JP6807245B2 - 収納箱、および、巻回体入り収納箱 - Google Patents

収納箱、および、巻回体入り収納箱 Download PDF

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Description

本発明は、フラップと脇板との接合を備える収納箱、および、巻回体入り収納箱に関する。
食品などの包装に用いられるラップフィルムは、ロール状に巻かれた巻回体として収納箱に収納される。収納箱の一例は、例えば直方体形状を有し、底壁、底壁と直交する前後一対の側壁、および、左右一対の端壁を備える。各端壁は、底壁の左右両端で折り曲げられた脇板、および、前後一対の側壁の各々における左右両端で折り曲げられたフラップから構成される。前後一対のフラップの各々の表面は、接着剤によって脇板の裏面に接合されている。
この類の収納箱で巻回体の全てが使用されたとき、通常、収納箱は解体されて古紙として回収される。この際、収納箱を解体する作業では、前後一対のフラップから脇板を引き離すことが行われる。上述した収納箱では、この引き離しの作業を容易にするための構成が提案されている。例えば、前後一対のフラップは、接着剤が位置する領域をミシン目線によって区画する。そして、脇板を引き離す作業では、このミシン目線を起点とした紙層間での剥離を前後一対のフラップで誘起させる(例えば、特許文献1を参照)。
国際公開WO2011/065405号公報
ところで、上述した脇板を引き離す作業では、引き離しの開始時から引き離しの終了時までの間である作業期間において、引き離しに要している負荷の大きさが変わる。詳述すると、引き離しに要している負荷は、引き離しの開始時から上昇して、紙層間での剥離中の範囲が広範囲となるときに最大となる。そして、上述したミシン目線を備える構成であれば、この紙層間での剥離が可能であるため、作業期間における負荷の最大値が抑えられる。
一方、上述したミシン目線は、各フラップを貫通する複数の線分によって構成される。フラップを貫通する各線分は、紙層間での剥離を誘起させる起点である一方で、紙層間での剥離中の範囲がまだ狭いときには、フラップから脇板を引き離すことにほぼ負荷を要しない部分でもある。そのため、上述したミシン目線を備える構成は、作業期間における負荷の最大値を抑えることが可能である一方で、引き離しの開始時における負荷までも抑えてしまう構成でもある。結果として、フラップと脇板との接合強度が低いことに起因して、利用者が意図しない剥離が起こることがあった。
本発明は、上述の課題に鑑み、引き離しの作業時までは、接着強度が維持されて意図しない剥離が起こることを抑制することを可能とした収納箱、および、巻回体入り収納箱を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための収納箱は、底壁と、前記底壁の前後に連接された一対の側壁と、前記底壁の左右に位置する一対の端壁とを備える収納箱であって、前記側壁の左右両端に連接された一対のフラップと、前記底壁の左右両端に連接された一対の脇板と、を備える。前記各端壁は、前記一対の側壁の左右両端のうちの同じ一方から延びる2つのフラップと前記脇板との接着剤による接合によって構成され、前記2つのフラップのうちの少なくとも1つは、前記接着剤が位置する部分を含む接着領域と、前記接着剤との接着力が前記接着領域よりも低い非接着領域とを備える。前記接着領域と前記非接着領域との境界のうち、少なくとも前記脇板の頂辺に沿って延びる境界線は、前記接着領域から前記非接着領域に向けて突き出る屈曲形状を有した複数の境界要素を前記境界線の延在方向に繰り返す形状を有する。
上記構成によれば、接着領域から非接着領域に向けて突き出る境界要素が、境界線の延在方向に繰り返される。そのため、脇板をフラップから引き離す時に、引き離すための力が各境界要素に幅広く分散するため、境界線の剥離には大きな力が必要になる。次いで、各境界要素での引き離しを経つつ、紙層間での剥離が開始される。結果として、引き離しの作業時までは接着強度が維持され、意図しない剥離が起こることを抑制することが可能となる。
上記収納箱において、前記境界線は、波形状、正弦波形状、矩形波形状、三角波形状、および、のこぎり波形状のいずれか1つを備えてもよい。
上記構成によれば、境界要素により、引き離し初期の段階での剥離強度を高くすることができる。そのため、引き離し作業の初期段階では接着強度が維持され、意図しない剥離が起こることを抑制することができる。
上記収納箱において、前記境界要素が区画する前記接着領域における突き出る方向の中心を基準としたときに、前記境界要素が区画する前記接着領域の前記非接着領域側の面積は、前記境界要素が区画する前記接着領域側の面積よりも小さく、前記接着剤は、少なくとも一つの前記境界要素、および、該境界要素に接する前記接着領域と前記非接着領域との両方に位置してもよい。
上記構成によれば、剥離開始側での接着領域の面積が小さいので、接着面積を少なくすることができる。その結果、接着剤と非接着領域間での剥離が促進され、引き離し後に脇板側に接着剤が残る状態を安定して再現することができる。さらに、境界要素を多く含むため剥離強度が向上し、引き離しの作業時までは接着強度が維持され、意図しない剥離が起こることを抑制することが可能となる。
