JP6808214B2 - 放射線計測装置 - Google Patents

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本発明は、放射線の飛来方向等の計測、放射線の空間的な強度分布の計測等を可能にする放射線計測装置に関する。
放射線測定装置として、放射線の飛来方向等を計測するため、放射線の入射方向を制限するコリメーターと、このコリメーターに隣接して等間隔で平行に配列された多数のシンチレーションロッドからなるセンサーアレイとを有する検出ユニットを備え、この検出ユニットからの光信号を2次元的な光信号の分布として検知する放射線計測装置が公知となっている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記のような放射線計測装置によって放射線の空間的な強度分布の計測を行う場合、コリメーターによって放射線の飛来方向に関する指向性を与えているので、コリメーターの指向性に対応する検出方向を変化させつつ計測を行う走査型の計測が必要となり、計測に要する時間が増大する。
なお、放射線の飛来方向を検出する別の方法として、コンプトン散乱を利用するコンプトン法がある(非特許文献1、2参照)。具体的には、例えば放射線に対してコンプトン散乱を起こす散乱体検出器と散乱後の光子を光電吸収する吸収体検出器とを設け、それぞれにおける散乱又は吸収位置と付与エネルギーとに基づいて散乱角を計算するとともに、複数の放射線に対する同様の計算から放射線の飛来を決定するといった手法がとられる。コンプトン法を実用化したコンプトンカメラでは、高価なタリウム活性化ヨウ化ナトリウム(NaI)、タリウム活性化ヨウ化セシウム(CsI)等が用いられ、或いは高価な半導体センサーが高密度で実装されており、低コストで感度を高めることは容易でない。
国際公開第2013/147277号
V. Schonfelder, A. Hirner, and K. Schneider, Nuclear Instruments and Methods 107, 385 (1973). R. W. Todd, J. M. Nightingale, and D. B. Everett, Nature 251, 132 (1974).
本発明は、放射線の飛来方向を直接的に計測でき、コストの増加を抑えつつ放射線の空間的な強度分布の計測等を容易にできる放射線計測装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る放射線計測装置は、所定方向に延びる複数の線状のシンチレーター要素を所定方向に垂直な方向に関して2次元的に配列した立体的なセンサーアレイと、センサーアレイの所定方向の一端側に連結されてセンサーアレイからの光信号を2次元的な光信号の分布として検知する第1検出部と、センサーアレイの所定方向の他端側に連結されてセンサーアレイからの光信号を検知する第2検出部と、第1及び第2検出部の検知結果に基づいて電磁放射線の到達位置を決定するとともに、特定の電磁放射線に対応する複数の到達位置を含む検出情報に基づいて当該特定の電磁放射線の入射方向に関連する飛来情報を得る情報処理装置とを備え、情報処理装置は、第1検出部によって検出したシンチレーター要素単位での光信号と、第2検出部によって検出した光信号との同期をとって特定の電磁放射線の入射であることを判定し、第1検出部によって検出した光信号と、第2検出部によって検出した光信号との相対的な強度関係から線状のシンチレーター要素における特定の電磁放射線の到達位置を決定する。
本発明の放射線計測装置では、立体的なセンサーアレイと第1検出部とを用いるので、比較的広い空間に飛来した電磁放射線をシンチレーター要素の配列に対応する2次元の画像状の情報としてとらえることができ、コストを抑えた電磁放射線の検出が可能になる。また、第1及び第2検出部の検知結果を用いることで、シンチレーター要素における電磁放射線の通過位置を絞り込むことができ、特定の電磁放射線の飛来に起因する一連のコンプトン散乱等の発生位置を電磁放射線の複数の到達位置として検出することができ、電磁放射線の飛来方向又は入射方向を直接的に計測することができる。この際、情報処理装置が第1検出部によって検出したシンチレーター要素単位での光信号と、第2検出部によって検出した光信号との同期をとって特定の電磁放射線の入射であることを判定することにより、1か所で生じたコンプトン散乱が一事象の飛来に起因するか否かを判定することができる。また、第1検出部によって検出した光信号と、第2検出部によって検出した光信号との相対的な強度関係から線状のシンチレーター要素における特定の電磁放射線の到達位置を決定することにより、特定のシンチレーター要素における電磁放射線の通過位置の決定を確実にすることができる。
本発明の具体的な側面又は観点では、上記放射線計測装置において、センサーアレイへの電磁放射線の入射を方位的に制限する方位制限部をさらに備える。この場合、バックグラウンドの電磁放射線の飛来を制限することができ、対象とする電磁放射線の抽出が容易になる。
