JP6801562B2 - 計画作成装置、計画作成方法、およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、計画作成装置、計画作成方法、およびプログラムに関し、特に、線形計画法により定式化される目的関数の重み係数を設定するために用いて好適なものである。
商業、工業等の産業が発展する中で、その規模はますます大きく、且つ複雑なものとなっている。このような状況の中で、例えば、効率的な調達、運搬、生産、出荷等を行うために、高効率、高生産性を実現できる生産計画、物流計画を作成することが求められる。
そこで、人手で計画を作成すること、或いは、人の考えを模擬したルールに従って計画を作成することに変わり、生産計画、物流計画等、各種の計画の作成を、「与えられた制約条件の下で目的を最適に達成するための数理モデル」、即ち数理計画問題として捉え、数理計画問題を解くことにより実現する技術がある。この数理計画問題の中でも、立案される計画の評価指標となる目的が複数ある問題は、多目的最適化問題と呼ばれる。
計画の作成を多目的最適化問題として捉え、その問題を解くことにより得られた解を計画とする場合、立案される計画の評価指標から構成される「評価式」を適切に設定する必要がある。この評価指標としては、例えば、調達に掛る費用をできるだけ安くする、輸送に掛る合計時間をできるだけ短くする、工期をできるだけ短くする、納期をできるだけ守るなどが挙げられる。
ここで、一般的な計画では、ある対象について、一つの期間の計画を作成する場合でも、計画の目的が1つであることは少なく、それぞれの目的に対応する2つ以上の評価指標を同時に最小化、或いは最大化することが求められる場合が多い。
そこで上記評価式は、各評価指標に重み係数を掛けて、それらの和を取った重み付き和として構成され、上記評価式を最大化または最小化することが一般的に行われ、この手法は重み係数法と呼ばれる。
しかしながら、これらの目的は相反するものであることが多い。例えば、出来るだけタイミング良く調達するためには輸送をスピーディーに行うことが必要になるのに対し、輸送をスイーディーに行うためには費用が掛ることになる。従って、先に挙げた調達に掛かる費用と輸送に掛かる費用は、輸送の合計時間の削減と相反することとなる。加えて、これら目的として得られる値は、例えば費用であったり、納期からのずれであったりと単位が一致しない場合が多い。
これら相反し、且つ単位の異なる複数の目的の調和を取りながら、計画を導出することが、立案された計画の納得性に重要となる。このため、複数ある目的関数のそれぞれの重要度をどの様に考慮するのかが重要となる。
このような重要度を算出する技術として特許文献1に記載の技術がある。特許文献1には、複数の評価指標から得られる2つの評価指標の全ての組み合わせのそれぞれを人が相対的に比較して、それら2つの評価指標における相対的な重要度を指定し、指定した重要度に基づいて、AHP(Analytic Hierarchy Process)手法を用いて、予め立案した複数の生産計画案に対して総合的な重要度を求め、ユーザに提示する技術が開示されている。
特開2009−244951号公報
ところで、多目的最適化問題を線形計画問題として重み係数法を用いて線形計画法により解く手法では、複数の評価指標の相対的なバランスを表す重み係数を複数の評価指標のそれぞれに掛けて、それら評価指標と重み係数とを掛けた値の和、つまり評価式を最小化または最大化する。従って、この場合、重み係数が前述した重要度となる。特許文献1に記載の技術は、この手法にも適用することができる。
しかしながら、この手法に特許文献1に記載の技術を適用した場合、2つの重み係数の相対的な重要度を人が指定することになる。特許文献1に開示されている技術では、重み係数の相対的な重要度を設定するための基準はなく、人が感覚で指定する。前述したように、複数の評価指標の中には、一方の評価指標の値をその目的に近づけようとすると他方の評価指標の値がその目的から遠ざかるというように相反する評価指標があり、また、単位の異なる評価指標がある。このような評価指標の重要度(即ち重み係数)を人が評価することは容易ではない。このため、各評価指標に対して正しい重み係数が設定されなくなる虞がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、多目的最適化問題を、重み係数法を用いて線形計画法により解く際に用いる評価指標の重み係数を人の感覚に頼らずに設定することができるようにすることを目的とする。
本発明の計画作成装置は、線形不等式で表される制約式を少なくとも1つ含む制約式を満足する範囲で、複数の決定変数と重み係数とを用いて表される線形式である評価式の値が最大または最小になるときの前記決定変数の値を線形計画法による最適化計算により求め、当該決定変数の値に基づく計画を作成する計画作成装置であって、前記計画に対する過去の立案実績として、前記制約式に含まれる係数、定数および決定変数の値と、前記評価式に含まれる前記決定変数の値とを少なくとも取得する実績取得手段と、前記線形不等式で表される制約式を、スラック変数を用いて標準形に変換する標準形変換手段と、前記実績取得手段により取得された前記立案実績と、前記標準形変換手段により標準形に変換された前記制約式とに基づいて、前記スラック変数が基底変数および非基底変数の何れであるかを判定する第1の基底・非基底判定手段と、前記標準形変換手段により標準形に変換された前記制約式のうち、前記第1の基底・非基底判定手段により非基底変数であると判定された前記スラック変数を含む前記制約式に基づいて、前記重み係数の上限値および下限値を導出する重み係数上下限導出手段と、を有することを特徴とする。
