JP6807554B2 - 三次元形状造形物の製造方法および三次元形状造形物 - Google Patents

三次元形状造形物の製造方法および三次元形状造形物 Download PDF

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Description

本開示は、三次元形状造形物の製造方法および三次元形状造形物に関する。より詳細には、本開示は、粉末層への光ビーム照射によって固化層を形成する三次元形状造形物の製造方法に関すると共に、それによって得られる三次元形状造形物にも関する。
光ビームを粉末材料に照射することを通じて三次元形状造形物を製造する方法(一般的には「粉末床溶融結合法」と称される)は、従来より知られている。かかる方法は、以下の工程(i)および(ii)に基づいて粉末層形成と固化層形成とを交互に繰り返し実施して三次元形状造形物を製造する(特許文献1または特許文献2参照)。
(i)粉末層の所定箇所に光ビームを照射し、かかる所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する工程。
(ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を形成し、同様に光ビームを照射して更なる固化層を形成する工程。
このような製造技術に従えば、複雑な三次元形状造形物を短時間で製造することが可能となる。粉末材料として無機質の金属粉末を用いる場合、得られる三次元形状造形物を金型として使用することができる。一方、粉末材料として有機質の樹脂粉末を用いる場合、得られる三次元形状造形物を各種モデルとして使用することができる。
粉末材料として金属粉末を用い、それによって得られる三次元形状造形物を金型として使用する場合を例にとる。図12に示すように、まず、スキージング・ブレード23を動かして粉末19を移送させて造形プレート21上に所定厚みの粉末層22を形成する(図12(a)参照)。次いで、粉末層の所定箇所に光ビームLを照射して粉末層から固化層24を形成する(図12(b)参照)。引き続いて、得られた固化層の上に新たな粉末層を形成して再度光ビームを照射して新たな固化層を形成する。このようにして粉末層形成と固化層形成とを交互に繰り返し実施すると固化層24が積層することになり(図12(c)参照)、最終的には積層化した固化層から成る三次元形状造形物を得ることができる。最下層として形成される固化層24は造形プレート21と結合した状態になるので、三次元形状造形物と造形プレートとは一体化物を成すことになり、その一体化物を金型として使用することができる。
特表平1−502890号公報 特開2000−73108号公報
三次元形状造形物を金型として使用する場合、いわゆる“コア側”と“キャビティ側”との金型を組み合わせて形成される金型キャビティ空間に対して溶融状態の成形用原料(以下では「溶融原料」とも称す)を充填する。具体的には、溶融原料を金型キャビティ空間に流し込み、その流し込んだ溶融原料を冷却することによって成形品を得る。つまり、溶融原料が流動して金型キャビティ空間を満たしつつ溶融原料が固化状態へと変化することで成形品が得られる。
得られた成形品には、金型キャビティ空間での溶融原料の流動に起因して線状痕が生じる場合がある。つまり、いわゆる“ウェルドライン”が成形品に生じてしまう。ウェルドラインは、成形品の外観の点で望ましくない。また、ウェルドラインは、成形品の強度の点でも望ましいといえない。そこで、ウェルドラインを減じるために、例えば溶融原料の充填時に金型キャビティ空間に存在するガス又は溶融原料から発生するガスが外部へと抜かれる(以下では「ガス抜き」とも称す)。
本願発明者は、従前のガス抜きでは克服すべき課題があることに気付き、そのための対策を取る必要性を見出した。具体的には以下の課題があることを本願発明者は見出した。
三次元形状造形物から成る金型が用いられる場合、三次元形状造形物の表面に微細孔を設け、その微細孔の領域を通気領域としてガス抜きを行うことが考えられる。かかる通気領域は、微細孔自体がガス通路として機能する。よって、ガス抜きの点では好ましい。しかしながら、微細孔に起因して成形品の表面が粗くなってしまう虞がある。つまり、通気領域は金型表面に設けられるところ、その通気領域自体が成形品表面に悪影響を与える虞があり、高品位な成形転写が難しくなる場合がある。これは、通気領域を表面に設けた金型の場合、“ガス抜き特性”と“高品位の転写特性”とがトレードオフの関係となってしまうことを意味している。特に、本願発明者は、通気領域を備える金型表面に“傾斜面”を含む場合、それ特有の転写特性が発現され、成形品表面の粗さが無視できなくなる虞があることを見出した。
本発明は、かかる事情に鑑みて為されたものである。すなわち、本発明の主たる課題は、通気領域を備える金型としてより好適な三次元形状造形物を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様では、
(i)粉末層の所定箇所に光ビームを照射して当該所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する工程、および
(ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を形成し、該新たな粉末層の所定箇所に光ビームを照射して更なる固化層を形成する工程
により粉末層形成および固化層形成を交互に繰り返して行う三次元形状造形物の製造方法であって、
三次元形状造形物の密度が局所的に異なる密度変化領域を三次元形状造形物の傾斜面を含む表面部分に設け、
密度変化領域においては、傾斜面を含む表面部分の造形物表面が固化層の積層方向と成す角度に応じ密度を局所的に異ならせる、三次元形状造形物の製造方法が提供される。
また、本発明の一態様では、上記製造方法によって得られる三次元形状造形物も提供される。かかる本発明の一態様は、積層された固化層から構成され、傾斜面を有する三次元形状造形物であって、
三次元形状造形物の密度が局所的に異なる密度変化領域が、傾斜面を含む表面部分に設けられており、
密度変化領域では、傾斜面を含む表面部分の造形物表面が固化層の積層方向と成す角度に応じ密度が局所的に異なっている。
本発明の一態様に従えば、通気領域を備える三次元形状造形物をより好適に得ることができる。より具体的には、本発明の一態様では、“ガス抜き特性”と“高品位の転写特性”との双方を好適に奏する金型として三次元形状造形物を得ることができる。
特に、本発明の一態様に係る三次元形状造形物から成る金型では、“傾斜面”を有する通気領域であっても、好適な“ガス抜き特性”を確保しながらも高品位の転写特性を得ることができる。つまり、好適なガス抜き特性を確保しながらも成形品表面の粗さを減じることができる。
また、例えば筒状成形品を金型で成形する場合には筒状成形品の先端部分にウェルドラインが通常発生し易い。本発明の一態様では、そのようなウェルドラインを効果的に減じるためのより広範な通気領域を金型に設けることが可能となる。
