(実施例)
図1を参照しながら、温風暖房機の一実施形態に係るガスファンヒータ2について説明する。ガスファンヒータ2は、背面の給気口4を介して室内から空気を取り込み、吸い込んだ空気を燃焼用空気として燃料ガスを燃焼させ、燃料ガスの燃焼によって加熱された空気を前面の吹出口6から室内に送り出すことで、室内を暖房する。ガスファンヒータ2は、いわゆる開放式のガスファンヒータである。
ガスファンヒータ2は、燃料ガスを供給するガス供給管8と、ガス供給管8からの燃料ガスを燃焼させるバーナ10と、給気口4から室内の空気を取り込み、加熱された空気を吹出口6から室内に送り出す送風ファン12と、ガスファンヒータ2の運転を制御する制御部14と、ユーザがガスファンヒータ2の運転を操作する操作部16と、これらを収容する筐体18を備えている。
給気口4は筐体18の背面の上方側に形成されており、吹出口6は筐体18の前面の下方側に形成されている。筐体18の内部には、給気口4から流入した空気の一部をバーナ10に燃焼用空気として供給し、残りをバーナ10の燃焼排ガスと混合させた状態で吹出口6に導く内部空気通路20が形成されている。送風ファン12は、内部空気通路20内でバーナ10よりも下流側(バーナ10と吹出口6の間)に配置されている。なお、給気口4には、塵埃等の侵入を抑制するエアフィルタ22が設けられている。
内部空気通路20内の、送風ファン12と吹出口6の間には、電気ヒータ24が設けられている。電気ヒータ24は、通電によって発熱し、内部空気通路20を通過する空気を加熱する。電気ヒータ24は、複数の発熱部位を備えており、それぞれの発熱部位ごとに通電のオン/オフを切り換え可能である。電気ヒータ24は、通電する発熱部位の個数を切り換えることで、加熱能力を切り換えることができる。
ガス供給管8には、ガス供給管8を開閉する電磁式の開閉弁26と、ガス供給管8の開度を調整するモータ駆動式の流量調整弁27が設けられている。ガス供給管8には、ガスファンヒータ2の外部から都市ガス(例えば13Aなどの、メタンガス(CH4)を主成分とするガス)などの燃料ガスが供給される。バーナ10には、その炎口の上方にイグナイタ28が設けられている。バーナ10は、燃焼させる燃料ガスの流量を調整することで、加熱能力を調整可能である。
筐体18の背面には、室内温度センサ30が設けられている。室内温度センサ30は給気口4から筐体18内に吸い込まれる室内の空気の温度を検出する。室内温度センサ30としては、熱電対やサーミスタなどの各種形式のものを用いることができる。
内部空気通路20には、過熱防止温度センサ32が設けられている。過熱防止温度センサ32は、筐体18の内部の温度を検出する。過熱防止温度センサ32としては、熱電対やサーミスタなどの各種の形式のものを用いることができる。
図2に示すように、操作部16は、ユーザがガスファンヒータ2の運転開始および運転停止を指示する運転スイッチ34、ガスファンヒータ2の運転モードを選択するモード選択部36、暖房目標温度を設定する温度設定部38、運転モード、暖房目標温度、室内温度等の各種情報を表示する表示部40、ユーザに異常の発生を報知する異常報知ブザー41などを備えている。ガスファンヒータ2の運転モードは、バーナ単独モード、電気ヒータ単独モード、およびバーナ電気ヒータ併用モードのうちから選択される。バーナ単独モードでは、ガスファンヒータ2は、バーナ10による空気の加熱を行い、電気ヒータ24による空気の加熱を行わない。電気ヒータ単独モードでは、ガスファンヒータ2は、電気ヒータ24による空気の加熱を行い、バーナ10による空気の加熱を行わない。バーナ電気ヒータ併用モードでは、ガスファンヒータ2は、まずバーナ10による空気の加熱を所定時間(例えば1時間)行った後、バーナ10による空気の加熱を終了して、その後は電気ヒータ24による空気の加熱を行なう。
制御部14は、送風ファン12、電気ヒータ24、開閉弁26、流量調整弁27、イグナイタ28などの動作を制御する。制御部14は、各種のプログラムやデータを記憶しておくためのメモリ42と、計時用のタイマ44を備えている。