本発明の計画作成方法は、線形不等式で表される制約式を少なくとも1つ含む制約式を満足する範囲で、複数の決定変数と重み係数とを用いて表される線形式である評価式の値が最大または最小になるときの前記決定変数の値を線形計画法による最適化計算により求め、当該決定変数の値に基づく計画を作成する計画作成方法であって、前記計画に対する過去の立案実績として、前記制約式に含まれる係数、定数および決定変数の値と、前記評価式に含まれる前記決定変数の値とを少なくとも取得する実績取得工程と、前記線形不等式で表される制約式を、スラック変数を用いて標準形に変換する標準形変換工程と、前記実績取得工程により取得された前記立案実績と、前記標準形変換工程により標準形に変換された前記制約式とに基づいて、前記スラック変数が基底変数および非基底変数の何れであるかを判定する第1の基底・非基底判定工程と、前記標準形変換工程により標準形に変換された前記制約式のうち、前記第1の基底・非基底判定工程により非基底変数であると判定された前記スラック変数を含む前記制約式に基づいて、前記重み係数の上限値および下限値を導出する重み係数上下限導出工程と、を有することを特徴とする。
本発明のプログラムは、前記計画作成装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明によれば、多目的最適化問題を線形計画問題として線形計画法により解く際に用いる評価指標の重み係数を人の感覚に頼らずに設定することができる。
計画作成装置の機能的な構成の一例を示す図である。 計画作成方法の一例を説明するフローチャートである。 制約式および評価式の一例を、決定変数を各軸とする直交座標に示す図である。 重み係数のとり得る範囲と、その範囲内から決定された重み係数の値の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態を説明する。
図1は、計画作成装置100の機能的な構成の一例を示す図である。図2は、計画作成装置100による計画作成方法の一例を説明するフローチャートである。計画作成装置100のハードウェアは、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、および各種のインターフェースを備える情報処理装置、または、専用のハードウェアを用いることにより実現される。
<概要>
本実施形態の計画作成装置100は、多目的最適化問題を線形計画問題として重み係数法を用いて線形計画法により解く際に用いる目的関数の重み係数の上下限値を、過去の実績を用いて導出して表示する。そして、計画作成装置100は、重み係数の上下限値の範囲の中から決められた重み係数を用いて、線形計画問題の最適解を線形計画法により求め、計画を立案する。本実施形態では、説明を簡単にするため、決定変数の数が2、制約式の数が3、評価指標の数が2である場合を例に挙げて説明する。従って、本実施形態で取り扱う多目的最適化問題Pは、以下の(1)式〜(4)式で記述される。
Figure 0006801562
(1)式〜(4)式において、fi(x)は、評価指標、wiは、評価指標fi(x)に対する重み係数、zは評価式、xnは、決定変数、hinは、評価指標fi(x)における決定変数xnに対する係数、amnは、制約式における決定変数xnに対する係数、bmは、定数である。尚、評価指標fi(x)は、決定変数xnの重み付け和の形の関数である。従って、本実施形態においては、評価式zは、複数の評価指標fi(x)の重み付け和で表されるものとする。
(1)式に示すように、評価式zは、複数の評価指標fi(x)の重み付き線形和で表される。また、それぞれの評価指標fi(x)は、(2)式で表される。また、制約式は、(3)式で表される。本実施形態では、重み係数wi、係数hin、amn、および定数bmは、0(ゼロ)以上の値(wi≧0、hin≧0、amn≧0、bm≧0)であるものとする。本実施形態の多目的最適化問題Pは、(3)式の制約式を満足する範囲で、(1)式の評価式zが最小になるときの決定変数x1、x2を最適解として求める問題である。
本実施形態では、重み係数wi以外の、係数hin、amn、定数bm、決定変数x1、x2は、計画に対する過去の実績として予め与えられる。本実施形態では、過去の実績に含まれるhin、係数amnおよび定数bmを与えて、(3)式の制約式を満足する範囲で、評価式zが最小になるときの決定変数x1、x2を最適解として求めた場合に、その最適解(即ち、決定変数x1、x2)は、過去の実績に含まれる決定変数x1、x2に一致するものと仮定する。本実施形態の計画作成装置100は、このような仮定の下、係数hin、amn、定数bm、決定変数x1、x2が与えられた状態で、重み係数wiの上下限値を導出する。
ここで、(1)式〜(2)式より(1)式を以下の(5)式のように書き下すことができる。(1)式に代えて(5)式を用いても、多目的最適化問題Pは一般性を失われない。
Figure 0006801562
ここで、新たに定義された重み係数cnは決定変数xn間のバランスを示すものである。例えば、決定変数x1と決定変数x2のバランスを同じにする場合、決定変数xnに対する重み係数c1、c2は、同じ値であれば、幾つであってもよい。決定変数x1と決定変数x2のバランスを1:2にする場合、この重み係数c1、c2は、重み係数c1が重み係数c2の2倍の値を有していれば、幾つであってもよい。従って、(5)式において新たに定義した重み係数cnを、以下の(6)式を満たすようにしても一般性を失わない。
1+c2=1 ・・・(6)
そこで、本実施形態の計画作成装置100は、重み係数cn以外の値が予め与えられた状態で、重み係数cnの上下限値を導出し、当該上下限値の範囲の中から決められた重み係数cnと、係数hinとを用いて、(5)式により、重み係数wiを導出する。以下、本実施形態の計画作成装置100が有する機能の一例を説明する。
<実績取得部101、ステップS201>
