JP6801685B2 - 脱臭方法 - Google Patents

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本発明は、CIPにより内容物充填システムを脱臭する脱臭方法に関する。
従来から、飲料をボトル等の容器に充填するシステムとして、飲料自体を殺菌するとともに、サージタンク、配管、充填ノズル等を殺菌して無菌状態にする内容物充填システムが知られている。このような内容物充填システムでは、例えば飲料の種類を切り替える際に、CIP(Cleaning in Place)処理をし、さらに、SIP(Sterilizing in Place)処理をしている(例えば、特許文献1)。
CIPは、飲料の流路やタンクに付着した前回の飲料の残留物等を除去するためのものであり、飲料の流路に、例えば水に苛性ソーダ等のアルカリ性薬剤を添加した洗浄液を流した後に、水に酸性薬剤を添加した洗浄液を流すことにより行われる。
SIPは、飲料の流路やタンクを殺菌処理し、無菌状態にするためのものであり、例えば、CIPで洗浄した流路内に加熱蒸気または熱水を流すことによって行われる。
しかしながら、近年、このような内容物充填システムでは、例えばミネラルウォーター、炭酸飲料、茶系飲料、果実飲料、コーヒー飲料、乳飲料、機能性飲料、アルコール入り飲料、カフェインやアルギニンを含むいわゆるエナジードリンク等の多様な飲料が充填されるようになっている。また、このような多様な飲料には、多くのフレーバーが含有している飲料も存在する。さらに、フレーバーを多く含有する飲料の次回に、例えばミネラルウォーター等のフレーバーを含まない飲料を充填する場合もある。このため、CIPおよびSIP後に、飲料の流路にフレーバーが残存していた場合、残存するフレーバーが次回の飲料に入り込み、前回の飲料の香りが次回の飲料に付着してしまう問題がある。前回の飲料の香りが次回の飲料に付着していた場合、再度CIPおよびSIPを行う必要があり、生産性が著しく悪化する。
特開2007−22600号公報
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、内容物充填システムに残存するフレーバーを効率良く除去することが可能な脱臭方法を提供することを目的とする。
本発明は、CIPにより内容物充填システムを脱臭する脱臭方法において、飲料を加熱する加熱殺菌機を少なくとも含む第1循環系に、第1循環系用第1すすぎ水を供給する第1すすぎ工程と、前記第1循環系に第1循環系用薬剤を供給して循環させる薬剤循環工程と、前記第1循環系に第1循環系用第2すすぎ水を供給する第2すすぎ工程とを備え、前記薬剤循環工程において、前記第1循環系用薬剤は、前記第1循環系内において、70℃以上150℃以下の温度に加熱される、脱臭方法である。
本発明は、前記薬剤循環工程において、前記第1循環系用薬剤を前記第1循環系内に供給して循環させる時間は、5分以上60分以下である、脱臭方法である。
本発明は、前記第2すすぎ工程において、前記第1循環系用第2すすぎ水は、前記第1循環系内において、70℃以上150℃以下の温度に加熱される、脱臭方法である。
本発明は、前記第2すすぎ工程において、前記第1循環系用第2すすぎ水を前記第1循環系に供給する時間は、5分以上60分以下である、脱臭方法である。
本発明は、前記第1すすぎ工程において、前記第1循環系用第1すすぎ水は、前記第1循環系内において、30℃以上100℃以下の温度に加熱される、脱臭方法である。
本発明は、前記第1すすぎ工程において、前記第1循環系用第1すすぎ水を前記第1循環系に供給する時間は、5分以上30分以下である、脱臭方法である。
本発明は、前記第1循環系に第1循環系用第3すすぎ水を供給する第3すすぎ工程を更に備え、前記第3すすぎ工程において、前記第1循環系用第3すすぎ水は、前記第1循環系内において、30℃以上100℃以下の温度に加熱される、脱臭方法である。
本発明は、前記第3すすぎ工程において、前記第1循環系用第3すすぎ水を前記第1循環系に供給する時間は、5分以上120分以下である、脱臭方法である。
本発明は、CIPにより内容物充填システムを脱臭する脱臭方法において、容器に内容物を充填する充填装置を少なくとも含む第2循環系に、第2循環系用第1すすぎ水を供給する第1すすぎ工程と、前記第2循環系に第2循環系用薬剤を供給して循環させる薬剤循環工程と、前記第2循環系に第2循環系用第2すすぎ水を供給する第2すすぎ工程とを備え、前記第2すすぎ工程において、前記第2循環系用第2すすぎ水は、前記第2循環系内において、40℃以上100℃以下の温度に加熱される、脱臭方法である。
本発明は、前記第2すすぎ工程において、前記第2循環系用第2すすぎ水を前記第2循環系に供給する時間は、5分以上60分以下である、脱臭方法である。
本発明は、前記第1すすぎ工程において、前記第2循環系用第1すすぎ水は、前記第2循環系内において、40℃以上100℃以下の温度に加熱される、脱臭方法である。
本発明は、前記第1すすぎ工程において、前記第2循環系用第1すすぎ水を前記第2循環系に供給する時間は、5分以上30分以下である、脱臭方法である。
本発明は、前記第2循環系に第2循環系用第3すすぎ水を供給する第3すすぎ工程を更に備え、前記第3すすぎ工程において、前記第2循環系用第3すすぎ水は、前記第2循環系内において、40℃以上100℃以下の温度に加熱される、脱臭方法である。
本発明は、前記第3すすぎ工程において、前記第2循環系用第3すすぎ水を前記第2循環系に供給する時間は、5分以上120分以下である、脱臭方法である。
本発明は、前記薬剤循環工程において、前記第2循環系用薬剤は、前記第2循環系内において、70℃以上150℃以下の温度に加熱される、脱臭方法である。
本発明は、前記薬剤循環工程において、前記第2循環系用薬剤を前記第2循環系内に供給して循環させる時間は、5分以上60分以下である、脱臭方法である。
本発明によれば、内容物充填システムに残存するフレーバーを効率良く除去することができる。