本発明の一態様に係る三次元形状造形物(傾斜面を“非滑面”として有する三次元形状造形物)を模式的に表した断面図 本発明の一態様に係る三次元形状造形物(傾斜面を“滑面”として有する三次元形状造形物)を模式的に表した断面図 “表面開口に起因した成形品表面の粗さ”を説明するための模式図 密度変化領域の微細孔構造を説明するための三次元形状造形物の断面図 中空路を設ける態様を説明するための三次元形状造形物の断面図 “ランダム微細孔の固化部”を中空路に設ける態様を説明するための三次元形状造形物の断面図 筒状成形品を部分的に示した斜視図 筒状成形品を得るための金型を部分的に示した斜視透過図 2つの中空路を備える態様を説明するための三次元形状造形物の断面図 内側方向に密度が変化する態様を説明するための三次元形状造形物の断面図 外周部分をランダム微細孔の領域または高密度領域とする態様を説明するための三次元形状造形物の断面図 粉末床溶融結合法が実施される光造形複合加工のプロセス態様を模式的に示した断面図(図12(a):粉末層形成、図12(b):固化層形成、図12(c):固化層の積層化) 光造形複合加工機の構成を模式的に示した斜視図 光造形複合加工機の一般的な動作を示すフローチャート
以下では、図面を参照して本発明の一実施形態をより詳細に説明する。図面における各種要素の形態および寸法は、あくまでも例示にすぎず、実際の形態および寸法を反映するものではない。
本明細書において「粉末層」とは、例えば「金属粉末から成る金属粉末層」または「樹脂粉末から成る樹脂粉末層」を意味している。また「粉末層の所定箇所」とは、製造される三次元形状造形物の領域を実質的に指している。従って、かかる所定箇所に存在する粉末に対して光ビームを照射することによって、その粉末が焼結又は溶融固化して三次元形状造形物を構成することになる。更に「固化層」とは、粉末層が金属粉末層である場合には「焼結層」を意味し、粉末層が樹脂粉末層である場合には「硬化層」を意味している。ちなみに、本発明の一態様に用いる金属粉末は、鉄系粉末を主成分とした粉末であって、場合によってニッケル粉末、ニッケル系合金粉末、銅粉末、銅系合金粉末および黒鉛粉末などから成る群から選択される少なくとも1種類を更に含んで成る粉末であってよい。
本明細書で直接的または間接的に説明される“上下”の方向は、三次元形状造形物の製造時における造形プレートと三次元形状造形物との位置関係に基づいている。具体的には、造形プレートを基準にして三次元形状造形物が製造される側を「上方向」とし、その反対側を「下方向」としている。便宜的には、鉛直方向下向き(すなわち、重力が働く方向)が「下向き」に相当し、その逆向きが「上向き」に相当すると捉えることができる。
更に本明細書で直接的または間接的に用いる「断面視」は、粉末床溶融結合法を側方からとらえた場合又は水平方向に沿って見た場合の側面視に相当するものであるが、簡易的には固化層の積層方向に平行な面で三次元形状造形物を仮想的に切り取った場合に得られる三次元形状造形物の断面視とみなしてよい。
[粉末床溶融結合法]
まず、本発明の一態様に係る製造方法の前提となる粉末床溶融結合法について説明する。特に粉末床溶融結合法において三次元形状造形物に対して切削処理を付加的に行う光造形複合加工を例として挙げる。図12は、光造形複合加工のプロセス態様を模式的に示している。図13および図14は、粉末床溶融結合法と切削処理とを実施できる光造形複合加工機の主たる構成および動作のフローチャートをそれぞれ示している。
光造形複合加工機1は、図13に示すように、粉末層形成手段2、光ビーム照射手段3および切削手段4を備えている。
粉末層形成手段2は、金属粉末または樹脂粉末などの粉末を所定厚みで敷くことによって粉末層を形成するための手段である。光ビーム照射手段3は、粉末層の所定箇所に光ビームLを照射するための手段である。切削手段4は、積層化した固化層の側面、すなわち、三次元形状造形物の表面を削るための手段である。
粉末層形成手段2は、図12に示すように、粉末テーブル25、スキージング・ブレード23、支持テーブル20および造形プレート21を主に有して成る。粉末テーブル25は、外周が壁26で囲まれた粉末材料タンク28内にて上下に昇降できるテーブルである。スキージング・ブレード23は、粉末テーブル25上の粉末19を支持テーブル20上へと供して粉末層22を得るべく水平方向に移動できるブレードである。支持テーブル20は、外周が壁27で囲まれた造形タンク29内にて上下に昇降できるテーブルである。そして、造形プレート21は、支持テーブル20上に配され、三次元形状造形物の土台となるプレートである。
光ビーム照射手段3は、図13に示すように、光ビーム発振器30およびガルバノミラー31を主に有して成る。光ビーム発振器30は、光ビームLを発する機器である。ガルバノミラー31は、発せられた光ビームLを粉末層22にスキャニングする手段、すなわち、光ビームLの走査手段である。
切削手段4は、図13に示すように、エンドミル40および駆動機構41を主に有して成る。エンドミル40は、積層化した固化層の側面、すなわち、三次元形状造形物の表面を削るための切削工具である。駆動機構41は、エンドミル40を所望の切削すべき箇所へと移動させる手段である。
光造形複合加工機1の動作について詳述する。光造形複合加工機1の動作は、図14のフローチャートに示すように、粉末層形成ステップ(S1)、固化層形成ステップ(S2)および切削ステップ(S3)から構成されている。粉末層形成ステップ(S1)は、粉末層22を形成するためのステップである。かかる粉末層形成ステップ(S1)では、まず支持テーブル20をΔt下げ(S11)、造形プレート21の上面と造形タンク29の上端面とのレベル差がΔtとなるようにする。次いで、粉末テーブル25をΔt上げた後、図12(a)に示すようにスキージング・ブレード23を粉末材料タンク28から造形タンク29に向かって水平方向に移動させる。これによって、粉末テーブル25に配されていた粉末19を造形プレート21上へと移送させることができ(S12)、粉末層22の形成が行われる(S13)。粉末層22を形成するための粉末材料としては、例えば「平均粒径5μm〜100μm程度の金属粉末」および「平均粒径30μm〜100μm程度のナイロン、ポリプロピレンまたはABS等の樹脂粉末」を挙げることができる。粉末層22が形成されたら、固化層形成ステップ(S2)へと移行する。固化層形成ステップ(S2)は、光ビーム照射によって固化層24を形成するステップである。かかる固化層形成ステップ(S2)においては、光ビーム発振器30から光ビームLを発し(S21)、ガルバノミラー31によって粉末層22上の所定箇所へと光ビームLをスキャニングする(S22)。これによって、粉末層22の所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させ、図12(b)に示すように固化層24を形成する(S23)。光ビームLとしては、炭酸ガスレーザ、Nd:YAGレーザ、ファイバレーザまたは紫外線などを用いてよい。
