JP6804954B2 - 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 Download PDF

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Description

本発明は、荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法に係り、例えば、荷電粒子ビームをONビーム状態のままビームを引きずりながらパターンを描画する装置および方法に関する。
半導体デバイスの微細化の進展を担うリソグラフィ技術は半導体製造プロセスのなかでも唯一パターンを生成する極めて重要なプロセスである。近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスに要求される回路線幅は年々微細化されてきている。これらの半導体デバイスへ所望の回路パターンを形成するためには、高精度の原画パターン(レチクル或いはマスクともいう。)が必要となる。ここで、電子線(EB:Electron beam)描画技術は本質的に優れた解像性を有しており、高精度の原画パターンの生産に用いられる。
図16は、可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。可変成形型電子線描画装置は、以下のように動作する。第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向され、第2のアパーチャ420の可変成形開口421の一部を通過して、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340に照射される。すなわち、第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、X方向に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340の描画領域に描画される。第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形方式(VSB方式)という。
VSB方式の電子ビーム描画では、ビームのON/OFFを繰り返し、ビームを切ることで複数回のビームのショットを作り出す。その際、ショット毎に、ビームサイズや照射位置を変えながら、設定された位置に設定されたサイズに成形済のビームを必要なドーズ量に見合う照射時間だけ照射する。そして、ショットされたビームで成形される複数のショット図形を繋ぎ合わせて所望のパターンを描画する。そのために、ショット毎に、かかるショットの位置、ビームサイズ、及び照射時間等を定義するショットデータを生成し、ショットデータに沿って、描画処理が進められる。かかる方式では、ショット毎に、所定の整定時間(セトリング時間)が必要となる。これは、ビームサイズを変更するための偏向器に安定した電圧を印加するために整定時間が必要となること、及び照射位置を移動するための偏向器に安定した電圧を印加するために整定時間が必要となることに起因する。パターンの微細化に伴い、より微細なパターンをより短時間で描画するように、描画装置に設定される最大ショットサイズも小さくなってきている。一方、世代が変わってもパターン幅サイズが小さくならない部分もある。例えば、マスクのIDといった回路パターンの外側部分に形成されるパターン等が該当する。例えば、ナノインプリント用のテンプレート等では、回路パターンの外側部分に描画される領域の面積が大きい。かかる回路パターン領域外のパターンは、パターン幅サイズが小さくないので、最大ショットサイズが小さくなると、逆にショット数が増加してしまう。そのため、かかるナノインプリント用のテンプレートでは、回路パターン領域外のパターンを描画するためにかかる時間が、回路パターン領域と同等或いはそれ以上かかってしまう場合もある。このように、膨大なショット数によってパターンを描画するため、かかるセトリング時間が描画時間に与える影響を無視できないものになってきた。
VSB方式の電子ビーム描画において、セトリング時間を無くすためには、できるだけビームを切らずに連続して照射し続けながら描画すればよい。従来、ビームの走査方向の幅を一定速度で連続的にゼロから増大させ、ビームの幅が所定値になると同時にビームの幅を所定値に維持しつつ一定速度でビームを走査する。そして、照射を止める場合には走査を止めると同時にビームの幅を一定速度で連続的にゼロまで減少させるといった手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかる手法により、走査方向に延びる矩形パターンを描画できる。
特開平3−154327号公報
しかしながら、かかる手法では、ビームの幅を増減させる速度とビームを走査する速度とが一致していないと矩形パターンの全領域にわたって一様な入射ドーズ量でビームを照射することが困難である。偏向器を用いたビーム走査におけるビームの偏向速度は、ビーム位置制御用のデジタル・アナログ(DA)変換器の電圧変更速度で決定される。同様に、偏向器を用いたビーム成形におけるビームの成形速度は、ビーム成形制御用のDA変換器の電圧変更速度で決定される。両DA変換器では、ターゲットとなる偏向幅が異なるので、制御範囲が異なる。そのため、両DA変換器の電圧変更速度は異なる場合が一般的である。よって、かかる手法では、ビームの幅を変更している領域とビーム成形後に走査している領域との間で一様な入射ドーズ量でビームを照射することが困難である。仮に、両DA変換器の電圧変更速度を同じ速度に設定できた場合には、矩形パターンの全領域にわたって一様な入射ドーズ量でビームを照射することができるかもしれない。しかしながら、かかる場合、今度は、入射ドーズ量が、矩形パターンを描画するために必要なドーズ量に一致するとは限らないといった次の問題に直面することになる。偏向器を用いたビーム走査におけるビームの偏向速度は、上述したようにビーム位置制御用のDA変換器の電圧変更速度で決定される。よって、むしろ、入射ドーズ量と必要なドーズ量とが一致しない場合の方が一般的である。よって、かかる手法では、必要なドーズ量のビームの照射を受けることができず、所望するパターン寸法からずれてしまうといった問題があった。さらに、VSB方式の電子ビーム描画において、かかる手法で描画処理を行う場合でも、従来のショットデータの形式にかかる手法を展開させることが望ましい。
そこで、本発明の一態様は、ビームを切らずに連続して照射し続けながら描画する場合に、必要なドーズ量を試料に入射する描画が可能な装置および方法を提供する。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画装置は、
図形パターンのパターンデータが定義された描画データを記憶する記憶装置と、
記憶装置からパターンデータを読み出し、荷電粒子ビームを偏向することにより荷電粒子ビームの照射形状サイズを変更する場合における荷電粒子ビームの成形偏向速度と、荷電粒子ビームを偏向することにより荷電粒子ビームの照射位置を移動させる場合における、荷電粒子ビームの位置偏向速度と、荷電粒子ビームの必要なドーズ量を得るための照射時間と、を用いて、荷電粒子ビームをONビーム状態のまま荷電粒子ビームの照射形状サイズを成形偏向速度で変更すると共に荷電粒子ビームの照射位置を位置偏向速度で移動させながら必要なドーズ量のビームが試料上に照射されるように図形パターンを描画するための荷電粒子ビームのショットデータを生成するショットデータ生成部と、
ショットデータに沿って、荷電粒子ビームをONビーム状態のまま荷電粒子ビームの照射形状サイズを成形偏向速度で変更すると共に荷電粒子ビームの照射位置を位置偏向速度で移動させながら荷電粒子ビームを用いて試料上に前記図形パターンを描画する描画機構と、
を備えたことを特徴とする。
また、ショットデータ生成部は、荷電粒子ビームの照射形状サイズを変更する方向と、荷電粒子ビームの照射位置を移動させる方向とが異なる場合に、荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更開始から変更完了までに複数のビームサイズに段階的に変化させるように、複数のビームサイズを定義するショットデータを生成し、
描画機構は、荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更開始から変更完了までに複数のビームサイズに段階的に変化させながら図形パターンを描画すると好適である。
また、ショットデータ生成部は、荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更が完了した状態で荷電粒子ビームの照射位置を移動させる段階で、照射時間が荷電粒子ビームの照射位置の移動に必要な移動時間よりも短い場合に、荷電粒子ビームの照射形状サイズを小さくするように、ビームサイズを定義するショットデータを生成し、
描画機構は、荷電粒子ビームの照射形状サイズを小さくして荷電粒子ビームの照射位置を移動させながら図形パターンを描画すると好適である。
本発明の他の態様の荷電粒子ビーム描画装置は、
図形パターンのパターンデータが定義された描画データを記憶する記憶装置と、
記憶装置からパターンデータを読み出し、荷電粒子ビームを偏向することにより荷電粒子ビームの照射形状サイズを変更する場合における荷電粒子ビームの成形偏向速度と、荷電粒子ビームを偏向することにより荷電粒子ビームの照射位置を移動させる場合における、荷電粒子ビームの位置偏向速度と、荷電粒子ビームの必要なドーズ量を得るための照射時間と、を用いて、荷電粒子ビームをONビーム状態のまま荷電粒子ビームの照射形状サイズを成形偏向速度で変更すると共に荷電粒子ビームの照射位置を位置偏向速度で移動させながら必要なドーズ量のビームが試料上に照射されるように図形パターンを描画するための荷電粒子ビームのショットデータを生成するショットデータ生成部と、
ショットデータに沿って、荷電粒子ビームをONビーム状態のまま荷電粒子ビームの照射形状サイズを成形偏向速度で変更すると共に荷電粒子ビームの照射位置を位置偏向速度で移動させながら荷電粒子ビームを用いて試料上に前記図形パターンを描画する描画機構と、
を備え、
描画機構は、照射時間が荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更に必要な偏向時間よりも長い場合に、荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更が完了した場合でも荷電粒子ビームの照射位置を固定したまま照射時間に達するまで荷電粒子ビームを照射し続けると好適である。
本発明の他の態様の荷電粒子ビーム描画装置は、
図形パターンのパターンデータが定義された描画データを記憶する記憶装置と、
前記記憶装置から前記パターンデータを読み出し、荷電粒子ビームを偏向することにより前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを変更する場合における前記荷電粒子ビームの成形偏向速度と、前記荷電粒子ビームを偏向することにより前記荷電粒子ビームの照射位置を移動させる場合における、前記荷電粒子ビームの位置偏向速度と、前記荷電粒子ビームの必要なドーズ量を得るための照射時間と、を用いて、前記荷電粒子ビームをONビーム状態のまま前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを前記成形偏向速度で変更すると共に前記荷電粒子ビームの照射位置を前記位置偏向速度で移動させながら前記必要なドーズ量のビームが試料上に照射されるように前記図形パターンを描画するための前記荷電粒子ビームのショットデータを生成するショットデータ生成部と、
前記ショットデータに沿って、前記荷電粒子ビームをONビーム状態のまま前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを前記成形偏向速度で変更すると共に前記荷電粒子ビームの照射位置を前記位置偏向速度で移動させながら前記荷電粒子ビームを用いて前記試料上に前記図形パターンを描画する描画機構と、
を備え、
前記ショットデータ生成部は、前記荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更が完了した状態で前記荷電粒子ビームの照射位置を移動させる段階で、前記照射時間が前記荷電粒子ビームの照射位置の移動に必要な移動時間よりも短い場合に、前記荷電粒子ビームの照射位置を移動させる方向の前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを小さくするように、ビームサイズを定義する前記ショットデータを生成し、
前記描画機構は、前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを小さくして前記荷電粒子ビームの照射位置を移動させながら前記図形パターンを描画することを特徴とする。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画方法は、