実績取得部101は、線形計画問題において定式化される評価指標fi(x)((2)式)に含まれる係数hinおよび決定変数x1、x2の値と、制約式((3)式)に含まれる係数amn、定数bm、および決定変数x1、x2の値とを、計画に対する過去の立案実績として取得する。これらの情報の取得形態として、例えば、オペレータによる計画作成装置100のユーザインターフェースの入力操作、外部装置からの送信、および可搬型記憶媒体からの読み出しの少なくとも何れか1つを採用することができる。
本実施形態では、係数amnおよび定数bmとして、以下の(7)式に示す値が取得された場合を具体的問題PRとして例示する。
Figure 0006801562
前述したように、係数amnおよび定数bmは、(3)式の制約式に与えられる。この場合、多目的最適化問題Pは、例えば、以下のような具体的問題PRに対応する。即ち、多目的最適化問題Pは、材料1と材料2とを配合して混合物を生成する場合に、品質1に関しては20以上(b1≧20)、品質2に関しては25以上(b2≧25)、品質3に関しては30以上(b3≧30)を満たし、且つ、品質1への材料1の寄与が4(a11=4)、材料2の寄与が3(a12=3)、品質2への材料1の寄与が2(a21=2)、材料2の寄与が6(a22=6)、品質3の材料1の寄与が10(a31=10)、材料2の寄与が3(a32=3)であるという制約条件の下で、材料1、2の購買費用f1(x)と材料1、2の容積f2(x)とを最小化するように、材料1、2の購買量x1、x2を決定する具体的問題PRに対応する。
また、具体的問題PRにおいて、材料1、2の購買量x1、x2、即ち決定変数x1、x2として、5/2、10/3(x1=5/2、x2=10/3)が取得される場合(ケース1)と、0(ゼロ)、10(x1=0、x2=10)が取得される場合(ケース2)と、25/2、0(ゼロ)(x1=25/2、x2=0)が取得される場合(ケース3)との3つのケースを例に挙げて説明する。
<標準形変換部102、ステップS202>
標準形変換部102は、スラック変数smを用いて、(3)式(および(7)式)と(5)式とにより表される具体的問題PRを、以下の(8)式〜(11)式に示すように、標準形の問題PSに書き換える。ここで、標準形とは、線形計画法の分野で問題を同一形式で取り扱うため、記述形式を統一するための一般的な記述形式であり、具体的問題PRと標準形の問題PSは記述形式は異なるが、同じ問題を表す。尚、スラック変数smは、(3)式に示すように制約式に不等式が含まれる場合、当該不等式を等式に変換するために導入される変数である。また、(8)式、(10)式は、それぞれ前述した(5)式、(6)式と同じであるが、表記の都合上、再掲する。
Figure 0006801562
<基底・非基底判定部103、ステップS203>
基底・非基底判定部103は、前記3つのケースそれぞれについて、決定変数xnおよびスラック変数smが、基底変数および非基底変数の何れであるかを判定する。基底変数とは、値が0(ゼロ)以外の値の変数であり、非基底変数とは、値が0(ゼロ)の変数である。
基底・非基底判定部103は、実績取得部101により取得された、係数amn、定数bm、および決定変数xnを(9)式に与えることにより、スラック変数smを導出する。標準形の問題PSでは、基底・非基底判定部103は、(11)式を(9)式に与えると共に、「x1=5/2、x2=10/3」(ケース1)、「x1=0、x2=10」(ケース2)、「x1=25/2、x2=0」(ケース3)を(9)式にそれぞれ与えることによりスラック変数s1、s2、s3を計算する。
(11)式および「x1=5/2、x2=10/3」(ケース1)を(9)式に与えることにより計算される決定変数x1、x2およびスラック変数s1、s2、s3を以下の(12)式に示す。(11)式および「x1=0、x2=10」(ケース2)を(9)式に与えることにより計算される決定変数x1、x2およびスラック変数s1、s2、s3を以下の(13)式に示す。(11)式および「x1=25/2、x2=0」(ケース3)を(9)式に与えることにより計算される決定変数x1、x2およびスラック変数s1、s2、s3を以下の(14)式に示す。
Figure 0006801562
(12)式に示す例では、スラック変数s1、s2が非基底変数であり、その他の変数は基底変数である。(13)式に示す例では、決定変数x1およびスラック変数s3が非基底変数であり、その他の変数は基底変数である。(14)に示す例では、決定変数x2およびスラック変数s2が非基底変数であり、その他の変数は基底変数である。
ここで、問題PSにおける最適解の値は、非基底変数となる(即ち、値が0(ゼロ)となる)スラック変数smを含む制約式上に存在する。このことを、標準形の問題PSを例に挙げて説明する。図3は、制約式および評価式の一例を、決定変数x1、x2を各軸とする直交座標上に示す図である。
(9)式および(11)式より、3つの制約式は、以下の(15)式〜(17)式で表される。
4x1+3x2−s1=20 ・・・(15)
2x1+6x2−s2=25 ・・・(16)
10x1+3x2−s3=30 ・・・(17)
図3において、直線301、302、303は、それぞれ、以下の(18)式、(19)式、(20)式である(図3において、x2/x1の値は、それぞれの直線301〜303の傾きを示す)。尚、(18)式、(19)式、(20)式は、それぞれ(15)式、(16)式、(17)式においてスラック変数s1〜s3を0(ゼロ)とした式である。
4x1+3x2=20 ・・・(18)
2x1+6x2=25 ・・・(19)
10x1+3x2=30 ・・・(20)
(15)式〜(17)式の制約式を満たす範囲は、図3に斜線で示す範囲である。従って、標準形の問題PSの最適解は、点311、312、313、314の何れかになる(図3において、符号311〜314の後にかっこ書きで示しているのは、点311〜314の座標である)。これらの点311、312、313、314は、(18)式〜(20)式上に存在する。このように問題PSにおける最適解の値は、非基底変数となる(即ち、値が0(ゼロ)となる)スラック変数smを含む制約式上に存在する。
