JP2013200164A - 放射線検出器およびこれを備えた診断装置 - Google Patents

放射線検出器およびこれを備えた診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】入射経路の特定精度の低下を抑制しつつ、感度を高めることができるガンマ線検出器およびこれを備えた診断装置を提供する。
【解決手段】ガンマ線検出器1は、コリメータと、第1シンチレータ13と、第1受光素子21と、第2シンチレータ15と、第2受光素子23と、を備える。コリメータは、ガンマ線の通過を許容するスリットSを有する。これにより、ガンマ線がコリメータを通過する確率は飛躍的に上がり、ガンマ線検出器の検出感度は向上する。同一のガンマ線に起因するコンプトン散乱および光電効果(光電吸収)が起こった場合、第1、第2受光素子21、23の各検出結果に基づいて、コンプトンコーンCが特定される。コンプトンコーンCの円錐面とスリットSが交わるラインKが、コリメータを通過するガンマ線の入射経路であると、特定される。このおゆに、入射経路の特定精度の低下を抑制しつつ、ガンマ線の検出感度を高めることができる。
【選択図】図8

Description

この発明は、シングルフォトン放射性同位元素から放出されたガンマ線を検出するガンマ線検出器およびこれを備えた診断装置に関する。
従来、この種のガンマ線検出器として、コリメータと、シンチレータと、受光素子とを備えたものがある。コリメータは、ガンマ線の一部を遮蔽する。シンチレータはコリメータを通過したガンマ線を光に変換する。受光素子は、シンチレータの光を検出する。(例えば、特許文献1参照)。
シングルフォトン放射性同位元素(単一光子放出核種)から放出されるガンマ線の場合、コリメータを用いて、特定の角度のガンマ線のみをシンチレータに入射させる。これによれば、ガンマ線の入射経路を特定することができ、放射性同位元素からガンマ線が放出された方向を同定することができる。
図14(a)、(b)は、いずれも従来例に係るガンマ線検出器の一例を示す斜視図である。
図14(a)に示すガンマ線検出器101は、コリメータ103と、シンチレータ107と、受光素子109とを備えている。受光素子109としては例えば光電子増倍管などが例示される。コリメータ103は、シンチレータ107の前面に配置される。コリメータ103は、多数の円形の穴(小孔)103aが形成された板材103bである。コリメータ103は、穴103aに平行に入射するガンマ線のみを通過させ、それ以外のガンマ線を遮蔽(吸収)する。
図14(b)に示すガンマ線検出器101は、コリメータ105を備えている。コリメータ105は、蜂の巣状に配置された多数の六角形の穴(小孔)105aを有する。この従来例においても、特定の方向のガンマ線のみがコリメータ105を通過する。し、シンチレータ107に入射する。
図14(a)、(b)のいずれの場合も、シンチレータ107は、コリメータ103、105を通過したガンマ線を光に変換する。受光素子109はシンチレータ107の光を検出する。受光素子109の検出結果に基づいて、シンチレータ107の発光位置(応答位置)が特定されるとともに、ガンマ線がシンチレータ107に入射した入射経路も特定される。
国際公開WO2008/035399
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
穴103a、105aを通ることができるガンマ線の向きは一方向に限られており、それ以外の向きのガンマ線は全てコリメータ103、105によって遮蔽される。このため、ガンマ線がシンチレータ107に達する確率が低く、ガンマ線検出器の感度が低いという不都合がある。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、入射経路の特定精度の低下を抑制しつつ、感度を高めることができるガンマ線検出器およびこれを備えた診断装置を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明は、シングルフォトン放射性同位元素から放出されたガンマ線を検出するガンマ線検出器であって、ガンマ線の一部を遮蔽するコリメータと、前記コリメータの後方に配置され、前記コリメータを通過したガンマ線を光に変換する第1シンチレータと、前記第1シンチレータの光を検出する第1受光素子と、前記第1シンチレータの後方に配置され、前記第1シンチレータを通過したガンマ線を光に変換する第2シンチレータと、前記第2シンチレータの光を検出する第2受光素子と、を備え、前記コリメータは、ガンマ線の通過を許容するスリットを有することを特徴とするガンマ線検出器である。
[作用・効果]スリットを通ることができるガンマ線の向きは一方向に限定されない。このようなスリットがコリメータに形成されているので、コリメータはより多くのガンマ線を通過させることができる。コリメータを通過したガンマ線は第1シンチレータに入射する。第1シンチレータはガンマ線を光に変換する。第1シンチレータを通過したガンマ線は第2シンチレータに入射する。第2シンチレータはガンマ線を光に変換する。第1、第2受光素子はそれぞれ第1、第2シンチレータの光を検出する。これによれば、ガンマ線がコリメータを通過する確率は飛躍的に上がり、ガンマ線検出器の検出感度は向上する。
また、コリメータ、第1シンチレータおよび第2シンチレータは、この順番で前後方向に並ぶように配置されている。よって、同一のガンマ線に起因するコンプトン散乱および光電効果(光電吸収)が生じ易い。
このイベントが起こった場合、第1受光素子の検出結果に基づいて、コンプトン散乱の位置とコンプトン散乱でガンマ線から放出されたエネルギーが特定される。第2受光素子の検出結果に基づいて、光電効果の位置と光電効果でガンマ線から放出されたエネルギーが特定される。さらに、これら各位置および各エネルギーに基づいて、コンプトンコーンが特定される。これにより、コリメータを通過するガンマ線の入射経路は、このコンプトンコーンの円錐面上に絞られる。
