JP2016223997A - 放射線カメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】安価で高感度な放射線検出カメラを実現する。
【解決手段】放射線カメラは、放射線を遮蔽する材料で構成され、ピンホールを有する遮蔽体と、前記遮蔽体に囲まれ、前記ピンホールを通過した放射線を可視光に変換するシンチレータと、各々が可視光を検出して電気信号を出力する複数の検出器が配列された検出器アレイと、各々が前記シンチレータと前記検出器アレイとの間に配置され、前記シンチレータから生じた可視光を前記検出器アレイに集束させる複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイと、前記検出器アレイに接続された演算回路であって、前記複数の検出器の各々から出力された前記電気信号と、前記検出器アレイ、前記マイクロレンズアレイ、前記シンチレータ、および前記ピンホールの配置関係を示す情報とに基づいて、放射線源の位置を示す情報を生成して出力する演算回路と、を備える。
【選択図】図1A

Description

本開示は、放射線源の2次元的な分布を撮影できる放射線カメラに関する。特に、環境中の放射線源の可視化を可能とする高感度な計測システムに関する。
放射性同位元素から放射される放射線の分布を撮影できる放射線カメラは、医療用途で広く利用されている。一方、近年、東日本大震災による福島原子力発電所の事故により、環境中にセシウム134,137を中心とする放射性物質が広く拡散し、住民の不安が高まっている。これに伴い、家屋、公園、学校、道路などの環境中の放射線量の計測の要望が高まっている。
環境中の放射線量を計測するための技術には、例えば特許文献1および特許文献2に開示された技術がある。特許文献1は、テルル化カドミウム(CdTe)素子をセンサ素子として用いた放射線測定装置を開示している。特許文献2は、シンチレータを用いてガンマ線を光に変換し、その光を検出してガンマ線のエネルギー強度を計測するシステムを開示している。
特開2014−102134号公報 特開2014−98605号公報
CdTe等の特殊な半導体素子を検出器として用いると、装置が高価になるという課題がある。一方、シンチレーションを用いたガンマカメラは、シンチレータが発光する際に全方向に光を射出するために、放射線の方向を高い精度で特定できないという課題がある。
本開示は、安価に製造でき、かつ、放射線の方向を高い精度で特定できる放射線カメラを提供する。
本開示の一態様に係る放射線カメラは、放射線を遮蔽する材料で構成され、ピンホールを有する遮蔽体と、前記遮蔽体に囲まれ、前記ピンホールを通過した放射線を可視光に変換するシンチレータと、各々が可視光を検出して電気信号を出力する複数の検出器が配列された検出器アレイと、各々が前記シンチレータと前記検出器アレイとの間に配置され、前記シンチレータから生じた可視光を前記検出器アレイに集束させる複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイと、前記検出器アレイに接続された演算回路であって、前記複数の検出器の各々から出力された前記電気信号と、前記検出器アレイ、前記マイクロレンズアレイ、前記シンチレータ、および前記ピンホールの配置関係を示す情報とに基づいて、放射線源の位置を示す情報を生成して出力する演算回路と、を備える。
本開示の他の態様に係る放射線カメラは、生体に放射線を出射する放射線源と、前記生体を透過した前記放射線を可視光に変換するシンチレータと、各々が可視光を検出して電気信号を出力する複数の検出器が配列された検出器アレイと、各々が前記シンチレータと前記検出器アレイとの間に配置され、前記シンチレータから生じた可視光を前記検出器アレイに集束させる複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイと、前記検出器アレイに接続された演算回路であって、前記複数の検出器の各々から出力された前記電気信号と、前記検出器アレイ、前記マイクロレンズアレイ、前記シンチレータ、および前記放射線源の配置関係を示す情報とに基づいて、前記生体の放射線画像の情報を生成して出力する演算回路と、を備える。
本開示のさらに他の態様に係る放射線カメラは、生体内の放射線源から出射された放射線の方向を特定の方向に制限するコリメータと、前記コリメータを通過した前記放射線を可視光に変換するシンチレータと、各々が可視光を検出して電気信号を出力する複数の検出器が配列された検出器アレイと、各々が前記シンチレータと前記検出器アレイとの間に配置され、前記シンチレータから生じた可視光を前記検出器アレイに集束させる複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイと、前記検出器アレイに接続された演算回路であって、前記複数の検出器の各々から出力された前記電気信号と、前記検出器アレイ、前記マイクロレンズアレイ、前記シンチレータの配置関係を示す情報とに基づいて、前記生体の放射線画像の情報を生成して出力する演算回路と、を備える。
上記の包括的または具体的な態様は、素子、装置、システム、方法、またはこれらの任意の組み合わせで実現されてもよい。
本開示の一態様によれば、安価な装置で環境中の放射線源の分布を高感度かつ高解像度で可視化することが可能になる。
実施形態1におけるガンマカメラ100の概略的な構成を示す断面図 データ処理装置30の構成を示すブロック図 実施形態1における処理の全体像を示す図 演算回路32が実行する1フレームあたりの処理の流れを示すフローチャート ガンマカメラの放射線源の位置算出方法を説明するための図 放射線検出材料とガンマ線との相互作用の強さ(エネルギー吸収率)の厚さ依存性を示す図 ガンマカメラの光学設計を説明するための図 シンチレータ3内の発光位置からマイクロレンズアレイ5までの距離Dをパラメータとして、マイクロレンズひとつあたりのフォトン数を計算した結果を示す図 実施例のガンマカメラの光学系を示す構成図 画素の平均化によるノイズ除去を説明するための第1の図 画素の平均化によるノイズ除去を説明するための第2の図 実施例における遮蔽体の構造を示す断面図 実施形態2におけるガンマカメラの構成を示す断面図 実施形態2におけるマイクロレンズアレイの構成を示す図 スマートフォン14と連携したガンマカメラ(ガンマ線検出ユニット)16の構成例を示す図 図10Aにおけるガンマカメラ16の構成を示す図 実施形態3における放射線カメラの概略構成を示す図 シンチレータ3、マイクロレンズアレイ5、およびイメージセンサ6のそれぞれを、X線源22を中心とする円弧上に配置した構成例を示す図 実施形態4のSPECT装置の概略構成を示す図
(本開示の基礎となった知見)
本開示の実施形態を説明する前に、本開示の基礎となった知見を説明する。
現在用いられている一般的なガンマカメラは、CdTe等の特殊で高価な半導体素子を検出器として用いている。これは、ガンマ線に対する高い感度を得るためには質量数の大きい元素を用いてガンマ線との相互作用を高める必要があるためである。このような半導体素子は単体でも高価であるが、イメージングのためには素子単体をアレイ状に配列する必要があるため、装置全体としてはさらに高価になる。現状、安価なガンマカメラは提供されていない。価格がネックになり、不安を抱いている地域住民が自宅や学校、道路等の生活環境で日常的にガンマカメラを使うことは不可能な状況である。
現在、避難住民の帰還と帰還後の安全な暮らしのために、懸命な放射線の除染作業が続けられている。このような作業は危険を伴うため、放射線の可視化が可能なガンマカメラが求められている。放射性物質の分布を可視化し、除染の前後で比較して除染の効果を「見える化」することで、住民の安心感が高まると言われている。
