以下、添付図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、一実施形態に係る駆動装置を示す斜視図である。図2は、図1のII−II線に沿っての断面図である。図1及び図2に示されるように、駆動装置10は、圧電アクチュエータ1と、一対の溝部材60,70と、複数(ここでは、6つ)の転動部材80と、付勢部90と、を備えている。
圧電アクチュエータ1は、交流電圧が印加されることによって、少なくとも屈曲振動し、被駆動体である溝部材60を移動させる機能を有している。圧電アクチュエータ1は、印加される電圧によって縦振動モードと屈曲振動モードとが合成された振動モードを発生させる。圧電アクチュエータ1は、圧電素子3と、摩擦部50と、を備えている。圧電素子3は、積層体2と、後述の内部電極及び外部電極と、絶縁膜11と、を有している。図1では、絶縁膜11の図示が省略されている。
図3(a)及び図3(b)は、圧電素子を示す斜視図である。ここでは、絶縁膜11の図示が省略されている。図3(a)及び図3(b)に示されるように、積層体2は、直方体形状を呈している。積層体2は、互いに対向している一対の端面2a,2bと、互いに対向している一対の主面2c,2dと、互いに対向している一対の側面2e、2fと、を有している。一対の主面2c,2dは、長方形状を呈している。本実施形態では、一対の端面2a,2bの対向する方向D1が、積層体2(圧電素子3)の長手方向である。一対の主面2c,2dの対向する方向D2が、積層体2(圧電素子3)の高さ方向である。一対の側面2e,2fの対向する方向D3が、積層体2(圧電素子3)の幅方向である。一対の主面2c,2dの長辺方向は、方向D1と一致している。一対の主面2c,2dの短辺方向は、方向D3と一致している。
一対の端面2a,2bは、一対の主面2c,2dの間を連結するように、積層体2の高さ方向に延びている。一対の端面2a,2bは、一対の側面2e,2fの間を連結するように、積層体2の幅方向にも延びている。一対の主面2c,2dは、一対の端面2a,2bの間を連結するように、積層体2の長さ方向に延びている。一対の主面2c,2dは、一対の側面2e,2fの間を連結するように、積層体2の幅方向にも延びている。一対の側面2e,2fは、一対の端面2a,2bの間を連結するように、積層体2の長さ方向に延びている。一対の側面2e,2fは、一対の主面2c,2dの間を連結するように、積層体2の高さ方向にも延びている。
積層体2は、圧電セラミック材料からなる。圧電セラミック材料としては、PZT[Pb(Zr、Ti)O3]、PT(PbTiO3)、PLZT[(Pb、La)(Zr、Ti)O3]、又はチタン酸バリウム(BaTiO3)などが挙げられる。本実施形態では、積層体2は、圧電セラミック材料を含むセラミックグリーンシートの焼結体である複数の圧電体層20a〜20f(図4参照)を積層することによって形成されている。積層体2では、複数の圧電体層20a〜20fの積層方向が方向D3と一致する。実際の積層体2では、各圧電体層20a〜20fは、各圧電体層20a〜20fの間の境界が視認できない程度に一体化されている。本実施形態では、圧電体層20aの外表面が積層体2の側面2fを構成しており、圧電体層20fの外表面が積層体2の側面2eを構成している。
図4は、圧電素子の分解斜視図である。ここでは、絶縁膜11の図示が省略されている。図4に示されるように、圧電素子3は、第1内部電極22と、第2内部電極24と、第3内部電極26と、第4内部電極28と、第5内部電極30と、第6内部電極32と、第7内部電極34と、第8内部電極36と、第9内部電極38と、備えている。各内部電極22,24,26,28,30,32,34,36,38は、積層型の電子素子の内部電極として通常用いられる導電性材料(例えば、Ni、Pt又はPdなど)からなる。各内部電極22,24,26,28,30,32,34,36,38は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
圧電体層20b上には、第1内部電極22、第2内部電極24、第3内部電極26及び第4内部電極28が配置されている。第1内部電極22及び第2内部電極24は、圧電体層20b上において、互いに電気的に絶縁されている(離間している)。第3内部電極26及び第4内部電極28は、圧電体層20b上において、互いに電気的に接続されている。
第1内部電極22は、圧電体層20b上において、積層体2の端面2aと主面2cとが形成する角部側に配置されている。第1内部電極22は、主電極部22aと、接続部22bと、を有している。主電極部22aと接続部22bとは、一体に形成されている。接続部22bは、主電極部22aから積層体2の主面2c側に延在し、積層体2の主面2cに露出している。具体的には、接続部22bは、積層体2の端面2a側寄りの位置において主面2cに露出している。
第2内部電極24は、圧電体層20b上において、第1内部電極22が配置された角部と対角の角部、すなわち積層体2の端面2bと主面2dとが形成する角部側に配置されている。第2内部電極24は、主電極部24aと、接続部24bと、を有している。主電極部24aと接続部24bとは、一体に形成されている。接続部24bは、主電極部24aから積層体2の主面2d側に延在し、積層体2の主面2dに露出している。具体的には、接続部24bは、積層体2の他方の端面2b側寄りの位置において主面2dに露出している。