図1は、本発明の一実施の形態による脱臭方法が適用される内容物充填システムを示すブロック図である。 図2は、本発明の一実施の形態による脱臭方法を示すブロック図である。 図3は、本発明の一実施の形態による脱臭方法を示すブロック図である。 図4は、本発明の一実施の形態による脱臭方法を示すブロック図である。 図5は、本発明の一実施の形態による脱臭方法を示すブロック図である。 図6は、本発明の一実施の形態による脱臭方法が適用される内容物充填システムの変形例を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。図1乃至図5は本発明の一実施の形態を示す図である。
まず、図1により、本実施の形態による脱臭方法が適用される内容物充填システムの概要について説明する。
図1に示すように、内容物充填システム100は、調合装置1と、バランスタンク2と、加熱殺菌機(Ultra High−temperature、以下UHTと記す)3と、サージタンク4と、ヘッドタンク5と、充填装置(フィラー)6とを備えている。調合装置1、バランスタンク2、UHT3、サージタンク4、ヘッドタンク5、および充填装置6は、飲料の搬送方向に沿って、上流側から下流側に向けてこの順に配置されている。また、調合装置1、バランスタンク2、UHT3、サージタンク4、ヘッドタンク5、および充填装置6は、後述するように、飲料が通過する製品供給系配管20によってそれぞれ連結されている。なお、サージタンク4およびヘッドタンク5は、少なくとも一方が設けられていれば良い。
このうち、調合装置1は、製品である飲料を所望の配合割合で調合するものである。製品としては、例えばミネラルウォーター、炭酸飲料、茶系飲料、果実飲料、コーヒー飲料、乳飲料、機能性飲料、アルコール入り飲料、カフェインやアルギニンを含むいわゆるエナジードリンク等が挙げられる。
バランスタンク2は、調合装置1によって調合された飲料を貯留することにより、飲料の流れを円滑にするものである。なお、図1に示すように、このバランスタンク2の下流側にヒータH1が設けられ、後述するCIPの際にヒータH1により薬剤を加熱する。
UHT3は、バランスタンク2から供給された飲料を加熱し殺菌するものである。このUHT3は、第1段加熱部31と、第2段加熱部32と、ホールディングチューブ33と、第1段冷却部34と、第2段冷却部35とを有している。UHT3に供給された飲料は、第1段加熱部31および第2段加熱部32によって徐々に加熱され、ホールディングチューブ33内で目標温度まで加熱されるようになっている。この場合、例えば飲料は、第1段加熱部31によって60℃以上80℃以下に加熱され、第2段加熱部32によって60℃以上150℃以下に加熱される。また、ホールディングチューブ33内で一定時間温度が保持される。ホールディングチューブ33内を通過した飲料は、第1段冷却部34および第2段冷却部35によって徐々に冷却されるようになっている。なお、加熱部や冷却部の段数は必要に応じて増減される。
サージタンク4は、UHT3によって滅菌された飲料を貯留するものである。
ヘッドタンク5は、充填装置6に供給する、滅菌された飲料を貯留するものである。
充填装置6は、容器9の口部から容器9内へ、予め殺菌処理された内容物を充填するものである。この充填装置6において、空の状態の容器9に対して内容物が充填される。この充填装置6において、充填ノズル6aとともに複数の容器9が回転(公転)されながら、容器9の内部へ内容物が充填される。この内容物は常温で容器9内に充填されても良い。内容物は予め加熱等により殺菌処理され、3℃以上かつ40℃以下の常温まで冷まされた上で容器9内に充填される。
また、内容物充填システム100は、無菌チャンバ10を有している。無菌チャンバ10の内部に、上述した充填装置6が収容されている。この場合、無菌チャンバ10の内部が無菌状態に保持されている。
上述した調合装置1、バランスタンク2、UHT3、サージタンク4、ヘッドタンク5、および充填装置6は、飲料が通過する製品供給系配管20によってそれぞれ連結されている。この製品供給系配管20は、UHT3とサージタンク4との間に配置されたマニホルドバルブ21の上流側に位置する上流側供給配管20aと、マニホルドバルブ21の下流側に位置する下流側供給配管20bとを含んでいる。ここで、マニホルドバルブ21は、流路の切り換えを行うためのものである。図1の太線に示すように、マニホルドバルブ21は、容器9に飲料を充填する際には、上流側供給配管20aと下流側供給配管20bとを連通させる。一方、マニホルドバルブ21は、CIPを行う際には、上流側供給配管20aと後述する上流側帰還配管22aとを連通させ(図2および図3参照)、下流側供給配管20bと後述する下流側帰還配管22bとを連通させる(図4および図5参照)。
このマニホルドバルブ21には、上流側帰還配管22aが接続されており、上流側帰還配管22aの下流側には、上流側帰還配管22aとバランスタンク2とを連結するバイパス配管23aが接続されている。また、上流側帰還配管22aのうち、バイパス配管23aの下流側には、CIPを行う際に薬剤等を供給するための上流側供給機構24aが設けられている。この上流側供給機構24aには、上流側供給機構24aとバイパス配管23aとを連結する上流側導入配管26aが接続されており、上流側導入配管26aを介して、バイパス配管23aに薬剤等を供給するように構成されている。このような構成により、上流側供給配管20aと、上流側帰還配管22aと、バイパス配管23aとによって、CIPを行うための上流側循環系(第1循環系)25aが形成されている。なお、上流側循環系25aにおいては、各配管や各部材の接続箇所等に、例えばパッキンからなるシール部材が設けられており、飲料等が漏れ出さないように構成されている。この場合、上流側循環系25aにおいては、シール部材として、例えばフッ素樹脂(PTFE)やEPDM、NBR、H−NBR、シリコーン製、フッ素系のゴムパッキンやPTFEで被覆された各種ゴムが使用され得る。