ところで、コリメータを通過するガンマ線はスリットを必ず通るので、入射経路は、コンプトンコーンの円錐面上からさらに、当該円錐面とスリットが交わるラインに絞られる。ラインの数は、例えば2または4などのように複数となる場合もあるが、比較的少ない。このため、ガンマ線検出器の視野領域を考慮したり、統計的な処理を施すことによって、ラインのいずれか1つを真の入射経路として選択可能である。このように、コンプトンコーンの円錐面とスリットが交わるラインを特定できれば、十分に精度良く入射経路を特定することができる。
以上をまとめると、本発明に係るガンマ線検出器によれば、入射経路の特定精度の低下を抑制しつつ、ガンマ線の検出感度を高めることができる。
上述した発明において、複数の前記スリットは、互いに平行に、または、互いに交差するように形成されていることが好ましい。これによれば、スリットの領域を大きくすることができ、ガンマ線検出器の感度を一層向上させることができる。なお、「互いに交差するように」とは、スリットが格子状に形成された態様や、2本のスリットが十字に交差するように形成された態様などを含む。
上述した発明において、前記コリメータはガンマ線を遮蔽する複数のブロックを備えており、前記ブロックは互いに間隔を空けて配置されており、前記スリットは前記ブロック間の空隙であることが好ましい。これによれば、スリットを好適に形成することができる。
上述した発明において、前記ブロックは行列状に配置されていることが好ましい。これによれば、簡易な構造でスリットを格子状に形成することができる。
上述した発明において、前記第1シンチレータは、前記コリメータに近接した位置に設けられていることが好ましい。これによれば、第1シンチレータは、スリットを通過したガンマ線を的確に検出することができる。
上述した発明において、前記第1シンチレータと前記第2シンチレータとは、互いに離して配置されていることが好ましい。これによれば、第1シンチレータを通過したガンマ線が第2シンチレータに入射する方向を精度よく検出することができる。これにより、コンプトンコーンを一層精度良く特定することができ、ガンマ線の入射経路を一層精度良く特定することができる。
上述した発明において、前記第1シンチレータと前記第2シンチレータとは、前後方向に積層されていることが好ましい。これによれば、第2シンチレータは、第1シンチレータを通過したガンマ線を的確に検出することができる。
上述した発明において、前記第1シンチレータと前記第2シンチレータとの間に配置される反射材を備えていることが好ましい。これによれば、第1シンチレータの光は反射材で反射し、第2シンチレータに漏洩しにくい。同様に、第2シンチレータの光は第1シンチレータに漏洩しにくい。よって、第1、第2受光素子はそれぞれ、第1、第2シンチレータの光を精度良く検出することができる。
上述した発明において、前記第1シンチレータは、前記スリットの開口と略同じ寸法の検出面を有し、前記スリットの後方に配置されていることが好ましい。これによれば、第1シンチレータを小型化することができる。
上述した発明において、前記第2シンチレータは、前記第1シンチレータの検出面に比べて広い検出面を有することが好ましい。これによれば、第2シンチレータは、第1シンチレータを通過したガンマ線を適切に検出することができる。
上述した発明において、前記第1シンチレータと前記第2シンチレータとは、それぞれ略同じ大きさの検出面を有することが好ましい。これによれば、ガンマ線検出器を簡易な構造とすることができる。
上述した発明において、前記第2シンチレータの前後方向における寸法は、前記第1シンチレータの前後方向における寸法より大きいことが好ましい。これによれば、第2シンチレータはガンマ線をより確実に検出し、光に変換することができる。なお、「前後方向」とは、コリメータ、第1シンチレータ、および、第2シンチレータが並ぶ方向である。また、「前後方向」は、第1、第2シンチレータの深さ方向と言うこともできる。
上述した発明において、前記第2シンチレータは、前後方向に積層される複数の層状シンチレータを備えていることが好ましい。これによれば、第2シンチレータの前後方向における寸法を容易に拡大することができる。
上述した発明において、前記第1受光素子は、ガイガーモードAPD又は光電子増倍管であり、前記第2受光素子は、ガイガーモードAPD又は光電子増倍管であることが好ましい。ガイガーモードAPD(APD:Avalanche Photo Diode、ガイガーモードアバランシェフォトダイオード)によれば、第1、第2受光素子をコンパクトに実現することができる。また、光電子増倍管によれば、微弱な光であっても好適に増幅することができる。
上述した発明において、前記第1受光素子が検出する前記第1シンチレータの光の位置は、前記スリットの長手方向における前記第1シンチレータの光の位置のみであることが好ましい。これによれば、第1受光素子の検出精度の低下を抑制しつつ、第1受光素子を簡素に実現することができる。
また、本発明は、請求項1から15のいずれかに記載のガンマ線検出器と、前記第1受光素子および前記第2受光素子の各検出結果の中から、同じガンマ線に起因するコンプトン散乱および光電効果に対応する検出結果の組み合わせを抽出する抽出部と、前記抽出部によって抽出された前記検出結果の組み合わせと前記スリットの位置とに基づいて、前記コンプトン散乱の位置を頂点とするコンプトンコーンの円錐面と前記スリットとが交わるラインを特定するライン特定部と、診断装置である。
[作用・効果]本発明によれば、抽出部を備えているので、同じガンマ線に起因するコンプトン散乱および光電効果が起きたときに、当該コンプトン散乱に応じた第1受光素子の検出結果と、当該光電効果に応じた第2受光素子の検出結果を選び出すことができる。また、ライン特定部を備えているので、ガンマ線の入射経路を好適に絞り込むことができる。
