以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1はクライアントPCと複合機を含む印刷システムの構成を示す図である。
図1では、ネットワーク400を介して、複数のクライアントPC200と複数の複合機が相互に通信可能に接続されている。尚、ネットワーク400は、例えば、有線LANとするが、これ以外に、無線LAN等の他の形態を利用することができるし、有線LANと無線LANとを組み合わせて利用することもできる。
クライアントPC200には、プリンタドライバがインストールされている。このプリンタドライバは、アプリケーションプログラム(印刷アプリケーション)から受信したデータに基づいて印刷データを作成し、その印刷データを複合機300(STORAGE)へ送信することができる。
印刷データを受信した複合機300(STORAGE)は、当該印刷データに含まれる属性情報(ユーザ名や印刷データのファイル名)から書誌情報を取得して、その書誌情報と印刷データとを対応付けてHDDに保存する。書誌情報と印刷データを保存すると、複合機300(STORAGE)は、その保存先を示す情報である印刷データ保存先情報(以下、ネーム情報)を管理する複合機300(NAME_SERVICE)に対して送信する。
尚、本実施形態では、ログインユーザに対応する印刷データの一覧を表示する機能を提供するため、ネーム情報には、その印刷データに対するユーザ名と複合機のIPアドレス(ホスト名でもよい)を含んでいる。
ユーザは、所望の複合機300(PRINT)へ赴き、ログインを実行する(ICカード認証や、ユーザIDとパスワード入力による認証)。これにより、複合機300(PRINT)は、ネーム情報を管理している複合機300(NAME_SERVICE)へネーム情報の取得要求を発行し、ネーム情報を取得する。ここで、ネーム情報の取得要求先となる複合機(複合機300(NAME_SERVICE))のIPアドレスが、各複合機300に予め記憶されていて、取得要求を発行する際には、そのIPアドレスを参照することで、ネーム情報の取得要求先を判定する。
このネーム情報に従って、複合機300(PRINT)は、複合機300(STORAGE)に問い合わせを行い、ユーザに対する書誌情報を取得して、複合機300(PRINT)で一覧表示する。そして、ユーザによって選択された書誌情報に対応する印刷データに対する印刷要求を印刷データが保存されている複合機300(STORAGE)へ送信する。これにより、複合機300(PRINT)は、複合機300(STORAGE)から印刷対象の印刷データを取得して、ユーザがログインした複合機300(PRINT)で印刷を実行する。
ここで、複数の複合機300に渡って印刷データが蓄積されている場合には、それぞれの複合機に対応するネーム情報を記憶しているため、複合機300(PRINT)は、複数の複合機300(STORAGE)に問い合わせを行い、書誌情報を取得する。
これが通常の印刷処理の概略であり、本実施形態では、更に、省電力モードの複合機300(STORAGE)が存在する場合には、その複合機300(STORAGE)への問い合せを禁止(抑止)するように制御する。その場合、書誌情報を取得できないことから、複合機300(PRINT)には、問い合わせを禁止(抑止)している複合機300に関する情報(ホスト)が一覧に表示される構成となっている。
尚、複合機300には、アプリケーションプログラムの1つとして印刷アプリケーションがインストールされている。そして、この印刷アプリケーションの設定を切り替えることで、複合機300がSTORAGE(記憶機能)、NAME_SERVICE(ネームサービス機能)、PRINT(印刷機能)の役割を切り替えることができる。あるいは、複合機300が、STORAGE、NAME_SERVICE、PRINTすべての役割を実行してもよく、STORAGE、NAME_SERVICE、PRINTの任意の組み合わせの役割を実行しても良い。
図1では、印刷データの書誌情報の一覧を取得して、その後に、指定された書誌情報に対応する印刷データの印刷要求を行う構成を例示しているが、これに限定されない。例えば、複合機300にユーザがログインすると、印刷データの書誌情報の一覧を表示することなく、蓄積されている印刷データを一括して取得して印刷を実行する構成とすることもできる。この場合も、省電力モードになっていない複合機300のネーム情報に従って印刷要求が送信されることになる。
以下、図2を用いて、図1のクライアントPC200に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
図2は、図1に示したクライアントPC200に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2において、201はCPUであり、システムバス204を介して接続される各種構成要素(デバイスやコントローラ)を統括的に制御する。また、ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS及びOSや、クライアントPC200が実行する機能を実現するために必要な各種プログラム等が記憶されている。
203はRAMであり、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラムをROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、そのロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現する。
また、205は入力コントローラであり、キーボード(KB)209やマウス等のポインティングデバイス(不図示)からの入力を制御する。206はビデオコントローラであり、LCD210等の表示装置への表示を制御する。尚、図2では、表示装置としてLCD210を使用しているが、これに限定されず、他の表示装置であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用する。
207はメモリコントローラであり、外部メモリ211へのアクセスを制御する。外部メモリ211としては、ハードディスク(HDD)やリムーバルメディアがある。外部メモリ211は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル等の各種データ等を記憶する。また、リムーバルメディアには、フレキシブルディスク(FD)、あるいはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等がある。
