JP2009080432A - レンズ駆動装置、レンズ鏡胴およびカメラ - Google Patents

レンズ駆動装置、レンズ鏡胴およびカメラ Download PDF

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【課題】駆動手段と回転保持部材とのバックラッシュを無くして、撮影者が意図しない操作で回転保持部材に回転を与えることをなくし、もって、ピントずれを発生させないレンズ駆動装置、レンズ鏡胴およびカメラを提供する。
【解決手段】複数のレンズ群と、回転しながら複数のレンズ群を光軸方向に移動させるための回転保持部材4と、回転保持部材4のギヤ44に噛み合うギヤを有していて回転保持部材4を回転駆動するためのギヤ列を備える。回転保持部材4のギヤ44に噛み合うギヤ列のギヤは、駆動ギヤ93と補助ギヤ95を有してなり、駆動ギヤ93と補助ギヤ95は、弾性部材97によって互いに相反する向きに回転付勢されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズ駆動装置、レンズ鏡胴およびカメラに関するもので、特に、レンズ群を駆動するためのギヤ列のバックラッシュによるレンズ位置の不安定さや異音の発生などを防止する独特の構成を提供するものである。
近年、コンパクトカメラに用いられているレンズは、当然のようにズームレンズが用いられており、加えてレンズの小型化が求められ、そのための技術が多数公開されている。ズームレンズの小型化を実現するための構成として、回転筒と、この回転筒に設けられたカム溝を用いて複数のレンズ群を任意の位置に移動させ、各レンズ群の間隔を変化させることで連続変倍すなわちズーミングを行うように構成したものが一般的である。さらに、非撮影時には、各レンズ群の間隔をできるかぎり小さくするように、各レンズ群を保持しかつ径の異なる筒を重ね合わせるようにしてカメラ本体に収納し、レンズ鏡胴の長さを短縮する沈胴タイプのレンズ鏡胴が主流になっている。
ここで、沈胴タイプレンズ鏡胴の従来例について説明する。内径にヘリコイドもしくはカム溝が設けられている固定筒を備え、固定筒は、レンズ駆動装置やCCDなどの撮像素子を保持する鏡胴ベースを保持している。固定筒の内径のヘリコイドもしくはカム溝と係合して回転しながら前後に移動できる回転筒と、この回転筒の内径に嵌合する直進ガイド筒を備えている。直進ガイド筒は、固定筒の内径に設けられた光軸方向に伸びた直進溝と係合することで、回転筒が相対回転しながら回転筒とともに光軸方向へ移動することができる。回転筒の内径には、第1レンズ群枠、第2群レンズ枠を任意の位置に移動させるためのカム溝が設けられ、これらのカム溝には、第1レンズ群枠、第2レンズ群枠に設けられているカムフォロアが係合している。各カムフォロアはまた直進ガイド筒に設けられている光軸方向に伸びた溝に係合している。回転筒が回転すると、第1レンズ群、第2レンズ群は、直進ガイド筒の上記溝に沿って回転することなく、かつ、上記カム溝によって規定される光軸方向の位置に移動することができる。回転筒にはギヤが形成されており、このギヤはDCモータ等を駆動源とするギヤユニットと係合し、回転筒は駆動源によって回転駆動されるようになっている。
上記回転筒は、カメラあるいはレンズ鏡胴の落下時等の衝撃でギヤの歯が破壊されるのを防止するため、ギヤのモジュールを大きくするのが一般的であり、径が大きいので、ギヤの取り付け位置のばらつきや加工精度を考慮して、回転筒のギヤと係合しているギヤモジュールとのバックラッシュを大きくとる必要がある。
ところで、撮影者がカメラを手で保持して被写体に向けて構えたときに、意図することなく回転筒を持ってしまう状況がよくある。このとき回転筒を回転させてしまうと、回転筒のカム溝に倣ってレンズ群が動いてしまう。この動作は、レンズとしてはズーミング動作であるが、カメラシステムとしてはズーミングしたことを認識できないため、ピントずれの要因となる。