現状の除染作業では、住環境にある放射線物質を、表土ごと剥ぎ取って集積し保管場所で管理している。この保管場所から放射性物質が漏洩する可能性があるため、厳格に漏洩の有無を監視する必要がある。さらに、事故後の原子力発電所では、多くの汚染水タンクおよび汚染物質の保管場所から放射性物質が漏洩する事故が頻繁に起こっている。安価なガンマカメラを多数配置し、常時監視ができれば住民および作業者の安全確保に役立つと考えられる。安価で高性能なガンマカメラの実現は、福島の復興および安心・安全な住環境の実現のために不可欠である。
福島においても人が生活する領域では放射線量は1マイクロシーベルト/時間程度の低いレベルである。これを測定するためには高い放射線感度をもつ検出器が必要である。ガンマ線の検出に安価なシリコン半導体を使うことができれば、ガンマカメラを低価格で提供することが可能になる。しかしながら、シリコンは原子番号が小さく、ガンマ線との相互作用が小さいため感度を上げられないという課題があった。
ガンマカメラではなく、イメージングの必要のない放射線検出器としては、シンチレータとシリコン半導体とを組み合わせたシンチレーション検出器が広く用いられている。これはガンマ線をシンチレータに吸収させ、シンチレータからの発光をシリコン検出器で検出するという方法でガンマ線を検出する。これにより高い感度を実現したガンマ線検出器が作られている。この原理を応用したシンチレーション方式のピンホール型ガンマカメラも提案されている。しかし、シンチレータが発光する際に全方向に光を射出するために、放射線の方向が高精度に特定できないという課題があった。
本発明者は、従来技術における上記の課題を見出し、これらの課題を解決するための構成を検討した。その結果、シンチレータと検出器アレイとの間に複数のマイクロレンズを配置することにより、演算によって放射線源の位置を特定できることに想到した。これにより、環境中の放射線源の分布を高感度かつ高分解能で可視化することが可能になった。以下、本開示の実施形態の概要を説明する。
本開示は、例えば以下の項目に記載の態様を含む。
[項目1]
放射線を遮蔽する材料で構成され、ピンホールを有する遮蔽体と、
前記遮蔽体に囲まれ、前記ピンホールを通過した放射線を可視光に変換するシンチレータと、
各々が可視光を検出して電気信号を出力する複数の検出器が配列された検出器アレイと、
各々が前記シンチレータと前記検出器アレイとの間に配置され、前記シンチレータから生じた可視光を前記検出器アレイに集束させる複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイと、
前記検出器アレイに接続された演算回路であって、前記複数の検出器の各々から出力された前記電気信号と、前記検出器アレイ、前記マイクロレンズアレイ、前記シンチレータ、および前記ピンホールの配置関係を示す情報とに基づいて、放射線源の位置を示す情報を生成して出力する演算回路と、
を備える放射線カメラ。
[項目2]
前記演算回路は、前記複数の検出器から出力された複数の電気信号が示す画像における輝度値が相対的に高い複数の領域の位置と、前記複数のマイクロレンズの位置とに基づいて、前記シンチレータ内の発光位置を算出し、前記発光位置と前記ピンホールの位置とに基づいて、前記放射線源の位置を算出する、項目1に記載の放射線カメラ。
[項目3]
前記演算回路は、前記複数の電気信号の値の総和が所定の閾値を超えている場合にのみ、前記発光位置の算出および前記放射線源の位置の算出を行う、項目2に記載の放射線カメラ。
[項目4]
前記演算回路は、前記複数の検出器から出力された複数の電気信号が示す画像に対する平均化処理によって得られる画像における輝度値が相対的に高い複数の領域の各々の中心位置を算出し、各中心位置と各マイクロレンズの位置とに基づいて前記シンチレータ内の発光位置の3次元座標を算出し、前記発光位置と前記ピンホールの位置とに基づいて前記放射線源の2次元座標を算出する、項目1から3のいずれかに記載の放射線カメラ。
[項目5]
前記演算回路は、前記複数の検出器から出力された複数の電気信号の値の総和からガンマ線のエネルギー分布を算出することにより、前記放射線源の種類を特定する、項目1から4のいずれかに記載の放射線カメラ。
[項目6]
前記検出器アレイは動画像を取得し、
前記演算回路は、前記動画像のフレームごとに前記放射線源の2次元座標および放射線強度の2次元分布を算出し、他のカメラから得られた可視光画像に前記放射線強度の2次元分布の画像を重畳した画像データを生成して出力する、項目2から5のいずれかに記載の放射線カメラ。
[項目7]
前記シンチレータは、ヨウ化セシウム、ヨウ化ナトリウム、またはプラスチックを含む材料で構成されている、項目1から6のいずれかに記載の放射線カメラ。
[項目8]
前記複数のマイクロレンズの各々は、半球レンズまたはボールレンズである、項目1から7のいずれかに記載の放射線カメラ。
[項目9]
前記複数のマイクロレンズは、前記検出器アレイが配列された面に平行な互いに直交する2つの方向に沿って配列されており、前記2つの方向の各々における前記マイクロレンズの配列数は3以下である、
項目1から8のいずれかに記載の放射線カメラ。
[項目10]
前記検出器アレイは、少なくとも1つのシリコンイメージセンサが有する複数の検出器のアレイである、項目1から9のいずれかに記載の放射線カメラ。
[項目11]
前記遮蔽体は、鉛またはタングステンで構成されている、項目1から10のいずれかに記載の放射線カメラ。
[項目12]
前記遮蔽体は、前記シンチレータを囲む部分の厚さが2.0cm以上であり、
前記ピンホールは、前記遮蔽体に空けられた空孔であり、
前記空孔の径は、1mm以上3mm以下である、項目1から11のいずれかに記載の放射線カメラ。
[項目13]
前記ピンホールは、前記遮蔽体に空けられた空孔であり、
前記遮蔽体は、前記ピンホールを通過する放射線の量を調整するアタッチメントを取り付けることが可能な構造を有する、
項目1から12のいずれかに記載の放射線カメラ。
[項目14]
前記アタッチメントをさらに備え、
前記アタッチメントは、タングステン製である、項目13に記載の放射線カメラ。
[項目15]
前記遮蔽体における前記ピンホールの周辺の部分の厚さは、前記マイクロレンズアレイに近接する部分の厚さよりも大きい、項目1から14のいずれかに記載の放射線カメラ。
[項目16]
円弧上または直線上に配列された複数のイメージセンサを備え、
前記検出器アレイは、前記複数のイメージセンサにおける複数の検出器のアレイである、
項目1から15のいずれかに記載の放射線カメラ。
[項目17]
生体に放射線を出射する放射線源と、
前記生体を透過した前記放射線を可視光に変換するシンチレータと、
各々が可視光を検出して電気信号を出力する複数の検出器が配列された検出器アレイと、
各々が前記シンチレータと前記検出器アレイとの間に配置され、前記シンチレータから生じた可視光を前記検出器アレイに集束させる複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイと、
前記検出器アレイに接続された演算回路であって、前記複数の検出器の各々から出力された前記電気信号と、前記検出器アレイ、前記マイクロレンズアレイ、前記シンチレータ、および前記放射線源の配置関係を示す情報とに基づいて、前記生体の放射線画像の情報を生成して出力する演算回路と、
を備える放射線カメラ。
[項目18]
生体内の放射線源から出射された放射線の方向を特定の方向に制限するコリメータと、
前記コリメータを通過した前記放射線を可視光に変換するシンチレータと、
各々が可視光を検出して電気信号を出力する複数の検出器が配列された検出器アレイと、
各々が前記シンチレータと前記検出器アレイとの間に配置され、前記シンチレータから生じた可視光を前記検出器アレイに集束させる複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイと、