第3内部電極26は、圧電体層20b上において、積層体2の端面2bと主面2cとが形成する角部側に配置されている。第3内部電極26は、主電極部26aと、接続部26bと、を有している。主電極部26aと接続部26bとは、一体に形成されている。接続部26bは、主電極部26aから積層体2の主面2c側に延在し、積層体2の主面2cに露出している。具体的には、接続部26bは、積層体2の他方の端面2b側寄りの位置において主面2cに露出している。
第4内部電極28は、圧電体層20b上において、第3内部電極26が配置された角部と対角の角部、すなわち積層体の端面2aと主面2dとが形成する角部側に配置されている。第4内部電極28は、主電極部28aと、接続部28bと、を有している。主電極部28aと接続部28bとは、一体に形成されている。接続部28bは、主電極部28aから積層体2の主面2d側に延在し、積層体2の主面2dに露出している。具体的には、接続部28bは、積層体2の端面2a側寄りの位置において主面2dに露出している。
第3内部電極26と第4内部電極28とは、接続部材29により電気的に接続されている。具体的には、第3内部電極26の主電極部26aと第4内部電極28の主電極部28aとが、接続部材29により電気的に接続されている。接続部材29は、所定の間隔をあけて対角に配置された第1内部電極22と第2内部電極24との間に配置されている。接続部材29は、導電性材料(例えば、Ni、Pt又はPdなど)からなる。接続部材29は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
圧電体層20c上には、第5内部電極30が配置されている。第5内部電極30は、主電極部30aと、接続部30b,30cと、を有している。主電極部30aは、積層体2の長手方向を当該主電極部30aの長手方向とする長方形状を呈している。主電極部30aは、圧電体層20bを介して、第1内部電極22(主電極部22a)、第2内部電極(主電極部24a)、第3内部電極26(主電極部26a)及び第4内部電極(主電極部28a)と対向している。
接続部30bは、主電極部30aの長手方向に沿う一方の側面から積層体2の主面2c側に延在し、積層体2の主面2cに露出している。具体的には、接続部30bは、積層体2の長手方向の中央の位置において主面2cに露出している。接続部30cは、主電極部30aの長手方向に沿う他方の側面から積層体2の主面2d側に延在に、積層体2の主面2dに露出している。具体的には、接続部30cは、積層体2の長手方向の中央の位置において主面2dに露出している。
圧電体層20d上には、第6内部電極32、第7内部電極34、第8内部電極36及び第9内部電極38が配置されている。第6内部電極32及び第7内部電極34は、圧電体層20d上において、互いに電気的に接続されている。第8内部電極36及び第9内部電極38は、圧電体層20d上において、互いに電気的に絶縁されている。
第6内部電極32は、圧電体層20d上において、積層体2の端面2aと主面2cとが形成する角部側に配置されている。第6内部電極32は、主電極部32aと、接続部32bと、を有している。主電極部32aと接続部32bとは、一体に形成されている。接続部32bは、主電極部32aから積層体2の主面2c側に延在し、積層体2の主面2cに露出している。具体的には、接続部32bは、積層体2の端面2a側寄りの位置において主面2cに露出している。
第7内部電極34は、圧電体層20d上において、第6内部電極32が配置された角部と対角の角部、すなわち積層体2の端面2bと主面2dとが形成する角部側に配置されている。第7内部電極34は、主電極部34aと、接続部34bと、を有している。主電極部34aと接続部34bとは、一体に形成されている。接続部34bは、主電極部34aから積層体2の主面2d側に延在し、積層体2の主面2dに露出している。具体的には、接続部34bは、積層体2の他方の端面2b側寄りの位置において主面2dに露出している。
第8内部電極36は、圧電体層20d上において、積層体2の端面2bと主面2cとが形成する角部側に配置されている。第8内部電極36は、主電極部36aと、接続部36bと、を有している。主電極部36aと接続部36bとは、一体に形成されている。接続部36bは、主電極部36aから積層体2の主面2c側に延在し、積層体2の主面2cに露出している。具体的には、接続部36bは、積層体2の他方の端面2b側寄りの位置において主面2cに露出している。
第9内部電極38は、圧電体層20d上において、第8内部電極36が配置された角部と対角の角部、すなわち積層体2の端面2aと主面2dとが形成する角部側に配置されている。第9内部電極38は、主電極部38aと、接続部38bと、を有している。主電極部38aと接続部38bとは、一体に形成されている。接続部38bは、主電極部38aから積層体2の主面2d側に延在し、積層体2の主面2dに露出している。具体的には、接続部38bは、積層体2の端面2a側寄りの位置において主面2dに露出している。