また、第1レンズ群、第2レンズ群の位置を安定させるため、それぞれの群のカムフォロアを確実にカム溝に係合させるように、圧縮スプリング等でお互いを相反する方向へ付勢する付勢手段を備えたものがある。この付勢手段を備えたものによれば、第1レンズ群、第2レンズ群を移動させるためのカムの軌跡に倣いレンズ群が互いに離れる方向に回転筒を回転させる場合を想定すると、上記スプリングの力が駆動源となり、カムを介して回転筒を回転させる方向の力が発生する。この動作状態において、回転筒を回転させるギヤの係合を外したとすると、回転筒が前述のバックラッシュ分回転してしまうことになる。この回転筒の回転は、簡単にいうとギヤで回転するのではなく、スプリングの力により回転していることになる。かかる回転筒の回転動作が生じると、回転筒は意図したところで止まることはできず、第1、第2レンズ群の位置が不安定となる。さらに、スプリングの力が強くなると、回転筒の摩擦よりもスプリングによる回転力が勝った瞬間に、回転筒がバックラッシュ分回転し、回転筒のギヤの歯と噛み合っていた駆動ギヤの歯の隣の歯に衝撃力を持ってぶつかることになり、異音を発生させる。加えて、一番前のレンズ群が急激に移動することで、レンズ群が跳んだように見えてしまい、外観的にも良くない。
このように、駆動ギヤと回転筒相互間に生じるバックラッシュは、様々な問題を発生させるため、極力少なくすることが望まれる。そこで、バックラッシュを無くすための構成として、回転筒のギヤと噛みあっているギヤを2枚にし、2枚のギヤの位相を変え、かつ、2枚のギヤ相互間にフリクションを与えることでバックラッシュをなくす構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−127011号公報
しかし、特許文献1に記載されているバックラッシュをなくす構造によれば、回転筒が回転しながら光軸方向に移動するような機構には採用することができない。回転筒が光軸方向に移動すると、回転筒のギヤが、フリクションを与えられているギヤからはずれてしまうからである。
本発明は、これら従来技術の問題点を鑑みて、バックラッシュを抑えた沈胴型のレンズ駆動装置、レンズ鏡胴およびカメラを提供することを目的とする。より具体的な本発明の目的は以下のとおりである。
本発明は、駆動手段と回転保持部材とのバックラッシュを無くすことにより、撮影者が意図しない操作で回転保持部材に回転を与えることをなくし、これによって、ピントずれを発生させないことを目的とする。
本発明はまた、レンズ群同士をスプリングで付勢し、カム面に係合させているようなレンズ鏡胴において、スプリングによる回転保持部材への回転力で、回転保持部材と駆動手段とのバックラッシュ分回転保持部材が動いてしまうことを防ぎ、ズーミング中のレンズ鏡胴の跳び、およびギヤ歯の叩き音による異音を防ぐことを目的としている。
本発明の他の目的は、駆動手段と回転保持部材が係合しているギヤの歯面の方向とは反対の方向へ第1補助ギヤが回転筒のギヤの歯面に付勢されていることで回転保持部材が駆動手段と回転保持部材との間のバックラッシュを無くす方向へ回転することを防ぐことである。
本発明のさらに他の目的は、回転保持部材が光軸方向へ移動している範囲すべてで第1補助ギヤと係合することで、範囲により第1補助ギヤとが係合しているか否かを考慮する必要がなく、安定した作動を達成することにある。
本発明のさらに他の目的は、回転保持部材が、駆動手段と回転保持部材との間のバックラッシュを無くす方向へ回転することを防ぐことにある。
また、回転保持部材が光軸方向へ移動する範囲すべてで第1補助ギヤと係合することで、第1補助ギヤと回転保持部材のギヤとが係合しているか否かを考慮する必要がなく、安定した作動を達成することにある。
本発明のさらに他の目的は、回転保持部材に対する第1補助ギヤと回転保持部材のギヤの付勢力を安定して確保でき、レンズ駆動装置の安定した動作を確保することにある。