本発明の別の側面では、方位制限部は、センサーアレイのうち一端側と他端側との間の所定領域に設定した面状の入射部に対向して配置され、複数の遮蔽体の平板を近接して配置したコリメーターを少なくとも1つ以上有する。この場合、方位制限部を比較的軽量にできる。また、コリメーターにより、少なくとも入射部やその周辺においてセンサーアレイへの電磁放射線の飛来方向又は入射方向を所定範囲に制限することができ、対象とする電磁放射線の入射方向の特定が容易になり、得られる飛来情報の信頼性が高まる。なお、複数の遮蔽体の平板は、例えば互いに平行に配置したものとすることができるが、特定距離に向けて集まるように傾けて配置したものとすることもできる。
本発明の別の側面では、方位制限部は、制限方位が互いに交差する2つのコリメーターを有する。この場合、電磁放射線の入射方向を2方向に関して制限することができ、高精度で飛来情報を得ることができる。
本発明のさらに別の側面では、情報処理装置は、第1検出部によって検出したシンチレーター要素単位での光信号の強度に基づいて特定の電磁放射線に由来する散乱電子のエネルギーを決定する。このエネルギーは、放射線の飛来方向又は入射方向の特定に用いることができる。
本発明のさらに別の側面では、情報処理装置は、複数の線状のシンチレーター要素で得た光信号の同期をとって特定の電磁放射線によってコンプトン散乱及び光電吸収又は複合的なコンプトン散乱が生じたことを判定する。これにより2か所で生じたコンプトン散乱等が一事象の飛来に起因するか否かを判定する関連付けが可能になる。
本発明のさらに別の側面では、センサーアレイは、複数のセンサー部として蛍光物質をドープした複数のシンチレーションロッドを有する。この場合、センサーアレイを低コストで軽量化することができ、センサーアレイの占有空間を簡易に広げることができる。
本発明に係る一実施形態の放射線計測装置を説明する概念的なブロック図である。 検出窓部の概念的な正面図である。 シンチレーター部を構成するシンチレーションロッドユニットの構造を説明する概念図である。 (A)〜(C)は、検出原理に関するシミュレーション結果を説明する図である。 検出動作を説明する概念的な斜視図である。 放射線計測装置の動作を説明するフローチャートである。
以下、本発明に係る一実施形態の放射線計測装置の構造や動作について具体的に説明する。
図1に示す放射線計測装置100は、検出窓部20の正面方向及びその周辺から飛来するガンマ線を電磁放射線RRとして検出する。放射線計測装置100は、検出窓部20と、バンドル部30と、第1検出部40と、第2検出部50と、制御装置70とを備える。ここで、検出窓部20、バンドル部30、第1検出部40、第2検出部50等は、放射線遮蔽用のケース11内に不図示の支持構造体又はフレーム部材とともに収納されている。
検出窓部20は、ケース11の開口11aに露出するように設けられた2次元コリメーター部21と、2次元コリメーター部21の背後に配置され直方体状の輪郭を有するシンチレーター部22とを有する。
2次元コリメーター部21は、電磁放射線RRの飛来方向又は入射方向を基準線BLのまわりに広がる所定の局所的な領域(計測方位領域DA)に制限する方位制限部として機能し、2次元的な層状に延びる第1コリメーター21aと、同様に層状に延びる第2コリメーター21bとを積層したものとなっている。2次元コリメーター部21は、直方体状のシンチレーター部22の一側面(XY面に平行な面)に対応する矩形の所定領域に設定した面状の入射部22iに対向して配置されている。
第1コリメーター21aは、電磁放射線RRの入射方向をY方向に関して制限するものであり、その制限方位は、Y方向となっている。第1コリメーター21aは、検出窓部20が正面の−Z方向に向いている状態で、多数の細長い平板状の遮蔽体である放射線遮蔽板21cをY方向に等間隔で平行に配列したものである(図2参照)。各放射線遮蔽板21cは、検出窓部20が正面の−Z方向に向いている状態で、X方向を長手方向とするとともに、Y方向を法線方向としている。各放射線遮蔽板(遮蔽体の平板)21cは、例えば0.5〜1mm程度の厚みを有しZ方向に2cm以上(具体的には4cm程度)の幅を有する鉛板であり、これらの放射線遮蔽板21cは、1〜5mm程度(具体的には2mm)の隙間GAを介して互いに離間して配置される。この第1コリメーター21aにより、検出窓部20による電磁放射線RRの検出に際して、Y方向に関して緩いフォーカス機能又は指向性を持たせることができ、基準線BLと交差してX軸に平行に延びる縦軸を含む帯状の方位領域からの電磁放射線RRのみを優先的又は選択的に検出することが可能になる。
第2コリメーター21bは、電磁放射線RRの入射方向をX方向に関して制限するものであり、その制限方位は、X方向となっている。第2コリメーター21bは、検出窓部20が正面の−Z方向に向いている状態で、多数の細長い平板状の遮蔽体である放射線遮蔽板21dをX方向に等間隔で平行に配列したものである(図2参照)。各放射線遮蔽板21dは、検出窓部20が正面の−Z方向に向いている状態で、Y方向を長手方向とするとともに、X方向を法線方向としている。各放射線遮蔽板(遮蔽体の平板)21dは、放射線遮蔽板21cと同様に、例えば0.5〜1mm程度の厚みを有しZ方向に2cm以上(具体的には4cm程度)の幅を有する鉛板であり、1〜5mm程度の隙間GAを介して互いに離間して配置される。この第2コリメーター21bにより、検出窓部20による電磁放射線RRの検出に際して、X方向に関して緩いフォーカス機能又は指向性を持たせることができ、基準線BLと交差してY軸に平行に延びる横軸を含む帯状の方位領域からの電磁放射線RRのみを優先的又は選択的に検出することが可能になる。結果的に、第1及び第2コリメーター21a,21bにより、基準線BLを中心とする所期の画角範囲つまり計測方位領域DAに、電磁放射線RRの入射方向を制限することができ、シンチレーター部22又は検出窓部20に対して−Z方向への指向性を持たせることがきる。