粉末層形成ステップ(S1)および固化層形成ステップ(S2)は、交互に繰り返して実施する。これにより、図12(c)に示すように複数の固化層24が積層化する。
積層化した固化層24が所定厚みに達すると(S24)、切削ステップ(S3)へと移行する。切削ステップ(S3)は、積層化した固化層24の側面、すなわち、三次元形状造形物の表面を削るためのステップである。エンドミル40(図12(c)および図13参照)を駆動させることによって切削ステップが開始される(S31)。例えば、エンドミル40が3mmの有効刃長さを有する場合、三次元形状造形物の高さ方向に沿って3mmの切削処理を行うことができるので、Δtが0.05mmであれば60層分の固化層24が積層した時点でエンドミル40を駆動させる。具体的には駆動機構41によってエンドミル40を移動させながら、積層化した固化層24の側面に対して切削処理を施すことになる(S32)。このような切削ステップ(S3)の最終では、所望の三次元形状造形物が得られているか否かを判断する(S33)。所望の三次元形状造形物が依然得られていない場合では、粉末層形成ステップ(S1)へと戻る。以降、粉末層形成ステップ(S1)〜切削ステップ(S3)を繰り返し実施して更なる固化層の積層化および切削処理を実施することによって、最終的に所望の三次元形状造形物が得られる。
[本発明の製造方法]
本発明の一態様に係る製造方法は、上述した粉末床溶融結合法につき、固化層の形成態様に特徴を有している。特に、固化層形成で得られる三次元形状造形物の表面部分の密度に特徴を持たせている。
本発明の一態様に係る製造方法では、三次元形状造形物の傾斜面を含む表面部分に三次元形状造形物の密度が局所的に異なる“密度変化領域”を設ける。換言すれば、傾斜面を含む表面部分に沿って三次元形状造形物の密度が変化するような“密度変化領域”を三次元形状造形物に設ける。図1および2に示すように、三次元形状造形物100の製造では、造形物表面110から内部へと厚みを有するように密度変化領域150を形成することになる。
特に、本発明の一態様に係る製造方法では、「傾斜面を含む表面部分の造形物表面が固化層の積層方向と成す角度(以下では単に「表面角度」とも称する)」に応じて密度変化領域150の密度を局所的に異ならせる。端的にいえば、密度変化領域150では造形物表面110の表面角度に応じて密度を局所的に異ならせる。これは、傾斜面を有する三次元形状造形物100が製造される場合、その造形物の表面角度に応じて三次元形状造形物の密度が変わるように固化層形成を行うことを意味している。図1に示す態様では、傾斜面を含む造形物表面110の表面角度(例えば、図示するようなθ,θ,θ)に応じ、その対象の表面近傍領域(150A,150B,150C)のそれぞれの密度が互いに異なるようにする。同様にして、図2に示す態様では、傾斜面を含む造形物表面110の表面角度(例えば、図示するようなθ,θ,θ,θ,θe)に応じ、その対象の表面近傍領域(150a,150b,150c,150d,150e)のそれぞれの密度が互いに異なるようにする。図1および図2から分かるように、本発明において「傾斜面を含む表面部分における表面が固化層の積層方向と成す角度」(すなわち、“表面角度”)とは、造形物表面と固化層の積層方向とが成す角度のうち特には鋭角を成す側の角度を指している。なお、後述でも触れるが、本発明の一態様では、三次元形状造形物の最表面を含んだ表面部分が、その最表面の断面輪郭に沿って漸次変わる密度を有するように三次元形状造形物の製造を行うことが好ましい。
本明細書にて「三次元形状造形物の傾斜面を含む表面部分」とは、図1および図2に示すような三次元形状造形物の断面視にて、三次元形状造形物の表面が固化層の積層方向と成す角度(すなわち、“表面角度”)が一定となっていない造形物の表面部分を実質的に意味している。また、本明細書にて「三次元形状造形物の密度が局所的に異なる密度変化領域を三次元形状造形物の傾斜面を含む表面部分に設ける」といった表現は、広義には、局所領域ごとに密度の異なる密度変化領域を傾斜面を含む造形物の表面部分に設けることを意味している。狭義には、かかる表現は、図示するような三次元形状造形物の断面視で捉えた場合、三次元形状造形物の表面角度の大きさに応じて密度が局所的に異なる密度変化領域を造形物表面から厚みをもって設けることを意味している。このような説明から分かるように、本明細書でいう「傾斜面」とは、三次元形状造形物の断面視にて、積層方向に対して成す角度が一定となっていない造形物表面のことを指しており、特に好適にはかかる角度が、その対象となる造形物表面に沿って漸次的に変わるようになっている表面態様を指している。なお、このような傾斜面は、例えば図1で例示されるような“非滑面”または“複数のサブ平面”の形態を有していてよく、あるいは、例えば図2で例示されるような“滑面”または“曲面”の形態を有していてもよい。
また、本明細書で用いる「密度変化領域では、傾斜面を含む表面部分における表面が固化層の積層方向と成す角度に応じ密度を局所的に異ならせる」といった表現は、密度変化領域における局所的な密度変化と、三次元形状造形物の表面傾斜の程度とが互いに相関関係を有することを意味している。換言すれば、三次元形状造形物の表面角度の大きさに応じた密度を、その表面角度を成す表面部分が有することになるといえる。
図1および図2の三次元形状造形物の断面視を参照して表面角度の大きさについて詳述する。三次元形状造形物を構成する固化層の積層方向に対して三次元形状造形物の表面が成す角度がより小さい場合(すなわち、表面角度が小さい場合)、造形物表面が相対的に急峻な面を成すようになり、表面傾斜の程度がより大きなものとなる。端的にいえば、かかる場合は傾斜度合がより大きいといえる。一方、三次元形状造形物を構成する固化層の積層方向に対して三次元形状造形物の表面が成す角度がより大きい場合(すなわち、表面角度が大きい場合)、造形物表面が相対的に非急峻な面を成すようになり、表面傾斜の程度がより小さなものとなる。端的にいえば、かかる場合は傾斜度合がより小さいといえる。なお、図2に示すように、三次元形状造形物の傾斜面が曲線状の場合では、断面視で造形物表面を通る接線を「仮想表面」として用いてよい。つまり、かかる“仮想表面”と“固化層の積層方向”とが成す角度を上記の表面角度として用いてよい。
本発明の一態様に係る製造方法において、密度変化領域150は、密度変化を有するものの、全体として低密度領域として設けることが好ましい。あくまでも例示にすぎないが、密度変化領域150を40〜90%の固化密度を有する低密度領域として設けてよい。かかる場合、密度変化領域150以外の領域(例えば図1および図2に示すような密度変化領域よりも内部側に位置する領域155)は、高密度領域(91〜100%の固化密度を有する領域)として設けてよい。換言すれば、密度変化領域150が全体として固化密度40〜90%の低密度領域を成しつつも、その低密度領域内の密度が表面角度の大きさにしたがって漸次変わるように三次元形状造形物の製造を行うことが好ましい。このような密度変化領域150を備える三次元形状造形物は、金型としてより好適に用いることができる。具体的には、本発明の一態様に係る製造方法で得られる三次元形状造形物を金型として用いた場合、密度変化領域150を“通気領域”として利用でき、後述するようにガス抜き特性と高品位の転写特性との双方が好適にもたらされ得る。
