JP6806988B2 - ソーラパネル用のフロート - Google Patents

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Description

本発明はソーラパネル用のフロートに関する。
太陽光を電力に変換する太陽光発電では、ソーラパネル(太陽電池パネル、太陽電池モジュールとも称される)が用いられている。
これまでソーラパネルは、主に建築物の屋根や壁面、地面等に設置されてきたが、近年は、遊休化している池や湖等の水上への設置も行われるようになってきた。
水上にソーラパネルを設置する場合、ソーラパネルを水上に浮かせるためのフロートが用いられ、そのフロート上にソーラパネルが設置される。
ソーラパネルを水上に設置するためのフロートとしては、例えば、特許文献1に記載されるようなものが知られている。
特開2015−217771号公報
ところで、フロートはソーラパネルを水上に浮かせるための浮力を得るために、内部に気体(空気等)を有する樹脂製の中空形成体として形成されている。
そして、フロートは、ソーラパネルに太陽光がよく当たるように、日当たりのよいところに設置されるため、その太陽光によってフロート内の気体が膨張することになる。
そうすると、フロート内の気体の膨張に伴って、フロート自体も膨張しようとする。
一方、夜になると気温が下がるため膨張した気体は収縮し、それに応じて膨張していたフロートも収縮しようとする。
なお、より長周期で見れば、夏と冬との気温差等の影響でもフロートは膨張収縮を起こすことになる。
したがって、フロート自体は、日々、膨張収縮を繰り返すことになるが、例えば、フロートのソーラパネルを取り付けたりする部分は、取り付け部分の剛性が高められていたり、取付用の取付金具が存在することで、他の部分よりも剛性が高くなる部分であるため、フロートの膨張収縮に対する追従性が悪い。
このため、ソーラパネルの取り付けを行う部分には応力等が集まりやすく、ソーラパネルを取り付けている部分に変形等が発生したり、取り付けが緩んだりする場合がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、膨張や収縮を抑制したソーラパネル用の樹脂製のフロートを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、以下の構成によって把握される。
(1)本発明のフロートは、ソーラパネル用の樹脂製のフロートであって、中空に形成された環状フロート部と、前記環状フロート部内に設けられた周壁を有する凹部と、を備え、前記凹部は、空気を収容可能に裏面壁が表面壁側に向かって凹むように形成されるとともに、前記凹部内において、少なくとも裏面壁の一部が前記表面壁に一体化されている。
(2)上記(1)の構成において、前記裏面壁と前記表面壁とを合わせて形成された前記ソーラパネルを支持する支持部を備え、前記支持部は、前記環状フロート部の開口部を形成するように、前記開口部の内壁に繋がる1つの辺をヒンジとして前記表面壁側に立ち上げ可能であり、前記凹部は、前記開口部を挟んで立ち上げられた前記支持部と反対側に位置する環状フロート部の部分に設けられている。
(3)上記(2)の構成において、前記凹部は、前記支持部に沿った方向の両端及び中央に前記表面壁側に先細りする円錐台形状の凹みと、前記支持部に沿った方向に前記円錐台形状の凹みを繋ぐ前記表面壁側に向かって幅が狭くなる溝状の凹みと、を備え、前記凹部が前記円錐台形状の凹みの先端部分で前記裏面壁と前記表面壁とが一体化されている一方、前記溝状の凹み部分では前記裏面壁と前記表面壁とが一体化されていない。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つの構成において、前記表面壁は、前記凹部を挟んで前記開口部と反対側となる前記凹部上のほぼ端の位置から前記凹部から離れる側に向かって設けられた裏面壁側に近づく傾斜部と、前記凹部側と反対側に位置する前記傾斜部の端部から立ち上がるように設けられ、ソーラパネルの端部を受ける受け部と、を備えている。
(5)上記(4)の構成において、前記表面壁は、少なくとも前記凹部上の位置から前記傾斜部にかけて、溝部が設けられ、前記溝部は、前記傾斜部側の先端が前記傾斜部にほぼ段差がないように開放されている。
本発明によれば、膨張や収縮を抑制したソーラパネル用の樹脂製のフロートを提供することができる。
