JP6801198B2 - 動力伝達装置およびレンズ鏡筒 - Google Patents
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Description
また、レンズ鏡筒は、上記動力伝達装置を備える構成とした。
図1は実施形態のレンズ鏡筒200を示した断面図である。図中上部はレンズ鏡筒200がワイド側(広角側)にズーミングされた状態、図中下部はレンズ鏡筒200がテレ側(望遠側)にズーミングされた状態である。
レンズ鏡筒200はマウント201を介してカメラボディ300に対して着脱可能である。ただし、これに限定されず、レンズ鏡筒とカメラボディとは一体であっても良い。
ズ群L2は、フォーカスレンズ群FLであり、フォーカスレンズ保持枠23に保持されている。
図3はカム環28の展開図である。
図4は実施形態の動力伝達装置100を含むレンズ鏡筒200の要部の背面斜視図である。
図5は実施形態の動力伝達装置100を含むレンズ鏡筒200の要部の正面斜視図である。
セグメント環26は、キャリアギヤ7(後述の図8参照)に噛み合う内歯26aが形成されている。
後述するが、セグメント環26は、MF操作がされた場合、MF操作環25の回転が伝達されて回転し、AF動作がされた場合、後述するステッピングモータ3の回転が伝達されて回転する。
カム環28は、ズーミングの際に回転しながら光軸OAに沿って前後する。そうすると、連動ピン29のカム溝28aに対する相対位置も移動する。
この状態で、フォーカシングによってカム環28が回転すると、連動ピン29は、カム溝28aにおいて、位置P1と、そのズーム状態で至近に合焦した状態の連動ピン29の位置であるP2との間(フォーカシング領域01)を移動する。
この状態でフォーカシングによってカム環28が回転すると、連動ピン29は、カム溝28aにおいて、位置P2と、そのズーム状態で至近に合焦した状態の連動ピン29の位置であるP3との間(フォーカシング領域05)を移動する。
すなわち、レンズ鏡筒200のズーム位置が異なると、カム溝28aにおける連動ピン29が移動する領域も変わる。
図7は動力伝達装置100の分解斜視図である。
図8は図4のS1−S1線および光軸OAを通る切断面図である。
図9は図4のS2−S2および光軸OAを通る切断面図である。
また、動力伝達装置100は、図7に示すように、セグメント環26を回転させるための回転機構100Cと、光軸OA周りに回転操作可能なMF操作環25の回転を、回転機構100Cに伝達する第1動力伝達機構100Aと、ステッピングモータ3と、ステッピングモータ3の駆動力を回転機構100Cに伝達する第2動力伝達機構100Bと、ギヤケース2と、ギヤカバー1とを備える。
(第1動力伝達機構100A)
第1動力伝達機構100Aは、MF操作環25の回転によって回転されるMF連結ギヤ16と、クラッチギヤ17と、ワッシャ18と、圧縮ばね19と、軸部材20と、基板21と、E型止め輪15と、フリクションギヤ13と、フリクションばね14とを備える。
そして、MF連結ギヤ16は、レンズ鏡筒200の外周面に沿って光軸周りに回転操作可能なMF操作環25の内周面に形成されたギヤと噛み合っている。
したがって、MF操作環25の回転操作(MF操作)がなされると、MF連結ギヤ16、軸部材20および基板21が一体的に回転する。
E型止め輪15は、上述した軸部材20上の各部品を締結する。
フリクションばね14は、フリクションギヤ13を、ギヤケース2側に押し付けられた状態で回転可能に支持する。
フリクションギヤ13を回転させるためには、フリクションばね14により設定された所定値以上の力でMF操作環25を回す必要があるため、MF操作に適度な操作感を与えることが可能となる。フリクションギヤ13およびフリクションばね14で回転防止機構を構成する。
また、フリクションギヤ13は大径ギヤ13bと小径ギヤ13cとを有し、小径ギヤ13cはクラッチギヤ17と噛合している。
レンズ駆動部回転機構100Cは、平歯ギヤ12と、ギヤ一体軸部材10と、リングギヤ11と、遊星ギヤ8と、押え板9と、キャリアギヤ7とを備える。
平歯ギヤ12はフリクションギヤ13の大径ギヤ13bと噛み合い、ギヤ一体軸部材10に対して回転不能に取り付けられている。