208は通信I/Fコントローラであり、ネットワーク400を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワーク400での通信制御処理を実行する。この通信制御処理には、例えば、TCP/IPを用いるものが可能である。
尚、CPU201は、例えば、RAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォント展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、LCD210上での表示を可能としている。また、CPU201は、LCD210上のマウスカーソル等のインジケータでのユーザ指示を可能とする。
後述する各種処理を実現するためのプログラムは、例えば、外部メモリ211に記憶されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行される。また、このプログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ211に記憶されている。
次に、図3を用いて、図1の複合機300を制御するコントローラユニットのハードウェア構成について説明する。
図3において、316はコントローラユニットであり、画像入力デバイスとして機能するスキャナ314や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ312と接続する。また、コントローラユニット316は、LANや公衆回線(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行なう。
コントローラユニット316において、301はCPUであり、システムバス309を介して、システムを構成する各種構成要素を制御するプロセッサである。302はRAMであり、CPU301が動作するためのシステムネットワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。303はROMであり、システムのブートプログラムや各種制御プログラムを記憶する。304はハードディスクドライブ(HDD)で、システムを制御するための各種プログラム、画像データ等を記憶する。
307は操作部インタフェース(I/F)であり、操作部308と接続して、操作部308に表示する画像データを操作部308に対して出力し、その表示を制御する。また、操作部I/F307は、操作部308からユーザが入力した情報(例えば、ユーザ情報等)をCPU301に伝える役割をする。尚、操作部308は、タッチパネルを有する表示部を備え、この表示部に表示されたボタンを、ユーザが押下(指等でタッチ)することにより、各種指示を行うことができる。
305はネットワークインタフェース(I/F)であり、ネットワーク400に接続し、データの入出力を行う。306はモデムであり、公衆回線に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。318は外部インタフェース(I/F)であり、USB、IEEE1394、プリンタポート、RS−232C等の外部入力を受け付ける。本実施形態においては、認証で必要となるICカードの読取用のカードリーダ319が外部I/F318に接続されている。そして、CPU301は、この外部I/F318を介してカードリーダ319によるICカードからの情報の読取を制御して、その情報を取得可能である。
320は画像バスインタフェース(I/F)であり、システムバス309と画像データを高速で転送する画像バス315とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス315は、例えば、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス315には、以下の構成要素が接続される。
310はラスタイメージプロセッサ(RIP)であり、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。311はプリンタインタフェース(I/F)で、プリンタ312とコントローラユニット316とを接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。313はスキャナインタフェース(I/F)であり、スキャナ314とコントローラユニット316とを接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
317は画像処理部であり、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、印刷データ(出力画像データ)に対して、プリンタ312の補正、解像度変換等を行う。また、これに加えて、画像処理部317は、画像データの回転や、多値画像データに対しては、JPEG、2値画像データはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
スキャナ314は、原稿の画像を照明し、読取センサ(例えば、CCDラインセンサ)で走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿は原稿フィーダのトレイにセットし、ユーザが操作部308から読取指示を入力することにより、CPU301がスキャナ314に指示を与え、フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読取動作を行う。
プリンタ312は、ラスタイメージデータを記録媒体上の画像に変換して、記録媒体に画像を形成する。プリンタ312が実現する記録方式には、感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を記録するインクジェット方式等があるが、どの印刷方式でも構わない。印刷動作の実行は、CPU301からの指示によって開始する。尚、プリンタ312には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
操作部308は、LCD表示部を有し、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、操作画面上のキーが押下されるとその位置情報を操作部I/F307を介してCPU301に伝える。また、操作部308は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等のハードキーを備える。ここで、スタートキーは、例えば、原稿画像の読取動作を開始する場合に用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、ストップキーは、例えば、稼働中の動作を停止する場合に用いる。また、IDキーは、使用者のユーザIDを入力する場合に用いる。リセットキーは、複合機300に関する設定を初期化する場合に用いる。
