[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図1を参照して説明する。図1を参照して、本実施形態の油圧装置1Aは、建設機械の一例としての油圧ショベル(図示省略)に搭載された装置である。
この油圧ショベルは、例えば、下部走行体としての左右一対のクローラと、下部走行体に旋回可能に搭載された車体(上部旋回体)と、車体から延設されたブームと、ブームの先端部から延設されたアームと、アームの先端部に交換可能に装着されるアタッチメントとを有する公知の構造のものである。
アタッチメントとしては、バケット、ブレーカ、ニブラ等、種々様々なアタッチメントを使用し得る。ただし、本実施形態で説明する油圧ショベルに搭載されたアタッチメントは、ブレーカ、ニブラ等、該アタッチメントの作動用の油圧アクチュエータであるオプションアクチュエータを備えるアタッチメントである。
この油圧ショベルには、複数の油圧アクチュエータが搭載されている。本実施形態では、例えば、左側のクローラを駆動する左側走行モータMLと、ブームを車体に対して上下方向に動かすブームシリンダC1と、アタッチメントをアームに対して動かすバケットシリンダC2と、右側のクローラを駆動する右側走行モータMRと、ブームを車体に対して左右方向に動かすブームスイングシリンダC3と、アタッチメントの作動用のオプションアクチュエータC4と、アームをブームに対して動かすアームシリンダC5と、車体を下部走行体(クローラ)に対して旋回させる旋回モータMSと、ドーザを動かすドーザシリンダC6とが油圧ショベルに搭載されている。
左側走行モータML及び右側走行モータMRは、ぞれぞれ本発明における走行用の第1アクチュエータ、第2アクチュエータに相当し、オプションアクチュエータC4は、本発明におけるオプションアクチュエータに相当する。
なお、図1に示すオプションアクチュエータC4は油圧シリンダであるが、アタッチメントの種類によっては、オプションアクチュエータC4は、油圧モータであってもよい。
油圧装置1Aは、上記の複数(9個)の油圧アクチュエータC1〜C6、ML,MR,MSを作動させるための装置であり、第1ポンプP1、第2ポンプP2及び第3ポンプP3と、制御弁ユニット2Aと、油タンク3とを備える。
本実施形態では、第1〜第3ポンプP1,P2,P3のうちの2つのポンプ、例えば第1ポンプP1及び第2ポンプP2は、2つの吐出ポートP1a,P2aを有するスプリットフロー型のポンプにより一体に構成されている。この場合、スプリットフロー型のポンプの吐出ポートP1aが第1ポンプP1の吐出ポート、吐出ポートP2aが第2ポンプP2の吐出ポートである。
また、第3ポンプP3は、第1ポンプP1及び第2ポンプP2とは別体の単一のポンプにより構成されている。
これらの第1〜第3ポンプP1,P2,P3は、油圧ショベルに搭載されたエンジンにより駆動され、油タンク3から吸引した圧油を吐出する。
なお、第1ポンプP1及び第2ポンプP2は、各別のポンプであってもよい。あるいは、第1ポンプP1及び第2ポンプP2は、例えばタンデム型のポンプとして一体に構成されたものでもよい。
制御弁ユニット2Aは、油圧アクチュエータC1〜C6,ML,MR,MSのそれぞれの作動用の複数の方向切換弁11〜19を含む油圧回路が組み込まれたユニットである。該制御弁ユニット2Aは、より詳しくは、方向切換弁11〜19を含む各種弁機構の構成要素(スプール等)を組み込んだ基体(複数の基板の積層体)に、油通路を形成する孔を所要の経路パターンで穿設した構造のユニットである。
そして、制御弁ユニット2Aは、その外部に配設される配管を介して第1〜第3ポンプP1,P2,P3と、各油圧アクチュエータC1〜C6,ML,MR,MSと、油タンク3とに接続されている。
複数の油圧アクチュエータC1〜C6,ML,MR,MSは、第1群、第2群及び第3群の3つのグループに大別されている。本実施形態では、第1群に属する油圧アクチュエータは、左側走行モータML、ブームシリンダC1及びバケットシリンダC2の3つの油圧アクチュエータ、第2群に属する油圧アクチュエータは、右側走行モータMR、ブームスイングシリンダC3、オプションアクチュエータC4、及びアームシリンダC5の4つの油圧アクチュエータ、第3群に属する油圧アクチュエータは、旋回モータMS及びドーザシリンダC6の2つの油圧アクチュエータである。
そして、制御弁ユニット2Aの油圧回路は、第1群に属する各油圧アクチュエータC1,C2,MLに、第1ポンプP1から、それぞれに対応する方向切換弁11,12,17を介して圧油を供給し得るように構成されている。
また、制御弁ユニット2Aの油圧回路は、第2群に属する各油圧アクチュエータC3,C4,C5,MRに、第2ポンプP2から、それぞれに対応する方向切換弁13,14,15,18を介して圧油を供給し得るように構成されている。
また、制御弁ユニット2Aの油圧回路は、第3群に属する各油圧アクチュエータC6,MSに、第3ポンプP3から、それぞれに対応する方向切換弁16,19を介して圧油を供給し得るように構成されている。
このように第1群、第2群及び第3群には、それぞれに属する油圧アクチュエータに供給する圧油の主たる供給源として、第1ポンプP1、第2ポンプP2、第3ポンプP3がそれぞれ対応付けられている。
ただし、第1群又は第2群については、それぞれに対応するポンプ(第1ポンプP1又は第2ポンプP2)以外のポンプからも、油圧アクチュエータに圧油を供給し得るように、制御弁ユニット2Aの油圧回路が構成されている。例えば、本実施形態では、第2群のオプションアクチュエータC4には、第2ポンプP2だけでなく、第1ポンプP1及び第3ポンプP3からも圧油を供給することが可能となっている。
また、例えば、油圧ショベルの走行時には、第1群に属するブームシリンダC1もしくはバケットシリンダC2、あるいは、第2群に属するブームスイングシリンダC3もしくはアームシリンダC5に、第3ポンプP3から圧油を供給することが可能となっている。
かかる制御弁ユニット2Aの油圧回路を以下に具体的に説明する。なお、以下の説明では、図面が煩雑になり過ぎるのを回避するために、油圧回路の一部の構成要素については参照符号を省略する。
制御弁ユニット2Aに組み込まれた各方向切換弁11〜19は、それぞれの中立位置においてポンプ側から供給される圧油をアンロードするオープンセンタ型の3位置切換弁である。
そして、各方向切換弁11〜19は、パイロット駆動式の切換弁であり、それぞれに対応する油圧アクチュエータの操縦用の操作レバー等の操作器(図示省略)の操作に応じて、各方向切換弁11〜19の2つのパイロットポートのうちのいずれか一方に、パイロット圧が付与されるようになっている。これにより、各方向切換弁11〜19が、中立位置から他の作動位置(パイロット圧を付与するパイロットポートに対応する作動位置)に駆動される。
各方向切換弁11〜19の中立位置以外の2つの作動位置のそれぞれは、各方向切換弁11〜19に対応する油圧アクチュエータに圧油を供給する共に、該油圧アクチュエータから排出される圧油を油タンク3に戻すように機能する作動位置である。この場合、各方向切換弁11〜19の2つの作動位置の一方の作動位置と、他方の作動位置とでは、該方向切換弁11〜19と、対応する油圧アクチュエータとの間での圧油の流れの方向が互いに逆向きになる。
より詳しくは、各方向切換弁11〜19は、対応する油圧アクチュエータとの間で圧油の授受を行うべく該油圧アクチュエータに油通路を介して各々接続された2つのアクチュエータ側圧油入出ポートと、2つの作動位置において、油圧アクチュエータに供給する圧油をポンプ側から流入させるポートであるポンプ側圧油入口ポートと、2つの作動位置において、油圧アクチュエータから受ける圧油を油タンク3側に流出させるポートであるタンク側圧油出口ポートとを備える。
そして、各方向切換弁11〜19は、2つの作動位置のそれぞれにおいて、上記ポンプ側圧油入口ポート及びタンク側圧油出口ポートのそれぞれが、2つのアクチュエータ側圧油入出ポートのそれぞれに連通するように構成されていると共に、ポンプ側圧油入口ポート及びタンク側圧油出口ポートのそれぞれが連通するアクチュエータ側圧油入出ポートが、2つの作動位置の一方と他方とで互いに逆になるように構成されている。
なお、本実施形態では、走行モータML,MRのそれぞれに対応する方向切換弁17,18は、それぞれの中立位置において、2つのアクチュエータ側圧油入出ポートが互いに連通する(ひいては、走行モータML,MRをフローティング状態とする)ように構成されている。
一方、走行モータML,MR以外の油圧アクチュエータC1〜C6,MSのそれぞれに対応する方向切換弁11〜16,19は、それぞれの中立位置において、2つのアクチュエータ側圧油入出ポートを閉じる(ひいては、油圧アクチュエータC1〜C6,MSでの圧油の入出を遮断する)ように構成されている。
上記方向切換弁11〜19のうち、第1群の油圧アクチュエータML,C1,C2のそれぞれに対応する方向切換弁17,11,12は、以下に説明する如く構成された第1群用の油圧回路を介して第1ポンプP1に接続されている。