本発明は、ズームレンズ鏡胴内の弾性部材が発生させる回転力により、駆動手段とのバックラッシュ分回転保持部材が回転してしまうことを防ぎ、バックラッシュ分回転保持部材が回転することによるレンズ鏡胴の作動跳び、および係合する駆動手段同士の叩き音による異音を防ぐことができるレンズ鏡胴を提供することを目的とする。
本発明は、バックラッシュによる回転保持部材の意図しない回転でレンズ位置がずれ、ピントずれが発生することを防ぎ、レンズ鏡胴内の弾性部材による作動異常、作動異音を防ぎ、もって、ピントずれのないカメラ、作動が安定しているカメラを提供することを目的とする。
本発明は、複数のレンズ群と、回転しながら上記複数のレンズ群を光軸方向に移動させるための回転保持部材と、この回転保持部材のギヤに噛み合うギヤを有していて回転保持部材を回転駆動するためのギヤ列を備えたレンズ駆動装置であって、上記ギヤ列のギヤは、上記回転保持部材のギヤに噛み合う駆動ギヤおよび補助ギヤと、上記駆動ギヤおよび補助ギヤ相互に噛み合うアイドルギヤからなり、上記補助ギヤは、上記回転保持部材のギヤに常時噛み合う第1補助ギヤと、この第1補助ギヤの端面に対向させて相対回転可能に配置された第2補助ギヤを有し、上記第1補助ギヤと第2補助ギヤの間に、第1補助ギヤと上記駆動ギヤを互いに相反する向きに回転付勢する弾性部材が介在していることを特徴とする。
本発明はまた、複数のレンズ群と、回転しながら上記複数のレンズ群を光軸方向に移動させるための回転保持部材と、この回転保持部材のギヤに噛み合うギヤを有していて回転保持部材を回転駆動するためのギヤ列を備えたレンズ駆動装置であって、上記回転保持部材のギヤに噛み合う上記ギヤ列のギヤは、駆動ギヤと補助ギヤからなり、上記駆動ギヤと補助ギヤは、弾性部材によって互いに相反する向きに回転付勢されていることを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、回転保持部材のギヤに噛み合うギヤ列のギヤを、駆動ギヤと補助ギヤとし、上記駆動ギヤと補助ギヤは、弾性部材によって互いに相反する向きに回転付勢することで、バックラッシュをなくし安定したレンズ位置を確保することができる。
また、回転保持部材のギヤに噛み合うギヤを有していて回転保持部材を回転駆動するためのギヤ列を備えたレンズ駆動装置において、上記ギヤ列のギヤは、上記回転保持部材のギヤに噛み合う駆動ギヤおよび補助ギヤと、上記駆動ギヤおよび補助ギヤ相互に噛み合うアイドルギヤで構成し、上記補助ギヤは、上記回転保持部材のギヤに常時噛み合う第1補助ギヤと、この第1補助ギヤの端面に対向させて相対回転可能に配置された第2補助ギヤを有し、上記第1補助ギヤと第2補助ギヤの間に、第1補助ギヤと上記駆動ギヤを互いに相反する向きに回転付勢する弾性部材が介在していることにより、上記弾性部材による付勢力を大きくすることなく、安定した付勢力をギヤに与えることができる。
本発明にかかるレンズ鏡胴およびカメラによれば、レンズ鏡胴内の付勢部材が発生させる回転力により、駆動手段とのバックラッシュ分回転保持部材が回転してしまうことを防ぎ、バックラッシュ分回転保持部材が回転することによるレンズ鏡胴の作動跳び、および係合する駆動手段同士の叩き音による異音を防ぐことができる。
以下、本発明にかかるレンズ駆動装置、レンズ鏡胴およびカメラの実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は、ズームレンズ鏡胴の実施例を示す断面図で、カメラ本体への収納状態すなわち沈胴状態を示している。図2は、上記実施例のレンズ鏡胴がカメラ本体から繰り出された撮影状態(ワイド/テレ)を示している。レンズ系は複数のレンズ群で構成され、負の屈折率をもった第1レンズ群11、正の屈折率をもった第2レンズ群12、正の屈折率をもった第3レンズ群13からなり、第1レンズ群11、第2レンズ群12の光軸方向の位置を変化させることで焦点距離の連続変倍すなわちズーミングを行う。