カードリーダ319は、CPU301からの制御により、ICカード(例えば、ソニー社のフェリカ(FeliCa)(登録商標))内に記憶されている情報を読み取り、その読み取った情報を外部I/F318を介してCPU301へ通知する。
以上のような構成要素によって、複合機300は、スキャナ314から読み込んだ画像データをネットワーク400上に送信したり、ネットワーク400から受信した印刷データをプリンタ312により印刷出力することができる。また、スキャナ314から読み込んだ画像データをモデム306により、公衆回線上にFAX送信したり、公衆回線からFAX受信した画像データをプリンタ312により出力することできる。
次に、図4を用いて、クライアントPC200で実現される機能について説明する。尚、クライアントPC200で実現される機能は、例えば、CPU201がROM202に記憶されているプログラムを読み出し、RAM203上で実行することで実現される。
クライアントPC200では、プリンタドライバ1210が実現される。プリンタドライバ1210は、クライアントPC200上で動作する各種アプリケーションから呼び出される。プリンタドライバ1210は、その機能の一つとして、印刷データ生成機能1211を有する。印刷データ生成機能1211は、対象アプリケーションのデータ(文書データ等)を複合機300で印刷可能な印刷データに変換する。また、印刷データ生成機能1211は、変換後の印刷データに基づいて印刷する、あるいはその印刷データを対象の複合機300に対して送信する。
次に、図5を用いて、複合機300で実現される機能について説明する。尚、複合機300で実現される機能は、例えば、CPU301がROM303に記憶されているプログラムを読み出し、RAM302上で実行することで実現される。
複合機300では、印刷アプリケーション1310が実現される。印刷アプリケーション1310は、複合機300が担当する役割に応じて、様々な機能を選択的に実行することができる。ここでは、印刷アプリケーション1310は、印刷データ管理機能1311、書誌情報管理機能1321、印刷管理機能1331、ホストステータス管理機能1341、及びネーム情報管理機能1351を有する。これらの機能は、図6に示す設定情報における動作モード(NAME_SERVICE/STORAGE/PRINT)で保持する値に従って、有効/無効が切り替えられる。
図5では、複合機300がNAME_SERVICE、STORAGE、PRINTの各動作モードが設定された場合に、印刷アプリケーション1310において、有効/無効とされる機能の様子を示している。ここで、有効とされている機能は白抜きの矩形で示し、無効とされている機能は網掛けの矩形で示している。また、以下では、各モードで動作する複合機300をそれぞれ、複合機300(NAME_SERVICE)、複合機300(STORAGE)、複合機300(PRINT)と表記する。
以下、印刷アプリケーション1310で実現される上記の各機能について説明する。
印刷データ管理機能1311は、クライアントPC200から送信される印刷データを受信して管理する。
書誌情報管理機能1321は、受信した印刷データから、図7に示す書誌情報を抽出して、複合機300内で管理する。また、書誌情報管理機能1321は、図8に示すネーム情報ファイルに記憶するユーザ名とIPアドレスを含むネーム情報をその保存先である複合機300(NAME_SERVICE)へ通知する。ユーザ名をキーにファイルを探して、IPアドレスをファイルに書き込む。IPアドレスは、通信プロトコル上で取得できる送信元のIPアドレスから取得する構成であってもよい。
印刷管理機能1331は、複合機300へのユーザログインまたはユーザ操作による文書一覧更新によって、書誌情報を取得する。このログインユーザに対応する書誌情報の取得には、自装置から取得する場合と、ネットワーク上の書誌情報を管理する複合機と通信を行って、その複合機から取得する場合とがある。複合機300は、書誌情報を取得すると、取得した書誌情報の一覧をログインユーザの文書一覧として表示し、文書一覧において書誌情報が選択されると、その書誌情報に対応する印刷データの印刷を制御する。
ホストステータス管理機能1341は、自装置がACTIVE状態からSLEEP状態、またはSLEEP状態からACTIVE状態に移行した場合にネームサービス(複合機300(NAME_SERVICE))へステータスの変更を示すホストステータス変更通知を送信する。自装置がネームサービスとして動作する場合は、他の複合機300から通知されるホストステータス変更通知を受信し、図9で示すホストステータス情報を更新する。
ネーム情報管理機能1351は、ネットワーク400上の複合機300で動作する印刷アプリケーション1310からネーム情報を受信して更新管理する。
印刷アプリケーション1310は、図6に示す設定情報の動作モード601に従って、上述の3種類の動作モードのいずれかを示す値を保持する。この設定情報は、例えば、RAM302に記憶されている。
動作モード601が[NAME_SERVICE]である場合、印刷アプリケーション1310が実現可能な機能の全てが有効になる。[NAME_SERVICE]モードで動作する場合のみ、複合機300(STORAGE)/(PRINT)からネーム情報を受信して管理する機能と、ホストステータス変更通知を受信して各複合機300のホストステータスを管理する機能も動作する。複合機300(NAME_SERVICE)は、複合機300(STORAGE)/(PRINT)を統括し、所望の複合機300からの印刷を実現するものであり、通常拠点やフロア単位で複数台導入されている複合機の内、1台程度に設定される。また、[NAME_SERVICE]モードである場合でも、複合機300(NAME_SERVICE)は、[STORAGE]/[PRINT]モードで実現される機能は動作する。
尚、複合機300(NAME_SERVICE)は、冗長化構成で、プライマリ、セカンダリの複合機を設置(導入)することも可能である。
動作モード601が[STORAGE]である場合、印刷アプリケーション1310が実現可能な機能の内、ネーム情報管理機能1351以外の機能が有効になる。[STORAGE]モードで動作する場合は、クライアントPC200から印刷データを受信してHDD304に蓄積し、書誌情報を取得した後、ネーム情報を生成して、複合機300(NAME_SERVICE)に通知する機能と、複合機300(NAME_SERVICE)から対象ユーザの印刷データ蓄積先を取得して文書一覧を構築する機能と、ユーザの印刷指示によって印刷を実行する機能を実行する。即ち、[STORAGE]モードで動作する場合、複合機300(STORAGE)は、[PRINT]モードで動作する場合の機能も実行可能となる