第6内部電極32と第7内部電極34とは、接続部材40により電気的に接続されている。具体的には、第6内部電極32の主電極部32aと第7内部電極34の主電極部34aとが、接続部材40により電気的に接続されている。接続部材40は、所定の間隔をあけて対角に配置された第8内部電極36と第9内部電極38との間に配置されている。
圧電体層20e上には、第5内部電極30が配置されている。圧電体層20f上には、第1内部電極22、第2内部電極24、第3内部電極26及び第4内部電極28が配置されている。第3内部電極26と第4内部電極28とは、接続部材29により電気的に接続されている。
図2、図3(a)及び図3(b)に示されるように、圧電素子3は、第1外部電極4と、第2外部電極5と、第3外部電極6と、第4外部電極7と、第5外部電極8と、第6外部電極9と、を備えている。図1では、これらの図示が省略されている。第1外部電極4は、積層体2の主面2cに配置されている。具体的には、第1外部電極4は、主面2c上において、端面2a側に配置されている。第1外部電極4は、矩形状を呈している。本実施形態では、第1外部電極4は、側面2eから側面2fにわたって形成されている。第1外部電極4は、主面2cに露出する接続部22b及び接続部32bと直接的に接続されている。これにより、第1外部電極4は、第1内部電極22及び第6内部電極32と電気的に接続されている。
第1外部電極4は、積層体2の主面2cに導電性ペーストを付与した後に所定温度(例えば、700℃程度)にて焼き付けることにより形成される。導電性ペーストの焼き付けにより得られた焼付電極層に、電気めっきを施してめっき層を更に形成してもよい。導電性ペーストとしては、Agを主成分とした導電材料を含む導電性ペーストを用いることができる。めっき層としては、Ni/Auめっき層などが挙げられる。
第1外部電極4は、スパッタリング法、蒸着法などにより形成されてもよい。この場合、第1外部電極4を構成する膜構造は、Cr/Ni、NiCu/Ag、SnAg、又はAuなどが挙げられる。以下、第2外部電極5、第3外部電極6、第4外部電極7、第5外部電極8及び第6外部電極9についても、第1外部電極4と同様に形成される。
第2外部電極5は、積層体2の主面2cに配置されている。具体的には、第2外部電極5は、主面2c上において、他方の端面2b側に配置されている。第2外部電極5は、矩形状を呈している。本実施形態では、第2外部電極5は、側面2eから側面2fにわたって形成されている。第2外部電極5は、主面2cに露出する接続部26b及び接続部36bと直接的に接続されている。これにより、第2外部電極5は、第3内部電極26及び第8内部電極36と電気的に接続されている。
第3外部電極6は、積層体2の主面2cに配置されている。具体的には、第3外部電極6は、主面2c上において、積層体2の長手方向の中央部に配置されている。すなわち、第3外部電極6は、積層体2の長手方向において、第1外部電極4と第2外部電極5との間に配置されている。第3外部電極6は、矩形状を呈している。本実施形態では、第3外部電極6は、側面2eから側面2fにわたって形成されている。第3外部電極6は、主面2cに露出する接続部30bと直接的に接続されている。これにより、第3外部電極6は、第5内部電極30と電気的に接続されている。
第4外部電極7は、積層体2の主面2dに配置されている。具体的には、第4外部電極7は、主面2d上において、端面2a側に配置されている。第4外部電極7は、第1外部電極4と積層体2の高さ方向において対向する位置に配置されている。第4外部電極7は、矩形状を呈している。本実施形態では、第4外部電極7は、側面2eから側面2fにわたって形成されている。第4外部電極7は、主面2dに露出する接続部28b及び接続部38bと直接的に接続されている。これにより、第4外部電極7は、第4内部電極28及び第9内部電極38と電気的に接続されている。
第5外部電極8は、積層体2の主面2dに配置されている。具体的には、第5外部電極8は、主面2d上において、他方の端面2b側に配置されている。第5外部電極8は、第2外部電極5と積層体2の高さ方向において対向する位置に配置されている。第5外部電極8は、矩形状を呈している。本実施形態では、第5外部電極8は、側面2eから側面2fにわたって形成されている。第5外部電極8は、主面2dに露出する接続部24b及び接続部34bと直接的に接続されている。これにより、第5外部電極8は、第2内部電極24及び第7内部電極34と電気的に接続されている。
第6外部電極9は、積層体2の主面2dに配置されている。具体的には、第6外部電極9は、主面2d上において、積層体2の長手方向の中央部に配置されている。すなわち、第6外部電極9は、積層体2の長手方向において、第4外部電極7と第5外部電極8との間に配置されている。第6外部電極9は、第3外部電極6と積層体2の高さ方向において対向する位置に配置されている。第6外部電極9は、矩形状を呈している。本実施形態では、第6外部電極9は、側面2eから側面2fにわたって形成されている。第6外部電極9は、主面2dに露出する接続部30cと直接的に接続されている。これにより、第6外部電極9は、第5内部電極30と電気的に接続されている。