2次元コリメーター部21による指向性は、第1及び第2コリメーター21a,21bの隙間GAや幅の設定によって調整可能である。また、第1及び第2コリメーター21a,21bにおいて、ステッピングモーター等からなる姿勢調整部21i,21jを設け、個々の放射線遮蔽板21c,21dの姿勢変更を可能にすることで、2次元コリメーター部21を焦点系として機能させることができる。具体的には、姿勢調整部21iによって各放射線遮蔽板21cをX軸に平行な回転軸のまわりに回転させることができるとともに、姿勢調整部21jによって各放射線遮蔽板21dをY軸に平行な回転軸のまわりに回転させることができ、これら放射線遮蔽板21c,21dを基準線BL状の有限距離又は無限遠の一点に向けることで、X方向及びY方向に関して有限距離又は無限遠への焦点機能を持たせることができる。
放射線遮蔽板21c,21dのための姿勢調整部21i,21jを設けた場合、焦点機能に代えて走査機能を持たせることができる。具体的には、姿勢調整部21iによって各放射線遮蔽板21cの基準線BLに対する傾斜角度を揃え、この傾斜角度を徐々に変化させることで、第1コリメーター21aによるY方向に関する走査が可能になる。また、姿勢調整部21jによって各放射線遮蔽板21dの基準線BLに対する傾斜角度を揃え、この傾斜角度を徐々に変化させることで、第2コリメーター21bによるX方向に関する走査が可能になる。
後述するようにシンチレーター部22において複数個所で電磁放射線RRを検出することで、電磁放射線RRの入射方向を特定することができるが、上記のように2次元コリメーター部21によって指向性を持たせることで、シンチレーター部22に入射する電磁放射線RRの頻度を低減できデータ量の抑制が可能になるので、シンチレーター部22の出力に対する信号処理の負担を低減することがきる。また、シンチレーター部22を動作させてコリメーター21a,21bの姿勢を調整することで、放射線計測装置100による計測の方位や距離を変化させる走査が可能になる。なお、放射線遮蔽板21c,21dを用いることで、これに隣接する領域で周囲から一様に進入するバックグラウンド信号を排除することが可能になるので、ケース11自体に放射線遮蔽性を持たせることは必須でない。
シンチレーター部22は、立体的なセンサーアレイである。シンチレーター部22のサイズは、具体的な実施例では一辺が約50cm程度となっている。シンチレーター部(センサーアレイ)22は、Y方向に延びる細長い多数の線状のシンチレーションロッドユニット22a(つまりシンチレーター要素)を、例えば3〜5mmのピッチでX方向及びZ方向に2次元的に規則正しく略隙間なく密に配列して成り、キューブ状の空間を充填するものとなっている。シンチレーター部22は、例えば100×100〜170×170本のシンチレーションロッドユニット(シンチレーター要素)22aで充填されている。このようにシンチレーター部22を立体的にすることで、電磁放射線RRに対する感度を高めることができ、微弱なものを含む未知の放射線源からの放射線量を精度良く計測することが可能となる。なお、シンチレーションロッドユニット22aに電磁放射線RRが入射してコンプトン散乱又は当該コンプトン散乱に伴う光電吸収が生じた場合、コンプトン散乱等に対応するシンチレーション発光現象による蛍光がシンチレーションロッドユニット22aの両端から射出される。
図3に示すように、シンチレーションロッドユニット22aは、線状のシンチレーター要素であり、角柱状のロッド本体(シンチレーションロッド)25aと、円筒状のシース部25bと、コネクタ部25c,25dとを有する。ロッド本体(シンチレーションロッド)25aは、射出成形によって単一素材から形成されたものであり、2次元コリメーター部21を経た放射線を光信号に変換する。具体的には、ロッド本体25aは、蛍光体をドープしたポリスチレン、アクリルその他のプラスチックの部材であって光ファイバーのコアを剥き出しにした非被覆型の構造を有する。つまり、ロッド本体25aの側面は、光学的なロスが殆どない鏡面となっている。ロッド本体25aのサイズは、例えば断面が2×2mm程度であり、長さ数10cm〜1m程度である。ロッド本体25aは、ガンマ線に対する能動指標となっている。具体的な実施例では、ロッド本体25aは、例えばセシウム137起源の0.622MeVガンマ線等を散乱させ、これによって発生したコンプトン電子によるシンチレーション発光を検出光として出力する。