図形パターンのパターンデータが定義された描画データを記憶する記憶装置からパターンデータを読み出し、荷電粒子ビームを偏向することにより荷電粒子ビームの照射形状サイズを変更する場合における荷電粒子ビームの成形偏向速度と、荷電粒子ビームを偏向することにより荷電粒子ビームの照射位置を移動させる場合における荷電粒子ビームの位置偏向速度と、荷電粒子ビームの必要なドーズ量を得るための照射時間と、を用いて、荷電粒子ビームをONビーム状態のまま荷電粒子ビームの照射形状サイズを成形偏向速度で変更すると共に荷電粒子ビームの照射位置を位置偏向速度で移動させながら必要なドーズ量のビームが試料上に照射されるように図形パターンを描画するための荷電粒子ビームのショットデータを生成する工程と、
ショットデータに沿って、荷電粒子ビームをONビーム状態のまま荷電粒子ビームの照射形状サイズを成形偏向速度で変更すると共に荷電粒子ビームの照射位置を位置偏向速度で移動させながら荷電粒子ビームを用いて試料上に図形パターンを描画する工程と、
を備え
前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを変更する方向と、前記荷電粒子ビームの照射位置を移動させる方向とが異なる場合に、前記荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更開始から変更完了までに複数のビームサイズに段階的に変化させるように、前記複数のビームサイズを定義する前記ショットデータを生成し、
前記荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更開始から変更完了までに複数のビームサイズに段階的に変化させながら前記図形パターンを描画することを特徴とする。
また、本発明の他の態様の荷電粒子ビーム描画方法は、
図形パターンのパターンデータが定義された描画データを記憶する記憶装置からパターンデータを読み出し、荷電粒子ビームを偏向することにより荷電粒子ビームの照射形状サイズを変更する場合における荷電粒子ビームの成形偏向速度と、荷電粒子ビームを偏向することにより荷電粒子ビームの照射位置を移動させる場合における荷電粒子ビームの位置偏向速度と、荷電粒子ビームの必要なドーズ量を得るための照射時間と、を用いて、荷電粒子ビームをONビーム状態のまま荷電粒子ビームの照射形状サイズを成形偏向速度で変更すると共に荷電粒子ビームの照射位置を位置偏向速度で移動させながら必要なドーズ量のビームが試料上に照射されるように図形パターンを描画するための荷電粒子ビームのショットデータを生成する工程と、
ショットデータに沿って、荷電粒子ビームをONビーム状態のまま荷電粒子ビームの照射形状サイズを成形偏向速度で変更すると共に荷電粒子ビームの照射位置を位置偏向速度で移動させながら荷電粒子ビームを用いて試料上に図形パターンを描画する工程と、
を備え、
前記照射時間が前記荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更に必要な偏向時間よりも長い場合に、前記荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更が完了した場合でも前記荷電粒子ビームの照射位置を固定したまま前記照射時間に達するまで前記荷電粒子ビームを照射し続けることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、ビームを切らずに連続して照射し続けながら描画できる。よって、セトリング時間を省略でき、描画時間を大幅に短縮できる。さらに、必要なドーズ量を試料に入射する描画ができる。よって、高精度な寸法でパターンを描画できる。
実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1における各領域を説明するための概念図である。 実施の形態1における引きずり描画の描画手法の一例を示す図である。 実施の形態1における引きずり描画の描画手法の他の一例を示す図である。 実施の形態1におけるパターンの描き始めの成形方向と引きずり方向との関係を示す図である。 実施の形態1におけるパターンの描き締めの成形方向と引きずり方向との関係を示す図である。 実施の形態1におけるショットデータの一例を示す図である。 実施の形態1における描き始め部分のショットデータの一例を説明するための図である。 実施の形態1における引きずり部分のショットデータの一例を説明するための図である。 実施の形態1における引きずり部分のショットデータの他の一例を説明するための図である。 実施の形態1における描き締め部分のショットデータの一例を説明するための図である。 実施の形態1の比較例におけるショットデータの一例を示す図である。 実施の形態1における描き始め部分のショットデータの他の一例を説明するための図である。 実施の形態1における描き締め部分のショットデータの他の一例を説明するための図である。 実施の形態1におけるショットデータの識別子の一例を示す図である。 可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。また、荷電粒子ビーム装置の一例として、可変成形型の描画装置について説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。図1において、描画装置100は、描画機構150と制御系回路160を備えている。描画装置100は、荷電粒子ビーム描画装置の一例である。特に、可変成形型(VSB型)の描画装置の一例である。描画機構150は、電子鏡筒102と描画室103を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、ブランキング偏向器(ブランカー)212、ブランキングアパーチャ214、第1の成形アパーチャ203、投影レンズ204、偏向器205、第2の成形アパーチャ206、対物レンズ207、主偏向器208、及び副偏向器209が配置されている。描画室103内には、少なくともXY方向に移動可能なXYステージ105が配置される。XYステージ105上には、レジストが塗布された描画対象となる試料101(基板)が配置される。試料101には、半導体装置を製造するための露光用のマスクやシリコンウェハ等が含まれる。マスクにはマスクブランクスが含まれる。マスクブランクスは、ガラス基板上にクロム(Cr)等の遮光膜及びレジスト膜の順で各膜が積層されている。
制御系回路160は、制御計算機ユニット110、メモリ112、偏向制御回路120、DAC(デジタル・アナログコンバータ)アンプユニット130,132,134,136(偏向アンプ)、及び磁気ディスク装置等の記憶装置140,142,144を有している。制御計算機ユニット110、偏向制御回路120、及び記憶装置140,142,144は、図示しないバスを介して互いに接続されている。偏向制御回路120にはDACアンプユニット130,132,134,136が接続されている。DACアンプユニット130は、ブランキング偏向器212に接続されている。DACアンプユニット132は、副偏向器209に接続されている。DACアンプユニット134は、主偏向器208に接続されている。DACアンプユニット136は、ビーム成形用の偏向器205に接続されている。
また、制御計算機ユニット110内には、照射量演算部52、照射時間演算部54、ショットデータ生成部56、及び描画制御部58が配置される。照射量演算部52、照射時間演算部54、ショットデータ生成部56、及び描画制御部58といった各「〜部」は、処理回路を含み、その処理回路として、例えば、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「〜部」に含まれる処理回路は、共通する回路(同じ回路)を用いてもよい。或いは、異なる回路(別々の回路)を用いても良い。照射量演算部52、照射時間演算部54、ショットデータ生成部56、及び描画制御部58に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度メモリ112に記憶される。
複数の図形パターンが定義される描画データが描画装置100の外部から入力され、記憶装置140に格納されている。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
図2は、実施の形態1における各領域を説明するための概念図である。図2において、試料101の描画領域10は、主偏向器208の偏向可能幅で、例えばy方向に向かって短冊状に複数のストライプ領域20に仮想分割される。また、各ストライプ領域20は、副偏向器209の偏向可能サイズで、メッシュ状に複数のサブフィールド(SF)30(小領域)に仮想分割される。そして、各SF30の所望の位置に例えば矩形の図形パターン42が描画される。
偏向制御回路120からDACアンプユニット130に対して、ブランキング制御用のデジタル信号が出力される。そして、DACアンプユニット130では、デジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅させた上で偏向電圧として、ブランキング偏向器212に印加する。かかる偏向電圧によって電子ビーム200が偏向させられ、各ショットのビームが形成される。
偏向制御回路120からDACアンプユニット136に対して、成形制御用のデジタル信号が出力される。そして、DACアンプユニット136では、デジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅させた上で偏向電圧として、ビーム成形用の偏向器205に印加する。かかる偏向電圧によって電子ビーム200が偏向させられ、各ショットのビームが所望の形状に成形される。
偏向制御回路120からDACアンプユニット134に対して、主偏向位置制御用のデジタル信号が出力される。そして、DACアンプユニット134では、デジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅させた上で偏向電圧として、主偏向器208に印加する。かかる偏向電圧によって電子ビーム200が偏向させられ、各ショットのビームがメッシュ状に仮想分割された所定のサブフィールド(SF)の基準位置(例えば中心位置A)に偏向される。
偏向制御回路120からDACアンプユニット132に対して、副偏向位置制御用のデジタル信号が出力される。そして、DACアンプユニット132では、デジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅させた上で偏向電圧として、副偏向器209に印加する。かかる偏向電圧によって電子ビーム200が偏向させられ、各ショットのビームがメッシュ状に仮想分割された所定のサブフィールド(SF)内の各ショット位置に偏向される。
電子銃201(放出部)から放出された電子ビーム200は、ブランキング偏向器212内を通過する際にブランキング偏向器212によって、ビームONの状態では、ブランキングアパーチャ214を通過するように制御され、ビームOFFの状態では、ビーム全体がブランキングアパーチャ214で遮へいされるように偏向される。ブランキング偏向器212は、通過する電子ビーム200の向きを制御して、ビームONの状態とビームOFFの状態とを交互に生成する。例えば、ビームONの状態では電圧を印加せず、ビームOFFの際にブランキング偏向器212に電圧を印加すればよい。ビームOFFの状態からビームONとなり、その後ビームOFFになるまでにブランキングアパーチャ214を通過した電子ビーム200が1回の電子ビームのショットとなる。従来、同じ位置に照射し続ける各ショットの照射時間で試料101に照射される電子ビーム200のショットあたりの照射量が調整されていた。
以上のようにブランキング偏向器212とブランキングアパーチャ214を通過することによって生成された各ショットの電子ビーム200は、照明レンズ202により矩形の穴を持つ第1の成形アパーチャ203全体を照明する。ここで、電子ビーム200をまず矩形に成形する。そして、第1の成形アパーチャ203を通過した第1の成形アパーチャ像の電子ビーム200は、投影レンズ204により第2の成形アパーチャ206上に投影される。偏向器205によって、かかる第2の成形アパーチャ206上での第1の成形アパーチャ像は偏向制御され、ビーム形状と寸法を変化させる(可変成形を行なう)ことができる。従来、かかる可変成形はショット毎に行なわれ、通常ショット毎に異なるビーム形状と寸法に成形されていた。そして、第2の成形アパーチャ206を通過した第2のアパーチャ像の電子ビーム200は、対物レンズ207により焦点を合わせ、主偏向器208、及び副偏向器209によって偏向され、連続的に移動するXYステージ105に配置された試料101の所望する位置に照射される。