また、上述した発明において、前記抽出部は、前記第1受光素子および前記第2受光素子によってそれぞれ略同時に検出された検出結果を、前記検出結果の組み合わせと判定することが好ましい。これによれば、抽出部は、検出結果の組み合わせを好適に抽出することができる。
なお、本明細書は、次のような放射線検出装置および診断装置に係る発明も開示している。
(1)上述した発明に係るガンマ線検出器において、前記スリットは規則的に配置されているガンマ線検出器。
前記(1)に記載の発明によれば、ガンマ線検出器の前面にわたって感度がばらつくことを容易に防止することができる。
(2)上述した発明に係るガンマ線検出器において、前記第2シンチレータの検出面は、前記コリメータの前面と略同等の広さを有するガンマ線検出器。
前記(2)に記載の発明によれば、第2シンチレータは、第1シンチレータを通過したガンマ線をより的確に検出することができる。
(3)上述した発明に係るガンマ線検出器において、前記第2シンチレータは、前記層状シンチレータ同士の間に配置される反射材を備えているガンマ線検出器。
前記(3)に記載の発明によれば、第2受光素子は、前後方向における第2シンチレータの光の位置を精度良く検出することができる。
(4)上述した発明に係るガンマ線検出器において、前記第1シンチレータと前記第2シンチレータとは、一体に構成されているガンマ線検出器。
前記(4)に記載の発明によれば、第1、第2シンチレータを簡易な構造で実現することができる。
本発明に係るガンマ線検出器およびこれを備えた診断装置によれば、スリットを有するコリメータを備えているので、第1シンチレータにガンマ線が入射する確率を飛躍的に増大させることができる。この結果、ガンマ線検出器の感度を向上させることができる。
また、前後方向に並ぶように配置される第1、第2シンチレータを備えているので、同一のガンマ線に起因するコンプトン散乱および光電効果が起こり易い。また、このイベントが起こると、第1、第2受光素子の各検出結果に基づいて、コンプトンコーンの円錐面とスリットとが交わるラインのいずれかを当該ガンマ線の入射経路と特定することができる。このように、入射経路の特定精度が低下することを好適に抑制することができる。
以上のとおり、本発明に係るガンマ線検出器およびこれを備えた診断装置によれば、入射経路の特定精度の低下を抑制しつつ、ガンマ線の検出感度を高めることができる。
実施例1に係るガンマ線検出器の斜視図である。 実施例1に係るガンマ線検出器の側面図である。 実施例1に係るガンマ線検出器の要部平面図である。 コリメータを通過するガンマ線を模式的に示す図である。 コリメータを通過するガンマ線の入射経路を比較する模式図であり、(a)は実施例1のコリメータを側面から見た図であり、(b)は従来例のコリメータを側面から見た図である。 同一のガンマ線に起因するコンプトン散乱および光電効果を模式的に示す図である。 コンプトンコーンを模式的に示す図である。 コンプトンコーンとスリットが交わるラインを模式的に示す図である。 (a)、(b)は、ガンマ線検出器と視野領域とラインとの関係を示す側面図である。 実施例2に係る診断装置の構成図である。 変形実施例に係るガンマ線検出器の斜視図である。 変形実施例に係るガンマ線検出器の斜視図である。 変形実施例に係るガンマ線検出器の斜視図である。 (a)、(b)は、従来例に係るガンマ線検出器の一例を示す斜視図である。
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。
図1は、実施例1に係るガンマ線検出器の斜視図であり、図2は、実施例1に係るガンマ線検出器の側面図であり、図3は、実施例1に係るガンマ線検出器の要部平面図である。
図1乃至3を参照する。本実施例1に係るガンマ線検出器1は、シングルフォトン放射性同位元素から放出されたガンマ線を検出する検出器である。ガンマ線検出器1は、コリメータ11と第1シンチレータ13と第2シンチレータ15とを備えている。コリメータ11の後方には第1シンチレータ13が配置されており、第1シンチレータ13の後方には第2シンチレータ15が配置されている。本明細書では、これらコリメータ11、第1、第2シンチレータ13、15の並び方向を、適宜に「前後方向z」という。ガンマ線検出器1は、さらに、第1受光素子21と第2受光素子23とを備えている。
コリメータ11は、その前方から種々の角度で飛来するガンマ線の一部を遮蔽する。コリメータ11は、ガンマ線の通過を許容する単一のスリットSを有する。スリットSは、コリメータ11の前面11fを横断する方向に細長く延びた形状を有する。本実施例1では、スリットSは、前後方向zと直交する1軸方向xに延びている。すなわち、1軸方向xは、スリットSの長手方向xに相当する。スリットSは、長手方向xに沿ってコリメータ11の両端にまで及んでいる。図1乃至3において、方向yは、前後方向zおよび長手方向xと直交しており、スリットSの短手方向を示している。
コリメータ11は、ガンマ線を遮蔽(吸収)する矩形形状(直方体形状)のブロック12a、12bを備えている。ブロック12a、12bの材質としては、鉛、タングステン、タングステン合金、モリブテン、タンタル等が例示される。ブロック12a、12bは、互いに微小な間隔を空けて配置されている。スリットSは、ブロック12a、12bの間に形成される空隙である。
第1シンチレータ13は、コリメータ11を通過したガンマ線を光に変換する。第1シンチレータ13は、スリットSに沿って延びる細い四角柱形状を呈している。第1シンチレータ13は、スリットSの開口と略同じ寸法の前面(検出面)13fを有している。スリットSの開口は、長手方向xにおけるスリットSの寸法Sxと、短手方向yにおけるスリットSの寸法Syによって規定される。
図3に明示するように、本実施例1では、検出面13fはスリットSの開口より若干大きい。この検出面13fがスリットSの後方に位置するように第1シンチレータ13が配置されている。本実施例1では、検出面13fがスリットSの下方を閉塞するように、検出面13fの両側縁がコリメータ11の背面と接している。