上記収納箱において、前記接着剤の位置は、前記各境界要素における前記突き出る方向の中心よりも前記非接着領域側を含んでもよい。
上記構成によれば、各境界要素における突き出る方向の中心よりも境界要素の先端側に、接着剤が位置する。そのため、各接着剤が塗布された境界要素によって引き離しに要する負荷を高めることができ、使用中の意図しない剥離を抑制することができる。
上記収納箱において、前記境界要素における前記突き出る方向の長さの平均値は1.5mm以上であり、かつ、前記境界線の延在方向において前記境界要素の有する幅の平均値について、前記突き出る方向の長さの平均値に対する前記幅の平均値の比が1以下であってもよい。
上記構成によれば、各境界要素での引き離しに要する負荷の大きさを、境界要素の寸法によって、その至適な範囲とすることが可能ともなる。
上記収納箱において、前記接着領域を区画する前記境界線以外の画定線が、ハーフカット線であってもよい。
上記構成によれば、脇板をフラップから引き離すことが必要とされない領域にまで、紙層間での剥離が広がること、ひいては、脇板をフラップから引き離すことに要する負荷がこの広がりによって高まることを抑えることが可能となる。
上記収納箱において、前記脇板の前記底壁寄りに位置する前記接着領域と前記非接着領域との画定線がハーフカット線であってもよい。
上記構成によれば、底壁と対向する側から開始された接着領域における紙層間での剥離は、底壁寄りに位置するハーフカット線で分断される。それゆえに、紙層間での剥離が底壁寄りの非接着領域にまで広がること、ひいては、脇板をフラップから引き離すことに要する負荷がこの広がりによって高まることを抑えることが可能となる。
上記課題を解決するための巻回体入り収納箱は、薄膜状の長尺物が巻かれた巻回体と、前記巻回体を収納する上述した収納箱とを備える。
本発明によれば、引き離しの作業時までは、接着強度が維持されて使用中の意図しない剥離が起こることを抑制することが可能となる。
巻回体入り収納箱の一実施形態における斜視構造を示す斜視図。 収納箱の一実施形態における展開構造を示す展開図。 収納箱の一実施形態における側面構造の一部を拡大して示す部分側面図であって、前フラップおよび後フラップから脇板が引き離された状態を示す図。 境界線の一例における側面構造を拡大して示す側面図。 境界線の他の例における側面構造を拡大して示す側面図。 各試験例の剥離強度の推移を示すグラフ。
以下、収納箱、および、巻回体入り収納箱の一実施形態について、図1から図6までを参照して説明する。
図1が示すように、巻回体入り収納箱1は、収納箱2と巻回体3とを備える。収納箱2は、本体部4と蓋部5とを備える。収納箱2は、閉状態において左右方向に延びる直方体形状を有する。本体部4と蓋部5とは、各々が有する機能の観点において相互に区別されているが、本体部4と蓋部5とは、切り出された1枚の原紙から組み立てられる。収納箱のなかで切断刃6を除く部分は、例えば、0.45mm以上0.7mm以下の厚さを有するコートボール紙などの1枚の厚紙の組み立てによって形成され、弾性を有している。本体部4、および、蓋部5の表面は、例えば、消費者の購買意欲を惹起するためのデザインを印刷されて、その全体に表面処理が施されている。
薄膜状の長尺物の一例であるラップフィルム3Fは、例えば、円筒形状を有する紙製3Cに巻かれたロール状を有する巻回体3である。本体部4に収納される巻回体3の軸線方向Aは、本体部4の軸線方向である左右方向である。本体部4を構成する各壁は、巻回体3を収納できる大きさの空間を区画する大きさを有する。ラップフィルム3Fの構成材料は、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどである。
本体部4は、底壁4BT、底壁4BTの前端に連接された側壁の一例である前壁4F、底壁4BTの後端に連接された側壁の一例である後壁4B、底壁4BTの左端に連接された端壁4SL、および、底壁4BTの右端に連接された端壁4SRを備える。本体部4は、前壁4Fの頂辺、後壁4Bの頂辺、および、各端壁4SL,4SRの頂辺によって縁取られた開口を備える。蓋部5は、本体部4の開口を覆う。蓋部5は、本体部4の後壁4Bの頂辺に回動可能に連接された頂壁5T、頂壁5Tの前端から下方に向けて延びる掩蓋壁5F、頂壁5Tの左端から下方に向けて延びる蓋端壁5SL、および、頂壁5Tの右端から下方に向けて延びる蓋端壁5SRを備える。
掩蓋壁5Fは、本体部4における前壁4Fに対向する。掩蓋壁5Fには、掩蓋壁5Fの左端から右端まで延びるミシン目線5Fmを介して開封片が接続している。開封片の左右方向に並ぶ複数の接着部4Fcが前壁4Fに接合されている。ミシン目線5Fmは、開封片を掩蓋壁5Fから左右方向に沿って切断するためのものである。ミシン目線5Fmは、左右方向に延びるV字形状を有する。開封片が左方に向けて、前壁4Fから引き剥がされることによって、ミシン目線5Fmが切断される。これにより、ミシン目線5Fmよりも上側の部分であって頂壁5Tに連接された掩蓋壁5Fと、上側部分から分断された下側部分である開封片とに分かれる。これによって、収納箱2は開封される。