動作モード601が[PRINT]である場合、印刷アプリケーション1310が実現可能な機能の内、印刷管理機能1331とホストステータス管理機能1341のみが有効になる。[PRINT]モードである場合は、クライアントPC200から印刷データを受信する機能を有さないため、複合機300(NAME_SERVICE)から対象ユーザの印刷データの保存先を取得して文書一覧を構築する機能と、ユーザからの印刷指示によって印刷を実行する機能のみを有する。ここで、[PRINT]モードは、特に、HDD等の大容量記憶装置を搭載していない(印刷データを蓄積できない)複合機が導入されている際に選択されるモードである。
図6は印刷アプリケーション1310に関する設定情報(アプリケーション設定)の一例を示している。
動作モード601は、印刷アプリケーション1310が動作するモードを示す値を保持し、ここでは、[NAME_SERVICE]/[STORAGE]/[PRINT]のいずれかを示す値が設定される。
強制ローカル印刷モード602は、文書一覧時に自装置に保存されている文書のみを一覧表示する機能のON/OFFを示す値を保持する。強制ローカル印刷モード時間603は、強制ローカル印刷モード602がONである場合に、強制ローカル印刷モード602が有効になる時間帯を示す値を保持する。
尚、強制ローカル印刷モードとは、自装置内に保存されている対象ユーザの文書(印刷データ)のみを文書一覧の対象にする所定の印刷モードを意味する。強制ローカル印刷モードの場合は、ネームサービスを経由してネットワーク上の複合機300に蓄積されている書誌情報を取得する通信を行わない(つまり、書誌情報を取得する通信を禁止する)。そのため、仮に、複合機300(NAME_SERVICE)または複合機300(STORAGE)が省電力モードに移行している場合でも無駄に復帰させることを防止することが可能となる。
図7は印刷アプリケーション1310が印刷データ受信時に取得する属性から生成される書誌情報の一例を示している。
書誌情報は、印刷データのファイル名で識別されるデータ(テキストデータ)で構成されている。即ち、印刷データと書誌情報は対応付けて管理され、印刷データ数分、書誌情報が生成されることとなる。図7に示されるように、書誌情報は、ユーザ名、ファイル名、ドキュメント名、タイムスタンプ等の印刷データに関する情報を含んでいる。
図8は複合機300(NAME_SERVICE)で管理するネーム情報の一例を示している。
ネーム情報は、印刷データのユーザ名で識別されるデータ(テキストデータ)で構成されている。つまり、このネーム情報は、ユーザ毎に管理されており、これにより、ユーザの印刷データが蓄積されている複合機300を特定できる。ネーム情報は、印刷データを蓄積するホストとして機能する複合機に関する情報(ホスト情報)として、複合機300に印刷データが保存された最終保存日時と、保存されている複合機のIPアドレスを少なくとも含んでいる。
図9は複合機300(NAME_SERVICE)が管理するホストステータス情報の一例を示している。
このホストステータス情報は、複合機300の動作が変更になった場合に、通知され、複合機毎にその状態(ステータス)が管理されている。ホストステータス情報は、複合機に対するIPアドレスとステータスを含んでいる。
ステータスの種類は、SLEEPとACTIVEで、SLEEPが省電力状態を示すものであり、ACTIVEが通常稼働状態(非省電力状態)を示している。尚、省電力状態に、省電力の程度が異なる複数のモード(SLEEP/DEEP−SLEEP等)がある場合には、それに応じた状態を格納するものとする。
図10は複合機300上で表示される対象ユーザの文書一覧画面の一例を示している。
図10(a)の文書一覧画面1000では、通常稼働状態の複合機で管理されている文書(印刷データの書誌情報)の一覧である文書一覧1001に加え、省電力状態の複合機の識別情報1002の一覧が表示されている例を示している。ここで、識別情報1002は、文書一覧1001とは識別可能に表示され、図10(a)では、グレーアウト表示されている。
尚、省電力状態の複合機の識別情報1002は、ユーザにより他の複合機から文書一覧を取得する操作がされた場合に表示するように制御してもよい。また、他の画面(ダイアログ)で省電力状態の複合機の識別情報を表示してもよい。この識別情報1002は、例えば、ネーム情報であっても良い。
図10(a)の文書一覧画面1000において、識別情報1002のいずれかが選択されると、図10(b)に示す確認画面1003が表示される。この確認画面1003は、省電力状態の複合機の識別情報が選択されたため、省電力状態から通常稼働状態に復帰させることをユーザに確認する画面となっている。この確認画面1003において、OKボタンが押下されると、省電力状態の対象の複合機へ文書(印刷データ)の一覧の問い合わせを発行し、図11の文書一覧画面1100の状態に遷移する。
図11は複合機300上で表示される対象ユーザの文書一覧画面1000(図10)で省電力状態(SLEEP状態)の複合機に蓄積されている文書一覧を取得した後の文書一覧画面1100を示している。文書一覧画面1100における新規文書一覧1101は、省電力状態の複合機から取得した文書(印刷データの書誌情報)の一覧を示し、この一覧が優先して印刷されるように選択状態になって表示される。
尚、新規文書一覧1101を文書一覧1001の一番上に表示することで、優先して印刷されるようにしてもよい。また、図10の文書一覧画面1000で印刷データが選択されている場合には、選択状態を維持した上で、新たに取得した新規文書一覧1101を選択状態にする。
次に、印刷システムで実行される処理について、図12〜図16のフローチャートを用いて説明する。
図12はクライアントPC200から印刷データを複合機300へ送信し、その印刷データを複合機300が受信して保存するまでの処理を示している。尚、図12の処理は、クライアントPC200、複合機300(STORAGE)、及び複合機300(NAME_SERVICE)が連携することにより実現される。クライアントPC200で実行される処理は、例えば、CPU201がROM202に記憶されているプログラムを読み出し、RAM203上で実行することで実現される。複合機300で実行される処理は、例えば、CPU301がROM303に記憶されているプログラムを読み出し、RAM302上で実行することで実現される。