図2に示されるように、絶縁膜11は、積層体2の主面2d上に設けられ、第4外部電極7、第5外部電極8、及び第6外部電極9を覆い、第4外部電極7、第5外部電極8、及び第6外部電極9と摩擦部50とを絶縁している。絶縁膜11は、例えばシリコン酸化膜により形成されている。絶縁膜11の外表面11aは、圧電素子3の外表面の一部を構成している。第4外部電極7、第5外部電極8、及び第6外部電極9の端面は、摩擦部50と接触していなければ、絶縁膜11から露出していてもよいが、絶縁膜11により覆われていることで、短絡の発生を抑制することができる。
図1及び図2に示されるように、摩擦部50は、絶縁膜11を介して圧電素子3の主面2dに設けられている。摩擦部50は、板部材52と、第1摩擦部材54と、第2摩擦部材56と、を有している。
板部材52は、例えば長方形状を呈し、その厚さ方向において互いに対向する一対の主面52a,52bを有している。一対の主面52a,52bが対向する方向は、方向D2と一致している。主面52aは、方向D2で主面2dと対向する対向面である。主面52bは、主面52aの反対側を向く反対面である。板部材52は、例えば主面52aが絶縁膜11の外表面11aに接着されることにより、絶縁膜11を介して積層体2の主面2dに取り付けられている。
主面52aの長辺の長さは、例えば、主面2dの長辺の長さよりも短く、第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56の設けられる位置に応じて、主面2dの長辺の長さの96%程度に設定されている。主面52aの長辺の長さは、主面2dの長辺の長さと同等であってもよい。主面52aの短辺の長さは、例えば、主面2dの短辺の長さよりも長く、主面52aは、主面2dの短辺方向の全体を覆っている。主面52aの短辺の長さは、主面2dの短辺の長さと同等であってもよい。板部材52は、SUS(ステンレス鋼)などの可撓性を有する材料から構成されている。板部材52は、いわゆる板バネとして機能し、その厚さ方向に撓んで振動する。板部材52は、圧電素子3と共に屈曲振動する。
第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56は、溝部材60に接触して溝部材60との間に摩擦力を生じさせるための部材である。第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56は、板部材52の主面52bに設けられている。第1摩擦部材54は、主面52bの方向D1における一端部に設けられている。第2摩擦部材56は、主面52bの方向D1における他端部に設けられている。第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56は、例えば、板部材52と同じ材料で板部材52と一体的に形成されている。
第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56は、例えば、円柱部材が断面半円形状に切断されたような形状を呈し、その切断面に相当する平面状の側面が主面52bに対向するように主面52bに配置されている。第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56は、半円柱の延在方向が積層体2の幅方向(方向D3)に沿うように設けられている。第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56は、板部材52と別体であってもよい。その場合、第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56は、ジルコニア又はアルミナなどの板部材52と異なる材料から構成されていてもよい。
図5は、圧電アクチュエータの側面図である。図5に示されるように、第1摩擦部材54は、後述する圧電素子3の腹P1〜P6以外の位置で、かつ、圧電素子3の長手方向の長さをLとした場合に、端面2aからの距離が1/3L未満となる位置に配置されている。本実施形態では、第1摩擦部材54は、積層体2の端面2aからの距離がL3の位置に配置されている。圧電素子3の長手方向の長さをLとした場合、第1摩擦部材54は、積層体2の端面2aからの距離が1/12Lの位置に配置されている。すなわち、圧電素子3の幅方向(方向D3)から見て、圧電素子3の長手方向(方向D1)及び高さ方向(方向D2)の中心Cから端面2aまでの長さをL1(1/2L)とした場合、第1摩擦部材54は、積層体2の端面2aからの距離が1/6L1の位置に配置されている。本実施形態では、第1摩擦部材54は、第4外部電極7よりも端面2a側の位置(第4外部電極7と重ならない位置)に配置されている。
第2摩擦部材56は、後述する圧電素子3の腹P1〜P6以外の位置で、かつ、圧電素子3の長手方向の長さをLとした場合に、他方の端面2bからの距離が1/3L未満となる位置に配置されている。本実施形態では、第2摩擦部材56は、積層体2の他方の端面2bからの距離がL4の位置に配置されている。第1摩擦部材54は、積層体2の端面2bからの距離が1/12Lの位置に配置されている。すなわち、中心Cから端面2bまでの長さをL2(1/2L)とした場合、第2摩擦部材56は、積層体2の端面2bからの距離が1/6L2の位置に配置されている。本実施形態では、第2摩擦部材56は、第5外部電極8よりも端面2b側の位置(第5外部電極8と重ならない位置)に配置されている。