描画装置100では、複数段の偏向器を用いて、ストライプ領域20毎に描画処理を進めていく。ここでは、一例として、主偏向器208、及び副偏向器209といった2段偏向器が用いられる。但し、これに限るものではなく、1段偏向であっても良いし、3段偏向以上であっても良い。XYステージ105が例えば−x方向に向かって連続移動しながら、1番目のストライプ領域20についてx方向に向かって描画を進めていく。そして、1番目のストライプ領域20の描画終了後、同様に、或いは逆方向に向かって2番目のストライプ領域20の描画を進めていく。以降、同様に、3番目以降のストライプ領域20の描画を進めていく。そして、主偏向器208(第1の偏向器)が、XYステージ105の移動に追従するように、SF30の基準位置Aに電子ビーム200を順に偏向する。また、副偏向器209(第2の偏向器)が、各SF30の基準位置Aから、当該SF30内に照射されるビームのショット位置に電子ビーム200を偏向する。このように、主偏向器208、及び副偏向器209は、サイズの異なる偏向領域をもつ。そして、SF30は、かかる複数段の偏向器の偏向領域のうち、最小偏向領域となる。
ここで、SF30内に描画される矩形パターン42は、描画装置100によって成形可能なビームサイズよりも大きい。そのため、従来、かかる矩形パターン42を描画装置100の1回のショットで照射可能なサイズの複数のショット図形に分割し、複数のショット図形を複数回のショットに分けて照射していた。そのため、ショット毎に、ビーム成形用のDACアンプユニット136の整定時間と照射位置を移動させるための副偏向位置制御用のDACアンプユニット132の整定時間とのうち長い方の時間が経過するまで次のショットを打たずに待つ必要があった。かかる整定時間が、上述したように、描画時間の短縮化を阻害する要因になっていた。そこで、実施の形態1では、電子ビーム200を切らずに引きずりながら(走査しながら)照射することで、SF30内に矩形パターン42を描画する。
図3は、実施の形態1における引きずり描画の描画手法の一例を示す図である。ここでは、図3(a)に示す、x,y方向に、例えば、400nm×100nmの矩形パターン42を描画する場合を説明する。描画装置100の1回のショットで照射可能な最大ショットサイズが、x,y方向に、例えば100nm×100nmであった場合、図3(a)に示すように、矩形パターン42は、従来の手法ではx方向に4つのショット図形に分割される。そして、x方向に100nmずつ照射位置をずらした4回のショットで描画されることになる。ここでは、x方向に向かって描画処理を進める場合を示す。
これに対して、実施の形態1では、矩形の成形ビームの基準位置Oを例えば左下の角に設定した場合、図3(b)に示すように、描き始めとして、矩形パターン42の左下の角に成形ビームの基準位置O(ビーム原点)を合わせる。そして、副偏向器209による照射位置を固定した状態(引きずり無し)で、偏向器205によってビームサイズをx方向にゼロから100nmまで拡大する。その際、y方向のサイズは100nmを維持する。これにより、成形完了時には、図3(c)に示す100nm×100nmの矩形の成形ビームの左端が矩形パターン42の左端に一致する位置で成形ビームが照射されることになる。次に、図3(c)に示す成形後のビームをそのサイズを維持した状態、すなわち偏向器205による成形位置を固定した状態で、副偏向器209により照射位置をx方向に移動させる(走査する:引きずる)。これにより、図3(c)の位置から図3(d)に示す位置を経て、図3(e)に示す矩形の成形ビームの右端が矩形パターン42の右端に一致する位置まで走査する。そして、描き締めとして、図3(f)に示すように、副偏向器209による照射位置を移動させながら(引きずりながら)、偏向器205によってビームサイズを−x方向に100nmからゼロまで縮小する。このように、電子ビーム200を切らずに引きずりながら(走査しながら)照射することで、SF30内に矩形パターン42を描画する。図3(b)から図3(f)の例では、図3(b)から図3(e)に示すように、描き始めから引きずり途中までの間は、ビームの成形方向と引きずり方向とが共にx方向で一致する。一方、図3(f)に示すように、描き締めの際には、ビームの成形方向が−x方向となるのに対して引きずり方向はx方向のままなのでビームの成形方向と引きずり方向とが逆方向になる(一致しない)。
図4は、実施の形態1における引きずり描画の描画手法の他の一例を示す図である。ここでは、−x方向に向かって描画処理を進める場合を示す。図4(a)には、図3(a)と同様、x,y方向に、例えば、400nm×100nmの矩形パターン42を示す。−x方向に向かって描画処理を進める場合、矩形パターン42は、従来の手法では−x方向に100nmずつ照射位置をずらした4回のショットで描画されることになる。
これに対して、実施の形態1では、矩形の成形ビームの基準位置Oを例えば左下の角に設定した場合、図4(b)に示すように、描き始めとして、矩形パターン42の右下の角に成形ビームの基準位置Oを合わせる。そして、副偏向器209による照射位置を−x方向に移動させながら(引きずりながら)、偏向器205によってビームサイズをx方向にゼロから100nmまで拡大する。その際、y方向のサイズは100nmを維持する。これにより、成形完了時には、図4(c)に示す100nm×100nmの矩形の成形ビームの右端が矩形パターン42の右端に一致する位置で成形ビームが照射されることになる。次に、図4(c)に示す成形後のビームをそのサイズを維持した状態、すなわち偏向器205による成形位置を固定した状態で、副偏向器209により照射位置を−x方向に移動させる(走査する:引きずる)。これにより、図4(c)の位置から図4(d)に示す位置を経て、図4(e)に示す矩形の成形ビームの左端が矩形パターン42の左端に一致する位置まで走査する。そして、描き締めとして、図4(f)に示すように、副偏向器209による照射位置を固定した状態(引きずり無し)で、偏向器205によってビームサイズを−x方向に100nmからゼロまで縮小する。このように、電子ビーム200を切らずに引きずりながら(走査しながら)照射することで、SF30内に矩形パターン42を描画する。図4(b)から図4(f)の例では、図4(b)に示すように、描き始めの際には、ビームの成形方向がx方向となるのに対して引きずり方向は−x方向になるのでビームの成形方向と引きずり方向とが逆方向になる(一致しない)。一方、図4(c)から図4(f)に示すように、成形後の引きずり開始から描き締め終了までの間は、ビームの成形方向と引きずり方向とが共に−x方向で一致する。
図5は、実施の形態1におけるパターンの描き始めの成形方向と引きずり方向との関係を示す図である。パターンの描き始めには、成形ビームのビームサイズをゼロから所定のサイズまで拡大することになる。図5(a)に示すように、第1の成形アパーチャ203を通過した第1の成形アパーチャ像32は、偏向器205によって、第2の成形アパーチャ206に形成された開口部34と一部が重なるように偏向される。そして、重なった部分が、試料面上に照射される成形ビームになる。その際、例えば、重なり領域の左下の角が成形ビームの基準位置Oとなる。偏向器205によってx方向に第1の成形アパーチャ像32を偏向することでビームサイズを拡大する。副偏向器209は、成形ビームの基準位置Oが所望の座標に位置するように成形ビームを偏向する。成形ビームの基準位置Oを左下の角に設定する場合、図5(b)に示すように、x方向に描画処理を進める場合に、パターンの描き始めにおける成形方向と成形後の引きずり方向とが同じx方向になる。一方、図5(c)に示すように、−x方向に描画処理を進める場合に、パターンの描き始めにおける成形方向はx方向のままなので、引きずり方向となる−x方向とは向きが異なることになる。このように、パターンの描き始めの成形方向と引きずり方向には、2通りの組み合わせが存在する。
図6は、実施の形態1におけるパターンの描き締めの成形方向と引きずり方向との関係を示す図である。パターンの描き締めには、成形ビームのビームサイズを所定のサイズからゼロまで縮小することになる。図6(a)に示すように、偏向器205によって−x方向に第1の成形アパーチャ像32を偏向することでビームサイズを縮小する。副偏向器209は、成形ビームの基準位置Oが所望の座標に位置するように成形ビームを偏向する。成形ビームの基準位置Oを左下の角に設定する場合、図6(b)に示すように、−x方向に描画処理を進める場合に、パターンの描き締めにおける成形方向と成形中の引きずり方向とが同じ−x方向になる。一方、図6(c)に示すように、x方向に描画処理を進める場合に、パターンの描き締めにおける成形方向は−x方向のままなので、引きずり方向となるx方向とは向きが異なることになる。このように、パターンの描き締めの成形方向と引きずり方向には、2通りの組み合わせが存在する。
ここで、上述したように、ビーム成形用のDACアンプユニット136によるビームの幅を増減させる速度と、照射位置を移動させるための副偏向位置制御用のDACアンプユニット132によるビームを走査する速度とが一致していないと矩形パターン42の全領域にわたって一様な入射ドーズ量でビームを照射することが困難である。DACアンプユニット136によるビームの幅を増減させる速度は、DACアンプユニット136の電圧変更速度で決定される。同様に、DACアンプユニット132によるビームを走査する速度は、DACアンプユニット132の電圧変更速度で決定される。両DACアンプユニットでは、ターゲットとなる偏向幅が異なるので、制御範囲が異なる。そのため、両DACアンプユニットの電圧変更速度は異なる場合が一般的である。ビームの幅を増減させる速度(DACアンプユニット136の電圧変更速度)は、V1nm/ns、ビームを走査する速度(DACアンプユニット132の電圧変更速度)は、V2nm/nsとなる。例えば、V1>V2となる。さらに、速度V1でビームの幅をゼロから所望のサイズまで増加させるまでの時間中に入射されるドーズ量が矩形パターン42を描画するために必要なドーズ量に一致するとは限らない。同様に、速度V2でビームを走査して照射位置を移動させた場合に入射されるドーズ量が矩形パターン42を描画するために必要なドーズ量に一致するとは限らない。そこで、実施の形態1では、ビームを切らずに連続して照射し続けながら描画する場合に、必要なドーズ量を試料101に入射することが可能な描画を行う。そのためには、かかる描画を行うためのショットデータを生成する必要がある。さらに、実施の形態1では、VSB方式の電子ビーム描画において、かかる手法で描画処理を行う場合でも、従来のショットデータの形式にかかる手法を展開させる。以下、実施の形態1における描画方法を必要な要部工程の順序に沿って、順に説明する。
なお、ビームの幅を増減させる成形偏向速度となるDACアンプユニット136の電圧変更速度V1の情報と、ビームを走査する位置偏向速度となるDACアンプユニット132の電圧変更速度V2の情報とは、描画装置100の外部から入力され、記憶装置144に格納される。或いは、描画処理を行う前に、描画装置100によって測定しておいても良い。
ショットデータ生成工程として、まず、照射量演算部52は、記憶装置140から描画データを例えばストライプ領域20毎に読み出し、ストライプ領域20を所定のメッシュサイズで複数のメッシュ領域に分割する。そして、照射量演算部52は、メッシュ領域毎に、必要な電子ビーム200の照射量D(入射ドーズ量)を演算する。照射量Dの演算手法は、従来手法と同様で構わない。例えば、近接効果、かぶり効果、及び/或いはローディング効果等を補正する照射量を演算すると好適である。例えば、近接効果を補正する場合、メッシュ領域のサイズは、例えば、近接効果の影響半径の1/10程度にすると好適である。例えば、1μn程度に設定すると好適である。次に、照射時間演算部54は、演算された照射量Dを電子ビームの電流密度Jで割ることによって、照射時間tを演算する。これにより、メッシュ領域毎に必要な照射時間tを取得できる。メッシュ領域毎の照射時間tデータは、記憶装置144に格納される。
次に、ショットデータ生成部56は、記憶装置140から図形パターンのパターンデータが定義された描画データを例えばストライプ領域20毎に読み出し、記憶装置144から電子ビーム200の成形偏向速度V1と電子ビーム200の位置偏向速度V2と照射時間tデータとを読み出す。電子ビーム200の成形偏向速度V1は、電子ビーム200を偏向することにより電子ビーム200の照射形状サイズを変更する場合における成形偏向速度となる。電子ビーム200の位置偏向速度V2は、電子ビーム200を偏向することにより電子ビーム200の照射位置を移動させる場合における、電子ビーム200の位置偏向速度となる。そして、ショットデータ生成部56は、成形偏向速度V1と位置偏向速度V2と必要なドーズ量を得るための照射時間tとを用いて、電子ビーム200をONビーム状態のまま電子ビーム200の照射形状サイズを成形偏向速度V1で変更すると共に電子ビーム200の照射位置を位置偏向速度V2で移動させながら必要なドーズ量のビームが試料101上に照射されるように図形パターンを描画するための電子ビーム200のショットデータを生成する。