S1201で、クライアントPC200におけるプリンタドライバ1210内の印刷データ生成機能1211は、クライアントPC200内の各種アプリケーションからの印刷要求時に呼び出される。これを受けて、印刷データ生成機能1211は、対象のアプリケーションデータを印刷可能なデータに変換することで印刷データを生成する。そして、印刷データ生成機能1211は、その生成した印刷データを、複合機300(STORAGE)へ送信する。
S1202で、複合機300(STORAGE)における印刷アプリケーション1310の印刷データ管理機能1311は、クライアントPC200から送信される印刷データを受信する。S1203で、印刷アプリケーション1310の書誌情報管理機能1321は、受信した印刷データから書誌情報(図7)を抽出する。S1204で、印刷アプリケーション1310の書誌情報管理機能1321は、抽出した書誌情報を保持するファイルである書誌情報ファイルを生成して、HDD304に保存する。
S1205で、印刷アプリケーション1310の印刷データ管理機能1311は、受信した印刷データを、HDD304に保存した書誌情報ファイルと紐付けてHDD304に保存する。S1206で、印刷アプリケーション1310の書誌情報管理機能1321は、抽出した書誌情報からユーザ名と保存先ホストを抽出して、対象ユーザのネーム情報を生成して、複合機300(NAME_SERVICE)へ送信する。
尚、複合機300(NAME_SERVICE)の情報(IPアドレス)は、印刷アプリケーション1310の設定情報として予め記憶されているので、その設定情報を参照することで、複合機300(NAME_SERVICE)を特定する。
S1207で、複合機300(NAME_SERVICE)における印刷アプリケーション1310のネーム情報管理機能1351は、複合機300(STORAGE)から送信されるネーム情報を受信する。S1208で、印刷アプリケーション1310のネーム情報管理機能1351は、受信したネーム情報からユーザ名を取得し、そのユーザ名で特定される対象ユーザのネーム情報ファイルが自装置内で既に存在するか否かを判定する。
判定の結果、対象ユーザのネーム情報ファイルが既に存在する場合(S1208でYES)、S1212で、印刷アプリケーション1310のネーム情報管理機能1351は、対象ユーザのネーム情報ファイル中の対象ホストの最終保存日時を現在日時に更新する。一方、判定の結果、対象ユーザのネーム情報ファイルが存在しない場合(S1208でNO)、S1209で、印刷アプリケーション1310のネーム情報管理機能1351は、受信したネーム情報を元に、新規にネーム情報ファイル(図8)を生成してHDD304に保存(新規登録)する。
S1210で、印刷アプリケーション1310のネーム情報管理機能1351は、受信したネーム情報から保存先となるホスト(複合機)を示す保存先ホスト情報を取得する。そして、自装置内で管理するホストステータス情報(図9)中に対象のホスト情報が含まれるか否かを判定する。
判定の結果、ホスト情報が含まれる場合(S1210でYES)、S1212で、印刷アプリケーション1310のネーム情報管理機能1351は、対象ユーザのネーム情報中の対象ホスト(複合機)の最終保存日時を現在日時に更新する。一方、判定の結果、ホスト情報が含まれない場合(S1210でNO)、S1211で、印刷アプリケーション1310のネーム情報管理機能1351は、新規にホスト情報を追加する。対象ホストは、ネーム情報を通知してきたホスト(複合機)であるため、この時点では必ずACTIVE状態であるので、この場合、ステータスとしてはACTIVEを登録する。
図13は複合機300での文書一覧画面を表示する処理を示している。尚、図13の処理は、複合機300(PRINT)、複合機300(STORAGE)、及び複合機300(NAME_SERVICE)が連携することにより実現される。複合機300で実行される処理は、例えば、CPU301がROM303に記憶されているプログラムを読み出し、RAM302上で実行することで実現される。
S1301で、複合機300(PRINT)における印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、文書一覧更新要求が発行されたか否かを判定する。尚、文書一覧更新要求は、ユーザログインのタイミングや、既に表示されている文書一覧画面1000(図10)に対するユーザ操作によって文書一覧の更新に関わる操作が実行された場合に発行される。
判定の結果、文書一覧更新要求が発行されていない場合(S1301でNO)、文書一覧更新要求が発行されるまで待機する。一方、判定の結果、文書一覧更新要求が発行された場合(S1301でYES)、S1302で、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、発行された文書一覧更新要求が、文書一覧画面1000あるいは文書一覧画面1100の「ネームサービスからの更新」ボタンが押下された際の要求であるか否かを判定する。
判定の結果、「ネームサービスからの更新」ボタンが押下された際の要求である場合(S1303でYES)、S1304へ進む。一方、判定の結果、「ネームサービスからの更新」ボタンが押下された際の要求でない場合(S1303でNO)、つまり、通常の更新要求と判定された場合、S1303で、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、設定情報の強制ローカル印刷モードが「ON」に設定されているか否かを判定する。
判定の結果、強制ローカル印刷モードが「ON」に設定されている場合(S1303でYES)、ネットワーク上の複合機300に蓄積されている印刷データの書誌情報を取得せずに、S1323へ進む。一方、判定の結果、強制ローカル印刷モードが「ON」に設定されていない場合(S1303でNO)、つまり、強制ローカル印刷モードが「OFF」に設定されている場合、ネットワーク400上の複合機300に蓄積されている印刷データの書誌情報を取得するために、S1304以降の処理を行う。
尚、強制ローカル印刷モードであるか否かの判定は、図6に示す印刷アプリケーション1310の設定情報に基づいて行う。具体的には、まず、設定情報中の強制ローカル印刷モード602で保持する値がONであるか否かを判定する。設定情報中の強制ローカル印刷モード602で保持する値が「ON」である場合、強制ローカル印刷モード時間603を取得し、現在時刻が強制ローカル印刷モード時間603の範囲内であるか否かを判定する。そして、現在時刻が強制ローカル印刷モード時間603の範囲内である場合には、ステップS1323に進む。一方、設定情報中の強制ローカル印刷モード602で保持する値が「OFF」である場合、ネーム情報を取得するようにするが、省電力の複合機300をなるべく復帰さないように制御する。