前記検出器アレイに接続された演算回路であって、前記複数の検出器の各々から出力された前記電気信号と、前記検出器アレイ、前記マイクロレンズアレイ、前記シンチレータの配置関係を示す情報とに基づいて、前記生体の放射線画像の情報を生成して出力する演算回路と、
を備える放射線カメラ。
以下、図面を参照しながら、本開示のより具体的な実施形態を説明する。
(実施形態1)
第1の実施形態として、本開示の放射線カメラをガンマカメラに適用した実施形態を説明する。
図1Aは、本実施形態におけるガンマカメラ100の概略的な構成を示す断面図である。ガンマカメラ100は、環境中の計測対象エリアの放射線源の2次元分布に関する情報を生成する。例えば、放射線源の2次元分布を可視化した画像データを生成する。ガンマカメラ100は、ピンホール2を有する筐体(遮蔽体)1と、筐体1の内部に配置されたシンチレータ3、透明基板4、複数のマイクロレンズ(マイクロレンズアレイ)5、およびイメージセンサ6とを備えている。
筐体1は、ガンマ線を遮蔽する材料(例えば鉛またはタングステン)で構成されている。筐体1は、ガンマ線が通過するピンホール2を有する。筐体1の外壁の厚さは、例えば2.0cm以上である。ピンホール2は、ガンマ線が入射する側の外壁に空けられた空孔であり、その径は、例えば1mm以上3mm以下である。ここで「径」とは、空孔が円形の場合は直径を意味し、円形ではない場合は長さが最大である方向の長さを意味する。
シンチレータ3は、ピンホール2を通過したガンマ線の経路上に位置し、ガンマ線のエネルギーを吸収して多数のフォトンを発生させる。このように、シンチレータ3は、ガンマ線を可視光に変換する。
イメージセンサ6は、複数の光検出器(「光検出セル」または「画素」とも呼ぶ。)を有する検出器アレイ6aを有する。複数の光検出器は、イメージセンサ6の撮像面上に2次元的に配列されている。各光検出器は、典型的にはフォトダイオードであり、可視光を受けて受光量に応じた電気信号を出力する。
透明基板4は、シンチレータ3とマイクロレンズアレイ5との間において両者を接合する部材である。マイクロレンズアレイ5は、シンチレータ3と検出器アレイ6aとの間に位置する。本実施形態のマイクロレンズアレイ5は、2行2列に配列された4つのマイクロレンズを含む。これらのマイクロレンズの各々は、シンチレータ3から生じた可視光を検出器アレイ6aに集束させる。
ガンマカメラ100は、さらに、データ処理装置30を備えている。データ処理装置30は、イメージセンサ6に接続され、検出器アレイ6aから出力された信号を処理して放射源の位置を示す情報を生成して出力する。
図1Bは、データ処理装置30の構成を示すブロック図である。データ処理装置30は、検出器アレイ6aに電気的に接続された入力インタフェース(IF)31と、信号処理を行う演算回路32と、各種のデータを記録するメモリ34と、装置全体の動作を制御する制御回路35と、生成されたデータを出力する出力インタフェース(IF)33とを備えている。出力インタフェース33は、例えば外部のディスプレイに接続され、そこに処理結果が表示される。
演算回路32は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の画像処理回路であり得る。演算回路32は、各検出器から出力された電気信号と、検出器アレイ6a、マイクロレンズアレイ5、シンチレータ3、およびピンホール2の配置関係を示す情報とに基づいて、放射線源の位置を示す情報を生成して出力する。上記配置関係を示す情報は、例えば各検出器、各マイクロレンズ、シンチレータ3、およびピンホール2の位置座標の情報であり得る。この情報は、メモリ34等の記録媒体に予め記録されている。生成される放射線源の位置を示す情報は、例えば放射線源の2次元の座標情報であり得る。
制御回路35は、例えば中央演算処理装置(CPU)またはマイクロコンピュータ(マイコン)等の集積回路によって実現され得る。制御回路35は、例えばメモリ34に記録された制御プログラムを実行することにより、イメージセンサ6および後述する可視光カメラへの撮像指示を行う。制御回路32と演算回路32は、統合された1つの回路によって実現されていてもよい。
ピンホール2を通過したガンマ線は、シンチレータ3内で吸収され蛍光(即ち可視光)を発する。全方向に射出される蛍光の一部は、マイクロレンズアレイ5によってイメージセンサ6上に集光される。イメージセンサ6は、その光を検出し、画素ごとに受光量に応じた信号を出力する。
本実施形態のガンマカメラ100の主な特徴は、シンチレータ3とイメージセンサ6との間にマイクロレンズアレイ5が配置されている点にある。これにより、イメージセンサ6の撮像面には、シンチレータ3内の発光点の位置および複数のマイクロレンズの位置によって定まる特定の位置の周辺に輝度の高い複数の領域が形成される。イメージセンサ6は、その輝度分布に応じた2次元イメージの信号を生成してデータ処理装置30に送る。データ処理装置30における演算回路32は、イメージセンサ6から送られてきた2次元イメージの信号を処理し、放射線源の位置を特定し、2次元分布画像として不図示のディスプレイに表示する。
図2Aは、本実施形態における処理の全体像を示す図である。本実施形態におけるガンマカメラ100は、可視光イメージを取得する可視カメラユニット200と組み合わせて用いられる。可視カメラユニット200は、ガンマカメラ100に隣接して配置される。可視カメラユニット200は、イメージセンサ46と、レンズ48とを備える。イメージセンサ46は、通常のカラー画像を生成して出力する。ガンマカメラ100におけるイメージセンサ6および可視カメラユニット200におけるイメージセンサ46は、同時に撮像するように制御回路35によって制御される。
図2Aおよび図2Bを参照しながら、データ処理装置30による動作を説明する。図2Bは、演算回路32が実行する1フレームあたりの処理の流れを示すフローチャートである。ガンマカメラ100のイメージセンサ6は、動画撮像モードで駆動される。例えば15fps(フレーム毎秒)でフレームの画像を連続して出力する。演算回路32は、得られた画像信号から総信号量(全画素の積算出力電子数に対応)を算出する(ステップS101)。そして、その値が一定の閾値を越えているか否かを判断する(ステップS102)。総信号量が閾値を超えている場合、ガンマ線を検出したと判断し、シンチレータ3内の発光位置を計算するステップS104および放射線源の位置を計算するステップS105に進む。総信号量が閾値以下の場合、ガンマ線は検出されなかったと判断してそのフレームの画像データを捨てる(ステップS103)。演算回路32は、以上の処理をフレームごとに実行する。
本実施形態における演算回路32は、ガンマ線の検出に用いる上記の閾値を、固定値ではなく検出中に変化させる。これは、イメージセンサ6のノイズ(暗電流)がイメージセンサ6の温度によって変動するためである。演算回路32は、検出判定前に100フレーム程度の画像データを平均化して基準値を決定しておく。その基準値に対して対象のフレームの総信号量が一定量以上大きい場合に、ガンマ線が検出されたと判断する。演算回路32は、常に直前の100フレーム程度の平均値を基準値として用いる。その際、ガンマ線が検出されたフレームのデータは基準値の計算から省くことにする。ここでは、100フレームの平均値を基準値として用いる例を挙げたが、このような例に限定されない。平均化する対象のフレームの数は、イメージセンサ6の特性および使用環境に応じて最適な数に設定すればよい。イメージセンサ6のノイズが大きい場合、より多くのフレームのデータで平均化する必要がある。一方、使用する環境温度の変化が大きい場合、フレーム数を少なくして時間的な変動の成分を除去する必要がある。
次に、シンチレータ3内の発光位置を計算する処理(ステップS104)と、放射線源の位置を計算する処理(ステップS105)とを説明する。