掩蓋壁5Fにおける下端は、ミシン目線5Fmと同じくV字形状を有する。V字形状の頂点は、左右方向における掩蓋壁5Fの中央に位置する。切断刃6は、掩蓋壁5Fの内表面に接合されている。切断刃6は、左右方向において掩蓋壁5Fのほぼ全体にわたり延びている。切断刃6は、掩蓋壁5Fに沿ったV字形状を有する。本体部4から引き出され、掩蓋壁5Fと前壁4Fとに挟まれたラップフィルム3Fは、切断刃6による切断に際して、まず、切断刃6におけるV字形状の中央に突き刺さる。そして、ラップフィルム3Fは、左右方向におけるラップフィルム3Fの中央からラップフィルム3Fの両端に向かって切断される。
次に、収納箱2の展開構造について図2を参照して説明する。なお、図2は、収納箱2の外側が図2における紙面の表側に位置するように、かつ、収納箱2の内側が図2における紙面の裏側に位置するように、収納箱2の展開構造を示す。
収納箱2を形成するためのブランクスは、底壁4BTに対応する底壁部11、前壁4Fに対応する前壁部13、および、前壁4Fを裏打ちする副前壁4Fdに対応する副前壁部15を備える。前壁部13は、左右方向に延びる折り曲げ線12を介して、底壁部11の上側に連接されている。収納箱2を形成する際、前壁部13は、底壁部11に対して、紙面の裏側に向けて、折り曲げ線12で折り曲げられる。前壁部13における底壁部11の近傍には、上述した接着部4Fcを構成する接着領域13aが、左右方向に沿って並んでいる。副前壁部15は、左右方向に延びる折り曲げ線14を介して、前壁部13の上側に連接されている。収納箱2を形成する際、副前壁部15は、前壁部13に対して、紙面の裏側に向けて、折り曲げ線14で折り曲げられる。
収納箱2を形成するためのブランクスは、後壁4Bに対応する後壁部17、蓋部5の頂壁5Tに対応する頂壁部19、および、掩蓋壁5Fに対応する掩蓋部21を備える。後壁部17は、左右方向に延びる折り曲げ線16を介して、底壁部11の下側に連接されている。収納箱2を形成する際、後壁部17は、底壁部11に対して、紙面の裏側に向けて、折り曲げ線16で、折り曲げられる。頂壁部19は、左右方向に延びる折り曲げ線18を介して、後壁部17の下側に連接されている。収納箱2を形成する際、頂壁部19は、後壁部17に対して、紙面の裏側に向けて、折り曲げ線18で折り曲げられる。掩蓋部21は、左右方向に延びる折り曲げ線20を介して、頂壁部19の下側に連接されている。収納箱2を形成する際、掩蓋部21は、頂壁部19に対して、紙面の裏側に向けて、折り曲げ線20で折り曲げられる。掩蓋部21はミシン目線5Fmを介して、開封片が連接している。開封片は、上述した接着部4Fcを構成する半円状の切り込み21aが、左右方向に沿って並んでいる。
収納箱2を形成するためのブランクスは、底壁部11の左端に脇板11Lを備え、底壁部11の右端に脇板11Rを備える。各脇板11L,11Rは、上下方向に延びる折り曲げ線31を介して、底壁部11に連接されている。収納箱2を形成する際、各脇板11L,11Rは、底壁部11に対して、紙面の裏側に向けて、折り曲げ線31で折り曲げられる。各脇板11L,11Rは、本体部4において、各端壁4SL,4SRの外側板を構成する。各脇板11L,11Rは、延長片11La,11Raを備える。各延長片11La,11Raは、上下方向に延びる折り曲げ線32を介して、各脇板11L,11Rの先端に連接されている。収納箱2を形成する際、各延長片11La,11Raは、各脇板11L,11Rに対して、紙面の表側に向けて、折り曲げ線32で折り曲げられる。
収納箱2を形成するためのブランクスは、前壁部13の左端にフラップ13Lを備え、前壁部13の右端にフラップ13Rを備える。ここで、前壁部13の左端のフラップを前フラップ13L、右端のフラップを前フラップ13Rとする。各前フラップ13L,13Rは、上下方向に延びる折り曲げ線33を介して、前壁部13に連接されている。収納箱2を形成する際、各前フラップ13L,13Rは、前壁部13に対して、紙面の裏側に向けて、折り曲げ線33で折り曲げられる。各前フラップ13L,13Rは、本体部4において、各端壁4SL,4SRの内側板を構成する。
各前フラップ13L,13Rの表面は、収納箱2において、脇板11L,11Rの裏面と対向し、脇板11L,11Rの裏面に接合される。各前フラップ13L,13Rの表面は、接着領域41と、非接着領域42(図2において濃いドットを付した領域)とを備える。接着領域41の表面が有する接着剤との接着力、すなわち、接着剤との親和力は、単位面積あたりにおいて、非接着領域42の表面が有する接着力よりも高い。非接着領域42は、各前フラップ13L,13Rの表面において、接着領域41と隣り合う領域であり、例えば、接着領域41以外の全ての領域である。
非接着領域42は、例えば、塗料が塗布された領域である。非接着領域42に塗布される塗料は、各前フラップ13L,13Rの表面において、接着剤との接着力を抑える。非接着領域42に塗布された塗料は、例えば、アクリレート系UV硬化型樹脂やポリアミド樹脂である。非接着領域42に塗布された塗料の厚さは、0.1μm以上4.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以上2.0μm以下である。
接着領域41と非接着領域42とは隣り合うことで区画されている。