すなわち、方向切換弁17,11,12は、第1ポンプP1の吐出ポートP1aから油タンク3に至る第1群用の油通路である第1センターバイパス油通路21に上流側から順に介装されている。この場合、方向切換弁17,11,12のそれぞれは、それぞれの中立位置において、第1センターバイパス油通路21を開通させ、中立位置以外の作動位置では、第1センターバイパス油通路21を閉弁するように構成されている。
そして、左側走行モータMLに対応する方向切換弁17は、そのポンプ側圧油入口ポートが、該方向切換弁17の上流側で第1センターバイパス油通路21から分岐された油通路22を介して第1センターバイパス油通路21に接続されている。
従って、方向切換弁17が中立位置以外の作動位置に駆動された場合に、第1ポンプP1の圧油が、第1センターバイパス油通路21から油通路22及び方向切換弁17を経由して左側走行モータMLに供給されると共に、該左側走行モータMLから排出される圧油が方向切換弁17を経由して油タンク3に戻されるようになっている。これにより、左側走行モータMLが作動する。
また、ブームシリンダC1に対応する方向切換弁11は、そのポンプ側圧油入口ポートが、該方向切換弁11の上流側(方向切換弁17の下流側)で第1センターバイパス油通路21から分岐された油通路23と、該油通路23の下流端に連なる油通路24とを介して第1センターバイパス油通路21に接続されている。
従って、左側走行モータMLが作動していない状態(方向切換弁17が中立位置となっている状態)で、方向切換弁11が中立位置以外の作動位置に駆動された場合に、第1ポンプP1の圧油が、方向切換弁17の下流側の第1センターバイパス油通路21から油通路23,24及び方向切換弁11を経由してブームシリンダC1に供給されると共に、該ブームシリンダC1から排出される圧油が方向切換弁11を経由して油タンク3に戻されるようになっている。これにより、ブームシリンダC1が作動する。
また、バケットシリンダC2に対応する方向切換弁12は、そのポンプ側圧油入口ポートが、前記油通路23と、その下流端に連なる油通路25と、該油通路25の下流端に連なる油通路26とを介して方向切換弁11の上流側の第1センターバイパス油通路21に接続されていると共に、方向切換弁12の上流側(方向切換弁11の下流側)で第1センターバイパス油通路21から分岐されて上記油通路26の上流端に連なる油通路27と、上記油通路26とを介して方向切換弁11の下流側の第1センターバイパス油通路21に接続されている。
従って、左側走行モータMLが作動していない状態(方向切換弁17が中立位置となっている状態)で、方向切換弁12が中立位置以外の作動位置に駆動された場合に、第1ポンプP1の圧油が、方向切換弁17の下流側の第1センターバイパス油通路21から油通路23,25,26及び方向切換弁12を経由して、あるいは、方向切換弁11の下流側の第1センターバイパス油通路21から油通路27,26及び方向切換弁12を経由して、バケットシリンダC2に供給されると共に、該バケットシリンダC2から排出される圧油が方向切換弁12を経由して油タンク3に戻されるようになっている。これにより、バケットシリンダC2が作動する。
なお、上記油通路22〜27のうち、油通路23,24,26,27のそれぞれには、圧油の逆流を阻止するチェック弁が図示の如く介装されている。また、油通路25には、絞りが形成されている。
本実施形態における第1群用の油圧回路は、以上の如く、第1センターバイパス油通路21、及び油通路22〜27を有する回路構成となっている。
第1センターバイパス油通路21には、さらに、方向切換弁12の下流側で切換弁30が介装されている。この切換弁30は、第1センターバイパス油通路21を開通する開弁位置と、第1センターバイパス油通路21を閉じる閉弁位置とに選択的に切換可能なパイロット駆動式の開閉弁(2位置切換弁)である。そして、切換弁30は、そのパイロットポートにパイロット圧を付与しない状態では開弁位置に保持され、パイロット圧を付与することで、閉弁位置に駆動されるように構成されている。
この切換弁30のパイロットポートには、オプションアクチュエータC4を作動させたときに、これに連動してパイロット圧が付与されるようになっている。具体的には、図1に示す如く、オプションアクチュエータC4に対応する方向切換弁14の2つのパイロットポートにパイロット圧を付与するパイロット油通路14a,14bが、シャトル弁31を介して切換弁30のパイロットポートに接続されている。
このため、方向切換弁14の2つのパイロットポートのいずれかにパイロット圧が付与された場合に、そのパイロット圧が切換弁30のパイロットポートにも付与されるようになっている。これにより、オプションアクチュエータC4を作動させたときに、これに連動して切換弁30が閉弁位置に駆動される。
詳細は後述するが、かかる切換弁30は、オプションアクチュエータC4に第1ポンプP1の圧油を供給し得るようにするために第1群用の油圧回路に付加された切換弁である。
なお、第1センターバイパス油通路21には、方向切換弁17の上流側から、方向切換弁17,11,12及び切換弁30を経由せずに油タンク3に至る油通路28が接続されている。そして、該油通路28には、第1ポンプP1から吐出される圧油の圧力が過大になるのを防止するリリーフ弁29が介装されている。
次に、第2群の油圧アクチュエータMR,C3,C4,C5のそれぞれに対応する方向切換弁18,13,14,15は、以下に説明する如く構成された第2群用の油圧回路を介して第2ポンプP2に接続されている。
すなわち、方向切換弁18,13,14,15は、第2ポンプP2の吐出ポートP2aから油タンク3に至る第2群用の油通路である第2センターバイパス油通路41に上流側から順に介装されている。この場合、方向切換弁18,13,14,15のそれぞれは、それぞれの中立位置において、第2センターバイパス油通路41を開通させ、中立位置以外の作動位置では、第2センターバイパス油通路41を閉弁するように構成されている。
そして、右側走行モータMRに対応する方向切換弁18は、そのポンプ側圧油入口ポートが、該方向切換弁18の上流側で第2センターバイパス油通路41から分岐された油通路42を介して第2センターバイパス油通路41に接続されている。
従って、方向切換弁18が中立位置以外の作動位置に駆動された場合に、第2ポンプP2の圧油が、第2センターバイパス油通路41から油通路42及び方向切換弁18を経由して右側走行モータMRに供給されると共に、該右側走行モータMRから排出される圧油が方向切換弁18を経由して介して油タンク3に戻されるようになっている。これにより、右側走行モータMRが作動する。
また、ブームスイングシリンダC3に対応する方向切換弁13は、そのポンプ側圧油入口ポートが、該方向切換弁13の上流側(方向切換弁18の下流側)で第2センターバイパス油通路41から分岐された油通路43と、該油通路43の下流端に連なる油通路44とを介して第2センターバイパス油通路41に接続されている。
従って、右側走行モータMRが作動していない状態(方向切換弁18が中立位置となっている状態)で、方向切換弁13が中立位置以外の作動位置に駆動された場合に、第2ポンプP2の圧油が、方向切換弁18の下流側の第2センターバイパス油通路41から油通路43,44及び方向切換弁13を経由してブームスイングシリンダC3に供給されると共に、該ブームスイングシリンダC3から排出される圧油が方向切換弁13を経由して油タンク3に戻されるようになっている。これにより、ブームスイングシリンダC3が作動する。
また、オプションアクチュエータC4に対応する方向切換弁14は、そのポンプ側圧油入口ポートが、前記油通路43と、その下流端に連なる油通路45と、該油通路45の下流端に連なる油通路46とを介して方向切換弁13の上流側の第2センターバイパス油通路41に接続されている。
従って、右側走行モータMRが作動していない状態(方向切換弁18が中立位置となっている状態)で、方向切換弁14が中立位置以外の作動位置に駆動された場合に、第2ポンプP2の圧油が、方向切換弁18の下流側の第2センターバイパス油通路41から油通路43,45,46及び方向切換弁14を経由してオプションアクチュエータC4に供給されると共に、該オプションアクチュエータC4から排出される圧油が方向切換弁14を経由して油タンク3に戻されるようになっている。これにより、オプションアクチュエータC4が作動する。
また、アームシリンダC5に対応する方向切換弁15は、そのポンプ側圧油入口ポートが、前記油通路43,45と、該油通路45の下流端に連なる油通路47と、該油通路47の下流端に連なる油通路48とを介して方向切換弁13の上流側の第2センターバイパス油通路41に接続されている。
従って、右側走行モータMRが作動していない状態(方向切換弁18が中立位置となっている状態)で、方向切換弁15が中立位置以外の作動位置に駆動された場合に、第2ポンプP2の圧油が、方向切換弁18の下流側の第2センターバイパス油通路41から油通路43,45,47,48及び方向切換弁15を経由してアームシリンダC5に供給されると共に、該アームシリンダC5から排出される圧油が方向切換弁15を経由して油タンク3に戻されるようになっている。これにより、アームシリンダC5が作動する。