そして、決定変数xmに非基底変数(値が0(ゼロ))がない場合(非基底変数となるスラック変数smを含む制約式の数が、導出すべき重み係数cnの数と同じ数の場合)、これらの制約式の交点が、問題PSにおける最適解になる。標準形の問題PSでは、決定変数x1、x2が、5/2、10/3(x1=5/2、x2=10/3)である場合(ケース1)、非基底変数となるスラック変数smは、スラック変数s1、s2である。従って、(18)式を表す直線301と(19)式を表す直線302との交点(点313)が標準形の問題PSの最適解になる。ここで、勿論この問題PSの最適解は問題PRの最適解となっている。
一方、決定変数xmの何れかが非基底変数(値が0(ゼロ))である場合、非基底変数である決定変数xmから選択した1つの決定変数xmに対する係数を1、その他の非基底変数である決定変数xmおよび基底変数である決定変数に対する係数を0(ゼロ)、定数を0(ゼロ)とする超平面上に問題PSにおける最適解が存在する。この場合、問題PSでは、非基底変数となるスラック変数smを含む制約式の数が、導出すべき重み係数cnの数よりも、非基底変数である決定変数xmの数だけ少なくなる。
標準形の問題PSでは、決定変数x1、x2が、0(ゼロ)、10(x1=0、x2=10)である場合(ケース2)、以下の(21)式上に最適解が存在する。
1×x1+0×x2=0 ・・・(21)
この場合、図3に示すように、(21)式(x2軸)と、非基底変数であるスラック変数s3を含む制約式である(17)式((20)式)を表す直線303との交点(点311)が標準形の問題PSの最適解になる。上述した通りこの最適解は問題PRの最適解となっている。
同様に、決定変数x1、x2が、25/2、0(ゼロ)(x1=25/2、x2=0)である場合(ケース3)、以下の(22)式上に最適解が存在する。
0×x1+1×x2=0 ・・・(22)
この場合、図3に示すように、(22)式(x1軸)と、非基底変数であるスラック変数s2を含む制約式である(16)式((19)式)を表す直線302との交点(点314)が標準形の問題PSの最適解になる。上述した通りこの最適解は問題PRの最適解となっている。
基底・非基底判定部103は、以上のように問題PSの最適解を探索するために、決定変数xnおよびスラック変数smが、基底変数および非基底変数の何れであるかを判定する。
<係数規格化部104、ステップS204>
係数規格化部104は、問題PSにおける非基底なスラック変数を含む制約式の係数を、制約式毎に規格化する。ここで規格化とは、制約式の係数の和で両辺を割ることで、制約式の係数の和が1となる様に、形式を整えることである。
具体的問題PRにおいて、決定変数x1、x2が、5/2、10/3(x1=5/2、x2=10/3)である場合(ケース1)、(18)式および(19)式が、規格化の対象の制約式である。(18)式の係数の和は7であり、(19)式の係数の和は8である。従って、係数規格化部104は、(18)式の両辺を7、(19)式の両辺を8でそれぞれ割って以下の(23)式、(24)式のように、係数を規格化した制約式を導出する。
4/7x1+3/7x2=20/7 ・・・(23)
1/4x1+3/4x2=25/8 ・・・(24)
また、決定変数x1、x2が、0(ゼロ)、10(x1=0、x2=10)である場合(ケース2)、(20)式が、規格化の対象の制約式である。(20)式の係数の和は13である。従って、係数規格化部104は、(20)式の両辺を13で割って以下の(25)式のように、係数を規格化した制約式を導出する。
10/13x1+3/13x2=30/13 ・・・(25)
同様に、決定変数x1、x2が、25/2、0(ゼロ)(x1=25/2、x2=0)である場合(ケース3)、(19)式が、規格化の対象の制約式である。従って、係数規格化部104は、(24)式を導出する。
以上のように本実施形態では、制約式における決定変数x1、x2に対する係数を無次元数とする。
<超平面式導出部105、ステップS205、S206>
超平面式導出部105は、基底・非基底判定部103の判定結果に基づいて、決定変数xnの中に非基底変数(非基底な決定変数xn)があるか否かを判定する。この判定の結果、決定変数xnの中に非基底変数がない場合、超平面式導出部105は、以下に説明する処理を行わない。この場合、決定変数xnの中に非基底変数がないと判定された時点で後述する重み係数上下限計算部106の処理の実行が開始される。
一方、決定変数xnの中に非基底変数がある場合、超平面式導出部105は、以下の処理を行う。
まず、超平面式導出部105は、非基底変数である決定変数xmの中から、1つの決定変数xmを選択する。次に、超平面式導出部105は、選択した決定変数xmに対する係数を1、その他の非基底変数である決定変数xmおよび基底変数である決定変数xmに対する係数を0(ゼロ)、定数を0(ゼロ)とする超平面の式を導出する。超平面式導出部105は、このような超平面の式の導出を、非基底変数である決定変数xmのそれぞれについて個別に行う。
<基底・非基底判定部103、ステップS203>の項で説明したように、具体的問題PRでは、決定変数x1、x2が、0(ゼロ)、10(x1=0、x2=10)である場合(ケース2)、(21)式が超平面の式になる。また、決定変数x1、x2が、25/2、0(ゼロ)(x1=25/2、x2=0)である場合(ケース3)、(22)式が超平面の式になる。
尚、<基底・非基底判定部103、ステップS203>の項で説明したように、決定変数x1、x2が、0(ゼロ)、10(x1=0、x2=10)である場合(ケース2)と、決定変数x1、x2が、25/2、0(ゼロ)(x1=25/2、x2=0)である場合(ケース3)、それぞれ(21)式、(22)式が、非基底なスラック変数を含む制約式の替わりに用いられるが、(21)式、(22)式はもともと規格化されている(係数の合計は1である)ので、規格化の必要はない。