なお、CIPの際に、上述した上流側供給機構24aによってバイパス配管23aに供給される薬剤としては、アルカリ性洗浄液を用いることができる。アルカリ性洗浄液は、アルカリ成分として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素化アルカリ等のうち所望のものを含んでいる。また、アルカリ性洗浄液は、クエン酸、コハク酸、グルコン酸などの有機酸、またはリン酸及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、エチレンジアミン四酢酸などのアルカノールアミン塩等のヒドロキシカルボン酸化合物などの金属イオン封鎖剤、また、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類などの非イオン系界面活性剤、クメンスルホン酸ナトリウムなどの可溶化剤、ポリアクリル酸などの酸系高分子またはこれらの金属塩、腐食抑制剤、防腐剤、酸化防止剤、分散剤、消泡剤などを含んでいても良い。これらを溶解する水は純水、イオン交換水、蒸留水、水道水などが使用される。また、アルカリ性洗浄液は、次亜塩素酸塩、過酸化水素、過酢酸、過炭酸ナトリウム、二酸化チオ尿素等の各種漂白剤を含んでいても良い。
このようなアルカリ性洗浄液としては、例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを0.1質量%以上10質量%以下程度含んだものであっても良い。また、アルカリ性洗浄液として、塩素濃度が100〜3,000ppmの次亜塩素酸ナトリウムを含んだものであっても良い。アルカリ性洗浄液として、塩素濃度が100〜3,000ppmの次亜塩素酸ナトリウムを含んだ洗浄液を用いた場合、水酸化ナトリウムを含んだ洗浄液を用いた場合よりも殺菌性を高めることができる。
また、マニホルドバルブ21には、後述するCIPの際に薬剤を加熱するヒータH2が設けられた下流側帰還配管22bが接続されている。下流側帰還配管22bの上流には、CIPを行う際に薬剤等を供給するための下流側供給機構24bが設けられている。この下流側供給機構24bには、下流側供給機構24bと下流側帰還配管22bとを連結する下流側導入配管26bが接続されており、下流側導入配管26bを介して、下流側帰還配管22bに薬剤等を供給するように構成されている。また、下流側帰還配管22bには、CIP時に上述した充填装置6の充填ノズル6aを通過した薬剤等を受けるドレン配管27bが接続されている。このドレン配管27bには、各充填ノズル6aに対して取り外し可能に構成されたカップ11が取り付けられている。このカップ11は、CIPを行う際に図示しないアクチュエータによって充填ノズル6aに被せられる。これにより、ドレン配管27bが充填ノズル6aに接続されるようになっている。このような構成により、下流側供給配管20bと、下流側帰還配管22bと、ドレン配管27bとによって、CIPを行うための下流側循環系(第2循環系)25bが形成されている。なお、下流側循環系25bにおいても、各配管や各部材の接続箇所には、例えばパッキンからなるシール部材が設けられており、飲料等が漏れ出さないように構成されている。この場合、下流側循環系25bにおいても、シール部材として、例えばフッ素樹脂(PTFE)やEPDM、NBR、H−NBR、シリコーン製、フッ素系のゴムパッキンやPTFEで被覆された各種ゴムが使用され得る。
なお、CIPの際に、上述した下流側供給機構24bによって下流側帰還配管22bに供給される薬剤としては、上流側供給機構24aによってバイパス配管23aに供給される薬剤と同様のアルカリ性洗浄液を用いることができる。
また、上述した上流側供給配管20a、上流側帰還配管22a、下流側供給配管20b、下流側帰還配管22b、ドレン配管27bには、温度センサ12が接続されている。この温度センサ12は、例えば、その中に熱水等が供給された際に温度が上昇しにくい箇所に配置されていても良い。例えば、図1に示すように、温度センサ12は、UHT3のホールディングチューブ33と第1段冷却部34との間等に配置されている。なお、温度センサ12は、上流側供給配管20a、上流側帰還配管22a、下流側供給配管20b、下流側帰還配管22b、ドレン配管27b以外の場所に設けられていても良い。例えば、温度センサ12は、充填装置6の充填ノズル6aに設けられていても良い。これらの温度センサ12によって測定された温度の情報は、図示しない制御装置へ送信される。
なお、上述した製品供給系配管20等には、上述したマニホルドバルブ21、図示しないアクチュエータのほか、各種切換え弁、ポンプ等が設けられており、これらも図示しない制御装置からの信号によって制御される。
なお、上述した内容物充填システム100は、85℃以上かつ100℃未満の高温下で内容物を充填する高温充填システムであっても良い。また、55℃以上かつ85℃未満の中温下で内容物を充填する中温充填システムであっても良い。
次に、本実施の形態による作用について説明する。ここでは、CIPにより内容物充填システム100を脱臭する脱臭方法について、図2乃至図5により説明する。なお、図2乃至図5において、水および薬剤が通る配管は、太線で示している。
まず、内容物充填システム100における飲料の充填が終了した後、図示しない制御装置の操作ボタンを操作する。これにより、後述するように、上流側循環系25aおよび下流側循環系25bにおいて、CIPが各々所定の手順で実行される(図2乃至図5参照)。この際、マニホルドバルブ21が切り替えられ、上流側供給配管20aと上流側帰還配管22aとが連通し(図2および図3参照)、下流側供給配管20bと下流側帰還配管22bとが連通する(図4および図5参照)。なお、上流側循環系25aのCIPおよび下流側循環系25bのCIPは、互いに順を追って行っても良く、または並行して行っても良い。ここでは、まず、上流側循環系25aのCIPについて説明する。
(第1すすぎ工程)