図3は、これらの処理を説明するための図である。図3は、2行2列に配列されたマイクロレンズアレイ5を有するガンマカメラ100のある断面を示している。ここで、イメージセンサ6の撮像面に平行な互いに直交する2つの方向を、x軸方向およびy軸方向とし、これらに垂直な方向をz軸方向とする。マイクロレンズアレイ5は、x軸方向およびy軸方向に2つずつ並んだ4個のマイクロレンズを含む。マイクロレンズが4個であるため、それぞれのマイクロレンズで集束した光によってイメージセンサ6は、4点のイメージを得る(図2Aの(a))。4点はそれぞれ、1つの画素に全フォトンが集中するわけではなく、複数の画素にまたがって広がりを持って検出される。それぞれの広がりを持った信号から、演算回路32は、4点の中心位置(x1,y1)、(x2,y2)、(x3,y3)、(x4,y4)を求める。図3には、(x1,y1)、(x2,y2)の2点が示されている。4点の検出位置から光線を逆に辿ることにより、シンチレータ3内の発光位置(x,y,z)を特定できる。4点の検出位置と4つのマイクロレンズの光学中心を通る直線の交点が発光位置(x,y,z)である。発光位置(x,y,z)とピンホール2の位置とを結ぶ直線が、イメージセンサ6から一定距離に位置する仮想的なスクリーンと交差する点の座標(X,Y)がガンマ線源の座標を表している。以上の演算により、演算回路32は、1つのガンマ線によるシンチレータ3の発光からその放射線源の位置を算出できる。
続いて、図2Aを再び参照して放射線源の空間分布を検出する方法を説明する。
ガンマ線が検出された場合、図2Aの(a)に示すように、信号中に輝度の高い4点が検出される。この4点の位置に基づいて、演算回路32は、上述の算出方法を用いて放射線源の位置座標(X,Y)を算出する。
図2A(b)は、フレームごとに算出された座標(X,Y)を、放射線源の位置として示している。演算回路32は、1つのフレームについて放射線源の位置を算出すると、その座標情報をメモリ34に記録し、次のフレームについて図2Bに示す処理を実行する。演算回路32は、放射線が検出されなかったフレームは捨て、放射線が検出されたフレームについては放射線源の位置座標(X,Y)を算出しメモリ34に記録する。演算回路32は、以上の処理を繰り返し、統計的に意味のある検出が行われるまで検出を繰り返す。
検出が完了すると、演算回路32は、放射線が検出されたn個のフレームにおける位置座標(X,Y)に基づいて、ガンマ線源の2次元分布のイメージ(ガンマイメージと称する。)を生成して表示する(図3の(c))。さらに、ガンマカメラ100に近接して配置された可視カメラ200による可視画像(図3の(d))と重畳することにより、可視画像上にガンマ線源の分布を表示する(図3の(e))。ここで可視画像とガンマイメージの画角は揃えておく必要がある。
以上の処理により、演算回路32は、放射線源の2次元分布を示す画像を生成することができる。この画像は、ディスプレイに表示してもよいし、可視画像に重畳された新たな画像データとして記録媒体に保存してもよい。
以上のように、本実施形態における演算回路32は、複数の検出器の各々から出力された電気信号と、検出器アレイ、マイクロレンズアレイ、シンチレータ、およびピンホールの配置関係を示す情報とに基づいて、放射線源の位置を示す情報を生成して出力する。より具体的には、複数の検出器から出力された複数の電気信号が示す画像における輝度値が相対的に高い複数の領域の位置と、複数のマイクロレンズの位置とに基づいて、シンチレータ内の発光位置を算出し、発光位置とピンホールの位置とに基づいて、放射線源の位置を算出する。これにより、放射線源の位置を高い精度で特定することができる。
演算回路32は、放射線源の位置の特定だけでなく、ガンマ線のエネルギー分光も同時に行ことができる。これは、シンチレータ3で発光する最大のフォトン数は検出されるガンマ線のエネルギーに比例することがわかっているためである。ガンマ線検出時に得られる信号電子数を横軸に、頻度を縦軸に表すと、図2Aの(f)に示すような電子数累積のグラフが得られる。このグラフに示される分布は、ガンマ線のエネルギーに相当する位置に信号ピークを持ち、低エネルギー側になだらかに変化する分布となる。あらかじめガンマ線エネルギーと信号電子数との関係を求めておけば、検出の際にガンマ線の核種を特定できる。原子力災害の周辺では、事故直後を除けば問題となる核種はセシウム137(半減期30.2年、ガンマ線エネルギー662keV)とセシウム134(半減期2.06年、ガンマ線エネルギー563keV)である。自然放射線と原子力災害に起因する放射線との区別や、ガンマカメラが正常に動作しているか否かの判定のために、ガンマ線エネルギーを検出する機能は有用である。
(実施例)
以下、実際に製作したガンマカメラの構成を説明する。
<シンチレータ>
本実施例のガンマカメラは、シリコンイメージセンサで高エネルギーのガンマ線を検出するためにシンチレータを用いている。シンチレータの選択は特に重要である。ガンマ線と物質との相互作用は材料の質量数で決まるため、できる限り大きい原子番号の材料を選択することが望ましい。シンチレータ用いる場合、ガンマ線吸収という観点ではBGO(ゲルマニウム酸ビスマス:Bi4Ge3O12)が最も有効であるが、BGOは高価である。タリウム添加ヨウ化セシウム(CsI(Tl))は比較的ガンマ線との相互作用が大きく、安価で、シリコン半導体の検出感度が高い565nmの発光波長を持っている。安価で高性能なガンマカメラの実現という本実施例の目的に適しているため、シンチレータの材料としてタリウム添加ヨウ化セシウムを選択した。
図4は、放射線検出材料とガンマ線との相互作用の強さ(エネルギー吸収率)の厚さ依存性を示す図である。CdTeでは50%のガンマ線エネルギー吸収のためには12mmの厚さが必要である。CsIシンチレータでは、15mmで50%のエネルギー吸収が、40mmで約90%のエネルギー吸収が可能である。より安価なプラスチックシンチレーションファイバ(PCF)の結果も図4に示している。プラスチックシンチレーションファイバは質量数が小さく、50%のエネルギー吸収のためには70mmの厚さが必要である。このため、本実施例ではPCFの使用を断念した。
安価なシンチレータとしては、タリウム添加ヨウ化ナトリウム(NaI(Tl))も選択可能である。しかし、この材料はガンマ線吸収率が低く、発光波長もシリコンイメージセンサの感度の低い415nmであることが課題となる。本実施例では、イメージセンサのサイズとガンマ線エネルギー吸収率とのバランスを考慮して、平面サイズが10mm×10mmで厚さが5mmのタリウム添加ヨウ化セシウムを選択した。
<マイクロレンズアレイ>
次に、図5Aおよび図5Bを参照しながら、本実施例におけるマイクロレンズアレイを含む光学系の設計を説明する。イメージセンサには固有のノイズがあるため、できるだけ多くのフォトンをイメージセンサに入射させる必要がある。例えばCs137からエネルギー667keVのガンマ線がCSI(Tl)シンチレータに入射した際には565nmの波長のフォトンが最大22000個放出される。これらのフォトンをできる限り多くイメージセンサに入射させるための光学系の設計は重要である。
図5Aに示すように、シンチレータ3内の発光位置からマイクロレンズアレイ5までの距離Dをパラメータとして、2×2、3×3、10×10の3種類のマイクロレンズアレイで集光した場合のマイクロレンズひとつあたりのフォトン数を計算した。図5Bは、その結果を示す図である。マイクロレンズを小さくすることによる焦点距離の短縮の効果を考慮しても、シンチレータの厚さを考えると、マイクロレンズ径はできるだけ大きくすることがフォトン数を増やすためには有効であることが分かる。この結果から、本実施例では、2×2のマイクロレンズアレイを選択した。図5Bから明らかなように、マイクロレンズはできるだけ大きく、焦点距離を縮めるためレンズパワーの大きいレンズを採用することがフォトン数を増やすために有効である。このような観点から、マイクロレンズとしては直径4.8mmのボールレンズを採用した。4つのボールレンズを2×2(2行2列)で並べてマイクロレンズアレイを構成した。この例に限らず、マイクロレンズアレイにおける複数のマイクロレンズは、例えば1行2列、1行3列、2行3列、または3行3列に配列されていてもよい。これらの例は、複数のマイクロレンズが配列された2つの方向の各々におけるマイクロレンズの配列数が3以下の例である。設計によっては一方向あたりのマイクロレンズの配列数を4以上にしてもよい。