上記説明から分かるように、本発明における「密度変化領域」は、少なくとも当該領域内で密度が1つ又はそれ以上異なっている領域のことを指している。かかる密度変化領域は、そのように当該領域内で互いに異なる密度を有しつつも、当該領域における密度がそれ以外の領域における密度と異なっていてもよい。これにつき、密度変化領域は、当該領域以外の領域よりも密度が低い低密度領域を成していてよい。かかる場合、密度変化領域内で表面角度が大きくて相対的に高い密度を有する箇所というのは、巨視的な観点でとらえれば当該密度変化領域以外の領域よりも低い密度を有し得る。
特に、本発明の一態様では、“傾斜面”を含む表面部分に設けられる通気領域であっても、ウェルドラインの発生と成形品の表面粗さとの双方をより効果的に減じることができる。これについて詳述する。例えば図3に示すような微細孔形状から成る通気領域を想定してみる。図示する態様から分かるように、“傾斜面”をともなう通気領域では表面角度の大きさに依って微細孔の表面開口が異なり、それに起因して、ウェルドラインの発生および成形品表面の粗さが影響を受けることになる。例えば、「造形物表面と固化層の積層方向とが成す角度」が小さい場合を想定する。かかる場合では、微細孔の表面開口がより大きいので(図3参照)、ガス抜き効率が高くウェルドライン発生を減じることができるものの、大きい表面開口に起因して成形品表面が粗くなりやすい(微細孔のより大きい表面開口は原料樹脂がその開口を介して微細孔に入り込み易いからである)。それとは逆に、「造形物表面と固化層の積層方向とが成す角度」が大きい場合を想定する。かかる場合では微細孔の表面開口がより小さいので(図3参照)、成形品表面の粗さを減じることができるものの、小さい表面開口に起因してガス抜き効率が低下し得る(微細孔のより小さい表面開口はガス通過時の抵抗がより大きいからである)。この点、本発明の一態様では、表面角度の大きさに応じて密度が局所的に変わる通気領域を設けることができ、“表面開口の大きさ”がガス抜き効率向と成形品表面の粗さ低減との双方に鑑みたものにすることができる。
ある好適な態様において、密度変化領域内では表面角度が小さくなるほど密度を相対的に高くする。つまり、表面角度が相対的に小さくなる局所的な表面部分では、三次元形状造形物の密度を相対的に高くする。これにより、表面角度が小さく一般的には成形品表面の粗さが懸念される局所部分であっても、かかる粗さを抑制することができる。特定の理論に拘束されるわけではないが、三次元形状造形物の密度が大きいほど傾斜面における微細孔の表面開口をより小さくできるからであると推測される。図1に示す態様に基づいて例示すれば、密度変化領域150のうち表面角度が相対的に小さい局所部分150Cを、表面角度が相対的に大きい局所部分150Aよりも密度を高くしてよい。また、図2に示す態様に基づいて例示すれば、密度変化領域150のうち例えば表面角度が相対的に小さい局所部分150dまたは150eを、表面角度が相対的に大きい局所部分150bまたは150aなどよりも密度を高くしてよい。このようにすることによって、表面角度が相対的に小さい局所部分(端的にいえば、傾斜度合がより大きい箇所)における微細孔の表面開口サイズは大きくなり過ぎなくて済み、成形時に原料樹脂が微細孔に入り難くなって成形品表面の粗さが低減され得る。
本発明の一態様に係る製造方法では、密度変化領域における密度を傾斜面を含む表面部分に沿って漸次的に異ならせてよい。換言すれば、表面角度に応じた密度変化を“漸次的変化”としてよい。これは表面角度が小さくなるほど又は大きくなるほど密度変化領域の局所部分の密度を段階的に変えることを意味している。端的にいえば、表面傾斜の程度が大きくなるほど又は小さくなるほど密度変化領域の局所部分の密度を段階的に変えることを意味している。図1に示す態様に基づいて例示すると、表面角度が相対的に小さくなっていく局所部分150A→150B→150Cに伴って、かかる部分の密度を漸次高くなるようにしてよい。また、図2に示す態様も同様であって、表面角度が相対的に小さくなる局所部分150a→150b→150c→150d→150eに伴って、かかる部分の密度を漸次高くなるようにしてよい。これにより、通気領域全体としてガス抜き効率向上と成形品表面の粗さ低減との双方の好適化をより図りやすくなる。詳述すると、ガス抜き効率向上は、密度が相対的に低い部分でガス抜き時の抵抗がより低くなっていることによって主にもたらされ得る。一方、成形品表面の粗さ低減は、本来なら表面角度が小さく成形品表面の粗さが懸念される部分が相対的に高い密度となることによって主にもたらされ得る。相対的に高い密度を有する部分は、樹脂が入り込む空隙自体がより少なく、それゆえに成形品表面の粗さ低減に寄与するからである。
なお、固化層の積層方向と造形物表面と成す角度が実質的に0°となる領域は、例えば91〜100%の固化密度を有する高密度領域としてよい。図1および図2に示す態様でいえば“151”の表面領域を高密度領域として形成してよい。三次元形状造形物を金型として用いる場合、固化層の積層方向と造形物表面と成す角度が実質的に0°となる領域は、ウェルドライン発生があまり懸念されない領域となるゆえ、その領域を三次元形状造形物の構造強度の向上に活用できるからである。つまり、金型にとって必要な強度を確保しつつも、ガス抜き効率向上と成形品表面の粗さ低減との双方の好適化を図ることができる。なお、図1および図2から分かるように、「表面角度が実質的に0°の領域を高密度領域とする態様」は、三次元形状造形物の水平方向における最外側領域(または傾斜面部分に対してより内側となる周縁領域)の少なくとも一部を“通気不可な高密度領域”とする態様に相当し得る。
ある好適な態様では、密度変化領域を微細孔構造とする。つまり、本発明の一態様に係る製造方法においては、微細孔を形成して三次元形状造形物の“密度変化領域”としてよい。微細孔は三次元形状造形物で空隙を成すので、三次元形状造形物を金型として用いた場合、その微細孔が通気孔となり、ガス抜きに寄与し得る。本明細書における「微細孔」は、その平均孔サイズがミクロンオーダーとなるような孔のことを指しており、例えば、10〜150μm程度の平均孔サイズ(三次元形状造形物の断面画像に基づく平均孔サイズ)を有している。