シース部25bは、内面にミラー26bを有する外筒部であり、電子との散乱が無視できる程度に薄い(例えば数10〜数100μmの厚みの)マイラーフィルム26aの内面にAl等からなるミラー26bを蒸着等によって形成したシートを準備し、このシートを適当に切り出した後に円筒状に巻いた状態で継ぎ目を接着することで得られる。シース部25bは、一方で、ロッド本体25aの一端に固定された支持部材25gの外周に嵌合するとともにコネクタ部25cに接合されており、他方で、ロッド本体25aの他端に固定された支持部材25gの外周に嵌合するとともにコネクタ部25dに接合されている。一方のコネクタ部25cは、レンズ、光ガイド等で構成され、不図示のフレーム部材に支持されてバンドル部30を構成する光ファイバー31の一端に接続又は連結されている。このコネクタ部25cにより、ロッド本体25aからの検出光が光ファイバー31に導かれる。他方のコネクタ部25dは、第2検出部50の入射面に対して光学グリス等を介して接続又は連結されている。このコネクタ部25dにより、ロッド本体25aからの検出光が第2検出部50に導かれる。全てのシンチレーションロッドユニット22aに対応して設けられたコネクタ部25dは、全体として接続部28(図1参照)を構成する。なお、各シンチレーションロッドユニット22aは、ケース11内に固定されてシンチレーションロッドユニット22aに直交する方向に延びる複数の網状の支持体(不図示)によってアライメントされた状態で支持されている。
ロッド本体25a内で発生したシンチレーション光(シンチレーション発光現象による蛍光)は、ロッド本体25aの内面25hに全反射の臨界角以上の角度θ1で入射した場合(つまり光L1の場合)、少ない損失で効率的に伝搬する。この際、ロッド本体25aが剥き出しで、クラッドを有しないので、全反射の臨界角を可能な限り小さくすることができ、シンチレーション光を全反射させる条件が緩くなるので、シンチレーション光の伝送効率を高めることができる。さらに、全反射条件を満たさない場合、すなわちロッド本体25aの内面25hに全反射の臨界角以下の角度θ2で入射した場合(つまり光L2の場合)、シース部25bの内面のミラー26bで反射させる伝搬が可能であるので、シンチレーション光の損失をさらに低減することができる。
図1に戻って、バンドル部30は、多数のガイド用の光ファイバー31を集めたものである。光ファイバー31の一端は、図3に示すコネクタ部25cを多数組み付けたコネクタ基板27を介してシンチレーター部22を構成する各シンチレーションロッドユニット22aの出力端に結合され、光ファイバー31の他端は、コネクタ基板(不図示)を介して第1検出部40に設けた光電撮像管部41の受光部41aの格子点に対向するように位置決めされて固定されている。バンドル部30は、シンチレーター部22を構成するシンチレーションロッドユニット22aの配列関係を維持したままで光信号を光電撮像管部41の受光部41aに伝送する。
第1検出部40は、バンドル部30を介してシンチレーター部(センサーアレイ)22の一端側に連結されてシンチレーター部22からの光信号を2次元的な光信号の分布として検知する。すなわち、第1検出部40は、シンチレーター部22の一方側に射出される光信号を、2次元的な光信号の分布に対応する電気信号(具体的には光強度に対応する検出電荷の分布)として検知する。第1検出部40は、光電撮像管部41と読出部43とを有し、シンチレーター部22を構成するシンチレーションロッドユニット22aの格子点状の配列をそのまま維持した画素パターンを検出し増幅する。これにより、各シンチレーションロッドユニット22aで発生したシンチレーション光をそのXZ面内の位置情報とともに検出することができる。光電撮像管部41は、真空容器内に収納された構造を有しており、詳細な説明は省略するが、光電変換用の入力部である受光部41aと、入射した電子を光に変換して像を形成する出力部41cとの間に、光電変換後の電子を収束させる静電収束系(不図示)等を有している。ここで、受光部41aは、ガラス製の光学窓を有しており、光学窓の内側には所定の特性を有する光電変換物質の蒸着によって光電変換面が形成されている。出力部41cは、その入射側に所定の特性を有する蛍光体が塗布された蛍光面を有し、その射出側には、蛍光面からの蛍光像を増倍するマイクロチャネルプレート(MCP)を配置することもできる。
読出部43は、リレー光学系43a、精細撮像部43b等を備える。リレー光学系43aは、光電撮像管部41の出力部41cの像を、精細撮像部43bの撮像面上に略等倍で投射する投射光学系となっている。精細撮像部43bは、例えばCMOS型撮像素子である固体撮像素子と、固体撮像素子に撮像動作を行わせる駆動回路とを有し、固体撮像素子に撮像動作を行わせる。精細撮像部43bは、光電撮像管部41の出力部41cに形成された微弱な光の精細画像を、ビデオレートで画素デジタル信号化して出力する。なお、図示を省略しているが、リレー光学系43aから分岐される光路上には、マルチアノードタイプのフォトマルチプライヤ等からなる粗像撮像部が設けられており、精細撮像部43bに撮像動作を行わせる駆動回路に対してトリガー信号を与える。