<重み係数上下限導出部106、ステップS207>
決定変数xnの中に非基底変数がない場合、重み係数上下限導出部106は、規格化104により導出された、係数を規格化した制約式に基づいて、重み係数c1、c2のとり得る範囲(上限値および下限値)を導出する。一方、決定変数xnの中に非基底変数がある場合、重み係数上下限導出部106は、規格化104により導出された、係数を規格化した制約式と、超平面式導出部105により導出された超平面の式((21)式〜(22)式)とに基づいて、重み係数c1、c2のとり得る範囲(上限値および下限値)を導出する。
ここで、図3を参照しながら、具体的問題PRにおいて重み係数c1、c2のとり得る範囲(上限値および下限値)の一例について説明する。
<基底・非基底判定部103、ステップS203>の項で説明したように、決定変数x1、x2が、5/2、10/3(x1=5/2、x2=10/3)である場合(ケース1)、(18)式を表す直線301と(19)式を表す直線302との交点(点313)が具体的問題PRの最適解になる。
図3において、破線321は、(8)式を示す。破線321の傾きが、重み係数c1、c2に対応する。具体的問題PRは、(8)式の評価式zを最小化する問題である。従って、点311、312、313、314のうち、破線321をその傾きを保ったまま図3に示す白抜きの矢印線の方向に移動させた場合に、最後に通過する点が、具体的問題PRの最適解になる。従って、点313が具体的問題PRの最適解になるためには、破線321の傾きが、(18)式を表す直線301の傾きと(19)式を表す直線302の傾きとの範囲内にある必要がある(図3において、点313を通る破線321を参照)。
(8)式に示すように、重み係数c1、c2は、(8)式の法線ベクトル(c1、c2)であり、(10)式に示すようにそれらの和は1である。従って、(18)式を規格化した(23)式の法線ベクトル(4/7,3/7)と、(19)式を規格化した(24)式の法線ベクトル(1/4,3/4)との範囲内に、重み係数c1、c2があれば、破線321の傾きが、(18)式を表す直線301の傾きと(19)式を表す直線302の傾きとの範囲内にとなり、具体的問題PRの最適解が点313になる。
この場合、重み係数上下限導出部106は、(23)式および(24)式に基づいて、以下の(26)式および(27)式のように、重み係数c1、c2のとり得る範囲を導出する。
1/4<c1<4/7 ・・・(26)
3/7<c2<3/4 ・・・(27)
また、決定変数x1、x2が、0(ゼロ)、10(x1=0、x2=10)である場合(ケース2)、(20)式を表す直線303と、(21)式で表されるx2軸との交点(点311)が具体的問題PRの最適解になる。従って、(20)式を規格化した(25)式の法線ベクトル(10/13,3/13)と、(21)式の法線ベクトル(1,0)との範囲内に、重み係数c1、c2があれば、破線321の傾きが、(20)式を表す直線303の傾きと(21)式で表されるx2軸との範囲内にとなり、具体的問題PRの最適解が点311になる。
この場合、重み係数上下限導出部106は、(21)式および(25)式に基づいて、以下の(28)式および(29)式のように、重み係数c1、c2のとり得る範囲を導出する。
10/13<c1<1 ・・・(28)
0<c2<3/13 ・・・(29)
また、決定変数x1、x2が、25/2、0(ゼロ)(x1=25/2、x2=0)である場合(ケース3)、(19)式を表す直線302の傾きと、(22)式で表されるx1軸との交点(点314)が具体的問題PRの最適解になる。従って、(19)式を規格化した(24)式の法線ベクトル(1/4,3/4)と、(22)式の法線ベクトル(0,1)との範囲内に、重み係数c1、c2があれば、破線321の傾きが、(19)式を表す直線302の傾きと(22)式で表されるx1軸との範囲内にとなり、具体的問題PRの最適解が点314になる。
この場合、重み係数上下限導出部106は、(22)式および(24)式に基づいて、以下の(30)式および(31)式のように、重み係数c1、c2のとり得る範囲を導出する。
0<c1<1/4 ・・・(30)
3/4<c2<1・・・(31)
尚、(21)式〜(22)式の超平面の式と、(23)式〜(25)式の制約式は何れも規格化されているので、決定変数x1に対する係数同士、および、決定変数x2に対する係数同士をそのまま比較することができ、各式の係数の値をそのまま重み係数c1、c2の上限値または下限値として採用することができる。
<表示部107、重み係数決定部108、ステップS208、S209>
表示部107は、重み係数上下限導出部106で導出された、重み係数cnのとり得る範囲(上限値および下限値)をコンピュータディスプレイに表示する。重み係数決定部108は、表示部107により表示された重み係数cnのとり得る範囲に応じてオペレータの操作に基づいて、採用する重み係数cnを決定し、決定した重み係数cnと、実績取得部101により取得された係数hinとを、以下の(32)式に代入して連立方程式を解くことにより、重み係数wiを求める。
Figure 0006801562
表示部107は、例えば、重み係数cnのとり得る範囲を表示する部分と、重み係数cnの値の入力を受け付ける部分とを含むグラフィックユーザインターフェースを表示する。重み係数cnの値の入力を受け付ける部分で、全ての重み係数cnの入力を受け付けるようにしてもよいが、一部の重み係数cnの入力を受け付け、重み係数決定部108が残りの重み係数cnを計算で求めるようにしてもよい。