第1レンズ群11はレンズ保持枠15を介して第1レンズ枠6で、第2レンズ群12は第2レンズ枠7、第3レンズ群は第3レンズ枠14でそれぞれ保持されている。第2レンズ枠7は、第2レンズ群12の前側(被写体側)においてシャッタ74を保持している。第3レンズ群13は主に合焦のためのレンズで、レンズ鏡胴がカメラ本体に収納されているときは他のレンズ群の移動通路外に退避し、撮影するときは図2、図3に示すように他のレンズ群の光軸上に進出する。この第3レンズ群13の移動機構は本発明と関係がないので、詳細な説明は省略する。
図4はレンズ鏡胴の主要構成部品の分解斜視図である。図1ないし図4において、固定筒2の内周側には回転筒4が嵌められ、回転筒4の内周側には直進ガイド筒5が嵌められ、直進ガイド筒5の内周側には、第1レンズ枠6と、この第1レンズ枠6の後方(像面側)に第2レンズ枠7が嵌められている。回転筒4の後端部外周には雄ヘリコイド41が複数個所に形成されるとともに、雄ヘリコイド41間にギヤ44が周方向に形成されている。雄ヘリコイド41は固定筒2の内周に形成されている雌ヘリコイド22と噛み合っている。第1レンズ枠6、第2レンズ枠7は、それぞれ回転筒4の内周壁に形成されているカム溝と係合するカムフォロア61,71を備えている。図4では上記カム溝の一つを符号42で示している。各カムフォロワ61,71は、直進ガイド筒5に形成されている光軸方向に延びた直進溝54,55を貫通し、かつ、上記のように回転筒4のカム溝に係合し、この状態で第1、第2レンズ枠6,7が直進ガイド筒5の内周側に組み込まれている。
直進ガイド筒5は、その先端部に半径方向外側に突出して形成された回転キー部51を持ち、この回転キー部51は、回転筒4の前端部内周に円周方向に形成されているキー溝43に嵌合している。これにより、回転筒4と直進ガイド筒5は中心軸線周り(光軸周り)に相対回転が可能で、中心軸線方向には一体に移動することができる。回転筒4は固定筒2とカム係合しており、光軸の周りに回転することで光軸方向に移動可能となっている。また、直進ガイド筒5の後端部には直進キー部52が半径方向外側に向かって複数形成されていて、これらの直進キー部52は固定筒2の内周面に形成されている直進キー溝21と嵌合している。したがって、直進ガイド筒5は、固定筒2の直進キー溝21に規制され、回転することなく回転筒4と一体的に光軸方向に移動することができるように構成されている。
以上のように構成されることにより、回転筒4が光軸の周りに回転すると、固定筒2の雌ヘリコイド22と回転筒4の雄ヘリコイド41との噛み合いによって回転筒4は光軸方向に移動することができる。回転筒4とともに直進ガイド筒5も光軸方向に移動するが、直進ガイド筒5は既に述べたとおり光軸周りの回転が規制され、光軸方向に直進するのみである。回転筒4は上記のように回転するのに対し、直進ガイド筒5は光軸周りに回転するため、直進ガイド筒5の直進溝54,55と回転筒4の各カム溝との交差位置が光軸方向に移動する。この各交差位置には第1レンズ枠6のカムフォロワ61、第2レンズ枠7のカムフォロワ71がそれぞれ係合しているため、回転筒4の回転により、第1レンズ群11、第2レンズ群12は、それぞれ上記カム溝の曲線に対応した位置に移動し、撮影可能位置に移動できるとともに、撮影可能な位置において連続的な焦点距離の可変すなわち変倍することが可能である。
なお、回転筒4は、回転しながら複数のレンズ群を保持して光軸方向に移動させることができる回転保持部材として機能すればよく、図示の例のように1個だけで構成することも可能であり、駆動するレンズ群の数に対応して複数設けてもよい。