第2検出部50は、シンチレーター部(センサーアレイ)22の他端側に連結されてシンチレーター部22からの光信号を区画単位で検知する。すなわち、第2検出部50は、シンチレーター部22の他方側に射出される光信号を、区画内の複数のシンチレーションロッドユニット22aを一括した光信号に対応する電気信号(具体的には区画内に入射した光強度に対応する検出電荷)として検知する。第2検出部50は、複数のブロック状の光電子増倍管51をXZ面に沿って2次元マトリクス状に配列したものであり、シンチレーター部22を構成する例えば17×17〜10×10個程度に設定された一群のシンチレーションロッドユニット22aからなるユニット群22gからの光信号に対応する電気信号を一括して検出し増幅する。これにより、ユニット群22gを構成する複数のシンチレーションロッドユニット22aで発生したシンチレーション光を一括して検出することができる。各光電子増倍管51は、真空容器中に光電陰極、二次電子増倍電極、陽極等を封入した構造を有する。
電磁放射線RRの入射頻度にもよるが、特定のシンチレーションロッドユニット22aの一端から射出されたシンチレーション光は、第1検出部40によって位置情報とともに検出されるので、第2検出部50によって第1検出部40と同時にシンチレーション光が検出された場合、両検出部40,50に共通するシンチレーションロッドユニット22aがあれば、同一の事象つまり同じ電磁放射線RRに起因するシンチレーション光を検出したと判断され、第2検出部50によって正確な位置情報を検出する必要はなくなる。ユニット群22gを構成するシンチレーションロッドユニット22aの数は、放射線源の種類、放射線計測装置100の用途等を参酌して適宜設定する。なお、第2検出部50は、第1検出部40と同様に、光電撮像管部41、読出部43等を備えるものとできる。この場合、第1検出部40と第2検出部50とで独立して完全な位置情報を得ることができる。
制御装置70は、情報処理装置であり、第1及び第2検出部40,50から出力された画像信号や強度信号を監視し、記憶装置に保管しつつ外部に出力する。具体的には、制御装置70は、検出窓部20に対象とする線源からの電磁放射線RRが入射した場合、つまりシンチレーション光を検出した場合、第1検出部40からのトリガー出力に基づいて発光を検出したシンチレーションロッドユニット22aのXZ面内でのアドレス又は位置を特定する。また、制御装置70は、第1及び第2検出部40,50からの信号強度(具体的には検出電荷を較正して得た補正強度値)に基づいて、シンチレーションロッドユニット22aにおいて生成されたシンチレーション光のY軸方向の位置を特定する。これにより、シンチレーター部22内におけるシンチレーション光の生成位置を3次元情報として検出することができる。また、制御装置70は、第1及び第2検出部40,50からの信号強度に基づいて、各シンチレーション光の強度やコンプトン散乱又は光電吸収のエネルギーを見積もる。このようなシンチレーション光を略同時に2箇所で検出した場合、後述するようにそれらの発光位置と散乱エネルギーとに基づいて放射線源の種類とともに電磁放射線RRの入射方向を絞り込むことができ、電磁放射線RRが複数回入射した場合、電磁放射線RRの入射方向を明確に特定することができる。さらに、姿勢調整部21i,21jを用いて放射線遮蔽板21c,21dの姿勢を調整すれば、計測方位領域DAを広範囲に変化させて精密な放射線計測を行うことができる。
図4(A)〜4(C)は、シンチレーター部22における放射線の検出原理を具体的に説明する図である。シミュレーションを利用して、シンチレーションロッドユニット22aのロッド本体25aと同様の材料からなるプラスチックシンチレーターに一方向から同じ点に撃ち込んだガンマ線100発の飛跡(白色実線)の側面図を図4(A)に示している。セシウム(Cs)137から放出される0.622MeVのガンマ線は、物質中で主にコンプトン散乱を起こす。図4(A)のガンマ線の飛跡で方向が変わっている点で散乱が起こり、電子が反跳されている。このエネルギーのガンマ線は、物質中にてコンプトン散乱を繰り返し、エネルギーを失いつつ最終的には光電吸収反応で消えてしまう。つまり、奥行き約0.5mのシンチレーションロッドユニット22aを充填した立方体、すなわち0.5m立方のプラスチックシンチレーター内において、0.622MeVのガンマ線は、そのエネルギーを略全て電子に渡し切り、外に出て来ることなく全吸収されている。このことから、シンチレーションロッドユニット22aのうち2次元コリメーター部21から最も離れた背後側に配置されたシンチレーションロッドユニット22aからの平均的な出力値は、バックグランドレベルを表していると考えることができ、かかるシンチレーションロッドユニット22aの出力値をS/N分離に利用することができる。
散乱された電子は、0.5m立方のプラスチックシンチレーター中を走る間にイオン化反応を起こしてシンチレーション発光現象により蛍光を発する。0.622MeVガンマ線が入射して最初に起こすコンプトン散乱で生じた電子だと約1mm走り、その間発光する。図4(B)に示すように、先のガンマ線照射のシミュレーション事例から生じた10keV以上の電子の飛跡のみを白点で示し、図4(C)に示すように、先のガンマ線照射のシミュレーション事例から生じた100keV以上の電子の飛跡のみを白点で示している。図からわかるように、100keV以上の電子を選択すると、よりガンマ線の到来方向に集中して一直線に電子が生成されている。つまり、100keV以上に相当する1mm程度の発光点を選択すれば、ガンマ線が最初に起こしたコンプトン散乱による電子を検出したことになり、これに誘発される次のコンプトン散乱による電子を検出することも比較的容易になる。結果的に、セシウム137からくるガンマ線であることを特定できるとともに、そのセシウム137の方位を特定することができる。