本発明に係る実施形態のフロートにソーラパネルを設置した状態を示す斜視図である。 本発明に係る実施形態のフロートからソーラパネルを外した状態を示す斜視図である。 本発明に係る実施形態のフロートの上側を見た図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。 本発明に係る実施形態のフロートの下側を見た図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。 本発明に係る実施形態の支持部が立ち上げられた状態を示すフロートの上側を見た斜視図である。 本発明に係る実施形態の支持部が立ち上げられた状態を示すフロートの下側を見た斜視図である。 図3、図4及び図6に示すA−A線に沿ったA−A線断面図である。 本発明に係る実施形態のフロートを通路ジョイントで接続したところを示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
図1は本発明に係る実施形態のフロート10にソーラパネル50を設置した状態を示す斜視図であり、図2はフロート10からソーラパネル50を外した状態を示す斜視図である。
なお、以降の説明において、フロート10のソーラパネル50が設置される側を上側と呼び、フロート10の水面に設置される側を下側と呼ぶ場合がある。
本実施形態の樹脂製のフロート10は、図1に示すように、ほぼ長方形状のソーラパネル50の短手側を傾斜させるように支持し、例えば、池や湖等の水上にソーラパネル50を設置するためのソーラパネル用のフロートである。
(ソーラパネルの固定)
図1に示すように、フロート10は、ソーラパネル50の長手側の一端部51を支持する支持部11と、ソーラパネル50の長手側の他端部52を受ける受け部12と、を備えている。
なお、支持部11の高さは、ソーラパネル50の発電効率を考慮してソーラパネル50が適切な傾斜状態に設置されるように設計される。
図2に示すように、ソーラパネル50の長手側の一端部51には、支持部11に支持されるアルミ製の台座53が設けられており、この台座53が支持部11上に支持される。
一方、フロート10は、ソーラパネル50の長手側の一端部51を支持部11に固定するL字アングル状の固定金具13を備えており、このL字アングル状の固定金具13の挟持部13aがソーラパネル50を支持部11側に押さえつけるように、固定金具13が配置され、その状態で固定金具13の固定部13bが、図1に示すように、支持部11に対してネジ13cでネジ止めされる。
本実施形態では、図1に示すように、固定金具13を支持部11に対して4つのネジ13cでネジ止めするようにしているが、このうち中央寄りの2つのネジ13cに対する固定金具13に設けられたネジ13cを通すネジ孔は上下方向に長穴になっている。
したがって、この中央寄りの2つのネジ13cで固定金具13を支持部11に仮止めした状態で、ソーラパネル50を固定金具13の挟持部13aと支持部11の間に挿入するようにした後、中央寄りの2つのネジ13cを本締めするとともに、さらに、外側の2つのネジ13cで固定金具13を支持部11に固定することができる。
このため、固定金具13を支持部11に仮止めした状態でソーラパネル50を固定する作業が行えるため、作業性がよい。
また、図2に示すように、ソーラパネル50の長手側の他端部52にも、一端部51に設けられているアルミ製の台座53と同様のアルミ製の台座54が設けられている。
そして、フロート10は、受け部12に受けられるソーラパネル50の長手側の他端部52をフロート10に固定する2つの固定金具14を備えており、台座54は、この固定金具14によって、ソーラパネル50がフロート10に固定される位置に対応して設けられている。
なお、本実施形態では、中央にも固定金具14を設けることができるようになっており、必要に応じて、2つの台座54の間の位置にも台座を設け、3つの固定金具14を用いて3箇所で固定するようにしてもよい。
固定金具14は、図2に示すように、ソーラパネル50のフロート10側となる下面側に配置され、台座54に対してネジ止めされる下側金具14aと、ソーラパネル50の下面と反対側に位置する上面を抑えつけるように上面側に設けられる上側金具14bと、を備えている。
そして、固定金具14のフロート10に対する固定は、下側金具14aと上側金具14bがフロート10に対してネジで共止めされるようにして行われている。
このように、下側金具14aと上側金具14bでソーラパネル50の上下の両面をフロート10に対して固定するようにすると、強い風等がソーラパネル50とフロート10の間の空間に吹き込んだ時にも、ソーラパネル50の位置がずれたり、固定が外れたりすることのない安定した固定状態を保つことができる。
(フロートの全体構成)