制御部14は、バーナ10による空気の加熱を行なう際に、バーナ10の加熱能力を多段階に調整可能である。本実施例では、バーナ10の加熱能力を、強と弱の二段階で調整可能である場合を例として説明する。制御部14は、バーナ10の加熱能力に応じて、流量調整弁27の開度を調整してバーナ10への燃料ガスの供給量を調整するとともに、送風ファン12の回転数を調整して空気の送風量を調整する。
制御部14は、電気ヒータ24による空気の加熱を行なう際に、電気ヒータ24の加熱能力を多段階に調整可能である。本実施例では、電気ヒータ24の加熱能力を、強と弱の二段階で調整可能である場合を例として説明する。制御部14は、電気ヒータ24の加熱能力に応じて、電気ヒータ24へ供給する電力を調整するとともに、送風ファン12の回転数を調整して空気の送風量を調整する。
制御部14は、電気ヒータ24による空気の加熱を行なう際に、過熱防止温度センサ32で検出される温度が、所定の上限温度(例えば60℃)を超えると、異常停止処理を行なう。制御部14は、異常停止処理において、電気ヒータ24による加熱を停止し、異常報知ブザー41によってユーザに異常の発生を報知するとともに、表示部40に過熱防止温度センサ32で異常な高温が検出された旨を表示する。これによって、電気ヒータ24による加熱を行っている際に、筐体18の内部の電気ヒータ24の近傍の部材が異常な高温に曝されて損傷してしまうことを抑制することができる。
以下では、図3−図7のフローチャートを参照しながら、ガスファンヒータ2の動作について説明する。ガスファンヒータ2の運転開始が指示されると、制御部14は、図3−図7の処理を実行する。
図3のステップS2では、制御部14は、ガスファンヒータ2の運転モードが、電気ヒータ単独モードであるか否かを判断する。ガスファンヒータ2の運転モードが、バーナ単独モード、またはバーナ電気ヒータ併用モードである場合(ステップS2でNOの場合)、処理はステップS4へ進む。
ステップS4では、制御部14は、過熱防止温度センサ32の検出温度が第1所定温度(例えば40℃)を超えているか否かを判断する。過熱防止温度センサ32の検出温度が第1所定温度を超えている場合(YESの場合)、バーナ10のオーバーヒート防止動作が必要と判断し、処理はステップS6へ進む。過熱防止温度センサ32の検出温度が第1所定温度を超えない場合(NOの場合)、処理はステップS10へ進む。
ステップS6では、制御部14は、送風ファン12を第1回転数(例えば600rpm)で駆動する。第1回転数は、バーナ10のオーバーヒート防止動作で必要とされる送風量を実現するための送風ファン12の回転数である。
ステップS8では、制御部14は、ステップS6で送風ファン12を第1回転数で駆動してから、第1所定時間(例えば20秒)が経過するまで待機する。第1所定時間は、バーナ10のオーバーヒート防止動作に必要とされる時間である。第1所定時間が経過すると(YESとなると)、処理はステップS10へ進む。
ステップS10では、制御部14は、送風ファン12を第2回転数(例えば200rpm)で駆動する。第2回転数は、バーナ10の点火時に必要とされる送風量を実現するための送風ファン12の回転数である。
ステップS12では、制御部14は、開閉弁26を開き、流量調整弁27の開度を調整するとともに、イグナイタ28で着火することで、バーナ10を点火する。ステップS12の後、処理は図4のステップS14に進む。
図4のステップS14では、制御部14は、運転終了操作がされたか否かを判断する。運転終了操作がされていない場合(NOの場合)、処理はステップS16へ進む。
ステップS16では、制御部14は、ステップS12でバーナ10を点火してからの経過時間が、第2所定時間(例えば1時間)に達したか否かを判断する。第2所定時間は、バーナ10による加熱を連続的に実行可能な時間である。バーナ10を点火してからの経過時間が第2所定時間に達していない場合(NOの場合)、処理はステップS18へ進む。