図1及び図2に示されるように、溝部材60は、例えば、直方体形状を呈し、方向D2で互いに対向する一対の主面60a,60bを有している。主面60aは、方向D2で圧電アクチュエータ1の主面52bと互いに対向している。主面60aは、例えば、粗面化処理により摩擦係数が高められていてもよい。溝部材60は、主面60aが第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56と接触するように配置されている。主面60bには、複数(ここでは2つ)の溝62が設けられている。溝62は、断面V字状を呈し、溝部材60の長手方向(方向D1)に延びている。溝62の内面は、例えば、2つの平面により構成されている。2つの溝62は、方向D3において並んで配置されている。
溝部材60には、付勢部90を貫通させる貫通孔64が設けられている。貫通孔64は、主面60aと主面60bとを接続するように、溝部材60を方向D2において貫通している。貫通孔64は、方向D2から見て、圧電アクチュエータ1と重なるように配置されている。貫通孔64は、方向D1に延びる長孔である。
溝部材70は、直方体形状を呈し、方向D2で互いに対向する一対の主面70a,70bを有している。主面70aは、方向D2で溝部材60の主面60bと互いに対向している。主面70aには、複数(ここでは2つ)の溝72が設けられている。溝72の内面は、例えば、2つの平面により構成されている。溝72は、断面V字状を呈し、溝部材70の長手方向(方向D1)に延びている。2つの溝72は、方向D3において並んで配置されている。溝部材70の主面70aには、付勢部90が挿入される(嵌め込まれる)凹部70cが設けられている。凹部70cは、断面形状が付勢部90の断面形状と同等となるように形成されている。溝部材70は、例えば、貫通孔64の代わりに凹部70cが設けられている点を除き、溝部材60と同形状を呈している。溝部材70の溝72は、方向D2から見て溝部材60の溝62と重なるように配置されている。
転動部材80は、例えば、SUSなどの金属製のボールである。互いに対向する一方の溝62と一方の溝72との間、及び互いに対向する他方の溝62と他方の溝72との間には、それぞれ複数(ここでは、3つ)の転動部材80が配置されている。転動部材80は、各溝62,72の内面にそれぞれ接している。各溝62,72の内面は、上述のように2つの平面により構成されているので、転動部材80は、各溝62,72の内面と点接触している。転動部材80は、溝62,72の間を方向D1に沿って転動する。
溝部材60,70は、転動部材80が配置されていることにより、互いに離間し、接触していない。したがって、溝部材60,70は、転動部材80の転動により、方向D1に沿って相対的に移動する。溝部材60は、圧電アクチュエータ1により駆動されて、溝部材70に対し、方向D1に移動する移動部として機能する。溝部材70及び転動部材80は、溝部材60を方向D1に移動可能に保持する保持部として機能する。
付勢部90は、圧電素子3の主面2cよりも溝部材70側に配置されている。より具体的には、付勢部90は、板部材52の主面52bと、溝部材70の主面70bとの間に配置されている。付勢部90は、方向D3から見て、圧電アクチュエータ1の屈曲振動の中心を通り、かつ、方向D2に沿った直線上に配置されている。本実施形態では、後述のように圧電アクチュエータ1の屈曲振動の中心は、上述の中心Cと一致しているが、一致していなくてもよい。付勢部90は、例えば、断面円形の柱状部材であり、軸方向が方向D2に沿うように配置されている。付勢部90は、貫通孔64を通り、板部材52と溝部材70とを互いに接続している。付勢部90の軸方向の一端部90aは、板部材52の中央部に接続されており、他端部90bは溝部材70の中央部に接続されている。
付勢部90は、例えば、板部材52と同じ材料で板部材52と一体的に形成されている。付勢部90の他端部90bには、ネジ穴が設けられており、付勢部90の他端部90bは、溝部材70の凹部70cに挿入され、主面70bから凹部70cに向かって挿通されたボルト91に締結されている。板部材52及び溝部材70の間には、第1摩擦部材54、第2摩擦部材56及び転動部材80を介して、溝部材60が配置されている。このため、例えば、ボルト91による他端部90bの締め付けを強めると、付勢部90は、板部材52及び溝部材70に対して、互いに近づき合う方向の付勢力を付与する。
付勢部90による付勢力の大きさは、例えば、ボルト91による他端部90bの締め付けを調整することにより調整される。付勢部90の付勢力方向は、方向D2と一致している。付勢部90が圧電アクチュエータ1を溝部材60に向けて付勢する結果、第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56が溝部材60に押し付けられる。このように付勢部90は、圧電アクチュエータ1を溝部材60に向けて付勢し、第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56を溝部材60に押し付けることができる構成であればよい。