図7は、実施の形態1におけるショットデータの一例を示す図である。ここでは、例えば、400nm×100nmの矩形パターン42を描画する場合について説明する。その際の描画装置100で成形可能な最大ショットサイズを例えば100nmとする。また、DACアンプユニット130〜136のそれぞれの整定時間(セトリング時間)のうちの最大値を、例えば、30nsとする。また、必要な照射時間を、例えば、20nsとする。図7(a)及び図7(b)では、横軸としてx軸、縦軸として下に向かって正とする時間を示す。従来の複数のショット図形を繋ぎ合わせる手法では、図7(a)に示すように、1ショット目に100nm×100nmのショット図形を20ns照射した後、セトリング時間として30ns待機したのち、2ショット目に100nm×100nmのショット図形を20ns照射する。かかる動作を4ショット目まで繰り返すことで400nm×100nmの矩形パターン42を描画する。
これに対して、実施の形態1では、図3に示した手法で描画する。かかる場合のx方向と時間との関係を図7(b)に示している。かかる場合のショットデータを図7(c)に示している。ショットデータは、例えば、図7(c)に示すように、ショット番号、位置座標(x,y)、図形サイズ(Lx,Ly)、照射時間t、及びセトリング時間で定義している。また、電子ビーム200の成形偏向速度V1を、例えば、10nm/nsとする。よって、ビームサイズをx方向にゼロから100nmまで拡大するまでに10nsかかることになる。また、電子ビーム200の位置偏向速度V2を、例えば、8nm/nsとする。よって、電子ビーム200を100nm走査する(引きずる)には12.5nsかかることになる。かかるケースでは、ビームを成形する場合及びビームを走査する場合のいずれも、従来手法における1ショット分の100nm×100nmのショット図形を描画するための照射時間(20ns)に満たない時間で終了してしまうことになる。以下、具体的に説明する。
描き始めとして、矩形パターン42の左下の角に成形ビームの基準位置Oを合わせる。そのためのショットデータを図7(c)におけるショット番号(1)に示している。ショット番号(1)では、矩形パターン42の左下の角を座標(0,0)とした場合を示している。すなわち、成形ビームの基準位置Oについて、位置座標(0,0)で示す。その際の図形サイズは(0,100)となる。但し、x方向のサイズがゼロなので実質的には図形が成形されない。照射時間もゼロとなる。他の照射位置から移動してきているのでショット番号(1)のショット開始前のセトリング時間は従来と同様の通常値(例えば30ns)が必要となる。
続いて、かかる状態から、副偏向器209による照射位置を固定した状態(引きずり無し)で、偏向器205によってビームサイズをx方向にゼロから100nmまで拡大する。その際、y方向のサイズは100nmを維持する。そのためのショットデータを図7(c)におけるショット番号(2)に示している。ショット番号(2)では、位置座標(0nm,0nm)、図形サイズ(100nm,100nm)、照射時間(20ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義される。
図8は、実施の形態1における描き始め部分のショットデータの一例を説明するための図である。ここでは、描き始めの成形方向と成形後の引きずり方向が同じx方向である場合を示している。図8(b)におけるショット番号(2)で示すように、位置座標(0,0)で照射位置を固定した状態(引きずり無し)で、図形サイズ(shot size,100)になるまで、ビームサイズをx方向にゼロから所望のショットサイズまで成形偏向速度V1で拡大する。ここでは、所望のショットサイズ(「shot size」で定義)が100nmなので、ビームサイズをx方向にゼロから100nmまで成形偏向速度V1で拡大する。言い換えれば、図形サイズ(100,100)になるまで、ビームサイズをx方向にゼロから100nmまで成形偏向速度V1で拡大する。図8(a)(図7(b))の(2)で示すように、時間の経過と共にx方向へのビームサイズは拡大するが、10nsが経過した時点でビームサイズが100nmにまで拡大し終わる。成形完了時には、100nm×100nmの矩形の成形ビームの左端が矩形パターン42の左端に一致する位置で成形ビームが照射されることになる。しかし、必要な入射ドーズ量を得るためには20nsの照射時間が必要である。そのため、ビームサイズが100nmにまで拡大し終わった後、その状態で残りの10nsビームを照射し続ける。ショット番号(1)からショット番号(2)へは連続的に移行されるのでセトリング時間はゼロとなる。
なお、上述した例では、ビームサイズをx方向にゼロから最大ショットサイズ(100nm)まで拡大するまでの時間が、照射時間以下の場合について説明した。しかし、演算される照射時間によって、ビームサイズをx方向にゼロから最大ショットサイズ(100nm)まで拡大するまでの時間が、照射時間よりも長い場合もあり得る。かかる場合には、図形サイズ(shot size,100)が示すx方向のサイズLx(=shot size)は、最大ショットサイズ(「max shot size」と示す)/V1(「sizer」と示す)×照射時間t(「t shot」と示す)で得られる値に設定すればよい。言い換えれば、可能な範囲でビームサイズを拡大する。これにより、ここでは最大ショットサイズ(100nm)まで拡大しきれないことになるが、不足分は以降の引きずり工程で補えばよい。
続いて、かかる状態から、成形後のビームをそのサイズを維持した状態、すなわち偏向器205による成形位置を固定した状態で、副偏向器209により照射位置をx方向に100nm移動させる(走査する:引きずる)。そのためのショットデータを図7(c)におけるショット番号(3)に示している。ショット番号(3)では、位置座標(100nm,0nm)、図形サイズ(100nm,100nm)、照射時間(20ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義される。
図9は、実施の形態1における引きずり部分のショットデータの一例を説明するための図である。ここでは、引きずり方向がx方向である場合を示している。図9(b)におけるショット番号(3)で示すように、位置座標(shot size,0)として、座標(0,0)から座標(shot size,0)まで位置偏向速度V2で(shot size)nm×100nmの成形ビームを引きずる(走査する)。ここでは、「shot size」が100nmなので、座標(0,0)から座標(100,0)まで位置偏向速度V2で100nm×100nmの成形ビームを引きずる(走査する)。よって、図形サイズは(100,100)のままとなる。図9(a)(図7(b))の(3)で示すように、時間の経過と共にx方向へとビームが引きずられるが、12.5ns経過した時点でビームが座標(100,0)に到達してしまう。しかし、必要な入射ドーズ量を得るためには20nsの照射時間が必要である。そのため、ビームの引きずり量が100nmまで到達した後、その状態で停止して残りの7.5ns間、ビームを照射し続ける。ショット番号(2)からショット番号(3)へは連続的に移行されるのでセトリング時間はゼロとなる。
続いて、かかる状態から、成形後のビームをそのサイズを維持した状態、すなわち偏向器205による成形位置を固定した状態で、副偏向器209により照射位置をx方向に100nm移動させる(走査する:引きずる)。そのためのショットデータを図7(c)におけるショット番号(4)に示している。ショット番号(4)では、位置座標(200nm,0nm)、図形サイズ(100nm,100nm)、照射時間(20ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義される。
図9(b)におけるショット番号(4)で示すように、位置座標(2・shot size,0)として、座標(100,0)から座標(2・shot size,0)まで位置偏向速度V2で(shot size)nm×100nmの成形ビームを引きずる(走査する)。「shot size」が100nmなので、2×shot size=200となる。よって、座標(100,0)から座標(200,0)まで位置偏向速度V2で100nm×100nmの成形ビームを引きずる(走査する)。よって、図形サイズは(100,100)のままとなる。図9(a)(図7(b))の(4)で示すように、時間の経過と共にx方向へとビームが引きずられるが、12.5ns経過した時点でビームが座標(200,0)に到達してしまう。しかし、必要な入射ドーズ量を得るためには20nsの照射時間が必要である。そのため、座標(100,0)から座標(200,0)までのビームの引きずり量が100nmまで到達した後、その状態で停止して残りの7.5ns間、ビームを照射し続ける。ショット番号(3)からショット番号(4)へは連続的に移行されるのでセトリング時間はゼロとなる。
続いて、かかる状態から、成形後のビームをそのサイズを維持した状態、すなわち偏向器205による成形位置を固定した状態で、副偏向器209により照射位置をx方向に100nm移動させる(走査する:引きずる)。そのためのショットデータを図7(c)におけるショット番号(5)に示している。ショット番号(5)では、位置座標(300nm,0nm)、図形サイズ(100nm,100nm)、照射時間(20ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義される。
図9(b)におけるショット番号(5)で示すように、位置座標(3・shot size,0)として、座標(200,0)から座標(3・shot size,0)まで位置偏向速度V2で(shot size)nm×100nmの成形ビームを引きずる(走査する)。「shot size」が100nmなので、3×shot size=300となる。よって、座標(200,0)から座標(300,0)まで位置偏向速度V2で100nm×100nmの成形ビームを引きずる(走査する)。よって、図形サイズは(100,100)のままとなる。図9(a)(図7(b))の(5)で示すように、時間の経過と共にx方向へとビームが引きずられるが、12.5ns経過した時点でビームが座標(300,0)に到達してしまう。しかし、必要な入射ドーズ量を得るためには20nsの照射時間が必要である。そのため、座標(200,0)から座標(300,0)までのビームの引きずり量が100nmまで到達した後、その状態で停止して残りの7.5ns間、ビームを照射し続ける。ショット番号(4)からショット番号(5)へは連続的に移行されるのでセトリング時間はゼロとなる。
図9の例では、x方向の成形ビームサイズ(ここでは100nm)だけ引きずる際に必要な時間(12.5ns)が照射時間(20ns)以下の場合について説明した。言い換えれば、1ショットサイズ(引きずり量)≦照射時間×ビーム偏向速度V2の場合について説明した。しかし、演算される照射時間tによっては、x方向の成形ビームサイズ(ここでは100nm)だけ引きずる際に必要な時間(12.5ns)が照射時間よりも長くなる場合もあり得る。言い換えれば、1ショットサイズ(引きずり量)>照射時間×ビーム偏向速度V2の場合もあり得る。ショットデータ生成部56は、電子ビーム200の照射形状サイズの変更が完了した状態で電子ビーム200の照射位置を移動させる段階で、照射時間が電子ビーム200の照射位置の移動に必要な移動時間よりも短い場合に、電子ビーム200の照射形状サイズを小さくするように、ビームサイズを定義するショットデータを生成する。
図10は、実施の形態1における引きずり部分のショットデータの他の一例を説明するための図である。ここでは、1ショットサイズ(引きずり量)>照射時間×ビーム偏向速度V2の場合であって、引きずり方向がx方向である場合を示している。かかる場合には、位置座標及び図形サイズの「shot size」は、最大ショットサイズ(「max shot size」で表示)/V2(「sub」で表示)×照射時間t(「t shot」で表示)で得られる値に設定すればよい。言い換えれば、可能な範囲でビームを走査すればよい。これにより、描画されるパターンのx方向サイズが不足することになるが、不足分は、さらに、引きずり回数を増やして調整すればよい。
ここで、図7(b)において、x方向の各位置における照射時間は、縦軸の長さで示される。(2)の図形の斜辺の角度と(3)〜(5)の斜辺の角度が若干異なるが、x方向の各位置における縦軸の長さは、ほぼ20nsに合わせることができる。具体的には、座標(0,0)での照射時間は20ns、及び座標(100,0)直前での照射時間は22.5nsとなり、その間の各位置は線形補間された値となる。座標(100,0)〜座標(300,0)までの各位置での照射時間は20nsにできる。しかし、このままでは、座標(300,0)〜座標(400,0)までの間で照射時間が不足する。そのため、かかる間を描き締めとして描画する。