拠点やフロアに複数の複合機が導入されているような環境でも、ユーザは自席から一番近い複合機に印刷データを蓄積し、その複合機から印刷を行う場合が多い。印刷データを蓄積した複合機と異なる複合機で印刷するようなユースケースとしては、印刷データを蓄積した複合機が他のユーザによって操作されている場合と考えられる。複合機の操作ピーク時間はある程度決まっている。例えば、朝一や会議開催前等である。このことを踏まえると、複合機の操作ピーク時間帯以外は同一タイミングで同一複合機を複数のユーザが操作することは稀であり、印刷データを蓄積した複合機と異なる複合機で印刷する頻度は少ないと考えられる。操作ピーク時間帯以外(具体的には、定時後等)には、文書一覧更新時に発生する通信をなくし、無駄に省電力モードから復帰させるケースを抑制することが可能となる。
強制ローカル印刷モードが「OFF」である場合に、その強制ローカル印刷モードモードを継続させる時間を設定しておく構成も可能であり、強制ローカル印刷モードが「OFF」で、現在時刻が設定された時間内の場合には、ネーム情報を取得して、省電力状態の複合機には、書誌情報の問い合わせを禁止する構成とする。即ち、強制ローカル印刷モードが「OFF」で、定時後(設定されている時間が、例えば、17:30〜09:00)の場合には、図10(a)に示すように、問い合わせを禁止している複合機の識別情報が文書一覧画面1000に表示される。また、強制ローカル印刷モードが「OFF」で、定時内であれば省電力状態の複合機に対しても問い合わせを行うように動作させる。この動作を行うことにより、定時内は業務効率を優先して、複合機に保存されているすべての印刷データの一覧を取得でき、また、定時内は省電力を優先して、省電力状態の複合機には初めは問い合わせを禁止することができる。
図13の説明に戻る。
S1304で、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、現在、複合機300にログインしているユーザのユーザ情報(ログインユーザ情報)を取得する。S1305で、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、取得したユーザ情報中のユーザ名を取得し、そのユーザ名を含むネーム情報取得要求を複合機300(NAME_SERVICE)へ送信する。
S1306で、複合機300(NAME_SERVICE)における印刷アプリケーション1310のネーム情報管理機能1351は、複合機300(PRINT)から送信されるネーム情報取得要求を受信する。S1307で、印刷アプリケーション1310のネーム情報管理機能1351は、受信したネーム情報取得要求中のユーザ名を取得し、対象ユーザのネーム情報ファイルが自装置内に保存されているかを検索する。S1308で、印刷アプリケーション1310のネーム情報管理機能1351は、ネーム情報取得要求に対する応答として、その検索結果であるネーム情報を複合機300(PRINT)へ送信する。ここで、対象ユーザのネーム情報が存在しない場合は「空」を示す情報を含むネーム情報をネーム情報取得要求に対する応答として送信する。
S1309で、複合機300(PRINT)における印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、複合機300(NAME_SERVICE)から送信されるネーム情報を受信する。S1310で、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、ホストステータス取得要求を複合機300(NAME_SERVICE)へ送信する。
S1311で、複合機300(NAME_SERVICE)における印刷アプリケーション1310のホストステータス管理機能1341は、複合機300(PRINT)からホストステータス取得要求を受信する。S1312で、印刷アプリケーション1310のホストステータス管理機能1341は、図9に示すホストステータス情報を取得し、ホストステータス取得要求の応答としてそのホストステータス情報を複合機300(PRINT)へ送信する。
S1313で、複合機300(PRINT)における印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、複合機300(NAME_SERVICE)から送信されるホストステータス情報を受信する。尚、図13では、S1313でホストステータス情報を送信する構成としているが、S1308で送信するネーム情報にホストステータス情報を含めて送信する構成としても良い。
S1314で、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、受信したネーム情報から対象ユーザのネーム情報が存在するか否かを判定する。判定の結果、ネーム情報が存在しない場合(S1314でNO)、ネットワーク400上の複合機300に対象ユーザの印刷データが存在しないので、S1323へ進む。一方、判定の結果、ネーム情報が存在する場合(S1314でYES)、ネットワーク400上の複合機300から印刷データの書誌情報を取得するために、S1315以降の処理を行う。
S1315で、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、受信したネーム情報に含まれる複合機の数(ホスト数)分、S1316〜1322の処理を繰り返す。
S1316で、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、ネーム情報に含まれるホスト情報を取得し、受信した全てのホストのホストステータス情報から対象ホスト(複合機)のステータスがACTIVEであるか否かを判定する。
判定の結果、対象ホストのステータスがACTIVEである場合(S1316でYES)、S1318で、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、対象ホスト(ACTIVE状態の複合機)の書誌情報の一覧を取得するための書誌情報一覧取得要求を対象ホスト(複合機300(STORAGE))へ送信する。
尚、ここでは、複合機300(PRINT)が、ネーム情報とホストステータス情報を取得して、省電力状態の複合機を判定し、省電力状態でない複合機300(STORAGE)へ書誌情報一覧取得要求を送信する構成としているが、これに限定されない。例えば、複合機300(NAME_SERVICE)において、省電力状態でない複合機を判定して、省電力状態でない複合機300(STORAGE)へ書誌情報一覧取得要求を送信する構成とすることもできる。