ハーフカット線43は、前フラップ13L,13Rの表面からその厚さ方向の途中まで、前フラップ13L,13Rを切り込むことによって形成される。ハーフカット線43は、連続した切れ目線である。ハーフカット線43が有する切り込みの深さは、前フラップ13L,13Rの厚さにおける10%以上90%以下であることが好ましく、より好ましくは、30%以上80%以下である。
境界線44は、各脇板11L、11Rの頂辺に沿って延びる境界線であり、接着領域41と非接着領域42との境界のなかで、前フラップ13L,13Rの表面に切り込みを有しない部分である。例えば、非接着領域42が塗料の塗布された領域である場合、境界線44は、塗料が塗布された領域と、塗布されていない領域との境界である。例えば、接着領域41が塗料の塗布された領域である場合、境界線44は、その塗料が塗布された領域と、塗布されていない領域との境界である。例えば、接着領域41と非接着領域42との両方が、塗料の塗布された領域である場合、境界線44は、塗料の組成が相互に異なる領域の境界である。
収納箱2を形成するためのブランクスは、後壁部17の左端にフラップ17Lを備え、後壁部17の右端にフラップ17Rを備える。ここで、後壁部17の左端のフラップを後フラップ17L、右端のフラップを後フラップ17Rとする。各後フラップ17L,17Rは、上下方向に延びる折り曲げ線34を介して、後壁部17に連接されている。収納箱2を形成する際、各後フラップ17L,17Rは、後壁部17に対して、紙面の裏側に向けて、折り曲げ線34で折り曲げられる。各後フラップ17L,17Rは、本体部4において、各端壁4SL,4SRの内側板を構成する。各後フラップ17L,17Rの表面は、収納箱2において、脇板11L,11Rの裏面と対向し、各後フラップ17L,17Rの表面の他部は、収納箱2において、前フラップ13L,13Rの裏面と対向する。各後フラップ17L,17Rの表面のなかで、脇板11L,11Rと対向する領域は、各前フラップ13L,13Rと同じく、接着領域46と、非接着領域47(図2において薄いドットを付した領域)とを備える。接着領域46における接着剤との接着力、すなわち、接着剤との親和力は、非接着領域47よりも高い。非接着領域47は、各後フラップ17L,17Rの表面のうち接着領域46と隣り合う領域であり、前フラップ13L、13Rの裏面と対向する領域を除く領域であるが、接着領域46以外の全ての領域であってもよい。
非接着領域47は、上述した非接着領域42と同じく、例えば、塗料が塗布された領域である。接着領域46と非接着領域47との境界は、ハーフカット線48と、境界線49とによって構成されている。ハーフカット線48は、上述したハーフカット線43と同じく、例えば、後フラップ17L,17Rの表面が有する切れ目線である。
収納箱2を形成するためのブランクスは、各蓋側フラップ19R,19Lを備える。蓋側フラップ19R,19Lは、上下方向に延びる折り曲げ線35を介して、頂壁部19に連接されている。収納箱2を形成する際、各蓋側フラップ19R,19Lは、頂壁部19に対して、紙面の裏側に向けて、折り曲げ線35で折り曲げられる。各蓋側フラップ19R,19Lは、蓋部5において、各蓋端壁5SL,5SRの外側板を構成する。
収納箱2を形成するためのブランクスは、各蓋前フラップ21L,21Rを備える。蓋前フラップ21L,21Rは、上下方向に延びる折り曲げ線36を介して、掩蓋部21に連接されている。収納箱2を形成する際、各蓋前フラップ21L,21Rは、掩蓋部21に対して、紙面の裏側に向けて、折り曲げ線35で折り曲げられると共に、蓋側フラップ19R,19Lの裏面に接着される。
収納箱2を形成するためのブランクスは、飛び出し防止片15L,15Rを備える。飛び出し防止片15L,15Rは、左右方向および上下方向と交差する方向に延びる折り曲げ線37を介して、副前壁部15に連接されている。収納箱2を形成する際、飛び出し防止片15L,15Rは、副前壁部15に対して、紙面の表側に向けて、折り曲げ線37で折り曲げられる。飛び出し防止片15L,15Rは、収納箱2において、前壁4Fから本体部4の内側に向けて突き出る。そして、飛び出し防止片15L,15Rは、巻回体3の両端と接触し、本体部4からの巻回体3が飛び出すことを抑える。
次に、端壁4SR,4SLの構成について、図3を参照して説明する。なお、端壁4SRと端壁4SLとは、左右方向における収納箱2の中央に対して面対称となる構成であるため、以下では、端壁4SRの構成について詳細に説明し、端壁4SLについて重複する説明は省略する。
図3が示すように、収納箱2の端壁4SRにおいて、前フラップ13Rは、脇板11Rの内側に位置する。前フラップ13Rの表面と、脇板11Rの裏面とは、接着剤55を介して相互に接合されている。後フラップ17Rは、前フラップ13Rの内側に位置する。後フラップ17Rのうち前フラップ13Rからはみ出す部分において、後フラップ17Rの表面と、脇板11Rの裏側とは、接着剤56を介して相互に接合されている。
ハーフカット線43は、境界線44よりも底側、すなわち、脇板11Rの基端側に位置し、接着領域41と非接着領域42とを画定する。他方、境界線44は、ハーフカット線43よりも、脇板11Rの頂辺(先端)側に位置する。ハーフカット線48は、境界線49よりも底側、すなわち、脇板11Rの基端側に位置し、接着領域46と非接着領域47とを画定する。他方、境界線49は、ハーフカット線48よりも、脇板11Rの頂辺(先端)側に位置する。