図3に示した手法では、描き締めとして、ビームサイズを縮小する際に、成形ビームの基準位置Oが引きずられて移動する。そして、ビームの成形方向が−x方向となるのに対して引きずり方向はx方向のままなのでビームの成形方向と引きずり方向とが逆方向になる(一致しない)。このように、電子ビーム200の照射形状サイズを変更する方向と、電子ビーム200の照射位置を移動させる方向とが異なる場合に、ショットデータ生成部56は、電子ビーム200の照射形状サイズの変更開始から変更完了までに複数のビームサイズに段階的に変化させるように、複数のビームサイズを定義するショットデータを生成する。図7(b)及び図7(c)の例では、描き締め段階のショットデータを、ショット番号(6−1)〜(6−3)の複数段のデータに分けて定義する。ショット番号(6−1)では、位置座標(330nm,0nm)、図形サイズ(75nm,100nm)、照射時間(3.8ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義される。ショット番号(6−2)では、位置座標(380nm,0nm)、図形サイズ(25nm,100nm)、照射時間(6.3ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義される。ショット番号(6−3)では、位置座標(400nm,0nm)、図形サイズ(0nm,100nm)、照射時間(2.5ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義される。
図11は、実施の形態1における描き締め部分のショットデータの一例を説明するための図である。図11(a)では、図7(b)の(6−1)〜(6−3)を拡大して示している。また、図11(b)では、図7(c)の(6−1)〜(6−3)と同様のデータを示している。ここでは、ビームの成形方向が−x方向となるのに対して引きずり方向はx方向である場合を示している。成形ビームの基準位置O(ビーム原点)とは反対側の端(右端)を矩形パターン42の右端に合わせてビーム原点をx方向に引きずりながらビーム幅を縮小すると、ここでは、例えば、ビームの成形偏向速度V1の方が位置偏向速度V2よりも早いので、成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端から少しずつずれてしまう。例えば、ビーム原点移動とビーム幅絞りを同時に行うと、例えば5nsで成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端から10nmだけ−x方向側にずれてしまう。そこで、実施の形態1では、成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端からずれる量が許容範囲(max−err)に収まるように、ショットデータを分割する。
まず、ショットデータ生成部56は、成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端から離れる偏向速度(s−diff−def)を演算する。偏向速度(s−diff−def)は、成形偏向速度V1(=sizer)と、位置偏向速度V2(=sub)とを使って、次の式(1)で定義できる。記号「abs」は絶対値を示す。
(1) (s−diff−def)=abs(sub−sizer)
図7(b)及び図7(c)の例では、偏向速度(s−diff−def)は2nm/nsとなる。
一方、ショット番号(5)まで行った時点で、矩形パターン42の右端では、成形ビームを停止した状態で7.5ns間、ビームを照射し続けているので、不足照射時間(ts−shot)が12.5nsとなっている。そこで、ショットデータ生成部56は、不足照射時間(ts−shot)の中から成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端から許容範囲(max−err)まで−x方向にずれる時間(tin1)を演算する。時間(tin1)は、偏向速度(s−diff−def)と許容範囲(max−err)とを用いて、次の式(2)で演算できる。
(2) (tin1)=(max−err)/(s−diff−def)
図7(b)及び図7(c)の例では、許容範囲(max−err)を例えば5nmとすると、−x方向(内側)にゼロから許容範囲(max−err)までずれる時間(tin1)は、2.5nsとなる。
次に、かかる時間(tin1)によって、成形ビームが縮小される縮小サイズ(Lin1)を演算する。縮小サイズ(Lin1)は、次の式(3)で演算できる。
(3) (Lin1)=(sizer)×(tin1)
よって、縮小後の成形ビームのサイズ(Lxin1)は、最大ショットサイズ(max−shot−size)を用いて次の式(4)で演算できる。
(4) (Lxin1)=(max−shot−size)−(Lin1)
図7(b)及び図7(c)の例では、Lx=100nmの成形ビームが、2.5nsの間に、Lxin1=75nmに縮小する。よって、縮小後の成形ビームのサイズは、75nm×100nmとなる。
次に、第1回目の縮小後の成形ビームが、サイズを固定したまま、引きずりにより、成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端から−x方向に許容範囲(max−err)までずれた位置から、矩形パターン42の右端からx方向に許容範囲(max−err)までずれた位置まで移動する時間(tout1)を演算する。時間(tout1)は、位置偏向速度V2(=sub)と許容範囲(max−err)とを用いて、次の式(5)で演算できる。
(5) (tout1)=2(max−err)/(sub)
図7(b)及び図7(c)の例では、第1回目の縮小後の75nm×100nmの成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端から−x方向に5nmずれた位置から矩形パターン42の右端からx方向に5nmずれた位置まで、合計10nm移動させることになるので、時間(tout1)は、1.25ns(1.3ns)になる。
次に、時間(tin1)と時間(tout1)との合計時間(t1−shot)の間に、成形ビームが、引きずられる距離(x1)は、次の式(6)で演算できる。
(6) (x1)=(t1−shot)×(sub)
図7(b)及び図7(c)の例では、2.5nsと1.3nsの合計3.8nsの間に、30.8nm(30nm)引きずることになる。よって、位置座標(300,0)から位置座標(330,0)になる。よって、第1回目の縮小工程となるショット番号(6−1)では、図7(c)及び図11(b)に示すように、位置座標(330nm,0nm)、図形サイズ(75nm,100nm)、照射時間(3.8ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義される。
ショット番号(6−1)まで行った時点で、残り12.5nsのうち、3.8nsビームを照射しているので、不足照射時間(ts−shot)が8.7nsとなっている。そこで、ショットデータ生成部56は、新たな不足照射時間(ts−shot)の中から成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端から許容範囲(max−err)まで−x方向にずれる時間(tin2)を演算する。時間(tin2)は、偏向速度(s−diff−def)と許容範囲(max−err)とを用いて、次の式(7)で演算できる。
(7) (tin2)=2・(max−err)/(s−diff−def)
図7(b)及び図7(c)の例では、矩形パターン42の右端からx方向(外側)に5nmの位置から−x方向(内側)に5nmの位置まで合計10nmずれる時間(tin2)は、5nsとなる。
次に、かかる時間(tin2)によって、成形ビームが縮小される縮小サイズ(Lin2)を演算する。縮小サイズ(Lin2)は、次の式(8)で演算できる。
(8) (Lin2)=(sizer)×(tin2)
よって、縮小後の成形ビームのサイズ(Lxin2)は、第1回目の縮小後の成形ビームのサイズ(Lxin1)を用いて次の式(9)で演算できる。
(9) (Lxin2)=(Lxin1)−(Lin2)
図7(b)及び図7(c)の例では、(Lxin1)=75nmの成形ビームが、5nsの間に、(Lxin2)=25nmに縮小する。よって、縮小後の成形ビームのサイズは、25nm×100nmとなる。
次に、第2回目の縮小後の成形ビームが、サイズを固定したまま、引きずりにより、成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端から−x方向に許容範囲(max−err)までずれた位置から、矩形パターン42の右端からx方向に許容範囲(max−err)までずれた位置まで移動する時間(tout2)を演算する。時間(tout2)は、位置偏向速度V2(=sub)と許容範囲(max−err)とを用いて、次の式(10)で演算できる。
(10) (tout2)=2(max−err)/(sub)
図7(b)及び図7(c)の例では、第2回目の縮小後の25nm×100nmの成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端から−x方向に5nmずれた位置から矩形パターン42の右端からx方向に5nmずれた位置まで、合計10nm移動させることになるので、時間(tout2)は、1.25ns(1.3ns)になる。
次に、時間(tin2)と時間(tout2)との合計時間(t2−shot)の間に、成形ビームが、引きずられる距離(x2)は、次の式(11)で演算できる。
(11) (x2)=(t2−shot)×(sub)
図7(b)及び図7(c)の例では、5nsと1.3nsの合計6.3nsの間に、50.4nm(50nm)引きずることになる。よって、位置座標(330,0)から位置座標(380,0)になる。よって、第2回目の縮小工程となるショット番号(6−2)では、図7(c)及び図11(b)に示すように、位置座標(380nm,0nm)、図形サイズ(25nm,100nm)、照射時間(6.3ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義される。
ショット番号(6−2)まで行った時点で、残り8.7nsのうち、6.3nsビームを照射しているので、不足照射時間(ts−shot)が2.4nsとなっている。そこで、ショットデータ生成部56は、新たな不足照射時間(ts−shot)の中から成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端から許容範囲(max−err)まで−x方向にずれる時間(tin3)を演算する。時間(tin3)は、偏向速度(s−diff−def)と許容範囲(max−err)とを用いて、次の式(12)で演算できる。
(12) (tin3)=2・(max−err)/(s−diff−def)
図7(b)及び図7(c)の例では、矩形パターン42の右端からx方向(外側)に5nmの位置から−x方向(内側)に5nmの位置まで合計10nmずれる時間(tin3)は、5nsとなる。しかし、既に、不足照射時間(ts−shot)が2.4nsしかない。よって、ここでは、短い方の時間を照射時間(t3−shot)とし、照射時間(t3−shot)は2.4nsになる。
次に、かかる時間(t3−shot)によって、成形ビームが縮小される縮小サイズ(Lin3)を演算する。縮小サイズ(Lin3)は、次の式(13)で演算できる。
(13) (Lin3)=(sizer)×(t3−shot)
よって、縮小後の成形ビームのサイズ(Lxin3)は、第2回目の縮小後の成形ビームのサイズ(Lxin2)を用いて次の式(14)で演算できる。
(14) (Lxin3)=(Lxin2)−(Lin3)
図7(b)及び図7(c)の例では、(Lxin2)=25nmの成形ビームが、2.4nsの間に、(Lxin3)=1nmに縮小する。よって、縮小後の成形ビームのサイズは、1nm×100nmとなる。
次に、第3回目の縮小後の成形ビームが、サイズを固定したまま、引きずりにより、成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端から−x方向に許容範囲(max−err)までずれた位置から、矩形パターン42の右端からx方向に許容範囲(max−err)までずれた位置まで移動する時間(tout3)を演算する。しかし、既に、時間(tin3)に満たない時間で照射時間は終了している。よって、時間(tout3)を演算する必要はない。
次に、時間(t3−shot)の間に、成形ビームが、引きずられる距離(x3)は、次の式(15)で演算できる。
(15) (x3)=(t3−shot)×(sub)