具体的には、複合機300(PRINT)にネーム情報を送信する場合、S1307で検索したネーム情報の内、ACTIVE状態である(省電力状態でない)複合機のネーム情報を特定して応答する。この場合、複合機300(PRINT)に対するユーザ操作により、他の複合機に書誌情報の問い合わせを行うと判定された場合に、複合機300(PRINT)からの要求に従って、省電力状態である複合機へネーム情報を送信する。
一方、判定の結果、対象ホストのステータスがACTIVEでない場合(S1316でNO)、つまり、ステータスがSLPEEPである場合、複合機を復帰させないようにするために、S1317へ進む。
S1317で、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、対象ホストからの書誌情報の取得を禁止(抑止)して、対象ホストのホスト情報をSLEEPリストに追加する。具体的には、ネーム情報に含まれるホスト情報とそのホスト情報の最終保存日時を紐付けてSLEEPリストへ格納する。ここで、SLEEPリストとは、SLEEP状態であるため書誌情報の取得を禁止する複合機についてのホスト情報を管理するリストであり、例えば、RAM302上にファイルとして保持される。これにより、省電力状態を維持しつつ、複合機への問い合わせも可能とするため、省電力状態の複合機からの印刷も実行可能となり、印刷業務を継続させることが可能となる。
これにより、省電力状態の複合機への問い合わせを禁止(抑止)して、不要に複合機を動作させる必要がなくなるため、省電力効果を維持することができる。特に、定時後等は複合機が省電力状態になるため、より高い効果を得ることが可能となる。
S1319で、複合機300(STORAGE)における印刷アプリケーション1310の書誌情報管理機能1321は、複合機300(PRINT)から送信される書誌情報一覧取得要求を受信する。S1320で、印刷アプリケーション1310の書誌情報管理機能1321は、受信した書誌情報一覧取得要求に含まれるユーザ情報を取得し、ユーザ情報が示す対象ユーザに対する書誌情報一覧(印刷データ一覧)が存在するかを検索する。S1321で、印刷アプリケーション1310の書誌情報管理機能1321は、書誌情報一覧取得要求に対する応答として、その検索結果である書誌情報一覧を複合機300(PRINT)へ送信する。
S1322で、複合機300(PRINT)における印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、複合機300(STORAGE)から送信される書誌情報一覧を受信する。S1323で、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、書誌情報管理機能1321が管理する自装置内の対象ユーザの書誌情報一覧を取得する。S1324で、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、SLEEPリストに追加された対象ホストを最終保存日時の新しい順にソートする。
S1325で、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、文書一覧画面(図10(a))を表示する。具体的には、文書一覧画面には、まず、S1315〜S1322で取得したネットワーク上のACTIVE状態の複合機に蓄積されている文書(印刷データ)の書誌情報とS1323で取得した自装置内に蓄積されている文書(印刷データ)の書誌情報を保存日時の古い順にソートして表示する。その下に、S1324でソートしたSLEEP状態のホスト情報としてホスト名と最終保存日時のみを表示する。これは、ユーザは、最近に保存した文書を印刷する可能性が高いため、SLEEP状態のホスト情報は、最終保存日時の新しい順に表示する。
そして、文書一覧画面において、SLEEP状態のホストが選択されると、そのホストを復帰するための処理が実行される。この処理について、図14を用いて説明する。特に、図14は文書一覧画面1000(図10(a))のSLEEP状態のホストが選択された場合に対象の複合機から書誌情報を取得して文書一覧を更新する処理を示している。尚、図14の処理は、複合機300(PRINT)及び複合機300(STORAGE)が連携することにより実現される。複合機300で実行される処理は、例えば、CPU301がROM303に記憶されているプログラムを読み出し、RAM302上で実行することで実現される。
S1401で、複合機300(PRINT)における印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、文書一覧画面のSLEEP状態のホストが選択されると、その選択された対象ホスト(複合機300(STORAGE))に対して書誌情報一覧取得要求を送信する。
S1402で、複合機300(STORAGE)における印刷アプリケーション1310の書誌情報管理機能1321は、複合機300(PRINT)から送信される書誌情報一覧取得要求を受信する。複合機300(STORAGE)は、自装置がSLEEP状態の際に、ネットワーク上の他の機器からの通信が発生した場合は、ACTIVE状態に復帰する。ステータス変更が発生した場合は、[NAME_SERVICE]モードで動作する複合機に対してホストステータス変更通知を送信する。この処理に関しては後述する。
S1403で、印刷アプリケーション1310の書誌情報管理機能1321は、受信した書誌情報一覧取得要求に含まれるユーザ情報を取得し、ユーザ情報が示す対象ユーザに対する書誌情報一覧(印刷データ一覧)が存在するかを検索する。S1404で、印刷アプリケーション1310の書誌情報管理機能1321は、印刷アプリケーション1310の書誌情報管理機能1321は、書誌情報一覧取得要求に対する応答として、その検索結果である書誌情報一覧を複合機300(PRINT)へ送信する。
S1405で、複合機300(PRINT)における印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、複合機300(STORAGE)から送信される書誌情報一覧を受信する。S1406で、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、書誌情報一覧を受信すると、図13のS1325で表示した文書一覧画面中のACTIVE状態の複合機に蓄積されている文書一覧を更新する。また、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、S1317で保持したSLEEPリストから対象ホストのホスト情報(複合機情報)を削除すると共に、図10で示す文書一覧画面で表示していた対応するホスト情報を削除する。更には、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、図11で示したように、S1406で取得した書誌情報一覧に対応する文書一覧が優先的に選択されるように表示する。これにより、印刷操作による利便性を高めることが可能となる。