フリクションギヤ13が回転することにより、その回転は平歯ギヤ12を介してギヤ一体軸部材10を回転させ、これに伴って太陽ギヤ10aが回転する。
リングギヤ11は、その内側には内側ギヤ11bが形成されている。この内側ギヤ11bは太陽ギヤ10aの周囲に配置されキャリアギヤ7に固定された複数の遊星ギヤ8と噛み合っている。
複数の遊星ギヤ8は、キャリアギヤ7の回転軸(ギヤ一体軸部材10の回転中心)から等距離に配置されており、遊星ギヤ8がキャリアギヤ7の回転軸周りに公転することで、キャリアギヤ7が回転する。
押え板9により、遊星ギヤ8はキャリアギヤ7と押え板9との間に挟み込まれる。
なお、太陽ギヤ10aと、遊星ギヤ8と、キャリアギヤ7と、リングギヤ11の内側ギヤ11bとで遊星歯車機構を構成する。
第2動力伝達機構100Bは、ステッピングモータ3と、ウォームギヤ4と、ウォームホイール5と、支持軸6とを備える。
ステッピングモータ3は、駆動信号として電気パルス信号が入力され、電気パルス信号に同期して、機械的に断続するステップ動作を発生させる電動機である。電気パルス信号に基づいて、出力軸が断続的に回転する。出力軸は、入力パルスの周波数に基づいた回転速度で、また、入力パルスの数に基づいた回転角度で回転する。
ウォームギヤ4は、ステッピングモータ3の出力軸に圧入固定されている。
ただし、これに限定されず、リングギヤ11の外歯自体がウォームホイール5の形状となり直接ウォームギヤ4と噛み合う構成として、バックラッシュの削減や小型化を目指しても良い。
ウォームギヤ4は、ねじ状の歯車であり、ウォームギヤ4と噛み合うウォームホイール5は斜歯歯車である。ウォームギヤ4が回転することによりウォームホイール5の歯を送って回転させる機構となっている。ウォームギヤ4の溝の進み角を小さくすると、ウォームホイール5側からウォームギヤ4側への回転の伝達が困難になる。すなわちウォームホイール5側からウォームギヤ4を回転させることができなくなる。これがセルフロック機構である。このように、ウォームギヤ4は、セルフロック機構を有する。したがって、本実施形態では、ウォームホイール5からウォームギヤ4に回転力を伝達することができない。
ウォームギヤ4のセルフロック機構を構成する上で、ウォームギヤ4の正転・逆転でのスラスト移動を防止し、ウォームギヤ4の進み角が摩擦角より大きくならないようにする。
特に、多条のウォームギヤ4を用いる場合は注意が必要であるが、その方法としてはウォームギヤ4の先端を付勢板バネで付勢しても良い。
MF時、MF操作環25の回転操作(MF操作)がなされると、MF連結ギヤ16、軸部材20および基板21が一体に回転する。
クラッチギヤ17は通常はMF連結ギヤ16と一体で回転し、フリクションギヤ13へ回転力を伝達するが、フリクションギヤ13の回転負荷が所定値以上となると、クラッチギヤ17は静止状態となりMF連結ギヤ16と軸部材20のみが回転する。
そして、フリクションギヤ13の大径ギヤ13bと噛合している平歯ギヤ12が回転し、平歯ギヤ12の回転によりギヤ一体軸部材10が回転する。
キャリアギヤ7と、セグメント環26の内歯26aが噛み合っているため、キャリアギヤ7の回転により、セグメント環26が回転する。
したがって、フォーカスレンズ保持枠23(およびフォーカスレンズ群FL)はセグメント環26の回転により回転しつつ、カム環28のカム溝28aに沿って光軸OA方向に駆動されてMFが行われる。
AF動作時、図示しない制御部からの信号によりステッピングモータ3が駆動する。
ステッピングモータ3の出力軸の回転力は、ウォームギヤ4、ウォームホイール5ギヤ5aおよびリングギヤ11の外側ギヤ11aを介して伝達され、リングギヤ11を回転させ、これに伴って複数の遊星ギヤ8が回転する。
一方、ギヤ一体軸部材10は、フリクションギヤ13と平歯ギヤ12との噛み合いによりロックされている(フリクションギヤ13を回転させるだけのトルクが伝達されない)ので、フリクションギヤ13は回転しない。
キャリアギヤ7と、セグメント環26の内歯26aが噛み合っているため、キャリアギヤ7の回転により、セグメント環26が回転する。
したがって、フォーカスレンズ保持枠23(およびフォーカスレンズ群FL)はセグメント環26の回転により回転しつつ、カム環28のカム溝28aに沿って光軸OA方向に駆動されてAFが行われる。