なお、前記油通路42〜48のうち、油通路44,46,48のそれぞれには、圧油の逆流を阻止するチェック弁が図示の如く介装されている。
本実施形態における第2群用の油圧回路は、以上の如く、第2センターバイパス油通路41及び油通路42〜48を有する回路構成となっている。
なお、第2センターバイパス油通路41には、方向切換弁18の上流側から、方向切換弁18,13,14,15を経由せずに油タンク3に至る油通路49が並列に接続されている。そして、該油通路49には、第2ポンプP2から吐出される圧油の圧力が過大になるのを防止するリリーフ弁50が介装されている。
次に、第3群の油圧アクチュエータC6,MSのそれぞれに対応する方向切換弁16,19は、以下に説明する如く構成された第3群用の油圧回路を介して第3ポンプP3に接続されている。
すなわち、方向切換弁16,19は、第3ポンプP3の吐出ポートP3aから油タンク3に至る第3群用の油通路である第3センターバイパス油通路61に上流側から順に介装されている。この場合、方向切換弁16,19のそれぞれは、それぞれの中立位置において、第3センターバイパス油通路61を開通させ、中立位置以外の作動位置では、第3センターバイパス油通路61を閉弁するように構成されている。
そして、ドーザシリンダC6に対応する方向切換弁16は、そのポンプ側圧油入口ポートが、該方向切換弁16の上流側で第3センターバイパス油通路61から分岐された油通路62を介して第3センターバイパス油通路61に接続されている。
従って、方向切換弁16が中立位置以外の作動位置に駆動された場合に、第3ポンプP3の圧油が、第3センターバイパス油通路61から油通路62及び方向切換弁16を経由してドーザシリンダC6に供給されると共に、該ドーザシリンダC6から排出される圧油が方向切換弁16を経由して介して油タンク3に戻されるようになっている。これにより、ドーザシリンダC6が作動する。
また、旋回モータMSに対応する方向切換弁19は、そのポンプ側圧油入口ポートが、方向切換弁16の上流側で第3センターバイパス油通路61から分岐された油通路63を介して第3センターバイパス油通路61に接続されている。
従って、方向切換弁19が中立位置以外の作動位置に駆動された場合に、第3ポンプP3の圧油が、方向切換弁16の上流側の第3センターバイパス油通路61から油通路63及び方向切換弁19を経由して旋回モータMSに供給されると共に、該旋回モータMSから排出される圧油が方向切換弁19を経由して油タンク3に戻されるようになっている。これにより、旋回モータMSが作動する。
なお、前記油通路62,63のそれぞれには、圧油の逆流を阻止するチェック弁が図示の如く介装されている。
本実施形態における第3群用の油圧回路は、以上の如く、第3センターバイパス油通路61、及び油通路62,63を有する回路構成となっている。
なお、第3センターバイパス油通路61には、方向切換弁16の上流側から、方向切換弁16,19及び後述する切換弁70を経由せずに、油タンク3に至る油通路64が並列に接続されている。そして、該油通路64には、第3ポンプP3から吐出される圧油の圧力が過大になるのを防止するリリーフ弁65が介装されている。
第3センターバイパス油通路61には、さらに、方向切換弁19の下流側で切換弁70が介装されている。この切換弁70は、パイロット駆動式の3位置切換弁である。図1において、切換弁70のA位置は、該切換弁70の2つのパイロットポート70b,70cのいずれにもパイロット圧が付与されていない状態での中立位置、B位置はパイロットポート70bにパイロット圧が付与された状態での作動位置、C位置はパイロットポート70cにパイロット圧が付与された状態での作動位置である。
この切換弁70には、第3センターバイパス油通路61以外に、2つのバイパス油通路71,72が接続されている。
バイパス油通路71は、本発明における第1油通路に相当するものであり、第1群の油圧アクチュエータML,C1,C2のうちのブームシリンダC1及びバケットシリンダC2に第3ポンプP3の圧油を供給することを可能とする油通路である。このバイパス油通路71は、切換弁70から、第2群用の油圧回路の側方を経由して、第1群用の油圧回路の油通路23の下流端(油通路24,25のそれぞれの上流端)に至るように制御弁ユニット2Aに形成されている。
このため、バイパス油通路71の下流端は、油通路24を介してブームシリンダC1に対応する方向切換弁11のポンプ側圧油入口ポートに接続されていると共に、油通路25,26を介してバケットシリンダC2に対応する方向切換弁12のポンプ側圧油入口ポートに接続されている。
また、バイパス油通路72は、本発明における第2油通路に相当するものであり、第2群の油圧アクチュエータMR,C3,C4,C5のうちのブームスイングシリンダC3、オプションアクチュエータC4及びアームシリンダC5に第3ポンプP3の圧油を供給することを可能とする油通路である。このバイパス油通路72は、切換弁70から、第2群用の油圧回路の油通路47の下流端(油通路48の上流端)に至るように制御弁ユニット2Aに形成されている。
このため、バイパス油通路72の下流端は、ブームスイングシリンダC3に対応する方向切換弁13のポンプ側圧油入口ポートに前記油通路47,45,44を介して接続されていると共に、オプションアクチュエータC4に対応する方向切換弁14のポンプ側圧油入口ポートに前記油通路47,46を介して接続されている。
さらに、バイパス油通路72の下流端は、アームシリンダC5に対応する方向切換弁15のポンプ側圧油入口ポートに前記油通路48を介して接続されている。
なお、バイパス油通路72には、第2ポンプP2の圧油が切換弁70に流入するのを阻止するチェック弁が図示の如く介装されている。
上記バイパス油通路71,72が接続された切換弁70は、そのA位置では、第3センターバイパス油通路61を開通させると共に、バイパス油通路71を閉弁し、且つ、バイパス油通路72を第3センターバイパス油通路61に連通させるように構成されている。
また、切換弁70は、そのB位置では、第3センターバイパス油通路61を油タンク3側に対して閉弁すると共に、バイパス油通路71を閉弁し、さらに、バイパス油通路72を切換弁70の上流側の第3センターバイパス油通路61に連通させるように構成されている。
また、切換弁70は、そのC位置では、第3センターバイパス油通路61を油タンク3側に対して閉弁すると共に、バイパス油通路71,72を切換弁70の上流側の第3センターバイパス油通路61に連通させるように構成されている。
そして、本実施形態では、切換弁70をB位置に駆動するためのパイロットポート70bには、オプションアクチュエータC4及びアームシリンダC5の一方又は両方を作動させたときに、これに連動してパイロット圧が付与されるようになっている。
また、切換弁70をC位置に駆動するためのパイロットポート70cには、左側走行モータML及び右側走行モータMRの両方が作動している状態(油圧ショベルの直進走行時等)で、ブームシリンダC1、バケットシリンダC2及びブームスイングシリンダC3のいずれかを作動させたときに、これに連動してパイロット圧が付与されるようになっている。
具体的には、図1に示す如く、切換弁70のパイロットポート70b,70cにはそれぞれ、絞り75a,76aを有するパイロット油通路75,76が接続されており、このパイロット油通路75,76の絞り75a,76aの上流側に、切換弁70をB位置又はC位置に駆動し得るパイロット圧が入力される。
そして、パイロット油通路75の絞り75aの下流側から分岐された油通路77が、アームシリンダC5に対応する方向切換弁15に付設されたパイロット制御用切換弁15Vと、オプションアクチュエータC4に対応する方向切換弁14に付設されたパイロット制御用切換弁14Vとを経由して油タンク3に至るように配設されている。
パイロット制御用切換弁14V,15Vのそれぞれは、方向切換弁14,15のそれぞれに連動して動作位置が切換わる3位置切換弁である。この場合、パイロット制御用切換弁14V,15Vは、それぞれに対応する方向切換弁14,15が中立位置であるときに、油通路77を下流側に開通させ、対応する方向切換弁14,15が中立位置以外の作動位置に駆動された場合には、油通路77を閉弁するように構成されている。
これにより、方向切換弁14,15の両方が中立位置である場合(オプションアクチュエータC4及びアームシリンダC5が両方とも作動していない場合)には、パイロット油通路75の絞り75aの下流側が、油通路77を介して油タンク3に開通された状態となる。このため、パイロットポート70bには、切換弁70をB位置に駆動するパイロット圧が付与されない。
また、方向切換弁14,15の一方又は両方が、中立位置から作動位置に駆動された状態(オプションアクチュエータC4及びアームシリンダC5の一方又は両方の作動時)では、油通路77が閉弁される。ひいては、パイロット油通路75の絞り75aの下流側が油タンク3に対して遮断される。このため、パイロットポート70bには、切換弁70をB位置に駆動するパイロット圧が絞り75aの上流側から付与される。
