発明の実施例の光学ガラスは、ガラス転移点や屈伏点が低いことも推察される。
さらに、本発明の実施例の光学ガラスを用いて、ガラスブロックを形成し、このガラスブロックに対して研削及び研磨を行い、レンズ及びプリズムの形状に加工した。その結果、安定に様々なレンズ及びプリズムの形状に加工することができた。
以上、本発明を例示の目的で詳細に説明したが、本実施例はあくまで例示の目的のみであって、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく多くの改変を当業者により成し得ることが理解されよう。

Claims (4)

  1. モル%で、
    成分を14.0%を超え38.0%未満、
    La成分を5.0%以上25.0%未満、
    ZnO成分を5.0%を超え33.0%未満、
    ZrO成分を1.0%を超え10.0%未満、
    含有し、
    Sb成分を0.3%未満含有し、
    モル比SiO/Bが0.17以上1.70以下であり、
    モル比(RO+ZnO)/Lnが0.30超であり(式中、RはMg、Ca、Sr、Baからなる群より選択される1種以上、LnはLa、Gd、Y、Yb、Luからなる群より選択される1種以上)
    CaO成分及びBaO成分のうち少なくともいずれかを合計で0%超30.0%以下含有し、
    モル和(Nb+WO)が1.0%未満であり、
    モル和(Ta+Nb+WO+Gd+Yb)が2.0%未満であり
    厚み10mmのサンプルで分光透過率70%を示す波長(λ70)が450nm以下であり、
    1.70以上の屈折率(n)を有し、25以上42以下のアッベ数(ν)を有する光学ガラス。
  2. 請求項1に記載の光学ガラスからなるプリフォーム材。
  3. 請求項1に記載の光学ガラスからなる光学素子。
  4. 請求項3に記載の光学素子を備える光学機器。
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