したがって、フリクションギヤ13は回転しないため、第1動力伝達機構100AやMF操作環25が回転することはない。
(1)本実施形態の動力伝達装置100は、セグメント環26を回転するレンズ駆動部回転機構100Cと、光軸OA周りに回転操作可能なMF操作環25の回転を、レンズ駆動部回転機構100Cに伝達する第1動力伝達機構100Aと、ステッピングモータ3と、ウォームギヤ4を有し、ステッピングモータ3の駆動力をレンズ駆動部回転機構100Cに伝達する第2動力伝達機構100Bと、を備え、第1動力伝達機構100Aまたは第2動力伝達機構100Bのいずれかによって伝達された動力によりレンズ駆動部回転機構100Cが駆動され、セグメント環26を回転する。
このように、本実施形態の動力伝達装置100は、セルフロック機構を有するウォームギヤ4を有するので、ステッピングモータ3を用いた場合であっても、フォーカスレンズ群FLのズーミング時の共回りを防止することができる。
また、ステッピングモータ3を用いてAF動作を行うので、超音波モータを用いる場合と比べてコストを低くできるため安価なレンズ鏡筒200を製造することができ、且つ高
精度でAF動作を行うことができる。
したがって、遊星歯車機構の高い減速機能を用いてステッピングモータ3の出力の低減を実現し、必要トルクを最適化し、小型化を実現することができる。また、第2動力伝達機構100Bのウォームギヤ4、ウォームホイール5による伝達機構の高い減速機能も、ステッピングモータ3の出力低減に効果がある。
したがって、AF操作時に、MF操作環25が回転することを防止することができる。
(7)光学系をステッピングモータ3の専用設計することなく設計自由度を広げることができる。
(8)従来の光学系をそのまま流用することが可能である。
(9)1群繰り出しタイプの光学系においても、自重落下防止用のスイッチ等を別途設ける必要性がなくなり部品点数の削減を実現することができる。
なお、実施形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
Claims (7)
- レンズを保持し、突部を有するレンズ保持枠と、
前記突部と係合するカム溝を有する第1部材と、
前記突部と係合する直進溝を有する第2部材と、
光軸方向に前記レンズを駆動させるための駆動部材を前記光軸周りに回転させる回転機構と、
前記光軸周りに回転操作可能な操作環の回転による動力を、前記回転機構に伝達する第1動力伝達機構と、
ウォームギヤを有し、ステッピングモータによる動力を前記回転機構に伝達する第2動力伝達機構と、を備え、
前記第1動力伝達機構または前記第2動力伝達機構のいずれかによって伝達された動力により前記回転機構が駆動され、前記駆動部材及び前記第2部材が回転し、
前記第2部材の回転によって前記突部は前記カム溝を移動し、前記レンズ保持枠は光軸方向に移動する動力伝達装置。 - 請求項1に記載の動力伝達装置であって、
前記回転機構は、遊星歯車機構を有する動力伝達装置。 - 請求項1または2に記載の動力伝達装置であって、
前記第2動力伝達機構は、前記ウォームギヤを、前記回転機構よりも前記ステッピングモータに近い側に有する動力伝達装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、
前記ウォームギヤは、前記第1動力伝達機構からの動力の前記ステッピングモータへの伝達を阻止する機構を有する動力伝達装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、
前記第1動力伝達機構は、前記第2動力伝達機構からの動力の前記操作環への伝達を阻止する機構を有する動力伝達装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、
前記レンズは、フォーカシング時に駆動されるレンズである動力伝達装置。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の動力伝達装置を備えるレンズ鏡筒。
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