まず、図2に示すように、上流側循環系25aに水(第1循環系用第1すすぎ水)が供給される。この際、まず、上流側供給機構24aから上流側導入配管26aを介してバランスタンク2内に水が供給される。バランスタンク2に供給された水は、上流側供給配管20aを通りUHT3に送られ、UHT3によって加熱される。この際、水は、例えば30℃以上100℃以下の温度、一例として50℃に加熱される。水を30℃以上の温度に加熱することにより、上流側循環系25aに残存する前回の飲料を効率良く洗い流すことができる。これにより、後述する薬剤循環工程において、上流側循環系25aに残存するフレーバーを効率良く除去することができる。また、水の温度を100℃以下とすることにより、省エネルギー化および低コスト化を図ることができる。なお、この際、上流側循環系25aを使用することなく、図示しない配管等からバランスタンク2内に水が供給されても良い。
次に、UHT3で加熱された水は、上流側供給配管20aを通りマニホルドバルブ21を通過する。続いて、加熱された水は、上流側帰還配管22aに供給され、上流側帰還配管22aを通り、上流側供給機構24aから廃液として外部に排出される。この際、上流側供給機構24aにおいて、供給する水と外部に排出される水との間で熱交換が行われても良い。
上述したように上流側循環系25aに水を供給する場合、水を上流側循環系25aに供給する時間は、5分以上30分以下、一例として5分であっても良い。上流側循環系25aに水を供給する時間を5分以上とすることにより、上流側循環系25aに残存する前回の飲料を効果的に洗い流すことができる。また、上流側循環系25aに水を供給する時間を30分以下とすることにより、ダウンタイムを短縮することができるとともに、省エネルギー化を図ることができる。
(薬剤循環工程)
次いで、図3に示すように、上流側循環系25aに薬剤(第1循環系用薬剤)を供給して循環させる。この際、まず、上流側供給機構24aから上流側導入配管26aを介してバランスタンク2内に薬剤が供給される。この場合、薬剤としては、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを0.1〜10質量%含んだアルカリ性洗浄液や、塩素濃度が100〜3000ppmの次亜塩素酸ナトリウムを含んだアルカリ性洗浄液を用いることができる。なお、この際、上流側供給機構24aを使用することなく、図示しない配管等からバランスタンク2内に薬剤が供給されても良い。
バランスタンク2に供給された薬剤は、バランスタンク2を通過し、バランスタンク2の下流側に設けられたヒータH1によって加熱される。また、ヒータH1によって加熱された薬剤は、上流側供給配管20aを通りUHT3に送られ、UHT3によって更に加熱される。この際、薬剤は、例えば70℃以上150℃以下の温度、好ましくは90℃以上、145℃以下の温度、一例として140℃に加熱される。薬剤を70℃以上の温度に加熱することにより、上流側循環系25aに残存するフレーバーを効率良く除去することができ、薬剤を90℃以上の温度に加熱することにより、上流側循環系25aに残存するフレーバーを更に効率良く除去することができる。また、薬剤の温度を150℃以下とすることにより、省エネルギー化を図ることができ、薬剤の温度を145℃以下とすることにより、更に省エネルギー化を図ることができるとともに、上流側循環系25aの各配管、各部材及びシール部材への熱による損傷を低減させることができる。なお、バランスタンク2に供給された薬剤が、ヒータH1によって加熱されることなく、UHT3に送られ、UHT3によって加熱されても良い。
次に、加熱された薬剤は、上流側供給配管20aを通りUHT3およびマニホルドバルブ21を通過する。この際、加熱された薬剤は、上流側帰還配管22aに供給され、上流側帰還配管22aに接続されたバイパス配管23aに供給される。そして、薬剤は、バイパス配管23aを介してバランスタンク2内に供給される。このようにして、薬剤が上流側循環系25aを循環する。なお、薬剤は、図示しない配管等により、バイパス配管23aを介してヒータH1に供給され上流側循環系25aを循環しても良い。その後、薬剤は、上流側循環系25a内を所定の時間循環した後に、上流側供給機構24aから廃液として外部に排出される(図2参照)。この場合、薬剤を上流側循環系25a内に供給して循環させる時間は、5分以上60分以下、一例として15分であっても良い。上流側循環系25a内に薬剤を供給して循環させる時間を5分以上とすることにより、上流側循環系25aに残存するフレーバーを効果的に除去することができる。また、第1循環系25a内に薬剤を供給して循環させる時間を60分以下とすることにより、ダウンタイムを短縮することができるとともに、省エネルギー化を図ることができる。
ところで、上述したように、調合装置1では、例えば果実飲料等が飲料として調合される。このような飲料には、多くのフレーバーが含有している飲料も存在する。フレーバーとしては、酪酸エチル、2−メチル酪酸エチル、酢酸イソアミル、リモネン、カプロン酸エチル、酪酸イソアミル、酢酸ヘキシル、カプロン酸アリル、オクチルアルデヒド、デシルアルデヒド等が挙げられる。とりわけ、代表的なフレーバーとして、酪酸エチル、2−メチル酪酸エチルおよびリモネンが挙げられる。また、このようなフレーバーを多く含有する飲料の次回に、例えばミネラルウォーターや緑茶等のフレーバーを含まない飲料を充填する場合もある。この際、上流側循環系25aにフレーバーが残存していると、残存するフレーバーが次回の飲料に入り込んでしまい、前回の飲料の香りが次回の飲料に付着してしまう問題がある。
とりわけ、上述したように、上流側循環系25aにおいては、各配管や各部材の接続箇所等には、シール部材として、例えばフッ素樹脂製のパッキンが設けられている。また、上述したように、飲料を容器9(図1参照)に充填する際には、飲料は、UHT3によって60℃以上150℃以下程度の温度に加熱される。この際、例えば各配管の接続箇所に設けられたパッキンが熱膨張し、各配管とパッキンとの間に隙間が生じるおそれがある。このように、各配管とパッキンとの間に隙間が生じると、当該隙間にフレーバーが入り込んでしまう場合がある。この場合、パッキンが冷却され収縮した際に、当該隙間に入り込んだフレーバーが、パッキンに付着した状態で、各配管とパッキンとの間に介在する可能性がある。また、各配管とパッキンとの間に介在するフレーバーについては、上流側循環系25aに薬剤を供給して循環させたとしても、当該フレーバーを除去することが困難な場合がある。そして、このような隙間に入り込んだフレーバーは、次回の飲料の充填時に、パッキンが熱膨張することにより生じる、各配管とパッキンとの間の隙間から、次回の飲料内に入り込む可能性がある。