ステップS18では、制御部14は、室内温度センサ30で検出される温度が、暖房設定温度を超えているか否かを判断する。室内温度センサ30で検出される温度が暖房設定温度を超えない場合(NOの場合)、処理はステップS20へ進む。
ステップS20では、制御部14は、流量調整弁27の開度を調整して、バーナ10の加熱能力を強にする。
ステップS22では、制御部14は、送風ファン12の回転数を第3回転数(例えば900rpm)にする。第3回転数は、バーナ10の加熱能力を強としてバーナ10による空気の加熱を行なう際に送風ファン12で必要とされる送風量を実現する回転数である。
ステップS24では、制御部14は、バーナ10の消火後に行なう強制ファン動作の時間(強制ファン時間)を、第3所定時間(例えば155秒)に設定する。第3所定時間は、バーナ10の消火時の加熱能力が強であり、バーナ10の消火後に電気ヒータ24での加熱を行わない場合の、強制ファン動作に必要な時間である。ステップS24の後、処理はステップS14へ戻る。
ステップS18で、室内温度センサ30で検出される温度が暖房設定温度を超える場合(YESの場合)、処理はステップS26へ進む。
ステップS26では、制御部14は、流量調整弁27の開度を調整して、バーナ10の加熱能力を弱にする。
ステップS28では、制御部14は、送風ファン12の回転数を第4回転数(例えば500rpm)にする。第4回転数は、バーナ10の加熱能力を弱としてバーナ10による空気の加熱を行なう際に送風ファン12で必要とされる送風量を実現する回転数である。第4回転数は第3回転数よりも小さい回転数である。
ステップS30では、制御部14は、現在設定されている強制ファン時間が第4所定時間(例えば95秒)を超えているか否かを判断する。第4所定時間は、バーナ10の消火前にある程度の時間にわたってバーナ10の加熱能力が弱であり、バーナ10の消火後に電気ヒータ24での加熱を行わない場合の、強制ファン動作に必要な時間である。強制ファン時間が第4所定時間を超えない場合(NOの場合)、処理はステップS32へ進む。ステップS32では、制御部14は、強制ファン時間を第4所定時間に設定する。ステップS32の後、処理はステップS14へ戻る。
ステップS30で強制ファン時間が第4所定時間を超えている場合(YESの場合)、処理はステップS34へ進む。ステップS34では、制御部14は、バーナ10の加熱能力を弱としてから単位時間(例えば1秒)が経過するごとに、強制ファン時間を単位時間ずつ減算する。ステップS34の後、処理はステップS14へ戻る。
ステップS14で運転終了操作がされた場合(YESの場合)、またはステップS16でバーナ10を点火してからの経過時間が第2所定時間に達した場合(YESの場合)、処理はステップS36へ進む。
ステップS36では、制御部14は、開閉弁26と流量調整弁27を閉じて、バーナ10を消火する。
ステップS38では、制御部14は、ガスファンヒータ2の運転モードがバーナ電気ヒータ併用モードであり、かつ運転停止操作がされていない場合であるか否かを判断する。ガスファンヒータ2の運転モードがバーナ単独モードである、あるいは運転停止操作がされている場合(NOの場合)、処理はステップS40へ進む。
ステップS40では、制御部14は、送風ファン12を第5回転数(例えば600rpm)で駆動する。第5回転数は、バーナ10の消火の直後の強制ファン動作において必要とされる送風ファン12の送風量を実現する回転数である。
ステップS42では、制御部14は、運転開始操作がされたか否かを判断する。運転開始操作がされてない場合(NOの場合)、処理はステップS44へ進む。
ステップS44では、制御部14は、ステップS36でバーナ10を消火してからの経過時間が強制ファン時間に達したか否かを判断する。バーナ10を消火してからの経過時間が強制ファン時間に達していない場合、処理はステップS42へ戻る。バーナ10を消火してからの経過時間が強制ファン時間に達した場合(YESの場合)、処理はステップS46へ進む。