以下、図面を参照しながら、フロート10について詳細な説明を行う。
図3はフロート10の上側を見た図であり、図3(a)は斜視図であり、図3(b)は平面図である。
また、図4はフロート10の下側を見た図であり、図4(a)は斜視図であり、図4(b)は平面図である。
フロート10は、例えば、溶融状態の筒状のパリソンを複数の分割金型で挟んで膨らますブロー成形によって製造され、成形材料には、各種の熱可塑性樹脂を使用することができるが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンといったポリオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。
フロート10は、図3及び図4に示すように、全体の外形が矩形状(長方形状)をしており、図3(a)及び図4(a)に示すように、パーティングラインPLを含む側壁部15と、上側に位置する表面壁16(図3(a)参照)と、下側に位置する裏面壁17(図4(a)参照)と、を有し、内部に気体(空気等)を収容する中空部を有する構造になっている。
(支持部及び開口部)
図3(a)及び図4(a)に示すように、フロート10は、裏面壁17と表面壁16とを合わせて形成されたソーラパネル50を支持するための支持部11(ハッチング部分参照)が形成されている。
図3及び図4は、支持部11を図1に示すように立ち上げる前の状態が示されており、この支持部11の周囲の3辺21,22,23が切断されて、支持部11は、辺22に対向する残る1辺24をヒンジとして表面壁16側(ソーラパネル50が配置される側)に支持部11を立ち上げ可能になっており、支持部11を立ち上げることで、図1に示すように、ソーラパネル50を支持するための状態となる。
図5は、図3(a)に対応する図、つまり、フロート10の上側を見た図であり、上述のようにして支持部11が立ち上げられた状態を示す斜視図である。
なお、図5では、支持部11に固定金具13を仮固定した状態も併せて示している。
図5に示すように、支持部11を立ち上げると、元々、支持部11が形成されていた部分が開口部26となる。
なお、支持部11は、上述した切断されていないヒンジとして機能する1辺24側の開口部26の内壁面25(図3(a)参照)に当接するように立ち上げられている。
そして、図5に示すように、フロート10は、この開口部26を囲むように形成された環状フロート部30(ハッチング部分参照)を備えている。
つまり、支持部11は、環状フロート部30の開口部26を形成するように、開口部26の内壁に繋がる1つの辺24をヒンジとして表面壁16側に立ち上げ可能に構成されている。
図6は、図4(a)に対応する図、つまり、フロート10の下側を見た図であり、上述のようにして支持部11が立ち上げられた状態を示す斜視図である。
なお、図6では支持部11が見えていないが、支持部11が位置するところに矢印で支持部11の符号を示し、図1に示す支持部11に沿った方向(図1のZ軸参照)と、同じ方向をZ軸として示している。
開口部26を囲むように設けられた環状フロート部30は、内部に気体(空気等)を有するように中空に形成されており、フロート10が水の上に浮くための浮力を発生させる部分である。
そして、上述したように、温度の変化に伴い、この内部の気体(空気等)が膨張や収縮を起こすことによって、フロート10が変形を起こすことになるため、内部の気体(空気等)の容量を減して膨張や収縮量を少なくすれば変形を抑制することができるものの、そのように内部の気体(空気等)の容量を減らすことは浮力を減少させることになるという問題がある。
(凹部)
そこで、本実施形態では、図6に示すように、フロート10が環状フロート部30内に設けられた周壁を有する凹部40を備えるようにしている。
具体的には、図6に示すように、切断されていない1辺24(図3(a)参照)をヒンジとして支持部11が立ち上げられることで形成された開口部26を挟んで支持部11と反対側に位置する環状フロート部30内に、フロート10が水面に設置されたときに、凹部40が空気を収容可能な空間となるように、凹部40は、裏面壁17を表面壁16側に向かって凹ますように成形することで形成されている。
図7は、図3、図4及び図6に示すA−A線に沿ったA−A線断面図であり、図7において上側はフロート10の表面壁16側であり、下側は裏面壁17側である。
なお、図7においても、図6と同様に、図1に示す支持部11に沿った方向(図1のZ軸参照)と、同じ方向をZ軸として示している。