上記構成を有する圧電アクチュエータ1の動作について、図6(a)及び図6(b)を参照して説明する。図6(a)は、縦振動モードを示す図であり、図6(b)は、屈曲振動モードを示す図である。圧電アクチュエータ1は、駆動時においては2つの共振モードを有している。具体的には、圧電アクチュエータ1は、図6(a)に示されるように、方向D1に振動する縦振動モードと、図6(b)に示されるように、方向D2への屈曲振動モードとの重ね合わせによって振動する。
圧電アクチュエータ1では、第3外部電極6をグラウンドに接続すると共に、第1外部電極4と、第2外部電極5とに、位相を90°ずらした電圧をそれぞれ印加して圧電素子3を駆動させると、圧電素子3が方向D1で伸縮することにより、第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56にそれぞれ位相が180°ずれた楕円運動が生じる。具体的には、各圧電体層20b,20c,20d,20eのうち、各内部電極22,24,26,28,30,32,34,36,38の間に配置された各部分が方向D1に伸縮する。これにより、第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56と溝部材60(図1参照)との間に交互に摩擦力が作用して、転動部材80を転動させながら溝部材60が移動する。第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56の楕円運動は、同じ軌跡となってもよいし、異なる軌跡となってもよい。
本実施形態では、圧電アクチュエータ1は、方向D3から見て、中心Cを通り、かつ、圧電素子3の高さ方向(方向D2)に沿った直線に対して非対称である位置に、振動の腹(振動において振幅が最大となる位置)を有する。具体的には、図6(a)及び図6(b)に示されるように、圧電アクチュエータ1の振動の腹は、例えば、P1〜P6で示す位置となる。圧電素子3では、圧電アクチュエータ1の振動の節(振動において振幅を生じない位置)に、第1外部電極4〜第6外部電極9が配置されている。
上述の振動の腹P1〜P6の位置は、縦振動モードの共振周波数と、屈曲振動モードの共振周波数とをずらすことにより実現されている。縦振動モードの共振周波数及び屈曲振動モードの共振周波数は、圧電アクチュエータ1(具体的には、板部材52を組み合わせた状態の圧電素子3)の長手方向と幅方向との寸法比により調整される。したがって、圧電アクチュエータ1の寸法比を調整することにより、縦振動モードの共振周波数と屈曲振動モードの共振周波数とをずらすことができる。
また、上述の振動の腹P1〜P6の位置は、図4に示される第1内部電極22〜第4内部電極28、及び、第6内部電極32〜第9内部電極38の構成により実現されている。具体的には、本実施形態では、圧電体層20b上及び圧電体層20f上のそれぞれにおいて、第3内部電極26と第4内部電極28とを接続部材29により電気的に接続し、圧電体層20d上において、第6内部電極32と第7内部電極34とを接続部材40により電気的に接続している。圧電素子3では、内部電極において最大寸法となる部分(領域)において変位が生じる。例えば、圧電体層20b上においては、第3内部電極26と第4内部電極28とが接続部材29により電気的に接続されているため、対角に位置する第3内部電極26及び第4内部電極28にわたって変位が生じる。これに対して、対角において孤立する第1内部電極22及び第2内部電極24は、それぞれの最大寸法となる部分で変位が生じる。このように、同一の圧電体層20b上において、変位量に差が生じる。これにより、圧電アクチュエータ1の振動の腹P1〜P6は、方向D3から見て、中心Cを通り、かつ、圧電素子3の高さ方向(方向D2)に沿った直線に対して非対称となる。すなわち、中心Cは、圧電アクチュエータ1の屈曲振動の中心と一致している。
以上説明したように、本実施形態に係る駆動装置10では、付勢部90が圧電素子3の主面2cよりも溝部材70側に配置されている。これにより、駆動装置10の方向D2の一端が、圧電素子3の主面2cによって規定される。したがって、付勢部90が圧電素子3の主面2cに対し溝部材70の反対側に配置され、駆動装置10の方向D2の一端が、付勢部90によって規定される場合に比べて、駆動装置10の方向D2の寸法を抑制することができる。これにより、省スペース化を図ることができる。
より具体的には、付勢部90は、板部材52の主面52bと、溝部材70の主面70aとの間に配置されている。これにより、駆動装置10の方向D2の一端が、圧電素子3の主面2cによって規定されると共に、他端が、溝部材70の主面70bによって規定される。したがって、付勢部90が溝部材70の主面70bからはみ出して設けられている場合に比べて、駆動装置10の方向D2の寸法を更に抑制することができる。これにより、省スペース化を更に図ることができる。
第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56は、板部材52と一体的に形成されている。このため、圧電素子3及び板部材52の振動(変形)が第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56に伝達され易い。この結果、駆動特性の向上を図ることができる。