ステップS46では、制御部14は、送風ファン12を停止する。ステップS46の後、制御部14は、ガスファンヒータ2の運転を終了する。
ステップS42で、運転開始操作がされた場合(YESの場合)、処理はステップS48へ進む。
ステップS48では、制御部14は、設定されている強制ファン時間から、ステップS36でバーナ10を消火してからの経過時間を減算した残り時間を、改めて強制ファン時間に設定する。ステップS48の後、処理は図3のステップS2へ戻る。
図3のステップS2で、ガスファンヒータ2の運転モードが、電気ヒータ単独モードである場合(YESの場合)、処理はステップS50へ進む。
ステップS50では、制御部14は、強制ファン時間がすでに設定されているか否かを判断する。ステップS50で強制ファン時間が設定されている場合(YESの場合)、処理は図5のステップS54へ進む。ステップS50で強制ファン時間が設定されていない場合(NOの場合)、処理はステップS52へ進む。ステップS52では、制御部14は、強制ファン時間を第3所定時間に設定する。ステップS52の後、処理は図5のステップS54へ進む。
図4のステップS38で、ガスファンヒータ2の運転モードがバーナ電気ヒータ併用モードであり、かつ運転停止操作がされていない場合(YESの場合)、処理は図5のステップS54へ進む。
図5のステップS54では、制御部14は、電気ヒータ24による加熱を開始する。この際に、制御部14は、電気ヒータ24の加熱能力を、予め設定された加熱能力に調整する。
ステップS56では、制御部14は、過熱防止温度センサ32の検出温度が第2所定温度(例えば50℃)を超えているか否かを判断する。過熱防止温度センサ32の検出温度が第2所定温度を超えている場合(YESの場合)、処理はステップS58へ進む。
ステップS58では、制御部14は、送風ファン12を第5回転数で駆動する。
ステップS60では、制御部14は、電気ヒータ24の加熱能力が強であるか否かを判断する。電気ヒータ24の加熱能力が強である場合(YESの場合)、処理はステップS62へ進む。
ステップS62では、制御部14は、設定されている強制ファン時間から、第5所定時間(例えば40秒)を減算する。第5所定時間は、電気ヒータ24の加熱能力が強である場合に、強制ファン時間を短縮すべき時間である。ステップS62の後、処理はステップS72へ進む。
ステップS60で、電気ヒータ24の加熱能力が弱である場合(NOの場合)、処理はステップS64へ進む。
ステップS64では、制御部14は、設定されている強制ファン時間から、第6所定時間(例えば50秒)を減算する。第6所定時間は、電気ヒータ24の加熱能力が弱である場合に、強制ファン時間を短縮すべき時間である。第6所定時間は第5所定時間よりも大きく、従って電気ヒータ24の加熱能力が弱である場合は、電気ヒータ24の加熱能力が強である場合に比べて、強制ファン時間の短縮幅は大きい。ステップS64の後、処理はステップS72へ進む。
ステップS56で、過熱防止温度センサ32の検出温度が第2所定温度を超えない場合(NOの場合)、処理はステップS66へ進む。
ステップS66では、制御部14は、過熱防止温度センサ32の検出温度が第3所定温度(例えば40℃)を超えているか否かを判断する。第3所定温度は第2所定温度よりも低い温度である。過熱防止温度センサ32の検出温度が第3所定温度を超えている場合(YESの場合)、処理はステップS68へ進む。
ステップS68では、制御部14は、送風ファン12を第6回転数(例えば400rpm)で駆動する。第6回転数は、第5回転数よりも低い回転数である。
ステップS70では、制御部14は、強制ファン時間を第7所定時間(例えば60秒)に設定する。第7所定時間は、第3所定時間や第4所定時間よりも短い時間である。ステップS70の後、処理はステップS72へ進む。
ステップS72では、制御部14は、ステップS54で電気ヒータ24での加熱を開始してからの経過時間が強制ファン時間に達するまで待機する。電気ヒータ24での加熱を開始してからの経過時間が強制ファン時間に達すると(YESとなると)、処理は図6のステップS74へ進む。