図5を参照して、電磁放射線RRの入射方向やエネルギーの計測原理について具体的に説明する。2次元コリメーター部21によって計測対象の方向と距離を制限する。この状態で、例えばエネルギーE=0.662MeVをもってCs137から放射されたガンマ線である電磁放射線RRが入射光子GRとしてシンチレーター部(センサーアレイ)22のうち、一本のシンチレーションロッドユニット22aに入射する。このシンチレーションロッドユニット22a内では、入射光子GRがコンプトン散乱を起こして反跳電子を生じさせ、反跳電子のエネルギーがEであるとする。さらに、入射光子GRのコンプトン散乱に起因して生じた散乱光子GR2は、別の位置にあるシンチレーションロッドユニット22aに入射する。このシンチレーションロッドユニット22a内では、散乱光子GR2によって光電吸収が生じエネルギーEの電子が放出されたとする。ここで、シンチレーションロッドユニット22aを構成する全長LSRのロッド本体25a(図3参照)内のY方向における位置yにおける光減衰を表す光減衰関数f(y)が予め実測により求められているとする。シンチレーションロッドユニット22aの位置y,yで散乱や光電吸収によって放出されたエネルギーをE,Eとして、第1検出部40側では、e=f(y)及びe=f(y)として測光がなされ、第2検出部50側では、e'=f(LSR−y)及びe'=f(LSR−y)として測光がなされるとする。このような事象における測定値e,e,e',e'、及び光減衰関数f(y)から、2電子の散乱等による発光位置(到達位置)y,yと、エネルギーE,Eとを再構成して求めることができる。つまり、第1及び第2検出部40,50の感度差を配慮しつつ、第1検出部40によって検出した光信号又は測定値e,eと、第2検出部50によって検出した光信号又は測定値e',e'との相対的な強度関係に基づいて、対応する2つのシンチレーションロッドユニット22aにおける入射光子GR及び散乱光子GR2の到達位置を決定することができる。その際、入射光子GR及び散乱光子GR2のエネルギーE,Eも見積もることができる。その後は、従来のコンプトンカメラの手法を用いて、入射光子GRのコンプトン散乱角θ12が求まり、散乱に対応する発光位置(到達位置)y,yから定まる軸AX1を中心として開き角θ12の円錐上に入射光子GRの放射源が制限される。なお、この開き角θ12の円錐は、電磁放射線RRの入射方向に対応する軸AX0を含むものとなっている。
実際の方向分布の可視化においては、2次元コリメーター部21による指向性(つまり焦点視野の制限の効果)、測定対象以外から来るバックグランド事象、各測定値の誤差等も考慮する。さらに、事例又は事象ごとに方向の関数としての尤度若しくは確率密度関数を見積もり、多数の事例又は事象による確率密度関数の重なりと較正データをもとに、放射線源であるCs137等の密度分布を導出し可視化する。ここでは、説明の例として2個の散乱電子の場合をあげたが、複数回のコンプトン散乱等による事象も同様に解析し再構成することができる。従来、プラスチックシンチレーター(ロッド本体25aとして蛍光体をドープしたプラスチックを用いたもの)は、そのコスト効率と高い加工性にも拘わらず原子番号が低く光電吸収の効率が悪いためエネルギー測定に不向きとされてきた。本実施形態のように例えば0.5m×0.5m×0.5mといった大きな有感体積を有するシンチレーター部22を用いたシンチレーション検出では、検出器内で検出される全ての電子エネルギーから元のガンマ線光子つまり入射光子GRのエネルギーと方向とを精度良く再構成できるため、プラスチックシンチレーターの低原子番号の問題を克服することができる。
以上では、第2検出部50において、一群のシンチレーションロッドユニット22aからなるユニット群22gに共用の光電子増倍管51を用いており、コンプトン散乱等が近接して起こった場合、光電子増倍管51において、2つの入射光子GRのエネルギーを区別できなくなる。すなわち、コンプトン散乱等が所定以上に近接して起こった場合、2つの入射光子GRに起因する測定値e',e'が独立でなく、その和e'12=e'+e'として光電子増倍管51により測光されるが、第1検出部40の光電撮像管部41による解像から2つの入射光子GRに起因する測定値e,eを分離して認識できるので、精度は落ちるが、他の検出情報とも照らし合わせてエネルギーE,Eとコンプトン散乱角θ12とを見積もることができる。よって、コンプトン散乱等が近接する場合も含めて無駄のない計測が可能になり、尤度から求まる放射線物質の方向ごとの確率密度関数を的確に算出することができ、放射線検査の判定に寄与し得るものとなる。