具体的問題PRでは、表示部107は、2つの重み係数c1、c2のとり得る範囲を表示する部分と、少なくとも1つの重み係数c1、c2の値の入力を受け付ける部分とを含むグラフィカルユーザインターフェースを表示する。例えば、決定変数x1、x2が、5/2、10/3(x1=5/2、x2=10/3)である場合(ケース1)、重み係数c1、c2のとり得る範囲は、それぞれ(26)式、(27)式で表される。従って、表示部107は、2つの重み係数c1、c2のとり得る範囲を表示する部分に、図4(a)に示すような情報を表示する。
また、表示部107は、少なくとも1つの重み係数c1、c2の値の入力を受け付ける部分に、例えば、重み係数c1、c2のうち、重み係数c1のみの値の入力を受け付けるテキストボックスを表示する。重み係数決定部108は、受け付けた重み係数c1の値を(10)式に代入することにより、重み係数c2を求める。重み係数c1の値として11/28が入力された場合、図4(b)に示すように、重み係数決定部108は、(10)式から、重み係数c2の値として17/28(=1−11/28)を導出する。尚、前述したように、表示部107は、例えば、重み係数c1、c2の双方の値の入力を受け付けるテキストボックスを表示してもよい。
<最適化部109>
最適化部109は、作成対象の計画に対応する係数amn、hinおよび定数bmと、重み係数決定部108で決定された重み係数wiとを(1)式〜(3)式に与え、(3)式を満足する範囲で、評価式zが最小になるときの決定変数xn(即ち、最適解)を、線形計画法による最適化計算を行うことにより導出する。尚、線形計画法による最適化計算は市販の数理計画法のソルバー(例えばCPLEX(登録商標)のようなソフトウェア)等を適宜用いればよい。表示部107は、最適化部109により導出された最適解の情報を表示する。
<まとめ>
以上のように本実施形態では、計画作成装置100は、非基底なスラック変数smを含む制約式の係数を規格化し、規格化した制約式の係数に基づいて、評価指標fi(x)に対する重み係数cnのとり得る範囲を導出し、この範囲の中から、評価指標fi(x)と重み係数wiとの積の和で表現される線形式である評価式の重み係数wiを決定する。従って、過去に立案された計画から、評価指標の重み係数を人の感覚に頼らずに設定することができる。
通常、生産計画・物流計画では、これから先の1週間分の計画、1か月分の計画、或いは1年分の計画と言うように将来の一定期間分の計画が立案される。この際に1度立案された計画は、ある一定の日時が経過した後(例えば、1週間分の計画では、翌日或いは数日後)に、日数が経過したことにより生じる、前回立案した計画と実績とのずれを修正したり、前回立案した計画を見直したりしながら、経過した日数分の計画を継ぎ足して再度必要日数分の計画を立案することとなる。この作業をローリングと言う。この場合、生産計画・物流計画を多目的最適化問題として捉え、この多目的最適化問題を解く場合には、定式化の構造((1)式〜(3)式の構造)自体は変わらない。例えば、前述した、材料1、2を配合して混合物を生成する例では、求められる品質1、2、3の値が変更すること等により、係数amnおよび定数bmが変わり得るが、品質1、2、3を満たすといった要求自体(即ち、制約式の式自体)は変わらない場合が一般的である。更に、各評価指標fi(x)の重要度(即ち、重み係数wi)は大きく状況が変わらない限り変わらない。このため、本実施形態のようにして決定した重み係数wiを、新たな期間の計画の立案の際に用いて、計画を作成することを行えば、過去の計画で重要視していた指標に従い、納得感のある計画を新たな期間の計画として立案することが可能となる。
<変形例>
本実施形態では、最小化問題((3)式の制約式を満足する範囲で、評価式zが最小になるときの決定変数x1、x2を最適解として求める問題)を例に挙げて説明した。しかしながら、最大化問題としてもよい。最大化問題とする場合、例えば、(1)式の右辺に(−1)を乗算した式を評価式zとし、評価式zが最大になるときの決定変数x1、x2を最適解として求めるようにすることができる。
また、本実施形態では、制約式(および超平面の式)の法線ベクトルを用いて、重み係数cnのとり得る範囲を導出する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、最適解(例えば点313)を通る、(8)式に対応する直線(破線321)の傾きの範囲が、当該最適解を通る制約式(および超平面の式)の傾きの範囲内となるように、(8)式に対応する直線の傾きの上下限値を求める。そして、求めた傾きの上限値を傾きとする直線であって、最適解(例えば点313)を通る直線を表す関数を導出し、導出した関数において、(10)式を満たすように、決定変数x1、x2に対する係数を変更する。同様に、求めた傾きの下限値を傾きとする直線であって最適解(例えば点313)を通る直線を表す関数を導出し、導出した関数において、(10)式を満たすように、決定変数x1、x2に対する係数を変更する。これら求めた決定変数x1、x2に対する係数が、重み係数c1、c2の上限値または下限値になる。尚、このようにする場合、制約式の係数は規格化されていてもいなくてもよい。
また、本実施形態では、重み係数cnの範囲を表示する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、重み係数cnの範囲と、実績取得部101により取得された係数hinと、(32)式とを用いて、重み係数wiの範囲を計算して表示してもよい。このようにする場合、例えば、表示部107は、重み係数wiのとり得る範囲を表示する部分と、重み係数wiの値の入力を受け付ける部分とを含むグラフィックユーザインターフェースを表示する。また、このグラフィックユーザインターフェースにおいて、一部の重み係数wiの入力を受け付け、重み係数決定部108が残りの重み係数wiを計算で求めるようにしてもよい。