図5は、各レンズ群を収納状態から、撮影可能な広角端を経て望遠端まで変化させたときの各レンズ群の位置を示したグラフであって、回転筒4の回転角度に対し、像面すなわちCCD3の受光面を基準位置とした各レンズ群の位置を示している。この実施例では、各レンズ群を繰り出して撮影可能なレンズ位置に最初に達するのが広角(ワイド)端であって、このときの動作態様を図2に示す。回転筒4を終端まで回転させたときの各群のレンズ位置は望遠端であって、このときの動作態様を図3に示す。図6は、回転筒4の内径側に設けられている各レンズ群を移動させるためのカム溝の線図(軌跡)を示す。この線図からもわかるように、第1、第2レンズ群は収納状態において接近し、撮影可能な広角端において最も遠くに離間し(図2参照)、望遠端ではカメラ本体から離れた位置で再び接近する(図3参照)。
図1ないし図3に示すように、第1レンズ枠6と第2レンズ枠7の間には、付勢手段としての圧縮スプリング8がレンズ系の光路外において介在している。圧縮スプリング8は、複数のコイルスプリングで構成してもよいし、光路の外方に沿って螺旋状に巻かれたコイルスプリングであってもよい。圧縮スプリング8の付勢力により、各レンズ枠6,7のカムフォロア61,71が常に回転筒4の対応するカム溝のカム面への当接状態を維持することができ、回転筒4に対する第1レンズ群11と第2レンズ群12の倒れを防止して所定の姿勢を安定して維持することができる。
既に述べたように、固定筒2の内径部には雌ヘリコイド22が形成されており、回転筒4の後端部外周に形成された雄ヘリコイド41と噛み合い、回転筒4が回転することで回転筒4が光軸方向に移動することができる。固定筒2の雌ヘリコイド22は、最先端部で一部の雌ヘリコイドが光軸方向に対し垂直な面で回転筒4の一部の雄ヘリコイド41と嵌合する周溝23を持ち、回転筒4が最先端部まで繰り出しさらに回転すると、上記一部の雄ヘリコイド41が上記周溝23に沿って移動し、回転筒4は、光軸方向には移動せず光軸の周りに回転することのみが可能となる。図示の実施例にかかるレンズ鏡胴は、固定筒2に対する回転筒4の回転駆動のみが可能な空転領域において、撮影可能な焦点距離が短いワイドから焦点距離が長いテレの状態を設定しており、回転筒4が回転するとワイドとテレとの間で連続的に1群と2群のレンズを移動させることができるようになっている。
回転筒4は、そのギヤ44にモータを駆動源とする回転力が伝達されることによって回転駆動される。図7ないし図9は、上記実施例における回転筒4の駆動機構の例を示しており、一部のギヤ列については詳細なギヤ歯の形状の描写を簡略化している。DCモータ9の出力軸にはウォーム91が設けられていて、ウォーム91は減速ギヤ列92の初段にあるウォームホイルに噛み合っている。減速ギヤ列92の最終段のギヤは駆動ギヤ93に噛み合い、駆動ギヤ93は回転筒4の前記ギヤ44に噛み合っている。駆動ギヤ93はさらにアイドルギヤ94に噛み合い、アイドルギヤ94は第2補助ギヤ95に噛み合っている。第2補助ギヤ95の軸と軸を共通にして、かつ、第2補助ギヤ95と同径で、横断面に現れる歯形が同形の第1補助ギヤ96が配置され、第1補助ギヤ96は回転筒4の上記ギヤ44に噛み合っている。第1補助ギヤ96と第2補助ギヤ95の対向面相互間には反発コイルばねからなる弾性部材97が介在し、第1補助ギヤ96と第2補助ギヤ95を互いに反対向きに回転付勢している。
モータ9の回転力は、上記各ギヤ列およびその間の弾性部材97を介して回転筒4のギヤ44に伝達され、回転筒4が光軸周りに回転駆動される。回転筒4の回転により、各レンズ群をカメラ本体への収納位置からワイド位置を経てテレ位置まで光軸方向に移動させ、また、逆向きに回転させることにより、各レンズ群をカメラ本体への収納位置に移動させることができる。既に述べたとおり、回転筒4は回転駆動されることにより光軸方向に移動するが、回転筒4が光軸方向に移動してもそのギヤ44と駆動ギヤ93、第1補助ギヤ96との噛み合いが外れないように、駆動ギヤ93、第1補助ギヤ96は光軸方向に長くなっている。