図6及び図7に示すように、凹部40は、支持部11に沿った方向(Z軸参照)の一方の端部に設けられた表面壁16側に先細りする円錐台形状の凹み41と、他方の端部に設けられた表面壁16側に先細りする円錐台形状の凹み42と、円錐台形状の凹み41と円錐台形状の凹み42の間の中央に位置する表面壁16側に先細りする円錐台形状の凹み43と、を備えている。
つまり、凹部40は、支持部11に沿った方向(Z軸参照)の両端及び中央に表面壁16側に先細りする円錐台形状の凹み41,42,43を備えている。
また、凹部40は、支持部11に沿った方向(Z軸参照)に円錐台形状の凹み41,42,43を繋ぐ表面壁16側に向かって幅が狭くなる溝状の凹み44,45を備えている。
そして、図7に示すように、凹部40は、円錐台形状の凹み41,42,43の先端部分で裏面壁17と表面壁16とが一体化されている一方、溝状の凹み44,45部分では裏面壁17と表面壁16とが一体化されていないようになっている。
このような凹部40を設けるようにすると、裏面壁17が表面壁16側に食い込んでいることでフロート10の内部空間の容積が減少する分だけ、膨張や収縮をきたす気体(空気等)の容量を減少させることができるため、フロート10の変形を抑制することができるようになる。
その一方で、裏面壁17を表面壁16側に凹ますようにして、裏面壁17側に開口する周壁を有する凹部40が水面にフロート10を配置したときに、浮力の一端を担う空気だまりとなるため、フロート10内の気体(空気等)の容量が減少することに伴う浮力の減少を抑制する役目を果たす。
ここで、この凹部40は、剛性を高める補強リブとしての効果を奏するものの、裏面壁17を表面壁16側に凹ますように成形して形成されているため、肉厚がその分だけ薄くなり、成形時にピンホールが発生する恐れがある。
そこで、最も表面壁16側に凹ました部分となる箇所については、成形時に局所的な肉厚の変化が発生しない円錐台形状としている。
また、図6を見るとわかるとおり、円錐台形状の凹み41,42,43の部分の底辺(開口側)の直径は、溝状の凹み44,45の幅よりも大きくされており、緩やかに傾斜して薄肉にならないようにしている。
さらに、本実施形態では、図7に示すように、凹部40に隣接する裏面壁17と円錐台形状の凹み41,42の開始点付近での薄肉によるピンホールの発生を考慮して、円錐台形状の凹み41,42に関しては、凹部40に隣接する裏面壁17からθ1(具体的には110度)の角度で表面壁16側に円錐台形状の凹み41,42が立ち上がるようにしている。
同様に、円錐台形状の凹み43では、溝状の凹み44,45の表面壁16側となる底面からθ2(具体的には145度)の角度で表面壁16側に円錐台形状の凹み43の先端側が立ち上がるようにしている。
なお、上記角度は一例であって、θ1は110±15度の範囲内に設定されるのが好適であり、θ2は145±15の範囲内に設定されるのが好適である。
また、図7に示すように、凹部40の中央に位置する円錐台形状の凹み43の裏面壁17が表面壁16に一体化されている部分の直径が、凹部40の両端に位置する2つの円錐台形状の凹み(凹み41,42)の裏面壁17が表面壁16に一体化されている部分の直径より小さくすることで成形性を向上させることができる。
このように、環状フロート部30内に裏面壁17を表面壁16側に凹ますようにして形成した凹部40を設けるようにすることで、フロート10の浮力が犠牲になることを抑制しつつ、フロート10内の気体(空気等)の容量を減少させ、フロート10が変形をきたす原因となる気体の膨張や収縮を抑制するとともに、構造的にも剛性を高めることができ、フロート10の固定金具14(図2参照)側での変形が抑制され、固定金具14が固定される部分の変形や固定金具14の緩みの発生が抑制される。
一方、図7に示すように、溝状の凹み44,45部分では裏面壁17と表面壁16とが一体化されないようにしている。
これは、2つの観点に基づくものであり、1つ目の観点は、ブロー成形時に気体が流れる流路として機能する設計としているためである。
また、2つ目の観点は、溝状の凹み44,45部分を形成する裏面壁17を表面壁16に一体化させない程度の凹みに抑えることで、円錐台形状の凹み41,42,43を成形するときに、凹部40内にピンホールが発生しないように肉厚を保つ設計とするためである。
なお、この溝状の凹み44,45部分を形成する裏面壁17を表面壁16からどの程度離間させておくか、つまり、溝状の凹み44,45部分をどの程度の凹みとするかは、フロート10の成形時のピンホールを抑制するという観点で決めればよい。
また、この溝状の凹み44,45部分の幅を大きくすると、フロート10内の気体の容積を減らすことができる。