微細孔構造は、固化層形成時に粉末領域に対して照射する光ビームの照射エネルギーを相対的に低くすることによって得ることができる。例えば、微細孔構造を有さない三次元形状造形物の領域、すなわち、高密度領域(例えば固化密度91〜100%)は、照射エネルギー密度Eが8〜15J/mm程度の光ビームでもって形成するのに対して、微細孔構造を有する密度変化領域(例えば固化密度40〜90%)では、照射エネルギー密度Eが約1〜7J/mmの光ビームで形成してよい。なお、エネルギー密度E=レーザ出力(W)/(走査速度(mm/s)×走査ピッチ(mm)である(製造条件は例えば、粉末の積層厚さ:0.05mm、レーザの種類:CO(炭酸ガス)レーザ、スポット径:0.5mmである)。照射エネルギーの上記数値範囲は、あくまでも例示であって、粉末材料の種類に依存し得る。それゆえ、微細孔構造を形成するための照射エネルギー密度Eの値は、粉末層を成す粉末材料の種類によって適宜変更され得るものであることに留意されたい。
本明細書にいう「固化密度(%)」とは、三次元形状造形物の断面写真を画像処理することによって求める固化断面密度(固化材料の占有率)を実質的に意味している。使用する画像処理ソフトはScion Image ver. 4.0.2(Scion社製のフリーウェア)であって、断面画像を固化部(白)と空孔部(黒)とに二値化した後、画像の全画素数Pxallおよび固化部(白)の画素数Pxwhiteをカウントすることで、以下の式1により固化断面密度ρを求めることができる。尚、粉末材料として金属粉末を用いる場合、「固化密度」は「焼結密度」に相当する。
[式1]

Figure 0006807554
微細孔構造の形成は、(a)光ビームの照射エネルギー(出力エネルギー)を調整することの他に、(b)光ビームの走査速度の調整、(c)光ビームの走査ピッチの調整、(d)光ビームの集光径の調整などによっても行うことができる。例えば、固化密度を下げるためには、(a)光ビームの照射エネルギー(出力エネルギー)を下げることの他に、(b)光ビームの走査速度を上げる、(c)光ビームの走査ピッチを拡げる、(d)光ビームの集光径を大きくすることによっても達成できる。逆に、固化密度を上げるためには、(a)光ビームの出力エネルギーを上げることの他に、(b)光ビームの走査速度を下げる、(c)光ビームの走査ピッチを狭くする、(d)光ビームの集光径を小さくすることによっても達成できる。これら(a)〜(d)は、単独で行ってもよいものの、相互に種々に組み合わせて行ってもよい。
微細孔構造によって、三次元形状造形物には微細孔がもたらされる。かかる微細孔は“列状微細孔”であることが望ましい。つまり、本発明の一態様に係る製造方法では、微細孔構造157のために、空隙が列状を成す列状微細孔158を形成することが望ましい(図4参照)。列状微細孔158は、図4に示すように、固化層の積層方向に沿って列状に空隙が延在する形態を有し得る。列状微細孔158が設けられた密度変化領域の局所部分では、列状に空隙が継ぎ目を減じた状態または継ぎ目が無い状態で連続しているので、ガス抜き時の抵抗がより減じられ、“ガス抜き効率”の向上を図り易くなる。なお、微細孔はランダムな孔であってもよい。つまり、微細孔157として、空隙がランダムに分布するランダム微細孔159を設けてもよい(図4参照)。ランダム微細孔159は、図4に示すように空隙がランダムとなっているので、いずれの方向からもガスを抜くことができ、ガス抜き方向の異方性が減じられる。その一方で、ランダム微細孔159は、原料樹脂がその孔に入り込み難いといった特性を呈し得る(特定の理論に拘束されるわけではないが、これは、かかる微細孔がランダムゆえに長く延在するものでなく空隙自体が小さくなっていることに起因するものと考えられる。個々に小さい空隙がランダムに存在するため樹脂が入り込む際の抵抗が大きくなっているともいえる)。したがって、ランダム微細孔159は、成形品表面の粗さ防止に寄与し得る。
なお、図4に示した形態から分かるように、本発明において列状微細孔158およびランダム微細孔159を備えた構造は、それぞれ“縦孔連通構造”および“微細孔ランダム配置構造”と称すこともできる。
列状微細孔158およびランダム微細孔159は、固化層形成時における光ビームの種々の走査条件および/または照射エネルギー条件などを適宜調整することで得ることができる。特に限定されるわけではないが、列状微細孔158は、積層方向で互いに隣接する固化層の形成につき、光ビームの走査パスPを固化層間で交差させることで得ることができる(図4最下図参照)。このような“走査パスの交差”の態様は、隣接する固化層間で走査パスPが“格子”を成すように光ビーム照射を行う態様に相当する。一方、ランダム微細孔159は、列状微細孔形成条件に対して相対的にレーザ走査ピッチを狭くし、走査速度を高くすることにより照射エネルギー密度を低くすることで得ることができる。
上述したように、ランダム微細孔159を備えた構造では原料樹脂が微細孔に入り込み難いので、その特性を活かすように密度変化領域を形成してよい。具体的には、表面角度が小さい箇所にランダム微細孔を形成してよい。これにより、表面角度が小さくて一般的には成形品表面の粗さが懸念される領域であっても、かかる粗さを“ランダム微細孔”でもって効果的に抑制できる。図1に示す態様で例示すれば、密度変化領域150のうち例えば表面角度が相対的に小さい局所部分150Cにランダム微細孔を設けてよい。また、図2に示す態様で例示すれば、密度変化領域150のうち例えば表面角度が相対的に小さい局所部分150eおよび/または150dなどにランダム微細孔を設けてよい。より具体的な態様を1つ例示しておくと、表面角度が相対的に小さい表面部分にランダム微細孔を設ける一方、表面角度が相対的に大きい表面部分に列状微細孔を設けてよい。これによって、表面角度が小さく一般的には成形品表面の粗さが懸念される局所部分であっても当該粗さを抑制することができ、その一方で、表面角度が大きい箇所に設けられたガス抜き時抵抗の低い列状微細孔でもって所望のガス抜きを達成することができる。
ある好適な態様では、三次元形状造形物の外部へと連通する中空路を三次元形状造形物の内部に設ける。つまり、本発明の一態様に係る製造方法において、外部と流体連通状態となる中空路を形成することが好ましい。三次元形状造形物を金型として用いる場合、かかる中空路は通気路として用いたり、あるいは、温調媒体路として用いてよい。本発明の一態様に係る製造方法では、中空路は、固化層が形成される領域の一部を光ビームを照射しない非照射部とすることによって形成できる。つまり、“光ビームを照射せず固化させない非照射部”を固化層形成の領域内(即ち、三次元形状造形物が形成される領域)に局所的に設けることによって、最終的に得られる三次元形状造形物に中空路を形成できる。
中空路160を通気路として用いる場合、中空路160と微細孔構造157とを互いに流体連通状態で設けることが好ましい(図5参照)。これにより、三次元形状造形物100を金型として用いた場合における“ガス抜き”を、微細孔構造157と中空路160とを介して行うことができる。溶融原料の充填時に金型キャビティ空間に存在するガス又は溶融原料から発生するガスは、金型表面の微細孔構造157(すなわち、微細孔)から金型キャビティ空間外へと排出された後、中空路160を介して、金型外部へと最終的に排出されることになる。中空路160は、微細孔構造157の微細孔と比べて大サイズゆえ、ガス抜き時の流体抵抗を低減でき、“ガス抜き効率”の向上を図りやすくなる。