従って、オプションアクチュエータC4及びアームシリンダC5の一方又は両方を作動させたときに、これに連動して切換弁70がB位置に駆動されるようになっている。
また、パイロット油通路76の絞り76aの下流側から分岐された油通路78が、右側走行モータMR及び左側走行モータMLのそれぞれに対応する方向切換弁18,17にそれぞれ付設されたパイロット制御用切換弁18V,17Vを経由した後、ブームシリンダC1、バケットシリンダC2及びブームスイングシリンダC3のそれぞれに対応する方向切換弁11,12,13にそれぞれ付設されたパイロット制御用切換弁11V,12V,13Vを経由して油タンク3に至るように配設されている。
パイロット制御用切換弁11V,12V,13V,17V,18Vのそれぞれは、方向切換弁11,12,13,17,18のそれぞれに連動して動作位置が切換わる3位置切換弁である。この場合、パイロット制御用切換弁11V,12V,13Vは、それぞれに対応する方向切換弁11,12,13が中立位置であるときに、油通路78を下流側に開通させ、対応する方向切換弁11,12,13が中立位置以外の作動位置に駆動された場合に、油通路78を閉弁するように構成されている。
一方、パイロット制御用切換弁17V,18Vは、それぞれに対応する方向切換弁17,18が中立位置であるときには、油通路78を下流側に開通させつつ、油タンク3に開通させ、対応する方向切換弁17,18が中立位置以外の作動位置に駆動された状態では、油通路78を下流側に開通させつつ、油タンク3に対して閉弁するように構成されている。
これにより、方向切換弁17,18の一方又は両方が中立位置になっている場合(走行モータML,MRの一方又は両方が作動していない場合)には、パイロット油通路76の絞り76aの下流側が、油通路78の上流部分とパイロット制御用切換弁17V又は18Vとを介して油タンク3に開通される。このため、パイロットポート70cには、切換弁70をC位置に駆動するパイロット圧が付与されない。
また、方向切換弁17,18の両方が、中立位置以外の作動位置に駆動された状態(走行モータML,MRの両方が作動している状態)では、ブームシリンダC1、バケットシリンダC2、及びブームスイングシリンダC3のいずれか1つ以上の油圧アクチュエータが作動された場合(方向切換弁11,12,13の1つ以上が中立位置以外の作動位置に駆動された場合)に、油通路78が油タンク3から切り離された状態で閉弁される。ひいては、パイロット油通路76の絞り76aの下流側が油タンク3に対して遮断される。このため、パイロットポート70cには、切換弁70をB位置に駆動するパイロット圧が絞り76aの上流側から付与される。
従って、走行モータML,MRの両方の作動時に、ブームシリンダC1、バケットシリンダC2及びブームスイングシリンダC3のいずれかの油圧アクチュエータを作動させたときに、これに連動して切換弁70がC位置に駆動されるようになっている。
本実施形態では、制御弁ユニット2Aには、さらに、第1ポンプP1の圧油をバイパス油通路71からオプションアクチュエータC4に供給し得るようにするための油通路80が形成されている。該油通路80は、第2群用の油圧回路の側方で、前記バイパス油通路71から分岐されている。そして、該油通路80の下流端が、第2群用の油圧回路の油通路46に接続されている。これにより、油通路80は、オプションアクチュエータC4に対応する方向切換弁14のポンプ側圧油入口ポートに油通路46を介して接続されている。
なお、油通路46に対する油通路80の接続位置は、油通路46に介装されているチェック弁の下流側である。また、油通路80には、圧油の逆流を阻止するチェック弁が図示の如く介装されている。
以上説明した本実施形態によれば、油圧ショベルの直進走行時等、走行モータML,MRの両方を作動させた場合には、第1ポンプP1の圧油と、第2ポンプP2の圧油とが、走行モータML,MRのそれぞれにだけ供給される。
そして、このように走行モータML,MRの両方を作動させた状況(以降、ML及びMR作動状況という)でも、第3ポンプP3の圧油を使用して、第1群に属するブームシリンダC1もしくはバケットシリンダC2、あるいは、第2群に属するブームスイングシリンダC3、オプションアクチュエータC4、もしくはアームシリンダC5を作動させることができる。
すなわち、上記ML及びMR作動状況において、ブームシリンダC1、バケットシリンダC2及びブームスイングシリンダC3にそれぞれ対応する方向切換弁11,12,13のいずれかを、中立位置以外の作動位置に駆動した場合には、切換弁70がC位置に駆動される。
このため、旋回モータMS及びドーザシリンダC6が作動していない状態では、第3ポンプP3の圧油を、第3センターバイパス油通路61から、C位置の切換弁70及びバイパス油通路71を介して、ブームシリンダC1又はバケットシリンダC2に供給することが可能となると共に、C位置の切換弁70及びバイパス油通路72を介して、ブームスイングシリンダC3に供給することが可能となる。
また、上記ML及びMR作動状況において、オプションアクチュエータC4に対応する方向切換弁C4又はアームシリンダC5に対応する方向切換弁15を中立位置以外の作動位置に駆動した場合には、切換弁70がB位置に駆動される。
このため、旋回モータMS及びドーザシリンダC6が作動していない状態では、第3ポンプP3の圧油を、第3センターバイパス油通路61から、B位置の切換弁70及びバイパス油通路72を介してオプションアクチュエータC4又はアームシリンダC5に供給することが可能となる。
従って、ML及びMR作動状況において、第1ポンプP1の圧油と、第2ポンプP2の圧油とのそれぞれを、走行モータML,MRのそれぞれに供給しつつ、第3ポンプP3の圧油を使用して、ブームシリンダC1、バケットシリンダC2、ブームスイングシリンダC3、オプションアクチュエータC4、及びアームシリンダC5のそれぞれを作動させることができる。
このとき、第1ポンプP1の圧油と、第2ポンプP2の圧油とのそれぞれが、走行モータML,MRのそれぞれにだけ供給されるので、ブームシリンダC1、バケットシリンダC2、ブームスイングシリンダC3、オプションアクチュエータC4、又はアームシリンダC5の作動の影響を受けずに、油圧ショベルの直進走行を適切に行うことができる。
また、本実施形態では、走行モータML,MRの両方が作動していない状況(すなわち、油圧ショベルの走行停止状況)では、オプションアクチュエータC4に、第1〜第3ポンプP1,P2,P3の全てから圧油を供給することができる。
すなわち、油圧ショベルの走行停止状態において、オプションアクチュエータC4を作動させた場合に、切換弁30が閉弁位置に駆動されると共に、切換弁70がB位置に駆動される。
このとき、旋回モータMS及びドーザシリンダC6が作動していない状態では、第3ポンプP3の圧油を、第3センターバイパス油通路61から、B位置の切換弁70、バイパス油通路72及び油通路47,46を介して、オプションアクチュエータC4に供給することが可能となる。
さらに、ブームスイングシリンダC3及びアームシリンダC5の作動状態によらずに、第2ポンプP2の圧油を、第2センターバイパス油通路41から、油通路43,45,46を介して、オプションアクチュエータC4に供給することが可能となる。
さらに、ブームシリンダC1及びバケットシリンダC2の作動状態によらずに、第1ポンプP1の圧油を、第1センターバイパス油通路21から油通路23、バイパス油通路71及び油通路80,46を介して、オプションアクチュエータC4に供給することが可能となる。
従って、油圧ショベルの走行停止状況では、、旋回モータMS及びドーザシリンダC6が作動していない状態で、第1ポンプP1、第2ポンプP2及び第3ポンプP3の全てから、オプションアクチュエータC4に圧油を供給できることとなる。このため、オプションアクチュエータC4に供給し得る圧油の最大流量を多くすることができる。ひいては、アタッチメントとして、ブレーカやニブラ等を使用した場合におけるオプションアクチュエータC4の作動速度を高めることができる。
かかる本実施形態では、前記バイパス油通路71は、前記ML及びMR作動状況で、第3ポンプP3の圧油を第1群のブームシリンダC1又はバケットシリンダC2に供給するための油通路として機能すると共に、オプションアクチュエータC4の作動時には、第1ポンプP1の圧油をオプションアクチュエータC4に供給するための油通路として機能する。従って、バイパス油通路71は、2つの油通路の機能を併せ持つ。
また、第1〜第3ポンプP1,P2,P3の全てから、オプションアクチュエータC4に圧油を供給し得るようにすることを、上記バイパス油通路71及び切換弁70に加えて、切換弁30及び油通路80を含めた簡易な回路構成で実現できる。そして、この場合、当該回路構成を、外部配管を必要とせずに、制御弁ユニット2Aの内部に容易に形成することができる。従って、油圧ショベルの機能向上を簡易な回路構成で安価に実現できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図2を参照して説明する。なお、本実施形態は、前記第1実施形態と、制御弁ユニットの油圧回路の一部の構成だけが相違するものである。このため、本実施形態の説明では、第1実施形態と同一の構成要素については第1実施形態と同一の参照符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の油圧装置1Bの制御弁ユニット2Bでは、前記第1実施形態の切換弁30,70のそれぞれの代わりに、図2に示す切換弁90,100が第1センターバイパス油通路21及び第3センターバイパス油通路61のそれぞれに介装されている。