図6のステップS74では、制御部14は、電気ヒータ24の加熱能力が強であるか否かを判断する。電気ヒータ24の加熱能力が強である場合(YESの場合)、処理はステップS76へ進む。
ステップS76では、制御部14は、送風ファン12を第7回転数(例えば500rpm)で駆動する。第7回転数は、電気ヒータ24の加熱能力を強として電気ヒータ24による空気の加熱を行なう際に送風ファン12で必要とされる送風量を実現する回転数である。第7回転数は、電気ヒータ24の加熱能力が強である場合に、送風ファン12が通常行なう通常ファン動作での回転数といえる。第7回転数は、第5回転数よりも低い回転数である。ステップS76の後、処理はステップS80へ進む。
ステップS74で、電気ヒータ24の加熱能力が弱である場合(NOの場合)、処理はステップS78へ進む。
ステップS78では、制御部14は、送風ファン12を第8回転数(例えば400rpm)で駆動する。第8回転数は、電気ヒータ24の加熱能力を弱として電気ヒータ24による空気の加熱を行なう際に送風ファン12で必要とされる送風量を実現する回転数である。第8回転数は、電気ヒータ24の加熱能力が弱である場合に、送風ファン12が通常行なう通常ファン動作での回転数といえる。第8回転数は、第5回転数よりも低い回転数であり、第7回転数よりも低い回転数である。ステップS78の後、処理はステップS80へ進む。
ステップS80では、制御部14は、運転停止条件が満たされるまで待機する。運転停止条件が満たされると(YESとなると)、処理はステップS82へ進む。
ステップS82では、制御部14は、電気ヒータ24への通電を停止して、電気ヒータ24による加熱を終了する。
ステップS84では、制御部14は、送風ファン12を停止する。ステップS86の後、制御部14は、ガスファンヒータ2の運転を終了する。
図5のステップS66で、過熱防止温度センサ32の検出温度が第3所定温度を超えない場合(NOの場合)、処理は図7のステップS86へ進む。
図7のステップS86では、制御部14は、送風ファン12を第9回転数(例えば300rpm)で駆動する。第9回転数は、第7回転数や第8回転数よりも小さい回転数である。
ステップS88では、制御部14は、図5のステップS54で電気ヒータ24での加熱を開始してからの経過時間が、第8所定時間(例えば60秒)に達するまで待機する。電気ヒータ24による加熱を開始してからの経過時間が第8所定時間に達すると(YESとなると)、処理はステップS90へ進む。
ステップS90では、制御部14は、電気ヒータ24の加熱能力が強であるか否かを判断する。電気ヒータ24の加熱能力が強である場合(YESの場合)、処理はステップS92へ進む。
ステップS92では、制御部14は、送風ファン12を第7回転数で駆動する。ステップS92の後、処理はステップS96へ進む。
ステップS90で、電気ヒータ24の加熱能力が弱である場合(NOの場合)、処理はステップS94へ進む。
ステップS94では、制御部14は、送風ファン12を第8回転数で駆動する。ステップS94の後、処理はステップS96へ進む。
ステップS96では、制御部14は、運転停止条件が満たされるまで待機する。運転停止条件が満たされると(YESとなると)、処理はステップS98へ進む。
ステップS98では、制御部14は、電気ヒータ24への通電を停止して、電気ヒータ24による加熱を終了する。
ステップS100では、制御部14は、送風ファン12を停止する。ステップS100の後、制御部14は、ガスファンヒータ2の運転を終了する。
図8−図10は、ガスファンヒータ2の運転モードがバーナ電気ヒータ併用モードであって、バーナ10を消火した後に、直ちに電気ヒータ24での加熱が開始される場合の、送風ファン12の回転数の経時的変化を示している。