<イメージセンサ>
本開示のガンマカメラは基本的にはピンホールカメラの原理を採用しているため、空間解像度はイメージセンサのサイズに依存する。性能面からは、できるだけ撮像面の面積の大きいイメージセンサの採用が望ましい。しかし、撮像面の面積が拡大すると急速に価格が上昇する。このため、コストと性能とをバランスさせることが重要である。本実施例では、フォーザーズフォーマットのCMOSイメージセンサを選択した。フォーサーズフォーマットのイメージセンサの画面サイズは17.3mm×13mmである。
以上の部品を用いて、ガンマカメラの光学系を構成した。図6は、実際の光学系の設計を示す図である。光学系は、10mm×10mm×5mmのシンチレータ3と、10mm×10mm×4mmの透明板7と、2行2列に配列された直径4.8mmの4個のボールレンズ5とを有する。これらが遮光板8で固定されている。フォーサーズサイズのイメージセンサ6(面積17.3mm×13mm)が、シンチレータ3からの発光のマイクロレンズ5による焦点位置の付近に配置されている。
ここで、信号処理の際のノイズ除去について説明する。イメージセンサ6は画素ごとにノイズを持っている。このため、信号が微弱な場合には単純な信号処理では放射線の信号がノイズに埋もれて検出できないことがある。本実施例のガンマカメラでは、Cs137からのエネルギー662keVのガンマ線がCsI(Tl)シンチレータに入射した際にフォトンは最大22000個放出される。図5Bを参照すると、本実施例では、1マイクロレンズあたり約550個程度のフォトンがイメージセンサに入射する。シリコンイメージセンサ6の量子効率を70%と仮定すると、約400個の電子がイメージセンサ6で発生する計算になる。これらの電子が1画素に入射すれば検出は困難ではないが、実際には多くの画素に分散して入射する。1画素あたりの入射フォトン数が小さいと画素ノイズと信号が同程度となり検出が困難になる。
図7Aは、実際に得られる画素ごとの信号の例を示す図である。図7Bは、信号強度の2次元分布の例を示す図である。図7Aの上の図に示すように、ランダムノイズと信号とが同程度のレベルとなるため、信号を検出することは困難である。本実施例では、画素が微細な場合には画素間の平均化を行っても十分な精度でガンマ線の位置の検出が可能であることに着目し、11×11画素の平均化を行った。図7Aおよび図7Bの下の図は、平均化後の検出信号の例を示している。ランダムノイズが平均化されて、信号ピークが検出され易くなることがわかる。このような平均化処理により、信号値の高い領域の中心座標を高い精度で求めることができる。
<遮蔽材料>
ガンマカメラではピンホール以外の場所から到達するガンマ線をできるだけ取り除くことにより解像度を向上させることができる。ガンマ線の遮蔽効果を高めるためには原子番号の大きい材料で厚くシンチレータを取り囲むことが有効である。Cs137のガンマ線を想定した場合、鉛材料では約6mmで線量を50%に低減でき、タングステンを用いた場合には約4mmで線量を50%に低減できる。従来のガンマカメラでは検出器を厚さ数cmの鉛で完全に取り囲んで遮蔽するような設計が行われていた。遮蔽性能を重視して遮蔽材料の厚さを増すと、ガンマカメラは大型化し、重量も大きくなる。これによって撮影の負荷が大きくなり、可搬性が犠牲になる。従来のガンマカメラが大型で高価で取り扱いが困難であった理由のひとつは、この遮蔽体による大型化および重量化が原因であった。
そこで本実施例では発想を転換し、遮蔽材量をできるだけ減らすことで可搬性を上げ、コストを下げ、撮像負荷を低減し、子供や女性でも簡単に撮像できるようなガンマカメラを目指した。遮蔽材料を減らすことでピンホール以外の部分から入射するガンマ線の寄与が増加するため、測定対象の放射線源の線量測定の精度は低下し、空間解像度も低下する。本実施例において線量測定の絶対精度を犠牲にしたのは、空間線量を測定する安価で高性能な測定器が既に市販されており、そのような測定器と併用できると考えたためである。例えば、安価で高性能なシンチレーション検出器やガイガーカウンター等の測定器が市販されており、そのような空間線量計と本実施例のガンマカメラとを併用することができる。
ガンマカメラは、小さいピンホールを透過する特定の方向からのガンマ線だけを検出するため、原理的に空間線量の測定には向かない。空間線量計では、全方向からのガンマ線を検出できるため、弱い放射線量の場所ではガンマカメラに比べて1/100〜1/1000の時間で線量計測が可能である。従って、広い範囲の放射線をサーベイするような目的では、ガンマカメラではなく既存の空間線量計を用いることが合理的である。空間線量計でサーベイし、特異に強い放射線が検出された場所と方向とを特定した上で、その方向をガンマカメラで撮像することで放射線源を特定することができる。このような使用により、効率的な除染に役立てることができる。空間線量計を用いた線源の方向の特定には、例えば空間線量計の片面を鉛等で遮蔽して、周囲の線量を測定するといった方法が可能である。これにより、放射源のおおよその方向を特定できる。
遮蔽材料を減らした場合のもうひとつの課題である空間解像度の低下については、本実施例では、画像処理によって解決した。ピンホール以外を透過するガンマ線はイメージセンサの撮像面上のランダムな位置に入射する。このため、ガンマ線が入射した位置を示す画像(例えば図2Aの(a))を生成する際に、信号処理によって取り除くことができる。具体的には、高い光強度が検出された位置の近傍に同様に高い光強度が検出されなかった独立した検出位置のデータを除外することにより、ピンホール以外を透過するガンマ線の影響を最小限にすることができる。
図8は、遮蔽体の構造の一例を示す断面図である。この実施例では、同じ厚さで重量を軽減できるように、鉛製の遮蔽体9−1、9−2が、シンチレータ3を取り巻くように配置されている。なお、図8では遮蔽体9−1、9−2が分断されているように見えるが、実際には連続した1つの構造体である。遮蔽体9−1、9−2の厚さは、ガンマ線の透過率が10%以下になるように、約20mmとした。
イメージセンサ6は、図8では画素エリアのみが示されているが、実際にはパッケージに封入され画像処理チップとともに回路基板に接続されている。イメージセンサ6を完全に遮蔽しようとすると、遮蔽体の体積が増加し、重量が大きくなる。そこで、図8に示す実施例では、イメージセンサ6の裏面側が薄い(厚さ10mm)鉛製の遮蔽体9−3で簡易的に遮蔽されている。このような構成により、全体の寸法を小さくすること、遮蔽体をシンチレータ3にできるだけ近接させること、および遮蔽体の構造を簡素化することができ、ガンマカメラの大幅な軽量化を実現した。このように、遮蔽体におけるピンホールの周辺の部分の厚さよりも、イメージセンサ(またはマイクロレンズアレイ)に近接する部分の厚さを薄くしてもよい。
<ピンホール>