また、本実施形態では、決定変数の数が2、制約式の数が3、評価指標の数が2である場合を例に挙げて説明した。決定変数、制約式、および評価指標の数は、これらに限定されず、本実施形態で説明した手法の一般性は、これらの数が変わっても失われず、本実施形態で説明したのと同様の手法により重み係数wiを決定することができる。
また、本実施形態の具体的問題PRでは、制約式が全て線形不等式である場合を例に挙げて示したが、制約式に少なくとも1つの線形不等式が含まれていれば、制約式に線形等式が含まれていてもよい。
また、本実施形態では、(1)式、(2)式で表される様に、最適化問題の最適化の対象である評価式zが、複数の評価指標の重み付け和で表される場合を例にあげて説明した。しかしながら必ずしもこのようにする必要はない。例えば、評価式zが単一の評価指標(決定変数の重み付け和)で表されるものであってもよい。言い換えると、元々の最適化問題の評価式zが(5)式の最右辺の形で表されるものであってもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を説明する。第1の実施形態では、重み係数cnのとり得る範囲を表示し、その範囲の中から、重み係数cnの少なくとも1つの値をオペレータが決める場合を例に挙げて説明した。例えば、決定変数xnの数(即ち重み係数cnの数)が膨大になる場合には、重み係数cnのとり得る範囲を表示したとしても、重み係数cnの値をオペレータが決めることが容易でない場合が生じ得る。そこで、本実施形態では、計画作成装置が、重み係数cnのとり得る範囲の中から、重み係数cnの値を自動的に導出する。このように本実施形態と第1の実施形態は、重み係数cnの値を決定する方法が主として異なる。従って、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図4に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
本実施形態では、表示部107は、重み係数上下限導出部106で導出された、重み係数cnのとり得る範囲(上限値および下限値)を表示せずに、重み係数決定部108で決定された重み係数cn或いは重み係数wiを表示する。ここで、勿論、重み係数cnのとり得る範囲(上限値および下限値)、重み係数W iのとり得る範囲(上限値および下限値)も併せて表示してもよい。
重み係数決定部108は、重み係数cnのとり得る範囲の制約と、重み係数cnの合計値の制約とを満たすように一意に重み係数cnを決定する。例えば、重み係数決定部108は、以下の(34)式および(35)式を満足する範囲で、(33)式の値cjが最小になるときの重み係数cnを、線形計画法による最適化計算を行うことにより導出する。
Figure 0006801562
(33)式において、cjは、重み係数cnの中から選択された1つの重み係数である。cjとして選択する重み係数は任意である。また、(34)式において、LBnは、重み係数cnの下限値であり、UBnは、重み係数cnの上限値である。
ここでは、実行可能な解(実現可能な重み係数cn)を導出することが目的であるため、(33)式の評価指標に関しては意味を持たない。このため、(33)式の評価指標はなくてもよい。
重み係数決定部108は、以上のようにして一意に定められる重み係数cnと、実績取得部101により取得された係数hinとを、(32)式に代入して連立方程式を解くことにより、重み係数wiを求める。
(その他の実施形態)
尚、以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
(請求項との関係)
以下に、請求項の記載と実施形態との記載との関係の一例を示す。尚、請求項の記載が実施形態の記載に限定されないことは、変形例等に示した通りである。
実績取得手段は、例えば、実績取得部101を用いることにより実現される。
前記制約式に含まれる係数、定数、決定変数は、例えば、それぞれ、係数amn、定数bm、決定変数x1、x2を用いることにより実現される。
前記評価式に含まれる前記決定変数は、例えば、決定変数x1、x2を用いることにより実現される。
標準形変換手段は、例えば、標準形変換部102を用いることにより実現される。
前記標準形変換手段により標準形に変換された前記制約式は、例えば、(9)式を用いることにより実現される。
第1の基底・非基底判定手段は、例えば、基底・非基底判定部103を用いることにより実現される。
重み係数上下限導出手段は、例えば、重み係数上下限導出部106を用いることにより実現される。
規格化手段は、例えば、係数規格化部104を用いることにより実現される。
第2の基底・非基底判定手段は、例えば、基底・非基底判定部103を用いることにより実現される。
超平面式導出手段は、例えば、超平面式導出部105を用いることにより実現される。
超平面の式は、例えば、(21)式、(22)式を用いることにより実現される。
出力手段は、例えば、表示部107を用いることにより実現される。
請求項4の重み係数決定手段は、例えば、(第1の実施形態における)重み係数決定部108を用いることにより実現される。
請求項5における前記重み係数の合計値の制約を示す制約式は、例えば、(10)式を用いることにより実現される((35)式も参照)。
請求項6の重み係数決定手段は、例えば、(第2の実施形態における)重み係数決定部108を用いることにより実現される。
請求項6における前記重み係数の上限値および下限値を示す制約式は、例えば、(34)式を用いることにより実現される。また、前記重み係数の合計値の制約を示す制約式は、例えば、(35)式を用いることにより実現される。
100:計画作成装置、101:実績取得部、102:標準形変換部、103:基底・非基底判定部、104:係数規格化部、105:超平面式導出部、106:重み係数上下限導出部、107:表示部、108:重み係数決定部、109:最適化部

Claims (10)