図8は、バーナ10を消火する時点でのバーナ10の加熱能力が強であり、電気ヒータ24の加熱能力が強である場合の、送風ファン12の回転数の経時的変化を示している。バーナ10を消火する時点でのバーナ10の加熱能力が強である場合、電気ヒータ24での加熱を開始する時点で、過熱防止温度センサ32はバーナ10での加熱によって高温となっている。この場合、過熱防止温度センサ32を正常に動作させるためには、高い送風量で送風ファン12の強制ファン動作を行い、過熱防止温度センサ32を冷却する必要がある。この場合、本実施例のガスファンヒータ2では、図5のステップS56、S58、S60、S62、S72の処理によって、電気ヒータ24の加熱を開始してから、強制ファン時間が経過するまでの間、電気ヒータ24の加熱能力を強とした時の通常ファン動作における送風ファン12の回転数(第7回転数)よりも高い回転数(第5回転数)で、送風ファン12を動作させる。これによって、過熱防止温度センサ32を正常に動作させることができる。なお、この場合の強制ファン時間(第3所定時間から第5所定時間を減算した時間)は、バーナ10を消火した後に電気ヒータ24での加熱を行わない場合の強制ファン時間(第3所定時間)よりも短く設定されている。これによって、ユーザに冷風感を与えることを抑制することができる。
図9は、バーナ10を消火する時点でのバーナ10の加熱能力が強であり、電気ヒータ24の加熱能力が弱である場合の、送風ファン12の回転数の経時的変化を示している。この場合も、図8の場合と同様に、電気ヒータ24での加熱を開始する時点で、過熱防止温度センサ32はバーナ10での加熱によって高温となっている。この場合、本実施例のガスファンヒータ2では、図5のステップS56、S58、S60、S64、S72の処理によって、電気ヒータ24の加熱を開始してから、強制ファン時間が経過するまでの間、電気ヒータ24の加熱能力を弱とした時の通常ファン動作における送風ファン12の回転数(第8回転数)よりも高い回転数(第5回転数)で、送風ファン12を動作させる。これによって、過熱防止温度センサ32を正常に動作させることができる。なお、この場合の強制ファン時間(第3所定時間から第6所定時間を減算した時間)は、バーナ10を消火した後に電気ヒータ24での加熱を行わない場合の強制ファン時間(第3所定時間)よりも短く設定されている。これによって、ユーザに冷風感を与えることを抑制することができる。また、電気ヒータ24の加熱能力が弱の場合には、電気ヒータ24の加熱能力が強の場合に比べて、強制ファン動作時にユーザに冷風感を与えるおそれが大きい。このため、図9の場合の強制ファン時間(第3所定時間から第6所定時間を減算した時間)は、図8の場合の強制ファン時間(第3所定時間から第5所定時間を減算した時間)よりもさらに短く設定されている。これによって、ユーザに冷風感を与えることを抑制することができる。
図10は、バーナ10を消火する時点でバーナ10の加熱能力が強から弱に切り換わってから十分に時間が経っており、電気ヒータ24の加熱能力が強である場合の、送風ファン12の回転数の経時的変化を示している。この場合は、電気ヒータ24での加熱を開始する時点で、過熱防止温度センサ32はそれほど高温となっていないので、高い送風量で送風ファン12を駆動して過熱防止温度センサ32を冷却する必要はない。むしろ、電気ヒータ24の温度が上昇するまでの間は、送風ファン12を高い回転数で駆動すると、ユーザに冷風感を与えるおそれがある。この場合、本実施例のガスファンヒータ2では、図5のステップS56、S66、S68、S70、S72の処理によって、電気ヒータ24の加熱を開始してから、強制ファン時間が経過するまでの間、電気ヒータ24の加熱能力を強とした時の通常ファン動作における送風ファン12の回転数(第7回転数)よりも低い回転数(第6回転数)で、送風ファン12を動作させる。これによって、ユーザに冷風感を与えることを抑制することができる。
図11−図14は、当初のガスファンヒータ2の運転モードがバーナ単独モードであって、バーナ10を消火した後に、ガスファンヒータ2の運転モードをヒータ単独モードに切り換えて、再び運転が開始された場合の、送風ファン12の回転数の経時的変化を示している。