また、制御弁ユニット2Bでは、第2群用の油圧回路のうち、第2ポンプP2からアームシリンダC5用の方向切換弁15に圧油を供給する油通路が第1実施形態と相違していると共に、切換弁100と第1群用の油圧回路及び第2群用の油圧回路との接続形態とが第1実施形態と相違している。
本実施形態では、方向切換弁12の下流側で第1センターバイパス油通路21に介装された切換弁90は、第1センターバイパス油通路21を油タンク3に開通させると共に後述する油通路91を閉弁するD位置と、第1センターバイパス油通路21を油タンク3に対して遮断すると共に油通路91に連通させるE位置とに動作可能なパイロット駆動式の2位置切換弁である。
この切換弁90のパイロットポートには、第1実施形態の切換弁30と同様に、オプションアクチュエータC4用の方向切換弁14の2つのパイロットポートにパイロット圧を付与するパイロット油通路14a,14bが、シャトル弁31を介して接続されている。
そして、切換弁90は、そのパイロットポートにパイロット圧が付与されていない状態では、上記D位置に保持され、パイロット圧が付与されると、上記E位置に動作するように構成されている。従って、オプションアクチュエータC4を作動させたとき(方向切換弁14を中立位置から他の作動位置に駆動したとき)に、これに連動して切換弁90がE位置に駆動されるようになっている。
詳細は後述するが、切換弁90のE位置にて第1センターバイパス油通路21に連通する油通路91は、第1ポンプP1の圧油を第1センターバイパス油通路21からオプションアクチュエータC4に供給し得るようにするための油通路である。なお、油通路91には、圧油の逆流を阻止するチェック弁が図示の如く介装されている。
本実施形態では、第1群用の油圧回路には、上記如く切換弁90及び油通路91が付加されている。
第2群用の油圧回路のうち、第2ポンプP2からアームシリンダC5用の方向切換弁15に圧油を供給する油通路は、本実施形態では、オプションアクチュエータC4用の方向切換弁14の上流側(ブームスイングシリンダC3用の方向切換弁13の下流側)で第2センターバイパス油通路41から分岐された油通路52と、該油通路52の下流端に連なる油通路53とを備え、油通路53の下流端がアームシリンダC5用の方向切換弁15のポンプ側圧油入口ポートに接続されている。なお、油通路53には、圧油の逆流を阻止するチェック弁が図示の如く介装されている。
従って、本実施形態では、アームシリンダC5には、右側走行モータMR及びブームスイングシリンダC3が作動していない状態で、第2ポンプP2の圧油を、方向切換弁14の上流側の第2センターバイパス油通路41から油通路52,53及び方向切換弁15を経由して供給することが可能となっている。
なお、本実施形態では、第2センターバイパス油通路41から分岐された油通路43には、圧油の逆流を阻止するチェック弁が介装されている。
本実施形態における第2群用の油圧回路は、以上の如く、第2センターバイパス油通路41及び油通路42〜46,52,53を有する回路構成となっている。
また、旋回モータMS用の方向切換弁19の下流側で第3センターバイパス油通路61に介装された切換弁100は、第1実施形態の切換弁70と同様に、パイロット油通路75,76からパイロット圧が付与されるパイロット駆動式の3位置切換弁である。パイロット油通路75,76、並びに、それぞれに接続された油通路77,78の回路構成は、第1実施形態のものと同じである。
そして、図2において、切換弁100のA位置は、該切換弁100の2つのパイロットポート100b,100cのいずれにもパイロット圧が付与されていない状態での中立位置、B位置はパイロットポート100bにパイロット油通路75からパイロット圧が付与された状態での作動位置、C位置はパイロットポート100cにパイロット油通路76からパイロット圧が付与された状態での作動位置である。
この切換弁100には、第3センターバイパス油通路61以外に、2つのバイパス油通路101,102が接続されている。
バイパス油通路101は、本発明における第1油通路に相当するものであり、第1実施形態のバイパス油通路71と同様に、切換弁100から、第2群用の油圧回路の側方を経由して、第1群用の油圧回路の油通路23の下流端(油通路24,25のそれぞれの上流端)に至るように制御弁ユニット2Bに形成されている。ただし、本実施形態では、バイパス油通路101には、図示の如く、油通路23側からバイパス油通路101への圧油の流入を阻止するチェック弁が介装されている。
そして、本実施形態では、バイパス油通路101のチェック弁の上流側の箇所に、前記切換弁90に接続された油通路91の下流端が接続されている。
これにより、前記切換弁90のE位置では、第1センターバイパス油通路21が切換弁90及び油通路91を介してバイパス油通路101に連通する。このため、第1センターバイパス油通路21から、バイパス油通路101に第1ポンプP1の圧油を流入させることが可能となっている。また、第1センターバイパス油通路21から油通路23を経由してバイパス油通路101に圧油が流れるのが阻止される。
さらに、第1ポンプP1の圧油をバイパス油通路101からオプションアクチュエータC4に供給し得るように、バイパス油通路101は、制御弁ユニット2Bに形成された油通路110を介して第2群用の油圧回路に接続されている。
油通路110は、第2群用の油圧回路の側方でバイパス油通路101から分岐されている。そして、該油通路110の下流端が、方向切換弁14のポンプ側圧油入口ポートに通じる油通路46の上流端(油通路45の下流端)に接続されている。これにより、油通路110は、方向切換弁14のポンプ側圧油入口ポートに油通路46を介して接続されている。
なお、油通路110には、圧油の逆流を阻止するチェック弁が図示の如く介装されている。
また、バイパス油通路102は、バイパス油通路71は、本発明における第2油通路に相当するものであり、切換弁100から、第2群用の油圧回路の油通路52の下流端(油通路53の上流端)に至るように制御弁ユニット2Bに形成されている。なお、バイパス油通路102には、圧油の逆流を阻止するチェック弁が図示の如く介装されている。
上記バイパス油通路101,102が接続された切換弁100は、そのA位置では、第3センターバイパス油通路61を開通させると共に、バイパス油通路101を閉弁し、且つ、バイパス油通路102を第3センターバイパス油通路61に連通させるように構成されている。
また、切換弁100は、そのB位置では、第3センターバイパス油通路61を油タンク3側に対して閉弁すると共に、バイパス油通路101を閉弁し、さらに、バイパス油通路102を切換弁100の上流側の第3センターバイパス油通路61に連通させるように構成されている。
また、切換弁100は、そのC位置では、第3センターバイパス油通路61を油タンク3側に対して閉弁すると共に、バイパス油通路101,102を切換弁100の上流側の第3センターバイパス油通路61に連通させるように構成されている。
そして、切換弁100をB位置に駆動するパイロット圧は、第1実施形態と同様に、オプションアクチュエータC4及びアームシリンダC5の一方又は両方の作動させたときに、これに連動して、パイロット油通路75からパイロットポート100bに付与される。
また、切換弁100をC位置に駆動するパイロット圧は、第1実施形態と同様に、前記ML及びMR作動状況において、ブームシリンダC1、バケットシリンダC2及びブームスイングシリンダC3のいずれかを作動させたときに、これに連動して、パイロット油通路76からパイロットポート100cに付与されるようになっている。
本実施形態の油圧装置1Bの構成は、以上説明した事項以外は、第1実施形態と同じである。
かかる本実施形態によれば、前記ML及びMR作動状況で、ブームシリンダC1、バケットシリンダC2及びブームスイングシリンダC3にそれぞれ対応する方向切換弁11,12,13のいずれかを、中立位置以外の作動位置に駆動した場合には、切換弁100がC位置に駆動される。
このため、旋回モータMS及びドーザシリンダC6が作動していない状態では、第3ポンプP3の圧油を、第3センターバイパス油通路61から、C位置の切換弁100及びバイパス油通路101を介して、ブームシリンダC1又はバケットシリンダC2に供給することが可能となると共に、C位置の切換弁100、バイパス油通路101及び油通路110,45,44を介して、ブームスイングシリンダC3に供給することが可能となる。
また、前記ML及びMR作動状況において、オプションアクチュエータC4に対応する方向切換弁C4又はアームシリンダC5に対応する方向切換弁15を中立位置以外の作動位置に駆動した場合には、切換弁100がB位置に駆動される。