第1シンチレータ13の材質は、比較的に比重が軽いものが好ましい。比重が軽いほど、ガンマ線を散乱させ易いからである。比重が軽い材料としては、例えば、ヨウ化ナトリウム(Nai)や、ヨウ化セシウム(CsI)などが例示される。
第1受光素子21は、第1シンチレータ13の光を検出する。第1受光素子21は、第1シンチレータ13の長手方向xの両端部に配置されているガイガーモードアバランシェフォトダイオード(以下、「ガイガーモードAPD」という、APD:Avalanche Photo Diode)21a、21bを備えている。ガイガーモードAPD21a、21bによれば、第1受光素子21をコンパクトに実現することができる。
各ガイガーモードAPD21a、21bはそれぞれ、第1シンチレータ13の光の強度に応じた電気信号を出力する。ガイガーモードAPD21a、21bの各電気信号の比から、長手方向xにおける第1シンチレータ13の発光位置(応答位置)が特定される。また、ガイガーモードAPD21a、21bの各電気信号の和から、第1シンチレータ13の発光強度が特定される。なお、発光位置はガンマ線が光に変換された位置である。発光強度は、ガンマ線から放出されたエネルギーに対応する。
本実施例1では、第1受光素子21は、発光位置として、第1シンチレータの長手方向xにおける発光位置のみを検出し、他の方向y、zにおける発光位置を検出しない。他の方向y、zにおける第1シンチレータ13の寸法は比較的に小さいので、所定値をみなすことができるからである。これにより、第1受光素子21の検出精度の低下を抑制しつつ、第1受光素子21を簡素に実現することができる。
第2シンチレータ15は、第1シンチレータ13を通過したガンマ線を光に変換する。
第2シンチレータ15は、xy平面に平行な薄板形状を呈している。第2シンチレータ15は、第1シンチレータ13の検出面13fに比べて広い検出面15fを有する。本実施例1では、検出面15fはコリメータ11の前面11fと略同じ大きさを有する。第2シンチレータ15は、第1シンチレータ13から前後方向zに離間して設けられている。第2シンチレータ15は、前後方向zから見てコリメータ11とほぼ重なるような位置に配置されている。
第2シンチレータ15の材質は、比重が比較的に重いものが好ましい。比重が重いほどガンマ線を光電効果(吸収)し易いからである。比重が重い材料としては、例えば、LSO、BGO、GSOなどが例示される。
第2受光素子23は、第2シンチレータ15の光を検出する。第2受光素子23は、第2シンチレータ15の背面に設けられている。第2受光素子23は、光電子増倍管で構成されている。光電子増倍管によれば、微弱な光であっても好適に増幅することができる。
第2受光素子23は、第2シンチレータ15の光の強度に応じた電気信号を出力する。第2受光素子23の検出結果によれば、方向x、yにおける第2シンチレータ15の発光位置(応答位置)および発光強度が特定される。
本実施例1では、第2受光素子23は、発光位置として、前後方向zにおける発光位置を検出しない。前後方向zにおける第2シンチレータ15の寸法が比較的に小さいので、所定値とみなせるからである。これにより、第2受光素子21の検出精度の低下を抑制しつつ、第2受光素子23の簡素化を図ることができる。
次に、実施例1に係る検出器1の動作について説明する。図4は、コリメータ11を通過するガンマ線g1を模式的に示す図である。図4ではコリメータ11の図示を省略し、スリットSの領域を点線で示している。また、図示の都合上、スリットSと第1シンチレータ13とを互いに離して示す。
図示するように、単一光子放出核種から放出されたガンマ線が、前方から放射線検出器1に飛来する。ガンマ線g1の一部(g1a、g1b)は、スリットSを通ってコリメータ11を通過し、その他のガンマ線は、ブロック12a、12bによって遮蔽(吸収)される。図4から明らかなとおり、ガンマ線g1a、g1bの向きは同じではなく、コリメータ11を通過可能なガンマ線g1a、g1bの向きは一方向に限定されない。このため、コリメータ11を通過するガンマ線g1の量は増大する。コリメータ11を通過したガンマ線g1は、第1シンチレータ13に入射する。
図5を参照する。図5は、コリメータを通過するガンマ線の入射経路を比較する模式図であり、図5(a)は実施例1のコリメータ11を側面から見た図であり、図5(b)は従来例のコリメータ121を側面から見た図である。図5では、コリメータを点線で示し、ガンマ線の入射経路を実線で示す。
従来例のコリメータ121としては、複数の穴(不図示)を有し、当該穴に平行に入射するガンマ線のみを通過させるものを例示している。図5(a)、(b)から明らかなように、コリメータ11を通過可能なガンマ線g1の入射経路の数は、コリメータ121を通過可能なガンマ線g1の入射経路に比べて多い。したがって、本実施例1によれば、従来例に比べて、コリメータ11を通過するガンマ線g1の確率を向上させることができる。
また、コリメータ11の場合、入射経路の数は、スリットSの長手方向xの寸法Sxのおよそ2乗に比例して増大する。したがって、寸法Sxを長くすることによって、コリメータ11を通過するガンマ線の確率を飛躍的に向上させることができる。
続いて、ガンマ線がコリメータ11を通過した後の動作を説明する。ここでは、同一のガンマ線に起因するコンプトン散乱および光電効果が生じる場合を例に採って説明する。なお、以下の説明では、同一のガンマ線に起因するコンプトン散乱および光電効果を、適宜に「イベント」と呼ぶ。
図6を参照する。図6は、イベントを模式的に示す図である。コリメータ11の図示を省略し、スリットSの領域を点線で示している。第1シンチレータ13に入射したガンマ線g1は、第1シンチレータ13内でコンプトン散乱を起こす。ガンマ線g1は、そのエネルギーの一部を放出する(失う)。第1シンチレータ13内では、光a1が発生する。光a1の発光位置p1はコンプトン散乱が起こった位置である。光a1の強度はガンマ線g1から放出されたエネルギーと対応する。以下では、発光位置p1を適宜に「コンプトン散乱の位置p1」と記載する。