図11は、バーナ10を消火する時点でのバーナ10の加熱能力が強であり、バーナ10の消火から電気ヒータ24による加熱の開始までにそれほど時間が経過しておらず、電気ヒータ24の加熱能力が強である場合の、送風ファン12の回転数の経時的変化を示している。この場合、過熱防止温度センサ32はバーナ10での加熱によって高温となっており、電気ヒータ24での加熱を開始するまでに、まだ十分に冷却がなされていない。この場合、本実施例のガスファンヒータ2では、図5のステップS56、S58、S60、S62、S72の処理によって、電気ヒータ24での加熱を開始してから、強制ファン時間が経過するまでの間、電気ヒータ24の加熱能力を強とした時の通常ファン動作における送風ファン12の回転数(第7回転数)よりも高い回転数(第5回転数)で、送風ファン12を動作させる。これによって、過熱防止温度センサ32を正常に動作させることができる。なお、この場合のバーナ10を消火した後の強制ファン時間、すなわち電気ヒータ24の加熱を開始する前の強制ファン時間と、電気ヒータ24の加熱を開始した後の強制ファン時間の合計(第3所定時間から第5所定時間を減算した時間)は、バーナ10を消火した後に電気ヒータ24での加熱を行わない場合の強制ファン時間(第3所定時間)よりも短く設定されている。これによって、ユーザに冷風感を与えることを抑制することができる。
図12は、バーナ10を消火する時点でのバーナ10の加熱能力が強であり、バーナ10の消火から電気ヒータ24による加熱の開始までにそれほど時間が経過しておらず、電気ヒータ24の加熱能力が弱である場合の、送風ファン12の回転数の経時的変化を示している。この場合も、図11の場合と同様に、過熱防止温度センサ32はバーナ10での加熱によって高温となっており、電気ヒータ24での加熱を開始するまでに、まだ十分に冷却がなされていない。この場合、本実施例のガスファンヒータ2では、図5のステップS56、S58、S60、S64、S72の処理によって、電気ヒータ24の加熱を開始してから、強制ファン時間が経過するまでの間、電気ヒータ24の加熱能力を弱とした時の通常ファン動作における送風ファン12の回転数(第8回転数)よりも高い回転数(第5回転数)で、送風ファン12を動作させる。これによって、過熱防止温度センサ32を正常に動作させることができる。なお、この場合のバーナ10を消火した後の強制ファン時間(第3所定時間から第6所定時間を減算した時間)は、バーナ10を消火した後に電気ヒータ24での加熱を行わない場合の強制ファン時間(第3所定時間)よりも短く設定されている。これによって、ユーザに冷風感を与えることを抑制することができる。また、電気ヒータ24の加熱能力が弱の場合には、電気ヒータ24の加熱能力が強の場合に比べて、強制ファン動作時にユーザに冷風感を与えるおそれが大きい。このため、図12の場合のバーナ10を消火した後の強制ファン時間(第3所定時間から第6所定時間を減算した時間)は、図11の場合のバーナ10を消火した後の強制ファン時間(第3所定時間から第5所定時間を減算した時間)よりもさらに短く設定されている。これによって、ユーザに冷風感を与えることを抑制することができる。
図13は、バーナ10を消火する時点でのバーナ10の加熱能力が強であり、バーナ10の消火から電気ヒータ24による加熱の開始までにある程度の時間が経過しており、電気ヒータ24の加熱能力が強である場合の、送風ファン12の回転数の経時的変化を示している。この場合は、電気ヒータ24での加熱を開始する時点で、過熱防止温度センサ32はそれほど高温となっていないので、高い送風量で送風ファン12を駆動して過熱防止温度センサ32を冷却する必要はない。むしろ、電気ヒータ24の温度が上昇するまでの間は、送風ファン12を高い回転数で駆動すると、ユーザに冷風感を与えるおそれがある。この場合、本実施例のガスファンヒータ2では、図5のステップS56、S66、S68、S70、S72の処理によって、電気ヒータ24の加熱を開始してから、強制ファン時間が経過するまでの間、電気ヒータ24の加熱能力を強とした時の通常ファン動作における送風ファン12の回転数(第7回転数)よりも低い回転数(第6回転数)で、送風ファン12を動作させる。これによって、ユーザに冷風感を与えることを抑制することができる。