図7(b)及び図7(c)の例では、2.4nsの間に、19.2nm(19nm)引きずることになる。よって、位置座標(380,0)から位置座標(399,0)になる。しかし、第3回目の縮小後の成形ビームの残りサイズが1nmであり、座標のx方向の残りが1nmである。よって、そのままサイズがゼロになるまで、縮小と引きずりを続ける。しかし、照射時間は所望の20nsを維持するため、2.4nsのままとする。よって、第3回目の縮小工程となるショット番号(6−3)では、図7(c)及び図11(b)に示すように、位置座標(400nm,0nm)、図形サイズ(0nm,100nm)、照射時間(2.4ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義される。
以上のように、電子ビーム200の照射形状サイズを変更する方向と、電子ビーム200の照射位置を移動させる方向とが異なる場合、描き締め部分では、成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端から−x方向とx方向にそれぞれ許容範囲(max−err)で交互にずれるように縮小させながら所望の照射時間になるまでビームを引きずる。これにより、座標(300,0)〜座標(400,0)までの各位置での照射時間を実質的に20nsにできる。
以上のように、実施の形態1のショットデータ生成部56によれば、座標(0,0)〜座標(400,0)までの各位置での照射時間を実質的に所望の照射時間(例えば20ns)に合わせるショットデータを生成できる。
図12は、実施の形態1の比較例におけるショットデータの一例を示す図である。ここでは、例えば、400nm×100nmの矩形パターン42を描画する場合について説明する。その際の描画装置100で成形可能な最大ショットサイズを例えば100nmとする。また、DACアンプユニット130〜136のそれぞれの整定時間(セトリング時間)のうちの最大値を、例えば、30nsとする。また、必要な照射時間を、例えば、20nsとする。図12(a)及び図12(b)では、横軸としてx軸、縦軸として下に向かって正とする時間を示す。従来の複数のショット図形を繋ぎ合わせる手法では、図7(a)と同様、図12(a)に示すように、1ショット目に100nm×100nmのショット図形を20ns照射した後、セトリング時間として30ns待機したのち、2ショット目に100nm×100nmのショット図形を20ns照射する。かかる動作を4ショット目まで繰り返すことで400nm×100nmの矩形パターン42を描画する。図12(b)及び図12(c)において、実施の形態1の比較例では、ビーム成形用の成形偏向速度V1が5ns/ns、引きずり用の位置偏向速度V2も5ns/nsとする。よって、所望の照射時間20nsで、ビームサイズがゼロから100nmになり、ビーム位置が100nm進む。かかるケースでは、ビームサイズがゼロから100nmになるまでに所望の照射時間が得られるので、図12(c)に示すように、ショット番号(1)では、位置座標(0nm,0nm)、図形サイズ(0nm,100nm)、照射時間(0ns)、及びセトリング時間(必要時間)で定義できる。ショット番号(2)では、位置座標(0nm,0nm)、図形サイズ(100nm,100nm)、照射時間(20ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義できる。ビームサイズが100×100nmになった後は、引きずりながら所望の照射時間が得られるので、途中で止める必要がない。よって、ショット番号(3)では、位置座標(300nm,0nm)、図形サイズ(100nm,100nm)、照射時間(60ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義できる。引き締めの部分では、実施の形態1のように、成形方向と引きずり方向が異なるので、複数のショットデータに分割する必要がある。しかし、例えば、成形ビームの基準位置Oを左下から右下に変更することができるとすれば、引きずり無しの状態で縮小させるだけなので、ショット番号(4)のように、位置座標(400nm,0nm)、図形サイズ(0nm,100nm)、照射時間(20ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義できることになる。しかし、実際には、成形ビームの基準位置Oを変更することは装置構成及び制御内容を複雑にするため好ましくない。また、成形偏向速度V1と位置偏向速度V2が、最大ショットサイズの偏向距離にかかる時間が所望の照射時間になることは一般的に生じにくい。よって、実施の形態1の比較例のようなショットデータを生成することは一般的には生じにくいと言える。
ここで、上述した例では、図3に示す方向での描画手法を説明したが、図4に示した方向で描画する場合もあり得る。かかる場合、描き始めにおいて、電子ビーム200の照射形状サイズを変更する方向(x方向)と、電子ビーム200の照射位置を移動させる方向(−x方向)とが異なることになる。よって、図11で説明した場合とは逆に、描き始め部分では、成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端からx方向と−x方向にそれぞれ許容範囲(max−err)で交互にずれるように拡大させながらビームを引きずる。
図13は、実施の形態1における描き始め部分のショットデータの他の一例を説明するための図である。図13(a)では、図4に示した方向で400nm×100nmの矩形パターン42を描画する場合における描き始め部分を示す。描き始めとして、矩形パターン42の右左下の角に成形ビームの基準位置Oを合わせる。成形ビームの基準位置Oは、成形ビームの左下のままである。そのためのショットデータを図13(b)におけるショット番号(1)に示している。ショット番号(1)では、矩形パターン42の右下の角を座標(0,0)とした場合を示している。すなわち、成形ビームの基準位置Oについて、位置座標(0,0)で示す。その際の図形サイズは(0,100)となる。但し、x方向のサイズがゼロなので実質的には図形が成形されない。照射時間もゼロとなる。他の照射位置から移動してきているのでショット番号(1)のショット開始前のセトリング時間は従来と同様の通常値(例えば30ns)が必要となる。
続いて、かかる状態から、副偏向器209による照射位置を−x方向に引きずりながら、偏向器205によってビームサイズをx方向にゼロから拡大する。成形ビームの基準位置O(ビーム原点)とは反対側の端(右端)を矩形パターン42の右端に合わせてビーム原点を−x方向に引きずりながらビーム幅を拡大すると、ここでは、例えば、ビームの成形偏向速度V1の方が位置偏向速度V2よりも早いので、成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端から少しずつずれてしまう。例えば、ビーム原点移動とビーム幅拡大とを同時に行うと、例えば5nsで成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端から10nmだけx方向側にずれてしまう。よって、図11(c)で示した成形ビームを縮小する場合と同様、実施の形態1では、成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端からずれる量が許容範囲(max−err)に収まるように、ショットデータを分割する。
上述したように、成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端から離れる偏向速度(s−diff−def)は、成形偏向速度V1(=sizer)と、位置偏向速度V2(=sub)とを使って、上述した式(1)で定義できる。
図13(a)及び図13(b)の例では、偏向速度(s−diff−def)は2nm/nsとなる。
一方、照射時間(t−shot)が20nsとなっている。そこで、ショットデータ生成部56は、照射時間(t−shot)の中から成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端から許容範囲(max−err)までx方向にずれる時間(tout1’)を演算する。時間(tout1’)は、偏向速度(s−diff−def)と許容範囲(max−err)とを用いて、次の式(16)で演算できる。
(16) (tout1’)=(max−err)/(s−diff−def)
図13(a)及び図13(b)の例では、許容範囲(max−err)を例えば5nmとすると、x方向(外側)にゼロから許容範囲(max−err)までずれる時間(tout1’)は、2.5nsとなる。
次に、かかる時間(tout1’)によって、成形ビームが拡大される拡大サイズ(Lout1’)を演算する。拡大サイズ(Lout1’)は、次の式(17)で演算できる。
(17) (Lout1’)=(sizer)×(tout1’)
よって、拡大後の成形ビームのサイズ(Lxout1’)は、(Lout1’)となる。
図13(a)及び図13(b)の例では、Lx=0nmの成形ビームが、2.5nsの間に、Lxout1’=25nmに拡大する。よって、拡大後の成形ビームのサイズは、25nm×100nmとなる。
次に、第1回目の拡大後の成形ビームが、サイズを固定したまま、引きずりにより、成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端からx方向に許容範囲(max−err)までずれた位置から、矩形パターン42の右端から−x方向に許容範囲(max−err)までずれた位置まで移動する時間(tin1’)を演算する。時間(tin1’)は、位置偏向速度V2(=sub)と許容範囲(max−err)とを用いて、次の式(18)で演算できる。
(18) (tin1’)=2(max−err)/(sub)
図13(a)及び図13(b)の例では、第1回目の拡大後の25nm×100nmの成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端からx方向に5nmずれた位置から矩形パターン42の右端から−x方向に5nmずれた位置まで、合計10nm移動させることになるので、時間(tin1’)は、1.25ns(1.3ns)になる。
次に、時間(tin1’)と時間(tout1’)との合計時間(t1−shot’)の間に、成形ビームが、引きずられる距離(x1’)は、次の式(19)で演算できる。
(19) (x1’)=(t1−shot’)×(sub)
図13(a)及び図13(b)の例では、2.5nsと1.3nsの合計3.8nsの間に、−x方向に、30.8nm(30nm)引きずることになる。よって、位置座標(0,0)から位置座標(−30,0)になる。よって、第1回目の拡大工程となるショット番号(1−1)では、図13(a)及び図13(b)に示すように、位置座標(−30nm,0nm)、図形サイズ(25nm,100nm)、照射時間(3.8ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義される。
ショット番号(2−1)まで行った時点で、照射時間20nsのうち、3.8nsビームを照射しているので、不足照射時間(ts−shot’)が16.2nsとなっている。そこで、ショットデータ生成部56は、新たな不足照射時間(ts−shot’)の中から成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端から許容範囲(max−err)までx方向にずれる時間(tout2’)を演算する。時間(tout2’)は、偏向速度(s−diff−def)と許容範囲(max−err)とを用いて、次の式(20)で演算できる。
(20) (tout2’)=2・(max−err)/(s−diff−def)
図13(a)及び図13(b)の例では、矩形パターン42の右端から−x方向(内側)に5nmの位置からx方向(外側)に5nmの位置まで合計10nmずれる時間(tout2’)は、5nsとなる。
次に、かかる時間(tout2’)によって、成形ビームが拡大される拡大サイズ(Lout2’)を演算する。拡大サイズ(Lout2’)は、次の式(21)で演算できる。
(21) (Lout2’)=(sizer)×(tout2’)
よって、拡大後の成形ビームのサイズ(Lxout2’)は、第1回目の拡大後の成形ビームのサイズ(Lxout1’)を用いて次の式(22)で演算できる。
(22) (Lxout2’)=(Lxout1’)+(Lout2’)
図13(a)及び図13(b)の例では、(Lxout1’)=25nmの成形ビームが、5nsの間に、(Lxout2’)=75nmに拡大する。よって、拡大後の成形ビームのサイズは、75nm×100nmとなる。
次に、第2回目の拡大後の成形ビームが、サイズを固定したまま、引きずりにより、成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端からx方向に許容範囲(max−err)までずれた位置から、矩形パターン42の右端から−x方向に許容範囲(max−err)までずれた位置まで移動する時間(tin2’)を演算する。時間(tin2’)は、位置偏向速度V2(=sub)と許容範囲(max−err)とを用いて、次の式(23)で演算できる。