図9は、駆動ギヤ93、アイドルギヤ94、第1、第2補助ギヤ96,97の部分をそれらの軸方向から見た拡大図である。このようなギヤ列においては、通常、組み付けのばらつきや部品のばらつきなどの誤差によるギヤ歯の干渉を避けるため、かみ合うギヤ歯の間にはバックラッシュ(隙間)を設ける。駆動ギヤ93と回転筒4のギヤ44との間にもバックラッシュは存在する。図9に示す状態は、駆動ギヤ93が図9において時計回りに回転して止まった状態であり、ギヤ93の歯の左側が回転筒4のギヤ44の歯の右側に係合している。しかし、補助ギヤ96,97が無い状態では、回転筒4は反時計回りに負荷を受けるとバックラッシュ分だけ回転してしまうことがわかる。このバックラッシュによる回転は意図しない回転であり、回転筒4が動くことにより回転筒4のカム位置が変化し、レンズ群が移動してしまう。これにより、ズーミングした直後の各群のレンズ位置が変わりピントずれ等の不具合を起こす。
図示の実施例では、上記の問題点を解決するために、駆動ギヤ93と噛み合うアイドルギヤ94を介して回転力を伝達する第2補助ギヤ95を設け、第2補助ギヤ95と同軸上に、回転筒4のギヤ44とかみ合う第1補助ギヤ96を設けている。そして、第1補助ギヤ96と第2補助ギヤ95の間には、図8(b)の詳細図にあるように、トーションスプリングからなる弾性部材97を介在させ、この弾性部材97により第1補助ギヤ96と第2補助ギヤ95を互いに相反する方向へ回転付勢している。この付勢方向は、駆動ギヤ93と回転筒4のギヤ44のバックラッシュ方向へ回転筒44が回転しない方向となっている。具体的には、図9において、第1補助ギヤ96は、回転筒4が反時計回りに回転しないように、反時計周りに回転付勢されている。これにより、回転筒4を反時計回りに回転させようとしても、第1補助ギヤ96の回転付勢力により回転筒4は時計回りに戻され、駆動ギヤ93と係合していたギヤ44の歯に押付けられる。これにより回転筒4はバックラッシュによる回転ずれを起こすことが防止される。
一方、弾性部材97により図9において時計回りに付勢されている第2補助ギヤ95はアイドルギヤ94を反時計回りに回転付勢する。この回転付勢力により、駆動ギヤ93は時計周りに回転付勢されるが、この状態では、すべてのギヤがバックラッシュのない方向へ付勢されて相互のギヤ歯が係合しているため、駆動ギヤ93は動くことはない。また、各レンズ群を繰り出すために、駆動ギヤ93が時計周りに回転駆動されて回転筒4が反時計回りに回転駆動されると、回転筒4の回転力により第1補助ギヤ96が回転させられることになり、付勢部材97の付勢力が、回転筒4、第1、第2補助ギヤ96,95の回転に対する抵抗になることは無く、これらの回転部材はスムーズにかつ軽快に作動する。
図7ないし図10に示す例では、回転筒4を回転駆動するギヤ列は、駆動ギヤ93とアイドルギヤ94、第1、第2補助ギヤ95,96の4個で構成されているが、4個に限定されるものではなく、駆動ギヤ93とアイドルギヤ94を含めて偶数個で構成することができ、こうすることによって、駆動ギヤ93と第1補助ギヤ95を互いに逆向きに回転付勢することができる。
図10は、各レンズ群を繰り出した状態を示す。各レンズ群の収納状態から撮影状態まで、第1補助ギヤ96が回転筒4のギヤ44と常に係合しており、第2補助ギヤ95は回転筒4のギヤ44と係合していないため、ギヤ歯の位相ズレによる干渉等がなく安定した作動を確保することができる。
図示の実施例では、図1ないし図3につき先に説明したように、レンズ系は、負の屈折率をもった第1レンズ群11、正の屈折率をもった第2レンズ群12、正の屈折率をもった第3レンズ群13によって構成され、第1、第2レンズ群11,12の光軸方向の位置を変化させることで変倍を行うように構成されている。第3レンズ群13は主に合焦のためのフォーカスレンズである。これらのレンズ群の作動軌跡は、図5に示すように、ワイド端で第1レンズ群11と第2レンズ群12との距離が最も大きく離れ、テレ端で最も近接する。第1レンズ群11はワイド端から一旦像面側に移動し、途中で変極点がありテレにむかって物体側に移動する軌跡を取る。第2レンズ群12はワイド端からテレ端に向かって物体側に移動する。図6は回転筒4の内径に設けられた第1レンズ群と第2レンズ群を移動させるためのカムの軌跡を示す。第1レンズ群11と第2レンズ群12は、先に説明したように、スプリングからなる弾性部材97によりお互いが離れる方向に付勢されており、これによりカム面にカムフォロアが確実に係合することで安定した位置を確保している。