図14は、バーナ10を消火する時点でのバーナ10の加熱能力が強であり、バーナ10の消火から電気ヒータ24による加熱の開始までに長時間が経過しており、電気ヒータ24の加熱能力が強である場合の、送風ファン12の回転数の経時的変化を示している。この場合は、電気ヒータ24での加熱を開始する時点で、過熱防止温度センサ32は十分に冷却されており、高い送風量で送風ファン12を駆動して過熱防止温度センサ32を冷却する必要はない。むしろ、電気ヒータ24の温度が上昇するまでの間は、送風ファン12を高い回転数で駆動すると、ユーザに冷風感を与えるおそれがある。この場合、本実施例のガスファンヒータ2では、図5のステップS56、S66、図7のステップS86、S88の処理によって、電気ヒータ24の加熱を開始してから、強制ファン時間が経過するまでの間、電気ヒータ24の加熱能力を強とした時の通常ファン動作における送風ファン12の回転数(第7回転数)よりも低い回転数(第9回転数)で、送風ファン12を動作させる。これによって、ユーザに冷風感を与えることを抑制することができる。また、図14の場合の強制ファン動作における送風ファン12の回転数(第9回転数)は、図13の場合の強制ファン動作における送風ファン12の回転数(第6回転数)よりもさらに低く設定されている。これによって、ユーザに冷風感を与えることを抑制することができる。
上記の実施例では、図5のステップS56、S66に示すように、制御部14が、過熱防止温度センサ32の検出温度に応じて、送風ファン12に強制ファン動作を実行させる場合について説明した。上記の代わりに、制御部14は、電気ヒータ24による加熱を開始する前のバーナ10による加熱態様と、電気ヒータ24による加熱を開始するタイミングに応じて、送風ファン12に強制ファン動作を実行させる構成としてもよい。例えば、図5のステップS56を、バーナ10が加熱能力を強とした状態で消火した時点、あるいはバーナ10の加熱能力が強から弱に切り換わった時点から電気ヒータ24の加熱を開始する時点までの経過時間が所定時間(例えば100秒)以内である場合に、ステップS56へ進み、それ以外の場合にステップS66へ進むような処理としてもよい。同様に、ステップS66を、バーナ10が加熱能力を強とした状態で消火した時点、あるいはバーナ10の加熱能力が強から弱に切り換わった時点から電気ヒータ24の加熱を開始する時点までの経過時間が第3所定時間を超えており、かつバーナ10が消火した時点から電気ヒータ24の加熱を開始する時点までの経過時間が第4所定時間を超えている場合に、図7のステップS86へ進み、それ以外の場合にステップS68へ進むような処理としてもよい。
上記の実施例では、温風暖房機の一実施形態としてガスファンヒータ2を例示して説明したが、本明細書が開示する温風暖房機はこれに限られるものではなく、例えば、石油ファンヒータ、ガスストーブ、石油ストーブなどであってもよい。
上記の実施例では、温風暖房機が、給気口を介して室内から取り込んだ空気を、バーナの燃焼用空気として利用し、バーナからの燃焼排ガスを、吹出口を介して室内に送り出す、いわゆる開放式の温風暖房機である場合について説明したが、本明細書が開示する温風暖房機はこれに限られるものではない。本明細書が開示する温風暖房機は、例えば、給気口を介して室内から取り込んだ空気を、バーナの燃焼用空気として利用し、バーナからの燃焼排ガスを、室外に排出する、いわゆる半密閉式の温風暖房機であってもよいし、室外から取り込んだ空気を、バーナの燃焼用空気として利用し、バーナからの燃焼排ガスを、室外に排出する、いわゆる密閉式の温風暖房機であってもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。