“通気路”として用いる中空路は、密度変化領域に全体的に及ぶように延在させてよい(例えば、密度変化領域において密度が互いに異なる局所部分の全てを通過するように中空路を延在させてよい)。図5に示すように、中空路160の少なくとも一部を三次元形状造形物の傾斜面に沿って延在させてもよい。つまり、中空路160の少なくとも一部を「傾斜面を含む表面部分の造形物表面110」に沿って延在させてもよい。かかる場合、密度変化領域150の微細孔構造157と中空路160との連通状態をより取りやすくなり、ガス抜き時の流体抵抗をより効果的に減じることができる。なお、図5に示す断面視の形態から分かるように、中空路160の延在は、微細孔構造157を貫通又は横断するようになっていてよい(好ましくは、中空路160の延在は、傾斜面に沿いつつも微細孔構造157を貫通又は横断するようになっていてよい)。例えば、図示するような断面視において、中空路160の少なくとも一部と「傾斜面を含む表面部分の造形物表面110」との最短離隔距離が実質的に一定となるように、中空路160を延在させてよい。
図6に示すように、通気路として用いる中空路160には、その一部に「ランダム微細孔から成る固化部159’」を介在又は含ませてもよい。ランダム微細孔はいずれの方向のガス流れも通過させることができる。したがって、そのようなランダム微細孔を中空路に局所的に配置することによって、流通可能状態を確保しながらも、中空路を備えた三次元形状造形物の構造強度を向上させることが可能となる。
本発明の一態様に係る製造方法は、傾斜面の表面を有する三次元形状造形物(例えば傾斜面の表面を有する金型など)の製造に好適に用いられる。あくまでも1つの例示にすぎないが、本発明の一態様に係る製造方法では、「内面と外面とを有する成形品」を得るための金型を三次元形状造形物として製造してよい。あくまでも一例であるが、例えば筒状成形品のための金型を製造してよい。より具体的には、図7に示すような筒状成形品200を成形するための金型300(図8参照)を得るために、三次元形状造形物を製造してよい。本明細書でいう「筒状成形品」とは、全体外観が“筒形状”を有し、一方の端部が開口端を成し、他方の端部が閉鎖端を成す成形品のことを指している。
本発明において特に金型は、成形品の内面用金型(すなわち、成形品の内面のための金型)であってよい。図8に示すような金型300でいえば、それは筒状成形品の内面を得るための内面用金型に相当している。かかる内面用金型はスライドコアであってよい。
“内面用金型”としての金型300の場合、成形品の内面のためのキャビティ表面部分(特に傾斜面を含む表面部分)に密度変化領域を設けてよい。好ましい一例としては、内面用金型の先端部分350を三次元形状造形物として供してよく、最先端面355の領域を密度変化領域としてよい(図8参照)。筒状成形品200などの「内面と外面とを有する成形品」の先端部分(特に閉鎖端の内側部分)には通常ウェルドラインが発生し易いところ、そのようなウェルドラインを減じるべく“傾斜面形態”の通気領域をより広範に金型に設けることができる。つまり、本発明の一態様では、ウェルドラインが特に発生し易い金型キャビティ面領域に対してより広範に通気領域を設けることができ、ウェルドライン発生と成形品の表面粗さとの双方を減じることができる。
[本発明の三次元形状造形物]
本発明の一態様に係る三次元形状造形物は、上述の製造方法で得られる。従って、本発明の一態様に係る三次元形状造形物は、粉末層に対する光ビーム照射で形成される固化層が積層して構成されたものであり、傾斜面(すなわち、傾斜形態の最表面)を有して成る。特に、本発明の一態様に係る三次元形状造形物100は、密度が局所的に異なる“密度変化領域”150が傾斜面を含む表面部分の造形物表面110に設けられており、かかる密度変化領域150における密度が「傾斜面を含む表面部分の造形物表面110が固化層の積層方向と成す角度」に応じ局所的に異なっている(図1および図2参照)。換言すれば、三次元形状造形物は、造形物表面に沿って密度が変化する密度変化領域を含んでいるところ、かかる領域が造形物の表面傾斜の程度に応じた密度変化を有している。
密度変化領域150の存在によって、本発明の一態様に係る三次元形状造形物100は金型としてより好適に用いることができる。具体的には、三次元形状造形物100を金型として用いた場合、密度変化領域150を“通気領域”として用いることができ、上述した通りガス抜き特性と高品位の転写特性との双方が好適にもたらされ得る。
三次元形状造形物のある好適な態様では、傾斜面を含む表面部分に沿って漸次的に密度変化領域の密度が異なっている。つまり、密度変化領域では表面傾斜の程度に応じた変化が漸次的変化となっている。これは、造形物の表面角度が小さくなるほど又は大きくなるほど密度変化領域の局所部分の密度が段階的に変わっていることを意味している。端的にいえば、三次元形状造形物の傾斜度合が大きくなるほど又は小さくなるほど密度変化領域の局所部分の密度が段階的に異なるようになっていることを意味している。
例えば、図1に示す三次元形状造形物100では、表面角度が相対的に小さくなっていく局所部分150A→150B→150Cに伴って、その部分の密度が漸次高くなっている。また、図2に示す三次元形状造形物100でも同様であり、表面角度が相対的に小さくなっていく局所部分150a→150b→150c→150d→150eに伴って、その部分の密度が漸次高くなっている。このような漸次的な密度変化を有する三次元形状造形物を金型として用いた場合、通気領域全体としてガス抜き効率向上と成形品表面の粗さ低減との双方の好適化をより図り易くなる。
好ましくは、密度変化領域内では、表面角度が小さいほど密度が相対的に高くなっている。かかる場合、表面角度が小さく一般的には成形品表面の粗さが懸念されるような領域であっても、かかる粗さを抑制することができる。あくまでも例示にすぎないが、図1に示す三次元形状造形物100では、密度変化領域150のうち表面角度が相対的に小さい局所部分150Bを、表面角度が相対的に大きい局所部分150Aよりも5〜40%高い密度とし(例えば、5〜30%または5〜20%高い密度とし)、同様に表面角度が相対的に小さい局所部分150Cを、表面角度が相対的に大きい局所部分150Bよりも5〜40%高い密度としてよい(例えば5〜30%または5〜20%高い密度としてよい)。また、図2に示す三次元形状造形物100では、密度変化領域150のうち表面角度が相対的に小さい局所部分150bを、表面角度が相対的に大きい局所部分150aよりも5〜30%高い密度とし(例えば5〜20%または5〜10%高い密度とし)、同様に表面角度が相対的に小さい局所部分150cを、表面角度が相対的に大きい局所部分150bよりも5〜30%高い密度にしてよい(例えば、5〜20%または5〜10%高い密度にしてよい)。さらにいえば、表面角度が相対的に小さい局所部分150dを、表面角度が相対的に大きい局所部分150cよりも5〜30%高い密度とし(例えば、5〜20%または5〜10%高い密度とし)、同様に表面角度が相対的に小さい局所部分150eを、表面角度が相対的に大きい局所部分150dよりも5〜30%高い密度としてよい(例えば、5〜20%または5〜10%高い密度としてよい)。