図11は、テレから収納方向に移動するときの回転筒に必要な回転トルクのグラフである。横軸は回転筒4の回転角度、縦軸が回転トルクである。ワイド端から収納へ移動する場合は、弾性部材97の弾性力に反して移動するため、回転筒4の回転トルクは常にプラスのトルクが必要であるが、テレ端から収納方向へ移動する場合、第1レンズ群を移動させるためのカムの変極点(図6の上の曲線参照)からはワイド方向で回転トルクがマイナスとなる。これは、回転筒4の摩擦等の負荷よりも弾性部材97による回転トルクが大きくなってしまうためであり、回転方向(テレから収納方向)へのトルクはマイナスとなっている。回転トルクがマイナスということは、駆動ギヤ93の回転より先に回転筒4が回転してしまう可能性があり、回転筒4の摩擦より弾性部材97の弾力による回転トルクが大きくなった瞬間に、駆動ギヤ93から回転筒4のギヤ44の係合が外れ、回転筒4の回転スピードが瞬間的に上がってしまう。これにより、特に第1レンズ群11は瞬間的に前方へ跳んだような作動を見せる。また、駆動ギヤ93の歯は回転筒4のギヤ44の歯との係合が外れ、隣のギヤ44の歯に係合することになり、このときギヤの歯同士の叩き音が発生し異音となる。かかる問題は、前述のとおり、本発明が解決しようとする未解決の課題である。
本発明の実施例によれば、上記のような回転トルクがマイナスになりギヤの歯同士の係合が外れるような状況でも、回転筒4のギヤ44に駆動ギヤ93と第1補助ギヤ96を噛み合わせ、これら駆動ギヤ93と第1補助ギヤ96をアイドルギヤ94と第2補助ギヤ95で連結するとともに、第1補助ギヤ96と第2補助ギヤ95を互いに逆回転する向きに付勢することによりバックラッシュをなくしているので、上記の不具合を起こすことがない。
以上のとおり、本発明のレンズ駆動装置の実施例によれば、駆動ギヤ93、アイドルギヤ94、第1補助ギヤ95、第2補助ギヤ96、弾性部材97を設けることにより、回転筒4のギヤ44との噛み合いにおいてバックラッシュを無くすことができ、安定したレンズ群位置を確保し、また、カム軌跡によりレンズ群の作動跳びや異音を無くすことができる。
本発明にかかるレンズ鏡胴の実施例であって沈胴状態を示す縦断面図である。 上記実施例の広角端に移動した状態を示す縦断面図である。 上記実施例の望遠端に移動した状態を示す縦断面図である。 上記実施例の分解斜視図である。 上記実施例において、各レンズ群を収納状態から撮影可能な広角端を経て望遠端まで変化させたときの各レンズ群の位置を示したグラフである。 上記実施例において、回転保持部材の内径側に設けられている各レンズ群を移動させるためのカム溝の軌跡を示すグラフである。 上記実施例における回転保持部材の駆動機構の例を示す斜視図である。 上記回転保持部材の駆動機構を示すもので、(a)はその平面図、(b)はその主要部の拡大平面図である。 上記回転保持部材の駆動機構の主要部を示す正面図である。 上記回転保持部材の駆動機構の別の作動態様を示す平面図である。 上記実施例において望遠端からレンズ収納方向に移動するとき回転保持部材の駆動に必要な回転トルクを示すグラフである。
符号の説明
1 ベース
2 固定筒
3 CCD
4 回転保持部材としての回転筒
5 直進ガイド筒
6 第1レンズ枠
7 第2レンズ枠
8 付勢手段
9 モータ
11 第1レンズ群
12 第2レンズ群
13 第3レンズ群
15 レンズ保持枠
21 直進キー溝
22 雌ヘリコイド
41 雄ヘリコイド