これに対して本実施の形態によれば、薬剤を70℃以上の温度に加熱することにより、上流側循環系25aに残存するフレーバーを効率良く除去することができる。すなわち、薬剤を70℃以上の温度に加熱することにより、飲料を充填する際に生じるパッキンの熱膨張と同程度の熱膨張をパッキンに生じさせることができる。これにより、パッキンが熱膨張した際に生じた隙間に入り込んだフレーバーを効果的に取り除くことができる。このため、次回の飲料に前回の飲料の香りが付着する不具合を抑制することができる。この場合、より高い脱臭効果を得るには、前の製品の殺菌温度と同等以上の温度の水ですすぐことが有効である。また、薬剤を70℃以上の温度に加熱するとともに、上流側循環系25a内に薬剤を供給して循環させる時間を5分以上とすることにより、上流側循環系25aの各配管および各部材を殺菌することができる。これにより、通常はCIPの後に行われるSIPを省略することができる。このため、ダウンタイムを短縮することができる。
なお、必要に応じて、アルカリ性洗浄液による浄化の前後に、酸性洗浄液による洗浄が行われても良い。また、例えば、酸性洗浄液による浄化の後にアルカリ性洗浄液による浄化を行い、その後更に酸性洗浄液による浄化を行っても良い。また、アルカリ性洗浄液による浄化の後に酸性洗浄液による浄化を行い、その後更にアルカリ性洗浄液による浄化を行っても良い。
(第2すすぎ工程)
次に、図2に示すように、上流側循環系25aに水(第1循環系用第2すすぎ水)が供給される。この際、上述した第1すすぎ工程と同様に、上流側循環系25aに水が供給される。この場合、水は、上流側循環系25a内において、例えば70℃以上150℃以下の温度、一例として140℃に加熱される。水を70℃以上の温度に加熱することにより、上流側循環系25aに残存するフレーバーを効率良く除去することができる。すなわち、上述したフレーバーには、例えば、酪酸エチルおよび2−メチル酪酸エチルのように、水溶性のフレーバーが存在する。この場合、水を70℃以上の温度に加熱することにより、上流側循環系25aに残存する水溶性のフレーバーを効率良く除去することができる。このため、脱臭効果を向上させることができる。また、この場合、水を70℃以上の温度に加熱することにより、薬剤循環工程において説明したように、パッキンが熱膨張した際に生じた隙間に入り込んだフレーバーを取り除くこともできる。また、水の温度を150℃以下とすることにより、省エネルギー化を図ることができる。なお、この場合においても、上流側供給機構24aを使用することなく、図示しない配管等からバランスタンク2内に水が供給されても良い。
また、水を上流側循環系25aに供給する時間は、5分以上60分以下、一例として10分であっても良い。上流側循環系25aに水を供給する時間を5分以上とすることにより、上流側循環系25aに残存するフレーバーを効果的に除去することができる。また、上流側循環系25aに水を供給する時間を60分以下とすることにより、ダウンタイムを短縮することができるとともに、省エネルギー化を図ることができる。
(第3すすぎ工程)
また、必要に応じて、上述した第2すすぎ工程の後に、上流側循環系25aに水(第1循環系用第3すすぎ水)が供給されても良い。この際、上述した第1すすぎ工程および第2すすぎ工程と同様に、上流側循環系25aに水が供給される。この場合、水は、上流側循環系25a内において、例えば30℃以上100℃以下の温度、一例として40℃に加熱される。水を30℃以上の温度に加熱することにより、上流側循環系25aに残存する水溶性のフレーバーを更に効率良く除去することができ、脱臭効果を向上させることができる。また、水の温度を100℃以下とすることにより、省エネルギー化および低コスト化を図ることができる。なお、この場合においても、上流側供給機構24aを使用することなく、図示しない配管等からバランスタンク2内に水が供給されても良い。
また、水を上流側循環系25aに供給する時間は、5分以上120分以下、一例として10分であっても良い。上流側循環系25aに水を供給する時間を5分以上とすることにより、上流側循環系25aに残存するフレーバーを更に効果的に除去することができ、脱臭効果を向上させることができる。また、上流側循環系25aに水を供給する時間を120分以下とすることにより、ダウンタイムを短縮することができるとともに、省エネルギー化を図ることができる。
このようにして、上流側循環系25aのCIPが行われ、CIPにより上流側循環系25aに残存していたフレーバーが除去され、上流側循環系25aが脱臭される。
次に、下流側循環系25bのCIPについて説明する。
まず、図4に示すように、カップ11が、充填ノズル6aに被せられる。これにより、ドレン配管27bが充填ノズル6aに接続される。
(第1すすぎ工程)
次に、下流側循環系25bに水(第2循環系用第1すすぎ水)が供給される。この際、まず、下流側供給機構24bから下流側導入配管26bを介して下流側帰還配管22bに水が供給される。下流側帰還配管22bに供給された水は、ヒータH2により加熱される。この際、水は、例えば40℃以上100℃以下の温度、一例として40℃に加熱される。水を40℃以上の温度に加熱することにより、下流側循環系25bに残存する前回の飲料を効率良く洗い流すことができる。これにより、後述する薬剤循環工程において、下流側循環系25bに残存するフレーバーを効率良く除去することができる。また、水の温度を100℃以下とすることにより、省エネルギー化および低コスト化を図ることができる。
次いで、加熱された水は、下流側帰還配管22bを通りマニホルドバルブ21を通過する。この際、加熱された水は、下流側供給配管20bに供給され、下流側供給配管20b、サージタンク4、ヘッドタンク5、充填装置6およびドレン配管27bを通り、下流側供給機構24bから廃液として外部に排出される。