図15は複合機300のホストステータスが変更された際の処理を示している。尚、図13の処理は、複合機300及び複合機300(NAME_SERVICE)が連携することにより実現される。複合機300で実行される処理は、例えば、CPU301がROM303に記憶されているプログラムを読み出し、RAM302上で実行することで実現される。
複合機300には、通常稼働状態のACTIVEモードと省電力状態のSLEEPモードが存在する。複合機300の起動時はACTIVEモードで起動する。一定時間、複合機300の操作部308が操作されない場合や、ネットワーク経由でのデータの送受信が発生しない場合には、複合機300はSLEEPモードに移行する。SLEEPモードで複合機300の操作部308が操作された場合、またはネットワーク経由でのデータの送受信が発生した場合は、複合機300はSLEEPモードからACTIVEモードに復帰する。
本実施形態では、SLEEPモードの複合機300に無駄な通信を発生させないことを目的としているため、複合機300(NAME_SERVICE)が、ネットワーク400を介して接続されている他の複合機300のステータス(ACTIVE/SLEEP)を把握する。そのため、複合機300のステータスが変更された場合、そのステータスが変更された複合機300は、ステータス変更を複合機300(NAME_SERVICE)へ通知する処理が発生する。
以下、この処理について、図15を用いて具体的に説明する。
S1501で、印刷アプリケーション1310のホストステータス管理機能1341は、複合機300のステータスが変更されたか否かを判定する。実際には、ACITVE→SLEEP、またはSLEEP→ACTIVEのステータス移行の有無を監視し、ステータス移行が発生した場合に、ステータスが変更されたと判定する。このステータスは、複合機のプラットフォームを介して状態を取得する。状態に変更があるとプラットフォームから通知を受けることで変更の判定が可能である。
判定の結果、ステータスが変更されていない場合(S1501でNO)、変更されるまで待機する。一方、判定の結果、ステータスが変更された場合(S1501でYES)、S1502で、印刷アプリケーション1310のホストステータス管理機能1341は、複合機300([NAME_SERVICE)に対してホストステータス変更通知を送信する。このホストステータス変更通知には、ホスト名と移行後の状態(ACTIVEまたはSLEEP)が含まれる。
S1503で、複合機300(NAME_SERVICE)の印刷アプリケーション1310のホストステータス管理機能1341は、ステータス変更が発生した複合機300から送信されるホストステータス変更通知を受信する。S1504で、印刷アプリケーション1310のホストステータス管理機能1341は、自装置内に保持するホストステータス情報(図9)中にホストステータス変更通知を送信した送信元ホストが存在するか否かを判定する。
判定の結果、ホストステータス情報中に送信元ホストが存在する場合(S1504でYES)、S1506で、印刷アプリケーション1310のホストステータス管理機能1341は、ホストステータス情報の対象ホスト情報中のステータスを、ホストステータス変更通知に含まれるステータスに書き換えて、更新する。
一方、判定の結果、ホストステータス情報中に送信元ホストが存在しない場合(S1504でNO)、S1505で、印刷アプリケーション1310のホストステータス管理機能1341は、新規にホスト情報をホストステータス情報に追加する。S1506で、印刷アプリケーション1310のホストステータス管理機能1341は、ホストステータス情報の対象ホスト情報中のステータスを、ホストステータス変更通知に含まれるステータスに書き換えて、更新する。
図16は文書一覧画面1000(図10(a))上でユーザが文書を選択して印刷が指示された場合の処理を示している。尚、図16の処理は、複合機300(PRINT)及び複合機300(STORAGE)が連携することにより実現される。複合機300で実行される処理は、例えば、CPU301がROM303に記憶されているプログラムを読み出し、RAM302上で実行することで実現される。
S1601で、複合機300(PRINT)における印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、文書一覧画面1000で選択されている文書を取得し、選択されている文書の数分、S1602〜S1605の処理を繰り返す。
S1602で、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、選択された対象文書の書誌情報を取得する。S1603で、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、取得した書誌情報に含まれるホスト情報に基づいて、選択された対象文書に対応する印刷データが蓄積されている複合機300(STORAGE)に対して対象文書の印刷要求を送信する。
S1604で、複合機300(STORAGE)における印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、複合機300(PRINT)から送信される印刷要求を受信する。S1605で、印刷アプリケーション1310の印刷管理機能1331は、受信した印刷要求に基づいて、対象文書の印刷データを、印刷要求の送信元の複合機300(PRINT)に対して送信し、印刷を実行する。
以上説明したように、本実施形態によれば、画像形成装置である複合機に印刷データを蓄積して、所望の画像形成装置から蓄積されている印刷データを取得して出力させる仕組みにおいて、画像形成装置の省電力状態からの復帰を低減させることができる。また、必要な複合機だけを復帰させることが可能となるため、省電力を維持して印刷データを出力することができる。このように、システム全体の省電力化を図り、効率的な運用を行うことができる。
尚、本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。