このため、旋回モータMS及びドーザシリンダC6が作動していない状態では、第3ポンプP3の圧油を、第3センターバイパス油通路61から、B位置の切換弁100、バイパス油通路102及び油通路53を介して、アームシリンダC5に供給することが可能となる。
さらに、旋回モータMS及びドーザシリンダC6に加えて、ブームスイングシリンダC3が作動していない状態では、第3ポンプP3の圧油を、第3センターバイパス油通路61、B位置の切換弁100、バイパス油通路102、油通路52、方向切換弁14の上流側の第2センターバイパス油通路41、中立位置の方向切換弁13、及び油通路43,45,46を介して、オプションアクチュエータC4に供給することが可能となる。
従って、第1実施形態と同様に、ML及びMR作動状況において、第1ポンプP1の圧油と、第2ポンプP2の圧油とのそれぞれを、走行モータML,MRのそれぞれにだけ供給しつつ、第3ポンプP3の圧油を使用して、ブームシリンダC1、バケットシリンダC2、ブームスイングシリンダC3、オプションアクチュエータC4、及びアームシリンダC5のそれぞれを作動させることができる。
また、本実施形態においても、走行モータML,MRの両方が作動していない状況(油圧ショベルの走行停止状況)では、第1実施形態と同様に、オプションアクチュエータC4に、第1〜第3ポンプP1,P2,P3の全てから圧油を供給することができる。
すなわち、油圧ショベルの走行停止状態において、オプションアクチュエータC4を作動させた場合に、切換弁90がE位置に駆動されると共に、切換弁100がB位置に駆動される。
このとき、旋回モータMS、ドーザシリンダC6及びブームスイングシリンダC3が作動していない状態では、第3ポンプP3の圧油を、第3センターバイパス油通路61から、B位置の切換弁100、バイパス油通路102、油通路52、方向切換弁14の上流側の第2センターバイパス油通路41、中立位置の方向切換弁13、及び油通路43,45,46を介して、オプションアクチュエータC4に供給することが可能となる。
さらに、第2ポンプP2の圧油を、第2センターバイパス油通路41から、油通路43,45,46を介して、オプションアクチュエータC4に供給することが可能となる。
さらに、ブームシリンダC1及びバケットシリンダC2が作動していない状態では、第1ポンプP1の圧油を、第1センターバイパス油通路21から、切換弁90、油通路91、バイパス油通路101、及び油通路110,46を介して、オプションアクチュエータC4に供給することが可能となる。
従って、走行モータML,MRの両方、並びに、ブームシリンダC1、バケットシリンダC2、ブームスイングシリンダC3、旋回モータMS及びドーザシリンダC6が作動していない状況では、オプションアクチュエータC4を作動させた場合に、第1実施形態と同様に、第1ポンプP1、第2ポンプP2及び第3ポンプP3の全てから、オプションアクチュエータC4に圧油を供給できることとなる。このため、オプションアクチュエータC4に供給し得る圧油の最大流量を多くすることができる。ひいては、オプションアクチュエータC4の作動速度を高めることができる。
かかる本実施形態でも、前記バイパス油通路101は、前記ML及びMR作動状況で、第3ポンプP3の圧油を第1群のブームシリンダC1又はバケットシリンダC2に供給するための油通路として機能すると共に、オプションアクチュエータC4の作動時には、第1ポンプP1の圧油をオプションアクチュエータC4に供給するための油通路として機能する。
また、第1〜第3ポンプP1,P2,P3の全てから、オプションアクチュエータC4に圧油を供給し得るようにすることを、上記バイパス油通路101及び切換弁100に加えて、切換弁90及び油通路91,110を含めた簡易な回路構成で実現できる。そして、この場合、当該回路構成を、外部配管を必要とせずに、制御弁ユニット2Bの内部に容易に形成することができる。従って、油圧ショベルの機能向上を簡易な回路構成で安価に実現できる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図3を参照して説明する。なお、本実施形態は、第2実施形態と、制御弁ユニットの油圧回路の一部の構成だけが相違するものである。このため、本実施形態の説明では、第2実施形態と同一の構成要素については第2実施形態と同一の参照符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の油圧装置1Cの制御弁ユニット2Cでは、前記切換弁100の代わりに、図3に示す切換弁120が第3センターバイパス油通路61に介装されている。該切換弁120は、パイロット駆動式の3位置切換弁である。
そして、図3において、切換弁120のA位置は、該切換弁120の2つのパイロットポート120b,120cのいずれにもパイロット圧が付与されていない状態での中立位置、B位置はパイロットポート120bにパイロット油通路75からパイロット圧が付与された状態での作動位置、C位置はパイロットポート120cにパイロット油通路76からパイロット圧が付与された状態での作動位置である。
この切換弁120には、第3センターバイパス油通路61以外に、2つのバイパス油通路101,102が接続されている。該バイパス油通路101,102の経路構成は、第2実施形態と同じである。
そして、切換弁120は、そのA位置では、第3センターバイパス油通路61をバイパス油通路102に開通させると共に、バイパス油通路101を閉弁するように構成されている。このため、切換弁120のA位置(中立位置)では、第3センターバイパス油通路61は、オプションアクチュエータC4及びアームシリンダC5にそれぞれ対応する方向切換弁14,15が中立位置であるときに、切換弁120から、バイパス油通路102、方向切換弁13の下流側の第2センターバイパス油通路41を経由して油タンク3に開通するようになっている。
また、切換弁120は、そのB位置では、第3センターバイパス油通路61を、バイパス油通路102に対して閉弁すると共に、バイパス油通路101に連通させるように構成されている。
また、切換弁120は、そのC位置では、第3センターバイパス油通路61を、バイパス油通路101,102の両方に連通させるように構成されている。
この切換弁120をC位置に駆動するパイロット圧は、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、前記ML及びMR作動状況において、ブームシリンダC1、バケットシリンダC2及びブームスイングシリンダC3のいずれかを作動させたときに、これに連動して、パイロット油通路76からパイロットポート120cに付与されるようになっている。該パイロット油通路76及びこれに接続された油通路78の回路構成は、第1実施形態のものと同じである。
一方、切換弁120をB位置に駆動するパイロット圧は、本実施形態では、次のような態様でパイロット油通路75からパイロットポート120bに付与されるようになっている。
すなわち、本実施形態では、パイロット油通路75の絞り75aの上流側は、ブームシリンダC1を伸長させる方向に方向切換弁11を駆動するためのパイロット圧を方向切換弁11に付与するパイロット油通路11bに接続されている。
そして、パイロット油通路75の絞り75aの下流側から分岐された油通路77が、アームシリンダC5に対応する方向切換弁15に付設されたパイロット制御用切換弁15V’と、オプションアクチュエータC4に対応する方向切換弁14に付設されたパイロット制御用切換弁14V’とを経由して油タンク3に至るように配設されている。
パイロット制御用切換弁14V’,15V’のそれぞれは、方向切換弁14,15のそれぞれに連動して動作位置が切換わる3位置切換弁であり、それぞれの構成は、第2実施形態のもの(=第1実施形態のもの)と相違する。
具体的には、パイロット制御用切換弁15V’は、対応する方向切換弁15が中立位置であるときに、油通路77を下流側に開通させ、方向切換弁15が中立位置以外の作動位置に駆動された場合には、油通路77を下流側と、油タンク3とに開通させるように構成されている。
また、パイロット制御用切換弁14V’は、対応する方向切換弁14が中立位置であるときに、油通路77を閉弁し、方向切換弁15が中立位置以外の作動位置に駆動された場合には、油通路77を下流側に開通させるように構成されている。
従って、本実施形態では、ブームシリンダC1の伸長動作時であり、且つ、オプションアクチュエータC4及びアームシリンダC5の両方が作動していない状態でのみ、パイロットポート120bにパイロット圧が付与されて、切換弁120がB位置にされるようになっている。
本実施形態の油圧装置1Cの構成は、以上説明した事項以外は、第2実施形態と同じである。
かかる本実施形態によれば、前記ML及びMR作動状況で、ブームシリンダC1、バケットシリンダC2及びブームスイングシリンダC3にそれぞれ対応する方向切換弁11,12,13のいずれかを、中立位置以外の作動位置に駆動した場合には、切換弁120がC位置に駆動される。