第1受光素子21は光a1を検出する。第1受光素子21は、コンプトン散乱の位置p1およびガンマ線g1から放出されたエネルギーに対応した検出結果を出力する。
コンプトン散乱を起こしたガンマ線g1は、進行方向が変わる。本明細書では、散乱後のガンマ線を、特に「散乱ガンマ線g2」と呼び、コリメータ11を通過したガンマ線g1と区別する。
散乱ガンマ線g2は、第1シンチレータ13を通過して、第2シンチレータ15に入射する。散乱ガンマ線g2は、第2シンチレータ15内で光電効果を起こす。散乱ガンマ線g2は、残っているエネルギーの全部を放出し、第2シンチレータ15に吸収される。第2シンチレータ15内では、光a2が発生する。光a2の発光位置p2は光電効果が起こった位置である。光a2の強度は散乱ガンマ線g2から放出されたエネルギーと対応する。以下では、発光位置p2を適宜に「光電効果の位置p2」と記載する。
第2受光素子23は、光a2を検出する。第2受光素子23は、光電効果の位置p2および散乱ガンマ線g2から放出されたエネルギーに対応した検出結果を出力する。
続いて、上述のイベントが起こった場合に第1、第受光素子21、23から得られる各検出結果から、ガンマ線g1の入射経路が自ずと特定されることを説明する。
コンプトン散乱でガンマ線g1から放出されたエネルギーと、光電効果で散乱ガンマ線g2から放出されたエネルギーとの和は、ガンマ線g1の初期のエネルギーとみなせる。光電効果で散乱ガンマ線g2から放出されたエネルギーは、散乱ガンマ線g2が有するエネルギーとみなせる。よって、第1、第2受光素子21、23の検出結果に基づいて、ガンマ線g1、g2の各エネルギーも特定される。
ガンマ線g1、g2の各エネルギーが与えられると、コンプトン散乱角θ(図6参照)が特定される。具体的には、コンプトン散乱角をθ[rad]、ガンマ線g1のエネルギーをE1[keV]、散乱ガンマ線g2のエネルギーをE2[keV]とすると、コンプトン散乱角θは次式(1)で表される。
cosθ=1−E0(1/E2−1/E1) ………(1)
但し、E0[keV]:電子の静止エネルギー(511[keV])
コンプトン散乱角θが与えられると、コンプトンコーンが特定される。
図7を参照する。図7は、コンプトンコーンを模式的に示す図である。コンプトンコーンCは、コンプトン散乱の位置p1を頂点とする円錐である。より具体的には、コンプトンコーンCの母線bは各位置p1、p2を結ぶ線である。コンプトンコーンCは、位置p1を通るとともに母線bとのなす角がコンプトン散乱角θである直線を、母線b回りに回転させることによって得られる円錐である。
コンプトンコーンCの位置は、散乱角θと各位置p1、p2とに基づいて特定される。なお、第1、第2シンチレータ13、15が互いに前後方向zに離れているほど、母線bの位置は誤差少なく特定される。
コンプトンコーンCが与えられと、コリメータ11を通過するガンマ線g1の入射経路が存在する領域を、このコンプトンコーンCの円錐面上に絞ることができる。ところで、コリメータ11を通過するガンマ線g1はスリットSを必ず通る。よって、入射経路は、さらに、当該円錐面とスリットSが交わるラインに絞られる。
図8を参照する。図8は、コンプトンコーンCとスリットSが交わるラインKを模式的に示す図である。図示するように、コンプトンコーンCとスリットSとは、2本のラインK1、K2で交わる。図8では、ラインK1、K2を、スリットSの短手方向yにおける寸法Syに応じた幅を有するものとして示している。
ラインKの位置は、コンプトンコーンCおよびスリットSの各位置に基づいて特定される。なお、スリットSの位置は既知である。したがって、ラインKの位置は、第1、2受光素子21、23の検出結果から自ずと特定される。特定されるラインKの数は、図8では2つの場合を例示したが、1つの場合もあり得る。但し、実施例1の構成では、ラインKの数は3以上にはならない。
ラインKの数が複数の場合、いずれか1つのラインKが真の入射経路であり、その他のラインKは偽の入射経路である。真の入射経路であるラインKの延長上には、放射性同位元素がガンマ線g1を放出した放射位置が存在する。
ラインKの数が複数の場合は、種々の方法で真の入射経路であるラインを選択することができる。以下、説明する。
図9を参照する。図9を参照する。図9(a)、(b)は、ガンマ線検出器1と視野領域とラインとの関係を示す側面図である。図示するように、ガンマ線検出器1(コリメータ11)の前方に視野領域F(既知)が存在する。この視野領域F内で放射性同位元素はガンマ線を放出する。視野領域F内には、例えば、シングルフォトン放射性同位元素が投与された被検体が載置されている。
図9(a)では、ラインK1は視野領域Fを通過しており、ラインK2は視野領域Fを通過していない。この場合、ラインK1が真の入射経路である。このように、既知の視野領域Fを考慮することによって、真の入射経路であるラインKを容易に選択することができる。
また、図9(b)では、視野領域F内を2本のラインK1、K2が通過している。よって、ラインK1、K2のいずれが真の入射経路であるか不明のままである。このように複数のラインK1、K2が視野領域Fを通過している場合は、次のように処理してもよい。
1つの例としては、ラインK1、K2にそれぞれ対応した2つのイベントが発生したものとしてデータを取得するようにしてもよい(すなわち、真、偽の双方を含むランダム事象として扱ってもよい)。そして、取得、収集されたデータ群における偽のデータの数または割合などを統計的処理やシミュレーションに基づいて推測し、収集、蓄積されたデータ群からこれを差し引く処理を行ってもよい。
別の例としては、複数のラインK1、K2が視野領域Fを通過している場合は、各ラインK1、K2に対応した2つのイベントのいずれも発生していないものと扱ってもよい(たとえば、データを破棄するようにしてもよい)。