以下、図6を参照して、図1に示す放射線計測装置100の動作の概要について説明する。まず、第1検出部40と第2検出部50とを並列的に動作させて、シンチレーター部22への電磁放射線RR又は入射光子GRの入射を検出する計測動作を開始する(ステップS11)。
制御装置70は、第1検出部40によって検出したシンチレーションロッドユニット22a単位での光信号と、第2検出部50によって検出した光強度信号(具体的には光強度に対応する電気信号)とについて同期をとりつつスレッシュホールド処理を行って、同一事象である特定の電磁放射線RR(入射光子GR)の入射であることを判定する(ステップS12)。
次に、制御装置70は、第1検出部40によって検出した光強度信号(具体的には検出電荷を補正した値)と、第2検出部50によって検出した光強度信号(具体的には検出電荷を補正した値)とに基づいて上記特定の電磁放射線RR(入射光子GR)のY方向に関する入射位置又は到達位置を決定することで、上記特定の電磁放射線RRの3次元的な入射位置又は発光位置を決定する(ステップS13)。なお、XZ方向に関する電磁放射線RRの入射位置又は到達位置は、光信号を検出したシンチレーションロッドユニット22aの縦横位置又はアドレスによって特定される。
これと並行して、制御装置70は、ステップS12で得た同一事象である特定の電磁放射線RR(入射光子GR)の入射に起因する散乱光子GR2を検出する(ステップS14)。すなわち、制御装置70は、第1検出部40によって検出したシンチレーションロッドユニット22a単位での光信号と、第2検出部50によって検出した光信号とについて同期をとりつつスレッシュホールド処理を行って、散乱光子GR2の検出を判別する。散乱光子GR2の検出であるか否かは、ステップS12で得た光信号と同期をとることによって相関の有無の判定が可能になる。つまり、複数のシンチレーションロッドユニット22aで得た光信号の同期をとって計測を行うことで、上記特定の電磁放射線RRによって、コンプトン散乱及び光電吸収が生じたことを判定することができる。具体的には、入射光子GRと散乱光子GR2とがピコ秒のオーダーで略同時に検出された場合、入射光子GRに起因して散乱光子GR2が生じ、特定の電磁放射線RRに起因するコンプトン散乱等、具体的には入射光子GRによるコンプトン散乱の蛍光と、散乱光子GR2による光電吸収とが順次生じたと判断される。
次に、制御装置70は、第1検出部40によって検出した光信号と、第2検出部50によって検出した光信号とに基づいて散乱光子GR2のY方向に関する入射位置又は到達位置を決定することで、散乱光子GR2の3次元的な入射位置又は発光位置を決定する(ステップS15)。なお、XZ方向に関する散乱光子GR2の入射位置又は到達位置は、光信号を検出したシンチレーションロッドユニット22aの縦横位置又はアドレスによって特定される。
次に、制御装置70は、ステップS12で得た入射位置及び光強度と、ステップS14で得た入射位置及び光強度とに基づいて、電磁放射線RRである入射光子GRのエネルギーやコンプトン散乱角θ12を決定する(ステップS16)。
以上のステップS11〜S16を繰り返すことで、複数事象に対応する複数の電磁放射線RRの入射を検出することができ、制御装置70は、電磁放射線RRの入射方向を正確に特定することができるとともに入射頻度も測定することができる。制御装置70は、このような結果に対してバックグランドの補正処理を行い、さらに統計的な処理を施して確度を高めるとともに、データの可視化によって2次元的な分布マップに加工するなどの統合処理を行う(ステップS17)。これにより、未知の放射線源からの放射線量を、放射線物質を特定しつつ方向ごとの確率密度関数に変換する情報処理が可能になる。
ここで、バックグランドの補正処理について簡単に説明する。バックグランドについては、(1)異時間同方位の計測を利用すること、(2)同時間異方位の計測を利用することが考えられる。異時間同方位の場合、シンチレーター部22を例えば水平方位角方向に回転させ、ガンマ線の放射線源が存在しない方にシンチレーター部22を向けてバックグラウンド量を計測することができる。具体的には、計測開始前と計測開始後に、シンチレーター部22を例えば90°程度回転させて計測対象領域が2次元コリメーター部21の計測視野外となるように揺動させる比較計測を行えばよい。同時間異方位の場合、2次元コリメーター部21に近い浅い領域に入射するガンマ線の計数計測を行いつつ、シンチレーター部22のうち2次元コリメーター部21に対向する面に隣接する3面に近い浅い領域に入射するガンマ線の計数計測を同時並行して行う。得られた方位ごとの結果の相対比に対して、2次元コリメーター部21によるガンマ線の減衰効果のかさ上げを行う修正を行うことにより、バックグラウンドの補正が可能になる。2次元コリメーター部21によるガンマ線の減衰効果は、入射方向分布が実測により求まっていればシミュレーションにて適確に予想できる。