三次元形状造形物のある好適な態様では、密度変化領域が微細孔構造を有している。かかる三次元形状造形物を金型として用いた場合、微細孔が通気孔となり、ガス抜きに寄与し得る。かかる微細孔構造157は、「空隙が列状を成す列状微細孔158」および/または「空隙がランダムに分布するランダム微細孔159」を有して成ることが好ましい(図4参照)。
図4に示すように、列状微細孔158は、固化層の積層方向に沿って列状に空隙が延在する形態を有していることが好ましい。列状微細孔158が設けられた密度変化領域では、列状に空隙が継ぎ目を減じた状態または継ぎ目が無い状態で連続しているので、ガス抜き時の抵抗がより減じられ、ガス抜き効率の向上を図り易くなる。一方、ランダム微細孔159が設けられた密度変化領域では、図4に示すように、空隙がランダムに分布するので、いずれの方向からもガスを抜くことができ、ガス抜き方向の異方性が減じられる。
溶融原料はランダム微細孔に入り込み難く成形品表面の粗さが防止され易いといった点に鑑みると、表面角度が相対的に小さい局所箇所においてランダム微細孔が設けられた密度変化領域であることが好ましい。これにより、表面角度が小さくて一般的には成形品表面の粗さが懸念される領域であっても、かかる粗さを“ランダム微細孔”でより効果的に抑制できる。図1に示す三次元形状造形物100についていえば、密度変化領域150のうち例えば表面角度が相対的に小さい局所部分150Cにランダム微細孔159が設けられていることが好ましい。同様に、図2に示す三次元形状造形物100では、密度変化領域150のうち例えば表面角度が相対的に小さい局所部分150eおよび/または150dなどにランダム微細孔159が設けられていることが好ましい。かかる場合、密度変化領域150のうち表面角度が相対的に大きい局所部分150Aおよび/または150B(図1の態様)あるいは150a、150bおよび/または150c(図2の態様)に列状微細孔が設けられていてよい。
ある好適な態様では、三次元形状造形物はその内部に中空路を有し、かかる中空路が三次元形状造形物の外部に連通している。三次元形状造形物が金型として用いられる場合、中空路は通気路であってよく、あるいは、温調媒体路であってもよい。例えば、図9に示すように、三次元形状造形物100が少なくとも2つの中空路(160A,160B)を有しており、一方の中空路160Aが通気路を成し、他方の中空路160Bが温調媒体路を成していてよい。通気路としての中空路160Aは、径寸法(より具体的には「ガスの流れ方向に直交する断面寸法」)が例えば0.5〜3mm程度であってよい。一方、温調媒体路としての中空路160Bは、径寸法(より具体的には「温調媒体の流れ方向に直交する断面寸法」)が例えば3〜15mm程度であってよい。
三次元形状造形物100を金型として用い、かつ、中空路160Aを通気路として用いる場合、中空路160Aと微細孔構造157とが互いに流体連通状態にあることが好ましい。微細孔構造157と中空路160Aとを介して好適に“ガス抜き”可能な金型がもたらされるからである。中空路160Aは微細孔と比べて大サイズに設けることができ、ガス抜き時の流体抵抗を減じることができる。よって、溶融原料の充填時に金型キャビティ空間からのガスは、微細孔構造157と連通した中空路160Aを介して金型外部へと効率的に排出できる。
本発明の一態様に係る三次元形状造形物では、通気路となる中空路は密度変化領域の全体に及ぶように延在していてよい。例えば、図5に示すように、中空路160の少なくとも一部が三次元形状造形物100の表面110の輪郭形状に沿うように延在していることが好ましい。かかる場合、密度変化領域の微細孔構造157と中空路160との流体連通状態をより取りやすくなる。また、図5の断面視に示すように、中空路160の少なくとも一部と三次元形状造形物100の表面110との最短離隔距離が実質的に一定となるように、中空路160が延在していてよい。中空路160の延在形態と同様、密度変化領域150も実質的に一定の厚みで三次元形状造形物の表面110に沿って設けられていてもよい(図5参照)。かかる場合、密度変化領域150の内側に高密度領域155を相対的に多く設けることができ、構造強度の点でより好ましい三次元形状造形物100となり得る。なお、三次元形状造形物100の全体の構造強度を上げる観点でいえば、図6に示すように、通気路として用いる中空路160の一部に「ランダム微細孔から成る固化部159’」が設けられていてもよい。
あくまでも1つの例示にすぎないが、三次元形状造形物が、「内面と外面とを有する成形品」を得るための金型となっていてよい。例えば、三次元形状造形物は、図7に示すような筒状成形品200を成形するための金型となっていてよい。かかる成形金型の1つの具体例は、図8に示すような金型300である。筒状成形品200としては、例えば水廻り品(シャワーヘッドおよび吐水口品など)ならびに配管品などを挙げることができる。ある好適な態様では、三次元形状造形物が、特に成形品の内面のための金型となっている。図8に例示する金型300は、筒状成形品200の内面を得るための内面用金型である。そのような内面用金型は、スライドコアであってよい。
三次元形状造形物が、成形品の内面のための金型となっている場合、成形品の内面のためのキャビティ表面部分(特に傾斜面を含む表面部分)に密度変化領域が設けられていることが好ましい。例えば三次元形状造形物が筒状成形品のための金型の場合でいえば、密度変化領域が金型における通気領域となっていることが好ましい。つまり、かかる金型では、射出成形時の“ガス抜き”のために密度変化領域(特に微細孔構造を備えた密度変化領域)が積極的に利用され得る。
図8に示すように、三次元形状造形物は、“内面用金型”となる金型300の先端部分350を成していることが好ましい。そして、かかる金型300の最先端面355の少なくとも一部の領域が密度変化領域となっていてよい。このような金型300では、ウェルドライン発生と成形品の表面粗さとの双方をより効果的に減じることができる。なぜなら、筒状成形品の先端部分(特に内側の先端部分)にウェルドラインが発生し易いところ、かかるウェルドラインを減じるための通気領域をより広範にできるからである。
図8に示すように、内面用金型となる金型300では、「微細孔構造の密度変化領域と流体連通状態にある中空路160A(通気路)」の後方側に「温調媒体路となる中空路160B」が位置付けられていることが好ましい。より具体的には、図8の透過図に示すように、かかる金型300では「温調媒体路として用いられる中空路160B」の最前延在部分が「通気路として用いられる中空路160A」の最前延在部分よりも後方側に位置付けられていることが好ましい。これにより、金型300の先端面から“ガス抜き”を行いつつも、より好適な温調を図ることができる。