接着領域41の内部は、1以上のハーフカット線45を備えてもよい。ハーフカット線45は、ハーフカット線43と同じく、切れ目線であって、接着領域41の表面から厚さ方向の途中まで切り込まれた線である。ハーフカット線45の切り込みの深さは、前フラップ13Rの厚さの10%以上90%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以上80%以下である。
ハーフカット線45は、境界線44の上側、あるいは、境界線44上に始点を有し、始点から後方底側に向けて延在し、ハーフカット線43に終点を有する。ハーフカット線45を備えることで、接着領域での紙層間の剥離がさらにスムーズになる。
接着領域46の内部は、1以上のハーフカット線50を備えてもよい。ハーフカット線50は、ハーフカット線45と同じく、切れ目線であって、接着領域46の表面から厚さ方向の途中まで切り込まれた線である。ハーフカット線50の切り込みの深さは、後フラップ17Rの厚さの10%以上90%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以上80%以下である。ハーフカット線50は、境界線49の上側、あるいは、境界線49上に始点を有し、始点から後方底側に向けて延在し、ハーフカット線48に終点を有する。ハーフカット線50を備えることで、接着領域での紙層間の剥離がさらにスムーズになる。
脇板11Rに前フラップ13Rを接合するための接着剤55は、前フラップ13Rの外面に塗布された後、前フラップ13Rと脇板11Rとの重ね合わせによって広がり、境界線44をまたいで、接着領域41と非接着領域42との両方に広がる。脇板11Rに後フラップ17Rを接合するための接着剤56は、後フラップ17Rの外面に塗布された後、後フラップ17Rと脇板11Rとの重ね合わせによって広がり、境界線49をまたいで、接着領域46と非接着領域47との両方に広がる。
上述した収納箱2において端壁4SRの解体が開始されるとき、まず、脇板11Rの先端が、右方底側に向けて指などによって引っ張られる。この際、前フラップ13Rに位置する接着剤55のうち、接着領域41に位置する接着剤55は、前フラップ13Rを脇板11Rに接合する。他方、非接着領域42に位置する接着剤55は、前フラップ13Rを脇板11Rに接合する機能をほぼ有しない。また、後フラップ17Rに位置する接着剤56のうち、接着領域46に位置する接着剤56は、後フラップ17Rを脇板11Rに接合する。他方、非接着領域47に位置する接着剤56は、後フラップ17Rを脇板11Rに接合する機能をほぼ有しない。そのため、各フラップ13R,17Rと脇板11Rとの接合を上方から下方に向けて徐々に解く際、各フラップ13R,17Rから脇板11Rを徐々に引き離すための力は、小さいもので足りる。
脇板11Rの先端が右方底側に向けてさらに引っ張られるとき、脇板11Rの引き離しは、境界線44,49を越えて下方へ進む。この際、境界線44,49は、各フラップ13R,17Rの表面に切り込みを有しない線である。そのため、ハーフカット線やミシン目線のような切り込みを境界に有する構成と比べて、境界線44,49における脇板11Rの引き離しは、負荷を要する。こうした脇板11Rの引き離しに要する負荷の大きさは、屈曲形状を有する複数の境界要素と接着剤55,56との重なりの長さによって定まる。そして、脇板11Rの引き離しが境界線44,49から下方に進むことによって、接着領域41,46においては、ハーフカット線45,50を起点とする紙層間での剥離が生じる。
なお、接着剤55,56の前後方向における長さは、境界線44,49の長さよりも長いことが好ましい。すなわち、複数の境界要素の長さ方向全体に接着剤が塗布される様にすることで境界要素の境界全体が引き離し時の抵抗として作用するため、引き離し時の負荷の最大値を高めることができる。一方で、引き離しに必要とされる剥離力の大きさに応じて、接着剤55,56における前後方向の長さは、適宜調整することができる。
また、各フラップ13R,17Rから脇板11Rを引き離す作業では、引き離しの開始時から引き離しの終了時までの間の作業期間において、引き離しに要している負荷の大きさが変わる。すなわち、引き離しに要している負荷は、脇板11Rの引き離しを開始して境界線44,49に負荷が掛かり始める際に一度上昇し、境界線44、49が接着剤塗布領域全域に亘って剥離する際に最大となる。その後、境界線44、49が破壊されると、紙の層間剥離により各フラップ13R、17Rが脇板11Rから引き離される。したがって、脇板11Rの引き離し開始時の剥離強度を高めることができると同時に、境界線44,49を挟んで位置する接着領域41,46および非接着領域42,47と接着剤55,56との重なり具合により剥離強度を調整することができる。そのため、引き離しに要する負荷の最大値を高めることができる。