上記実施形態の放射線計測装置100によれば、放射線計測装置100では、立体的なシンチレーター部(センサーアレイ)22と第1検出部40とを用いるので、比較的広い空間に飛来した電磁放射線RRをシンチレーションロッドユニット(シンチレーター要素)22aの配列に対応する2次元の画像状の情報としてとらえることができ、コストを抑えた電磁放射線の検出が可能になる。また、第1及び第2検出部40,50の検知結果を用いることで、シンチレーションロッドユニット22aにおける電磁放射線RRの通過位置を絞り込むことができ、特定の電磁放射線RRの飛来に起因する一連のコンプトン散乱等の発生位置を電磁放射線RRの複数の到達位置として検出することができ、電磁放射線RRの飛来方向又は入射方向を直接的に計測することができる。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
すなわち、ロッド本体25aは、角柱状に限らず円柱状とすることができ、シース部25bを省略することもできる。シース部25bを省略する場合、これに代えて薄い遮光体を配置することもできる。シンチレーションロッドユニット22aの配置密度、配置空間等も用途に応じて適宜変更できる。また、検出能力への影響が許容される範囲でシンチレーションロッドユニット22a間に隙間を設ける配置とできる。
2次元コリメーター部21については省略することができる。また、2次元コリメーター部21において、第1及び第2コリメーター21a,21bのうち一方のみを省略することもできる。
上記放射線計測装置100を所望の方向に向ける架台を追加することができ、これに駆動手段を付随させることで放射線計測装置100による計測方向の走査を行って、計測の画角や範囲を広げることもできる。
AX0,AX1…軸、 BL…基準線、 DA…計測方位領域、 GR…入射光子、 GR2…散乱光子、 RR…電磁放射線、 11…ケース、 20…検出窓部、 21…次元コリメーター部、 21a,21b…コリメーター、 21c,21d…放射線遮蔽板、 21i,21j…姿勢調整部、 22…シンチレーター部、 22a…シンチレーションロッドユニット、 22g…ユニット群、 22i…入射部、 25a…ロッド本体、 25b…シース部、 25c…コネクタ部、 25d…コネクタ部、 25g…支持部材、 25h…内面、 26a…マイラーフィルム、 26b…ミラー、 27…コネクタ基板、 30…バンドル部、 30…バンドル部、 31…光ファイバー、 40…第1検出部、 41…光電撮像管部、 41a…受光部、 41c…出力部、 43…読出部、 43b…精細撮像部、 50…第2検出部、 51…光電子増倍管、 70…制御装置、 100…放射線計測装

Claims (7)

  1. 所定方向に延びる複数の線状のシンチレーター要素を前記所定方向に垂直な方向に関して2次元的に配列した立体的なセンサーアレイと、
    前記センサーアレイの前記所定方向の一端側に連結されて前記センサーアレイからの光信号を2次元的な光信号の分布として検知する第1検出部と、
    前記センサーアレイの前記所定方向の他端側に連結されて前記センサーアレイからの光信号を検知する第2検出部と、
    前記第1及び第2検出部の検知結果に基づいて電磁放射線の到達位置を決定するとともに、特定の電磁放射線に対応する複数の到達位置を含む検出情報に基づいて当該特定の電磁放射線の入射方向に関連する飛来情報を得る情報処理装置と
    を備え
    前記情報処理装置は、前記第1検出部によって検出したシンチレーター要素単位での光信号と、前記第2検出部によって検出した光信号との同期をとって前記特定の電磁放射線の入射であることを判定し、
    前記第1検出部によって検出した光信号と、前記第2検出部によって検出した光信号との相対的な強度関係から前記線状のシンチレーター要素における前記特定の電磁放射線の到達位置を決定する、放射線計測装置。
  2. 前記センサーアレイへの電磁放射線の入射を方位的に制限する方位制限部をさらに備える、請求項1に記載の放射線計測装置。
  3. 前記方位制限部は、前記センサーアレイのうち前記一端側と前記他端側との間の所定領域に設定した面状の入射部に対向して配置され、複数の遮蔽体の平板を近接して配置したコリメーターを少なくとも1つ以上有する、請求項2に記載の放射線計測装置。
  4. 前記方位制限部は、制限方位が互いに交差する2つのコリメーターを有する、請求項3に記載の放射線計測装置。
  5. 前記情報処理装置は、前記第1検出部によって検出したシンチレーター要素単位での光信号の強度に基づいて前記特定の電磁放射線に由来する散乱電子のエネルギーを決定する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の放射線計測装置。
  6. 前記情報処理装置は、前記複数の線状のシンチレーター要素で得た光信号の同期をとって前記特定の電磁放射線によってコンプトン散乱及び光電吸収又は複合的なコンプトン散乱が生じたことを判定する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の放射線計測装置。
  7. 前記センサーアレイは、前記複数のセンサー部として蛍光物質をドープした複数のシンチレーションロッドを有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の放射線計測装置。
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