このため、旋回モータMS及びドーザシリンダC6が作動していない状態では、第3ポンプP3の圧油を、第3センターバイパス油通路61から、C位置の切換弁120及びバイパス油通路101を介して、ブームシリンダC1又はバケットシリンダC2に供給することが可能となると共に、C位置の切換弁100、バイパス油通路101及び油通路110,45,44を介して、ブームスイングシリンダC3に供給することが可能となる。
また、前記ML及びMR作動状況において、オプションアクチュエータC4に対応する方向切換弁C4又はアームシリンダC5に対応する方向切換弁15を中立位置以外の作動位置に駆動した場合には、切換弁120はA位置に保持される。
このため、旋回モータMS及びドーザシリンダC6が作動していない状態では、第3ポンプP3の圧油を、第3センターバイパス油通路61から、A位置の切換弁120、バイパス油通路102及び油通路53を介して、アームシリンダC5に供給することが可能となる。
さらに、旋回モータMS及びドーザシリンダC6に加えて、ブームスイングシリンダC3が作動していない状態では、第3ポンプP3の圧油を、第3センターバイパス油通路61、A位置の切換弁100、バイパス油通路102、油通路52、方向切換弁14の上流側の第2センターバイパス油通路41、中立位置の方向切換弁13、及び油通路43,45,46を介して、オプションアクチュエータC4に供給することが可能となる。
従って、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、ML及びMR作動状況において、第1ポンプP1の圧油と、第2ポンプP2の圧油とのそれぞれを、走行モータML,MRのそれぞれにだけ供給しつつ、第3ポンプP3の圧油を使用して、ブームシリンダC1、バケットシリンダC2、ブームスイングシリンダC3、オプションアクチュエータC4、及びアームシリンダC5のそれぞれを作動させることができる。
また、本実施形態においても、走行モータML,MRの両方が作動していない状況(油圧ショベルの走行停止状況)では、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、オプションアクチュエータC4に、第1〜第3ポンプP1,P2,P3の全てから圧油を供給することができる。
すなわち、油圧ショベルの走行停止状態において、オプションアクチュエータC4を作動させた場合に、切換弁90がE位置に駆動されると共に、切換弁120がA位置に保持される。
このとき、旋回モータMS、ドーザシリンダC6及びブームスイングシリンダC3が作動していない状態では、第3ポンプP3の圧油を、第3センターバイパス油通路61から、A位置の切換弁120、バイパス油通路102、油通路52、方向切換弁14の上流側の第2センターバイパス油通路41、中立位置の方向切換弁13、及び油通路43,45,46を介して、オプションアクチュエータC4に供給することが可能となる。
さらに、第2ポンプP2の圧油を、第2センターバイパス油通路41から、油通路43,45,46を介して、オプションアクチュエータC4に供給することが可能となる。
さらに、ブームシリンダC1及びバケットシリンダC2が作動していない状態では、第1ポンプP1の圧油を、第1センターバイパス油通路21から、切換弁90、油通路91、バイパス油通路101、及び油通路110,46を介して、オプションアクチュエータC4に供給することが可能となる。
従って、第2実施形態と同様に、走行モータML,MRの両方、並びに、ブームシリンダC1、バケットシリンダC2、ブームスイングシリンダC3、旋回モータMS及びドーザシリンダC6が作動していない状況では、オプションアクチュエータC4を作動させた場合に、第1ポンプP1、第2ポンプP2及び第3ポンプP3の全てから、オプションアクチュエータC4に圧油を供給できることとなる。このため、オプションアクチュエータC4に供給し得る圧油の最大流量を多くすることができる。ひいては、オプションアクチュエータC4の作動速度を高めることができる。
また、本実施形態では、オプションアクチュエータC4及びアームシリンダC5を作動させない状況(方向切換弁14,15を中立位置に保持した状態)で、ブームシリンダC1用の方向切換弁11を、ブームシリンダC1の伸長動作側の作動位置に駆動した場合(パイロット油通路11bから方向切換弁11のパイロットポートにパイロット圧を付与した場合)には、切換弁120がB位置に駆動される。
このとき、左側走行モータML、旋回モータMS及びドーザシリンダC6が作動していない状態では、第1ポンプP1の圧油をブームシリンダC1に供給し得るだけでなく、第3ポンプP3の圧油を、第3センターバイパス油通路61から、B位置の切換弁120及びバイパス油通路101介してブームシリンダC1に供給することができる。
従って、ブームシリンダC1の伸長動作時には、ブームシリンダC1に第1ポンプP1及び第3ポンプP3の両方から圧油を供給することができる。従って、ブームシリンダC1の負荷が比較的大きい場合でも、該ブームシリンダC1の伸長動作を円滑に行うことが可能となる。
かかる本実施形態でも、前記バイパス油通路101は、前記ML及びMR作動状況で、第3ポンプP3の圧油を第1群のブームシリンダC1又はバケットシリンダC2に供給するための油通路として機能すると共に、オプションアクチュエータC4の作動時には、第1ポンプP1の圧油をオプションアクチュエータC4に供給するための油通路として機能する。
また、第1〜第3ポンプP1,P2,P3の全てから、オプションアクチュエータC4に圧油を供給し得るようにすることを、上記バイパス油通路101及び切換弁120に加えて、切換弁90及び油通路91,110を含めた簡易な回路構成で実現できる。従って、第2実施形態と同様に、油圧ショベルの機能向上を簡易な回路構成で安価に実現できる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を図4を参照して説明する。なお、本実施形態は、第1実施形態又は第2実施形態と、制御弁ユニットの油圧回路の一部の構成だけが第1実施形態又は第2実施形態と相違するものである。このため、本実施形態の説明では、第1実施形態又は第2実施形態と同一の構成要素については第1実施形態又は第2実施形態と同一の参照符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の油圧装置1Dの制御弁ユニット2Dでは、第1センターバイパス油通路21には、第2実施形態と同じ切換弁90が介装され、第3センターバイパス油通路61には、第1実施形態と同じ切換弁70が介装されている。
切換弁90の駆動手法は、第2実施形態と同じであり、切換弁70の駆動手法は、第1実施と同じである。
また、本実施形態の制御弁ユニット2Dでは、第2群用の油圧回路は、第1実施形態と同様に油通路43〜48を備える。なお、本実施形態では、油通路44,46,48に加えて、油通路43にも、圧油の逆流を阻止するチェック弁が介装されている。
切換弁70には、第3センターバイパス油通路61の他、2つのバイパス油通路131,132が接続されている。この場合、バイパス油通路131は、前記第2実施形態におけるバイパス油通路101と同じ経路構成の油通路、バイパス油通路132は、前記第1実施形態におけるバイパス油通路72と同じ経路構成の油通路である。バイパス油通路131は、本発明における第1油通路に相当し、バイパス油通路132は、本発明における第2油通路に相当する。
そして、第2実施形態と同様に、第2群用の油圧回路の側方でバイパス油通路131から分岐された油通路110の下流端が、第2群用の油圧回路の油通路46の上流端(油通路45の下流端)に接続されている。
本実施形態の油圧装置1Dの構成は、以上説明した事項以外は、第1実施形態又は第2実施形態と同じである。
かかる本実施形態によれば、前記ML及びMR作動状況で、ブームシリンダC1、バケットシリンダC2及びブームスイングシリンダC3にそれぞれ対応する方向切換弁11,12,13のいずれかを、中立位置以外の作動位置に駆動した場合には、切換弁70がC位置に駆動される。
このため、旋回モータMS及びドーザシリンダC6が作動していない状態では、第3ポンプP3の圧油を、第3センターバイパス油通路61から、C位置の切換弁70及びバイパス油通路131を介して、ブームシリンダC1又はバケットシリンダC2に供給することが可能となると共に、C位置の切換弁70及びバイパス油通路132を介して、ブームスイングシリンダC3に供給することが可能となる。
また、上記ML及びMR作動状況において、オプションアクチュエータC4に対応する方向切換弁C4又はアームシリンダC5に対応する方向切換弁15を中立位置以外の作動位置に駆動した場合には、切換弁70がB位置に駆動される。
このため、旋回モータMS及びドーザシリンダC6が作動していない状態では、第3ポンプP3の圧油を、第3センターバイパス油通路61から、B位置の切換弁70及びバイパス油通路132を介してオプションアクチュエータC4又はアームシリンダC5に供給することが可能となる。