本発明の一態様に係る三次元形状造形物のより詳細な事項、更なる具体的な態様などその他の事項は、上述の[本発明の製造方法]で説明しているので、重複を避けるために説明を省略する。
以上、本開示の実施形態について説明してきたが、それは本開示の適用範囲のうちの典型例を示したに過ぎない。従って、本発明は、上記にて説明した実施形態に限定されず、種々の変更がなされ得ることを当業者は容易に理解されよう。
例えば、上記では、三次元形状造形物の表面に沿う方向に三次元形状造形物の密度が変化する態様を説明したが、密度変化の方向は、かかる“表面に沿った方向”に限定されない。図10に示すように、三次元形状造形物100の内側方向に向かって三次元形状造形物100の密度が変化する態様であってもよい。図10に示す態様でいえば、相対的に内側に位置する150A’,150B’、150C’は、相対的に外側(表面側)に位置する150A,150B、150Cよりも密度が低くなっていてよい。好ましくは、表面から内側方向へと向かって密度が漸次小さくなる態様である。このような態様では、通気領域全体としてガス抜き効率向上と成形品表面の粗さ低減との双方の好適化をより図りやすくなる。
さらにいえば、図11に示すように、三次元形状造形物100の表面角度の大きさに関係なく、三次元形状造形物100の外周部分152が、ランダム微細孔の領域または高密度領域(91〜100%の固化密度を有する領域)として設けられていてもよい。このような態様が適宜利用されることで、金型として用いる三次元形状造形物の設計自由度が増すことになる。
また、上記では、“密度変化領域”を有する三次元形状造形物として成形品の内面用金型を製造する態様に言及したが、本発明は必ずしもそれに限定されない。本発明では、成形品の外面用金型に対して“密度変化領域”を設けてもよい。つまり、成形品の外面用金型を本発明にしたがって製造することも考えられる。これは、成形品として2層成形品(2色成形品)を得る場合に特にいえることである。2層成形では、1層目の成形物の外側面が非意匠面になるところ、そのような非意匠面のためのキャビティ表面部分(特に傾斜面を含む表面部分)に密度変化領域を設けた金型を製造してもよい。
本開示の三次元形状造形物の製造方法を実施することによって、種々の物品を製造することができる。例えば、三次元形状造形物が金属材料から成る場合、三次元形状造形物をプラスチック射出成形用金型、プレス金型、ダイカスト金型、鋳造金型、鍛造金型などの金型として用いることができる。一方、三次元形状造形物が樹脂材料から成る場合、三次元形状造形物を樹脂成形品として用いることができる。
関連出願の相互参照
本出願は、日本国特許出願第2017−085437号(出願日:2017年4月24日、発明の名称:「三次元形状造形物の製造方法および三次元形状造形物」)に基づくパリ条約上の優先権を主張する。当該出願に開示された内容は全て、この引用により、本明細書に含まれるものとする。
22 粉末層
24 固化層
L 光ビーム
100 三次元形状造形物
110 傾斜面を含む表面部分における表面
150 密度変化領域
157 微細孔構造
158 列状微細孔
159 ランダム微細孔
160 中空路
θ,θ,θ 表面角度
θ,θ,θ,θ,θe 表面角度

Claims (12)

  1. (i)粉末層の所定箇所に光ビームを照射して該所定箇所の粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する工程、および
    (ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を形成し、該新たな粉末層の所定箇所に光ビームを照射して更なる固化層を形成する工程
    により粉末層形成および固化層形成を交互に繰り返して行う三次元形状造形物の製造方法であって、
    前記三次元形状造形物の密度が局所的に異なる密度変化領域を、該三次元形状造形物の傾斜面を含む表面部分に設け、
    前記密度変化領域では、前記傾斜面を含む前記表面部分における表面が前記固化層の積層方向と成す角度に応じて前記密度を局所的に異ならせており、
    前記三次元形状造形物が金型であって、前記密度変化領域が該金型の通気領域であり、
    前記密度変化領域内では前記角度が小さくなるほど前記密度を相対的に高くする、三次元形状造形物の製造方法。
  2. 前記密度変化領域を微細孔構造とする、請求項に記載の三次元形状造形物の製造方法。
  3. 前記微細孔構造のために、空隙が列状を成す列状微細孔および/または空隙がランダムに分布するランダム微細孔を形成する、請求項に記載の三次元形状造形物の製造方法。
  4. 前記傾斜面を含む前記表面部分では前記角度が相対的に小さい箇所に前記ランダム微細孔を形成する、請求項に記載の三次元形状造形物の製造方法。
  5. 前記三次元形状造形物の外部へと連通する中空路を該三次元形状造形物の内部に設ける、請求項1〜のいずれかに記載の三次元形状造形物の製造方法。
  6. 前記中空路と前記微細孔構造とを互いに流体連通状態で設ける、請求項のいずれかに従属する請求項に記載の三次元形状造形物の製造方法。
  7. 前記中空路の少なくとも一部を前記三次元形状造形物の前記傾斜面に沿うように延在させる、請求項またはに記載の三次元形状造形物の製造方法。
  8. 前記金型として、成形品の内面用金型を製造し、
    前記内面用金型では前記成形品の内面のための前記表面部分に前記密度変化領域を設ける、請求項1〜のいずれかに記載の三次元形状造形物の製造方法。
  9. 積層された固化層から構成され、傾斜面を有する三次元形状造形物であって、
    前記三次元形状造形物の密度が局所的に異なる密度変化領域が前記傾斜面を含む表面部分に設けられており、
    前記密度変化領域では、前記傾斜面を含む前記表面部分における表面が前記固化層の積層方向と成す角度に応じて前記密度が局所的に異なっており、
    前記三次元形状造形物が金型であって、前記密度変化領域が該金型の通気領域であり、
    前記密度変化領域内では前記角度が小さいほど前記密度を相対的に高くなっている、三次元形状造形物。
  10. 前記密度変化領域が微細孔構造を有し、
    前記微細孔構造は、空隙が列状を成す列状微細孔および/または空隙がランダムに分布するランダム微細孔を有して成る、請求項に記載の三次元形状造形物。
  11. 前記三次元形状造形物の内部に中空路を有し、該中空路が該三次元形状造形物の外部に連通しており、
    前記中空路と前記微細孔構造とが互いに流体連通状態となっている、請求項10に記載の三次元形状造形物。
  12. 前記金型が、成形品の内面用金型であって、
    前記内面用金型では、前記成形品の内面のための前記表面部分に前記密度変化領域が設けられている、請求項11のいずれかに記載の三次元形状造形物。
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