このように、実施例1に係るガンマ線検出器1によれば、コリメータ11はスリットSを有しているので、ガンマ線がコリメータを通過する確率を飛躍的に向上させることができる。これに伴い、同一のガンマ線に起因するコンプトン散乱および光電効果が起こる確率も高まり、結果的にガンマ線検出器1の感度を向上させることができる。
また、ガンマ線g1の入射経路を、コンプトンコーンCとスリットSが交わるラインKに絞ることができる。特に実施例1のコリメータ11の場合、ラインKの数は理論的には2以下におさまり、比較的に少ない。ラインKの数が2となった場合であっても、既知の視野領域Fを考慮したり、統計的な処理を施すことによって、真の入射経路を適切に選択することは可能である。このように、ガンマ線検出器1によれば、十分に精度良く入射経路を特定することができる。
以上のとおり、ガンマ線検出器1によれば、入射経路の特定精度の低下を抑制しつつ、ガンマ線の検出感度を高めることができる。よって、シングルフォトン放射性同位元素の分布像を好適に生成可能である。
また、スリットSはコリメータ11の両端に達しており、スリットSの長手方向xの寸法Sxは十分に長い。したがって、ガンマ線がコリメータ11を通過する確率を効果的に高めることができる。
また、コリメータ11、第1、第2シンチレータ13、15は、この順番で前後方向zに並ぶように配置されている。よって、上述したイベントを好適に生じさせることができる。
また、コリメータ11はブロック12a、12bによって構成されているので、好適にスリットSを形成することができる。
また、第1シンチレータ13の検出面13fは、スリットSの開口と略同じ寸法であるので、第1シンチレータ13を小型化することができ、製造コストを抑えることができる。
また、第1シンチレータ13はスリットSの後方を覆うように配置されているので、コリメータ11を通過したガンマ線を漏れなく第1シンチレータ13に入射させることができる。さらに、第1シンチレータ13はコリメータ11の背面に接するように配置されているので、コリメータ11を通過したガンマ線を一層確実に第1シンチレータ13に入射させることができる。
また、第2シンチレータ15は、第1シンチレータ13の検出面13fに比べて広い検出面15fを有するので、第2シンチレータ15は、第1シンチレータ13を通過したガンマ線を適切に検出することができる。特に、検出面15fの広さはコリメータ11の前面11fと略同等程度と十分に広いので、第2シンチレータは、第1シンチレータを通過したガンマ線をより的確に検出することができる。
また、第1シンチレータ13と第2シンチレータ15とは、互いに離して配置されているので、第1シンチレータ13と第2シンチレータ15との間を飛来するガンマ線の方向を精度よく検出することができる。すなわち、コンプトンコーンCの母線bの位置を精度良く特定することができる。この結果、ガンマ線の入射経路を精度良く特定することができる。
次に、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。
図10は、実施例2に係る診断装置の構成図である。実施例2は、実施例1で説明したガンマ線検出器1を備える診断装置の一例である。本実施例では、診断装置として単一光子放射断層撮影装置(SPECT:Single Photon Emission Computed Tomography、以下、「SPECT」という)31を例に採って説明する。なお、実施例1と同じ構成については同符号を付すことで詳細な説明を省略する。
図10に示すように、本実施例に係るSPECT装置31は、検出器1と天板33とを備えている。天板33には被検体Mが載置される。検出器1は、被検体M内に分布する放射性同位元素が放出したガンマ線を検出する。検出器1は、図示省略の駆動機構により、被検体Mの回りを回転可能に設けられている。
SPECT装置31は、さらに、抽出部35と入射経路決定部37とを備えている。入射経路決定部37は、記憶部41とライン特定部43とライン選択部45と補正部47とを備えている。これら抽出部35および入射経路決定部37は、各種処理を実行する中央演算処理装置(CPU)や記憶媒体、あるいは、マイクロコンピュータによって実現されている。
抽出部35には、第1、第2受光素子21、23の各検出結果(電気信号)が入力される。抽出部35は、これら各検出結果に基づいて、同じガンマ線に起因するコンプトン散乱および光電効果に対応する検出結果の組み合わせを抽出する。具体的には、抽出部35は、同時係数回路等を備え、第1、第2受光素子21、23によってそれぞれ略同時に検出された検出結果を、検出結果の組み合わせと判定する。略同時であるか否かは、例えば、第1、第2受光素子21、23の検出結果のタイミングが、時間幅(タイムウインドウ、例えば10ns)内の全体で重なっているかどうかで判断する。
そして、抽出部35は、抽出された組み合わせに対応する第1、第2受光素子21、23の各検出結果を、入射経路決定部37に出力する。ただし、検出結果の出力については、第1、第2受光素子21、23から入射経路決定部37に直接行うように変更してもよい。
記憶部41は、スリットS、第1、第2シンチレータ21、23および視野領域Fなどの位置情報が予め記憶している。
ライン特定部43は、第1、第2受光素子21、23の各検出結果と記憶部41に記憶されるスリットSの位置情報に基づいて、コンプトンコーンCとスリットSが交わるラインKを取得する。
ライン選択部45は、ライン特定部45が取得したラインKと記憶部41に記憶される視野領域Fの位置情報に基づいて、視野領域F内を通過するラインKのみを選択し、その他のラインを除外する。
補正部47は、ライン選択部45が選択したラインKが複数の場合、各ラインKにそれぞれ対応した複数のイベントが発生したものとして複数のデータを取得、収集し、このデータ群を補正する。