しかしながら、凹部40自体は水面側に開口していることで水面が蓋となり、空気等の気体が閉じ込められているので、強い風等でフロート10が揺れたりしたタイミングで、その凹部40内の気体の一部が逃げることがあり得る。
そうすると、その分だけフロート10の浮力が低下することになるので、そのようなことが突発的に起こったとしても、フロート10としての十分な浮力を確保できるようにしておくことが重要である。
そして、この溝状の凹み44,45部分は表面壁16側への凹みが浅く形成されている箇所であるため、成形時のピンホールという観点からすると、幅が小さくてもピンホールが起きにくいことから、この溝状の凹み44,45部分の幅を円錐台形状の凹み41,42,43の部分の底辺(開口側)の直径よりも小さめにすることで、浮力という観点で、フロート10内の気体の容積が減少しすぎないようにしている。
一方で、表面壁16側に着目すると、図3(a)のA−A線の部分は、図7に示したように、凹部40が位置していることから、図3(a)に示すように、表面壁16は、凹部40を挟んで開口部26(図5参照)と反対側となる凹部40上のほぼ端の位置(点線B参照)から凹部40から離れる側に向かって、裏面壁17側に近づく傾斜部18を備えている。
また、表面壁16は、凹部40側と反対側に位置する傾斜部18の端部から立ち上がるように設けられ、ソーラパネル50の端部(ソーラパネル50の長手側の他端部52)を受ける受け部12を備えている。
そして、表面壁16は、少なくとも凹部40上の位置から傾斜部18にかけて、溝部35が設けられ、溝部35は、傾斜部18側の先端が傾斜部18にほぼ段差がないように開放されている。
この溝部35は、フロート10上に水が溜まるのを抑制するだけでなく、表面壁16が凹凸の立体構造を有することで剛性を高める役目を果たしており、上述した凹部40の裏面壁17がこのように剛性が強化された表面壁16に対して一体化されることで、全体的な剛性がより高いものとなっている。
したがって、このような溝部35を設けることで、より一層、フロート10の変形を抑制することができる。
ところで、上述したフロート10は、単体で使用されるのではなく、複数のフロート10が、図8に示すように、メンテナンス等を行うときに通路となる通路ジョイント60で接続されて使用される。
具体的には、図1に示すように、フロート10は、支持部11に近い側のフロート10の第1端部側に通路ジョイント60(図8参照)に係合する一対の係合突起部61が形成されており、通路ジョイント60は、裏面側にその係合突起部61に係合する係合凹部(図示せず)を有している。
また、フロート10は、ソーラパネル50の長手側の他端部52を受ける受け部12に近い側のフロート10の第2端部側に通路ジョイント60を連結する連結ボルト62を通すボルト孔62a(図3参照)を備えており、図8に示すように、通路ジョイント60は、そのボルト孔62aに対応したボルト孔63を備えている。
したがって、一方のフロート10に対してその一方のフロート10の係合突起部61に通路ジョイント60が係合されるとともに、もう一方のフロート10に対して、そのもう一方のフロート10のボルト孔62aと通路ジョイント60のボルト孔63とをボルトで連結するようにして、もう一方のフロート10に対して通路ジョイント60が連結されることで、複数のフロート10が通路ジョイント60を介して連結された状態となるようになっている。
この通路ジョイント60は、メンテナンス等の際に、人が歩く部分となるため、荷重がかかることになり、フロート10の剛性が低いと、その荷重を受けることでフロート10が変形することになる。
しかしながら、上述したように、本実施形態のフロート10は、剛性が高められているため、そのような荷重を受けた場合にも変形が発生し難くなっており、通路ジョイント60を人が通るときに、揺れ等が起きにくく、歩きやすい等、作業性が向上したものとなっている。
また、そのような荷重を受けたときに変形を起こさないことから、メンテナンス等の作業によって、固定金具14が固定される部分に変形が発生することや固定金具14に緩みが発生することも抑制される。
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではない。
上記では、凹部40が、支持部11に沿った方向の両端及び中央に表面壁16側に先細りする円錐台形状の凹み41,42,43と、支持部11に沿った方向に円錐台形状の凹みを繋ぐ表面壁16側に向かって幅が狭くなる溝状の凹み44,45と、を備えたものとした場合について示したが、これは、好適な凹部40の一例であって、これに限定されるものではなく、例えば、凹部40の一部の形状を変更するようにしてもよい。