(23) (tin2’)=2(max−err)/(sub)
図13(a)及び図13(b)の例では、第2回目の拡大後の75nm×100nmの成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端からx方向に5nmずれた位置から矩形パターン42の右端から−x方向に5nmずれた位置まで、合計10nm移動させることになるので、時間(tin2’)は、1.25ns(1.3ns)になる。
次に、時間(tin2’)と時間(tout2’)との合計時間(t2−shot’)の間に、成形ビームが、−x方向に引きずられる距離(x2’)は、次の式(24)で演算できる。
(24) (x2’)=(t2−shot’)×(sub)
図13(a)及び図13(b)の例では、5nsと1.3nsの合計6.3nsの間に、−x方向に、50.4nm(50nm)引きずることになる。よって、位置座標(−30,0)から位置座標(−80,0)になる。よって、第2回目の拡大工程となるショット番号(2−2)では、図13(a)及び図13(b)に示すように、位置座標(−80nm,0nm)、図形サイズ(75nm,100nm)、照射時間(6.3ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義される。
ショット番号(2−2)まで行った時点で、残り16.2nsのうち、6.3nsビームを照射しているので、不足照射時間(ts−shot’)が9.9nsとなっている。そこで、ショットデータ生成部56は、新たな不足照射時間(ts−shot’)の中から成形ビームの右端の位置が矩形パターン42の右端から許容範囲(max−err)までx方向にずれる時間(tout3’)を演算する。時間(tout3’)は、偏向速度(s−diff−def)と許容範囲(max−err)とを用いて、次の式(25)で演算できる。
(25) (tout3’)=2・(max−err)/(s−diff−def)
図13(a)及び図13(b)の例では、矩形パターン42の右端から−x方向(内側)に5nmの位置からx方向(外側)に5nmの位置まで合計10nmずれる時間(tout3’)は、5nsとなる。一方、図形サイズ(75nm,100nm)が最大ショットサイズ(100nm,100nm)になるまでには、25nmの拡大を残すのみである。また、図形サイズを25nm拡大するには、上述したように2.5nsで足りる。よって、(tout3’)は、短い方の2.5とする。
次に、時間(tout3’)の間に、成形ビームが、−x方向に引きずられる距離(x3’)は、次の式(26)で演算できる。
(26) (x3’)=(tout3’)×(sub)
図13(a)及び図13(b)の例では、−x方向に、20nm引きずることになる。よって、位置座標(−80,0)から位置座標(−100,0)になる。しかし、位置座標(−100nm,0nm)、図形サイズ(100nm,100nm)になった時点では、必要な照射時間が7.4ns不足している。そのため、ビームサイズが100nmにまで拡大し終わった後、その状態で残りの7.4nsビームを照射し続ける。よって、第3回目の拡大工程となるショット番号(2−3)では、図13(a)及び図13(b)に示すように、位置座標(−100nm,0nm)、図形サイズ(100nm,100nm)、照射時間(9.9ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義される。
以上により、上述した図7(c)のショット番号(2)の状態と描画方向は異なるが、実質的に同じ状態を生成できる。
続いて、かかる状態から、成形後のビームをそのサイズを維持した状態、すなわち偏向器205による成形位置を固定した状態で、副偏向器209により照射位置を−x方向に100nm移動させる(走査する:引きずる)。なお、成形ビームの基準位置Oは、既に、位置座標(−100nm,0nm)まで移動しているので、ここでのショットデータは、図7(c)におけるショット番号(3)のx方向の位置座標の符号を反転させた(負にした)上で最大ショットサイズを−x方向側に加算したものと同様である。よって、ここでは、図示しないショット番号(3)が、位置座標(−200nm,0nm)、図形サイズ(100nm,100nm)、照射時間(20ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義される。同様に、図示しないショット番号(4)が、位置座標(−300nm,0nm)、図形サイズ(100nm,100nm)、照射時間(20ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義される。同様に、図示しないショット番号(5)が、位置座標(−400nm,0nm)、図形サイズ(100nm,100nm)、照射時間(20ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義される。
図14は、実施の形態1における描き締め部分のショットデータの他の一例を説明するための図である。図13(a)及び図13(b)におけるショット番号(1)から図14(a)及び図14(b)におけるショット番号(5)までによって、座標(0,0)〜座標(−300,0)までの間については、上述した図4の手法におけるx方向の各位置での照射時間を実質的に20nsにできる。しかし、このままでは、座標(−300,0)〜座標(−400,0)までの間で照射時間が不足する。座標(−400,0)では、ショット番号(5)によって、7.5nsの描画が済んでいるので、残り12.5nsが不足する。そのため、かかる間を描き締めとして描画する。
図4の手法での描き締めの成形方向と成形前の引きずり方向が同じ−x方向である。そして、成形ビームの基準位置Oが既に座標(−400,0)に到達している。よって、図14(a)及び図14(b)におけるショット番号(6)で示すように、位置座標(−400,0)で照射位置を固定した状態(引きずり無し)で、図形サイズ(0,100)になるまで、ビームサイズを−x方向に所望のショットサイズ(ここでは最大ショットサイズ)からゼロまで成形偏向速度V1で縮小する。上述したように、時間の経過と共に−x方向へのビームサイズは縮小するが、10nsが経過した時点でビームサイズがゼロにまで縮小し終わる。しかし、照射時間は残り12.5nsなので、ショット番号(6)が、位置座標(−400nm,0nm)、図形サイズ(0nm,100nm)、照射時間(12.5ns)、及びセトリング時間(0ns)で定義される。ここでは、描き締めの成形方向と成形前の引きずり方向が同じ−x方向なので、ショットデータを複数段に分割せずに1つで定義できる。
なお、かかる例では、座標(−300,0)において照射時間を20nsでできるが、座標(−400,0)において照射時間を17.5nsとなり、その間の位置では、線形補間された照射時間となる。そのため、座標(−400,0)において照射時間が2.5ns不足する。これを解消すべく、例えば、ショット番号(5)の照射時間を20ns〜22.5nsの間で調整してもよい。ショット番号(5)の照射時間を22.5nsとすれば、座標(−400,0)において照射時間を20nsにできる。逆に、座標(−300,0)での照射時間を22.5nsになる。よって、例えば、ショット番号(5)の照射時間を21.3ns等の平均値で調整してもよい。
以上のように、実施の形態1のショットデータ生成部56によれば、座標(0,0)〜座標(−400,0)までの各位置での照射時間を実質的に所望の照射時間(例えば20ns)に合わせるショットデータを生成できる。
なお、上述した例では、x方向或いは−方向に引きずる場合について説明したが、これに限るものではない。y方向或いは−y方向に引きずる場合であってもよい。y方向或いは−y方向に引きずる場合には、上述したx方向をy方向と読み替えて同様に適用できる。
図15は、実施の形態1におけるショットデータの識別子の一例を示す図である。ショットデータ生成部56では、記憶装置140に格納された描画データを変換してショットデータを生成する場合に、従来のセトリング時間を空けて複数のショット図形を描画すれば良いのか、上述した引きずり描画を行うのか予め設定しておかないと判断できない。そこで、図15に示すように、識別番号AIを描画データに属定情報として定義しておくと好適である。例えば、AI=0であれば、従来のセトリング時間を空けて複数のショット図形を描画するためのショットデータを生成する。AI=1であれば、y方向或いは−y方向に引きずるショットデータを生成する。AI=2であれば、x方向或いは−x方向に引きずるショットデータを生成する。ここでは、例えば、x方向に引きずり描画(走査)を行った後に、−x方向に引きずり描画(走査)を行う場合を一例として示している。これにより、描画時間をさらに短縮できる。但し、これに限るものではなく、常にx方向(或いは−x方向)に引きずり描画(走査)を行う場合であってもよい。y方向についても同様である。
生成されたショットデータは、記憶装置142に格納される。
次に、描画工程として、描画制御部58の制御のもと、偏向制御回路120は、ショットデータのショット番号順にDACアンプユニット130,132,134,136を制御する。そして、描画機構150は、ショットデータに沿って、電子ビーム200をONビーム状態のまま電子ビーム200の照射形状サイズを成形偏向速度V1で変更すると共に電子ビーム200の照射位置を位置偏向速度V2で移動させながら電子ビーム200を用いて試料101上に図形パターンを描画する。具体的には、ショットデータのショット番号順に成形ビームの位置、サイズ等を変更しながら、セトリング時間がゼロの間は、ビームを切らずに引きずり描画を行う。
なお、図7(c)のショット番号(2)に示した描き始めの部分のように、照射時間が電子ビーム200の照射形状サイズの変更に必要な偏向時間よりも長い場合に、ショットデータに沿って、描画機構150は、電子ビーム200の照射形状サイズの変更がゼロから最大ショットサイズまで完了した場合でも電子ビーム200の照射位置を固定したまま照射時間に達するまで電子ビーム200を照射し続ける。
また、図7(c)のショット番号(6−1)から(6−3)に示した描き締めの部分のように、引きずり方向と成形方向が異なる場合に、ショットデータに沿って、描画機構150は、電子ビーム200の照射形状サイズの変更開始から変更完了までに複数のビームサイズに段階的に変化させながら矩形パターン42(図形パターン)を描画する。同様に、図13(c)のショット番号(2−1)から(2−3)に示した描き始めの部分のように、描画機構150は、電子ビーム200の照射形状サイズの変更開始から変更完了までに複数のビームサイズに段階的に変化させながら矩形パターン42(図形パターン)を描画する。
さらに、図10(b)に示した引きずり描画のように、最大ショットサイズが照射時間にビーム偏向速度を乗じた値よりも大きい場合には、ショットデータに沿って、描画機構150は、電子ビーム200の照射形状サイズを小さくして電子ビーム200の照射位置を移動させながら矩形パターン42を描画する。
以上のように、実施の形態1によれば、電子ビーム200を切らずに連続して照射し続けながら描画できる。よって、セトリング時間を省略でき、描画時間を大幅に短縮できる。さらに、必要なドーズ量を試料に入射する描画ができる。よって、高精度な寸法でパターンを描画できる。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、上述した例では、成形ビームの基準位置Oが成形ビームの左下の角である場合を一例として示したが、これに限るものではない。その他の位置でも構わない。例えば、右下の角、左上の角、或いは右上の角であってもよい。成形ビームの基準位置Oに応じて、引きずり方向と成形方向が異なる場合、基準位置Oを固定した状態で成形ビームのサイズのみ変更し、その後に引きずる場合等、適宜ショットデータの座標、サイズ、照射時間を合わせて変更すればよい。引きずり方向と成形方向が異なる場合、許容範囲内で矩形パターン42の端部を成形ビームの基準位置Oとは反対側の端部が往復しながら複数のサイズで段階的にサイズを変更していけばよい。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての荷電粒子ビーム描画装置、及び荷電粒子ビーム描画方法は、本発明の範囲に包含される。
10 描画領域
20 ストライプ領域
30 サブフィールド(SF)
32 第1の成形アパーチャ像
34 開口部
42 矩形パターン
52 照射量演算部
54 照射時間演算部
56 ショットデータ生成部
58 描画制御部
100 描画装置
101 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110 制御計算機ユニット