付勢部90は、板部材52と一体的に形成されている。このため、付勢部90を板部材52に取り付ける際の取り付け誤差が生じないので、付勢部90による付勢力の大きさを安定化させることができる。
付勢部90は、方向D3から見て、圧電アクチュエータ1の屈曲振動の中心(中心C)を通り、かつ、方向D2に沿った直線上に配置されている。圧電アクチュエータ1において、屈曲振動の中心を通り、かつ、方向D2に沿った直線上に位置する部分では、他の部分に比べて振動が小さいので、付勢部90が配置されても圧電アクチュエータ1の振動が阻害され難い。したがって、駆動装置の駆動特性が向上する。
溝部材60には、付勢部90を貫通させる貫通孔64が設けられている。付勢部90は貫通孔64内に配置されるので、例えば、付勢部90が溝部材60の外側に配置される場合に比べて、付勢部90の付勢力方向(方向D2)に直交する方向(方向D1及び方向D3)における駆動装置10の寸法についても抑制可能となる。
圧電素子3は、積層された複数の圧電体層20a〜20fを有している。これにより、駆動装置10の駆動特性が向上する。
駆動装置10では、電圧が印加されて縦振動モード及び屈曲振動モードが合成された振動モードが発生すると、第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56のそれぞれに楕円運動が生じる。第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56は、楕円運動の加速部分(楕円の長手方向の成分)において高い駆動力が得られる。圧電素子3の腹P1〜P6は、圧電素子3の幅方向から見て、中心Cを通り、かつ、高さ方向に沿った直線に対して非対称となる位置である。また、駆動装置10では、第1摩擦部材54を、圧電素子3の腹P1〜P6以外の位置で、かつ、端面2aからの距離が1/3L未満となる位置に配置し、第2摩擦部材56を、圧電素子3の腹P1〜P6以外の位置で、かつ、他方の端面2bからの距離が1/3L未満となる位置に配置している。この構成により、駆動装置10では、第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56の楕円運動において、楕円の長手方向の成分が圧電素子3の長手方向に沿うように、楕円の長手方向の成分を傾けることができる(楕円の長手方向の成分と圧電素子3の長手方向とが成す角度を小さくできる)。これにより、駆動装置10では、第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56は、楕円運動の加速部分において溝部材60と接触する。したがって、駆動装置10では、駆動力を確保することができる。その結果、駆動装置10では、駆動特性の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
図7は、第一変形例に係る駆動装置を示す断面図である。図7に示されるように、第一変形例に係る駆動装置10Aは、圧電素子3Aを備える点で、実施形態に係る駆動装置10(図2参照)と相違している。圧電素子3Aは、1つの圧電体層21と、複数の外部電極12,13,14と、絶縁膜11と、を備えている。圧電体層21は、厚さ方向(方向D2)で互いに対向する一対の主面21a,21bを有している。一対の主面21a,21bは、長方形状を呈している。主面21aの長辺方向の一方側には、外部電極12が配置され、他方側には、外部電極13が外部電極12と離間して(絶縁されて)配置されている。主面21bには外部電極14が全面的に配置され、圧電体層21を介して外部電極12,13と互いに対向している。主面21aの長辺方向の中央部には、外部電極14とスルーホール導体(不図示)により接続された外部電極(不図示)が外部電極12,13と離間して(絶縁されて)配置されている。絶縁膜11は、主面21b上に設けられ、外部電極14を覆い、外部電極14と摩擦部50とを絶縁している。外部電極14の端面は、摩擦部50と接触していなければ、絶縁膜11から露出していてもよいが、絶縁膜11により覆われていることで、短絡の発生を抑制することができる。
駆動装置10Aでは、外部電極14をグラウンドに接続すると共に、外部電極12と、外部電極13とに、位相を90°ずらした電圧をそれぞれ印加して圧電素子3Aを駆動させると、圧電素子3Aが板部材52と共に屈曲振動する。これにより、第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56と溝部材60との間に交互に摩擦力が作用して、転動部材80を転動させながら溝部材60が移動する。
図8は、第二変形例に係る駆動装置の摩擦部及び付勢部について説明するための分解斜視図である。図8では、図1に示される圧電素子3、溝部材70、及び転動部材80の図示が省略されると共に、溝部材60が簡略化されて示されている。第二変形例に係る駆動装置10Bは、溝部材60に貫通孔64が設けられておらず、付勢部90が溝部材60の外側に配置される点で、実施形態に係る駆動装置10(図1参照)と主に相違している。