上述したように下流側循環系25bに水を供給する場合、水を下流側循環系25bに供給する時間は、5分以上30分以下、一例として5分であっても良い。下流側循環系25bに水を供給する時間を5分以上とすることにより、下流側循環系25bに残存する前回の飲料を効果的に洗い流すことができる。また、下流側循環系25bに水を供給する時間を30分以下とすることにより、ダウンタイムを短縮することができるとともに、省エネルギー化を図ることができる。
(薬剤循環工程)
次に、図5に示すように、下流側循環系25bに薬剤(第2循環系用薬剤)を供給して循環させる。この際、まず、下流側供給機構24bから下流側導入配管26bを介して下流側帰還配管22bに薬剤が供給される。薬剤としては、上流側循環系25aをCIPした際に使用した薬剤と同様のアルカリ性洗浄液を用いることができる。下流側帰還配管22bに供給された薬剤は、ヒータH2により加熱される。この際、薬剤は、例えば70℃以上100℃以下の温度、一例として80℃に加熱される。薬剤を70℃以上の温度に加熱することにより、下流側循環系25bに残存するフレーバーを除去することができる。また、薬剤の温度を100℃以下とすることにより、省エネルギー化および低コスト化を図ることができる。また、この場合、上述した上流側循環系25aの場合と同様に、薬剤を70℃以上の温度に加熱することにより、パッキンが熱膨張した際に生じた隙間に入り込んだフレーバーを効果的に取り除くことができ、次回の飲料に前回の飲料の香りが付着する不具合を抑制することができる。とりわけ、下流側循環系25bにおいては、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)製のパッキンが使用され得る。このエチレンプロピレンジエンゴムにはフレーバーが付着しやすく、下流側循環系25bには、フレーバーが残存しやすい傾向がある。これに対して、薬剤を70℃以上の温度に加熱することにより、パッキンに付着したフレーバーを効果的に取り除くことができる。また、薬剤を70℃以上の温度に加熱するとともに、下流側循環系25b内に薬剤を供給して循環させる時間を5分以上とすることにより、SIPを省略することができ、ダウンタイムを短縮することができる。
次いで、加熱された薬剤は、マニホルドバルブ21を通過し、下流側供給配管20b、サージタンク4、ヘッドタンク5および充填装置6を通過する。そして、ドレン配管27bを介して下流側帰還配管22bに供給される。このようにして、薬剤が下流側循環系25bを循環する。その後、薬剤は、下流側循環系25b内を所定の時間循環した後に、下流側供給機構24bから廃液として外部に排出される(図4参照)。この場合、薬剤を下流側循環系25b内に供給して循環させる時間は、5分以上60分以下、一例として15分であっても良い。下流側循環系25b内に薬剤を供給して循環させる時間を5分以上とすることにより、下流側循環系25bに残存するフレーバーを効果的に除去することができる。また、下流側循環系25b内に薬剤を供給して循環させる時間を60分以下とすることにより、ダウンタイムを短縮することができるとともに、省エネルギー化を図ることができる。
なお、必要に応じて、上流側循環系25aと同様に、アルカリ性洗浄液による浄化の前後に、酸性洗浄液による洗浄が行われても良い。また、例えば、酸性洗浄液による浄化の後にアルカリ性洗浄液による浄化を行い、その後更に酸性洗浄液による浄化を行っても良い。また、アルカリ性洗浄液による浄化の後に酸性洗浄液による浄化を行い、その後更にアルカリ性洗浄液による浄化を行っても良い。
(第2すすぎ工程)
次に、図4に示すように、下流側循環系25bに水(第2循環系用第2すすぎ水)が供給される。この際、上述した下流側循環系25bにおける第2すすぎ工程と同様に、下流側循環系25bに水が供給される。この場合、水は、下流側循環系25b内において、例えば40℃以上100℃以下の温度、一例として90℃に加熱される。水を40℃以上の温度に加熱することにより、上流側循環系25aの場合と同様に、下流側循環系25bに残存する水溶性のフレーバーを効率良く除去することができる。このため、脱臭効果を向上させることができる。また、水の温度を100℃以下とすることにより、サージタンク4等を第一種圧力容器ではなく、第二種圧力容器として取り扱うことができるため、脱臭処理工程を低コストで実施することができる。
また、水を下流側循環系25bに供給する時間は、5分以上60分以下、一例として10分であっても良い。下流側循環系25bに水を供給する時間を5分以上とすることにより、下流側循環系25bに残存するフレーバーを効果的に除去することができる。また、下流側循環系25bに水を供給する時間を60分以下とすることにより、ダウンタイムを短縮することができるとともに、省エネルギー化を図ることができる。
(第3すすぎ工程)
また、必要に応じて、上述した下流側循環系25bにおける第2すすぎ工程の後に、下流側循環系25bに水(第2循環系用第3すすぎ水)が供給されても良い。この際、上述した下流側循環系25bにおける第1すすぎ工程および第2すすぎ工程と同様に、下流側循環系25bに水が供給される。この場合、水は、下流側循環系25b内において、例えば40℃以上100℃以下の温度、一例として40℃に加熱される。水を40℃以上の温度に加熱することにより、下流側循環系25bに残存する水溶性のフレーバーを更に効率良く除去することができ、脱臭効果を向上させることができる。また、水の温度を100℃以下とすることにより、省エネルギー化を図ることができる。
また、水を下流側循環系25bに供給する時間は、5分以上120分以下、一例として10分であっても良い。下流側循環系25bに水を供給する時間を5分以上とすることにより、下流側循環系25bに残存するフレーバーを更に効果的に除去することができ、脱臭効果を向上させることができる。また、下流側循環系25bに水を供給する時間を120分以下とすることにより、ダウンタイムを短縮することができるとともに、省エネルギー化を図ることができる。