次に、境界線44,49の構成について、図4、図5を参照して説明する。図4、図5は、フラップの一部を拡大して示す部分拡大図であって、相互に異なる2つの形状の例を示す図である。なお、前フラップ13Rにおける境界線44が有する形状と、後フラップ17Rにおける境界線49が有する形状とは、同様の構成を有するため、以下では、境界線44の構成について詳細に説明し、境界線49について重複する説明は省略する。また、図4、図5では、接着領域と非接着領域との境界を説明する便宜上、非接着領域にドットを付して示し、また、接着領域と非接着領域との境界である境界線のなかで、境界線の延びる方向での最小の繰り返し単位となる境界要素のなかの1つに実線を付して示す。
図4が示すように、境界線44の一例は、複数の境界要素44Pから構成される。図4では、境界線44の一例として、4つの境界要素44Pから構成される1つの境界線44を示す。境界線44は脇板11Rの頂辺に沿って延びている。境界線44は、接着領域41と非接着領域42との境界である。前フラップ13Rの表面において、境界線44の延在方向は、前後方向であり、境界線44の延在方向と直交する方向は、上下方向である。
各境界要素44Pは、脇板11Rの頂辺側における接着領域41(接着領域41の上端)を構成し、接着領域41から非接着領域42に向けて突き出る屈曲形状を有する。各境界要素44Pは、接着領域41の上端に、前後方向において非接着領域42で挟まれた領域を区画し、その区画された領域を前後方向に繰り返している。境界線44の全体が有する形状は、前後方向に延びる波形状を有する。各境界要素44Pの突き出る方向は、ハーフカット線45の延在方向と前後方向とに交差する方向であり、例えば、各境界要素44Pの突き出る方向とハーフカット線45とが前後方向に形成する角度は45°である。
なお、各境界要素44Pの突き出る方向は、上下方向とすることも可能である。こうした境界線44は、その全体において矩形波形状を有する。また、接着剤55は、こうした境界要素44Pを挟む接着領域41と非接着領域42との両方に位置することが適正な剥離や強度維持向上の観点で好ましい。より好ましくは接着剤が接着領域の境界要素の先端を覆う様に塗布されていることが良い。
接着領域41には、複数のハーフカット線45が70°の角度を有して存在している。ハーフカット線45が接着領域41に存在することにより、引き剥がし時にスムーズに接着領域41の板紙の層間剥離が進行する利点がある。
前後方向において、各境界要素44Pが区画する接着領域41の幅は、接着幅W1である。また、境界要素44Pが区画する非接着領域42の幅は、非接着幅W2である。ここで、境界要素44Pは、境界線44の一部である線分であり、境界線44のなかで前後方向に繰り返される最小の構造単位である。接着領域41の一部であって、各境界要素44Pに区画された領域は、境界要素44Pの下端から上方に突き出た領域である。接着幅W1は、接着領域41のなかでひとつの境界要素44Pに区画された領域が前後方向に有する幅であり、その領域の前方端から後方端までの長さである。非接着領域42の一部であって、各境界要素44Pに区画された領域は、相互に隣り合う2つの境界要素44Pに挟まれた領域である。非接着幅W2は、非接着領域42のなかでひとつの境界要素44Pに区画された領域が前後方向に有する幅であり、その領域の前方端から後方端までの長さである。接着幅W1の平均値は、接着領域41の一部であって、各境界要素44Pに区画された領域が有する幅の平均値であり、非接着幅W2の平均値は、非接着領域42の一部であって、各境界要素44Pに区画された領域が有する幅の平均値である。接着幅W1の平均値は、例えば、1mmであり、非接着幅W2の平均値は、例えば、接着幅W1の平均値と等しい1mmである。接着幅W1の平均値は、前後方向においてほぼ一定であり、非接着幅W2の平均値も、前後方向においてほぼ一定である。
図4において、境界要素44Pが非接着領域42に向けて突き出る方向の長さを屈曲長H1とする。屈曲長H1は、境界要素44Pにおいて最も突き出た長さを有する上端と、境界要素44Pの前方端と後方端とを結んだ仮想線との間の長さである。屈曲長H1の平均値は、全ての境界要素44Pにおける平均値であり、屈曲長H1の平均値が1.5mm以上であることが好ましい。より好ましくは2.0mm以上、更に好ましくは2.5mm以上である。
図5が示すように、境界線44の他の例は、複数の境界要素44Pから構成される。図5では、境界線44の一例として、8つの境界要素44Pから構成される1つの境界線44を示す。各境界要素44Pは、脇板11Rの頂辺側における接着領域41(接着領域41の上端)を構成し、接着領域41から非接着領域42に向けて突き出る形状を含む。各境界要素44Pは、接着領域41の上端に、前後方向において非接着領域42で挟まれた領域を区画し、その区画された領域を前後方向に繰り返している。境界線44の全体が有する形状は、前後方向に延びる三角波形状を有する。図4と同様に、境界要素44Pにおいて最も突き出た長さを有する上端と、境界要素44Pの前方端と後方端とを結んだ仮想線との間の長さを屈曲長H1とすると、上端から長さHCだけ離れた位置は、境界要素44Pが区画する接着領域41における上下方向の中心である。境界要素44Pが区画する接着領域41の部分では、境界要素44Pが区画する接着領域41における上下方向の中心を基準として、非接着領域42側の面積S2が、接着領域41側の面積S1よりも小さい。接着幅W1の平均値は、例えば、1mmであり、非接着幅W2の平均値は、例えば、接着幅W1の平均値と等しい1mmである。境界要素44Pが突き出る方向の長さである屈曲長H1の平均値に対する接着幅W1の平均値の比が、1以下であることが好ましい。より好ましくは、0.7以下である。こうした比を有する構成によれば、各フラップ13R,17Rから脇板11Rを引き離すための力である引き離し力が各境界線44,49の全体に分散するため、各境界線44,49での剥離に大きな力が必要になる。そのため、引き離しに要する負荷の最大値を高めることができる。