駆動装置10Bでは、摩擦部50の板部材52は、長手方向(方向D1)の中央部から幅方向(方向D3)の両側に突出した一対の突出部57を有している。突出部57には、ボルト59のネジを貫通させるための貫通孔57aが設けられている。駆動装置10Aは、一対の付勢部90を有し、一対の付勢部90は、溝部材60の幅方向(方向D3)の両側に配置されている。付勢部90の一端には、ネジ穴92が設けられている。付勢部90は、方向D2から見て、ネジ穴92が貫通孔57aと重なるように配置されている。付勢部90は、ボルト59のネジが貫通孔57aを通ってネジ穴92に締結されることにより、突出部57に固定されている。図示を省略するが、例えば、溝部材70は、(方向D1)の中央部から幅方向(方向D3)の両側に突出した一対の突出部を有しており、付勢部90の他端は、溝部材70の突出部に固定されている。このような駆動装置10Bにおいても、付勢部90が圧電素子3の主面2cよりも溝部材70側に配置されているので、省スペース化を図ることができる。
図9は、第三変形例に係る駆動装置を示す断面図である。図9に示されるように、第三変形例に係る駆動装置10Cでは、付勢部90は、例えば、溝部材70と同じ材料で溝部材70と一体的に形成され、板部材52と別体である。付勢部90の一端部90aには、ネジ穴が設けられており、付勢部90の一端部90aは、板部材52に設けられた貫通孔に主面52a側から挿通されたボルト91に締結されている。付勢部90による付勢力の大きさは、ボルト91による一端部90aの締め付けを調整することにより調整される。
図10は、第四変形例に係る駆動装置を示す断面図である。図10に示されるように、第四変形例に係る駆動装置10Dでは、付勢部90は、例えば、板部材52と同じ材料で板部材52と一体的に形成されている。付勢部90の他端部90bの側面には、ネジが設けられている。付勢部90の他端部90bは、溝部材70の主面70a側に設けられたネジ穴に締結されている。付勢部90による付勢力の大きさは、溝部材70に対する他端部90bの締め付けを調整することにより調整される。
上述のように、付勢部90は、圧電アクチュエータ1を溝部材60に向けて付勢し、第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56を溝部材60に押し付けることができる構成であればよく、板部材52、付勢部90、及び溝部材70の組付け構造は、特に限定されない。図示を省略するが、付勢部90は、板部材52及び溝部材70と別体であってもよい。この場合、例えば、付勢部90の一端部90aはボルト(不図示)により板部材52に固定され、付勢部90の他端はボルト(不図示)により溝部材70に固定されている。付勢部90の付勢力の大きさは、これらのボルトによる一端部90a及び他端部90bの締め付けを調整することにより調整される。
上記実施形態では、付勢部90が、板部材52の主面52bと、溝部材70の主面70aとの間に配置されている形態を一例に説明した。しかし、付勢部90は、少なくとも圧電素子3の主面2cよりも溝部材70側に配置され、駆動装置10の方向D2の一端が、圧電素子3の主面2cによって規定されていればよい。これにより、付勢部90が圧電素子3の主面2cに対し溝部材70の反対側に配置されている場合に比べて、付勢力方向(方向D2)における駆動装置10の寸法を抑制することができる。
上記実施形態では、溝部材60が、一部材で移動部として機能する形態を一例に説明した。しかし、駆動装置10は、溝部材60の主面60aに固定された摩擦係数の高い摩擦板を更に備え、溝部材60が摩擦板と共に移動部として機能してもよい。この場合、第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56と移動部との間に生じる摩擦力を高めることができるので、駆動特性の向上を図ることができる。
上記実施形態では、積層体2の主面2cに矩形状を呈する第1外部電極4〜第3外部電極6が配置されており、積層体2の主面2dに矩形状を呈する第4外部電極7〜第6外部電極9が配置されている形態を一例に説明した。しかし、外部電極の構成はこれに限定されない。
上記実施形態では、圧電体層20a〜20fが積層されることで積層体2が形成される形態を一例に説明した。しかし、圧電体層の積層数はこれに限定されず、設計に応じて適宜設定される。
上記実施形態では、図4に示される構成(形状)の第1内部電極22〜第9内部電極38を一例に説明した。しかし、内部電極の構成はこれに限定されない。
上記実施形態では、第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56を備える形態を一例に説明した。しかし、摩擦部材を更に(3以上)備えていてもよい。
上記実施形態では、第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56が、積層体2の幅方向(方向D3)に沿って連続して延在する形態を一例に説明した。しかし、第1摩擦部材54及び第2摩擦部材56は、積層体2の幅方向(方向D3)において断続的に配置されていてもよい。
上記実施形態では、圧電素子3が絶縁膜11を備える形態を一例に説明した。しかし、板部材52を圧電素子3に取り付ける際に、絶縁性の接着剤を用い、接着剤により第4外部電極7、第5外部電極8、及び第6外部電極9と摩擦部50とを絶縁してもよい。