従って、第1実施形態と同様に、ML及びMR作動状況において、第1ポンプP1の圧油と、第2ポンプP2の圧油とのそれぞれを、走行モータML,MRのそれぞれに供給しつつ、第3ポンプP3の圧油を使用して、ブームシリンダC1、バケットシリンダC2、ブームスイングシリンダC3、オプションアクチュエータC4、及びアームシリンダC5のそれぞれを作動させることができる。
また、本実施形態においても、走行モータML,MRの両方が作動していない状況(油圧ショベルの走行停止状況)では、第1実施形態と同様に、オプションアクチュエータC4に、第1〜第3ポンプP1,P2,P3の全てから圧油を供給することができる。
すなわち、油圧ショベルの走行停止状態において、オプションアクチュエータC4を作動させた場合に、切換弁90がE位置に駆動されると共に、切換弁70がB位置に駆動される。
このとき、旋回モータMS及びドーザシリンダC6が作動していない状態では、第3ポンプP3の圧油を、第3センターバイパス油通路61から、B位置の切換弁70、バイパス油通路132及び油通路47,46を介して、オプションアクチュエータC4に供給することが可能となる。
さらに、第2ポンプP2の圧油を、第2センターバイパス油通路41から、油通路43,45,46を介して、オプションアクチュエータC4に供給することが可能となる。
さらに、ブームシリンダC1及びバケットシリンダC2が作動していない状態では、第1ポンプP1の圧油を、第1センターバイパス油通路21から、切換弁90、油通路91、バイパス油通路131、及び油通路110,46を介して、オプションアクチュエータC4に供給することが可能となる。
従って、走行モータML,MRの両方、並びに、ブームシリンダC1及びバケットシリンダC2が作動していない状況では、オプションアクチュエータC4を作動させた場合に、第1ポンプP1、第2ポンプP2及び第3ポンプP3の全てから、オプションアクチュエータC4に圧油を供給できることとなる。このため、オプションアクチュエータC4に供給し得る圧油の最大流量を多くすることができる。ひいては、オプションアクチュエータC4の作動速度を高めることができる。
かかる本実施形態でも、前記バイパス油通路131は、前記ML及びMR作動状況で、第3ポンプP3の圧油を第1群のブームシリンダC1又はバケットシリンダC2に供給するための油通路として機能すると共に、オプションアクチュエータC4の作動時には、第1ポンプP1の圧油をオプションアクチュエータC4に供給するための油通路として機能する。
また、第1〜第3ポンプP1,P2,P3の全てから、オプションアクチュエータC4に圧油を供給し得るようにすることを、上記バイパス油通路131及び切換弁70に加えて、切換弁90及び油通路91,110を含めた簡易な回路構成で実現できる。そして、この場合、当該回路構成を、外部配管を必要とせずに、制御弁ユニット2Dの内部に容易に形成することができる。従って、油圧ショベルの機能向上を簡易な回路構成で安価に実現できる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態を図5を参照して説明する。なお、本実施形態は、前記第4実施形態と、制御弁ユニットの第1群用の油圧回路の一部の構成だけが相違するものである。このため、本実施形態の説明では、第4実施形態と同一の構成要素については第4実施形態と同一の参照符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の油圧装置1Eの制御弁ユニット2Eでは、第4実施形態における切換弁90の代わりに、切換弁140が第1センターバイパス油通路21に介装され、該切換弁140に油通路91が接続されている。油通路91は、第4実施形態(又は第2実施形態)のものと同じ経路構成の油通路である。
切換弁140は、バイロット駆動式の2位置切換弁であり、そのパイロットポートにパイロット圧が付与されていない状態では、図5に示すD位置に保持され、パイロット圧が付与されると、図5に示すE位置に駆動される。
この切換弁140のE位置は、第4実施形態(又は第2実施形態)の切換弁90のE位置と同じであり、第1センターバイパス油通路21を、油タンク3に対して遮断した状態で、前記油通路91に連通させる。
一方、切換弁140のD位置は、前記切換弁90のD位置と相違する。すなわち、切換弁140は、D位置では、第1センターバイパス油通路21を油タンク3に開通させた状態で前記油通路91に連通させるように構成されている。このため、切換弁140のD位置で、第1センターバイパス油通路21から油通路91に圧油が流れることはない。
本実施形態の油圧装置1Eの構成は、以上説明した事項以外は第1実施形態と同じである。かかる本実施形態においても、第4実施形態と同じ作用効果を実現することができる。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態を図6を参照して説明する。なお、本実施形態は、前記第3実施形態と、制御弁ユニットの第1群用の油圧回路)の一部の構成だけが相違するものである。このため、本実施形態の説明では、第3実施形態と同一の構成要素については第3実施形態と同一の参照符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の油圧装置1Fの制御弁ユニット2Fでは、第3実施形態における切換弁90の代わりに、第5実施形態で説明した切換弁140が第1センターバイパス油通路21に介装され、該切換弁140に油通路91が接続されている。油通路91の下流端は、本実施形態では、前記油通路25に接続されている。従って、油通路91は、油通路25の一部を介してバイパス油通路101に接続されている。なお、本実施形態では、バイパス油通路101の下流端部には、チェック弁が備えられていない。
本実施形態の油圧装置1Fの構成は、以上説明した事項以外は第3実施形態と同じである。
かかる本実施形態においては、オプションアクチュエータC4を作動させた場合に、第1ポンプP1の圧油を、第1センターバイパス油通路21から油通路23を介して、あるいは、第1センターバイパス油通路21から切換弁140、油通路91,24を介してバイパス油通路101に流すことができる。これ以外は、本実施形態は、第3実施形態と同じ作用効果を実現することができる。
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態を図7を参照して説明する。なお、本実施形態は、前記第5実施形態と、制御弁ユニットの第1群用の油圧回路の一部の構成だけが相違するものである。このため、本実施形態の説明では、第5実施形態と同一の構成要素については第5実施形態と同一の参照符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の油圧装置1Gの制御弁ユニット2Gでは、切換弁140に接続された油通路91の下流端は、前記第6実施形態と同様に、前記油通路25に接続されている。そして、本実施形態では、バイパス油通路131の下流端部には、チェック弁が備えられていない。
本実施形態の油圧装置1Gの構成は、以上説明した事項以外は第5実施形態と同じである。
かかる本実施形態においては、オプションアクチュエータC4を作動させた場合に、前記第6実施形態と同様に、第1ポンプP1の圧油を、第1センターバイパス油通路21から油通路23を介して、あるいは、第1センターバイパス油通路21から切換弁140、油通路91,24を介してバイパス油通路101に流すことができる。これ以外は、本実施形態は、第5実施形態と同じ作用効果を実現することができる。
なお、本発明は、以上説明した第1〜第7実施形態に限定されるものではない。以下に、いくつかの変形態様を説明する。
油圧ショベルは、前記油圧アクチュエータML,MR,MS,C1〜C6のうちの一部の油圧アクチュエータ(例えば、ブームスイングシリンダC3もしくはドーザシリンダC6)を備えないものであってもよい。
また、前記油圧アクチュエータML,MR,MS,C1〜C6の分類態様(第1群、第2群、第3群の分類)は、前記した態様に限られない。例えば、オプションアクチュエータC4あるいはアームシリンダC5が、第2群とは別の群に含まれていてもよい。
また、各方向切換弁11〜19、あるいは、各切換弁30,70,90,100,120,140は、パイロット駆動式のものに限らず、例えば電磁駆動式のものであってもよい。
また、各切換弁30,70,90,100,120,140に付与するパイロット圧は、例えば、操作レバーの操作に応じて電磁比例弁を介して生成するようにしてもよい。
また、各切換弁30,70,90,100,120,140は、前記各実施形態で説明した構造のものに限らず、種々様々な構造の切換弁を採用し得る。例えば、切換弁70,100,120と同一の機能を、2つ以上の切換弁で実現することも可能である。
また、第1センターバイパス油通路21の切換弁30,90,140は、最下流の方向切換弁12の上流側で第1センターバイパス油通路21に介装してもよい。例えば、第1センターバイパス油通路21のうち、油通路27の接続点と方向切換弁12との間の箇所、あるいは、油通路23の接続点と方向切換弁11との間の箇所に切換弁30,90,140を介装してもよい。
また、本発明を適用する建設機械は、油圧ショベル以外の建設機械であってもよい。