このようにして、下流側循環系25bのCIPが行われ、CIPにより下流側循環系25bに残存していたフレーバーが除去され、下流側循環系25bが脱臭される。
脱臭確認工程
また、脱臭効果が十分であったか、脱臭確認工程を設けても良い。この脱臭確認工程は、まず、内容物充填システム100に水を送液する。この際、水は、UHT3の出口における温度が、上流側循環系25aにおける第2すすぎ工程時の温度(例えば140℃)から80℃以上90℃以下程度まで下げた状態で、送液される。そして、充填装置6の出口のドレン配管27bから水をサンプリングし、臭いが除去されているか否かを確認することにより行うことが出来る。この際、臭いを分別できるセンサを設けても良い。また、充填装置6で水を容器に充填し、臭いを確認しても良い。そして、この脱臭確認工程で結果がNGであった場合、再度CIPを行う。なお、脱臭確認工程は、上流側循環系25aおよび下流側循環系25bにおいて、個別に行われても良い。
以上のように本実施の形態によれば、上流側循環系25aにおける薬剤循環工程において、薬剤は、上流側循環系25a内において、70℃以上の温度に加熱される。これにより、上流側循環系25aに残存するフレーバーを効率良く除去することができる。また、薬剤の温度は、上流側循環系25a内において、150℃以下になっている。これにより、省エネルギー化を図ることができる。なお、このように上流側循環系25aに残存するフレーバーを効率良く除去することができることは、後述する実施例によって説明する。
また、本実施の形態によれば、薬剤循環工程において、薬剤を上流側循環系25a内または下流側循環系25b内に供給して循環させる時間は、5分以上である。これにより、上流側循環系25aまたは下流側循環系25bに残存するフレーバーを効果的に除去することができる。また、薬剤を上流側循環系25a内または下流側循環系25b内に供給して循環させる時間は、60分以下である。これにより、ダウンタイムを短縮することができるとともに、省エネルギー化を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、第2すすぎ工程において、水は、上流側循環系25a内において、70℃以上の温度に加熱される。また、水は、下流側循環系25b内において、40℃以上の温度に加熱される。これにより、上流側循環系25aまたは下流側循環系25bに残存する水溶性のフレーバーを効率良く除去することができる。また、水の温度は、上流側循環系25a内において、150℃以下になっている。また、水の温度は、下流側循環系25b内において、100℃以下になっている。これにより、省エネルギー化を図ることができる。なお、このように上流側循環系25aに残存する水溶性のフレーバーを効率良く除去することができることは、後述する実施例によって説明する。
また、本実施の形態によれば、第2すすぎ工程において、水を上流側循環系25aまたは下流側循環系25bに供給する時間は、5分以上である。これにより、上流側循環系25aまたは下流側循環系25bに残存するフレーバーを効果的に除去することができる。また、水を上流側循環系25aまたは下流側循環系25bに供給する時間は、60分以下である。これにより、ダウンタイムを短縮することができるとともに、省エネルギー化を図ることができる。
なお、上述した実施の形態においては、下流側循環系25bにおける薬剤循環工程において、薬剤が70℃以上100℃以下の温度に加熱される例について説明したがこれに限られることはない。すなわち、上述した実施の形態においては、下流側循環系25bのサージタンク4等を第二種圧力容器として取り扱う場合を想定して、薬剤が70℃以上100℃以下の温度に加熱される例について説明した。一方、下流側循環系25bのサージタンク4等を第一種圧力容器として取り扱う場合、下流側循環系25bの薬剤循環工程において、薬剤が例えば70℃以上150℃以下の温度、一例として130℃に加熱されても良い。この場合においても薬剤を70℃以上の温度に加熱することにより、下流側循環系25bに残存するフレーバーを効率良く除去することができ、薬剤の温度を150℃以下とすることにより、省エネルギー化を図ることができる。また、薬剤を一例として130℃の高温に加熱することにより、下流側循環系25bに残存するフレーバーを更に効率良く除去することもできる。
また、上述した実施の形態においては、内容物充填システム100にマニホルドバルブ21が設けられている例について説明したが、これに限られることはない。例えば、マニホルドバルブ21を設けることなく、UHT3から充填装置6までのCIPを同時に行っても良い。
さらに、図6に示すように、内容物充填システム100が、飲料に炭酸を添加する炭酸添加装置41が設けられた炭酸ライン40を更に備えていても良い。この場合、炭酸ライン40は、サージタンク4とヘッドタンク5との間に設けられたマニホルドバルブ21bを介して下流側供給配管20bに接続されている。これにより、図6の太線に示すように、飲料は、下流側供給配管20bを通過して炭酸ライン40に供給され、炭酸添加装置41によって炭酸が添加される。そして、炭酸が添加された飲料は、炭酸ライン40からマニホルドバルブ21bを通過して下流側供給配管20bおよびヘッドタンク5に供給され、充填装置6により容器9に充填される。
なお、内容物充填システム100において、サージタンク4が設けられることなく、ヘッドタンク5のみが設けられていた場合、上述したマニホルドバルブ21bは、ヘッドタンク5の下流側に設けられていても良い。
なお、CIPにおいて、水を加熱する加熱装置は、例えば、ボトルリンス、キャップリンス等のために無菌充填機で使用する無菌水殺菌装置でも良く、他の製品加熱殺菌機でも良い。
また、UHT3はインジェクション方式でもインフュージョン方式でも良く、UHT3の熱交換器等、内容物充填システム100において熱交換を行うために使用される熱交換機はプレート式でもシェル&チューブ式でも良い。