図8において、鉛製の遮蔽体9−1、9−2の中央上部に開いた空孔がピンホール2であり、ここをガンマ線が透過する。図8に示す実施例では、ピンホール2を、鉛材料である遮蔽体9−1、9−2の上部と下部から円錐形に穴を開けて作成した。図中で最も狭い領域の径がピンホール径となる。図8は、直径約3mmのピンホール2を設けた例を示している。本実施例では、ガンマ線の入射角が30°以下となるように設計されている。一般的なピンホールカメラと同様に、このピンホール径がガンマカメラの性能を決定する重要な要素となる。ピンホール径が小さいほど解像度が高くなり、感度は低下する。ピンホールカメラでは感度と解像度とはトレードオフの関係にある。使用環境と目的に応じて、ピンホール径を変更できる様に、ピンホールアタッチメント10を設計した。ピンホールアタッチメント10は、鉛製の遮蔽体9−1、9−2の内部に納まる形状になっている。遮蔽体9−1、9−2は、ピンホールアタッチメント10を取り付け可能な構造(本実施例では、ねじ溝9a)を有する。ピンホールアタッチメント10は、遮蔽体9−1、9−2の上部のねじ溝9aに固定できるようにねじ山が切られている。このアタッチメント10を取り付けることでピンホール径は3mmから1.5mmに縮小できる。アタッチメントは用途に合わせて、ピンホール径が1.0mm、1.5mm、2mmの3種類を作成した。アタッチメント10の材料は鉛でなくタングステンとした。これは、鉛は柔らかいため変形しやすく、遮蔽体との間に隙間ができるおそれがあるためである。タングステンを用いることで、隙間の発生を防ぐことができる。
本実施例では、放射線量の低い場所では、アタッチメント10を外して高感度に放射線を測定することができる。一方、放射線量の高い場所では例えばピンホール径1.5mmのアタッチメントを装着し、高解像度で測定を行うことができる。
以上の構成で作製されたガンマカメラを用いてガンマ線画像の取得試験を行った。ガンマ線源としては8.7MBqのCs137を用い、1m離れた位置で検出を行った。この位置でのシンチレーションカウンタで測定した放射線量は0.81マイクロシーベルト毎時であった。直径1.5mmのピンホールを有するアタッチメントを用いた本実施例のガンマカメラで検出を行った。20分間の検出で282カウントのガンマ線検出シグナルが得られた(14.1CPM)。この検出信号を上述のデータ処理方式で画像化したところ、ガンマ線源の位置に相当する箇所にガンマ線画像が得られた。これにより、本実施例のガンマカメラの性能が実証できた。国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告では、一般公衆の人工放射線の限度は0.23マイクロシーベルト毎時と定められている。よって、この放射線量が測定可能なガンマカメラが求められている。上記の実測結果から、0.23マイクロシーベルト毎時の環境でも20分間の計測で80CPMの検出が可能である。このように、実用的な環境放射線の測定が可能となった。
(実施形態2)
上述のように、放射線を検出する部分(特に遮蔽体)をできるだけコンパクトに設計することで軽量化が実現できる。第2の実施形態として、空間解像度を向上させるために第1の実施形態よりも大きいイメージセンサ6を用いながら、よりコンパクトに設計されたガンマカメラを説明する。
図9Aは、本実施形態におけるガンマカメラの構成を示す断面図である。図9Bは、マイクロレンズアレイの構成を示す図である。図9Bの上の図は、マイクロレンズアレイの平面図であり、下の図は、上の図のA−A’線断面図である。図示されるように、本実施形態では、3×3(3行3列)で配列された9個のマイクロレンズが用いられ、それに伴って比較的大型のイメージセンサ6が用いられる。
本実施形態において用いられるイメージセンサ6は、例えばAPS−Cフォーマット(画素領域寸法23.6mm×15.8mm)のCMOSイメージセンサである。3行3列に配列された9個のマイクロレンズを用いている。ただし9個のすべてのマイクロレンズで集光された光束の全てがイメージセンサ6の撮像面(即ち画素領域)に入るのではなく、発光場所によって異なる2つ以上のマイクロレンズを透過した光束が画素領域で捉えられるように光学系が設計されている。これは、1つのマイクロレンズで補足されるフォトンの数をできるだけ大きくすることと、イメージセンサ6の面積をできるだけ有効に使うことを意図したためである。実施形態1において説明したように、2つ以上の光束の中心位置がイメージセンサ6で検出されれば光線を逆にたどることにより発光位置を特定できる。本実施形態でも、同様の演算を行うことにより、発光位置および放射源の位置を特定できる。
本実施形態でも、図8の構成と同様、鉛の構造物である遮蔽体9−1、9−2における空孔がピンホール2を構成する。ピンホール2を通過したガンマ線はシンチレータ3の内部で発光する。シンチレータ3には、上記の実施例と同じく、例えばタリウム添加ヨウ化セシウム(CsI(Tl))を用いることができる。発光した光はマイクロレンズアレイ5−1、5−2を透過してイメージセンサ6上に集光される。マイクロレンズアレイ5−1、5−2の各々は、3行3列に配列された同じ形状の9個の球面マイクロレンズを含む。マイクロレンズアレイ5−1、5−2を対向させて張り合わせることでボールレンズと同等の強いレンズパワーが実現される。図9Aに示すように、遮蔽体9−1、9−2には、シンチレータ3を固定するための治具11、およびマクロレンズアレイ5−1、5−2を固定するための治具12が設けられている。マイクロレンズアレイ5−1のマイクロレンズ間の領域には遮光膜13が形成されている。
実施形態1では、可視カメラやデータ信号処理などのガンマカメラに必要な機能はすべて一台のガンマカメラに搭載されていた。本実施形態では、スマートフォンやタブレット端末と連携してガンマカメラとして機能するシステムを構築した例を説明する。演算や画像処理、記憶装置はスマートフォン側の機能を用いることにより、安価なシステムを実現することができる。さらに、スマートフォンにはカメラ、通信機能、GPS機能が標準的に装備されているので、これらを用いることでより高機能なガンマカメラを安価に提供できる。
図10Aおよび図10Bは、スマートフォン14と連携したガンマカメラ(ガンマ線検出ユニット)16の構成例を示している。図10Aに示すように、内蔵カメラ15を備えたスマートフォン14にガンマ線検出ユニット16を取り付けて使用する。図10Bは、ガンマ線検出ユニット16の詳細構成を示す断面図である。筐体17の内部の放射線検出部は図9Aに示したものを使用した。イメージセンサチップ18は、画像信号処理基板19−1に接続されており、そこからスマートフォンとの通信用の基板19−2が接続されている。画像信号処理基板19−1に、図1Bに示す演算回路32と同様の演算回路が搭載されている。電源はバッテリー20から供給される。このバッテリー20は背面側からのガンマ線がシンチレータに進入するのを防ぐ遮蔽材としての役割も果たしている。
ガンマカメラの制御は、あらかじめスマートフォン14にインストールされた制御用のアプリケーションを起動することにより行われる。測定開始時にスマートフォン14の内臓カメラ14で測定領域の写真を撮像する。スマートフォン14からの測定開始の信号をガンマ線検出ユニット16が受けて放射線検出を開始する。放射線画像の作成方法は基本的には実施形態1の方法と同じであるが、一部の演算はスマートフォンの側で行われてもよい。
本実施形態では、3×3のマイクロレンズアレイを用いており、マイクロレンズで集光された光束の一部がイメージセンサで検出される。演算回路は、動画モードで連続して得られる画像信号から総信号量(全画素の積算出力電子数に対応)を算出する。その値が一定の閾値を越えている場合、ガンマ線を検出しているとして、シンチレータ内の発光位置の算出を行う。本実施形態の光学系は、3×3のマイクロレンズアレイからの光束のうち、必ず2点以上の光束が検出されるように設計されている。よって、検出された光束の中心位置(x1,y1)、(x2,y2)、・・・を求め、検出位置から光線を逆にたどることにより、シンチレータ3内の発光位置(x,y,z)を計算することができる。その座標情報と、ピンホール2の位置情報とから、ガンマ線源の座標(X,Y)を計算することができる。ここまでの演算はガンマ線検出ユニット16内の画像処理基板19−1が行う。