なお、接着剤55は、こうした境界要素44Pを挟む接着領域41と非接着領域42との両方に位置することが好ましく、より好ましくは、接着剤55は、接着領域41の境界要素44Pの先端を覆う様に塗布されていることが良い。
上記各例に示すように、境界線44は、接着領域41から非接着領域42に向けて突き出る屈曲形状を有し、境界線44の延在方向に、その境界要素44Pを繰り返している。そして、接着剤55の位置は、境界要素44Pにおける突き出る方向の中心よりも非接着領域42側である。そのため、脇板11Rの引き離しが非接着領域42から接着領域41に向けて行われる開始時に、まず、各境界要素44Pのうち接着剤55と重なる部分で、引き離すための負荷が必要となる。次いで、引き離すための荷重を上げてくと境界要素44Pのうち接着剤55と重なる部分で板紙表面の引き剥がしが起こり、剥離強度が最大となる。その後は、接着剤55で接着された部分での板紙の層間剥離となり、その部分の周囲と接着領域41中のハーフカット線45によりスムーズな剥離が行われる。
次に、境界線44,49によって調整された負荷の一例を、図6を参照して説明する。図6は、各試験例における剥離強度の推移を示すグラフである。
(試験例1)
前フラップ13Rと脇板11Rに対応する厚紙として日本製紙株式会社製のJETスター紙坪550g/mを用いた。前フラップ13Rに対応する厚紙に対して、その厚さの50%を深さとしたハーフカット線43,50を切り込み、それによって、接着領域41の一部を区画した。また、前フラップ13Rに対応する厚紙に対して、アクリレート系UV硬化型樹脂を0.2μmの厚さで塗布するオーバープリントニス加工を用いて境界線44を形成し、それによって、接着領域41、および、非接着領域42を形成した。この際、境界要素44Pの形状を図4で説明された波形状にすると共に、屈曲長H1を3mm、接着幅W1および非接着幅W2をそれぞれ2mmとした。そして、前フラップ13Rに対応する厚紙と、脇板11Rに対応する厚紙とを、接着剤(旭化学合成株式会社アサヒメルト LF530F)を用いて接着し、これによって、試験例1の試験片を得た。
(試験例2)
境界要素44Pの形状を図5で説明された三角波形状とすると共に、屈曲長H1を1.0mm、これら以外を試験例1と同じくすることによって、試験例2の試験片を得た。
(試験例3)
境界要素44Pの形状を図5で説明された三角波形状とすると共に、屈曲長H1を3.0mm、これら以外を試験例1と同じくすることによって、試験例3の試験片を得た。
(試験例4)
境界要素44Pの形状を図5で説明された三角波形状とすると共に、屈曲長H1を2.0mmとし、これら以外を試験例1と同じくすることによって、試験例4の試験片を得た。
(試験例5)
前フラップ13Rに対応する厚紙に対して、境界要素44Pが省略された直線形状を有する境界線44を形成し、かつ、境界線44上に位置するミシン目線を形成し、これら以外を試験例1と同じくすることによって、試験例5の試験片を得た。
各試験例1〜5を用いた剥離強度の測定には、オリエンテックコーポレーション社製のテンシロン万能試験機RTG−1210(TENSILON(登録商標))を用いた。50Nを適合値とするロードセルを用いた。ロードセルが備えるチャックには、試験片のうち、脇板11Rの先端に対応する部分を把持させ、固定チャックには、試験片のうち、各フラップ13R,17Rに対応する厚紙を把持させた。チャック間の距離を10mmに設定し、ロードセルの変位速度には200mm/minを用いた。サンプリング間隔には20μmを用いた。
図6および表1が示すように、試験片の剥離が終了するまでの剥離強度の最大値は、境界要素44Pが直線である試験例5が7.2Nに対し、屈曲長H1が3mmの試験例1と試験例3とが最も値が大きく、8.1N〜8.2Nを示した。また、屈曲長H1が2mmである試験例4は7.4Nと試験例5を上回った。一方、屈曲長H1が1mmである試験例2は6.8Nと低い値となった。境界要素の突き出る方向の長さ(H1)の平均値を1.5mm以上とし、境界要素の有する幅(W1)の平均値について、突き出る方向の長さの平均値に対する幅の平均値の比を1以下にすることにより引き離し時の最大強度を高めることができることが認められた。
以上、上記実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)境界線44,49での引き離しの作業時までは、接着強度が維持されて意図しない剥離が起こることを抑えることが可能となる。
(2)境界要素44Pから非接着領域42側に接着剤55がはみ出すことが許容されるため、接着領域41に接着剤55を留めるための加工の負荷を軽減することが可能ともなる。