112 メモリ
120 偏向制御回路
130,132,134,136 DACアンプユニット
140,142,144 記憶装置
150 描画機構
160 制御系回路
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203 第1の成形アパーチャ
204 投影レンズ
205 偏向器
206 第2の成形アパーチャ
207 対物レンズ
208 主偏向器
209 副偏向器
212 ブランキング偏向器
214 ブランキングアパーチャ
330 電子線
340 試料
410 第1のアパーチャ
411 開口
420 第2のアパーチャ
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース

Claims (6)

  1. 図形パターンのパターンデータが定義された描画データを記憶する記憶装置と、
    前記記憶装置から前記パターンデータを読み出し、荷電粒子ビームを偏向することにより前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを変更する場合における前記荷電粒子ビームの成形偏向速度と、前記荷電粒子ビームを偏向することにより前記荷電粒子ビームの照射位置を移動させる場合における、前記荷電粒子ビームの位置偏向速度と、前記荷電粒子ビームの必要なドーズ量を得るための照射時間と、を用いて、前記荷電粒子ビームをONビーム状態のまま前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを前記成形偏向速度で変更すると共に前記荷電粒子ビームの照射位置を前記位置偏向速度で移動させながら前記必要なドーズ量のビームが試料上に照射されるように前記図形パターンを描画するための前記荷電粒子ビームのショットデータを生成するショットデータ生成部と、
    前記ショットデータに沿って、前記荷電粒子ビームをONビーム状態のまま前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを前記成形偏向速度で変更すると共に前記荷電粒子ビームの照射位置を前記位置偏向速度で移動させながら前記荷電粒子ビームを用いて前記試料上に前記図形パターンを描画する描画機構と、
    を備え
    前記ショットデータ生成部は、前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを変更する方向と、前記荷電粒子ビームの照射位置を移動させる方向とが異なる場合に、前記荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更開始から変更完了までに複数のビームサイズに段階的に変化させるように、前記複数のビームサイズを定義する前記ショットデータを生成し、
    前記描画機構は、前記荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更開始から変更完了までに複数のビームサイズに段階的に変化させながら前記図形パターンを描画することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  2. 図形パターンのパターンデータが定義された描画データを記憶する記憶装置と、
    前記記憶装置から前記パターンデータを読み出し、荷電粒子ビームを偏向することにより前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを変更する場合における前記荷電粒子ビームの成形偏向速度と、前記荷電粒子ビームを偏向することにより前記荷電粒子ビームの照射位置を移動させる場合における、前記荷電粒子ビームの位置偏向速度と、前記荷電粒子ビームの必要なドーズ量を得るための照射時間と、を用いて、前記荷電粒子ビームをONビーム状態のまま前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを前記成形偏向速度で変更すると共に前記荷電粒子ビームの照射位置を前記位置偏向速度で移動させながら前記必要なドーズ量のビームが試料上に照射されるように前記図形パターンを描画するための前記荷電粒子ビームのショットデータを生成するショットデータ生成部と、
    前記ショットデータに沿って、前記荷電粒子ビームをONビーム状態のまま前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを前記成形偏向速度で変更すると共に前記荷電粒子ビームの照射位置を前記位置偏向速度で移動させながら前記荷電粒子ビームを用いて前記試料上に前記図形パターンを描画する描画機構と、
    を備え
    前記描画機構は、前記照射時間が前記荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更に必要な偏向時間よりも長い場合に、前記荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更が完了した場合でも前記荷電粒子ビームの照射位置を固定したまま前記照射時間に達するまで前記荷電粒子ビームを照射し続けることを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  3. 前記ショットデータ生成部は、前記荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更が完了した状態で前記荷電粒子ビームの照射位置を移動させる段階で、前記照射時間が前記荷電粒子ビームの照射位置の移動に必要な移動時間よりも短い場合に、前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを小さくするように、ビームサイズを定義する前記ショットデータを生成し、
    前記描画機構は、前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを小さくして前記荷電粒子ビームの照射位置を移動させながら前記図形パターンを描画することを特徴とする請求項1又は2記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  4. 図形パターンのパターンデータが定義された描画データを記憶する記憶装置から前記パターンデータを読み出し、荷電粒子ビームを偏向することにより前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを変更する場合における前記荷電粒子ビームの成形偏向速度と、前記荷電粒子ビームを偏向することにより前記荷電粒子ビームの照射位置を移動させる場合における前記荷電粒子ビームの位置偏向速度と、前記荷電粒子ビームの必要なドーズ量を得るための照射時間と、を用いて、前記荷電粒子ビームをONビーム状態のまま前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを前記成形偏向速度で変更すると共に前記荷電粒子ビームの照射位置を前記位置偏向速度で移動させながら前記必要なドーズ量のビームが試料上に照射されるように前記図形パターンを描画するための前記荷電粒子ビームのショットデータを生成する工程と、
    前記ショットデータに沿って、前記荷電粒子ビームをONビーム状態のまま前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを前記成形偏向速度で変更すると共に前記荷電粒子ビームの照射位置を前記位置偏向速度で移動させながら前記荷電粒子ビームを用いて前記試料上に前記図形パターンを描画する工程と、
    を備え
    前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを変更する方向と、前記荷電粒子ビームの照射位置を移動させる方向とが異なる場合に、前記荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更開始から変更完了までに複数のビームサイズに段階的に変化させるように、前記複数のビームサイズを定義する前記ショットデータを生成し、
    前記荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更開始から変更完了までに複数のビームサイズに段階的に変化させながら前記図形パターンを描画することを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
  5. 図形パターンのパターンデータが定義された描画データを記憶する記憶装置から前記パターンデータを読み出し、荷電粒子ビームを偏向することにより前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを変更する場合における前記荷電粒子ビームの成形偏向速度と、前記荷電粒子ビームを偏向することにより前記荷電粒子ビームの照射位置を移動させる場合における前記荷電粒子ビームの位置偏向速度と、前記荷電粒子ビームの必要なドーズ量を得るための照射時間と、を用いて、前記荷電粒子ビームをONビーム状態のまま前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを前記成形偏向速度で変更すると共に前記荷電粒子ビームの照射位置を前記位置偏向速度で移動させながら前記必要なドーズ量のビームが試料上に照射されるように前記図形パターンを描画するための前記荷電粒子ビームのショットデータを生成する工程と、
    前記ショットデータに沿って、前記荷電粒子ビームをONビーム状態のまま前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを前記成形偏向速度で変更すると共に前記荷電粒子ビームの照射位置を前記位置偏向速度で移動させながら前記荷電粒子ビームを用いて前記試料上に前記図形パターンを描画する工程と、
    を備え
    前記照射時間が前記荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更に必要な偏向時間よりも長い場合に、前記荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更が完了した場合でも前記荷電粒子ビームの照射位置を固定したまま前記照射時間に達するまで前記荷電粒子ビームを照射し続けることを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
  6. 図形パターンのパターンデータが定義された描画データを記憶する記憶装置と、
    前記記憶装置から前記パターンデータを読み出し、荷電粒子ビームを偏向することにより前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを変更する場合における前記荷電粒子ビームの成形偏向速度と、前記荷電粒子ビームを偏向することにより前記荷電粒子ビームの照射位置を移動させる場合における、前記荷電粒子ビームの位置偏向速度と、前記荷電粒子ビームの必要なドーズ量を得るための照射時間と、を用いて、前記荷電粒子ビームをONビーム状態のまま前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを前記成形偏向速度で変更すると共に前記荷電粒子ビームの照射位置を前記位置偏向速度で移動させながら前記必要なドーズ量のビームが試料上に照射されるように前記図形パターンを描画するための前記荷電粒子ビームのショットデータを生成するショットデータ生成部と、
    前記ショットデータに沿って、前記荷電粒子ビームをONビーム状態のまま前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを前記成形偏向速度で変更すると共に前記荷電粒子ビームの照射位置を前記位置偏向速度で移動させながら前記荷電粒子ビームを用いて前記試料上に前記図形パターンを描画する描画機構と、
    を備え、
    前記ショットデータ生成部は、前記荷電粒子ビームの照射形状サイズの変更が完了した状態で前記荷電粒子ビームの照射位置を移動させる段階で、前記照射時間が前記荷電粒子ビームの照射位置の移動に必要な移動時間よりも短い場合に、前記荷電粒子ビームの照射位置を移動させる方向の前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを小さくするように、ビームサイズを定義する前記ショットデータを生成し、
    前記描画機構は、前記荷電粒子ビームの照射形状サイズを小さくして前記荷電粒子ビームの照射位置を移動させながら前記図形パターンを描画することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
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