得られた放射線源の座標(X,Y)と検出信号量(または放射線カウント数)を示す情報は、通信基板19−2を用いて、無線通信によってスマートフォン14に送信される。これ以降の信号処理はスマートフォン14が行う。スマートフォン14は、放射線測定開始時に撮影したカラー画像の上に、ガンマ線検出ユニット16から受け取った放射線源の座標と放射線カウント数の情報を表示する。ただし、放射線の測定は長時間になるので、スマートフォンのバッテリー容量を保つために、画像は常時表示でなく、定期的またはスマートフォンに触ったときのみ表示するような設定とすることができる。測定の完了は、あらかじめ測定時間を設定するモードと放射線カウント数が一定量に達すると自動的に測定を終了するモードとが選択できることが望ましい。
測定が完了した後、スマートフォン14は、例えば、放射線検出画像に対してノイズ除去と平滑化を行い、放射線量に応じて濃淡をつけた画像をカラー写真に重畳した新たな画像のデータを作成して記録する。ガンマ線検出時に得られた信号電子数を横軸に、縦軸に頻度を表すガンマ線エネルギー分光のグラフ(例えば図2A(f))を作成し記憶装置に記録してもよい。さらに、スマートフォン14のGPS機能を用い、測定した場所と時間の情報を地図データ上に記録してもよい。スマートフォン14の通信機能を利用して、これらのデータをインターネット上にアップロードすることも可能である。
以上のように、本実施形態のガンマカメラは、スマートフォン14の機能を活用することで安価に構成できる。さらに、スマートフォン14の機能を活用することでガンマカメラの機能を向上させることが可能になる。
(実施形態3)
ここまでの実施形態では、環境中のガンマ線源を撮影するためのガンマカメラへの応用例を示した。本実施形態では、医療用途や検査用途で広く用いられているX線撮像システムへの適用例について説明する。X線撮像システムには、発生させたX線を生体または試料に透過させて撮像するシステムが広く用いられている。旧来は、感光フィルムを用いた撮影が行われていたが、近年ではイメージセンサを用いるデジタル式のX線撮像システムが中心になっている。低エネルギー(例えば10keV未満)のX線ではシリコン半導体の検出感度が十分に高いため、直接シリコンイメージセンサでX線を検出できる。しかし、透過性の高い高エネルギー(例えば100keV以上)のX線撮像装置では、シリコンの感度が不足する。そこで、本実施形態では、シンチレータとシリコンイメージセンサとを組み合わせることにより、高い感度でX線を検出できる放射線カメラを実現している。
既に述べたように、シンチレータは蛍光を全方向に放出するため、厚いシンチレータから発した光は拡散してイメージセンサに届く。このため解像度が低下するという問題があった。この問題を避けるために、シンチレータとシリコンイメージセンサとの間に光ファイバを束にしてイメージを伝送するファイバオプティックプレートを挿入してイメージの広がりを抑制する方法が用いられている。しかし、ファイバオプティックプレートを用いてもシンチレータ内の光の広がりは抑えられず、また、解像度はファイバの太さ以上には上げられない。このため、ファオバオプティックプレートを用いた方式では解像度に限界があった。本実施形態のように、シンチレータとイメージセンサとをマイクロレンズアレイで結合することにより、シンチレータでの光の広がりの影響を除外して高い解像度を得ることができる。
図11Aは、本実施形態における放射線カメラ(X線イメージング装置とも呼ぶ。)の概略構成を示す図である。X線源22で発生したX線23は、生体21を透過し、CsIシンチレータ3内で吸収されて蛍光(可視光)が発生する。蛍光は透明基板4を透過し、マイクロレンズアレイ5で集光されイメージセンサ6上の複数の点に結像する。ここでは大面積の画素領域を実現するために複数のイメージセンサ6を1つの面上(直線上)に並べている。イメージセンサ6の配列数を増やすことで容易に撮像面積を増加させることができる。既に述べた方法で撮像面上の複数の検出点からシンチレータ3内の発光位置を算出できる。この発光位置の情報に基づいて、制御回路は、発光位置と線源22とを結ぶ直線上のX線透過画像(放射線画像とも呼ぶ。)を生成することができる。この方法により、シンチレータ3内での蛍光の広がりの影響をなくし正確な発光位置が算出可能となる。すなわち、X線イメージング装置の解像度を大幅に向上できる。
図11Bは、シンチレータ3、マイクロレンズアレイ5、およびイメージセンサ6のそれぞれを、X線源22を中心とする円弧上に配置した構成例を示す図である。このような構成で、装置全体をX線源22を中心に回転させながら撮像することで生体21をさまざまな方向からX線で撮影することができる。得られた画像を再構成処理することで、物体の内部構造の情報を得ることができる。これは、コンピュータ断層撮影法(X線CT)と呼ばれる方式に本開示のX線検出方法を適用した例である。
本実施形態の課題は、同時に多数の蛍光が発生してイメージセンサ6に入射した場合、それぞれの蛍光を分離できず、発光位置が特定できなくなる点である。少ない数の同時検出であれば演算によりある程度分離が可能であるが、1フレームには一つの蛍光が検出されることが望ましい。このためには、光源の強度を下げて時間をかけて撮影を行うか、イメージセンサ6のフレームレートを高くして高速撮像を行う必要がある。最近では、10000fpsを超えるようなグローバルシャッタを搭載した高速イメージセンサが市販されるようになっている。このような高速イメージセンサを用いることもできる。しかし、通常のイメージセンサと比べると高価であるため、性能とコストを見極めて設計する必要がある。
ここではX線源を用いた装置について説明したが、線源はX線でなくガンマ線であってもよい。X線とガンマ線は同じ短波長の電磁波であり、その電磁波としての振る舞いに差は無い。発生原理が異なり、原子核内のエネルギー遷移により発生するのがガンマ線であり、軌道電子のエネルギー遷移により発生するのがX線である。ガンマ線源を光源に用いることにより、安価で軽量かつ小型の装置を構成できる。
X線イメージング装置は医療用だけでなく、手荷物・食品・工業製品の非破壊検査などの分野で広く用いられている。本開示の放射線カメラの機構はこのようなX線イメージング装置の解像度を向上できるため、幅広い分野に適用が可能である。
(実施形態4)
次に第4の実施形態として、ガンマカメラの核医学的検査への応用例を説明する。
核医学的検査では、単フォトン放射断層撮影(SPECT)や、陽電子放出断層撮影(PET)と呼ばれる技術が用いられている。SPECTは、微量のガンマ線を放出する放射性同位元素(クエン酸ガリウム、塩化タリウムなど)を体内に入れ、その分布状況を放射線量から読み取りコンピュータで断層画像化する。一方、PETでは陽電子を放出する放射性同位元素を体内に注入し、体内の陰電子と結合して発生する消滅ガンマ線を測定し断層画像化する。どちらの方法もガンマ線を検出するので、本開示の放射線カメラの原理が適用できる。
図12は、本開示のガンマ線検出方法を適用したSPECT装置の例を示す構成図である。第3の実施形態のX線イメージング装置との違いは、線源が生体21内にある点である。線源の位置が不明であるため、検出器アレイ(イメージセンサ6)の前にコリメータ26を配置し、ガンマ線の入射方向を制限する必要がある。体内の放射性同位元素24から放出されたガンマ線25はコリメータ26で選別され、CsIシンチレータ3内で吸収されて蛍光が発生する。蛍光は透明基板4を透過し、マイクロレンズアレイ5で集光されイメージセンサ6上の複数の点に結像する。ここでも大面積の画素領域を実現するために複数のイメージセンサ6を面上に並べているが、イメージセンサ6の数は1つでもよい。このような構成により、制御回路は、上述の実施形態と同様の演算を行うことにより、生体21の放射線画像を得ることができる。