(3)各境界要素44Pの上下方向の中心よりも上側に接着剤55が位置するため、各境界要素44Pでの引き離しに要する負荷の大きさを、各境界要素44Pの全体によって調整すること、ひいては、境界要素44Pの数量によって、その至適な範囲とすることが可能ともなる。
(4)上記試験例1,3,4の各々は、境界要素44Pにおける上下方向の長さの平均値が、屈曲長H1であって、1.5mm以上である。そして、境界要素44Pの長さの平均値に対する境界要素44Pの幅の平均値の比が1以下である。そのため、図6が示すように、各境界要素44Pでの引き離しに要する負荷の大きさを、引き離しの開始時から最大値に到達するまで、試験例5よりも高めることが可能ともなる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施できる。
・各フラップ13R,13L、17R,17Lと脇板11R,11Lとの相対位置は、適宜変更することが可能である。例えば、前フラップ13R,13L、および、脇板11L,11Rが、後フラップ17R,17Lよりも内側に位置することも可能である。この際、脇板11L,11Rの表面と、後フラップ17R,17Lの裏面とが接着剤によって接合される。
・脇板11L,11Rが、接着領域、および、非接着領域を備えることも可能である。この際、各フラップ13R,13L、17R,17Lから接着領域、および、非接着領域を適宜省略することも可能である。
・非接着領域42,47は、非接着領域42,47における面粗度を接着領域41,46の面粗度よりも低くすることによって、非接着領域42,47での接着力を接着領域41,46での接着力よりも低くすることが可能である。
・接着領域41,46は、ハーフカット線45,50を割愛することも可能である。
・巻回体を構成する長尺物は、アルミ箔や紙などに変更することも可能である。また、収納箱が収容する対象は、巻回体以外とすることも可能である。
・掩蓋壁5Fの下端、および、切断刃6は、左右方向に延びる直線状とすることも可能である。
A 軸線方向
H1 屈曲長
W1 接着幅
W2 非接着幅
1 巻回体入り収納箱
2 収納箱
3 巻回体
3F ラップフィルム
4 本体部
4B 後壁
4BT 底壁
4F 前壁
4SL,4SR 端壁
5 蓋部
5T 頂壁
6 切断刃
11R,11L 脇板
13R,13L 前フラップ
17R,17L 後フラップ
41,46 接着領域
42,47 非接着領域
44,49 境界線
44P 境界要素
45,50 ハーフカット線
55,56 接着剤

Claims (8)

  1. 底壁と、前記底壁の前後に連接された一対の側壁と、前記底壁の左右に位置する一対の端壁とを備える収納箱であって、
    前記側壁の左右両端に連接された一対のフラップと、
    前記底壁の左右両端に連接された一対の脇板と、を備え、
    前記各端壁は、前記一対の側壁の左右両端のうちの同じ一方から延びる2つのフラップと前記脇板との接着剤による接合によって構成され、前記2つのフラップの少なくとも1つは、前記接着剤が位置する部分を含む接着領域と、前記接着剤との接着力が前記接着領域よりも低い非接着領域とを備え、
    前記接着領域と前記非接着領域との境界のうち、少なくとも前記脇板の頂辺に沿って延びる境界線は、前記接着領域から前記非接着領域に向けて突き出る屈曲形状を有した複数の境界要素を前記境界線の延在方向に繰り返す形状を有する
    収納箱。
  2. 前記境界線は、波形状、正弦波形状、矩形波形状、三角波形状、および、のこぎり波形状のいずれか1つを備える
    請求項1に記載の収納箱。
  3. 前記境界要素が区画する前記接着領域における前記突き出る方向の中心を基準としたときに、前記境界要素が区画する前記接着領域の前記非接着領域側の面積は、前記境界要素が区画する前記接着領域側の面積よりも小さく、
    前記接着剤は、少なくとも一つの前記境界要素、および、該境界要素に接する前記接着領域と前記非接着領域との両方に位置する
    請求項1または請求項2に記載の収納箱。
  4. 前記接着剤の位置は、前記各境界要素における前記突き出る方向の中心よりも前記非接着領域側を含む
    請求項3に記載の収納箱。
  5. 前記境界要素における前記突き出る方向の長さの平均値は1.5mm以上であり、かつ、前記境界線の延在方向において前記境界要素の有する幅の平均値について、前記突き出る方向の長さの平均値に対する前記幅の平均値の比が1以下である
    請求項1から4のいずれか一項に記載の収納箱。
  6. 前記接着領域を区画する前記境界要素以外の画定線が、ハーフカット線である
    請求項1から5のいずれか一項に記載の収納箱。
  7. 前記脇板の前記底壁寄りに位置する前記接着領域と前記非接着領域との画定線がハーフカット線である
    請求項1から6のいずれか一項に記載の収納箱。
  8. 薄膜状の長尺物が巻かれた巻回体と、
    前記巻回体を収納する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の収納箱とを備える
    巻回体入り収納箱。
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