  1. 線形不等式で表される制約式を少なくとも1つ含む制約式を満足する範囲で、複数の決定変数と重み係数とを用いて表される線形式である評価式の値が最大または最小になるときの前記決定変数の値を線形計画法による最適化計算により求め、当該決定変数の値に基づく計画を作成する計画作成装置であって、
    前記計画に対する過去の立案実績として、前記制約式に含まれる係数、定数および決定変数の値と、前記評価式に含まれる前記決定変数の値とを少なくとも取得する実績取得手段と、
    前記線形不等式で表される制約式を、スラック変数を用いて標準形に変換する標準形変換手段と、
    前記実績取得手段により取得された前記立案実績と、前記標準形変換手段により標準形に変換された前記制約式とに基づいて、前記スラック変数が基底変数および非基底変数の何れであるかを判定する第1の基底・非基底判定手段と、
    前記標準形変換手段により標準形に変換された前記制約式のうち、前記第1の基底・非基底判定手段により非基底変数であると判定された前記スラック変数を含む前記制約式に基づいて、前記重み係数の上限値および下限値を導出する重み係数上下限導出手段と、を有することを特徴とする計画作成装置。
  2. 前記標準形変換手段により標準形に変換された前記制約式のうち、前記基底・非基底判定手段により非基底変数であると判定された前記スラック変数を含む前記制約式の係数を、前記制約式ごとに規格化する規格化手段を更に有し、
    前記重み係数上下限導出手段は、前記規格化手段により規格化された前記制約式の係数に基づいて、前記重み係数の上限値および下限値を導出することを特徴とする請求項1に記載の計画作成装置。
  3. 前記決定変数が基底変数および非基底変数の何れであるかを判定する第2の基底・非基底判定手段と、
    前記第2の基底・非基底判定手段により非基底変数として判定された前記決定変数のうちの1つを選択し、前記決定変数を変数とする線形式であって、当該選択した決定変数の係数を1とし、当該選択した決定変数以外の前記決定変数の係数を0(ゼロ)とし、定数を0(ゼロ)とする線形式を超平面の式として導出することを、前記第2の基底・非基底判定手段により非基底変数として判定された前記決定変数のそれぞれについて行う超平面式導出手段と、を更に有し、
    前記重み係数上下限導出手段は、前記実績取得手段により取得された前記立案実績の中に、非基底変数である前記決定変数がある場合には、前記標準形変換手段により標準形に変換された前記制約式のうち、前記第1の基底・非基底判定手段により非基底変数であると判定された前記スラック変数を含む前記制約式と、前記超平面式導出手段により導出された前記超平面の式とに基づいて、前記重み係数の上限値および下限値を導出することを特徴とする請求項1または2に記載の計画作成装置。
  4. 前記重み係数上下限導出手段により導出された前記重み係数の上限値および下限値を出力する出力手段と、
    前記重み係数の少なくとも1つについて、前記出力手段により出力された前記重み係数の上限値および下限値の範囲内の値を取得し、取得した値に基づいて、前記重み係数の値を決定する重み係数決定手段と、を更に有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の計画作成装置。
  5. 前記重み係数決定手段は、前記重み係数のうち、値を取得していない前記重み係数の値を、値を取得した前記重み係数の値と、前記重み係数の合計値の制約を示す制約式とに基づいて導出することを特徴とする請求項4に記載の計画作成装置。
  6. 前記重み係数上下限導出手段により導出された前記重み係数の上限値および下限値を示す制約式と、前記重み係数の合計値の制約を示す制約式とを満足する前記重み係数の値を一意に決定する重み係数決定手段を更に有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の計画作成装置。
  7. 前記重み係数決定手段は、線形計画法を用いて前記重み係数の値を導出することを特徴とする請求項6に記載の計画作成装置。
  8. 前記評価式は、それぞれが前記決定変数を含む複数の評価指標のそれぞれに当該評価指標に対する前記重み係数を掛けて、それらの和をとった重み付き和で表されることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の計画作成装置。
  9. 線形不等式で表される制約式を少なくとも1つ含む制約式を満足する範囲で、複数の決定変数と重み係数とを用いて表される線形式である評価式の値が最大または最小になるときの前記決定変数の値を線形計画法による最適化計算により求め、当該決定変数の値に基づく計画を作成する計画作成方法であって、
    前記計画に対する過去の立案実績として、前記制約式に含まれる係数、定数および決定変数の値と、前記評価式に含まれる前記決定変数の値とを少なくとも取得する実績取得工程と、
    前記線形不等式で表される制約式を、スラック変数を用いて標準形に変換する標準形変換工程と、
    前記実績取得工程により取得された前記立案実績と、前記標準形変換工程により標準形に変換された前記制約式とに基づいて、前記スラック変数が基底変数および非基底変数の何れであるかを判定する第1の基底・非基底判定工程と、
    前記標準形変換工程により標準形に変換された前記制約式のうち、前記第1の基底・非基底判定工程により非基底変数であると判定された前記スラック変数を含む前記制約式に基づいて、前記重み係数の上限値および下限値を導出する重み係数上下限導出工程と、を有することを特徴とする計画作成方法。
  10. 請求項1〜8の何れか1項に記載の計画作成装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
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