従来のSPECT装置では、シンチレータ内での蛍光の拡散を抑えるため、シンチレータをコリメータと同じサイズに分割し柱状のシンチレータを並べて光検出器に結合するような構成が用いられてきた。このようなシンチレータおよび検出器の機械加工および組み立てにはコストがかかる。本実施形態のようにシンチレータ3とイメージセンサ6とをマイクロレンズアレイ5で結合する方式はコスト削減に有効である。ここではSPECTの例を示したが、PETについてもガンマ線の検出を行う基本的な構成は同じである。PETの場合は反対方向に放出される二つのガンマ線を検出する必要がある。このため、本開示の技術をPETに応用する場合は、コリメータ、シンチレータ、マイクロレンズ、イメージセンサの各々を、体を取り囲むように円形状または円弧状に配置すればよい。
1 ガンマ線遮蔽筐体
2 ピンホール
3 シンチレータ
4 透明基板
5,5−1,5−2 マイクロレンズアレイ
6 イメージセンサ
7 透明板
8 遮光材料
9−1,9−2,9−3 鉛遮蔽体
10 タングステン製ピンホールアダプタ
11 シンチレータ固定冶具
12 マイクロレンズ固定冶具
13 遮光膜
14 スマートフォン
15 スマートフォン内蔵カメラ
16 ガンマ線検出ユニット
17 ガンマ線検出ユニット筐体
18 イメージセンサチップ
19−1 画像処理基板
19−2 通信基板
20 バッテリー
21 生体
22 X線源
23 X線
24 放射性同位元素
25 ガンマ線
26 コリメータ
30 データ処理装置
31 入力インタフェース
32 演算回路
33 出力インタフェース
34 メモリ
35 制御回路
46 イメージセンサ
48 レンズ
100 ガンマカメラ
200 可視カメラユニット

Claims (18)

  1. 放射線を遮蔽する材料で構成され、ピンホールを有する遮蔽体と、
    前記遮蔽体に囲まれ、前記ピンホールを通過した放射線を可視光に変換するシンチレータと、
    各々が可視光を検出して電気信号を出力する複数の検出器が配列された検出器アレイと、
    各々が前記シンチレータと前記検出器アレイとの間に配置され、前記シンチレータから生じた可視光を前記検出器アレイに集束させる複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイと、
    前記検出器アレイに接続された演算回路であって、前記複数の検出器の各々から出力された前記電気信号と、前記検出器アレイ、前記マイクロレンズアレイ、前記シンチレータ、および前記ピンホールの配置関係を示す情報とに基づいて、放射線源の位置を示す情報を生成して出力する演算回路と、
    を備える放射線カメラ。
  2. 前記演算回路は、前記複数の検出器から出力された複数の電気信号が示す画像における輝度値が相対的に高い複数の領域の位置と、前記複数のマイクロレンズの位置とに基づいて、前記シンチレータ内の発光位置を算出し、前記発光位置と前記ピンホールの位置とに基づいて、前記放射線源の位置を算出する、請求項1に記載の放射線カメラ。
  3. 前記演算回路は、前記複数の電気信号の値の総和が所定の閾値を超えている場合にのみ、前記発光位置の算出および前記放射線源の位置の算出を行う、請求項2に記載の放射線カメラ。
  4. 前記演算回路は、前記複数の検出器から出力された複数の電気信号が示す画像に対する平均化処理によって得られる画像における輝度値が相対的に高い複数の領域の各々の中心位置を算出し、各中心位置と各マイクロレンズの位置とに基づいて前記シンチレータ内の発光位置の3次元座標を算出し、前記発光位置と前記ピンホールの位置とに基づいて前記放射線源の2次元座標を算出する、請求項1から3のいずれかに記載の放射線カメラ。
  5. 前記演算回路は、前記複数の検出器から出力された複数の電気信号の値の総和からガンマ線のエネルギー分布を算出することにより、前記放射線源の種類を特定する、請求項1から4のいずれかに記載の放射線カメラ。
  6. 前記検出器アレイは動画像を取得し、
    前記演算回路は、前記動画像のフレームごとに前記放射線源の2次元座標および放射線強度の2次元分布を算出し、他のカメラから得られた可視光画像に前記放射線強度の2次元分布の画像を重畳した画像データを生成して出力する、請求項2から5のいずれかに記載の放射線カメラ。
  7. 前記シンチレータは、ヨウ化セシウム、ヨウ化ナトリウム、またはプラスチックを含む材料で構成されている、請求項1から6のいずれかに記載の放射線カメラ。
  8. 前記複数のマイクロレンズの各々は、半球レンズまたはボールレンズである、請求項1から7のいずれかに記載の放射線カメラ。
  9. 前記複数のマイクロレンズは、前記検出器アレイが配列された面に平行な互いに直交する2つの方向に沿って配列されており、前記2つの方向の各々における前記マイクロレンズの配列数は3以下である、
    請求項1から8のいずれかに記載の放射線カメラ。
  10. 前記検出器アレイは、少なくとも1つのシリコンイメージセンサが有する複数の検出器のアレイである、請求項1から9のいずれかに記載の放射線カメラ。
  11. 前記遮蔽体は、鉛またはタングステンで構成されている、請求項1から10のいずれかに記載の放射線カメラ。
  12. 前記遮蔽体は、前記シンチレータを囲む部分の厚さが2.0cm以上であり、
    前記ピンホールは、前記遮蔽体に空けられた空孔であり、
    前記空孔の径は、1mm以上3mm以下である、請求項1から11のいずれかに記載の放射線カメラ。
  13. 前記ピンホールは、前記遮蔽体に空けられた空孔であり、
    前記遮蔽体は、前記ピンホールを通過する放射線の量を調整するアタッチメントを取り付けることが可能な構造を有する、
    請求項1から12のいずれかに記載の放射線カメラ。
  14. 前記アタッチメントをさらに備え、
    前記アタッチメントは、タングステン製である、請求項13に記載の放射線カメラ。
  15. 前記遮蔽体における前記ピンホールの周辺の部分の厚さは、前記マイクロレンズアレイに近接する部分の厚さよりも大きい、請求項1から14のいずれかに記載の放射線カメラ。
  16. 円弧上または直線上に配列された複数のイメージセンサを備え、
    前記検出器アレイは、前記複数のイメージセンサにおける複数の検出器のアレイである、
    請求項1から15のいずれかに記載の放射線カメラ。
  17. 生体に放射線を出射する放射線源と、
    前記生体を透過した前記放射線を可視光に変換するシンチレータと、
    各々が可視光を検出して電気信号を出力する複数の検出器が配列された検出器アレイと、
    各々が前記シンチレータと前記検出器アレイとの間に配置され、前記シンチレータから生じた可視光を前記検出器アレイに集束させる複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイと、
    前記検出器アレイに接続された演算回路であって、前記複数の検出器の各々から出力された前記電気信号と、前記検出器アレイ、前記マイクロレンズアレイ、前記シンチレータ、および前記放射線源の配置関係を示す情報とに基づいて、前記生体の放射線画像の情報を生成して出力する演算回路と、
    を備える放射線カメラ。
  18. 生体内の放射線源から出射された放射線の方向を特定の方向に制限するコリメータと、
    前記コリメータを通過した前記放射線を可視光に変換するシンチレータと、
    各々が可視光を検出して電気信号を出力する複数の検出器が配列された検出器アレイと、
    各々が前記シンチレータと前記検出器アレイとの間に配置され、前記シンチレータから生じた可視光を前記検出器アレイに集束させる複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイと、
    前記検出器アレイに接続された演算回路であって、前記複数の検出器の各々から出力された前記電気信号と、前記検出器アレイ、前記マイクロレンズアレイ、前記シンチレータの配置関係を示す情報とに基づいて、前記生体の放射線画像の情報を生成して出力する演算回路と、
    を備える放射線カメラ。
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