このように、実施例2に係るSPECT装置31によれば、抽出部35およびライン特定部41を備えているので、コリメータ11を通過するガンマ線の入射経路を精度よく特定することができる。さらに、ライン選択部45および補正部47を備えているので、コリメータ11を通過するガンマ線の入射経路を的確に選択、決定することができる。また、実施例1で説明したように、スリットSを有するコリメータ11を備えているので、ガンマ線がコリメータ11を通過する確率が高く、ガンマ線検出器1の検出感度が良い。よって、SPECT装置31によれば、良好な断層画像を得ることができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、コリメータ11は、単一のスリットSを有していたが、これに限られない。
図11を参照する。図11は、変形実施例に係るガンマ線検出器の斜視図である。図示するように、複数のスリットSが互いに平行に形成されたコリメータ51に変更してもよい。スリットSを複数とすることで、スリットS全体の長さ(各スリットSの長手方向の寸法の和)を容易に増加させることができ、ガンマ線検出器1の感度を一層向上させることができる。
図12を参照する。図12は、変形実施例に係るガンマ線検出器の斜視図である。図示するように、複数のスリットSが格子状に形成されたコリメータ52に変更してもよい。この場合、複数のブロック12は、行列状に配置されていることが好ましい。これによれば、簡易な構造でスリットSを格子状に形成することができる。
あるいは、図示を省略するが、2本のスリットSが交差または直交するように形成されたコリメータに変更してもよい。これらの変形例によっても、ガンマ線検出器1の感度を一層向上させることができる。
なお、スリットSが交差している場合、その交差部に対応する位置でコンプトン散乱が起こると、ラインKの数は4つになる可能性がある。しなしながら、仮にラインKの数が4つとなったとしても、比較的に少ないことには変わりないので、十分に精度良く入射経路を特定することができる。
また、その他の変形例として、複数のスリットSが規則的な位置に形成されているコリメータに変更してもよい。この変形例によれば、ガンマ線検出器1の前面にわたって感度がばらつくことを好適に防止することができる。
(2)上述した各実施例では、第1、第2シンチレータ13、15は互いに隔てて配置されていたが、これに限られない。
図13を参照する。図13は、変形実施例に係るガンマ線検出器の斜視図である。図示するように、本変形例に係るガンマ線検出器1は、前後方向zに積層された複数の層状シンチレータ53、54、55、56を有する。層状シンチレータ53乃至56は、それぞれ略同じ大きさの検出面を有している。各層状シンチレータ53、54、55、56の間には光を反射する反射材57が設けられている。これにより、いずれの層状シンチレータが発光しても、その光が他の層状シンチレータに漏洩することを防ぐことができる。各層状シンチレータ53乃至56には、それぞれ受光素子63、64、65、66が設けられている。受光素子63乃至66は、それぞれ層状シンチレータ53乃至56の光を検出する。
この変形例では、層状シンチレータ54は、層状シンチレータ53を通過したガンマ線をより的確に検出することができる。同様に、層状シンチレータ55、56は、その前方に隣接する層状シンチレータ54、55を通過したガンマ線をより的確に検出することができる。また、層状シンチレータ53乃至56によれば、前後方向zにおける全体の寸法を容易に長くすることができるので、同じガンマ線に起因するコンプトン散乱および光電効果を好適に生じさせることができる。
この変形例では、シンチレータ53をこの発明における「第1シンチレータ」として用いてもよいし、シンチレータ53、54をこの発明における「第1シンチレータ」として用いてもよい。前者の場合は、シンチレータ54乃至56がこの発明における「第2シンチレータ」となり、後者の場合は、シンチレータ55、56がこの発明における「第2シンチレータ」となる。前者の場合は、第1シンチレータが複数の層状シンチレータを有するので、第1シンチレータ内でコンプトン散乱を起こし易くなる。後者の場合は、第2シンチレータの前後方向zにおける寸法が、第1シンチレータのそれと比べて大きくなるので、第2シンチレータ内で光電効果を起こし易くなる。なお、第1、第2シンチレータの区分に応じて、受光素子63乃至66もそれぞれ、この発明における第1、第2受光素子に区分される。
さらに、この変形例では、反射材57を備えていたが、これに限られない。反射材57の一部または全部を適宜に省略するように変更してもよい。また、この変形例では、層状シンチレータ53乃至56は互いに別個の部材であるが、これに限られない。層状シンチレータ53乃至56に代えて、一体に構成される単一のシンチレータに変更してもよい。
(3)上述した各実施例では、第1シンチレータ13はコリメータ11と接していたが、これに限られない。たとえば、第1シンチレータ13をコリメータ11に近接した位置に第1シンチレータ13を配置してもよい。この変形例によっても、第1シンチレータ13は、コリメータ11を通過したガンマ線を的確に検出することができる。
(4)上述した各実施例では、ガイガーモードAPD21a、21bは、第1シンチレータ13の長手方向xの両端部に配置されていたが、これに限られない。例えば、第1シンチレータ13の長手方向xに沿う側部にガイガーモードAPDを配置するように変更してもよい。これによっても、第1シンチレータ13の長手方向xにおける発光位置を好適に検出することができる。
(5)上述した実施例2では、SPECT装置を例に採って説明したが、ガンマ線検出器1は種々の用途に適用することができる。たとえば、ガンマカメラや、PET・SPECT兼用装置(PET:Positron emission tomography、陽電子放射断層撮影装置)などが例示される。
1 … ガンマ線検出器
11、51、52 … コリメータ
11f … コリメータの前面
13 … 第1シンチレータ