また、上記では、凹部40は、凹部40の支持部11に沿った方向(Z軸方向)の幅がほぼ支持部11の幅と同じ幅である場合について示したが、支持部11の幅よりも小さい幅を有する複数の凹部を支持部11に沿った方向に並べるようにしてもよい。
さらに、上記では、ソーラパネル50に台座53,54を設けているが、フロート10に対する取り付けに際して、必ずしも、ソーラパネル50に台座53,54を設ける必要はない。
また、台座を設ける場合でも、本実施形態のように、部分的に設けるようにするのではなく、ソーラパネル50の外周に合わせて全周に設けられるような台座にしてもよい。
加えて、ソーラパネル50には、ソーラパネル50のガラス部分を保護するためにガラス部分の周囲にフレームが設けられているタイプのものもあるため、その場合には、ソーラパネル50自体のフレームを台座の代わりに活用するようにしてもよい。
加えて、上記では、凹部40を形成する裏面壁17の凹部40の底面の一部が表面壁16に一体化されていたが、全部が一体化されているものであってもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲での種々の変更が可能であり、そのような種々の変更を行ったものも本発明の技術的範囲に含まれることは、当業者にとって、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 フロート
11 支持部
12 受け部
13 固定金具
13a 挟持部
13b 固定部
13c ネジ
14 固定金具
14a 下側金具
14b 上側金具
15 側壁部
16 表面壁
17 裏面壁
18 傾斜部
21,22,23,24 辺
25 内壁面
26 開口部
30 環状フロート部
35 溝部
40 凹部
41,42,43 円錐台形状の凹み
44,45 溝状の凹み
50 ソーラパネル
51 一端部
52 他端部
53 台座
54 台座
60 通路ジョイント
61 係合突起部
62 連結ボルト
62a ボルト孔
63 ボルト孔
PL パーティングライン

Claims (5)

  1. ソーラパネル用の樹脂製のフロートであって、
    中空に形成された環状フロート部と、
    前記環状フロート部内に設けられた周壁を有する凹部と、を備え、
    前記凹部は、空気を収容可能に裏面壁が表面壁側に向かって凹むように形成され
    前記凹部は、複数の第1凹部と、第2凹部とを有し、
    第2凹部は、複数の第1凹部の間に配置され、且つ、第2凹部は、第1及び第2凹部が並ぶ方向において、複数の第1凹部に繋がっており、
    各第1凹部の先端部分において、前記裏面壁と前記表面壁とが一体化され、
    第2凹部の先端部分において、前記裏面壁と前記表面壁とが一体化されていない、ことを特徴とするフロート。
  2. 前記裏面壁と前記表面壁とを合わせて形成された前記ソーラパネルを支持する支持部を備え、
    前記支持部は、前記環状フロート部の開口部を形成するように、前記開口部の内壁に繋がる1つの辺をヒンジとして前記表面壁側に立ち上げ可能であり、
    前記凹部は、前記開口部を挟んで立ち上げられた前記支持部と反対側に位置する前記環状フロート部の部分に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフロート。
  3. 前記凹部は、複数の第2凹部を有し、
    各第1凹部は、前記表面壁側に先細りする円錐台形状の凹みであり、
    複数の第1凹部は、前記支持部に沿った方向の両端及び中央にそれぞれ設けられ、
    各第2凹部は、前記表面壁側に向かって幅が狭くなる溝状の凹みであり、
    各第2凹部は、前記支持部に沿った方向において、複数の第1凹部に繋がっている、ことを特徴とする請求項2に記載のフロート。
  4. 前記表面壁は、
    前記凹部を挟んで前記開口部と反対側となる前記凹部上のほぼ端の位置から前記凹部から離れる側に向かって設けられた前記裏面壁側に近づく傾斜部と、
    前記凹部側と反対側に位置する前記傾斜部の端部から立ち上がるように設けられ、前記ソーラパネルの端部を受ける受け部と、を備えている請求項2又は請求項3に記載のフロート。
  5. 前記表面壁は、少なくとも前記凹部上の位置から前記傾斜部にかけて、溝部が設けられ、
    前記溝部は、前記傾斜部側の先端が前記傾斜部にほぼ段差がないように開放されていることを特徴とする請求項4に記載のフロート。
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