次に本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例)
まず、図1に示す構成からなる、内容物充填システム100の上流側循環系25aに果実飲料を供給し、上流側循環系25aを4時間循環させた。
この際、果実飲料の供給温度は20℃であり、UHT3のホールディングチューブ33によって加熱された果実飲料の温度は115℃であり、第2段冷却部35を通過した果実飲料の温度は30℃であった。
次に、果実飲料を上流側供給機構24aから外部に排出し、上流側循環系25aのCIPを行った。この際、まず、第1すすぎ工程として、上流側循環系25aに、15℃の水を5分間供給した。
次いで、薬剤循環工程として、上流側循環系25aに薬剤を供給して循環させた。この際、上流側循環系25aに薬剤を供給して循環させた時間は、15分間だった。また、この際、薬剤として、水酸化ナトリウムを2質量%含んだアルカリ性洗浄液を使用した。また、UHT3のホールディングチューブ33によって加熱された薬剤の温度は、140℃であった。
次に、第2すすぎ工程として、上流側循環系25aに、水を10分間供給した。この際、UHT3のホールディングチューブ33によって加熱された水の温度は、140℃であった。
次いで、第3すすぎ工程として、上流側循環系25aに、15℃の水を10分間供給した。また、第3すすぎ工程に使用した水を回収しサンプルデータを得た。
そして、代表的なフレーバーとして、得られたサンプルデータに含まれる酪酸エチル、2−メチル酪酸エチルおよびリモネンの含有量を測定した(表1)。
(比較例)
薬剤循環工程において、UHT3のホールディングチューブ33によって加熱された薬剤の温度が、80℃であったこと、第2すすぎ工程として、上流側循環系25aに、15℃の水を20分間供給したこと、第2すすぎ工程に使用した水を回収しサンプルデータを得たこと、第3すすぎ工程を行わなかったこと、以外は、実施例と同様にして、上流側循環系25aのCIPを行った。また、得られたサンプルデータに含まれる酪酸エチル、2−メチル酪酸エチルおよびリモネンの含有量を測定した(表1)。
Figure 0006801685
ここで、表1は、比較例で得られたサンプルデータに含まれる酪酸エチル、2−メチル酪酸エチルおよびリモネンの含有量に対する、実施例で得られたサンプルデータに含まれる酪酸エチル、2−メチル酪酸エチルおよびリモネンの含有量の割合を示している。
表1に示すように、実施例においては、すすぎ水に含有する酪酸エチルの含有量を比較例に対して19%とすることができた。また、実施例においては、すすぎ水に含有する2−メチル酪酸エチルの含有量を比較例に対して33%とすることができた。さらに、すすぎ水に含有するリモネンの含有量を比較例に対して75%とすることができた。
このように、実施例においては、上流側循環系25aに残存するフレーバーを効率良く除去することができる。とりわけ、第2すすぎ工程において、水を140℃の温度に加熱することにより、上流側循環系25aに残存する水溶性のフレーバーを効率良く除去することができる。
上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
3 UHT
6 充填装置
25a 第1循環系
25b 第2循環系
100 内容物充填システム

Claims (8)

  1. CIPにより内容物充填システムを脱臭する脱臭方法において、
    飲料を60℃以上150℃以下に加熱する加熱殺菌機と、前記飲料が通過する複数の上流側供給配管を含む製品供給系配管と、前記複数の上流側供給配管の接続箇所に設けられたパッキンとを少なくとも含む第1循環系であって、複数の前記上流側供給配管が互いに直列に接続された第1循環系に、第1循環系用第1すすぎ水を供給する第1すすぎ工程と、
    前記第1循環系に第1循環系用薬剤を供給して循環させる薬剤循環工程と、
    前記第1循環系に第1循環系用第2すすぎ水を供給する第2すすぎ工程とを備え、
    前記薬剤循環工程において、前記第1循環系用薬剤は、前記第1循環系内において、70℃以上150℃以下の温度に加熱されることにより前記パッキンを熱膨張させ、
    前記第2すすぎ工程において、前記第1循環系用第2すすぎ水の温度は、前記飲料の加熱温度以上であり、当該第1循環系用第2すすぎ水により前記パッキンを熱膨張させる、脱臭方法。
  2. 前記薬剤循環工程において、前記第1循環系用薬剤を前記第1循環系内に供給して循環させる時間は、5分以上60分以下である、請求項1に記載の脱臭方法。
  3. 前記第2すすぎ工程において、前記第1循環系用第2すすぎ水は、前記第1循環系内において、70℃以上150℃以下の温度に加熱される、請求項1または2に記載の脱臭方法。
  4. 前記第2すすぎ工程において、前記第1循環系用第2すすぎ水を前記第1循環系に供給する時間は、5分以上60分以下である、請求項3に記載の脱臭方法。
  5. 前記第1すすぎ工程において、前記第1循環系用第1すすぎ水は、前記第1循環系内において、30℃以上100℃以下の温度に加熱される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の脱臭方法。
  6. 前記第1すすぎ工程において、前記第1循環系用第1すすぎ水を前記第1循環系に供給する時間は、5分以上30分以下である、請求項5に記載の脱臭方法。
  7. 前記第1循環系に第1循環系用第3すすぎ水を供給する第3すすぎ工程を更に備え、
    前記第3すすぎ工程において、前記第1循環系用第3すすぎ水は、前記第1循環系内において、30℃以上100℃以下の温度に加熱される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の脱臭方法。
  8. 前記第3すすぎ工程において、前記第1循環系用第3すすぎ水を前記第1循環系に供給する時間は、5分以上120分以下である、請求項7に記載の脱臭方法。
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