13f … 第1シンチレータの検出面
15 … 第2シンチレータ
21 … 第1受光素子
21a、21b … ガイガーモードAPD
23 … 第2受光素子
31 … SPECT装置
33 … 天板
35 … 抽出部
37 … 入射経路決定部
43 … ライン特定部
53、54、55、56 … 層状シンチレータ
63、64、65、66 … 受光素子
57 … 反射材
a1、a2 … 第1、第2シンチレータの光
C … コンプトンコーン
F … 視野領域
g1 … コリメータを通過するガンマ線
g2 … 散乱ガンマ線
K … コンプトンコーンとスリットが交わるライン
M … 被検体
p1 … 発光位置(コンプトン散乱の位置)
p2 … 発光位置(光電効果の位置)
x … スリットの長手方向
y … スリットの短手方向
z … 前後方向
θ … コンプトン散乱角

Claims (17)

  1. シングルフォトン放射性同位元素から放出されたガンマ線を検出するガンマ線検出器であって、
    ガンマ線の一部を遮蔽するコリメータと、
    前記コリメータの後方に配置され、前記コリメータを通過したガンマ線を光に変換する第1シンチレータと、
    前記第1シンチレータの光を検出する第1受光素子と、
    前記第1シンチレータの後方に配置され、前記第1シンチレータを通過したガンマ線を光に変換する第2シンチレータと、
    前記第2シンチレータの光を検出する第2受光素子と、
    を備え、
    前記コリメータは、ガンマ線の通過を許容するスリットを有することを特徴とするガンマ線検出器。
  2. 請求項1に記載のガンマ線検出器において、
    複数の前記スリットは、互いに平行に、または、互いに交差するように形成されているガンマ線検出器。
  3. 請求項1または2に記載のガンマ線検出器において、
    前記コリメータはガンマ線を遮蔽する複数のブロックを備えており、
    前記ブロックは互いに間隔を空けて配置されており、
    前記スリットは前記ブロック間の空隙であるガンマ線検出器。
  4. 請求項3に記載のガンマ線検出器において、
    前記ブロックは行列状に配置されているガンマ線検出器。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のガンマ線検出器において、
    前記第1シンチレータは、前記コリメータに近接した位置に設けられているガンマ線検出器。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のガンマ線検出器において、
    前記第1シンチレータと前記第2シンチレータとは、互いに離して配置されているガンマ線検出器。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載のガンマ線検出器において、
    前記第1シンチレータと前記第2シンチレータとは、前後方向に積層されているガンマ線検出器。
  8. 請求項7に記載のガンマ線検出器において、
    前記第1シンチレータと前記第2シンチレータとの間に配置される反射材を備えているガンマ線検出器。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のガンマ線検出器において、
    前記第1シンチレータは、前記スリットの開口と略同じ寸法の検出面を有し、前記スリットの後方に配置されているガンマ線検出器。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のガンマ線検出器において、
    前記第2シンチレータは、前記第1シンチレータの検出面に比べて広い検出面を有するガンマ線検出器。
  11. 請求項1から9のいずれかに記載のガンマ線検出器において、
    前記第1シンチレータと前記第2シンチレータとは、それぞれ略同じ大きさの検出面を有するガンマ線検出器。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載のガンマ線検出器において、
    前記第2シンチレータの前後方向における寸法は、前記第1シンチレータの前後方向における寸法より大きいガンマ線検出器。
  13. 請求項12に記載のガンマ線検出器において、
    前記第2シンチレータは、前後方向に積層される複数の層状シンチレータを備えているガンマ線検出器。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載のガンマ線検出器において、
    前記第1受光素子は、ガイガーモードAPD又は光電子増倍管であり、
    前記第2受光素子は、ガイガーモードAPD又は光電子増倍管であるガンマ線検出器。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載のガンマ線検出器において、
    前記第1受光素子が検出する前記第1シンチレータの光の位置は、前記スリットの長手方向における前記第1シンチレータの光の位置のみであるガンマ線検出器。
  16. 請求項1から15のいずれかに記載のガンマ線検出器と、
    前記第1受光素子および前記第2受光素子の各検出結果の中から、同じガンマ線に起因するコンプトン散乱および光電効果に対応する検出結果の組み合わせを抽出する抽出部と、
    前記抽出部によって抽出された前記検出結果の組み合わせと前記スリットの位置とに基づいて、前記コンプトン散乱の位置を頂点とするコンプトンコーンの円錐面と前記スリットとが交わるラインを特定するライン特定部と、
    を備えている診断装置。
  17. 請求項16に記載の診断装置において、
    前記抽出部は、前記第1受光素子および前記第2受光素子によってそれぞれ略同時に検出された検出結果を、前記検出結果の組み合わせと判定する診断装置。
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