42 カム溝
43 周溝
44 ギヤ
51 回転キー部
52 直進キー部
54 直進溝
55 直進溝
61 カムフォロワ
71 カムフォロワ
74 シャッタ
91 ウォーム
92 ギヤ列
93 駆動ギヤ
94 アイドルギヤ
95 第2補助ギヤ
96 第1補助ギヤ
97 弾性部材

Claims (8)

  1. 複数のレンズ群と、回転しながら上記複数のレンズ群を光軸方向に移動させるための回転保持部材と、この回転保持部材のギヤに噛み合うギヤを有していて回転保持部材を回転駆動するためのギヤ列を備えたレンズ駆動装置であって、
    上記ギヤ列のギヤは、上記回転保持部材のギヤに噛み合う駆動ギヤおよび補助ギヤと、上記駆動ギヤおよび補助ギヤ相互に噛み合うアイドルギヤからなり、
    上記補助ギヤは、上記回転保持部材のギヤに常時噛み合う第1補助ギヤと、この第1補助ギヤの端面に対向させて相対回転可能に配置された第2補助ギヤを有し、
    上記第1補助ギヤと第2補助ギヤの間に、第1補助ギヤと上記駆動ギヤを互いに相反する向きに回転付勢する弾性部材が介在していることを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 第2補助ギヤは、アイドルギヤと噛み合うとともに回転保持部材のギヤから外れている請求項1記載のレンズ駆動装置。
  3. ギヤ列を構成するギヤは、駆動ギヤとアイドルギヤを含めて偶数個により構成されている請求項1または2記載のレンズ駆動装置。
  4. 第1補助ギヤと第2補助ギヤは同じ歯形である請求項1記載のレンズ駆動装置。
  5. 複数のレンズ群と、回転しながら上記複数のレンズ群を光軸方向に移動させるための回転保持部材と、この回転保持部材のギヤに噛み合うギヤを有していて回転保持部材を回転駆動するためのギヤ列を備えたレンズ駆動装置であって、
    上記回転保持部材のギヤに噛み合う上記ギヤ列のギヤは、駆動ギヤと補助ギヤからなり、
    上記駆動ギヤと補助ギヤは、弾性部材によって互いに相反する向きに回転付勢されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
  6. 負の焦点距離をもつ第1レンズ群、正の焦点距離をもつ第2レンズ群、正の焦点距離をもつ第3レンズ群を備え、
    これらレンズ群は短焦点端から長焦点端まで移動することができ、
    短焦点端において第1レンズ群と第2レンズ群の距離が最大となり、
    長焦点端で第1レンズ群と第2レンズ群の距離が最小となり、
    第1レンズ群は、短焦点端から長焦点端へ移動するときに、当初像面側に移動し、途中で物体側に移動する変極点をもつズームレンズ鏡胴において、
    第1レンズ群と第2レンズ群は、回転保持部材に設けられているカムにより光軸方向に駆動されるように構成されるとともに、付勢手段によりカム面に向かって付勢されており、
    上記回転保持部材は、請求項1ないし5のいずれかに記載のレンズ駆動装置によって回転駆動されることを特徴とするレンズ鏡胴。
  7. 付勢手段は、第1レンズ群と第2レンズ群を互いに引き離す向きに付勢している請求項6記載のレンズ鏡胴。
  8. 負の焦点距離をもつ第1レンズ群、正の焦点距離をもつ第2レンズ群、正の焦点距離をもつ第3レンズ群を備え、
    これらレンズ群は短焦点端から長焦点端まで移動することができ、
    短焦点端において第1レンズ群と第2レンズ群の距離が最大となり、
    長焦点端で第1レンズ群と第2レンズ群の距離が最小となり、
    第1レンズ群は、短焦点端から長焦点端へ移動するときに、当初像面側に移動し、途中で物体側に移動するズームレンズ鏡胴を備えたカメラにおいて、
    上記ズームレンズ鏡胴は請求項7記載のズームレンズ鏡胴であることを特徴とするカメラ。
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